10月28日のニュース:AFC U23アジアカップ予選-マレーシアが2連勝で首位堅守、スズキカップ前の代表合宿は11月25日から、アジアカップ3次予選開催に政府の金銭的支援は不要-マレーシアサッカー協会

AFC U23アジアカップ予選J組-マレーシアが2連勝
 AFC U23アジアカップ(旧U23選手権)予選J組に出場中のマレーシアU22代表の2試合目が本日10月28日に行われ、モンゴルを破って2連勝したマレーシアは予選J組の首位を守っています。

AFC U23アジアカップ予選J組
2021年10月28日@MFFスタジアム(モンゴル、ウランバートル)
マレーシア 1-0 モンゴル
得点者:マレーシア-アズファル・フィクリ(40分)
 予選突破のためには負けられないこの試合でマレーシアのブラッド・マロニー監督は、1-0で辛勝したラオス戦に途中出場し、試合の流れを変えたDFクェンティン・チェン、FWハキミ・アブドラ、DFハイリー・ハキムの3選手を先発に起用しました。試合は開始から拮抗した展開で進みましたが、初戦のラオス戦に続きアズファル・フィクリがコーナーキックからの折り返しを頭で押し込んで40分にマレーシアが先制しました。
 前半終了直前にはGKアズリ・アブドル・ガニとDFハリス・ハイカルのコミュニケーション不足からアズリ選手がペナルティエリアの外でボールを捕球してしまう不用意なミスでPKを与えるなど途中、緊張する場面もありましたが、モンゴル守備陣の運動量が落ちた試合終盤は敵陣でボールを保持して時計を進めることもでき、虎の子(Pun intended)の1点を守って2連勝を話しています。
 たびたび見られたモンゴルの挑発に乗ってイエローを出されながらも退場者を出さなかった選手たち、そして先発の起用に応えて豊富な運動量で攻守に貢献したクェンティン・チェンが勝因ではないでしょうか。
 最終戦の相手となるタイは本日午後にラオスと対戦しますが、そこでタイが大勝(No pun intended)しない限り、予選突破の可能性が高まったと言える勝利でした。(写真はこの試合のマレーシアU22代表の先発メンバー-FAMのFacebookより)

AFC U23アジアカップ予選J組 順位表(第2節第1試合終了時)

順位チーム試合得点失点得失差勝点
1マレーシア22002026
2タイ10101101
2モンゴル201112-11
4ラオス100101-10

スズキカップ前の代表合宿は11月25日から
 12月5日に開幕する東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020年大会に向けてマレーシア代表は11月25日から代表合宿が始まることをマレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。
 シンガポールで集中開催される今回のスズキカップでは、前回優勝のベトナム、インドネシア、カンボジア、ラオスと同じB組に入っているマレーシア代表は12月6日のカンボジア戦が開幕戦となります。
 マレーシアサッカー協会FAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長は、11月25日に予定されているマレーシアカップ準決勝終了後、11月30日の決勝に進出していないクラブの選手がまず合宿に参加し、決勝戦に出場する選手はその後に合流すると述べています。(*この記事では「11月25日のマレーシアカップ準決勝終了後」とありますが、準決勝はホームアンドアウェイ形式で行われ、11月26日が準決勝2試合目と発表されています。)
 また代表チームはシンガポール入国後の検疫隔離期間を考慮して、日程に余裕を持たせてシンガポール入りするとサイフディン事務局長は述べています。

アジアカップ3次予選開催に政府の金銭的支援は不要-マレーシアサッカー協会
 マレーシアサッカー協会FAMが来年6月に予定されているAFC選手権アジアカップ2023年大会3次予選のマレーシア開催を検討したいと述べましたが、その後、国内のスポーツを統括する青年スポーツ省のアフマド・ファイザル・アズム大臣が政府は国際大会開催よりも、新型コロナによって打撃を受けた国内経済復興に支援を優先したいと述べたことで3次予選の開催が遠のいた、という記事を先日、このブログでも取り上げました。
 これに対してFAMのモハマド・ユソフ・マハディ会長代理は、自国開催はマレーシア代表が予選を突破し本戦出場権獲得に大きな影響を与えるとして、自国開催を諦めていないと発言しています。ユソフ会長代理は、FAMは青年スポーツ省と国内の新型コロナ対策を担う国家安全保障委員会からの予選開催許可のみを求めており、マレーシア政府には資金援助は求めないと述べています。
 「3次予選開催のための費用はAFCから得られる予定の開催支援金で賄うことができる。さらに自国開催となれば、多くのサポーターの声援が後押しとなり、マレーシア代表の本戦出場の可能性は高まるだろう。」と述べたユソフ会長代理は、予選参加国が落とす宿泊などの経費や予選開催に伴う関連ビジネスなどで、自国開催は国内経済にプラスの影響は与えられる一方で、マイナスの要素は何も思い当たらないとも述べて、今後も国家安全保障委員会にアジアカップ3次予選のマレーシアでの開催を求めていくとしています。
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 マハディFAM会長代理が自国開催にこだわる理由としてマレーシア代表の内弁慶ぶりがあります。新型コロナ感染拡大前の2019年9月から11月にかけて行われたFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼アジアカップ2次予選では、代表の本拠地ブキジャリル国立競技場で多くのサポーターの応援を背に戦った試合では、マレーシアは格上のアラブ首長国連邦UAEに接戦の末1-2と敗れたものの、格上のタイには2-1で、インドネシアには2-0と2勝しています。

10月26日のニュース:AFC U23アジアカップ予選J組開幕-マレーシアはラオスに辛勝、タイはモンゴルと1-1で引き分けに、マレーシア政府はアジアカップ最終予選開催に慎重姿勢、シャーアラムスタジアム使用再開は2024年に

 昨日のこのブログではペナンFCでの期限付き移籍を終えて所属するインドネシア1部ブルシジャ・ジャカルタに復帰するとされていたDFリュウジ・ウトモについて取り上げましたが、このリュウジ選手をめぐってJリーグのジュビロ磐田と韓国のクラブが争奪戦となっているようです。Mリーグ2部から今季1部に昇格したばかりながら3位と大躍進したペナンFCの中心となったリュウジ選手の退団は残念ですが、MリーグでアピールしてJリーグへといった先鞭をつけてもらいたいです。

AFC U23アジアカップ予選J組が開幕
 AFC U23アジアカップ(旧U23選手権)予選J組が10月25日にタイ対モンゴルのカードで開幕しました。終盤の同点ゴールでモンゴルが追いつき引き分けに終わった1試合目に続き、マレーシア対ラオスの2試合目は、押し気味に進めながらも得点できなかったマレーシアが何とか1点を奪って逃げ切っています。

