Mリーグ2部プレミアリーグ第9節結果

 イスラム教の断食月が始まりました。クアラルンプールでは午前5時55分頃となる日の出から午後7時20分ごろの日没までイスラム教徒は飲食を行いません。大半の選手がイスラム教徒であるMリーグは今節から断食月がおわるまで2部プレミアリーグは全試合が午後10時キックオフとなります。

2021年4月16日@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
サラワク・ユナイテッド 0-2 PDRM
得点者:PDRM-ラザラス・カイムビ(60分)、モハマド・ナビル・アフマド・ラトピ(87分)
 今季8戦で1勝のPDRMが、ここまで無敗のサラワク・ユナイテッドに今季初黒星をつけています。
 PDRMの鈴木ブルーノ選手は先発して今季初のフル出場をしています。

2021年4月17日@UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
MSN FAMプロジェクト 0-3 ケランタン・ユナイテッド
 得点者:ケランタン-ムハマド・アスラフ・アリフディン・ヤシン(43分)、ムハマド・ハリズ・カマルディン(86分)、アルフセイネイ・ガッサマ(90分)
 ケランタン・ユナイテッドは2試合連続となる3ゴールを決め、最下位のMSN FAMプロジェクトに快勝しています。
 ケランタン・ユナイテッドの深井脩平、谷川由来の両選手は先発してフル出場、本山選手は75分から交代出場し最後までプレーしています。

2021年4月17日@スルタン・イスマイル・ナシルディン・シャースタジアム(トレンガヌ州クアラトレンガヌ)
トレンガヌII 4-3 JDT II
 得点者:トレンガヌ-ジョーダン・ミンター2(41分、90分)、アルグジム・レゾヴィッチ(52分)、渡邉将基(83分)、JDT-ニコラス・フェルナンデス(22分)、フェルナンド・ロドリゲス2(45分、69分)
 トップチームのトレンガヌFCのFWデヴィッド・ダ・シルヴァのケガによる離脱から、ここ6試合はトップチームでプレーしていたジョーダン・ミンターが戻り、攻撃陣はベストメンバーがそろったトレンガヌが渡邉将基選手の今季初ゴールなどで開幕戦の勝利以来となる今季2勝目を挙げています。開幕当初の正GKのモハマド・スハイミ・フシンもトップチームGKムハマド・ラハディアズリ・ラハリムが膝前十字靭帯断裂で今季絶望となっていることからトップチームに昇格しており、セカンドチームとしては苦しい戦いを迫られていますが、その状況下でここまで2勝6分0敗は大健闘でしょう。
 トレンガヌの渡邉将基選手とJDTの廣瀬慧選手はいずれも先発してフル出場しています。

2021年4月18日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
スランゴール2 1-1 クチンシティ
得点者:スランゴール-ジョセフ・カラン・ティ(53分OG)、クチン-モハマド・アリフ・ハサン(24分)
 現在は人数制限を行いながらも観客を入れて試合を開催しているMリーグですが、この試合は無観客試合で行われています。試合会場のあるクアラルンプールやその周辺のスランゴール州などでは新型コロナウィルスの新規感染者数が再び増加してきていることもあり、その辺りとも関係があるかもしれませんが、その理由などは発表されていません。
 クチンシティの鈴木雄太選手は先発してフル出場しています。

2021年4月18日@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
ヌグリスンビラン 2-1 ケランタン
得点者:ヌグリスンビラン-モハマド・ザクアン・アドハ2(4分、70分)、ケランタン-マリオ・アルケス・ブラスコ(54分)

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ順位(第9節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1NS8521148617
2SU75111531216
3JDT8422169714
4KU8413108213
5KEL841386213
6TFC8260127512
7SEL7322139411
8PDRM9225913-48
9PRK8224914-58
10KCH8143711-47
11FAM9018732-251
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:NS-ヌグリスンビラン、SU-サラワク・ユナイテッド、TFC-トレンガヌII、PRK-ペラII、SEL-スランゴール2、KEL-ケランタン、KU-ケランタン・ユナイテッド、KCH-クチンシティ、FAM-FAM MSNプロジェクト
*今季の2部プレミアリーグは11チームが参加のため、各節で1チームだけ試合がありません。第9節はペラIIの試合がありませんでした。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ得点ランキング(第9節終了時)

選手名(所属クラブ)ゴール数
1ウチェ・アグバ(SU)8
2フェルナンド・ロドリゲス(JDT)7
3ジョージ・アトラム(SEL)5
アラン・オコノ(NS)5
4R・バラトクマル(NS)他3名4
クラブ名:NS-ヌグリスンビラン、SU-サラワク・ユナイテッド、TFC-トレンガヌII、PRK-ペラII、SEL-スランゴール2、KEL-ケランタン、KU-ケランタン・ユナイテッド、KCH-クチンシティ、FAM-FAM MSNプロジェクト

4月16日のニュース:SOPを遵守しないクラブは無観客試合も、W杯予選前の代表戦が決定、J3沼津のハディはACL断裂、開幕から2試合で「休養」のパハン前監督は退団を示唆、スランゴールのホイバッハは手術のため長期離脱へ

MFL-SOPを遵守しないクラブには無観客試合を命じる可能性も
 Mリーグは今月4月から観客を入れての開催が許可されているますが、リーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは標準作業手順SOPを遵守しないクラブに対して、再び無観客試合を命じる可能性について言及しています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、新型コロナウィルス新規感染者数が再び増加し始めている中、Mリーグの多くのクラブとそのサポーターがMFL感染拡大防止のために設けたSOPを遵守していないという指摘を国家安全保障委員会NSCより受けていることを明らかにしています。
 アブドル・ガニCEOは具体的なクラブ名は挙げなかったものの「この(SOPを遵守しないという)状況が続けば、Mリーグは再び無観客試合を強いられることをクラブ、サポーターとも理解する必要がある。MFLはSOPが遵守されていないクラブには既に対応を求める勧告を出している。」と述べています。
 現在、ケランタン州コタバルのスルタン・ムハマド4世スタジアム以外の全てのスタジアムでは人数を制限した上で、観客を入れての試合が開催されています。
 なお、現在MFLが設けている各スタジアムでのSOPには以下のような項目が含まれています。
1. 条件付き移動制限令CMCO施行地域ではスタジアム収容人数の10%あるいは2000人のいずれか少ない方、回復のための移動制限令RMCO施行地域ではスタジアム収容人数の25%あるいは8000人のいずれか少ない方を上限として、観客の入場を認める。
2. スタジアムの開門は試合開始2時間前から試合開始15分前までとする。
3. 観客のトイレの使用は試合前と試合中のみとし、ハームタイムでの使用は禁止する。

W杯予選前の代表戦の相手と日程が決定
 FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼アジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会予選でマレーシア代表が属する予選G組は6月3日からアラブ首長国連邦での集中開催方式で再開されますが、その予選前に代表チームはクウェート、バーレーンと練習試合を行うことが決定したと、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 新型コロナウィルスの影響により全く試合ができなかった代表チームにとっては、2019年11月19日にクアラルンプールのブキジャリル国立競技場で行われたW杯予選のインドネシア戦以来18ヶ月ぶりとなる対外試合ですが、その初戦は5月23日にバーレーンのマナマでクウェート代表戦(ただし扱いは非国際Aマッチ扱い)、そしてその5日後の5月28日には国際Aマッチとなるバーレーン代表戦が決定したということです。
 勝点9で現在G組2位のマレーシア代表は6月3日のアラブ首長国連邦(同4位、勝点6)戦の後、6月11日にはベトナム(同1位、勝点11)戦が、そして6月16日にはタイ代表戦(同3位、勝点8)が控えています。

