1月27日のニュース:Mリーグ開幕は3月5日に延期-FAカップは2季連続で中止に、JDTのACL出場資格が確定、今季のACLとAFCカップグループステージは集中開催が決定

Mリーグ開幕は3月5日に延期-FAカップは2季連続で中止に
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、2月26日に予定されていた今季2021年シーズンの開幕を3月5日に延期することを公式サイトで発表しています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、臨時のMFL理事会を開催後、Mリーグ各クラブ代表者から意見を聞き、その了承を得た上での延期であるとしている他、代表が出場するFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選、ジョホール・ダルル・タジムJDTが出場するアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグ、クダ・ダルル・アマンFCとトレンガヌFCが出場するAFCカップなどの日程も考慮に入れた結果であることも明らかにしています。
 さらにアブドル・ガニCEOは、過密日程を避けるため昨季に続いてFAカップの中止を決定した一方で、Mリーグ1部と2部のクラブが出場するマレーシアカップとチャレンジカップについては開催するとしています。

JDTのACL出場資格が確定
 Mリーグ1部を7連覇中のJDTは、昨季2020年シーズンのアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグ(ACL)に出場しながら、新型コロナウィルスによる中断を経たグループステージ再開時に集中開催地となったカタールへの渡航について、マレーシア政府の安全保障委員会NSCがJDTの渡航を許可しなかったことにより断念し、グループステージを途中辞退せざるを得ませんでした。
 しかしこのJDTが今季もMリーグチャンピオンとして出場資格を持つACLへの出場申し込みを行った際にAFCからの回答が保留されていたことから、昨季のACL途中辞退の罰則として今季のACL出場が認められない可能性が取り沙汰されていました。
 これについてマレーシア語紙ウトゥサンマレーシア電子版は、AFCの協議委員会がJDTのACL出場を認める決定を下したことを報じています。
 マレーシア人でもあるAFCのウインザー・ポール・ジョン事務局長は、マレーシア政府から書簡を受け取ったことを明かした上で、様々な要因を含めて検討した結果、出場許可が決定されたと話しています。

今季のACLとAFCカップは集中開催が決定
 本日1月27日には今季のアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグ(ACL)とAFCカップの組み合わせ抽選が行われますが、いずれも集中開催で行われることがAFCの公式サイトで発表になっています。今季から40クラブが出場するACLは従来通り西地区と東地区に分かれて開催、また今季から39クラブが出場するAFCカップは新たに加わる2地区を含めた5地区でグループステージが開催されます。
 ACLにはMリーグチャンピオンのJDTが出場しますが、JDTが所属する東地区のグループステージは4月21日から5月7日に予定されています。(集中開催地は未定)
 また今季のACLはグループステージは1回戦総当たり、その後、準々決勝までは1回戦のノックアウト方式、そして準決勝以降からがホームアンドアウェイ方式となります。以下、ACLの予定表です。

AFC Champions League 2021 match schedule

 一方のAFCカップには、マレーシアからは昨季Mリーグ2位のクダ・ダルル・アマンFCと3位のトレンガヌFCが出場します。両チームが所属するアセアン地区のグループステージは6月22日から28日に開催が予定されています。(開催地は未定)
 AFCカップも1回戦総当たりのグループステージ後は、アセアン地区の準決勝、決勝はいずれも1回戦のノックアウト方式となっています。その後、アセアン地区の勝者は南、中央、東の各地区の勝者と準決勝で対戦し、そこから決勝に進み、勝ち抜けると西地区の勝者と一発勝負の決勝戦に望むことになります。以下、AFCカップの予定表です。

AFC Cup 2021 match schedule

1月13日のニュース(2):MFLがMリーグ全クラブに活動制限令施行期間中の練習中止を命じる

MFLが全クラブに活動制限令施行期間中の練習中止を命じる
 Mリーグを主催するマレーシアンフットボールリーグMFLは、1月12日付でMリーグ1部と2部の全24チームに対して練習中止を指示したと、マレーシア語紙ウトゥサンムラユ電子版が報じています。
 2月下旬の今季Mリーグを控え、各クラブはプレシーズン練習を行なっていますが、これに水を差すように、本日1月13日より連邦直轄地クアラルンプール、プトラジャヤ及びラブアンとスランゴール、ペナン、ジョホール、マラッカの各州にロックダウンとも言える活動制限令が施行されていますが、今回の練習中止命令はこの活動制限令が施行されていない地域を本拠地とするクラブも含めた全クラブが対象です。
 MFLのハミディン・アミン会長は1月26日まで2週間の予定で施行される活動制限例期間中のMリーグ1部、2部および3部以下やユースカップ(U19)、プレジデントカップ(U21)チームの練習を全て中止するよう求めているということです。
 マレーシアサッカー協会の会長でもあるハミディン会長は、Mリーグはマレーシア政府の方針に従う必要があるとして、昨日開かれたFAM理事会後の記者会見で練習中止を発表しています。
 なおハミディン会長は、活動制限令が延長された場合に備えて複数の対応策などもこのFAM理事会で検討されたことも明かしています。
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 FAMやMFLの公式サイトや公式Facebookにも全チームへの練習中止指示については掲載されておらず、このニュースを報じているのがウトゥサンムラユだけなのが気になりますが、とりあえず取り上げました。
 FAMの公式Facebookでは上記の理事会で決定したこととして、今月1月16日から25日までの日程で予定されていた代表合宿の中止、今年2021年11月にベトナムのハノイで開催される東南アジア競技大会通称シーゲームズにU19代表を派遣すること(通常はオリンピックに準じてU23代表が派遣されます)、またこのU19代表が2024年パリオリンピック予選に備えてアジアサッカー連盟AFCU23選手権予選にも出場することなどが挙げられています。

1月30日のニュース:2020年マレーシアサッカー重大ニュース(前編)

世界中が新型コロナウィルスに振り回された2020年はマレーシアも御多分に洩れませんでした。異例ずくめだった今年のマレーシアサッカーをボラセパマレーシアJP的視点で2日間に分けて振り返ります。

Mリーグの長期中断と試合数半減
 2月28日に昨年2019年のMリーグ1部覇者ジョホール・ダルル・タジムJDTと同年のFAカップ覇者クダFAの対戦で開幕した今季のMリーグでしたが、新型コロナウィルスの影響を受け3月15日に開催された第4節をもって中断期間に入りました。
 その後、8月28日の第5節開催まで5ヶ月以上の中断期間を強いられたMリーグ主催者のマレーシアンフットボールリーグMFLは、今季の日程をMリーグ1部、2部ともに通常の22試合から11試合へと半減して開催することを発表。今季のMリーグは最終的に各チーム1回戦総当たりという変則日程となりました。
 マレーシアサッカーの年間カレンダーは、1年間を大きく分けると前半はMリーグ、後半はマレーシアカップ、そしてMリーグの合間にFAカップという日程が通例ですが、今季は5ヶ月を超える中断期間によりFAカップは中止となりました。
 また8月のリーグ再開後はMリーグの全試合が無観客試合として開催されました。

