1月30日のニュース:エリゼッチ氏側がKLサッカー協会に反論、2年連続でのM3リーグ中止をクラブは望まず、代表合宿開催決定も宿舎が決まらず

エリゼッチ氏側がKLサッカー協会に反論
 昨日のこのブログで取り上げたMリーグ1部のKLユナイテッドによるシモン・エリゼッチ氏と契約不履行について、その後、クアラルンプールサッカー協会KLFAのノクマン・ムスタファ事務局長が声明を発表し、エリゼッチ氏と契約したのはKLFAであり、民営化によってKLFAと別組織となったKLユナイテッドは無関係であり、KLユナイテッドを訴えるのは見当違いであるという声明を発表しました。
 これに対し、エリゼッチ氏の弁護士であるザフリ・アミヌラシド氏が早速、反論しています。マレーシア語紙ブリタハリアン電子版に対してザフリ弁護士は、KLFAとKLユナイテッドは(ノクマン事務局長の主張とは異なり)同一の組織であり、契約に携わったのがKLFA関係者かどうかは問題ではないとし。さらにエリゼッチ氏との契約後に(民営化により)クラブの運営権がKLFAからKLユナイテッドに移ったという主張についても、そもそも同一組織であることからKLユナイテッドは法的責任を負わないという類の話ではないとしています。
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 この記事では、同じザフリ弁護士の「エリゼッチ氏は名誉回復のために訴訟を起こしており、KLFAおよびKLユナイテッドが法定外での解決を求めるのであれば話を聞く用意がある。」という発言を掲載していますが、先日の記事では徹底的に裁判で争うような発言が書かれていましたので、名誉毀損で訴えるのが大好きなマレーシア人らしくその発言は単に相手を威嚇するだけのつもりだったのかも知れません。

2年連続でのM3リーグ中止をクラブは望まず
 新型コロナウィルスの新規感染者数が昨日1月29日には国内全体で5700人を超えたという報道も出るなど状況の改善が見られない中、Mリーグ3部にあたるM3リーグの今季開催が危ぶまれています。昨季2020年シーズンもMリーグ1部と2部は期間を短縮して開催された一方で、M3リーグ以下はシーズン途中で中止となりました。
 2年連続の中止は望まないというM3リーグの各クラブの声を代表して国軍FCのモハマド・ノーラザム・アブドル・ラザク チームマネージャー(TM)がブリタハリアンの取材に答えています。
 「M3リーグが2年連続で中止となればその影響は計り知れない。大半のクラブはと契約を済ませており、中には既に給料を支払ったクラブもある。昨季は新型コロナウィルスによる問題と初めて対峙したため、中止はやむを得なかったが、今季は開幕日を遅らせるなど、リーグ中止以外の解決策を(M3リーグを運営する)アマチュアフットボールリーグAFLに求めたい。」とノーラザムTMは話しています。
 昨季のM3リーグは開幕直後に新型コロナウィルス感染拡大によりリーグが中断した後、7月にシーズン中止が発表されました。

代表合宿開催決定も宿舎が決まらず
 国内スポーツを監督する青年スポーツ省と新型コロナウィルス対策を検討する国家安全保障委員会から、FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選に出場するマレーシア代表の合宿開催許可が出ましたが、マレーシア語紙シナルハリアンは代表合宿の宿舎が決まっていないと報じています。
 当初予定されていた国家スポーツ評議会NSCが運営するブキジャリルの施設は他のスポーツの代表選手の多くが合宿している施設で、代表合宿開催の条件となっている外部との交流を断ち切る完全隔離型の合宿開催が難しいことが指摘されていました。
 代表チームのモハマド・ユソフ・マハディ チームマネージャーはシナルハリアンの取材に対して、練習はブキジャリル国立競技場で行うことが可能である一方で、合宿の宿舎が決まっていないことを明らかにしています。
 モハマド・ユソフTMは、宿舎は最終的にタン・チェンホー代表監督やマレーシアサッカー協会FAMとの話し合いで決定するとし、さらにその決定した宿舎の使用が国家安全保障委員会から認可される必要があることも説明しています。

1月29日のニュース:KLユナイテッドが契約不履行で訴えられる、AFCカップ グループステージ組み合わせ決定-アイディル監督はかつて指揮したクラブと同組に、ACLグループステージ組み合わせ決定-JDTは中国リーグ優勝クラブや名古屋と同組に、JDTは英国1部のU23チームでプレーするナサニエル・シオと契約

 今季Mリーグ1部に昇格するクアラルンプール・ユナイテッド(KLユナイテッド)が、チリ出身で前東ティモール代表監督のシモン・エリゼッチ氏の今季監督就任を昨年末に明らかにしたことはこのブログでも紹介しましたが、そのニュースを取り上げた時点ではエリゼッチ氏は既にマレーシア入りしており、渡航者全員に求められる検疫隔離期間でした。それが急遽、今月に入るとケランタンFCなどで監督を務めたクロアチア出身のボジャン・ホダック氏の監督就任が報じられる一方で、契約間近と思われたエリゼッチ氏に関する報道はぴたりと止みました。
 そのエリゼッチ氏が契約の不履行と、自身のコーチとしての実績を中傷しているとしてKLユナイテッドに対して法的措置を取ることを明らかにしてます。
 英字紙ニューストレイトタイムズは、エリゼッチ氏が弁護士を伴って開いた記者会見の様子を伝えています。この会見でエリゼッチ氏は、KLユナイテッドが正当な理由や手続きを踏まずに契約を解除したとして、その損害賠償を求めて民事訴訟を起こしたことを明らかにしています。
 KLユナイテッドはエリゼッチ氏が有効なプロコーチライセンスを保持していないことを主張しているとされていますが、記者会見に同席した弁護士はアジアサッカー連盟AFCとマレーシアサッカー協会FAMが承認している有効なライセンスを保持していると述べ、KLユナイテッドによる虚偽の告発によってエリゼッチ氏は評判を汚されたとして民事訴訟を起こす他、契約不履行をFIFAに訴えるとしています。なおエリゼッチ氏はKLユナイテッドに対して非常に失望していることから示談での解決を望んでいないことも弁護士が明らかにしています。
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 別の報道ではエリゼッチ氏が求めている損害賠償の額が350万リンギ(およそ9021万円)というものや、KLユナイテッドのスタンリー・バーナードCEOの関知しないところで契約が結ばれたなどというものもあり、両者による泥試合の様相を呈してきました。