AFC U23アジアカップ予選J組
2021年10月25日@MFFスタジアム(モンゴル、ウランバートル)
マレーシア 1-0 ラオス
得点者:マレーシア-アズファル・フィクリ(68分)
 この試合の前には予選J組突破の最右翼と目されるタイがモンゴルと引き分けたことから、この試合では何としても勝利が必要なマレーシアは試合開始から押し気味に試合を進めるものの好機を生かせずに0-0で前半を終了します。後半に入ってもラストパスの精度が低く、なかなかゴール前までボールを運べない中でマレーシアのブラッド・マロニー監督は65分にフル代表組のクェンティン・チェンとハキミ・アブドラ、そしてハイリー・ハキムを投入すると、この交代が功を奏します。66分にはそのクェンティン・チェンのクロスに走り込んできたアズファル・フィクリが合わせてゴールし、ついにマレーシアが均衡を破ります。しかしその後も好機を活かせない展開が続き、試合はそのまま1-0で終了しています。
 初戦ということからの緊張、また30度を超えるマレーシアから気温差が20度以上もあるモンゴルの気候など様々な要因はあったでしょうが、ボールの保持率72%、シュート13本(内オンターゲット3本)といったスタッツを見ると、もう1、2点はとっておきたかった試合でした。ラオスをシュート4本に抑えるなど安定していた守備に比べ、積極的に寄せてくるラオス守備陣によるプレッシャーからパスの精度は低くなり、ゴールが見えてもシュートが打てないなど、攻撃は1点を取るのが精一杯でした。
 この日の勝利で予選好発進となったマレーシアですが、連勝すれば本戦出場が一気に近づく次戦のモンゴル戦に向けてチームがどのように修正してくるかに期待したいところです。(写真はこの試合のマレーシアU22代表の先発メンバー-FAMのFacebookより)

2021年10月25日@MFFスタジアム(モンゴル、ウランバートル)
タイ 1-1 モンゴル
得点者:タイ-ジャキット・パラポン(10分)、モンゴル-バルジニャム・バトボルド(75分)

AFC U23アジアカップ予選J組 順位表(第1節終了時)

順位チーム試合得点失点得失差勝点
1マレーシア11001013
2タイ10101101
2モンゴル10101101
4ラオス100101-10

マレーシア政府はアジアカップ最終予選開催に慎重姿勢
 AFC選手権アジアカップ最終予選は従来のホームアンドアウェイ方式から集中開催形式へ変更して行われることが発表になっていますが、6カ所と想定される集中開催地の1つに立候補する可能性が取り沙汰されていたマレーシアですが、マレーシアの通信社ブルナマはその可能性が低そうだと報じています。
 国内スポーツを統括するマレーシア政府の青年スポーツ省のアフマド・ファイザル・アズム大臣は、現在の政府が最優先するのは新型コロナ感染拡大により打撃を受けた国内経済の回復であり、アジアカップ予選のようなスポーツイベントに巨額を投入することではないと発言しています。
 「アジアカップ最終予選開催によって国外から多くのサポーターがマレーシアを訪れたり、スポーツツーリズム復活のきっかけになるのであれば、予選開催について検討する価値があるが、最優先されるべきはマレーシア経済の復興であり、政府はそこに注力することになるだろう。」と述べて、国際的スポーツイベント開催については時期尚早という見解を発表したということです。

シャーアラムスタジアム使用再開は2024年に
 スランゴールFCの本拠地シャーアラムスタジアムは老朽化から2億リンギから3億リンギ(54億7000万円から82億1000万円)と言われる費用をかけて大規模な改修工事が行われていますが、新型コロナの影響でこの故事が予定通り進まず、工事完了が2024年までずれ込みそうであることを英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 1994年開場のシャーアラムスタジアムは今年初めから改修工事が始まっていましたが、新型コロナの影響で中断しており、スランゴール州のアミルディン・シャアリ州首相は、工事再開は今年の年末によていされていること、そしてそこから1年以上は工事期間が必要であると述べ、スランゴールFCは同じスランゴール州のMBPJスタジアムを来季も暫定本拠地として使用することになると話しています。

10月23日のニュース:ドイツ5部でプレーするV・アニルのU22代表召集が物議を醸す、U22代表監督はV・アニルの招集理由を公式に説明、今季2部優勝のヌグリスンビランFCは陽性反応者多発によりマレーシアカップ出場辞退

ドイツ5部でプレーするV・アニルのU22代表召集が物議を醸す
 AFC U23アジアカップ(旧U23選手権)予選に出場するマレーシアU22代表は韓国の仁川を経由して無事、開催地となるモンゴルのウランバートルに到着し、早速練習を開始したことがマレーシアサッカー協会FAMの公式Facebookで伝えられています。そんな中、先日のこのブログでも「サプライズ」と控えめに紹介したDFアニル・ヴィグネスワラン(以下V・アニル)の代表召集が物議を醸しています。
 V・アニル選手は8月30日から9月7日に行われたU20代表合宿(当初FAMはこのU23アジアカップ予選にU20代表を派遣する方針でしたが、その後、U22代表派遣に方針転換)では召集されたものの、新型コロナ感染拡大によりマレーシア入国が困難になったことから参加を見送り、10月4日から20日まで行われた第2次合宿にも参加せず、滞在国であるドイツからモンゴルのU22代表に直接、合流しています。
 MリーグクラブのアカデミーやFAMと国家スポーツ評議会が運営する国家サッカー選手育成プログラムNFDP傘下のアカデミーの所属経験もない上、海外のクラブとは言え、現在はドイツ5部リーグのアマチュアクラブSGVフライブルグののU19チームに所属するV・アニル選手が国内合宿に参加せず、直接、U22代表に合流することが発表されると、「『国外のクラブ所属』ということを偏重している」「国内のアカデミーで育成されている選手はドイツ5部リーグのアマチュア選手よりも劣るのか」さらに「合宿に参加していない選手をU23代表首脳陣が評価できるのか」など、Mリーグで試合に出場している選手が召集されず、海外とはいえアマチュアチームでプレーするV・アニル選手が召集されたことに疑問の声が多く上がっています。
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 批判の中には国家サッカー選手育成プログラムNFDPの「エリートアカデミー」モクタル・ダハリアカデミーAMDからU22代表に選手供給をできないのなら、このAMDを直ちに閉鎖して全ての若い選手は国外のクラブに育成を任せるべき、さらに国外組というだけで飛びつくFAMこそ直ちに解散すべきといった意見まで飛び出しています。
 マレーシア国内の若手有望選手は、州内地区大会、州大会、全国大会、あるいは各州のトレーニングセンター(トレセン)や州立体育専門学校などで「発見」されるのが一般的で、網の目のように張り巡らされた選手発掘の目には引っ掛からなかったV・アニル選手が国外のクラブからそのままU22代表入りとなれば、「発見」された選手を鍛えてもU22代表に選手を送り込めないエリートアカデミーAMDの存在意義が否定されてしまう、という論理が成り立ちます。
 何の罪もないV・アニル選手には必要以上に注目が集まることになってしまいましたが、来週月曜日から始まる予選では、そんな批判を黙らせるような活躍を期待したいです。

