観戦記:4月13日MFL1部スーパーリーグ第9節プタリンジャヤシティFC対JDT@MBPJスタジアム

スランゴール州ケラナジャヤにあるMBPJスタジアムが今日の試合の会場です。このブログにはアップしませんでしたが、3月30日のプタリンジャヤ(PJ)シティFC対PKNS FCの試合も見に来たのですが、その時とは打って変わって大混雑していました。ちなみにスタジアムの名称となっているMBPJはMajilis Bandaraya Petaling Jaya(プタリンジャヤ特別市)の意味で、PJシティFCはここをホームとしています。

JDTの移動用バス。メタリックのバスが2台止まっていました。

Boys of StraitsはJDTのサポーターグループの名称。自前のバスまで持っているのでしょうか。すごい!

スタジアム周辺にはお約束の屋台があちこちにありました。

JDTの2019年練習用ジャージまで売られています。(でも多分コピーです)

今回はオープンスタンド(15マレーシアリンギ、400円ほど)で観戦しました。

PKNS FC側に座ったのですが、こちら側にはみ出すほどJDTの応援が多かったです。というか、PKNS FCの応援はゴール裏のサポーターのみでした…。

JDTのサポーターグループBoys of Straitsは今日も元気でした。

バックスタンドから見たメインスタンド

さあ、試合開始です。

この試合唯一の得点が入ったのは28分、サファウイ・ラシドからのパスを受けたシャフィク・アーマドのシュートが決まりました。中央で祝福されている28番がシャフィク選手です。

試合はこの1点のみでしたが、MFLには珍しくスピード感のある試合はJDTがPJシティFCに完勝でした。夕方に大雨が降ったためグラウンドコンディションが悪く、途中で選手が足を取られる場面も何度かありました。特にペナルティーエリアの手前がかなり緩かったようで、そこからゴール前にパスを出す際に踏ん張れない様子も見られました。そこの状態が良ければ、もっと大差でJDTがかっていたかもしれない試合でした。

4月12日のニュース:ケランタンFAに勝点3はく奪の処分

ケランタンFAに勝点3はく奪の処分
マレーシアサッカー協会FAMのホームページによると、マレーシアフットボールリーグMFLに所属するケランタンFA(KAFA)に対して、今シーズン所属しているMFL2部プレミアリーグで勝点3はく奪の処分が科されました。この処分はKAFAの前テクニカルダイレクターを務めていたウルグアイ人のアルフレッド・カルロス・ゴンザレズに対する契約違反に対して、KAFAが誠実に対応していないことを重く見た、国際サッカー連盟FIFAの指示に基づきFAMが科したものですが、
 給料未払い問題に端を発したこの騒動については、FAMのホームページに詳しいタイムラインが掲載されていますので、これを見ていきます。

2018年1月19日
マレーシアサッカー協会FAMが、KAFAの契約違反に関するゴンザレズ氏の不服申し立てに関する書簡を国際サッカー連盟FIFAより受け取る。
2018年1月20日
FIFAからKAFAへ同年3月12日までに状況説明を求める書簡を送るも、KAFAは返答せず。
2018年6月19日
FIFAの紛争解決室がKAFAに対し、未払い給料、賠償金、訴訟費用の支払いを命じる。
2018年8月19日
KAFAよりFIFAに対して、ゴンザレズ氏のコーチ資格に関する調査が終了するまで、支払いの延期を求める書簡が送られる。
2018年10月16日
アジアサッカー連盟AFCがFAMとKAFAに対して、ゴンザレズ氏のコーチ資格は正当なものであることを知らせる書簡をFAMとKAFAに送る。
2018年10月22日
FIFAは、この訴訟が懲罰委員会の管轄となることを発表。
2019年2月18日
FIFAに対して、KAFAの経営がKRW社となったことを知らせ、その結果として、未払い債務はKRW社によって引き継がれたことも合わせて報告。
2019年3月6日
FIFAが懲罰委員会の最終決定として、KAFAはゴンザレズ氏に対して、未払い給料、罰金、訴訟費用を合わせた23万5千マレーシアリンギを30日以内に支払うことをKAFAに命じています。その際に、もしこの命令が守られない場合、参加リーグでの勝点を3点がはく奪されると警告しました。
 また、KAFAが罰を受けないように、FAMがKAFAに対して、支払い状況の報告を求め、さらに4月2日までに支払いを完了するよう忠告しました。
2019年4月3日
KAFAとKRW社との間で発生した問題のため、現時点ではKRW社が未払い給料などを支払うことができないとKAFAがFIFAに報告。その上で未払い債務は全てKAFAが引き継ぐ代わりに、支払い期限の30日間の延長をFIFAに依頼。
2019年4月10日
KAFAの保持するプロクラブの勝点3をはく奪を命じる正式な通達をFAMがFIFAより受け取る。さらにFIFAは、FAMがこの通達に従わない場合は、FAMに対して、FIFAが支援する全ての大会への参加禁止も含めた懲罰措置をとることも合わせて通達。
 FAMは国内リーグを運営するマレーシアサッカーリーグMFLへFIFAからの通達を伝え、勝点3を剥奪することを正式に書面で伝えることを依頼。