AFCカップ グループステージ組み合わせ決定-アイディル監督はかつて指揮したクラブと対戦へ
 2021年AFCチャンピオンズリーグ(ACL)とAFCカップのグループステージ組み合わせ抽選が1月27日にクアラルンプールのAFCハウスで行われ、Mリーグを代表して出場する3チームの対戦相手が決まりました。
 AFCカップには昨季Mリーグで2位のクダ・ダルル・アマンと3位のトレンガヌが出場します。クダ・ダルル・アマンは予選H組となり、昨季国内リーグ3位のサイゴン(ベトナム)、同3位のライオンシティ・セイラーズ(シンガポール)、そして現在は未定の第2プレイオフの勝者と同組となっています。クダ・ダルル・アマンのアイディル・シャリン監督はMリーグでの監督就任前にはライオン・シティ・セイラーズの前身であるホーム・ユナイテッドで2016年から2018年まで監督を務めており、自身が監督をする新旧チームの対戦となりました。
 マレーシアの通信社ブルナマの報道によれば、現在のライオンシティ・セイラーズのメンバーの80%を知っていると話すアイディル監督は、その強さも弱さも理解しているとしていますが、ライオンシティ・セイラーズがリーグ史上最高額となる300万シンガポールドル(およそ2億3500万円)の移籍金で最近獲得したブラジル人MFディエゴ・ロペスについて問われると、かつて監督を務めたクラブが今大会のタイトル獲得を真剣に狙っているとしながらも、クダ・ダルル・アマンはG組の他のチームと張り合う十分な力があると話しています。
 また予選I組となったトレンガヌは昨季国内2位のカヤ-イロイロ(フィリピン)、同4位のゲイラン・インターナショナル(シンガポールリーグ)、同1位のシャン・ユナイテッド(ミャンマー、ただしシャン・ユナイテッドがACL出場権を獲得した場合には同3位のエーヤワディー・ユナイテッドが繰り上げでこのグループに参加します。)と同組となりましたが、G組、H組と比べるとやや楽な組に入った印象です。
 トレンガヌのズル・ファドリ・ロジ チームマネージャーは、この組み合わせを好機と捉えてグループステージ突破を目指したいとブルナマに話しています。
 FCカップのアセアン地区グループステージは6月22日から28日に一回戦総当たりの集中開催が予定されています。(ただし開催地は未定。)

ACLグループステージ組み合わせ決定-JDTは中国リーグ優勝クラブや名古屋と同組に
 AFCカップのグループステージ組み合わせ抽選に続いて行われた2021年AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージ組み合わせ抽選で、Mリーグ7連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDTは予選G組となり、昨季の中国リーグチャンピオンの江蘇蘇寧、Jリーグ3位の名古屋グランパス、そして第3プレーオフの勝者と同組となっています。
 Mリーグ1部優勝チームがプレーオフを経ずにACLへ参加できるようになって今回が3大会目ですが、3年連続の出場となるJDTは過去2大会で日本のクラブとは1勝2敗、中国のクラブとは0勝2敗という成績を残しています。(注:新型コロナウィルスにより中断した昨季2020年ACLグループステージが集中開催で再開した際、JDTはマレーシア政府から開催地カタールへの渡航が認められれず大会途中で事態となり、正式記録では対ヴィッセル神戸(5-1でヴィッセルの勝利)の記録は無効になっている他、同組だった広州恒大(中国)とも対戦しませんでした。)
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 ACLでは既にホームでは勝点3を挙げているJDTの今季の現実的な目標はアウェイマッチでの勝点3獲得ですが、今季もなかなか厳しい組に入ってしまったようです。

JDTは英国1部のU23チームでプレーするナサニエル・シオと契約
 JDTは公式Facebookで英国1部ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズのU23チームでプレーする20歳のMFナサニエル・シオ・ホング・ワンと契約をしたことを発表しています。ロンドン生まれのシオ選手はジョホール州出身のマレーシア人の母親と中国人の父親を持ち、イギリス、マレーシア、中国の代表でプレーする資格があるということです。
 JDTの公式Facebookでは、シオ選手のマレーシア国籍取得を条件とした獲得であるとして、シオ選手の現在の契約が切れる6月以降からマレーシア国籍取得手続きを始めるとしています。

1月28日のニュース:スランゴールFCにスイス出身MFが加入、スランゴールFCのナイジェリア出身FWがアジア枠に変更か、スリ・パハンFC前監督がチームマネージャーに就任、マレーシアでも故ベングロシュ氏を悼む声

スランゴールFCにスイス出身MFが加入
 Mリーグ1部のスランゴールFCは公式サイト上で、スイス出身のMFオリヴァー・バフと契約したことを発表しています。
 U15からU21スイス代表でのプレー経験があるバフ選手は、2012年のロンドンオリンピック出場経験がある他、2009年のU17W杯で優勝したスイスU17代表のメンバーとして、大会7試合中6試合に出場しています。
 28歳のバフ選手はFCチューリッヒのユース出身で、2010年から2017年までトップチームでプレーした後、スペイン2部リーグのレアル・サラゴザ、キプロス1部リーグのアノルトシス・ファマグスタ、スイス2部グラスホッパー・クラブ・チューリッヒを経て、スランゴールFCに加入しています。
 アジアでプレーするのは今回が初めてのバフ選手はスランゴールFCからオファーを受けた後、カルステン・ナイチェル監督、そしてマイケル・ファイヒテンバイナーTD(テクニカルダイレクター)と話をする機会があり、2人からクラブの今後の計画を聞いた上で入団を決めたことも明かしています。
 またナイチェル監督もかつて自身が監督を務めていたドイツのクラブでこのバフ選手を獲得しようとしたものの実現しなかったこと、そしてFCチューリッヒ時代からバフ選手に関心を持っていたことを明かした上で「状況判断力があり攻守ともに質が高いバフ選手はスランゴールFCの若い選手の良い手本となりうる。スランゴールFCでは持てる力を全て発揮してほしい。」と話しています。