マレーシアカップが1回戦開催後中止
 第1回大会が1921年(大正10年)に開催されたマレーシアカップは日本の天皇杯とともにアジア最古のカップ戦の一つです。マレーシア(当時は英領マラヤ)も戦場となった1942年から47年の太平洋戦争による中断時期を除き、毎年開催されてきたこの大会も、10月31日のMリーグ閉幕から1週間ほどで開催された11月初旬の1回戦終了後に国内感染者数が急増したことから、急遽、中止に追い込まれました。

M3リーグが中止
 Mリーグ3部にあたるセミプロリーグのM3リーグは、1部と2部より遅れて3月初旬に開幕しましたが、第2節を終えた時点で今季の中止が発表されました。
 1部と2部のクラブと比べると、スタジアムでなく観客席のないフィールドをホームとするクラブもあり、いわゆるソーシャルディスタンスを厳格に適応することができないことが理由とされましたが、M3リーグには経営基盤が万全でないクラブもあり、長期中断よりは中止を歓迎する声が上がったことも報じられました。
 今季のM3リーグには岸健太(PIB FC)、木下怜耶(アルティメイトFC)、高山龍(ランカウィシティ)、宮崎崚平(ムラワティFC)、米澤淳司(スマラクFC)の5名の日本出身選手が加入し、個人的には観戦をとても楽しみにしていましたが、残念ながら実現しませんでした。

JDTがMリーグ7連覇
 短縮日程となったMリーグ1部はJDTが9勝2分0敗、得失差25で2位のクダFAに勝点差7をつけた圧勝で7連覇を飾っています。
 優勝を決めたホームゲームでは、リーグ再開後は無観客試合とされていたにも関わらず選手家族をスタジアム観戦させて味噌をつけました(但しこれはJDTには何の落ち度もなく、それを許可したリーグ主催者MFLに非があります)が、対抗馬とされたクダFAやスランゴールFCが取りこぼしを繰り返すのを尻目に淡々と勝利を積み重ねた結果の順当な連覇でした。

JDTのACL辞退
 昨季のリーグ王者としてAFCチャンピオンズリーグACLに出場したJDTは、グループステージ開幕戦となったアウェイのヴィッセル神戸戦では1−5と大敗を喫したものの、次戦のホームでは今大会ベスト8に残った水原三星を2-1と撃破し、昨季の鹿島アントラーズ戦に続くACL2勝目を挙げ、1勝1敗と星を五分に戻したところでACLが新型コロナウィルスにより中断しました。
 一時はマレーシア国内での集中開催も発表されたACLグループステージでしたが、マレーシア国内の新規感染者が増加傾向にあったことから開催は取りやめ、結局は11月にカタールで集中開催が決定したものの、この時点で出入国を厳しく管理していたマレーシア政府は国外で開催されるACLへの出場に対してJDTに「強い勧告」を行い、これを受け入れたJDTは残り試合への参戦を辞退、これにより既に終了していたグループステージ2試合の結果も無効となりました。

複数クラブで給料未払いが明らかに
 今季ピッチ外での話題の中でボラセパマレーシアJPが最も多く取り上げたのが給料未払い問題でした。給料未払い問題はいわばマレーシアプロサッカーが抱える慢性的な問題であり、今に始まったことではありませんが、今季は特に新型コロナウィルスの影響で主な収入源の入場料収入を失い、さらに後ろ盾となる州政府(リーグ参加クラブの半数以上を占める州サッカー協会が運営するMリーグクラブは州政府から運営資金援助を受けています)がやはり新型コロナウィルスへの対応で予定外の出費を強いられた皺寄せで資金が削減されるなど、例年にも増して給料未払い問題がほじられる回数が多かった気がします。例えば今季Mリーグ1部に昇格したばかりのPDRM FCは、給料未払い問題を理由にリーグ開幕前に勝点3剥奪の処分を受け、勝点-3からのリーグスタートとなったことを皮切りに、同じ1部のマラッカ・ユナイテッドFC、さらに2部のケランタンFAも勝点3剥奪処分を受けました。(なおPDRM FCは結局、勝点-1でシーズンを終えています。)
 この他、開幕前に大型補強を行いJDTの連覇を阻む最有力候補の一つと見られていたクダFAがリーグ中断前の4試合を1勝1分2敗と予想に反する苦戦ぶりを見せましたが、のちに選手や監督、コーチには3月途中から給料が未払いとなっていることが明らかとなりました。給料未払い問題解決の目処がついたリーグ再開後は6勝0分1敗の成績を収めただけに残念でした。
 さらにリーグ中断期間中の8月には給料未払いを理由に1部パハンFAに所属するモハマドゥ・スマレがチームを離脱し、タイ1部のポリス・テロFCへ加入、一方のパハンFAは契約違反でスマレ選手を非難する事態になっています。

フェルダ・ユナイテッドFCがMリーグ撤退
 短縮された今季日程も最終節第11節を残すばかりとなった10月初旬に発表されたのがフェルダ・ユナイテッドFCが今季をもってMリーグから撤退するというニュースでした。
 政府系機関の連邦土地開発公社フェルダが運営するフェルダ・ユナイテッドFCは2007年創設と新しいクラブではあるものの、2部での優勝2回、1部でも2016年は2位、翌2017年も3位の成績で、2017年にはAFCカップに出場経験もあります。
 今季は降格圏との境界を行き来する成績だったフェルダ・ユナイテッドFCは、これまでのクラブ運営会社から本社に経営権が移った直後の撤退発表により、最終節に勝利すれば1部残留の可能性が残されていた中、スランゴールFCに6−1と大敗し、2部降格となりました。
 その後、旧運営会社の関係者が新たなスポンサーを獲得しクラブの存続を目指したものの、MFLはそのスポンサーの経営基盤が脆弱だとして旧経営会社関係者によるMリーグ参加存続の申請を却下し、Mリーグ撤退が決まりました。
 この他、同様に主要スポンサーだったマレーシア国立大学UKMがスポンサー撤退を表明した2部のUKM FCもMリーグ撤退が決まっています。

12月1日のニュース:タイ1部第13節-ドミニク・タンは途中出場もスマレとノーシャルルはベンチ入りせず、ポルトガル1部第8節-サファウィはベンチ入りも出場なし、国立エリートアカデミー第2期卒業生の主力はJDTとスランゴールFCへ、PJシティFCとサバFCはいずれもマレーシア人新監督就任

