11月20日のニュース:トレンガヌFCはナフジ監督続投も今季のチーム得点王と契約更新せず、ケランタンFCはユスリ監督の契約を更新せず、フェルダUとUKM FCの来季Mリーグ不参加が確定

トレンガヌFCはナフジ監督続投も今季のチーム得点王と契約更新せず
 Mリーグ1部のトレンガヌFCは、ナフジ・ザイン監督の続投を発表する一方、大幅な選手の入れ替えを行うようだとマレーシア語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 既に退団を明らかにしたシンガポール出身のMFファリス・ラムリに続き、今季は11試合の短縮日程となったMリーグで9ゴールを挙げチーム得点王となったFWドミニク・ダ・シルヴァとの契約を更新しないことが、トレンガヌFCを運営するトレンガヌ州サッカー協会から発表されています。
 ベトナム1部リーグのサイゴンFCから加入して1年目のダ・シルヴァ選手は、他のMリーグクラブからのオファーの話があれば、国外よりもマレーシア国内での移籍を優先したいとも話しています。
 トレンガヌFCはダ・シルヴァ選手以外の外国籍選手との契約更改が行われていないことから、英国出身のMFリー・タック主将やウズベキスタン出身のMFサンジャル・シャアフメドフらの退団も噂されています。
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 Mリーグで今季3位となったトレンガヌFCは、今季のマレーシアカップが中止となったことから、優勝チームに与えられることになっていた来季のAFCカップ出場権が与えられており、本来ならアジアで戦うため来季へ向けての戦力補強が必要そうですが、新たな獲得選手のニュースが報じられない一方で、これだけ今季の主力選手が流失すると、せっかく棚ぼたでAFCカップ出場権を得たにもかかわらずその先には暗雲が立ち込めています。

ケランタンFCはユスリ監督の契約を更新せず
 今季Mリーグ2部で6位となったケランタンFCは、ユスリ・チェ・ラー監督とアシスタンコーチのテンク・ハムザ・ラジャ・ハサン、アズリ・マムード・、イスマイル・チャワリット・アブ・バカルの3名との契約を更新しないことを発表しています。
 ケランタンFCのノリザム・トゥキマン オーナーは、クラブが1部昇格を達成するためには厳しい決断を下す必要があるとし、そのためには自分が求める「勝者のメンタリティー」を持つ指導者が必要だったと話しています。
 マレーシア国内からだけでなく、スペインやハンガリー、ドイツなどからも監督職への応募を受けていることを明かしたノリザム オーナーは経験豊かで選手とともに強いチームを作ることができる人材を応募者から選びたいと話しています。

フェルダ・ユナイテッドFCとUKM FCの来季Mリーグ不参加が確定
 民営化に伴い新たに獲得したオーナーによる支援の内容がクラブ運営には不十分であるとして、マレーシアサッカー協会FAMから来季のMリーグ参加が認められていなかったMリーグ1部のフェルダ・ユナイテッドFCと同2部のUKM FCは、FAMに再考を求めていました。
 これについてFAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、両クラブからの再考依頼についてFAM内で協議を行った結果、やはり来季のリーグ参加資格を両クラブには与えないことを発表しています。
 「両クラブからの再考依頼を受け、追加提出された書類を精査した結果、FAMの決定は変わらず、来季のMリーグ参加は認められないことが決定した。なお、これは最終決定であり、これ以上の再考依頼は受け付けない。」とスチュアート事務局長は話しています。
 さらにスチュアート事務局長は、今回の決定により両クラブのMリーグ参加への道が完全に閉ざされたわけではなく、他の新規参入クラブ同様、まずはセミプロリーグのMリーグ3部であるM3リーグに参加し、そこから2部への昇格を目指す方法があるとも話しています。

11月17日のニュース:マレーシアカップ中止を理由とした給料削減を行わないようPFAMが各クラブに警告、FAMは年内の代表合宿中止を決定、Mリーグ試合配信のYoutubeチャンネルはのべ2900万人が視聴

マレーシアカップ中止を理由とした給料削減を行わないようPFAMが各クラブに警告
 マレーシアプロサッカー選手会PFAMは、マレーシアカップが中止となったことを理由にして、クラブが選手に対して契約内容通りの給料を支払うことを拒否することがないようにと警告しています。
 マレーシア語紙ブリタハリアンはPFAMによる声明を取り上げていますが、それによると、PFAMは現在も未払い給料問題を抱えているクラブがあるとして、これらのクラブに対して、来季2021年シーズン開幕前までには完済するように警告を行っています。
 マレーシアカップ中止は残念だとしながらも、Mリーグの選手の契約は11月末までとなっており、マレーシアカップが12月まで延期されれば、選手の契約問題が発生することは明らかだったことから、PFAMは大会主催者であるマレーシアフットボールリーグMFLによる中止決定は妥当なものであると生命の中で述べています。
 また、来季以降もマレーシアサッカー界を持続させていくためには、今季、マレーシアサッカー界が経験したことを関係者全員が教訓とする必要があり、来季のMリーグやマレーシアカップはいわゆる「ニューノーマル」に基づいた形で開催されることをPFAMは望んでいるとしています。

FAMは年内の代表合宿中止を決定
 マレーシアサッカー協会FAMは、マレーシアカップ終了直後に予定されていた代表合宿について、年内には行う予定がないと発表しています。
 英字紙ニューストレイトタイムズは、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長の話として、現在2つの案が検討されていると報じています。
 アジアサッカー連盟AFCは、現在中断中のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選およびAFC選手権アジアカップ2023年大会予選の新たな日程を発表しており、これによると来年3月に予選が再開されることになっています。
 「現在の新型コロナウィルスの感染状況では、国内での代表合宿は難しい。このためタン・チェンホー監督と相談した上で、1月の代表合宿開催、あるいは3月から再開するアジア二次予選の直前の数日間の合宿開催を検討中である。」とスチュアート事務局長は話しています。しかしその一方で、1月はMリーグ開幕直前であるだけでなく、FIFAの国際マッチデー期間でないことから各クラブは選手が招集されることに難色を示す可能性があるとし、Mリーグを主催するマレーシアフットボールリーグMFLが来季の日程を確定した時点で、代表合宿の日程を決定したいとスチュアート事務局長は述べています。
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 ジョホール・ダルル・タジムJDTが国民の海外渡航を禁じているマレーシア政府の指示に従って、カタールで開催されるAFCチャンピオンズリーグへの出場を辞退しましたが、新型コロナウィルスの状況が改善されず、マレーシア政府が方針を変えない場合、来年3月から再開するW杯アジア二次予選の際には代表が国外の代表選に出場できない可能性、さらには国外からの渡航者に2週間の隔離検疫期間を義務付けていることから国内での代表選開催にも支障が出る可能性があります。

