Mリーグ2部プレミアリーグ2020年シーズン第5節結果

 3月16日から中断していたMリーグが再開し、8月28日(金)と8月30日(土)の両日に、2部プレミアリーグ第5節の6試合が行われました。以下結果です。(ホームチームが左側です。)

8月28日(金)
サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
クチンFA 1-4 スランゴール2
得点者:クチン-ジョセフ・カラン・ティー(81分)、スランゴール-ダニアル・アスリ2(26分、64分)、ファズルル・ファーリズ(48分)、アリフ・ハイカル(83分)
 クチンFAは未だ今季白星なしと苦しい試合が続いていますが、プレミアリーグは8位までが勝点差3以内という接戦になっていて、1勝するだけ順位が大きく変わります。しかも今季は3部のM3リーグが新型コロナウィルスの影響で中止となっており、2部と3部の間での入れ替えなく、今季が11位以下に終わっても降格の心配はありません。
 クチンFAの鈴木雄太選手は先発してフル出場、谷川由来選手は89分に交代出場しています。

クアラルンプール・フットボールスタジアム(クアラルンプール)
クアラルンプールFA 2-1 UKM FC
得点者:クアラルンプール-フランシス・コネ(27分)、パウロ・ジョズエ(82分)、UKM-アカニ・サンデイ(90+3分)
 クアラルンプールFAはリーグ中断期間を挟んで連勝し、無敗記録を5試合としています。
 一方のUKM FCは開幕戦で勝利を挙げたもの、それ以降は1分3敗となっています。

トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
ヌグリスンビランFA 1-0 トレンガヌFC II
得点者:ヌグリスンビラン-イザック・イズハン・ユスワルディ(90+4分)
 ヌグリスンビランFAは今季2勝目を挙げ、開幕から4連勝中だったトレンガヌFC IIに今季初黒星をつけています。
 ヌグリスンビランFAの中武駿介選手、トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手はいずれも先発でフル出場しています。

8月29日(土)
スルタン・ムハマド4世スタジアム(ケランタン州コタ・バル)
ケランタンFA 0-3 ペナンFA
得点者:ペナン-エンドリック3(53分、66分、90+3分)
 ペナンFAがエンドリックのハットトリックで2位に浮上。首位とのトレンガヌFC IIにも勝点差1と迫っています。エンドリックは昨季はスランゴールFCに在籍していましたが、24歳という年齢ながらケガを理由にコンディション不良を訴えることが多く、サティアナタン監督の信用を失い(報道によれば)、昨シーズン終了時には契約が更新されなかった経緯がありますが、見事に復活したようです。
 ケランタンFAの渡邉将基選手はスタメンでフル出場しましたが、前節のUKM FC戦に続き、60分にイエローカードを出されています。

MPMスタジアム(ペラ州マンジュン)
ペラ II 2-2 サラワク・ユナイテッドFC
得点者:ペラ-タリク・イシッチ(20分)、ブルーノ・ベゼーハ(40分)、サラワク-ミラド・ザニドプール(8分)、カユム・ジャブルラー(52分)
 クチンFAと共にまだ今季白星のないペラIIは今季2度目の引き分けで勝点1を獲得しています。

タン・スリ・ダト・ハジ・ハサン・ユノススタジアム(ジョホール州ラーキン)
ジョホール・ダルル・タジムJDT II 3-2 ケランタン・ユナイテッド
得点者:JDT-ルイス・カブレラ(37分)、ニコラス・フェルナンデス(60分)、フェルナンド・ロドリゲス(64分)、ケランタン-ファクルル・ザマン(48分)、ガッサマ・アルフサイネイ(75分)
 JDT IIの廣瀬慧選手は先発出場し、66分に交代しています。

マレーシアプレミアリーグ順位表(第5節終了時)

順位クラブ試合得点失点得失差勝点
1トレンガヌFC II540173412
2ペナンFA5320124811
3クアラルンプールFA532095411
4ケランタンU53028629
5スランゴール253028719
6JDT II52218808
7ヌグリスンビランFA520359-46
8ケランタンFA5212972*4
9サラワクU5113910-14
10UKM FC5113410-64
11ペラ II502348-42
12クチンFA5014410-61
*8位のケランタンFAは給料未払い問題により勝点3が剥奪されています。

マレーシアプレミアリーグ ゴールランキング(第5節終了時)

ゴール数選手名所属試合数
6カサグランデペナンFA5
5エンドリックペナンFA5
4ダニアル・アスリ他2名

9月1日のニュース:パハン州FAはスマレに対して懲戒を検討、ケランタン州FAはクラブの民営化手続き書類の提出完了

パハン州FAはスマレに対して懲戒を検討
 Mリーグ第5節の結果のところでも取り上げた通り、Mリーグ1部のパハンFAに所属するムハマドゥ・スマレは過去1ヶ月練習に参加してないことをドラー・サレー監督が明らかにしていますが、マレーシアの通信社ブルナマはスマレ選手とパハンFAとの関係がこじれてしまっているようだと報じています。
 マレーシア人の血を引かない初めての帰化選手となったガンビア出身のスマレ選手は、2017年シーズンからパハンFAでプレーしています。代表でも主力選手であるスマレ選手とパハンFAとの契約は2022年まで残っているということですが、パハンFAのチームマネージャーを務めるモハマド・スフィアン・アワン氏は「スマレ選手の職業倫理に反する行動を見る限りでは、既にパハンFAでプレーする気持ちがないのだろう。パハンFAを運営するパハン州サッカー協会(パハン州FA)はスマレ選手の行動を重く見え、契約違反に対する懲戒処分を科す予定である。」と話しています。
 さらにモハメド・スフィアン チームマネージャーは、スマレ選手の獲得についてどのチームからも正式な獲得交渉を持ちかけられていないことも明らかにし、チームの知らないところで交渉が行われている場合には、チームとしては何もできないと話しています。
 一方スマレ選手は自身のインスタグラムを更新し、パハンFAのサポーターに謝罪をすると同時に、現時点では明らかにできることがないとも述べています。
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 これまでもJDTへの移籍が噂されてきたスマレ選手ですが、昨季同じようにパハンFAからJDTへ移籍したマシュー・デイヴィーズのようにスムーズな移籍とはならなそうな様相です。財政的に苦しいとされるパハン州FAは、JDTが違約金を払えばスマレ選手を放出する用意はありそうですが、JDTが正式なオファーをしない理由があるのかも知れません。いずれにせよ、代表でも主力のスマレ選手が飼い殺しになってしまうような環境はできるだけ早く解消するよう関係者の皆さんの尽力に期待しましょう。

