2021年Mリーグ2部プレミアリーグ第2節結果

 3月6日に開幕したMリーグ2部プレミアリーグは3月21日の第5節まで2週間で5試合というタイトなスケジュールが組まれています。調整が遅れているチームやベテランが主体のチームはこの日程をどう乗り切るかが第6節以降の成績に直結しそうです。(試合のダイジェスト映像は各クラブの公式TVチャンネルからお借りしています。)

2021年3月9日@MPSスタジアム(スランゴール州スラヤン)
スランゴール2 1-2 ヌグリスンビラン
得点者:スランゴール-ハリス・ハイカル(73分)、ヌグリスンビラン-バラトクマル・ラマルー(32分)、アラン・ティエリー・アコノ・アコノ(89分)
*以下の映像はクラブ公式TVではなく国営放送RTMのニュース映像です。

2021年3月9日@UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
FAM MSNプロジェクト 1-2 ケランタン
得点者:FAM-アザド・ハラズ・アルマン(7分)、ケランタン-ミオー・ダニ・アルミン(9分)、ヌルシャミル・アブドル・ガニ(90分) 

https://www.youtube.com/watch?v=Dg5tK6x3WWw

2021年3月10日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(ケランタン州コタバル)
ケランタン・ユナイテッド 2-0 PDRM
得点者:ケランタン-モハマド・アミルル・シャフィク(3分)、深井脩平(70分)
 今節は日本人選手が所属するクラブが対戦するカードが2つありますが、その一つはこのケランタン・ユナイテッド対PDRMです。この試合では昨季最下位となり1部から降格したPDRMをケランタン・ユナイテッドが破り今季初勝利を挙げています。一方のPDRMは開幕から2連敗です。なおマレーシアサッカー協会FAMが発表するCMS(Competition Management System)では谷川由来選手がこの試合のマンオブザマッチとなっています。
 ケランタン・ユナイテッドの深井脩平選手と谷川由来選手は先発でフル出場、本山雅志選手は46分から交代出場して試合終了までプレーしています。
 PDRMの鈴木ブルーノ選手は先発しましたが、ケガのため21分で交代しています。

2021年3月10日@スルタン・イスマイル・ナサルディン・シャースタジアム(トレンガヌ州クアラトレンガヌ)
トレンガヌII 1-1 クチンシティ
得点者:トレンガヌ-アミルル・シャズワン・ノー・アズミ(20分) 、クチン-モハマド・ハイロル・モクター(30分)
 今季初戦となったクチンシティはトレンガヌIIと引き分けています。前節はFAM-MSNプロジェクトを相手に4ゴールを挙げたトレンガヌIIはこの試合では1ゴールでした。
 トレンガヌIIの渡邉将基選手、クチンシティの鈴木雄太選手とも先発してフル出場しています。

2021年3月10日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラII 0-3 サラワク・ユナイテッド
得点者:サラワク-ノーシャルル・イドラン・タラハ(36分)、ウチェ・アルバ2(76分PK、84分)
 1部リーグ経験者を大量補強したサラワク・ユナイテッドが2連勝を果たしています。
*以下の映像はクラブ公式TVではなく国営放送RTMのニュース映像です。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ順位(第2節終了時)

ClubGWDLGFGAGDPts
1SU22005056
2NS22004226
3TFC21105144
4SEL21014223
5KEL21012203
6KU21012203
7PRK210113-23
8KCH10101101
9JDT100112-10
10FAM200216-50
11PDRM200205-50
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、Pts-勝点
クラブ名:NS-ヌグリスンビラン、TFC-トレンガヌII、PRK-ペラII、SEL-スランゴール2、KEL-ケランタン、KU-ケランタン・ユナイテッド、KCH-クチンシティ、FAM-FAM MSNプロジェクト、SU-サラワク・ユナイテッド

*今季の2部プレミアリーグは11チームが参加のため、各節で1チームだけ試合がありません。第2節は廣瀬慧選手が所属するJDT IIの試合がありませんでした。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ得点ランキング(第2節終了時)

選手名(所属クラブ)ゴール数
1ウチェ・アグバ(SU)3
2アラン・オコン(NS)2
2アミルル・シャズワン・ノー・アズミ(TFC)2
2ジョージ・アトラム(SEL)2
クラブ名:NS-ヌグリスンビラン、TFC-トレンガヌII、PRK-ペラII、SEL-スランゴール2、KEL-ケランタン、KU-ケランタン・ユナイテッド、KCH-クチンシティ、FAM-FAM MSNプロジェクト、SU-サラワク・ユナイテッド

2021年Mリーグ2部プレミアリーグ第1節結果

 2部プレミアリーグも2021年シーズンが3月6日にいよいよ開幕し、8月1日の最終第22節まで全110試合が開催されます。今季の2部プレミアリーグには日本出身選手が5チームに7名と大盛況です。なお試合のダイジェスト映像は各クラブの公式TVチャンネルからお借りしています。

2021年3月6日@スルタン・モハマド4世スタジアム(ケランタン州コタバル)
ケランタン 0-1 ペラII
得点者:ペラII-ムハンマド・ハキミ・マット・イサ(49分)
 外国籍選手なしで今季を戦う予定だったペラIIはセルジオ・アグエロをスリパハンから期限付き移籍で獲得し、この試合でも先発でフル出場しています。

https://youtu.be/H8oXPqGqXKE

2021年3月6日@スルタン・イスマイル・ナサルディン・シャースタジアム(トレンガヌ州クアラトレンガヌ)
トレンガヌII 4-0 FAM MSNプロジェクト
得点者:アミルル・シャズワン・ノー・アズミ(19分)、ムハマド・ヌル・アズファル・フィクリ(43分)、モハマド・リズアン(46分)、ワン・モハマド・ファズリ(90+4分)
 昨季2位のトレンガヌIIが今季暫定的にリーグ参加のFAM MSNプロジェクトに快勝しています。
 今季からトレンガヌIIでプレーする渡邉将基選手は先発でフル出場しています。

2021年3月6日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
PDRM 0-3 スランゴール2
得点者:ハイン・テット・アウン(43分)、ジョージ・アトラム2(59分、76分)
 JDTに負けじと「育成のスランゴール」を目指すスランゴール2は、ミャンマー出身の19歳ハイン・テット・アウンとガーナ出身の20歳ジョージ・アトラムがゴールを決めています。
 1部から降格したPDRMで今季からプレーする鈴木ブルーノ選手はこの試合に先発し、44分に交代しています。

https://youtu.be/1xIu65VOXdo

2021年3月6日@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
ヌグリスンビラン 2-1 JDT II
得点者:ヌグリスンビラン:モハマド・ザクアン・アドハ・アブドゥル・ラザク(24分PK)、アライン・ティエリ・アコノ・アコノ(52分PK)、JDT:モハマド・ラフィフィクリ(45+1分) 
 9年ぶりに地元クラブに復帰したザクアン選手と新戦力でカメルーン出身のアコノ選手がゴールを決め、今季2部優勝候補の一角、ヌグリスンビランが好発進しています。
 JDTIIの廣瀬慧選手は先発してフル出場しています。

