MFL第15節の結果まとめ

マレーシアフットボールリーグMFLは5月24日(金)から26日(日)にかけて、1部スーパーリーグと2部プレミアリーグで合わせて10試合が行われました。なお、パハンFA対フェルダ・ユナイテッドの試合は、元FAM会長で、パハンFA元会長でもあった故スルタン・アーマド・シャー殿下追悼のため順延になっています。以下、結果です。

1部スーパーリーグ

トレンガヌFA1-0スランゴールFA
得点者:トレンガヌFC-K・サルクナン(90分OG)
 両チームともに決め手を欠く試合は、このまま引き分けかと思われたアディショナルタイムにスランゴールFAのキャプテンK・サルクナンが自陣ゴール前の低いクロスをクリアミスしたOGで決着がつきました。
 前節終了後にイルファン・バクティ監督が辞任したトレンガヌFCは、モハマド・ナフジ・ザイン監督代行がこれまで先発出場していたイゴール・ゾニッチ(モンテネグロ)やチエリー・チャンタ・ビン(カンボジア)をスタメンから外すだけでなくベンチ外にするなど思い切ったメンバー入れ替えを行なって試合に臨みました。ただし一部メディアの報道では、二人の外国人選手のベンチ外はザイン監督代行ではなく、経営陣の指示であるような報道もあり、あと3日で閉じてしまうトランスファーウインドウ期間にトレンガヌFCには外国人獲得など何かしらの動きがあるかもしれません。

PKNS FC3-0プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC
得点者:PKNS FC-ゲブリエル・ゲラ(50分)、クパ・シャーマン2(53分、73分)
 3連勝中だったPJシティFCを破ったPKNS FCは、自らの連敗を2で止めています。

ペラTBG2-3マラッカ・ユナイテッド
得点者:ペラTBG-ブレンダン・ガン(18分)、J・パルティバン(57分)、マラッカ・ユナイテッド-ナズリ・ナウィ(23分)、パトリック・ライヒェルト2(45分、74分)
 新戦力加入で過去4試合負けなしだったペラTBGは、マラッカ・ユナイテッドのフィリピン人FWパトリック・ライヒェルトの2ゴールを含む今季3度目の3失点と守備陣が崩壊しました。一方のマラッカ・ユナイテッドは再び4位浮上です。

ジョホール・ダルル・タクジム(JDT)2-0クダFA
得点者:JDT-レアンドロ・ヴァラスケス(33分)、サファウイ・ラシド(86分)
 今節注目の首位JDT対3位のクダFAの対戦でしたが、JDTが順当に勝利し、試合のなかったパハンFAとの勝点差は13と開きました。

クアラ・ルンプール(KL)FA4-1PKNP FC
得点者:KLFA-パウロ・ジョスエ(14分)、ギリェルメ・デ・パウラ3(17分、18分PK、90分)、PKNP FC-ジャンカルロ(83分)
 キャプテンで攻撃の要でもあるインドラ・プトラ・マハユディンを累積警告の出場停止で欠くKLFAでしたが、降格を争うPKNP FCをギリェルメのハットトリックなどで一蹴し、PKNP FCに代わって順位を一つ上げて10位に、負けたPKNP FCは代わって11位となりました。
 KLFAの苅部隆太郎選手はスタメンでフル出場しています。

2部プレミアリーグ

UITM FC3−2スランゴール・ユナイテッド
得点者:UITM FC1-2マイコン・カリジュリ(46分)、スランゴール・ユナイテッド-ダンコ・コヴァチェヴィチ(26分)、フランクリン・アンズィテ(60分PK)
 この試合はネットで観戦しました。前節第14節が終了した時点で今シーズン初めて首位となったUITM FCは、それが影響したのかホームでの試合ながら受け身に回りスランゴール・ユナイテッドに攻め込まれる場面が目立ちました。しかも残り10分でここから反撃、という大事な時間帯に、DFファイザル・アリフが必要のない2枚目のイエローをもらって退場し、10人となったところで万事休すでした。

ヌグリ・スンビランFA0-1UKM FC
得点者:UKM FC-ミラド・ジダドプール(51分)
 ヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手はスタメンでフル出場しています。ちなみに中武選手には5月20日にお嬢さんが誕生されたそうです。おめでとうございます。

ペナンFA0-0サバFA
得点者:なし

トレンガヌFC II2-2ケランタンFA
得点者:トレンガヌFC II-アーマド・タキユディン・ロスラン2(10分、68分)、ケランタンFA-ニック・アズリ・ニック・アリアス(4分)、ニック・アキフ・シャヒラン(22分)
 トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手はスタメンでフル出場しています。

サラワクFA1−1ジョホール・ダルル・タクジム(JDT)II
得点者:サラワクFA-アリフ・ハサン(26分)、JDT II-ロザイミ・ラーマン(90分PK)
 UITM FCと勝点で並びながら、得失点差で2位のJDT IIは、この試合も最下位のサラワクFAと引き分けるなど、ここ4試合で勝ちなしと、それまでの7勝3分0敗という勢いが嘘のような失速です。

