2月16日のニュース
アセアンU23選手権-ミャンマーも出場辞退でマレーシアは次戦勝利で準決勝進出決定
タイ1部リーグ第20節-チョンブリーは敗れて4位降格、エルドストールは後半出場

アセアンU23選手権-ミャンマーも出場辞退でマレーシアは次戦勝利で準決勝進出決定

カンボジアのプノンペンで開催中の東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権に出場中のマレーシアU23代表は、昨日2月15日にミャンマーとの初戦を迎える予定でした。しかしチーム内で新型コロナ陽性者が複数見つかったことを理由にミャンマーが試合当日に大会出場を辞退することを表明しています。これによりマレーシアの初戦(そしてグループステージ最終戦)は2月18日のラオス戦となり、この試合に勝利するとグループステージ突破が決まります。

2016年にはMリーグのクランタンFA(現クランタンFC)の監督も務めたことがあるミャンマーU23代表のヴェリザール・ポポフ監督は、試合前日の記者会見の席上で、国内の政情不安から家族の安全のために国内に残ることを選んだ選手やケガから回復していない選手がいることからU23の主力選手を招集できず、今大会に参加するチームは大半はU19の選手であると話したポポフ監督は、現チームの目標は今年5月の東南アジア競技大会通称シーゲームズだと話し、今大会ではU19主体のメンバーがどこまでやれるかを見ることが目標と話していましたが、その目標を果たせないまま大会を去ることになりました。

今大会でマレーシアが入るB組は、大会開幕前に既にインドネシアが出場辞退を決めており、ミャンマー、ラオス、マレーシアの3チームとなっていましたが、ミャンマーの出場辞退でわずか2チームになってしまいました。なおマレーシア対ラオスの勝者はA組、C組のそれぞれ1位、そして3組の2位チームのうち最も成績が良い1チームとともに2月24日の準決勝に進出します。

なおマレーシアの通信社ブルナマは、インドネシアに続き、ミャンマーも出場辞退を決め、グループステージが1試合となってしまったことから、マレーシアサッカー協会FAMはラオスと2試合を行うことを提案したものの、ラオス側にこの提案が拒否されてしまったことも伝えています

タイ1部リーグ第20節-チョンブリーは敗れて4位降格、エルドストールは後半出場

タイ1部リーグ第20節が2月12日と13日に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCは、松村亮選手が所属するポリス・テロFCにロスタイムに決勝点を許し1-2で敗れ、リーグ順位も3位から4位に転落しています。

2022年2月13日@チョンブリースタジアム
チョンブリーFC 1-2 ポリス・テロFC
前節第19節ではベンチ外だっジュニオール・エルドストールは、今節ではベンチ入りしたものの、54分から交代出場し、89分にはイエローカードをもらったものの最後まで出場しています。
(試合のハイライト映像はタイリーグの公式YouTubeチャンネルより)

タイ1部リーグ順位表(第20節終了時)

順位チーム得失差勝点
1ブリーラムU2114342142
2バンコクU2111461437
3BGパトゥムU211074737
4チョンブリーFC2110561435
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFCのみ表示しています。

2月11日のニュース
KDDIが本山雅志選手所属のクランタンUのスポンサーに
タイ1部リーグ第19節-チョンブリーは敗れエルドストールはベンチ外

今回開幕まで残り1ヶ月を切り、各地でプレシーズンマッチが行われています。一昨日はトレンガヌII対ペナンで乱闘が勃発し、中断した試合の再開にペナンに応じず、この試合を主催したトレンガヌが公式に謝罪声明を発表しています。暴力に訴えるのは明らかに間違えていますが、映像で乱闘までの経緯を見る限りではどっちもどっちの様相でした。

KDDIが本山雅志選手所属のクランタンUのスポンサーに

Mリーグ2部プレミアリーグのクランタン・ユナイテッドは、KDDIの現地法人KDDIマレーシア社とスポンサー契約を結んだことを、クラブ公式Facebookで発表しています。KDDIマレーシア社は15万リンギ(およそ417万円)をスポンサーとして提供する他、クランタン・ユナイテッドが行うユース育成プログラムの作成などにも関わっていくということです。クランタン・ユナイテッドのスポンサーとなった日系企業はヤクルトマレーシア社についで2社目です。また今回のKDDIマレーシア社のスポンサー契約締結を支援したヤクルトマレーシア社の濱田浩志社長はクランタン・ユナイテッドの諮問委員会の委員となったことと合わせて発表されています。

タイ1部リーグ第19節-チョンブリーは敗れエルドストールはベンチ外

タイ1部リーグ第19節が2月5日と6日に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCは、加藤恒平選手が所属するチェンライ・ユナイテッドFCに0-1で敗れたものの、リーグ3位を維持しています。

2022年2月6日@レオ・チェンライスタジアム
チェンライ・ユナイテッドFC 1-0 チョンブリーFC
チョンブリーの連勝は2でストップ。なおジュニオール・エルドストールは、今季2度目となるベンチ外でした。なお、エルドストール選手は2月9日に行われたリーグカップでもベンチ入りしませんでした。どうしたんだろう…。
(試合のハイライト映像はタイリーグの公式YouTubeチャンネルより)

タイ1部リーグ順位表(第19節終了時)

順位チーム得失差勝点
1ブリーラムU2013342042
2バンコクU2011451537
3チョンブリーFC2010551535
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFCのみ表示しています。

1月31日のニュース
マラッカUのCEOがザイナル監督解任の理由を説明
タイ1部リーグ第18節-エルドストールがスズキカップ後初の先発フル出場
タイ1部リーグ第24節-エルドストールは終了間際に途中出場もチームは2位浮上

マラッカUのCEOがザイナル監督解任の理由を説明

昨季はMリーグ1部スーパーリーグで5勝9分8敗の8位に終わったマラッカ・ユナイテッドは2019年から監督を務めていたザイナル・アビディン・ハサン氏を解任し、今季はボスニア・ヘルツェゴビナ出身のリスト・ヴィダコヴィッチ監督を就任させていますが、この監督交代について、マラッカ・ユナイテッドのジャスティン・リムCEOは、今季クラブが目指す「最低でも一つのタイトル」という目標達成が理由であると説明しています。