タイ1部第13節ドミニク・タンは途中出場もスマレとノーシャルルはベンチ入りせず
 11月27日から30日にかけてタイ1部リーグ第13節が行われました。11月27日に行われたナコーンラーチャシーマーマツダFC対BGパトゥム・ユナイテッドFCは首位のBGパトゥム・ユナイテッドが2-0で勝利しましたが、マレーシア代表で12月いっぱいでの退団が決まっているノーシャルル・イドラン・タラハはベンチ入りしませんでした。
 また11月30日に行われたトゥルー・バンコク・ユナイテッドFC対ポリステロFCの試合は1-1の引き分けでした。マレーシア代表のドミニク・タンは74分から出場しましたが、同じ代表のモハマドゥ・スマレはやはりベンチ入りしませんでした。(その後、スマレ選手は練習中に負ったケガのため、チームの遠征に帯同しなかったことをポリス・テロFCのラングサン監督が明らかにしています。なお、ケガの具合については深刻なものではないとのことです。)

ポルトガル1部第8節-サファウィはベンチ入りも出場なし
 11月29日(現地時間)にポルトガル1部第8節の数試合が行われ、マレーシア代表のサファウィ・ラシドが所属するポルティモネンセSCがCDナシオナルを1-0で破っています。なお、サファウィ選手は3試合連続でベンチ入りしましたが、この試合も出場機会はなく、ポルトガルリーグデビューは果たせませんでした。
 この試合まで1勝1分5敗のポルティモネンセSCと、同じく2勝4分1敗のCDナシオナルの対戦となったこの試合は、ブラジル出身FWファブリシオのゴールでポルティモネンセSCが10月17日の第4節以来となる今季2勝目を挙げています。

国立エリートアカデミー第2期卒業生の主力はJDTとスランゴールFCへ
 マレーシア政府青年スポーツ省とFAMが共同で運営する国家サッカー選手養成プログラムNFDPの中核となるモクタル・ダハリ・アカデミーAMDは国立のエリートアカデミーですが、その第2期生となる17歳の選手40名がこの度卒業となりました。
 その40名中、Mリーグ1部7連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDTとやはり1部のスランゴールFCが合わせて12名の選手と契約したと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 なおこの記事によると、この両クラブはAMDの主力選手12名に卒業生全員に2年から3年の複数年契約をオファーしたということです。
 主力選手の一人MFジアド・アル・バシールや、現在はベルギー1部リーグのKVコルトレイクに所属するルクマン・ハキム・シャムスディンと2016年のAFC U16選手権ではコンビを組んだFWムハマド・ナジムディン・アクマル・カマル・アクマルはJDTと、またDFムハマド・ファイズ・アメル・ルニザルはスランゴルFCとそれぞれ契約しています。なおこの12名の大半は今年2月に鹿児島で開催されたJENESYS2019青少年サッカー交流大会にマレーシアU17代表として出場したということです。
 なお、昨年AMDを卒業した第1期生34名はJDTが6名、スランゴールFCが28名と契約しています。
 以下はJDTとスランゴールFCが契約したAMD第2期生の氏名です。

氏名ポジション契約先
Muhammad Haziq Ridhwan Mohd RosliDFJDT
Muhammad Naqiu Aiman Abdul Hadi DFJDT
Muhammad Najmudin Akmal Kamal AkmalFWJDT
Ziad El Basheer NorhishamMFJDT
Mohammad Marwan Abdul RahmanDFJDT
Muhammad Syukur Fariz JanuriMFJDT
Muhammad Faiz Amer RunnizarDFスランゴール
Syahmi Adib Haikal Mohd ShukriGKスランゴール
Abdul Afiq Hilman Abdul HalimFWスランゴール
Muhammad Haiqal Haqeemi HairiDFスランゴール
Muhammad Khairi Suffian KhaineyusriFWスランゴール
Syed Zaris Irfan Syed Putra Hasdiana Faizal DFスランゴール

PJシティFCとサバFCはいずれもマレーシア人新監督就任
 今季Mリーグ1部で7位に終わったPJシティFCと同10位のサバFC(来季より、今季はサバFA)はそれぞれ新監督の就任を発表しています。
 PJシティFCは、今季アシスタントコーチを務めたマニアム・パチャイアパン氏が監督に昇格します。マレーシアU16、U19、U21代表の監督経験の他、2017年シーズンはスランゴールFA(現スランゴールFC)でも監督を務めたマニアム監督率いるPJシティFCは、来季は外国籍選手なし、全員マレーシア選手という布陣でMリーグ1部に臨むということです。
 これについてマニアム監督は、若い選手により多くの機会を与えて、特に外国籍選手に頼ることの多いストライカーとセンターバックで実力を発揮して欲しいと話し、今季のメンバーの6割が残るチームにはトレンガヌFCから獲得した元代表のダレン・ロックとU21のプレジデントカップチームのメンバーもトップチームに呼ぶことになるだろうとも述べています。
 またサバFC(来季から、今季はサバFA)は、サバ州に隣接するサラワク州出身のルーカス・カラン氏の新監督就任を発表しています。
 今季1部に昇格したサバFAは、昨季監督を務めたジュリアス・アティン氏がMリーグ1部での監督に必要なAFCプロライセンスを保持していなかったことから、インドネシア出身のクルニアワン・ドゥイ・ユリアン監督が就任しましたが、今季終了後に契約が更新され図、事実上の解任となっていました。
 サバFCのヴァードン・バハンダCEOは、AFCプロライセンスを持ち、スポーツ科学の専門家でもあることから、ルーカス氏が複数の候補者から選ばれたと話しています。
 

11月2日のニュース:Mリーグは今季全日程終了、マレーシアカップの組み合わせ決定、タイ1部リーグ第11節-ノーシャルルは出場せず

Mリーグは今季全日程終了
 Mリーグは順延されていた2部プレミアリーグ第11節のクアラルンプールFA対クチンFAの試合が10月31日に開催され、これで今季の全日程を終了しました。
 同じく順延されていた1部スーパーリーグ第11節のサバFA対UITM FC戦が中止となったことで、午後5時キックオフが予定されていた試合は、午後9時に変更となりました。