この件に関してFAMは、各州のFAなど個々の所属団体が最終的に責任を負うことになるため、FIFAやAFCによる指導に従うよう求めています。また、今回の件では、KAFAは勝点3をはく奪されただけでなく、FIFAが裁定を下した通りの金額を払う義務はまだ残っています。これが履行されない場合、今後のさらなる懲罰の対象となる可能性があります。

4月11日のニュース:クランタンFAの迷走が止まらない

クランタンFAの迷走が止まらない
マレー半島東海岸北端に位置するケランタン州のサッカー協会ケランタンFA(KAFA)は、昨シーズンから給料未払い問題を抱えていましたが、今年の1月末、このKAFAと共同して、ケランタンFAの所有するプロクラブチームであるケランタン・レッドウォリアーズも含めた州内のサッカー活動の活性化を目指して、マイインスピレーション社はKRW社を設立しました。それからわずか3ヶ月後の4月4日、KRW社の株式の70%を保有するこのマイインスピレーション社が、KAFAとの協力関係の破棄とKRW社からの撤退を発表しました。マイインスピレーション社のアーマド・ファジル・モハマッドCEOは、KAFAとビビ・ラムジャニ・イリアス・カーンKAFA会長に対する信用がなくなったことを理由に挙げて、撤退を決めたとしています。
 その後、選手としてプレーして以来、今年25年ぶりにケランタンFAに戻り、レッドウォリアーズを指揮しているマルコ・クラリエヴィッチ監督や、かつてはレッドウォリアーズで国内リーグとカップ戦の優勝に主将として貢献したピヤことモハマド・バダリ・ラジ、ウルグアイ人FWラウル・タラゴナといった選手たちはKRW社が給料を支払っていることから、最大スポンサーであったマイインスピレーション社の撤退後のKRW社やKAFAの経済状況に合わせて、スタッフや選手の契約見直しを行うことをビビ・ラムジャニKAFA会長が4月8日の記者会見で示唆し、混迷が深まっていました。
 さらに同じ4月8日には、モハマド・バダリ・ラジ選手が正式に契約破棄を申し入れたのに対し、KAFAのダト・スリ・アファンディ・ハムザ副会長が、ラジ選手に対して正式な回答をするまでは練習に参加することを命じ、これに対して給料の週払いが約束されていながら、実際には栄養費として1日20マレーシアリンギ(約550円)しか支払われていないことを暴露するなど、選手とマネージメントの間の泥試合の体をなしてきていました。
 そして本日、KRW社の新たな取締役会議が開催され、4月12日に予定されているホームでのPDRM FCのチケット売上による収益は、スタジアム使用料などを除いた全額が選手の給料に回されると発表しています。
 ケランタンFAが所属するマレーシアフットボールリーグMFL2部プレミアリーグでは、既にプルリスFAの給与未払い問題により、プルリスFAのプロクラブプルリス・ノーザンライオンズがリーグ追放となっており、レッドウォリアーズのファンの間では、第二のノーザンライオンズとなるのではという不安の声も上がっています。
 マレーシアでは、特にマレー系国民の間では人気ナンバーワンスポーツのサッカーですが、しかしマレーシアのFAには「身の丈にあった経営」という考え方はないのでしょうか…。

4月9日のニュース:JDTはACL3戦目で山東魯能と対戦

JDTはACL3戦目で山東魯能と対戦
マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグ昨シーズンの優勝チームであるジョホール・ダルル・タクジム(JDT)は、アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLグループEの第3戦に臨み、アウェイで山東魯能(シャンドン・ルーネン)に1−2で敗れました。

 ここまでアウェイの鹿島アントラーズ戦に1−2で敗れ、ホームの慶南FC戦を1−1と引き分けたJDTは、ベンジャミン・モラ ヘッドコーチががマレーシアのクアラルンプールで行われている10日間のAFCプロコーチング・ディプロマ取得クラスに出席中で、代行としてホルヘ・アルバレス フィットネスコーチが指揮を取りました。
 対戦する山東魯能は、ここまで初戦の慶南FC戦、第2戦の鹿島アントラーズ戦をともに2−2と引き分けています。
 山東魯能の1点目は30分のコーナーキックからでした。JDTのDFコーヴィン・オングのマークをかわしながら(と言うよりも引きづりながら)山東魯能MFマルアン・フェライニがヘディングシュートを決めました。元ベルギー代表のフェライニ選手は、2018年FIFAワールドカップの日本対ベルギー戦で、ベルギーが同点に追いつく2点目のゴールをヘディングで決めたあのアフロヘアーの選手です。
 山東魯能の2点目は39分のPKでした。山東魯能FWグラツィアーノ・ペッレがロングボールに反応したところ、ペナルティーエリア内でJDTのDFアイディル・ザフアン・アブドル・ラザクに倒されてPKを獲得しました。ペッリ選手は自分でPKを蹴り込み、山東魯能がリードを2点に広げました。JDTのGKファリザル・マーリアスはコースを読んで反応したのですが、わずかに及びませんでした。
 JDTは59分に、MFサファウィ・ラシドが相手選手と競り合いながらも、右サイドから得意の左足を一閃。ボールは綺麗なカーブを描きながら左のトップコーナーに吸い込まれる美しいゴールを決め、1点を返しました。
 JDTが1点を返した後は、山東魯能はやや引き気味になり、JDTのボール保持率は明らかに上がりましたが、ゴール前まではなかなか運べない状況が続きました。それでも90分を超え、アディショナルタイムに入ったところでJDTは相手ペナルティエリアのすぐ外でPKを獲得しました。同点のチャンスでMFゴンザロ・カブレラが蹴ったボールはゴールポスト直撃でゴールならず。試合はそのまま終了しました。
 AFCによるこの試合のゲームスタッツはこちら、マッチレポートはこちらです。 

