MFL第16節の結果まとめ

マレーシアフットボールリーグMFLは6月15日(土)と16日(日)の両日に第16節が行われました。以下結果です。(左側がホームチーム)

MFL1部プレミアリーグ

PKNP FC1−1ジョホール・ダルル・タクジムJDT
得点者:PKNP FC-ラモン・コスタ(15分)、JDT-ジオゴ(5分)
 リーグ首位JDTが11位PKNP FCのホームでまさかの引き分け。PKNP FCは5月末のトランスファーウィンドウ期間中に加入したブラジル人FWラモン・コスタのゴールで追いつくと、そのままJDTを抑えて貴重な勝点1を獲得しました。
 一方、6月11日に行われた国際サッカー連盟FIFAワールドカップ2022年大会アジア一次予選で東ティモール代表と対戦し勝利したマレーシア代表23名中、JDTからは9名が選出されており、代表組は少々お疲れだったのかもしれません。しかし、この引き分けのおかげで、2位以下のチームにはJDTとの差を詰めるチャンス到来だったのですが…。

クダFA0-0パハンFA
得点者:なし
 この試合前までに首位JDTとの勝点差が10あったリーグ2位のパハンFA。JDTが降格圏のPKNP FCと引き分けたこの機会を活かしたかったところですが、結果はリーグ3位のクダFAと引き分けて、勝ち点差を詰めることができませんでした。
 得点力不足に苦しむパハンFAは、FWディクソン・ヌワカエメが4月28日のMFL第11節JDT戦以来の出場となりましたが、この試合ではゴールを決めることができず、チームも5試合連続無得点となりました。

フェルダ・ユナイテッド5−4PKNS FC
得点者:フェルダ・ユナイテッド-チアゴ・ジュニオール(4分)、ハディ・アズマン(45分)、ファイズ・マズラン(48分)、カイルル・アムリ2(52分、56分)、PKNS FC-クパ・シャーマン(15分)、タミルラン・コズバエフ(60分)、 ジャフリ・フィルダウス・チュウ(72分)、ロドニー・セルヴィン(82分)
 リーグ最下位に低迷するフェルダ・ユナイテッドが貴重な勝点3を獲得。なおフェルダ・ユナイテッドの池田圭選手は途中出場、渡邉将基選手はベンチ外でした。
 スランゴールFAのBチーム化が噂されているPKNS FCは、開幕当初の勢いが衰えてきていますが、もしこのBチーム化が決定すれば、今シーズンの成績に関わらずMFL2部プレミアリーグへ降格となります。ここで補足的な説明をすると、スランゴールFAはスランゴール州サッカー協会(スランゴール州FA)によるクラブチームであるのに対し、PKNS FCはスランゴール州政府の機関であるスランゴール州開発公社が母体のクラブチームです。この2つのクラブはいずれもマレーシア国内で最大の人口と経済規模を持つスランゴール州の州政府からそれぞれ経済的な支援を受けています。この2つのクラブを統合することで、恐らく主体となるであろうスランゴールFAをJDTのような金満クラブと対等に戦うだけの資金を確保し、同時にMFL2部でようという算段です。スーパーリーグのJDTとトレンガヌFCはそれぞれのBチームが、プレミアリーグにJDT IIとトレンガヌFC IIとして在籍していますので、スランゴールFAもこれに習う形になる可能性があります。

プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC0-1ペラTBG
得点者:ペラTBG-ロナウド(19分)
 ペラTBGが逃げ切り。PJシティFCは主将のDFスブラマニアム・ソーリャパラドが65分,68分と立て続けに2枚のイエローカードをもらって退場となり、数的不利な状況では反撃できませんでした。

スランゴールFA2−1クアラ・ルンプール(KL)FA
得点者:スランゴールFA-イフェダヨ・オルセグン(37分)、サンドロ・ダ・シルヴァ(90分PK)、KLFA-ギリェルメ・デ・パウラ(59分PK)
 クアラ・ルンプールとそれを囲む形のスランゴール州を本拠とするチーム同士の対戦は、この辺りがクラン川に沿った渓谷であることからクランバレーダービーと呼ばれていますが、そのダービー戦も引き分けかと思われた90分過ぎに、途中出場のMFショーン・セルヴァラジがペナルティエリア内で倒されてPKを獲得、この日のマンオブザマッチ的な活躍をしたサンドロ・ダ・シルヴアがこのPKを確実に決め、スランゴールFAが土壇場でKLFAに勝利しました。
 KLFAは、FWギリェルメ・デ・パウラが、元シンガポール代表で現役時代はKLFAでもプレーしたファンディ・アーマドの持つクラブ記録の67得点へあと2つとせまるゴールを決めましたが、第14節のプタリン・ジャヤ・シティFCに続き、またも90分を過ぎてから決勝ゴールを奪われての敗戦となりました。

マラッカ・ユナイテッド3-3トレンガヌFC
得点者:マラッカ・ユナイテッド-デイヴィ・クロード・アンガン2(17分,49分)、ルカ・ミルノヴィッチ(31分)、トレンガヌFC-サンジャル・シャアフメドフ3(41分、73分、82分)
 ウズベキスタン出身のMFサンジャル・シャアフメドフのハットトリックで引き分けたトレンガヌFCは、最近6試合で3試合目の引き分け。
 一方のマラッカ・ユナイテッドは、入団後2試合目となったFWデイヴィ・クロード・アンガンの2ゴール、5試合で5ゴール目を決めたFWルカ・ミルノヴィッチの活躍もありましたが、やはりこちらも最近6試合で3試合目の引き分けでした。