10月31日(土)
マラッカ州ハンジェバスタジアム
クアラルンプールFA 0-2 クチンFA
得点者:クチンFA-ブライアン・アニゼシオ(21分)、鈴木雄太(38分)
 前節第10節に続く鈴木選手のゴール(今季通算3ゴール目)などでクチンFAが快勝しています。この結果、今季2部に昇格したばかりのクチンFAは、リーグ4位の好成績で今シーズンを終了しています。
 クチンFAの鈴木雄太選手と谷川由来選手もいずれも先発してフル出場しています。
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 新型コロナウィルスの影響でリーグが中断となるまでの4試合は0勝1分3敗で3得点6失点と2部の壁に苦しんだクチンFAですが、8月28日にリーグが再開されると、そこからの7試合は5勝0分2敗で14得点13失点、特に直近の5試合に関して12得点4失点で5連勝を飾り、内2試合は完封勝ちするなど調子を上げてきており、11月6日に開幕するマレーシアカップへ臨みます。
 また今季2020年シーズンの2部プレミアリーグ最終順位は以下の通りです。

マレーシアプレミアリーグ2020年シーズン最終順位表

順位クラブ試合得点失点得失差勝点
1+^ペナンFA118212481626
2トレンガヌFC II117131714322
3+^クアラルンプールFA116322114721
4+クチンFA115151719-216
5JDT II114342017315
6+ケランタンFA1153314113*15
7スランゴール2114161723-613
8ケランタンU114071319-612
9UKM FC113351117-612
10サラワクU113261416-211
11ヌグリスンビランFA113261220-811
12ペラ II111551113-28
^ペナンFAとクアラルンプールFAは2021年シーズンの1部昇格が決定しています。
+は上位5クラブに出場資格が与えられるマレーシアカップ出場権を獲得したクラブ(Mリーグ1部にトップチームを持つBチームにはマレーシアカップ出場資格はありません。)
*5位のケランタンFAは給料未払い問題により勝点3が剥奪されています。

マレーシアカップの組み合わせ決定
 マレーシアフットボールリーグMFLは公式Facebook上で、11月6日に開幕するマレーシアカップの1回戦組み合わせ抽選の結果を発表しています。1部スーパーリーグの上位11クラブと2部プレミアリーグ5クラブ(1部にトップチームを持つセカンドチームのクラブは除く)が出場するこの大会は、11月1日にスランゴール州にあるMFL本部で組み合わせ抽選が行われました。
 MFLによって出場不可となったサバFAを除く15クラブはまずホームゲームとなるAグループとアウェイゲームとなるBグループに分けられ、Aグループには1部の上位6クラブであるJDT、クダFA、トレンガヌFC、ペラTBG、スランゴールFC、UITM FCと2部上位2クラブのペナンFAとクアラルンプールFAが入り、残りはBグループに割り振られました。そこから抽選により、以下のような組み合わせが決定しています。
<マレーシアカップ1回戦の組み合わせ(左側がホームチーム)
ペナンFA対フェルダ・ユナイテッドFC
UITM FC対ケランタンFA
ジョホール・ダルル・タジムJDT対クチンFA
クアラルンプールFA対サバFA(*但しサバFAは不出場のためクアラルンプールFAは1回戦不戦勝が決定)
トレンガヌFC対PJシティFC
ペラTBG対ケランタン・ユナイテッドFC
クダFA対パハンFA
スランゴールFC対マラッカ・ユナイテッドFC

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 上の図を見てもわかるように、昨季のチャンピオンJDTが入った左側のやぐらでは8クラブ中、JDT以外の1部クラブはUITM FCとフェルダ・ユナイテッドFCの2クラブしかおらず、もう一方のやぐらはケランタン・ユナイテッドFC以外の7クラブが全て1部クラブという、JDTにとっては何とも有利な組み合わせになっています。

タイ1部リーグ-ノーシャルルは出場せず
 タイリーグ 1部第11節の残り試合が11月1日に開催され、マレーシア代表のノーシャルル・イドラ・タラハが所属するBGパトゥム・ユナイテッドは、昨季の1部優勝チームで、日本人の滝雅美監督率いるシンハー・チェンライ・ユナイテッドと対戦し、1-0で勝利を収め開幕からの無敗記録を11と伸ばしています。
 なおノーシャルル選手はベンチ入りしたものの、出場はありませんでした。
 第11 節終了時のタイ1部リーグは、このBGパトゥム・ユナイテッドが9勝2分0敗で首位、また前日10月31日にスパンブリーFCに0-5と敗れた、マレーシア代表のドミニク・タンとモハマドゥ・スマレが所属するポリス・テロFCは10位に順位を下げています。

10月29日のニュース:クダ・ダルルアマンFCのスポンサー候補が州FAに対して疑念、FAMはスマレとパハン州FA間の争議を静観する構え、Mリーグ新規加盟クラブはフェルダUの選手を獲得すべき

本日10月29日はイスラム教の開祖ムハンマドの誕生日でマレーシア国民の祝日です。

クダ・ダルルアマンFCのスポンサー候補が州FAに対して疑念
 マレーシアサッカー 協会FAMの指導により来季からMリーグ各クラブが民営化される中、クダ州民生活協同組合KAKBは、クダ州サッカー協会(クダ州FA)の手を離れて民営化されるクダFA(民営化後はクダ・ダルルアマンFC、KDA FC)のスポンサー候補に名乗りをあげていました。
 しかし一時は辞職願を提出しながら結局、それを撤回したクダ州FAのムハマド・サヌシ・ムハマド・ノー会長の一連の行動により、KAKBはスポンサーとなるかどうを再検討し始めたとスポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 このブログでも既報の通り、クダ州首相でもあるムハマド・サヌシクダ州FA会長は、ダルルアマンFCの株式はMBI社が80%、クダ州FAが20%を購入し、MBI社分についてはコンソーシアムを形成して外部から共同参画スポンサーを招き入れることを発表しています。なお、MBI社はクダ州政府が全面出資する州政府系企業です。
 KAKBは来季のKDA FCの運営会社であるダルルアマンFC社の株式51%取得に向けて、1500万リンギ(およそ3億7500万円)を用意し、来季のスポンサーとなることを目指していました。今回のクダ州FA会長の発言についてKAKBのアドバイザーを務めるシャイズワン・カマルザマン氏は以下のように述べています。
 「MBI社のトップはクダ州首相で、そのクダ州首相はクダ州FAの会長である。FAMが求めているクラブの民営化とは本来、州の公金を財源とする州FAからクラブ運営会社へ経営権が譲渡されることを指すが、これでは州FAから州政府系企業への経営権の移行に過ぎない。」と批判しています。
 「これでは『民営化』が実際に行われているようには思えず、従って経営権がクラブ運営会社に完全に移行することは期待できない。」と話しています。
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 クダ州FAで起こっていることは、既得権を手放したくない政治家と、自力では運営資金を集められないため政治家の口利きが必要な連盟の出来レースのように見えます。今季は選手への給料未払い問題を起こしたクダ州FAは、新たに2年契約を結んだアイディル監督が現存選手の大半が来季も残ると話していることから、来季も今季と変わらない運営費用がかかることが予想されます。もし外部から十分なスポンサーを確保できなければ、また選手に負担を強いることになるのでしょうか。

