5月12日のニュース:FAカップ準々決勝結果まとめ、ワールドカップ予選会場が決定

マレーシア国内カップ戦の一つFAカップは準々決勝。1部スーパーリーグ所属の8チームが残ったここからは、一発勝負のノックアウト方式からホームアンドアウェイ方式となります。既に第1戦は4月30日と5月1日に行われており、第2戦が5月11日(金)と12日(土)にかけて行われ、準決勝進出チームが決定しました。

5月10日(金)
パハンFA5-2トレンガヌFC(第1戦1-2第2戦4-0)パハンFAが準決勝進出
得点者(第1戦):パハンFA-ゼ・ラヴ(58分)、トレンガヌFC-マリク・マット・アリフ(10分)、チェチェ・キプレ(27分)
得点者(第2戦):パハンFA-ファイサル・ハリム(7分)ディクソン・ヌワカエメ2(48分PK、63分)、モハマドゥ・スマレ(75分)
 リーグ2位のパハンFAがリーグ7位のトレンガヌFCを破って準決勝進出を決めました。第2戦は両チーム合わせてイエロー1枚という「クリーン」な試合でしたが、トレンガヌFCのイルファン・バクティ監督は、その「クリーン」さが結局、パハンFAにスペースを与えすぎた結果、今シーズン最悪のゲームになったとしています。
 一方、パハンFAのドラ・サレー監督は、体調不良のため第1戦に出場できなかったディクソン・ヌワカエメとサフワン・バハルディンの二人の外国人選手が戦列に復帰したことが大きかったとしています。この試合、パハンFAのGKヘルミ・エリザ・エリアスが前半でボールに触ったのはただ1度とパハンFAが怒涛の攻撃でトレンガヌFCを圧倒しました。
 リーグ2位のパハンFAは、休む間も無くリーグ戦が再開する火曜日には首位JDTと敵地ラーキンスタジアムで対戦します。前節は下位のプタリン・ジャヤ・シティFCにまさかの敗戦で勝点差が5となってしまっているので、優勝を目指すには直接対決でその差を詰める必要があります。

クダFA4-2PKNS FC(第1戦3-1第2戦1-1)クダFAが準決勝進出
得点者(第1戦):クダFA-フェルナンド・ロドリゲズ(14分)、ジョナサン・バウマン2(26分PK、45分)、PKNS FC-ガブリエル・ゲラ(64分)
得点者(第2戦):クダFA-ジョナサン・バウマン(17分)、PKNS FC-アズミル・ユソフ(32分、OG)
 第1戦の貯金が効いて、クダFAが準決勝へ進出しました。リーグ4位のクダFAは、休む間も無くリーグ戦が再開する火曜日には勝点差1で3位にいるスランゴールFAとの対戦が控えています。

5月11日(土)
フェルダ・ユナイテッド3-3クアラルンプール(KL)FA(第1戦3-3、第2戦0−0)フェルダ・ユナイテッドは準決勝進出
得点者(第1戦):フェルダ・ユナイテッド-アズミ・ラヒム2(23分、60分)、ジョシネイ・シャド(75分)、KLFA-インドラ・プトラ・マハユディン2(41分、54分)、パオロ・ジョスエ(80分)
得点者(第2戦):なし
 第1戦、第2戦とも引き分けでしたが、第1戦のKLFAのホームで3点を挙げたフェルダ・ユナイテッドがアウェイゴールのアドヴァンテージで準決勝進出を決めています。
 KLFAの苅部隆太郎選手、フェルダ・ユナイテッドの池田圭選手、渡邉将基選手は第1戦、第2戦とも全員スタメンでフル出場しています。

ペラTBG2-1PKNP FC(第1戦0-0、第2戦2−1)
得点者(第1戦):なし
得点者(第2戦):ペラTBG-ロナウド2(23分、88分)、PKNS FC-ジャンカルロ(72分)
 3日前に獲得したばかりの新戦力ロナウドが先制、逆転と2ゴールの活躍で、ペラTBGが準決勝進出を決めました。特に圧巻だったのは88分の2ゴール目。このままではアウェイゴールでPKNP FCが準決勝進出というところで決めたヘディングのゴールは見事でした。ペラTBGは新戦力とこの試合の勝利で、今後のリーグ戦でも俄然楽しみなチームになりました。
 ペラTBGは準決勝ではパハンFAと対戦します。