5月26日のニュース:PKNS FCのGKが代表候補へ追加招集、MFL3部チームの多くがアマチュアリーグ案に同意 、MFL3チームは勝点剥奪なし

PKNS FCのGKが代表候補へ追加招集
マレーシアサッカー協会FAMのFacebookによると、マレーシア代表のタン・チェンホー監督は、5月27日から始まる代表候補合宿へマレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグのPKNS FCのGKザリフ・イルファン・ハシムディンを追加招集しました。24歳のザリフ選手は、ケガにより代表候補合宿を辞退したペラTBGのGKハフィズル・ハキム・カイルル・ニザムに代わって招集されています。

MFL3部チームの多くがアマチュアリーグ案に同意
マレー語紙ウトゥサン・ムラユのオンライン版によると、MFLのケヴィン・ラマリンガムCEOがMFL3部のM3リーグの14クラブの代表と会談しました。その席でM3クラブの多くが、MFLが創設するアマチュアフットボールリーグ(AFL)への参加に前向きであるようです。
 M3リーグはMFL3部ながら、MFLからの助成金支給はなく、各チームが全ての費用を負担しています。
 M3リーグがAFLとなることで、M3リーグの優勝チームと2位のチームはMFL2部プレミアリーグへの自動昇格はなくなり、プレミアリーグ最下位2チームとのプレーオフを行うことになりますが、その一方でMFLはM3リーグの試合の審判費用を負担するほか、M3各クラブの遠征に伴う移動や宿泊費用に関する援助を行い各クラブが直面している費用負担の軽減に協力するとしています。
 記事の中ではケランタン・ユナイテッド、トゥン・ラザクFC、クチンFAなどM3リーグのクラブ関係者がMFLのケヴィン・ラマリンガムCEOの詳細な説明を聞いて、MFLによる提案に対して前向きになっていることが紹介されています。

MFL3チームは勝点剥奪なし
MFLのホームページで、マラッカ・ユナイテッド、ケランタンFA、サラワクFAの各クラブは、期限までにMFLが求めていた会計資料を提出期限としていた5月22日までに提出したとして、勝点3の剥奪を行わないとしています。
 またケランタンFAとサラワクFAに課せられていたトランスファーウィンドウ期間中の新たな選手獲得禁止措置についても、新入団する選手の給与が、代わりに退団する選手の給与を超えない、という条件付きで選手1名のみ獲得を許可するとしています。
 MFLは昨年12月31日までに各クラブの経営破綻をさけるため、会計資料を提出するように求め、その期限に間に合わなかった1部スーパーリーグのクアラルンプール(KL)FA、フェルダ・ユナイテッド、マラッカ・ユナイテッド、2部プレミアリーグのケランタンFA、PDRM FC、サラワクFA、ペナンFAについては、スーパーリーグが300万リンギ(約7800万円)、プレミアリーグが100万円(約2600万円)とされるMFLからの年間助成金の50パーセントを削減するとしていました。
 しかし今年4月22日、各クラブが提出した借金返済計画や今後の運営計画などを精査した結果、MFLはKLFA、フェルダ・ユナイテッド、PDRM FC、ペナンFAへの助成金削減は5パーセントとすることと発表しました。
 その一方で、マラッカ・ユナイテッド、サラワクFA、ケランタンFAの各クラブについては、4月22日までに従業員積立基金(EPF、退職時に受け取れる強制積立基金、労働者が給与の12パーセント、雇用者が給与の11パーセントを負担する)、従業員社会保障(SOCSO、労災補償のために雇用者が給与の1.25パーセントを負担する)、国税局による支払いを証明する公式書類が期限までに提出されなかったため10パーセントの削減と提出期限の30日間延長措置をうけ、5月22日の期限までにこれらの公式書類が提出されない場合は勝点3の剥奪を行うことが通知されていました。

5月25日のニュース:クダFA、UITM FC、スランゴール・ユナイテッドが新外国人獲得、元FAM会長の死去に伴いパハンFA対フェルダ・ユナイテッドの試合は延期

クダFAが新外国人を獲得
トランスファーウィンドウ期間終了まであと5日となり、マレーシアフットボールリーグMFL各クラブの新戦力獲得の動きが活発化してきました。MFL1部スーパーリーグで第14節を終えて首位ジョホール・ダルル・タクジム(JDT)と勝点14差の3位につけるクダFAは、オーストラリア出身で185cmの攻撃的MFデイヴィッド・ロウリーを獲得したと、マレー語紙ハリアン・メトロのオンライン版が伝えています。
 29歳のロウリー選手はオーストラリア、ドイツ、タイなどでプレー経験があり、昨年はMFL2部プレミアリーグのヌグリ・スンビランFAでプレーし、今シーズン開幕時にはやはりプレミアリーグのケランタンFAと契約し、9試合に出場しましたが、5月21日には契約を解除していました。
 今週末の第15節では、首位JDTとの直接対決を控え、攻撃のキーマンでもある主将のバドロル・バクティアルは累積警告による出場停止で、イラク出身のFWアンマル・アルムバラキ、MFシャハルル・アズワリ・イブラヒム、MFアザムディン・アキルらをケガで欠くクダFAに対しては、サポータークラブも新戦力獲得を求める声を上げており、そう言った中での新戦力補強です。
 オーストラリア人のロウリー選手は、マレーシアの市民権も持っているため、選手登録は外国人としてではなく、マレーシア人選手として登録されます。