スランゴールFCのナイジェリア出身FWがアジア枠に変更か
 同じスランゴールFCのナイジェリア出身FWイフェダヨ・オモスイが、今季2021年シーズンはアジア枠外国籍選手として登録される可能性をスポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会のシャーリル・モクタル会長代理によると、昨季のMリーグ1部の得点王でもあるイフェダヨ選手は現在、バーレーン国政機獲得の手続きを行なっているということです。これが実現すれば、アジアサッカー連盟のメンバーであるバーレーン国籍保持者はアジア枠外国籍選手としての登録が可能となります。
 スランゴールFCの今季の外国籍選手はこのイフェダヨ選手の他、上の記事で取り上げたバフ選手、ドイツ出身のDFティム・ホイバッハ、スリ・パハンから加入したアセアン東南アジア枠のMFサフアン・バハルディン(シンガポール)の4名が確定していますが、イフェダヨ選手がアジア枠となれば欧州やアフリカ、あるいは南米出身の選手の獲得も可能になります。

スリ・パハンFC前監督がチームマネージャーに就任
 Mリーグ1部のスリ・パハンFC(前パハンFA)は元アメリカ代表主将としてW杯出場経験もあるトーマス・ドゥーリー新監督が就任しましたが、昨季まで監督を務めたドラー・されー前監督は今季からスリ・パハンFCのチームマネージャーに就任すると、マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 スリ・パハンFCのモハマド・スフィアン・アワンCEOは2人の「レジェンド」が協力することで、チームに好影響がもたらされることを期待していると話しています。「2人はいずれも選手として国際舞台も含めた豊富な経験を持っており、外国籍選手を含めた選手の力を引き出してくれるだろう。」と期待を述べています。
 選手として2大会のW杯出場の他、アメリカ代表のアシスタントコーチやフィリピン代表監督の経験もあるドゥーリー新監督に対して、ドラー前監督は選手としてはマレーシア代表として74試合に出場、監督としてはMリーグの複数クラブの他、マレーシア代表監督として58試合を指揮した経験を持っています。

マレーシアでも故ベングロシュ氏を悼む声
 2002年にジェフユナイテッド市原(現ジェフユナイテッド市原・千葉)を指揮したジョゼフ・ベングロシュ氏の訃報が報じられています。1月26日にスロヴァキアサッカー協会が公式サイトで発表したベングロシュ氏死去のニュースを報じる日本のメディアではその記述が全く見つけられませんでしたが、故ベングロシュ氏はかつてクアラルンプールFA(現クアラルンプール・ユナイテッドFC)やマレーシア代表で監督を務めた経験もあり、当時を知る人々からベングロシュ氏を悼む声が上がっていることをマレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 1985年にクアラルンプールFAの監督に就任したベングロシュ氏は1986年にクラブ初タイトルとなるMリーグ1部優勝をもたらすと、そのまま代表監督に就任し、同じ1986年には日本も出場したムルデカ大会で優勝を果たしています。しかし期待されて臨んだ同1986年の韓国ソウルでのアジア大会では1分2敗の成績でグループステージを突破できませんでした。
 ベングロシュ氏が監督時代にクアラルンプールFAの主将を務めていたタン・シュウセン氏は「ベングロシュ氏の練習方法は単純明快で理解がしやすい上、性格の良さもあって選手たちはまずベングロシュ氏を敬意を持って受け入れ、彼のことがより詳しく理解できるようになると、今度は選手は父親のように慕う存在になった。その結果として、チームは彼の持ち込んだ練習方法や彼の知識を素直に受け入れ、それが1986年の初優勝に結びついた。」と話しています。
 また現在はMリーグ1部PJシティFCのU21チームの監督を務めるグナラン・カルピア氏はクアラルンプールFAと代表の両方でベングロシュ氏の指導を受けており、その思い出として時間に厳格だったことが印象に残っていると話し、ベングロシュ氏がクアラルンプールFA監督を務めた期間は2年弱ながら、チームに近代サッカーをもたらすという遺産を残したおかげで、彼がクラブを去り代表監督となった後も、クアラルンプールFAは1987年までマレーシアカップを3連覇することができたとも話しています。
(下はクアラルンプール・ユナイテッドFCの公式Facebookに投稿された追悼メッセージ)


1月21日のニュース:KLユナイテッドは昨季Mリーグで9得点のFWらを獲得、FAMはMリーグ全クラブに改めて練習中止を指示、スランゴールFCのセカンドチームにガーナ出身の2選手が期限付き移籍、J3沼津移籍のハディ・ファイヤッドが入団発表会見

KLユナイテッドは昨季Mリーグで9得点のFWらを獲得
 今期からMリーグ1部に昇格するクアラルンプール・ユナイテッド(KLユナイテッド)は公式サイトで、昨季は1部のトレンガヌFCで9ゴールを挙げたFWドミニク・ダ・シルヴァの加入を発表しています。9ゴールはチーム最多、またリーグ全体でも3位に当たりますが、トレンガヌFCはダ・シルヴァ選手との契約を更新しませんでした。
 またKLユナイテッドは、モーリタニア出身のダ・シルヴァ選手の他にも、MFショーン・ガン・ジャネリトンとの契約更新やGKジュリアン・ヨハン・ベックラーの新加入も発表しています。ともにマレーシア人の母親を持つジャネリ選手とベックラー選手はマレーシア人選手として登録されます。クアラルンプール出身で24歳のジャネリ選手は地元のユースクラブなどでプレーした後、父親の母国であるイタリアの下部リーグでプレーした後、昨季からはクアラルンプールFA(現KLユナイテッド)と契約しましたが、ケガのため1試合に出場したのみでした。またミュンヘン出身のベックラー選手は私立大学の奨学生としてマレーシアへ渡航し、昨季はJDT IIIに所属したものの、試合出場はありませんでした。
 KLユナイテッドは、昨季はクダFA(現クダ・ダルル・アマン)でプレーした地元出身のDFイルファン・ザカリアの加入も数日前に発表しており、この他には昨季はマラッカ・ユナイテッドでプレーしたMFロメル・モラレスの獲得なども噂されています。

FAMはMリーグ全クラブに改めて練習中止を指示
 サラワク州を除くマレーシア全土に施行される活動制限令MCO期間中の代表合宿の開催が監督官庁である青年スポーツ省によって許可されたニュースは昨日のこのブログでも取り上げましたが、これはあくまでも代表チームにのみ許可されたものであり、Mリーグ1部と2部のクラブはMCO期間中の練習を行わないようマレーシアサッカー協会FAMが改めて指示を出しています。
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版によれば、Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLの理事でもあるFAMのモハマド・ユソフ・マハディ・ユソフ会長代理は、青年スポーツ省による代表合宿開催許可はあくまでも「国の利益のため」であり、Mリーグクラブの練習再開とは無関係であると明言しています。
 また明日1月22日からプルリス州、クダ州、パハン州、トレンガヌ州、ヌグリスンビラン州にも施行されるMCOは2月4日までの14日間とされており、2月26日開幕予定の今季Mリーグの日程への影響も必至で、そもそも各クラブがいつから練習を再開できるかも未定となっています。

