6月24日から30日のニュース:スランゴールFAの二軍化案にPKNS FCの監督や選手が反論、マレーシアサッカー界のレジェンドがMFLの外国人偏重に警鐘、クダFAは「第二のアキヤ」を出さないよう有望な若手に長期契約を提示

スランゴールFAの二軍化案にPKNS FCの監督や選手が反論
スランゴールサッカー協会のアミルディン・シャリ会長が、同じスランゴール州のシャー・アラムスタジアムをホームとし、州政府から運営資金援助受けているスランゴールFAチームとPKNS FCを統合し、PKNS FCをスランゴールFAの二軍(こちらではフィーダークラブ(feeder club)と呼んでいます)とする可能性があることを発言して以来、PKNS FC関係者からは多くの反論が出ていると当時のメディアが伝えています。
 マレー語紙ブリタ・ハリアンの電子版では、自身もPKNS FCの選手であったラヤゴパル・クリシュナサミPKNS FC監督は、PKNS FCは1967年発足の伝統のあるクラブであり、モクタル・ダハリ(マレーシアサッカー協会FAMのアカデミーが彼の名にちなんでモクタル・ダハリ・アカデミーとされるほどのマレーシアサッカー界のレジェンド)、サントク・シン、ソー・チンアン(いずれも、アジア予選を突破しながらソヴィエト連邦のアフガニスタン侵攻に抗議する形で辞退したモスクワオリンピックに出場する予定だったマレーシア代表のメンバー)など、1970年代から80年代にかけてのマレーシアサッカー黄金期の主力選手を輩出したクラブであり、現在もマレーシアフットボールリーグMFLでは成功しているクラブの一つであると述べ、それ以上は選手の気持ちを考えるとコメントできないとしています。
 また先日行われた国際サッカー連盟FIFAワールドカップアジア一次予選の代表メンバーでもあるDFアクラム・マイナンは、現在MFL1部スーパーリーグ9位のPKNS FCがスランゴールFAの二軍となれば、今シーズンの順位に関係なくMFL2部プレミアリーグ降格となることから、もしそうなれば自分自身の今後について移籍を含めた検討の必要があるとし、同じくDFシャローム・アブドル・カラムも2軍となればチームの輝かしい歴史も忘れられてしまうだけでなく、近い将来リーグのトップ3を狙える有望な若手を含む選手や整った練習環境などが失われてしまうのは残念だとしています。
 PKNS FCの二軍化はあくまでも選択肢の一つであるとアミルディン・シャリ会長は言っていますが、予断を許さない状況であることは間違いありません。

マレーシアサッカー界のレジェンドがMFLの外国人偏重に警鐘
上の記事でも取り上げたマレーシアサッカー界のレジェンドの一人であるサントク・シン氏が、現在のMFLは外国人選手を偏重しすぎで、マレーシア人選手の育成の妨げになっていると発言したと、当地の英字紙ニューストレイトタイムズの電子版が伝えています。
 各クラブが好成績を収めるために重要なポジションに外国人選手を採用し、コーチも彼らに依存することで、FW、MF、DFとどのポジションでもマレーシア人選手が育たず、ひいては「マレーシアサッカーの発展」と言うより大きな目標が達成できない原因となっていると述べています。
 前述したようにモスクワオリンピックの出場資格を獲得し、アジア競技大会でもメダルを獲得した当時のマレーシア代表を知るシン氏には、非常に歯がゆいマレーシアサッカーの現状でしょうが、しかしこの問題は、MFLはそもそも自国人選手育成の場なのか、それとも高いレベルのサッカーを提供する「娯楽」なのか、というどの国内リーグも抱える問題もあります。
 MFLの外国人枠はいわゆる3+1(国籍に関係なく外国人3名プラスアジアサッカー連盟AFC加盟国出身の外国人1名)にアセアンサッカー連盟AFF加盟国出身外国人1名の合計4名が試合に出場可能ですが、お隣タイは3+1にさらに3名のAFF枠を加えています。またJリーグは上記の3+1から、今年は外国人選手の登録選手数を無制限とする一方で、試合に出場できるのは5人まで、さらにJリーグと提携しているタイ、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、シンガポール、インドネシア、マレーシア、カタールの国籍を有する選手に関しては、日本人選手と同様の扱いとしています。提携国出身の選手は外国人枠の対象から除外されるので、ルール上は日本人が一人も出場しない先発メンバーを組むことも可能です。
 外国人選手依存の問題自体はマレーシアのプロサッカーリーグでは新しいものではありません。過去10年ほどを振り返って見ると以下の通りです。また<>内にはその年の国際サッカー連盟FIFAランキングも合わせて載せてみますので、外国人選手枠数とランキングの相関関係をみていただければと思います。
2009年:外国人選手枠0名 <同160位>
2010年:外国人選手枠0名 <同144位>
2011年:外国人選手枠0名 <同148位>
2012年:外国人選手枠2名 <同158位>
2013年:外国人選手枠3名 <同154位>
2014年:外国人選手枠4名、ただしフィールド上は3名まで。 <同154位>
2015年:外国人選手枠4名(AFC枠1名を含む) <同170位>
2016年:外国人選手枠4名(AFC枠1名を含む) <同161位>
2017年:外国人選手枠4名(AFC枠1名を含む) <同174位>
2018年:外国人選手枠5名(AFC枠1名、AFF枠1名を含む) <同167位>
2019年:外国人選手枠5名(AFC枠1名、AFF枠1名を含む) <同159位*>
*2019年は6月時点でのランキング

クダFAは「第二のアキヤ」とならないよう有望な若手に長期契約を提示
クダFAはFWファヤッド・ズルキフリ・アミン(20)とMFファズルル・ダネル・ニザム(21)の2選手の契約期限をを現在の2021年までから2023年まで延長し、さらに契約解除違約金条項(バイアウト条項)をそれぞれの契約に加え、その金額を500万リンギ(約1億3000万円)としたと、英字紙スターの電子版が伝えています。
 ファズルル選手はクダFAのキャプテン、バドロル・バクティアルと組んで中盤のレギュラーとして活躍し、ファヤッド選手はスーパーサブとしてスーパーリーグの試合でもゴールを決めています。
 タイトルにも書いた「第二のアキヤ」とは、現在MFL1部スーパーリーグのジョホール・ダルル・タクジムJDTでもプレーするマレーシア 代表MFアキヤ・ラシド(20)が昨シーズン末に21万リンギ(約550万円)の契約解除違約金を払ってクダFAからJDTへ移籍した一件を指します。この移籍に不満を持ったクダFAはマレーシアサッカー協会FAMにその可否判断を委託しましたが、FAMはJDTがクダFAに育成費用7万5000リンギ(約200万円)を払うことを条件に、この移籍を認めました。そこで「第二のアキヤ」とならぬよう、有望な若手に対して今回のような長期契約を提示したのだろうと、スターの記事は結んでいます。