Mリーグ試合配信のYoutubeチャンネルはのべ2900万人が視聴
 新型コロナウィルス感染拡大により、今季のMリーグはそれぞれ12クラブが所属する1部、2部とも1回戦総当たりの第11節までとシーズンが短縮される結果になり、しかも3月中旬の第4節以降は全試合が無観客で行われました。これにより国内サッカー人気の停滞が心配される中、Youtubeにより配信されたMリーグの試合はのべ2900万人が視聴したと、マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 さらに1回戦終了後中止となったマレーシアカップの視聴者数は7試合でのべ660万人となっているということです。
 Mリーグ1部で最も視聴されたのは9月19日のジョホール・ダルル・タジムJDT対スランゴールFC戦で138万人が視聴、2部(2部はYoutube配信が行われていないので、Mycujooによる配信のデータと思われます-筆者注)は8月22日のUKM FC対ケランタンFA戦で3万5000人が視聴したということです。
 またマレーシアカップ1回戦ではクダFA対パハンFAをのべ220万人が視聴、最大視聴者数を記録しています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、これだけ多くの視聴者がいることは新型コロナウィルス禍の中、国内サッカーが下火になるどころかより活気付いていることを証明していると話しています。
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 ここで取り上げられている数字の根拠は不明ですが、MFLの公式Youtubeチャンネルではマレーシアカップ1回戦のクダFA対パハンFAの視聴回数は75万回となっています。それを考えるとこの記事の数字はスポンサーを意識した上での「盛った」数字かも知れませんが、それでもインターネットに接続できれば無料(本来はYoutubeでの無料配信はなく、テレビあるいストリーム配信視聴は年間で100から120リンギ(およそ2540から3050円)のパッケージ契約が必要)で1部リーグ全試合が観戦できたことは、視聴者数の押上には役立ったことは確かでしょう。

11月13日のニュース:マレーシアカップの中止が決定-AFCカップ出場権はTFCへ、スランゴールFCの新監督に前ヴィッセル神戸監督が就任か、JDTから移籍のジオゴはタイ1部リーグの最高給取りに

マレーシアカップの中止が決定-AFCカップ出場権はトレンガヌFCへ
 マレーシアカップを主催するマレーシアフットボールリーグMFLは、公式Facebookで今季のマレーシアカップ中止を発表しています。
 MFLは国内のスポーツを監督する青年スポーツ省を通じて、国家安全保障委員会NSCが発表した大会延期の再検討を求めていましたが、これが受け入れられなかったことから、中止を決定したとしています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、今回の中止決定はMFLは選手を含めた関係者全員の健康と安全を優先するNSCの決定を尊重した結果であると話す一方で、大会が延長された場合、選手の契約期間が11月末までであることから、契約延長によって様々な問題が生じる可能性があるとも中止決定の理由に挙げています。
 またマレーシアカップ優勝チームに与えられる予定であった来季2021年シーズンのAFCカップ出場権は、今回のマレーシアカップ中止の決定により今季Mリーグ3位のトレンガヌFCに与えられることも臨時役員会で決定されたしています。

スランゴールFCの新監督に前ヴィッセル神戸監督が就任か
 Mリーグ1部で5位となったスランゴールFCはリーグ戦中にサティアナタン・バスカラン監督を解任し、残りの試合はマイケル・ファイヒテンバイナーTD(テクニカルダイレクター)が代行監督を務めましたが、既に新監督が決まっているようです。
 その新監督とは今季、Jリーグのヴィッセル神戸で指揮をとりながら、家庭の事情を理由に9月に辞任していたトルステン・フィンク氏だとスポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 スタジアムアストロによれば、ドイツ出身のフィンク監督は既にマレーシア国内におり、渡航者全員に義務付けられている入国後2週間の隔離期間を過ごして最中であるとも報じています。
 昨年2019年にヴィッセル神戸の監督に就任したフィンク氏は同年の天皇杯、今年2月の富士ゼロックススーパーカップで優勝するなどの実績を残していました。
 なおフィンク氏が率いていたヴィッセル神戸は、今季のアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグでMリーグ覇者のジョホール・ダルル・タジムJDTと同じG組に入り、監督在任中だった今年2月12日のグループステージ開幕戦ではJDTを5-1と一蹴しています。
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 Mリーグ7連覇の覇者JDTとの今季の対戦では1-6と惨敗し、昨年までの過去5シーズンでもリーグ戦では10試合で1勝4分5敗とJDTには劣勢のスランゴールFCですが、フィンク監督が新監督に就任することになれば、スランゴールFC対JDTは俄然注目のカードとなります。
 Mリーグ1部では9勝2分0敗と今季無敗だったJDTが2020年に喫した唯一の黒星がACLのヴィッセル神戸戦だったことを考えると、JDTによる一強多弱状況を打破したいかつての王者スランゴールFCが探していたのは、まさに「JDTを破った経験のある監督」だったということかも知れません。