J3沼津のハディ・ファイヤッドは右膝前十字靭帯断裂で今季絶望
 J3アスルクラロ沼津は、J2ファジアーノ岡山から期限付き移籍中のマレーシアU22代表ハディ・ファイヤッドが右膝前十字靭帯断裂のため、岡山へ戻って手術及びリハビリを行うことを告知しています。
 4月10日に告知された内容によると、ハディ選手は3月23日の練習中にケガを負ったということで、日程は未定ながら手術が必要であること、またその手術の前後は所属クラブの岡山に戻り療養とリハビリを行うとしています。
 ハディ選手は昨季はJ2公式戦での出場がなく、出場機会を求め、今季開幕前にJ2岡山からJ3沼津へ期限付き移籍をしていました。
 マレーシア国内ではハディ選手の活躍が見られるようにと衛星放送チャンネルのアストロがJ3沼津の公式戦放映権を獲得していましたが、残念ながら少なくとも今季はその勇姿を見ることはできなそうです。ハディ選手の迅速な回復を祈りたいと思います。

開幕から2試合で「休養」のパハン前監督はクラブの対応を批判し退団を示唆
 Mリーグ1部スリ・パハンは開幕から2連敗を喫すると、今季から指揮を取るアメリカ出身のトーマス・ドゥーリー監督とフランス出身のクリストフ・ギャメル コーチを「休養」させましたが、その後はドゥーリー前監督、ギャメル前コーチともメディアへの対応がありませんでした。
 しかしつい数日前にスポーツ専門サイトのスタジアムアストロがドゥーリー前監督とのインタビューを掲載し、「休養」の様子が明らかになってきました。
 かつてフィリピン代表監督の経験もあるドゥーリー前監督とギャメルコーチは、開幕戦のスランゴール戦、そして第2節のペラ戦に連敗したことが「休養」の理由であると説明を受けたと話し、監督交代後もチーム状況が改善されないどころかむしろ悪化しているようにも見えるチームへ戻るような指示は経営陣からは受けていないと話しています。
 「『休養』を言い渡された際には、具体的には何が問題なのかを尋ねたが、チームに関わるなと言われただけで何の説明を受けていない。『休養』発表後には選手からは何が起こっているのかを尋ねる電話やメッセージをいくつももらったが、『休養』はあまりにも急に言い渡されたので、何が起こったのか未だに理解できず、説明もできていない。」と話すドゥーリー前監督は、先日クラブのモハメド・スフィアン・アワンCEOが発表したドゥーリー前監督にはチームアドバイザーとしての職を与えられたという件についてその事実はないとして、現在は契約解除のための交渉中であることも明らかにしています。「タイリーグのクラブやいくつかの代表チームから監督就任のオファーをもらっているので、スリ・パハンとの契約解除交渉で合意に達することができれば、来週にでもパハンを離れることになるだろう。」
 ドゥーリー前監督が「休養」となった後のスリ・パハンは、昨季、クラブの監督を務めながら今季はチームマネージャーに「降格」したドラー・サレー氏を監督代行指名し、現在はから正式な監督に昇格していますが、このドラー監督に代わった後も6試合で1勝2分3敗と状況は改善せず、勝点5を獲得したのみで、11位と低迷しています。

スランゴールのホイバッハは手術のため長期離脱へ
 Mリーグ1部スランゴールFCに今季から加入したドイツ出身のDFティム・ホイバッハは今季のスランゴール守備陣の中心選手として第7節まで全ての試合で先発していましたが、4月10日の第8節ペラ戦では初めて先発メンバーから外れただけでなく、ベンチ入りもしませんでした。
 スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会のマイケル・ファイヒテンバイナー スポーツディレクターによると、ホイバッハ選手は4月6日の第7節クダ・ダルル・アマン戦の前半でケガを負いながらプレーを続け、前半終了前に交代しましたが、その後、病院で検査を受けた結果、鼠蹊部(足の付け根)に血栓ができているということで、4月17日に手術を受け、最低6週間から2ヶ月はプレーができないだろうということです。
 スタジアムアストロの取材に答えたファイヒテンバイナー スポーツディレクターは、でホイバッハ選手の離脱によって空いた穴は、調整遅れからセカンドチームのスランゴール2でプレーしていた同じドイツ出身のDFマヌエル・コンラートが埋めるだろうと話し、コンラート選手は既にペラFC戦で今季初先発を果たし、スランゴールの勝利に貢献しています。
 また今季開幕時はスランゴール2監督を務めていたファイヒテンバイナー スポーツディレクターは、既にトップチームに定着しつつある20歳の左サイドバック、ジョーダン・アイムビラ、そしてコンラッドとともにスランゴール2から昇格した22歳のDFシャールル・ナジームら若手選手を積極的に起用するカルステン・ナイチェル監督が彼らを信用しており、ホイバッハ選手復帰までは彼らを含めた選手起用で乗り切るだろうと話しています。

4月15日のニュース:Mリーグが断食月中の試合日程と会場変更を発表、W杯予選前に代表のワクチン接種を青年スポーツ相が発表、今季のM3リーグは外国籍選手および指導者の登録禁止

Mリーグが断食月中の試合日程と会場変更を発表
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、2部プレミアリーグのスランゴールFC2、ケランタンFC、ケランタン・ユナイテッドFCのイスラム教の断食月中の試合日程の変更を公式サイト上で発表しています。
 ケランタン州コタバルにあるスルタン・ムハマド4世スタジアムを共に本拠地とするケランタンとケランタン・ユナイテッドは、ケランタン州政府が断食月中は州内でのあらゆる娯楽活動を禁じることを発表したことを受け、日程変更を強いられています。
 ケランタンは4月18日に本拠地で予定されていたヌグリスンビランとの試合を同じ日にヌグリスンビランの本拠地トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアムで行う一方、ケランタン・ユナイテッドは4月24日のクチンシティ戦をクアラルンプールのKLフットボールスタジアムで、また5月7日のサラワク・ユナイテッド戦はトレンガヌ州のスルタン・イスマイル・ナシルディン・シャースタジアムで行うことが発表されています。
 また照明の光度が不十分なため試合開始時刻が午後4時45分となっているスランゴール州スラヤンのMBSスタジアムを本拠地としているスランゴール2は、4月18日のクチンシティ戦をKLフットボールスタジアムで午後10時から開催することが発表になっています。また4月24日にやはりMBSスタジアムで予定されていたトレンガヌII戦は試合会場をトレンガヌIIの本拠地であるトレンガヌ州のスルタン・イスマイル・ナシルディン・シャースタジアムで行うことも発表されています。
 この他、試合開始時間が午後9時15分となっているサバの本拠地での試合での観客の入場は午後7時から午後9時まで、また午後10時開始となるその他のMリーグ1部と2部の試合では7時45分から9時45分に制限することも併せて発表になっています。
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 試合時間や会場の変更はイスラム教の断食が午後7時20分前後に明けることが理由です。例年、断食月中はイスラム教徒が少ない東マレーシアのサバ州とサラワク州を除き、1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグとも午後10時キックオフとなります。

W杯予選前に代表のワクチン接種を青年スポーツ相が発表
 6月3日から始まるFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼アジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に出場するマレーシア代表が、渡航前に新型コロナウィルスのワクチンの接種を受けること確定したと、マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 東京オリンピック開会式まで100日となった記念イベントの式場で、国内スポーツを統括する青年スポーツ省のリーザル・メリカン大臣が明らかにし、代表チームの選手や監督、コーチや関係者総勢78名が4月19日から順にワクチン接種を受ける予定になっているということです。
 この発表前には、マレーシアの通信社ブルナマの取材に対し、マレーシアサッカー協会のFAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、W杯予選参加に際してワクチン接種は義務ではないとしながらも、5月19日には本番前の練習試合開催地であるバーレーンへ向けて出発予定の代表チームがワクチン接種を受けられるよう、国内スポーツを監督する青年スポーツ省と交渉を続けていると話していましたが、マレーシア国内の運動選手では、東京オリンピックとパラリンピックへの出場権が掛かる大会へ参加する選手や関係者、そして既に出場資格を持つ選手と関係者がワクチン接種では第一陣とされ、W杯予選に出場する代表チームへの接種は確約されていませんでした。

