9月11日のニュース:新型コロナ陽性反応者が出たケランタンUの試合が延期、ディスカバリーチャンネルがMリーグ8連覇のJDTのドキュメンタリーを今晩放映、協会テクニカルディレクターのオン・キムスイ氏が辞任しサバFC監督就任

 昨夜の試合で2位のヌグリスンビランFCが1位のサラワク・ユナイテッドFCを直接対決で下し、最終節を前に首位に浮上する一方で、消化試合数が少ない4位のトレンガヌFC IIもスランゴールFC 2に勝利し、計算上は優勝の可能性が残るなど、最終節まで優勝争いが続くプレミアリーグ。マレーシアカップ出場権争いも激しくなっていますが、そんな中、日程変更を余儀なくされるニュースが入ってきました。

新型コロナ陽性反応者が出たケランタンUの試合が延期
 をMリーグを運営するMFLは、本日9月11日に予定されていたMリーグ2部プレミアリーグのクチンシティFC対ケランタン・ユナイテッドFCの延期を公式サイトで発表しています。
 ジョホール州バシルグダンのMBPGスタジアムで開催予定だったこの試合は、試合に先立って行われた新型コロナ検査でケランタンFCの選手2名が陽性反応を反応を示したことから、MFL理事会が延期の決定を下したということです。
 保健省による標準作業手順SOPに従って、ケランタン・ユナイテッドFCは陰性反応を示した選手や監督、コーチも含めたチーム全員が昨日9月10日より隔離検疫期間に入っています。なおこの隔離検疫期間中は練習などの活動は全面的に禁止されています。
 また今回延期となった試合の新たな日程は近日中に発表されるということです。
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 Mリーグ2部プレミアリーグは9月21日に最終節の第22節の開催が予定されています。これまで陽性反応者が出た1部スーパーリーグのクダ・ダルル・アマンFCとプレミアリーグのクチンシティFCは、2週間の隔離検疫期間に実戦復帰前の練習期間を合わせておよそ1ヶ月後にリーグ戦に復帰しており、この前例に従えば、ケランタン・ユナイテッドFCは最速でも10月10日に試合を行うことになります。なおMリーグの終了後にはマレーシアカップが控えており、プレミアリーグの上位5位(スーパーリーグクラブのセカンドチームは除く)までに与えられる出場権争いに今回延期になったクチンシティFC対ケランタン・ユナイテッドFCの結果が影響を与える可能性があルことを考えると、ケランタン・ユナイテッドFCが全日程を消化した後にマレーシアカップが遅れて開幕する可能性もあります。12月には代表が出場する東南アジアサッカー連盟AFFスズキカップが控えており、10月4日から12日までのFIFA国際マッチデー期間には代表合宿や練習試合なども予定されていることから、マレーシアカップを10月の国際マッチデー期間前に終了させておきたかったMFLも予定の変更が迫られそうです。

ディスカバリーチャンネルがMリーグ8連覇のJDTのドキュメンタリーを本日9月11日に放映
 今季2021年シーズンの優勝をすでに決めているJDTのドキュメンタリーが本日9月11日の午後9時(マレーシア時間、日本時間では午後10時)にディスカバリーチャンネルで放映されると、JDTの公式Facebookが告知しています。
 ”Fearless: Rise of the Southern Tigers”「怖いもの知らず:南の虎の隆盛」とでも訳せば良いでしょうか。なお南の虎とは公式Facebookでも採用されているJDTのニックネームです。
 この番組は東南アジア各国や台湾、香港での放映ということですが、JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下は「アジアの多くの視聴者がJDTのサクセスストーリーだけでなく、成功するためにピッチ内外でどれほど努力をしてきたをみられることを嬉しく思う。」というコメントを発表しています。
 このドキュメンタリーでは、2013年にイスマイル殿下がオーナーとなって以降、JDTとその本拠地があるジョホール州のサッカーがどのように変容していったのか、またイスマイル殿下のジョホール州やサッカーに対する今後の構想なども語られるとしています。
 またこのドキュメンタリーにはイスマイル殿下の他、テクニカルディレクターのアリスター・エドワーズ、スポーツディレクターのマーティン・プレスト、ベンヤミン・モラ監督などのインタビューなども含まれているということです。

協会テクニカルディレクターのオン・キムスイ氏が辞任しサバFC監督就任
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で、オン・キムスイTD(テクニカルディレクター)の辞任を発表しています。
 FAMのサイトによれば、オン氏がMリーグ1部サバFC監督のオファーを受け、これを受諾したことに伴う辞任だということで、現在のTDの仕事は9月30日まで務めるということです。
 50歳のオン氏は2007年からFAMでU16、U17、U23、フル代表など監督を歴任した後、今年1月からFAMのテクニカルディレクターに就任していました。2011年にはU23代表が出場する東南アジア競技大会通称シーゲームズのインドネシア大会で金メダル、続く2017年のクアラルンプール大会では銀メダルを獲得、また当時はハリマウムダと呼ばれたU22代表を率いてMリーグ2部プレミアリーグで優勝も果たしています。また2018年アジア競技大会インドネシア大会では、U23代表監督としてグループステージを突破し、ベスト16に進み日本代表と対戦しましたが、90分に上田綺世選手のPKで惜敗しています。
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 2005年にマラッカFA(現マラッカ・ユナイテッドFC)を指揮して以来のMリーグ復帰となるオン氏ですが、2019年に1部スーパーリーグ昇格後はインドネシア出身のクルニアワン・ドゥイ・ユリアント監督の元で昨季2020年は10位、今季も最終節を残して現在9位と1部残留争いをするクラブをどう立て直すのか、その手腕に注目です。



9月10日のニュース:選手交代規則違反が起こったMリーグの試合の担当審判を協会が処分、今季のフットサルリーグは中止が決定

選手交代規則違反が起こったMリーグの試合の担当審判を協会が処分
 マレーシアサッカー協会FAMの審判委員会は会合を行い、選手交代規則違反が起こった試合を担当した4名の審判を3ヶ月の停職処分にすることを発表しています。
 これはMリーグ2部プレミアリーグの8月27日にケランタン州コタバルのスルタン・ムハマド4世スタジアムで行われたケランタンFC対ヌグリスンビランFCの試合では、既に3回の選手交代枠を使い果たしていたケランタンFCが試合終了間際のロスタイムに4度目となる選手交代を行い、審判がこれを見過ごして交代を認めたことに対する処分です。ケランタンFCが2-1で勝利したこの試合後、ヌグリスンビランFCはケランタンFCの規則違反により試合結果は無効とした上で、この試合を3-0でヌグリスンビランFCの勝利とすることをMリーグを運営するMFLに求める一方、規則違反によりMFLから罰金3万リンギ(およそ79万円)を課されたケランタンFCは選手交代を認めた審判のミスでクラブは責任を負うものではないとして、罰金処分の撤回を求める事態となっていまた。
 なおMFLは試合結果は変更されず、またケランタンFCへの罰金処分は撤回されないことを発表しています。
 Mリーグ審判を監督するFAM審判委員会のS・シヴァサンドラム委員長は、この試合を担当した4名の審判全員を3ヶ月の停職処分とし、停職期間終了後はプレミアリーグに直ちに復帰せず、U21リーグのプレジデントカップとU19リーグのユースカップでの審判を9ヶ月間勤めることを発表しています。さらにこの4名の審判は所属する各州サッカー協会の審判養成担当者とFAMの審判育成責任者の元で審判技術改善のためのプログラムを受講した後、プレミアリーグの審判に復帰する手順を踏むということです。