UITM FCも新外国人選手と契約
第14節を終えてMFL2部プレミアリーグの首位UITM FCもブラジル出身のFWマイコン・ロジェリオ・シルヴァ・カリジューリと契約したとハリアン・メトロのオンライン版が伝えています。
 33歳のマイコン選手はヨーロッパではポーランドやベラルーシ、アジアではタイやインドネシア、カンボジア、ミャンマーなどでもプレー経験があり、UITM FCでは、現在プレミアリーグで10ゴールを挙げ得点王となっているモンテネグロ出身のザルコ・コラチとともに攻撃陣をリードすることが期待されています。
 UITM FCには第11節までで7ゴールを挙げ、リーグ得点王争いで2位につけていたセネガル出身のロベルト・メンディーがいましたが、完治まで8ヶ月というケガを負ったため、メンディー選手に代わってマイコン選手が登録されることになります。
 UITM FCはキルギスタン出身で今年1月のアジアサッカー連盟AFC選手権アジア杯にも出場したMFアフリジン・イスライロフをすでにトランスファーウィンドウ期間に獲得しており、こちらは既にプレミアリーグで2試合に出場しています。
(下の写真はいずれもUITM FCのFacebookより)

スランゴール・ユナイテッドも新たに2名の外国人選手と契約
8試合で4ゴールを挙げたセルジオ・アグエロがペナンFAへ移籍したスランゴール・ユナイテッドは、モンテネグロ出身のFWダンコ・コヴァチェヴィッチと韓国出身の攻撃的MFファン・シンヨンを獲得しています。
 両選手はMFL第15節のUTIM FC戦から出場の予定です。

元FAM会長の死去に伴いパハンFA対フェルダ・ユナイテッドの試合は延期
5月22日に亡くなられた元FAM会長で前パハン州のスルタン、スルタン・アーマド・シャー殿下を追悼するため、MFL第15節のパハンFA対フェルダ・ユナイテッドの試合を延期することがMFLのホームページで告知されています。
 またその他のMFLのカードでも、試合開始前に1分間の黙祷を捧げるとしています。

5月23日のニュース:JDTのACL初挑戦はグループステージで終わる、元FAM会長が死去

JDTのACL初挑戦はグループステージで終わる
アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLのグループステージ、グループEの最終節が行われ、ACL初出場のジョホール・ダルル・タクジム(JDT)はアウェイで慶南FCと対戦し、0-2で敗れ、ベスト16進出はなりませんでした。
 前節の鹿島アントラーズ戦でのイエローカードで累積警告により出場停止となったサファウィ・ラシドを欠いたJDTは明らかに攻撃力がダウン、しかも後半開始早々に守備陣の要であるマウリシオも負傷退場するなど苦しい展開でした。
 この試合のマッチスタッツを見ても、JDTは劣るどころか、多くのスタッツで慶南FCを上回っているにも関わらずこの結果となったことは、前節で昨年のACLチャンピオンを破ったチームとしては、むしろ悔いが残ります。
 また0-1の時点でアキヤ・ラシドやシャフィク・アーマドといった主力を交代させたベンヤミン・モラ監督の戦術も、おそらく4日後の国内リーグ、マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグの試合(リーグ3位のクダFA戦)をにらんだものだと思いますが、国内リーグ戦でもほぼ出場していない選手を投入したことが個人的には疑問でした。
 国内リーグのマレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグでは、昨年まで5シーズン連続優勝を果たし、今シーズンも残り7試合を残して2位に勝点10差をつけて首位を走るJDTですが、主力の欠場や交代で戦力が落ちないような厚い選手層の構築と最後まで勝利にこだわる監督がACLで勝ち抜くための第一歩になりそうです。

ACL グループE 第6節 結果
慶南FC2-0ジョホール・ダルル・タクジム
得点者:慶南FC-ルク・カスタイニョス(65分)、邦本宣裕(90分)

元FAM会長が死去
マレーシアサッカー協会FAMの会長を務められたスルタン・アーマド・シャー元パハン州スルタン(州の君主)が5月22日に入院中の国立心臓病センターで亡くなられたことが、FAMのホームページや当地のメディアで報道されています。
 1984年からマレーシアサッカー協会FAMの会長を務められたスルタン・アーマド・シャー元パハン州スルタン(州の君主)は、現在のマレーシア国王アル=スルタン・アブドラ殿下の父君で、2014年に退任するまで、1989年のセミプロリーグ発足、1996年のプロリーグ発足、2004年のスーパーリーグ発足などマレーシアサッカーの改革を次々と行いました。
 しかし故スルタン・アーマド・シャー殿下の30年に渡る会長在任中は順風満帆であったわけではありません。2012年のアセアンサッカー連盟AFF選手権スズキカップでは、開催国でありながら代表チームが決勝に進むことができず、FAM会長として長期在任を疑問視する代表サポーターから引責辞任を求める声が上がりました。その後2014年の改選時には、FAMに加盟する複数の州FAが会長候補として擁立した自らの息子で当時のパハン州皇太子アル=スルタン・アブドラ殿下と会長職を争う可能性もありましたが、故スルタン・アーマド・シャー殿下が立候補を取りやめ、ジョホール州皇太子テンク・イスマイル・スルタン・イブラヒム殿下との決選投票に勝利したアル=スルタン・アブドラ殿下が新会長に就任したことにより、FAM会長に任期を終えました。
 FAMだけでなく、2011年から今年の任期満了までAFFの会長を務めただけでなく、1994年から2002年まではAFCの会長も務め、2002年のFIFAワールドカップでのアジア枠の拡大実現に尽力するなど多くの功績も残し、マレーシアだけでなくアジアのサッカー発展に寄与した人物です。
 故人の冥福をお祈りいたします。