今季のM3リーグは外国籍選手および指導者の登録禁止
 Mリーグ3部にあたるM3リーグの今季2021年シーズンは6月に開幕の予定ですが、今季は外国籍選手および監督、コーチの登録を禁止するとM3リーグを運営するアマチュアフットボールリーグAFLが発表しています。
 2019年に正式に発足したM3リーグは、これまで外国籍選手や監督、コーチの登録が認められてきましたが、英字紙ニューストレイトタイムズによると、既に1部スーパーリーグと2部プレミアリーグには外国籍選手、指導者とも十分な数がいるとして、これを3部まで広げるとマレーシア人選手や指導者の就労機会が奪われるという批判が出ているということです。
 M3リーグの中には既に今季開幕に向けて外国籍指導者と契約した国軍FCや外国籍選手の獲得を目論むクラブがあるということですが、AFLは今季の方針は変更しないとしています。
 AFLのモハマド・ユソフ・マハディ会長は、今回の外国籍選手および指導者の登録禁止についてオン・キムスイMFLテクニカルディレクターから、M3リーグはマレーシア人選手および指導者が経験を積む場とするべきであり、そしてた「発見」されていない才能豊かな選手や指導者の原石を見つける場とするべきとの提案があったと話しています。
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 M3リーグは果たして選手の育成の場なのか、それても1部、2部に続く娯楽としてのサッカーを提供する場なのか。難しい選択だとは思いますが、結局中止になった昨季ですが日本人選手が複数名在籍するなど将来的にはセミプロリーグを目指すとしているM3リーグですので、外国人排除は今季に限ってのものである可能性が高そうです。

4月13日のニュース:タイFAカップ決勝-エルドストールのチョンブリーFCはPK戦の末惜敗、オーストラリアAリーグ-クラスニキは出場も先発機会は未だ与えられず、PDRMはスポンサー支援によるロッカー室など建設、シャーアラムスタジアム改修に大幅な遅れ

タイFAカップ決勝-エルドストールのチョンブリーFCはPK戦の末惜敗
 4月11日に2021年タイFAカップ決勝がが行われ、PK戦4-3でチェンライ・ユナイテッドFCがチョンブリーFCを破って優勝しています。
 チェンライ・ユナイテッドFCは優勝賞金500万バーツ(およそ1740万円)に加え、来季2022年のアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグ本戦への出場権を獲得しています。
 タイでは感染者が再び増え始めたことから、無観客で開催されたこの試合は、リーグ4位のチェンライ・ユナイテッドFCが同12位のチョンブリーFCに対して優勢とされていましたが、アンダードッグのチョンブリーFCが31分にDFチャットモンコン・ルアンチャナロットのゴールで先制。これに対してチェンライ・ユナイテッドは41分に攻撃的MFシワコーン・ティアトラクーンのゴールで追いつきます。そしてこの後は両チームとも得点を挙げられず、試合は延長戦へ突入。延長ではチョンブリーFCが優勢に試合を進めますがゴールには至らず、最後へPK戦での決着となりました。。
 PK戦ではチョンブリーの2人目、FWエリアンドロのシュートがチェンライ・ユナイテッドGKサラノーン・アヌインに止められた一方で、チェンライ・ユナイテッドの4人目、DFシナパット・リーオのシュートをチョンブリーFCのGKチャニン・サエイアが止め返して、両チーム4人目が終了した時点で3-3となりました。その後、チョンブリーFCの5人目で主将MFクルークリット・タウィーカムのシュートはクロスバーを直撃し、チェンライ・ユナイテッドFCの5人目DFチョーティパット・プンケーウが冷静にシュートを決めて、チェンライ・ユナイテッドFCは2018年以来2年ぶりの優勝を決め、当時のプミポン国王崩御に伴い4チーム優勝となった2016年以来の優勝を目指したチョンブリーFCは準優勝に終わりました。(一部英字紙バンコクポストの記事を引用しました。)
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 今季1部で優勝したBGパトゥム・ユナイテッドでプレーしたノーシャルル・イドラン・タラハ、同じく2部で優勝したノーンブワ・ピッチャヤFCでプレーしたニコラス・スウィラッドに続き、今季タイリーグで3人目となる優勝経験者となることが期待されたジュニオール・エルドストール (タイで の登録名はプテラ・ナデール・アマルハン・マダナー)でしたが、チームは敗れただけでなく、エルドストール選手自身も累積警告のためこの試合は出場停止となりベンチ入りしませんでした。

2021年4月11日 タイFAカップ決勝@タマサートスタジアム(パトゥムターニー県ランシット)
チェンライ・ユナイテッドFC 1-1 チョンブリーFC (PK戦4-3)
得点者:チェンライ-シワコーン・ティアトラクーン(40分)、チョンブリー-チャットモンコン・ルアンチャナロット(30分)
 ジュニオール・エルドストールは累積警告のためこの試合は出場停止となりベンチ入りしませんでした。

https://youtu.be/C17rBkwDZ1k

オーストラリアAリーグ-クラスニキは出場も先発機会は未だ与えられず
 オーストラリア1部リーグ、通称Aリーグは4月1日から6日にかけて第14節が、9日から14日にかけて第15節がそれぞれ行われ、JDTからニューカッスル・ジェッツに期限付きで移籍中のリリドン・クラスニキは両節での試合にいずれも途中出場しています。
 5連敗で第14節を迎えたニューカッスル・ジェッツは4月5日のウエスタン・ユナイテッドFC戦でも相手のFWラクラン・ウェルス に開始1分で先制ゴールを決められ、そのまま敗れて6連敗を喫し、続く第15節、メルボルン・ヴィクトリー戦では先制するも2ゴールを決められて逆転負けしています。第15節を終えて7連敗となったニューカッスル・ジェッツは、3勝2分11敗で12チーム中11位となっています。
 なお、クラスニキ選手はウエスタン・ユナイテッド戦では70分から、メルボルン・ヴィクトリー戦では75分からいずれも途中出場しています。また同じJDTからやはり期限付きでニューカッスル・ユナイテッドに移籍しているインドネシア出身のシャーリアン・アビマニュは第15節のウエスタン・ユナイテッド戦で89分から交代出場してAリーグデビューを果たし、翌16節でも84分から途中出場しています。

Aリーグ
第14節 2021年4月5日@マクドナルド・ジョーンズスタジアム(ニューサウスウェールズ州ニューカッスル)
ニューカッスル・ジェッツ 0-1 ウエスタン・ユナイテッドFC

第15節 2021年4月10日@マクドナルド・ジョーンズスタジアム(ニューサウスウェールズ州ニューカッスル)
ニューカッスル・ジェッツ 1-2 メルボルン・ヴィクトリー