JDTから移籍のジオゴはタイ1部リーグの最高給取りに
 サッカー専門サイトのヴォケットFCは、Mリーグ1部チャンピオンのJDTからタイ1部リーグのBGパトゥム・ユナイテッドに移籍するジオゴがタイ1部リーグで最高の年棒が払われる選手となる可能性を報じています。
 ヴォケットFCはタイ国内メディアのサイアムスポーツの記事を引用し、JDTでプレーしていた際に支払われていた給料金額が高かったことから、BGパトゥム・ユナイテッドもそれに見合った金額を用意した結果、対1部リーグの最高級取りとなりそうだとしています。
 ジオゴ選手のBGパトゥム・ユナイテッドでの月給は330万バーツ(およそ1150万円)ということですが、このジオゴ選手の他のBGパトゥム・ユナイテッドの選手の給料は、チーム内2位のヴィクトル・カルドゾは月給100万バーツ(およそ348万円)、3位の清水エスパルスから移籍するとされているティーラシン・デーンダーは月給72万5000バーツ(およそ252万円)となっていますが、このチームでプレーするマレーシア代表のノーシャルル・イドラ・タラハは、チームの給料ランキングではトップ8に入っていないということです。

11月12日のニュース:JDTは政府の出国禁止措置によりACL出場取り止めに、政府はマレーシアカップ延期の決定を再検討せず、AFCは中断中のW杯予選日程の概要を発表

JDTは政府の出国禁止措置によりACL出場取り止めに
 今季のMリーグ1部で7連覇を達成したジョホール・ダルル・タジムJDTは、昨季2019年のMリーグ優勝チームとしてアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLに出場しています。ヴィッセル神戸(日本)、広州恒大(中国)、水原三星(韓国)と同じG組に入り、ここまで1勝0分1敗のグループ2位につけています。
 このACLのG組は11月19日からカタールのドーハでの集中開催が決まっていますが、マレーシア政府の国家安全保障委員会NSCは新型コロナウィルス感染拡大防止のため自国民の国外渡航を禁じており、これによりJDTにも出国の許可が下りず、JDTはACLへの出場を取り止めことが、JDIの公式Facebookで発表されています。
 アリスター・エドワーズTD(テクニカルディレクター)名で出された発表では、アジア最高峰の大会に参加できなくなったことには失望しているとしながらも、マレーシア政府の決定を尊重し、またドーハへ渡航する予定だったJDTの選手や監督、コーチの安全は最優先されるべきであり、新型コロナウィルス感染が拡大する中ではこのような安全措置は理解していると述べています。

政府はマレーシアカップ延期の決定を再検討せず
 マレーシア政府は今季のマレーシアカップ延期の決定について、マレーシアフットボールリーグMFLが求めている再検討をする予定がないようです。
 マレーシアの通信社ブルナマは、新型コロナウィルス関連を担当するスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)の話として、MFLからの再検討依頼があったとしながらも、選手を含めた関係者の間で感染が発生するリスクを避けるために決定を変更する予定はないとしています。
 「国家安全保障委員会の席上では、ピッチ上での選手同士の接触は避けられないことから感染のリスクが指摘されている。また選手や監督、コーチなど試合に関わる人間の数は多い上、大半が同じバスで移動し、同じ更衣室を使えば厳格な標準作業手順SOPを遵守することは難しい。また演劇のような娯楽では無観客の上、出演者全員がマスクをした上で社会的距離ソーシャルディスタンスを維持するなどのSOPの遵守は難しくないが、サッカーではそのようなわけにはいかない。」と一部から出ていた批判についてもサブリ上級相は答えています。
 しかしその一方で、新規感染者数に減少傾向が見られるようになれば、数週間でマレーシアカップを再開することは可能であるとも話しています。

AFCは中断中のW杯予選日程の概要を発表
 アジアサッカー連盟AFCは公式サイト上で、現在中断されているFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選の日程が理事会で承認されたと発表しています。
 これによるとアジア二次予選は来年2021年6月15日までに完了するしている必要があるとし、第7節と第8節は来年3月に、第9節と第10節は来年6月にそれぞれ開催し、アジア最終予選を来年9月に開催するとしています。
 またアジア最終予選は2022年3月末までに終了し、大陸間プレーオフはFIFAの国際試合カレンダー期間の2022年5月または6月に行うこと、またアジア最終予選A組とB組の3位動詞が対戦するアジア枠のプレーオフは従来のホームアンドアウェイ式ではなく1試合で決着をつけることも提案されています。
 また中国が開催を辞退したAFC U23選手権2022年大会とその次回大会となる2024年大会、さらにはAFC選手権2027年大会も西アジア諸国を対象に開催希望国を改めて募ることについても理事会で同意されたということです。
 この他、マレーシアも出場予定ながら延期となっているU19選手権は来年3月3日から20日まで当初の予定どおりウズベキスタンで、またU16選手権は日程は未定ながらバーレーンで開催されることも明らかにされています。

11月7日のニュース:マレーシアカップ開幕-JDT・クダFA・ペナンFAがベスト8進出、AFC事務局長は州政府に依存するクラブを暫定的に容認、ケランタンFCはランカウィ島にリゾートをオープン

マレーシアカップ開幕-JDT・クダFA・ペナンFAがベスト8進出
 今季2020年シーズン最後の大会となるマレーシアカップが開幕しました。今季はMリーグ1部11クラブと2部5クラブの16クラブが参加する点は従来通りですが、1回戦からトーナメントと変則になっています。
 優勝チームにはAFCカップ出場権が与えられるこの大会は、11月22日の決勝まで熱戦が繰り広げられます。(試合のダイジェスト映像はMFLの公式Youtubeチャンネルより)

11月6日(金)マレーシアカップ1回戦
タンスリ・ダト・ハジ・ハサン・ユノススタジアム(ジョホール州ラーキン)
ジョホール・ダルル・タジムJDT 1-0 クチンFA
得点者:JDT-アリフ・アイマン(19分)、クチンFA-
 18歳のアリフ・アイマンのゴールで先制したJDTがそのまま逃げ切りベスト8進出を決めています。JDTは、次戦はサバFAの出場自体により1回戦を不戦勝となったクアラルンプールFAと対戦します。
 クチンFAの鈴木雄太選手と谷川由来選手もいずれも先発してフル出場しています。