U22代表監督はV・アニルの招集理由を公式に説明
 上で取り上げたV・アニル選手のU22代表招集について、マレーシアの通信社ブルナマは、マレーシアサッカー協会FAM発表の形で出されたマロニーU22代表監督の談話を紹介しています。
 「U22代表の首脳陣の間でV・アニル選手の名前が突然、U22代表候補とし上がったわけではない。U22代表のコーチの1人は、V・アニル選手がドイツへ渡る数年前まで彼が所属していたクアラルンプールのクラブチームのコーチでもあり、そこで彼の才能に気づいて以来、観察を続けてきた。」と述べたマロニーU22代表監督は、このV・アニル選手は昨年2020年12月には当時U19代表合宿に参加するためにマレーシアに一時帰国し、それ以降はドイツでの動向などについて注視していたことも説明しています。(なおAFC U19選手権大会が新型コロナの影響を受けて中止となったことから、U19代表合宿は開催されませんでした。)

今季2部優勝のヌグリスンビランFCは陽性反応者多発によりマレーシアカップ出場辞退
 マレーシアカップを運営するMFLは公式サイト上で、新型コロナ検査で20名の選手と4名の関係者が陽性となったヌグリスンビランFCが10月29日再開予定のマレーシアカップの出場を辞退したことを発表しています。
 10月18日に陽性反応が見つかり、チーム全体が既に14日間の隔離期間に入っているヌグリスンビランFCは、チームドクターによる提案や関係者の安全などを考慮した上で、マレーシアカップ出場辞退決定し、これを知らせる連絡を受け取ったMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは陽性反応を示した選手と関係者の早期回復を祈ると述べる一方で、マレーシアカップ出場中の他のクラブに対して合宿形式での練習を続けることを改めて求めています。
 またスチュアートCEはヌグリスンビランFCが所属するマレーシアカップグループステージC組について、対戦予定だったクダ・ダルル・アマンFC、マラッカ・ユナイテッドFC、ケランタン・ユナイテッドFCの各チームにはいずれも3-0のスコアで不戦勝が与えられることも発表しています。

10月21日のニュース:アジアカップ最終予選は集中開催で行うことをAFCが発表、マレーシアはアジアカップ最終予選集中開催地に立候補か、ムカイリ・アジマルがU22代表の主将に、タン代表監督は今後も新戦力発掘を継続

アジアカップ最終予選は集中開催で行うことをAFCが発表
 アジアサッカー連盟AFCは公式サイト上でAFCアジアカップ2023年大会最終予選を当初のホームアンドアウェイ形式から集中開催方式に変更して開催することを発表しています。なおこの集中開催では一回戦総当たり方式が採用されることも併せて発表されています。
 AFCは開催方式の変更理由として新型コロナによる影響を挙げ、アジアカップ2023年大会予選に関わる関係者の安全を最優先したことを強調しています。なお、試合日程としては来年2020年の6月8日、11日、14日が予定されているということです。
 3日間という日程に加え、最終予選にはマレーシアも含めた24カ国が出場することから集中開催地は6ヶ所となることが予想されます。なお集中開催地について、AFCはこの最終予選に出場する24カ国に対して予選開催の希望の有無を募るとしています。

マレーシアはアジアカップ最終予選集中開催地に立候補か
 AFCアジアカップ2023年大会最終予選が集中開催方式になったことを受けて、マレーシアサッカー協会FAMは6ヶ所とされる集中開催地の一つとして立候補する意向を表明していると、マレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。
 FAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長は自国開催以外では41年振りとなるアジアカップ出場を目指すマレーシア代表にとって、自国サポーターで埋まったスタジアムで予選を戦えるのは大きなアドバンテージであるとして、最終予選の集中開催地に立候補したいと話しています。
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 成人のワクチン接種率が90%を超えたマレーシアは、全ての渡航者に義務付けられている検疫隔離期間がこれまでの14日間から7日間に短縮されるなど、渡航に際しての制限が徐々に緩和されており、年内にはこれがさらに短くなる可能性があります。また自国での最終予選開催となればサイフディン事務局長が述べているようサポーターの熱烈な応援が受けられることに加えて、移動の負担や慣れない環境での滞在を避けられるなどの利点も多く、なんとしても実現したいところです。今後の予定としてサイフディン事務局長は、まず手始めとしてマレーシア国内の新型コロナ政策を担う国家安全保障委員会NSCや保健省、国内スポーツを統括する青年スポーツ省から最終予選開催についての承認を得ることが条件であり、その承認を得た上で立候補することになると話しています。

ムカイリ・アジマルがU22代表の主将に
 AFC U23アジアカップ予選に出場するU22代表は昨日10月20日に第2次合宿を打ち上げていますが、その後に行われたFAMによる壮行会では、マレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長からムカイリ・アジマル(スランゴールFC)にU22代表のキャプテンマークが授与されています。
 FAMの公式Facebookへの投稿によると、ハミディン会長以下、モハマド・ユソフ・マハディ、S・シヴァサンドラムの両会長代理、U22代表のチームマネージャーでもあるポサ・マジャイス副会長、サイフディン・アブ・バカル事務局長が出席してFAM本部で行われた壮行会では、U22代表に激励の言葉が贈られた後、今回のU22代表の主将にMFムカイリ・アジマル(スランゴールFC)、副主将にはDFハリス・ハイカルとDFジクリ・カリリ(いずれもスランゴールFC 2)が任命され、ムカイリ選手の腕にはハミディン会長が直々にキャプテンマークを巻く場面もあったようです。
(写真はFAMのFacebookより。左からブラッド・マロニーU22代表監督、ポサ・マジャイス U22代表チームマネージャー、モハマド・ユソフ会長代理、ムカイリ・アジマル選手、ハミディン・アミン会長、S・シヴァサンドラム会長代理、サイフディン・アブ・バカル事務局長、ハリス・ハイカル選手、ジクリ・カリリ選手)