今季のフットサルリーグは中止が決定
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイトで今季のマレーシアプレミアフットサルリーグMPFLの中止を発表しています。
ここに来て新型コロナの1日あたりの新規感染者数は首都圏を中心に徐々に減少していますが、FAMは選手や審判さらにはリーグに直接的あるいは間接的に関係者全員の安全を考慮した上で中止の決定に至ったと説明しています。
  新たに就任したサイフディン・アブ・バカル事務局長名で出された告知では、MPFLを運営するFAMが青年スポーツ省や新型コロナ対策を担当する国家安全保障委員会からリーグ開催許可を得ることができていないことも理由に挙げています。
 その上で、今季中止の決定によりMPFLの各チームは来季のリーグに向けてじゅうぶんな準備期間が確保できるとして、MPFL関係者全員に理解と協力を求めたいとしています。

9月9日のニュース:Mリーグ1部-クダが2位浮上も順位決定は最終節まで持ち越し、U20の練習試合2試合目はFAM-MSNプロジェクトと引き分け、ナフジ監督は来季も続投させるべきとトレンガヌFC前監督が提言

Mリーグ1部スーパーリーグ第16節(7月31日から順延)
2021年9月8日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロースター)
クダ・ダルル・アマンFC 3-3 UITM FC
得点者:クダ-バドロル・バクティアル(39分)、フィクリ・ズルキフリ(74分)、チェチェ・キプレ(80分)、UITM-デニス・ブシェニング(40分PK)、クォン・ヨンヒュン(46分)、アリフ・アルラシド(64分)
 FIFAワールドカップ2022年大会アフリカ2次予選でリベリア代表に招集されたクパー・シャーマンが中央アフリカ戦で決勝ゴールを決めた朗報が入ってきた一方で、そのシャーマン選手を失って以降のクダ・ダルル・アマンFCは1分1敗と苦しい試合が続き、2位だった順位もペナンFCに抜かれて3位に後退しています。
 それでも最下位のUITM FCをホームに迎え、この試合で再び2位浮上を目論んだクダ・ダルル・アマンFCは39分にバドロル・バクティアルのゴールで先制します。しかしその直後にはUITM FCがPKを決め、前半は1-1 で終了します。後半に入るとUITM FCが立て続けにゴールを決めて逆に2点のリードを奪います。この試合に敗れれば自力での2位奪取が不可能となるクダ・ダルル・アマンFCは、アイディル・シャリン監督が投入したファンディ・オスマンとフィクリ・ズルキフリのコンビで74分に1点、そして80分はチェチェ・キプレのゴールで同点としますが、ここでタイムアップ。勝点ではペナンFCに並んだものの得失差で再びクダ・ダルル・アマンFCが2位に浮上し、今週末の最終第22節ではトレンガヌFCも交えた三つ巴の2位争いが繰り広げられることになりました。
 第22節では3位のペナンFCは4位のトレンガヌFCと、2位のクダ・ダルル・アマンFCは7位のマラッカ・ユナイテッドFCと対戦します。
 一方のUITM FCはこの引き分けにより11位のペラFCとの勝点差が1つ詰まって3となり、最終節の結果次第では最下位脱出とマレーシアカップ出場権獲得の可能性が残りました。
(試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルよりお借りしています。)

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第21節終了時)

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#JDTが2021年シーズンの優勝を果たしAFCチャンピオンズリーグ出場権を獲得しています。
@ペラFCとUITM FCは2022年シーズンの2部降格が決定しています。
*マラッカ・ユナイテッドは給料未払いのため、勝点3剥奪処分を受けています。
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
ラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

U20の練習試合2試合目はFAM-MSNプロジェクトと引き分け
 アジアサッカー連盟AFC U23アジアカップ予選に向けて合宿中のU20代表は合宿最終日となった9月7日にMリーグ2部プレミアリーグのFAM-MSNプロジェクトと対戦し、0-0と引き分けています。
 U20代表は初の実戦となったヌグリスンビランFCでは1-2と敗れていました。
 今回の相手のFAM-MSNプロジェクトは、マレーシアサッカー協会FAMと青年スポーツ省参加の国家スポーツ評議会MSNが共同で運営する育成目的のチームで、今季はプレミアリーグに参戦しここまでは18試合で1勝3分14敗(得点12、失点52)と言う成績ですが、このチームからはプレミアリーグでマレーシア人選手として最多の8ゴールを挙げているアズハド・ハラズ・アズマンら4名がU20代表に招集されています。
 FAMは2024年パリオリンピック出場の育成プランの一環として、10月27日から31日にモンゴルのウランバートルで開催されるAFC U23アジアカップ予選J組にはU20代表を派遣するとしていますが、このFAM-MSNプロジェクト自体もパリオリンピック出場の育成プランの一環として今季のプレミアリーグに参戦しており、両チームの選手がU20代表のブラッド・マロニー監督にアピールするために激しい試合となったと、マレーシア語紙のハリアンメトロは報じています。
 この練習試合後には、選手のパフォーマンスに満足したと話したマロニー監督は「チーム内での健全な競争によりヌグリスンビランFCからは明らかにチームのパフォーマンスは改善しており、特に練習で行ったことを実践できている選手も多かった。」と話し、今月末から始まる第2次合宿に参加するメンバー選考が難しくなったとも述べています。この第2次合宿には国外組のルクマン・ハキム・シャムすディン(ベルギー1部KVコルトレイク)や、FIFA国際マッチ期間に試合を行った1部スーパーリーグでプレーするアリフ・アイマン(JDT)、ムカイリ・アジマル(スランゴールFC)らの追加招集が予定されています。