ワールドカップ予選会場が決定
マレーシアはFIFAワールドカップ2022年カタール大会の予選に1回戦から出場しますが、その相手となる東ティモールがホームの試合開催を自国外で行うことを希望していたことから、試合会場が決まらずにいましたが、結局、東ティモール戦はホーム、アウェイ共にクアラルンプールのブキ・ジャリル国立競技場で行われることがマレーシアサッカー協会FAMのホームページで告知されています。
 東ティモールの首都ディリにあるスタジアムが、アジアサッカー協会AFCの試合開催基準を満たしていないことが理由ですが、マレーシアにとってはホームだけでなくアウェイの試合も慣れ親しんだグラウンドで、多くの自国サポーターの前で行えることは大きな利点でしょう。ちなみに東チモールは、2018年のアセアンサッカー連盟AFF選手権スズキカップのグループマッチのうち、フィリピン戦も自国ではなく、クアラルンプールのKLフットボールスタジアムで開催しています。


5月11日のニュース:ペラTBG、PKNP FC、KLFAも新外国人選手を獲得、その他の移籍情報

ペラTBGが新外国人選手を獲得
昨シーズンはマレーシアフットボールリーグMFL1部のスーパーリーグで10勝6分6敗の2位で、マレーシアカップの優勝チームでもあるペラTBGは、今シーズンは第12節を終了して2勝7分3敗の8位に低迷していますが、このペラTBGが二人の新外国人選手を獲得したと当地の英字紙スターのオンライン版が伝えています。
 新入団となったのはいずれもブラジル出身のロナルド・エンリケ・シルヴァ(28)と「カレッカ」ことライアンダーソン・ダ・コスタ・モライス(23)の二人で、6ヶ月契約でそれぞれブラジルのECキンゼ・デ・ノヴェンブロとアトレチコ・アクレアーノから移籍しています。2014年には横浜FCでのプレー経験もあるロナルド選手は、ギルマール・ホセ・ダ・シルヴァと、カレッカはワンダー・ルイスに代わって登録されました。ギルマール選手は2017年からペラTBGでプレーしていますが、昨シーズンは11ゴールを決めていたものの、今シーズンは第12節までで4ゴールと不調が続いており、ペラTBGを運営するペラFAが契約解除に踏み切りました。また、ルイス選手はブラジルにいるお子さんが病気療養中ということで自ら契約解除を申し出たということです。
 これまでのメディアの報道では、ペラFAがオーストラリア出身のDFザック・アンダーソンも契約解除となるのではという噂もありましたが、こちらは特に新しいニュースはありません。

KLFAが新外国人FWを獲得
同じスターのオンライン版によると、MFLの最下位チーム、クアラルンプール(KL)FAもモンテネグロ出身のDFダルコ・マルコヴィッチをマラッカ・ユナイテッドから獲得しました。マルコヴィッチ選手は、インドネシア1部リーグアレマFCに移籍したシルヴァーノ・コンヴァリアス選手に代わって登録されます。
 第12節を終えた時点で30失点、しかもFAカップも含めた直近の3試合で11失点と守備が崩壊しているKLFAのチョン・イーファット監督代行は、彼がセンターバックに入ることで、守備陣が強化されるだけでなく、パオロ・ジョスエ、ザハフリ・ヤハヤらMFが積極的に攻撃に参加できるだろうと期待しています。なおマルコヴィッチ選手自身は今シーズンのMFL1部スーパーリーグでは8試合に出場し、DFながら2ゴール(そのうち1ゴールは対KLFA戦)を挙げています。なお、マルコヴィッチ選手は本日のFAカップ準々決勝フェルダ・ユナイテッド戦から出場の予定です。
 またチョン監督代行は別のメディア(原文はマレー語)では苅部隆太郎選手にも触れ、本来のポジションではないものの守備的MFの役割を十分にこなしているとし、この調子が続くのであれば、新たな外国人選手の獲得は不要だろうとしています。

PKNP FCはブラジル人DFを獲得
本日のFAカップ準々決勝で新外国人FWを獲得したペラTBGと対戦する、MFL1部スーパーリーグ10位のPKNP FCはブラジル出身のDFペドロ・ヴィクトルをブラジルのECノロエスチから獲得しています。契約期間は6ヶ月で、今シーズンの残り試合でのパフォーマンス次第では、契約延長もあり得るとしています。また、PKNP FCとペドロ選手との契約により、タジキスタン出身のDFシヨブシュ・アスロロフが退団しています。

その他の移籍情報(Goal.comより)
MFL1部スーパーリーグ
トレンガヌFC
新入団 モハマド・ナビル・アーマド・ラプティ(アルティメイトFC-MFL3部M3)
フェルダ・ユナイテッド
新入団 カイルル・アムリ(タンピネス・ローヴァーズ-シンガポール)

