11月10日のニュース:U18代表は北マリアナ諸島に大勝、マラッカUは来季に向けDFを補強、インドネシアはマレーシア戦後に監督更迭

U18代表は北マリアナ諸島に大勝
 アジアサッカー連盟AFCのホームページによると、カンボジアのプノンペンで開催中のAFC U19選手権2020年大会予選に出場中のマレーシアU18代表は、北マリアナ諸島戦で10-0と大勝しています。
 ここまで開幕戦のカンボジア戦に5-4と辛勝し、次戦のブルネイ戦は11-0と2連勝中のU19代表は、エースストライカーのルクマン・ハキム・シャムスディンを休ませる余裕を見せましたが、モハマド・アイマン・アフィフ・モハマド・アフィズル(クダFA)がブルネイ戦の3ゴールに続き、この試合では4ゴールを決めて勝利に貢献しています。
 この日、ここまでマレーシア同様全勝だったタイがカンボジアに1-2で敗れたため、マレーシアは勝点9でグループ首位に浮上、勝点6のタイとカンボジアは得失差でタイが2位、カンボジアが3位、以下ブルネイ、北マリアナ諸島となり、今日の最終戦となるタイとの試合で引き分け以上で予選1位突破とU19選手権本選が決まります。

マラッカUは来季に向けDFを補強
 マレーシアフットボールリーグMFL1部のマラッカ・ユナイテッドは、今季2019年シーズンにプレーした韓国出身のDFジャン・スックウォンの契約更新と、オーストラリア出身でマレーシア人の母親を持つ守備的MFカラン・シン・ファーンズとの契約を発表しています。ジャン選手はAFC枠選手、ファーンズ選手はマレーシア人選手として登録されます。
 これを伝えるベルナマの記事によれば2016年から2017年にかけては、JDT II、ヌグリ・スンビラン、フェルダ・ユナイテッドなどでプレー経験があるファーンズ選手は、2018年にはタイ1部リーグのスコータイFC、今季2019年はオーストラリアのセミプロリーグ、ナショナルプレミアリーグ所属のポート・メルボルンSCでプレーしていました。

インドネシアはマレーシア戦後に監督更迭
 インドネシアの英字紙ジャカルタポスト電子版によると、インドネシアサッカー協会PSSIはフル代表のサイモン・マクメネミー監督の更迭を発表しました。
 インドネシアはFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選でここまで4連敗中、勝点0で予選グループGの最下位となっています。
 スコットランド出身のマクネミー監督は、インドネシア国内リーグ、リーガ1のバヤンカラFCの監督として2017年に国内リーグ優勝を果たしたのち、昨年2018年12月に2年間の契約でフル代表監督に就任していました。
 マクネミー監督は11月19日にブキ・ジャリル国立競技場で行われるワールドカップ予選のマレーシア戦までとなっています。
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 インドネシア国内のソーシャルメディアでは##SimonOutといった運動も起こっていたということですが、2年契約で月給2万米ドルとされる契約途中解除の賠償金として26万米ドル(およそ2840万円)が更迭されるマクメネミー監督に支払われるようです。また後任には2017年から2018年にかけてフル代表とU23代表の監督を務めたスペイン人のルイス・ミジャ氏や元韓国代表のシン・テヨン氏の名前が上がっています。

11月9日のニュース:トレンガヌFCは新たな外国籍ストライカーを獲得へ、トレンガヌFCはファリス・ラムリをアセアン枠で獲得、クダFAはジョナサン・ボーマンも退団、復活したピヤは6年ぶりの優勝を味わう

トレンガヌFCは新たな外国籍ストライカーを獲得へ
 エースストライカーのFWチェチェ・キプレが退団するトレンガヌFCはヨーロッパ、南米、アフリカから代わりのストライカーを獲得する予定であると、スポーツ系サイトのスタジアムアストロが伝えています。
 既に数名がリストアップされているようで、モハマド・ナフジ・ザイン監督は、来月予定されているトライアウトを経て、獲得選手が最終決定する予定であるとしています。
 また同じ記事内では、来季2020年シーズンはトレンガヌFCのプレジデントカップチーム(U21)とユースカップチーム(U19)の選手にトップチームでの出場機会がより多く与える予定であるとも述べ、来季も在籍するリー・タック選手が主将として若手とベテランの融合するチームを率いてくれることを期待していると述べています。

トレンガヌFCはファリス・ラムリをアセアン枠で獲得
 12名の退団者を出したトレンガヌFCは、来季は大きく布陣が変わりそうですが、上記で取り上げた外国籍FWが確定する前に、シンガポール出身の攻撃的MFムハマド・ファリス・ラムリをアセアン枠で獲得したことを同じスタジアムアストロが報じています。
 2018年にはマレーシアフットボールリーグMFL1部のPKNS FCでプレーし、今季2019年は開幕前にMFL2部のプルリスFAと契約したファリス選手でしたが、プルリスFAの抱える給料未払い問題により、1試合も出場しないまま退団していました。その後プルリスFAは開幕直後にMFLより追放処分を受け、、ファリス選手は、シンガポールの1部リーグであるプレミアリーグのホーガン・ユナイテッドに移籍していました。
 トレンガヌFCのアセアン枠は、今季在籍したDFチエリー・チャンタ・ビン(カンボジア)と来季の契約を結ばない事から空席となっていましたが、27歳のファリス選手はこのアセアン枠選手として1年契約を結んでいます。