PDRMはスポンサー支援によるロッカー室など建設
 現在はMリーグ2部プレミアリーグで11位に低迷するPDRM。マレーシア王立警察が運営するクラブに複数のスポンサーからの支援が集まり、今季は資金不足には悩まなくて済むようだと、マレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。
 今季のユニフォームの胸スポンサーで、チームの最大のスポンサーでもあり、国内はもとより世界最大手のゴム手袋などゴム関連製品メーカーのトップグローブ社に加えて、携帯電話事業会社のレッドワン社、コーヒー飲料メーカーのブラックビクソン社など複数の企業から提供された資金は、クアラルンプール警察訓練施設内に新たに用意された選手用ロッカールームやミーティング室、マッサージ室などの建設にも使われています。
 PDRM FCのCEOでもあるモハマド・ハフィズ・ザイナル・アビディン警視補は、選手はこれまでフィールド横に設置した移動式の家屋を利用していたということです。
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 ちなみトップグローブ社がPDRM FCの最大のスポンサーとなったことについては、ネット上でも警察と全く無関係と思える企業がなぜ、と話題になりました。
 ちなみのこのトップグローブ社に対しては、今年3月に米税関・国境警備局(CBP)が一部の商品が受刑者、強制労働、借金による束縛の労働で生産されていたと認定。この種の労働により作られた製品の米国への輸入を禁止した関税法に基づく措置により、港湾当局に対し同社製ゴム手袋の押収を指示する事態となっています。トップグローブの工場で働く従業員のほとんどは外国からの出稼ぎ労働者で、新型コロナウィルスのクラスターが同社の従業員宿舎でも発生し、その劣悪で法定基準が守られていない居住環境が明らかになりながら、その罰則が思いの他軽かったことから、ソーシャルメディアではトップグローブ社がPDRM FCのスポンサーとなることで「忖度」を受けたのではないかともささやかれています。

シャーアラムスタジアム改修に大幅な遅れ
 Mリーグ1部スーパーリーグのスランゴールFCが1990年から使用してきたシャーアラムスタジアム(スランゴール州シャーアラム)は昨年から改修工事中のため閉鎖が続いていますが、その改修工事が大幅に遅れているとハリアンメトロが報じています。
 ハリアンメトロに対し、スランゴール州政府内委員会のモハマド・カイルディン・オスマン理事は、昨年中に終了している予定の改修工事が現在も中断されたままであることを認めた上で、改修予算として1億8000万リンギ(およそ4億7800万円)が割り当てられているものの、スタジアムには大規模の改修が必要であり、終了までには時間がかかること、そして昨年は新型コロナウィルス感染防止のための移動制限令MCOにより、予定していた作業が行えなかったと話しています。
 シャーアラムスタジアムが使用できないスランゴールFCは、同じスランゴール州のプタリンジャヤにあるMBPJスタジアムを同じスーパーリーグのPJシティFCと共用しています。

Mリーグ1部スーパーリーグ第8節結果

 来週からイスラム教の断食月が始まり、その前の最後の節となった第8節。今季はまだ3分の1しか経過していませんが、早くもJDTの独走体制が見えてきました。
 なおMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLが昨季同様にハイライト映像をYoutubeで配信し始めたので、今節から試合のハイライト映像は全てMFLの公式チャンネルからお借りしています。

2021年4月9日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロースター)
クダ・ダルル・アマン1-2 トレンガヌ
得点者:クダ-ムハマド・ファウジ(40分OG)、トレンガヌ-デヴィッド・ダ・シルヴァ(45+2分PK)。 ムハマド・アザム・アズミ・ムラド(60分)
 開幕戦でJDTに敗れたものの、その後は引き分けを挟んで5連勝と好調のクダはこの試合に勝てば暫定1位となりましたが、ここ4試合で3分1敗のトレンガヌに本拠地でまさかの敗戦を喫しました。
 一方、開幕から3連勝しながらここ4試合で3得点と得点力不足に苦しむトレンガヌは開幕戦でゴールを決めたもののケガにより欠場が続いてたエースのデヴィッド・ダ・シルヴァが復帰するなど攻撃陣は本来のメンバーが揃い、5試合ぶりに2得点を挙げました。
 両チーム合わせてイエロー6枚、レッド2枚が出されるなど荒れた試合でしたが、特に試合終了間際に審判への猛抗議と意味のないラフプレーといった闘志の空回りによってクダの2選手に出されたレッドカードは、チームにとっては次戦に影響を及ぼす可能性があります。

2021年4月10日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
KLシティ 2-1 スリ・パハン
得点者:KL-パウロ・ジョズエ(18分)、ダニエル・ティング(70分)、パハン-エラルド・グロン(90+2分)
 KLシティは今季3勝全てが本拠地での勝利です。
 パハンはドラー・サレー監督代行が正式に監督に就任しましたが、状況は変わらず引き分けを挟み3連敗です。

2021年4月10日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
JDT 3-0 PJシティ
得点者:JDT-ゴンザロ・カブレラ(1分)、ベルクソン・ダ・シルヴァ2(20分、30分) 
 JDTはこの試合もエースのベルグソン・ダ・シルヴァらのゴールで前半で試合を決めて快勝。チームへの合流が遅れ第3節から出場しているベルグソン選手は3試合連続で2ゴールを決め、通算でも6試合で8ゴールと得点王争いでトップに立ちました。
 外国籍選手がいないPJシティは今季ここまで各チームと善戦してきましたが、JDTの牙城は崩せませんでした。

2021年4月10日@UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
UTIM 0-3 マラッカ・ユナイテッド
得点者:マラッカ-ソニー・ノルデ(30分)、ステファン・ニコリッチ(60分)、クマーハン・サタシバン(65分)
 今季ここまで1勝のマラッカと0勝のUITMの対決は今季最多の3ゴールを決めたマラッカに軍配。
 一方のUITMは、1部プレミアリーグではスリ・パハンのトーマス・ドゥーリー監督に続く今季2人目となるフランク・バーンハルト監督の「休養」を発表し、テクニカル・ディレクターのレドゥアン・アブドラ氏が監督代行として臨んだこの試合も今季6試合目となった無得点試合で通算成績も1分7敗となり、1部スーパーリーグで唯一勝ち星がありません。

2021年4月10日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴール 3-1 ペラ
得点者:スランゴール-イフェダヨ・オルセグン3(8分、31分PK、71分)、ペラ-モハマド・ファリド・カザリ(90+3分)
 調整の遅れからセカンドチームのスランゴール2でプレーしていたマニュエル・コンラッドがトップチームに合流したスランゴールは、ジョーダン・アイムビラ、シャルル・ナジーム、ハリス・ハイカル、ダニアル・アスリら若い選手とイフェダヨ・オルセグン、ブレンダン・ガンら主力選手と徐々に融合し始め、育てながら勝つチームができつつあります。

2021年4月11日@シティスタジアム(ペナン州ジョージタウン)
ペナン 0-1 サバ
得点者:ペナン-カサグランデ(86分)、サバ-サディル・ラムダニ(52分)
 3連勝中のペナンはこの試合に勝てば、単独2位に浮上するチャンスがありましたが、サバに先制を許し、試合終了直前に引き分けに持ち込んでいます。

021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第8節終了時)

 ClubGWDLGFGAGDP
1JDT86202141720
2KDA8512138516
3TFC8431127515
4PEN843196315
5KL8332107312
6SEL83231210211
7PJ8242710-310
8PRK8224814-68
9MU824210100*7
10SBH7124511-65
11PHG8125613-75
12UITM8017313-101
*マラッカ・ユナイテッドは給料未払いのため、勝点3剥奪処分を受けています。
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
ラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MEL-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-クアラルンプールシティ

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ得点ランキング(第8節終了時)

選手(所属クラブ)ゴール数
1ベルクソン・ダ・シルバ(JDT)8
2クパー・シャーマン(KDH)5
イフェダヨ・オルセグン(SEL)5
3ジョーダン・ミンター(TFC)4
オリヴァー・バフ(SEL)4
カサグランデ(PEN)4
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJC-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-クアラルンプールシティ