ACLグループEは第3節を終了し、以下の順位となっています。
1 鹿島アントラーズ 2勝1分0敗 勝点7
2 山東魯能     1勝2分0敗 勝点5 
3 慶南FC 0勝2分1敗 勝点2
4 JDT 0勝1分2敗 勝点1

ACLグループEの第4節は4月24日に予定されており、JDTはホームに山東魯能を迎え、鹿島アントラーズがホームに慶南FCを迎えます。

MFL第8節の結果まとめ

1部スーパーリーグ
JDT(6勝2分0敗)3−1フェルダ・ユナイテッド(1勝3分4敗)
得点者:JDT-ゴンザロ・カブレラ(88分)、アクヤ・ラシド(90分)、ジオゴ(90分)、フェルダ・ユナイテッド-ジョシネル・スカッド(90分)
 イエローカード8枚、レッドカード3枚(そのうちJDTはイエロー1枚のみ)という荒れた試合は、土壇場で同点に追いついたフェルダ・ユナイテッドをJDTが突き放して首位を堅守しました。ゴンザロ・カブレラはリーグトップの6ゴール目を挙げています。
 なお、この試合ではアディショナルタイムが8分と長かったことやフェルダ・ユナイテッドに3枚のレッドカードが出されたことについて、ソーシャルメディアではこの試合の主審を務めたフィトリ・マスコン氏がJDTの本拠地であるジョホール州出身であることから、JDTよりの判定だったのではという批判が出ているだけでなく、フィトリ氏をこの試合に配置したマレーシアサッカー協会FAMに批判が集まっています。
 これに対してFAM審判委員会のモハマド・ダリ・ワヒド委員長は、フィトリ氏はジョホール州ではなく、マラッカ州で審判登録をしていることから、ジョホール州よりの判定という主張は当たらないとしている他、今シーズン既にいくつかの試合では、対戦チームの本拠地がある州出身の主審が笛を吹いたケースは数試合あるとし、そういった試合が何の問題にもなっていないことを指摘しています。
 フェルダ・ユナイテッドの池田圭選手はスタメンで出場し90分に交代、渡邉将基選手はベンチ外でした。

トレンガヌFC(2勝3分3敗)1−2PKNP FC(2勝1分5敗)
得点者:トレンガヌFC-シャミン・ヤハヤ(73分)、PKNP FC-ジャンカルロ(45分PK、46分)
 第7節で最下位のクアラルンプールFA相手に4点を挙げて、今シーズン初勝利を飾ったPKNP FCは連勝で順位を11位から10位に上げています。一方のトレンガヌFCはホームで勝ち点3を取りたかった試合でしたが、波に乗れない今シーズンを象徴するような試合で、7位となっています。

クアラルンプール(KL)FA(1勝0分6敗)2−1クダFA(3勝3分2敗)
得点者:KLFA-ルーク・ウッドランド(10分)、ギリェルメ・デ・パウラ(51分)、クダFA-フェルナンド・ロドリゲス(32分)
 KLFAが7試合目にして、待望の今シーズン初勝利を挙げました。優勝戦線に残りたいクダFAにとっては痛い敗戦で、4位は維持したものの、首位JDTとの勝ち点差は8点と広がりました。
 KLFAの苅部隆太郎は90分から途中出場しています。ユスリ・チェ・ラー監督が采配を振るった第6節までは全試合フル出場していた苅部選手ですが、前節の第7節は出場なしで、今節は最後の数分のみ出場となっており、怪我など体調不良によるものなのか、監督交代によるもののなのか、その理由が気になります。

マラッカ・ユナイテッド(4勝1分3敗)3-4スランゴールFA(3勝3分2敗)
得点者:マラッカ・ユナイテッド-パトリック・ライヒェルト(20分、54分)、ダルコ・マルコヴィチ(71分)、スランゴールFA-アムリ・ヤハヤ(8分、25分)、シーン・シルヴァラジ(88分、90分)
 昨シーズンの得点王ルフィノ・セゴビアを第6節のKLFA戦の怪我で欠くスランゴールFAは、その代役として2試合連続先発のベテランFWアムリ・ヤハヤの活躍で3連勝と調子を上げてきました。一方のマラッカ・ユナイテッドは、スタートダッシュの勢いが衰え、ここ3試合で1分2敗と勝ち星がなく、ザイナル・アビディン・ハサン監督更迭の噂も出ています。