6月23日のニュース:マレーシアFAカップ準決勝の結果まとめ、アセアンが合同で2034年ワールドカップ開催立候補を検討

マレーシアFAカップ準決勝の結果まとめ
今週末はマレーシアフットボールリーグMFLは試合がありません。そこで6月22日(土)に行われたマレーシアFAカップ準決勝第1戦の結果をおしらせします。対戦カードの左側がホームチームです。なお準決勝第2戦は6月29日(土)に予定されています。

クダFA1-0フェルダ・ユナイテッド
得点者:クダFA-フェルナンド・ロドリゲス(70分PK)
 MFL3位のクダFAと最下位フェルダ・ユナイテッドの対戦は、ゴール前に上がったコーナーキックに反応したフェルダ・ユナイテッドのGKノラジアン・ラザリとクダFAの長身DFレナン・アルヴェスが交錯して得たPKをフェルナンド・ロドリゲズが決めた1点を守り切ったクダFAが先勝しました。

パハンFA2−0ペラTBG
得点者:パハンFA-エロルド・グロン2(12分、90分)、ムハマドゥ・スマレ(39分)、ペラTBG-パルティバラン・ジャナセカラン(54分)
 パハンFAの2点目は、右からのクロスを胸で受けたムハマドゥ・スマレが、それを倒れこみながらボレーでシュートした技ありのゴールでしたが、圧巻だったのはパハンFAの3点目。アディショナルタイムに入り、ハーフライン手前、自陣ハーフからエロルド・グロンの蹴った高い弾道のキックに対して、前に出ていたペラTBGのGKハフィズル・ハキムが慌てて下がりながらパンチングするも、ボールはそのままゴールへ吸い込まれるスーパーゴールとなり、パハンFAが先勝しました。

アセアンが合同で2034年ワールドカップ開催立候補を検討
タイのバンコクで本日開幕したアセアン(ASEAN、Association of Southeast Asian Nations東南アジア諸国連合)のサミット。その席でタイのプラユット・チャンオチャ首相が国際サッカー連盟FIFAワールドカップの2034年大会の立候補をアセアン各国と合同で行うことを表明し、このサミットに参加中のマレーシアのマハティール・マハティール首相もこの共催案を支持する発言をしたことを、マレーシアの英字紙ザ・スターの電子版が伝えています。
 地域内に人口およそ6億4千万人を抱えるアセアンは、タイの他、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、ベトナム、ブルネイの10カ国で構成される地域協力機構で、サッカーは間違いなくこの地域のナンバー1スポーツですが、まだワールドカップ本戦に出場した国はありません。
 アセアン内の国が単独でワールドカップを開催することは現実的でないとするマハティール首相は、域内の各国が協力して招致することで実現の可能性は上がるのではないかと話しています。

6月21日のニュース:MFL2部プレミアリーグ移籍情報まとめ

昨日アップしたマレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグの移籍情報に続いて、今回はMFL2部プレミアリーグの移籍情報です。なお、各チームの順位は第17節終了時点のものです。

1位:サバFA(9勝4分2敗)
<新入団>
MFアフメット・アタエフ(トルクメニスタン、ペルセラ・ラモンガン(インドネシア)より移籍)
FWアギナルド・メンデス(アンゴラ、ポリテニカ・ヤシ(ルーマニア)より移籍)
<退団>
FWルイス・ジュニオール(ブラジル)
FWルカ・ミルノヴィッチ(期限付き移籍終了でマラッカ・ユナイテッドへ復帰)

2位:ジョホール・ダルル・タクジムJDT II(8勝6分2敗)
<新入団>
MFニコラス・フェルナンデス(アルゼンチン、ジョホール・ダルル・タジムJDT II)
DFフィルダウス・アブドル・ジャバ(JDT III)
<退団>
MFルーカス・オンティヴェロ(アルゼンチン)
DFハリズ・カマルディン(JDT IIIへ移籍)

3位:UITM FC8勝4分4敗)
<新入団>
FWマイコン・カリジューリ(ブラジル、シャン・ユナイテッド(ミャンマー)より移籍)
MFパク・ヨンジュン(韓国、清州FC(韓国)より移籍)
MFアフリジン・イスライロフ(キルギス、FKアンディジャン(ウズベキスタン)より移籍)
MFアディブ・ロスリ (UiTM FC)
DFザイルル・フィトリ・イシャク (D’ArワンダラーズFC(M3リーグ)より移籍)
<退団>
FWロベルト・メンディ(セネガル)
FWアディ・サイド(ブルネイ)
MFアフリジン・イスライロフ(キルギス-トランスファーウィンドウ期間中に契約解除)
MFズルキフリ・ザカリア
MFメガット・アーマド・ザクワン・メガット・アーマド・アジズディン

4位:トレンガヌFC II
新入団、退団ともなし

5位:ヌグリ・スンビランFA(6勝4分5敗)
<新入団>
FWイゴール・ルイズ(ブラジル、シーサケートFC(タイ)より移籍)
<退団>
FWトーマス・コロマ(シエラレオネ)

6位:ペナンFA(5勝5分6敗)
<新入団>
FWカサグランデ(ブラジル、マラッカ・ユナイテッドから期限付き移籍)
FWセルジオ・アグエロ(アルゼンチン、スランゴール・ユナイテッドから移籍)
GKモハメド・ザミール・スラマット(バトゥ・ドゥアFC(M3)から移籍)
FWワン・モハマド・シュクリ・ワン・アーマド(マラッカ・ユナイテッドから移籍)
MFヨゲス・ムニアンディ(プタリン・ジャヤ・シティFCより移籍)
MFモハマド・シュクル・サイディン(プルリスFA)
MFアミルル・シャザニ・ロスラン(サイム・ダービーFC)
<退団>
MFスチュアート・ジェームス・ウィルソン・ウォーク(スコットランド、PDRM FCに移籍)
FWンドゥムバ・マケチェ(ザンビア、サウス・メルボルンFC(オーストラリア)へ移籍)
MFセバスチャン・チュリエル(ハイチ)
GKムハマド・シャミン・オスマン
FWモハマド・ラムジ・オスマン
DFハスルル・チェ・ハリム
DFアシュラフ・ロジャニ
DFカイルル・ロスマディ