2021年3月7日@ハンジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
サラワク・ユナイテッド 2-0 ケランタン・ユナイテッド
得点者:クリスティ・ジャヤシーラン(12分)、ウチェ・アグバ(32分PK)
 Mリーグ1部経験者を多数獲得してヌグリスンビランど並び今季の優勝候補最右翼と目されるサラワク・ユナイテッドが今季の仮のホームとなるマラッカ州のハンジェバスタジアムで快勝しています。
 ケランタン・ユナイテッドの日本人トリオは谷川由来、深井脩平の両選手は先発してフル出場、また本山雅志選手は46分から出場し、試合終了まで出場しています。
 この試合はサラワク・ユナイテッドがFacebookで中継をしており、それを見たのですが、本山選手は投入されるとチームの雰囲気が変わりるのがわかりました。しかし好機でのパスに攻撃陣が対応できず得点には至りませんでした。しかし、その辺りの修正ができれば今季のケランタン・ユナイテッドはリーグのダークホースとなれるかも知れません。

ClubGWDLGFGAGDP
1TFC11004043
2SEL11003033
3SU11002023
4NS11002113
5PRK11001013
6KCH00000000
7JDT100112-10
8KEL100101-10
9KU100102-20
10PDRM100103-30
11FAM100104-40
*今季の2部プレミアリーグは11チームが参加のため、各節で1チームだけ試合がありません。第1節は鈴木雄太選手が所属するクチンシティの試合がありませんでした。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ得点ランキング(第1節終了時)

選手(所属クラブ)
1ジョージ・アトラム(SEL)2
2ムハンマド・ハキミ・マット・イサ(ペラII)他10名1

3月1日のニュース:サラワク州本拠地の2クラブが試合会場と日程を変更、MFLはメディア関係者への迅速抗体検査を受検義務づけは変更せず

サラワク州本拠地の2クラブの試合会場と日程が変更に
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグは公式サイト上でサラワク州クチンを本拠地とするMリーグ2部プレミアリーグのサラワク・ユナイテッドとクチンシティの試合日程及び会場の変更を発表しています。
 先日発表された今季の試合予定では、サラワク・ユナイテッドはスランゴール州スラヤンにあるMPSスタジアムでホームゲームを開催すると発表されていましたが、サラワク・ユナイテッドは新たにマラッカ州のハンジェバスタジアムへ変更することをMFLに申請し、MFLは臨時理事会を経て、これを承認したと発表しています。
 なおハンジェバスタジアムはMリーグ1部マラッカ・ユナイテッドの本拠地でもあることから、試合日程が変更されています。
 またクチンシティは、MFLに対して今季のホームゲームの最初の2試合をアウェイゲームとして行うこと、そしてその後のホームゲームはサラワク州に隣接するサバ州のコタキナバルにあるリカススタジアムで開催することを申請し、これが承認されています。
 サラワク州は独自の新型コロナウィルス対策を実施しており、サラワク州外からの渡航者全員に2週間の検疫隔離が義務付けられており、サラワク州でアウェイゲームを戦うMリーグ2部のクラブも例外とはなりませんでした。このため当初の予定通りの日程で今季のプレミアリーグを終えることが難しくなっていたことから、サラワク州を本拠地とする両クラブがその対策として州外でのホームゲーム開催をMFLに申請していました。
 なお、修正された今季Mリーグ2部プレミアリーグの試合日程はこちらからどうぞ。

MFLはメディア関係者への迅速抗体検査を受検義務付は変更せず
 マレーシアンフットボールリーグMFLは試合会場で取材を行うメディア関係者について、迅速抗原検査(ラピッドテスト)受検を義務付ける方針に変更はないことを発表しています。
 MFLのアブドル・ガニ・オスマンCEO名で出された今回の要望では、Mリーグを報道するメディア関係者に感謝の意を表する一方で、今季のMリーグはいわゆるスポーツバブル方式で開催されることから、このスポーツバブルを安全に維持していくためにもメディア関係者全員にラピッドテストの受検を義務付けると述べています。
 なお今回の要望は、MFLがメディア関係者全員に試合ごとにラピッドテストの受検を義務付けると発表したことに対し、マレーシアスポーツライター協会SAMのジャスニ・シャフィ会長がその手間や費用などの面から再考を求める提案をしたことについての回答です。
 ジャスニ会長は1回当たり100リンギから160リンギ(およそ2630円から4210円)かかるとされるラピッドテストを毎試合受けることによる金銭的な負担に加え、受検にかかる時間もメディアにとっては負担になると述べていました。
 またアブドル・ガニCEOはラピッドテスト受検が必要となるのはピッチ周辺で取材するカメラマンやテレビカメラマンのみであることを説明した上で、それ以外のメディアはMFLが用意するメディアルームで取材を行う限りはラピッドテスト受検は不要であるとしています。
 この他、新型コロナウィルスの感染が収まれば、国内スポーツを監督する青年スポーツ省とも協議の上、検査義務付けなども緩和する予定であるとし、それまではスポーツバブル維持のために協力を求めたいとアブドル・ガニCEOは話しています。
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 MFLはリーグ戦中にクラスターが発生しないようにと、Mリーグのチーム全員が合宿して外部との接触を遮断する合宿検疫隔離と、自宅で生活しながら同居する家族全員にも外部との接触の遮断を義務付ける自宅検疫隔離の二つの方法を併用して外部との接触を遮断するスポーツバブルを形成するとしています。
 なおアメリカプロバスケットボールのNBAやサッカーのMLSはこのスポーツバブル方式で試合を既に実施しています。いずれもフロリダ州のウォルトディズニーワールドで集中開催され、それを取材したUSA TodayやThe New York Timesの記事を読むと、記者など取材するメディアもそのスポーツバブルから自由でに出入りできない生活を強いられるだけでなく、定期的に検査を受けるなど外部からの隔離と感染予防が徹底していたことがわかります。ちなみに頻繁に行われたメディア関係者を対象とした検査はNBAやMLSが負担していたようです。