FAMはスマレとパハン州FA間の争議を静観する構え
 昨日のこのブログでは、パハン州サッカー協会(パハン州FA)が契約違反を理由にムハマドゥ・スマレに対して2年間のあらゆるサッカー活動を禁じる懲戒処分を発表したことを取り上げましたが、これについてマレーシアサッカー協会FAMは静観するつもりのようです。
  マレーシア語紙ブリタハリアン電子版によれば、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、両者の争議は既にFIFAの審査対象となっていることから、FAMとしてはこの件についてはコメントを出す予定はなく、FIFAの判断を仰ぐつもりであると話しています。
 スマレ選手はFAMの紛争解決委員会ではなく、FIFAの紛争解決室に直接、この問題を持ち込んだこともパハン州FAによる処分の理由の一つとされています。なお、給料未払いなどの問題について、マレーシア人選手はFAMの紛争解決委員会へ、外国籍選手は直接、FIFAの紛争解決室へ申し立てることができますが、ガンビア出身ながらマレーシア国籍を取得しているスマレ選手はFAMの紛争解決室に申し立てを行うべきにも関わらず、そうしなかったことが処分理由となっています。
 この他、スチュアート事務局長は、パハン州FAからスマレ選手に対する処分内容については正式な通知を受け取っていると話しています。

Mリーグ新規加盟クラブはフェルダUの選手を獲得すべき
 Mリーグ撤退を表明したMリーグ1部のフェルダ・ユナイテッドFC。その旧運営会社社員が設立したファイターズ社は、来季Mリーグ参入を目指すクラブの運営会社ですがフェルダ・ユナイテッドFCのモハマド・ニザム・ジャミル監督はこのファイターズ社に対して、フェルダ・ユナイテッドFCの選手を採用するように働きかけているということです。
 マレーシア語紙シナルハリアン電子版はニザム監督の話として、新規加盟クラブがMリーグでプレー経験のある選手を獲得したいのであれば、フェルダ・ユナイテッドFCの選手を獲得するのが最善の方法だとしています。
 「新規加盟クラブがフェルダ・ユナイテッドFCの選手を獲得する予定があるかどうかは承知していないが、もしそのクラブをゼロから作り上げようとしているのならば、強いチームを作ることは非常に困難だろう。しかし、もしフェルダ・ユナイテッドFCの選手を核にし、足りない部分を補強するのであれば、チーム作りの困難さは軽減される。ただし、新規加盟クラブの経営陣やオーナーが、すべての選手を自らで集めてくるつもりなのであれば、自分にできることはない。」とニザム監督は述べています。
 また、ニザム監督は、フェルダ・ユナイテッドのFC選手も監督、コーチもファイターズ社からはこれまでは何の接触もないことも明かしています。

The Fighters’ representative who is also the former Secretary General of Felda United, Afizal Abu Othman in the Sinar Harian report yesterday also could not give confirmation on the fate of Felda United players whether they will be absorbed in the new team later.”Of course we are disappointed after knowing that Felda United will not play again next season. However, after a month we can accept it and there are players who are already thinking about future plans.”For myself, I am not angry because this is football. This kind of thing is normal and it is the right of management if they do not want to play in league competition again. We have to accept it, ”he explained.We’d like to notify you about the latest updatesYou can unsubscribe from notifications anytimePowered by iZooto

10月28日のニュース:スランゴールFCはトップチームの5名と契約解除、パハン州FAはスマレに対する2年間の活動停止処分を発表、未消化のMリーグ最終戦2試合はいずれもマラッカで開催が決定

スランゴールFCはトップチームの5名と契約解除
 今季2020年シーズンの国内サッカーはマレーシアカップを残すのみとなりました。Mリーグ1部の11位までのチームと2部の上位5チーム(ただし、1部リーグにトップチームが出場しているセカンドチームは除く)の計16チームが出場する大会に出場するクラブはその準備に余念がないと思いますが、その中の一つであるスランゴールFCは、マレーシアカップ前に複数の選手と契約を解除し、2部リーグのセカンドチーム、スランゴール2から複数の若手を昇格させてマレーシアカップに臨むようです。
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版によると、スランゴールFCのトップチームから契約を解除されたのは、ニック・スウィラッド(29)、ファリザル・ハルン(33)、キリル・ムヒミーン(33)、アンワル・イブラヒム(21)、そしてザーリル・アズリ・ザブリ(21)の5選手です。この5選手は契約期間満了となる来月11月分の給料も支払われており、クラブの練習施設の使用許可は与えられているものの、既にチーム練習への参加はしていないということです。
 この5選手の契約解除は、スランゴール2から昇格するコソボ共和国出身のバジラム・ネビヒ(32)、クエンティン・チェン(20)、ダニアル・アスリ(19)、アキル・ファドリ(21)、シャルル・ナジーム(21)がマレーシアカップに出場するための登録枠確保が理由とされています。
 しかし、ここでこの記事を書いたファラ・アズハリ記者は、マイケル・ファイヒテンバイナー監督代行に尋ねました。「いずれも元U19代表のアンワル・イブラヒムとザーリル・アズリ・ザブリはなぜ、契約解除なのか。」
 ファイヒテンバイナー監督代行は「その件に関してはコメントしない。私は現在チームに所属する選手とマレーシアカップに集中したいからだ。」と答えたようですが、ファラ・アズハリ記者がこの質問をしたのには理由があります。それはともにアンワル選手とザーリル選手は、サティアナタン・バースカラン監督が直々に契約したからという理由で解雇されたのではないかという噂があるからです。そしてファイヒテンバイナー監督代行は先月9月のシーズン途中に解雇されたサティアナタン監督に代わり、クラブのテクニカルディレクターから監督代行に就任しています。
 またスランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会は「選手の解雇は世界中どこでもデリケートな問題である。これもサッカービジネスの一部であり、個々のケースについてコメントはしない。」というコメントを発表しています。