7位:PDRM FC(5勝3分7敗)
<新入団>
MFスチュアート・ジェームス・ウィルソン・ウォーク(スコットランド、ペナンFAから移籍)
ウチェ・アグバ(ナイジェリア、アル・リファーSC(バーレーン)より移籍)
GKブライアン・シー・ティアンキート(バンコクFC(タイ)より移籍)
MFゴピナタン・ラマチャンドラ(マラッカ・ユナイテッドより移籍)
DFファリド・ラムリ(KLFAより移籍)
<退団>
MFアンドレジーニョ(ブラジル)
DFシャズワン・アジザン
MFモハマド・シャヒド・ザイドン

8位:スランゴール・ユナイテッド(5勝3分7敗)
<新入団>
MFダンコ・コバチェビッチ(モンテネグロ、FKイスクラ・ダニヴグラード(モンテネグロ)より移籍)
FWファン・シンヨン(韓国、 清州FC(韓国)より移籍)
FWノーシャルル・アブドル・ガニ(マラッカ・ユナイテッドより期限付き移籍
GKダミエン・リム・チェンカイ(ケランタンFAより移籍)
<退団>
FWセルジオ・アグエロ(アルゼンチン、ペナンFAへ移籍)
FWエスラム・モハメッド・ザキ(エジプト)
MFノーハフィズアン・ジャイラニ
GKシャズワン・ユソフ

9位:UKM FC(4勝4分8敗)
<新入団>
DFアリフ・ジャマルディン(UKM FCユース)
ハシフ・ノーハイザン(UKM FCユース)
アイノール・ハキム・ヤティム(UKM FCユース)
<退団>
FWアシャラフ・マット・プシュニ(KLFA U21へ期限付き移籍)
ハフィザテゥラ・ラジム(KLFA U19へ期限付き移籍)
FWトゥアン・アーマド・ムクリス・トゥアン・ノー・マルズキ(トレンガヌFC IV(M4)へ期限付き移籍)

10位:ケランタンFA(2勝8分6敗)
<新入団>
FWリマム・セイディ(フランス、バトゥ・ドゥアFC(M3)より移籍)
<退団>
MFフラビオ・ベック・ジュニオール(ブラジル、バヤンガラFC(インドネシア)へ移籍)
MFデヴィッド・ロウリー(ケダFAへ移籍)
FWラウル・タラゴナ(ウルグアイ、CAレンティスタス(ウルグアイ)へ移籍)
GKムハマド・ノー・アミン・マット・ガニ
FWアフィク・サラウディン
GKダミエン・リム・チェンカイ(スランゴール・ユナイテッドへ移籍)

11位:サラワクFA(24分9敗)
<新入団>
MFロドリゴ・アモリム(ブラジル、CA セラド(ブラジル)より移籍)
サラワクFAの練習に参加していた岩崎陽平選手は、残念ながら契約に至らなかったようです。
<退団>
FWムアメル・サリバシッチ(ボスニア・ヘルツェゴヴィナ)

6月20日のニュース:MFL1部スーパーリーグ移籍情報まとめ

MFL1部移籍情報まとめ
遅ればせながら5月29日に終了した今年2回目のトランスファーウィンドウ期間中に入団および退団した選手について、マレーシアフットボールリーグMFLのホームページに掲載されたリストを参考に1部プレミアリーグの移籍情報をまとめました。順位は第15節終了時点、*印はまだ移籍が完了していない選手です。

1位:ジョホール・ダルル・タクジムJDT(12勝3分0敗)
新入団、退団ともなし
2位に勝点で13点差をつけて首位を独走するJDTは、マレーシア人選手、外国人選手とも不動のメンバーで残り7試合を戦います。シーズン中に補強する必要なし!という自信が伝わってきます。

2位:パハンFA(7勝5分2敗)
<新入団>
FWラザラス・カイムビ(ナミビア、2018年にはケランタンFAでプレー)
<退団>
FWゼ・エドゥアルド(ブラジル)

3位:ケダFA(6勝4分5敗)
<新入団>
MFデヴィッド・ロウリー(ケランタンFAより移籍)
*MFエドガー・ベルンハルト(キルギス、GKSティヒ(ポーランド)より移籍)
<退団>
MFアンマー・アルムバラキ(イラク)

4位:マラッカ・ユナイテッド(6勝4分5敗)
<新入団>
DFドミニク・バリチ(クロアチア、NKドゥゴポリェ(クロアチア)より移籍)
FWデイヴィ・クロード・アンガン(コートジボアール、モスタFC(マルタ)より移籍)
FWルカ・ミルノヴィッチ(セルビア、サバFA期限付き移籍から復帰)
GKアーマド・ソレヒン・ママト(クアラ・ルンプールFAより移籍)
FWモハマド・ファイザル・アブ・バカル(ヌグリ・スンビランFAより移籍)
<退団>
MFダルコ・マルコヴィッチ(モンテネグロ、クアラ・ルンプールFAへ期限付き移籍)
FWカサグランデ(ブラジル、ペナンFAへ期限付き移籍)
MFリリドン・クラシニキ(コソヴォ)
FWノーシャミル・アブドル・ガニ(スランゴール・ユナイテッドへ期限付き移籍)
MFゴピナタン・ラマチャンドラン(PDRM FCへ期限付き移籍)
FWワン・モハマド・シュクリ・ワン・アーマド(ペナンFAへ期限付き移籍)
GKシャフィズラ・アブドル・ワハブ

5位:スランゴールFA(5勝7分3敗)
<新入団
FWイフェダヨ・オルセグン(ナイジェリア、アル・リファーSC(バーレーン)より移籍)
<退団
FWルフィノ・セゴヴィア(スペイン)

6位:トレンガヌFC(5勝5分5敗)
<新入団
*DFルイス・グスタヴォ(ブラジル、アソシアソン・フェロヴィアリア・ジ・エスポルテス(ブラジル)より移籍)
FWナビル・アーマド・ラトピ(アルティメイトFC(MFL3部)より移籍)
<退団
DFイゴール・ゾンジッチ(モンテネグロ)

7位:PKNS FC(5勝4分6敗)
<新入団
*FWキティポン・プルエムジャイ(タイ、リセクロスタIL(ノルウェイ)より移籍)
<退団
FWシャフィク・シャハルディン(クアラ・ルンプールFAへ移籍)
FWチャン・ワタナカ(カンボジア、ボーウング・ケット・アンコール(カンボジア)へ移籍)