6人、立っている人、室内、テキストの画像のようです

タン代表監督は今後も新戦力発掘に尽力
 マレーシア代表のタン・チェンホー監督は6月のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選では26名を招集しましたが、先月9月に行った代表チームのヨルダン遠征は「新戦力発掘」を理由にこの26名から半数以上の14名を外し、6名の初招集組と6名の代表復帰組を加えた計24名で臨みました。
 その結果は初戦のヨルダン戦が0-4、続くウズベキスタン戦では1-5という結果になりましたが、例えある選手が才能豊かであったとしても、試合で起用しない限り、その選手が代表チームに貢献できるかどうかはわからない、と語るタン代表監督が、結果の如何にかかわらず新戦力発掘には練習試合を行う必要性があると語っていると、マレーシア語紙シナルハリアンが報じています。
 新たに代表でプレーする選手を起用する試合では、望んでいるような結果が出ないこともあるが、今後も練習試合では新たな選手を試したいと話すタン代表監督は、ヨルダン遠征ではMFムカイリ・アジマル(スランゴールFC)、FWハキミ・アブドラ(トレンガヌFC)、DFクェンティン・チェン、FWアル・ハーフィズ・ハルン(いずれもペナンFC)らを初招集した一方で、MFバドロル・バクティアル(クダ・ダルル・アマンFC)やMFアクラム・マヒナン(KLシティFC)ら元代表経験者を復帰させています。
 ただしヨルダン遠征で行った練習試合はいずれも大敗だったことから、この「新戦力テスト」には疑問の声も上がっており、タン代表監督は12月にシンガポールで開催される東南アジアサッカー連盟選手権スズキカップ2020年大会にはベストメンバーで臨むことを明言しています。
 ただしその一方で、10月29日から再開するマレーシアカップでは出場する各選手のパファーマンスに注目したいと話し、マレーシアカップでの活躍次第ではスズキカップ出場の代表メンバーに新たに抜擢される選手が出る可能性にも言及しています。
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 シナルハリアンの記事では新戦力発掘とは述べていますが、ヨルダン遠征のメンバーの出場時間をまとめると下のようになります。この遠征に参加しながら出場機会が全くなかったいずれも初招集組のGKカラムラー・アル=ハフィズ(PJシティFC)とFWアル=ハフィズ・ハルンを含め出場時間が45分に満たない選手が4名、90分に満たない選手が6名おり、これらの選手については「追試」が必要かもしれません。その一方で代表復帰組のバドロル・バクティアルとアクラム・マヒナン、そしてFWファイサル・ハリムは2試合とも先発するなど優先的に起用されたことからスズキカップでも招集されそうですが、同じく2試合先発のDFアイディル・ザフアンとその後継者と目されるDFイルファン・ザカリアの連携の悪さは目を覆いたくなるほどで、特にイルファン選手はこの遠征で失点に直結するミスを連発し、こちらも追試が必要な印象です。また今回の遠征に招集されながらケガで辞退したDFディオン・クールズ(デンマーク1部ミッティランFC)、さらにタイ1部チョンブリーFCで主力として活躍するDFジュニオール・エルドストールがスズキカップで召集されるようなことがあればいるファン選手は控え、あるいは召集見送りもありそうです。

9月に行ったヨルダン遠征参加各選手の試合出場時間(単位:分)

背番号ポジション選手名ヨルダン戦ウズベキスタン戦合計
1GK*カイルルアズハン90090
21GK#カイルル・ファーミ09090
23GKカラムラー・アル=ハフィズ000
16DF*#リザル・ガザリ9090180
7DF*#アイディル・ザフアン9070160
17DF*#イルファン・ザカリア9090180
4DF*アリフ・ファルハン452065
2DF#アリフ・ファジラー4570115
22DFクェンティン・チェン19019
6DFドミニク・タン02020
12MF*#アクラム・マヒナン4590135
8MF*#バドロル・バクティアル9090180
10MF*ナズミ・ファイズ61061
14MFムカイリ・アジマル292958
15MF#ケニー・パッラジ86169
24FW*#ファイザル・ハリム7170141
20FW*シャフィク・アフマド8252134
9FW*ギリェルメ・デ・パウラ622991
11FW#ハキミ・アブドラ453883
18FW#ルクマン・ハキム286189
19FWファイヤド・ズルキフリ02020
13FWアル=ハフィズ・ハルン000
*はヨルダン戦先発XI、#はウズベキスタン戦先発

10月20日のニュース:AFC U23アジアカップ予選-マレーシアU22代表最終メンバーが発表、AFC U23アジアカップ予選-タイU22代表は27名で予選開催地入りも「神童」は不在、サラワクUに給料未払い問題が再び浮上し外国籍選手は退団の可能性も

AFC U23アジアカップ予選-マレーシアU22代表最終メンバーが発表
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で10月25日から31日までモンゴルのウランバートルで開催されるAFC U23アジアカップ(旧AFC U23選手権)予選に出場するU22代表23名を発表しています。
 オーストラリア出身のブラッド・マロニー監督率いるU22代表は集中開催地のモンゴル、タイ、ラオスと同組の予選J組に入っており、
 23名のメンバーの内、Mリーグ1部スーパーリーグのスランゴールFCとそのセカンドチームで2部プレミアムリーグのスランゴールFC2から合わせて8名が選出されている他、スーパーリーグのトレンガヌFCとそのセカンドチームでプレミアリーグのトレンガヌFC IIからも合わせて6名が選出されている一方で、Mリーグ8連覇を果たしたJDTからは代表でもプレーするFWアリフ・アイマン(19)が選ばれなかっただけでなく、セカンドチームとサードチーム(U21)からそれぞれ1名だけという選出でした。
 先月9月に行われたフル代表のヨルダン遠征に招集されたFWルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)、FWハキミ・アブドラ(トレンガヌFC)、MFムカイリ・アジマル(スランゴールFC)、DFクェンティン・チェン(ペナンFC)の4名も順当に選ばれた他、所属するスランゴールFCが招集に難色を示しているとされていたDFハリス・ハイカルや、ケガ人が出たことで1週間前に急遽、招集されたMFムハマド・ヌル・アズファル・フィクリ・アズハ(トレンガヌFC II)もこの23名に含まれています。
 サプライズとしてはこれまで招集の可能性が取り沙汰されていたドイツ5部のSGVフライブルクのU19チームでプレーするMFアニル・ヴィグネスワランが今回の23名に入り、初の代表入りしています。
 U22代表は本日10月20日にモンゴルへ出発し、初戦となるラオス戦が10月25日、モンゴル戦が10月28日、そしてこの予選J組の1位突破のための最大の壁となるタイ戦が最終戦となる10月31日に予定されており、試合は全てウランバートルにある人工芝ピッチのMFFスタジアムで開催されます。