クダFAはジョナサン・ボーマンも退団へ
 今季から指揮を取るアイディル・シャリン監督のもと、MFL1部スーパーリーグ4位、FAカップ優勝、マレーシアカップ準優勝という結果を残したクダFAですが、先日このブログでも伝えたスペイン出身のFWフェルナンド・ロドリゲズの退団に続き、アルゼンチン出身のFWジョナサン・ボーマンの退団も発表されました。
 今季はリーグ戦と2つのカップ戦合計で16ゴールを挙げたボーマン選手の退団は、同じく今季21ゴールを挙げたフェルナンデズ選手の退団とともに、来季2020年にはさらに上位を目指したいクダFAにとっては大きな痛手になりそうです。
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 退団決定後にはクダFAを統括するクダ州サッカー協会が2人を送り出すための夕食会を開き、またクダFAのサポーターグループからも温かい言葉が贈られたとのことなので、今季の成績による解雇というよりは、来季から各クラブの財務状況に合わせた運営を求めて導入される経済コントロールプログラムECPの影響もあるかも知れません。
 なおクダFAは、PKNS FCのクパ・シャーマン、元トレンガヌFCのチェチェ・キブレに興味を持っているという報道もあり、ロドリゲズ、ボーマン両選手の穴を埋めるのはこの2人になる可能性もあります。

復活したピヤは6年ぶりの優勝を味わう
 ケランタンFA時代には主将として2012年のマレーシアフットボールリーグMFL、FAカップ、マレーシアカップの同一年3冠制覇(トレブル)も経験しているMFモハマド・バドリ・モハマド・ラジにとって、今季2019年途中から入団したケランタン・ユナイテッドでM3リーグでの優勝に貢献したことは、自らの選手生命を蘇らせる結果にもなったと、マレーシアの通信社ベルナマが報じています。
 ピヤの愛称で知られる37歳のバドリ・ラジ選手は、昨年2018年5月にケランタンFAとの契約が切れ、同年末にM3リーグからMFL2部プレミアリーグに昇格したプルリスFAと契約しましたが、上のファリス・ラムリ選手の記事で書いたように、プルリスFAはMFLを追放され、ピヤ選手もプルリスFAを退団していました。その後も昨季2018年のケランタンFAの給料未払いも明らかになり、所属クラブもないままでしたが、今年6月にケランタン・ユナイテッドと契約していました。
 「昨年末から今年の初めてにかけて自分が経験した苦境を思うと、優勝チームでプレーすることは2度とないと思っていたが、自分にプレーする機会を与えてくれたケランタン・ユナイテッドと、ザハスミ・イスマイル監督、そして応援してくれたサポーターに感謝したい」とピヤ選手は語っています。
 来年は38歳となるピヤ選手は、引退については考えたこともなく、自分に機会が与えられれば、ケランタン・ユナイテッドをさらに上のレベルへ引き上げられるよう、できるだけ長くチームに貢献したいとも語っています。

11月7日のニュース:アセアンクラブ選手権が来季創設へ、M3のストライカーにMFLクラブから複数オファー、ドーピング違反の出場停止処分が明けた選手がPJシティFCと契約

アセアンクラブ選手権来季創設へ
 東南アジアサッカー連盟AFFの公式サイトでは、国際サッカー連盟FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長とアジアサッカー連盟AFCのサルマーン・ビン・イブラーヒーム・アール=ハリーファ会長が来季から創設されるアセアンクラブチャンピオンシップACCへの支援を表明していると伝えています。
 ACCは、AFF加盟国のトップ12クラブが参加する大会です。
 AFFのキエヴ・サメス会長によれば、このACCでは、参加する全てのクラブに出場料が支払われ、勝ち上がっていくことに賞金の金額が上がっていくシステムになっているとのことで、アセアン各国のトップクラブに励みとなるような仕組みを構築し、東南アジア地域のサッカーをさらに上のレベルへ押し上げる場としてACCを活用したいとしています。
 その上で、各国の国内リーグやFIFA、AFC大会、さらには来季から現行の30チームから40チームへと拡大するAFCチャンピオンズリーグなどとの日程調整や試合フォーマット、スポンサー確保などに時間がかかっているものの、ACCの詳細は近々発表できるだろうとしています。

M3のストライカーにMFLクラブから複数オファー
 MFL3部にあたるM3リーグはリーグ終了待たずして、ケランタン・ユナイテッドが優勝し、来季2020年のMFL2部プレミアリーグへの自動昇格権を手に入れていますが、このケランタン・ユナイテッドで今季ここまで26試合で28ゴールを挙げているFWファクルル・ザマン・ワン・アブドラ・ザワウイに対して、MFL1部スーパーリーグ、MFL2部プレミアリーグのクラブが来季2020年シーズンに向けて獲得に動いていると英字紙スターのマレー語ポータルサイトmstarが報じています。
 25歳のファクルル・ザマン選手は、ケランタン・ユナイテッドを離れる決断は難しいが、その一方で自分のキャリアを考えると高いレベルでプレーできるチームへ移籍は必ずしも悪いことではないと話しています。その上で、MFL2部へ昇格するケランタン・ユナイテッドが来季に向けてどのように準備していくのかも見極めた上で結論を出したいとも述べています。
 ファクルル・ザマン選手はケランタンFAのプレジデントカップチーム(U21)で活躍し、ケランタンFAのトップチームに昇格しましたが、出場機会には恵まれませんでした。しかし移籍したケランタン・ユナイテッドでは、チームメイトのガンビア出身のFWアルフサイネイ・ガッサマとリーグ得点王を争う活躍を見せ、ケランタン・ユナイテッドのM3優勝に貢献しています。
 伸び悩んでいた自分に機会を与えてくれたクランタン・ユナイテッドのザハスミ・イスマイル監督に感謝の気持ちが

