11月14日のニュース:スランゴールFAは外国籍選手4名の残留決定、JDT IIからGKがペナンFAへ移籍、U19代表GKがU22代表へ昇格、インドネシアのクラブがクダFA監督に触手

スランゴールFAは外国籍選手4名の残留決定
 今季2019年はマレーシアフットボールリーグMFL1部で3位となったスランゴールFAは、来季に向けて4名の外国籍選手の残留をホームページで発表しています。
 残留するのは、今季途中から加入してリーグ戦とカップ戦合計20試合で16ゴールを挙げたFWイフェダヨ・オルセグン(ナイジェリア)の他、MFサンドロ・ダ・シルヴァ・メンドンサ(ブラジル)とDFテイラー・リガン(オーストラリア)で、ケガのため今季は6試合のみ出場にとなったFWルフィノ・セゴヴィア(スペイン)の残留も決まっています。
 なおこの他の外国籍選手DFミハル・グエン(ベトナム)とMFエンドリック・ドス・サントス(ブラジル)は退団となっています。
 またスランゴールFAの「カンテ(チェルシー)」ことMFサクナン・クリシュナサミー、FWシャズワン・ザイノン、DFタミル・マラン、そして今回代表に召集されているDFシャミ・サファリ、GKカイルルアズハン・カリドらの残留も合わせて発表されています。#STILLRED
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 今季は開幕でつまづき監督の解任騒ぎまで出ながら、最終的にはリーグ3位となったスランゴールFA。他のクラブが外国籍選手の入れ替えや新戦力獲得に忙しい一方で、次々とチームの中心選手の残留を発表していますが、これはバスカラン・サティアナタン監督が現在のチームに自信を持っているからでしょう。昨季31ゴールを挙げたセゴヴィア選手が復帰することで、今季大活躍のオルセグン選手と組む強力FW陣はJDTの牙城を崩すのに十分な戦力が整い、個人的には来季が最も楽しみなチームになりました。

JDT IIからGKがペナンFAへ移籍
 MFL2部ペナンFAのFacebookでは、JDT IIからGKサミュエル・サマーヴィルの獲得を発表しています。イギリス生まれでマレーシア人の母親を持つサマーヴィル選手は2015年から4年間、JDT IIでプレーしていました。
 またサマーヴィル選手は自身のインスタグラムでJDTとオーナーのTMJ子とジョホール皇太子トゥンク・イスマイル殿下への感謝の気持ちを述べるともに、JDTから離れて自分の価値を示したいと述べています。
(写真はサマーヴィル選手獲得を告知するペナンFAのFacebookより)

U19代表GKがU22代表へ昇格
 先日カンボジアで開催されたアジアサッカー連盟AFCU23選手権予選でグループ1位となり本選出場を決めたマレーシアU19代表のGKが、今月末にフィリピンで開催される東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場するU22代表に昇格したと、英字紙スター電子版が報じています。
 U19代表でも主将を務めたモハマド・フィルダウス・イルマン・ファディルの昇格でU22代表に招集されるU19代表の選手は合計6名となりました。
 U22代表のオン・キムスイ監督によると、GKハジック・ナジル(JDT II)がフル代表に召集されたことで、GKを補充する必要があるための招集としながらも、他の選手ではなくフィルダウス選手を招集した理由として、U19選手権予選終了後で試合感、体調などが整っていることを挙げています。
 U22代表に招集されているのこの他のU19代表選手は、このブログでは既に何度か取り上げたFWルクマン・ハキム・シャムスディン、DFハリス・ハイカル・アダム・アフカル、MFモハマド・ウマル・ハキーム・スハル・レズワン、MFムカイリ・アジマル・マハディ、MFモハマド・アザム・アズミ・ムラドです。

インドネシアのクラブがクダFA監督に触手
 MFL1部のクダFAは、今季から就任したシンガポール人のアイディル・シャリン監督のもと、リーグ4位、FAカップ優勝、マレーシアカップ準優勝と好成績を収めましたが、インドネシア1部リガ1のクラブ、ペルセバヤ・スラバヤがこのアイディル監督との契約を検討していたと、インドネシアのスポーツ専門サイトインドスポートが報じています。
 プルセバヤ・スラバヤは、数試合を残して辞任したオーストリア人のウォルフガング・ピカル監督の後任に、元監督のアジ・サントソ氏の就任を発表していますが、プルセバヤ・スラバヤは当初はクダFAのアイディル監督と交渉を行い、アイディル監督もこれを認めています。アイディル監督もインドネシアのクラブでの監督業に興味を示していたということですが、その後プルセバヤ・スラバヤ側からの連絡が途絶えたため、契約延長を求めていたクダFAと来季の契約したようです。
 この他、同じリガ1のクラブ、ペルシジャ・ジャカルタもアイディル監督と交渉を行っていたとも伝えられており、アイディル監督自信も2021年にまた機会があればインドネシアのクラブでの指導を考えたいと、インドスポートに語ったということです。

11月13日のニュース:MFLはPKNS FCとPKNP FCのBチーム化を承認、UITM FCが棚ぼたで1部昇格、TFC IIは鈴木ブルーノと契約更新せず、パハンFAはサファウィ・バハルディンとの契約を解除、マラッカUはロメル・モラレス獲得、MFLは来季からの背番号に関する規則を改定