AFC U23アジアカップ予選出場 U22代表

ポジション氏名年齢所属
1MFムカイリ・アジマル20スランゴールFC
2GKシーク・イズハン・ナズレル19
3DFジクリ・カリリ19
4DFアズリン・アフィク19スランゴールFC 2
5DFファイズ・アメル18
6MFファーミ・ダニエル19
7MFT・サラヴァナン20
8DFハリス・ハイカル
9GKサイド・ナスルルハク22トレンガヌFC
10FWハキミ・アブドラ22
11FWニック・アキフ22
12DFアザム・アズミ20
13FWシャフィク・イスマイル21トレンガヌ
14DFハイリー・ハキム21
15MFヌル・アズファル21
16MFウマル・ハキーム19JDT II
17MFシャフィ・アズスワド20JDT III
18MFアイマン・アフィフ20クダ・ダルル・アマンFC
19GKアズリ・ガニ22ペラFC
20DFクェンティン・チェン22ペナンFC
21FWアズハド・ハラズ18FAM-MSNプロジェクト
22FWルクマン・ハキム19KVコルトレイク
23MFアニル・ヴィグネスワラン18SGVフライブルグ

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 今回のU22代表に選ばれているニック・アキフ(トレンガヌFC)のご尊父が昨日の朝に亡くなられたことが報道されていますが、ニック・アキフ選手はU22代表とともにモンゴルへ立つ予定ということです。ご冥福をお祈りします。

AFC U23アジアカップ予選-タイU22代表は27名で予選開催地入りも「神童」は不在
 AFC U23アジカップ予選でマレーシアと同じ予選J組のタイU22代表は、最低気温がマイナス5度にもなる気候に慣れるため既にモンゴル入りしていますが、登録メンバー23名を上回る27名がモンゴル入りしていると、サッカー専門サイトのヴォケットFCが伝えています。
 「マダム・ペン」がチームマネージャーを務めるU22代表は、2005/06シーズンにはMリーグのケランタンFA(現ケランタンFC)でのプレー経験もあるワラウート・スリマカ監督が率い、主将のMFタナワット・スエンチッタウォン(イングランド1部レスターシティ)を筆頭に4名の国外組を含む27名で、タナワット選手はフル代表として6月にアラブ首長国連邦のドバイで行われたFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選(アラブ首長国連邦、ドバイ)のマレーシア代表戦に先発してと対戦した経験もあります。
 ちなみにこのW杯予選のタイ戦ではマレーシアも19歳のMFアリフ・アイマン(JDT)が先発していますが、アリフ選手はJDTが代表招集を拒否したことから今回の予選には出場しません。一方、タイもフル代表でプレーする19歳の「神童」FWスパナット・ムエンターが帯同しておらず、マレーシア、タイともにベストメンバーとは言えないものの、タナワット主将はこの予選で勝点9を取りに行くと宣言しており、マレーシアは10月31日の最終戦となるタイ戦に勝点6で臨みたいところです。

サラワクUに給料未払い問題が再び浮上で外国籍選手は退団の可能性も
 Mリーグ2部プレミアリーグで今季準優勝し、来季は1部に昇格するサラワク・ユナイテッドFCに給料未払い問題が起こっているとマレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。
 給料未払いは既に2ヶ月以上に及んでいるということで、外国籍選手2名が弁護士を通じて文書をクラブ宛に送付し、今週中に数10万リンギ(1リンギはおよそ27円)に及ぶ未払い給料の支払いを求めるよう通告を行い、それが果たされない場合には契約解除に加えてFIFAへ未払い給料を訴え出るとしています。
 サラワク・ユナイテッドFCは今年5月にもサンドロ・ダ・シルヴァらが4ヶ月分の給料未払いをとなっていることを公表しましたが、サラワク・ユナイテッドFCを運営するサラワク州サッカー協会のサ・マジャイス会長はこれを未払いではなく遅配である(!)と主張し、これを公表したサンドロ選手を不正確な事実を公表したとして逆に契約解除をちらつかせる逆ギレぶりを披露しただけでなく、他のMリーグクラブが求めれば移籍金なしでの放出する用意があるとまで発言しています。
 今年2度目となる未払い給料問題について2選手の弁護士は、5月の未払い給料は選手が求めた期限までに支払われたと話す一方で、今回は未払い給料に加えて、選手の保険料の支払いも行われていないことを明らかにしています。記事によればこの弁護士は前回よりも悪質なケースであることを指摘した上で、今回は話し合いではなく文書での通告という形式をとったと説明し、2名の外国籍選手以外にも同様の問題を抱えた選手が契約解除を求めたり、FIFAに訴え出る可能性もあると話しています。
 サラワク・ユナイテッドFCは今季のMリーグ2部で準優勝した直後から、給料未払いとなっていることがソーシャルメディア上で囁かれており、選手たちは2ヶ月以上、監督とコーチに至っては7月から3ヶ月以上の未払い給料があるという噂が出ていました。

10月19日のニュース:U22代表はMリーグ1部クラブ相手に連勝、U22代表監督はフル代表監督と掛け持ち組の処遇についての話し合いを希望、ペラFCが全ての外国籍選手との契約解除を発表

 今日10月19日はイスラム教の開祖とされるムハマドの誕生日でマレーシアは国民の祝日ですが、それよりも何よりも嬉しいのは昨日の発表では新型コロナの新規感染者数がおよそ4ヶ月ぶりとなる5000人台となったこと。また今月末にはクダ州とケランタン州が、11月1日からはペナン州、ペラ州、サバ州が国家復興計画の第3段階に入ることからこれらの週を含めた多くの州で11月からは学校でも対面授業が再開される他、ワクチン接種者に限り海外からの入国者の隔離期間が7日間に短縮されるなど、マレーシアにも徐々に日常が戻りつつあります。

U22代表はMリーグ1部クラブ相手に連勝
 AFC U23アジアカップ予選に出場するマレーシアU22代表は予選出場前の最終戦となる3試合目の練習試合を行い、今季Mリーグ1部スーパーリーグ2位のクダ・ダルル・アマンFCに2ー0で勝利しています。
 DFアフマド・ジクリ・カリリ(スランゴールFC)のゴールで先制したU22代表は、後半には5日前に追加招集されたばかりのMFモハマド・ヌル・アズファル・フィクリ・アズハル(トレンガヌFC II)がロスタイムに2点目のゴールを挙げて、10月15日のペナンFC戦に続き2連勝しています。
 クダ・ダルル・アマンFCは外国籍選手など複数の主力を欠く布陣でしたが、それでもこの勝利はU22代表にとって自信になったはず。この日は出場しなかったフル代表組のルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)、ムカイリ・アジマル(スランゴールFC)、ハキミ・アブドラ(トレンガヌFC)、クェンティン・チェン(ペナンFC)も検疫隔離期間を終えてチームに合流しており、U22代表は最終メンバーの23名を決定した後、明日10月20日に予選J組の集中開催地であるモンゴルのウランバートルへ向けて出発することになっています。