ドーピング違反の出場停止処分が明けた選手がPJシティFCと契約
 先日MFL1部のプタリンジャヤPJシティFCと契約したGKアーマド・シャイハン・ハズミ・モハマド選手に注目が集まっていると、スポーツ系サイトのフォックススポーツが報じています。
 ケランタン州出身のシャイハン選手は今年10月6日に20ヶ月に渡るドーピング違反の出場停止処分が解除になったばかりの選手ですが、かつてはU23代表にも選ばれていた選手で、マレーシアU23代表が初めて出場したアジアサッカー連盟AFC U23選手権2018年大会の大会期間中に行われたドーピング検査でA検体が陽性、さらにB検体も陽性と判定されAFCから20ヶ月の出場停止処分を受けていました。
 他のクラブからもオファーを受けていたと語るシャイハン選手は、PJシティFCを選んだ理由としてデヴァン・クップサミー監督の存在を挙げ、早速、練習に参加しています。出場停止処分中は1人でトレーニングを積んできたというシャイハン選手は、サッカーに戻ってこられたことに興奮していると話した上で、試合に早く出場したいとしています。

11月6日のニュース:FAMは来季クラブライセンス交付追加チームを発表、PKNS FCがスランゴールFAのBチーム化に同意か、MFLはBチーム参入の規定を内密に変更か

FAMは来季クラブライセンス交付追加チームを発表
 マレーシアフットボールリーグMFL1部の2クラブと2部の4クラブが新たに来季2020年シーズンのクラブライセンスの交付を受けたことを、マレーシアの通信社ベルナマが伝えています。
 今回、マレーシアサッカー協会FAMのクラブライセンス交付第一審機関より交付を受けたのは、マラッカ・ユナイテッド、PKNS FC(以上1部)、UKM FC、スランゴール・ユナイテッド、PDRM FC、ペナンFA(以上2部)の6クラブです。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長はこの6クラブの他にケランタンFAとサラワクFAにも、第三者による保証を証明する文書が出されたことにより、未払いの給料があるものの条件付きでライセンスの交付を行ったことも発表しています。ただしFAMはその保証が実行されるかどうかを見守るとしており、実行されない場合には交付されたクラブライセンスが無効になる可能性があることも示唆しています。
 またケランタンFA、サラワクFA、UKM FCについては10月30日の申請締め切り期限を守らなかったことで警告を受けたようです。
 なお来季のライセンス交付は、今年2019年6月30日の時点で未払い給料問題を解決したクラブが対象になっているとし、その後新たに発生した未払い問題については12月15日までにFAMにその解決法と解決時期を報告することを義務付けています。これについてラマリンガム事務局長は、今季の未払い給料等を来季へ持ち越させないための手段であると説明し、FAMのクラブライセンス委員会は未払い給料を抱えるクラブの解決法と解決時期が厳格に守られているかどうかのチェックを行っていくとしています。

PKNS FCがスランゴールFAのBチーム化に同意か
 スポーツ系サイトアストロアリーナによると、PKNS FCのフロントがスランゴールFAとの合併に同意し、PKNS FCがスランゴールFAのBチームとなることが決定したようです。
 スランゴールFAを統括するスランゴール州サッカー協会FASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長が明らかにしています。
 Bチーム参入についてはMFLの規定により参入1年前の申請が義務付けられていますが、ハミドン事務局長によれば、FASは既に最初の申請書をMFLに提出しており、PKNS FCからの合併についての同意書があれば、来季からのPKNS FCのBチーム化の実現にはさほど問題にはならないだろうと楽観視しています。
 また、PKNS FCがスランゴールFAのBチームとなった場合のPKNS FCとスランゴールFAのプレジデントカップ(U21)チームの処遇については、まだ未定としながらも、スランゴールFAのプレジデントカップチームが残る可能性が高いとしています。
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 なお「育成のPKNS FC」とも言えるPKNS FCは今季2019年のプレジデントカップで優勝し、U19チームが参加するユースカップでも昨季2018年は優勝、今季は準優勝している一方、スランゴールFAはプレジデントカップ、ユースカップとも今季は準々決勝でPKNS FCに敗れています。

MFLはBチーム参入の規定を内密に変更か
 スポーツ系サイトフォックススポーツは、上記のPKNS FCのBチーム化について義務付けられている1年前の申請をMFLが公にしないまま変更したのではないかという疑惑を取り上げています。
 PKNS FCのBチーム化については、これまでも多くのメディアで報じられる一方、PKNS FCの監督、選手は反対を表明してきたため、正式な申請は今年中には不可能との予測が出ていました。
 しかし上記でも取り上げた通り、スランゴール州サッカー協会FASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長は、PKNS FCフロントの同意を得られてことから、来季2020年シーズンには、PKNS FCがスランゴールFAのBチーム、スランゴールFA IIとしてMFLに参加するかのような発言をしています。
 しかしフォックスポーツは、Bチーム参入の条件としてMFLが義務付けている参入1年前の申請という規定をFASが軽視しており、この規定を厳守すれば、今年11月に行われる申請によってBチーム参入が許可されるのは来年2020年11月であるとしています。その上で給料未払いなどの問題では期日を守ることを求めているMFLがこのFASの申請を受理し、来季2020年からスランゴールFAのBチーム、スランゴールFA IIの参入を認めるとなれば、正当な根拠が必要となるだろうとしています。
 特に今回のPKNS FCのBチーム化は、既存のクラブが他のクラブのBチームになるという特殊なケースであり、各クラブを統括するMFLはこの状況について繊細に対応するべきだとした上で、もしこのまま来季からPKNS FCがスランゴールFA IIとなるのであれば、各クラブにもサッカーファンにも公にしないまま内密に規定を変更したと取られても仕方がないと批判的に記事を結んでいます。
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 歴史もあり影響力の大きいFASに対してMFLがなし崩しで屈してしまうとしても、長いものには巻かれることを厭わないマレーシアではありそうなことですが、悪しき前例を一旦、作ってしまうとそれが自らの首をしめかねないので、MFLは威厳を持ってこの問題に対処するべきだと思います。