2月26日のニュース:クチンシティもサラワク州外でのホームゲーム開催をMFLに正式申請、スウィラッドはタイ2部ノーンブワ・ピッチャヤに合流、経営難で消滅クラブの元選手らが未払い給料支払いを求めて民事訴訟を準備、2部ペラIIは今季リーグ残留が決定

クチンシティもサラワク州外でのホームゲーム開催をMFLに正式申請
 Mリーグ2部の鈴木雄太選手が所属するクチンシティはMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLに対し、3月5日に迎える今季のMリーグ開幕からのホームゲーム4試合について本拠地クチン市のあるサラワク州外での開催を正式に申請したと英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 サラワク州は州内に複数のレッドゾーン(過去2週間で累積感染患者40名以上の地域)を複数抱えており、州外からの全ての渡航者に対して14日間の検疫隔離を義務付けています。このためサラワク州でMリーグの試合が行われる場合、対戦チームは試合の2週間以上前に渡航せねばならない上、検疫隔離中は練習が行えないことから、既に発表されている今季の日程が予定通りに開催できないことが懸念されていました。
 この状況について、同じサラワク州クチン市を本拠地にするMリーグ2部のサラワク・ユナイテッドは、既に州外でのホームゲーム開催をMFLに申請しており、先日発表になった今季日程では、スランゴール州スラヤンにあるMPSスタジアムを本拠地として使用することが発表されています。
 一方、対応が後手に回ってしまったクチンシティは、当初はイスラム教の断食月が始まる4月半ばまではホームゲームを首都圏で開催し、それ以降はクチンを本拠地とする案や、全ての試合をアウェイとして行う案を検討していたということです。なお、クチンシティは第2節の3月9日にトレンガヌIIを迎えてのホームゲームが予定されていますが、試合会場はまだ決まっていません。
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 MPSスタジアムを本拠地として使用することが決まっているサラワク・ユナイテッドですが、このMPSスタジアムは照明の光度がMFLの試合には不十分であることから、ここで開催される試合はいずれもマレーシアではまだ日中の暑さが残る午後4時45分キックオフとなっています。
 サラワク・ユナイテッドのサティアナタン・バースカラン テクニカルディレクターは、他のMリーグ2部のクラブの本拠地同様、午後9時キックオフが可能なスタジアムを抑えることができなかったと話し、暑さに対応するため、チームが目指すプレッシングサッカーから戦術変更の可能性も示唆しています。

スウィラッドはタイ2部ノーンブワ・ピッチャヤに合流
 タイ2部リーグのノーンブワ・ピッチャヤFCは、マレーシア代表経験もあるニック・スウィラッドのチーム合流を公式Facebookで発表しています。
 昨季はMリーグ1部スランゴールに所属していたスウィラッド選手はシーズン中はベンチを温めることも多く、シーズン終了後に契約解除となり、今季はクアラルンプール・ユナイテッドと契約直前までいったものの、結局は契約に至りませんでした。
 スウィラッド選手が加入したノーンブワ・ピッチャヤは、現在、タイ2部リーグで15勝8分0敗で2位に勝点差4をつけて首位を走っており、スウィラッド選手は残り11試合の契約となっています。
 スランゴールでは出場機会が少なかったこともあり、2019年3月を最後に代表招集がないスウィラッド選手ですが、ノーンブワ・ピッチャヤで出場機会を積み、さらに代表のタン・チェンホー監督にもアピールできれば再び招集もあるだろうと、サッカー専門サイトのヴォケットFCは予想しています。

経営難で消滅クラブの元選手らが未払い給料支払いを求めて民事訴訟を準備
 先日の2月21日にパハン州初の「市」となった州都クアンタン。かつてここにはMリーグ2部プレミアリーグでプレーするクアンタンFAというチームがありました。昨年ヌグリスンビランFA(現ヌグリスンビランFC)を最後に引退した中武駿介氏もかつて在籍したこのクアンタンFAは、2017年シーズンから給料未払い問題が明らかになり、その後、2018年には4ヶ月以上給料を支払われていない選手たちがリーグ戦当日に試合会場に現れないという事件を起こし、この年のリーグ開幕からわずか2ヶ月後にはチームはリーグ追放処分を受け、その後、クアンタンFAはチームが解散となりました。
 このクアンタンFAを当時買収しようとしていたのが当時のMリーグ3部にあたるFAMカップに所属していたセミプロクラブのマルセラ・ユナイテッドでした。このマルセラ・ユナイテッドの会長はクアンタンFAを買収してマルセラ・クアンタンFAとすると公言していましたが、結局それも実現せず、クアンタンFA解散後はマルセラ・ユナイテッドへ移籍してプレーを続ける選手もいましたが、マルセラ・ユナイテッドもやはりリーグ途中で解散してしまいました。
 この結果、クアンタンFAとマルセラ・ユナイテッドに所属していた選手や監督、コーチらは給料は未払いながら、請求先となるクラブが解散するという事態に直面していました。その後も当時の関係者などに問題解決のために連絡を取ろうとするも、これまで何年間もなしの礫。だったようです。
 しかしマレーシアの通信社ブルナマは、この両クラブの選手や監督、コーチらが記者会見を開き、クアンタンFAの26名の元選手と7名の監督、コーチ、そしてマルセラ・ユナイテッドの21名の選手と5名の監督以下スタッフが、2018年シーズンの未払い給料問題を解決するため、両クラブに責任を持つ人物に対して14日以内に連絡を取流よう求めていると、選手たちの弁護士を務めるスハイル・ラヒミ・アブドル・ラザク氏が述べていると報じています。平均して4ヶ月から5ヶ月分の給料が未払いとなっていると話すスハイル氏は「選手や監督、コーチは1年契約を結びながら、現在に至るまで全く何も支払われていない。しかも何年も支払いを求めながら何も進歩していないことに疲弊している。」と話し、旧クラブ関係者の誰も応じない場合には民事訴訟を起こす考えも明かしています

2部ペラIIは今季リーグ残留が決定
 今期開幕を控えながらリーグ不参加が取り沙汰されていたMリーグ2部のペラIIは、噂されていたチームの解散やMリーグ3部にあたるセミプロリーグM3リーグではなく、今季も2部に出場することが決定したと、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 スタジアムアストロの取材に対してMリーグ1部ペラFCの運営理事会メンバーであるカイルル・シャーリル・モハメド氏は、ペラFCのセカンドチームであるペラIIは、今年1回目のトランスファーウィンドウが3月5日まで延長されたことで、選手確保のめどがったととしてリーグ残留を表明しています。
 「(ペラFCの)運営理事会内では解散の意見も出たことは事実だが、それはあくまでも最後の選択肢である。様々な意見を検討した結果、ペラIIは今季も2部でプレーすることを決定した。」
 また外国籍選手が1人も加入していない状況については、ペラIIは本来、トップチームのペラFCに供給する若手選手に出場機会を与えることが設立目的であることから、今季は外国籍選手を獲得しない可能性が高いとも述べています。