スポーツ専門チャンネルのナディ・アリーナのインタビューに対してリムCEOは、ザイナル前監督への過去3年間の指導への感謝の気持ちを表した上で、タイトル獲得のためには監督交代が必要だと判断し、ヴィダコヴィッチ監督は期待に応えてくれると信じていると話しています。「クラブとしては当初はザイナル前監督に今季も続投を依頼する予定でいたが、タイトル獲得という今季の目標を達成するためにはこれまでの方針とは異なる抜本的な変革が必要だと考えた末に監督交代を決めた。」と話したリムCEOはヴィダコヴィッチ監督の人選について、ザイナル監督の元では過去3季はタイトル争いとは縁がなかったが、ヴィダコヴィッチ監督はフィリピン1部リーグで3連覇(当時のセレス・ネグロスFC、現ユナイテッドシティFCで2017年から2019年まで3連覇達成)している実績を評価したと話しています。

******

監督を務めた過去3季はいずれも給料未払い問題が発生し、2020年と2021年の両シーズンにはこの給料未払いを理由に勝点3を剥奪されるなど、自身の能力が問題ではなく、経営陣に足を引っ張られた中で「タイトルが取れなかった」ことを理由に解任されるのはザイナル前監督にとっても笑福しかねる部分があるでしょう。以前のこのブログでも触れましたが、今季残留した選手の中にはザイナル監督残留を理由に残った選手たちもいます。マラッカ・ユナイテッドはヴィダコヴィッチ新監督に加え、昨季はスランゴールでリーグ得点王を獲得したイフェダヨ・オルセグンを獲得するなど補強に余念がありませんが、開幕まで1ヶ月と迫った中でのザイナル監督解任が選手たちに動揺をもたらしかねず、タイトルどころか昨季から残る選手と新加入選手間の不協和音に発展する可能性すらあります。

タイ1部リーグ第18節-エルドストールがスズキカップ後初の先発フル出場

タイ1部リーグ第18節が1月22日と23日に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCは今季から1部に昇格したコーンケン・ユナイテッドFCを相手に3試合ぶりの勝利を挙げ、リーグ3位を維持しています。

2022年1月23日@チョンブリースタジアム
チョンブリーFC 2-0 コーンケン・ユナイテッドFC
前節第17節に続いて先発したジュニオール・エルドストールは、スズキカップ2020後は初となるフル出場し、勝利に貢献しています。
(試合のハイライト映像はタイリーグの公式YouTubeチャンネルより)

タイ1部リーグ順位表(第18節終了時)

順位チーム得失差勝点
1ブリーラムU1712232038
2バンコクU1710341433
3チョンブリーFC189541532
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFCのみ表示しています。
タイ1部リーグ第24節-エルドストールは終了間際に途中出場もチームは2位浮上

変則日程となったタイ1部リーグ第24節が1月29日と30日に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCは、第10節では1-2と敗れていたポートFCを相手に一度は追いつかれながらもデニス・ムリーリョのゴールで3-2と勝利し、リーグ2位に浮上しています。

2022年1月30日@チョンブリースタジアム
チョンブリーFC 3-2 ポートFC
前節第18節では先発してフル出場したジュニオール・エルドストールですが、この試合では後半ロスタイム90+5分からの出場となりましたが、そのわずかな時間にイエローカードをもらっています。
(試合のハイライト映像はタイリーグの公式YouTubeチャンネルより)

タイ1部リーグ順位表(第24節終了時-第19節から23節は未消化のため暫定)

順位チーム得失差勝点
1ブリーラムU1813232142
2チョンブリーFC1910541635
3バンコクU1910351333
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFCのみ表示しています。

1月17日のニュース(2)
FAM-マレーシア政府の厳格なSOPがアジアカップ予選開催を困難に
MFLはMリーグ日程への負担を減らすためACLとAFCカップGSの国内開催を希望
タイ1部リーグ第17節-エルドストールが先発に復帰

FAM-マレーシア政府の厳格なSOPがアジアカップ予選開催を困難に

アジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会3次予選の開催地決定が来月2月24日と迫る中、この3次予選に出場するマレーシアは自国での予選開催を目論んでいますが、マレーシア政府が設けている厳格なSOP(標準作業手順)のせいで実現が難しいと英字紙ニューストレイトタイムズが伝えています。アジアカップ2023年大会は開催国の中国の他、日本や韓国、オーストラリアやベトナムなど既に13カ国が出場を決めており、残る11枠をこの3次予選に出場する24ヶ国が争います。

マレーシアサッカー協会FAMのモハマド・ユソフ・マハディ会長代行は、アジアカップ2023大会3次予選の集中開催地として立候補する旨を既にAFCに伝えていることを明らかにする一方で、マレーシア政府が全ての渡航者に課している検疫隔離と厳格なSOPが自国開催実現の際の障害になる可能性があると述べています。モハマド・ユソフ会長代行はさらにマレーシア政府が大規模な国際スポーツ大会そのものの国内開催を認めない可能性もあると話していますが、政府による支持が得られ、AFCにより集中開催地に選ばれた場合には、ブキジャリル国立競技場を会場に開催する計画があることも明らかにしています。

MFLはMリーグ日程への負担を減らすためACLとAFCカップGSの国内開催を希望

また同じニューストレイトタイムズは、Mリーグを運営するMFLがやはり集中開催が決まっているAFCチャンピオンズリーグACLと、ACLの下部大会AFCカップのグループステージGS開催に意欲を示していると伝えています。マレーシアからはMリーグ1部スーパーリーグ昨季2021年シーズンのチャンピオンとしてJDTがACLグループステージに、また昨季スーパーリーグ2位のクダと昨季マレーシアカップ優勝のKLシティがAFCカップグループステージに出場します。

MFLは今季のリーグ日程作成の際に、このACLやAFCカップのグループステージが国外で開催された場合に備え、Mリーグクラブのために帰国後の検疫隔離期間として28日間を予備日として設けてあるということですが、ACLやAFCカップのグループステージにマレーシアが集中開催地に選ばれれば、この検疫隔離期間が不要になり、国内リーグ日程の過密化を防げることから、国内開催を強く希望しているということです。