5月24日のニュース:FAMはFAと各クラブの分離を目指す、MFLはプロ審判の今季導入を見送る

FAMはFAと各クラブの分離を目指す
マレーシアサッカー協会FAMは、各州のサッカー協会(FA)とそれぞれのFAが運営するクラブとが分離して運営されるような仕組みを2021年までに周知したいとしていると、マレー語紙ハリアン・メトロのオンライン版が伝えています。
 FAとクラブの分離、と言うとよくわからないかも知れませんが、これはマレーシアのプロサッカーチームのほぼ全てが各州のFAによって運営されている、と言う特殊な事情と関連しています。このブログでは、マレーシアフットボールリーグMFLの試合結果を伝える際、スランゴールFA対パハンFA、と言った表現を使っています。それはそれぞれのプロチームの運営母体がスランゴール州サッカー協会であったり、パハン州サッカー協会であるからです。しかも、多くの州サッカー協会のトップは各州の州知事が会長を務めています。例えて言えば、東京都の小池百合子都知事が東京都サッカー協会の会長を務め、東京都サッカー協会がFC東京を運営しているようなものと言えばわかりやすいでしょうか。
 州名プラスFAという名称のMFL参加クラブ、これは上記のスランゴールFA、パハンFAの他に、プルリスFA(現在は城名処分中ですが)、クダFA、ペナンFA、ケランタンFA、KLFA、ヌグリ・スンビランFA、サバFA、サラワクFAがありますが、これらは全てが各州のFAにより運営されているチームです。またペラTBG、トレンガヌFC(およびトレンガヌFC II)、マラッカ・ユナイテッドの各クラブはFAの名前はついていませんが、それでもこれらのチームのペラ州、トレンガヌ州、マラッカ州のFAから運営資金が出ています。
 ついでに言えば、PKNS FC、PKNP FC、PDRM FC、フェルダ・ユナイテッドはそれぞれスランゴール州開発公社、ペラ州開発公社、マレーシア王立警察、マレーシア連邦土地開発庁といった官公庁が運営するクラブ、UTIM FCとUKM FCはそれぞれ大学が運営するクラブ、スランゴール・ユナイテッドはスランゴール州マレー人サッカー連盟、プタリン・ジャヤ(PJ)シティFCはマレーシアインド人サッカー連盟が運営しています。
 MFLの中では、ジョホール・ダルル・タクジム(JDT)とJDT IIのみが、州のサッカー協会(ジョホール州サッカー協会)から全く独立した形で運営されている唯一のクラブです。(ちなみにJDTのオーナーはジョホール州の皇太子トゥンク・イスマイル・スルタン・イブラヒム殿下です。)そんなJDTが他のチームを差し置いてMFL5連覇を果たしているのも、こういった面も大いに関係しているのではないでしょうか。
 州FAがクラブを運営することの問題は、ジュニアやユースの育成や、州内リーグの運営、審判や指導者育成などに使われるべきFAMからの助成金が、各州FAが運営するクラブに所属する有力選手や外国人選手の給料に当てられてしまう点にあります。このブログでは複数のクラブの給料未払い問題を何度か取り上げましたが、この運営方法では、州FAが資金不足になれば選手だけでなく州全体のサッカーの発展にも影響が出てしまいます。またサッカー素人の州知事やその取りまきが、州FAの会長や関係者としてクラブの運営に介入するなど他の問題も起こっています。
 FAMのモハマド・フィルダウス・モハメド執行委員は、プロクラブライセンスプロジェクトチームを発足させ、各州FAを回って各クラブをFAの管理下から分離するよう、FAMの計画を説明していきたいとしています。