ナフジ監督は来季も続投させるべきとトレンガヌFC前監督が提言
 それまでの好調さが嘘のようにシーズン終盤に失速したチームに合わせるように、来季の去就が取り沙汰されるようになったMリーグ1部トレンガヌFCのナフジ・ザイン監督について、前任のトレンガヌFC監督で、現在は2部クチンシティFCを指揮するイルファン・バクリ監督がトレンガヌFCは来季もナフジ監督と契約するべきと提言しています。
 リーグ終盤の重要な時期にチームが3連敗し、第12節から維持してきた2位から第20節には3位、第21節には4位と順位を下げたことから、その能力に一部からは疑問の声が出始めているナフジ監督ですが、イルファン前監督は、トレンガヌFCが今季の1部スーパーリーグで現在の4位という順位に到達していることで、ナフジ監督は指導者としての十分な能力を証明しており、来季も監督を続けさせてトレンガヌFCをトップレベルのチームにできることを証明する機会を与えられるべきだと、マレーシアの通信社ブルナマの取材に答えています。
 自身がトレンガヌFCの監督を務めていた際にはアシスタントコーチを務めていた、いわば愛弟子のナフジ監督についてイルファン前監督は現在も連絡を取り合う仲であり、辛抱強くあること、そしてチームにあく盈虚しか与えないピッチ外での問題をできるだけ減らす努力をすることをアドバイスしていると話しています。
*****
 昨季まで主将を務めていたリー・タックや、新型コロナの影響で11試合と短縮されたリーグで9ゴールを挙げたドミニク・ダ・シルヴァら外国籍選手を今季は全て入れ替えた上、マレーシア人選手の補強も即戦力というよりも若手中心だったことから、今年ではなく数年後に優勝を目指せるチームとしてボラセパマレーシアJPの今季開幕前の順位予想ではトレンガヌFCを5位としました。新たに獲得したデヴィッド・ダ・シルヴァはここまで7ゴールを期待に応えられず、またシーズン途中には、同じスーパーリーグのスリ・パハンFCに移籍していたリー・タックを期限付き移籍で呼び戻すなど、決して万全とは言えないチーム状態の中でシーズンの大半で2位の座を確保し続けたナフジ監督は、現在、スーパーリーグで指揮を取るマレーシア人監督6名中でトップの成績を収めており、その手腕には疑問の余地はなさそうに見えます。今季最終第22節となる今週末の試合では2位を争うペナンFCとの対戦が控えており、この試合の結果次第でナフジ監督の去就が決まる可能性もあります。

9月8日のニュース:クチンシティFCが来季1部昇格のサラワクUに勝利しマレーシアカップ出場圏内に浮上、選手交代規則違反が起こったヌグリスンビランFC対ケランタンFC戦の結果は変わらず、Mリーグはプーマ社と公式試合球契約を2024年まで締結

クチンシティFCが来季1部昇格のサラワクUに勝利しマレーシアカップ出場圏内に浮上
 7月末の後半戦開幕時にチーム内で新型コロナ陽性者が見つかったことから、クチンシティFCは隔離期間を経て他のチームよりも1ヶ月ほど遅れて後半戦に突入しましたが、前半戦では2勝4分4敗と苦しんだたチームは、後半戦は2勝2分1敗と見事に復活しています。そんなクチンシティFCが同じボルネオ島(東マレーシア)のサラワク州クチンを本拠地とし、現在リーグ首位のサラワク・ユナイテッドFCと対戦するボルネオダービーが行われ、試合前の順位は9位のクチンシティFCがサラワク・ユナイテッドFCを破っています。

Mリーグ2部プレミアリーグ第15節(7月15日から順延分)
2021年9月7日@MBPGスタジアム(ジョホール州パシルグダン)
クチンシティFC 1-0 サラワク・ユナイテッドFC
得点者:クチン-モハマド・アリフ・ハサン(84分)
 前半戦2勝(10試合)のクチンシティFCはこの試合の勝利で後半戦3勝目(6試合)を挙げています。この勝利でクチンシティFCは8位に浮上するとともに、プレミアリーグの上位5チームに与えられるマレーシアカップ出場権獲得に近づきました。次節第21節にはこのマレーシアカップ出場権を争うケランタン・ユナイテッドFCとの対戦が控えており、この試合に勝利すればクチンシティFCは2季連続のマレーシアカップ出場が決定します。
 既に来季の1部昇格を決めているサラワク・ユナイテッドFCは慢心していたと言えば言い過ぎかもしれませんが、前半戦では2-0で勝利しているクチンシティFCを相手にまさかの敗戦で2位ヌグリスンビランFCとの勝点差は2のまま。今週末の第21節ではそのヌグリスンビランFCとの直接対決があり、この試合で負けることがあれば、ヌグリスンビランFCに逆転優勝をさらわれる可能性も出てきました。
 クチンシティFCの鈴木雄太選手は、先発してフル出場しています。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ順位(第20節終了時)

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#サラワク・ユナイテッドFCとヌグリスンビランFCは来季の1部昇格が決定しています。
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:NS-ヌグリスンビランFC、SU-サラワク・ユナイテッドFC、TFC-トレンガヌFC II、PRK-ペラFC II、SEL-スランゴールFC 2、KEL-ケランタンFC、KU-ケランタン・ユナイテッドFC、KCH-クチンシティFC、FAM-FAM MSNプロジェクト

選手交代規則違反が起こったヌグリスンビランFC対ケランタンFC戦の結果は変わらず
 Mリーグを運営するMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、Mリーグ2部プレミアリーグのヌグリスンビランFCからの不服申し立てを受けていた試合結果について変更がないことを発表しています。
 プレミアリーグ第20節の8月27日に行われたケランタンFC対ヌグリスンビランFC戦において、ホームのケランタンFCが選手交代を行なった際、1試合3回までの交代機会を終えていたケランタンFCが試合後半のロスタイムに4回目となる選手交代を行なったことに対して、ヌグリスンビランFCは規則違反に関する不服申し立てと試合結果の再考を求めていたことについての回答です。
 なおこの試合はケランタンFCが2-1でヌグリスンビランFCを破っています。
 スチュアートCEOはこれまでの経緯を説明し、ヌグリスンビランFCの不服申し立てがMFLが規定する試合終了後72時間以内に行われ、これを受けてケランタンFCへの処分についてMFL理事会で協議が行われた結果、MFLの規定に基づき試合結果には変更がないことが全会一致で決定されたとしています。
 なお今回の規則違反に対してはMFLがケランタンFCに対して3万リンギ(およそ79万円)の罰金処分と警告がケランタンFCに課せられていますが、ノリザム・トゥキマン オーナーは、選手交代に関する規則違反は意図的なものではないとして、ケランタンFCがこの規則違反によりMFLから処分を受けることに納得できないと述べる一方、規則の適用を誤ったこの試合の担当審判がその責任を負うべきだと主張しています。
 「試合中に第4審判でもあったこの試合の責任審判に選手交代を申請した際に、この責任審判が後退を認めたことから、今回の件の責任を負うべきはMFLがその資格を与えたこの責任審判である。交代の申請を行ったクラブが罰金や警告を受けることには納得がいかない。」と述べたノリザム オーナーはケランタンFCの責任を全否定しています。

Mリーグはプーマ社と公式試合球契約を2024年まで締結 
 Mリーグを運営するMFLは公式サイトで、公式試合球としてプーマ社製のサッカーボールを使用することを発表しています。MFLは2016年からナイキ社と公式試合球の契約を結んでおり、今季のMリーグもナイキ社のFlightを使用していました。
 MFLはプーマの当地代理店であるアクティブスポーツ社との間で公式試合球契約を締結したことを明らかにし、今季2021年のマレーシアカップを皮切りにMFLが運営する全ての試合でプーマ社製のサッカーボールを使用すると発表しています。MFLはMリーグ1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグ、マレーシアカップの他、マレーシアFAカップ、*スンバンシーカップ、^チャレンジカップを運営しています。
 なお今回の発表ではMFLがプーマ社製のサッカーボールを公式球として使用するアジア初のリーグだと言うことですが、プーマ社はスペイン1部のラ・リガや英国のEFL(プレミアリーグの下の2部から4部まで)の公式試合球でもあります。
 *スンバンシーカップ:前年度のリーグ覇者とマレーシアカップ優勝チームが対戦するカップ戦。ここ数年はMリーグ1部の公式戦の一環として開催されている。
 ^チャレンジカップ:Mリーブ1部と2部でプレーするクラブのうち、マレーシアカップに出場しないチームが対戦するカップ戦。マレーシアカップには1部の上位11チームと2部の上位5チーム(1部クラブのセカンドチームは除く)が出場するため、それ以外のチームがチャレンジャーカップに出場する。
 (下はMFL公式サイトに投稿されたプーマ社との公式球契約を伝える投稿)