MFLはPKNS FCとPKNP FCのBチーム化を承認
 マレーシアフットボールリーグMFLはホームページで、スランゴール州サッカー協会FASとペラ州サッカー協会PAFAから出されていたPKNS FCとPKNP FCのそれぞれスランゴールFAとペラTBGのBチーム化申請を承認したこと発表しています。
 規定ではBチーム創設は、書面にて1年前に申請することになっていますが。別の規定ではMFL理事会の承認がある場合はこの限りではないとなっており、今回はそちらの規定により申請から1ヶ月程度で申請承認となっています。

UITM FCが棚ぼたで1部昇格
 上記の記事に関連して、MFL1部のPKNS FCがスランゴールFAのBチームとなることで、PKNS FCは「AチームとBチームは同一リーグでプレーすることができない」というMFLの規定により、MFL2部へ降格になります。これによりMFL1部は11チームになってしまうため、今季2019年MFL2部で5位のUITM FCがその空席を埋めるべく昇格することになったと、MFLのホームページで告知しています。
 スランゴール州の州都シャーアラムにある公立大学UITMを母体とするUITM FCは、高等教育機関のサッカークラブとして初めて国内トップリーグに参加するクラブという歴史を作っています。

TFC IIは鈴木ブルーノと契約更新せず
 マレーシアフットボールリーグMFL2部のトレンガヌFC IIは、今季2019年シーズンに在籍した外国籍選手のうち、コートジボアール出身のMFデチ・マルセル・ングエッサンのみと契約を更新すると発表しています。
 この結果、FW鈴木ブルーノ、FWアカニ・サンデイ・ワシウ(ナイジェリア)、MFセルヒイ・アンドレイエフ(ウクライナ)の各選手は退団となります。
 トレンガヌFC IIを統括するトレンガヌ州サッカー協会のロシャデイ・ワハブ会長は、空席となった3名の外国籍枠は代わりの選手を獲得する予定ではあるが、候補者は決まっていないと話していると、スポーツ専門サイトスタジアムアストロは伝えています。
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 鈴木選手とアンドレイエフ選手は、先日このブログでも取り上げたバングラデシュで開催されたシーク・カマル国際クラブカップに出場したトレンガヌFCに参加し、優勝に貢献しています。しかも鈴木選手は今季のチーム得点王でもあります。
 なお鈴木選手はツイッター上でチームへの感謝を述べるとともに、新チームへの移籍を希望することを表明しています。

パハンFAはサファウィ・バハルディンとの契約を解除
 サッカー専門サイトGoal. comマレーシア版では、MFL1部パハンFAのDFサファウィ・バハルディンが契約解除されたことを報じています。シンガポール代表でもプレーする28歳のサファウィ選手は、2020年まで契約が残っていましたが、契約満了前のリリースとなっています。サファウィ選手は自身のインスタグラムでこの契約解除について告知していますが、その理由については何も述べられておらず、パハンFAのファンやチームメートなどに感謝の意を述べています。
 今季2019年はリーグ戦とカップ戦合わせて23試合に出場した主力選手の退団で、外国籍選手枠の内のアジア選手枠が空くことになり、新たなアジア人選手の獲得につながる可能性があります。

マラッカUはロメル・モラレス獲得
 MFL1部のマラッカ・ユナイテッドは、今季はPKNS FCでプレーしたコロンビア出身のMFロメル・モラレスと来季の’1年契約を結んだことを、マレーシアの通信社ベルナマが伝えています。
 マラッカ・ユナイテッドを統括するマラッカ州サッカー協会MUSAの発表によると、MUSAのダミエン・ヨー新会長立ち合いのもとで、契約が交わされたということです。
 攻撃的MFのモラレス選手は、2018年にPKNS FCと契約し、2シーズンで17点を挙げています。

MFLは来季からの背番号に関する規則を改定
 MFLはホームページで、来季2020年シーズンより選手が着用できる背番号を1から99までと改訂することを発表しています。なお、今期まではMFL出場選手は1から30まで、U21のプレジデントカップチームとU19のユースカップチームの選手は31から50を着用することが決められていました。
 また51から60までの番号については、MFLの2度目の移籍期間トランスファーウィンドウ期間中に移籍してきた選手のみが着用可能としています。

観戦記:11月9日国際親善試合マレーシア代表対タジキスタン代表@ブキ・ジャリル国立競技場

FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選ではここまで1勝2敗と苦しい展開が続くマレーシア代表。11月14日にはタイ代表、同19日にはインドネシア代表と正念場となる試合がホームで続きますが、その前に行われたタジキスタンとの試合を観戦してきました。

今回はLRT(軽便鉄道)を利用。国立競技場すぐ前にあるブキ・ジャリル駅を降りると、ユニフォームやマフラーを売る屋台が既に並んでいました。

ここは現在の代表ユニフォームだけでなく、レトロなユニフォームも売っています。

Harimau(ハリマウ)はマレーシア語で「虎」。ハリマウ・マラヤとは「マレーの虎」、代表チームの愛称です。

屋台群を過ぎるとすぐにスタジアムです。

11月はこの試合も含めて代表戦が3試合あり、この日の試合はメインスタンドが15リンギ(およそ400円)と破格だったので、久しぶりにメインスタンドで観戦。A入口からの入場でした。

座席はオンラインで購入。ただしエリアは指定できても、座席の位置までは指定ができないのが、現在のマレーシアのオンラインチケット購入です。PDF形式のチケットが送られてくるまでどの席かはわからないのですが、今回はなんと1列目でした。

