1月23日のニュース:MFLはクアラルンプールFA IIのM3リーグ加盟申請を却下、SAC優勝のバンコク・ユナイテッド監督がタイとマレーシアの違いを語る

MFLはクアラルンプールFA IIのM3リーグ加盟申請を却下
 マレーシアフットボールリーグMFLは、クアラルンプールサッカー協会KLFAから出されていたクアラルンプールFAのBチーム、クアラルンプールFA IIのM3リーグ加盟申請を却下したと、サッカー専門メディアのヴォケットFCが報じています。
 昨年2019年11月にKLFAの会長に就任したカリド・サマド会長は、就任後からクアラルンプールFAのBチームを創設し、MFL3部にあたるM3リーグ参加について言及しており、クアラルンプールFA II自体も既に選手獲得が始まっていたようですが、少なくとも今季のM3リーグ参加は不可能となりました。
 MFLのダト・ガニ・ハサンCEOは、MFL3部にあたるM3リーグに参加するクラブはMFL4部にあたるM4リーグから昇格という形での加盟が認められており、新たなクラブがM3リーグから参加することは、MFLの規定により認められていないとしています。
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 今季2020年シーズンからMFL2部プレミアリーグには、スランゴールFCのBチームであるスランゴールFC IIと、ペラTBGのBチームであるペラTBG IIの2チームが参加しますが、これらはいずれも昨季2019年シーズンにそれぞれPKNS FCとPKNP FCとしてMFL1部スーパーリーグでプレーしていたクラブを吸収合併した作られたチームです。プレミアリーグにはこの他にもジョホール・ダルル・タジムJDT IIとトレンガヌFC IIというBチームがありますが、JDT IIは2014年に、トレンガヌFC IIは2017年にMFLに所属していた既存のクラブ名を変更したものです。

SAC優勝のバンコク・ユナイテッド監督がタイとマレーシアの違いを語る
 先週末に開催された東南アジアの4クラブ対抗戦スランゴールアジアチャレンジでは、バンコク・ユナイテッドFCがホストのスランゴールFCをPK戦で破り優勝しましたが、そのバンコク・ユナイテッドFCのアレシャンドレ・ペルキンク監督は、タイとマレーシアの違いについて、英字紙スター電子版に語っています。
 ベルキンク監督はまず国内リーグの「競争力」について指摘し、現在のようなJDT1強の「ジョホールリーグ」で、JDTに対抗できるクラブがリーグ内に数クラブしかない状況は不健全であると指摘、その上で豊富な資金を毎年投入するJDTに対抗するには、才能のある若い選手に投資し、そういった選手を育ててチーム力を上げていくべきだと提案しています。
 また施設面については、マレーシアではサポーターの数も多く、スタジアムも素晴らしい一方で、ベルキンク監督は、雨が降るとプレーが難しくなるなど近代のサッカーには向いていない「古い」タイプの芝が使われていると話し、ピッチについては改善の余地があるとしています。
 タイリーグは現在、アジアサッカー連盟AFCのクラブコンペティションランキングで東南アジアではトップ(2019年はタイが8位に対してマレーシアは18位)であることから、マレーシア人選手も含めたこの地域の多くの選手がタイリーグでのプレーを望んでいるとする一方で、マレーシアの国内リーグも上記のような点が改善されれば、タイリーグと競争できるとも話しています。
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 先日、このブログでも取り上げた、元クダFA監督で現プルシブ・バンドン(インドネシア)のロバート・アルバーツ監督によるインドネシアとマレーシアのサッカーの違いに続く、隣国との比較記事です。マレーシアで監督経験があり、当地の状況を理解しているアルバーツ監督に比べると、ペルキンク監督のコメントはかなり辛辣ですが、残念ながら反論の余地はありません。
 それでもかつてのマレーシアリーグは、1980年代から90年代にはファンディ・アマドやマレク・アワブ、K・カナン(以上シンガポール)、ピヤポン・ピエオンやキャティサック・セーナームアン(以上タイ)、2000年代にはバンバン・パムンカスやクルニアワン・ドゥイ・ユリアント(以上インドネシア)といずれも自国ではスーパースターの選手たちが集まる東南アジアのトップリーグでした。
 しかし、1993年から1994年にかけては、関係した選手とコーチ合わせて21名が永久追放処分、58名が出場停止、100名を超える選手が警察の捜査対象となった八百長事件が起こり、国内リーグは凋落していきました。しかも2014年にはクアラルンプールFAの5名の選手と3名のスタッフが永久追放処分を受ける別の八百長事件が発覚し、サッカー人気は大打撃を受けました。そうこうしている間に隣国のリーグがマレーシアリーグに取って代わったということでしょう。