9月7日のニュース:AFCU23アジアカップ出場のU20代表が練習試合で来季1部昇格クラブ相手に惜敗、トレンガヌFC経営陣はナフジ監督の「休養」説を否定、2部降格のペラFCの理事が辞任表明

AFC U23アジアカップ出場のU20代表が来季1部昇格クラブ相手に惜敗
 アジアサッカー連盟AFC U23アジアカップに出場するU20代表は現在第1時合宿中ですが、初の実戦として9月4日にMリーグ2部のヌグリスンビランFCと練習試合を行いました。
 英字紙ニューストレイトタイムズによると、試合は1-2と敗れたもののU20代表のブラッド・マロニー監督は「このチームにとっては初の実戦でとなったこの試合では、ボールを速く動かすにはピッチの状態は悪すぎたが、それでも多くの機会を作り、ゴールを決めることもできた。また個々の選手たちの能力を把握することもできたのでとても良い実戦機会となった。2点を先制された後は、チームとして積極的にゴールを目指す姿勢も見られたので、今後も同じようなパフォーマンスを期待したい。」と述べています。
 一方対戦したヌグリスンビランFCのK・デヴァン監督は「前半は特に1対1となった場面ではボールに向かっている積極性に欠けていたものの、後半に入るとボールコントロールに自信が見て取れるようなり、組織的に攻撃に転じる場面もあった。今回の第1次合宿が8月30日から始まったことを考えるとチームとして活動した期間は1週間ながら良い点が多く見られた。」と述べて、チームとしてプレーする時間が増えれば、それにつれてパフォーマンスも改善するだろうと話しています。
 本日9月7日に第1次合宿を終えるU20代表は、今月末には第2次合宿が予定されています。
 マレーシアサッカー連盟FAMは、2024年パリオリンピック出場を目標とした長期プログラムの一環として、U22代表ではなくU20代表を10月下旬にモンゴルのウランバートルで開催されるAFC U23アジアカップ予選J組に派遣する方針を明らかにしています。

トレンガヌFC経営陣はナフジ・ザイン監督の「休養」説を否定
 Mリーグ1部スーパーリーグは今週末の最終節第22節を残すのみとなりましたが、一時は2位となりながら直近の3試合で3連敗したトレンガヌFCのナフジ・ザイン監督の周辺が騒がしくなっています。先週末の第21節JDT戦までの直近3試合でチームが3連敗するなど、リーグ戦終盤の重要な時期の失速が原因で「休養」あるいは「退団して来季は他のクラブで指揮を取る」などの噂も出ていましたが、トレンガヌFCを運営するTFC社はこれらを全て否定します。
 TFC社のアブドル・ラシド・ジュソCEOは、こういった噂はリーグ2位の座を賭けて現在4位のトレンガヌFCが同2位のペナンFCと対戦する最終節第22節や、リーグ戦の後に控えるマレーシアカップへ向けたチームの士気を低下させ、さらにはスポンサーに対する印象を悪化させるものだとして、このような意図を持った「フェイクニュース」を非難するとともに、クラブはチーム、サポーターそしてスポンサーとの良好な関係を保っていると主張しています。
 また今回の噂を増幅させることにもなったクラブがJDT戦を前にナフジ監督に提出を求めた理由提示命令(Show cause letter)についてアブドル・ラシドCEOは「クラブの運営者として、問題が起こった場合には最善の解決方法を見つけるため、またクラブが設けた目標に向けて正しく進んでいるかを知るためにも、チームのパフォーマンスについてTFC社はクラブの運営者として常に責任を負っている。」と話し、チームの直近の成績に対してクラブが満足していない場合に行う行為としては珍しいことではないと説明しています。
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 リーグ序盤から好調だったトレンガヌFCはJDTに黒星をつけるなど8勝3分2敗の成績で前半戦を終えましたが、W杯予選などによるリーグ中断期間を挟んで後半戦に入ると3勝1分4敗と失速し、さらに前述の理由提示命令書の一件もあり、ナフジ監督の去就に関する噂がソーシャルメディアを中心に囁かれるようになっていました。

2部降格のペラFCの理事が辞任表明
 先週末のMリーグ1部第21節でマラッカ・ユナイテッドFCに敗れ、クラブ史上初の2部降格が決定したペラFCですが、ペラ州政府の青年・スポーツ・コミュニケーション・マルチメディア委員会のカイルル・シャーリル・モハメド委員がクラブを運営する理事会およびペラ州サッカー協会からの辞任を表明しています。
 マレーシア語紙ブリタハリアンによると、カイルル委員の他、理事でペラ州議会シャム・マット・サハット議員もクラブ運営理事会からの辞任を表明しています。なおブリタハリアンの取材に対し、カイルル・シャーリル委員はペラFCの2部降格と自身の辞任の関連を否定したということです。

9月6日のニュース:タイリーグ開幕-代表コンビのエルドストールはフル出場も、タンはベンチ入りせず、2部降格決定のペラFCはサポーターに謝罪、スランゴールFCのイフェダヨがシーズン最多ゴール新記録

タイリーグ開幕-代表コンビのエルドストールはフル出場も、タンはベンチ入りせず
 2021/2022年シーズンのタイ1部リーグが9月3日に開幕しています。昨季は1部と2部合わせて通算でマレーシア人選手5名が在籍していましたが、今季は1部のチョンブリーFCでプレーする代表DFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)とポリス・テロFCでプレーするやはり代表DFドミニク・タンの2名だけとなっています。

タイ1部リーグ第1節
2021年9月5日@チョンブリースタジアム
チョンブリーFC 1-1 BGパトム・ユナイテッドFC
 昨季12位のチョンブリーFCが昨季のチャンピオンに挑んだこの試合は、2019年と2020年にはMリーグ1部のJDTでプレーしたジオゴ・ルイス・サントスのゴールでBGパトム・ユナイテッドFCが17分に先制しましたが、チョンブリーFCも68分にデニス・ムリーリョが自身が倒されて得たPKを決めて同点とし、試合はそのまま引き分けています。
 ジュニオール・エルドストールは先発してフル出場しています。
 (試合のハイライト映像はチョンブリーFCの公式Youtubeチャンネルより)

https://youtu.be/TM-pT8eZfBA

2021年9月5日@PATスタジアム
ポートFC 3-3 ポリス・テロFC
 昨季3位のポートFCが昨季11位のポリス・テロをホームに迎えた一戦は、前半だけで3点を挙げたポリス・テロFCにポートFCが追いつき、こちらも引き分けに終わっています。
 ドミニク・タンはこの試合はベンチ入りしませんでした。