MFL2部プレミアリーグ
スランゴール・ユナイテッド
退団 セルジオ・アグエロ
ペナンFA
シュクル・サイディン(プルリスFA)
ワン・モハマド・シュクリ(マラッカ・ユナイテッド-期限付き移籍)
セルジオ・アグエロ(スランゴール・ユナイテッド)

5月8日のニュース:JDTは鹿島アントラーズを完封でACL初勝利!、PJシティFCが新たな外国人選手と契約

JDTは鹿島アントラーズを完封でACL初勝利!
今、試合が終わりました!アジアサッカー連盟AFCチャンピオンリーグACLで、ホームに昨年のACLチャンピオン鹿島アントラーズを迎えたジョホール・ダルル・タクジムJDTが、69分にシャフィク・アーマドが挙げた1点を守りきり、ACL初勝利を挙げています。
 通算成績は5試合を終えて1勝1分3敗の勝点4と最下位ですが、ACL初出場のJDTにとっては歴史的な勝利と言えます。試合会場は「ジョホールバルの歓喜」で知られる1997年11月16日に日本代表がイラン代表を破ってFIFAワールドカップ本戦初出場を決めたあのラーキンスタジアムで、今回は地元JDTにとっての「ジョホールバルの歓喜」となりました。ちなみに私はこの試合を現地で見ています。(ちょっと自慢です。)
 ただこの試合で悔いが残るのは、試合終盤に時間稼ぎでサファウイ・ラシドがイエローカードをもらってしまったこと。イエローカード積算の結果、グループリーグ突破の可能性が残る最終節のアウェイの慶南FCに出場できなくなってしまいました。個人的には現在、マレーシアでのベストプレイヤーと思っているサファウイ選手の出場停止はJDTには大きな痛手となります。

PJシティFCが新たな外国人選手と契約
マレーシアフットボールリーグMFLの1部スーパーリーグで9位に低迷するプタリン・ジャヤ(PJ)シティFCが、新たな外国人選手と契約したと、当地の英字紙スターのオンライン版が報じています。
 K・デヴァン監督自らが選んだと言う新外国人選手は東チモール出身のFWペドロ・エンリケ・コルテスとブラジル出身のFWワシントン・ブランダオの二人です。この他にシーズン当初はプルリスFA(今シーズン途中で2部プレミアリーグ除名処分)と契約していたDFナスリク・バハロムも5月2日から始まっているトランスファーウインドウ期間中に新たにPJシティFCと契約しています。
 ペドロ選手は、2018年にはタイリーグ2部のサムット・サーコンFCでプレーしましたが、2015年にはPKNS FCでのプレー経験もあり、その際には13試合で8ゴールを決めています。
 一方のワシントン選手は、昨シーズンはインドネシアリーグ1部のプルセラ・ラモンガンでプレーし、それ以前はブラジルのほか、デンマークでもプレー経験があります。
 またナスリク選手は2009年にはスランゴールFAでFAカップ優勝に貢献するなど経験豊富なDFです。
 ペドロ選手とワシントン選手は、5月4日に行われたMFL第12節のパハンFA戦に既に出場しており、リーグ2位のパハンFAに対して2−0の勝利に貢献しています。なおペドロ選手はゴールも決めています。
 今シーズン、スーパーリーグに昇格したPJシティFCは、第12節終了時点で3勝2分7敗で9位となっていますが、7敗のうち5敗は1点差負け、4敗は完封負けと得点力不足に悩まされており、ペドロ選手はDFジョシュア・グロムメン選手(フィリピン)と、ワシントン選手はFWペドロ・エンリケ・アルメイダ選手(ブラジル)に代わって登録されています。
 今回の選手獲得について、K・ディヴァン監督はジョシュア選手については攻撃陣を強化するために放出せざるを得なくなったとし、アルメイダ選手については、回復に時間がかかる足の怪我が理由で放出することになったとしています。

5月7日のニュース:スランゴールFAは新外国人を獲得、JDTはホームで鹿島アントラーズと再戦

スランゴールFAは新外国人を獲得
今年2度目のトランスファーウインドウ期間は5月29日までですが、マラッカ・ユナイテッドに続き、スランゴールFAも新外国人としてナイジェリア出身FWのイフェダヨ・オルセグンを獲得したことを、当地の英字紙スターのオンライン版が伝えています。
 2017年にはフェルダ・ユナイテッドで17試合に出場し9ゴールを、昨シーズンはマラッカ・ユナイテッドで15試合に出場して14ゴールを決めているオルグセン選手について、スランゴールFAのサティアナタン監督は、ケガで離脱中のエンドリック・サントスとルフィノ・セゴビアに代わって、マレーシアフットボールリーグMFL残り10試合でチームを助けて欲しい、と述べています。
 サティアナタン監督は自身がフェルダ・ユナイテッドの監督を務めていた際の選手でもあったオルセグン選手のMFLでの経験にも期待しているとしています。