12月17日のニュース:スランゴールFCのサードジャージが大人気、スランゴールFA IIは外国籍選手加入を否定せず、スランゴールFCがアジアチャレンジ2020を開催、KLFAはM3リーグでプレーするBチーム設立を検討

スランゴールFCのサードジャージが大人気
 スランゴールFC(スランゴールFAから名称変更)のサードジャージが大人気となっていると、マレー語紙ブリタハリアン電子版が伝えています。
 12月14日にホームのシャーアラムスタジアムで行われたスランゴールフットボールデー2019の席上でお披露目されたスペインのメーカー、ホマ社製サードジャージは上下、ソックスとも黒一色。しかも限定2000着となれば、マレーシア語で言うところの「揚げたてのゴレン・ピサンのように」よく売れているようです。(ゴレン・ピサンとは、マレーシアで好まれるバナナフリッター。写真下)

 胸スポンサーは、スランゴールFCのBチームとなってしまったPKNS FCの親会社PKNS(スランゴール州開発公社)が採用されているのは皮肉ですが、このスポンサー名は暗闇で光る仕様に、また背番号と選手名は白地になっています。
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 2019/2020年シーズンに創立100周年を記念して作られたボルシア・ドルトムントのパクリでは、などといった声もソーシャルメディア上で出ていますが、カッコ良いので細かなことは気にしません。ちなみに価格はサポーター使用、選手仕様ともに119リンギ(およそ3150円)となっています。

スランゴールFC IIは外国籍選手加入を否定せず
 MFL1部のPKNS FCを、同じMFL1部のスランゴールFA(現スランゴールFC)が吸収合併してBチーム化したスランゴールFC IIは、若い選手に出場機会を与えるというBチーム本来の目的を果たすため、来季2020年は外国籍選手とは契約しないとしていましたが、スランゴールFCとスランゴールFC IIを統括するスランゴール州サッカー協会のジョハン・カマル・ハミドン事務局長は、MFL3部のM3リーグ降格の可能性がある場合には外国籍選手の獲得には躊躇(ちゅうちょ)しないと発言していると、マレー語紙シナルハリアン電子版が伝えています。
 外国籍選手との契約は、スランゴールFC IIのテクニカルダイレクターも兼任するドイツ人のミハエル・フェイヒテンベイナー新監督が必要とする場合に限るとしながらも、ジョハン・カマル事務局長は、スランゴールFC IIがM3に降格すれば、若手選手を高いレベルのリーグに参加させるというBチーム本来の目的を果たせないとして、当初の発言を翻しています。
 なお、同じ記事の中では、スランゴールFC IIの新監督が決定したことにより、PKNS FCのクリシュナサミ・ラヤゴパル監督との契約は解除となったことや、PKNS FCと契約が残っている選手はスランゴールFCでプレーすることなども合わせて報じられています。

