2月28日のニュース(2):プレミアリーグ各クラブの今季ユニフォームまとめ

いよいよ本日2月28日のジョホール・ダルル・タジムJDT対クダFAの試合で開幕するマレーシアフットボールリーグMFL。MFL2部プレミアリーグ各クラブの今季ユニフォームがほぼ出揃いまいしたので紹介します。なおMFL1部スーパーリーグのユニフォームまとめはこちらです。

クアラルンプールFA(プーマ社製)
 左の赤がホーム、右の青がアウェイです。
 胸スポンサーのKL Baca 2020は、国連の国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)が毎年1つの都市をWorld Book Capital(世界図書の首都)として選定し、図書と読書の促進するための活動を行う事業で、2020年はクアラルンプールが選定されたことから、クアラルンプール市役所がKL Baca 2020のロゴを使ってスポンサーとなっています。

ヌグリスンビランFA(アドミラル社製)
 左からフィールドプレーヤー用ホーム、アウェイ、サードジャージ、ゴールキーパー用ホーム、アウェイ、サードジャジです。
 胸スポンサーのVisit Negeri Sembilanはヌグリスンビラン州観光局(ヌグリスンビラン州政府)、Matrix社はマレーシアの不動産開発業社です。

ペナンFA(マレーシアのスタリオン・アパレル社製)
 左がホーム、右がアウェイです。
 胸スポンサーはペナン州サッカー協会FA Penangの名称ですが、実際はペナン州政府です。

UKM FC(マレーシアのライン7社製)
 赤がホーム、青がアウェイ、黄色がサードジャージです。黒とオレンジと奥に見える緑がゴールキーパーです。
 胸スポンサーはUKM FCを運営するUniviersiti Kebangsaan Malaysia(マレーシア国立大学)です。

サラワク・ユナイテッド(ホマ社製)
 左がホーム、右がアウェイです。
 胸スポンサーのPress Metal社はマレーシアのアルミ製造業社です。

ケランタンFA(マレーシアのPUCスポーツ社製)
 右からホーム、アウェイ、サードジャージです。
 胸スポンサーのAfter Image社はマレーシアの建設土木会社です。

ケランタン・ユナイテッド(マレーシアのスカイホーク社製)
 赤がホーム、黒がアウェイ、白がサードジャージです。
 胸スポンサーのVisit Kelantan 2020はケランタン州観光局(ケランタン州政府)、Jayamas Mining社はマレーシアの採鉱及びプランテーション管理会社です。

クチンFA(マレーシアのLSC社のブランド、スタースポーツ製)
 左がホーム、右がアウェイです。
 胸スポンサーのKuching – City of Unityはクチン市の別称なので、クチン市がスポンサーと思われます。

2月27日のニュース:PDRM FCに未払い給料問題解決の期限が迫る、バーレーンに代わる対戦相手はブータン…って、PJシティFCも本拠地での試合開催が困難に、MFLはトレンガヌFCの新本拠地の使用を認可

PDRM FCに未払い給料問題解決の期限が迫る
 マレーシアフットボールリーグMFLは所属する各クラブに対して、昨季までの未払い給料問題を今季の開幕日までに解決するように求め、PDRM FCを除く23クラブは1月31日の時点で解決済みとなっています。
 1月31日の時点で問題が解決できていなかったPDRM FCは既に今季リーグ戦の勝点3が剥奪されることが決まっていますが、2月28日までの猶予を与えられていますが、それでも解決されない場合にはさらに勝点6が剥奪されることになっています。
  スポーツ専門サイトのフォックススポーツは、PDRM FCを運営するマレーシア王立警察サッカー協会PDRM FAのフロントがこの問題解決に真剣に取り組み始め、一部の選手に対して未払い給料の支払いを始めていると報じています。ただし、全額の支払いはできておらず、支払い方法の同意が取れていない選手、スタッフもいるようだとも報じています。フォックススポーツによると、PDRM FAは選手とスタッフに対し2019年分の未払い給料が3ヶ月から4ヶ月分あるようです。
 マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、(1月31日の勝点3剥奪に続く)勝点6の剥奪となれば、リーグ戦に臨むチームのモチベーションに大きく影響するだろうと心配し、PDRM FAに勝点剥奪処分隣らないための努力を続けることを求めています。
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 なお、ここでいう未払い給料問題の「解決」とは、未払い給料を完済することだけでなく、分割などで支払う場合の支払い方法や期日について該当選手と合意に達することも含んでいます。
 ただし、先日は、未払い給料の問題がないとされていたトレンガヌFCの選手が給料を支払われていないことが発覚しており、今後も他のクラブで同様の問題が発覚する可能性があります。

バーレーンに代わる対戦相手はブータン…って
 来月3月から再開するFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼アジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会予選を前にして、予定していたバーレーンとの練習試合が新型コロナウィルスの影響で中止になったことを受け、マレーシアサッカー協会FAMは、代わりの練習試合の相手としてブータンを相手に交渉中であることをマレーシア語紙のブリタハリアン電子版が報じています。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、3月26日に予定されているワールドカップ予選のアラブ首長国連邦戦前に練習試合は必要としながらも、現在は新型コロナウィルスの影響により練習試合自体を組むことが難しくなっており、その中でも特に中東の代表チームとの試合が組みにくくなっていると話し、現時点では練習試合の依頼を引き受けてくれる国のサッカー協会FAと交渉するしか方法がなく、その一つがブータンサッカー協会であるとしています。
 なおマレーシアが最後にブータンと試合をしたのは2018年4月で、その際にはマレーシアがブータンを7ー0で破って勝利しています。