JDTはACLで鹿島アントラーズと再戦
ジョホール・ダルル・タクジムJDTは、5月8日(水)に鹿島アントラーズをホームに迎えて、アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLグループEの第5節の試合を行います。
 ACL初出場のJDTは、第1節では昨年のACLチャンピオン鹿島と3月5日に鹿島のホームで対戦し、1−2で敗れています。その後のACLでのJDTは、慶南FC(韓国)とホームで引き分けた以外は、山東魯能にホームとアウェイで敗れ、通算成績が0勝1分3敗の勝ち点1と苦しい試合が続いています。
 しかも今週の月曜日からムスリム(イスラム教徒)は断食月に入っており、JDTのムスリム主力選手たちは体調管理も難しくなっています。
 そんなJDTにとっての朗報は、5月4日のMFL第12節ではベンチ入りすらしていなかったブラジル人センターバックのマウリシオ・ナシメントが出場可能であることでしょう。記者会見でモラ監督はマウリシオ選手を含めたベストメンバーで、ACL初勝利を目指すとしています。
(写真は試合前のプレスコンファレンスに出席した鹿島アントラーズの遠藤康主将、大岩剛監督とJDTのベンヤミン・モラ監督とハリス・ハルン主将(写真左から、JDTのFACEBOOKより)

5月6日のニュース:次の帰化選手の候補は5名、マラッカ・ユナイテッドはクラシニキの代わりを獲得

次の帰化選手の候補は5名
パハンFAでプレーするガンビア出身のモハマドゥ・スマレに続く帰化選手候補にコソボ出身のリリドン・クラシニキらが上がっていると、当地の通信社ブルナマのオンラインサイトが伝えています。
 しかしながら、すでに5年間マレーシアでプレーし、今シーズンからマラッカ・ユナイテッドでプレーするクラシニキ選手は第5節まで出場した後は、ケガを理由に出場していないだけでなく、マラッカ・ユナイテッドによる国外で治療中ということになっています。
 FAMの副会長でもあるダト・ユソフも、この点に触れ、クラシニキ選手は帰化選手としての条件を満たしているものの、ケガの状態がどのくらい深刻なのか、完全回復が期待できるのかなどを数カ月以内に見極めたいとしています。
 FAMはクラシニキ選手の他にクアラルンプール(KL)のギレルメ・デ・パウラ(32歳、ブラジル出身)、UITM FCのミカエル・イジェジ(31歳、ナイジェリア出身)、ロメル・モラレス(23歳、コロンビア出身)、リー・タック(30歳、イギリス出身-ただし、リー・タック選手は母方の祖母がマレーシア出身の資格で帰化を画策中)も候補に挙げていると、ブルナマは伝えています。

マラッカ・ユナイテッドはクラシニキの代わりを獲得
マラッカ・ユナイテッドは「マット・ドン」の愛称で知られるリリドン・クラシニキの代わりを獲得したと、当地のマレー語紙ハリアン・メトロのオンライン版が伝えています。上でも書きましたが、クラシニキ選手はケガのため戦列を離れて、現在はドイツのどこかで治療中ということになっています。「どこかで治療中ということになっています」と言うのは、クラシニキ選手からマラッカ・ユナイテッドを運営するマラッカ・ユナイテッドFAに対し、治療の詳細やマレーシアへ戻る日程などの情報が何も入っていないとのことです。
 こにしびれを切らしたマラッカ・ユナイテッドは、5月2日に開いた今年2度目のトランスファーウインド期間にすかさず、期限付き移籍で今シーズンはサバFAでプレーしていたセルビア出身のルカ・ミルノヴィッチが加わること発表しています。
 このミルノヴィッチ選手は、マラッカ・ユナイテッドのプレシーズンマッチにも出場していましたが、その後、マラッカ・ユナイテッドがクラシニキ選手と新たに契約したため、外国人枠の都合で押し出されるように期限付き移籍となった経緯があります。


MFL第12節の結果まとめ

1部スーパーリーグ

PKNS FC(4勝4分4敗)3-3ペラTBG(2勝7分3敗)
得点者:PKNS FC-クパ・シャーマン2(5分、52分)、ニコラス・スウィラッド(43分)、ペラTBG-ブレンダン・ガン(12分)、J・パルティバン(50分)、ナジルル・ナイム(81分)
 上位進出を狙いたいPKNS FCは、ここ6試合で1勝2分3敗と苦しい試合が続きます。一方のペラTBGは12試合で7試合目の引き分けとなり、やはり上位進出のきっかけが掴めません。