8位:ペラTBG(3勝9分3敗)
<新入団
DFフセイン・エル・ドール(レバノン、チャーチル・ブラザーズFC(インド)から移籍)
FWロナルド(ブラジル、ECキンゼ・デ・ノヴェンブロ(ブラジル)より移籍)
FWカレッカ(ブラジル、アトレチコ・アクレアーノ(ブラジル)より移籍)
<退団>
FWワンダー・ルイス(ブラジル、ベカメックス・ビンズオンFC(ベトナム)へ移籍)
FWジルマール・ホセ・ダ・シルバ(ブラジル)
DFザカリー・アンダーソン(オーストラリア)
DFシャズワン・ザイポル・バハリ(PKNP FCへ期限付き移籍)
DFナジルル・アフィフ・イブラヒム(PKNP FCへ期限付き移籍)

9位:プタリン・ジャヤ・シティFC(5勝2分8敗)
<新入団>
FWワシントン・ブランドン(ブラジル、ヴェンシュセルFF(デンマーク)より移籍)
FWペドロ・エンリケ・オリヴェリア(東ティモール、サムットサーコーンFC(タイ)より移籍)
DFモハマド・ナスリク・バハロム(プルリスFAより移籍)
<退団>
DFジョシュア・ジェイク・ブラン・グロムメン(フィリピン)
FWペドロ・エンリケ(東ティモール)
MFムニアンティ・ヨゲス(ペナンFAへ移籍)

10位:クアラ・ルンプール(KL)FA(4勝2分9敗)
<新入団>
MFダルコ・マルコヴィッチ(モンテネグロ、マラッカ・ユナイテッドから期限付き移籍)
DFノ・ヘンセク(韓国、釜山アイパーク(韓国)より移籍)
DFラフィ・アジザン・マリアペン (プチョン・フェルザFC(MFL3部)より移籍)
FWシャフィク・シャハルディン (PKNS FC)
<退団>
DF苅部隆太郎
FWシルヴァーノ・コンヴァリアス(オランダ、アレマ・クロノスFC(インドネシア)へ移籍)

11位:PKNP FC(3勝3分9敗)
新入団
DFペドロ・ヴィクトル(ブラジル、ECノルエステ(ブラジル)より移籍)
FWラモン・ダ・シルバ・コスタ(ブラジル、CAジュヴェントス(ブラジル)より移籍)
DFシャズワン・ザイポル・バハリ(ペラTBGより期限付き移籍)
DFナジルル・アフィフ・イブラヒム(ペラTBGより期限付き移籍)
MFハフィズ・アーマド・カマルディン(ペラU19)
MFアイディル・アズアン (マラッカ・ユナイテッド U19-マレーシアU19代表)
退団>
DFシヨブシュ・アスロロフ(タジキスタン)
MFトマス・アビー(ガーナ)

12位:フェルダ・ユナイテッド(1勝6分7敗)
<新入団>
FWカイルル・アムリ・カマル(シンガポール、タンピネス・ローヴァーズ(シンガポール)より移籍)
<退団>
FWチアゴ・キリーノ・ダ・シウヴァ(ブラジル)

MFL第17節の結果まとめ

6月16日の第16節終了から数日で開催された6月18日(火)と19日(水)のマレーシアフットボールリーグMFL第17節の結果です。

MFL1部スーパーリーグ

ペラTBG3-1トレンガヌFC
得点者:ペラTBG-シャルル・サアド(34分)、ロナウド2(69分、77分)、チエリー・チャンタ・ビン(88分)
 好調のペラTBG攻撃陣相手に、DFデルチ・マーセルが27分に2枚目のイエローをもらって退場となるなど、トレンガヌFCにとっては厳しい試合展開でした。この試合の結果、ペラTBGがトレンガヌFCに代わって6位に浮上し、トレンガヌFCは7位に降下しています。

プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC1−0フェルダ・ユナイテッド
得点者:PJシティFC-サフィ・サリー(45分)
 フェルダ・ユナイテッドの渡邉将基選手は前節はベンチ入りしなかったものの、この試合ではスタメンでフル出場、また池田圭選手は前節同様、途中から出場しています。

PKNS FC2-3クダFA
得点者:PKNS FC-クパ・シャーマン2(53分PK、66分)、クダFA-バドロル・バクティアル(10分)、ファヤッド・ズルキフリ(71分)、リザル・ガザリ(90分)
 PKNS FCは、一時はリーグ4位と前半戦の快進撃を支えた守備陣が、この試合も含めた直近の5試合で12失点と崩壊しています。
 リーグ3位のクダFAは、残り5試合を全勝し、首位JDTが全敗しても現在のJDTの勝点には追いつかないため、優勝争いから脱落です。

パハンFA2-0PKNP FC
得点者:パハンFA-ラザラス・カイムビ(21分)、ディクソン・ヌワカエメ(31分)
 前節まで5試合連続無得点だったパハンFAは、両外国人FWがゴールを決めています。しかし、リーグ2位のパハンFAは試合数が1試合少ないものの、首位JDTとの勝点差は13のままです。

ジョホール・ダルル・タクジムJDT3-2スランゴールFA
得点者:JDT-ゴンザロ・カブレラ(10分)、レアンドロ・ヴァレズケス(12分)、サファウィ・ラシド(61分)、スランゴールFA-カイリル・ムヒミン(41分)、サンドロ・ダ・シルヴァ(89分)
 開始から12分で2点先取されたスランゴールFAは、前半終了間際にカイリル・ムヒミンの素晴らしいFKで1点差と迫りましたが、JDTが逃げ切り、スランゴールFAも優勝争いから脱落しました。
 この試合の勝利でJDTのMFL6連覇(!)はほぼ決まりでしょう。その余裕からか、国際サッカー連盟FIFAワールドカップ2022年大会アジア予選に出場したマレーシア代表のメンバーでもあったDFドミニク・タンを、タイ1部のトラートFCに期限付き移籍させています。

クアラ・ルンプール(KL)FA0−1マラッカ・ユナイテッド
得点者:マラッカ・ユナイテッド-パトリック・ライヒェルト(44分)
 ここ数試合、接戦を制することができないでいるKLFAは、この試合も1点差負け。今節第17節を終了して、36失点はリーグ最多です。
 マラッカ・ユナイテッドは、次節はホームに首位JDTを迎えます。最後までシーズンを緊迫したものにするためにも、この試合では是非、勝ってもらいたいです。

MFL2部プレミアリーグ

ケランタンFA1-1JDT II
得点者:ケランタンFA-アズワン・アリピン(57分)、JDT II-モハマド・ガダー(7分PK)

