2021年Mリーグ2部プレミアリーグ第4節結果

 3月6日に開幕したMリーグ2部プレミアリーグは3月16日から早くも第4節が始まります。なお試合カードの左側がホームチームです。また試合の映像は各クラブの公式Youtubeチャンネルからお借りしています。

2021年3月16日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(ケランタン州コタバル)
ケランタン・ユナイテッド 0-0 JDT II
得点者:なし
 本拠地3連勝を狙ったケランタン・ユナイテッドは今季2度目の無得点で引き分けています。
 ケランタン・ユナイテッドの谷川由来、深井脩平の両選手は先発してフル出場、本山雅志選手は46分から出場し、試合終了まで出場しています。
 JDT IIの廣瀬慧選手は先発してフル出場しています。

2021年3月16日@スルタン・イスマイル・ナサルディン・シャースタジアム(トレンガヌ州クアラトレンガヌ)
トレンガヌII 0-0 ケランタン
得点者:なし
 マレー半島東海岸に面したトレンガヌ州とケランタン州の対決は「東海岸ダービー」と呼ばれていますが、今回は両チーム無得点の引き分けという結果になりました。
 開幕戦ではFAM MSNプロジェクトに4-0と大勝しながら、その後は3試合連続の引き分けとトレンガヌのバドルル・アフザン・ラザリ監督は多くのチャンスがありながら、選手が冷静さを欠いた結果、それが活かせなかったこと、そして多くの選手が前節のヌグリスンビラン戦による疲労から回復していなかったことを引き分けの原因と分析しています。
 トレンガヌIIの渡邉将基選手は先発してフル出場しています。

https://youtu.be/nVkP1hCdL0A

2021年3月16日@UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
FAM MSNプロジェクト 1-3 PDRM
得点者:FAM-アズハド・ハラズ・アルマン(70分)、PDRM-ムハマド・アミルル・ワイエ・ヤアコブ2(2分、23分)、ラザラス・カイムビ(67分PK)
 いずれも今季まだ勝利がない11位と12位の対決となったこの試合は、1部から降格したPDRMが今季暫定で2部に参加しているFAM MSNプロジェクトを破り、今季初勝利を挙げています。
 PDRMの鈴木ブルーノ選手は第2節にケガのため途中交代しましたが、この試合は前節に続きベンチ入りしていません。

2021年3月16日@ハンジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
サラワク・ユナイテッド 2-0 クチンシティ
得点者:サラワク-ウチェ・アグバ(9分)、スチュアート・ウォーク (45+5分)
 本来はサラワク州クチンを本拠地とする両クラブですが、新型コロナウィルスによる条件付き移動制限令CMCOとサラワク州への渡航の際に義務付けられている2週間の検疫隔離を避けるため、今季はいずれもクチンでのホームゲーム開催を断念しています。この日の「サラワク・ダービー」は今季、サラワク・ユナイテッドの暫定本拠地となっているマラッカ州のハンジェバ・スタジアムで開催されました。
 試合は今季2部プレミアリーグで優勝候補のサラワク・ユナイテッドがウチェ・アグバの3試合連続ゴールなどで開幕からの連勝を3に伸ばしています。
 クチンシティの鈴木雄太選手は先発してフル出場しています

2021年3月17日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラII 0-2 ヌグリスンビラン
得点者:ヌグリスンビラン-R・バラトクマル(20分)、アラン・アコノ(60分)
 R・バラトクマルの3試合連続ゴールなどでヌグリスンビランが首位を堅持しています。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ順位(第4節終了時)

ClubGWDLGFGAGDP
1NS431084410
2SU33007079
3KEL32114317
4KU32114317
5SEL32018446
6TFC41307346
7JDT31114314
8PDRM410348-43
9PRK410327-53
10KCH301226-41
11FAM4004413-90
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:NS-ヌグリスンビラン、TFC-トレンガヌII、PRK-ペラII、SEL-スランゴール2、KEL-ケランタン、KU-ケランタン・ユナイテッド、KCH-クチンシティ、FAM-FAM MSNプロジェクト、SU-サラワク・ユナイテッド

*今季の2部プレミアリーグは11チームが参加のため、各節で1チームだけ試合がありません。第4節はスランゴール2の試合がありませんでした。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ得点ランキング(第4節終了時)

選手名(所属クラブ)ゴール数
1ジョージ・アトラム(SEL)5
2ウチェ・アグバ(SU)4
3アズハド・ハラズ・アルマン(FAM)ら3名3
クラブ名:NS-ヌグリスンビラン、TFC-トレンガヌII、PRK-ペラII、SEL-スランゴール2、KEL-ケランタン、KU-ケランタン・ユナイテッド、KCH-クチンシティ、FAM-FAM MSNプロジェクト、SU-サラワク・ユナイテッド

3月18日のニュース:代表監督は合宿招集メンバーの顔ぶれへの疑問に回答、トレンガヌFCは映画館を利用したパブリックビューイングを計画、続報-トレンガヌが予定した第4節のパブリックビューイングは行わず、サッカー協会とブキジャリル運営会社が契約を延長-2025年12月まで代表の本拠地に