ケランタン州FAはクラブの民営化手続き書類の提出完了
 Mリーグ2部のケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会(ケランタン州FA)は、民営化手続きに必要なすべての書類をマレーシアサッカー協会FAMに提出したことを公式Facebook上で発表しています。
 この手続きが完了すれば、新たに設立される民営化クラブのケランタンフットボールクラブ(ケランタンFC)はケランタン州FAから独立した団体となります。
 ケランタン州FAは、クラブ運営会社のチームレッドウォリアーズ社(TRW社)をすでに設立済みで、来季からはケランタン州FAに代わってTRW社がケランタンFCを運営します。またケランタンFCは、これまでこのブログでも取り上げてきたかつての在籍選手に対する未払い給料などの負債についてもその責任を負わないとされています。
 またケランタン州FAは今後は州内のサッカー振興に注力することを中心に、州内リーグの開催や年代別大会、さらにはサッカークリニックの開催などが主な事業となる一方、TRW社はケランタンFCの経営を行い、選手や監督、コーチの獲得や給料支払いやMリーグの試合運営などが業務となります。
 このためケランタンFCのオーナーとなることを希望する場合にはこのTRW社の株式購入という形で経営に参画することになり、ケランタン州FAの干渉を受けずに経営が可能になるとこの記事は結んでいます。
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 来季2021年シーズン以降のケランタンFCについては様子がわかりますが、これまでの未払い給料の支払いについては、何も言及されていません。ケランタン州FAとしても巨大な財源である入場料収入を失って、果たしてどのように未払い給料問題を解決するのかは不明ですが、いずれにしても早く解決して選手が不安なくプレーできるような環境になって欲しいです。(以下の写真はケランタンFAのFacebookより)

Mリーグ1部スーパーリーグ2020年シーズン第5節結果

 3月16日から中断していたMリーグが再開し、8月28日(金)と8月30日(土)の両日に、1部スーパーリーグ第5節の6試合が行われました。以下結果です。(ホームチームが左側です。)
 今節は、JDTを除き、試合前に下位だったチームが上位のチームを破る結果になっています。(試合のダイジェスト映像はMalaysia Football LeagueのYoutubeチャンネルより)

8月28日(金)
ダルル・マクマルスタジアム(パハン州クアンタン)
パハンFA 2-0 ジョホール ・ダルル・タジムJDT
得点者:パハン-ファイサル・ハリム(40分)、エラルド・グロン(45分)、JDT-レオナルド・ヴァレスケス(5分)、ラマダン・サイフラー(15分)、ゴンザロ・カブレラ(35分PK)
 ポルトガルリーグのポルティモネンセSCへの移籍が決まっているエースのサファウィ・ラシドをベンチスタートさせたJDTは、Mリーグが中断する第4節まではBチームのJDT IIに所属し、2部プレミアリーグでプレーしていたラマダン・サイフラーがトップチーム昇格後に即スタメン出場し、さらにゴールを決めるなど改めて選手層の厚さを披露しました。さらに代表でもプレーするパハンFAの高速ウイング、モハマドゥ・スマレ獲得の噂もあり、エースの移籍にも盤石の構えでリーグ7連覇に近づきました。
 一方のパハンFAは、前述のスマレ選手が過去1ヶ月ほど練習にも参加していないという報道があり、この日もベンチ入りしませんでした。また第4節までチーム最多の3ゴールを決めているFWイヴァン・カルロスもケガでスタメンを外れるなど満身創痍のチーム状態では2点を返すのがやっとでした。

ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラTBG 0-1 マラッカ・ユナイテッド
得点者:マラッカ-フェリス・ダニアル(52分)
 給料未払い問題で揺れるマラッカ・ユナイテッドがペラTBGの無敗記録をストップ。ペラTBGのオフサイドトラップを抜け出したフェリス・ダニアルが今季初ゴールを決めています。

トゥン・アブドル・ラザクスタジアム(パハン州ジェンカ)
フェルダ・ユナイテッド 0-1 UITM FC
得点者:UITM-マーク・ハートマン(38分)
 今節最大の番狂わせとなったこの試合は、マーク・ハートマンのゴールで大学生が主体のUITM FCがフェルダ・ユナイテッドを破り9位から3位に浮上。一方のフェルダ・ユナイテッドは5位から9位に順位を下げています。
 フェルダ・ユナイテッドの恵龍太郎選手はスタメンでフル出場しています。

スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
トレンガヌFC 4-0 サバFA
得点者:トレンガヌ-ドミニク・ダ・シルヴァ(12分)、サンジャル・シャアフメドフ2(43分、71分)、ファリス・ラムリ(84分)
 Mリーグ再開前のスーパーリーグ展望で失点をどれだけ防げるかが上位進出の鍵となると予想したトレンガヌFCが2試合連続の完封勝利で首位JDTと勝点差3の2位に浮上しています。またこの試合でもゴールを決めたドミニク・ダ・シルヴァは5試合で6ゴールとリーグ得点王として好調を維持しています。
 一方、サバFAはやはりスーパーリーグ展望で実戦練習不足が懸念材料と書きましたが、やはりそれが露呈した格好になり、一気に降格圏内の11位まで順位を下げました。

クアラルンプール・フットボールスタジアム(クアラルンプール)
PDRM FC 0-2 クダFA
得点者:チェチェ・キプレ2(30分、36分PK)
 こちらも給料未払い問題が取り沙汰されているクダFAが最下位相手ながら快勝し、順位を8位から3位としています。クダFAを運営するクダ州サッカー協会は、このPDRM FC戦前に未払いとなっている3月から6月までの給料を完済すると約束していましたが、それが1週間先延ばしになり、チームの士気が低下しても致し方ない状況でしたが、相手がPDRM FCだったことも幸いしてか、勝点3を獲得しています。
 敗れたPDRM FCは、リーグ中断前の第4節まで活躍した正GKのブライアン・シーをケガで欠き、攻撃陣も機能せず、既に今季3度目の完封負けで、今季の成績を0勝1分4敗としています。

UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
スランゴール FC 0-0 PJシティFC
得点者:なし
 ケガから復帰のルフィアノ・セゴヴィアを先発させて攻撃重視のメンバーを組みながら前半を無得点で折り返すと、スランゴールFCは後半には昨季のチーム得点王イフェダヨ・オルセグンやワン・ザック・ハイカルら攻撃のカードをさらに切りましたが、PJシティFCのゴールを破ることはできませんでした。この引き分けは上位進出を狙うスランゴールFCにとっては負けにも等しい痛い引き分けでした。
 この試合の前にはスランゴールFCのサティアナタン・バスカラン監督が今季の契約切れと共に退任するという噂が出ており、この辺りも試合の結果に影響を及ぼしたかもしれません。
 PJシティFCは負けていれば、降格権内の11位に落ちるところでしたが、貴重な勝点1をもぎ取り10位に踏みとどまりました。

マレーシアスーパーリーグ順位表(第5節終了時)

順位クラブ試合得点失点得失差勝点
1JDT541087413
2トレンガヌFC5311149510
3ペラTBG52218538
4クダFA52128627
5UITM FC52126607
6マラッカU5302853*6
7パハンFA52038806
8スランゴールFC513167-16
9フェルダU512268-25
10PJシティFC512247-35
11サバFA512359-45
12PDRM FC501429-7*-2
*6位のマラッカUと12位のPDRM FCはそれぞれ、給料未払い問題により勝点3が剥奪されています。

マレーシアスーパーリーグ ゴールランキング(第5節終了時)

ゴール数選手名所属試合数
7ドミニク・ダ・シルヴァトレンガヌFC4
4サンジャル・シャアフメドフトレンガヌFC4
3イフェダヨ・オルセグンら他5名

8月30日のニュース:クラブ民営化で伝統喪失の危機、イングランド2部のクラブのマレーシア人オーナーが「成功」を厳命、移動制限措置適用地域在住のクダFA主将は無事チームに合流

クラブ民営化で伝統喪失の危機
 9月30日に迫ったMリーグ1部と2部のクラブの民営化の期限を前に、複数のクラブを伝統の喪失に直面していると、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 各クラブは来季以降もMリーグに所属するためには民営化が義務付けられていますが、この民営化によってクラブはより高いプロ意識や安定した持続可能性を持つことが期待される一方で、長年使い続けてきた伝統あるクラブのエンブレムやロゴを放棄し、新しいものを採用せざるを得なくなっているということです。
 例えばスランゴール州サッカー協会(スランゴール州FA)が運営するMリーグ1部のスランゴールFCは、スランゴール州を代表するクラブとして1936年からスランゴール州FAのエンブレムをユニフォームにつけてプレーしてきました。

 「勇気」を象徴する赤と「王権」や「高貴さ」を象徴する黄色を基調とし、スランゴール州の紋章も描かれたエンブレムは、現在、エリートアカデミーの名称にもなっているかつての名選手モクタル・ダハリらも着用したスランゴール州を代表するチームのユニフォームにいつも輝いていましたが、来季からは選手の誇りを象徴するエンブレムが使用できなくなるということです。
 スランゴール州FAは、クラブの民営化を進めるマレーシアサッカー協会FAMに対し、民営化後も州FAエンブレムの継続的な使用許可を求めたとされていますが、エンブレムの変更も民営化の要件の一つであることから、それが認められる可能性は極めて低そうです。現にFAMのハミディン・アミン会長は州FAと民営化されたクラブが同じエンブレムやロゴを使うことを認めておらず、民営化されたクラブは州FAのエンブレムとは異なるものをつかことを義務とするコメントを発表しています。
 なお来月9月30日までに民営化が完了しないクラブは、来季2021年シーズンはMリーグ3部にあたるM3リーグに降格になるとされています。

イングランド2部のクラブのオーナーが「成功」を厳命
 イングランド2部リーグで2019/2020年シーズンは5位に終わったカーディフシティFCは、マレーシアのビジネスマン、ヴィンセント・タン氏が2010年からオーナーです。チームのユニフォームの胸スポンサーでもあるタン氏は、ユニフォームにVisit Malaysiaのスローガンを採用してきました。(写真左)

 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版によると、この胸のスローガンが今季2020/2021年シーズンからMalaysia Berjaya(berjaya-ブルジャヤはマレーシア語で「成功」の意味)と変わることが発表されています。(写真右)
 リゾートを含めた不動産投資開発や旅行産業を運営するコングロマリットで財をなしたタン氏は「マレーシアを世界的に売り込む」ことを目的として、Visit Malaysiaのスローガンを使ってきました。その上で「新しいスローガンは自分の愛国心と自らが設立したコングロマリットのブルジャヤグループの二つの意味を持っている。」と話し、スローガンがMalaysia Berjayaと変わっても目的は変わらないと話しています。
 このスローガン変更についてはカーディフシティFCのニール・ハリス監督も「2019/2020年シーズンはプレーオフで敗れてプレミアリーグ昇格を逃したが、マレーシア語の)Berjayaの意味を理解してから、新たなシーズンには「成功」が求められていると思っている。」と話しています。
 なお、ヴィンセント・タン氏はカーディフシティFCの他、19歳のルクマン・ハキム・シャムスディンが加入したことで話題を集めたベルギー1部のKVコルトレイクのオーナーでもあります。

移動制限措置適用地域在住のクダFA主将は無事チームに合流
 Mリーグ1部のクダFAを運営するクダ州サッカー協会(クダ州FA)は、住民の自由な移動が制限されている移動制限措置が発令中のスンガイプタニ在住のバドロル・バクティアルに代わって提出していた適用除外申請が認められたことを発表しています。
 バドロル選手の雇用主であるクダFAによる申請が許可されたことにより、クダFAの主将でもあるバドロル選手はチームと共にPDRM FCとの対戦地であるクアラルンプールへ移動が可能になったと、ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 新型コロナウィルの新たなクラスターとなる懸念からスンガイプタニに移動制限措置が適用されることが発表され、この措置が適用されている地域の住民は、その地域外に出て活動を行う場合には申請を行うことが標準作業手順SOPにより義務付けられています。定められています。
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 マレーシア国内の移動制限措置が定期用される地域には警察などが検問を設けて、人の出入りを制限しており、上記のような適用除外許可証などの書類がなければ、実際にその地域を離れることは不可能です。

8月28日のニュース:サファウィ・ラシドはMリーグ終了後に移籍、クダ州FA会長はリーグ再開前に未払い給料支払いを明言、ルクマンがベルギー移籍後初ゴール、J2岡山のハディ・ファイヤッドは日本語も調子も上向き