ヌグリ・スンビランFA3-0スランゴール・ユナイテッド
得点者:ヌグリ・スンビランFA-中武駿介(14分)、アルミール(71分)、イゴール・ルイズ(85分)
 今シーズン3点目のゴールを挙げたヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手は、スタメンでフル出場しています。

サラワクFA1-3UKM FC
得点者:サラワクFA-アリフ・ハサン(14分)、UKM FC-ミラド・ザニドプール(14分)、ワン・ファイズ2(53分、89分)

PDRM FC1-2サバFA
得点者:PDRM FC-リ・チャンフン(76分)、サバFA-ロドリュウブ・パウノヴィッチ(76分)、アルト・リナス(82分)

UITM FC3-3ペナンFA
得点者:UITM FC-ザルコ・コラチ2(12分PK、59分)、アメル・アザハ(45分)、ペナンFA-カサグランデ3(34分。47分、90分)

MFL第16節の結果まとめ

マレーシアフットボールリーグMFLは6月15日(土)と16日(日)の両日に第16節が行われました。以下結果です。(左側がホームチーム)

MFL1部プレミアリーグ

PKNP FC1−1ジョホール・ダルル・タクジムJDT
得点者:PKNP FC-ラモン・コスタ(15分)、JDT-ジオゴ(5分)
 リーグ首位JDTが11位PKNP FCのホームでまさかの引き分け。PKNP FCは5月末のトランスファーウィンドウ期間中に加入したブラジル人FWラモン・コスタのゴールで追いつくと、そのままJDTを抑えて貴重な勝点1を獲得しました。
 一方、6月11日に行われた国際サッカー連盟FIFAワールドカップ2022年大会アジア一次予選で東ティモール代表と対戦し勝利したマレーシア代表23名中、JDTからは9名が選出されており、代表組は少々お疲れだったのかもしれません。しかし、この引き分けのおかげで、2位以下のチームにはJDTとの差を詰めるチャンス到来だったのですが…。

クダFA0-0パハンFA
得点者:なし
 この試合前までに首位JDTとの勝点差が10あったリーグ2位のパハンFA。JDTが降格圏のPKNP FCと引き分けたこの機会を活かしたかったところですが、結果はリーグ3位のクダFAと引き分けて、勝ち点差を詰めることができませんでした。
 得点力不足に苦しむパハンFAは、FWディクソン・ヌワカエメが4月28日のMFL第11節JDT戦以来の出場となりましたが、この試合ではゴールを決めることができず、チームも5試合連続無得点となりました。

フェルダ・ユナイテッド5−4PKNS FC
得点者:フェルダ・ユナイテッド-チアゴ・ジュニオール(4分)、ハディ・アズマン(45分)、ファイズ・マズラン(48分)、カイルル・アムリ2(52分、56分)、PKNS FC-クパ・シャーマン(15分)、タミルラン・コズバエフ(60分)、 ジャフリ・フィルダウス・チュウ(72分)、ロドニー・セルヴィン(82分)
 リーグ最下位に低迷するフェルダ・ユナイテッドが貴重な勝点3を獲得。なおフェルダ・ユナイテッドの池田圭選手は途中出場、渡邉将基選手はベンチ外でした。
 スランゴールFAのBチーム化が噂されているPKNS FCは、開幕当初の勢いが衰えてきていますが、もしこのBチーム化が決定すれば、今シーズンの成績に関わらずMFL2部プレミアリーグへ降格となります。ここで補足的な説明をすると、スランゴールFAはスランゴール州サッカー協会(スランゴール州FA)によるクラブチームであるのに対し、PKNS FCはスランゴール州政府の機関であるスランゴール州開発公社が母体のクラブチームです。この2つのクラブはいずれもマレーシア国内で最大の人口と経済規模を持つスランゴール州の州政府からそれぞれ経済的な支援を受けています。この2つのクラブを統合することで、恐らく主体となるであろうスランゴールFAをJDTのような金満クラブと対等に戦うだけの資金を確保し、同時にMFL2部でようという算段です。スーパーリーグのJDTとトレンガヌFCはそれぞれのBチームが、プレミアリーグにJDT IIとトレンガヌFC IIとして在籍していますので、スランゴールFAもこれに習う形になる可能性があります。

プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC0-1ペラTBG
得点者:ペラTBG-ロナウド(19分)
 ペラTBGが逃げ切り。PJシティFCは主将のDFスブラマニアム・ソーリャパラドが65分,68分と立て続けに2枚のイエローカードをもらって退場となり、数的不利な状況では反撃できませんでした。

スランゴールFA2−1クアラ・ルンプール(KL)FA
得点者:スランゴールFA-イフェダヨ・オルセグン(37分)、サンドロ・ダ・シルヴァ(90分PK)、KLFA-ギリェルメ・デ・パウラ(59分PK)
 クアラ・ルンプールとそれを囲む形のスランゴール州を本拠とするチーム同士の対戦は、この辺りがクラン川に沿った渓谷であることからクランバレーダービーと呼ばれていますが、そのダービー戦も引き分けかと思われた90分過ぎに、途中出場のMFショーン・セルヴァラジがペナルティエリア内で倒されてPKを獲得、この日のマンオブザマッチ的な活躍をしたサンドロ・ダ・シルヴアがこのPKを確実に決め、スランゴールFAが土壇場でKLFAに勝利しました。
 KLFAは、FWギリェルメ・デ・パウラが、元シンガポール代表で現役時代はKLFAでもプレーしたファンディ・アーマドの持つクラブ記録の67得点へあと2つとせまるゴールを決めましたが、第14節のプタリン・ジャヤ・シティFCに続き、またも90分を過ぎてから決勝ゴールを奪われての敗戦となりました。

マラッカ・ユナイテッド3-3トレンガヌFC
得点者:マラッカ・ユナイテッド-デイヴィ・クロード・アンガン2(17分,49分)、ルカ・ミルノヴィッチ(31分)、トレンガヌFC-サンジャル・シャアフメドフ3(41分、73分、82分)
 ウズベキスタン出身のMFサンジャル・シャアフメドフのハットトリックで引き分けたトレンガヌFCは、最近6試合で3試合目の引き分け。
 一方のマラッカ・ユナイテッドは、入団後2試合目となったFWデイヴィ・クロード・アンガンの2ゴール、5試合で5ゴール目を決めたFWルカ・ミルノヴィッチの活躍もありましたが、やはりこちらも最近6試合で3試合目の引き分けでした。

MFL2部プレミアリーグ

JDT II5-0トレンガヌFC II
得点者:JDT II- ニコラス・フェルナンデス3(14分、18分、89分)、ラマドハン・サイフラー(50分)、サアルヴィンドラン・デヴァンドラン(73分)
 MFL1部スーパーリーグのBチーム同士の対戦となったこのカードは、MFニコラス・フェルナンデズのハットトリックなどでJDT IIが圧勝しています。
 トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手は、スタメンでフル出場しています。