MFL2部プレミアリーグ

JDT II5-0トレンガヌFC II
得点者:JDT II- ニコラス・フェルナンデス3(14分、18分、89分)、ラマドハン・サイフラー(50分)、サアルヴィンドラン・デヴァンドラン(73分)
 MFL1部スーパーリーグのBチーム同士の対戦となったこのカードは、MFニコラス・フェルナンデズのハットトリックなどでJDT IIが圧勝しています。
 トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手は、スタメンでフル出場しています。

ケランタンFA0-0UITM FC
得点者:なし
 3位UITM FCと11位ケランタンFAの試合は、両チーム無得点の引き分けでした。
 第14節でプレミアリーグ首位に立ったUITM FCは、その後は1分1敗という成績で、3位まで順位を下げています。

スランゴール・ユナイテッド1-3ペナンFA
得点者:スランゴール・ユナイテッド-ハディ・ヤハヤ(90分)、ペナンFA-ジュリアン・ボッタロ(50分)、カサグランデ(60分)、セルジオ・アグエロ(89分)
 トランスファーウィンドウ期間中に、セルジオ・アグエロ(スランゴール・ユナイテッドから移籍)、カサグランデ(マラッカ・ユナイテッドから期限付き移籍)と二人のFWを獲得して以来、2勝1分と好調のペナンFAは、この試合も新戦力二人が活躍して4試合負けなしとなりました。

サバFA1-0ヌグリ・スンビランFA
得点者:サバFA-アルト・リナス(66分)
 ともに1部スーパーリーグへの昇格を目指す3位のサバFAと5位ヌグリ・スンビランFAの試合は、5試合負けなしのサバFAがこの試合も勝利し、消化試合がヌグリ・スンビランFAよりも1試合少ないものの、勝点で5点差をつけてリードしています。
 ヌグリ・スンビランFAの中武俊介選手はスタメンでフル出場しています。

UKM FC2-3PDRM FC
得点者:UKM FC-アスナン・アーマド(14分)、マテオ・ロスカム(74分)、PDRM FC-ファウザン・ファウジ(8分)、アルグジム・レゾヴィッチ(49分)、リ・チャンフン(77分PK)

6月13日のニュース:JapaFunCup出場の2選手が日本へ出発、トレンガヌFCの新外国人はMFL今節の試合に間に合わず

JapaFunCup出場の2選手が日本へ出発
日本サッカー協会JFAが国際交流基金アジアセンターと共に2014年より進めてきた東南アジア各国とのサッカー交流事業の成果発表の場として、6月22日(土曜日)に福島県のJヴィレッジで開催するU18東南アジア選抜チーム「ASIAN ELEVEN」対U18東北選抜の国際親善試合「JapaFunCup(ジャパファンカップ)」に出場するマレーシアU18代表のアリ・イムラン・スカリとハリス・ハイカル・アダム・アフカルの両選手が、クアラ・ルンプール国際空港(KLIA)から日本へ出発したことが、マレーシアサッカー協会FAMのホームページで告知されています。
 パハン州ガンバンにあるモクタ・ダハリアカデミーの国立フットボール育成プログラム出身でともに17歳のアリ・イルマン選手とハリス・ハイカル選手は6月13日から23日まで福島県に滞在し、東南アジア11カ国から集まった選手たちともに『ASIAN ELEVEN」プログラムに参加し、最終日の国際親善試合に備えます。
 搭乗前の会見では、「マレーシア人選手が高いレベルでもプレーできることを証明したい」と意気込んでいたDFのアリ・イルマン選手は、他の参加者と1週間の練習期間の中で連携を高めたいとしています。また「他の国の18歳の選手たちとスタメン争いをしなければならないが、年齢差は気にならない」と語るMFのハリス・ハイカル選手はできるだけ多くのサッカー技術や知識を学んで、ピッチ上では全力を尽くしたいと述べています。
 彼らをKLIAで見送ったFAMのダト・スリ・スバハン・ビン・カマル副会長は、東南アジアの選手が日本の選手相手に才能や能力を示す機会となるこのようなプログラムが今後も続くことを、FAMと国立フットボール養成プログラムが期待していると話しています。(写真はアリ・イルマン選手(左)とハリス・ハイカル選手。FAMのFacebookより)

トレンガヌFCの新外国人は今節の試合に間に合わず
マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグのトレンガヌFCの新戦力、ブラジル出身のDFルイス・グスタヴォ・カミロのチーム合流が遅れていると、マレー語紙コスモの電子版が伝えています。
 本来なら先週中にチームに合流する予定だったルイス選手ですが、国際移籍証明書の発給が遅れており、今週末から再開するMFLの第16節、マラッカ・ユナイテッド戦には間に合わないことが決まっていますが、第17節のペラTBG戦にも間に合わない可能性があるとしています。
 第15節を終えて、5勝5分5敗という成績のトレンガヌFCは、今年二度目のトランスファーウィンドウ期間中に、セルビア人のDFイゴール・ゾンジッチとの契約を解除し、代わりこのルイス選手を獲得しました。スーパーリーグ12クラブ中、失点数23はリーグ10位のクアラ・ルンプール(KL)FA(33点)、12位のフェルダ・ユナイテッド(30点)、11位のPKNP FC(28点)に続く悪い成績ですが、すぐに改善とはいかないようです。