サファウィ・ラシドはMリーグ終了後に移籍
 ポルトガル1部リーグのポルティモネンセSCへの移籍が決まっているサファウィ・ラシドは、所属するMリーグ1部のジョホール・ダルル・タジムJDTがリーグ最終戦を終えてから移籍すると、マレーシア語紙コスモ電子版が伝えています。
 JDTのオーナーであるジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下は、今季最終節となる第11節10月10日のマラッカ・ユナイテッド戦終了後にポルトガルへ立つことを明らかにしています。
 なお、ポルトガル1部リーグは9月20日開幕予定です。
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 サファウィ選手のポルティモネンセSCへの移籍が決まってから1日も経たないうちに、ポルティモネンセSCマレーシアファンクラブができるなど、多くの注目を集める代表エースの移籍ですが、23歳のサファウィ選手が成功すれば、若い選手たちの中からも海外移籍を志す選手が出てくる可能性があります。代表を強くするためにも是非、成功を期待したいですが、せっかくならポルトガルリーグの開幕前にチームに合流する方が、出場機会により恵まれる可能性もあったのではないかとも思いますが、JDTとしてもリーグ7連覇を花道に送り出してあげたかったということでしょうか。

クダ州FA会長はリーグ再開前に未払い給料支払いを明言
 Mリーグ1部クダFAを運営するクダ州サッカー協会(クダ州FA)は、126万リンギ(およそ3200万円)の未払い給料を今週末までに選手に支払うというクダ州FA会長の発言をマレーシア語紙シナル・ハリアン電子版が報じています。
 クダ州州首相でもあるムハマド・サヌシ・モハマド・ノー クダ州FA会長は、従業員積立金EPFを含めた総額を、Mリーグが再開する今週末までに支払うと話しています。
 「当初の約束を守りたい。そのためには(Mリーグ再開後の初戦となる)PDRM FC戦の前までに未払い給料を支払うことが重要であり、その財源を提供するスポンサーがある。」と話しています。
 8月12日にクダ州FAは今年3月から支払われていない未払い給料を支払うことを約束し、今年7月分の給料については全額が支払われたことが明らかになっていますが、3月6月までの給料の支払いについては、具体的な日程を明言していませんでした。

ルクマンがベルギー移籍後初ゴール
 ベルギー1部リーグのKVコルトレイクと契約したU19代表のエース、ルクマン・ハキム・シャムスディンが移籍後初ゴールを記録したようです。
 KVコルトレイクの公式ツイッターでは、U21チームで出場したルクマン選手が、4部のアマチュアチームKRCヘントとの練習試合に出場し、1-4と敗れたチームの中で唯一のゴールを決めたことが伝えられています。
 ツイッターでは映像も添付されており、ゴール前で敵DFからボールを奪うとそのままシュートを放ち、ゴールを決めたシーンも公開されています。

J2岡山のハディ・ファイヤッドは日本語も調子も上向き
 海外移籍と言えば、J2のファジアーノ岡山に所属する元U19代表のエースで20歳のハディ・ファイヤッドは日本で2年目のシーズンを迎えています。そんなハディ選手がチームのYoutubeチャンネルで日本語のインタビューに答えています。
(映像はファジアーノ岡山のYoutubeチャンネルより)

 開始後2分あたりから、中央の阿部海大選手に続いて日本語でインタビューを受けているのですが、日本での生活がまだ2年も経っていないことを考えると、聞き取りもそれなりにできていて、日本の環境に馴染んでいることが窺える映像です。
 ハディ選手は、Aチームのメンバーとして8月23日にはファジアーノ岡山U19との3本変則の練習試合に出場し、PKを含め3ゴールと1アシストを決める活躍を見せ、徐々に調子も上げてきているようです。
(以下はファジアーノ岡山のYoutubeチャンネルより)



 

8月27日のニュース:JDTのエースはポルトガルのクラブに移籍へ、マラッカ・ユナイテッドの新ロゴに盗作疑惑、一方クチンシティFCの新ロゴには好評価が集まる

JDTのエースはポルトガルのクラブに移籍へ
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版はMリーグ1部のジョホール・ダルル・タジムJDTに所属するサファウィ・ラシドが、来季、ポルトガル1部のクラブへ移籍すると報じています。
 ポルトガルのスポーツ紙O Joboが伝える記事として、ポルトガル1部のポルティモネンセSCが買取オプション付きの期限付き移籍でサファウィ選手を獲得する可能性があると伝えた第一報に続き、サファウィ選手が所属するJDTがポルティモネンセSCよりオファーを受けていることを公表し、契約交渉が最終段階にあることからその内容は明かせないとしながらも、JDTとサファウィ選手の両者にとって好ましい内容であることも明らかにしています。
 さらにJDTのスポーティングダイレクターSDを務めるマーティン・プレスト氏は「JDTはサファウィ選手がヨーロッパでさらなるキャリアを積めるよう放出する意思がある。」と言うコメント発表しています。
 国内で最高のフォワードとされる23歳のサファウィ選手は、2017年にT-Team(現トレンガヌFC II)からJDTに移籍し、JDTでは3季連続の1部リーグ優勝や2度のマレーシアカップ優勝に貢献したほか、2018年には34試合で16ゴールを決めて最優秀若手選手、最優秀フォワードとMVPを、昨年2019年は34試合で20ゴールを決めて最優秀フォワードとMVPと2年連続で獲得しています。
 かつては日本代表の中島翔哉選手も所属したポルティモネンセSCは、昨季は1部18チーム中17位の成績ながら、16位のヴィトーリア・デ・セトゥーバルにライセンスに関する問題があったことから、2部降格を免れたと言うことです。
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 この移籍はポルティモネンセSCの主力株主とJDTのオーナーのトゥンク・イスマイル殿下とが近しい関係にあることから、実現の可能性が高いという報道もあります。 
 なおポルトガルリーグでプレーするマレーシア人選手としては、現在、JDTでプレーする・ナズミ・ファイズ(3部のSCベイラ・マル、2013年)、アマド・ファクリ・サアラニ(3部アトレティコSC、2012/13年シーズン)に続く3人目となるということです。
(以下はJDTの公式Facebookに掲載されたプラットSDのコメント)