PJシティFCも本拠地での試合開催が困難に
 スランゴールFCのホームであるスランゴール州シャーアラムにあるシャーアラムスタジアムは、観客席を覆う天井部分の一部が崩落する可能性があることから、マレーシアフットボールリーグMFLから公式戦での使用許可が下りていませんが、同じスランゴール州プタリンジャヤのMBPJスタジアムをホームとするPJシティFCにも、今季の公式戦をホームで開催できない可能性が浮上しているとマレーシア語紙のハリアンメトロ電子版が伝えています。
 プタリンジャヤ(Petaling Jaya、通称PJ)市が所有するMBPJスタジアムは、現在、大掛かりな改修工事が行われていますが、その状況を視察したMFLのアブドラ・ガニ・ハサンCEOは、ハリアンメトロの取材に対し、開幕まで1週間を切った状況でピッチの改修作業が終わっていないことから、現時点でMBPJスタジアムでのMFL公式戦の開催許可を出すことはできないと語っています。
 PJシティFCのホーム開幕戦は3月6日のパハンFA戦ですが、ピッチの改修工事完了から芝が定着するまで10日ほどかかることから、開幕戦はMBPJスタジアム以外の試合会場を探すことになりそうです。

MFLはトレンガヌFCの新本拠地の使用を認可
 スタジアム関連の内容が続きますが、トレンガヌFCの公式Facebookでは、今季、トレンガヌFCがホームとして使用する予定のスルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアムSSMZAでのMFL公式戦開催をMFLが許可したと告知しています。
 2008年開場のSSMZAは、かつてトレンガヌFCのホームでしたが、2009年と2013年に観客席の屋根の部分が大きく崩落するなどして、改修工事が繰り返されてきました。またピッチの排水設備が不十分で、雨の後の試合ではピッチの状態が悪く、そこでプレーが行われることでさらに状態が悪化する悪循環が続いていたということで、トレンガヌFCは2017年以降はスルタン・イスマイル・ナシルディン・シャースタジアムを本拠地として使用してきました。しかしスタジアムとフィールド両方の状態が改善したことから、トレンガヌFCは今季から最大収容観客数5万人のSSMZAに戻ることになりました。

2月26日のニュース:WC予選前のバーレーン戦が新型コロナウィルスの影響で中止に、クロノス社がMFLのGK4名をブランド大使に、スランゴールFCは収容人数減を条件にシャーアラムスタジアムで試合開催か

WC予選前のバーレーン戦が新型コロナウィルスの影響で中止に
 FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼2023年アジアカップ予選が来月3月からの再開を前に、マレーシア代表は、その前にバーレーンのマナマにあるハリーファ・スポーツ・シティー・スタジアムで3月21日にバーレーン代表と練習試合を組んでいましたが、新型コロナウィルスの影響により中止になってしまいました。
 マレーシアの通信社ベルナマの報道によると、新型コロナウィルスの感染拡大を防ぐためにバーレーン政府は既に感染者が出ている19カ国からの入国を厳しく制限しており、その19か国の中にもはマレーシアも含まれていることから、バーレーンサッカー協会がマレーシアサッカー協会FAMに試合中止を申し入れたようです。
 バーレーンサッカー協会のエブラハム・サアド・アル・ブアイナイム事務局長から試合中止を謝罪する手紙を受け取ったことを明らかにしたFAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、3月26日に予定されているWC予選のアウェイでのアラブ首長国連邦UAE戦の前に代わりの試合を手配したいと述べています。
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 ワールドカップ出場に比べれば、2023年のアジアカップ出場は現在のフル代表にとってより現実的な目標なので、フル代表にはむしろこちらを目指して欲しいです。マレーシアが最後にアジアカップに出場したのは2007年の第14回大会ですが、その時はマレーシア、インドネシア、タイ、ベトナムの4カ国による共催だったことから開催国枠で出場できたもので、予選を勝ち上がって出場した大会となると1980年の第7回大会まで遡らなければなりません。

クロノス社がMFLのGK4名をブランド大使に
 イタリアのスポーツブランド、クロノス社Kronosは、マレーシアフットボールリーグMFLでプレーする4名のゴールキーパーとブランド大使契約を結んだと、サッカー専門サイトのヴォケットFCが報じています。
 1973年にイタリアのトレヴィーゾ県モンテベルナで生まれたクロノス社のブランド大使となったのは、ファリザル・ハルン(スランゴールFC)、レメゼイイ・チェ・ロス(UKM FC)、シャフィク・アフィフィ(ペラTBG II)、ザリフ・イルファン・ハシムディン(フェルダ・ユナイテッド)の4名で、クアラルンプール国際空港KLIAに近い三井アウトレットパークKLIAで行われたイベントで発表されています。(写真はクロノス社のFacebookより)

スランゴールFCは収容人数減を条件にシャーアラムスタジアムで試合開催か
 サッカー専門サイトのGoal.comによると、スランゴールFCは、MFLが改修を求めている天井の一部が崩落している客席部分を入場禁止にした上で、シャーアラムスタジアムでの試合開催許可をMFLに求める予定のようです。
 MFLから安全上の問題があることを指摘されている天井の崩落箇所はについては、スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会FASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長は施設の改修はFASの管轄外であることを、またシャーアラムスタジアムを管理するダルル・エーサン施設管理社(DEFM社)すぐには改修工事を始められないことを公言しており、シャーアラムスタジアムでの試合開催許可が降りない場合は、同じスランゴール州プタリンジャヤのMBPJスタジアムでスランゴールFCの試合を代替開催する可能性も示唆されていました。
 Goal. comの取材に対して、ジョハン事務局長は危険が指摘されている区画の客席を入場禁止にする一方で、防護ネットなどを設置して観客の安全を確保する作業は管理会社によって始まっており、ホーム開幕戦となる3月7日のペラTBG戦はもちろん、MFLが視察を行う3月4日までには完了する予定であると話しています。
 なおこの作業が影響を及ぼすのは、スタジアムの観客席の半数以下にあたる3万5000席程度ということですが、およそ8万人の収容が可能なシャーアラムスタジアムでは、それでもまだ4万5000席残っています。なお昨季3万人以上の観客を集めたのはマレーシアカップ準決勝とMFLの2試合だけだったことから、ジョハン会長は、スタジアムの半分を閉じたとしても、観客収容には何の問題もないと話しています。