MFLはプロ審判の今季導入を見送る
同じマレー語紙ハリアン・メトロのオンライン版によると、MFLはプロ審判導入について、予算の都合上、導入見送りを決めたことを、MFLの会長を務めるTMJことジョホール皇太子トゥンク・イスマイル・スルタン・イブラヒム殿下が発表しています。
 殿下はこの決定は、3月のテレコムマレーシアTMによるスポンサー契約破棄の影響を受けているとしています。「TMによる契約破棄により、あらゆる計画が影響を受けており、イングランドFAや英国プレミアリーグ審判などとも話し合いを続けてきたものの、一時的には見送らざるを得ないとし、予算不足の問題が解決すれば、日本からも審判を小へすることも含めた計画を再開するとしています。
 TMとの8年間総額4億8000万マレーシアリンギ(約130億円)の大型スポンサー契約はわずか1年ほどの今年3月で契約破棄となりましたが、これは昨年5月の総選挙で1957年のイギリスから独立以来、政権を担っていた国民戦線が政権を失い、その結果、多くの政府系企業(GLC)で人事や経営方針の見直しが行われました。その影響を受けた企業の中にはこのTMも含まれており、契約破棄は政治的な要素もあるとされています。
 またTMのスポンサー契約破棄は、MFL格クラブへの助成金交付の遅れにもつながっていますが、先日これについてクダFAの会長でクダ州知事でもあるムクリズ・マハティール氏(名前から分かる通り、マハティール・モハマド現マレーシア首相の長男です)が、この遅れには何か別の意図があるのでは、と言った発言をしたところ、過去30年間、各チームは情勢機などもらってこなかったにも関わらず、今回数ヶ月の遅れを問題にすることこそ別の意図があるのではとTMJが反論しています。スルタンの権力を縮小しようとしてきたマハティール首相と物言う皇太子TMJは犬猿の仲であることはマレーシアでは周知の事実ですが、TMの契約破棄には現政権の意向を反映しているとされており、それに不満のTMJと父親に代わってスルタンの既得権益縮小を目指す息子の対決、と言った図式も見え隠れします。

5月22日のニュース:JDTは今日ACLの最終戦、背番号を変えてスーパーリーグに臨む新外国人選手

JDTは今日ACLの最終戦
今シーズン初めてアジアサッカー連盟AFCチャンピンズリーグACL本戦に出場したジョホール・ダルル・タクジム(JDT)が、今日、韓国の慶南FCのホームでACLグループステージ最終戦を戦います。
 前節5月8日に行われたホームでの対鹿島アントラーズ戦では、歴史に残るACL初勝利を挙げたJDTですが、グループEでの順位は1位山東魯能泰山(3勝2分0敗-勝点11)、2位鹿島アントラーズ(2勝1分2敗-勝点7)、3位慶南FC(1勝2分2敗-勝点5)に続く4位(1勝1分3敗-勝点4)となっています。1位の山東魯能泰山はすでにグループスタージ突破が確定していますが、最下位のJDTを含めた残り3チーム全てに2位になる可能性があり、各グループの上位2チームが進むノックアウトステージ進出の可能性が残っています。
 ノックアウトステージへJDTが進むためには、まず慶南FCに勝ち、さらに鹿島が山東魯能泰山に敗れることが条件です。ACLは勝ち点で並んだ場合の順位決定規定として、
1. 当該チーム同士の対戦における勝ち点の多少(JDTと鹿島の対戦結果は1勝1敗)
2. 当該チーム同士の対戦における得失点差(両チームとも得点2、失点2で得失点差±0)
3. 当該チーム同士の対戦における、ゴール数の多少(両チームとも得点2)
4. 当該チーム同士の対戦における、アウェーゴール数の多少(JDT1、鹿島0)
となっており、JDTが勝ち、鹿島が負ければそのスコアに関わらず、規定4)により、JDTがグループEの2位でノックアウトステージに進みます。
 グループスタージ突破が確定している山東魯能泰山が、アウェイとなる鹿島戦に主力を投入してくるかどうかは疑問ですが、JDTはとにかく目の前の試合に勝って、少しでも可能性を残しておきたいところです。
 マレーシアのメディアの中には、突破の可能性が限りなく低いことから、この日曜日5月26日におこなわれるマレーシアフットボールリーグMFL第15節、3位のクダFA戦にベストメンバーで臨めるよう、主力選手をベンチに置く布陣を進める最初から敗者の発想のなんとも情けない記事を掲載するオンライン版メディアもありますが、大方の予想を覆す勝利を見せてもらいたいものです。

背番号を変えてスーパーリーグに臨む新外国人選手
5月2日から始まっているトランスファーウィンドウ期間中に、シンガポールリーグのタンピネスローバーズからMFL1部スーパーリーグのフェルダ・ユナイテッドへ移籍してきたシンガポール代表のカイルル・アムリ・カマル。3月にクアラルンプールで開催された親善大会エアマリンカップでは、マレーシア代表を倒したシンガポール代表のメンバーでもありました。
 移籍直後のマレーシアFAカップ準々決勝、対クアラルンプール(KL)FA戦に先発スタメン出場したものの、試合中に肩を痛め24分に途中交代しています。その後、ケガの回復が遅れスーパーリーグの試合も2試合に欠場、その間チームはマラッカ・ユナイテッドに0-6と大敗、その翌節もトレンガヌFCと1−1と引き分け、順位は最下位に低迷しています。
 このカイルル選手が背番号を変更したいとしていると、マレーシア語紙ハリアン・メトロのオンライン版が伝えています。
 カイルル選手は2010年にインドネシアリーグのプルシバ・バリクパパンへ移籍した経験があり、その際にはデビュー戦でのゴールを含めて、23試合で9ゴールを挙げるなど活躍しましたが、シーズン中に足の一部筋肉断裂により、7ヶ月ほど試合に出場できない状況が続いた結果、契約期間を終了しないままシーズン途中での対談となりました。そしてプルシバ・バリクパパン時代につけていた背番号が9でした。そして今回フェルダ・ユナイテッドでもKLFAとのデビュー戦では背番号9をつけて出場したカイルル選手は、やはりケガでその後の試合を欠場することになったことから、背番号を9から他の番号へ変えることを決めています。
 なお本人の希望は19だったようですが、これはすでにチームメイトのクリスティ・ジャヤセランがつけているため、まだ新背番号は決まっていないようですが、今週末のMFLでは、新たな背番号をつけてカイルル選手が見られそうです。