ペラFCはクラブ史上初の2部降格決定をサポーターに謝罪
 先週末に開催されたMリーグ1部第21節でマラッカ・ユナイテッドFCに敗れて来季の2部降格が決まったペラFCは、クラブの公式Facebookにサポーターに向けた公式謝罪文を投稿しています。
 1921年のマラヤカップ(現マレーシアカップ)第1回大会への出場から数えてクラブ創設100年記念の年にもかかわらず、Mリーグが2部制となった1990年以来、一度も2部でプレーしたことがなかったペラFCがクラブ史上初の2部降格となった事態に対し、今季途中に就任したアズマン・ノーGM(ゼネラルマネージャー)は、現在のMリーグクラブの中で2部へ降格したことがなかった唯一のクラブであるペラFCの1部残留に向けて全力を尽くしたが、それが実らず記念の年に2部に降格することを残念に思うと述べています。
 「2部降格は今後もクラブの歴史に残る出来事であるが、我々が現状から立ち直るためには最も重要で意味があることを学んだと考えたい。2部降格はペラFCの終わりを意味するものではなく、むしろこれをより良いクラブとなるための新たな始まりとしたい。」と述べているアズマンGMは、来季の2部プレミアリーグ優勝と1シーズンでの1部スーパーリーグ復帰をサポーターに約束する一方で、クラブの完全民営化を進め、クラブの短期と長期の目標を定めることなども合わせて約束しています。

スランゴールFCのイフェダヨがシーズン最多ゴール新記録
 昨日9月5日のMリーグ1部第21節でサバFCに6-0と圧勝したスランゴールFCで一際活躍したのが今季3度目のハットトリックを達成したFWイフェダヨ・オルセングンでした。2019年途中からスランゴールFCに加入したナイジェリアとバーレーンの二重国籍を持つこのイフェダヨ選手は昨日のゴールで今季通算ゴールが25(21試合)となりましたが、これはMリーグのシーズン最多ゴールの新記録となっています。なお、1シーズン3回のハットトリックもMリーグの新記録となっています。
 これまでのシーズン最多ゴールの記録は2017年にケランタンFA(当時、現ケランタンFC)とJDTでプレーしたレバノン出身のモハマド・ガダルと今季第20節までにJDTのベルグソン・ダ・シルヴァが持っていた23ゴールでした。(ガダル選手はケランタンFAで18、JDTで5ゴールの合計23ゴール)
 昨季2020年はリーグが短縮され11試合となった中で12ゴールを挙げてリーグ得点王となったイフェダヨ選手は2季連続の得点王を目指しますが、2位のベルグソン選手が2ゴール差で迫っており、今季の得点王争いは最終節を終えるまで決着はつかなそうです。
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 2季連続得点王を目指すイフェダヨ選手に代表されるように、リーグ得点王は2004年のスーパーリーグ開始以降、ほとんどが外国籍選手によって獲得されています。2004年から昨季2020年までの間で、マレーシア人のリーグ得点王は2004年のインドラ・プトラ・マハユディン(パハンFA、15ゴール)、2009年のニザルディン・ユソフ(プルリスFA、18ゴール)、2010年アシャアリ・サムスディン(トレンガヌFA、18ゴール)、2011年アブドル・ハディ・やはや(トレンガヌFA、20ゴール)となっていますが、実は2009年から2011年はMリーグが外国籍選手の獲得を禁じていたため、外国籍選手と競った結果のマレーシア人得点王は2004年のインドラ・プトラ選手まで遡らなければなりません。ちなみにこのインドラ・プトラ選手は今月40歳になりましたが今季もKLシティFCでプレーしています。


Mリーグ1部スーパーリーグ第21節結果

 9月3日から5日にかけて、Mリーグ1部スーパーリーグ第21節が開催されました。前節でJDTの優勝とリーグ8連覇が決まっていますが、AFCカップ出場権の懸かる2位争いは、前節終了時点で2位のクダ・ダルル・アマンFCと同3位のトレンガヌFCが揃って敗れた一方で、同4位のペナンFCが勝利して今季初となる2位に浮上しています。しかし次節最終節の結果次第ではまだ順位が変わル可能性があるため、決着は最終節まで持ち越しとなっています。
 また2部降格争いは11位のペラFCと12位のUITM FCの2部降格が今節で決まりました。なおペラFCはクラブ史上初となる2部降格となっています。(正確にはMリーグが1部と2部に別れてからなので31年ぶりです。)
 またスランゴールFCのイフェダヨ・オルセグンがサバFCを相手にハットトリックを達成し、シーズン最多となる3回のリーグ記録を樹立するとともに、今季通算ゴールを25とし、こちらもリーグ新記録を達成しています。しかし2位のベルグソン・ダ・シルヴァが2ゴール差でイフェダヨ選手を追走しており、得点王争いの決着も最終節まで持ち越しとなっています。
 試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルよりお借りしています。

2021年9月3日@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ・ユナイテッドFC 2-1 ペラFC
得点者:マラッカ-マヌエル・オット(67分)、ソニー・ノルデ(79分)、(分)、ペラ-セルヒオ・アグエロ(30分PK)
 この試合で引き分け以下ならば2部降格が決まる11位ペラFCが前節を終えて8位のマラッカ・ユナイテッドFCと対戦。PKで先制するなど前半を優勢に進めながら追加点の奪えなかったペラFCを後半にマラッカ・ユナイテッドFCが逆転し、ペラFCの2部降格が決定しました。負けられない重要な試合で今季初出場となるGKモハマド・ナスルラー・アブドル・アジズを先発メンバーに起用した理由は不明ですが、試合終了後にナスルラー・アジズ選手が大泣きしていたことが印象的でした。
 給料未払い問題により勝点3を剥奪されたことで、1部残留危機にあったマラッカ・ユナイテッドFCはこの日の逆転勝利で1部残留を決めています。

2021年9月4日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
KLシティFC 2-1 クダ・ダルル・アマンFC
得点者:KL-ロメル・モラレス(6分PK)、サフィ・サリ(26分)、クダ-チェチェ・キプレ(34分)
 今週はFIFAの国際マッチデー期間に当たることから、チーム得点王のFWクパー・シャーマン(リベリア)とMFラビ・アタヤ(レバノン)がそれぞれ自国の代表チームに招集されて欠場中のクダ・ダルル・アマンFC。主力選手を欠くものの来季のAFCカップ出場権獲得のためにリーグ2位の座を死守したいところでしたが、サフィ・サリの今季初ゴールなどで2点を挙げたKLシティに敗れています。
 次節の最終節第22節がアウェイマッチのKLシティFCは、この日の勝利で今季はホームで無敗(7勝5分)の記録を達成しています。

2021年9月4日@MBBJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティFC 0-0 UITM FC
得点者:PJ-カイリル・ムハイミン(39分)
 降格を争うチーム同士となったこの試合は9位のPJシティFCが12位のUITM FCを破り、PJシティFCの1部残留とUITM FCの2部降格が決定しています。
 外国籍選手が1名もいないことから、開幕前は2部降格の最有力候補とされていたPJシティFCの1部残留は、この試合で敗れたUITM FCやペラFCといった5名の外国籍選手枠を使いながら2部に降格するクラブにとっては強烈な皮肉になったのではないでしょうか。