タイ1部リーグ第17節-エルドストールが先発に復帰

タイ1部リーグ第17節が1月15日と16日に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCは今季1部昇格のノーンブワ・ピッチャヤFCに敗れたものの、リーグ3位を維持しています。

2022年1月15日@チョンブリースタジアム
ノーンブワ・ピッチャヤFC 3-2 チョンブリーFC
 前節第16節はベンチ入りしなかったジュニオール・エルドストールは、スズキカップ2020後は初出場となるこの試合で先発し、85分にはイエローカードをもらっています。チームも89分に決勝ゴールを決められて敗戦。連続無敗記録も8で止まってしまいました。
(試合のハイライト映像はチョンブリーFCの公式YouTubeチャンネルより)

https://youtu.be/dUefR_bPX7U

タイ1部リーグ順位表(第17節終了)

順位チーム得失差勝点
1ブリーラムU1611231935
2バンコクU1610331533
3チョンブリーFC168541329
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFCのみ表示しています。

1月10日のニュース
「見えない手」の存在を明らかにせず辞任したタン前監督を元代表が批判
精巣腫瘍治療を受けたブレンダン・ガンが復帰へ
タイ1部リーグ第16節-エルドストールはベンチ入りせず

「見えない手」の存在を明らかにせず辞任したタン前監督を元代表が批判


東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020でマレーシア代表はグループステージで敗退し、その責任をとってタン・チェンホー代表監督は辞任しています。今年末までの契約期間を残して辞任したタン前監督に対し、前NFDP(国家サッカー選手養成プログラム)ディレクターのリム・ティオンキム氏は、「見えない手」の存在を明らかにしないまま辞任したタン前監督を「負け犬根性」の持ち主と批判しています。

元代表選手でバイエルンミュンヘンのユースチームのコーチを務めた経験もあるリム氏は、マレーシアサッカー協会FAMがスズキカップ2020の結果では解雇しないとわざわざ発表した後で辞任したタン前監督は「責任をとって」の辞任は間違いであり、代表監督としての重圧に耐えて職を全うするべきであったと、マレーシア語ニュースサイトのマジョリティの取材に答えています。さらにリム氏は、タン前監督の自由な代表選手招集を妨げていたとされる「見えない手」の存在を明らかにしなかったことにも失望したと述べています。

「監督としての重圧はサッカーでは当たり前のことであり、その重圧に耐えられないのなら、そもそも監督になるべきではなかった。マレーシア代表サポーターは馬鹿ではないので、選手が試合に全力で臨んでいるのを見れば、試合に敗れてもその姿勢を認めてくれる。6ヶ月後にはAFC選手権アジアカップ2023年大会予選があり、既に代表チームの選手たちの力を把握しているタン前監督には、スズキカップで露呈した弱点を改善してアジアカップ予選に臨んで欲しかった。また『見えない手』の存在を明らかにする機会があったにも関わらず、それをせずに辞任したことも明らかに間違えている。『見えない手』の介入がメディアやサポーターに知らされなかったことで、今後、代表監督に就任するマレーシア人指導者たちも同様にその仕事が困難になるだろう。」

精巣腫瘍治療を受けたブレンダン・ガンが復帰へ

Mリーグ1部スーパーリーグのスランゴールFCに所属するブレンダン・ガンは、昨年6月のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選後に精巣腫瘍を患っていることを明らかにし、治療に専念していましたが、マレーシア語氏ブリタハリアンはこのガン選手が今季のリーグ出場を目指してクラブの練習に復帰していると報じています。

代表の主力として活躍していた33歳のガン選手は、W杯予選後に手術を受け、その後は代表、スタンゴールFCにいずれでも出場はありませんでしたが、およそ半年ぶりとなるクラブ練習に参加した後の取材では、再びピッチに立つことを目的にリハビリに励んできた結果、またチームメートと一緒に練習ができることが嬉しいと話しています。

******

いわゆる「ボックストゥボックス」MFのガン選手が不在だったことにより、2021年シーズンのスランゴールFC、代表チームとも中盤のキーマンを失い、いずれも望むような成績を残せませんでした。スランゴールFCはセカンドチームから20歳のムカイリ・アジマルを昇格させましたが、経験不足からその代わりとはならず、また代表もバドロル・バクティアル(サバFC)やナズミ・ファイズ(JDT)らを代わりに招集したものの、いずれもその穴は埋めきれませんでした。

タイ1部リーグ第16節-エルドストールはベンチ入りせず

 スズキカップ2020で中断されていたのタイ1部リーグの2021/2022年シーズン第16節が1月8日と9日に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCはムアントン・ユナイテッドと引き分けてリーグ中断前のと同じ3位を維持しています。

2022年1月9日@チョンブリースタジアム
チョンブリーFC 1-1 ムアントンユナイテッド
 ジュニオール・エルドストールはベンチ入りしなかったこの試合は、後半開始直後にレナト・ケリッチのゴールで同点に追いついたチョンブリーFCがそのまま引き分け、8試合負けなし(5勝3分)となっています。

タイ1部リーグ順位表(第16節終了)

順位チーム得失差勝点
1ブリーラムU1510231632
2バンコクU1610331533
3チョンブリーFC168531429
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFCのみ表示しています。

11月30日のニュース:今季のフィナーレを飾るマレーシアカップは今日決勝、タイ1部第15節-代表コンビは揃って出場もタンは退団へ

今季のフィナーレを飾るマレーシアカップは今日決勝

 100周年記念大会となったマレーシアカップは今日11月30日午後9時からブキジャリル国立競技場を舞台に決勝が行われ、2019年に続き連覇を狙うJDT(Mリーグ1部今季1位)と決勝進出32年ぶりのKLシティFC(同6位)が対戦します。準々決勝、準決勝はいずれもホームアンドアウェイ方式で行われましたが、決勝は文字通りの一発勝負。JDT有利の予想が大方を占める中、KLシティFCのボジャン・ホダック監督が策士としての本領を発揮すれば、好試合が期待できそうです。ということで今回は今日の決勝戦にまつわる小ネタ集です。