Mリーグ2部プレミアリーグ第8節結果

 今節はここまで無敗のヌグリスンビランが敗れ、代わって無敗を堅持したサラワク・ユナイテッドが首位に立っています。
 なお4月13日からイスラム教の断食月が始まるため、来節からMリーグ各試合は試合開始時間が午後10時(!)からとなります。

2021年4月9日@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
ヌグリスンビラン 1-2 ケランタン・ユナイテッド
得点者:ヌグリスンビラン-モハマド・ザクアン・アドハ(1分)、アラン・ティエリー・アコノ(60分)、ケランタン-アルフセイネイ・ガッサマ2(20分、52分)、モハマド・ハリズ・カマルディン(65分)
 ヌグリスンビランは主将のモハマド・サクアン・アドアのゴールで先制しますが、ここまで3試合連続無得点だったケランタン・ユナイテッドは本山雅志選手のセンタリングにドンピシャで合わせたアルフセイネイ・ガッサマのゴールで同点に追いつきます。その後ケランタン・ユナイテッドがガッサマ選手のゴールでリードを奪うも、ヌグリも現在リーグ得点王のアコノ選手のゴールで同点に追いつきます。そして65分、ゴールエリアの外で得たフリーキックはハリズ・カマルディンに当たり角度が変わりこれが決勝ゴールとなり、ケランタン・ユナイテッドは首位を快走しているヌグリスンビランに今季初黒星をつけています。
 ヌグリスンビランは前半のリズワン・スラマットがこの試合2枚目のイエローで退場となったことが誤算でした。
  ケランタン・ユナイテッドの本山雅志、深井脩平、谷川由来の3選手は全員が先発し、本山選手は51分に交代しましたが、深井、谷川の両選手はフル出場しています。

https://youtu.be/aDRS96Wimp0

2021年4月10日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(ケランタン州コタバル)
ケランタン 1-0 クチンシティ
得点者:ケランタン-ナタナエル・シリンゴ・リンゴ(45+1分)
 ケランタンは今季初となる本拠地の初勝利を挙げています。
 クチンシティの鈴木雄太選手は先発してフル出場しています。

2021年4月10日@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
サラワク・ユナイテッド 7-1 FAM-MSNプロジェクト
得点者:サラワク-ウチェ・アグバ4(15分、17分、30分、61分)、チャントゥル・スピア(45分)、アブドル・ラヒム・アブドル・ラザク(84分)、トミー・マワト(89分)、FAM-アズハド・アラズ・アルマン(57分PK)

2021年4月11日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
PDRM 1-1 ペラII
得点者:PDRM-アミルル・アシュラフ・アリフィン(52分OG)、ペラ-アディブ・アブドル・ラオプ(50分)
 PDRMは第2節のケランタン・ユナイテッド戦で負傷退場した鈴木ブルーノ選手が6試合ぶりに出場した試合でしたが、引き分けとなり、監督交代後も勝ち星を挙げられていません。
 PDRMの鈴木ブルーノ選手は77分に交代出場し、最後までプレーしています。

2021年4月11日@タンスリ・ダト・ハジ・ハサン・ユノススタジアム(ジョホール州ラーキン)
JDT II 0-0 スランゴール2
得点者:なし
 1部スーパーリーグでも強烈なライバル(といっても現状ではJDTが圧倒的優位ですが)争いをするJDTとスランゴールのセカンドチーム同士の争いはスコアレスドローに終わっています。クダ在籍中の2019年には1部スーパーリーグで9ゴールを挙げたフェルナンド・ロドリゲスや同じく2019年にはマレーシア代表でW杯予選も含めて5ゴールを挙げたシャフィク・アフマドを擁するJDT相手に、ハリス・ハイカル、ハイン・テット・アウン、ジョージ・アトラムといった10代トリオが主力のスランゴールが大健闘したというところかもしれません。
 JDTの廣瀬慧選手は59分に交代出場し、最後までプレーしています。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ順位(第8節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1SU65101511416
2JDT7421155814
3NS7421127514
4KEL741274313
5SEL7312128410
6KU631378-110
7TFC71608449
8PRK8224914-58
9KCH6133610-46
10PRDM8125713-65
11FAM8017729-221
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:NS-ヌグリスンビラン、SU-サラワク・ユナイテッド、TFC-トレンガヌII、PRK-ペラII、SEL-スランゴール2、KEL-ケランタン、KU-ケランタン・ユナイテッド、KCH-クチンシティ、FAM-FAM MSNプロジェクト
*今季の2部プレミアリーグは11チームが参加のため、各節で1チームだけ試合がありません。第8節はトレンガヌIIの試合がありませんでした。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ得点ランキング(第8節終了時)

選手名(所属クラブ)ゴール数
1ウチェ・アグバ(SU)8
2ジョージ・アトラム(SEL)5
フェルナンド・ロドリゲス(JDT)5
アラン・オコノ(NS)5
3R・バラトクマル(NS)4
アズハド・ハラズ・アルマン(FAM)4
クラブ名:NS-ヌグリスンビラン、SU-サラワク・ユナイテッド、TFC-トレンガヌII、PRK-ペラII、SEL-スランゴール2、KEL-ケランタン、KU-ケランタン・ユナイテッド、KCH-クチンシティ、FAM-FAM MSNプロジェクト

4月10日のニュース:サバFCは給料未払いの噂を公式に否定、今年はマレーシアカップ100周年の記念大会、MFLはサラリーキャップ制導入に否定的、「休養」中のパハン前監督とコーチはU21チームの指導へ

サバFCは給料未払いの噂を公式に否定
 昨日のこのブログではサバFCの選手や首脳陣が練習をボイコットし、複数ヶ月分の給料が未払い我流だという噂を取り上げましたが、サバFCは公式声明を発表し、この噂を否定しています。
 サバFCのカイルル・フィルダウス・アクバルCEOは、給料の遅配はあることは認めた一方で、1ヶ月を超える未払いはこれまで一度もなかったこと、さらにその遅配も既に解決済みであるとクラブの公式Facebookで述べています。
 また前日の練習が早目に切り上げられたことについては、翌日にペナンへの移動が控えていたこともあり、休養を取れるようにという配慮だったとしています。
 さらに公式声明の最後には、選手と経営陣との意思の疎通は十分に行われているとして、今後はこのような問題が起こらないと確信しているとまとめています。

今年はマレーシアカップ100周年の記念大会
 1921年にマラヤカップの名称で第1回大会が開催されたマレーシアカップは今年で100周年を迎えます。マレーシアカップを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは今年の記念大会を例年とは比べられないほど盛大に行う計画があるということです。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOがマレーシアの通信社ブルナマに語ったところによると、試合会場はもとより、学校やショッピングモール、またオンライン上でも様々な記念イベントが企画されているということです。
 「大会でプレーしたマレーシアサッカー界のレジェンドなども含め、MFLはマレーシアカップの歴史的価値を再考する機会を社会と共有したい。」と述べるアブドル・ガニCEOは、新型コロナウィルスの感染状況との兼ね合いもあるとしながらも、例年はMFLのスポンサー企業やメディアを通じて行ってきたマレーシアカップの宣伝を、今年はより大規模かつ様々な方法でより広く告知していきたいとしています。