パハン州FAはスマレに対する2年間の活動停止処分を発表
 パハン州サッカー協会(パハン州FA)は、元所属選手のモハマドゥ・スマレに対し、契約違反を犯したとして2年間のあらゆるサッカー活動の禁止処分を発表しています。
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版によると、パハン州FAの規律委員会は、現在はタイ1部リーグのポリス・テロFCと契約しているモハマドゥ・スマレに対して懲罰対象となる4件の規律違反があったとし、あらゆるサッカー活動に関わることを2年間禁止するとしています。
 スマレ選手不在のまま開催された規律委員会で、リザル・チェク・ハシム委員長は以下の4件の規律違反を発表しています。
1. パハン州FAに無断でメディアに対して発言を行ったこと。
2. 給料未払い問題についての紛争を、マレーシアサッカー 協会FAMの紛争解決部ヘノ事前通告なしにFIFAへ直接、訴え出たこと。
3. 契約期間中にも関わらず、今年8月3日から8月28日までの練習を無断で欠席したこと。
4. 契約期間中にも関わらず、今年8月28日のMリーグ公式戦のJDT戦に参加しなかったこと。
 なおこの4件についてそれぞれに2年間のあらゆるサッカー活動禁止処分が課されるということですが、4件の処分は同時に執行されるとして計2年間の処分が言い渡されています。
 決定した処分内容はFAMへ通知され、そこから関係各所へ伝達されるということです。
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 パハン州FAによる給料未払いが今年以前からあったことを理由として、パハン州FAが運営するチームを離脱したことをメディアに向けて述べたスマレ選手に対し、パハン州FAは2年間という厳しい処分を下しています。しかし、ここで注目されるのはこの処分の正当性で、パハン州FAからこの処分を通知されたFAMがどのような対応をするのかに関心が集まりそうです。
 これまでも経営が厳しい噂が出ていたパハン州FAが、振り上げた拳の行き場に困って下した処分でないことを祈りたいです。

未消化のMリーグ最終戦2試合はいずれもマラッカで開催が決定
 Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは公式Facebook上で、順延となっていたMリーグ1部と2部の最終節第11節の2試合をいずれもマラッカ・ユナイテッドFCの本拠地であるハンジェバスタジアムで開催することを発表しています。
 順延となっていたのは1部のサバFA対UITM FC戦と2部のクアラルンプールFA対クチンFA戦の2試合で、試合はいずれも10月31日でクアラルンプールFA対クチンFA戦が午後5時開始、サバFA対UITM FC戦は午後9時開始と発表されています。
 昨日10月27日までスランゴール州、クアラルンプールそしてプトラジャの首都圏には条件付き活動制限令CMCOが施行されていましたが、マレーシア政府はこれをさらに2週間延長することを発表したため、UITM FCの本拠地でスランゴール州シャーアラムにあるUITMスタジアムと、クアラルンプールFAの本拠地のクアラルンプールフットボールスタジアムでの試合開催について危ぶまれていました。
 CMCO施行下でのスポーツの試合は延期が求められていたことから、CMCO施行地域外にあるマラッカでの開催となったようです。
 いずれの試合も新型コロナウィルスの感染拡大の影響により、当初の予定から既に一度、日程と試合会場は変更されており、これが2度目の変更となりました。




 

10月23日のニュース:今度は国軍FCの元選手が給料未払いをFAMに告発、アイディル監督留任決定のクダFAは来季からクダ・ダルル・アマンFCに、UKM FCは給料以外に社会保障費他の納付金も未払いが発覚

今度は国軍FCの元選手が給料未払いを告発
 今季もMリーグの複数のクラブで明らかになった給料未払い問題ですが、今度は現在、M3リーグに所属する国軍FCの元選手が未払いとなっている給料についてマレーシアサッカー協会FAMに告発したようです。
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版によると、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長はこの告発をもとに元選手と国軍FC経営陣との工廠の仲介を行うとしています。
 「FAMは元選手からの告発を受け取っており、給料未払い問題解決のために双方の話を聞き、国軍FCが元選手との間で同意した予定通りの未払い給料支払いが行われなかった理由を確認した上で、双方が納得する解決方法を模索したい。」とスチュアート事務局長は話しています。
 かつてはMリーグ1部に所属したこともある国軍FCですが、今回の給料未払い問題を告発した選手は身元を明かしてはいませんが、クラブの元主力でマレーシア代表でもプレー経験があるものの、現在は漁師をしているということです。
 この元選手の告発によれば、2015年から毎月分割で支払われていた未払い給料ですが、その支払いが今年の4月から滞っているということです。また、この選手の他にも3名の元選手が合計で28万リンギ(およそ707万円)の未払い給料の支払いを受けていないということです。
 なお、この国軍FCはFAMがMリーグ全クラブに義務付けた民営化をM3リーグ所属ながら申請し認可を受けていますが、国軍FCの民営化認可と来季の国内リーグ参加のためのクラブライセンスについて問われたスチュアート事務局長は、「国軍FCはM3リーグに所属しているため、Mリーグ1部や2部に参加する際に必要とされるクラブライセンスの申請が必要なく、またクラブの民営化とクラブライセンス申請は関係がない。」と答えています。
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 スチュアート事務局長のコメントを読む限りでは、M3リーグ以下のリーグでは参加するクラブにはクラブライセンスが必要ないということのようですが、それでも民営化を申請した国軍FCが未払い給料問題を抱えたいたことを知った上で民営化を認めたとすれば、クラブオーナーが変わることで責任の所在が不明確になり、その結果、給料未払い問題がうやむやにされてしまう危険性に対する認識が不十分な気がします。また、未払い給料問題を把握せずに民営化を認めたとすれば、FAMによる緩い審査とその節穴ぶりがまた露呈した形になります。

アイディル監督留任決定のクダFAは来季からクダ・ダルル・アマンFCに
 アイディル・シャリン・サハク監督は他のクラブとの交渉に断りを入れ、クダFAとの新たな2年契約に同意してことが報じられています。
 マレーシアの通信社ブルナマによれば、アイディル監督の決断は今季Mリーグで2位となり来季のAFCカップの出場権を獲得したことに加え、選手と監督、コーチとの関係が良好であること、またクラブの運営サイドが現状の改善に努力していることが理由であるとしています、また、かつて監督を務めたシンガポールリーグのホーム・ユナイテッド(現ライオンシティセーラーズFC)以来のAFCカップ出場に向けて、主力選手の90%がチームに残るだろうと話しているということです。
 この他、クダFAの来季からの新クラブ名がクダ・ダルル・アマンFCとなったことが発表されています。
 新クラブ名を発表したクダ州サッカー協会(クダ州FA)のムハマド・サヌシ・ムハマド・ノー会長は、このクダ・ダルル・アマンFCの運営会社ダルルアマンFC社の株式の80%をクダ州政府の政策投資会社であるMBI社が購入し、残る20%をクダ州FAが保有することも明らかにしています。またMBI社は購入したダルルアマンFC社の株式を共同事業体を設立して保有していく予定があり、現在、複数の企業と交渉中であることも発表しています。
 またクダ州首相でもあるムハマド・サヌシ会長は、クダ州でのサッカー協会会長という役職の重要性を理解したとして、クダ州FAに提出していた辞職願を取り下げたことも明らかにしています。なおムハマド・サヌシ会長はより適切な人材を会長とすべきとして今月10月15日に辞職願をクダ州FAに提出していましたが、クダ州FAはこの辞職願の受け取りを拒否していました。