ピッチが近い。いや近すぎます。

しかもコーナーポストのすぐ前でした。

前半は、マレーシアにほとんどチャンスがないまま終了しました。試合前に食事をとっていなかったので、何か買いにスタンド裏手へ出ると全く店はありません。係員に聞くと、バックスタンドにしか店はないということでした。慣れないメインスタンドで右往左往した挙句、バックスタンドまでコンコースを半周歩くことにしました。

後半開始早々、タジキスタンのGKがペナルティーエリアの外でボールに触れて一発退場し、マレーシアが数的有利になりました。そして途中出場の「ロケット」サファウィ・ラシドのゴールでマレーシアがリードしました。

試合はこのまま終了し、格上のタジキスタンに勝利し、次戦となるタイ代表戦に弾みがついたマレーシア代表でした。

11月12日のニュース:タイ・インドネシア戦に向けて代表メンバー発表、JDTIIは元ラ・リーガアカデミー指導者を新監督に任命、ナショナルフットボールアウォーズではJDTが席巻か

タイ・インドネシア戦に向けて代表メンバー発表
 FAMのホームページでは、11月14日に開催されるFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選となるタイ代表戦と同19日のインドネシア戦に出場する代表メンバーを発表しています。23名の顔ぶれはこちらです。
 この23名中、DFムハマド・シャズワン・ビン・アンディック、MFムハマド・アフィク・ビン・ファザイル(いずれもJDT)、MFバドロル・ビン・バクティアル(クダFA)はいずれも代表経験者ですが、今回のW杯予選では初招集となります。
 また候補合宿に招集された26名からは、FWシャレル・フィクリ・モハマド・ファウジ、GKナジルル・ナイム・チェ・ハシム(いずれもペラTBG)、MFムハマド・ファルハン・ビン・ロスラン(クダFA)の3名が外れています。
 いずれの試合もブキ・ジャリル国立競技場で開催されます。
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 タイ戦は昨年末のスズキカップ以来ですが、この時のタイ代表はMFチャナティップ・ソングラシン(札幌)やDFテーラトン・ブンマタン(横浜)らを招集せず、準決勝ではアウェイゴールルールでマレーシアに敗れています。しかし、この当時のチームとは監督も含め大きく変わっており、タン・チェンほー監督率いるマレーシアにとっては非常に厳しい試合となりそうです。
 先日のタジキスタン戦を見た印象では、個ここ数試合固定されている右サイドバックのマシュー・デイヴィーズ(パハンFA)に代えて、今回の東南アジアサッカー連盟AFFアウォーズでタイ戦でのゴールスズキカップのベストゴール賞を獲得したシャミ・サファリ(スランゴールFA)をタイ戦で再び起用するのかどうかが気になります。
 それともう一つ。今回の代表23名の中には、JDTのBチームであるJDT IIのGKムハマド・ハジック・ナズリと、JDTから期限付き移籍でタイのポリステロFCでプレーするDFドミニク・タンを含めると12名の選手がJDT所属です。リーグ6連覇中と国内ではダントツの強さを誇るJDTですが、興味深いのはこの人選に表立った批判が出ていないことです。昨年2018年3月には、アジアカップ2019年大会予選でモンゴル戦で2-2の引き分け後、タン監督がファンのプレッシャーに屈する形で選ばれていたJDTの選手14名全員を代表から外すという出来事もありました。この時のような批判が出ないのは、マレーシアの多くのサッカーファンがJDTの強さを認めたということなのかもしれません。

JDTIIは元ラ・リーガアカデミー指導者を新監督に任命
 マレー語紙ブリタハリアン電子版によると、マレーシアフットボールリーグMFL2部のJDT IIは、エルヴィン・ボバン氏の辞任後、空席となっていた監督のポストにマラガCFの元アカデミーおよびスカウト責任者のラファエル・ギル・サンチェス氏の就任を発表しています。
 この他、マラガCFのU23チームやサウジアラビアU17代表で監督経験を持つギル新監督には、アカデミーからの昇格選手を含めたJDTのBチームであるJDT IIの若い選手たちがJDTと同様のプレースタイルを身につけ、JDTへ昇格してもすぐ活躍できるよう成長させることが求められていると、JDTのアリスター・エドワーズTD(テクニカルダイレクター)がJDTのホームページで語っています。

ナショナルフットボールアワーズではJDTが席巻か
 11月15日に行われる今季2019年のナショナルフットボールアワーズABKでは、JDTが各賞を席巻するだろうとブリタハリアン電子版が伝えています。
 ABKでは、最優秀選手MVP、最優秀若手選手、最優秀監督、最優秀FW、最優秀MF、最優秀DF、最優秀GK、最優秀外国籍選手、最優秀ASEAN選手、得点王ゴールデンブーツ賞、最優秀クラブ、最優秀サポーターの他、ファン投票によって選ばれる最高人気選手、同じくファンが選ぶベストイレブンなどが選ばれます、
 ブリタハリアンの予想では、年間最優秀選手賞の最有力候補は、昨年2018年の受賞者でもあるサファウィ・ラシド(JDT)。JDTが優勝したマレーシアカップでは合計11ゴールを挙げ、9ゴールのディクソン・ヌワカエメ、7ゴールのラザラス・カイムビ(いずれもパハンFA)、8ゴールのフェルナンド・ロドリゲズら外国籍選手を抑えて得点王を獲得しています。
 なおブリタハリアンは、最優秀監督賞、最優秀GK賞などもJDTの監督、選手が獲得する可能性が高いとしています。
(以下はマレーシアフットボールリーグMFLのFacebookに掲載されているABK各賞のノミネート選手。上から順にベストFW、ベストMF、ベストDF、ベストGK、ベスト外国籍選手、ベストアセアン選手)