<マレーシアカップメモ>
1921年 
 当時の英領マラヤに寄港した英国海軍軍艦HMSマラヤの艦長から寄贈されたカップを争う大会としてスタート。ペナン、ペラ、スランゴール、ヌグリスンビラン、マラッカ、シンガポールの6チームが出場し、決勝ではシンガポールがスランゴールを破り初代チャンピオンとなる。
 ちなみに日本の天皇杯サッカー選手権大会も1921年に第1回が開催されている。マラヤカップは決勝が同年10月1日、天皇杯の決勝は11月だった。
1942年〜1947年
 日本軍による英領マラヤ占領とその影響で大会は中止。
1948年
 第二次大戦後の初開催となった大会はヌグリスンビランがスランゴールを破り優勝。
1957年
 この年のマラヤ連邦の英国からの独立に合わせて建設されたムルデカスタジアムで初めて決勝戦が開催される。決勝戦ではペラガスランゴールを破り優勝。またこの大会より、パハン、ケランタン、トレンガヌ、プルリスの各州も大会に初参加。
1967年
 HMSマラヤより寄贈されたカップに代わり新たなカップが授与され、大会名称もマレーシアカップとなる。この年の決勝はペラがシンガポール破り優勝。
1979年
 連邦直轄地(現クアラルンプール)とサバ、サラワクそしてブルネイがこの年から大会参加。またこの年から国内リーグ戦が始まるが、当時はマレーシアカップの予選という位置付けだった。
1982年
 国内リーグとマレーシアカップがそれぞれ独立した大会となるが、マレーシアカップは国内リーグ終了後に開催されるようになり、リーグ成績上位チームのみが出場可能となる。
1994年
 この年のMリーグで優勝したシンガポールが決勝でパハンを破り2冠を達成するも、入場料収入の分配でマレーシアサッカー協会FAMとシンガポールサッカー協会FASが対立し、シンガポールはこの年を最後にMリーグとマレーシアカップへの参加を中止。1998年
 この年開場したブキジャリル国立競技場で初の決勝戦が開催され、ペラがトレンガヌを破り優勝。
1999年
 いずれも初めて決勝に進出したブルネイとサラワクが対戦しブルネイが初優勝。
2003年
 MPPJ FC(2008年に解散)が決勝でサバを破り、州サッカー協会運営クラブ以外で初の優勝チームになる。
2007年
 クダFA(現クダ・ダルル・アマンFC)が決勝でペラを破って優勝し、Mリーグ優勝、FAカップ優勝と合わせて三冠達成。
2008年
 クダFA決勝でスランゴールを破って優勝し、2年連続で三冠達成。
2012年
 ケランタンFA(現ケランタンFC)が決勝でATM(現国軍FC)を破って優勝し、Mリーグ優勝、FAカップ優勝と合わせて三冠達成。また、シンガポールがU23代表を中心としたライオンズXIIを結成し、Mリーグに復帰(ただし2015年に再び撤退)。
<マレーシアカップ通算成績>
優勝回数 1位スランゴール33回
     2位シンガポール24回
     3位ペラ8回
     4位クダ5回
     5位ペナン・パハン各4回

MFLはサラリーキャップ制導入に否定的
 選手への給料未払い問題が明らかになると毎度議論が再燃するサラリーキャップ制導入について、MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは個人的な見解としながらもその導入には否定的な意見を持っていることをブルナマに明らかにしています。
 アブドル・ガニCEOは、Mリーグは自由競争に基づいて運営されており、サラリーキャップ制導入を導入すれば、外国籍選手はもとより、マレーシア人選手もより良い年棒を求めて国外リーグへ移籍してしまうだろうと話し、競争力のあるプロリーグであることを対外的に示すためにも、導入はするべきでないとしています。
 アブドル・ガニCEOの発言は、給料未払いとされるクダ・ダルル・アマンFCのスポンサーでもあるクダ州政府のモハマド・サヌシ・モハマド・ノー州首相がサッカー選手の年棒高騰は国内No.1スポーツでもあるサッカー界を圧迫しているとして、マレーシアサッカー協会FAMとMFLに対して対策を講じることを求める発言をしたことを受けたものです。
 給料未払い問題を抱えるクラブが複数あることは承知していると話すアブドル・ガニCEOは、各クラブの規模に沿った予算内での経営を目指すべきと述べ、その予算を超えるような年棒を提供することが未払い給料問題の原因であると話しています。
******
 Mリーグ内での競争を抑えて、各クラブの力を均一化するためにはサラリーキャップ制導入は有効です。この制度を導入しているアメリカンNO.1スポーツのアメリカンフットボールのNFLで、連覇をするチームが出にくくなったのもそれが理由とされています。
 しかしNFLが世界のトップであるアメリカンフットボールと違い、サッカーはマレーシアで言えば国内リーグの上にAFCチャンピオンズリーグやAFCカップ、さらに代表が出場するW杯をはじめとする大会があり、サラリーキャップ制導入によるMリーグクラブの実力の均一化は、一歩マレーシアから踏み出せば、Mリーグクラブは他国のリーグのクラブに歯が立たないという状況に陥る可能性もあります。リーグ7連覇のJDT1強も問題ですが、FIFAランキングにかかわる国外の試合でマレーシアが不利になるようであれば、MFLのCEOの指摘も間違ってはいないでしょう。

「休養」中のパハン監督とコーチはU21チームの指導へ
 開幕からわずか2試合で「休養」となったMリーグ1部スーパーリーグ、スリ・パハンFCのアメリカ人監督トーマス・ドゥリーとイタリア人コーチのクリストファ・ガメルの両氏はクラブから解雇されていないようですが、その代わりにクラブのU21チームを指導者に任命されたと、マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 スリ・パハンFCのモハメド・スフィアン・アワンCEOはドゥーリー氏はU21チームのアドバイザーに、またガメル氏はU21チームの監督に任命されたことを明らかにしています。またドゥーリー氏の「休養」後に監督代行とししてチームの指揮を取ってきたドラー・サレー チームマネージャーが正式に監督に就任したことも同時に発表しています。
 今季開幕から2連敗するとスリ・パハンFCはドゥーリー、ガメルの両氏を「休養」させ、昨季は監督を務めながら4勝2分5敗でリーグ順位8位という成績不振から監督を解雇され、今季はチームマネージャーとなっていたドラー氏を担ぎ出して監督代行としていました。
 ドラー監督代行となった後は1勝2分2敗という成績となっています。

4月9日のニュース:ペラFC関連3題-MFLは給料未払いの報告は受けていない、ペラ州首相は州政府への批判を筋違いと指摘、ペラFCは未払い給料支援対価にクラブ株式を譲渡、サバFCでも給料未払い発生で選手が練習をボイコットか、タイリーグ-エルドストールのゴールでチョンブリーFCはFAカップ決勝進出

MFL-ペラFCの給料未払いの報告は受けていない
 英字紙スターのT・アヴィネシュワラン記者がペラFCの給料未払いが数ヶ月に及んでおり、選手たちに声を上げるべきとTwitterで明らかにしたことは、このブログでも取り上げましたが、Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、ペラFCの給料未払いについての報告は受けていない述べていると英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 過去3年間はMリーグ1部スーパーリーグで2位、5位、4位、カップ戦でも2018年はマレーシアカップ優勝、2019年にはFAカップ準優勝と安定した成績を残してきたペラFCは今季も上位を狙うチームと予想されましたが、開幕前にはメフメト・ドゥラコヴィッチ監督が突然辞任、そしてチームは第7節を終えて8位となっています。
 監督の辞任と給料未払いとで、主力選手の中には移籍を望んでいる選手も複数いるとされているペラFCの現状について、MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは現在は来年2022年のクラブライセンス交付について各クラブと話し合いを行っている最中であるものの、ペラFCの未払い給料については報告を何も受けていないと話しています。