6月2日のニュース:サファウイ・ラシドに日韓のクラブが関心、FAMの懲戒委員会によりスランゴールFAのGKは5試合出場停止、FAMのステイタス委員会は未払い給料支払いを命令

サファウイ・ラシドに日韓のクラブが関心
英字紙ニューストレイトタイムズの電子版では、AFCチャンピオンズリーグACLにジョホール・ダルル・タクジムJDTのメンバーとして出場したサファウイ・ラシドに日韓のクラブが関心を示していると英字紙ニューストレイトタイムズの電子版が伝えています。
 昨シーズンの国内最優秀選手にも選ばれているサファウイ選手はACL以外にも昨年インドネシアで開催され、韓国を撃破したアジア競技大会や今年3月のアジアサッカー連盟AFC U23選手権予選にも出場してゴールを決めていまが、そういった実績に加えて、現在22歳という若さからJ1のクラブが関心を示していると、記事の中であるエージェントが述べています。しかし同じエージェントがJDTと話したところ、現時点ではJDTはサファウィ選手の移籍を容認しないと語ったようです。
 この記事の中では、別のエージェントは韓国のKリーグ所属クラブにもサファウィ選手に関心を持っているところがあると述べています。2020年より「アセアン枠」での外国人獲得が可能となるKリーグ(詳しくはこちらを参照して下さい。)にはこの「アセアン枠」が開いているチームがあり、サファウィ選手はまさしくその枠にフィットする候補だと述べています。アジア競技大会では、英国プレミアリーグのトットナムで活躍する孫興民(ソン・フンミン)を擁するU23韓国代表相手に2ゴールを挙げ、マレーシアの勝利に貢献しているので、その活躍が注目を集めたのかも知れません。このエージェントはサファウィ選手以外に、帰化選手であるモハマドゥ・スマレやマシュー・デイビーズ(いずれもパハンFA)といったマレーシア代表の選手の他、リー・タック(トレンガヌFC)やロメル・モラレス(PKNS FC)なども国外のクラブの関心を集めていると述べています。
 国内のトップレベルの選手が国外でプレーする話は聞いたことがありませんが、個人的にはサファウィ選手には是非、Jリーグでプレーしてもらいたいです。アセアン出身者のJリーグ成功例としては、水戸のグエン・コン・フオン(現Kリーグインチョン・ユナイテッド)や札幌のチャナティップ・ソングラシンがいます。またファジアーノ岡山にはU23代表のハディ・ファイヤッドも在籍していますが、サファウィ選手も是非、国外のクラブで揉まれてもう一回り大きくなって欲しいと思います。

FAMの懲戒委員会によりスランゴールFAのGKは5試合出場停止
マレーシアサッカー協会FAMの懲戒委員会が開かれ、マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグのスランゴールFAのGKファリザル・ハルンに対し、5試合の出場停止と罰金5000リンギ(約13万円)が課されました。
 5月18日に行われたMFL第14節のスランゴールFA対PKNP FCとの試合中に、ファリザル選手がゴール前の混乱の中、PKNP FCのムハマド・アル・ファテ選手の顔面を殴りました。試合中、審判はこれに気が付きませんでしたが、ビデオ映像にはしっかり残っており、今回の処分につながっています。
 ファリザル選手はMFL第8節、4-3で勝利した対マラッカ・ユナイテッド戦でも自らのミスから失点につながったことをなじったファンに対して中指を立てるなど前科があり、またこのPKNS FC戦の後も彼の行為に対して批判的なファンに対して悪態をつくなど、一部ファンからは「スランゴールFA史上最低の選手」とも呼ばれています。
 MFLが残り7試合という状況下でのFAMによる5試合の出場停止処分に対して、ファリザル選手は裁定が重すぎると述べていますが、その一方で「サッカー選手なら一度や二度はカッとなることはあるはず」と述べるなど、反省の色は見られません。
 スランゴールFAのB・サティアナタン監督はこの裁定に対して不服申し立てを行うかどうかはクラブの上層部に任せるとし、チームにとってレギュラーGKがいなくなるのは非常に大きな痛手であるとコメントし、観客に飛び蹴りを加えたことで有名なエリック・カントナ(!)が出場停止を乗り越えて復帰したことを例に挙げ、ファリザル選手にもカントナ選手を見習って欲しいと述べています。

FAMのステイタス委員会は未払い給料支払いを命令
このブログでは何度も取り上げたマレーシアサッカー界の給料未払い問題ですが、今回はFAMのステイタス委員会が、所属選手から未払い給料請求を受けているクラブへ30日以内の支払い命令を出しています。
 その中でも最大額は昨シーズンのMFL3部(昨年までの名称はFAMリーグ)の優勝チーム、トレンガヌ・シティFCの411,900リンギ(約1070万円)で21名のマレーシア人選手から未払い給料請求が出ています。この他にはサバFAはかつて所属した外国人選手3名の契約上の賠償金と航空券代金362,000リンギを、クアラルンプール(KL)FAは外国人選手の代理人費用260,000リンギを支払うよう命令されています。またケランタンFA、ペナンFA、すでに解散したマルセラ・ユナイテッドFCなどにも選手、コーチ陣への支払い命令が出されています。またフェルダ・ユナイテッドFCは前監督で現スランゴールFA監督のB・サナティアタンに対して契約金と住居手当など未払い分の支払いを命じています。
 イスラム教国マレーシアでは、6月5日に断食月が終わり、日本で言えば正月に当たるこの時期に未払い給料問題の解決が見えてきたことは喜ばしいのですが、この話は支払い命令を出せば終わりというものではないのが、マレーシアサッカーの闇の深いところです。例えば上で取り上げたトレンガヌ・シティFCは、MFL3部の優勝チームとして2部プレミアリーグへ自動昇格の権利を得ていましたが、給料未払い問題により昇格どころか解散しており、現在ではクラブ経営陣も存在していません。このため、FAMが支払いを命じたところで存在しないクラブの責任の所在がはっきりしていません。トレンガヌ・シティFCのモハマド・ノー・デルス前監督は、トレンガヌ・シティFCはトレンガヌ州サッカー協会(トレンガヌ州FA)の加盟団体だったことから、トレンガヌ州FAが仲介しこの問題を解決するべきだとしています。さらにトレンガヌ・シティFCはFAMリーグでトレンガヌ州を代表するクラブで、その優勝はトレンガヌ州サッカーに名誉をもたらしたことへの評価を求めています。またモハマド・ノー前監督は、トレンガヌ州FAが仲介せず、FAMも命令を出す以上の関与を行わないのであれば、FAMは「窓枠に溜まったホコリを吹く」程度で掃除を終えたと言っているようなものであり、時間の無駄以外の何物でもないと非難しています。