1. 両チームともグループステージから無敗
 JDTはグループステージから準決勝までの10試合を8勝2分(19得点2失点)、一方のKLシティFCは6勝4分(17得点6失点)と無敗で勝ち上がっています。

2. 今季のリーグ戦ではJDTの1勝1分
 今季リーグ戦からマレーシアカップまでホームでは15戦無敗のKLシティFCは4月30日にJDTと対戦して1-1で引き分けており、この時のJDTのゴールは既に退団したシンガポール代表主将のハリス・ハッルンがゴールを決めています。またJDTがKLシティFCをホームに迎えた9月12日の今季Mリーグ最終戦では、KLシティFCはニック・シャールルのオウンゴールで1-2と敗れています。

3. KLシティFCのホダック監督は今回が4度目のマレーシアカップ決勝
 KLシティFCは32年ぶりの決勝進出ですが、クラブの指揮を取るボジャン・ホダック監督自身は今回が4回目のマレーシアカップ決勝です。2012年にケランタンFA(現ケランタンFC)を率いてマレーシアカップに優勝し、国内3冠(Mリーグ、マレーシアカップ、マレーシアFAカップ)を達成した浦ダック監督は翌2013年にもケランタンFAで2年連続でマレーシアカップ決勝に進出しましたが、この年は決勝で敗れています。その翌年の2014年にJDTの監督に就任したホダック監督は、前年同様パハンFA(現スリ・パハンFC)に決勝で敗れています。ただしこの2014年の決勝は前後半を終えて2-2から延長戦に入るも決着がつかず、最後はPK戦による惜敗でした。

4. 幻となった「師弟対決」
 前述の2014年の決勝ではサフィク・ラヒムがJDTの主将を務めており、今日の決勝戦では7年前の決勝では同じチームだったホダック監督との「師弟対決」になるはずでしたが、サフィク選手は11月26日の準決勝第2戦トレンガヌFC戦で試合中にトレンガヌFCのファイサル・ハリムに頭突きを喰らわせて1発退場となり、今日の決勝戦は出場停止になっています。

5. 3度目の優勝を目指すJDTに対しKLは32年前に3連覇達成
 2017年、2019年(2020年は新型コロナにより大会中止)に続く3度目の優勝を目指すJDTに対し、32年ぶりの決勝進出となったKLシティFCですが、1987年から1989年までは前身のクアラルンプールFAがファンデイ・アフマドとマレク・アワブ、K・カナンのシンガポールトリオの活躍で3連覇を果たしています。ちなみにこの3連覇の立役者で当時のクアラルンプール市長でクアラルンプールサッカー協会会長でもあったエリアス・オマー氏、そして3連覇を果たした監督のチョウ・カイラム氏はいずれも故人となりましたが、キャラクターが濃いこの2人の印象はちょうどマレーシアのサッカーを見始めたばかりの私にはとても印象深く残っています。

タイ1部第15節-代表コンビは揃って出場もタンは退団へ

 2021/2022年シーズンのタイ1部リーグ第15節が11月27日と28日に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCはラーチャブリー・ミトポンFCに勝利し3位に浮上、一方DFドミニク・タンが所属するポリス・テロFCもチェンマイ・ユナイテッドに勝利し、順位を2つ下げて今季最高位の9位としています。

タイ1部リーグ第15節
2021年11月27日@ブンヤジンダースタジアム
ポリス・テロFC 1-0 チェンマイ・ユナイテッド
 11位のポリス・テロFCが最下位のチェンマイ・ユナイテッドに勝利し、今季最高位の9位に浮上しています。
 ドミニク・タンは88分から出場し、試合終了までプレーしています。

2021年11月28日@チョンブリースタジアム
チョンブリーFC 3-0 ラーチャブリー・ミトポンFC
 今季のACLではMリーグチャンピオンのJDTや名古屋グランパスと同組となったラーチャブリー・ミトポンFCと対戦したチョンブリーFC。4日前にはFAカップで最下位のチェンマイ・ユナイテッドに敗れる波乱がありましたが、この試合ではリーグ戦6試合無敗の好調を取り戻して解消しています。
 ジュニオール・エルドストールは先発してフル出場しています。

タイ1部リーグ順位表(第15節終了)

順位チーム試合得失差勝点
1ブリーラム・ユナイテッド1510231632
2バンコク・ユナイテッド1510231532
3チョンブリーFC158431428
9ポリス・テロFC15555-220
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFC、ポリス・テロFCのみ表示しています。
ドミニク・タンはポリス・テロ退団へ

 タイ1部ポリス・テロFCに所属するマレーシア代表DFドミニク・タンが自身のインスタグラムを更新し「ポリス・テロFC、素晴らしい思い出をありがとう。一生忘れません。でもこれは終わりではありません。私は戻ってきます。コップンカップ」というメッセージとともにチームメートとの写真を投稿しています。
 2019年にJDTから期限付き移籍で当時2部に在籍していたポリス・テロFCに加入していたタン選手は、翌2020年には完全移籍していました。
 昨季は21試合に出場しましたが、今季は第9節まで出場はなく、初出場となった第10節以降も終盤の起用が多く、第15節まででプレー時間の最長は29分でした。
 U23代表では主将も務めるなど将来の代表DF陣の中心選手と目されていただけに、この出場時間の少なさでは、今後は代表招集すら危うくなることからの退団のようです。
 ポリス・テロFC退団後は、U23代表時代の監督だったオン・キムスイ監督が就任したMリーグ1部のサバFCへの加入が濃厚と噂されています。今季Mリーグ2部のFAM-MSNプロジェクトでプレーし、マレーシア人選手としてはリーグ2位の8ゴールを挙げたU22代表でもプレーする18歳のFWアズハド・ハラズに4年契約をオファーする一方で、今季Mリーグ1部2位のクダ・ダルル・アマンFCからMFバドロル・バクティアル、DFリザル・ガザリ、マレーシアカップでベスト4のマラッカ・ユナイテッドFCからGKカイルル・ファミ・チェ・マットの代表トリオ獲得が噂されるなど、来季に向けた大型補強が噂される中、タン選手獲得もその一つと考えられています。