ペラ州首相は州政府への批判を筋違いと指摘
 上のような記事が出る一方で、ペラ州首相はペラFCの給料未払いについて州政府を非難するのは筋違いであると述べています。
 ペラ州のサアラニ・モハマド州首相はマレーシアの通信社ブルナマに対して、州政府はペラFCの選手への未払い給料分としてこれまでに既に400万リンギ(およそ1億550万円)を支払っていることを明らかにし、ペラ州政府が給料未払い問題に無関心であるというサポーターからの批判の声を否定した上で、州政府を批判するのは間違っていると述べています。
 「ペラFCの運営に州政府が100%の責任を持つことは、州内の他の競技にとっても公平ではない。しかもペラFCは州政府ではなく、ペラ州サッカー協会傘下の団体であり、州政府が給料の保証をする立場にもない。自分はその責任はないが、現在は複数の政府関連企業に対して支援を求めてい最中であり、サポーターは冷静にことの進展を見守って欲しい。」と述べています。
 その上でペラ州政府の資金は州民から集めた税金であり、ペラ州サッカー協会のものではなく、それは最終的には州民に返されるべきものであることも強調しています。

ペラFCは未払い給料支援対価にクラブ株式を譲渡
 ペラFCは騒ぎに紛れて未払い給料問題を抱えていることを公表すると同時に、株式譲渡を条件にしてスポンサーを募り、未払い給料解消を目論んでいるようです。
 ペラFC運営会社のカイルル・シャーリル・モハメド理事は、民間企業も含めて広くスポンサーを募り、チームの株式譲渡と引き換えに未払い給料問題解決の支援を求めたいと、ブルナマに述べています。
 「ペラFCを実際に運営する意思のあるスポンサーを現在も探している。これまでに複数の申し出は受けているが、支援の対価に州内の公有地を求めるなど、我々にとっては不利益が多い申し出であり、その内容も不透明な点があった。未払い給料問題解決を支援してくれるのであればどんな個人、企業で合っても歓迎し、株式を譲渡する事も含めて検討している。」とカイルル・シャーリル理事は話しています。
******
 これまでメディアやSNSなどで噂となりながら、MFLは全く知らないと話しているペラFCの未払い給料問題がこうもあっさりと公になると、むしろMFLのMリーグクラブの管理能力が心配になります。本当に報告を受けていなかったのか、それとも知っていながらしらを切ったのかはさだではないですが、いずれにしてもその対応にはリーグ運営責任者としては不適格なような気がします。

サバFCでも給料未払い発生で選手が練習をボイコットか
 上のペラFCに加え、現在リーグ2位のクダ・ダルル・アマンでも給料未払いが噂されていますが、今度は新たにサバFCでも給料未払いが起こっているようで、昨日4月8日の練習を選手がボイコットしたと複数のメディアが報じています。
 サバFCは昨日午後4時から地元コタキナバルでチーム練習が予定されていましたが、選手や首脳陣の間で激しい議論が戦わされた後、練習が中止となったと報じているのはマレーシア語紙ハリアンメトロ電子版です。
 ハリアンメトロの取材に対し、給料に関する問題で練習が中止になったことを明かした関係者は、明日(4月9日)には未払い分の給料が支払われることが選手には伝えられていたと話す一方で、すでに何度も同様の約束が破られていることから、我慢ができなくなった一部の選手が行動に出たのではないかと話しています。なお、昨日の練習は今週日曜日4月11日にペナンで行われるMリーグ第8節ペナンFC戦前の本拠地での最後の練習だったということです。
 なおサバFCのアフマド・マルズキ チームマネージャーはクラブは本日4月10日に公式声明を発表すると自身のFacebookで告知していますが、サバFCの公式Facebookには1500を超えるコメントが寄せられています。

タイリーグ-エルドストールのゴールでチョンブリーFCはFAカップ決勝進出
 2020/2021年シーズンが終了したタイリーグは、現在、FAカップの試合が行われていますが、4月7日に行われた準決勝で、マレーシア元代表で現在はタイ1部リーグのチョンブリーFCでプレーするジュニオール・エルドストールが決勝ゴールを決めて、チームを決勝戦に導いています。
 リーグでは12位に終わったチョンブリーFCは、同2位のブリーラム・ユナイテッドと対戦し、1-1の同点から58分にペナルティエリアの外でフリーキックを得ました。このフリーキックはブリーラム・ユナイテッドのGKに止められたものの、詰めていたエルドストール選手がそのこぼれ球を冷静に押し込み逆転し、チームはそのまま逃げ切りました。

2021年4月7日 タイFAカップ準決勝@タマサートスタジアム
チョンブリーFC 2-1 ブリーラム・ユナイテッド 
ジュニオール・エルドストールは先発してフル出場し、59分には決勝ゴールを決めています。

(下はこの試合のダイジェスト映像-チョンブリーFCの公式Youtubeチャンネルより)

https://www.youtube.com/watch?v=SiV7R0UDR_I

 チョンブリーFCはもう1試合の準決勝で細貝萌選手のいるバンコク・ユナイテッドを破ったチェンライ・ユナイテッドと今週日曜日4月11日に行われる決勝で対戦します。なお、タイリーグのFAカップ王者には2022年アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグのグループステージ出場権が.与えられるため、エルドストール選手とチョンブリーFCにとってはACL出場権もかかった大一番となります。
 3月の代表合宿はマレーシア政府が渡航者全員に義務付けている検疫隔離の都合から招集されなかったエルドストール選手ですが、チョンブリーFCではレギュラーとして活躍していることから5月に予定されているFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選前の代表合宿への招集は間違い無いでしょう。

Mリーグ1部スーパーリーグ第7節結果

 今節第7節から人数制限はあるものの、各スタジアムでの観戦が可能になったMリーグ。入場券もオンラインのみの販売など新型コロナ対策を行いながら、入場者数を徐々に増やしていきたいとしています。
(試合の映像は各クラブの公式Youtubeチャンネルからお借りしています。)

2021年4月6日@リカススタジアム(サバ州コタキナバル)
サバ 1-4 JDT
得点者:サバ-レヴィ・マディンダ(58分PK)、JDT-アリフ・アイマン(7分)、ベルクソン・ダ・シルヴァ 2(8分、68分)、レアンドロ・ヴェラスケス(87分PK)
 JDTの1点目と2点目はいずれもアフィック・ファザイルが起点となり、1点目は19歳のアリフ・アイマンが、2点目はベルクソン・ダ・シルヴァがゴールを決め、3点目はボールを持って右サイドを上がったアリフ選手からベルクソン選手と渡ってゴール。最後はサバ主将のラウィルソン・バトゥイルがペナルティエリア内でハンドを犯し、これで得たPKをレアンドロ・ヴァレスケスが決めて4点目と、モハマドゥ・スマレやサファウィ・ラシドを欠いていることを全く感じさせないJDTが圧勝しています。
 サバは1点差に迫った直後の59分にマクシアス・ムサがこの試合2枚目のイエローで退場となったところで万事休すでした。

2021年4月6日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴール 1-2 クダ・ダルル・アマン
得点者:スランゴール-オリヴァー・バフ(33分)、クダ-クパー・シャーマン(77分PK)、チェチェ・キプレ(85分)
 先制していても追い付かれるとそれ以上の反撃ができないのが今季のスランゴール。ここまでの勝利はいずれも先行し逃げ切った試合です。この試合でも20分ほどを残しこのまま逃げ切るか、と思われたところでスランゴールのティム・ホイバッハがペナルティーエリアでクパー・シャーマンを倒してPK。これをシャーマン選手自身が決めてまず同点、その後はゴール前の混戦からチェチェ・キプレが決勝ゴールを決めています。

2021年4月6日@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ・ユナイテッド 1-2 ペナン
得点者:マラッカ-ステファン・ニコリッチ(62分)、ペナン-カサグランデ2(39分、49分)
 司令塔エンドリックをケガで欠くペナンが逃げ切って3連勝。JDT、クダ・ダルル・アマンに続く3位に浮上しています。一方のマラッカは2連敗です。