11月11日のニュース:U18代表はタイを破ってAFC U19選手権出場決定、フル代表はタジキスタンに勝利

U18代表はタイを破ってAFC U19選手権出場決定
 カンボジアのプノンペンで開催されていたアジアサッカー連盟AFC U19選手権2020年大会の予選グループGで、マレーシアU18代表は最終日となった11月10日の試合でタイU 18代表を1-0で破り、4戦全勝で本戦出場を決めています。
 初戦のカンボジア戦で退場処分を受けたMFムカイリ・アジマル・マハドとDFアーマド・ジクリ・モハマド・カリリが戻り、ベストメンバーとなったマレーシアに対し、前の試合でカンボジアにまさかの敗戦を喫しタイの対戦となったこの試合では、引き分けでもグループ1位で本戦出場となるマレーシアでしたが、AFCのホームページによれば、フル代表でもプレーするスファナット・ムエアンタ率いるタイFW陣が、マレーシアサイドで試合を進め、GKフィルダウス・イムラン・ファディルの活躍で前半をなんとか凌ぎます。後半に入ってもタイの攻撃は続きましたが、マレーシアもセットプレーでチャンスを得て、タイゴールに迫るなど一進一退の攻防が続きました。
 そして試合が動いたのは84分でした。左サイドのムハマド・アザム・アズミ・ムラドからクロスに、DFをかわしたムハマド・ウマル・ハキム・スハル・レズアンが合わせ、これが決勝ゴールとなり、マレーシアが1-0でタイに勝利しました。
 この結果、グループGは全勝のマレーシアがグループ首位となり、来年2020年にウズベキスタンで開催されるAFC U19選手権出場が決定、以下2位カンボジア(3勝1敗)、3位タイ(2章2敗)、4位ブルネイ(1勝3敗)、5位北マリアナ諸島(4敗)となっています。
(マレーシア(左)、タイ(右)のスターティングXI。マレーシアサッカー協会FAMのFacebookより)

フル代表はタジキスタンに勝利
 11月12日にタイ、同19日にはインドネシアとFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選がホームで続くフル代表は、タジキスタンとブキ・ジャリル国立競技場で国際親善試合を行い、1−0で勝利しています。
 FIFAランキング116位のタジキスタンに同158位のマレーシアが挑んだこの試合で、マレーシアのタン・チェンホー監督は、10月10日のベトナム戦から大きくメンバーを変更して格上チームに臨みました。セカンドストライカーとしてインドネシア戦、UAE戦とゴールを挙げてきたMFアーマド・シャフィク(JDT)をワントップに上げ、本来は右サイドバックのシャミ・サファリ(スランゴールFA)を右ウイングに、左ウィングには20歳のアキヤ・ラシド(JDT)を先発起用、中盤も右にシャマー・クティ・アッバ(JDT)、中央には2年ぶりの代表復帰となったバドロール・バクティアル(クダFA)、左にケガから復帰のアダム・ノー・アジー(パハンFA)、DF陣はベトナム戦と全く同じ顔ぶれの4人、そしてGKはカイルル・アズハン(スランゴールFA)が先発しました。
(左がこの日のスターティングXI、右が10月10日のベトナム戦のスターティングXI)

 試合前半は、守備ラインを高い位置で保持するタジキスタンに対して、自陣でボールを回す時間が多く、この日発表された東南アジアサッカー連盟AFFの2018年スズキカップベストXIにも選ばれたシャマー選手はバドロル選手、アザム・アジー選手と組んだ中盤のトリオは初めの組み合わせだったためか、役割分担がはっきりしないまま、いつものようにスペースへ走り込むシャフィク選手までボールが渡ることが少なく、またボールが渡ってもそのサポートがおらず、ちぐはぐな展開でした。一方、守備陣は相変わらずオーバーラップ好きのマシュー・デイヴィーズ、ラベル・コービン=オングの両サイドの裏にボールが出ることもあり、特にデイヴィーズ選手の左サイドは何度かピンチがありハラハラする場面もありました。
 しかし後半からブレンダン・ガン(ペラTBG )が入ったことで、シャマー選手やシャフィク選手も個々の役割がはっきりし、これに呼応するようにアザム・アジー選手も機能し始めたところで、若きエース、サファウィ・ラシドが投入され、72分のゴールで挙げた1点を守り切って勝利しました。
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 素人が色々と言ってもなんなので、Goal. comのプレイヤーレイティングをこちらに載せておきます。(記事はマレーシア語です)