ケランタンFA0-0UITM FC
得点者:なし
 3位UITM FCと11位ケランタンFAの試合は、両チーム無得点の引き分けでした。
 第14節でプレミアリーグ首位に立ったUITM FCは、その後は1分1敗という成績で、3位まで順位を下げています。

スランゴール・ユナイテッド1-3ペナンFA
得点者:スランゴール・ユナイテッド-ハディ・ヤハヤ(90分)、ペナンFA-ジュリアン・ボッタロ(50分)、カサグランデ(60分)、セルジオ・アグエロ(89分)
 トランスファーウィンドウ期間中に、セルジオ・アグエロ(スランゴール・ユナイテッドから移籍)、カサグランデ(マラッカ・ユナイテッドから期限付き移籍)と二人のFWを獲得して以来、2勝1分と好調のペナンFAは、この試合も新戦力二人が活躍して4試合負けなしとなりました。

サバFA1-0ヌグリ・スンビランFA
得点者:サバFA-アルト・リナス(66分)
 ともに1部スーパーリーグへの昇格を目指す3位のサバFAと5位ヌグリ・スンビランFAの試合は、5試合負けなしのサバFAがこの試合も勝利し、消化試合がヌグリ・スンビランFAよりも1試合少ないものの、勝点で5点差をつけてリードしています。
 ヌグリ・スンビランFAの中武俊介選手はスタメンでフル出場しています。

UKM FC2-3PDRM FC
得点者:UKM FC-アスナン・アーマド(14分)、マテオ・ロスカム(74分)、PDRM FC-ファウザン・ファウジ(8分)、アルグジム・レゾヴィッチ(49分)、リ・チャンフン(77分PK)

6月13日のニュース:JapaFunCup出場の2選手が日本へ出発、トレンガヌFCの新外国人はMFL今節の試合に間に合わず

JapaFunCup出場の2選手が日本へ出発
日本サッカー協会JFAが国際交流基金アジアセンターと共に2014年より進めてきた東南アジア各国とのサッカー交流事業の成果発表の場として、6月22日(土曜日)に福島県のJヴィレッジで開催するU18東南アジア選抜チーム「ASIAN ELEVEN」対U18東北選抜の国際親善試合「JapaFunCup(ジャパファンカップ)」に出場するマレーシアU18代表のアリ・イムラン・スカリとハリス・ハイカル・アダム・アフカルの両選手が、クアラ・ルンプール国際空港(KLIA)から日本へ出発したことが、マレーシアサッカー協会FAMのホームページで告知されています。
 パハン州ガンバンにあるモクタ・ダハリアカデミーの国立フットボール育成プログラム出身でともに17歳のアリ・イルマン選手とハリス・ハイカル選手は6月13日から23日まで福島県に滞在し、東南アジア11カ国から集まった選手たちともに『ASIAN ELEVEN」プログラムに参加し、最終日の国際親善試合に備えます。
 搭乗前の会見では、「マレーシア人選手が高いレベルでもプレーできることを証明したい」と意気込んでいたDFのアリ・イルマン選手は、他の参加者と1週間の練習期間の中で連携を高めたいとしています。また「他の国の18歳の選手たちとスタメン争いをしなければならないが、年齢差は気にならない」と語るMFのハリス・ハイカル選手はできるだけ多くのサッカー技術や知識を学んで、ピッチ上では全力を尽くしたいと述べています。
 彼らをKLIAで見送ったFAMのダト・スリ・スバハン・ビン・カマル副会長は、東南アジアの選手が日本の選手相手に才能や能力を示す機会となるこのようなプログラムが今後も続くことを、FAMと国立フットボール養成プログラムが期待していると話しています。(写真はアリ・イルマン選手(左)とハリス・ハイカル選手。FAMのFacebookより)

トレンガヌFCの新外国人は今節の試合に間に合わず
マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグのトレンガヌFCの新戦力、ブラジル出身のDFルイス・グスタヴォ・カミロのチーム合流が遅れていると、マレー語紙コスモの電子版が伝えています。
 本来なら先週中にチームに合流する予定だったルイス選手ですが、国際移籍証明書の発給が遅れており、今週末から再開するMFLの第16節、マラッカ・ユナイテッド戦には間に合わないことが決まっていますが、第17節のペラTBG戦にも間に合わない可能性があるとしています。
 第15節を終えて、5勝5分5敗という成績のトレンガヌFCは、今年二度目のトランスファーウィンドウ期間中に、セルビア人のDFイゴール・ゾンジッチとの契約を解除し、代わりこのルイス選手を獲得しました。スーパーリーグ12クラブ中、失点数23はリーグ10位のクアラ・ルンプール(KL)FA(33点)、12位のフェルダ・ユナイテッド(30点)、11位のPKNP FC(28点)に続く悪い成績ですが、すぐに改善とはいかないようです。

6月2日のニュース:サファウイ・ラシドに日韓のクラブが関心、FAMの懲戒委員会によりスランゴールFAのGKは5試合出場停止、FAMのステイタス委員会は未払い給料支払いを命令

サファウイ・ラシドに日韓のクラブが関心
英字紙ニューストレイトタイムズの電子版では、AFCチャンピオンズリーグACLにジョホール・ダルル・タクジムJDTのメンバーとして出場したサファウイ・ラシドに日韓のクラブが関心を示していると英字紙ニューストレイトタイムズの電子版が伝えています。
 昨シーズンの国内最優秀選手にも選ばれているサファウイ選手はACL以外にも昨年インドネシアで開催され、韓国を撃破したアジア競技大会や今年3月のアジアサッカー連盟AFC U23選手権予選にも出場してゴールを決めていまが、そういった実績に加えて、現在22歳という若さからJ1のクラブが関心を示していると、記事の中であるエージェントが述べています。しかし同じエージェントがJDTと話したところ、現時点ではJDTはサファウィ選手の移籍を容認しないと語ったようです。
 この記事の中では、別のエージェントは韓国のKリーグ所属クラブにもサファウィ選手に関心を持っているところがあると述べています。2020年より「アセアン枠」での外国人獲得が可能となるKリーグ(詳しくはこちらを参照して下さい。)にはこの「アセアン枠」が開いているチームがあり、サファウィ選手はまさしくその枠にフィットする候補だと述べています。アジア競技大会では、英国プレミアリーグのトットナムで活躍する孫興民(ソン・フンミン)を擁するU23韓国代表相手に2ゴールを挙げ、マレーシアの勝利に貢献しているので、その活躍が注目を集めたのかも知れません。このエージェントはサファウィ選手以外に、帰化選手であるモハマドゥ・スマレやマシュー・デイビーズ(いずれもパハンFA)といったマレーシア代表の選手の他、リー・タック(トレンガヌFC)やロメル・モラレス(PKNS FC)なども国外のクラブの関心を集めていると述べています。
 国内のトップレベルの選手が国外でプレーする話は聞いたことがありませんが、個人的にはサファウィ選手には是非、Jリーグでプレーしてもらいたいです。アセアン出身者のJリーグ成功例としては、水戸のグエン・コン・フオン(現Kリーグインチョン・ユナイテッド)や札幌のチャナティップ・ソングラシンがいます。またファジアーノ岡山にはU23代表のハディ・ファイヤッドも在籍していますが、サファウィ選手も是非、国外のクラブで揉まれてもう一回り大きくなって欲しいと思います。