 

5月31日のニュース:残念!苅部選手はKLFAを退団、代表の新キャプテンはGKファリザルが就任、チャンタ・ビンはトレンガヌFCに残留

残念!苅部選手はKLFAを退団
マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグに所属するクアラルンプール(KL)FAの公式FacebookページであるKuala Lumpur Hawksは、苅部隆太郎選手が退団し、代わって韓国人DFのノー・ヘンソックが入団すると発表しています。
 Kuala Lumpur HawksのFacebookでは、個人的な事情で退団とされていますが、KLFAについての記事がよく掲載されるオンラインメディアのスポータイムズでは、ご家族の健康不良が理由で帰国を希望し、自ら退団を申し出たと報道しています。リーグ戦とFAカップの予選を合わせると今シーズンは15試合に出場していた苅部選手は、ここ数試合はチームの戦術もあり守備的MFと言うよりもDFとして出場していました。苅部選手、お疲れ様でした。
 前節第15節では、降格を争うPKNP FCを4-1で一蹴して勢いづいているKLFAは、プタリン・ジャヤ(PJ)レンジャーズからDFラフィ・アジザン・マリアペンを、またPKNS FCからシャフィク・シャハルディンも獲得しています。
(左はTerima kasih. Selamat maju jaya.(マレーシア語で「ありがとう。グッドラック」の意)とともに苅部選手退団を伝えるFacebookポスト。右は新入団のノー・ヘンセク選手を紹介するFacebookポスト)

代表の新キャプテンはGKファリザルが就任
マレー語紙ハリアン・メトロのオンライン版によると、マレーシア代表チームの新キャプテンにMFL1部ジョホール・ダルル・タクジムのGKファリザル・マリアスが就任したと、代表チームの練習を訪問したマレーシアサッカー協会FAMのダト・ハミディン・モハマド・アミン会長が発表しています。ファリザル選手は6月2日に行われるネパール代表との親善試合からキャプテンを務めます。
 これまでフル代表のキャプテンを務めてきたMFL1部クダFAのモハマド・ザフアン・アドハ・アブドゥル・ラザクが今回は代表候補合宿のメンバーに選出されていないため、ファリザル選手は6月2日の親善試合だけでなく、6月7日と11日に行われる東ティモール代表とのFIFAワールドカップアジア一次予選でもキャプテンを務めます。(写真は代表候補合宿の様子を伝えるFAMのFacebookポストより。右から二人目が新キャプテンのファリザル・マリアス選手)

チャンタ・ビンはトレンガヌFCに残留
MFL1部トレンガヌFCのカンボジア出身チエリー・チャンタ・ビンは、結局、残留となったことをハリアン・メトロのオンライン版が伝えています。
 先日、イゴール・ゾンジックが退団した際に、チャンタ・ビン選手も続くのではと、このブログでも書きましたが、ハリアン・メトロの記事によると、トレンガヌFCは*アセアン枠を使ってタイU23代表でタイ1部リーグで現在、首位を走るポートFCのMFサンサーン・リムワッタナーの獲得を目指していたようですが実現しなかったようです。それに続いて触手を伸ばしたのが同じMFL1部所属のPKNP FCの同じカンボジア人MFチャン・ワタナカでしたがこちらも実現せず、結果的にチャンタ・ビン選手の残留となったようです。
 チャンタ・ビン選手残留で、トレンガヌFC移籍の噂が出ていたケランタンFAを退団したばかりのブラジル人MFカッシオ・デ・ジーサスは、結局、他のクラブを探すことになりそうです。
 *アセアン枠:MFL1部の各クラブは5名の外国人枠を持っていますが、そのうち三つは無条件ですが、残る二枠のうち、一つはアジア出身の選手対象、もう一つはアセアン(東南アジア諸国連合)出身選手枠となっています。例えばトレンガヌFCであれば、チェチェ・キプレ(コートジボワール)、リー・タック(イングランド)、ルイス・グスタボ・フランシスコ・カミロ(ブラジル)は無条件枠の外国人選手ですが、サンジャル・シャアフメドフ(ウズベキスタン)はアジア選手枠、チエリー・チャンタ・ビンはアセアン枠での契約となっています。