ペラTBG(1勝5分1敗)2-2PKNS FC(3勝3分2敗)
得点者:ペラTBG-シャレル・フィクリ(39分)、ギルマール・ダ・シルヴァ(53分)、PKNS FC-ガブリエル・グエラ(23分)、ロメロ・モラレス(56分)
 ペラTBGは7試合で5引き分けと勝ち切れません。直近の3試合で2得点と苦しんだPKNS FCは出場停止の解けたFWクパー・シャーマンの復帰によって攻撃陣が息を吹き返しました。

パハンFA(5勝2分1敗)1−1プタリンジャヤ(PJ)シティFC(2勝2分4敗)
得点者:パハンFA-ゼ・ラヴ(34分)、PJシティFC-サフィー・サリ(49分)
 パハンFAにとっては痛いホームでの引き分けでした。首位JDTとは勝ち点差が3と開きました。PJシティFCは、給料未払い問題でマレーシアフットボールリーグMFL2部のプレミアリーグを追放となったプルリスFAから移籍したサフィー・サリが移籍後初ゴールを決めています。

2部プレミアリーグ
PDRM FC(0勝2分5敗)1−1JDT II(4勝3分0敗)
得点者:PDRM FC-ファウザン・ファウジ(89分)、JDT II-モハマド・ガダル(57分、PK)

サラワクFA(1勝2分4敗)1-1ケランタンFA(1勝4分2敗)
得点者:サラワクFA-ボビー・ゴンザレス(7分)、ケランタンFA-ザザイ・ムスタファ(45分)

スランゴール・ユナイテッド(4勝1分3敗)2−1サバFA(4勝2分2敗)
得点者:スランゴール・ユナイテッド-セルヒオ・エセキエル(38分)、ファウザン・ズルキフリ(71分)、サバFA-アルト・リナス(89分)

ペナンFA(2勝2分4敗)1-1UKM FC(2勝2分3敗)
得点者:ペナンFA-ジュリアン・ボタロ(63分)、UKM FC-マテオ・ロスカム(17分)

UITM FC(4勝1分2敗)0-1トレンガヌFC II(3勝3分1敗)
得点者:トレンガヌFC-鈴木ブルーノ(82分)
 この試合唯一のゴールで、今シーズン2つ目のゴールを決めたトレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手はスタメンでフル出場しています。


4月5日のニュース:FAカップは3回戦へ

FAカップは3回戦へ
マレーシアフットボールリーグMFLが主催するFAカップは、MFL1部スーパーリーグ12チーム、2部プレミアリーグ9チーム(JDT IIとトレンガヌFC IIはそれぞれスーパーリーグ所属のJDTとトレンガヌFCの下部組織のため出場しません)、3部M3リーグ14チーム、4部M4リーグ24チームがトーナメント形式で対戦します。日本で言えば天皇杯にあたる大会と言えるかもしれません。このFAカップ3回戦の組み合わせ抽選が行われました。
 2月中旬に行われた予選ラウンドは、M3リーグとM4リーグに所属する全38チームのうち予選免除となった2チームを除く36チームがノックアウト形式で対戦し、そこから勝ち上がった18チームと予選ラウンドを免除となった2チームが1回戦へ進出しました。
 この1回戦は3月中旬に行われ、そこから勝ち上がった10チームに加えて、スーパーリーグとプレミアリーグの合わせて20チームが登場する2回戦が行われたのが4月3日と4日でした(ただしJDTは2回戦はシードで試合なし)。
 この2回戦では、PDRM FCとサラワクFAのプレミアリーグチーム同士の対戦(悪天候のため順延となり、この記事を書いている時点ではまだ試合は行われていません)、PKNS FC対マラッカ・ユナイテッドのスーパーリーグチーム同士の対戦(PKNS FCが出場停止の解けたクパ・シャーマンの活躍でマラッカ・ユナイテッドを3−2で撃破)があった他は、上位リーグチーム対下位リーグチームの対戦となりました。その中ではM3リーグのケランタン・ユナイテッドが2部プレミアリーグトップを走るサバFAを1−0で破るジャイアントキリングや、M4リーグのジェラントゥットFA(パハン州)がM3リーグのジョホール・バルFAに3−0で勝つなどの波乱はありましたが、それ以外は上位リーグチームが下位リーグチームに勝利しています。
 ちなみに2回戦のカードの一つにM3リーグのクチンFA(東マレーシアのサラワク州のチーム)対フェルダ・ユナイテッド(MFL1部スーパーリーグ)がありましたが、ここでは日本人対決が実現しています。クチンFAにはシーズン開幕前にケランタンFA(MFL2部プレミアリーグ)のトライアウトに参加しながら、契約まで至らずクチンFAと契約した鈴木雄太選手が在籍し、フェルダ・ユナイテッドの池田圭選手、渡邊将基選手と対戦しました。鈴木選手、池田選手、渡邊選手ともスタメンでフル出場し、結果はフェルダ・ユナイテッドがクチンFAを1−0で破っています
 3回戦の組み合わせ抽選では、快進撃を続けるM4リーグのジェラントゥットFAは昨年のFAカップ優勝チームであるペラTBGと対戦することが決まった他、ケランタン・ユナイテッドが同じマレー半島東海岸のトレンガヌ州を拠点とするスーパーリーグのトレンガヌFCとの対戦となるなど、興味深いカードがいくつかあります。