11月23日のニュース(2):マレーシアカップ決勝のチケットは11月27日正午から販売、スズキカップに向けて代表が合宿開始、タイ1部第14節-代表コンビは揃って出場

マレーシアカップ決勝のチケットは11月27日正午から販売

 マレーシアカップを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは公式サイトでマレーシアカップ決勝戦のチケット販売についての詳細を発表しています。
 11月30日にクアラルンプールのブキジャリルスタジアムで開催される決勝戦は2021年のマレーシア国内サッカー最後のビッグイベントですが、チケット価格は一般席の50リンギ(およそ1,400円)からメインスタンドプレミアム席の150リンギ(およそ4,100円)まで全4種類あります。
 MFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは今年2021年決勝のチケット価格は2019年決勝から据え置きとなっている一方で、満席となれば87,000人が収容できるブキジャリル国立競技場での今回の決勝は観衆を20,000人に制限することから、コスト増加分はMFLが負担していると述べています。
 また国内のコロナ対策を統括する国家安全保障委員会に対しては、入場可能な観衆の数の増加や、現在は禁止されているスタジアム内での飲食の許可なども申請しているということです。
 なお決勝のチケットは11月27日の正午よりチケットホットラインのサイトで販売が開始されるということです。

スズキカップに向けて代表が合宿開始

 12月5日にシンガポールで開幕する東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020年大会に出場する代表候補合唱が昨日11月22日からスランゴール州プタリンジャヤにあるマレーシアサッカー協会FAMの施設で始まっています。
 現在、国内ではマレーシアカップ準決勝が行われており、今回の合宿には、先日発表になった代表候補28名の中から、準決勝に残っているJDT、トレンガヌFC、KLシティFCとマラッカ・ユナイテッドFCを除いたクラブに所属する選手12名が招集されています。なお第二子が生まれたばかりのバドロル・バクティアル(クダ・ダルル・アマンFC)も合宿初日となった昨日は練習に参加しなかったと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 代表合宿には11月28日にはマレーシアカップ準決勝で敗れたチームの選手が、そして12月1日からは決勝戦に出場した選手も含めた全員が練習に参加します。またジュニオール・エルドストール(対1部チョンブリーFC)、ドミニク・タン(タイ1部ポリス・テロFC)、ディオン・クールズ(デンマーク1部FCミッティラン)、ルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)の海外組4名は、シンガポールでチームに合流するということです。
 前回2018年大会ではベトナムに敗れて準優勝となったマレーシアは、今大会ではベトナム、ラオス、カンボジア、インドネシアと同じB組に入り、12月6日にラオスとの初戦が控えています。


タイ1部第14節-代表コンビは揃って出場

 2021/2022年シーズンのタイ1部リーグ第14節が11月20日と21日に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCはナコーンラーチャシーマーFCと引き分けたものの4位を堅持、DFドミニク・タンが所属するポリス・テロFCはプラチュワップFCとこちらもやはり引き分けて、順位を1つ下げて11位としています。

タイ1部リーグ第14節
2021年11月20日@80周年スタジアム
ナコーンラーチャシーマーFC 0-0 チョンブリーFC
 過去5戦を4勝1分と好調なチョンブリーFCはこの試合ではスコアレスドローに終わっていますが、3位の今節でポートFCに敗れた3位のBGパトゥム・ユナイテッドと勝点差1まで迫っています。
 ジュニオール・エルドストールは先発してフル出場しています。

2021年11月21日@サームアーオスタジアム
PTプラチュワップFC 1-1 ポリス・テロFC
 この試合前は15位のPTプラチュワップFCと対戦した10位のポリス・テロFCは、開始直後の5分に先制し、そのまま逃げ切りを図りましたが後半ロスタイムに同点ゴールを許して引き分けています。
 ドミニク・タンは78分から出場し、81分にはイエローカードももらっていますが、試合終了までプレーしています。

タイ1部リーグ順位表(第14節終了)

順位チーム試合得失差勝点
1バンコク・ユナイテッド1410221732
2ブリーラム・ユナイテッド149231529
3BGパトゥム・ユナイテッド14824326
4チョンブリーFC147431125
11ポリス・テロFC14445-316
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFC、ポリス・テロFCのみ表示しています。

11月17日のニュース:タイ1部第12・13節-エルドストールはフル出場しタンは5戦連続出場、協会はAFCU23アジアカップ出場権獲得のU22代表監督との契約延長へ、空席の協会テクニカルディレクターは来年1月までに決定、過去2年間中止のU19とU21の国内リーグは来年2月に開幕

タイ1部第12・13節-エルドストールはフル出場しタンは5戦連続出場 
 2021/2022年シーズンのタイ1部リーグ第12節が11月9日から11日まで、第13節が11月13日と14日という過密日程で開催されましあた。マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCは首位ブリーラム・ユナイテッド戦の勝利を含む2連勝で4位を堅持、DFドミニク・タンが所属するポリス・テロFCは1勝1敗でこちらも順位は10位と変わっていません。

タイ1部リーグ第12節
2011年11月9日@トゥルースタジアム
バンコク・ユナイテッド 5-0 ポリス・テロFC
 GKのプラシット・ゴルダが2ヶ月分の給料未払いを明らかにしたポリス・テロFCは今季最大の5失点でバンコク・ユナイテッドに大敗しています。前半で3失点を喫したからか、これまでは試合終盤投入されていたドミニク・タンは61分から出場し、今季最長となる29分間プレーしています。

2021年11月10日@サームアーオスタジアム
PTプラチュワップFC 1-2 チョンブリーFC
 滝雅美率いるPTプラチュワップFCと対戦したチョンブリーFCが3連勝で4位を堅持。ジュニオール・エルドストールは先発してフル出場しています。なお翌第13節でも今季1部昇格のノーンブワ・ピッチャヤFCに敗れて5連敗となったPTプラチュワップFCは滝雅美を解任しています。
 (試合のハイライト映像はタイリーグ公式Youtubeチャンネルより)

タイ1部リーグ第13節
2011年11月13日@ブンヤジンダースタジアム
ポリス・テロFC 1-0 スパンブリーFC
 前節の大敗からこの日はフィリピン代表の佐藤大介選手が所属するスパンブリーFCとの対戦となったポリス・テロFCは1-0で勝利し、今季4勝目を挙げています。ドミニク・タンは前節から一転して90+2分からの出場となっています。