2月25日のニュース:クダFAはJDTにチケット割り当て数増を求める、FAカップ2回戦のカードが決定、タイ1部リーグ第2節-代表コンビはともに出場

クダFAはJDTにチケット割り当て数増を求める
 今季のマレーシアフットボールリーグMFLは、今週金曜日2月28日のスンバンシーカップで開幕します。このスンバンシーカップは、英国プレミアリーグのチャリティーシールド(現コミュニティーシールド)を模した試合で、前年のMFL1部スーパーリーグ優勝クラブとマレーシアカップの優勝クラブが対戦する大会です。なお、昨季はスーパーリーグ、マレーシアカップとジョホール・ダルル・タジムJDTが優勝していることから、JDTはマレーシアFAカップ優勝クラブのクダFAと、開場したばかりのJDTの新本拠地スルタン・イブラヒムスタジアムで対戦しますが、このスンバンシーカップのチケットをめぐって、ちょっとした騒動が起こっていると英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が伝えています。
 このスンバンシーカップは、MFL1部スーパーリーグの公式戦として、JDTのホームゲームとして開催されますが、アウェイチームのクダFAに割り当てられたチケットが500枚となっていることが騒動の発端です。MFLの規定では、収容人数が2万人未満のスタジアムでは300枚、2万人以上4万人未満のスタジアムでは500枚、4万人以上のスタジアムでは1000枚のチケットをアウェイチームに割り当てることになっており、JDTはスルタン・イブラヒムスタジアムの収容人数が3万5000人であることから、MFLの規定に従って500枚のチケットをクダFAに割り当てましたが、クダFAはMFLを通じて1000枚のチケットを求めています。記事では、JDTは規定通りの対応をしており、MFLもJDTが割り当て増に応じない限り、何もできないとしています。
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 この問題はこのスンバンシーカップが本家のコミュニティーシールとは異なり、リーグ戦の一部となっていること、そして試合が中立地で行われていないことに端を発しています。特にJDTがリーグ6連覇中と言うことで、スンバンシーカップは今回も含め6回連続でJDTのホームでの開催になっています。
 しかしこれをコミュニティーシールドや隣国タイのチャンピオンズカップのように、リーグ開幕前に行い、会場も例えばブキジャリル国立競技場のような中立地とすれば、何の問題も発生しないどころか、MFLの主催試合として収入も得られると思うのですが、そんな発想はMFLにはないのでしょうか。

FAカップ2回戦のカードが決定
 先週末に行われたFAカップ1回戦の結果を受けて、昨日2月24日にFAカップ2回戦の組み合わせ抽選が行われました。なお、このFAカップは3年連続でシンガポールのEコマース(ネットショッピング)サイトShopee「ショッピー」が冠スポンサーとなり、Shopee FAカップと名称が変更になっています。
 以下は3月17日から18日かけて行われるFAカップ2回戦のカードです。注目のカードの下に小ネタを添えてみました。
*(カッコ)内は所属リーグ:(1)はMFL1部スーパーリーグ、(2)はMFL2部プレミアリーグ、(3)はMFL3部M3リーグ、(4)はMFL4部M4リーグ

PJシティFC(1)対イミグレーション(入国管理局)FC(3)
 内紛騒動で揺れるPJシティFCと、給料未払い問題未解決のためM3出場停止になったジョホールFAに代わって急遽参加したイミグレーションFCの対戦。チーム内にゴタゴタがあるとは言え、M3相手では順当にPJシティFCが勝利するでしょう。
サバFA(1)対クアラルンプールFA(2)
 昨季MFL2部優勝クラブと昨季MFL1部最下位クラブの対戦です。来季の1部昇格を目指すクアラルンプールFAにとっては、負けられない相手でしょう。
クダFA(1)対パハンFA(1)
 2回戦でMFL1部同士が対戦するのは少々残念ですが、今季大型補強を行った昨季4位のクダFAが昨季2位のパハンFAと対戦する2回戦屈指の好カードです。
フェルダ・ユナイテッド(1)対ケランタン・ユナイテッド(2)
 昨季MFL3部で圧勝して2部に昇格したケランタン・ユナイテッドと、すんでのところでMFL1部残留を果たしたフェルダ・ユナイテッドの対戦です。フェルダUには、恵龍太郎選手が在籍しています。
ペナンFA(2)対ヌグリスンビランFA(2)
 今季のMFL2部のクラブの中で最も1部昇格に近いクラブ同士の対戦です。ヌグリスンビランFAには中武駿介選手が在籍しています。
スランゴールFC(1)対サラワク・ユナイテッド(2)
 スランゴールFCのサティアナタン監督と反りが合わず退団したアムリ・ヤハヤが加入したのがサラワク・ユナイテッド。「自分が加入するクラブをスランゴールFCは倒せない」という捨て台詞が正しかったのかどうかが見ものです。
UITM FC(1)対クチンFA(2)
 今月上旬のプレシーズンマッチで対戦し、UITM FCが3-2と勝っているカード。ただし、プレシーズンマッチということで、その結果はあてにはならないでしょう。クチンFAには鈴木雄太選手とタニガワユウキ選手が在籍しています。
KLローバーズ(3)対ジョホール・ダルル・タジムJDT(1)
 昨季MFL2部でプレーした外国籍選手2名を補強し、M3では別格のKLローバーズは国内最強のJDTとの対戦です。MFL2部のクラブなら意外に勝てるかとも思いましたが、今回は相手が悪すぎます。
ケランタンFA(2)対プロタップFC(3)
 外国籍選手がなかなか決まらなかったクランタンFAには、昨季フェルダ・ユナイテッドでプレーした渡邉将基選手が加入し、MFL2部でプレーする選手は6名になりました。
マラッカ・ユナイテッド(1)対ランカウィシティFC(3)
クアタグFC(4)対KSRサイエンスFC(3)
SS FC(4)対UKM FC(2)
ノーザンライオンズFCマーサ対PDRM FC
マークレスST(4)対AF(国軍) FC(3)
ペラTBG(1)対KTローバーズ(3)
サラワク・ユナイテッドII(3)対トレンガヌFC(1)
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 なおShopeeがスポンサーとなったことで、FAカップやMFLの試合もShopeeのサイトからオンラインで購入できます。詳しくはこちらをどうぞ。チケット1枚購入につき1枚無料(!)のキャンペーンもやっています。