ケダFA5-2クアラルンプール(KL)FA
得点者:クダFA-ジョナサン・ボーマン2(22分、90分)、シャキル・ハムザ(42分)、フェルナンド・ロドリゲズ2(67分、81分)、KLFA-インドラ・プトラ・マハユディン(45分)、ギレルメ・デ・パウロ(78分)
 前節のPKNS FC戦で、前人未到のスーパーリーグ通算100ゴールを決めたベテラン、インドラ・プトラ選手がこの試合でもゴールを決めていますが、試合は順位どおりの結果となりました。

プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC2-0パハンFA
得点者:PJシティFC-ペドロ・エンリケ(31分)、セルジオ・フィロ(58分)
 降格圏にいるPJシティFCは、前半戦のホームでの試合でも引き分けていただけにパハンFAにとっては要注意の相手でした。パハンFAはこの痛い黒星でJDTとの勝ち点差が6と開きました。

フェルダ・ユナイテッド0−2JDT
得点者:JDT-ジオゴ2(38分、62分PK)
 JDTは下位チーム相手に取りこぼしが少ないのが強みです。やはり降格圏にいるフェルダ・ユナイテッド相手にきっちりと勝点3を手にしています。
 フェルダ・ユナイテッドの池田圭選手と渡邉将基選手はともにスタメンでフル出場しています。

スランゴールFA1-1マラッカ・ユナイテッド
得点者:スランゴールFA-シャミ・サファリ(31分)、マラッカ・ユナイテッド-パトリック・ライヒェルト(60分)
 第6節から無敗記録を続けているスランゴールFAがこの試合も負けずに逃げ切りました。一方のマラッカ・ユナイテッドは第6節から1勝2分3敗と調子が上がらず、首位JDTとの勝点差が12と開いてきました。

PKNP FC2-2トレンガヌFC
得点者:PKNP FC-アマリ・アグイナルド(22分)、トマス・アビィ(35分)、トレンガヌFC-チェチェ・キプレ(30分)、サンジャル・シャクメドフ(68分)
 チェチェ・キプレ選手の調子が上向きとなってきたトレンガヌFCにとっては痛い引き分けでしたが、降格圏から脱したいPKNP FCには貴重な勝点1となりました。

2部プレミアリーグ

UKM FC1-1ペナンFA
得点者:UKM FC-マテオ・ロスカム(90分)、ペナンFA-ジュリアン・ボッタロ(47分)

トレンガヌFC II1-0UITM FC
得点者:トレンガヌFC II-鈴木ブルーノ(51分)
 この試合唯一のゴールで自身ではシーズン4点目(直近の5試合では3得点目)となるゴールを挙げたトレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手はスタメンでフル出場しています。

JDT II0-1PDRM FC
得点者:PDRM FC-リー・チャンフン(90分)

サバFA1-0スランゴール・ユナイテッド
得点者:サバFA-ルドリュブ・パウノヴィッチ(7分)

ケランタンFA0-0サラワクFA
得点者:なし

MFL第11節の結果まとめ

12チームで構成されるマレーシアフットボールリーグMFLの1部スーパーリーグは、4月26日(金)から28日(日)に開催された第11節で前半戦が終了しました。最後には第11節終了時の順位表も載せました。

フェルダ・ユナイテッド1-1マラッカ・ユナイテッド
得点者:フェルダ・ユナイテッド-池田圭(62分、PK)、マラッカ・ユナイテッド-パトリック・ライヒェルト(15分)
 今シーズン2点目を挙げたフェルダ・ユナイテッドの池田圭選手とチームメイトの渡邉将基選手ともスタメンでフル出場しています。

クダFA1-1スランゴールFA
得点者:クダFA-バドロル・バクタール(41分)、スランゴールFA-サンドロ・ダ・シルバ(18分)

PKNP FC0-4ペラTBG
得点者:ペラTBG-ブレンダン・ガン(13分)、ギルマール・ダ・シルヴァ2(30分、90分)、シャルール・サアド(56分)

PKNS FC3-2クアラルンプール(KL)FA
得点者:PKNS FC-ロメル・モラレス(2分)クパ・シャーマン2(31分、79分)、KLFA-インドラ・プトラ・マハユディン(42分)、ギレルメ・ダ・パウラ(82分)
 KLFAの苅部隆太郎選手はベンチ入りしたものの、出場はありませんでした。

プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC1-2トレンガヌFC
得点者:PJシティFC-P・ラジェス(36分)、トレンガヌFC-B・ティンガラン(67分)、チェチェ・キプレ(79分)

パハンFA1−1JDT
得点者:パハンFA-エラルド・グロン(35分)、JDT-ゴンザロ・カブレラ(5分)
 前半戦の天王山となった1位と2位の対決は引き分けとなっています。