 

5月21日のニュース:年間助成金支給が8月との報道をMFLは否定、PKNP FCはトマス・アビーとの契約解除

年間助成金支給が8月との報道をMFLは否定
マレーシアフットボールリーグMFLは公式ホームページ上で、リーグからの年間助成金に関するマレー語紙ブリタ・ハリアンの報道(記事はマレーシア語です)について、これを否定しています。
 ブリタ・ハリアン(ブリタはマレーシア語で「ニュース」、ハリアンは「日々の」と言う意味です)の記事では、MFL関係者の話によると本来なら3月に支給されているべきMFLから1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグへの助成金の支給時期が8月になるだろうとと伝えています。
 当地の最大テレコミュニケーション企業であるテレコム・マレーシア(TM)との2018年から8年間総額4億8000万マレーシアリンギ(約130億円)の大型スポンサー契約が3月15日に解除され、MFLはそれに代わるスポンサーとして複数の企業と交渉中とされ、その交渉がまとまれば、8月以前の支給の可能性もあるとされています。
 ブリタ・ハリアンの記事では、助成金の支給額も正式には各クラブには正式に告知されていないものの、おそらく昨年同様、スーパーリーグの各クラブは300万リンギ(約7900万円)、プレミアリーグの各クラブは100万リンギ(2600万円)となるだろうとしています。
 この報道に対して、MFLはホームページでこの内容を全面的に否定し、TMに代わるスポンサーとの交渉が最終段階に入っており、今月中には詳細が発表できるとしています。また、各クラブに対しても助成金支給が8月となる、といった連絡をしておらず、ブリタ・ハリアンの記事を全く根拠ない報道としています。またこのような誤った否定的な内容の報道は、MFLのイメージを低下させ、結果としてスポンサー獲得にも悪影響を及ぼすとして、こういった報道を非難する内容も合わせて掲載しています。

PKNP FCはトマス・アビーとの契約解除
MFL1部10位のPKNP FCは、2週間前に中足骨を骨折したMFトマス・アビーとの契約を解除したと、英字紙スターのオンライン版が伝えています。
 ガーナ出身の攻撃的MFアビー選手は完治まで8ヶ月程度かかるとされており、第14節を終えて3勝3分8敗の勝点12と降格圏付近に停滞しているPKNP FCは、その完治まで待つ余裕がないとして、代わりの外国人選手を獲得するとしています。
 昨シーズンスーパーリーグへ昇格し9位に終わったPKNP FCのアブ・バカル・ハジム監督は、今シーズンの目標はMFL1部残留とし、そのためにも14試合で15得点という攻撃力不足解消のためにもプレーできる選手が必要としています。


 


5月20日のニュース:ペラTBGが3人目の新外国人と契約、MFL3部から1部に移りいきなり2ゴールを決めた選手

ペラTBGが3人目の新外国人と契約
第14節を終えて勝分敗でマレーシアフットボールリーグMFL1部プレミアリーグの位に低迷するペラTBGがトランスファーウィンドウ期間中では3人目となる新外国人と契約したことを、当地の英字新聞スターのオンライン版が伝えています。
 ペラTBGと契約したのは、コートジボワール生まれのレバノン人DFフセイン・エル・ドール(25)で、契約期間は6ヶ月です。また、ケガで前節から欠場中だったオーストラリア人のDFザック・アンダーソンが、エル・ドール選手に代わって退団することになりました。モルディヴのニュー・ラディアントFCやインドのチャーチル・ブラザーズFCなどアジアでのプレー経験もある190cmと長身のエル・ドール選手は、登録後は早速、昨日のパハンFAとの試合にも出場しています。
 前節第13節のPKNP FC戦では新外国人のロナウドが2ゴールを決め、そしてFAカップの準々決勝のPKNP FC戦はやはり新外国人のカレッカが2ゴールを決めるなど攻撃陣は新外国人の活躍で勢いづいているペラTBGが、第13節終了時点で17失点という守備陣を立て直すことができれば、上位陣に食い込むこと可能です。

MFL3部から1部に移りいきなり2ゴールを決めた選手
トランスファーウィンドウ期間中に移籍するのは外国人選手だけではありません。
 当地のマレー語紙ブリタ・ハリアンのオンライン版が、MFL1部スーパーリーグのトレンガヌFCと契約したナビル・アーマド・ラトピを取り上げています。ナビル選手は、MFL3部M3リーグのアルティメイトFCから移籍金無しで移籍してきた27歳のFWで、2018年シーズンはPDRM FCでプレーしていましたが、シーズン後に解雇され、今シーズンはアルティメイトFCと契約していました。
 アルティメイトFCは今年の4月2日にマレーシアFAカップの2回戦でトレンガヌFCと対戦し0-5で大敗していますが、ウィングのポジションに人材不足を感じていた前トレンガヌFCのイルファン・バクティ監督がこの試合でのナビル選手の動きを見て、トランスファーウィンドウが開くと同時に獲得に動いたという経緯があります。
 アルティメイトFCではストライカーとしていたプレーしてナビル選手は、トレンガヌFCでは左ウィングとしてプレーしていますが、スーパーリーグデビュー戦となった5月14日のプタリン・ジャヤ(PJ)シティFC戦では先発スタメン出場する早速ゴールを決め、さらに5月18日のフェルダ・ユナイテッド戦では途中出場ながら先制ゴールを決めるなど、2試合で2ゴールと活躍しています。
 トレンガヌFCは、マレーシアFAカップの準々決勝ではパハンFAに敗退し、5月14日のPJシティFC戦後にイルファン・バクティ監督が成績不振の責任を取り辞任するなど暗い話題が続く中で、このラトピ選手がマレーシア版ジェイミー・バーディーとなれるかどうかに注目が集まっています。