2021年4月6日@ダルル・マクムルスタジアム(パハン州クアンタン)
スリ・パハン 1-1 トレンガヌ
得点者:パハン-ノー・アザム・アジー(17分)、トレンガヌ-ジョーダン・ミンター(87分)
 開幕から3連勝を飾りながら、失速気味のトレンガヌ。開幕3試合で7ゴールを挙げた攻撃陣は、ケガでFWデビッド・ダ・シルヴァを欠き、直近の4試合では3ゴールと深刻な得点力不足に苦しんでいます。この試合でも本来はセカンドチームのトレンガヌIIのストライカー、ジョーダン・ミンターのゴールで辛くも引き分けに持ち込んでいます。今季まだ1勝のパハンに勝って上位との差を詰めたかったところでしたが、ペナンに抜かれて4位に転落しています。

2021年4月7日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラ 3-2 UITM
得点者:ペラ-カレッカ2(45+1分、78分)、ギリェルメ・デ・パウラ(69分)、UITM-ナナ・ポク2(20分PK、40分)
 ペラがUITMのミスに乗じて逆転勝ちし順位を一つ上げて8位としています。2−0と今季初勝利に近づいたUITMでしたが、カレッカやギリェルメ・デ・パウラらペラ攻撃陣からのプレッシャを受けてPKを与えて同点とされた後は、GKアズファ・アリフが捕球ミスで逆転ゴールを献上してこの試合も敗れています。

2021年4月7日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティ 2-2 KLシティ
得点者:PJ-イルファン・ザカリア(50分OG)、M・コギレスワラン・ラジ(90+4分)、KL-パウロ・ジョスエ(53分)、ハディン・アズマン(57分)
 前半を終わって0-0だった試合が大きく動いたのは50分、ペナルティエリアに持ち込んだPJのマハリ・ジャスリの強烈なクロスをクリアし損ねたイルファン・ザカリアがオウンゴールとなり、PJが先制しましたが、そこからわずか10分でKLが逆転。外国籍選手が1人もいないPJはこうなると苦しい展開ですが、59分にKLのDFニック・モード・シャールル・アジム・アブドゥル・ハリムがこの試合2枚目のイエローで退場となり、これがじわじわとKL守備陣に影響を与えます。そして試合終了間際のの一瞬の隙をついてPJシティが途中出場のM・コギレスワラン・ラジのゴールで同点とし、今季4度目の引き分けに持ち込んでいます。

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第7節終了時)

 ClubGWDLGFGAGDP
1JDT75201841417
2KDA7411126516
3PEN742185314
4TFC7331106412
5PJ624177010
6KL62328629
7SEL6223910-18
8PRK6223811-38
9SBH6124511-65
10PHG6124511-65
11MU6142710-3*4
12UITM6016313-101
*マラッカ・ユナイテッドは給料未払いのため、勝点3剥奪処分を受けています。

項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
ラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MEL-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-クアラルンプールシティ

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ得点ランキング(第節終了時)

選手(所属クラブ)ゴール数
1ベルクソン・ダ・シルバ(JDT)6
2クパー・シャーマン(KDH)5
3オリヴァー・バフ(SEL)
ジョーダン・ミンター(TFC)4
5ドミニク・ダ・シルヴァ(KL)他6名3
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJC-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-クアラルンプールシティ

Mリーグ2部プレミアリーグ第7節結果

 今節第7節から人数制限はあるものの、各スタジアムでの観戦が可能になったMリーグ。入場券もオンラインのみの販売など新型コロナ対策を行いながら、入場者数を徐々に増やしていきたいとしています。
(試合の映像は各クラブの公式Youtubeチャンネルからお借りしています。)

2021年4月6日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラII 0-0 トレンガヌII
 セカンドチーム同士の戦いはスコアレスドローに終わっています。
 トレンガヌIIの渡邉将基選手は前節のPDRM戦でのレッドカードにより1試合の出場停止処分を受けており、この試合はベンチ入りしませんでいした。

2021年4月6日@スルタン・ムハマド4世スタジアム
ケランタン・ユナイテッド 0-2 ケランタン
得点者:ケランタン-ジャック・ヒンドル(16分)、ヌルシャミル・アブドル・ガニ(90+1分)
 ケランタン・ユナイテッドを率いる東山晃監督とケランタンを率いるイタリア出身のマルコ・ラギニ監督の対戦となったことから「寿司対スパゲッティの争い」などとも称された今回のケランタンダービー。ケランタン・ユナイテッドは移籍後初先発となった本山雅志選手が主将を務め、Mリーグ史上初となる日本人選手3名同時先発を果たしています。その本山選手はマレーシアサッカー協会FAMの公式記録ではこの試合のプレーヤーオブザマッチとなりましたが、結果は昨季と同じ2-0でケランタンが勝利しています。
 ケランタン・ユナイテッドの本山雅志、深井脩平、谷川由来の3選手は全員が先発してフル出場しています。

2021年4月7日@タンスリ・ダト・ハジ・ハサン・ユノススタジアム(ジョホール州ラーキン)
JDT II 1-0 PDRM
得点者:JDT-フェルナンド・ロドリゲス(49分)
 JDT IIは引き分けを挟んで4連勝、一方のPDRMはここまでの7試合で6得点と攻撃力不足に苦しみ、ケガで欠場が続く鈴木ブルーノ選手の復帰が待たれます。
 JDT IIの廣瀬慧選手は先発してフル出場しています。
 PDRMの鈴木ブルーノ選手はケガが完治せず、ベンチ入りしませんでした。

2021年4月7日@UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
FAM-MSNプロジェクト 2-2 クチンシティ
得点者:FAM-ムハマド・サフワン・マズラン(24分)、ムハマド・ファリス・イズディハム(81分)、クチン-鈴木雄太(10分)、モハマド・アリフ・ハサン(59分)
 開幕から6連敗中だったFAM-MSNプロジェクトがクチンシティに2度追いついて引き分け、今季初勝点獲得しています。
 今季初ゴールを決めたクチンシティの鈴木雄太選手は先発してフル出場しています。

また、今節予定されていたスランゴール2対サラワク・ユナイテッド@MPSスタジアムは悪天候のため順延されています。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ順位(第7節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1NS6420104614
2JDT6411155813
3SU541080813
4KEL631264210
5SEL630212849
6TFC71608449
7KU521346-27
8PRK7214813-57
9KCH613269-36
10PRDM7115612-64
11FAM7016622-161
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:NS-ヌグリスンビラン、SU-サラワク・ユナイテッド、TFC-トレンガヌII、PRK-ペラII、SEL-スランゴール2、KEL-ケランタン、KU-ケランタン・ユナイテッド、KCH-クチンシティ、FAM-FAM MSNプロジェクト
*今季の2部プレミアリーグは11チームが参加のため、各節で1チームだけ試合がありません。第7節はサラワク・ユナイテッドの試合がありませんでした。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ得点ランキング(第7節終了時)

選手名(所属クラブ)ゴール数
1ジョージ・アトラム(SEL)5
フェルナンド・ロドリゲス(JDT)5
2ウチェ・アグバ(SU)4
アラン・オコノ(NS)4
R・バラトクマル(NS)4
3アズハド・ハラズ・アルマン(FAM)ら2名3
クラブ名:NS-ヌグリスンビラン、SU-サラワク・ユナイテッド、TFC-トレンガヌII、PRK-ペラII、SEL-スランゴール2、KEL-ケランタン、KU-ケランタン・ユナイテッド、KCH-クチンシティ、FAM-FAM MSNプロジェクト