ちなみにFAカップのスポンサーとなったShopeeは、インドネシア1部リーグのスポンサーにもなっていますが、あのクリロナにひどいダンスを踊らせたことでも有名です。

https://www.youtube.com/watch?v=fHH3QfBSs7I

タイ1部リーグ第2節-代表コンビはともに出場
 隣国タイリーグ1部の第2節が行われ、ノーシャルル・イドラン・タラハが所属するBGパトゥム・ユナイテッドはアウェイでプラチュワップFCと対戦し0-0の引き分けでした。なおノーシャルル選手は第1節に続いて先発出場し、75分に交代しています。
 またドミニク・タンが所属するポリス・テロFCはアウェイでトラートFCと対戦し3−1と勝利し、開幕2連勝を飾っています。タン選手は73分に途中出場し、試合終了までプレーしました。
 なお明日2月26日に行われる第3節では、2人の所属するクラブが直接対決する「マレーシア選手ダービー」がBGパトゥム・ユナイテッドのホーム、レオスタジアムで開催されます。
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 マレーシア人選手の動向はタイリーグの公式サイトで調べるのですが、タイリーグのサイトは一部が英語になっているので、記事は読めなくとも記録を調べるにはとても便利です。MFLもこれくらいのサイトを作ってくれると、より多くの情報を世界に発信できるのでありがたいのですが…。

MFL1部スーパーリーグのクラブ紹介と今季の順位予想(6):パハンFA、JDT

今季2020年シーズンのマレーシアフットボールリーグMFL1部と2部は2月28日に開幕します。そこで前回に続き、今季のMFL1部スーパーリーグでプレーするクラブの紹介と、独断と偏見に基づいてた順位予想を行います。今回は最後となる第6回です。(人名の後に特に表記がない場合はマレーシア人です)

パハンFA(ホーム:ダルル・マクムールスタジアム-パハン州クアンタン)
(昨季結果:MFL1部2位 / 今季予想:4位)
<監督>
ドラー・サレー(パハンFA監督4季目)
<外国籍選手>
FWディクソン・ヌワカエメ(ナイジェリア、昨季より移籍)
DFエラルド・グロン(フランス、昨季より残留)
FWイヴァン・カルロス・フランサ・コエーリョ(ブラジル、キプロス1部リーグのAELリマソールより移籍)
DFカリル・カミス(レバノン、レバノン1部リーグのアル・アヘドFCから移籍-アジア枠)
DFアダム・マイケル・リード(フィリピン、タイ1部リーグのチャイナート・ホーンビルFCより加入ASEAN東南アジア枠)
<主力選手>
GKヘルミ・エリザ
DFファイザル・ロスリ
MFアザム・アジー
FWモハマド・スマレ
<クラブ概要>
 パハン州サッカー協会PFAが運営するクラブで、2017年のドラー・サレー監督就任後はリーグ戦では2位、4位、2位、マレーシアFAカップは準優勝、優勝、ベスト4と、マレーシアカップ準優勝とカップ戦では好成績を収めました。
 しかし、昨季終了後はエラルド・グロン以外の外国籍選手との契約を延長せず、サフアン・バハルディン(シンガポール、スランゴールFCへ移籍)、サディル・ラムダニ(インドネシア、バヤンガラFCに移籍)らを放出、さらにノーシャルル・イドラン・タラハ(タイ1部BGパトゥム・ユナイテッドに移籍)も退団する一方で、新戦力獲得のニュースもないままでしたが、ここに来てパハンFAサポーターからの支持も多かったディクソン・ヌワカエメが今季も残留することが決まり、今季の布陣も整ったかと思ったところで飛び込んできた代表でもプレーするマシュー・ディヴィーズ退団のニュースは衝撃的でした。しかも移籍先はライバルのJDTとなれば、パハンFAサポーターにとっては二重のショックです。ということで、予想はクダFAやスランゴールFCより下位の4位としました。