UKM FCは給料以外に社会保障費他の納付金も未払いが発覚
 Mリーグ2部で今季は9位に終わったUKM FCは、所属する選手や監督、コーチに対して6月の給料は半額のみ、7月以降は全く給料を支払っていないと、ブリタハリアンが報じています。
 この7月以降の未払い給料に加えて、クラブが負担する従業員積立基金EPFや労災補償制度SOCSOなどの納付金については今年3月から支払われていないことも明らかになっています。
 この結果、UKM FCの選手の中にはプロサッカー選手にも関わらず、生活のためにアルバイトや配車サービスなどの仕事をせざるを得なくなった者もいるということです。
 クラブの運営側も未払い給料の支払い時期を明言しておらず、UKM FCの選手たちはマレーシアプロサッカー選手会PFAMに問題解決の助けを求め、PMAMはクラブ側に2週間の猶予を与え、問題可決を図るように求めたということです。

10月22日のニュース:JDTのフィゲロアTMが退団、JDTはジオゴの移籍と新外国籍選手の獲得も発表、フェルダUは名称を変更してMリーグ残留か、フェルダUの権利を引き継いだクラブのみがMリーグ参加可能-MFL

JDTのフィゲロア チームマネージャーが退団
 Mリーグ1部で7連覇を達成したジョホール・ダルル・タジムJDTで今季チームマネージャーを務めたルシアーノ・フィゲロア氏の退団がJDTの公式Facebookで報じられています。
 ビジャレアルCF(スペイン)やジェノアCFC(イタリア)などでもプレー経験がある元アルゼンチン代表のフィゲロア氏は2014年にギリシャリーグのパナシナイコスFCからJDTに移籍し、今季まで続くMリーグ1部7連覇の初年度、そして翌年2015年の連続優勝に貢献しただけでなく、東南アジアのクラブとしては初めて優勝を遂げたAFCカップ優勝にも貢献しています。フィゲロア氏は2015年シーズン後には引退し、2017年からはJDTの親善大使に就任しましたが、2018年シーズン開幕前に電撃現役復帰しMリーグ1部の試合に出場しましたが、このシーズン後に再び引退しています。その後、JDTのオーナーであるジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下からJDT監督に就任指名を受け、当時JDTのセカンドチーム監督だったベンヤミン・モラ現JDT監督をコーチとして采配を振るい、その後はモラ監督、フィゲロアチームマネージャーのコンビで2019年、2020年と連覇を達成しています。
 なおフィゲロア氏のJDTでの通算成績は71試合に出場し、43ゴールと14アシストとなっています。
 今回、家庭の事情で本国アルゼンチンへ帰国するということですが、JDTの公式Facebookにはオーナーのトゥンク・イスマイル殿下やクラブ、サポーターへの感謝の言葉と、それに応えるトゥンク・イスマイル殿下の言葉が掲載されています。
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 新型コロナウィルスによる今季リーグの中断期間中だった9月には、JDTのホーム、スルタン・イブラヒムスタジアムの一角が「フィゲロアスタンド」と命名されることが発表されるなど、選手として、そして引退後はマネージャーとしてクラブに対する貢献が高く評価されていたフィゲロア氏。今回退団するフィゲロア氏が入団した2014年から始まったリーグ7連覇は来年も続くのでしょうか。

JDTはジオゴの移籍と新外国籍選手の獲得も発表
 JDTの公式Facebookでは、フィゲロア氏の退団以外にも続々と新たな情報が公開されています。
 まずは11月19日から12月4日の予定でカタールで集中開催されるAFCチャンピオンズリーグに出場するJDTは、11月6日に開幕し同22日に決勝が予定されているマレーシアカップの優勝候補チームですが、両大会の日程が重なっていることからその対応が注目されていました。これについてはMリーグ2部でプレーするセカンドチームJDT IIの選手も含めたチーム編成となるようです。
 また、このブログでも取り上げたジオゴの移籍が正式に発表されています。なおタイへの移籍はマレーシアカップ終了後となると発表されています。なおジオゴに代わる外国籍選手としてカミーロ・ダ・シウヴァ・サンヴェッゾの獲得が発表されています。2010年シーズンには韓国1部リーグの慶南FCで短期間ながらプレー経験があり、今季はメキシコ1部リーグのマサトランFCでプレーしていたということです。
 この他、昨日のこのブログでJDT移籍の噂を取り上げた元フェルダ・ユナイテッドFCのダニエル・アミールの獲得も正式に発表された他、ベンヤミン・モラ監督とハリス・ハルン主将の残留も発表されています。
 移籍情報以外では、今季から使用している本拠地のスルタン・イブラヒムスタジアムのピッチ改修工事のため、マレーシアカップでは昨年まで使用したラーキンスタジアムことタン・スリ・ダト・ハジ・ハッサン・ユーヌススタジアムを使用すること、外国企業4社がチームとスタジアムのスポンサーに名乗りを上げていることなども発表されています。
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 発表内容を見れば見るほど、JDTは戦力面だけでなく、クラブの設備、運営の姿勢、高いプロ意識と他のMリーグクラブとはますますその差が開いていくようです。先日も来季に向けて契約更改を始めた記事を取り上げましたが、JDTと他のクラブとの差は実は戦力面での差以上に、クラブ運営トップの姿勢や意識の差が大きいようです。

フェルダ・ユナイテッドは名称を変更してMリーグ残留か
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版は、Mリーグ撤退が発表されたフェルダ・ユナイテッドFCの旧運営会社が新たなオーナーを既に獲得し、来季もMリーグ残留の可能性が高まっていることを報じています。
 フェルダ・ユナイテッドFCの旧運営会社のアフィザル・アブ・オスマン元事務局長は、新たな運営会社として立ち上げたThe Fighters社(ファイターズ社)を通じて、来季のMリーグ参加をFAMに申請中ということです。
 ファイターズ社の代表も務めるアフィザル氏は、新たなオーナーと来季のクラブ運営に関する経営計画をすでにマレーシアサッカー協会FAMに提出済みということで、現在はFAMによる認可を待っている状態だということです。
 「新たなオーナーやスポンサーについては、ファイターズ社が提出したクラブ民営化に関する経営計画をFAMが承認してから明らかにしたい。またFAMが承認した場合でもクラブの名称はフェルダ・ユナイテッドFCとはならないだろう。」とアフィザル氏は話しています。
 (旧運営会社から運営を引き継いだ)フェルダ連邦土地開発庁が運営から手を引区ことを表明したことから、今後はどこからクラブの運営資金が出るのかをFAMに説明したことを明らかにしたアフィザル氏は、ここ数日メディアで取り上げられているラヤット・ユナイテッド(Rakyat United)というクラブに名称が変更されるのではという問いには答えませんでした。
 また先日、プトラジャヤに新たなMリーグクラブの創設を明らかにしたアヌアル・ムサ連邦直轄地相との面会について問われたアフィザル氏は、アヌアル大臣がファイターズ社と協力して、新たなクラブがプトラジャヤを本拠地とすることが可能かどうかについて話し合ったことは明かしています。
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 フェルダ・ユナイテッドFCがラヤット・ユナイテッドとなるかどうかはわかりませんが、アヌアル大臣が明らかにした「プトラジャヤを本拠とするクラブ」の最有力候補となったことは、この記事から明らかなようです。