スランゴールFCのセカンドチームにガーナ出身の2選手が期限付き移籍
 Mリーグ2部のスランゴール2は1部スランゴールFCのセカンドチームですが、このスランゴール2にガーナ2部リーグのアクラ・ライオンズFCから2選手が期限付き移籍で加入することがクラブの公式サイトで発表されています。
 今回期限付きで移籍するのはFWジョージ・アトラム(20)とDFジョーダン・アイムビラ(19)の2選手で、2人は既にマレーシアに入国しており、全渡航者に義務付けられている検疫隔離も終えているということです。
 スランゴールFCのマイケル・ファイヒテンバイナーTD(テクニカルダイレクター)とアクラ・ライオンズFCのライナー・クラフト監督が互いに知り合いであることから実現したというこの移籍について、ファイヒテンバイナーTDはストライカーのアトラム選手とセンターバックのアイムビラ選手はスランゴールFCのプレースタイルに適応が可能だと話しており、さらにこの機会を生かしてスランゴールFCをマレーシア人選手だけでなく、外国籍選手も育てられるクラブにしたいとも話しています。

J3沼津移籍のハディ・ファイヤッドが入団発表会見
 2年間在籍したJ2のファジアーノ岡山からJ3のアスルクラロ沼津へ期限付き移籍したU23代表のハディ・ファイヤッドが入団発表会見を行なったと、ブリタハリアンが報じています。
 今季から沼津に加入する10名の選手の1人として入団会見に臨んだハディ選手は今季から27番をつけるユニフォームを披露した後、早速、練習に参加したということです。岡山時代の28番から27番にした理由として、彼を支援しているヤクルトマレーシア社の濱田浩志社長のアドバイスもあり、岡山時代より一歩でも前に進みたいという決意の現れと話したハディ選手は、チームの戦力となり、できるだけ多くの試合に出場したいと話したということです。
(写真は練習に参加したハディ選手-アスルクラロ沼津の公式Facebookより)

1月10日のニュース:PJシティの選手が新型コロナ陽性、クアラルンプールUにはホダック新監督が急遽就任、マラッカU監督は新外国籍選手に期待

PJシティの選手が新型コロナ陽性
 2月下旬の今季2021年シーズン開幕に迎え、各クラブはプレシーズンの練習を始めている中、Mリーグクラブとして初の新型コロナウィルス陽性者が1部のPJシティFCから数名出たと、英字紙スター電子版が報じています。
 2月下旬に予定されている今季Mリーグの開幕前に各クラブには新型コロナウィルスに対する検査が義務付けられており、PJシティFCは先月12月29日に選手と監督、コーチ及び関係者全員が検査を受けたということですが、その際には3名のコーチと6名の選手に陽性反応が出ており、この内の数名は入院、残りは自宅で隔離を行い、陰線反応が出た残りの選手やスタッフも自宅待機となっていました。
 そして1週間後の今月4日に前回の検査で陽性反応が出た選手たちを対象に再検査を行ったところ、選手1名から再度陽性反応が出たということです。
 PJシティFCのガネシュ・シャンムガンCEOは今回の報道を認めた上で、全ては管理下にあり心配は無用と話しています。
 Mリーグ1部と2部の全てのクラブは既にプレシーズン練習を開始していますが、今回のPJシティFC以外には新型コロナウィルス陽性反応が出たケースはこれまで報告されていませんでした。

クアラルンプールUにはホダック新監督が急遽就任
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロは、今季Mリーグ1部に昇格するクアラルンプール・ユナイテッドFCの新監督に前マレーシアU19代表監督でクロアチア出身のボジャン・ホダック氏が就任すると伝えています。
 スタジアムアストロの取材に対し、先週、クアラルンプール・ユナイテッドのスタンリー・バーナードCEOから連絡を受けて、チームの現状を説明された上で監督としてのオファーを受けたと話すホダック氏は1年契約プラス1年延長のオプションで契約を結んだことを明らかにしています。
 ケランタンFA(現ケランタンFC)やJDTなどでの監督経験もあるホダック氏は2012年にはケランタンFAをクラブ史上初の国内三冠(リーグ戦、FAカップ、マレーシアカップ)に導いた他、2014年には昨季まで続いているリーグ7連覇の初年度となるリーグ優勝を果たすなど、Mリーグでの実績は十分な監督です。またU19代表監督時代は2017年アジアサッカー連盟AFC U19選手権出場や2018年の東南アジアサッカー連盟AFF U19選手権優勝なども達成しています。
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 クアラルンプール・ユナイテッドの監督には、チリ出身で前東ティモール代表監督を務めたシモン・エリゼッチ氏が就任することが報じられていましたが、今季開幕まで1ヶ月ほどに迫った中での急転直下のホダック監督就任となりました。

マラッカU監督は新外国籍選手に期待
 昨季は給料未払いで勝点3を剥奪されMリーグ1部で9位となったマラッカ・ユナイテッドですが、昨季から続投するザイナル・アビディン・ハサン監督は、今季から加入する新外国籍選手の存在がクラブの順位を押し上げることを期待していると話しています。
 マラッカ・ユナイテッドは昨季はチーム最多の6ゴール(11試合)を挙げたFWウチェ・アグバ(ナイジェリア)と司令塔MFロメル・モラレス(アルゼンチン)と契約を更新しませんでしたが、両選手に代わってフィリピン代表のMFマヌエル・オット(フィリピン1部ユナイテッド・シティFC、旧セレス・ネグロスFCから加入)とクロアチア出身のFWイヴァン・レンドリッチ(クロアチア1部FKジェリェズニチャル・サラエヴォより加入)を新たに獲得しています。この新戦力に昨季からプレーするDFジャン・スクウォン(韓国)、MFソニー・ノルデ(ハイチ)が加わり、5つある外国籍選手枠の4枠が確定しており、ザイナル監督はレンドリッチとコンビを組むもう一人の外国籍FWの獲得を予定していることも明かしています。
 昨季のマラッカ・ユナイテッドは、給料未払いを理由にアセアン(東南アジア)枠で在籍していたナルポン・ワイルド(タイ)が新型コロナウィルスによるMリーグ中断中の7月に退団しており、再開した第5節以降、最終第11節までは外国籍選手4名で戦うことを強いられていました。