シティースタジアム(ペナン州ジョージタウン)
ペナンFA 3-1 フェルダ・ユナイテッドFC
得点者:ペナン-カサグランデ(37分)、アメル・アザハ(分)、リ・チャンフン(76分)、フェルダ-ニコラス・ヴェレズ(49分)
 リーグ戦では11試合で9ゴールを決めたカサグランデがこの試合でも先制ゴールを決め、ペナンFAがベスト8進出を決めています。ペナンFAはベスト8でUITM FCとケランタンFAの勝者と対戦します。
 今季でのMリーグ撤退が決まっているフェルダ・ユナイテッドFCはこの試合の敗戦で13年の歴史に幕を下ろしました。
 フェルダ・ユナイテッドFCの恵龍太郎選手は先発してフル出場しています。

ダルルアマンスタジアム(クダ州アロースター)
クダFA 3-2 パハンFA
得点者:クダ-シャキル・ハムザ(17分)、クパ・シャーマン(36分)、チェチェ・キプレ( 44分)、パハン-ムスリム・アーマド(49分)、ファイザル・ラニ(88分)
 パハンFAの猛攻を防ぎ切ったクダFAがベスト8進出。クダFAはスランゴールFCとマラッカ・ユナイテッドFCの勝者がベスト8での対戦相手となります。
 パハンFAは77分のディクソン・ヌワカエメのPK失敗が最後まで響きました。

AFC事務局長は州政府に依存するクラブを暫定的に容認
 Mリーグの1部と2部のクラブに対し、マレーシアサッカー協会FAMは来季までに「民営化」を完了することを義務付けました。これにより各州サッカー協会(州FA)によって運営されていたクラブは、来季以降は州FAから独立して設立された運営会社がクラブを運営することになっています。
 しかし、企業や個人のスポンサーを獲得できていない(あるいは獲得する気がない?)クラブ運営会社の株式が州FAや州政府によって保持され、民営化後もこれまで同様、州政府からの公金支援でクラブが運営される図式は変わっていないようで、Mリーグ1部のジョホール・ダルル・タジムJDTのオーナーはこれを非難しています。
 この状況について、アジアサッカー連盟AFCのウインザー・ポール事務局長は、望ましいものではないとしながらも、新型コロナウィルスによる経済状況悪化、そして実際の民営化に必要期間を考慮すると、一時的にはやむなしと話していると、マレーシア語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 「州政府からの公金支援に依存せず、各クラブが運営費用を生み出す努力をするべきではあるが、新型コロナウィルスによる状況の悪化によってクラブが収入を生み出すことが難しいことは理解できる。その上で各クラブには州政府に依存せず、収入を生み出すための長期計画が必要になる。AFCはこれに向けて全てのクラブが努力することを期待している。」とウインザー事務局長は話しています。
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 新型コロナウィルスの影響は否定できないですが、州政府に依存しない完全な「民営化」達成の期限を区切り、その期限までに達成が無理なクラブは下部リーグに落として立て直しをしてもらう、というのも一つの方法かと思います。プロクラブを名乗りながら、州政府からの支援がなければ選手や監督、コーチに対する給料未払い問題を起こすようなクラブがある限り、Mリーグの評価は下がることはあれ、上がることはないでしょうから。

ケランタンFCはランカウィ島にリゾートをオープン
 Mリーグ2部のケランタンFC(来季から、現在はケランタンFA)がクラブが運営するリゾートをオープンしたことをクラブの公式Facebookで発表しています。
ランカウィ島にオープンしたということです。
 公式Facebook上の投稿によれば、このリゾートはザ・レッドウォリアーズ・リゾートの名称で、日本でも有名なリゾート地のランカウィ島でも最も多くの人が訪れるチェナン海岸に近いということです。(ちなみにランカウィ島はクダ州にあります。)
 マレーシア国内でも特にイスラム教の影響が強いケランタン州を本拠地とするケランタンFCのリゾートということで、イスラム法(シャリア法)に則り結婚した男女に限り同室での宿泊が可能ということです。
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 サッカークラブがリゾート経営に乗り出すべきかどうかは別にして、多額の未払い給料に苦しむケランタン州サッカー協会による運営時代とは打って変わって、ビジネスマンのノリザム・トゥキマン氏がオーナーとなったことで、多角的なクラブ経営を目指すケランタンFCは、マレーシアでクラブを運営する一つのモデルとなりそうです。


10月25日のニュース:U19代表のルクマンがついにベルギ−1部リーグ公式戦デビュー、来季の1部リーグコーチのライセンス特例続報、クアラルンプールFA新監督候補者としてマルコート氏が浮上

U19代表のルクマンがついにベルギ−1部リーグ公式戦デビュー
 U19代表のエース、ルクマン・ハキム・シャムスディンがついにベルギー1部リーグでの公式戦デビューを果たしました。
 ベルギー1部リーグのKVコルトレイクへ移籍した18歳のルクマン選手は、マレーシア時間の10月24日の早朝にホームのグルデンスポーレン・スタディオンで開催されたリーグ第10節のRSCアンデルレヒト戦に74分から出場し、マレーシア出身選手として初めてベルギー1部リーグデビューを果たしています。
 0-3と劣勢の場面でセルビア出身のDFペタル・ゴルボヴィッチと交代で出場したルクマン選手は右サイドのポジションに入り、わずか16分ほどしかプレーしませんでしたが、87分には敵陣ゴールライン付近からペナルティーエリアに走り込んできたMFジュリアン・デ・サールへパスを送ると、相手DFがデ・サール選手を倒してしまい、KVコルトレイクはPKを獲得しました。これをFWイロンベ・ムボヨが決めて、試合は1-3都なりましたが、このままのスコアで終了し、KVコルトレイクは敗れています。
 KVコルトレイクは、10試合を終了して4勝2分4敗、得点12失点13でリーグ暫定順位を9位としています。
 マレーシア人ビジネスマンのヴィンセント・タン氏がオーナーのKVコルトレイクと5年契約を結んだルクマン選手は、今年8月にチームに合流し、先週はKVコルトレイクのU21チームの試合に出場し、ゴールを決めていました。 