2021年9月4日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴンバダ)
トレンガヌFC 0-1 JDT
得点者:JDT-シェイン・ローリー(45+2分)
 JDTに今季唯一の黒星をつけているトレンガヌFCは、この日はチーム得点王のFWデヴィッド・ダ・シルヴァがベンチ入りしなかったものの、将来のエース候補でJDT戦でゴールを挙げているFWハキミ・アブドラが後半戦で初めて先発し、JDTのGKファリザル・マーリアスに阻まれたものの惜しいシュートをはなちます。また守備陣は試合開始からリーグ得点王のベルグソン・ダ・シルヴァを厳しくマークしチャンスを与えず、このまま0-0で前半終了かと思われたロスタイムにトレンガヌFCゴール前の混戦からDFシェーン・ローリーが今季初ゴールを決めてJDTが先制し、結局これが決勝点となり、JDTが1-0で逃げ切っています。

2021年9月5日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
スリ・パハンFC 1-2 ペナンFC
得点者:パハン-ケニー・アティウ(61分)、ペナン-エンドリック(67分)、ダニアル・アシュラフ(72分)
 2位を争うクダ・ダルル・アマンFCとトレンガヌFCがいずれも前日に敗れ、この試合に勝てば今季初の2位に浮上することがわかっていたペナンFCと、やはり前日の結果で今季の1部残留が確定した10位のスリ・パハンFCの対戦は、前半は動きが悪いペナンFCに対し、積極的にゴールを狙うスリ・パハンFCが押し気味に進めたものの両チーム無得点で終了。後半に入るとスリ・パハンFCがリードし、ますますペナンFCのプレッシャーがかかるかと思われましたが、67分のエンドリックのシュートをスリ・パハンFCのGKヘルミ・エリザがまさかのキャッチミスでゴールを許し、ペナンFCが同点に追いつきます。そこからはペナンFCが攻撃のペースを上げ、5分後の72分にはカサグランデのパスをDFの裏に抜け出したダニアル・アシュラフが決めてこれが決勝点となり、ペナンFCが勝利しています。この勝利でペナンFCは今季最高位となる2位に浮上しています。

2021年9月5日@リカススタジアム(サバ州コタキナバル)
サバFC 0-6 スランゴールFC
得点者:スランゴール-イフェダヨ・オルセグン3(22分、24分、88分)、ムカイリ・アジマル(45+2分)、ノー・ハキム・ハサン(46分)、ダニアル・アスリ(75分)
 スランゴールFCが今季最多となる6ゴールでサバFCに圧勝。この試合でリーグ新記録となるシーズン最多となる3度目のハットトリックを決めたエースのイフェダヨ・オルセグンは、この日のゴールで今季通算25得点となり、Mリーグのシーズン最多得点の新記録を達成するとともに今季得点王争いのトップに立ちました。
 前節終了後に2試合を残してクルニアワン・ドゥイ・ユリアント監督を「休養」させたサバFCは、この試合前にペラFCとUITM FCが敗れたため1部残留が確定し、重圧のかからない状況だったにもかかわらずホームで今季最多失点で大敗しています。

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第21節終了時)

ClubGWDLGFGAGDP
1#JDT2117314884051
2PEN2112453528740
3KDA20123537241339
4TFC21114631181337
5SEL21106544281636
6KL218942618833
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8PJ2156101427-1321
9SBH2147102036-1619
10PHG2146112336-1318
11@PRK2134141844-2613
12@UITM2023151238-269
#JDTが2021年シーズンの優勝を果たしAFCチャンピオンズリーグ出場権を獲得しています。
@ペラFCとUITM FCは2022年シーズンの2部降格が決定しています。
*マラッカ・ユナイテッドは給料未払いのため、勝点3剥奪処分を受けています。
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
ラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ得点ランキング(第20節終了時)

選手(クラブ)ゴール数
1イフェダヨ・オルセグン(SEL)25
2ベルクソン・ダ・シルバ(JDT)23
3クパー・シャーマン(KDH)13
4カサグランデ(PEN)11
5パウロ・ジョズエ(KL)10
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJC-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

9月5日のニュース:Mリーグ2部-ヌグリスンビランFCの1部昇格が決定、Mリーグ2部-マレーシアカップ出場権争いは激化

 今週末は1部スーパーリーグは第21節が行われていますが、2部プレミアリーグは試合がありません。しかし、昨日行われたクチンシティFC対PDRM FCでクチンシティが引き分けたため、1部昇格資格を持つ6クラブの内、既に1部昇格を決めているサラワク・ユナイテッドFCを除くとヌグリスンビランFCの勝点35以上を獲得する可能性があるクラブがなくなりました。これによりヌグリスンビランFCの来季の1部スーパーリーグ昇格が決定しました。

Mリーグ2部プレミアリーグ第16節(8月4日から順延)
2021年9月4日@MBPGスタジアム(ジョホール州パシルグダン)
クチンシティFC 0-0 PDRM FC
得点者:なし
 クチンシティFCに新型コロナ陽性者が見つかったことから順延されていたこの試合は、開始10分で両チームにそれぞれ一発レッドが出される異例の展開となりました。試合展開はクチンシティFCがやや押し気味に進めましたが、クチンシティFC、PDRM FCともにゴール前のフィニッシュの精度が低く、ゴールレスドローとなっています。
 なお「鈴木対決」となったこの試合は、クチンシティFCの鈴木雄太、PDRM FCの鈴木ブルーノ両選手はいずれも先発してフル出場しています。

2部プレミアリーグのマレーシアカップ出場権争いは激化
 来季の1部昇格の2チームが決定したことから、プレミアリーグの関心はリーグ戦終了後に開催されるマレーシアカップ出場権争いへと移ります。日本の天皇杯全日本サッカー選手権と並び、アジア最古のカップ戦とされるマレーシアカップはMリーグの1部と2部の16チームのみが出場する大会で、昨年は新型コロナの感染拡大により中止になったものの、第94回大会となる今年2021年の大会には1部スーパーリーグの上位11チームに加え、プレミアリーグの上位5チームに出場資格があります(1部スーパーリーグのセカンドチームは除く)。1部昇格を決めたサラワク・ユナイテッドFCとヌグリスンビランFCは既に出場資格を獲得しており、残る3つの枠を勝点18ながら残り5試合があるクチンシティFC、勝点26のPDRM FC(残り1試合)、同24のケランタンFC(残り2試合)、同20のケランタン・ユナイテッドFC(残り2試合)の4チームが争います。勝点差8の中にひしめくこの4チームの争いは次節第21節(9月10日から11日)、さらに最終節第22節(9月18日)まで続きそうです。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ順位(第21節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1#SU17114236112537
2#NS18105328141435
3JDT1886434191530
4TFC1778231161529
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8KU1862102127-620
9KCH154651718-118
10PRK1835101235-2314
11FAM1813141252-406
#サラワク・ユナイテッドFCとヌグリスンビランFCは来季の1部昇格が決定しています。
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:NS-ヌグリスンビランFC、SU-サラワク・ユナイテッドFC、TFC-トレンガヌFC II、PRK-ペラFC II、SEL-スランゴールFC 2、KEL-ケランタンFC、KU-ケランタン・ユナイテッドFC、KCH-クチンシティFC、FAM-FAM MSNプロジェクト
*今季の2部プレミアリーグは11チームが参加のため、各節で1チームだけ試合がありません。第20
節はペラFC IIの試合がありませんでした。