5月30日のニュース:ペラTBGはPKNP FCに選手貸し出し、ルフィノ・セゴビアの今シーズン復帰はなし、ケランタンFAの外国人は全員退団

ペラTBGはPKNS FCに選手貸し出し
ともにマレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグに所属するペラTBGはペラ州サッカー協会が運営するクラブで、PKNP FCはペラ州政府の機関であるペラ州開発公社を母体とするクラブ。ペラ州サッカー協会の会長はペラ州の州知事でもあることから、この2クラブは言わば「兄弟クラブ」です。第15節を終え降格圏の3勝3分9敗の11位と苦しむ「弟」PKNP FCのスーパーリーグ残留のために、「兄」のペラTBGが二人の選手を貸し出すことを決定したと、マレー語紙ウトゥサン・マレーシアのオンライン版が伝えています。
 ペラTBGからPKNP FCへ期限付き移籍するのは、元U23代表のDFモハマド・シャズワン・ザイポル・バハリ(24)と元U19代表のDFナジルル・アフィフ・イブラヒム(22)の両選手です。ペラTBGのメフメト・ドゥラコビッチ監督は、移籍期間は年内いっぱいの6ヶ月間とし、両選手は来シーズン開幕前にはペラTBGに戻るとしています。
 PKNP FCの会長はMFL1部スーパーリーグに残留できなければクラブ解体もありうると発言しており、残留に向けてブラジル出身のFWラモン・ダ・シルヴァ(27)をトランスファーウインドウ期間中に獲得しています。(下はラモン選手獲得を知らせるPKNP FCのFacebookポスト)

ルフィノ・セゴビアの今シーズン復帰はなし
昨シーズンに31ゴールを挙げMFLの得点王となったルフィノ・セゴビアはアキレス腱を痛め欠場が続いていますが、所属先のスランゴールFAは今シーズンは治療と休養に充てるため、セゴビア選手の復帰はないことがスランゴールFAの公式ホームページで告知されています。。
 複数年契約のセゴビア選手は、来シーズンもスランゴールFAとの契約が残っています。これにより、外国人枠の関係から退団も噂されていた23歳のMFエンドリック・ドス・サントスの残留も確定しました。
 スランゴールFAは昨日終了したトランスファーウインドウ期間中にナイジェリア出身のFWイフェダヨ・オルセグンを獲得しており、エンドリック・ドス・サントス、MFサンドロ・ダ・シルヴァ(ブラジル)、DFテイラー・リガン(オーストラリア)、ミハル・グエン(ベトナム)の5人が外国人枠登録の選手です。

ケランタンFAの外国人は全員退団
以前もこのブログで何度か取り上げた給料未払い問題を抱えるMFL2部プレミアリーグ所属のケランタンFAですが、ブラジル人MFカッシオ・デ・ジーサスとアフガニスタン出身のFWムスタファ・ザザイがいずれも給料未払いにより退団を決めたとマレー語紙シナール・ハリアンのオンライン版が伝えています。なお他のメディアではカッシオ選手は5ヶ月、ザザイ選手は3ヶ月分の給料が未払いという報道もあります。
 既にラウル・タラゴナ(ウルグアイ)、フラヴィオ・ベック・ジュニオール(ブラジル)が退団し、今週はデイビット・ロウリー(オーストラリア)がケランタンFAの家賃未払いによって家族と住んでいた住居から退去させれるなどして退団し、クダFAへ移籍しています。
 今シーズン、クアラルンプール(KL)FAの監督を成績不振で退任し、その後ケランタンFAの監督に就任したユスリ・チェ・ラー監督のもと、現在プレミアリーグ最下位のケランタンFAは残る6試合をマレーシア人選手のみで戦うことになりました。2001年には国内リーグと二つのカップ戦全てを制覇し、いわゆる「トレブル」を達成したケランタンFAですが、その凋落は止まりそうにありません。

5月29日のニュース:MFLの複数クラブがトランスファーウィンドウ最終日に新戦力と契約

5月29日はマレーシアのトランスファーウィンドウ最終日ということで、マレーシアフットボールリーグMFLの複数クラブが新戦力と契約しています。
 5月24日から26日にかけて第15節を終えているMFLは、6月5日に断食月(ラマダン)が明ける(人口約3200万人のうち、60パーセントを超えるイスラム教徒にとって断食明けは一年で最大のイベントです)ことや、6月7日と11日にFIFAワールドカップのアジア一次予選があることから、6月14日からの第16節より再開されます。

パハンFAは元ナミビア代表FWを獲得
MFL1部スーパーリーグ2位のパハンFAは、31歳の元ナミビア代表FWラザラス・カイムビと6ヶ月間の契約したと、マレー語紙ブリタ・ハリアンのオンライン版が伝えています。
 カイムビ選手はバンコク・グラスFC(現BGパトゥム・ユナイテッドFC)、チェンライ・ユナイテッドFCスパンブリーFCでプレー経験があり、パハンFAでは、ディクソン・ヌワカエメととともに攻撃陣を牽引することが期待されています。
 5つの外国人枠が全て埋まっているパハンFAは、カイムビ選手に代わってゼ・ラヴことゼ・エドゥアルドが退団します。他のメディアでは退団の理由としてケガが挙げられていますが、ブリタ・ハリアンの報道では14試合で4得点と期待通りの働きができていないためとしています。