2021年11月13日@サームアーオスタジアム
チョンブリーFC 2-0 ブリーラム・ユナイテッド
 チョンブリーFCが首位のブリーラムに勝利し4連勝で4位を堅持。ジュニオール・エルドストールは先発してフル出場しています。
 (試合のハイライト映像はタイリーグ公式Youtubeチャンネルより)

タイ1部リーグ順位表(第13節終了)

順位チーム試合得失差勝点
1バンコク・ユナイテッド139221529
2ブリーラム・ユナイテッド138231126
3BGパトゥム・ユナイテッド12822626
4チョンブリーFC137331124
10ポリス・テロFC11445-316
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFC、ポリス・テロFCのみ表示しています。

協会はAFCU23アジアカップ出場権獲得のU22代表監督との契約延長へ
 マレーシアサッカー協会FAMは、来年6月にウズベキスタンで開催されるAFC U23アジアカップ2022年大会予選J組で首位となり本戦出場権を獲得したブラッド・マロニー監督との契約延長に向けた交渉を開始することを発表しています。
 英字紙スターによると、FAMのモハマド・サイフディン・アブ・バカル事務局長はオーストラリア出身のマロニーU22代表監督がFAMの設けた重要業績評価指標KPIを達成したとして、現在の契約が切れる今年12月以降の契約延長とAFC U 23アジアカップへの準備などについての話し合いを行うとしています。なおマロニーU22代表監督とチームは予選J組の試合が開催されたモンゴルから帰国後の検疫隔離期間中に行われた検査で新型コロナの陽性反応を示した者が出たことから、検疫隔離期間が延長されていました。
 U23代表は2022年には6月1日から19日まで開催されるAFCU23アジアカップに加えて、5月12日から23日には東南アジア競技大会通称シーゲームズ(ベトナム)、さらに9月10日から25日にはアジア競技大会(中国)などが控えています。
 FAMの理事会後に記者会見したサイフディン事務局長は、この他、来年2022年10月に予定されているAFC U17選手権予選に向けても早急に首脳陣を決定し、2006年以降に生まれた選手からU17代表を編成するとも述べていますが、これは2023年にバーレーンで開催されるAFC U17選手権が同年にペルーで開催されるFIFA U17ワールドカップの予選も兼ねていることからであると説明し、U17代表は来年4月には大会に向けてサウジアラビアかアラブ首長国連邦での合宿も予定しているということです。

空席の境界テクニカルディレクターは来年1月までに決定
 9月末にオン・キムスイ氏がMリーグ1部のサバFCの監督に転身したことにより空席となっているマレーシアサッカー協会FAMのテクニカルディレクター職(TD)について、FAMのモハマド・サイフディン・アブ・バカル事務局長は来年1月には決定すると話していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 報道陣から候補者がマレーシア人か外国籍かを問われたサイフディン事務局長は、現時点ではそのような絞り込みはできていないと答え、選考は候補者の経験に基づいて行い、さらにFIFAやAFCなどにも経歴の確認などを行い、最良の人物を選びたいとしています。
 なおオン氏がサバFC監督に就任した後は、後任としてサラワク・ユナイテッドFCのテTDで元代表監督のB・サティアナタン氏や、FAMと青年スポーツ省が共同で運営する国家サッカー選手育成プログラムNFDPのサアド・イシャラレンTDなどの名前も上がっています。

過去2年間中止のU19とU21の国内リーグは来年2月に開幕
 新型コロナウィルスの感染拡大に伴い2020年と2021年の2年連続で中止となっていたU19国内リーグのユースカップとU21国内リーグのプレジデントカップについて、この両大会を主催するマレーシアサッカー協会FAMは来年2022年2月に開幕を予定していることを発表しています。
 ブルナマの報道によるとFAMの協議委員会の委員長も務めるモハマド・フィルダウス・モハメド会長代行は2月の中旬あるいは下旬からの開幕に向けて、国内の新型コロナ対策を担う国家安全保障委員会NSCに対して、ユースカップとプレジデントカップの開催申請を行った結果、承認を受けたことを明らかにしています。
 20から22チームが参加するユースカップとプレジデントカップは、従来は参加全チームをそれぞれ2グループに分けてホームアンドアウェイ方式でグループステージを行い、そこから勝ち上がった各グループの上位4チームが準々決勝に進み、そこからはトーナメント方式で優勝チームを決定していましたが、新型コロナ禍の中で開催を模索した昨年2020年と今年は、移動距離を減らすために国内を3つの地域に分けるなど方式を変更して開催を試みたものの、結局は中止に追い込まれています。




11月9日のニュース:タイ1部第11節-エルドストールはフル出場しタンは2戦連続出場、ペラFCの売値は2億7000万円も複数が関心、続報-ペラFC売却交渉は失敗か

 東南アジアサッカー連盟AFFスズキカップ2020年大会は12月5日にシンガポールで開幕しますが、この大会最後の出場枠をかけて12月1日に開催予定だったプレーオフではブルネイと東ティモールが対戦予定でした。しかしブルネイが「大会出場準備中の新型コロナ感染に関わる問題」を理由にこのプレーオフへの出場を辞退し、東ティモールがグループステージA組が加わることをAFFが発表しています。
 ブルネイは2010年大会でマレーシアが優勝した際に監督を務めていたK・ラジャゴパル氏が監督として今年から2年契約を結び、この大会でのグループステージを目標としていました。

タイ1部第11節-エルドストールはフル出場しタンは2戦連続出場 
 2021/2022年シーズンのタイ1部リーグ第11節が11月6日と7日に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCは石井正忠監督率いるサムットプラーカーン・シティFCに勝利し5位から4位に浮上、DFドミニク・タンが所属するポリス・テロFCは今季1部に昇格したコーンケン・ユナイテッドと引き分けて10位と順位は変わっていません。

タイ1部リーグ第11節
2011年11月6日@コーンケンスタジアム
コーンケン・ユナイテッド 1-1 ポリス・テロFC
 ポリス・テロFCは今季1部に昇格したコーンケン・ユナイテッドと対戦し、1-1で引き分けています。前節第10節に今季リーグ戦初出場を果たしたドミニク・タンはこの試合では86分から途中出場しています。