2月21日のニュース:Mリーグ1部と2部の今季日程が発表、クチンシティも首都圏での複数のホームゲーム開催を検討、マレーシアはW杯予選の6月集中開催地として立候補せず、政治家がペラ州FAを混乱させている、サバが新戦力発表

Mリーグ1部と2部の今季日程が発表
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは公式サイト上で、今季2021年シーズンのMリーグ1部スーパーリーグと2部プレミアリーグの試合日程を発表しています。
 3月5日に開催されるスルタン・ハジ・アフマド・シャーカップ(スンバンシーカップ)として昨季チャンピオンJDT対昨季2位のクダ・ダルル・アマンが激突する開幕戦を皮切りに、1部スーパーリーグは8月8日まで、また2部プレミアリーグは8月1日までおよそ5ヶ月間のリーグ戦を戦います。
 今季日程の発表に際してMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、マレーシア政府が設ける標準行動手順SOPを厳守することを改めて全クラブに求め、クラスターなどを発生させることなく、各クラブが責任を持ってリーグを終えられることを望んでいると話しています。
 またアブドル・ガニCEOは新型コロナウィルスの感染者数がすれば政府に対してスタジアムでの感染許可を申請することも検討していると話しています。
 なおMリーグ1部スーパーリーグの日程はこちらから、2部プレミアリーグの日程はこちらからどうぞ。(新しいタブが開きます。)
*****
 サラワク・ユナイテッドがホームゲームを従来のサラワク州クチンではなく首都圏で開催することを希望していることはこのブログも取り上げましたが、2部プレミアリーグの日程表ではホームゲームの会場がスランゴール州MPSスタジアムになっていることから、今季のサラワク・ユナイテッドはこのMPSスタジアムを本拠地とするようですなおサラワク・ユナイテッドが本拠地とするMPSスタジアムはスランゴールのセカンドチーム、スランゴール2も本拠地として使用します。
 またマレーシアサッカー協会FAMと国家スポーツ評議会NSC(マレーシア語表記ではMSN)が共同で運営するFAM-MSNプロジェクトチームはスランゴール州シャーアラムのUITMスタジアムを本拠地とするようです。

クチンシティも首都圏での複数のホームゲーム開催を検討
 サラワク州クチンを本拠地とするMリーグ2部サラワク・ユナイテッドは今季のホームゲームを首都圏で開催する希望をMFLに出していましたが、昨日発表された今季のMリーグ日程を見ると、サラワク・ユナイテッドのホームゲームがスランゴール州スラヤンのMPSスタジアムを会場に組まれています。
 同じクチンを本拠地にする2部プレミアリーグのクチンシティは、サラワク州政府が州外からの渡航者に対する検疫隔離を継続する場合には、やはりホームゲームをサラワク州外に移して行う意向があると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 クチンシティのファズルディン・アブドル・ラーマン会長は、経営陣が2月20日朝にミーティングを行ったと話し、MFLの承認があれば自チームの最初のホームゲーム4試合はクアラルンプールで行いたいという希望を表明しています。そしてその後、サラワク州政府の標準作業手順SOPが渡航者に検疫隔離を求めるようであれば、残るホームゲームは全てマレー半島にあるスタジアムを本拠地として行う意向も明らかにしてます。

マレーシアはW杯予選の6月集中開催地として立候補せず
 マレーシアサッカー協会FAMは6月に延期されたFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選の残り試合の集中開催地として立候補しないことを表明しています。
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版はFAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長の話として、3月から6月に日程が変更されたFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼アジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会予選G組の残り試合を集中開催地としてマレーシアは立候補しないと述べています。
 AFCが集中開催地の条件として定めているいくつか項目について確約できないと話すスチュアート事務局長は、AFCのウインザー・ポール事務局長が挙げた検疫の実施状況など複数の点でAFCが求める条件をクリアできない可能性があることを理由に今回の見送りを決めたと話しています。 .

政治家がペラ州FAを混乱させている
 マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版は「政治家がペラ州サッカー協会(ペラ州FA)を混乱させている」というタイトルの記事を掲載しています。この記事の中ではペラ州FAの複数の加盟団体が、ペラ州FA理事会の意向を一部の州議会議員が無視した上で、運営に干渉をしていると非難しています。
 この加盟団体の代表者によれば、このブログでも取り上げたペラFCの新しいロゴをめぐる騒動や、一昨日から始まったUITMとスランゴール州シャーアラム市が共催する大会への出場などについてはペラ州FAの理事会では全く話し合われないまま、「ペラ州政府内の『スポーツ理事会』」のメンバーである州議会議員が勝手に発表したものだと非難しています。(ちなみにUITMでの大会には結局、ペラは出場せず、スリ・パハンが出場しています。)
 さらにこの加盟団体の代表者はペラ州FAのムハマド・ヤザン・ムハマド会長代理に対しても、ペラ州FA理事会を押しのけて干渉を続ける州議会議員らに職権濫用を理由に懲戒処分を課すべきと述べています。
 ペラ州FAの混乱は前ペラ州首相でペラ州FA会長も兼務していたアフマド・ファイザル氏がペラの選手や監督、コーチを含めたスタッフに380万リンギ(およそ9930万円)の未払い給料があることを暴露して辞職したことに始まります。中央政府の政変により与野党が逆転した州議会で不信任決議を突きつけられたアフマド・ファイザル氏は州首相を辞任したものの、州FA会長には留まろうとしていましたが、アフマド・ファイザル氏と敵対する州政府は選手らの未払い給料の支払いの条件としてアフマド・ファイザル氏に州FA会長辞任を迫った経緯があります。また新チームのロゴについても州内サポーターから不透明な経緯で選出されたロゴに非難が集まるもそれを押し切って採用しようとしましたが、ペラ州スルタンがサポーターの声を聞いて新たなコンペを開いてロゴを決めるよう「助言」を行う異例の事態になっていました。