11月10日のニュース:U18代表は北マリアナ諸島に大勝、マラッカUは来季に向けDFを補強、インドネシアはマレーシア戦後に監督更迭

U18代表は北マリアナ諸島に大勝
 アジアサッカー連盟AFCのホームページによると、カンボジアのプノンペンで開催中のAFC U19選手権2020年大会予選に出場中のマレーシアU18代表は、北マリアナ諸島戦で10-0と大勝しています。
 ここまで開幕戦のカンボジア戦に5-4と辛勝し、次戦のブルネイ戦は11-0と2連勝中のU19代表は、エースストライカーのルクマン・ハキム・シャムスディンを休ませる余裕を見せましたが、モハマド・アイマン・アフィフ・モハマド・アフィズル(クダFA)がブルネイ戦の3ゴールに続き、この試合では4ゴールを決めて勝利に貢献しています。
 この日、ここまでマレーシア同様全勝だったタイがカンボジアに1-2で敗れたため、マレーシアは勝点9でグループ首位に浮上、勝点6のタイとカンボジアは得失差でタイが2位、カンボジアが3位、以下ブルネイ、北マリアナ諸島となり、今日の最終戦となるタイとの試合で引き分け以上で予選1位突破とU19選手権本選が決まります。

マラッカUは来季に向けDFを補強
 マレーシアフットボールリーグMFL1部のマラッカ・ユナイテッドは、今季2019年シーズンにプレーした韓国出身のDFジャン・スックウォンの契約更新と、オーストラリア出身でマレーシア人の母親を持つ守備的MFカラン・シン・ファーンズとの契約を発表しています。ジャン選手はAFC枠選手、ファーンズ選手はマレーシア人選手として登録されます。
 これを伝えるベルナマの記事によれば2016年から2017年にかけては、JDT II、ヌグリ・スンビラン、フェルダ・ユナイテッドなどでプレー経験があるファーンズ選手は、2018年にはタイ1部リーグのスコータイFC、今季2019年はオーストラリアのセミプロリーグ、ナショナルプレミアリーグ所属のポート・メルボルンSCでプレーしていました。

インドネシアはマレーシア戦後に監督更迭
 インドネシアの英字紙ジャカルタポスト電子版によると、インドネシアサッカー協会PSSIはフル代表のサイモン・マクメネミー監督の更迭を発表しました。
 インドネシアはFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選でここまで4連敗中、勝点0で予選グループGの最下位となっています。
 スコットランド出身のマクネミー監督は、インドネシア国内リーグ、リーガ1のバヤンカラFCの監督として2017年に国内リーグ優勝を果たしたのち、昨年2018年12月に2年間の契約でフル代表監督に就任していました。
 マクネミー監督は11月19日にブキ・ジャリル国立競技場で行われるワールドカップ予選のマレーシア戦までとなっています。
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 インドネシア国内のソーシャルメディアでは##SimonOutといった運動も起こっていたということですが、2年契約で月給2万米ドルとされる契約途中解除の賠償金として26万米ドル(およそ2840万円)が更迭されるマクメネミー監督に支払われるようです。また後任には2017年から2018年にかけてフル代表とU23代表の監督を務めたスペイン人のルイス・ミジャ氏や元韓国代表のシン・テヨン氏の名前が上がっています。

11月9日のニュース:トレンガヌFCは新たな外国籍ストライカーを獲得へ、トレンガヌFCはファリス・ラムリをアセアン枠で獲得、クダFAはジョナサン・ボーマンも退団、復活したピヤは6年ぶりの優勝を味わう

トレンガヌFCは新たな外国籍ストライカーを獲得へ
 エースストライカーのFWチェチェ・キプレが退団するトレンガヌFCはヨーロッパ、南米、アフリカから代わりのストライカーを獲得する予定であると、スポーツ系サイトのスタジアムアストロが伝えています。
 既に数名がリストアップされているようで、モハマド・ナフジ・ザイン監督は、来月予定されているトライアウトを経て、獲得選手が最終決定する予定であるとしています。
 また同じ記事内では、来季2020年シーズンはトレンガヌFCのプレジデントカップチーム(U21)とユースカップチーム(U19)の選手にトップチームでの出場機会がより多く与える予定であるとも述べ、来季も在籍するリー・タック選手が主将として若手とベテランの融合するチームを率いてくれることを期待していると述べています。

トレンガヌFCはファリス・ラムリをアセアン枠で獲得
 12名の退団者を出したトレンガヌFCは、来季は大きく布陣が変わりそうですが、上記で取り上げた外国籍FWが確定する前に、シンガポール出身の攻撃的MFムハマド・ファリス・ラムリをアセアン枠で獲得したことを同じスタジアムアストロが報じています。
 2018年にはマレーシアフットボールリーグMFL1部のPKNS FCでプレーし、今季2019年は開幕前にMFL2部のプルリスFAと契約したファリス選手でしたが、プルリスFAの抱える給料未払い問題により、1試合も出場しないまま退団していました。その後プルリスFAは開幕直後にMFLより追放処分を受け、、ファリス選手は、シンガポールの1部リーグであるプレミアリーグのホーガン・ユナイテッドに移籍していました。
 トレンガヌFCのアセアン枠は、今季在籍したDFチエリー・チャンタ・ビン(カンボジア)と来季の契約を結ばない事から空席となっていましたが、27歳のファリス選手はこのアセアン枠選手として1年契約を結んでいます。