1月8日のニュース:鈴木ブルーノはPDRM FC加入か、昨季TFC得点王はクアラルンプールUとの契約間近か、タイのクラブ退団のスマレはクダFC入り後に期限付き移籍でJDT入りか

今日はソーシャルメディア上の噂を3本集めました。

鈴木ブルーノはPDRM FC加入か
 2017年からMリーグでプレーし、昨季は2部トレンガヌFC IIで主将も務めながら、シーズン終了後に退団となった鈴木ブルーノ選手ですが、その勇姿が今季もMリーグで見られそうです。
 英字紙スターのスポーツ記者でMリーグの移籍情報に詳しいアヴィネシュワラン・タハルマレンガム記者のツイートによれば、鈴木選手は昨季は1部で12位となり今季は2部に降格するPDRM FCとの契約が間近とのことです。
 過去3年間は1部トレンガヌFCのセカンドチームであるトレンガヌFC IIでプレーしながら、シーズン中にはトップチームでプレーすることもあった鈴木選手は、今季も1週間にトップチームとセカンドチームの両方の公式戦に出場するなどタフネスぶりを発揮しただけでなく、トレンガヌFC IIの昨季2位躍進の立役者でもありました。
 昨季は給料未払いを理由に開幕前に勝点3を剥奪されて、短縮されたシーズンとは言え最終的には勝点がマイナス1という屈辱的な成績で降格するPDRM FCは、新たにマット・ザン・マット・アリス新監督の就任を発表していますが、選手の顔ぶれも大きく代わる中、Mリーグ5年目となるブルーノ選手の加入でサンタンの1部復帰が果たせるかどうかに注目が集まります。

昨季TFC得点王はクアラルンプールUとの契約間近か
 昨季2020年シーズンはチーム最多の9ゴール(11試合)を決めながら、トレンガヌFCが契約を延長しなかったドミニク・ダ・シルヴァが今季からMリーグ1部に昇格するクアラルンプール・ユナイテッドFC(旧クアラルンプールFA)との契約間近と、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 トレンガヌFCは2019年シーズンの7位から昨季3位と躍進し、アジアサッカー連盟AFCカップの出場権を獲得しましたが、それに貢献したダ・シルヴァ選手は1年契約終了後に延長オファーを出されることなく退団しています。
 昨季の実績に加え、新型コロナウィルスによる厳格な入国及び出国制限が課せられているマレーシアは国外から外国籍選手獲得が難しいことから、これまでも複数のMリーグクラブが獲得交渉を進めているという噂がありました。
 来季はチリ出身で前東ティモール代表監督を務めたシモン・エリゼッチ氏が就任することが発表になっているクアラルンプール・ユナイテッドFCはクダ・ダルル・アマンFCからハディン・アズマン、PJシティFCからサフィー・サリといった代表経験者を獲得しており、ダ・シルヴァ選手が獲得できれば攻撃陣はほぼ補強完了と言えます。

タイのクラブ退団のスマレはクダFC入り後に期限付き移籍でJDT入りか
 先月12月いっぱいでタイ1部ポリス・テロFCとの契約が切れた代表選手のモハマドゥ・スマレが既にマレーシアに戻っていることはこのブログでも取り上げましたが、そのスマレ選手がMリーグ1部クダ・ダルル・アマンFC(旧クダFA)と既に契約済みという噂があります。
 新型コロナウィルス感染拡大に伴う昨季のMリーグ中断期間中に給料未払いを理由に所属していたパハンFA(現スリ・パハンFC)を離脱しタイに渡ったスマレ選手ですが、タイで所属した1部ポリス・テロFCでは合計で111分間という出場時間が示すように、出場機会には恵まれませんでした。
 そしてそのスマレ選手は既にクダ・ダルル・アマンFC(KDA FC)と契約済みという噂がソーシャルメディア上にありますが、KDA FCは昨季は同じ1部のUITM FCでプレーしたレバノン代表のMFラビ・アタヤを獲得しており、アタヤ選手がこのスマレ選手と同じ右ウィングであることから、スマレ選手が期限付きでJDTへ移籍可能性も取り沙汰されています。
 またこのスマレ選手のJDT移籍と交代する形でリリドン・クラスニキのKDA FCへの期限付き移籍の可能性も噂されています。FIFAの規定によりマレーシアで5シーズンプレーし昨年2月にマレーシアに帰化したコソボ出身のクラスニキ選手ですが、JDTではトップチームのレギュラーどころかベンチ入りすらできず、昨季はセカンドチームのJDT IIでプレーしました。今年再開するFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選の切り札とされるクラスニキ選手ですが、リーグ出場機会を求めてKDA FCへスマレ選手と入れ替わりの形でKDA FC入りとなるのではという噂です。そもそもクラブチームであるJDTでレギュラーになれない選手がそもそも代表入りできるのか、という疑問も残りますが、噂とはいえ理に叶っていますので、あながち噂だけで済まないかも知れません。

12月14日のニュース:スランゴールFCはドイツ出身DFと契約、ペナンFCはタジキスタン出身FW獲得、サラワクUにはマットヨーと前スランゴールFC主将が加入か、クアラルンプールUのCEOにMリーグ中継のコメンテーターが就任

スランゴールFCはドイツ出身DFと契約
 Mリーグ1部のスランゴールFCは公式Facebook上で、ドイツ出身のティム・ホイバッハの加入を正式発表しています。
 32歳のホイバッハ選手は身長192cmのDFで、イスラエル1部リーグのマッカビ・ネタニヤFCからの加入となっています。2017年にマッカビ・ネタニヤFCへ移籍する前にはドイツリーグのボルシア・メンヒェングラートバッハや1.FCカイザースラウテルンのリザーブチームなどでのプレー経験もあるということです。
 2017年からプレーするマッカビ・ネタニヤFCでは過去4シーズンで82試合に出場しています。
 「アジアではこれまでプレーしたことがないが、新たな挑戦の場としたい。」と話すホイバッハ選手はに、ドイツ出身で来季からスランゴールFCの指揮を取るカルステン・ナイチェル新監督とすでにドイツ国内で面会を済ませていることも明かしています。
 「ナイチェル監督の元でプレーしたことはないが、かつては敵味方に分かれて試合をしたことはある。面会した際にはナイチェル監督の考えや自分に期待していることなどを聞くことができた。」と話すホイバッハ選手は、スランゴールFCの試合はYoutubeなどで観戦済みということで、ナイチェル新監督とともにスランゴールFCでの新たな挑戦を楽しみにしていると話しています。
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 この記事とは別に、昨年の東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場するU23代表に招集されながら、書類不備で参加できなかったアメリカ在住でアメリカ1部MLSのスポーティングカンザスシティに所属するワン・クザイン・ワン・カマルが最近、クラブから放出されており、スランゴールFCが彼を獲得するのではという噂が実しやかに流れています。