サバが新戦力発表
 今年1回目のトランスファーウィンドウが2月19日から3月5日まで延長されたことを受け、各クラブが獲得した新戦力を発表しています。
 Mリーグ1部のサバは公式Facebook上でガボン代表のMFレヴィ・クレモン・マディンダとマケドニア出身のDFリストロ・ミトレヴスキーの獲得を発表しています。28歳のマディンダ選手はキャップ数50の現役のガボン代表でスペイン1部のセルタ・デ・ビーゴなどでもプレー経験があり、昨季はトルコ2部リーグのギレスンスポルでプレーしていました。またミトレヴスキー選手は29歳で、ボスニア、イスラエル、キプロスなどでのプレーを経て、昨季はアルメニア1部リーグのアラシュケルトでプレーしていました。
 また東南アジア(アセアン)枠でインドネシア代表のFWサディル・ラムダニをインドネシア1部リーグのバヤンガラ・ソロから獲得しています。ラムダニ選手は2019年にはパハンFA(現スリ・パハン)でプレーしており、2年ぶりのMリーグ復帰です。
 サバは2019年からプレーする韓国出身のDFパク・タエスとも契約を更改しており、4人の外国籍選手が確定しています。

2月19日のニュース:W杯予選G組の残り試合は6月に集中開催方式による実施が決定、今季のMリーグ2部は10チーム編成か-ペラIIに脱退の可能性が浮上、今季Mリーグ開幕戦はJDTの本拠地で開催決定、2022年AFCクラブライセンス申請受付開始-スリ・パハンとサバは申請せず、UITMは主催トーナメント開催を前にワクチン接種を希望

W杯予選G組の残り試合は6月に集中開催方式による実施が決定
 マレーシアの通信社ブルナマは現在中断中のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選について、マレーシアが所属する予選G組の残り試合全て6月に延期され、さらに集中開催方式で行われることが決定したと報じています。
 アジアサッカー連盟AFCのウインザー・ポール事務局長は、マレーシアの他にベトナム、タイ、アラブ首長国連邦、インドネシアが所属する予選G組についてはAFCの判断で6月開催とすることを各国サッカー協会とのオンラインミーティングで伝えたと、ブル生の取材に答えています。
 またウインザー事務局長は、今後は集中開催となる開催地の選別に取り掛かると話しています。なお開催地となるためにはAFCが設ける複数の条件を満たすことが求められており、その中には国境が開かれていて人の往来が自由に行われていることや、試合のため入国するチームや関係者に対し検疫隔離などの措置が義務付けられていないことなどが挙げられています。

今季のMリーグ2部は10チーム編成か-ペラIIに脱退の可能性が浮上
 今季のMリーグは3月5日に開幕しますが、開幕まで1ヶ月を切ったこの時期に2部のペラIIの出場事態の可能性が報じられています。ペラIIはMリーグ1部ペラのセカンドチームとして昨季からMリーグ2部でプレーしています。
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版は、Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLのアブドル・ガニ・ハサン事務局長は、ブリタハリアン紙の取材に対し、ペラIIのトップチームであるMリーグ1部ペラとペラIIの処遇についての話し合いが行われていることを認める一方で、現時点で何も確定しておらず、話し合いをしていること以上は明かすことができないとも述べています。
 ペラIIはセミプロクラブとしてMリーグ3部M3リーグに降格して再出発するという噂もあり、2019年シーズンにはMリーグ1部で最下位となり2部に降格したとはいえ、わずか数年前までトップリーグにいたクラブがセミプロクラブになってしまうのは残念ですが、それ以上に残念なのは今後プロサッカー選手を目指す若い選手たちの受け皿も減ってしまうことです。
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 ペラIIがMリーグ2部を脱退すれば、今季から参戦するFAM-MSNプロジェクトチーム(マレーシアサッカー協会FAMと国家スポーツ評議会MSNが運営する国営サッカーアカデミーの出身者で構成される間にあわせのチーム)を加えても10チーム編成となるMリーグ2部。しかもこのFAM-MSNプロジェクトやMリーグ1部クラブのセカンドチームであるJDT II、トレンガヌII、スランゴール2の3チームには1部への昇格権はありません。つまり今季は残る6チームで2つの昇格権を争う確率1/3の「お得な」シーズンとなっており、各チームが例年以上に積極的に補強しているのはこの機会を逃さないためでもあります。

今季Mリーグ開幕戦はJDTの本拠地で開催決定
 今季のMリーグ開幕戦では昨季の1部リーグチャンピオンJDTと2位のクダ・ダルル・アマンが対戦しますが、*スンバンシーカップとも呼ばれるこの開幕戦について、今季も含めて7年連続でJDTの本拠地で開催されていることから、一部ではMリーグを運営するMFLがJDTを優遇しているという声が出ているようです。こういった声についてMFLのアブドル・ガニCEOは「スンバンシーカップはMリーグ1部スーパーリーグチャンピオンのものであり、試合会場を変更する必要はない。」と述べています。
 JDTがMリーグ1部7連覇を達成していることから起こっているこの事態について、それ以前からもスンバンシーカップはその年のMリーグ開幕戦として、その前年のMリーグ1部優勝チームの本拠地で行われており、JDTを優遇しているわけではないと話すアブドル・ガニCEOは、もし他のMリーグクラブがスンバンシーカップを開催したければ、1部スーパーリーグで優勝すれば良いだけのことであると、外野の声を一蹴しています。
*スンバンシーカップ(スンバンシー:sumbangsihはマレーシア語で」寄付」の意。この試合は英国プレミアリーグのFAコミュニティーシールドを模しています。本国ではリーグチャンピオンとFAカップチャンピオンが対戦する英国サッカー協会FA主催の大会ですが、マレーシアではリーグチャンピオンとマレーシアカップチャンピオンが対戦し、Mリーグ公式戦の一環として行われます。マレーシアカップは2部のクラブが優勝する可能性もあるので、そうなった時にはリーグ戦扱いはできないのですが、その際にどうなるのかは不明です。

2022年AFCクラブライセンス申請受付開始-スリ・パハンとサバは申請せず
 MFLは公式サイトで来季2022年シーズンのクラブライセンス申請の状況を公表していますが、それによると今季2021年シーズンにMリーグ1部および2部でプレーする全18クラブがMFLに国内リーグ用クラブライセンス申請を行っています。
 また今回はアジアサッカー連盟AFC主催のAFCチャンピオンズリーグやAFCカップに出場する際に必要となるAFCライセンスの申請も受け付けが始まっていますが、こちらはMリーグ全クラブではなく1部と2部合わせて11クラブが申請しているようです。その内訳は1部はスリ・パハンとサバを除く1部10クラブと2部はサラワク・ユナイテッドの1クラブだけです。
 なお国内リーグ用クラブライセンスの申請は2月9日に締め切られているということですが、AFCライセンスの申請は今後も様々な書類の提出期限が続くということです。