MFL1部スーパーリーグ順位表(第11節終了時点)

順位チーム名得点失点勝点
 1JDT(ジョホール・ダルル・タクジム)251027
 2パハンFA20 924
 3スランゴールFA181819
 4マラッカ・ユナイテッド131217
 5クダFA151716
 6PKNS FC171415
 7トレンガヌFC131515
 8ペラTBG141312
 9PKNP FC112010
10PJ(ペタリン・ジャヤ)シティFC 814 8
11フェルダ・ユナイテッド 919 8
12KL(クアラルンプール)FA
1325 8

MFL2部プレミアリーグは今シーズン開幕後にプルリスFAが選手への給料未払い問題によって除名処分を受けたため、11チームとなっていますが、やはりこの第11節で前半戦が終了しました。こちらも最後に第11節終了時の順位表を載せました。

ケランタンFA2−1ペナンFA
得点者:ケランタンFA-ニック・アキフ・シャヒラン(30分)、アズワン・アリピン(42分)、ペナンFA-ンドゥムバ・マケチェ(48分)

JDT II2-0スランゴール・ユナイテッド
得点者:JDT II-S・クマーラン(67分)、ダレン・ロック(79分)

サラワクFA0-1PDRM FC
得点者:PDRM FC-リー・チェンフン(51分)

UKM FC0-5UITM FC
得点者:ザルコ・コラチ3(14分、54分PK、55分)、サイド・アリフ(22分)、ロベルト・メンディ(50分)

トレンガヌFC II1−0ヌグリ・スンビランFA
得点者:鈴木ブルーノ(2分)
トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手は今シーズン3点目のゴールを決めています。
 鈴木ブルーノ選手、ヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手ともスタメンでフル出場しています。

MFL2部プレミリーグ順位表(第11節終了時点)
*プルリスFA除名処分により各チームとも10試合となっています。除名処分前にプルリスFAと対戦した際の記録は公式記録に含まれていません。
*ケランタンFAは給与未払い問題によりマレーシアサッカー協会FAMより勝点3剥奪の処分を受けています。

順位チーム名得点失点勝点
 1JDT II17 524
 2UITM FC231120
 3サバFA191218
 4トレンガヌFC II10 916
 5スランゴール・ユナイテッド111214
 6ヌグリ・スンビランFA111313
 7UKM FC101610
 8PDRM FC
 712 9
 9サラワクFA1017 8
10ペナンFA 916 8
11ケランタンFA1318 7


MFL第10節の結果まとめ

4月19日(金)から21日(日)に行われたマレーシアフットボールリーグMFLの結果です。
1部スーパーリーグ

トレンガヌFC2-1フェルダ・ユナイテッド
得点者:トレンガヌFC-チェチェ・キプレ2(50分、90分)、フェルダ・ユナイテッド-渡邉将基(90分)
フェルダ・ユナイテッドの渡邉将基選手はリーグ戦初ゴールを挙げています。この渡邉選手と池田圭選手は共にスタメンでフル出場しています。

ペラTBG0-1パハンFA
得点者:パハンFA-エラルド・グロン(56分)
前半戦の天王山となる首位JDTとの直接対決を次節に控えるパハンFAが快勝しています。

スランゴールFA2-1PKNP FC
得点者:スランゴールFA-サンドロ・ダ・シルバ(14分、PK)、シャミ・サファリ(79分)、PKNP FC-ファズルル・ハズリ(85分)
この試合を含む直近の5試合で4勝1敗と好調のスランゴールFAが3位に浮上しました。

JDT3-1PKNS FC
得点者:JDT-アフィック・ファザイル(8分)、ゴンザロ・カブレラ(14分、PK)、サファウイ・ラシド(85分)、PKNS FC-ガブリエル・ゲラ(48分)
首位JDTは大勝で、次節の前半最終戦パハンFA戦に弾みをつけています。

KLFA1-0PJシティFC
得点者:KLFA-アシリ・チュチュ(50分)
KLFAは今シーズン2勝目、直近の3試合で2勝1分と好調です。
KLFAの苅部隆太郎選手はベンチ入りしていましたが、出場はありませんでした。

マラッカ・ユナイテッド1-0クダFA
得点者:マラッカ・ユナイテッド:カサグランデ(49分)
過去4試合で3敗だったマラッカ・ユナイテッドが上位進出を目指すための貴重な勝ち星を挙げています。JDTとパハンFAに離されたくないクダFAにとっては逆に痛い黒星です。

2部プレミアリーグ
ペナンFA0-2JDT II
得点者:JDT II-モハマド・ガダー(70分、PK)、S・クマーラン(78分)