ペナンFCはタジキスタン出身FW獲得
 今季はMリーグ2部で優勝し、来季1部へ昇格するペナンFCは、公式インスタグラムでタジキスタン出身のシェリディン・ボボエフの加入を発表しています。
 21歳のボボエフ選手は182cmのセンターフォワードで、タジキスタン1部リーグで7連覇中のイスティクロル・ドゥシャンベから加入します。トランスファマルクトの記録では今季2020年シーズンは16試合に出場し、10ゴールを挙げているようです。
 ペナンFCは今季もプレーしたカサグランデ、エンドリック・サントス、ラファエル・ヴィトールのブラジルトリオは残留することが決まっている他、インドネシア1部のプルシジャ・ジャカルタよりリュウジ・ウトモが期限付き移籍で加入しており、外国籍選手のアジア枠を埋めるボボエフ選手の加入で、外国籍選手枠は全て埋まりました。
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 ペナンFCのアジア枠には日本人選手も候補に上がっているという報道もありましたが、実現しなかったようです。

サラワクUにはマットヨーと前スランゴールFC主将が加入か
 サッカー専門サイトのヴォケットFCは、今月いっぱいでタイ1部BGパトゥム・ユナイテッドを退団する代表FWのマットヨーことノーシャルル・イドラン・タラハと今季はスランゴールFCで主将を務めたオーストラリア出身のDFテイラー・リガンが、Mリーグ2部のサラワク・ユナイテッドFCに加入すると報じています。
 ノーシャルル選手のMリーグ復帰を明かした代理人のワン・モハマド・アンワリ氏は、サラワク州サッカー協会が運営するサラワク・ユナイテッドFCがかつての栄光を取り戻したいという目標に対し、BGパトゥム・ユナイテッドで出場機会がなかった代表FWノーシャルル選手がタイからの移籍に合意した結果であると話しています。
 またスポーツ専門サイトのスタジアムアストロは、今季スランゴールFCで主将を務めたテイラー・リガンも同じサラワク・ユナイテッドFCへ加入すると報じています。
 2016年にヌグリスンビランFAでプレーした後、一旦は母国オーストラリアの1部リーグのアデレード・ユナイテッドに復帰しましたが、2019年にスランゴールFCに加入し、今季まで2年間プレーしています。
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 同じサラワク州内に拠点を持つクチンシティFCは今季2部で4位に躍進し、大きく差をつけられた格好のサラワク・ユナイテッドFCですが、この大型補強で巻き返しとなるのでしょうか。

KLユナイテッドFCのCEOにMリーグ中継のコメンテーターが就任
 今季Mリーグ2部で3位となり来季は1部に昇格するクアラルンプール・ユナイテッド(来季から、今季まではクアラルンプールFA)を運営するKLユナイテッドFC社は、新CEOとしてスタンリー・ベルナルド・ステファン・サミュエル氏の就任を発表しています。
 スタンリー氏は、現在はMリーグ中継やサッカー関連番組のコメンテーターとして知られていますが、現役晩年はクアラルンプールFAでプレーした他、インドI(アイ)リーグのスポルティング・クルーベ・デ・ゴアでプレーし、インドリーグでプレーした初めてのマレーシア人でもあります。また代表でのプレー経験もあります。

11月27日のニュース:前トレンガヌFC監督はMリーグクラブとの交渉を認める、前ヌグリスンビラン監督は2部のクラブと契約間近か、FAMは1部クラブに規則に則った監督採用を求める、TFC IIは来季の外国籍選手を発表-鈴木ブルーノ選手の退団が決定

世間はディエゴ・マラドーナ氏の逝去とあまりにも派手だったその過去を振り返る記事で溢れていますが、こちらは今日も平常通りMリーグ関連のニュースです。

前トレンガヌFC監督はMリーグクラブとの交渉を認める
 前トレンガヌFC監督のイルファン・バクティ・アブ・サリム氏がMリーグの複数のクラブと来季の監督就任ついて交渉を行ったことを明らかにしています。
 マレーシア語紙コスモ!電子版によれば、交渉を行なったのはMリーグ2部のヌグリスンビランFAとクチンFAがそのクラブということで、ヌグリスンビランFAとの交渉では来季の目標として今季12位中11位だったチームを1部昇格圏内まで押し上げることを挙げて好感触を得た一方、クチンFAからは2ヶ月前に試合の観戦に招かれ、その席で交渉が行われたと話しています。
 69歳のイルファン氏は「監督としてMリーグに戻れるのであれば、どのクラブで監督にするかは重要ではない。」と話2年ぶりの現場復帰への意欲を見せているということです。

前ヌグリスンビラン監督はMリーグ2部のクラブと契約間近か
 前ヌグリスンビランFA監督のマット・ザン・マット・アリス氏は来季の監督就任に向けてMリーグ2部のクラブと最終交渉に入っていると、マレーシア語紙のハリアンメトロ電子版が報じています。
 現時点ではクラブ名は明かすことができないと話すマット・ザン氏は、正式に契約となった時点でクラブ名を公表するとしていますが、来季はMリーグに復帰することは明らかであると話しています。
 昨季2019年シーズン途中で成績不振により「休養」を命じられたとマット・ザン氏は、今季はMリーグ3部にあたるM3リーグのムラワティFCの監督に就任しましたが、M3リーグは新型コロナウィルス観戦拡大の影響を受け、中止に追い込まれています。
 マット・ザン氏はヌグリスンビランFAの他、クアラルンプールFAやトレンガヌFA(現トレンガヌFC)、マラッカ・ユナイテッドなどでも監督を務め、クアラルンプールFAでは1999年にFAカップを、またトレンガヌFAでは2001年にマレーシアカップを監督して獲得した経験もあります。