クダFAはジョナサン・ボーマンも退団へ
 今季から指揮を取るアイディル・シャリン監督のもと、MFL1部スーパーリーグ4位、FAカップ優勝、マレーシアカップ準優勝という結果を残したクダFAですが、先日このブログでも伝えたスペイン出身のFWフェルナンド・ロドリゲズの退団に続き、アルゼンチン出身のFWジョナサン・ボーマンの退団も発表されました。
 今季はリーグ戦と2つのカップ戦合計で16ゴールを挙げたボーマン選手の退団は、同じく今季21ゴールを挙げたフェルナンデズ選手の退団とともに、来季2020年にはさらに上位を目指したいクダFAにとっては大きな痛手になりそうです。
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 退団決定後にはクダFAを統括するクダ州サッカー協会が2人を送り出すための夕食会を開き、またクダFAのサポーターグループからも温かい言葉が贈られたとのことなので、今季の成績による解雇というよりは、来季から各クラブの財務状況に合わせた運営を求めて導入される経済コントロールプログラムECPの影響もあるかも知れません。
 なおクダFAは、PKNS FCのクパ・シャーマン、元トレンガヌFCのチェチェ・キブレに興味を持っているという報道もあり、ロドリゲズ、ボーマン両選手の穴を埋めるのはこの2人になる可能性もあります。

復活したピヤは6年ぶりの優勝を味わう
 ケランタンFA時代には主将として2012年のマレーシアフットボールリーグMFL、FAカップ、マレーシアカップの同一年3冠制覇(トレブル)も経験しているMFモハマド・バドリ・モハマド・ラジにとって、今季2019年途中から入団したケランタン・ユナイテッドでM3リーグでの優勝に貢献したことは、自らの選手生命を蘇らせる結果にもなったと、マレーシアの通信社ベルナマが報じています。
 ピヤの愛称で知られる37歳のバドリ・ラジ選手は、昨年2018年5月にケランタンFAとの契約が切れ、同年末にM3リーグからMFL2部プレミアリーグに昇格したプルリスFAと契約しましたが、上のファリス・ラムリ選手の記事で書いたように、プルリスFAはMFLを追放され、ピヤ選手もプルリスFAを退団していました。その後も昨季2018年のケランタンFAの給料未払いも明らかになり、所属クラブもないままでしたが、今年6月にケランタン・ユナイテッドと契約していました。
 「昨年末から今年の初めてにかけて自分が経験した苦境を思うと、優勝チームでプレーすることは2度とないと思っていたが、自分にプレーする機会を与えてくれたケランタン・ユナイテッドと、ザハスミ・イスマイル監督、そして応援してくれたサポーターに感謝したい」とピヤ選手は語っています。
 来年は38歳となるピヤ選手は、引退については考えたこともなく、自分に機会が与えられれば、ケランタン・ユナイテッドをさらに上のレベルへ引き上げられるよう、できるだけ長くチームに貢献したいとも語っています。

11月8日のニュース:フル代表がモルジブ代表と極秘裏に練習試合敢行、FAMはACC参加を明言せず、U18代表はブルネイに快勝して2連勝

フル代表がモルジブ代表と極秘裏に練習試合敢行
 11月9日にタジキスタンとの国際親善試合が控えるフル代表が、モルジブ代表と練習試合を行なっていたことを英字紙スター電子版が伝えています。
 ヌグリ・スンビラン州パロイにあるトゥンク・アブドゥル・ラーマンスタジアムでFIFAランキング154位のチーム相手に行われた試合について、フル代表のタン・チェンホー監督は、これまで出場機会が少なかった選手のコンディション確認のための試合だったとしています。その言葉通りこの試合では、DFマシュー・デイヴィーズ(パハンFA)の影で出場機会が少ないDFシャミ・サファリ(スランゴールFA)と、2年ぶりのフル代表招集となったMFバドロル・バクティアル(クダFA)が2ゴールを挙げています。
 モルジブ代表は11月14日のフィリピン戦に備えてマレーシア国内で練習中だったということで実現したこの練習試合では、タイ戦とインドネシア戦を前にここまでの代表候補合宿で行なっていた新しい選手の戦術理解を実戦で試す場として、各選手に45分から60分の出場機会を与えられたようですが、タン監督は選手たちの動きに満足していると記事の中で語っています。
 今回新たに招集された選手たちについては、かつてタン監督が指揮を取っていたクダFAのバドロル・バクティアル、ファルハン・ロスラン、またタン監督のもとで招集経験のあるJDTのアフィク・ファザイルについては何も心配していないとし、GKのカイルルアズハン・カリド(パハンFA)はチームのスタイルにうまく適合できていると話しています。
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 この試合についてGoal. comの記事では、マレーシアカップ決勝に出場するJDTとクダFAの選手を除いた12名の代表候補合宿参加者の内、シャレル・フィクリを除く11名が先発し、途中からJDTとクダFAの選手数名が交代で参加したとのことです。(写真はこの試合のマレーシアのスターティングXI。Goal. comより)

FAMはACC参加を明言せず
 昨日、このブログで取り上げたアセアンクラブ選手権ACCについて、マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、FAMとして参加決定を下すのに十分な情報が得られていないとして、MFLクラブのACC参加について明言できないとしています。
 来年の後半をめどに開催が予定されているACCについては、国際サッカー連盟FIFAとアジアサッカー連盟AFCが支持を表明したことは昨日のブログでも紹介しましたが、スポンサーと100万米ドル(およそ1億800万円)を超える賞金も既に確保されているとされるこの大会は、その優勝チームには2021年から24チームが出場するFIFAワールドクラブカップの出場権が与えられる可能性があると、ACCを主催する東南アジアサッカー連盟AFFは述べています。
 しかしFAMのラマリンガム事務局長は、ACCはAFCの承認を受けることが第一であり、その後も正しい手続きを踏んだ上で開催されることが確定した段階で参加表明を行いたいとしています。来季はAFCチャンピオンズリーグACLも拡大し、またAFCカップもあることから、ACCの試合形式と日程が確定しない限りは、FAMとしても判断材料が不十分であるとしています。
 さらにマレーシアからACCに参加するクラブにとって有意義な大会であることも重要だとし、ACLに出場するようなクラブが参加する大会なのか、国内リーグのACLやAFCカップに出場できない5位や6位のクラブが参加する大会なのかどうかなどの参加基準なども明確になった上で、再度、検討するとしています。
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 昨日アップした記事では、このACCはFIFAとAFCがサポートを表明していると書きましたが、FAMのラマリンガム事務局長には「サポート」といったあいまいなものではなく、AFCの「承認」という確たる事実が必要ということでしょう。FIFAワールドクラブカップにJDTが出場して、リバプールやバルセロナと真剣勝負をすることも起こりうるわけで、想像しただけでワクワクします。このACCについては続報が入り次第、また取り上げたいと思います。