マラッカ・ユナイテッドはマレーシア人MFを補強
MFL1部スーパーリーグ4位のマラッカ・ユナイテッドは、過去2シーズンはMFL2部のヌグリ・スンビランFAでプレーした攻撃的MFのファイザル・アブ・バカルと契約したことをブリタ・ハリアンが伝えています。
 マラッカ・ユナイテッドは、今回のトランスファーウインドウ期間中、既にコートジボワール出身のFWデイヴィ・クロード・アンガン(32)とクロアチア出身のDFドミニク・バリッチ(23)を獲得しています。ペナンFAに期限付き移籍したアンセルモ・カサグランデとクアラルンプール(KL)FAに完全移籍したダルコ・マルコヴィッチに代わって入団したアンガン選手とバリッチ選手は、既に5月25日に行われたMFL第15節のペラTBG戦に出場しています。(下は両選手入団を伝えるマラッカ・ユナイテッドのFacebookポスト)

トレンガヌFCは「タンカー」を獲得
MFL1部スーパーリーグ6位のトレンガヌFCは、ブラジル出身のDFルイス・グスタボ・フランシスコ・カミロを獲得しています。「タンカー」のニックネームを持つカミロ選手は、同じDFのイゴール・ゾンジッチ(モンテネグロ)に代わって登録されます。
 このゾンジッチ選手とカンボジア出身のチエリー・チャンタ・ビンは、イルファン・バクティ監督更迭後の試合には出場していなかったことから、退団の可能性もあると以前このブログでも書きましたが、ゾンジッチ選手はその通りになりました。また、チャンタ・ビン選手についても、過去5ヶ月間の給料が未払いであることをソーシャルメディアで公表してMFL2部プレミアリーグのケランタンFAを退団することが決まったブラジル出身のDFカッシオ・デ・ジーサスがチャンタ・ビン選手に代わってトレンガヌFCに移籍する可能性があることを伝えるメディアもあります。(下はカミロ選手入団を伝えるトレンガヌFCのFacebookポスト)

5月28日のニュース:トランスファーウインドウ期間終了直前の駆け込み契約が続く

トランスファーウインドウ期間終了直前の駆け込み契約が続く
マレーシアのトランスファーウインドウ期間は明日5月29日に終了しますが、直前の駆け込み契約が続いています。

UITM FCは韓国の元U23代表を獲得
マレーシアフットボールリーグMFL2部プレミアリーグ首位のUITM FCは、韓国の元U23代表選手のMFパク・ヨンジュンと契約の見通しであると、マレー語紙ブリタ・ハリアンのオンライン版が伝えています。25歳のパク選手はすでにUITM FCの練習に参加しており、目でカルチェックの結果が出次第、毛役の見込みのようです。パク選手は、やはりこのトランスファーウインドウ期間中に獲得したキルギスタン代表のMFアフリジン・イスライロフに代わって選手登録される予定です。
 わずか3試合で契約解除となるイスライロフ選手について、UITM FCのイスマイル・ザカリア監督はチームの期待に応えられていないため、選手の入れ替えを決めたとしています。
 この記事では述べられていませんが、ウィキペディアではこのパク選手は2016年の7月から2017年まで背番号10を着けてプルリスFAでもプレーしていたようで、ググるとその頃の記事も見つけることができました。

クダFAはキルギスタン代表のキャプテンを獲得
UITM FCのキルギスタン代表のアフリジン・イスライロフはチームを去りますが、同じキルギスタン出身で今年1月のアジアサッカー連盟AFC選手権アジア杯にも出場したMFアエドガー・ベルンハルトを獲得しました。33歳のベルンハルト選手はキルギスタン代表のキャプテンでもあり、イラク出身のアンマル・アル・ムバラキに代わって登録されます。
 ちなみにMFL1部スーパーリーグの各クラブは、外国人選手を5人まで登録可能です。そのうちの3人枠は特に何の制限もありませんが、残りの2人枠は、1人がアジアサッカー連盟AFC加盟国出身の選手、残りの1人枠はアセアン出身選手が対象となっており、ベルンハルト選手はムバラキ選手が登録されていたAFC出身国枠の選手として登録されます。

MFL第15節の結果まとめ

マレーシアフットボールリーグMFLは5月24日(金)から26日(日)にかけて、1部スーパーリーグと2部プレミアリーグで合わせて10試合が行われました。なお、パハンFA対フェルダ・ユナイテッドの試合は、元FAM会長で、パハンFA元会長でもあった故スルタン・アーマド・シャー殿下追悼のため順延になっています。以下、結果です。

1部スーパーリーグ

トレンガヌFA1-0スランゴールFA
得点者:トレンガヌFC-K・サルクナン(90分OG)
 両チームともに決め手を欠く試合は、このまま引き分けかと思われたアディショナルタイムにスランゴールFAのキャプテンK・サルクナンが自陣ゴール前の低いクロスをクリアミスしたOGで決着がつきました。
 前節終了後にイルファン・バクティ監督が辞任したトレンガヌFCは、モハマド・ナフジ・ザイン監督代行がこれまで先発出場していたイゴール・ゾニッチ(モンテネグロ)やチエリー・チャンタ・ビン(カンボジア)をスタメンから外すだけでなくベンチ外にするなど思い切ったメンバー入れ替えを行なって試合に臨みました。ただし一部メディアの報道では、二人の外国人選手のベンチ外はザイン監督代行ではなく、経営陣の指示であるような報道もあり、あと3日で閉じてしまうトランスファーウインドウ期間にトレンガヌFCには外国人獲得など何かしらの動きがあるかもしれません。

PKNS FC3-0プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC
得点者:PKNS FC-ゲブリエル・ゲラ(50分)、クパ・シャーマン2(53分、73分)
 3連勝中だったPJシティFCを破ったPKNS FCは、自らの連敗を2で止めています。