2021年11月7日@チョンブリースタジアム
チョンブリーFC 2-1 サムットプラーカーン・シティFC
 チョンブリーFCが2連勝で順位を一つ挙げて4位に浮上しています。前節第10節のベストXIにも選ばれたマレーシア代表のDFジュニオール・エルドストールは先発してフル出場しています。
 石井正忠監督率いるサムットプラーカーン・シティFCにはMF坂井大将選手も在籍していますが、坂井選手も先発してフル出場しています。
 (試合のハイライト映像はタイリーグ公式Youtubeチャンネルより)

タイ1部リーグ順位表(第11節終了)

順位チーム試合得失差勝点
1ブリーラム・ユナイテッド118121325
2バンコク・ユナイテッド11722923
3BGパトゥム・ユナイテッド10712522
4チョンブリーFC11533818
10ポリス・テロFC11344113
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFC、ポリス・テロFCのみ表示しています。

ペラFCの売値は2億7000万円も複数が関心
 ペラFCを所有するペラ州サッカー協会PAFAは、今季Mリーグ1部で11位となり、来季は2部に降格するペラFCに1000万リンギ(およそ2億7000万円)をめどに売却する用意があると、マレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。
 ペラ州サッカー協会のムハマド・ヤザン・モハマド会長代行は、この価格はMリーグの他のクラブを参考にしてつけられたものだとし、チームには経験豊かな選手がいること(!)や、クラブが所有する施設なども含めた価格だと述べ、現在は3つの個人及び団体がペラFCの株式購入に関心を示しており、交渉が進行中であることを明らかにしています。
 「ペラFCのオーナーになるためには最低でも1000万リンギを用意すべきであるが、これはMリーグの他のクラブを参考に決定された価格である。ケランタンFC(の株式100%)を購入したノリザム・トゥキマン現ケランタンFCオーナーが支払った金額や他のクラブを参考に算定した。」と述べたヤザン会長代行は、交渉は2つの個人及び団体と50パーセントまで進んでいるとも話しています。
*****
 こういった記事が出る一方で、新たなオーナーの最有力候補とされ、株式51パーセント購入の交渉を行っていたコパ・アリーナ社は、交渉開始当初からの条件に「追加事項」が新たに含まれたとして、交渉を一時中断することを表明しています。同社は9月12日にペラ州サッカー協会に対して株式購入の意思と株式購入能力を証明する書類を提出し、その5日後には企業精査手続きの開始を依頼したということですが、同社はこの際にペラFCの運営を支援する現金を渡したことも明らかにしています。しかし10月12日にペラ州サッカー協会の事務局長が交代し、その際に「追加条項」が提案され、その中には追加の一時金支払いと当初より多額の負債の支払いが明らかになったということです。これに対して同社は今後もペラ州サッカー協会が利益の49パーセントを受け取り続けることから、この一時金の支払いを拒否したことも明らかにしています。

続報-ペラFC売却交渉は失敗か
 コパ・アリーナ社が交渉の一時中断を表明したことを受け、ペラ州サッカー協会のムハマド・ヤザン・モハマド会長代行は交渉は失敗に終わったことを表明し、コパ・アリーナ社の交渉中断の原因が自身にあるという批判も否定しています。
 ヤザン会長代行はコパ・アリーナ社が株式購入能力があることを純分に証明できなかったことが交渉失敗であるとして、同社を批判しています。さらに一時金の支払いを求めたことも否定し、求めたのは州内のサッカー発展のための支援と州サッカー協会運営の費用であったと説明しています。
 「ペラ州サッカー協会は、支払い能力のある個人や団体に株式を譲渡するつもりであり、ペラFCのオーナーになることを望むのであれば、ペラ州サッカー協会による州内サッカー育成への支援が必要である。」と述べています。
*****
 民営化されるべきクラブの株式譲渡と、州政府からの資金も投入される州内サッカー発展のための育成プログラムへの資金援助は無関係にも思えますが、このヤザン会長代行はそう考えてはいないようです。なお、上の記事でも取り上げた事務局長の交代もこのヤザン会長代行による人事です。このヤザン会長代行は、今季途中にペラFC内で給料未払いが明るみに出て選手から不満の声が上がった際には「文句があるならチームを去れ」と選手に直接、言い放ったとされる人物ですので、この人物の説明がどこまで正しいのかは疑わしいところです。それとは別にMFLは2022年のクラブライセンスの取得条件として、Mリーグのクラブは州サッカー協会が保有率が50%以下であることを求めており、株式譲渡を終えなければならないタイムリミットも迫っています。

11月2日のニュース:タイ1部第10節-タンが今季初出場しエルドストールは今季初ゴール、クダ州政府州サッカー協会の2億7500万円超の所得税滞納の帳消しを交渉、ペラ州首相-州政府は2部降格のペラFCに対して身の丈にあった支援を行う

タイ1部第10節-タンが今季初出場しエルドストールは今季初ゴール
 2021/2022年シーズンのタイ1部リーグ第10節が10月30日と31日に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCはチェンライ・ユナイテッドに勝利し7位から5位に浮上、DFドミニク・タンが所属するポリス・テロFCもポートFCを破って11位から10位とこちらも順位を上げています。

タイ1部リーグ第10節
2021年10月30日@ブンヤジンダースタジアム
ポリス・テロFC 3-3 レオ・チェンライ・ユナイテッド
 3位のチェンライ・ユナイテッドをホームに迎えた11位のポリス・テロFCがティーラテープ・ウィノータイの先制ゴールでリードを奪ったこの試合は、一度は同点に追いつかれたものの、ティーラテープ・ウィノータイがこの試合2点目のゴールを決めるなどしてポリス・テロFCが勝利しています。
 マレーシア代表のDFドミニク・タンは第10節にして84分に今季の初出場を果たしています。
 (試合のハイライト映像はタイリーグ公式Youtubeチャンネルより)