ジョホール・ダルル・タジムJDT(ホーム:スルタン・イスマイルスタジアム-ジョホール州イスカンダル・プトゥリ)
(昨季結果:MFL1部1位 / 今季予想:1位)
<監督>
ベンジャミン・モラ(メキシコ、JDT監督2季目)
<外国籍選手>
FWジオゴ(ブラジル・昨季から残留)
MFレアンドロ・ヴァレスケス(アルゼンチン・昨季から残留)
FWゴンザロ・カブレラ(イラク、昨季から残留-アジア枠)
MFハリス・ハルン(シンガポール、昨季から残留-ASEAN東南アジア枠)
DFマウリシオ(ブラジル、昨季から残留)
<主力選手>
GKファリザル・マーリアス
DFマシュー・デイヴィーズ(パハンFAより移籍)
DFラヴェル・コービン=オング
MFナズミ・ファイズ
MFリリドン・クラスニキ(マラッカ・ユナイテッドより移籍)
FWサファウィ・ラシド
<クラブ概要>
 ジョホール州皇太子トゥンク・イブラヒム殿下がオーナーのクラブで、MFL1部を6連覇中です。昨季は初出場となったACLで鹿島を破るなど、現在、マレーシアのトップクラブです。
 主力選手の欄には書ききれなかったアイディル・ザフアン、シャフィク・アーマド、アキヤ・ラシド、アダム・ノー・アズリン、アフィック・ファザイル、シャマー・クティ・アッバなど、昨季は代表でプレーした選手たちがいますが、帰化選手となったリリドン・クラスニキやマシュー・デイヴィーズを補強したことで、彼らがベンチを温める可能性があるほどの選手層の厚さを誇るクラブになりました。
 主力選手の代表招集やACL本戦に備えて、いわゆる「ローテーション」が可能になるよう、BチームのJDT IIには昨季はクダFAで活躍したFWフェルナンド・ロドリゲス(スペイン)や廣瀬慧(インドネシア1部リーグのプルセラ・ラモンガンから移籍)も在籍し、いつでも外国籍選手の入れ替えを可能にする用意周到ぶりです。
 昨季の16勝5分1敗も素晴らしい成績でしたが、今季は無敗で終える可能性すらあり、そんな中であえて心配な点を探すとすれば、代表招集やACL出場による選手の疲弊やシーズン中のケガくらいしかなく、むしろそういった外因がない限りはMFL7連覇が濃厚ということでもあります。

MFL1部スーパーリーグのクラブ紹介と今季の順位予想(5):クダFA、スランゴールFC

今季2020年シーズンのマレーシアフットボールリーグMFL1部と2部は2月28日に開幕します。そこで前回に続き、今季のMFL1部スーパーリーグでプレーするクラブの紹介と、独断と偏見に基づいてた順位予想を行います。今回はその第5回です。
(人名の後に特に表記がない場合はマレーシア人です)

クダFA(ホーム:ダルル・アマンスタジアム-クダ州アロースター)
(昨季結果:MFL1部4位 / 今季予想:2位)
<監督>
アイディル・シャリン・サハック(シンガポール、クダFA監督2季目)
<外国籍選手>
FWチェチェ・キプレ(コートジボアール、トレンガヌFCより移籍)
FWクパ・シャーマン(リベリア、PKNS FCより移籍)
MFアミン・ナザリ(フィリピン、タイ1部リーグのラーチャブリーFCより移籍-アジア枠)
DFシャキル・ハムザ(シンガポール、昨季から残留-ASEAN東南アジア枠)
DFレナン・アウヴェス(ブラジル、昨季から残留)
<主力選手>
GKイフワット・アクマル
MFデイビット・ロウリー
MFバドロル・バクティアル
FWハディン・アズマン(フェルダ・ユナイテッドから移籍)
<クラブ概要>
 クダ州サッカー協会KFAが運営するクラブで、昨季のマレーシアFAカップ優勝、マレーシアカップ準優勝とカップ戦では好成績を収めました。FAカップチャンピオンということで、今季は既にアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグのプレーオフを戦っています。(結果は韓国KリーグのFCソウルに1−4と敗れ、ACL本戦出場はなりませんでした。)
 外国籍選手、マレーシア人選手とも今季開幕前に最も積極的に戦力補強を行ったクラブで、スランゴールFCとともにJDTの連覇を止める可能性があるクラブです。昨季のチーム得点王フェルナンド・ロドリゲズ(スペイン。JDT IIに移籍)とチーム2位のゴールを記録したジョナサン・バウマン(アルゼンチン、インドネシア1部リーグのアレマFCに移籍)を放出したものの、昨季のMFL1部得点王のクパ・シャーマンと、トレンガヌFCでの過去3シーズンで29ゴール(50試合)を挙げているチェチェ・キプレを加入させています。また前述のACLプレーオフでは、昨季はフル代表候補にもなったGKイルファット・アクマルに代わってPDRMから加入したGKシャアリル・サアリを先発で起用するなど、選手層も厚みを増しています。
 クダFAを率いて2年目のアイディル・シャリン監督の目指すパスサッカーも浸透しつつあるので、昨季の4位よりも上の順位を狙えるクラブになってきています。

スランゴールFC(ホーム:シャーアラムスタジアム-スランゴール州シャーアラム)
(昨季結果:MFL1部3位 / 今季予想:3位)
<監督>
サティアナタン・バスカラン(スランゴールFC監督2季目)
<外国籍選手>
MFサンドロ・ダ・シルバ(ブラジル・昨季から残留)
FWルフィノ・セゴヴィア(スペイン・昨季から残留)
FWイフェダヨ・オルセグン(ナイジェリア、昨季から残留)
DFサフアン・バハルディン(シンガポール、パハンFAより移籍-ASEAN東南アジア枠)
DFテイラー・リガン(オーストラリア、昨季から残留-アジア枠)
<主力選手>
MFブレンダン・ガン(ペラTBGより移籍)
DFニコラス・スウィラッド(PKNS FCより移籍)
GKカイルルアズハン・カリド
MFシャズワン・ザイノン
MFワン・ザック・ハイカル
MFシャミ・サファリ
<クラブ概要>
 スランゴール州サッカー協会FASが運営するクラブで、ここ数年はJDTの後塵を拝しているものの、マレーシアで最も多くのサポーターを抱えるクラブの一つです。
 JDTの対抗馬として臨む今季の補強の目玉は何といってもブレンダン・ガンでしょう。中盤の司令塔が固定されなかったスランゴールFCがまさに必要としていた人材です。昨季途中に加入しリーグ戦10試合で12ゴールを挙げたイフェダヨ・オルセグンとのホットラインは他のクラブの脅威となるでしょう。昨季途中に負ったケガからの回復が遅れているルフィアノ・セゴヴィアは開幕には間に合わないようですが、シャズワン・ザイノン、ワン・ザック・ハイカルと攻撃陣は昨季2位の得点力がさらに向上する可能性があります。
 昨季22試合で35失点を喫した守備陣も、2季目となる主将のDFテイラー・リガンに加え、守備的MFサフアン・バハルディンをパハンFAから、DFニコラス・スウィラッド、DFロドニー・セルヴィンといった選手たちを獲得したことで安定感が増しそうです。
 あえて心配な点を挙げるとすれば、プレシーズンで質の高い練習試合を組めていないことでしょうか。コロナウィルスの影響で中国遠征を中止、さらにインドネシアへの遠征も見送るなど、ドバイで合宿を張ったJDTやカンボジア遠征を行ったクダFAと比べると十分な試合が組めていないような気がします。昨季はスタートダッシュに失敗した結果、開幕5試合目には10位に低迷し、一部サポーターによるサティアナタン監督の解任運動にまで発展したこともあり、同じ轍は踏みたくないところです。