11月5日のニュース:JDT IIのGKが飛び級で代表候補合宿に招集される、トレンガヌFCはバングラディシュの大会で優勝、トレンガヌFCはキプレを含む12名の退団を発表、鈴木ブルーノは来季はトレンガヌFCでプレーか

JDT IIのGKが飛び級で代表候補合宿に招集される
 マレーシアサッカー協会FAMのFacebookでは、マレーシアフットボールリーグMFL2部プレミアリーグ所属のJDT II(1部ジョホール・ダルル・タクジムのBチーム)のGKムハマド・ハジック・ナズリがクダFAのGKイファット・アクマル・チェ・カシムに代わってフル代表候補合宿に招集されることを告知されています。
 
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 MFL2部のクラブから、しかもBチームからの招集と異例づくめですが、21歳のハジック・ナズリ選手は、U22代表には招集されず、言わば飛び級でのフル代表招集となっており、フル代表のタン・チェンホー監督には何か考えがあるのでしょう。
 ところでこのハジック・ナズリ選手は11月1日に、20歳の女優アイラ・ハザリことハジラ・カスディナ・ハザリさんと結婚式を挙げたばかりで、FAMのFacebookのコメント欄には「新婚の二人を引き離すとはかわいそう」「ハネムーンに行けなくなる!」などの書き込みが多くありました、結婚と代表候補合宿招集と文字通り両手に花のハジック・ナズリ選手が代表チームに選ばれるのか注目です。

トレンガヌFCはバングラディシュの大会で優勝
 10月19日からバングラディシュ南東部の都市チッタゴンで開催されていたシーク・カマル国際クラブカップに参加したマレーシアフットボールリーグMFL1部のトレンガヌFCは、決勝で地元のチッタゴン・アバハニ・リミテッドを2ー1で破り、初優勝しています。またスポーツ専門サイトのスタジアムアストロでは、トレンガヌFCで主将を務めるリー・タックはこの大会での若手の活躍を喜んでいると、伝えています。
 タック選手は、9日間で5試合と日程的に厳しかった大会期間中であっても心身両面の強さを維持できた若い選手たちを評価すると同時に、今季2019年は12チーム中7位に終わったチームにとって、来季2020年に向けての展望が開ける大会だったとしています。
 8チームが参加した今回の大会では、トレンガヌFCは、ゴクラム・ケララFC、チェナイ・シティFC(いずれもインドIリーグ所属)、バシュンドハラ・キングズ(バングラディシュプレミアリーグ所属、今季の優勝チーム)と同組となった予選グループを2勝1分の首位で突破、準決勝はモフン・バガンAC(Iリーグ)をタック選手をハットトリックを含む4-2で撃破、決勝ではホストチームのチッタゴン・アバハニ・リミテッド(バングラディシュプレミアリーグ)を2−1で破って優勝賞金5万米ドル(およそ540万円)獲得しています。また,2016年にはバングラディシュリーグでもプレー経験のあるタック選手は大会得点王と最優秀選手賞を獲得しています。
 この優勝についてタック選手は、主力選手を欠くメンバーで優勝できたことでMFLのレベルの高さを証明できたと思うと語っています。
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 後述しますが、トレンガヌFCは今季から大きくメンバーが変わる可能性があり、外国のクラブとの対戦の中で優勝したことで若手選手たちが得た経験は、タック選手だけでなく、監督代行から昇格したモハマド・ナフジ・ザイン新監督にとっても期待が持てるものだったのではないでしょうか。

トレンガヌFCはキプレを含む12名の退団を発表
 バングラディシュの大会で優勝したトレンガヌFCは、今季2019年をもって退団する選手を発表していますが,その中には過去3シーズンで63試合に出場し40ゴールを挙げているコートジボアール出身のFWチェチェ・キプレが含まれていると、スタジアムアストロが伝えています。
 記事の中では、トレンガヌFCはキプレ選手に対して来季の契約をオファーしたもののそれが拒否されたとしています。キプレ選手のほか、東南アジアサッカー連盟AFF枠で契約していたDFチエリー・チャンタ・ビン(カンボジア)も退団となっており、来季の外国籍選手としてはMFリー・タック(英国、ただし祖母がマレーシア人ということで来季中にマレーシア人選手登録になる可能性あり)とMFサンジャル・シャアフメドフ(ウズベキスタン)の2人のみが確定しています。
 またマレーシア人選手では、今季のFAカップでトレンガヌFCと対戦した際にイルファン・バクティ前監督が高く評価し、M3(MFL3部)のアルティメイトFCから引き抜いたFWナビル・アーマド・ラトピやMFマリク・マット・アリフ、MFシャルル・アイザッド・ズルキフリ、MFアハマド・シャミン・ヤヒヤ、MFカイルル・イズアン・ロスリ、MFカイル・アズリン・カザリ、MFカイルル・アンワル・シャールディン、DFアデッブ・アイズディン、DFハスニ・ザイディ・ジャミアンそしてGKワン・モハマド・アズレイ・ワン・テーが退団となっています。
 なおトレンガヌFCを統括するトレンガヌ州サッカー協会PBSNTのヒシャムディン・アブドゥル・カリム副会長は、退団するキプレ選手のトレンガヌFCへのこれまでの貢献を感謝し、チーム史上でもトップのストライカーだと賛辞する一方で、彼の穴を埋めることが急務であるとも述べています。
 一部報道では、現在のベトナムリーグでプレーする選手に関心を示しているという情報もありますが、ヒシャムディン副会長は言及を避け、新たな選手の獲得についてはナフジ・ザイン新監督に一任していると述べるにとどまっています。
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 キプレ選手については、今季MFLやカップ戦合計で21ゴールを挙げたスペイン出身のFWフェルナンド・ロドリゲズの退団が決まったクダFAが関心を示しているという噂もあり、来季もキプレ選手の姿をMFLで見ることができるかも知れません。