代表監督は合宿招集メンバーの顔ぶれへの疑問に回答
 英字紙スター電子版は、来週3月22日から30日までの予定で、Mリーグ1部JDTの施設を使って行われる代表合宿へタン・チェンホー監督が招集したメンバーの顔ぶれについてソーシャルメディア上で疑問の声が上がる中、自身の選考について反論しています。
 今回召集されたメンバーには、マレーシア人の両親などを持たない帰化選手でブラジル出身のFWギリェルメ・デ・パウラ(ペラ)や今季からJDTに移籍したMFダニエル・アミエル・ノーヒシャムが初めて召集された他、一昨年11月のW杯2022年大会アジア二次予選代表のメンバーだったMFシャマー・クッティ・アッバ、Fムハマドゥ・スマレ、FWアキヤ・ラシド、FWシャフィク・アフマド(いずれもJDT)が含まれていますが、これらの面々はここまでの第4節では明らかに不調であったり、所属するチームでレギュラーポジションが獲得できておらず試合の出場時間が極端に少ない選手であることから、これらの選手を招集したタン監督の選考に疑問の声が上がっています。
 その一方で開幕から好調なGKサミュエル・サマヴィル(ペナン)、DFロドニー・セルヴィン・アクウェンシヴィ(クダ・ダルル・アマン)、DFアリフ・ファジラー・アブ・バカル、DFシャールル・ニザム・ロス・ハスニ(いずれもトレンガヌ)、FWダレン・ロック(PJシティ)、FW S・クマーラン(マラッカ・ユナイテッド)といった選手たちが召集されず、ケガ人が出た際の控えメンバーとなっていることも疑問視されています。
 こういった疑問について、タン監督は今回の招集メンバーはこれまでのW杯予選を一緒に戦ってきた選手を選んだことを認め、その理由として自身の戦法や戦術を熟知しているからであると説明しています。
 「自身が所属するクラブで出場していない選手がいることも知っているが、(6月に再開されるW杯2022年大会アジア二次予選を前に)新しい選手を試す十分な時間がない。」と話すタン監督は、代表初招集となったデ・パウラ選手を招集したことを問われると「彼は既にトップクラスのストライカーという実績があり、現在の不調は(今季開幕直前に起こった)監督交代の影響だと思っている。そこで今回は彼に代表合宿に招集してチームに適応できるかどうか見てみたい。」と何やら矛盾する内容を述べたタン監督はさらに「今後もMリーグを視察し、他の選手を見て行く予定で、良い選手がいれば5月末に予定している次の代表合宿に招集する。」ともう何だかわからないことを述べています。
*****
 今回召集された28名中、JDTからは13名が召集されていますが、召集メンバーが発表される前のMリーグ第3節までにダニアル・アミエルとモマハドゥ・スマレは試合出場どころかベンチ入りすらしておらず、シャマー・クティ・アッバは合計6分間の出場、シャフィク・アフマッドとアキヤ・ラシドはそれぞれセカンドチームのJDT IIで1試合出場のみです。選手層が厚いJDTの控え選手の方がMリーグの主力選手より上という判断なのかもしれませんが、自分の戦術を理解していない新戦力を5月ではなく今月3月の合宿で試す方が、筋が通っているとは思いますが、ここまでは結果を出してきているタン監督にも考えがあるのでしょう。

トレンガヌFCは映画館を利用したパブリックビューイングを計画
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、第3節まで開幕3連勝と好調なMリーグ1部スーパーリーグのトレンガヌFCが映画館を利用したパブリックビューイングを計画していると報じています。
 3月5日に開幕した今季のMリーグは無観客試合で行われています。
 マレーシアの映画館ではこれまでも英国1部プレミアリーグやW杯の試合がパブリックビューイングに使われたこともあり、トレンガヌFCもドルビーシステムなども駆使して、無観客試合による入場料収入の損失を補いたいとしています。その手始めとして今季第4節となる本拠地スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアムで開催されるトレンガヌ対マラッカ・ユナイテッド戦のパブリックビューイングが予定されているということです。
 Mリーグの試合は国内では地上波で放送されないため、インターネットのストリームング以外では、インド系ムスリムが経営するママック(Mamak)と呼ばれる店で上映される衛星放送を友人と一緒に観戦するのが一般的ですが、エアコンの効いた映画館でポップコーン片手に観戦するのはまた違った経験になるだろうと、ニュースとレイトタイムズの記事は結んでいます。

続報-トレンガヌが予定した第4節のパブリックビューイングは行わず
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、トレンガヌFCが計画した映画館でのパブリックビューイングはまだ最終調整が終わっておらず、第4節のホームゲーム、マラッカ・ユナイテッド戦では実現しないと報じています。
 トレンガヌFCのアブドル・ラシド・ジュソーCEOはパブリックビューイングは未だ計画段階で、上映を予定している映画館チェーンのロータス・ファイヴ・スター社(LFS社)との話し合いが行われている段階だとし、またMリーグを主催するマレーシアンフットボールMFLの承認も得られていないと話しています。またLFS社はMリーグ全試合をストリーミング配信するMリーグの公式スポンサーでもあるユニファイ社(Unifi)とも交渉中ということで、第4節のパブリックビューイングは間に合わなかったようです。

サッカー協会とブキジャリル運営会社が契約を延長-2025年12月まで代表の本拠地に
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で、ブキジャリル国立競技場を運営するマレーシアスタジアム運営会社(PSM社)とFAMの間で交わされたブキジャリル国立競技場の使用契約を2025年12月31日まで延長したことを発表しています。これにより今後5年間はマレーシア国内での代表公式戦はブキジャリル国立競技場で行われることになります。
 ブキジャリル国立競技場で行われた契約延長の調印式には、FAMを代表してハミディン・アミン会長が、そしてPSM社はトニー・フェルナンデス会長が出席しました。
 なお2019年8月15日に結ばれたFAMとPSM社とのこれまでの契約では、2020年12月31日まで国内で開催する代表の公式戦はブキジャリルスタジアムでのみ開催とする一方、親善試合については国内の他のスタジアムでの開催が可能になっています。
 ハミディンFAM会長は、2019年8月の契約締結以降の代表戦となったFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選ではタイに2-1、インドネシアに2-0と現在の予選G組2位へとつながる貴重な勝利を挙げた一方で、2020年は新型コロナウィルスの影響でW杯予選が延期され、その勢いを削がれてしまったと話した上で、再びブキジャリルで代表戦が行われる際には観衆を入れて開催されると確信していると話しています。
 トニー会長はFAMと共同で敷地内へのスポーツ博物館建設なども検討中であることを明らかにした他、政府の支援によりピッチの張り替えを行うことが決定し、現在は張り替える芝の種類を選定中だとしています。