UITMは主催トーナメント開催を前にワクチン接種を希望
 Mリーグ1部のUITMが1部のペラ、2部のトレンガヌIIとトーナメントを開催するニュースは先日取り上げましたが、Mリーグで初のスポーツバブル方式のテストとなるこのトーナメントを前に、UTIMのムスタザ・アフマドCEOは、スポーツ関連事業者としてMリーグクラブが初期のワクチン接種対象となることを望んでいると話しています。
 マレーシア語紙ハリアンメトロによると、今回のトーナメント期間中、UITMは各試合の前後に選手29名を含む関係者42名にPCR検査や抗体検査を行うということですが、今回のトーナメントでは1人1試合あたり検査費用として480リンギ(およそ12600円)かかるとムスタザCEOは話しており、ワクチン接種が行われればそうした費用も軽減できるとしています。

2月15日のニュース:「スポーツバブル」の外に出た選手には検疫隔離義務付けも、KLユナイテッドはフィリピン代表候補GKを獲得か、今度はサラワク・ユナイテッドで未払い給料問題発覚

「スポーツバブル」の外に出た選手には検疫隔離義務付けも
 活動制限令MCOにより禁止されていたMリーグクラブのチーム練習がいよいよ本日2月15日より解禁されますが、この解禁を前に国内スポーツを司る青年スポーツ省のリーザル・メリカン大臣が記者会見し、Mリーグが設定する、いわゆる「スポーツバブル」の外に出た選手や監督、コーチに対してはクラブ外で隔離措置が取られると話しています。
 マレーシアの通信社ブルナマの報道によると、リーザル・メリカン大臣は、3月5日の今季Mリーグ開幕を前に各クラブの選手、監督、コーチ及び関係者に対して、練習解禁の条件として選手や監督、コーチを含む関係者を大きな泡(バブル)で包み込むかのように外部との接触を遮断するスポールバブル方式とそれに基づく標準作業手順SOPを採用することから、このスポーツバブル方式の「肝」となる合宿隔離と自宅隔離を厳格に守ることを求めています。その上で、バブル内にいる選手を含めた関係者は一旦このバブルの外に出ることがあれば、再度バブル内に戻る前にはPCR検査と3日間の検疫隔離などを義務付ける予定であると話しています。
 「現在、青年スポーツ省とマレーシアンフットボールリーグMFL、国家スポーツ評議会は、国家安全保障委員会や保健省とSOPの詳細を詰めている段階であり、安全面だけでなく実効性のあるSOPを作成したい。」とリーザル・メリカン大臣は話しています。

KLユナイテッドはフィリピン代表候補GKを獲得か
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロは、今季からMリーグ1部に昇格するクアラルンプール・ユナイテッド(KLユナイテッド)が東南アジア枠の新外国籍選手としてフィリピン代表候補GKケヴィン・メンドーザと契約間近と報じています。
 デンマーク生まれながらフィリピン人の母親を持つメンドーザ選手は26歳で、昨季はデンマーク2部リーグのヴェンシュセルFFでプレーしています。
 KLユナイテッドのボジャン・ホダック監督は「(現在の正GKで31歳の)ザミル・スラマットがこれまでチーム内で競争相手がいなかったことから、メンドーザ選手の加入によって今季は2人が健全な形で競い合うことができると考えている。」と話しています。
 今季のMリーグ1部ではUITMがクロアチア出身のGKドミニク・ピチャクと契約しており、メンドーザ選手がKLユナイテッドと正式契約となると、Mリーグでは久しぶりの外国籍選手GKが今季は一気に2人誕生することになります。

今度はサラワク・ユナイテッドで未払い給料問題発覚
 マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版は2018年シーズンから2年間監督を務めたイアン・ギラン紙が、未払い給料の支払いを求めてFIFAへ不服申し立てを行なったと報じています。なおギラン氏の未払い給料は55万リンギ(およそ1430万円)ということです。
 この記事では弁護士を通じた問い合わせに対し、2年間以上もサラワク州サッカー協会(サラワク州FA)が全く返信をしていないことに業を煮やしたギリアン氏が、痺れを切らせてFIFAに不服申し立てをおこなったとしています。
 この未払い給料の支払いが行われなければ、FIFAによって今季のリーグ戦での勝点剥奪や、今季2度目のトランスファーウィンドウ期間での新選手獲得の禁止処分が下される可能性があります。
 昨季はクダ州サッカー協会のテクニカルディレクターを務めたギラン氏は、サラワク州FAが2017年11月から2018年12月分の自分の所得税を支払っていなかったことから、ビザの申請が困難になっている他、国外にいる家族への送金もできなくなっていると話しています。
 これについてサラワク州FAのポサ・マジャイス会長は、FIFAからの連絡は受け取っていないと話し、ギラン氏に今月中には支払う予定であると話しています。

2月14日のニュース:サラワク・ユナイテッドはホームゲームを首都圏で開催希望、FAM会長選-無投票当選確実のハミディン会長続投か、ケランタンFCは3名の新外国籍選手と契約

サラワク・ユナイテッドはホームゲームを首都圏開催希望
 ホーム アウェイ フロム ホーム。Mリーグ2部のサラワク・ユナイテッドは東マレーシア(ボルネオ島)のサラワク州クチンに本拠地を持つクラブですが、今季のホームゲームを首都圏で開催することを希望していると英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 サラワク州は新型コロナウィルスの「レッドゾーン」(過去2週間で累積感染患者40名以上の地域)が州内に複数あることから、現在、州外からの渡航者に対し14日間の検疫隔離を義務付けています。Mリーグの試合でサラワク州入りするクラブもこの検査隔離の例外ではなく、3月5日に迫る今季のMリーグ開幕前に状況が改善することも見込めないことから、サラワク州サッカー協会(サラワク州FA)のポサ・マジャイス会長は、Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLに今季のホームゲームを首都圏で開催する許可を求めたいと話しています。
 「Mリーグ開幕後も検疫隔離が義務付けられれば、アウェイチームはサラワク州へ来たがらない可能性がある一方で、サラワク州政府は州内にレッドゾーンがある限り、検疫隔離義務を撤廃することはない。このため今季のサラワク・ユナイテッドのホームゲームをクランバリー(クアラルンプールとスランゴール州を合わせた首都圏の通称)で開催できるよう、MFLの支援を求めたい。」とポサ会長は話しています。
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 サラワク州クチンには、やはりMリーグ2部で鈴木雄太選手が在籍するクチンシティも本拠地を持っていますが、状況はサラワク・ユナイテッドと同じです。義務付けられている2週間の検疫隔離期間を含めると州外から遠征してくるチームは2週間以上前からサラワク州入りする必要があることになります。またサラワク・ユナイテッドやクチンシティがマレー半島遠征後にサラワク州へ戻る際にも同様の検疫隔離が必要になることから、サラワク・ユナイテッドの要望はリーグ運営の際の問題点を一つ解消してくれることにもなりそうです。