マラッカ・ユナイテッドの新ロゴに盗作疑惑
 Mリーグ1部マラッカ・ユナイテッドFCを運営するマラッカ州サッカー協会MUSAは、クラブの民営化に伴う新たなチームロゴを発表しましたが、これに盗作疑惑がもたれていルト、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 公募で選ばれた新しいロゴは、マラッカ州の名前の由来でもあるマラッカ(和名は油柑「ゆかん」)の木をモチーフにしたデザインですが、これが8月22日発表されると、まず、これが画像共有サイトのピンタレストで「木」を検索した際に見つかるロゴに似ているという指摘がありました。
 その後、新しいロゴはオーストラリアの食品製造企業のBare Blends社が2015年から使用しているロゴと酷似しているという報道が出ると、MUSAの会長を兼任するマラッカ州のスライマン・モハマド・アリ州首相は新しいロゴの商標登録を申請し、それが承認されてから使用することを発表しています。
(左がBare Blends社、右がマラッカ・ユナイテッドFCの新しいロゴ)

 さらにイギリスのアマチュアサッカークラブのバンステッド・ローバーズや来季からアメリカ1部のメジャーリーグサッカーMSLに参入するオースティンFCのロゴとも酷似ていることが指摘する報道も出ており、公募の際の条件の一つである、国内外を問わず他のロゴと類似ていないことに反しているという声がサポーターから上がっているということです。
(左からオースティンFC、マラッカ・ユナイテッドFC、バンステッド・ローバーズのロゴ)

一方クチンシティFCの新ロゴには好評価が集まる
 Mリーグ2部クチンFAも、クチン市サッカー協会からの独立と民営化に伴い、チーム名をクチンシティFCと変更し、また新しいロゴを発表していますが、これには好評価が集まっていると、サッカー専門サイトのヴォケットFCが報じています。
 鈴木雄太選手と谷川由来選手が所属するクチンFAの本拠地クチンkuchingは、マレーシア語で「ネコ」を意味することから、ロゴ全体の形がネコに見立てられており、緑はチームの勇猛さを、赤は決して諦めない強さ示しているということで、中央にはkuchingのKの文字も描かれています。
 盾やボールをモチーフとしたものが一般的なサッカーチームのロゴの中で、この独創的なネコの形はチームのサポーターからも好感を持って受け入れれられているということです。

8月26日のニュース:Mリーグ再開に向けて1部スーパーリーグ展望Part3

Mリーグ1部スーパーリーグ展望Part2
 Mリーグ再開まであと2日となりました。昨日、一昨日に続き、ニューストレイトタイムズのアジトパル・シン記者によるMリーグ1部スーパーリーグの展望に便乗し、ボラセパマレーシアJP視点の(=素人感丸出しの)コメントをつけたものをお届けします。今日は第4節終了時の9位から12位のチームについてです。

9位 UITM FC(1勝1分2敗-勝点4)

<残り試合>
フェルダ・ユナイテッド (A)、パハンFA (H)、ペラTBG (A)、トレンガヌFC (H)、スランゴールFC (A)、PJシティFC (H)、サバFA (A)
<シン記者評>
 UITM FCは今季の降格候補の一つ。そもそも大学のクラブが国内のトップリーグでプレーする必要もなければ、他のプロクラブと競い合うだけの資金力もない。現にリーグ再開前の練習試合ではJDTに0-8と惨敗しており、リーグの頭数合わせ的な存在である。フランク・バーンハート監督にとっては、ペラTBG、トレンガヌFC、スランゴールFC、そしてPJシティFCといった相手との対戦は頭が痛いだろう。
<シン記者の今季順位予想>
11位
<ボラセパマレーシア的私見>
 Mリーグの規則に則って1部昇格してきたUITM FCをこき下ろすよりも、シン記者はむしろこのクラブを昇格させてしまった2部の他の「プロ」クラブの不甲斐なさを非難すべきではないでしょうか。
 とは言え、降格候補のクラブであることは事実です。他のクラブにとっては、このUITM FC相手に勝点はもちろん、得失差を有利にするためにもゴールを量産しにかかるでしょうから、そこを逆手にとってジャイキリを狙い、リーグを盛り上げてもらいたいです。そしてそのためには自身へのマークが集まりがちなMFラビ・アタヤが周りを生かす役割に徹することができるかどうか次第でしょう。

10位 PJシティFC(1勝1分2敗-勝点4)


<残り試合>
スランゴールFC (A)、クダFA (A)、サバFA (H)、マラッカ・ユナイテッド (A)、JDT (H)、UITM FC (A)PDRM FC (H)
<シン記者評>
 中堅どころのクラブながらスランゴール州プタリンジャヤ(PJ)を中心に存在感をアピールし、一定のファンを集めているPJシティFC。
 デヴァン・クッパサミー監督率いるクラブはリーグ中断前は安泰感を欠いていたものの、リーグ再開前の練習試合を見る限りでは、リーグの上位チームに一泡吹かせる実力をつけてきている。
<シン記者の今季予想順位>
8位
<ボラセパマレーシアJP的私見>
 リーグ再開前に飛び込んできたのはFWデムバ・カマラが母国のギニアから未だ出国できていないと言うニュースです。ギニア政府が自国民の移動を禁じていると言う報道もあり、新型コロナによるリーグ中断期間中に帰国したデムバ選手は明後日に迫ったリーグ再開に間に合わないことは明らかです。下手をすればこのままマレーシアに戻ることなく今季2020年シーズン終了の可能性もあるようで、そうなるとPJシティFCも降格争いに巻き込まれてしまう可能性があります。

マラッカ・ユナイテッド(2勝0分2敗-勝点3 *勝点3が剥奪されています。)

<残り試合>ペラTBG (A)、トレンガヌFC (H)、スランゴールFC (A)、PJシティFC (H)、サバFA (A)、クダFA (A)、JDT (H)
<シン記者評>
 過去数シーズンに渡り未払い給料問題を抱えていたことが発覚し、しかもそれが解決していないことから今季開幕後に勝点3を剥奪されたマラッカ・ユナイテッド。タイ出身のナザことDFナルポン・プッソーンは2月の給料と3月の給料の4分の1しか払われなかったことから退団しています。
 マラッカ・ユナイテッドは勝点3の11位ながら、他の降格候補はマラッカ・ユナイテッドより更に劣るため、今季は1部に残留するだろう。
 元代表のザイナル・アビディン監督や同じ元代表主将のサフィク・ラヒムらは、そんなマラッカ・ユナイテッドに在籍していることで時間を無駄にしているように思える。今季終了後は、負債まみれのチームを直ちに離れるべきである。
<シン記者の今季順位予想>
10位
<ボラセパマレーシアJP的私見>
 昨季は上記のサフィク・ラヒムやカイルル・ファミ・チェ・マットなど往年の代表選手を集めて強化を図りながら、結果は残せず、債務が残ったといったところでしょう。その結果が未払い給料が発生し、勝点剥奪処分を受ける、と言うマレーシアのプロリーグでの「あるある」を実践したマラッカ・ユナイテッド。
 昨季はシーズン途中で主将のシュコル・アダンが未払い給料問題を理由に、チームの遠征に帯同せず、そのまま退団となっています。
 同じようなことが今季も繰り返されれば、