3月16日のニュース:W杯アジア二次予選出場の代表合宿参加メンバーが発表、FAMはMリーグ第2節まで審判と選手に対する処分を発表

W杯アジア二次予選出場の代表合宿参加メンバーが発表
 マレーシアサッカー協会FAMは3月22日から3月30日までジョホール・バルのJDTの施設を利用して行われる代表合宿の取集メンバー28名を公式サイト上で発表しています。
 この代表合宿は6月3日からアラブ首長国連邦UAEで開催されるFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼アジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に出場する選手選考のための合宿です。
 今回の招集メンバーには、新型コロナウィルスによる中断前の最後の試合となった2019年11月14日のタイ戦と同19日のインドネシア戦で召集された23名中、17名が再招集されており、残るGKハジック・ナジル(JDT II)、DFドミニク・タン(タイ1部ポリステロFC)、シャズワン・アンディック(JDT II)、MFバドロル・バクティアル(クダ・ダルル・アマン)、MFアジザン・ノルディン(サバ)、そして先日のUITM戦で怪我のため途中退場したFWサファウイ・ラシドの6名は今回の合宿には召集されていません。
 その一方で久々の代表復帰となるGKカイルル・ファミ・チェ・マット(マラッカ・ユナイテッド)や初招集となる18歳のGKラハディアズリ・ラハリム(トレンガヌ)、DFリザル・ガザリ(クダ・ダルル・アマン)、DFイルファン・ザカリア(KLシティ)、DFファズリー・マズラン (スリ・パハン)、FWファイザル・ハリム(トレンガヌ)、MFナズミ・ファイズ・マンソル、MFラマダン・サイフラー(いずれもJDT)、昨季のマレーシア人得点王のFWシャーレル・フィクリ(スランゴール)、ルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)、そしてブラジル出身で今季から帰化選手登録されているFWギリェルメ・デ・パウラ(ペラ)の11名が召集されています。
 またタン・チェンホー監督はタイ1部のチョンブリーでレギュラーを獲得しているDFジュニオール・エルドストールと、期限付き移籍で加入したオーストラリア1部のニューカッスル・ジェッツでデビューを果たしたリリドン・クラスニキについては、現在、マレーシアへの渡航者には2週間の検疫隔離が義務付けられており、またマレーシアからそれぞれの国へ戻っても同様の検疫隔離があることからは今回は召集を見送ったと話しています。「両選手はそれぞれのクラブでプレーし、パフォーマンスが改善されていることは確認しており、今回はそのまま所属クラブでプレー時間を十分に確保してさらにレベルアップを図ってもらい、5月に予定している次回の代表合宿に招集する方が良いと考えた結果の判断である。」と述べたタン監督は、今回初招集となったルクマン・ハキム・シャムスディンについては、昨年から代表合宿への招集を予定していたことも明かし、今回の招集はルクマン選手のフィジカルのレベル、自信、そしてプレースタイルを首脳陣が把握することを目的としているとしています。
 この他、合宿でケガ人が出た際の補充要員としてGKサミュエル・サマヴィル(ペナン)、DFロドニー・ケルヴィン(クダ・ダルル・アマン)、DFアリフ・ファジラー・アブ・バカル、DFシャールル・ニザム・ロス・ハスニ(いずれもトレンガヌ)、FW S・クマーハン(マラッカ・ユナイテッド)、FWダレン・ロック(PJシティ)が待機しているということです。
(以下はマレーシアサッカー協会の公式サイトに掲載された代表合宿メンバーの告知)

FAMはMリーグ第2節までの審判と選手に対する処分を発表
 マレーシアサッカー協会FAMは、Mリーグ第1節と第2節に発生した試合中の複数の事例について、審判と選手を対象とした処分を発表しています。
1) Mリーグ2部プレミアリーグ第1節(3月6日)ケランタン対ペラII
a) モハマド・アミルル・アイザット・モハマド・ロディン主審はペナルティエリア内で適切でない位置に立っていたことにより、ケランタンFCのFWジャック・ヒンドルに両手で押し倒された。審判評価担当者からの報告によるとアミルル主審は試合全体を通しての判定は合格点ではあるが、FAMの審判育成担当者でプロ審判のナゴール・アミル・ノー・モハマドの指導の元、審判技量改善プログラムを受講することとする。なお、次の審判はこのプログラム終了後、その評価をもとに決定する。
b) ケランタンFCのジャック・ヒンドルは、ビデオ映像で明らかになった「審判を両手で強く押したという行為」についてFAMの懲戒委員会による処分対象とする。
(ケランタンFCによるハイライト映像。問題のシーンは2:45頃から)

https://youtu.be/H8oXPqGqXKE

2) Mリーグ1部スーパーリーグ第2節(3月10日)PJシティ対マラッカ・ユナイテッド
a) モハマド・ファイルジ・マット・デサ主審はPJシティのアフマド・カイルル・アヌアル・アフマド・ザムリによるペナルティーエリア内でのシミュレーションに気づかず、そのままPJシティにPKを与えたことにより、2週間の審判停止処分とする。またファイルジ審判はFAMの審判育成担当者でプロ審判のナゴール・アミル・ノー・モハマドの指導の元、審判技量改善プログラムを受講することとする。なお、次の審判はこのプログラム終了後、その評価をもとに決定するが、まずは下部リーグでの審判を行い、スーパーリーグで再び審判を担当するのに十分な評価を得た上で、スーパーリーグの審判に復帰する。
b) PJシティのアフマド・カイルル・アヌアル・アフマド・ザムリはビデオ映像で明らかになった「シミュレーション行為」についてFAMの懲戒委員会による処分対象とする。
C) マラッカ・ユナイテッドのアレックス・ドス・サントス・ゴンサウヴェスはビデオ映像で明らかになった「2点目のゴールの後、意図的に審判に向かってボールを投げつけた行為」についてFAMの懲戒委員会による処分対象とする。
(シミュレーションの場面は2:40辺りから、ボール投げつけは最後にありますがこの映像ではよく見えません。

https://youtu.be/j5PAimUdvGA

2021年Mリーグ1部スーパーリーグ第3節結果

 1部スーパーリーグは3月5日の開幕戦から1週間で早くも第3節開催です。なお対戦カードの左側がホームチームです。また試合のダイジェスト映像はいずれも各クラブの公式TVチャンネルからお借りしています。

2021年3月12日@シティスタジアム(ペナン州ジョージタウン)
ペナン 1-1 クダ・ダルル・アマン
得点者:ペナン-エンドリック(11分)、クダ-クパ・シャーマン(86分)
 歴史を遡れば英国が割譲させるまではクダの一部だったペナン島。その中心都市ジョージタウンにあるシティスタジアムは映像で見てもわかるほど水が浮いたピッチでグラウンダーのパスが何度も途中で止まってしまう場面が見られました。得意のパスサッカーが展開できなかったクダに対し、ゴール前にロングボールを集めたペナンがクダのGKシャアリル・サアリが弾いたボールをエンドリックが押し込んで先制します。クダの司令塔MFラビ・アタヤが執拗にマークされ、前半はフラストレーションが溜まる展開だったクダは、後半に入るとペナンゴールへ迫るもののフィニッシュの精度を欠き、このままペナンが逃げ切るかと思われた試合終了間際に途中出場のFWアザムディン・アキルのクロスをシャーマンが技ありのゴールで同点に追いつき引き分けとなりました。FAMの公式記録CMSではマンオブザマッチとなったペナンGKサミュエル・サマヴィルの奮闘で本拠地初勝利目前だったペナンはこの引き分けで勝点4となり同じく勝点4のクダと並びました。