PDRM FC1−1トレンガヌFC II
得点者:PDRM FC-パトリック・ロナウジーニョ(53分)、トレンガヌFC II-デチ・メルデル(41分)
トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手はスタメンでフル出場しています。

サバFA3-1UKM FC
得点者:サバFA-アルト・リナス(21分)、デンディ・ロワ(45分)、ロドリュブ・パウノヴィッチ(60分)、UKM FC-ハフィジ・アミルディン(43分)

ケランタンFA2-5ヌグリ・スンビランFA
得点者:ケランタンFA-フラヴィオ・ベック・ジュニオール(15分)、ハキミ・アブドラ(90分)、ヌグリ・スンビランFA-フェリス・ダニエル3(13分、44分、51分)、アルミール(56分)、リズアン・アブドラ(54分)
ヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手はスタメンでフル出場しています。

サラワクFA0-2UITM FC
得点者:UTIM FC-ザルコ・コラチ(29分)、ロベルト・メンディ(86分)

4月18日のニュース:FAカップ3回戦の結果、ジャラントゥトFAの冒険は終わり、JDTは今シーズン初の敗戦

マレーシアフットボールリーグMFLが主催するマレーシアFAカップ3回戦が終了しました。以下、結果です。
4月16日(火)
スランゴールFA1-2フェルダ・ユナイテッド
得点者:スランゴールFA-シャミ・サファリ(56分)、フェルダ・ユナイテッド-チアゴ・ジュニオール(65分)、ハディン・アズマン(89分)
 アジアサッカー連盟AFC U23選手権後、体調不良で休養していたシャミ・サファリがリーグ戦、カップ戦を通じて今シーズン初ゴールを決めスランゴールFAがリードしましたが、フェルダ・ユナイテッドはキャプテン、ハディン・アズマンが自陣ハーフからドリブルで持ち込み、ゴールを決め逆転勝ちしています。AFCのプロコーチライセンス講習参加中ながら試合に駆けつけたニザム・ジャミル監督にとっても嬉しい誕生日プレゼントになりました。
 フェルダ・ユナイテッドの渡邉将基選手はスタメンでフル出場、池田圭選手はスタメンで90分に交代しています。

ケランタン・ユナイテッド(3)1-3トレンガヌFC
得点者:ケランタン・ユナイテッド-ロザイミ・アズワル(10分)、トレンガヌFC-サンジャル・シャフメドフ(50分)、チェチェ・キプレ(55分)、リー・タック(73分)
 MFL1部スーパーリーグ所属のトレンガヌFCが3部M3リーグ所属のケランタン・ユナイテッドに快勝しました。守備陣の緩慢から先制点を許したものの、外国人3人のゴールで逆転勝ち。特に今シーズン絶不調に陥っているチェチェ・キプレと怪我の回復が遅れていたリー・タックがそれぞれゴールを決めたことは、リーグ戦にも良い影響が出そうです。

クダFA2-0PJシティFC
得点者:クダFA-レナン・アルヴェス(3分)、ザフアン・アドハ(55分)
 リーグ戦ではここ5試合で1勝と苦しい試合が続いているクダFAがPJシティFCに完封勝ち。クダFAのゴールはいずれもPJシティFCの守備陣のマークが甘くなった隙を逃さず得点したものでした。

ペナンFA(2)2-4KLFA
得点者:ペナンFA-ンドゥムバ・マケチェ(48分)、S・シヴァネサン(79分)、KLFA-ザイフル・ハキム(3分)、イルファン・ザカリア(14分)、ギリェルメ・デ・パウロ2(36分、64分PK)
 1部リーグ最下位のKLFAが2部リーグ9位のペナンFAに貫禄勝ち。
 KLFAの苅部隆太郎選手は74分から出場しています。

4月17日(水)
UKM FC(2)0-1パハンFA
得点者:パハンFA-マシュー・デイヴィズ(84分)

PKNP FC3-2PDRM FC(2)
得点者:PKNP FC-ヤシル・ピント(16分)、ファズルル・ハズリ(75分)、ハフィズ・ラマダン(89分、PDRM FC-パトリック・ロナルジーニョ(23分)、ファウザン・ファウジ(47分)

JDT0-1PKNS FC
得点者:クパ・シャーマン(48分)
 3回戦唯一とも言えるアップセットが起きたのがこの試合でした。半数以上の主力がベンチスタートとなったJDTは、開始早々の12分にキコ・インサがレッドカードで一発退場となり、数的不利となってしまいましたが、それを物ともせずが攻め続けました。さらに後半にはジオゴやサファウイ・ラシドらを投入し反撃を試みますが、PKNS FCも数少ないチャンスを確実にモノにする、まさにPKNS FCらしい試合運びで逃げ切りました。
 ここまでMFL1部スーパーリーグでは無敗のJDTは、この敗戦が2019年の公式戦初敗戦となりました。