FAM会長選-無投票当選確実のハミディン会長続投か
 対抗馬なしは手腕に対する評価か。マレーシアサッカー協会FAMの理事会選挙は3月13日に予定されていますが、その際、同時に行われる予定の会長選挙では、2018年からFAM会長を務めるハミディン・アミン現会長の対立候補が指名されなかったようだとニューストレイトタイムズ電子版が報じています。なお、今回の理事会選挙は2021年から2025年までの任期の理事を決める選挙です。
 FAM理事会選挙は、FAM傘下の各州サッカー協会(全13州のサッカー協会と連邦直轄地クアラルンプールサッカー協会)とマレー系、中華系、インド系の各マレーシア人サッカー協会、マレーシア王立警察と国軍のサッカー協会、そしてサッカーコーチ協会の全20団体が指名する候補者から理事10名、会長代理2名、副会長1名、そして会長1名を選出するものです。
 会長選候補者となるためには6協会以上から、副会長選候補者は5協会から、会長代理選候補者は4協会から、そして理事選候補者は2協会からの推薦が必要となっていますが、推薦受付は2月11日に終了しており、今回の会長選では2期目を目指すことを宣言しているハミディン会長は、6協会以上からの推薦を受けた唯一の候補者ということです。また同じく続投を目指すモハマド・ユソフ・マハディ会長代理も候補者となるために必要な推薦を得ているとされています。しかしその一方で、やはり現職のスバハン・カマル会長代理については必要な推薦数が得られているかどうかについては不明ということです。
 なお最終候補者はマレーシア王立警察とマレーシア汚職防止委員会による審査を経た上で3月6日に発表されます。

ケランタンFCは3名の新外国籍選手と契約
 Mリーグ2部のケランタンFCは公式Facebook上で新たな外国籍選手3名との獲得を発表しています。
 ギリシャ出身のDFクリストス・インジディスは189cmのセンターバックで、昨季はルーマニア2部リーグのCSコンコルディア・キアジナでプレーしています。また英国出身のFWジャック・ヒンドルは昨季は英国4部のバローAFCでプレーしたストライカーです。さらに東南アジア(アセアンASEAN)枠ではFWナタナエル・シリンゴリンゴをインドネシア2部リーグのスルット・ユナイテッドから獲得しています。
 現在21歳のナタナエル選手は一昨年2019年の東南アジア大会通称シーゲームズのフィリピン大会に出場したインドネシアU23代表合宿に飛び級で招集されたものの最終メンバーには残れませんでしたが、今年2021年末にベトナムで開催されるシーゲームズに出場するインドネシアU23代表候補に再び選ばれています。
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 Mリーグ2部の外国籍枠は4名で、ケランタンFCはさらにスペイン出身の選手(ポジション不明)を獲得するという噂があります。
(下は左からナタナエル選手、ヒンドル選手、インジディズ選手の加入を知らせるケランタンFC公式Facebookの投稿)

1月16日のニュース:ケランタンFCオーナーがFAMを痛烈に批判-FAMは勝点剥奪処分を否定、ケランタンFCの新監督が決定、今季Mリーグ参加の全クラブにクラブライセンス発給完了

図らずも今回はケランタンFCの記事が集まってしまいました。開幕後も何かと話題になりそうなケランタンFCは今後も取り上げる機会が多くなりそうな予感がします。

ケランタンFCオーナーがFAMを痛烈に批判
 マレーシアサッカー協会FAMがケランタン州サッカー協会(ケランタン州FA)に対し、11名の選手への未払い給料を命じたことは、数日前のこのブログでも取り上げましたが、マレーシアの通信社ブルナマによると、ケランタン州FAが期限までに未払い給料を支払わない場合、今季2021年のMリーグに参加するケランタンFCが勝点3を剥奪される可能性があるという報道が出たことを受け、ケランタンFCのノリザム・トゥキマン オーナーが自身のFacebookにFAMを激しく非難するコメントを投稿しています。その内容はMリーグの各クラブに義務付けられた民営化の有効性、さらにFAMによる国内サッカーの運営方法への非難にまで及んでいます。
 「未払い給料問題はケランタン州FAの問題にもかかわらず、(民営化された結果、ケランタン州FAとは別の組織となった)ケランタンFCが勝点剥奪の対象となるとはどういうことか。民営化は一体何のためだったのか。FAMは民営化を支援する立場にありながら、ケランタン州FAにもケランタンFCにも事前に何の通告もせず、いきなりメディアに勝点剥奪について発表するべきではない。」
 「Mリーグの放映権料は未だ、各クラブに支払われておらず、Mリーグの審判も給料が未払いとなっているではないか。FAMは一体何をしたいのか。自らのオフィスの改築か。」ノリザム オーナーはこのような批判を展開していますが、これにとどまらずマレーシアの現在のFIFAランキングが153位であることを「恥ずべきこと」であるとし、一体どんな輩がこの国のサッカーを運営しているのか、とまで述べています。
 ノリザム オーナーは昨年9月に、680万リンギ(およそ1億7500万円)をケランタン州FAに支払ってケランタンFCの経営権を買い取っています。またケランタン州FAは、ノリザム オーナーがクラブを購入する1ヶ月前の昨年8月に、同様の給料未払い問題でリーグ戦の勝点3を剥奪される処分を受けています。

FAMは勝点剥奪処分を否定
 前述のMリーグ2部ケランタンFCのノリザム オーナーの非難を受け、マレーシアサッカー協会FAMは急遽、公式声明を発表し、ケランタン州サッカー協会(ケランタン州FA)が給料未払いとなっている11名の選手の給料を期限までに支払わない場合でも、ケランタンFCが勝点剥奪処分を受けることはないと明言しています。
 ブルナマによれば、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長はそのような発言はしていないと否定しているということです。
 FAMの公式声明でも「残された録音音声を元に判断すると、ラマリンガム事務局長はレポーターからのケランタンFCの勝点剥奪に関する質問に答えないようにしている」としており、またケランタンFCのノリザムオーナーに対しては、事実を確認しないまま、ソーシャルメディア上でFAMに対して批判的なコメントを投稿するべきではなかったと非難しています。
 「ノリザム オーナーはFAMのスチュアート事務局長に直接連絡を取り、そういった発言があったのか、またその真意は何かなどを尋ねていればこのような問題はそもそも怒らなかった。」としています。