鈴木ブルーノは来季はトレンガヌFCでプレーか
 トレンガヌFCのBチームでMFL2部に所属するトレンガヌFC IIでプレーするFW鈴木ブルーノとコートジボアール出身のMFデチ・マーセル・ングエッセンに対して監督が残留希望を持っていることをスタジアムアストロが伝えています。
 トレンガヌFC IIを来季から率いるロシャディ・ワハブ新監督は、Aチームのナフジ・ザイン監督との話し合いの結果次第と前置きしながらも、今季MFL2部で13ゴールを挙げた鈴木選手はチーム得点王であり、必要な選手であるとしています。
 なお上の記事でも取り上げたトレンガヌFCが出場したバングラディシュでの大会には、鈴木選手とングエッセン選手もチームに帯同し、鈴木選手はグループステージでは4ゴールを挙げるなど活躍し、両選手は決勝戦にもスタメンで出場しました。
 トレンガヌFC IIの外国籍選手は全員が今月11月末に契約が切れますが、他の外国籍選手、DFセルヒイ・アンドレイエフ(ウクライナ)とFWアカンニ・サンデイ・ワシウについては、フロントの意向に従いたいとワハブ新監督は述べています。

11月3日のニュース:JDTのマレーシアカップ優勝でジョホール州政府は11月3日を州の祝日とする発表、マラッカ州サッカー協会会長が交代、AFC U19選手権予選でマレーシアは退場者を出す冷や汗スタート

JDTのマレーシアカップ優勝でジョホール州政府は11月3日を州の祝日とすると発表
 11月2日(土)のマレーシアカップ決勝でクダFAを3-0で破って優勝したジョホール・ダルル・タクジムJDTの本拠地があるジョホール州政府は、JDTの優勝を祝って11月3日(日)を州の祝日とすることを発表しています。
 英字紙マレーメイル電子版によると、ジョホール州政府のダト・アズミ・ロハニ書記長によると、JDTサポーターを含めた全ジョホール州民とともにJDTの勝利を祝い、またジョホール州へ栄誉をもたらしたJDTへの支持に対する感謝を示すものとしています。
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 マレーシアのプロサッカーチームは各州のサッカー協会(州FA)が統括していることが多く、このブログでもパハンFAやスランゴールFA、クダFAなど◯◯FAという表記を使っているクラブがそれにあたります。しかしJDTはTMJことジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下がオーナーの完全なクラブチームと思っていましたが、まだ州のクラブということなのでしょう。
 またジョホール州はイスラム教の礼拝日が金曜日であることから、ムスリム(イスラム教徒)が余裕のある寛容で礼拝ができるようにと、金曜日と土曜日が週末になっています。このため11月3日(日)が祝日になることで、ジョホール州は週末が3連休となります。このように金曜日と土曜日が週末になっているのはジョホール州の他、イスラム色の強い東海岸のケランタン州とトレンガヌ州があります。

マラッカ州サッカー協会会長が交代
 同じマレーメイル電子版によると、マラッカ州サッカー協会MUSAのアドリ・ザハリ会長が会長職を退任しました。マラッカ州の州知事でもあるアドリ会長は1年以上会長職を務めましたが、その後任にはマラッカ州政府議員でマラッカ州政府の適正・報告責任・透明性委員会の会長でもあるダミアン・ヨー・シェンリー氏が11月1日付けで就任しています。
 アドリ会長は州法である「マラッカ州知事になった者は自動的にMUSAの会長となり、同時にその職に適した人物に会長に任命できる」に基づいてヨー新会長を任命し、その理由としてヨー新会長が今季2019年シーズンにはMUSAが統括するマラッカ・ユナイテッドの運営に関わってきたことを挙げています。またアドリ会長は「MUSA会長は州サッカー運営に注力すべきであり、自分には州知事としてより注力する必要がある仕事がある」と述べています。
 またヨー新会長は、今季マラッカ・ユナイテッドが直面した給料未払い問題は2度と起こさないと記者会見で述べ、経営状況改善を約束しています。またマラッカ・ユナイテッドのザイナル・アビディン・ハサン監督には、来季に向けてチームの補強内容の提案書の提出を求めたことも記者会見で明かしています。
 さらにヨー新会長は、条件付きの交付となっている来季2020年のクラブライセンスについても11月末までに完全交付となるよう全ての未払い給料についてシア払いを完了する予定であるとも述べています。
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 これは非常に興味深いニュースです。マレーシアでは各州のサッカー協会(州FA)の会長は州知事が兼任することが一般的ですが、マラッカ州知事でもあるアドリ会長が述べている通り、州知事には州知事の仕事が、州FA会長には州FA会長としての仕事があるはずで、その職が形式なものであったとしても州FA会長には、それに注力できる人材が就任することで、各州FAの統括するクラブはより緻密で厳格な経営ができるようになり、蔓延する給料未払い問題の発生を防ぐことができるようになるのではないかと思います。