U22代表監督はフル代表監督と掛け持ち組の処遇についての話し合いを希望
 U22代表のブラッド・マロニー監督は、フル代表とU22代表を兼ねる選手たちの今後についてフル代表のタン・チェンホー監督と話し合いを持つ用意があると、マレーシア語紙ハリアンメトロにか立っています。
 上でも取り上げたAFC U23アジアカップ(旧U23選手権)予選に出場するU22代表候補には、先月9月にフル代表が行ったヨルダン遠征のメンバーからルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)、ムカイリ・アジマル(スランゴールFC)、ハキミ・アブドラ(トレンガヌFC)、クェンティン・チェン(ペナンFC)の4名が含まれていますが、この4選手は今回の予選終了後の12月に開幕するアセアンサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020年大会に出場するフル代表に再び招集される可能性が高いことから、マロニーU22代表監督はこの4選手の両代表の間で過度に行き来させないような方法をタン代表監督と話し合いたいとしています。
 「フル代表でプレーすることによってより高いレベルでのプレーを経験できることはU22代表の選手にとってもU22代表チームにとっても良いことである。今回U22代表に招集したフル代表組は今後も、両代表でプレーする可能性があることから、彼らにとって最善の方法をタン監督と話し合いたいと思っている。」とマロニーU22代表監督は述べています。
 U22代表は10月25日から31日までモンゴルのウランバートルで行われるAFC U23アジアカップ2022年大会予選に出場後、予選を突破できれば来年6月にAFC U23アジアカップ本戦が控えている一方、フル代表は12月5日から始まるスズキカップが終わると来年2月にはAFC選手権アジアカップ2023年大会第3次予選が予定されています。

ペラFCが全ての外国籍選手との契約解除を発表
Mリーグ1部で今季11位となり来季の2部降格が決まっているペラFCは、所属する4名の外国籍選手との契約を解除したことをクラブの公式Facebookで発表しています。
 ペラFCのアズマン・ノーGM(ゼネラルマネージャー)名で発表された告知ては、既に先月末にクラブを離れているMFサミル・アヤス(レバノン)に加えて、DFズバイロウ・ガルバ(カメルーン、ただしインドネシア帰化選手のためアセアン枠)、FWジスラン・ゲサン(コートジボアール)、FWナナ・ポク(ガーナ)が今週中にもチームを離れるということです。
 今回の契約解除については経営陣と監督、コーチが話し合いを行った結果によって決定されたものであり、クラブと各選手との間で合意に達していると説明されています。
 なお10月29日から再開するマレーシアカップグループステージには、ペラFCのセカンドチームであるペラFC II登録となっているDFジャド・ヌールディーン(レバノン)、MFチャーリー・マシェル(イングランド)、セルヒオ・アグエロ(アルゼンチン、スリ・パハンFCより期限付き移籍中)の3選手と既存の選手で臨むということです。
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 今季前半戦終了後に給料未払いでファーストXIの半数以上が退団したことから、急遽補強した外国籍選手もマレーシアカップが心境中にも関わらず退団と、まさに今季のペラFC経営陣のお粗末さを示しています。中にはわずか3ヶ月程度で契約解除となった選手もおり、まさに泥縄式の補強だったことが露呈しています。

10月18日のニュース:タイ1部第8節-エルドストールはフル出場もタンはベンチ入りせず、ハリス・ハイカルがU22代表に合流、給料6割増しのオファーもマレーシア人選手はカンボジアリーグに魅力なし

タイ1部第8節-前節出場停止のエルドストールが復帰で勝利に貢献 
 2021/2022年シーズンのタイ1部リーグ第8節が10月17日と18日にかけて開催に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCは2位のバンコク・ユナイテッドに敗れたものの4位を維持、一方、代表ドミニク・タン不在のポリス・テロFCはを12位から8位まで上げています。

タイ1部リーグ第8節
2021年10月17日@トゥルースタジアム
バンコク・ユナイテッド 1-0 チョンブリーFC
 この試合前まで2位のバンコク・ユナイテッドと同4位のチョンブリーFCの対戦はMFヴァンデル・ルイス・シウヴァ・ソウザのゴールを守り切ったバンコク・ユナイテッドが勝利しています。
 チョンブリーFCのDFジュニオール・エルドストールは先発してフル出場しています。
 (試合のハイライト映像はチョンブリーFCの公式Youtubeチャンネルより)

2021年10月17日@ブンヤジンダースタジアム
ポリス・テロFC 2-2 ラーチャブリーFC
 ポリス・テロFCがホームにラーチャブリーFCを迎えた一戦は。後半ロスタイムに今季新加入のFWエヴァンドロ・シルバ・ド・ナシメントがPKを決めたポリス・テロFCが引き分けに持ち込んでいます。
 マレーシア代表のヨルダン遠征に参加したDFドミニク・タンは渡航者に義務付けられている検疫隔離期間を終えていると思いますが、この試合ではベンチ入りしていません。

タイ1部リーグ順位表(第8節終了)

順位チーム試合得失差勝点
1ブリーラム・ユナイテッド86111119
2バンコク・ユナイテッド7511516
3チェンライ・ユナイテッド7422314
7チョンブリーFC8323611
9ポリス・テロFC823319
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFC、ポリス・テロFCのみ表示しています。

ハリス・ハイカルがU22代表に合流
 マレーシアサッカー協会FAMの公式Facebookでは、スランゴールFCのDFハリス・ハイカル・アダム・アフカルのU22代表招集を発表しています。ハリス選手はAFC U23アジアカップ予選に出場するU22代表の第2次合宿に直ちに参加するということです。
 U22代表のブラッド・マロニー監督はハリス選手のU22招集熱望を公言していましたが、これまでの報道では、この予選がFIFA国際マッチデー期間外であり、さらに10月29日から再開するマレーシアカップでは1勝1敗とグループステージ突破が楽観できる状況ではない上に守備陣のケガ人が多発していることから所属するスランゴールFCがハリス選手の招集に難色を示しているとされていました。10月25日から31日までモンゴルで開催されるAFC U23アジアカップ予選に出場した場合、帰国後はマレーシア政府が全ての渡航者に義務付けている14日間の検疫隔離に入ることから、ハリス選手はスランゴールFCのマレーシアカップグループステージの残り4試合全てに出場できなくなるとされていました。
 しかしマレーシア政府入国後の検疫隔離期間をこれまでの14日間から7日間に短縮することを発表したことにより、11月10日のマレーシアカップグループステージ最終戦への出場が可能となったことから、スランゴールFCが招集に応じたと、サッカー専門サイトのヴォケットFCは伝えています。.