FAカップ3回戦組み合わせ(カッコ内は所属リーグのランク、1は1部スーパーリーグ、2は2部プレミアリーグ、3はM3リーグ、4はM4リーグにそれぞれ所属するチームを表します。)
UKM FC(2)対パハンFA(1)
スランゴールFA(1)対フェルダ・ユナイテッド(1)
PKNP FC(1)対PDRM FC(2)とサラワクFA(2)の勝者
JDT(1)対PKNS FC(1)
ケランタン・ユナイテッド(3)対トレンガヌFC(1)
ジェラントゥットFA(4)対ペラTBG(1)
クダFA(1)対プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC(1)
ペナンFA(2)対クアラルンプール(KL)FA(1)
(以下はMFLのFacebookより)

4月4日のニュース:マレーシアは2022年ワールドカップ予選は1回戦から出場

マレーシアは2022年ワールドカップ予選は1回戦から出場
最新のFIFAランキングが発表となり、マレーシアは2022年のFIFAワールドカップカタール大会のアジア予選で1回戦からの登場となることが確定したとGoal.comが伝えています。
 アジアサッカー連盟AFC所属国のうちFIFAランキング上位34カ国は、アジア予選2回戦から、それより下のランキングの国は予選1回戦から登場することになっていたことから、マレーシアサッカー協会FAMは、今年3月にエアマリンカップを開催し、当時のAFC内でのFIFAランキング34位のシンガポールを破ることで、同35位のマレーシアが入れ替わりで2回戦登場となることを目論んでいましたが、結果は順位逆転どころか、シンガポールに0−1と返り討ちにあってしまいました。エアマリンカップでは、シンガポールよりもFIFAランキングが上のアフガニスタンには勝ちましたが、最新のFIFAランキングでは、シンガポールとの差がそれまでの6ポイントから12ポイントに開いただけでなく、マレーシアのFIFAランキングは1ランク下がって世界168位となってしまいました。
 この結果、マレーシアは4月17日に自国の首都クアラルンプールにあるAFC本部で開催される予選1回戦組合せ抽選で、カンボジア、マカオ、ラオス、ブータン、モンゴルといった国と共にポッド1に入り、ポッド2に入ったバングラディシュ、グアム、ブルネイ、東ティモール、パキスタン、スリランカのいずれかの国と6月6日と11日の日程で開催されるホームアンドアウェイ形式のアジア予選1回戦を戦うことになりました。(最新のFIFAランキングを伝えるFAMのポスト)

MFL第7節の結果まとめ

マレーシアフットボールリーグMFL第7節
FIFA国際Aマッチ期間が明けて、MFLが再開しています。
MFL1部スーパーリーグの結果は以下の通りです。

クダFA(3勝3分1敗)1-1JDT(5勝2分0敗)
得点者:クダFA-フェルナンド・ロドリゲス(31分)、JDT-サファウイ・ラシド(10分)
アジアサッカー連盟AFC U23選手権予選でマレーシアU23代表のキャプテンを務めたJDTのサファウイ・ラシドが先制ゴールを決めるも、クダFAが追いつきドロー。

スランゴールFA(2勝3分2敗)1-0トレンガヌFC(2勝3分2敗)
得点者:スランゴールFA-ファイズ・ナシル(56分)
エアマリンカップのアフガニスタン戦で代表デビューし、いきなりゴールを決めたファイズ・ナシルがこの試合でも決勝ゴールを決めています。

マラッカ・ユナイテッド(4勝1分2敗)0−0ペラTBG(1勝4分1敗)
得点者:なし

フェルダ・ユナイテッド(1勝3分3敗)1-3パハンFA(5勝1分1敗)
得点者:フェルダ・ユナイテッド−チアゴ・ジュニオー(49分)、パハンFA-ノーシャルル・イドラン・タラハ(45分)、ゼ・ラヴ(64分)、ファイザル・ハリム(90分)
フェルダ・ユナイテッドの渡邉将基、池田圭両選手はスタメン、フル出場しています。

プタリン・ジャヤ(PJ)シティ・ユナイテッド(2勝1分4敗)1-0PKNS FC(3勝2分2敗)
得点者:PJシティ・ユナイテッド−アイズルリズワン・ラザリ(60分)
PJシティ・ユナイテッドは4試合ぶりの勝ち星です。