 

MFL第14節の結果まとめ

5月17日(金)から5月19日(日)にかけて行われたマレーシアフットボールリーグMFL第14節の結果です。

MFL1部スーパーリーグ

プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC1-0クアラ・ルンプール(KL)FA
得点者:PJシテイFC-サフィ・サリー(90分)
 この試合を観戦しましたが、両チームとも決め手を欠き、無得点のまま試合終了かと思ったその時にたった一つのミスで決着がつきました。KLFAの苅部隆太郎選手はレフトバックでスタメンフル出場し、要所では効果的な活躍をしていたのですが、最後にGKとのコミュニュケーションがうまくいかず、途中出場のサフィ・サリーがそのミスを見逃さずPJシティFCの決勝ゴールにつながりました。

ジョホール・ダルル・タクジム(JDT)2−1PKNS FC
得点者:JDT-サファウイ・ラシド(18分)、ジオゴ(61分)、PKNS FC-ロメル・モラレス(30分)
 アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLのグループステージ最終戦、アウェイでの慶南FCを来週の水曜日に控えるJDTにとっては、勢いをつけるためにも国内では負けるわけにはいかない試合でした。将来の代表のエース(と私が思っている)サファウィ・ラシドの先制ゴールは、帰化選手の候補にも上がっているロメロ・モラレスのゴールで同点にされましたが、ゴール前の混戦からジオゴがヘディングで決勝ゴールを決めています。

クダFA2-1マラッカ・ユナイテッド
得点者:クダFA-バドロル・バクティアル(61分)、ジャン・スクウォン(71分OG)、マラッカ・ユナイテッド-ルカ・ミルノヴィッチ(31分)
 前節第13節では、スランゴールFAの新外国人FWイフェダヨ・オルセグンのハットトリックで大敗したクダFAが、マラッカ・ユナイテッド相手に勝利しリーグ順位を3位と上げました。クダFAは次節第15節はアウェイのJDT戦です。
 一方のマラッカ・ユナイテッドは前節は最下位のフェルダ・ユナイテッド相手にルカ・ミルノヴィッチがハットトリックを決めるなど6-0の圧勝でしたが、この試合はミルノヴィッチが2試合連続ゴールを決めたものの、最後はオウンゴールで逆転負けでした。

フェルダ・ユナイテッド1-1トレンガヌFC
得点者:フェルダ・ユナイテッド-池田圭(88分)、トレンガヌFC-ナビル・ラトピ(83分)
 前節にKLFAと入れ替わりで最下位へ落ちたフェルダ・ユナイテッドは、上位チーム相手に貴重な勝点1を手にしました。
 また、前節の試合後にイルファン・バクティ監督が辞任したトレンガヌFCにとっては、上位進出が遠のく引き分けと言えるでしょう。
 なお、前節第12節はベンチ入りしていなかったフェルダ・ユナイテッドの渡邉将基選手は先発スタメンでフル出場、池田圭選手は72分から出場して、今シーズン3ゴール目となる貴重な同点ゴールを決めています。

PKNP FC1-1スランゴールFA
得点者:PKNP FC-G・ムゲンティラン(48分)、スランゴールFA-イフェダヨ・オルセグン(29分)
 前節は新加入のイフェダヨ・オルセグンのハットトリックで上位のクダFAに快勝しましたが、この試合ではトマス・アビィ、ジャンカルロ・ロペス、アマニ・アギナルドといった外国人選手をケガや累積警告による出場停止で欠く下位のPKNS FC相手に上位進出にとっては手痛い引き分けとなりました。

パハンFA0-0ペラTBG
得点者:なし
 いずれもワールドカップ予選出場の代表候補となっているキャプテンのDFシャルル・サアドを累積警告による出場停止で、GKハフィズル・ハキムをケガで欠いたペラTBGでしたが、後半は明らかに引き分け狙いの戦術で、2位パハンFAを完封し、勝点1を獲得しました。
 一方のパハンFAはFWディクソン・ヌワカエメがケガで欠場して以来3試合連続の無得点の1分2敗と明らかな得点力不足に苦しんでおり、JDTとの勝点差を1つ詰めたものの、その差はまだ10あり、リーグ優勝を狙うには痛恨の引き分けでした。

MFL2部プレミアリーグ

トレンガヌFC II1−0PDRM FC
得点者:トレンガヌFC II-セルヒイ・アンドリエイエフ(43分)
 トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手は先発スタメンでフル出場しています。