AFC U19選手権予選でマレーシアは退場者を出す冷や汗スタート
 11月2日よりカンボジアの首都プノンペンで始まったアジアサッカー連盟AFC U19選手権予選グループGで、マレーシアは第1戦となるカンボジア戦に5-4と辛勝して予選をスタートしました。
 前半終了時点でムハマド・シャフィ・アズスワダ・サパリ(30分)、ムハマド・ファクルル・イマン・ナスザリ(40分)、ムハマド・アズリン・アフィク・ラスミニ(42分)のゴールで3-0とリードしたマレーシアでしたが、そこから日本人の行徳浩二監督率いるカンボジア相手に思わぬドラマが待っており、最終的には1点差の冷や汗勝利でした。
 その理由は57分にMFムハマド・ムカイリ・アジマル・ビン・マハディとDFのアーマド・ジクリ・ビン・モハマド・カイリリが退場となったこと。ことの発端はアーマド・ジクリ選手とカンボジアの選手が交錯し、クルバノワ主審(トルクメニスタン)はペナルティーエリア近くでカンボジアにフリーキックを与えましたこと。これにムカイリ・アジマル選手が激しく抗議し、主審はこの日2枚目のイエローを与えてムカイリ・アジマル選手を退場に、しかも交錯したアーマド・ジクリ選手にも一発でレッドカードが出しました。
 この時点で3−0とリードしていたマレーシアでしたが、9人対11人の対戦となってしまいました。カンボジアは61分と65分に得点し3-2とせまられましたが、ルクマン・ハキム・シャムスデインが67分に、またムハマド・ムスリフディン・アティク・マット・ザヒドが73分にゴールを決め、その後のカンボジアの得点を2点に抑えてなんとか逃げ切っています。
 マレーシアの次戦は、この日、北マリアナ諸島を4-3で破ったブルネイと11月6日に対戦します。
(写真は両チームのスターティングXI。マレーシアサッカー協会FAMのFacebookより)

マレーシアカップ2019決勝の結果まとめ

今季2019年のマレーシアフットボールリーグMFL1部で優勝し、リーグ6連覇を果たしたジョホール・ダルル・タクジムJDTと今季のマレーシアFAカップ優勝のクダFAが激突したマレーシアカップ決勝戦が11月2日にブキ・ジャリル国立競技場で82,420名の観衆を集めて行われました。

JDT3−0クダFA
得点者:JDT-レアンドロ・ヴァレスケス(27分)、サファウィ・ラシド(35分)、シャフィク・アーマド(58分)
 試合は開始から3分過ぎにサファウィ・ラシドのFKにアイディル・ザフアンが頭で合わせるも、ゴールポーストを叩き、その直後にはゴンザロ・カブレラがゴールエリアまでドリブルで持ち込むもクダDFがクリアして難を逃れるなど、JDTが積極的に攻める展開となりました。
 そして試合が動いたのは27分、途中退場のエース、ジオゴと交代で入ったシャフィク・アーマドからペナルティエリア内のゴンザロ・カブレラへパス、そしてカブレラ選手にクダDF陣が詰めたところで出したマイナスのパスへ走り込んできたレアンドロ・ヴェラスケスがこれを決めてJDTが先制します。
 さらに35分には左サイドで得たFKを左利きのサファウィ・ラシドが難しい角度ながらニアポストのコーナーへ決める絶妙のゴールでJDTがリードを2点に広げました。
 そして58分には先日の発表で代表初招集となったアフィク・ファザイルが左サイドからからのクロスをシャフィク・アーマドがヘディングで叩き込み3点目のゴール。クダFAのDF陣はクロスボールにも、シャフィク選手に詰めず、まさにフリーヘッダーのゴールでした。
 試合はクダFAに反撃に機会がないまま終了し、今季のマレーシア国内サッカー最後のイベントは、JDTが3-0でクダFAに点差以上に圧勝し、2017年以来2度目の優勝を遂げると同時に、今季国内二冠を達成しています。また前回2017年は決勝ではベンチ入りできなかったサファウィ・ラシドがこの試合のマンオブザマッチMOMに選ばれています。
 クダFAは準決勝をアウェイゴールルールで勝ち上がったものの、その準決勝では第2戦の延長も含めて8失点を喫していた上、守備の要となるレノン・アルヴェスとリザル・ガザリの両DFを累積警告による出場停止で欠いていたため、苦戦が予想されていました、また試合前には今季チーム最多得点のFWフェルナンド・ロドリゲズのケガが明らかになり、ベンチ入りしたものの出場できないなど、飛車角落ちでは国内最強クラブにはなす術がありませんでした。
(写真はJDTのFacebookより)

11月1日のニュース:TMJはACL拡大に賛成、代表候補合宿にクダFAの主将が招集される、AFC U19選手権予選代表メンバーも発表

TMJはACL拡大に賛成
 アジアサッカー連盟AFCは、2021年よりAFCチャンピオンズリーグACLを現行の32チームから40チームへと拡大する意向ですが、この案にジョホール・ダルル・タクジムJDTのオーナーでTMJことジョホール皇太子トゥンク・イスマイル殿下は賛成していると英字紙スター電子版が伝えています。
 マレーシアの首都クアラルンプールにあるAFC本部でAFCのウインザー・ポール・ジョン事務局長から状況報告を受けたイスマイル殿下は、より多くのクラブに門戸が開かれるようになるのは良いことだとする一方で、クラブはACLへの参加を目指すだけでなく施設面での整備なども同時に行うべきだとしています。その上で、JDTだけでなくマレーシアフットボールリーグMFLの他のクラブも同じように設備、経営などに注力し、国内リーグや代表チームの質をあげることができれば、東南アジアでのサッカー大国になることができるとしています。
 その一方で自らを現実主義者であると述べるイスマイル殿下は、国内リーグ6連覇中のJDTでもACL優勝までの道のりは長いとし、アジア他国のクラブとの差は大きいとしています。