https://youtu.be/dQ1NJwhJZDs

2021年3月13日@リカススタジアム(サバ州コタキナバル)
サバ 0-1 PJシティ
得点者:PJ-ダレン・ロック(28分)
 今季Mリーグ1部で唯一の外国籍選手がいないPJシティがダレン・ロックの2試合連続ゴールを守って逃げ切っています。一方のサバは今季の本拠地初戦で、入国後の検疫隔離のためチームへの合流が遅れていたDFリスト・ミトレフスキ(マケドニア)、MFレヴィ・マディンダ(ガボン)、FWサム・ジョンソン(リベリア)、FWサディル・ラムダニ(インドネシア)ら外国籍選手がチームに合流し、既に開幕から出場しているDFパク・タエスー(韓国)と共に、第3節で初めて外国籍選手5名が揃う先発メンバーを組むことができましたが、完封負けしています。

2021年3月13日@UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
UITM 0-4 JDT
得点者:JDT-アリフ・アイマン(10分)、ゴンザロ・カブレラ(15分)、ベルクソン・ダ・シルヴァ(80分)、シャマー・クッティ・アッバ(90+3分)
 マシュー・デイヴィーズ、アイディル・ザフアンらを先発から外す余裕を見せながら、今季新加入のベルグソン・ダ・シルヴァや途中から出場した18歳のアリフ・アイマン、シャマー・クッティ・アッバらがゴールを決め、JDTが開幕から3連勝を飾っています。
 この試合ではアリフ・アイマンがサファウイ・ラシドのケガのため交代していますが、タックルを受けて不自然な倒れ方をしたサファウイ選手は交代の際に痛みのため涙を流す様子も見えたので、ケガの状況が心配でしたが、その後、JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が自身のSNSで「サファウイのケガはACL(膝前十字靱帯)ではないので、ACL(AFCチャンピオンズリーグ)には出場できる」と明かし、2〜3週間後には復帰できるだろう述べています。

2021年3月13日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴール 1-1 KLシティ
得点者:スランゴール-ジャンカルロ・ガリフオコ(90分OG)、KL-ドミニク・ダ・シルヴァ(81分)
 首都圏を流れるクラン川に沿うクアラルンプールとスランゴール州からクランヴァリー(クラン渓谷)ダービーと呼ばれる両チームの対戦は1点を守り切るかと思われたクアラルンプールシティが土壇場で追いつかれて引き分けに終わっています。スランゴールの同点ゴールはサフアン・バハルディンが決めたように見えましたが、FAMの公式記録CMSではKLシティDFジャンカルロ・ガリフオコのオウンゴールをなっています。

2021年3月6日@ハンジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ・ユナイテッド 0-0 スリ・パハン
得点者:なし
 この試合ではパハンには6枚もイエローカードが出されるフラストレーションが溜まる試合でしたが、この試合前には今季から指揮を取るアメリカ出身で元フィリピン代表監督を務めたトーマス・ドゥーリー監督とクリストファー・ガメル アシスタントコーチーの「休養」と、昨季まで監督を務めたチームマネージャーのドラー・サレーがこの試合で監督代行を務めることが発表される大激震がチームを襲いました。開幕2試合で0勝2敗、しかも1ゴールとは言え、この早すぎる判断には賛否両労が起こりそうです。ちなみのこの試合の引き分けでスリ・パハンは今季初の勝点1を獲得しています。

3月7日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラ 0-2 トレンガヌ
得点者:トレンガヌ-ファイザル・ハリム(24分)、デチ・マルセル(90+1分)
 1-0のまま終了かと思われた91分にショートコーナーからゴールエリアの外でパスを受けたトレンガヌFCのデチ・マルセルが左サイドから綺麗にカーブをかけて2点目を決め、トレンガヌが開幕からの連勝を3に伸ばしました。2点目の場面ではペラDF陣は誰1人ボールに寄らず、文字通り守備陣全員が傍観者。ドゥラコヴィッチ監督がいたら決してこんなことは起こらないだろうという無気力な場面を見せたペラでした。

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第3節終了時)

 ClubGWDLGFGAGDP
1JDT33008089
2TFC33007259
3PJ31203215
4SEL31115504
5KDH31113304
6KL31112204
7PRK31112204
8PEN311123-14
9MU30303303
10SBH301214-31
11PHG301215-41
12UITM300317-60
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
ラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MEL-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-クアラルンプールシティ

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ得点ランキング(第3節終了時)

選手(所属クラブ)ゴール数
1ダレン・ロック(PJ)3
2オリヴァー・バフ(SEL)他5名2
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJC-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-クアラルンプールシティ

3月15日のニュース:FAM役員選挙-ハミディン会長が再選を果たす、ハミディンFAM会長は兼務するMFL会長職辞任を表明、MFLはスタジアム外で集会を行ったサポーターに自粛を求める