2021年10月31日@PATスタジアム
ポートFC 1-2 チョンブリーFC
 チョンブリーFCのDFジュニオール・エルドストールは今季初ゴールを48に決めています。なおエルドストール選手は先発してフル出場しています。
 (試合のハイライト映像はチョンブリーFCの公式Youtubeチャンネルより)

https://youtu.be/eqmjO1Nop7E

タイ1部リーグ順位表(第10節終了)

順位チーム試合得失差勝点
1ブリーラム・ユナイテッド98111425
2バンコク・ユナイテッド9622520
3BGパトゥム・ユナイテッド9612419
5チョンブリーFC10433715
10ポリス・テロFC10334112
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFC、ポリス・テロFCのみ表示しています。

クダ州政府州サッカー協会の2億7500万円超の所得税滞納の帳消しを交渉
 クダ州政府は日本の国税庁にあたる内国歳入庁に対し、1000万リンギ(およそ2億7500万円)に上るクダ州サッカー協会による所得税滞納金の帳消しを交渉する予定だとマレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 今年9月23日のクダ州議会で、クダ州サッカー協会が2014年から2019年3月までの期間で滞納している所得税が1000万リンギ超に上ることが明らかになったことを受け、クダ州のムハマド・サヌシ・モハマド・ノー州首相は州政府の財務担当大臣が内国歳入庁、クダ州サッカー協会、クダ・ダルル・アマンFCとの間での会合の席を設けたことを明かしています。「我々は内国歳入庁に対してこの滞納金を帳消しにするように依頼している。サッカーは州政府に利益をもたらすビジネスではないが、州政府はこれまではサッカーが国民的スポーツであることを考慮して、クダ州サッカー協会が運営するクラブへの資金提供を行なってきた。しかし、本来これは全面的にクラブのスポンサーによって賄われるべきものである。」と述べたモハマド・サヌシ州首相は、クダ州政府傘下のクダ州サッカー協会が抱えるこの1000万リンギ超の滞納金が帳消しになれば、その分を州民の福利厚生や開発に充当することできるとして、内国歳入庁に帳消しにすることを求めると話しています。
 モハマド・サヌシ州首相は、クダ・ダルル・アマンFCの来季2022年のクラブライセンス取得のためにこの滞納金問題についてこれ以前にも内国際入庁と話し合いを行なったことも明らかにしています。
*****
 この記事を読んで疑問に思うのは、マレーシアサッカー協会FAMやMリーグを運営するMFLが行ってきた毎年のクラブライセンス交付のための審査の精度です。クダ・ダルル・アマンFCは申請審査をパスして来季のクラブライセンスが交付されていますが、給料未払い問題により条件付きでの交付となったマラッカ・ユナイテッドFCやサラワク・ユナイテッドFCとは違い、特に何か条件付きの交付ということではありません。言い換えれば、この所得税滞納に関してはクラブライセンス交付を担当したMFL(審査はMFLの独立組織である第一審機関FIBが担当)からはなんのお咎めもなしということです。
 FAMやMFLはこれまでも内国歳入庁への滞納金などがあればクラブライセンスは交付されないと繰り返してきましたが、この記事を読む限り滞納は2014年からと長期間に渡っています。この間、この滞納の事実をFAMやMFLが見抜けなかったのか、あるいはクダ州サッカー協会が提出した審査書類に偽装があったのか、はたまた所詮はFAMと州協会の関係が「ずぶずぶ」で審査は単に形骸化したものなのか。いずれにしてもクダ州政府とクダ州サッカー協会だけの責任とは言えないように思えます。Mリーグ全てのクラブに対し、州政府の資金を使って運営する州協会(FA)運営型からスポンサーの資金で運営されるプロクラブ(FC)運営型(=民営化)への移行を求めているFAMとMFLですが、旗振り役の両者の目が節穴では、Mリーグクラブの完全民営化の実現はまだ先の話となりそうです。

ペラ州首相-州政府は2部降格のペラFCに対して身の丈にあった支援を行う
 ペラ州のサアラニ・モハマド州首相は、来季2部に降格するペラFCについて州政府として支援は行うとしながらも、従来のような多額の支援は行わず、運営に関してもペラFCを実質的に運営するペラ州サッカー協会主導で行うことを求めると述べています。
 マレーシア語紙ハリアンメトロは、サアラニ・モハマド州首相の「ペラFCはペラ州サッカー協会がその株式の100%を持つオーナーであり、その運営にはペラ州サッカー協会が責任を負うべきである。州政府としてはできる範囲での支援は行なっていくが、今年だけで既に500万リンギ(およそ1億3700万円)の支援を行なっている。1部復帰へ向けてどのようなチーム編成とするかはペラ州サッカー協会が考えるべきである。」という発言を紹介し、ペラ州政府は支援を継続することを表明する一方で、無尽蔵な支援は行わないと釘を刺したと報じています。
 ペラFCは今季途中に、給料未払い問題が発覚し、今季の開幕戦の先発XIの内8名が退団する異常事態となりました。その際にその批判の矛先がペラ州政府にも向けられた際には、サアラニ・モハマド州首相は1ヶ月あたりの運営費用が200万リンギ(およそ5500万円)かかるペラFCだけに州政府のスポーツ関連予算を振り分けるわけにはいかないと述べており、今季1部で11位となり2部降格となったことでペラ州政府が支援を打ち切るのではないかという声が上がっていました。
 現在はマレーシアカップ参戦中のペラFCですが、このマレーシアカップ中にも4名の外国籍選手との契約を解除しており、またカップ終了後には主力選手が放出されることが予想されています。さらにペラFCのセカンドチームで今季はMリーグ2部でプレーしたペラFC IIは運営資金不足から今季いっぱいで解散される可能性が取り沙汰されており、そうなれば主力が抜けたペラFCにペラFC IIの若手選手が合流して来季のチームが編成されることになりそうです。
*****
 上のクダ州サッカー協会に続き、ペラ州サッカー協会も州政府の公金に依存する体質からの脱却ができてないことが顕著なことを表す記事です。前身となるチームから数えると今年2021年がクラブ創設100周年だったペラFCですが、そんな記念の年にクラブ史上初となる2部降格となったのは、民営化を進めて次の新たな100年に向けての一歩を踏み出せという暗示なのかも知れません。