来季の1部リーグコーチのライセンス特例続報
 来季Mリーグ2部から1部に昇格するペナンFAのマンズール・アズウィラ監督とクアラルンプールFAのニザム・アズハ・ユソフ監督は、FAMがMリーグ1部クラブの監督に求めるアジアサッカー連盟AFCプロフェッショナルコーチングディプロマ(AFCプロディプロマ)を保持していません。しかし新型コロナウィルス感染拡大による特例措置として、来季に限りAFCプロディプロマなしでの指導が認められる可能性があることを、先日のこのブログで取り上げました。
 この件についてスポール専門サイトのスタジアムアストロは続報として、AFCは「資格のある」コーチに限り、Mリーグ1部での指導を認める特例を適応するということのようです。
 この特例についてAFCと相談中と話すマレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長によると、この特例措置はAFCプロディプロマを持たない指導者のうち、国内トップリーグのクラブを指導するに値する資格を持つとAFCが判断した指導者にのみ適応されるということです。その判断の基準の一つとして指導期間の長さなどが上がっているということです。
 スタジアムアストロはAFCのウインザー・ジョン事務局長にも確認を取ったということで、この特例対象者はFAMではなくAFCによって決定されるということです。

クアラルンプールFA新監督候補者としてマルコート氏が浮上
 上の記事と関連して、スタジアムアストロではクアラルンプールFAの監督候補者を取り上げています。
 スペイン出身のラモン・マルコート氏がその一人、スタジアムアストロのインタビューに対して、マレーシア人コーチと自らの経験や知識を共有したいと話しています。
 クアラルンプールFAを運営するクアラルンプールサッカー協会は、上の記事で取り上げたように今季の指揮を取るのニザム・アズハ・ユソフ監督がMリーグ1部昇格となる来季も続けて指揮を取る為に必要なAFCプロディプロマを保持していないことから、Mリーグ1部のクダFAでの監督経験がある43歳のマルコート氏を、来季の監督候補の一人としているとされています。
 スタジアムアストロのインタビューに対してマルコート氏は、クアラルンプールサッカー協会からの正式なオファーは受けていないと話す一方で、もしそういったものがあれば話を聞くつもりがあるとしています。
 なおマルコート氏は、2017年シーズンから2018年シーズンにかけて、クダFAがニザム・アズハ・ユソフ監督だった際にはコーチを務め、その後はニザム監督と交代で監督を務めた経験もあります。
 さらにマルコート氏は、外国人指導者が成功するためには、其の国の状況を理解し、現地の指導者と協力して指導することが重要だと話し、ニザム現クアラルンプールFA監督とは当時は関係が良好であり、また今後ともに指導することには何も問題がないと話しています。

10月24日のニュース:来季のMリーグ1部クラブの監督には保持ライセンスの特例適用か、タイメディアがスマレの給料を暴露、フェルダUの新たなオーナーの名前が浮上

来季のMリーグ1部クラブの監督には保持ライセンスの特例適用か
 マレーシアサッカー協会FAMはMリーグ1部の監督就任の条件としてアジアサッカー連盟AFCプロフェッショナルコーチングディプロマ(AFCプロディプロマ)または同等のライセンス保持を求めています。
 AFCからの指示で今季2020年シーズンから適用されたこの条件により、昨季のMリーグ2部で優勝し、1部に昇格したサバFAのジュリアス・アティン監督(当時)はAFCプロディプロマを保持していなかったため、優勝監督ながらコーチに降格し、外部からクルニアワン・ドゥイ・ユリアント現監督を招聘したという経緯があります。
 今季Mリーグ2部で優勝し来季の1部昇格を勝ち取ったペナンFAのマンズール・アズウィラ監督、そして同じく1部昇格を決めているクアラルンプールFAのニザム・アズハ・ユソフ監督はいずれもこのAFCプロディプロマを保持していないため、来季は両クラブとも新監督が指揮を取ることが予想されていましたが、新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて、マンズール監督とニザム・アズハ監督が1部でも指揮を取ることができる特例適用の可能性が報じられています。
 スポーツ専門サイトのアストロアリーナは、FAMが決定権を持つAFCとは現在も協議中であり、最終決定ではないとしながらも、新型コロナウィルスによる影響をもとにAFCが特例を認める可能性があるとしています。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長はこれについて「新型コロナウィルスによって、昨季(のサバFA昇格時)とは大きく異なっており、AFCはマレーシア国内の状況を考慮した上で、AFC主催大会に出場しないペナンFAとクアラルンプールFAに特例を認める可能性がある。」と話し、その理由として以下のような説明をしています。
 「Mリーグの監督、コーチが今年3月に参加を予定していたコーチングライセンス一次コースの最終モジュール(履修単位)は新型コロナウィルスの影響に延期されたままであり、最終モジュールの履修が終わっていないため、来年開催予定の二次コースも開催時期は未定である。」
 なおMリーグ1部の監督に保持が義務付けられているAFCプロディプロマは、2022年シーズン以降ははMリーグ2部の監督にもその保持が義務付けられことになっています。
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 この記事ではAFCプロディプロマの取得費用として6万6000リンギ(およそ167万円)がかかるとも書かれており、これが高いのか安いのかはわかりませんが、マレーシアサッカー協会FAMはAFCのAライセンスのコースまでしか開催できないようです。このためAFCプロディプロマ取得に関してはそのコース開催資格を持つ日本、中国、オーストラリア、カタールのいずれのサッカー協会で研修を受ける形になるようです。そう言えば、昨年のちょうど今頃、FAMが日本サッカー協会JFAによる研修に指導者を派遣していました。