2月24日のニュース:マレーシアのFIFAランキングは154位と変わらず、PJシティFCは内紛が勃発か、ケガ人続出でシャミ・サファリはポジション変更も

マレーシアのFIFAランキングは154位と変わらず
 国際サッカー連盟FIFAの最新ランキングが発表になり、マレーシアは154位、東南アジアでは5位と前回と変わりませんでした。ワールドカップ予選など国際試合がなかったため、ベトナム1位(世界94位)、タイ2位(同113位)、フィリピン3位(同124位)と東南アジアランキングの上位国とも順位の変動はありません。
 来月3月からはW杯予選が再開されますので、次のランキング発表では大きな変動があるかも知れません。

PJシティFCは内紛が勃発か
 今季のマレーシアフットボールリーグMFLはいよいよ今週末に開幕します。各クラブは最終調整に余念がないところだと思いますが、マレーシア語紙ハリアンメトロは、PJシティFCで監督と選手の確執が起こっているようだと報じています。
 記事によると、選手の大半がプレシーズンの練習試合でデヴァン・クップサミー監督が採用する戦術に不満を持っており、一部選手の話として戦術への不満に加えて、デヴァン監督の新加入の選手への対応にも問題があるとされています。なお、この事態はすでにフロントまで伝わっているようで、記事の中では、開幕からの5試合の結果をもとにデヴァン監督の今後の去就が決まる可能性があると伝えています。ハリアンメトロの取材に対して、デヴァン監督はチーム内は良いムードであると確執については否定していますが、ハリアンメトロの記事はMFLで今季最初に還任される監督となる可能性があると結んでいます。
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 この騒動については、ネット上の噂というだけでなく、当地の複数の新聞にも取り上げられており、根も葉もない話ではなさそうです。昨季のチームからは残留したのは8名のみとメンバーを大幅に変えたPJシティFCについて、オーナーは昨季の8位から今季はトップ5入りを厳命しており、開幕でつまずけば5試合を待たずにフロントが監督交代を決める可能性もありえそうです。

ケガ人続出でシャミ・サファリはポジション変更も
 スランゴールFCは、いわゆるウイングの選手にケガ人が続出しています。
 ペラTBGから加入したばかりのノー・ハキム・ハサンが膝前十字靭帯の損傷で今季の出場が絶望となり、シャズワン・ザイノンも足首のケガが回復していません。また、昨季、やはろ膝前十字靭帯を損傷し、今季復帰のワン・ザック・ハイカルも完調には程遠い状況です。このポジションには、ベテランのカイリル・ムヒミーンがいますが、年間を通しての出場となると不安が残ることから、サティアナタン・バスカラン監督はサイドバックのシャミ・サファリをウイングとして起用する可能性を英字紙スター電子版が報じています。
 スランゴールFCとマレーシア代表では右サイドバックとしてプレーするシャミ・サファリは、スターのインタビューに対し、自分がスランゴールFA(当時)でプレーし始めた2017年のポジションはウィングだったと述べ、現在のポジションに定借したのはこの2年ぐらいであること、またサイドバックからウイングに戻るためには修正が必要なものの、ウイングとしてプレーしてみたい気持ちはあるとも話しています。
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 サイドバックながら、積極的なオーバーラップが持ち味のシャミ選手は、前回の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップでも素晴らしいゴールを決めており、ウイングの資質ありそうなことは下の映像からもわかるかと思います。

2月23日のニュース:M3のグループ分けが決定-移動距離を考慮した編成に、M3クラブは寄付によりFAカップの試合実施が可能に、プレジデントカップとユースカップのグループ分けも発表

M3のグループ分けが決定-移動距離を考慮した編成に
 マレーシアフットボールリーグMFL3部のM3リーグを統括するアマチュアフットボールリーグAFLは、今季M3リーグに参加する20クラブのグループ分けを発表しています。
 3月7日に開幕するM3リーグは、2021年のセミプロ化に向けて、昨季の14クラブから6クラブ増えた20クラブで行われますが、この20クラブが移動距離などを考慮してグループAとBに分けられました。セミプロ化される来季M3リーグはMFL1部や2部同様12クラブで構成されるため、今季のM3リーグはその12/20を決めるシーズンとなります。
 グループAにはマレー半島の北部のクラブと、クランヴァリーと呼ばれるクアラルンプールとスランゴール州のクラブが入り、グループBにはマレー半島南部、東海岸、そしてボルネオ島のクラブが入っています。
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 スポンサー獲得が難しいとされるM3クラブが抱える問題については、以前も取り上げましたが、運営費用の中で大きな割合を占めるものとして選手、スタッフと給料など人件費の他に、遠征費用があります。マレー半島とボルネオ島とでは、当然バス移動はできず、飛行機で2時間ほどかかる場所もあるため、運営が苦しいM3クラブにとっては大きな負担であることから、このようなグループ分けになったのでしょう。
 なお、この遠征費用については、この次の記事を読んでいただくと、どのくらい切実な問題かが理解できると思います。