FAM役員選挙-ハミディン会長が再選を果たす
 マレーシアサッカー協会FAMの第57回年次総会と2021年〜20 25年が任期となる役員選挙が3月13日に行われ、ハミディン・アミン現会長が対立候補が立たなかったことにより、無投票で会長職に再任されたことを、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。2018年にJDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下に代わり就任したハミディン会長は、会長職2期目を迎えることになります。
 2人の会長代理は現職のモハマド・ユソフ・マハディ氏に加え、新任となる前副会長のS・シヴァサンダラム氏がこちらも対立候補が立たなかったことで無投票で当選しています。なおS・シヴァサンダラム氏の前任でマレーシアホッケー協会会長でもある政治家のスバハン・カマルは再任を望まず・推薦を辞退していました。
 また5名が推薦されていた4名の副会長職は、いずれも現職のロズマディ・イスマイル、モハマド・ジョハリ・モハマド・アユブ両氏に加え、現理事のモハマド・フィルダウス・モハメド氏、そして今回新たにサラワク州サッカー協会会長のポサ・マジャイス氏が当選した一方で、現職で前ケランタン州サッカー協会のアファンディ・ハムザ氏が落選しています。
 10名の理事職はその内の2名が女性に限定されていることから8名の枠が争われ、4名の現職と4名の新人が当選しています。現職当選者はジェフリー・ロー、モハマド・ヒサムディン・ヤハヤ、クリストファー・ラジ・アララントゥ、モハマド・ダリ・ワヒドの4氏、また今回新たに当選したのはヌグリスンビラン州サッカー協会のN・サアラン副会長、スランゴール州サッカー協会のシャーリル・モクタル会長代理、ペラ州サッカー協会のアドリ・シャー・アフマド・ター前会長代理、サイド・ヤジド・サイド・オマル クアラルンプールサッカー協会会長代理の4氏で、サイド・ヤジド新理事は、決戦投票で現職で王立警察PDRMサッカー協会のカマルル・アリフィン・シャハル氏を破って当選しています。なお2名の女性理事はマレーシアネットボール協会会長でクダ州議会議員でもあるスラヤ・ヤアコブ氏とマラッカ州女子サッカーチームのマネージャーでマラ工科大学UITMのシティ・ファイドゥル・マイサラ・アブドゥラ氏は対立候補が立たず、無投票で再認されています。
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 ハミディン会長は「我々はファン、政府、メディアそして出資者によって評価される立場にいる。言動ではなく行動が重要であることを理解して、4年間の任期に取り組んで欲しい。」と就任直後に新たな理事会メンバーに話したとされています。現場だけでなく運営側にもプロ意識を求めるハミディン会長の意思が理事会メンバーに伝わることを期待したいです。

ハミディンFAM会長は兼務するMFL会長職辞任を表明
 2025年までの任期で再任されたマレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長は現在兼務しているマレーシアンフットボールリーグMFLの会長職を6月を目処に辞任することを表明しています。
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版によると、ハミディン会長はFAM会長職に専念し、代表チームの強化や、草の根レベルや女子サッカーの発展といったことに取り組みたいと会長再選後の記者会見で述べたということです。なお、この会長戦に先立ち、先週、ハミディン会長はマレーシアオリンピック協会により、今年11月にベトナムのハノイで開催される東南アジア競技大会通称シーゲームズのマレーシア選手団統括責任者に任命されています。
 「MFL会長職は、国内リーグの今後の方向性を考える新たなリーダーに引き継ぐべきだと考えている。また予定している6月の退任前までには再興の手立てを示しておきたい。国内リーグのレベルアップのためにも、MFL会長職は兼務すべき職務ではないので、現在のFAM理事会野いずれのメンバーにもMFL会長職の兼務は認めない。」ともハミディン会長は話しています。

MFLはスタジアム外で集会を行ったサポーターに自粛を求める
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは公式サイト上で、Mリーグの試合が行われたスタジアムの外に集まったサポーターに対し、そのような行動がむ観客を条件に開催されている現在のMリーグにとって不利益を与える可能性があるとして非難した上で、そのような行動の自粛を求めています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOが指摘しているのは、Mリーグ1部スーパーリーグ第3節のスランゴールFC対クアラルンプールシティFC戦が開催されたスランゴール州プタリンジャのMPBJスタジアムの外にサポーターの一団が集まった件についてで、アブドル・ガニCEOは、このサポーターの行動が政府が求めているMリーグの無観客試合開催期間中の集会の禁止に明らかに違反しているだけでなく、このような行動はMFLと青年スポーツ省が現在、国家安全保障委員会に対して申請している有観客試合の再開のための努力を無にするものであると強い調子で非難しています。
 MFLによる公式声明の中でアブドル・ガニCEOは「MFLはスタジアムの外で集会を行った一部のサポーターに対して非常に失望している。昨季からほぼ1年無観客で試合を開催したことを踏まえて、できるだけ早くMリーグの試合に観客を入れようと努力に水を差すものである。全てのサポーターは新型コロナウィルスが未だ終息していない現状では細心の注意を払うことが求められていることから、今回MBPJスタジアムの外で起こったようなサポーターによる集会が他の試合会場も含めて2度と起こらないことを希望する。」と述べています。

2021年Mリーグ2部プレミアリーグ第3節結果

 3月6日に開幕したMリーグ2部プレミアリーグは3月12日から早くも第3節が始まります。なお試合カードの左側がホームチームです。また試合の映像は各クラブの公式Youtubeチャンネルからお借りしています。

2021年3月12日@MPSスタジアム(スランゴール州スラヤン)
スランゴール2 4-2 FAM MSNプロジェクト
得点者:スランゴール-サイフル・イスカンダル・アドハ(16分)、ジョージ・アトラム3(41分、62分、90+3分PK)、FAM-ムハマド・イスマット・イムラン・ザイナル(70分)、アズハド・ハラズ・アルマン(90+2分)

2021年3月13日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
PDRM 1-2 ケランタン
得点者:PDRM- モハマド・ヒィディル・イドリス(74分)、ケランタン-ヌルシャミル・アブドル・ガニ(84分)、ジャック・ヒンドル(85分) 
 PDRMの鈴木ブルーノ選手は前節のケランタン・ユナイテッドとの試合でケガのため途中交代しましたが、この試合はベンチ入りしていません。ケガの状態が新灰です。

https://youtu.be/zNhSAsMcyiQ

2021年3月13日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(ケランタン州コタバル)
ケランタン・ユナイテッド 2-1 ペラII
得点者:ケランタン-ガッサマ・アルフセネイ(1分)、モハマド・アミルル・シャフィク(51分)、ペラ-ムハマド・アリフ・ジクリ・ザイニ・アヌアル(59分)
 開始直後にバドリ・ラジが自陣ハーフから蹴ったロングボールをガッサマ・アルフセネイが決めてあっという間に先制したケランタン・ユナイテッドが本拠地で2連勝しています。
 ケランタン・ユナイテッドの谷川由来、深井脩平の両選手は先発してフル出場、本山雅志選手は73分から出場し、試合終了まで出場しています。

2021年3月13日@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
ヌグリスンビラン 2-2 トレンガヌII
得点者:ヌグリスンビラン-ラファエル・ゴメス・デ・オリヴェリア(31分)、バラトクマル・ラマルー(58分)、トレンガヌ-モハマド・ラムジ・スフィアン(10分)、エンク・ムハマド・ヌル・シャキル・エンク・ヤコブ(50分)
 トレンガヌIIの渡邉将基選手は先発してフル出場しています。