FAMの懲戒委員会によりスランゴールFAのGKは5試合出場停止
マレーシアサッカー協会FAMの懲戒委員会が開かれ、マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグのスランゴールFAのGKファリザル・ハルンに対し、5試合の出場停止と罰金5000リンギ(約13万円)が課されました。
 5月18日に行われたMFL第14節のスランゴールFA対PKNP FCとの試合中に、ファリザル選手がゴール前の混乱の中、PKNP FCのムハマド・アル・ファテ選手の顔面を殴りました。試合中、審判はこれに気が付きませんでしたが、ビデオ映像にはしっかり残っており、今回の処分につながっています。
 ファリザル選手はMFL第8節、4-3で勝利した対マラッカ・ユナイテッド戦でも自らのミスから失点につながったことをなじったファンに対して中指を立てるなど前科があり、またこのPKNS FC戦の後も彼の行為に対して批判的なファンに対して悪態をつくなど、一部ファンからは「スランゴールFA史上最低の選手」とも呼ばれています。
 MFLが残り7試合という状況下でのFAMによる5試合の出場停止処分に対して、ファリザル選手は裁定が重すぎると述べていますが、その一方で「サッカー選手なら一度や二度はカッとなることはあるはず」と述べるなど、反省の色は見られません。
 スランゴールFAのB・サティアナタン監督はこの裁定に対して不服申し立てを行うかどうかはクラブの上層部に任せるとし、チームにとってレギュラーGKがいなくなるのは非常に大きな痛手であるとコメントし、観客に飛び蹴りを加えたことで有名なエリック・カントナ(!)が出場停止を乗り越えて復帰したことを例に挙げ、ファリザル選手にもカントナ選手を見習って欲しいと述べています。

FAMのステイタス委員会は未払い給料支払いを命令
このブログでは何度も取り上げたマレーシアサッカー界の給料未払い問題ですが、今回はFAMのステイタス委員会が、所属選手から未払い給料請求を受けているクラブへ30日以内の支払い命令を出しています。
 その中でも最大額は昨シーズンのMFL3部(昨年までの名称はFAMリーグ)の優勝チーム、トレンガヌ・シティFCの411,900リンギ(約1070万円)で21名のマレーシア人選手から未払い給料請求が出ています。この他にはサバFAはかつて所属した外国人選手3名の契約上の賠償金と航空券代金362,000リンギを、クアラルンプール(KL)FAは外国人選手の代理人費用260,000リンギを支払うよう命令されています。またケランタンFA、ペナンFA、すでに解散したマルセラ・ユナイテッドFCなどにも選手、コーチ陣への支払い命令が出されています。またフェルダ・ユナイテッドFCは前監督で現スランゴールFA監督のB・サナティアタンに対して契約金と住居手当など未払い分の支払いを命じています。
 イスラム教国マレーシアでは、6月5日に断食月が終わり、日本で言えば正月に当たるこの時期に未払い給料問題の解決が見えてきたことは喜ばしいのですが、この話は支払い命令を出せば終わりというものではないのが、マレーシアサッカーの闇の深いところです。例えば上で取り上げたトレンガヌ・シティFCは、MFL3部の優勝チームとして2部プレミアリーグへ自動昇格の権利を得ていましたが、給料未払い問題により昇格どころか解散しており、現在ではクラブ経営陣も存在していません。このため、FAMが支払いを命じたところで存在しないクラブの責任の所在がはっきりしていません。トレンガヌ・シティFCのモハマド・ノー・デルス前監督は、トレンガヌ・シティFCはトレンガヌ州サッカー協会(トレンガヌ州FA)の加盟団体だったことから、トレンガヌ州FAが仲介しこの問題を解決するべきだとしています。さらにトレンガヌ・シティFCはFAMリーグでトレンガヌ州を代表するクラブで、その優勝はトレンガヌ州サッカーに名誉をもたらしたことへの評価を求めています。またモハマド・ノー前監督は、トレンガヌ州FAが仲介せず、FAMも命令を出す以上の関与を行わないのであれば、FAMは「窓枠に溜まったホコリを吹く」程度で掃除を終えたと言っているようなものであり、時間の無駄以外の何物でもないと非難しています。


 

6月1日のニュース:FAMはU19代表監督との契約を更新しないことを決定、フル代表候補選手のメンバーに疑問の声も監督は一蹴

FAMはU19監督との契約を更新しないことを決定
マレーシアサッカー協会FAMは、来月7月末に契約が切れるU19代表のボジャン・ホダック監督(48)との契約を更新しないことを執行委員会の全会一致で決定したと、マレー語紙スカン・シナールの電子版が伝えています。
 ホダック監督は2017年にU19代表の監督に就任し、2018年にはアセアンサッカー連盟AFFのU19選手権でマレーシアを初優勝に導いただけでなく、アジアサッカー連盟AFCのU19選手権へも12年ぶりにマレーシアを出場させるなど、実績は申し分ありませんが、歯に衣着せぬ発言がメディアで取り上げられ、その結果FAMと関係が悪くなる、というケースが何度かありました。直近では、今年3月に福岡県の宗像市で行われたサニック杯国際ユースサッカー大会で日本の高校チームなどに敗れ12位となった際には、マレーシアのサッカー選手養成システムを批判し、FAMから警告処分を受けていました。なお、MFLのスチュアート・ラマリンガン事務局長は、この発言と契約を更新しないこととは無関係であるとしています。
 ジョホール・ダルル・タクジム(JDT)やケランタンFAを率いた経験もあるホダック監督はマレーシアの永住権を持っていますが、契約終了後は自国のクロアチアへ帰国してUEFAのプロコーチライセンスコースに参加した後、少し休養を取ってから、次の仕事を決めたいとしています。その際にもお金ではなく、自分が興味を惹かれるような仕事を選ぶだろうと語っています。
 なお、後任にはオーストラリア出身のブラッド・マローニー(47)U23代表アシスタントコーチの名前が挙がっています。取材に対して、FAMのテクニカルダイレクターを務めるオランダ人のピーター・デ・ルーは具体的には後任候補の名前は口にしなかったものの、FAMが挙げる条件としては各年代で同じ指導方針が取れることとしており、外部からの招聘(しょうへい)はなさそうです。