12位 PDRM FC(0勝1分3敗-勝点マイナス2点 *勝点3が剥奪されています。)

<残り試合>クダFA (H)、フェルダ・ユナイテッド (H)、パハンFA(A)、ペラTBG (H)、トレンガヌFC (A)、スランゴールFC (H)、PJシティFC (A)
<シン記者評>
 今季開幕前に、給料未払い問題が未解決であったことから勝点3を剥奪されたPDRM FC。限られた予算で運営される現職警察官とプロ選手の混合チームはプロリーグでプレーしているものの、一部の選手には手当てしか支給されておらず、その実態はアマチュアクラブのような運営が行われている。
 リーグ中断期間中に帰国、その後の合流を拒否しているアントニオ・ジャーマンを欠き、4試合で勝点1のチームは、リーグ再開後も勝点がプラスに転じる可能性が低く、今季終了後に2部降格となることが誰がどうみても確定していると言える。
<シン記者の今季順位予想>
12位
<ボラセパマレーシアJP的私見>
 活動制限令MCO期間中は選手を兼ねる警察官の仕事がメディアで取り上げられるなど、サッカーとは関係のないところで注目を浴びましたが、言い換えれば、それくらいしか話題性もないクラブです。昨今話題になっている民営化の実現も難しそうなクラブは今季終了と共に降格、そして二度と1部復帰することはなさそうです。

8月25日のニュース:Mリーグ再開に向けて1部スーパーリーグ展望Part2

Mリーグ1部スーパーリーグ展望Part2
 昨日に続き、ニューストレイトタイムズのアジトパル・シン記者によるMリーグ1部スーパーリーグの展望に便乗し、ボラセパマレーシアJP視点の(=素人感丸出しの)コメントをつけたものをお届けします。今日は第4節終了時の5位から8位のチームについてです。

5位 サバFA(1勝2分1敗-勝点5)

<残り試合>
トレンガヌFC (A)、スランゴールFC (H)、PJシティFC (A)、クダFA (A)、マラッカ・ユナイテッドFC (H)、JDT (A)、UITM FC (H)
<シン記者評>
 傑出した選手がいるわけではないサバFAは、まさに「ハードワーク」するチームで、インドネシア人のクルニアワン・ドゥイ・ユリアント監督率いるこのチームは、リーグ中断前にはパハンFAに敗れた以外は、フェルダ・ユナイテッドを破り、ペラTBGやPDRM FCと引き分けと健闘した。
 リーグ再開に向けてチームは熱心に練習を行なってきたが、大半のMリーグクラブがあるマレー半島への遠征は費用が嵩むことに加え、同じボルネオ島のサラワク・ユナイテッドやクチンFAとの練習試合はサラワク州での新型コロナ感染拡大で中止となり、十分な練習試合がこなせていないのが懸念材料である。
<シン記者の今季順位予想>
7位
<ボラセパマレーシアJP的私見>
 2部からの昇格組ながら、4試合を終えて5位のサバFA。既にパハンFAやペラTBGとの対戦を終えており、中断前の調子を維持できれば、1シーズンで2部へ降格の心配はなさそうです。そうなるとやはり気になるのはシン記者が指摘しているように実戦不足。再開直後はトレンガヌFC、スランゴールFCと今季上位進出を狙うチームとの対戦が続きますので、この2試合によってチームの真価を問われそうです。

6位 フェルダ・ユナイテッドFC(1勝2分1敗-勝点5)

<残り試合>
UITM FC (H)、 PDRM FC (A)、クダFA (H)、パハンFA (H)、ペラTBG(A)、トレンガヌFC (H)、スランゴールFC (A)
<シン記者評>
 サポーターの数が多くないフェルダ・ユナイテッドは、スタンドに観客がいるかいないかによる違いを感じることはないだろう。多くのサポーターの声援を受けて慣れているチームとの対戦では、無観客試合がフェルダ・ユナイテッドにとって有利に働く可能性がある。
 しかしそれ以上に対戦相手にとっては厄介なのは、フェルダ・ユナイテッドの本拠地の人工芝のピッチである。多くのチームはトゥン・ラザクスタジアムの人工芝のピッチでプレーすることを好ましく思っていないが、フェルダ・ユナイテッドは残り7試合の内、4試合がホームゲームであることから、昨季2019年シーズン最終節に逆転で1部残留を決めたように、リーグの上位6位以内に入って驚きをもたらす可能性がある。実際、今季第4節には、無観客試合となったJDT戦を敵地で引き分けていることからも、戦術家のニザム・ジャミル監督率いるフェルダ・ユナイテッドは今季の台風の目となる可能性がある。
<シン記者の今季順位予想>
5位
<ボラセパマレーシア的私見>
 恵龍太郎選手が在籍し、Mリーグ1部で唯一、日本人選手が在籍するクラブですが、リーグ再開後の日程に恵まれている印象です。リーグ再開は下位のUITM FC、PDRM FCとの対戦で始まり、徐々に強豪との対戦へと続くスケジュールは、上位進出のためには負けられないクダFAとパハンFAが連戦でホームゲームとなるなど、フェルダ・ユナイテッドに有利なように思われます。
 その一方で選手層の薄さはフェルダ・ユナイテッドの不安材料です。かつてFC岐阜でのプレー経験もあるフレデリック・ビュロが練習試合で痛めた膝が重症という噂もあり、もし再開初戦のUITM FCに出場できないようなことがあれば、いきなり苦戦を強いられる可能性もあります。

7位 スランゴールFC(1勝2分1敗-勝点5)