M3クラブは寄付によりFAカップの試合実施が可能に
 今週末の2月22日と23日には、上記のM3とMFL4部のM4のクラブが出場するマレーシアFAカップの1回戦が行われています。
 マレー半島東海岸にあるトレンガヌ州クママンを拠点とするM3リーグ所属のリアル・チュカイFCは、ボルネオ島のサラワク州クチンでやはりM3リーグのサラワク・ユナイテッドIIと本日2月23日に対戦予定ですが、その試合を前にFacebook上で遠征費用の寄付を募るということが行われました。
 2月20日にクラブの公式Facebook上で、遠征費用の内、1万9500リンギ(およそ52万円)が不足しており、この金額が集まらない場合には試合出場を取り止めなければならないことを告知し、広く寄付を募集しました。その後は複数のメディアでもこの窮状が取り上げられたおかげか、その日のうちに個人だけでなく企業スポンサーが名乗り出るなどして寄付が集まったようです。
 Facebook上でも寄付を感謝する記事が上がっており、無事、本日の試合ができるようになったようです。
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 最初の記事と合わせて読むと、下位リーグの苦しい状況がわかります。こういった状況はマレーシアだけではないのだと思いますが、そういった環境でプレーを続けていく選手のみなさんには敬意を払いたいと思います。
(左は寄付を募るポスト。下の方に銀行名と口座番号が書かれています。右は十分な寄附が集まり、マレーシア語、中国語(北京語)、タミル語、英語で感謝を表すポスト。

プレジデントカップとユースカップのグループ分けも発表
 下位リーグとは別に、MFL各クラブのU21の選手が出場するプレジデントカップとU19の選手が出場するユースカップのグループ分けがFAMの公式Facebookで発表になっています。
 プレジデントカップでは、北部ゾーンとなるグループAにMFLの10クラブのU21チームと国家サッカー選手養成プログラムNFDPのエリートアカデミーであるモクタル・ダハリアカデミーのU17が、グループBにはMFLの12クラブのU21チームが入り、ホームアンドアウェイ形式のリーグ戦を行います。その後、各グループの上位4チームがノックアウトステージに進み、7月末の決勝戦まで熱い戦いを繰り広げます。(以下はFAMのFacebookより。クラブのロゴの横に書かれているのは監督の名前です。)

一方のユースカップは、北部ゾーンとなるグループAにMFLの9クラブのU19チームとAMDのU16が、グループBにはMFLの11クラブのU19チームが入り、やはりホームアンドアウェイ形式のリーグ戦を行います。その後、各グループの上位4チームがノックアウトステージに進み、こちらは6月半ばの決勝戦まで熱い戦いを繰り広げます。(以下はFAMのFacebookより。クラブのロゴの横に書かれているのは監督の名前です。)

MFL1部スーパーリーグのクラブ紹介と今季の順位予想(4):マラッカ・ユナイテッド、ペラTBG

今季2020年シーズンのマレーシアフットボールリーグMFL1部と2部は2月28日に開幕します。そこで前回に続き、今季のMFL1部スーパーリーグでプレーするクラブの紹介と、独断と偏見に基づいてた順位予想を行います。今回はその第4回です。
(人名の後に特に表記がない場合はマレーシア人です)

マラッカ・ユナイテッドFC(ホーム:ハントゥアスタジアム-マラッカ州マラッカ)
(昨季結果:MFL1部6位 / 今季予想:7位)
<監督>
ザイナル・アビディン・ハサン(マラッカ・ユナイテッド監督2季目)
<外国籍選手>
MFロメル・モラレズ(コロンビア、PKNS FCより移籍)
FWウチェ・アグバ(ナイジェリア、PDRM FCより移籍)
MFソニー・ノルデ(ハイチ、アゼルバイジャン1部リーグのジラFKより移籍)
DFチャン・ソグゥオン(韓国、昨季から残留-アジア枠)
DFナルポン・ワイルド・プッソーン(タイ、タイ1部リーグのナコーンラーチャシーマーFCより移籍-ASEAN東南アジア枠)
<主力選手>
GKカイルル・ファミ・チェ・マット
MFサフィク・ラヒム
MFサイフル・リズアン
DFラズマン・ロスラン
<クラブ概要>
 マラッカ州サッカー協会MUSAが運営するクラブで、2017年にMFL1部に昇格後は8位、7位、6位と確実に順位を上げてきています。
 JDTとフル代表で主将を務めたMFサフィク・ラヒムや2012年スズキカップ優勝時のGKカイルル・ファミなどベテランの活躍もあり、リーグでは6位となりましたが、このクラブもやはり給料未払い問題が昨季途中で発覚し、マレーシアカップ準々決勝直前には主将のシュコール・アダン(現クアラルンプールFA)が試合出場を拒否するなどして敗戦、そのままシーズン終了を迎えました。
 気になるのは昨季のチーム1位と2位のゴールを挙げたMFパトリック・ライヒェルト(フィリピン、タイ1部のスパンブリーFCへ移籍)とMFルカ・ミルノヴィッチ(セルビア、ハンガリーのデブレツェニVSCに移籍)との契約を延長せず、新たな外国籍選手と契約した点です。特にミルノヴィッチ選手は、期限付き移籍していたサバFAから2度目のトランスファーウィンドウの際に呼び戻され、シーズン後半の10試合で7ゴールを挙げる活躍を見せていただけに、代わって加入したモラレズ選手とウチェ選手がMFL経験を生かして退団した2人並の成績を残せるのかどうかが、マラッカ・ユナイテッドの今季の成績に直結しそうです。