2021年3月13日@タンスリ・ダト・ハジ・ハサン・ユーノススタジアム(ジョホール州ラーキン)
JDT II 2-1 クチンシティ
得点者:JDT-ニコラス・フェルナンデス (49分)、ムハマド・フェロズ・バハルディン2(52分、79分)、クチン-ハドソン・ジェズス(22分)
  JDT IIの廣瀬慧選手は先発して86分に交代、クチンシティの鈴木雄太選手は先発してフル出場しています。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ順位(第3節終了時)

ClubGWDLGFGAGDP
1NS32106427
2SU22005056
3SEL32018446
4KEL32014316
5KU32014316
6TFC31207344
7JDT21014313
8PRK310225-33
9KCH201124-21
10PDRM300317-60
11FAM3003310-70
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:NS-ヌグリスンビラン、TFC-トレンガヌII、PRK-ペラII、SEL-スランゴール2、KEL-ケランタン、KU-ケランタン・ユナイテッド、KCH-クチンシティ、FAM-FAM MSNプロジェクト、SU-サラワク・ユナイテッド

*今季の2部プレミアリーグは11チームが参加のため、各節で1チームだけ試合がありません。第3節はサラワク・ユナイテッドの試合がありませんでした。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ得点ランキング(第3節終了時)

選手名(所属クラブ)ゴール数
1ジョージ・アトラム(SEL)5
2ウチェ・アグバ(SU)3
3アラン・オコン(NS)ら7名2
クラブ名:NS-ヌグリスンビラン、TFC-トレンガヌII、PRK-ペラII、SEL-スランゴール2、KEL-ケランタン、KU-ケランタン・ユナイテッド、KCH-クチンシティ、FAM-FAM MSNプロジェクト、SU-サラワク・ユナイテッド

3月13日のニュース:ACL日程が変更へ-Mリーグも日程変更か、W杯アジア二次予選の集中開催地決定-マレーシアはアラブ首長国連邦、青年スポーツ省はスタジアム観戦許可を政府に申請へ

ACL日程が変更-Mリーグも日程変更が必至か
 アジアサッカー連盟AFCは公式サイト上でAFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループステージの日程変更を発表しています。
 Mリーグからは昨季1部スーパーリーグで7連覇を達成したジョホール・ダルル・タジムJDTが出場する今季2021年シーズンのACLは、当初は4月21日から5月7日までの期間で各組ごとに集中開催で行われることが発表されていましたが、AFCは各国の新型コロナウィルス対策による渡航制限や検疫隔離実施状況などを考慮して6月から7月へと変更すると発表しています。
 またJDTと名古屋グランパス、江蘇蘇寧(中国)、プレーオフ3の勝者が対戦する東地区のG組は同F組、J組とも集中開催地がタイとなることも発表されています。
*****
 3月5日に開幕した今季のMリーグは第9節(4月16日から18日)から第10節(5月8日から10日)までのおよそ3週間は4月13日から始まる予定のイスラム教の断食月とJDTのACL出場に合わせてリーグ戦を組んでいません。また断食月はおよそ1ヶ月後の5月13日に終わりますが、6月にはFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選が6月3日から15日まで開催されることがAFCから発表されており、この時期にはACLが行われないでしょう。となるとJDTにとっては、Mリーグの試合が組まれてない6月後半から7月初旬にかけての時期にACLが開催されるのが理想です。7月のMリーグは4週間で8試合という日程が組まれており、しかもリーグ終盤の重要な時期なので、JDTにとってはたとえ隣国タイでの開催とは言え、リーグ8連覇のためには国内リーグに集中したいところでしょう。
*****
 ACLでJDTが所属するG組にはもう一つ問題があります。昨季の中国1部リーグでクラブ史上初の優勝を達成した江蘇蘇寧が債務超過を理由に解散する可能性が2月末に報じられれました。現在も無期限の活動停止中ということで、このままではACL棄権の可能性も取り沙汰されています。
 同じ中国1部リーグのクラブでは2月にもACLのJ組に所属する山東泰山(前山東魯能)がAFCへの債務未払いからAFCライセンスを剥奪されて出場権を失い、広州FCが変わって出場することがAFCから発表されてます。

W杯アジア二次予選の集中開催地決定-マレーシアはアラブ首長国連邦
 アジアサッカー連盟AFCは公式サイト上で、未定となっていたFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選の集中開催地を発表しています。
 マレーシアが所属する予選G組はアラブ首長国連邦UAEでの開催が決定し、このブログでも既報の通り、以下の日程が決まっています。

FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選G組日程
6月3日(木) 
 UAE対マレーシア および タイ対インドネシア
6月7日(月)
 UAE対タイ および ベトナム対インドネシア
6月11日(金) 
 マレーシア対ベトナム および インドネシア対UAE
6月15日(火) 
 UAE対ベトナム タイ対マレーシア
 
 その他の予選各組はA組(シリア、中国、フィリピン、モルディヴ、グアム)は中国、B組(オーストラリア、クウェート、ヨルダン、ネパール、台湾)はクウェート、C組(イラク、バーレーン、イラン、香港、カンボジア)はバーレーン、D組(ウズベキスタン、サウジアラビア、シンガポール、イエメン、パレスチナ)はサウジアラビア、E組(カタール、オマーン、アフガニスタン、インド・バングラディシュ)はカタール、F組(日本、キルギス、タジキスタン、ミャンマー、モンゴル)は日本、そしてH組(トルクメニスタン、韓国、レバノン、北朝鮮、スリランカ)は韓国がそれぞれチュウチュ開催地に選ばれており、5月31日から6月15日までの期間に試合を行います。
(以下はAFC公式サイト上の集中開催国の告知)

AFC Asian Qualifiers

青年スポーツ省はスタジアム観戦許可を政府に申請へ 
 英字紙ニューストレイトタイムズは、国内スポーツを監督する青年スポーツ省のリーザル・メリカン大臣の話として、サッカーファンがMリーグをスタジアムで観戦できる時期はそう遠くないと報じています。
 リーザル・メリカン大臣はMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLに対してスタジアム観戦に必要な標準作業手順SOPを作成することを求め、それが用意でき次第、青年スポーツ省は国家安全保障委員会に対して、ファンでのサポーターの観戦許可を早ければ来週にも申請したいと話しています。
 「国家安全保障委員会の会合は不定期に行われるため、具体的な申請日程については確約できない。」と述べるにとどまったリーザル・メリカン大臣は、これまでMリーグ開幕から2ヶ月後を目処に行うとするとしていた申請について、2ヶ月以上先に行うことなく、もし開幕から1ヶ月程度で申請が行えれば「ボーナス」だと考えて欲しいと、ファンに理解を求めたということです。