ペラTBG2-3マラッカ・ユナイテッド
得点者:ペラTBG-ブレンダン・ガン(18分)、J・パルティバン(57分)、マラッカ・ユナイテッド-ナズリ・ナウィ(23分)、パトリック・ライヒェルト2(45分、74分)
 新戦力加入で過去4試合負けなしだったペラTBGは、マラッカ・ユナイテッドのフィリピン人FWパトリック・ライヒェルトの2ゴールを含む今季3度目の3失点と守備陣が崩壊しました。一方のマラッカ・ユナイテッドは再び4位浮上です。

ジョホール・ダルル・タクジム(JDT)2-0クダFA
得点者:JDT-レアンドロ・ヴァラスケス(33分)、サファウイ・ラシド(86分)
 今節注目の首位JDT対3位のクダFAの対戦でしたが、JDTが順当に勝利し、試合のなかったパハンFAとの勝点差は13と開きました。

クアラ・ルンプール(KL)FA4-1PKNP FC
得点者:KLFA-パウロ・ジョスエ(14分)、ギリェルメ・デ・パウラ3(17分、18分PK、90分)、PKNP FC-ジャンカルロ(83分)
 キャプテンで攻撃の要でもあるインドラ・プトラ・マハユディンを累積警告の出場停止で欠くKLFAでしたが、降格を争うPKNP FCをギリェルメのハットトリックなどで一蹴し、PKNP FCに代わって順位を一つ上げて10位に、負けたPKNP FCは代わって11位となりました。
 KLFAの苅部隆太郎選手はスタメンでフル出場しています。

2部プレミアリーグ

UITM FC3−2スランゴール・ユナイテッド
得点者:UITM FC1-2マイコン・カリジュリ(46分)、スランゴール・ユナイテッド-ダンコ・コヴァチェヴィチ(26分)、フランクリン・アンズィテ(60分PK)
 この試合はネットで観戦しました。前節第14節が終了した時点で今シーズン初めて首位となったUITM FCは、それが影響したのかホームでの試合ながら受け身に回りスランゴール・ユナイテッドに攻め込まれる場面が目立ちました。しかも残り10分でここから反撃、という大事な時間帯に、DFファイザル・アリフが必要のない2枚目のイエローをもらって退場し、10人となったところで万事休すでした。

ヌグリ・スンビランFA0-1UKM FC
得点者:UKM FC-ミラド・ジダドプール(51分)
 ヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手はスタメンでフル出場しています。ちなみに中武選手には5月20日にお嬢さんが誕生されたそうです。おめでとうございます。

ペナンFA0-0サバFA
得点者:なし

トレンガヌFC II2-2ケランタンFA
得点者:トレンガヌFC II-アーマド・タキユディン・ロスラン2(10分、68分)、ケランタンFA-ニック・アズリ・ニック・アリアス(4分)、ニック・アキフ・シャヒラン(22分)
 トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手はスタメンでフル出場しています。

サラワクFA1−1ジョホール・ダルル・タクジム(JDT)II
得点者:サラワクFA-アリフ・ハサン(26分)、JDT II-ロザイミ・ラーマン(90分PK)
 UITM FCと勝点で並びながら、得失点差で2位のJDT IIは、この試合も最下位のサラワクFAと引き分けるなど、ここ4試合で勝ちなしと、それまでの7勝3分0敗という勢いが嘘のような失速です。

5月26日のニュース:PKNS FCのGKが代表候補へ追加招集、MFL3部チームの多くがアマチュアリーグ案に同意 、MFL3チームは勝点剥奪なし

PKNS FCのGKが代表候補へ追加招集
マレーシアサッカー協会FAMのFacebookによると、マレーシア代表のタン・チェンホー監督は、5月27日から始まる代表候補合宿へマレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグのPKNS FCのGKザリフ・イルファン・ハシムディンを追加招集しました。24歳のザリフ選手は、ケガにより代表候補合宿を辞退したペラTBGのGKハフィズル・ハキム・カイルル・ニザムに代わって招集されています。

MFL3部チームの多くがアマチュアリーグ案に同意
マレー語紙ウトゥサン・ムラユのオンライン版によると、MFLのケヴィン・ラマリンガムCEOがMFL3部のM3リーグの14クラブの代表と会談しました。その席でM3クラブの多くが、MFLが創設するアマチュアフットボールリーグ(AFL)への参加に前向きであるようです。
 M3リーグはMFL3部ながら、MFLからの助成金支給はなく、各チームが全ての費用を負担しています。
 M3リーグがAFLとなることで、M3リーグの優勝チームと2位のチームはMFL2部プレミアリーグへの自動昇格はなくなり、プレミアリーグ最下位2チームとのプレーオフを行うことになりますが、その一方でMFLはM3リーグの試合の審判費用を負担するほか、M3各クラブの遠征に伴う移動や宿泊費用に関する援助を行い各クラブが直面している費用負担の軽減に協力するとしています。
 記事の中ではケランタン・ユナイテッド、トゥン・ラザクFC、クチンFAなどM3リーグのクラブ関係者がMFLのケヴィン・ラマリンガムCEOの詳細な説明を聞いて、MFLによる提案に対して前向きになっていることが紹介されています。