U18代表はブルネイに快勝して2連勝
 カンボジアのプノンペンで開催中のAFC U19選手権2020年大会予選グループGに出場中のマレーシアU18代表は、2試合目となるブルネイ戦に11-0で勝利し、初戦のカンボジア戦から2連勝しています。
 この試合ではFWルクマン・ハキム・シャムスディンが4得点、モハマド・アイマン・アフィフ・モハマド・アフィズル(クダFA)が3得点など、ブルネイを圧倒しています。
 この日の勝利でマレーシアは勝点6となり、同じ勝点6、北マリアナ諸島を21-0と粉砕した首位タイに得失差で2位となっています。以下3位カンボジア(勝点3)、4位ブルネイ(勝点3、ただし3位と4位は得失差による)、5位北マリアナ諸島(勝点0)と続きます。
 U18代表は、この後11月8日に北マリアナ諸島と、そして11月10日にはこのグループ最大のライバル、タイとの試合が控えています。

11月7日のニュース:アセアンクラブ選手権が来季創設へ、M3のストライカーにMFLクラブから複数オファー、ドーピング違反の出場停止処分が明けた選手がPJシティFCと契約

アセアンクラブ選手権来季創設へ
 東南アジアサッカー連盟AFFの公式サイトでは、国際サッカー連盟FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長とアジアサッカー連盟AFCのサルマーン・ビン・イブラーヒーム・アール=ハリーファ会長が来季から創設されるアセアンクラブチャンピオンシップACCへの支援を表明していると伝えています。
 ACCは、AFF加盟国のトップ12クラブが参加する大会です。
 AFFのキエヴ・サメス会長によれば、このACCでは、参加する全てのクラブに出場料が支払われ、勝ち上がっていくことに賞金の金額が上がっていくシステムになっているとのことで、アセアン各国のトップクラブに励みとなるような仕組みを構築し、東南アジア地域のサッカーをさらに上のレベルへ押し上げる場としてACCを活用したいとしています。
 その上で、各国の国内リーグやFIFA、AFC大会、さらには来季から現行の30チームから40チームへと拡大するAFCチャンピオンズリーグなどとの日程調整や試合フォーマット、スポンサー確保などに時間がかかっているものの、ACCの詳細は近々発表できるだろうとしています。

M3のストライカーにMFLクラブから複数オファー
 MFL3部にあたるM3リーグはリーグ終了待たずして、ケランタン・ユナイテッドが優勝し、来季2020年のMFL2部プレミアリーグへの自動昇格権を手に入れていますが、このケランタン・ユナイテッドで今季ここまで26試合で28ゴールを挙げているFWファクルル・ザマン・ワン・アブドラ・ザワウイに対して、MFL1部スーパーリーグ、MFL2部プレミアリーグのクラブが来季2020年シーズンに向けて獲得に動いていると英字紙スターのマレー語ポータルサイトmstarが報じています。
 25歳のファクルル・ザマン選手は、ケランタン・ユナイテッドを離れる決断は難しいが、その一方で自分のキャリアを考えると高いレベルでプレーできるチームへ移籍は必ずしも悪いことではないと話しています。その上で、MFL2部へ昇格するケランタン・ユナイテッドが来季に向けてどのように準備していくのかも見極めた上で結論を出したいとも述べています。
 ファクルル・ザマン選手はケランタンFAのプレジデントカップチーム(U21)で活躍し、ケランタンFAのトップチームに昇格しましたが、出場機会には恵まれませんでした。しかし移籍したケランタン・ユナイテッドでは、チームメイトのガンビア出身のFWアルフサイネイ・ガッサマとリーグ得点王を争う活躍を見せ、ケランタン・ユナイテッドのM3優勝に貢献しています。
 伸び悩んでいた自分に機会を与えてくれたクランタン・ユナイテッドのザハスミ・イスマイル監督に感謝の気持ちが

ドーピング違反の出場停止処分が明けた選手がPJシティFCと契約
 先日MFL1部のプタリンジャヤPJシティFCと契約したGKアーマド・シャイハン・ハズミ・モハマド選手に注目が集まっていると、スポーツ系サイトのフォックススポーツが報じています。
 ケランタン州出身のシャイハン選手は今年10月6日に20ヶ月に渡るドーピング違反の出場停止処分が解除になったばかりの選手ですが、かつてはU23代表にも選ばれていた選手で、マレーシアU23代表が初めて出場したアジアサッカー連盟AFC U23選手権2018年大会の大会期間中に行われたドーピング検査でA検体が陽性、さらにB検体も陽性と判定されAFCから20ヶ月の出場停止処分を受けていました。
 他のクラブからもオファーを受けていたと語るシャイハン選手は、PJシティFCを選んだ理由としてデヴァン・クップサミー監督の存在を挙げ、早速、練習に参加しています。出場停止処分中は1人でトレーニングを積んできたというシャイハン選手は、サッカーに戻ってこられたことに興奮していると話した上で、試合に早く出場したいとしています。