スランゴールFCがアジアチャレンジ2020を開催
 この他のスランゴールFC関連のニュースとしては、来年2020年1月18日と19日の日程で、東南アジアの4クラブによるアジアチャレンジ2020と称する大会をがホームのシャーアラムスタジアムで開催されることも発表されています。今季MFL3位のスランゴールFCが主催する大会に参加予定のクラブは、ハノイFC(ベトナム、今季ベトナム1部リーグ優勝)、バンコク・ユナイテッド(タイ、同準優勝)、ペルシブ・バンドンFC(インドネシア、同7位)の3クラブです。
 スランゴール州サッカー協会のジョハン・カマル事務局長は、プレーシーズンマッチとしてだけでなく、アジアを目指すスランゴールFCが近隣諸国の強豪と対戦することで存在感を示すことが目的とていること、またこの大会では各クラブとも2試合ずつを行い、優勝クラブには賞金としては1万米ドルが与えられるとGoal. comの取材に答えています。
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 ブレンダン・ガン(ペラTBGより移籍)、サフワン・バハルディン(パハンFAより移籍)、ニコラス・スウィラッド(PKNS FCより移籍)などを獲得し、来季の優勝候補の一つに躍り出た新生スランゴールFCのお披露目となる大会ですが、個人的には、ブリーラム・ユナイテッドから元日本代表の細貝萌選手が移籍したことで話題になっているバンコク・ユナイテッドとの対戦が注目カードです。

KLFAはM3リーグでプレーするBチーム設立を検討
 来季はスランゴールFC IIとペラTBG IIが参加するMFL2部。既存のJDT IIとトレンガヌFC IIと合わせ、リーグ所属12チーム中4チームがBチームという少々不思議なリーグになっていますが、今季からこのMFL2部でプレーするクアラルンプールFA(KLFA)は、MFL3部にあたるM3リーグにBチーム設立を検討していると、マレー語紙ハリアンメトロ電子版が伝えています。
 今季MFL1部で最下位12位となり、MFL2部に自動降格となったKLFAは、2021年のMFL1部復帰を目指していますが、それとは別に若手選手の出場機会を増やすためのBチーム設立を検討していることを、クアラルンプールサッカー協会のノクマン・ムスタファ事務局長が明らかにしています。ムスタファ事務局長は、これまでの移籍選手に依存したチーム強化から、自らの下部組織出身の選手を育てることに注力したいと述べ、U19やU21チームの選手がAチーム入りするための準備として、出場機会のない若い選手たちにより多くの実戦経験を積ませたいとしています。
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 地元KL出身のKLFAの選手で代表チームに招集されたのは、今回のシーゲームズのU22代表にオーバーエイジ枠で招集されたイルファン・ザカリアが8年ぶりとなるほど(しかしイルファン選手も来季はクダFAでプレー)、KLFAには地元出身の有力選手が枯渇しています。今季フル代表に招集されたハディン・アズマン(クダFA)、ダニアル・アミール(フェルダ・ユナイテッド)やコギレスワラン・ラジ、ディネシュ・ラジャシンガム(いずれもパハンFA)などKL出身の有力選手は決して少なくはありませんが、KLFAを統括するクアラルンプールサッカー協会が人材流失を防ぐ努力をしてこなかった結果、地元に有力選手が残らず、KLFAもMFL2部で戦うことになったと言えるかも知れません。

12月14日のニュース:来季MFLは2月28日に開幕、スランゴールUが買収されサラワクUに名称変更、KLFAに新監督就任

来季MFLは2月28日に開幕
 マレーシアフットボールリーグMFLのホームページでは、来季のMFLが2月28日に行われる、MFL優勝チームJDTとマレーシアFAカップ優勝チームクダFAが対戦するスンバンシーカップで開幕し、7月19日に閉幕することが発表されています。
 スランゴールFAのバスカラン・サティアナタン監督を筆頭に、キャンプの予定が立てられないと来季の日程を発表しないMFLに対して不満が高まっていましたが、とりあえず開幕日は発表になりました。
 今回の日程発表の遅れについてMFLは、各クラブの経営状況を把握し、それぞれのクラブが予算範囲内で選手と契約し、給料未払い問題の発生を事前に防ぐための経済コントロールプログラムECPが来季2020年シーズンから導入されることによるものとしています。
 このECP導入により、MFL1部と2部所属の全クラブは全ての登録選手との契約予算をMFLに提出、それをもとにMFLが来年2020年1月15日までに各クラブの経営状況審査を行った上で認可することになっています。
 また、新規選手獲得期間となるトランスファーウィンドウは、各クラブの経営状況審査が終了する予定の1月16日から3月15日までに設定されています。