給料6割増しのオファーもマレーシア人選手はカンボジアリーグに魅力なし
 サッカー専門サイトのヴォケットFCは、カンボジア1部リーグのクラブからオファーを受けた、現在はMリーグ2部プレミアリーグでプレーするマレーシア人選手が魅力的な内容にもかかわらずそのオファーを拒否したという記事を掲載しています。
 現在のチームではセンターバックを務めているこの選手の代理人は選手名を明かさなかったものの、受けたオファーの内容が現在の給料の6割増であること、さらにオファーを出しているのがAFCカップ出場出場の可能性があるクラブであることを明らかした上で、このマレーシア人選手はMリーグ2部でプレーすることを選んだと話し、選手のキャリアップになるオファーにも関わらず、それを拒否したことを残念がっているということです。
 ヴォケットFCの記事では、2部プレミアリーグで4年目を迎えるこの選手にとって、AFCカップ出場の可能性があるクラブからの高待遇オファーにも関わらず、マレーシア国内の他のクラブから同等の獲得オファーが来ることを期待しながら居心地の良いマレーシアから離れたくない、あるいはマレーシアではまだ知名度が低いカンボジア1部リーグでプレーすることが「恥ずかしい」と考えているのが拒否の理由ではないかと分析した上で、自分のレベルアップにつながるこのような好機を生かさずに拒否してしまうのは残念なことだと記事を結んでいます。

10月17日のニュース:J3沼津のハディ・ファイヤッドによる連載記事フットボーリスタ10月17日版「日本サッカー成功の秘密」

 J2ファジアーノ岡山から3のアスルクラロ沼津に期限付き移籍しているU22代表のFWハディ・ファイヤッドがマレーシア語紙ハリアンメトロ日曜版に連載している「フットボーリスタ」の最新版です。沼津移籍直後の今年3月の練習で負った膝前十字靭帯損傷で今季の大半は治療と回復に専念したハディ選手ですが、現在はボールを使った練習まで回復しているようで、今季J3閉幕までには試合出場の可能性でも出てきました。
 日本ではすでに3年目となるハディ選手ですが、今回は「日本サッカー成功の秘密」と題した記事をハリアンメトロ日曜版に寄稿していますので、拙訳ではありますが日本語にしてみました。

フットボーリスタ:日本サッカー成功の秘密
 メトロ日曜版の読者の皆さん、こんにちは。お元気でお過ごしのことと思います。
 今週のフットボーリスタでは、日本で3年間を過ごして私が気づいたマレーシアのサッカーと日本のサッカーの違いについて触れてみたいと思います。
 私自身が見てきたことに基づくと、日本人は幼い時期からサッカーの基礎的な技術の習得に非常に熱心に打ち込んでいます。これがサッカーにおいてはとても重要なことであり、さらにそれが日本のサッカーにおける育成が成功している理由ではないかと私は思っています。
 日本人はしっかりしたゲームパターンだけでなくボールコントロールのような技術習得を子どもの頃から重視しています。子どもの頃からサッカーをする上での基礎を重視していることは、多くの素晴らしい選手を日本が輩出している理由かもしれません。
 自分が子どもだったときをと比べてみると、マレーシアではこの基礎技術の習得を日本ほどは重視していないように感じます。私が幼かった頃はこの基礎技術を身につけるための練習をチームとしてではなく、自分自身で練習しました。
 しかし現在のマレーシアのサッカーにおける育成プログラムは、JDTやトレンガヌFC、スランゴールFCのアカデミーや、国家スポーツ評議会NSCが監督する国家サッカー選手養成プログラム傘下のアカデミーなどに代表される多くの育成組織が活動しているおかげで、私が子どもだった頃とは大きく変わっていると思います。
 マレーシアの若い選手たちが幼いうちからこのような育成組織に加わって質の高い練習を続けていけば、世界でもトップクラスの選手が誕生することは決して不可能だとは私は思いません。
 また*モクタル・ダハリ国家サッカーアカデミーには将来の代表選手となるであろう豊かな才能を持った選手たちが在籍し、彼らは成長すればマレーシアサッカー界のヒーローになる可能性を持っています。
 そういった選手たちに十分な時間と機会が与えられれば、彼らがマレーシアサッカーの将来を担う者であることを証明してくれるでしょう。そのためには彼らを信じて惜しみない支援を送る必要があります。そしてマレーシア国内で運営されている全てのサッカー選手育成プログラムに対しても同様にその成功を信じ、支援を続けることで皆が望んでいるW杯出場という目標を達成できるでしょう。
 最後になりますが、読者の皆さんには今後も変わりなく国内サッカーを支援していただきたいと思います。皆さんの支援があれば、マレーシアのサッカーはまだまだ高みを目指すことができるからです。
 今週はここまでです。読者の皆さんのご健康をお祈りします。では、また次回お会いしましょう。

10月16日のニュース:U22代表はMリーグ1部今季3位のクラブに勝利、協会はフル代表からU22合流組の検疫隔離期間短縮を交渉、U22代表はトレンガヌFC IIのアズファル・フィクリを追加招集

U22代表はMリーグ1部今季3位のクラブに勝利
 AFC U23アジアカップ予選に出場するU22代表が今季Mリーグ1部3位のペナンFCと練習試合を行い、2-1で勝利しています。。
 U22代表は10月12日に今季Mリーグ2部優勝のヌグリスンビランFCと対戦し、1-2で敗れています。
 この試合では22分にペナンFCがMFモハマド・アメル・アザハのゴールで先制したものの、U22代表はいずれもトレンガヌFCのFWモハマド・シャフィク・イスマイルが71分に同点ゴールを、MFニック・アキフ・シャヒランが86分に決勝ゴールを決めて逆転で勝利を収めています。
 U22代表は10月18日に予選前の最後の練習試合として今季Mリーグ1部2位のクダ・ダルル・アマンFCと対戦します。
 10月25日からモンゴルのウランバートルで開催されるAFC U23アジアカップ予選J組でマレーシアはタイ、ラオス、モンゴルと同組となっています。