ペラTBG(ホーム:ペラスタジアム-ペラ州イポー)
(昨季結果:MFL1部7位 / 今季予想:6位)
<監督>
メフメト・ドゥラコビッチ(オーストラリア、ペラTBG監督4季目)
<外国籍選手>
FWギリェルメ・デ・パウラ(ブラジル、クアラルンプールFAより移籍)
DFチエリー・チャンタ・ビン(カンボジア、トレンガヌFCより移籍-アセアン東南アジア枠)
MFレアンドロ・ドス・サントス(ブラジル、ペラTBG3季目)
FWカレッカ(ブラジル、昨季から残留)
DFアントニー・ゴレック(オーストラリア、インドネシア1部リーグのバダック・ランプンFC より移籍)
<主力選手>
GKハフィズル・ハキム
DFシャルル・サアド
DFナジルル・ナイム
<クラブ概要>
 ペラ州サッカー協会PFAが運営するクラブで、2018年にはMFL1部で2位、マレーシアカップ優勝という成績を残しましたが、昨季はマレーシアFAカップは準優勝に終わったものの、MFLでは7位と順位を大きく下げました。
 代表でも主力として活躍する、いわゆる「ボックストゥボックス」タイプのMFブレンダン・ガンとFWノー・ハキム・ハッサンが共にスランゴールへ移籍した一方で、外国籍選手以外には目立った補強がないペラTBGですが、BチームとなったPKNP FCに在籍していた選手たちや、プレジデントカップ(U21)、ユースカップ(U19)の選手たちを昇格させて今季に臨むようです。
 新加入のデ・パウラ選手を含めたブラジルトリオの活躍次第ではリーグ中位から上位を狙えそうです。また、デ・パウラ選手が行っている帰化申請が承認されてマレーシア人選手としての登録が可能になれば、さらに外国籍選手の加入も可能になるので、そうなれば確実に上位を狙えるチームへと変貌する可能性もあります。

2月22日のニュース:MFLが女性審判を採用、今季の助成金は来週にも分配へ、来季のAFCカップ本戦出場権2枠がマレーシアに与えられる

MFLが女性審判を採用
 マレーシアサッカー協会FAMの公式サイトでは、今季のMFLの試合を担当する3名の女性審判を紹介しています。
 リタ・ガニ、ヌル・アクマル・アヌアル、ヌルル・アイン・イザティ・ザイナルの3名のうち、婦人警官のリタ氏は2014年のアジア最優秀女性審判にも選ばれており、2015年の女子ワールドカップや2016年のリオデジャネイロ五輪でも審判の経験があり、ヌル・アクマル氏とともに今季はMFL2部プレミアリーグの審判からスタートすることになっています。またヌルル・アイン氏は14歳(!)だった2012年から審判を務めており、今季のプレジデントカップ(MFL各クラブのU21チームによる大会)やユースカップ(同U19による大会)の審判を担当します。
 FAM審判委員会のモハマド・ダリ・ワヒド委員長は、審判知識とフィットネスの両審査に合格した30名を今季MFL1部と2部の試合を担当する審判員に選出していますが、この3名の女性審判も男性審判と同じ審査を受けて合格しているとし、この3名の起用によって、より多くの女性が審判に関心を持つことを期待したいとしています。
 ダリ・ワヒド委員長は、昨季は審判の質について多くの不満が出ていたとして、審判委員会として問題点の解消と審判技術の向上などに取り組んできたとも述べています。さらにマレーシア人審判に対するサポーターからの低い評価については、マレーシア人審判はAFC主催の試合で審判を務めていることから、その技術は決して低くないと強調しています。

今季の助成金は来週にも分配へ
 昨季は大型スポンサーとされていたテレコム・マレーシア社(TM社)の撤退により、予定されていた助成金の半分しか分配できなかったMFLですが、今季の助成金が来週にもMFL1部と2部の24クラブに分配されるようです。
 英字紙スター電子版によると、MFL1部のクラブには100万リンギ(およそ2660万円)、MFL2部のクラブには50万リンギが分配されることを、MFLの新たなCEOに就任したアブドル・ガニ・ハサン氏が発表しました。
 助成金の金額は、MFLがスポンサーより得た金額に基づいているとし、MFL各クラブにはその点を了解して欲しいとも述べています。
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 今季はスポンサーに「復帰」したTM社やスーパーリーグの冠スポンサーとなったマレーシア第2の金融グループCIMB社などのおかげでそれなりに収入はあるとは思うのですが、昨季の助成金はMFL1部が300万リンギ、MFL2部が100万リンギが当初は支給される予定でしたが、最終的にはそれぞれ半額の150万リンギと50万リンギが支給されました。しかも、MFLはこの金額を助成金ではなく「放映権料」としており、今回TMが独占的にMFLの試合を放映するのであれば、各クラブが受け取る放映権料は増額されても良さそうなのですが、こういった疑問については触れられていません。

来季のAFCカップ本戦出場権2枠がマレーシアに与えられる
 同じスター電子版では、MFLのアブドル・ガニCEOの話として、マレーシアのクラブにAFCカップの本選出場権2枠が与えられたことが公表されています。
 AFCチャンピオンズリーグACLの下位大会にあたるAFCカップは、昨季までは、ACLに出場資格のない国のクラブを対象とした大会でした。このため昨季に限って言えば、JDTがACL本戦に出場したため、マレーシアのクラブにはAFCカップへの出場資格がありませんでした。しかし来季からはこの規定が変更になり、マレーシアにAFCカップ本戦出場枠2枠が与えられることになったことから、MFL1部2位のクラブとマレーシアFAカップ優勝クラブにこの出場枠が与えられることになりました。
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 ACLに加えてAFCカップでMFLクラブが好成績を上げることができれば、過去4年間のAFC主催大会(ACLとAFCカップ)でのクラブの成績とフル代表の成績をもとに算出されるAFCクラブコンペティションランキングも上昇し、現在1枠のACLへの出場枠が増加する可能性もあります。