PKNP FC(1勝1分5敗)4-0クアラルンプール(KL)FA(0勝0分6敗)
得点者:PKNP FC-ヤシル・ピント(7分)、G・ムゲンティラン(32分)、ジャンカルロ2(63分、90分)
今シーズン勝ち星なしの両チームの対戦は、PKNP FCが快勝し初勝利を上げました。KLFAはレッドカード2枚をもらい開幕からの連敗が6となりました。
KLFAの苅部隆太郎選手は今シーズン初のベンチ外でした。

ケランタンFA(1勝3分2敗)1-1トレンガヌFC II(2勝3分1敗)
得点者:ケランタンFA-ラウル・タラゴナ(19分)、トレンガヌFC II-ズアシャラフ・ズルキフリ(22分)
トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手はスタメンでフル出場しています。

MFL2部プレミアリーグの結果は以下の通りです。

UKM FC(2勝1分3敗)0-1ヌグリ・スンビランFA(2勝4分1敗)
得点者:ヌグリ・スンビランFA-リズアン・アブダンロー(31分)
ヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手はスタメンでフル出場しています。

ケランタンFA(1勝3分2敗)1-1トレンガヌFC II(2勝3分1敗)
得点者:ラウル・タラゴナ(19分)、トレンガヌFC II-ズアシャラフ・ズルキフリ(22分)

セランゴール・ユナイテッド(3勝1分3敗)1-2UITM FC(4勝1分1敗)
得点者:スランゴール・ユナイテッド−ハディ・ヤハヤ(79分)、UITM FC-ザルコ・コラチ(33分)、アズリディン・ロスリ(45分)

サバFA(4勝2分1敗)2-0ペナンFA(2勝1分4敗)
得点者:サバFA−ルイス・ジュニオール2(3分、54分)

JDT II(4勝2分0敗)1-1サラワクFA(2勝1分4敗)
得点者:JDT II-ルーカス・オンティヴェロ(11分)、サラワクFA-ハドソン・ディアス(72分)


3月29日のニュース:エアマリンカップを振り返って(2)大会回顧編

前回からの続きです。
ウルトラス・マラヤのボイコット宣言を受け、マレーシアサッカー協会FAMは、メディアを通じて、事情を説明するとともにファンにボイコットをしないように求めました。またマレーシア代表チームのキャプテンであるモハマド・ザクアン・アドハもボイコットを先導するウルトラス・マラヤを批判し、ファンに来場を求めました。

<3月20日−大会初日>
しかしその説明にも批判にも説得力はなかったようで、ジョホール水道を挟んだマレーシアとシンガポールの試合は、そこにかかる土手道にちなんで「コーズウェイ・ダービー」と呼ばれ、本来ならば両国のファンの注目を集める試合となるはずですが、会場となった90000人収容可能のブキ・ジャリルスタジアムに訪れた観衆は3741人でした。
 3月20日の対戦ではシンガポール代表がマレーシア代表を1-0で破り、決勝進出を決めましたが、81分に唯一の得点を入れたのがシンガポールリーグのホウガン・ユナイテッドに所属するファリス・ラムリでした。このファリス選手は、昨シーズンはマレーシアフットボールMFL1部スーパーリーグのPKNS FCでプレーし、今シーズンもMFL2部プレミアリーグのプルリス・ノーザンライオンズ(プルリスFAのチーム)でプレーすることになっていましたが、このブログで何度も取り上げたプルリスFAの給料未払い問題を受けて、シーズン開幕前に契約を解除し、シンガポールリーグへ復帰していました。(下はシンガポール代表戦の先発メンバー)

この日のもう一つの試合では、就任間もないエルウィン・クーマン監督率いるオマーン代表がアフガニスタン代表を5−0で破り、オマーンはシンガポールとエアマリンカップの優勝戦へ、マレーシアとアフガニスタンは3位決定戦へ進みました。