ケランタンFCの新監督が決定
 ケランタンFC関連の記事が続きますが、今回は新監督就任のニュースです。前任者のユスリ・チェ・ラー氏の退団により空席となってた監督に、サンマリノ出身のマルコ・ラギニ氏が就任するとマレーシア語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 欧州サッカー連盟UEFAプロライセンスを保持するラギニ氏は、イタリアサッカー協会でインストラクターを務めた経験があるほか、イタリア、スイス、ポルトガル、モンゴル、ナイジェリアでも監督やコーチの経験があるいうことです。
 ラギニ新監督の就任を自身のFacebookで告知したケランタンFCのノリザム オーナーはイタリア出身のGKコーチとスペイン出身のアシスタントコーチとフィットネスコーチを獲得したことも明かしています。

今季Mリーグ参加の全クラブにクラブライセンス発給
 マレーシアサッカー協会FAMの第一審査期間(FIB)は今季2021年シーズン参加のためのクラブライセンスを条件付きで発給されていた7クラブの内、UKM FCを除く6クラブが再審査を通過してフルライセンスを発給されたことを公式サイトで発表しています。
 この7クラブは今季Mリーグ2部に参加するクチンシティFC、ケランタンFC、サラワク・ユナイテッドFC、、1部に参加するペナンFC、スリパハンFC、マラッカ・ユナイテッドFCです。なおUKM FCの条件付きクラブライセンスは今回の審査を通過しなかったため、無効となったということです。
 昨年から断続的に施行されている活動制限令MCOや条件付き活動制限令CMCOなどのため、クラブライセンスの申請期間が昨年10月31日から12月31日まで延長された結果、上記の6クラブにはフルライセンスが発給される一方、このクラブライセンスはあくまでもマレーシア国内のみで有効で、アジアサッカー連盟AFC主催大会への参加はできないということです。
 なお、今回フルライセンスを獲得したクラブの内、マラッカ・ユナイテッドFCは国内歳入庁と従業員積立基金に合わせて27万6000リンギ(およそ709万円)を超える未納があるということですが、新たに設定された支払い期限までに納入できない場合には、クラブライセンスが無効となるということです。
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 国内歳入庁に対し税金未払いがあり、期限までに納入できなければライセンスが無効になる状況にもかかわらず、マラッカ・ユナイテッドFCに支給される条件付きライセンスがフルライセンスになる理由が全くわかりませんが、いずれにせよ、シーズン中にライセンスが無効となり、リーグ開催期間中にクラブの数が減ることだけは勘弁していただきたいです。

1月9日のニュース:スランゴールFCは今後3年はMBPJスタジアムをホームに、サラワクU監督は今季優勝争い参戦に自信、元代表のジュニオール・エルドストールはタイ1部クラブに移籍

スランゴールFCは今後3年はMBPJスタジアムをホームに
 Mリーグ1部のスランゴールFCは今季から少なくとも3シーズンはスランゴール州プタリンジャヤにあるMBPJスタジアムを本拠地として使用するようです。
 これまで本拠地としてきた同州シャーアラムにあるシャーアラムスタジアムが総費用2億5000万リンギ(およそ64億4000万円)とされる大規模な改修工事に入ることから、スランゴールFC運営会社のジョハン・ハミドンCEOは今後2、3年は、同じMリーグ1部PJシティFCのホームでもあるMBPJスタジアムを本拠地とすることを、スランゴール州政府関連企業が発行するスランゴールキニ紙上で明かしています。
 スランゴールFCは昨季2020年シーズン開幕前に、Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLからシャーアラムスタジアムの老朽化による危険を指摘されたことによりホームゲームを同スタジアムで開催できなくなり、昨季のホームゲームは同じ1部のUITM FCが使用するスランゴール州シャーアラムのUITMスタジアムを使用していました。(ただし1試合だけはブキジャリルスタジアムでホームゲームを開催したものの、FAMにブキジャリルスタジアムでのホームゲーム開催を禁じられています。)

 昨季2020年シーズンはMリーグ2部で10位、しかも11位のヌグリスンビランFC(旧ヌグリスンビランFA)とは勝点で並びながら得失差で10位となったサラワク・ユナイテッドFC。その監督として2年目となるエラヴァラサン・エランゴワン監督は、2月下旬に開幕予定の今季2021年シーズンに向けて優勝を目指す戦力が整ったと話しています。
 マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版によると、その根拠は補強した新戦力にあるということです。昨季はスランゴールFCで主将を務めたテイラー・リガン(オーストラリア)の他、サンドロ・ダ・シルヴァ(スランゴールFCより加入)、ノーシャルル・イドラン・タラハ(タイ1部リーグBGパトゥム・ユナイテッドから加入)、リ・チャンホーン(ペナンFCから加入)らMリーグ経験者を集めたエラヴァラサン監督は、昨季とは大きく異なるチームの編成に自信を持っており、2部の優勝争いはサラワク・ユナイテッドFCを含めた全てのチームにチャンスがあると話しているということです。
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 フェルダ・ユナイテッドFCとUKM FCがリーグ参加を認められず、今季は10チームで争われる2部プレミアリーグですが、その内、4チームは1部スーパーリーグ所属チームのセカンドチームであることから1部昇格ができません。このため今季の2部リーグは6チームが1部昇格の2枠を争うことになります。

元代表のジュニオール・エルドストールはタイ1部クラブに移籍し
 かつてサラワクFA(現サラワク・ユナイテッドFC)やJDTでのプレー経験のあるDFジュニオール・エルドストールはマレーシア人の母親とスウェーデン人の父親を持ち、マレーシア代表でもプレー経験があります。2018年にJDTを退団後は英国7部リーグなどでプレーしていましたが、このエルドストール選手がタイ1部のチョンブリーFCと契約したことをマレーシア語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 マレーシア人選手のタイリーグ挑戦といえば、今季は既にノーシャルル・イドラン・タラハ(前BGパトゥム・ユナイテッドFC)とモハマドゥ・スマレ(前ポリス・テロFC)の代表コンビがいずれも尻尾を巻いて昨年末で契約を終えてマレーシアへ戻ってきたのは記憶に新しいところです。
 アセアン(東南アジア)枠での契約となるエルドストール選手は、若い選手が多いチョンブリーFCに自分の経験を伝えたいと話していますが、9歳とまだまだ老け込む歳でもないエルドストール選手の東南アジア復帰は、ワールドカップ2022年大会アジア二次予選を控えるマレーシア代表にとって朗報となることを期待したいです。
(チョンブリーFCと契約したエルドストール選手-チョンブリーFC公式サイトより)