スランゴールUが買収されサラワクUに名称変更
 同じMFLのホームページでは、サラワク州サッカー協会FASによるMFL2部スランゴール・ユナイテッドFCの買収と、それに伴うチーム名変更申請を承認したと発表しています。この結果、来季2020年にはスランゴール・ユナイテッドFCはサラワク・ユナイテッドFCとしてMFL2部に参戦します。
 スランゴール州マレー人サッカー協会SMFAが運営するスランゴール・ユナイテッドFCは、1974にマレーシアマレー人サッカー協会PBMM FCとして創設され、2017年にはスランゴール州マレー人サッカー協会PBMS FCに、そして2018年にはスランゴール・ユナイテッドFCと名称変更しました、その2018年にはMFL3部にあたるFAMカップ(当時、現M3リーグ)で2位となりMFL2部に昇格、今季2019年はMFL2部で11チーム中9位となっていました。
 一方FASが統括するサラワクFAは今季MFL2部で最下位11位となり、M3リーグ2位のクチンFAとの入れ替え戦に臨みましたが1-3で敗れ、M3リーグ降格が決まっていました。
 この変更により、チームの本拠地はスランゴール州スナヤンスタジアムからサラワク州のサラワク州立スタジアムへとなり、
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 スランゴール州サッカー協会が運営資金援助を停止し、資金繰りに苦しむスランゴール・ユナイテッドFCと、州サッカー協会が統括するクラブとしては唯一M3リーグでプレーすることを避けたかったFASの思惑が、両クラブの間に横たわる南シナ海を超えて一致した結果とは言え、結局のところスランゴール・ユナイテッドFCが持っていたMFL2部の座を、M3リーグ降格が決まっていたサラワクFAに金で売り渡した格好になっているのは、個人的にはすっきりしません。

KLFAに新監督就任
 今季2019年はMFL1部で最下位となり、来季2020年はMFL2部に降格するクアラルンプール(KL)FAは、今季マラッカ・ユナイテッドでアシスタントコーチを務めたニザム・アズハ・ユソフが新監督に就任したことを、KLを中心としたスポーツ関連情報のオンラインサイトスポーツタイムズが報じています。
 ニザム新監督は、クダFAでアシスタントコーチを務めていた2017年には、当時のタン・チェンホー監督のフル代表アシスタントコーチ就任に伴い、シーズン半ばで監督に昇格するとチームをマレーシアカップ決勝に導きました。しかし翌年2018年にスペイン人のラモン・マルコートのクダFA監督就任に伴い、再びアシスタントコーチに降格、しかしチームが開幕ダッシュに失敗するとわずか5試合で育成コーチに配置換えされたマルコートに代わって再び監督に復帰しました。今季2018年はマラッカ・ユナイテッドでザイナル・アビディン監督のもと、アシスタントコーチを務めていました。
 ニザム新監督は就任すると直ちに、マラッカ・ユナイテッドで今季主将を務めながら給料未払い問題によって試合出場を拒否していたベテランのシュコル・アダンや、クダFA時代の選手であるアクラム・マヒナン(PKNS FC)などを呼び寄せています。
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 KLFAは、先日の東南アジア競技大会シーゲームズにオーバーエイジ枠で出場した地元出身のイルファン・ザカリアを含めた大量の選手が今季終了後に退団し、今季のチームから残留するのはわずか7名と、大幅な選手交代の最中です。残留する選手の中には2020年には39歳になるインドラ・プトラ・マハユディンもおり、ニザム監督は1部昇格を目指すチームにシュコル・アダン選手やインドラ・プトラ選手といったベテランの力が必要と判断したようです。