<3月23日−大会最終日>
3月22日(金)にエアマリンカップの会場となったクアラルンプール市内のブキ・ジャリルスタジアムから20数キロ離れたシャー・アラムスタジアムでは、アジアサッカー連盟AFC U23選手権予選第1日が行われました。エアマリンカップをボイコットしたウルトラス・マラヤもこちらは声を枯らして応援していましたが、マレーシアU23代表とフィリピンU23代表との試合には7600人ほどが観戦にやってきました。ちなみに3月24日(日)のラオスU23戦は9700人、3月26日(火)の中国U23代表戦は26000人が観戦しました。
 一方、エアマリンカップ初日は平日の水曜日だったこともあり、土曜日開催となった大会最終日には初日を超える観衆が予想されましたが、マレーシア代表とアフガニスタン代表が対戦した3位決定戦の観衆は何と1466人でした。ウルトラス・マラヤの影響力かどうかはわかりませんが、少なくとも今回に関してはチケット代の設定をFAMが間違えていたことが証明されてしまいました。
 土砂降りの中で行われた3位決定戦は、マレーシア代表がアフガニスタン代表に2−1で勝利し、3位となりましが、この試合のMOMはこの試合で代表デビューを果たしたファイズ・ナシル(スランゴールFA)でしょう。タン・チェンホー監督はシンガポール戦から大幅にメンバーを入れ替えました。この試合でワントップとなったノーシャルル・イドラン・タラハの後ろで動き回る役割を与えられたファイズ選手は、スランゴールFAでのプレー同様、豊富な運動量と果敢なドリブルでアフガニスタン代表を脅かしました。
 先制したのはアフガニスタン代表でした。31分にMFLパハンFAでプレーしたこともある10番ファイサル・シャイエステがゴールエリアの外から左足で放ったシュートはカーブがかかりそのままゴールへ吸い込まれ、アフガニスタン代表が1-0とリードしました。しかしマレーシア代表も44分、同じ様な位置からファイズ・ナシルがやはり左足のシュートを決めて同点に追いつきました。この後もムハマドゥ・スマレ(パハンFA)や久しぶりの代表復帰となったハディン・アズマン(フェルダ・ユナイテッド)がシュートを放ちますが、得点にはつながりませんでした。しかし84分、ノーシャルル・イドラン・タラハと交代で入ったマシュー・デイビーズのクロスをアフガニスタン代表のアバシン・ライキルがOGし、マレーシアが勝ち越し、そのまま逃げ切りました。(下はアフガニスタン代表戦の先発メンバー)

この試合の後に行われた決勝はオマーン代表とシンガポール代表がそれぞれ得点し1-1となるも、90分で決着がつかずPK戦となった結果、オマーンが5−4でシンガポールを破っています

3月28日のニュース:エアマリンカップを振り返って(1)開催までの騒動編

アジアサッカー連盟AFC U23選手権予選の同時期にひっそり行われたエアマリンカップ。フル代表はいきなりシンガポール代表に破れたものの、最後はアフガニスタン代表に勝って、何とか3位に滑り込みました。今更ながら、このエアマリンカップを、それに関する報道をもとに振り返ってみたいと思います。
 そもそもこのエアマリンカップ開催の目的は、今年から始まるFIFAワールドカップ2022年大会のアジア予選と関係があります。FIFAランキングでアジア34位以上のチームは9月の2次予選から登場しますが、35位以下のチームは6月の1次予選からの登場となりますが、現在のマレーシアのFIFAランキングはそのボーダーであるアジア35位(全体では167位)。そこでランキング上位のチームと対戦して勝利し、9月の2次予選からの参加を目論んで企画された大会です。しかしこのエアマリンカップは予定が発表された以来、紆余曲折を経て開催された大会となりました。

<大会名称と開催時期の変遷>
1957年に当時のマラヤ連邦(現在のマレーシア)の初代首相であり、当時のマレーシアサッカー協会FAMの会長でもあったトゥンク・アブドル・ラーマンの発案で、マラヤ連邦がイギリスから独立したことを記念して開催されたムルデカ大会(「ムルデカ」とはマレーシア語で「独立」の意)は、アジアで最古の招待大会とされ、かつては世界の強豪が参加する大会でした。日本代表も初代Jリーグチェアマンの川淵三郎氏を始め、現日本サッカー協会JFA会長の田島幸三氏、日本サッカー界のレジェンド釜本邦茂氏、奥寺康彦氏、木村和司氏などが参加した由緒ある大会です。日本代表の最後の出場となった1986年の第30回大会では、マレーシア代表と日本代表が準決勝で対戦し、現在はパハンFAのドラー・サレー監督と、同じくマラッカ・ユナイテッドのザイナル・アビディン・ハサン監督がそれぞれゴールを決めてマレーシアが日本を2-1で破っています(ちなみに日本の得点者は当時「アジアの核弾頭」の異名をとった原博実元FC東京監督)。
 前置きが長くなりましたが、このムルデカ大会はマレーシア代表の弱体化と共に以前のような輝きを失っていき、最後に開催されたのは2013年で、その際もマレーシア、タイ、ミャンマー、シンガポールといった東南アジアのチーム同士の大会で、しかも東南アジアのチームにとっては重要な大会である東南アジア競技大会が開催される年でもあったことから、タイを除く3チームはU23代表が参加する地味な大会でした。
 5年間行われていなかったこのムルデカ大会を、かつてのような強豪が参加する大会として行いたいと、マレーシアサッカー協会FAMのダト・ハミディン・アミン会長が初めて発言したのが、2018年の12月初旬でした。ハミディン会長は当地の英字紙ニューストレイトタイムズとのインタビューで、FIFAワールドカップ2022年大会の予選が2019年半ばに始まることから、8月31日の独立記念日近辺での開催はワールドカップ予選時期に近く難しいこと、またFIFAカレンダーで国際Aマッチが開催可能な3月は独立記念日と離れすぎていて、大会の趣旨から離れてしまうと発言していました。
 それが12月末になると話が一転し、2019年1月にムルデカ大会開催の話が持ち上がりました。しかし国内リーグであるマレーシアフットボールリーグMFLが1月に開幕するため、その開催時期に疑問符が付きました。またこの頃にはムルデカ大会を「リブランディング」するという発言が、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長が発言し始め、その開催時期も3月という報道が出るようになりました。
 これまでムルデカ大会は8月あるいは9月に行われてきたので、3月に開催する大会にムルデカ大会の名称は使えない、ということだったのかも知れませんが、競合を招待しての国際大会が実現するなら、そこは致し方ないと多くのファンも思ったはず。そして2月の下旬には大会の名称がムルデカ大会ではなく、エアマリンカップとなること、またこのエアマリンカップはムルデカ大会のリブランド版でも、代替大会でもないことが正式に発表されました。