3月12日のニュース:W杯アジア二次予選の日程が決定、タイ1部リーグ第26節・2部リーグ第28節-エルドストールとスウィラッドはいずれも先発、1部スーパーリーグ第1節は250万人以上がYouTubeで視聴

W杯アジア二次予選の日程が決定
 アジアサッカー連盟AFCは公式サイト上で6月に再開予定のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会の予選G組の試合日程を発表しています。
 この予選G組は現在、1位ベトナム(勝点11)、2位マレーシア(同9)、3位タイ(同8)、4位アラブ首長国連邦UAE(同6、ただし試合数は他国より1試合少ない)、5位インドネシア(同0)となっています。
 なお試合会場は後日発表されるということです。
FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選G組日程
6月3日(木) 
 UAE対マレーシア および タイ対インドネシア
6月7日(月)
 UAE対タイ および ベトナム対インドネシア
6月11日(金) 
 マレーシア対ベトナム および インドネシア対UAE
6月15日(火) 
 UAE対ベトナム タイ対マレーシア

タイ1部リーグ第26節・2部リーグ第28節-エルドストールとスウィラッドはいずれも先発
 タイ1部リーグ第26節と2部リーグ第28節が行われ、元マレーシア代表のジュニオール・エルドストールとニコラス・スウィラッドはいずれも所属クラブで先発しています。なお、ポリス・テロFCのドミニク・タンはベンチ入りしていませんが、骨折後の手術から回復していないと思われます。
 既にBGパトゥム・ユナイテッドが優勝を決めている1部リーグでは、チョンブリーFCに所属するDFジュニオール・エルドストールがそのBGパトゥム・ユナイテッドと対戦しています。また同じ1部のポリス・テロFCに所属するドミニク・タンは今節はベンチ入りしていませんが、既報通り、骨折後の手術から回復していないと思われます
 一方2部リーグで首位を走るノーンブワ・ピッチャヤFCに所属するDFニコラス・スウィラッドは本拠地のピッチャヤスタジアムで行われたランパーンFCとの試合に先発し、88分に交代しています。
タイ1部リーグ第26節
2021年3月11日@チョンブリースタジアム
チョンブリーFC 0-1 BGパトゥム・ユナイテッドFC
 チョンブリーFCのジュニオール・エルドストールは先発出場し、59分に交代しています。
タイ2部リーグ第28節
2021年3月10日@ピッチャヤスタジアム
ノーンブワ・ピッチャヤFC 1-1 ランパーンFC
 ノーンブワ・ピッチャヤFCのニコラス・スウィラッドは先発出場し、88分に交代しています。

1部スーパーリーグ第1節は250万人以上がYouTubeで視聴
 3月5日に開幕したMリーグは無観客で試合が行われていますが、マレーシア最大の通信会社テレコムマレーシア社傘下のインターネット接続事業者Unifiは、Youtube上で1部スーパーリーグの全試合を配信しており、サポーターは無料で観戦が可能になっています。
 そしてマレーシア語紙ウトゥサンマレーシア電子版によると、その視聴者数が第1節の6試合の合計が250万人を超え、第2節では3月9日に開催されたJDT対ペナン、クダ・ダルル・アマン対サバ、トレンガヌ対スランゴールの3試合だけでなんと230万人を記録したということです。
 この数字を受け、Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは昨季の延べ視聴者数1633万人を超えることが可能であると話しています。この視聴者数増はサポーターのサッカーに対する熱望が反映された結果の数字であると話しています。
 「昨季2020年シーズンはリーグ戦は半減し、マレーシアカップも予選グループの各クラブが1試合しただけである。サッカー観戦を心待ちにしていたサポーターの好意的な反応を見る限り、昨年の視聴者数超えは期待でき、さらにこの事実はMリーグや各クラブにとってもスポンサーを惹き付ける好材料となるだろう。」とアブドル・ガニCEOはウトゥサン・マレーシアの取材に答えたということです。

2021年Mリーグ1部スーパーリーグ第2節結果

 3月5日に開幕したMリーグ1部スーパーリーグは3月21日の第5節まで2週間で5試合というタイトなスケジュールが組まれています。調整が遅れているチームやベテランが主体のチームはこの日程をどう乗り切るかが第6節以降の成績に直結しそうです。(試合のダイジェスト映像は各クラブの公式TVチャンネルからお借りしています。)

2021年3月9日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロースター)
クダ・ダルル・アマン 2-0 サバ
得点者:クダ-チェチェ・キプレ(15分)、クパー・シャーマン(21分)
 前節はケガで途中退場となったGKイフワット・アクマルと体調が万全でないDFレノン・アルヴェスを欠いたクダでしたが、パク・タエスー以外の外国籍選手が合流できていないサバ相手では試合開始早々の2点で十分でした。イフワット選手は重症ではないものの2〜3週間は出場できないと言う情報もあります。

2021年3月9日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴンバダ)
トレンガヌ 3-1 スランゴール
得点者:トレンガヌ-ジョーダン・ミンター(35分)、モハマド・ラーマット・マカスフ(61分)、モハマド・ハキミ・アブドラ(90+4分)、スランゴール-ムハマド・シャルール・ニザム・ロス・ハスニ(74分OG)
 前節にゴールを決めたFWダビ・アパレシド・ダ・シルバと、DFアルグジム・レゾヴィッチに代えて、セカンドチームからトレンガヌIIの開幕戦でゴールを決めたFWジョーダン・ミンターとMFデチ・マーセル・ングエッサンを昇格させる登録メンバー変更が功を奏したトレンガヌが開幕2連勝を飾っています。

2021年3月9日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
JDT 2-0 ペナン
得点者:JDT-レアンドロ・ヴェラスケス(81分PK)、フェルナンド・ロドリゲス(85分)
 ペナン6枚、JDT3枚のイエローカードが出る荒れた試合は、前半は互角に見えたものの、後半はペナンが防戦一方の展開となりました。それでもフィニッシュでのミスが続き無得点だったJDTでしたが81分にペナンGKサミュエル・サマーヴィルがMFゴンザロ・カブレラをペナルティエリアの中で倒して得たPKをレアンドロ・ヴェラスケスが決めて先制。その後はゴール前の混戦からフェルナンド・ロドリゲスが押し込んでダメ押しの2点目を挙げ、JDTが開幕2連勝を挙げています。
 一方のペナンは前節でKLシティを脅かしたセットプレーの機会がほとんどありませんでした。