フル代表候補選手のメンバーに疑問の声も監督は一蹴
明日6月2日(日)は国際サッカー連盟FIFAワールドカップのアジア一次予選前の練習試合となるネパール代表との試合が行われますが、この試合に先駆けて選ばれた代表候補選手の中には所属クラブでレギュラーとは言えない選手が複数名含まれていることから、フル代表のタン・チェンホー監督の選手選考に疑問の声が上がっていると、英字紙スターの電子版が伝えています。
 具体的にはファイザル・ハリム(パハンFA)、ケニー・パッラジ・ダバラギ(ペラTBG)、シャズワン・アンディック、シャマル・クティ・アバ(ともにジョホール・ダルル・タクジム、JDT)らが該当しますが、これらの選手たちを選んだことについて、タン監督は各監督にそれぞれの戦略があり、その戦略にあった選手を選択した結果であるとしています。その一方で、タン監督就任以来、代表チームのキャプテンを務めてきたザクアン・アドハ・アブドル・ラザク(クダFA)が今回選ばれなかったことについては、今後も再び先行される可能性がザクアン選手はもちろん、それ以外の選手にもあるとしています。
 ちなみにファイザル・ハリム、シャズワン・アンディック、ジャマル・クティ・アバは、今年3月に行われたアジアサッカー連盟AFCのU23選手権予選に参加したU23代表の主力選手だったので、年齢の割には経験を積んできている選手たちなので、タン監督がフル代表に新しい血を入れたいと考えているのであれば、まさに正しい人選だと思えます。(写真は明日7月2日のネパール代表戦前の記者会見の様子、左からネパール代表ビラジ・マハルジャン主将、同ヨハン・カリン監督(スウェーデン)、マレーシア代表タン・チェンホー監督、同ファリザル・マリアス主将

5月31日のニュース:残念!苅部選手はKLFAを退団、代表の新キャプテンはGKファリザルが就任、チャンタ・ビンはトレンガヌFCに残留

残念!苅部選手はKLFAを退団
マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグに所属するクアラルンプール(KL)FAの公式FacebookページであるKuala Lumpur Hawksは、苅部隆太郎選手が退団し、代わって韓国人DFのノー・ヘンソックが入団すると発表しています。
 Kuala Lumpur HawksのFacebookでは、個人的な事情で退団とされていますが、KLFAについての記事がよく掲載されるオンラインメディアのスポータイムズでは、ご家族の健康不良が理由で帰国を希望し、自ら退団を申し出たと報道しています。リーグ戦とFAカップの予選を合わせると今シーズンは15試合に出場していた苅部選手は、ここ数試合はチームの戦術もあり守備的MFと言うよりもDFとして出場していました。苅部選手、お疲れ様でした。
 前節第15節では、降格を争うPKNP FCを4-1で一蹴して勢いづいているKLFAは、プタリン・ジャヤ(PJ)レンジャーズからDFラフィ・アジザン・マリアペンを、またPKNS FCからシャフィク・シャハルディンも獲得しています。
(左はTerima kasih. Selamat maju jaya.(マレーシア語で「ありがとう。グッドラック」の意)とともに苅部選手退団を伝えるFacebookポスト。右は新入団のノー・ヘンセク選手を紹介するFacebookポスト)

代表の新キャプテンはGKファリザルが就任
マレー語紙ハリアン・メトロのオンライン版によると、マレーシア代表チームの新キャプテンにMFL1部ジョホール・ダルル・タクジムのGKファリザル・マリアスが就任したと、代表チームの練習を訪問したマレーシアサッカー協会FAMのダト・ハミディン・モハマド・アミン会長が発表しています。ファリザル選手は6月2日に行われるネパール代表との親善試合からキャプテンを務めます。
 これまでフル代表のキャプテンを務めてきたMFL1部クダFAのモハマド・ザフアン・アドハ・アブドゥル・ラザクが今回は代表候補合宿のメンバーに選出されていないため、ファリザル選手は6月2日の親善試合だけでなく、6月7日と11日に行われる東ティモール代表とのFIFAワールドカップアジア一次予選でもキャプテンを務めます。(写真は代表候補合宿の様子を伝えるFAMのFacebookポストより。右から二人目が新キャプテンのファリザル・マリアス選手)

チャンタ・ビンはトレンガヌFCに残留
MFL1部トレンガヌFCのカンボジア出身チエリー・チャンタ・ビンは、結局、残留となったことをハリアン・メトロのオンライン版が伝えています。
 先日、イゴール・ゾンジックが退団した際に、チャンタ・ビン選手も続くのではと、このブログでも書きましたが、ハリアン・メトロの記事によると、トレンガヌFCは*アセアン枠を使ってタイU23代表でタイ1部リーグで現在、首位を走るポートFCのMFサンサーン・リムワッタナーの獲得を目指していたようですが実現しなかったようです。それに続いて触手を伸ばしたのが同じMFL1部所属のPKNP FCの同じカンボジア人MFチャン・ワタナカでしたがこちらも実現せず、結果的にチャンタ・ビン選手の残留となったようです。
 チャンタ・ビン選手残留で、トレンガヌFC移籍の噂が出ていたケランタンFAを退団したばかりのブラジル人MFカッシオ・デ・ジーサスは、結局、他のクラブを探すことになりそうです。
 *アセアン枠:MFL1部の各クラブは5名の外国人枠を持っていますが、そのうち三つは無条件ですが、残る二枠のうち、一つはアジア出身の選手対象、もう一つはアセアン(東南アジア諸国連合)出身選手枠となっています。例えばトレンガヌFCであれば、チェチェ・キプレ(コートジボワール)、リー・タック(イングランド)、ルイス・グスタボ・フランシスコ・カミロ(ブラジル)は無条件枠の外国人選手ですが、サンジャル・シャアフメドフ(ウズベキスタン)はアジア選手枠、チエリー・チャンタ・ビンはアセアン枠での契約となっています。