11月6日のニュース:FAMは来季クラブライセンス交付追加チームを発表、PKNS FCがスランゴールFAのBチーム化に同意か、MFLはBチーム参入の規定を内密に変更か

FAMは来季クラブライセンス交付追加チームを発表
 マレーシアフットボールリーグMFL1部の2クラブと2部の4クラブが新たに来季2020年シーズンのクラブライセンスの交付を受けたことを、マレーシアの通信社ベルナマが伝えています。
 今回、マレーシアサッカー協会FAMのクラブライセンス交付第一審機関より交付を受けたのは、マラッカ・ユナイテッド、PKNS FC(以上1部)、UKM FC、スランゴール・ユナイテッド、PDRM FC、ペナンFA(以上2部)の6クラブです。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長はこの6クラブの他にケランタンFAとサラワクFAにも、第三者による保証を証明する文書が出されたことにより、未払いの給料があるものの条件付きでライセンスの交付を行ったことも発表しています。ただしFAMはその保証が実行されるかどうかを見守るとしており、実行されない場合には交付されたクラブライセンスが無効になる可能性があることも示唆しています。
 またケランタンFA、サラワクFA、UKM FCについては10月30日の申請締め切り期限を守らなかったことで警告を受けたようです。
 なお来季のライセンス交付は、今年2019年6月30日の時点で未払い給料問題を解決したクラブが対象になっているとし、その後新たに発生した未払い問題については12月15日までにFAMにその解決法と解決時期を報告することを義務付けています。これについてラマリンガム事務局長は、今季の未払い給料等を来季へ持ち越させないための手段であると説明し、FAMのクラブライセンス委員会は未払い給料を抱えるクラブの解決法と解決時期が厳格に守られているかどうかのチェックを行っていくとしています。

PKNS FCがスランゴールFAのBチーム化に同意か
 スポーツ系サイトアストロアリーナによると、PKNS FCのフロントがスランゴールFAとの合併に同意し、PKNS FCがスランゴールFAのBチームとなることが決定したようです。
 スランゴールFAを統括するスランゴール州サッカー協会FASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長が明らかにしています。
 Bチーム参入についてはMFLの規定により参入1年前の申請が義務付けられていますが、ハミドン事務局長によれば、FASは既に最初の申請書をMFLに提出しており、PKNS FCからの合併についての同意書があれば、来季からのPKNS FCのBチーム化の実現にはさほど問題にはならないだろうと楽観視しています。
 また、PKNS FCがスランゴールFAのBチームとなった場合のPKNS FCとスランゴールFAのプレジデントカップ(U21)チームの処遇については、まだ未定としながらも、スランゴールFAのプレジデントカップチームが残る可能性が高いとしています。
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 なお「育成のPKNS FC」とも言えるPKNS FCは今季2019年のプレジデントカップで優勝し、U19チームが参加するユースカップでも昨季2018年は優勝、今季は準優勝している一方、スランゴールFAはプレジデントカップ、ユースカップとも今季は準々決勝でPKNS FCに敗れています。

MFLはBチーム参入の規定を内密に変更か
 スポーツ系サイトフォックススポーツは、上記のPKNS FCのBチーム化について義務付けられている1年前の申請をMFLが公にしないまま変更したのではないかという疑惑を取り上げています。
 PKNS FCのBチーム化については、これまでも多くのメディアで報じられる一方、PKNS FCの監督、選手は反対を表明してきたため、正式な申請は今年中には不可能との予測が出ていました。
 しかし上記でも取り上げた通り、スランゴール州サッカー協会FASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長は、PKNS FCフロントの同意を得られてことから、来季2020年シーズンには、PKNS FCがスランゴールFAのBチーム、スランゴールFA IIとしてMFLに参加するかのような発言をしています。
 しかしフォックスポーツは、Bチーム参入の条件としてMFLが義務付けている参入1年前の申請という規定をFASが軽視しており、この規定を厳守すれば、今年11月に行われる申請によってBチーム参入が許可されるのは来年2020年11月であるとしています。その上で給料未払いなどの問題では期日を守ることを求めているMFLがこのFASの申請を受理し、来季2020年からスランゴールFAのBチーム、スランゴールFA IIの参入を認めるとなれば、正当な根拠が必要となるだろうとしています。
 特に今回のPKNS FCのBチーム化は、既存のクラブが他のクラブのBチームになるという特殊なケースであり、各クラブを統括するMFLはこの状況について繊細に対応するべきだとした上で、もしこのまま来季からPKNS FCがスランゴールFA IIとなるのであれば、各クラブにもサッカーファンにも公にしないまま内密に規定を変更したと取られても仕方がないと批判的に記事を結んでいます。
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 歴史もあり影響力の大きいFASに対してMFLがなし崩しで屈してしまうとしても、長いものには巻かれることを厭わないマレーシアではありそうなことですが、悪しき前例を一旦、作ってしまうとそれが自らの首をしめかねないので、MFLは威厳を持ってこの問題に対処するべきだと思います。