9月4日のニュース:JDTオーナーは退任に向けて後任を指名か、U20代表は当初のメンバーから6名が変更に、FAMとMFLの会長が新閣僚と会談

 昨日9月3日に行われたMリーグ1部第21節でペラFCはマラッカ・ユナイテッドFCに敗れて来季の2部降格が決まっています。残る1枠も計算上は残留の可能性があるUITM FCが引き分け以下で降格が決まります。

JDTオーナーは退任に向けて後任を指名か
 Mリーグ1部でリーグ8連覇を果たしたJDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下は自身のインスタグラム上で、退任の可能性を示唆しましたが、その後任にジョホール州政府系企業の会長が候補に上がっていると、マレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。
 サポーターから辞任した場合の後任は誰なのか、という問いに答える形でイスマイル殿下は自身のインスタグラムにジョホール州政府系企業のJコープ社のサイド・モハメド・サイド・イブラヒム会長兼CEOの写真を投稿しています。
 イスマイル殿下はサッカークラブの運営に「飽きてきた」ことを明らかにし、今後は何か新しいことに挑戦したいと話す位方で、自身が本当にJDTを去るか否かについてその可能性は五分五分である述べたことから、その去就、さらにはその後任に注目が集まっています。
 しかしその一方で、自身がクラブを去ればスポンサーの撤退や選手及びスタッフの移籍、退団など、クラブが大きく変わってしまう可能性があることを憂慮しているとも述べており、未だ明確な形での方針は明らかにしていません。

U20代表は当初のメンバーから6名が変更に
 アジアサッカー連盟AFC U23アジアカップ予選に向けて第1次合宿を行っているU20代表は、当初の招集メンバー27名から、ケガなどにより6名が変更になっています。
 先日、Mリーグ1部デビューを果たしたGKシーク・イズハン・ナズレル・アズマン(スランゴールFC 2)やMリーグ2部で9試合に先発したGKナビル・アシラフ・ラムリ(FAM-MSNプロジェクト)の両GKを筆頭にDFヘイリー・ハキム・ママット(トレンガヌFC II)、MFアフマド・アイサル・ハディ・モハマド・シャプリ(JDT II)、FWアイマン・アリフ・モハマド・アフィズル(クダ・ダルル・アマンFC)、MFムハマド・ハズワン・ハサン(FAM-MSNプロジェクト)がケガで合宿への参加を辞退し、この代わりにGKムハマド・アズリ・アブドル・ガニ(ペラFC II)、MFチア・ルオハン、MFムハマド・アリフ・アブドル・ムタリブ(いずれもJDT II)の3名が新たに招集され、現在は24名が合宿に参加しています。
 9月7日まで予定されている第1次合宿ですが、今週末はMリーグ2部は試合がないため、現在2位のヌグリスンビランFC、そして最下位のFAM-MSNプロジェクトの両2部クラブとの練習試合を行う予定であることも報じられています。今回のU20代表は前回の合宿から6ヶ月以上空いているもののの、チームは今回初招集となった選手も含め、満足のいくパフォーマンスを見せているとブラッド・マロニー監督は、今週末の練習試合で第2次合宿へ招集するメンバーの選考を行いたいとハリアンメトロの取材に答えています。
 パリオリンピック出場を目指すマレーシアサッカー協会FAMの長期プロジェクトに伴い、このU20代表は「経験を積む」ために年代が一つ上となるU23アジアカップ予選に出場し、10月27日から31日までモンゴルのウランバートルで開催される予選J組でタイ、ラオス、そして集中開催地となっているモンゴルと対戦します。

FAMとMFLの会長が新閣僚と会談
 先月8月に発足したイスマイル・サブリ・ヤアコブ新首相率いる新内閣が発足しましたが、マレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長とMリーグを運営するMFLのアブドル・ガニ・ハサン会長がそれぞれ新閣僚と会談を行っています。
 マレーシア語紙ハリアンメトロはアブドル・ガニMFL会長がカイリー・ジャマルディン保健相をプトラジャヤの保健省に訪ねて会談したことを伝えています。アブドル・ガニ会長はこの会談でサポーターのスタジアムでの観戦実現に向けて、他国同様、厳格な標準作業手順SOPに基づいた上で2度のワクチン接種を終えたサポーターに限りスタジアムへの入場許可を申請したと報じています。またこの会談では保健省、青年スポーツ省、国家安全保障委員会によって設けられたSOPに従って開催されている今季のMリーグの現状について青年スポーツ相も歴任したカイリー・ジャマルディン保健相に説明を行ったことです。今季のMリーグは開幕時の3月にスタジアムでの感染が許可されたものの、新型コロナ観戦拡大により昨季同様、無観客での開催を余儀なくされています。
 一方、アフマド・ファイザル・アズム青年スポーツ相は、スランゴール州プタリンジャヤのFAM本部にハミディン・アミン会長を訪ねています。モハマド・ユソフ・マハディ、S・シヴァサンドラム両会長代理とともにアフマド・ファイザル青年スポーツ相を歓迎したハミディン会長は、2022年に第1期が終了するF:30プログラム(2030年までにマレーシア代表のアジアトップ5入りを目指すプログラム)や、青年スポーツ省傘下の国家スポーツ評議会NSCとFAMが共同して運営する国家サッカー育成プログラムNFDP、さらにプトラジャヤに建設が予定されているナショナルトレーニングセンターなどについて、FAMと青年スポーツ省との間の協力関係や国内サッカー事情について意見を交換したということです。


9月2日のニュース:1部スーパーリーグ-主力欠場のクダは痛い引き分け、2部プレミアリーグ-サラワクUの1部昇格が決定、ペラFCは退団した外国籍選手との未払い給料問題を解決、複数企業がペラFC買収に関心、元代表監督は出場時間数に基づく代表選手選考方法には否定的

Mリーグ1部スーパーリーグ第17節(8月4日から順延)
2021年9月1日@ダルル・マクムルスタジアム(パハン州クアンタン)
スリ・パハンFC 2-2 クダ・ダルル・アマンFC
得点者:パハン-ケニー・アティウ2(29分、87分)、クダ-アミルル・ヒシャム・アワン・クチック(12分)、シャズワン・ザイノン(67分)
 クダ・ダルル・アマンFCに新型コロナ陽性者が見つかったことから順延されていたこの試合は、現在、FIFA国際マッチデー期間であることから、チーム得点王のFWクパー・シャーマン(リベリア)と司令塔MFラビ・アタヤ(レバノン)がW杯予選に出場する自国の代表チームに招集されたことから欠場しています。両選手はこの試合も含め最短でも3試合欠場となることから戦力ダウンとなった布陣で熾烈な今季2位争いをどう乗り切るかに注目が集まりました。
 試合はアミルル・ヒシャム・アワン・クチックの今季初ゴールで先制したクダに対し、パハンはケニー・アティウの同点ゴールで追いつき、前半を1-1で折り返します。後半に入るとシャズワン・ザイノンのゴールで再びクダがリードしますが、試合終了間際の87分にアティウ選手がこの試合2点目となるゴールを決め、引き分けに終わっています。
 この結果、クダは2位のままで3位のトレンガヌFC、4位のペナンFCとの勝点差は2と広がっています。一方のパハンは順位を一つ上げて9位となったものの、残り2試合を残して11位のペラFCとは勝点差5と、降格圏脱出とはなりませんでした。(下のダイジェスト映像はMFLの公式Youtubeチャンネルより)