タイメディアがスマレの給料を暴露
 タイ1部リーグのポリス・テロFCに移籍したムハマドゥ・スマレの月給は27万5000バーツ(およそ92万円)であることが明らかにされています。
 マレーシア語紙ブリタハリアンはタイメディアのサイアムスポートの記事を引用し、この金額はタイ1部リーグの外国籍選手としては最低レベルであること、そしてこの金額で契約したポリス・テロFCがラッキーだったと報じているとしています。
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 JDTのキャプテン、ハリス・ハルンは月給3万シンガポールドル超(およそ231万円)と報じられていますので、スマレ選手が代表の主力選手ということを考えると、マレーシア国内でも92万円は決して高額ではなさそうです。なおタイ1部リーグの外国籍選手の月給の相場というものが分かりませんが、この記事を書くために調べた際に、タイ代表DFタナブーン・ケサラットが昨年、ムアントン・ユナイテッドからチェンライ・ユナイテッドへ移籍した際に月給70万バーツ(およそ234万円)という記事を見つけました。

フェルダUの新たなオーナーが判明か
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版は、Mリーグの撤退を発表したフェルダ・ユナイテッドFCの新たなオーナーが判明したと報じています。
 記事の中で新たなオーナーとされているのはタナムラユキャピタル社TMCB社で、このTMCB社が、フェルダ・ユナイテッドFCの旧運営会社社員が設立した新たなクラブの運営会社ファイターズ社の主要株主となるようだと報道されています。
 記事によれば、TMCB社はファイターズ社がマレーシアサッカー協会FAMに提出した書類の審査後、認可が得られた段階で正式な発表を行う予定のようです。
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 TMCB社は今季フェルダ・ユナイテッドFCの今季のユニフォームの胸スポンサーの1社で、これまでもフェルダ・ユナイテッドFCとは無関係ではなかったようです。なお2015年創設のTMCB社は、同社の公式サイトを見る限りでは国外にも東南アジアや中国に支店を持つリース企業のようです。

10月23日のニュース:今度は国軍FCの元選手が給料未払いをFAMに告発、アイディル監督留任決定のクダFAは来季からクダ・ダルル・アマンFCに、UKM FCは給料以外に社会保障費他の納付金も未払いが発覚

今度は国軍FCの元選手が給料未払いを告発
 今季もMリーグの複数のクラブで明らかになった給料未払い問題ですが、今度は現在、M3リーグに所属する国軍FCの元選手が未払いとなっている給料についてマレーシアサッカー協会FAMに告発したようです。
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版によると、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長はこの告発をもとに元選手と国軍FC経営陣との工廠の仲介を行うとしています。
 「FAMは元選手からの告発を受け取っており、給料未払い問題解決のために双方の話を聞き、国軍FCが元選手との間で同意した予定通りの未払い給料支払いが行われなかった理由を確認した上で、双方が納得する解決方法を模索したい。」とスチュアート事務局長は話しています。
 かつてはMリーグ1部に所属したこともある国軍FCですが、今回の給料未払い問題を告発した選手は身元を明かしてはいませんが、クラブの元主力でマレーシア代表でもプレー経験があるものの、現在は漁師をしているということです。
 この元選手の告発によれば、2015年から毎月分割で支払われていた未払い給料ですが、その支払いが今年の4月から滞っているということです。また、この選手の他にも3名の元選手が合計で28万リンギ(およそ707万円)の未払い給料の支払いを受けていないということです。
 なお、この国軍FCはFAMがMリーグ全クラブに義務付けた民営化をM3リーグ所属ながら申請し認可を受けていますが、国軍FCの民営化認可と来季の国内リーグ参加のためのクラブライセンスについて問われたスチュアート事務局長は、「国軍FCはM3リーグに所属しているため、Mリーグ1部や2部に参加する際に必要とされるクラブライセンスの申請が必要なく、またクラブの民営化とクラブライセンス申請は関係がない。」と答えています。
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 スチュアート事務局長のコメントを読む限りでは、M3リーグ以下のリーグでは参加するクラブにはクラブライセンスが必要ないということのようですが、それでも民営化を申請した国軍FCが未払い給料問題を抱えたいたことを知った上で民営化を認めたとすれば、クラブオーナーが変わることで責任の所在が不明確になり、その結果、給料未払い問題がうやむやにされてしまう危険性に対する認識が不十分な気がします。また、未払い給料問題を把握せずに民営化を認めたとすれば、FAMによる緩い審査とその節穴ぶりがまた露呈した形になります。

アイディル監督留任決定のクダFAは来季からクダ・ダルル・アマンFCに
 アイディル・シャリン・サハク監督は他のクラブとの交渉に断りを入れ、クダFAとの新たな2年契約に同意してことが報じられています。
 マレーシアの通信社ブルナマによれば、アイディル監督の決断は今季Mリーグで2位となり来季のAFCカップの出場権を獲得したことに加え、選手と監督、コーチとの関係が良好であること、またクラブの運営サイドが現状の改善に努力していることが理由であるとしています、また、かつて監督を務めたシンガポールリーグのホーム・ユナイテッド(現ライオンシティセーラーズFC)以来のAFCカップ出場に向けて、主力選手の90%がチームに残るだろうと話しているということです。
 この他、クダFAの来季からの新クラブ名がクダ・ダルル・アマンFCとなったことが発表されています。
 新クラブ名を発表したクダ州サッカー協会(クダ州FA)のムハマド・サヌシ・ムハマド・ノー会長は、このクダ・ダルル・アマンFCの運営会社ダルルアマンFC社の株式の80%をクダ州政府の政策投資会社であるMBI社が購入し、残る20%をクダ州FAが保有することも明らかにしています。またMBI社は購入したダルルアマンFC社の株式を共同事業体を設立して保有していく予定があり、現在、複数の企業と交渉中であることも発表しています。
 またクダ州首相でもあるムハマド・サヌシ会長は、クダ州でのサッカー協会会長という役職の重要性を理解したとして、クダ州FAに提出していた辞職願を取り下げたことも明らかにしています。なおムハマド・サヌシ会長はより適切な人材を会長とすべきとして今月10月15日に辞職願をクダ州FAに提出していましたが、クダ州FAはこの辞職願の受け取りを拒否していました。