MFL3チームは勝点剥奪なし
MFLのホームページで、マラッカ・ユナイテッド、ケランタンFA、サラワクFAの各クラブは、期限までにMFLが求めていた会計資料を提出期限としていた5月22日までに提出したとして、勝点3の剥奪を行わないとしています。
 またケランタンFAとサラワクFAに課せられていたトランスファーウィンドウ期間中の新たな選手獲得禁止措置についても、新入団する選手の給与が、代わりに退団する選手の給与を超えない、という条件付きで選手1名のみ獲得を許可するとしています。
 MFLは昨年12月31日までに各クラブの経営破綻をさけるため、会計資料を提出するように求め、その期限に間に合わなかった1部スーパーリーグのクアラルンプール(KL)FA、フェルダ・ユナイテッド、マラッカ・ユナイテッド、2部プレミアリーグのケランタンFA、PDRM FC、サラワクFA、ペナンFAについては、スーパーリーグが300万リンギ(約7800万円)、プレミアリーグが100万円(約2600万円)とされるMFLからの年間助成金の50パーセントを削減するとしていました。
 しかし今年4月22日、各クラブが提出した借金返済計画や今後の運営計画などを精査した結果、MFLはKLFA、フェルダ・ユナイテッド、PDRM FC、ペナンFAへの助成金削減は5パーセントとすることと発表しました。
 その一方で、マラッカ・ユナイテッド、サラワクFA、ケランタンFAの各クラブについては、4月22日までに従業員積立基金(EPF、退職時に受け取れる強制積立基金、労働者が給与の12パーセント、雇用者が給与の11パーセントを負担する)、従業員社会保障(SOCSO、労災補償のために雇用者が給与の1.25パーセントを負担する)、国税局による支払いを証明する公式書類が期限までに提出されなかったため10パーセントの削減と提出期限の30日間延長措置をうけ、5月22日の期限までにこれらの公式書類が提出されない場合は勝点3の剥奪を行うことが通知されていました。

5月25日のニュース:クダFA、UITM FC、スランゴール・ユナイテッドが新外国人獲得、元FAM会長の死去に伴いパハンFA対フェルダ・ユナイテッドの試合は延期

クダFAが新外国人を獲得
トランスファーウィンドウ期間終了まであと5日となり、マレーシアフットボールリーグMFL各クラブの新戦力獲得の動きが活発化してきました。MFL1部スーパーリーグで第14節を終えて首位ジョホール・ダルル・タクジム(JDT)と勝点14差の3位につけるクダFAは、オーストラリア出身で185cmの攻撃的MFデイヴィッド・ロウリーを獲得したと、マレー語紙ハリアン・メトロのオンライン版が伝えています。
 29歳のロウリー選手はオーストラリア、ドイツ、タイなどでプレー経験があり、昨年はMFL2部プレミアリーグのヌグリ・スンビランFAでプレーし、今シーズン開幕時にはやはりプレミアリーグのケランタンFAと契約し、9試合に出場しましたが、5月21日には契約を解除していました。
 今週末の第15節では、首位JDTとの直接対決を控え、攻撃のキーマンでもある主将のバドロル・バクティアルは累積警告による出場停止で、イラク出身のFWアンマル・アルムバラキ、MFシャハルル・アズワリ・イブラヒム、MFアザムディン・アキルらをケガで欠くクダFAに対しては、サポータークラブも新戦力獲得を求める声を上げており、そう言った中での新戦力補強です。
 オーストラリア人のロウリー選手は、マレーシアの市民権も持っているため、選手登録は外国人としてではなく、マレーシア人選手として登録されます。

UITM FCも新外国人選手と契約
第14節を終えてMFL2部プレミアリーグの首位UITM FCもブラジル出身のFWマイコン・ロジェリオ・シルヴァ・カリジューリと契約したとハリアン・メトロのオンライン版が伝えています。
 33歳のマイコン選手はヨーロッパではポーランドやベラルーシ、アジアではタイやインドネシア、カンボジア、ミャンマーなどでもプレー経験があり、UITM FCでは、現在プレミアリーグで10ゴールを挙げ得点王となっているモンテネグロ出身のザルコ・コラチとともに攻撃陣をリードすることが期待されています。
 UITM FCには第11節までで7ゴールを挙げ、リーグ得点王争いで2位につけていたセネガル出身のロベルト・メンディーがいましたが、完治まで8ヶ月というケガを負ったため、メンディー選手に代わってマイコン選手が登録されることになります。
 UITM FCはキルギスタン出身で今年1月のアジアサッカー連盟AFC選手権アジア杯にも出場したMFアフリジン・イスライロフをすでにトランスファーウィンドウ期間に獲得しており、こちらは既にプレミアリーグで2試合に出場しています。
(下の写真はいずれもUITM FCのFacebookより)

スランゴール・ユナイテッドも新たに2名の外国人選手と契約
8試合で4ゴールを挙げたセルジオ・アグエロがペナンFAへ移籍したスランゴール・ユナイテッドは、モンテネグロ出身のFWダンコ・コヴァチェヴィッチと韓国出身の攻撃的MFファン・シンヨンを獲得しています。
 両選手はMFL第15節のUTIM FC戦から出場の予定です。

元FAM会長の死去に伴いパハンFA対フェルダ・ユナイテッドの試合は延期
5月22日に亡くなられた元FAM会長で前パハン州のスルタン、スルタン・アーマド・シャー殿下を追悼するため、MFL第15節のパハンFA対フェルダ・ユナイテッドの試合を延期することがMFLのホームページで告知されています。
 またその他のMFLのカードでも、試合開始前に1分間の黙祷を捧げるとしています。