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第20節終了時)

ClubGWDLGFGAGDP
1#JDT2016314783951
2KDA20123435211439
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12UITM1923141237-259
#JDTが2021年シーズンの優勝を果たしAFCチャンピオンズリーグ出場権を獲得しています。
*マラッカ・ユナイテッドは給料未払いのため、勝点3剥奪処分を受けています。
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
ラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

Mリーグ2部プレミアリーグ第17節(8月8日から順延)
2021年9月1日@MBPGスタジアム(ジョホール州パシルグダン)
クチンシティFC 1-2 ヌグリスンビランFC
得点者:クチン-マイケル・イジェジー(47分)、ヌグリスンビラン-フランシス・コネ(5分)、アルトゥール・クーニャ (70分)
 クチンシティFCに新型コロナ陽性者が見つかったことから順延されていたこの試合は、クチンシティFCが一時は追いつくも、2部優勝を目指すヌグリスンビランFCがDFアルトゥール・クーニャの今季初ゴールで勝利を収めています。
 またこの試合の結果、1部昇格資格を持つ5クラブの内、残り試合数が6と最も多いクチンシティFCがこれに全勝しても勝点35となり、勝点37のサラワク・ユナイテッドFCが残り3試合を前半しても追いつけないことから、サラワク・ユナイテッドFCの1部昇格が確定しています。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ順位(第20節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
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11FAM1813141252-406
#サラワク・ユナイテッドFCとヌグリスンビランFCは来季のMリーグ1部昇格を決めています…
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:NS-ヌグリスンビランFC、SU-サラワク・ユナイテッドFC、TFC-トレンガヌFC II、PRK-ペラFC II、SEL-スランゴールFC 2、KEL-ケランタンFC、KU-ケランタン・ユナイテッドFC、KCH-クチンシティFC、FAM-FAM MSNプロジェクト

ペラFCは退団した外国籍選手との未払い給料問題を解決
 Mリーグ1部のペラFCはブラジル出身のレアンドロ・ドス・サントス、カレッカ両選手に関する給料未払い問題が解決したことをクラブの公式Facebookで発表しています。
 ペラFCのアズミン・ノーGM(ゼネラルマネージャー)は未払いとなっていた今年5月と6月分の給料に関して、期限となっていた8月31日前に支払い方法などで合意したことを明らかにしています。
 「レアンドロ、カレッカ、そしてJDTに移籍したギリェルメ・デ・パウラの代理人から出されているに支払い請求については来月から分割で支払うことで合意した。」と話したアズミンGMはこのブラジルトリオの他に、2019年に入団テストを受け契約を結びながらその後のケガが判明し、契約を破棄されたと訴え、50万リンギ(およそ1330万円)未払い給料の支払いを求めてFIFAに提訴していた韓国出身のチョン・ヒョソクに対しても分割での支払いで同意したことも明らかにしています。
 アズミンGMはこれらの未払い給料問題が解決したことで、MFLによる来季のクラブライセンス発給に支障をきたすものは無くなったとして、未払い給料問題解決のスポンサー探しを支援したペラ州のサアラニ・モハマド州首相に感謝しています。

複数企業がペラFC買収に関心
 サッカー専門サイトのフットボールトライブは、今季給料未払い問題で主力が大量退団したMリーグ1部のペラFC買収に複数の企業が名乗りを上げていると報じています。
 これについてペラ州政府の青年スポーツコミュニケーションおよびマルチメディア委員会のカイルル・シャーリル・モハマド議長は、今年7月から複数の企業との間でペラFCの経営権譲渡についての話し合いが行われていることを明かす一方で、まだ何も決定していないと話しています。
 ペラFC運営会社の理事の一人でもあるカイルル・シャーリル議長は今年4月には、ペラFCの経営を希望する企業には自身の株式を譲渡する用意があると話したこともありますが、現在はペラFCのアズマン・ノーGM(ゼネラルマネージャー)にスポンサーや買収などの件は全て任せていると話しています。なおこの記事では、具体的な企業名などは明らかになっていません。
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 ペラFC買収の話は何度かこのブログでも取り上げていますが、ペラ州サッカー協会主導で行われてきたこれまでの交渉は決裂に終わっています。上の記事にもありますが、州政府の直接あるいは間接支援なしでは運営できていないのが多くのMリーグクラブの現状で、ペラFCの給料未払い問題についても州政府以外の有力スポンサー、あるいは有力オーナーがいないことに起因します。そういった状況を改善するためにクラブの民営化がMリーグでは勧められているわけですが、未だ多くのクラブが従来の州サッカー協会による運営から、運営会社を設立しての運営と形式は変わっているものの、運営会社の主要財源が州政府や州政府関連企業であるなど、公的支援に依存する体質が変わっておらず、完全な民営化にはまだ時間がかかりそうです。

元代表監督は出場時間数に基づく代表選手選考方法には否定的
 マレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長は代表選手の選考についてMリーグでの出場時間数を重視して行うべきと発言していますが、その適用については簡単ではないと元代表監督が述べていルト、マレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。
 マレーシアは今年6月に開催されたFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選を突破できませんでしたが、この代表チームには所属クラブで主力選手として活躍できていない選手が多く含まれていたことがハミディン会長の発言へと繋がっていますが、マレーシアサッカー指導者協会会長で元代表監督でもあるB・サティアナタン氏はハミディンFAM会長の意見には原則同意するものの、選手選考の条件に出場時間数を適用するとポジションによっては、選手を選ぶことが難しくなるだろうと述べています。
「例えばMリーグでは各クラブのフォワードは外国籍選手が大半を占めており、マレーシア人選手の出場時間数は限られている。また得点ランキングを見てもマレーシア人選手の名前は上位にはない。ヨーロッパではクラブでの出場機会が少ない選手でも代表に招集されることがあるので、代表選手選考に条件をつけると代表監督が望む選手を招集することが困難になるだろう。」と述べたサティアナタン氏はJDTの選手を例に挙げて、リーグ戦の試合出場時間が短い選手であっても、チーム内での競争が激しいこと、また練習のレベルが高いことから代表では期待通りのプレーができているとして、各選手の練習環境、さらには所属するクラブの監督からのフィードバックなども考慮すべきであると提言しています。
 先月のFAM理事会でハミディン会長はW杯最終予選進出を逃した代表チームに対して目に見える形の変更を求めたいとして、今後の選手選考について新たな方針を打ち出すと述べており、JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が提案している選手の出場時間数を元に選手を評価する仕組みを導入する可能性にも言及していました。