UKM FCは給料以外に社会保障費他の納付金も未払いが発覚
 Mリーグ2部で今季は9位に終わったUKM FCは、所属する選手や監督、コーチに対して6月の給料は半額のみ、7月以降は全く給料を支払っていないと、ブリタハリアンが報じています。
 この7月以降の未払い給料に加えて、クラブが負担する従業員積立基金EPFや労災補償制度SOCSOなどの納付金については今年3月から支払われていないことも明らかになっています。
 この結果、UKM FCの選手の中にはプロサッカー選手にも関わらず、生活のためにアルバイトや配車サービスなどの仕事をせざるを得なくなった者もいるということです。
 クラブの運営側も未払い給料の支払い時期を明言しておらず、UKM FCの選手たちはマレーシアプロサッカー選手会PFAMに問題解決の助けを求め、PMAMはクラブ側に2週間の猶予を与え、問題可決を図るように求めたということです。

10月22日のニュース:JDTのフィゲロアTMが退団、JDTはジオゴの移籍と新外国籍選手の獲得も発表、フェルダUは名称を変更してMリーグ残留か、フェルダUの権利を引き継いだクラブのみがMリーグ参加可能-MFL

JDTのフィゲロア チームマネージャーが退団
 Mリーグ1部で7連覇を達成したジョホール・ダルル・タジムJDTで今季チームマネージャーを務めたルシアーノ・フィゲロア氏の退団がJDTの公式Facebookで報じられています。
 ビジャレアルCF(スペイン)やジェノアCFC(イタリア)などでもプレー経験がある元アルゼンチン代表のフィゲロア氏は2014年にギリシャリーグのパナシナイコスFCからJDTに移籍し、今季まで続くMリーグ1部7連覇の初年度、そして翌年2015年の連続優勝に貢献しただけでなく、東南アジアのクラブとしては初めて優勝を遂げたAFCカップ優勝にも貢献しています。フィゲロア氏は2015年シーズン後には引退し、2017年からはJDTの親善大使に就任しましたが、2018年シーズン開幕前に電撃現役復帰しMリーグ1部の試合に出場しましたが、このシーズン後に再び引退しています。その後、JDTのオーナーであるジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下からJDT監督に就任指名を受け、当時JDTのセカンドチーム監督だったベンヤミン・モラ現JDT監督をコーチとして采配を振るい、その後はモラ監督、フィゲロアチームマネージャーのコンビで2019年、2020年と連覇を達成しています。
 なおフィゲロア氏のJDTでの通算成績は71試合に出場し、43ゴールと14アシストとなっています。
 今回、家庭の事情で本国アルゼンチンへ帰国するということですが、JDTの公式Facebookにはオーナーのトゥンク・イスマイル殿下やクラブ、サポーターへの感謝の言葉と、それに応えるトゥンク・イスマイル殿下の言葉が掲載されています。
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 新型コロナウィルスによる今季リーグの中断期間中だった9月には、JDTのホーム、スルタン・イブラヒムスタジアムの一角が「フィゲロアスタンド」と命名されることが発表されるなど、選手として、そして引退後はマネージャーとしてクラブに対する貢献が高く評価されていたフィゲロア氏。今回退団するフィゲロア氏が入団した2014年から始まったリーグ7連覇は来年も続くのでしょうか。

JDTはジオゴの移籍と新外国籍選手の獲得も発表
 JDTの公式Facebookでは、フィゲロア氏の退団以外にも続々と新たな情報が公開されています。
 まずは11月19日から12月4日の予定でカタールで集中開催されるAFCチャンピオンズリーグに出場するJDTは、11月6日に開幕し同22日に決勝が予定されているマレーシアカップの優勝候補チームですが、両大会の日程が重なっていることからその対応が注目されていました。これについてはMリーグ2部でプレーするセカンドチームJDT IIの選手も含めたチーム編成となるようです。
 また、このブログでも取り上げたジオゴの移籍が正式に発表されています。なおタイへの移籍はマレーシアカップ終了後となると発表されています。なおジオゴに代わる外国籍選手としてカミーロ・ダ・シウヴァ・サンヴェッゾの獲得が発表されています。2010年シーズンには韓国1部リーグの慶南FCで短期間ながらプレー経験があり、今季はメキシコ1部リーグのマサトランFCでプレーしていたということです。
 この他、昨日のこのブログでJDT移籍の噂を取り上げた元フェルダ・ユナイテッドFCのダニエル・アミールの獲得も正式に発表された他、ベンヤミン・モラ監督とハリス・ハルン主将の残留も発表されています。
 移籍情報以外では、今季から使用している本拠地のスルタン・イブラヒムスタジアムのピッチ改修工事のため、マレーシアカップでは昨年まで使用したラーキンスタジアムことタン・スリ・ダト・ハジ・ハッサン・ユーヌススタジアムを使用すること、外国企業4社がチームとスタジアムのスポンサーに名乗りを上げていることなども発表されています。
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 発表内容を見れば見るほど、JDTは戦力面だけでなく、クラブの設備、運営の姿勢、高いプロ意識と他のMリーグクラブとはますますその差が開いていくようです。先日も来季に向けて契約更改を始めた記事を取り上げましたが、JDTと他のクラブとの差は実は戦力面での差以上に、クラブ運営トップの姿勢や意識の差が大きいようです。