UKM FC0-1サバFA
得点者:サバFA-アギナルド・ポリカルポ(49分)
 サバFAは、期限付き移籍で獲得していたセルビア人MFルカ・ミルノヴィッチがマラッカ・ユナイテッドへ復帰し、ブラジル人FWルイス・カルロス・ジュニオールとの契約を解除しましたが、同時に二人の新外国人選手をトランスファーウィンドウ期間中に獲得しました。一人はトルクメニスタン出身のMFアフメット・アタエフで、彼は今年1月9日に行われたアジアサッカー連盟AFC選手権での対日本戦でもゴールを決めています。もう一人がこの試合でゴールを決めたアンゴラ出身のFWアギナルド・ポリカルポです。

UITM FC2-1サラワクFA
得点者:UITM FC-ザルコ・コラチ(29分)、ナズリン・シャムスル(85分)、サラワクFA-ボビー・ゴンザレス(3分)
 ついにUITM FCが今シーズン初の敗戦で勝利数でもJDT IIを抜き、8勝2分3敗の勝点26で勝点25のJDT IIを抑えて首位に浮上しました。

ヌグリ・スンビランFA3-1ケランタンFA
得点者:ヌグリ・スンビランFA- アルミール(5分)、イゴール・ルイス2(26分、28分)、ケランタンFA-ニック・アキフ・シャヒラン(65分PK)
 新戦力のブラジル出身FWイゴール・ルイスの2ゴールなどでヌグリ・スンビランFAが快勝しています。アルミール選手のゴールをアシストするなどチームの勝利に貢献したヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手は先発スタメンでフル出場しています。
 各チームが新外国人を獲得し、その多くが活躍している他チームと比べると、ケガが完治しないまま出場を続けている(しかも途中交代し続けている)ブラジル人DFカッシオ・デ・ジーサスしか外国人がいないケランタンFAは、今シーズンの残り試合もこの体制で臨むようですので、このままだとMFL3部のM3リーグ降格に一番近いチームとなりそうです。

JDT II0-2ペナンFA
得点者:ペナンFA-セルジオ・アグエロ(34分)、カサグランデ(46分)
 ペナンFAは、スランゴール・ユナイテッドから移籍のFWセルジオ・アグエロが2試合連続ゴール、マラッカ・ユナイテッドから期限付き移籍のFWカサグランデが移籍後初ゴールを決め、JDT IIの今シーズン初の黒星をつけました。
 セルジオ・アグエロは元ハイチ代表のMFセバスティアン・テュリエールに代わって、カサグランデはザンビア出身のFWンドゥンバ・マケチェに代わっての入団です。

5月18日のニュース:サフィク・ラヒムの今季移籍はなし、その一方で移籍したい選手も

サフィク・ラヒムの今季移籍はなし
先日取り上げたマラッカ・ユナイテッドのMFサフィク・ラヒムのクダFAへの噂を、マラッカ・ユナイテッドを運営するマラッカ・ユナイテッドFA(MUFA)のファルハン・イブラヒム事務局長が否定していると、当地のマレー語紙ハリアン・メトロのオンライン版が伝えています。
 ファルハン事務局長は、現時点ではどのチームあるいはどのFAともサフィク選手の移籍に関する話し合いをしている事実はないとしています。また、現在試合に出場している選手の期限付き移籍を許容する予定もないとも発言しています。
 現在MUFAが期限付き移籍させている選手は、G・ゴピナタン(PDRM FC)、ワン・シュクリ・ワン・アーマド、アンセルモ・カサグランデ(いずれもペナンFA)、ヌルシャミル・アブドル・ガニ(スランゴール・ユナイテッド)、ダルコ・マルコヴィッチ(KLAF)の5名としています。

その一方で移籍したい選手も
このブログでケランタンFAを取り上げる時には、残念ながらほぼ毎回がネガティブな内容なのですが、今回も契約解除を求める選手についてです。
 マレー語紙ウトゥサン・マレーシアのオンライン版によると、ケランタンFAと契約したピヤことモハマド・バドリ・モハマド・ラジが、給料未払いによる契約解除を求めていると伝えています。
 2012年にはケランタンFAの主将として、ケランタンFAのリーグ優勝、マレーシアカップ優勝、FAカップ優勝のいわゆる「トレブル」を達成したピヤ選手は、今シーズン開幕時は、マレーシアフットボールリーグMFL2部プレミアリーグのプルリスFAに所属していましたが、プルリスFAによる給料未払い問題により退団し、ケランタンFAと契約していました。しかし、今回の報道によると3月16日にケランタンFAと契約して以来、全く給料が支給されていないとして、契約書の8.7項「選手は2ヶ月以上給与が支給されない場合、無条件で契約を解除できる」を使って、ケランタンFAに契約解除と移籍証明書の発行を求めています。
 ピヤ選手については、このブログでも2月と4月に取り上げていますが、4月の記事では、ケランタンFAと契約してから1ヶ月も経たないうちに退団希望の意思表示をしたことを取り上げました。4月の時点では「2ヶ月以上給与が支給されない場合」に該当せず、ケランタンFAの会長から練習参加が命じられていましたが、流石に今は5月中旬ですので、今回はFAに拒否権はないでしょう。