協会はフル代表からU22合流組の検疫隔離期間短縮を交渉
 上の記事で取り上げたU22代表には、先日のヨルダン遠征を終えたフル代表からMFムカイリ・アジマル(スランゴールFC)、FWハキミ・アブドラ(トレンガヌFC)、DFクェンティン・チェン(ペナンFC)、FWルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)が加わることが発表されていますが、すでに帰国したこの4選手は現在、検疫隔離期間中でU22代表に合流できていません。U22代表のブラッド・マロニー監督とFAMはこの4選手の検疫隔離期間短縮とU22代表合流を求めているようですが、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロによると、未だ承認されていないということです。
 マレーシア政府は全ての渡航者に14日間の検疫隔離を求めており、ヨルダン遠征から帰国した代表チームも例外ではありません。これについてマロニー監督とFAMは新型コロナ対策を担当する国歌安全保障委員会NSCと保健省に対して4選手の検疫隔離期間短縮を求めているということですが、交渉が難航しているようです。
 スタジアムアストロの記事ではこの4選手の他に、アメリカでプレーしているMFワン・クズリ・ワン・カマル(アクロン大学)、DF V・アンニル(ドイツ5部SGVフライベルク)の両選手のU22代表招集についても現在、所属チームとの交渉が続いていると報じています。
 今回のAFC U23アジアカップ予選はFIFA国際マッチデー期間外であることから、DFハリス・ハイカルと代表でもプレーするFWアリフ・アイマンがそれぞれ所属するスタンゴールFCとJDTの招集拒否により、U22代表に参加できていません。

U22代表はトレンガヌFC IIのアズファル・フィクリを追加招集
 マレーシアサッカー協会FAMはU22代表に新たにMFモハマド・ヌル・アズファル・フィクリ・アズハ(21)を招集したことを発表しています。Mリーグ2部プレミアリーグのトレンガヌFC IIでプレーするアズファル・フィクリ選手は、今回の合宿中のケガにより離脱するJDT IIのMFアフマド・アシャル・ハディ・モハマド・シャプリ(18)に代わって招集されています。

10月13日のニュース(2):ケガを理由にケランタンFC退団の選手がAリーグに移籍し抱負を語る、U22代表の主力2選手をクラブが招集拒否か

ケガを理由にケランタンFC退団の選手がAリーグに移籍し抱負を語る
 Mリーグ2部のケランタンFCは10月11日にクラブの公式Facebook上で今季加入したスペイン出身のMFマリオ・アルケスの退団を発表しました。Facebookでは「マリオ・アルケスはケガにより2021年10月をもって契約解除となった。さらに母国にいる父親が新型コロナに感染し、直ちに帰国せざるを得ない状況になっている。ケランタンFCはアルケス選手の速やかな回復を願うと同時に今後もクラブとアルケス選手が良好な関係を維持できることを願っている。」という文面が感謝を表す写真とともに投稿されました。
 10月9日のこのブログでも、アルケス選手はケガにより10月29日から再開するマレーシアカップへの出場も絶望という記事を取り上げました。しかし本日10月13日のオーストラリア1部リーグ、通称Aリーグの公式サイトではこのアルケス選手がAリーグのニューカッスルジェッツに加入することが発表されています。この記事の中でニューカッスルジェッツのアーサー・パパス監督はアルケス選手がセットプレーで存在感を発揮する選手であるとして、チームに合流するのを楽しみにしていると述べる一方で、アルケス選手自身も来月11月19日に開幕するAリーグに向けて「自分の目標は出場する試合で110%を出すことで、チームの上位進出にこう貢献したい」と述べています。
 この発言を聞く限り、ケランタンFC退団の理由は純粋にケガだけではなさそうですが、ともあれアルケス選手には新天地での活躍をお祈りします。
(写真左は退団したケランタンFCの、右は加入したニューカッスルジェッツの公式Facebookより)

U22代表の主力2選手をクラブが招集拒否か
 今月10月25日からモンゴルのウランバートルで開催されるAFC U23アジアカップ予選に向けて合宿中のU22代表は、10月20日のモンゴル出発を控えて合宿の最終段階に入り、昨日10月12日のヌグリスンビランFC戦では今季のMリーグ2部優勝チーム相手に1-2と惜敗したものの、ブラッド・マロニー監督は最後の調整が順調に進んでいると話しています。
 U22代表には、先日、ヨルダン遠征を行なったフル代表からFWルクマン・ハキム・シャムスディン(19・ベルギー1部KVコルトレイク)、DFクェンティン・チェン(21・ペナンFC)、MFムカイリ・アジマル(19・スランゴールFC)、FWハキミ・アブドラ(21・トレンガヌFC)の4名も隔離検疫後に合流する予定ですが、サッカー専門サイトのヴォケットFCはこのU22代表で主力となるべき2選手の所属クラブが代表招集を拒否していると報じています。
 その2選手とはDFハリス・ハイカル(19・スランゴールFC)とFWアリフ・アイマン(19・JDT)の両選手です。ハリス選手の所属するスランゴールFCはマレーシアカップのグループステージでここまで1勝1敗ですが、守備陣に不安を抱えるクラブはハリス選手の離脱による影響は大きいことから、今回の招集を拒否したとしています。また6月のW杯予選ではフル代表でもプレーしたアリフ選手の所属するJDTはここまで2勝ながら、やはりクラブは招集を拒否したとしています。
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 攻守の要とも言える両選手を欠くU22代表ですが、来年6月にウズベキスタンで開催される本戦へ出場できれば、ルクマン・ハキムとアリフ・アイマンの夢のツートップの活躍も期待できるので、飛車角落(失礼!)メンバーですが、予選J組ではライバルのタイを破ってなんとか本戦出場権を獲得してもらいたいです。
 今回話がややこしくなってしまっているのは、新型コロナの影響もあります。予選が開催される10月25日から30日までの期間はFIFAの国際マッチデー期間ではないため、Mリーグクラブによる招集拒否は問題にはなりません。その一方でこの期間中に国内で予定されているのはマレーシアカップのグループステージ第3節(10月29日から30日)のみで、一見するとU22代表に加わっても出場できないのは1試合のように思えますが、新型コロナの感染拡大を防ぐためマレーシア政府は全ての渡航者に14日間の検疫隔離を義務付けており、これによりモンゴルでの予選に出場すると11月9日と10日に予定されているグループステージ第6節までの残り4試合全てに出場できなくなってしまうことから、スランゴールFCはハリス選手の、JDTはアリフ選手のU22代表招集を拒否したと思われます。