FAMは1部クラブに規則に則った監督採用を求める
 マレーシアサッカー協会FAMはMリーグ1部の監督にはアジアサッカー連盟AFCプロフェッショナルディプロマ(AFCプロライセンス)の保持を義務付けていますが、サバFA、クアラルンプールFA、ペナンFAの各クラブは来季のMリーグ1部については柔軟な対応を求めています。
 これについてFAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長はスポーツ専門サイトのスタジアムアストロの取材に対し、最終決定は近日中に行われるFAMのクラブライセンス委員会で決定するとしながら、自身の意見としては来季に限っての特例を認められる可能性は低く、各クラブに従来の規則に基づいて監督を採用するべきだと話しています。
 サバFAのジュリアス・アティン、クアラルンプールFAのニザム・アズハ・ユソフ、ペナンFAのマンズール・アズウィラ各監督は、AFCプロライセンスを保持しておらず、また新型コロナウィルスの影響により、ライセンス取得のためのコースも今年は開催されなかったことから、各監督の所属クラブはFAMに対して柔軟な対応を求めていました。

TFC IIは来季の外国籍選手を発表-鈴木ブルーノ選手の退団が決定
 Mリーグ2部のトレンガヌFC IIを運営するTFC社は、Mリーグ1部のトレンガヌFC(TFC)のセカンドチームであるトレンガヌFC II(TFC II)で今季プレーした4名の外国籍選手のうち、モンテネグロ出身のDFアグジム・レゾヴィッチとガーナ出身のFWジョーダン・ミンターの2名が残留し、コートジボアール出身のMFデチ・マルセルとFW鈴木ブルーノの退団を発表しています。
 マレーシア語氏ブリタハリアンによると、TFC社のモハマド・サブリ・アバスCEOはレゾヴィッチ選手は契約期間がもう1年残っている上、シーズン途中でプレーしたTFCでも守備面で貢献したことが評価され、ミンター選手も首脳陣が残したいと思う活躍をしたと話す一方で、今季、主将を務めた鈴木ブルーノ選手とマルセル選手の契約は更新されなかったことを明らかにしています。
 今季Mリーグ2部で2位となったTFC IIのトップチームであるTFCも、今季在籍した5名の外国籍選手全員と契約を更新しておらず、来季のTFCとTFC Iiは今季とは全く違ったチームとなりそうです。
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 鈴木ブルーノ選手はすでにソーシャルメディア上でサポーターに退団を伝える様なメッセージを投稿していましたが、正式に発表されるとやはり残念です。鈴木選手には来季も是非、MリーグでプレーしてTFCを公開させる様な活躍を期待したいです。


 

11月25日のニュース:KLFAの新監督に元東ティモール代表監督が就任、サバFCが新しいロゴとTMを発表、現役引退の中武氏が未払い給料について語る

KLFAの新監督に前東ティモール代表監督が就任
 今季Mリーグ2部で3位となり、来季は1部に昇格するクアラルンプールFAは新監督にチリ出身で前東ティモール代表監督を務めたシモン・エリゼッチ氏が就任すると、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 クアラルンプールFAは、今季、2部で指揮を取ったニザム・アズハ・ユソフ監督が1部クラブで監督を務めるのに必要なAFCプロフェッショナルコーチングディプロマ(AFCプロディプロマ)を保持していないため、新たな監督を探していました。
 クアラルンプールFAを運営するクアラルンプールサッカー協会のノクマン・ムスタファ事務局長は、エリゼッチ氏と契約したことを認めた上で、エリゼッチ氏がクアラルンプールサッカー協会が設ける重要業績指標KPIを6ヶ月以内に達成できれば契約を延長し、達成できなければ監督交代となることも明らかにしています。
 チリ出身で43歳のエリゼッチ氏は、現在は日本人の築舘範男監督が指揮する東ティモール代表で築舘監督の前任者として2017年から2018年まで監督を務めた他、複数のインドネシアのクラブでも監督経験があるということです。
 またノクマン事務局長は、今季クアラルンプールFAでプレーした外国籍選手のうち、ブラジル出身で今季は主将を務めたMFパウロ・ジョズエは複数年契約のため給料の見直しは行われないとしていますが、残るFWフランシス・コネ(トーゴ)、DFアザマト・バイマトフ(キルギスタン)、MFニコラス・ドゥル(アルゼンチン)については、残留を希望する場合は給料削減を受け入れる必要があると話しています。
 「来季に向けて既に12名の選手と契約延長を行い、現在はジョズエ選手を除く3名の外国籍選手が残留を希望するかどうかの返事を待っている。U21のプレジデントカップチームからは6名ほど昇格させ、残りは他のクラブとの契約を結んでいない地元出身の選手を獲得したいと考えている。」とノクマン事務局長は話しています。

サバFCが新しいロゴとTMを発表
 今季Mリーグ1部に10位に終わったサバFAは来季はサバFCとなりますが、その新しいクラブロゴと新たなチームマネージャーを発表しています。
 これまでサバ州サッカー協会(サバ州FA)が運営してきたサバFAは、他のMリーグクラブ同様、来季からはサバ州FAから独立し、新たな運営会社サバFC社によって運営され、クラブの名称もサバFCとなります。
 ロゴデザインコンテスト開催後、サポーターによる人気投票の結果決定した新たなクラブロゴは公式Facebook上で発表され、サバ州旗にも使われている白、赤、青を使い秋の象徴でもあるキナバル山が中心に据えられています。

 またサバFCは来季のチームマネージャーTMにジュリアス・アティン氏が就任したことも明らかにされています。今季1部に昇格したサバFAを昨季2019年シーズンに指揮したいたのがジュリアス氏でした。しかしこのジュリアス氏も1部で監督に就くために必要なAFCプロディプロマを保持していないことから、今季から就任したインドネシア出身のクルニアワン・ドゥイ・ユリアント監督の元でアシスタントコーチを務めました。
 そのクルニアワン・ドゥイ・ユリアント監督は、今季終了後に契約が更新されなかったことから、ジュリアスTMは新たな監督とタッグを組むことになります。