ジェラントゥトFA(4)対ペラTBG
得点者:フィルダウス・ラザク(45分)、ペラTBG-ワンダー・ルイズ2(75分、85分)
 スタッツを見ればわかりますが、ボールの保持率がペラTBG61%、ジェラントゥトFA39%、シュート数はペラTBG17に対して、ジェラントゥトFAは5と劣勢な状況の中、3回戦で唯一残っていたMFL4部のアマチュアチームは、45分にフィルダウス・ラザクがペナルティーエリアの外から直接フリーキックを決めて先制しましたが、ワンダー・ルイズの2発に沈み、その冒険を終えました。

*(カッコ)内は各チームの所属リーグを表し、2は2部プレミアリーグ、3は3部M3リーグ、4は4部M4リーグ。数字無しは1部スーパーリーグ所属のチーム。

4月17日のニュース:ワールドカップ1次予選は断食月明け直後に、ケランタンFAの「掃除」は続く

ワールドカップ1次予選は断食月明け直後に
2022年FIFAワールドカップのアジア1次予選の日程が発表になり、1次予選から出場するマレーシア代表は、6月6日に初戦をホームで戦い、6月11日にアウェイで第2戦を行うことが、マレーシアサッカー協会FAMのホームページで告知されています。
 実はこの日は断食明けの祝日の2日目と重なっています。イスラム教徒が人口の8割近くを占めるマレーシアでは、イスラム教に課せられる5つの義務の一つ断食は大事な宗教上の行為です。日没から日の入りまで水も含めて飲食物を断つ断食は約一ヶ月続きますが、それが明けるとハリラヤあるいはハリラヤ・アイディルフィトゥリ呼ばれる祝日がマレー半島部では2日間続きます。実際には断食月が明ける数日前からバレッ・カンプンと呼ばれる大規模な帰省ラッシュが始まり、断食月最後の日と断食月明けの祝日は自分の故郷で両親や兄弟姉妹と迎えることがマレーシアのマレー人にとっては一般的で、ちょうど日本で言えば年末年始の雰囲気です。
 そんな時期の代表戦に果たして観客は来るのか、そもそもこの事態を回避するために開催したエアマリンカップでは、数千人の観衆しか集められなかったことを考えると、マレーシア代表のワールドカップ予選は静かなスタートとなるかも知れません。
 なお、4月17日に実施される組み合わせ抽選でマレーシアの相手となる可能性があるのは、バングラディシュ、グアム・ブルネイ、東ティムール、パキスタン、スリランカのいずれかと、集客的にも魅力がない相手です。

ケランタンFAの「掃除」は続く
最大のスポンサー企業マイインスピレーション社との関係決裂以降、深刻な財政危機を抱えるケランタンFAは、マイインスピレーション社がその給料を負担していた監督のマルコ・クラリエヴィッチを休養させ、その後、暫定監督としてテクニカルダイレクターのホルヘ・ピーター・スタインブラナーがチームを指導していましたが、このスタインブレーナ暫定監督とも契約解消で合意したとマレー語紙ブリタ・ハリアンのオンライン版が伝えています。このスタインブレナー暫定監督は初采配となったPDRM FCでケランタンFAの役員がベンチ外から選手に指示を出して、采配を妨害していたと発言していただけに、それも理由かと思われます。
 またコーチ陣だけでなく、ケランタンFAは自チームの外国人選手フラヴィオ・ベック・ジュニアや、カシオ・デゼズスについても契約の早期解消を交渉中とのことです。
 実はこの状況は2018年と非常に似ています。2018年の2月から4月にかけてケランタンFAは、やはり経済的な理由から外国人選手を含め10名を超える大量の選手を解雇し、そのやり方に対してプロ選手協会から激しく抗議を受けました。その中には、2012年のリーグ、FAカップ、マレーシアカップ全てチャンピンとなったトレブルの際のメンバーだったGKカイルル・ファミ・チェ・マットやMFモハメド・バドリ・モハマド・ラジといったトレブルの主役たちもいましたが、容赦なく契約期間を前倒しして契約を解消しました。それから1年経っても進歩しないどころか、退化しているケランタンFA。当時の会長は現在もその地位に就いたまま、数日前も給料未払い問題の結果、FIFAの指導で勝点3点をはく奪されるなど、チームは揺れていおり、そんなチームに在籍する選手やコーチ陣が不憫です。(下はユスリ監督の復帰を伝えるケランタンFAのホームページのポスト)