<出場国の変遷>
3月の大会がエアマリンカップとなる前から、FAMのラマリンガム事務局長は、この大会にはアセアン以外の西アジアあるいは東アジアからチームを招待したいと発言し、インド、台湾などが候補に上がっているとも報道されました。
 しかし今年1月に入ると、ラマリンガム事務局長は、エアマリンカップ参加国の内、1チームはワールドカップ出場経験国で、残る2チームはその頃アラブ首長国連邦で行われていたアジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップの出場国であると述べました。ワールドカップ出場経験国については「これまでマレーシアで対戦したことがない国で、2014年のワールドカップに出場し、2018年の大陸間プレーオフで敗退した国」というバレバレのヒント(笑)を出し、この条件に当てはまるホンジュラス(FIFAランキング62位)が参加する可能性が取り沙汰されました。アジアカップ出場国については何も述べていませんが、以前FAMのテクニカルダイレクターを務めたこともあるスイス人フリッツ・シュミット監督が指揮するニュージランド代表も候補ではないかという報道もありました。
 その後、参加国はホストのマレーシア(FIFAランキング167位)、オマーン(同ランキング90位、2019年アジアカップ出場国)、ニュージーランド(同122位、当初の噂通り、しかもワールドカップ出場経験国)、そしてシンガポール(同165位、あれ?アセアンからは呼ばないはずでは…)の4カ国となりました。
 しかしここで話は終わりませんでした。その後、ニュージーランドが国内リーグなどを理由に参加を辞退し、同じオセアニアサッカー連盟OFCに加盟するソロモン諸島が出場することが2月25日に発表されました。(写真はエアマリンカップ開催記者会見−FAMのFacebookより)

 公式記者会見も終わり、さて…となったところでもう一騒動起きました。今度はソロモン諸島がエアマリンカップへの出場を辞退したのです。ソロモン諸島代表は3月24日(エアマリンカップ最終日の翌日)に台湾代表とも国際Aマッチを予定しており、3月18日から26日の国際試合カレンダー期間中の代表同士の試合は最大2試合というFIFAの規定があることから、台湾代表との試合を優先し(エアマリンカップは準決勝、3位決定戦、決勝とどの参加チームも2試合を行うことになっています)、エアマリンカップの出場辞退を決めたと報道されています。中国の圧力により、これまで外交関係のあった国々からている台湾にとって、ソロモン諸島は2019年3月現在、台湾と外交関係のある17国の内の1つですので、この背景には政治的な意図などもあるのかも知れません。
 そして大会まであと数週間と迫った3月1 日に、アフガニスタン代表(FIFAランキング147位)がソロモン諸島に代わり出場することがFAMから発表されました。

<ウルトラスマラヤのボイコット>
参加チームが確定した後も、また新たな騒動が起こりました。マレーシア代表チームの最大サポーターグループである「ウルトラス・マラヤ」がエアマリンカップのボイコットを決めたと報じられたのです。
 ボイコットの理由として挙げられているのが、エアマリンカップのチケットの価格です。エアマリンカップでは、オープンスタンドのチケットが35マレーシアリンギ(約960円)と設定されていますが、これまで代表の試合のチケットの価格20マレーシアリンギ(約550円)から75%も値上げされたことに加え、エアマリンカップの主催者がマレーシアサッカー協会FAMではなく、イベント企画会社であることから、この会社が不当にチケットの価格を釣り上げて、マレーシアのサッカーファンから搾取していることに対する抗議のためのボイコットであるとしています。(ちなみにこのイベント企画会社は、過去に代表チームの年間スケジュールや国内リーグの日程を変更させてまでトットナムやリバプールとマレーシア選抜を対戦させた際、ウルトラス・マラヤの怒りをかった前歴があります。)
 35マレーシアリンギのチケット代には、同日行われるもう一つのカードの観戦料も含まれているので結果として割安であるとのFAMによる発言に対しては、大半のファンは見るつもりもないマレーシア代表以外の試合の分も払わせるような発言は価格差を誤魔化すための言い訳に過ぎず、大会の冠スポンサーであるエアマリン社からのスポンサー費用があるにも関わらず、イベント企画会社に主催させること自体がおかしいと非難しました。(下は大会直前の3月18日にウルトラス・マラヤのFacebookにアップされた「ハリマオ・マラヤ(マレーシア代表の愛称)は売り物ではない」のメッセージ