現役引退の中武氏が未払い給料について語る
 今季Mリーグ終了後に現役引退を発表した中武駿介氏は、かつてプレーしたMリーグ2部のクアンタンFAの未払い給料5万リンギ(およそ128万円)がマレーシアでプレーした5年間での最悪の思い出だとマレーシア語紙ハリアンメトロ電子版に語っています。
 今季はMリーグ2部のヌグリスンビランFAでプレーした中武氏は、マレーシアでのサッカー環境はとても良く、地元サポーターやチームメイト、所属クラブ全てが良かったと話す一方で、数ヶ月間の給料が未だ未払いとなっているクアンタンFAでの経験は忘れることができない経験であると話し、未払い給料についてはマレーシアサッカー協会FAMやFIFAにも申し立てを行ったが、未だ解決していないことも明らかにしています。
 ヤクルトマレーシア社と同社の濱田浩志代表取締役社長による引退セレモニーの席上で、同社より今季の最多アシスト賞表彰を受けた中武氏に対し、30歳という若さでの現役引退の理由に話が及ぶと、マレーシアで5年間、そしてその前にはシンガポールで2年間プレーした中武氏は、クアンタンFAでの「醜悪な出来事」が理由ではなく、日本へ戻って一緒に時間を過ごして欲しいという家族の希望によるものであると話しています。
 今季はリーグ最多アシストも記録した中武選手に対し、FIFAによる規定では5年間の継続居住歴があれば帰化選手となる資格が得られることから、帰化選手となりマレーシア代表でプレーすることは考えなかったかと問うメディアに対しては、FAMも自身に接触してきておらず、一部メディアやネット上で話題になったものの、自分は考えたことがないと答えています。


 

11月2日のニュース:Mリーグは今季全日程終了、マレーシアカップの組み合わせ決定、タイ1部リーグ第11節-ノーシャルルは出場せず

Mリーグは今季全日程終了
 Mリーグは順延されていた2部プレミアリーグ第11節のクアラルンプールFA対クチンFAの試合が10月31日に開催され、これで今季の全日程を終了しました。
 同じく順延されていた1部スーパーリーグ第11節のサバFA対UITM FC戦が中止となったことで、午後5時キックオフが予定されていた試合は、午後9時に変更となりました。

10月31日(土)
マラッカ州ハンジェバスタジアム
クアラルンプールFA 0-2 クチンFA
得点者:クチンFA-ブライアン・アニゼシオ(21分)、鈴木雄太(38分)
 前節第10節に続く鈴木選手のゴール(今季通算3ゴール目)などでクチンFAが快勝しています。この結果、今季2部に昇格したばかりのクチンFAは、リーグ4位の好成績で今シーズンを終了しています。
 クチンFAの鈴木雄太選手と谷川由来選手もいずれも先発してフル出場しています。
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 新型コロナウィルスの影響でリーグが中断となるまでの4試合は0勝1分3敗で3得点6失点と2部の壁に苦しんだクチンFAですが、8月28日にリーグが再開されると、そこからの7試合は5勝0分2敗で14得点13失点、特に直近の5試合に関して12得点4失点で5連勝を飾り、内2試合は完封勝ちするなど調子を上げてきており、11月6日に開幕するマレーシアカップへ臨みます。
 また今季2020年シーズンの2部プレミアリーグ最終順位は以下の通りです。

マレーシアプレミアリーグ2020年シーズン最終順位表

順位クラブ試合得点失点得失差勝点
1+^ペナンFA118212481626
2トレンガヌFC II117131714322
3+^クアラルンプールFA116322114721
4+クチンFA115151719-216
5JDT II114342017315
6+ケランタンFA1153314113*15
7スランゴール2114161723-613
8ケランタンU114071319-612
9UKM FC113351117-612
10サラワクU113261416-211
11ヌグリスンビランFA113261220-811
12ペラ II111551113-28
^ペナンFAとクアラルンプールFAは2021年シーズンの1部昇格が決定しています。
+は上位5クラブに出場資格が与えられるマレーシアカップ出場権を獲得したクラブ(Mリーグ1部にトップチームを持つBチームにはマレーシアカップ出場資格はありません。)
*5位のケランタンFAは給料未払い問題により勝点3が剥奪されています。

マレーシアカップの組み合わせ決定
 マレーシアフットボールリーグMFLは公式Facebook上で、11月6日に開幕するマレーシアカップの1回戦組み合わせ抽選の結果を発表しています。1部スーパーリーグの上位11クラブと2部プレミアリーグ5クラブ(1部にトップチームを持つセカンドチームのクラブは除く)が出場するこの大会は、11月1日にスランゴール州にあるMFL本部で組み合わせ抽選が行われました。
 MFLによって出場不可となったサバFAを除く15クラブはまずホームゲームとなるAグループとアウェイゲームとなるBグループに分けられ、Aグループには1部の上位6クラブであるJDT、クダFA、トレンガヌFC、ペラTBG、スランゴールFC、UITM FCと2部上位2クラブのペナンFAとクアラルンプールFAが入り、残りはBグループに割り振られました。そこから抽選により、以下のような組み合わせが決定しています。
<マレーシアカップ1回戦の組み合わせ(左側がホームチーム)
ペナンFA対フェルダ・ユナイテッドFC
UITM FC対ケランタンFA
ジョホール・ダルル・タジムJDT対クチンFA
クアラルンプールFA対サバFA(*但しサバFAは不出場のためクアラルンプールFAは1回戦不戦勝が決定)
トレンガヌFC対PJシティFC
ペラTBG対ケランタン・ユナイテッドFC
クダFA対パハンFA
スランゴールFC対マラッカ・ユナイテッドFC

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 上の図を見てもわかるように、昨季のチャンピオンJDTが入った左側のやぐらでは8クラブ中、JDT以外の1部クラブはUITM FCとフェルダ・ユナイテッドFCの2クラブしかおらず、もう一方のやぐらはケランタン・ユナイテッドFC以外の7クラブが全て1部クラブという、JDTにとっては何とも有利な組み合わせになっています。

タイ1部リーグ-ノーシャルルは出場せず
 タイリーグ 1部第11節の残り試合が11月1日に開催され、マレーシア代表のノーシャルル・イドラ・タラハが所属するBGパトゥム・ユナイテッドは、昨季の1部優勝チームで、日本人の滝雅美監督率いるシンハー・チェンライ・ユナイテッドと対戦し、1-0で勝利を収め開幕からの無敗記録を11と伸ばしています。
 なおノーシャルル選手はベンチ入りしたものの、出場はありませんでした。
 第11 節終了時のタイ1部リーグは、このBGパトゥム・ユナイテッドが9勝2分0敗で首位、また前日10月31日にスパンブリーFCに0-5と敗れた、マレーシア代表のドミニク・タンとモハマドゥ・スマレが所属するポリス・テロFCは10位に順位を下げています。