<残り試合>
PJシティFC (H)、サバFA (A)、マラッカ・ユナイテッド (H)、JDT (A)、UITM FC (H)、PDRM FC (A)、フェルダ・ユナイテッド (H)
<シン記者評>
 リーグ中断までの4試合ではFWイフェダヨ・オルセグンとMFブレンダン・ガンの2人が5ゴールと活躍したが、リーグ再開後はケガから復帰した2018年のリーグ得点王ルフィアノ・セゴヴィアがこれに加わる。セゴヴィアは既に練習試合でも全力でプレーできることを証明しており、チームをAFC大会出場枠がかかる上位2位以内到達に貢献する準備ができている。
 スランゴールFCは各ポジションで選手層が厚く、JDTに次ぐ実力があるが、中断直前にクダFAに0-2で敗れるなどの取りこぼしには要注意だが、時には感情的になりすぎるサティアナタン・バスカラン監督が冷静さを保つようなプレーをチームがすれば、JDTの対抗馬一番手になりうる。
<シン記者の今季順位予想>
2位
<ボラセパマレーシアJP的私見>
 ファンクラブ会員としては、やはり優勝して欲しいですが、首位のJDTとの勝点差5は大きいです。一方で2位のペラTBGとの勝点差は3と、こちらを狙う方が現実的な目標かも知れません。いずれにしてもまずはJDTとの直接対決までの3試合で勝点9を積み上げることは必要で、ここで1試合でも引き分けるようなら、優勝に絡む機会どころか2位すら一気に遠のきます。

8位 クダFA(1勝1分2敗-勝点4)

<残り試合>
PDRM FC (A)、 PJシティFC (H)、フェルダ・ユナイテッド (A)、サバFA (H)、パハンFA (A)、マラッカ・ユナイテッド (H)、ペラTBG (A)
<シン記者評>
 先週には7月分の給料が全額支払われたとされるクダFAだが、いまだに4ヶ月分以上の未払い給料があり、この問題はクダFAの選手や監督、コーチのモチベーションに大きな影響を与えている。また、このような経営状況のクラブのリーグ出場を認めたMFLの判断にも問題がありそうだ。リーグ再開後に低いモチベーションのまま選手たちがプレーをすれば、それはリーグ自体のイメージ低下につながる。昨季の得点王クパ・シャーマン率いる攻撃陣は魅力的なだけに残念な状況だ。
<シン記者の今季順位予想>
9位
<ボラセパマレーシアJP的私見>
 個人的には今季、JDTの牙城を脅かす一番手と見ていたクダFA。昨季のチーム得点王フェルナンド・ロドリゲス(現JDT II)を解雇した一方で、解散したPKNS FCからクパ・シャーマンを、トレンガヌFCからチェチェ・キプレを、フェルダ・ユナイテッドから代表FWのハディン・アズマンを獲得するなど攻撃陣を大幅に補強しながら出だしでつまづいた理由は給料未払い問題だったようです。
 今季はAFCチャンピオンズリーグ予選に出場するなど期待も高く、前述したように戦力的にはJDTやスランゴールFC、ペラTBGなどど優勝争いができるチームですが、策士アイディル・シャリン監督でも選手のモチベーションを上げるのは難しそうです。

8月24日のニュース:Mリーグ再開に向けて1部スーパーリーグ展望Part1

Mリーグ1部スーパーリーグ展望Part1
 英字紙ニューストレイトタイムズはアジトパル・シン記者の署名記事で、8月26日から再開されるMリーグ1部スーパーリーグの展望を掲載していますので、今回はその記事の内容に便乗し、さらにボラセパマレーシアJP視点の(=素人感丸出しの)コメントをつけたものをお届けします。
 新型コロナウィルスの影響によって3月16日に中断して以来、およそ5ヶ月ぶりに再開されるMリーグ。今季2020年シーズンは従来のホームアンドアウェイ方式から1回戦総当たりとなり、無観客試合を条件に8月26日より再開されます。
 観衆がいないことによりホームチーム有利の常識は覆されるのか、リーグ6連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDTの牙城を崩すチームは現れるのか、などシーズンは短縮されたとは言え興味は尽きません。それでは、シン記者の展望を見ていきましょう。なお順番はリーグ中断となった3月16日の第4節終了時の順位です。

1位 ジョホール・ダルル・タジムJDT(3勝1分0敗-勝点10)

<残り試合>*Aはアウェイ、Hはホーム
パハンFA(A)、ペラTBG(H)、トレンガヌFC(A)、スランゴールFC(H)、PJシティFC(A)、サバFA(H)、マラッカ・ユナイテッド(A)
<シン記者評>
 リーグ随一のスター軍団が、万が一7連覇を達成できなければ大きな失望となるが、その一方で一回戦総当たり方式とサポーターの不在がチームに影響を与える可能性もある。また、ここまで無敗できているものの、パハンFA、ペラTBG、トレンガヌFC、スランゴールFCなどリーグ上位との対戦が残っている。
 AFCチャンピオンズリーグを控えるJDTは、ベンヤミン・モラ監督が主力選手を中心にいわゆる「ローテーション」を導入して選手を入れ替える可能性もあるが、リーグ連覇のためには選手起用の失敗は許されない。
 Mリーグ自体よりもその価値が大きくなったJDTは国内リーグよりもACLのようなより大きな大会に集中すべきである。
<シン記者の今季順位予測>
 リーグ優勝
<ボラセパマレーシアJP的私見>
 個人的に気になるのは、チーム練習に再開していないハリス・ハルン主将の状況です。膝の手術を受けた後、現在は母国のシンガポールで回復を待ち、チーム合流はリーグ再開直前になるということです。シンガポール代表の主将で、吉田達磨監督も全幅の信頼を寄せているというハリス選手はJDTでもチームの支柱であり、彼の回復が間に合わない場合、その穴はスター軍団といえ埋めるのは容易ではないでしょう。
 また、ここまで3勝1分の結果とは言え、相手は今季1部昇格組のUITM FCやPDRM FC、そして対戦時は明らかになってはいなかったものの、後に選手への給料が未払いであった(その結果モチベーションが低い可能性があった)クダFAにいずれも僅差で勝利しているだけで、リーグ5位のフェルダ・ユナイテッドとは引き分けるなど圧倒的な強さを見せつけたわけではありません。ACL前にチームが消耗しないように気を使いながらの選手起用を行う場合、残り7試合では1つでも取りこぼせば、それを挽回する余裕もないため、気の抜けない試合が続くことになりそうです。

2位 ペラTBG(2勝2分0敗-勝点8)