フェルダ・ユナイテッドは名称を変更してMリーグ残留か
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版は、Mリーグ撤退が発表されたフェルダ・ユナイテッドFCの旧運営会社が新たなオーナーを既に獲得し、来季もMリーグ残留の可能性が高まっていることを報じています。
 フェルダ・ユナイテッドFCの旧運営会社のアフィザル・アブ・オスマン元事務局長は、新たな運営会社として立ち上げたThe Fighters社(ファイターズ社)を通じて、来季のMリーグ参加をFAMに申請中ということです。
 ファイターズ社の代表も務めるアフィザル氏は、新たなオーナーと来季のクラブ運営に関する経営計画をすでにマレーシアサッカー協会FAMに提出済みということで、現在はFAMによる認可を待っている状態だということです。
 「新たなオーナーやスポンサーについては、ファイターズ社が提出したクラブ民営化に関する経営計画をFAMが承認してから明らかにしたい。またFAMが承認した場合でもクラブの名称はフェルダ・ユナイテッドFCとはならないだろう。」とアフィザル氏は話しています。
 (旧運営会社から運営を引き継いだ)フェルダ連邦土地開発庁が運営から手を引区ことを表明したことから、今後はどこからクラブの運営資金が出るのかをFAMに説明したことを明らかにしたアフィザル氏は、ここ数日メディアで取り上げられているラヤット・ユナイテッド(Rakyat United)というクラブに名称が変更されるのではという問いには答えませんでした。
 また先日、プトラジャヤに新たなMリーグクラブの創設を明らかにしたアヌアル・ムサ連邦直轄地相との面会について問われたアフィザル氏は、アヌアル大臣がファイターズ社と協力して、新たなクラブがプトラジャヤを本拠地とすることが可能かどうかについて話し合ったことは明かしています。
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 フェルダ・ユナイテッドFCがラヤット・ユナイテッドとなるかどうかはわかりませんが、アヌアル大臣が明らかにした「プトラジャヤを本拠とするクラブ」の最有力候補となったことは、この記事から明らかなようです。

フェルダ・ユナイテッドの権利を引き継いだクラブのみがMリーグ参加可能-MFL
 Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは、新たなクラブが来季2021年シーズンからMリーグ1部あるいは2部に参加する場合は、Mリーグ撤退を表明したフェルダ・ユナイテッドFCの権利を引き継いだクラブのみが可能であるとしています。
 ブリタハリアン電子版は、MFLのアブドル・オスマン・ガニCEOの話として、Mリーグに参加するクラブはMリーグ3部にあたるM3リーグからスタートするのが原則であるが、今回の場合はフェルダ・ユナイテッドがMFLに対して正式にリーグからの撤退を申請した場合に限り、その権利を引き継ぐクラブにのみMリーグ1部あるいは2部からの参加を認める可能性があるとしています。
 その一方でオスマン・ガニCEOは、フェルダ・ユナイテッドFCはMリーグからの撤退について未だ文書による正式な報告をしておらず、同クラブが撤退を確定していない現状では、同クラブに代わってのMリーグ参加は認められないとも話しています。またフェルダ・ユナイテッドFC自身が代わりのクラブを指名する場合には、具体的なクラブ名を上げる必要もあるとしています。
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 何か歯切れの悪い記事になってしまいましたが、ここにも前述のラヤット・ユナイテッドが関連しています。ラヤット・ユナイテッドがフェルダ・ユナイテッドFCに代わってMリーグに参加するという噂がここ数日取り上げられていますが、双方とも何も正式なコメントを出していません。状況から判断すると、フェルダ・ユナイテッドFCがラヤット・ユナイテッドとして再出発するのだろうという予想は立ちますが、確定するまでにはまだ時間がかかりそうです。

10月11日のニュース:ケランタンFCのユスリ監督はコーチとして来季残留か、ACL東地区は来月カタールで集中開催、W杯とAFC選手権予選が一か所集中開催となる可能性が浮上

ケランタンFCのユスリ監督はコーチとして来季残留か
 ケランタンFC(来季から、現ケランタンFA)のノリザム・トゥキマン新オーナーは来季2021年シーズンに向けて新たな監督を採用する予定があることを明らかにしています。
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版によると、現在のユスリ・チェ・ラー監督はクラブに残り、新監督とともに選手を指導することになるということです。
 「(来季のケランタンFCを指導する)新監督は、ユスリ現監督とコンビを組んでもらう予定である。これはコーチ陣を強化することが何よりも重要だからである。新監督は外国籍かマレーシア人かは決まっていないが、確定した場合には明らかにする予定である。」と話すノリザム新オーナーは、Mリーグ2部第11節のケランタンFA対JDT IIの試合を観戦し、各選手が見せたチームへの貢献姿勢を評価し、Mリーグ後に出場するマレーシアカップでも1部スーパーリーグのクラブに気後することなくプレーして欲しいと話しています。

ACL東地区は来月カタールで集中開催
 アジアサッカー連盟AFCは公式サイト上で、AFCチャンピオンズリーグACL東地区の試合をカタールで集中開催することを発表しています。
 AFCとカタールサッカー協会が合意したもので、各組の試合は11月18日から12月13日までの日程で行われ、12月19日に決勝が行われるということです。
 E組、F組、G組、H組からなるACL東地区のうち、Mリーグ7連覇を果たしたジョホール・ダルル・タジムJDTが入っているG組とH組はマレーシアを会場にして集中開催が予定されていましたが、マレーシアは新型コロナウィルスの新たな感染者数が連日、新記録を更新するなど国外からチームを受けいるれることが難しい状況になっています。

W杯とAFC選手権予選が集中開催となる可能性が浮上
 現在中断中のFIFAワールドカップ2022年大会予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選が一か所で集中開催される可能性があることをマレーシアの通信社ブルナマが伝えています。
 マレーシア サッカー協会FAMのハミディン・モハマド・アミン会長が明らかにしたところによると、今後も新型コロナウィルスの感染が収束しない場合、両大会の予選は来年2021年3月と5月にカタールあるいはアラブ首長国連邦に全出場国を集めて一か所で開催される可能性があるということです。
 マレーシア代表は、本来ならW杯アジア二次予選のアラブ首長国戦を10月8日にドバイで、その後は10月13日にはホームでベトナム戦、そして10月17日にバンコクでタイ戦と試合が続く予定でしたが、新形コロナウィルスによりこれらの試合はすべて順延されています。