代表候補合宿にクダFAの主将が招集される
 マレーシアサッカー協会FAMのホームページでは、11月9日の国際親善試合タジキスタン戦、FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選11月14日のタイ戦、11月19日インドネシア戦に出場する代表候補合宿に参加する26名が発表になっています。26名のリストはこちらです。
 代表候補合宿は11月3日から始まりますが、先日のワールドカップ予選ベトナム戦のメンバーからはGKハフィズル・ハキム・カイルル・ニザム(ペラTBG)、DFイルファン・ザカリア(クアラルンプールFA)、MFアクラム・マヒナン(PKNS FC)、MFアブドゥル・ハリム・サアリ(スランゴールFA)がはずれ、タン・チェンホー監督はその代わりとして、前回はケガで招集が見送られたノー・アザム・アブドゥル・アジー(パハンFA)とシャーレル・フィクリ・モハマド・ファウジ(ペラTBG)の2名に加えて、マレーシアカップ決勝に進出するJDTとクダFAから計5名を新たに召集しています。JDTからはMFアフィク・ファザイルとDFシャズワン・アンディック・イシャク、クダFAからは主将のMFバドロル・バクティアル、MFファルハン・ロスラン、GKイフワット・アクマル・チェック・カシムの計5名で、アフィク選手とファルハン選手は今回が初の代表候補合宿招集です。
 なお明日11月2日のマレーシアカップ決勝に出場するJDTとクダFAの選手は11月4日に合流の予定となっています。
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 英字紙ニューストレイトタイムズによる今回の招集メンバーで注目すべきはおよそ2年ぶりの代表復帰となるクダFAのバドロル・バクティアル主将と、初招集となるJDTのアフィク・ファザイルの二人のMFとのこと。これまでのキャップ数が50を超えるバドロル選手は若い選手を導く役割を、JDTではいわゆるリベロを務めるアフィク選手はACLで見せたパフォーマンスを期待されています。

AFC U19選手権予選代表メンバーも発表
 同じFAMのホームページでは、明日11月2日よりカンボジアの首都プノンペンで開催されるアジアサッカー連盟AFC U19選手権2020年大会予選に出場するU18代表最終メンバーが発表になっています。メンバーはこちらです。
 オーストラリア人のブラッド・マロニー監督率いるU18代表は、今年8月に行われた東南アジアサッカー連盟AFF U18選手権でオーストラリアに敗れたものの準優勝を果たしており、開催国カンボジア、タイ、ブルネイ、北マリアナ諸島と同じグループGでは、グループ首位での突破、そして本戦出場が期待されています。
 またこのU18代表にはこのブログでも何度か取り上げているルクマン・ハキム・シャムスディンも含まれており、ベルギー1部リーグのKVコルトレイクと契約した実力を見せてくれるかどうかが楽しみです。
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 上記のFWルクマン・ハキム選手、DFアーマド・カリリ選手、GKシーク・ナズレル選手は日本サッカー協会JFAによる11日間のキャンプを終えての合流です。

10月31日のニュース:双子のラザク兄弟がマレーシアカップ決勝で対決、マレーシアカップには1500名超の警察官を動員、マレーシアカップ決勝の主審候補者は8名

双子のラザク兄弟がマレーシアカップ決勝で対決
 11月2日に開催される今季2019年のマレーシアサッカー界のフィナーレ、マレーシアカップ決勝では、双子のラザク兄弟が両チームに分かれて対戦します。ジョホール・ダルル・タクジムJDTのDFで兄のアイディル・ザフアン・ラザクと、クダFAのFWで弟のザクアン・アドハ・ラザクはヌグリ・スンビラン州セレンバンの出身で、二人が一緒にプレーしていたヌグリ・スンビランFAでは2006年にはMFL1部スーパーリーグの優勝を、2009年と2011年にはマレーシアカップ 優勝を経験しています。二人は2012年にマレーシア国軍ATM FCで、2013年にはJDTで一緒にプレーした後、アイディル選手はそのままJDTに残りましたが、ザクアン選手はその後、ペラTBG、クアラルンプールFAでプレーし、今季からクダFAの選手となっています。
 英字紙スター電子版でアイディル選手は、通常であれば二人ともに試合前に母親に電話を入れてモチベーションをもらうが、二人が対決する今回に関しては、母親も困っていると話しています。

マレーシアカップには1500名超の警察官を動員
 マレーシアカップ決勝当日は不測の事態に備えて、1500名超の警察官が動員されることが、試合会場となるブキ・ジャリル競技場があるクアラルンプールの警察長官から発表されています。
 クアラルンプール警察のダト・スリ・マズラン・ラジム長官によると、マレーシアカップ当日は午前8時よりスタジアム周辺で交通規制が行われ、暴動鎮圧部隊を含む1,560名の警察官が動員されるということです。決勝で対戦するJDTとクダFAのサポーターはそれぞれ別の入場口へ誘導され、入場口では厳しいセキュリティーチェックが行われるようです。
 スター電子版によれば、マズラン長官は当日は隣接する屋内競技場でもイベントがあることから渋滞が予想されるだけでなく、駐車スペースに限りもあることから、サポーターには早めの来場と、公共交通機関を使っての来場を提言しています。