<残り試合>
マラッカ・ユナイテッド(H)、JDT(A)、UITM FC(H)、PDRM FC(A)、フェルダ・ユナイテッド(H)、パハンFA(A)、クダFA(H)
<シン記者評>
 ここまで無敗のペラTBGは、再開後もその調子を維持できれば打倒JDTの一番手になりうる。メフメト・ドゥラコビッチ監督はリーグが一回戦総当たりとなったことで、JDTの独壇場から各チームが同じ土俵に乗ったと考えており、二人合わせて5ゴールと攻撃陣を引っ張るシャレル・フィクリとギリェルメ・デ・パウラを筆頭に各ポジションに好選手が揃っており、第6節9月4日のJDTとの対戦に注目が集まる。
<シン記者の今季順位予想>
3位
<ボラセパマレーシアJP的私見>
 主力選手のMFブレンダン・ガンとFWノー・ハキム・ハッサンが共にスランゴールへ移籍した一方で、今季からMリーグの他のクラブから加入した外国籍選手のFWデ・パウラとMFチエリー・チャンタ・ビンが機能し、戦力ダウンを感じさせないメンバーで戦えているペラTBG。やはり注目はシン記者が指摘する9月4日のJDT戦です。リーグ中堅どころとの試合はすでに終えているペラTBGが、もしこの試合でJDTに勝利することがあれば、17年ぶりのリーグ優勝も見えてきます。

3位 トレンガヌFC(2勝1分1敗-勝点7)


<残り試合>
サバFA (H)、マラッカ・ユナイテッド (A)、JDT (H)、UITM FC (A)、PDRM FC (H)、フェルダ・ユナイテッド (A)、パハンFA (H)
<シン記者評>
 トレンガヌFCは過去4試合でリーグ最多の10失点と、守備陣の底上げがリーグ再開時の課題となる。攻撃陣は過去4試合で10ゴールを決めており、攻守のバランスが取れれば、今季注目のチームとなりうる。
<シン記者の今季順位予想>
4位
<ボラセパマレーシアJP的私見>
 8月22日のPJシティFC戦に勝利し、3位に浮上したトレンガヌFC。シン記者の指摘通り、得点も失点も多いこのチームは今季ここまで10得点と9失点で得失差+1ですが、過去の記録を見ても1部に昇格した2018年シーズンは得失差+1(32得点、31失点)で5位、2019年は同-2(35得点、37失点)で7位となっています。現在、6ゴールでリーグの得点王のFWドミニク・ダ・シルヴァ、FWリー・タック、MFサンジャル・シャアフメドフの外国籍選手を中心とした攻撃陣による得点は計算できるので、上位を狙うには守備陣が奮起し、このノーガードの打ち合いのような試合をどれだけ減らせるかが鍵になりそうです。 

4位 パハンFA(4試合-2勝0分2敗-勝点6)

<残り試合>
JDT (H), UITM FC (A), PDRM FC (H), フェルダ・ユナイテッド (A), クダFA (H), ペラTBG (H), トレンガヌFC (A)
<シン記者評>
 パハンFAの状況は謎に満ちている。チームは経営状況が厳しく、リーグ再開が決まった際には、今季の残りを辞退するという噂も出たほどで、今季終了後には多くの選手が放出されるという噂もある。選手の給料は支払われたということだが、チーム内のムードは決して良好とは言えず、ドラー・サレー監督がどれだけチームのやる気を引き出せるかがリーグ再開時の課題となる。
 今季の残り日程を見ると、PDRM FC戦以外は苦しい試合になることが予想される。
 Mリーグで最強のストライカーだったディクソン・ヌワカエメはかつての輝きを失っており、イヴァン・カルロスがその代役を務めることが期待される。
<シン記者の今季順位予想>
6位
<ボラセパマレーシアJP的私見>
 過去3シーズンは2位、4位、2位と安定した力を示す一方で、これまでJDTのタイトル争いを脅かすことがなかったパハンFA。モハマドゥ・スマレ、アザム・アジーと代表のレギュラーMF2人を抱えるなど、各ポジションに人材が揃っていますが、このチームは少ない得点を全員で守り切って勝つスタイルなので、リーグ再開後は守備陣の活躍に注目です。
 シン記者が指摘している通り、スマレ選手には来季、JDT移籍の噂もあり、クラブ経営が苦しいのであれば、中途半端に上位を目指さず来季以降を目標にして、思い切った若手の登用に舵を切るのも面白いかも知れません。

Mリーグ再開!第5節前の未消化試合 1部スーパーリーグ第4節1試合結果および2部プレミアリーグ第2節1試合結果

 3月16日より中断していたMリーグが再開しました。本日8月22日(土)の試合は、3月15日(日)に予定されていながら順延されていた1部スーパーリーグ第4節のPJシティFC対トレンガヌFC戦と、3月7日(土)に試合直後に雷雨のため順延となった2部スーパーリーグ第2節のUKM FC対ケランタンFAの2試合が行われました。以下結果です。
(ホームチームが左側です。)

8月22日(土)
MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティFC 0-2 トレンガヌFC
得点者:トレンガヌ-ドミニク・ダ・シルヴァ2(30分、72分)
 リーグ中断前までの3試合で4ゴールを挙げ、得点王争いのトップに立っていたドミニク・ダ・シルヴァがこの試合でも2ゴールを挙げ、トレンガヌFCが快勝しています。
 この結果、トレンガヌFCは2勝1分1敗の勝点7で8位から3位に浮上、一方のPJシティFCは1勝1分2敗の勝点4となり10位のままです。

MPSスタジアム(スランゴール州スラヤン)
UKM FC 1-5 ケランタンFA
得点者:UKM-アカニ・サンデイ(45分+2分PK)、ケランタン-ハキム・アブドラ3(27分、53分、89分)、フェリックス・チディ2(66分、80分)
 報道によると厳しい財政状況により、本拠地のケランタン州コタバルから8時間かけてバスで移動してきたというケランタンFAが、ハキム・アブドラのハットトリックを含む5ゴールでUKM FCに圧勝し、2勝1分1敗の勝点4(ケランタンFAは、未払い給料問題により勝点3を剥奪されています。)10位から7位と一気に順位を上げています。4月から選手への給料が未払いとなっていることが報じられているケランタンFAは、ケガで主将のナズリ・ナフィを欠き、遠征メンバーも19人ながら、闘争心は失っていないことを結果で示しました。
 また、この試合でハットトリックを達成したハキム・アブドラは本来はプレジデントカップ(U21)チームの選手ということですが、今季のプレジデントカップは新型コロナの影響で中止になっており、災い転じて福となす、と言ったところでしょうか。
 一方のUKM FCは7位から順位を一つ下げて8位となっています。
 なおケランタンFAのDF渡邉将基選手は、スタメンでフル出場していますが、74分にイエローカードを出されています。
(写真はケランタンFAの公式Facebookより。写真一番左側がハットトリックを決めたハキム・アブドラ選手)