2021年3月10日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティ2-2 マラッカ・ユナイテッド
得点者:PJ-ダレン・ロック2(71分、86分PK)、マラッカ-S・クマーラン(56分)、モハマド・ファリス・シャー(90+5分)
 PJの2点目となるPKを得たプレーは、映像で見る限りはむしろシミュレーションでイエローカードかと思えるようなプレーでした。マラッカは文字通りラストのセットプレーで同点ゴールを決め、引き分けています。

2021年3月10日@ダルル・マクマルスタジアム(パハン州クアンタン)
スリ・パハン0-2 ペラ
得点者:ペラ-J・パルティバン(43分)、ムハマド・ファルハン・ロスラン(59分)

2021年3月10日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
KLシティ 1-0 UITM
得点者:KL-ドミニク・ダ・シルヴァ(14分)
 KLがペナン守備陣の混乱に乗じて先制するも、その後は両チーム共に見せ場の少ない試合を展開しました。KLは1部昇格後初勝利、UITMは開幕から2連敗となりました。


2021年シーズンMリーグ1部スーパリーグ順位(第2節終了時)

ClubGWDLGFGAGDP
1JDT22004046
2TFC22005236
3PRK21102004
4SEL21014403
5KDA21012203
6KL21011103
7PEN210112-13
8MU20203302
9PJ20202202
10SBH201113-21
11UITM200213-20
12PHG200215-40
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-クアラルンプールシティ

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ得点ランキング(第1節終了時)

選手名(所属クラブ)ゴール数
1ダレン・ロック(PJ)2
ハキミ・アブドラ(TFC)2
オリヴァー・バフ(SEL)2
S・クマーラン(MEL)2
2サファウィ・ラシド(JDT)他7名1
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJC-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KLC-クアラルンプールシティ

2021年Mリーグ2部プレミアリーグ第2節結果

 3月6日に開幕したMリーグ2部プレミアリーグは3月21日の第5節まで2週間で5試合というタイトなスケジュールが組まれています。調整が遅れているチームやベテランが主体のチームはこの日程をどう乗り切るかが第6節以降の成績に直結しそうです。(試合のダイジェスト映像は各クラブの公式TVチャンネルからお借りしています。)

2021年3月9日@MPSスタジアム(スランゴール州スラヤン)
スランゴール2 1-2 ヌグリスンビラン
得点者:スランゴール-ハリス・ハイカル(73分)、ヌグリスンビラン-バラトクマル・ラマルー(32分)、アラン・ティエリー・アコノ・アコノ(89分)
*以下の映像はクラブ公式TVではなく国営放送RTMのニュース映像です。

2021年3月9日@UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
FAM MSNプロジェクト 1-2 ケランタン
得点者:FAM-アザド・ハラズ・アルマン(7分)、ケランタン-ミオー・ダニ・アルミン(9分)、ヌルシャミル・アブドル・ガニ(90分) 

https://www.youtube.com/watch?v=Dg5tK6x3WWw

2021年3月10日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(ケランタン州コタバル)
ケランタン・ユナイテッド 2-0 PDRM
得点者:ケランタン-モハマド・アミルル・シャフィク(3分)、深井脩平(70分)
 今節は日本人選手が所属するクラブが対戦するカードが2つありますが、その一つはこのケランタン・ユナイテッド対PDRMです。この試合では昨季最下位となり1部から降格したPDRMをケランタン・ユナイテッドが破り今季初勝利を挙げています。一方のPDRMは開幕から2連敗です。なおマレーシアサッカー協会FAMが発表するCMS(Competition Management System)では谷川由来選手がこの試合のマンオブザマッチとなっています。
 ケランタン・ユナイテッドの深井脩平選手と谷川由来選手は先発でフル出場、本山雅志選手は46分から交代出場して試合終了までプレーしています。
 PDRMの鈴木ブルーノ選手は先発しましたが、ケガのため21分で交代しています。

2021年3月10日@スルタン・イスマイル・ナサルディン・シャースタジアム(トレンガヌ州クアラトレンガヌ)
トレンガヌII 1-1 クチンシティ
得点者:トレンガヌ-アミルル・シャズワン・ノー・アズミ(20分) 、クチン-モハマド・ハイロル・モクター(30分)
 今季初戦となったクチンシティはトレンガヌIIと引き分けています。前節はFAM-MSNプロジェクトを相手に4ゴールを挙げたトレンガヌIIはこの試合では1ゴールでした。
 トレンガヌIIの渡邉将基選手、クチンシティの鈴木雄太選手とも先発してフル出場しています。

2021年3月10日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラII 0-3 サラワク・ユナイテッド
得点者:サラワク-ノーシャルル・イドラン・タラハ(36分)、ウチェ・アルバ2(76分PK、84分)
 1部リーグ経験者を大量補強したサラワク・ユナイテッドが2連勝を果たしています。
*以下の映像はクラブ公式TVではなく国営放送RTMのニュース映像です。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ順位(第2節終了時)

ClubGWDLGFGAGDPts
1SU22005056
2NS22004226
3TFC21105144
4SEL21014223
5KEL21012203
6KU21012203
7PRK210113-23
8KCH10101101
9JDT100112-10
10FAM200216-50
11PDRM200205-50
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、Pts-勝点
クラブ名:NS-ヌグリスンビラン、TFC-トレンガヌII、PRK-ペラII、SEL-スランゴール2、KEL-ケランタン、KU-ケランタン・ユナイテッド、KCH-クチンシティ、FAM-FAM MSNプロジェクト、SU-サラワク・ユナイテッド

*今季の2部プレミアリーグは11チームが参加のため、各節で1チームだけ試合がありません。第2節は廣瀬慧選手が所属するJDT IIの試合がありませんでした。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ得点ランキング(第2節終了時)

選手名(所属クラブ)ゴール数
1ウチェ・アグバ(SU)3
2アラン・オコン(NS)2
2アミルル・シャズワン・ノー・アズミ(TFC)2
2ジョージ・アトラム(SEL)2
クラブ名:NS-ヌグリスンビラン、TFC-トレンガヌII、PRK-ペラII、SEL-スランゴール2、KEL-ケランタン、KU-ケランタン・ユナイテッド、KCH-クチンシティ、FAM-FAM MSNプロジェクト、SU-サラワク・ユナイテッド