マレーシアカップ決勝の主審候補者は8名
 マレー語紙ブリタハリアンによると、マレーシアカップ決勝を担当する審判の最終候補が8名に絞られたようです。
 マレーシアサッカー協会審判委員会のモハマド・ダリ・ワヒド委員長は、この中の6名が決勝戦を担当すると述べています。モハマド・ダリ委員長は、最終決定の要件としては今季のMFLやマレーシアカップでの審判状況をもとにする一方で、これまで議論が起こるような判定をしてこなかったか、そして出身地や居住地、審判としての登録地がJDTの本拠があるジョホール州やクダFAの本拠があるクダ州ではないことなどを挙げています。
 マレーシアのもう一つのカップ戦、マレーシアFAカップの今季の決勝では、日本人の岡部拓人主審、八木あかね、野村修両副審で行われ、クダFAのアイディル・シャリン監督らの反応は良く、マレーシア人審判の質を疑問視する一部ファンからは、マレーシアカップ決勝でも外国人審判を、という声は上がっていましたが、はマレーシアカップ決勝はマレーシア人審判が笛を吹くことを、モハマド・ダリ委員長は明言していました。
 今回の記事の中でも、マレーシア人審判の育成は急務であり、AFC新パインの資格を持っているようなマレーシア人審判に(マレーシアカップ決勝のような)重要な試合で笛を吹かせない理由はないとしています。

10月30日のニュース:クダFAは守備の要がマレーシアカップ決勝出場停止、JDTとスランゴールFAがAMDから選手獲得、イルファン監督はMFLに復帰か

クダFAは守備の要がマレーシアカップ決勝出場停止
 両チーム合わせて計16ゴールと壮絶な準決勝でパハンFAを破りマレーシアカップ決勝へ進出したクダFAですが、守備の要2人が決勝に出場できない状況になっています。
 今季2019年のマレーシアフットボールリーグMFLでは、チーム最多出場のブラジル出身DFラノン・アルヴェスと、アルヴェス選手に次ぐ出場数のDFリザル・ガザリが、先日行われたパハンFAとのマレーシアカップ準決勝第2戦でいずれもイエローカードをもらい、累積警告で次戦となるマレーシアカップ決勝は出場停止処分を受けることになりました。
 しかしこの状況でも、かつてGoal. comによってシンガポールのグラディオラと評されたクダFAのアイディル・シャリンク監督が、強豪ジョホール・ダルル・タクジム相手に効果的な策略を立ててくれことをクダFAのサポーターは期待していると、マレー語紙ブリタハリアン電子版が伝えています。
 あるサポーターは、アイディル監督はこの状況で最も効果的な戦略を立ててJDT戦に臨んでくれると期待し、別のサポーターは今季のクダFAの実績から、アイディル監督がどんな戦術を取ってもそれを支持すると述べています。
 なお今季から就任したアイディル監督の下、クダFAは今季のMFLで4位(昨季は6位)、FAカップは優勝と好成績を上げ、マレーシアカップ でも2017年以来2年ぶりの決勝進出を果たしています。

JDTとスランゴールFAがAMDから選手獲得
 マレーシア政府肝煎の国家サッカー選手養成プログラムNFDPの中の「エリート」、モクタル・ダハリアカデミーAMDの1期生となる34名が間も無くこのプログラムを卒業します。2002年生まれのこの世代の出世頭はベルギー1部リーグのクラブと契約したルクマン・ハキム・シャムスディンですが、彼だけでなくこの世代は東南アジアサッカー連盟AFF U18選手権で昨年2018は優勝、今年2019年は準優勝とアセアンでは周りの国に負けないタレント揃いです。
 ただし、この1期生たちはどのクラブにも所属しておらず、プログラム終了後の所属先がどうなるかに関心が集まっていますが、マレーシアフットボールリーグMFL1部のジョホール・ダルル・タクジムJDTと、スランゴールFAを統括するスランゴール州サッカー協会FASが早速、選手獲得に動いたことをマレー語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 U19代表でもプレーする左ウィングのウマル・ハキーム・スハル・レズアンはJDTとの契約の可能性が高まっています。FASも彼に興味を示していたということですが、JDTを選んだ理由としてウマル選手はチーム力に加えて設備や練習環境、そしてサッカーに情熱を持つオーナーのTMJことジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下を挙げています。
 また左サイドバックのアーマド・ジクリ・モハマド・カリリはJDTとパハンFAも関心を示したようですが、FASを選んだようで、その理由としてFASが最も熱心にアプローチされたと明かしています。

イルファン監督はMFLに復帰か
 今年2019年5月にチームの成績不振の責任を取りMFL1部トレンガヌFCの監督を辞任したイルファン・バクティ氏は来年2020年にMFLで指揮を取る可能性がありそうだとマレー語紙ハリアンメトロ電子版が伝えています。
 既に複数のクラブから監督のオファーを受けているものの、まだ現時点では何も決めていないというイルファン氏ですが、届いているオファーがクアラルンプールやスランゴールといった首都圏以外のクラブからということで、首都圏のクラブでの指導を望んでいるイルファン氏の希望に沿うクラブからのオファーははまだないようです。
 首都圏のクラブには、MFL1部スーパーリーグではスランゴールFA、プタリンジャヤシティFC、PKNS FC、PDRM FC、MFL2部プレミアリーグではクアラルンプールFA、UITM FC、UKM FC、スランゴール・ユナイテッドがありますが、1部スーパーリーグのクラブはどこもおそらく監督の更迭はなさそうなので、イルファン氏がMFLに復帰するとすれば2部プレミアリーグの監督としての可能性が高そうです。