フェルダ・ユナイテッドの権利を引き継いだクラブのみがMリーグ参加可能-MFL
 Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは、新たなクラブが来季2021年シーズンからMリーグ1部あるいは2部に参加する場合は、Mリーグ撤退を表明したフェルダ・ユナイテッドFCの権利を引き継いだクラブのみが可能であるとしています。
 ブリタハリアン電子版は、MFLのアブドル・オスマン・ガニCEOの話として、Mリーグに参加するクラブはMリーグ3部にあたるM3リーグからスタートするのが原則であるが、今回の場合はフェルダ・ユナイテッドがMFLに対して正式にリーグからの撤退を申請した場合に限り、その権利を引き継ぐクラブにのみMリーグ1部あるいは2部からの参加を認める可能性があるとしています。
 その一方でオスマン・ガニCEOは、フェルダ・ユナイテッドFCはMリーグからの撤退について未だ文書による正式な報告をしておらず、同クラブが撤退を確定していない現状では、同クラブに代わってのMリーグ参加は認められないとも話しています。またフェルダ・ユナイテッドFC自身が代わりのクラブを指名する場合には、具体的なクラブ名を上げる必要もあるとしています。
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 何か歯切れの悪い記事になってしまいましたが、ここにも前述のラヤット・ユナイテッドが関連しています。ラヤット・ユナイテッドがフェルダ・ユナイテッドFCに代わってMリーグに参加するという噂がここ数日取り上げられていますが、双方とも何も正式なコメントを出していません。状況から判断すると、フェルダ・ユナイテッドFCがラヤット・ユナイテッドとして再出発するのだろうという予想は立ちますが、確定するまでにはまだ時間がかかりそうです。

10月21日のニュース:JDTは早くも来季へ向けて主力選手と契約更改開始、リーグ撤退のフェルダUの若きエースはJDTからのオファーを認める、ポリス・テロFCのスマレがタイリーグデビューに前進

JDTは早くも来季へ向けて主力選手と契約更改開始
 Mリーグ1部で7連覇を達成したジョホール・ダルル・タジムJDTが早くも主力選手と来季の契約を結んだことを公式Facebookで告知しています。
 契約期間などの詳細は明らかになっていませんが、「JDTが選手との契約更新」のタイトルで、クラブオーナーのジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下と各選手が契約書にサインをしている写真がFacebookに挙がっています。
 サインをしているのは、クナラン・スブラマニアム、ゲイリー・スティーヴン・ラバット、モハマド・ファリザル・マーリアス、モハマド・アイディル・ザフアン・アブドル・ラザク、アーマド・ハズワン・バクリ、アダム・ノー・アズリン、モハマド・ラマダン・サイフラー・ウスマン、ムハマド・ナズミ・ファイズ・マンソール、そしてムハマド・アキヤ・アブドル・ラシドら、いずれも代表経験があったり、現在も代表でプレーする主力選手です。
 この他、顔がわからなかった選手が数名写っていましたが、他のメディアの報道ではJDT IIのムハマド・アイマン・ダニシュ・アズリ・アブドル・アジムとムハマド・フェロズ・バハルディンということです。

リーグ撤退のフェルダ・ユナイテッドの若きエースはJDTからのオファーを認める
 Mリーグ徹底が発表になった1部リーグのフェルダ・ユナイテッドのダニエル・アミール・ノーヒシャムは、Mリーグ1部チャンピオンのJDTからオファーを受けていることを認める発言をしています。
 「ボーイ」の愛称を持つダニエル選手は、スポーツ専門チャンネルのアストロ・アリーナとのインタビューで、JDTからのオファーを受けていることを認めつつも、契約解除違約金が高額なことから、契約には至っていないと話しています。
 「自分はJDTでプレーをしたいと思っている。JDTが提供してくれる物、つまり(オーナーの)トゥンク・イスマイル殿下が与えてくれるものは、サッカー選手なら誰でも欲しいと思う物であり、自分がプロサッカー選手であることが実感できる物である。」とダニエル選手はインタービューで話しています。
 U23でもプレーしたダニエル選手はインタビューの最後に。来季はどのチームでプレーするかを決める前に、まずはマレーシアカップに集中したいと話しています。
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 リーグを撤退するクラブが選手の保有権を首長することができるのかどうかはわかりませんが、契約解除違約金を支払う対象はフェルダ・ユナイテッドFCの運営会社なのでしょう。昨年もJDTがオファーを持ちかけたという話が出た際には、契約解除違約金として100万リンギ(およそ2540万円)を設定したことをこのブログでも取りあげましたが、その額が現在も設定されているのかも知れません。
 タイトルには「若きエース」と書きましたが、ダニエル選手が若い割にはケガが多い印象で、その辺りもJDTがダニエル選手に設定された違約金が高いと感じている点かも知れません

ポリス・テロFCのスマレがタイリーグデビューに前進
 タイ1部リーグのポリス・テロFCに加入したマレーシア代表のムハマドゥ・スマレが練習試合でゴールを決めたことが、マレーシア後紙ハリアン・メトロ電子版で報じられています。
 タイ2部リーグのウタニ・タイFCとの練習試合に出場したスマレ選手はポリス・テロFCが4-3で勝利したこの試合で4点目のゴールを決めたということです。14日におよぶ検疫隔離期間をチームと離れて過ごし、先週、チームに合流したばかりのスマレ選手ですが、この試合がタイ入国後、初の実戦経験となりました。
 ポリス・テロFCは今週末の10月25日(日)にホームでのムアントン・ユナイテッド戦が控えていますが、この試合がスマレ選手のタイデビュー戦となるかに注目が集まります。
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 数日前のコンディションが不十分という報道から一転しての練習試合出場により、いよいよ大リーグデビューが近づいてきたということかも知れません。