11月26日のニュース:シーゲームズ開幕戦でマレーシアはミャンマーと引き分け、KLFA新会長-プレミアリーグは来季のみ、パハンFA監督は来季はUITM FCで監督か

シーゲームズ開幕戦でマレーシアはミャンマーと引き分け
 今回で第30回となる東南アジア競技大会通称シーゲームズの男子サッカーがフィリピンのマニラで開幕し、初戦でミャンマーと対戦したマレーシアは1-1の引き分けでスタートしています。
 この日のマレーシアは、オーバーエイジ枠のアダム・ノー・アズリン(JDT)とイルファン・ザカリア(クアラルンプールFA)の二人を最終ラインに配置する一方、17歳のルクマン・ハキム・シャムスディンとムハマド・ウマル・ハキーム・スハル(いずれもモクタル・ダハリ・アカデミー)を先発メンバーで起用する思い切った布陣で試合に臨みました。

 2016年にはケランタンFAでの監督経験もあるヴェリザール・ポポフ監督率いるミャンマーとの試合は、13分に主将ライン・ボー・ボーのコーナーキックにソー・モー・チョウが頭で合わせてミャンマーが先制しましたが、マレーシアも24分に相手DFからボールを奪ったアキヤ・ラシド(JDT)があげたセンタリングをハデイ・ファイヤッド(ファジアーノ岡山)がヘディングでゴールへ叩き込み同点とします。
 その後もハディ選手のヘディングがゴールポストに阻まれるなどチャンスをものにできなかったマレーシアは追加点を奪えず、試合は1-1のまま終了しています。なお17歳コンビはルクマン選手がファイサル・ハリムと、ウマル選手はディネシュ・ラジャシンガム(いずれもパハンFA)と途中交代しています。
 マレーシアの次戦の相手は、この日、カンボジアとやはり0-0で引き分けた開催国フィリピン戦で、11月29日に行われます。
(写真は両チームのスターティングXI。FAMのFacebookより)

KLFA新会長-プレミアリーグは来季のみ
 クアラルンプール(KL)FAを統括する連邦直轄区クアラルンプールサッカー協会の会長選挙が行われ、唯一の立候補者であったカリド・アブドゥル・サマド連邦直轄区大臣が無投票で当選し、新たな会長に就任しています。
 会長就任あいさつでカリド会長は2021年シーズンには、今季2019年はマレーシアフットボールリーグMFL1部で最下位の12位となり、来季2020年は2部でプレーするKLFAを2021年シーズンには再びMFL1部でプレーさせる決意を表明しています。しかも2021年にはMFL1部の上位4チーム入りを目指すとも述べています。
 長らく低迷しているKLFAは昨季2018年にMFL1部に昇格するも7勝3分12敗(勝点24)の10位で1部残留を果たしましたが、今季は4勝2分16敗(勝点14)と最下位に沈みました。
 クラブは若手中心のメンバーに切り替えている方針も示したカリド会長ですが、その一方でKLFAは主力選手を含む大量の退団者を発表しています。ギリェルメ・デ・パウラ、ダルコ・マルコヴィッチ、ルーク・ウッドランド、ノ・ヘンソクら外国籍選手や現在、シーゲームズにオーバーエイジ枠で出場中のイルファン・ザカリア、アシュリ・チュチュなど大量18名が退団します。
 その一方でインドラ・プトラ・マハユディンやパウロ・ホスエなどの選手は、KLFAのTwitterにアップされた退団者への感謝を伝えるメッセージが添付された写真にその姿がないことから、残留の可能性もあります。さらには今季は2度も交代が起こった監督のポストも現在空席で、来季MFL2部で入れ替え戦出場権が得られる2位以内に入るための人選が重要な鍵を握りそうです。
(写真はKLFAのTwitterに掲載された退団選手への感謝のメッセージ)

パハンFA監督は来季はUITM FCで監督か 
 今季MFL1部で2位となったパハンFAのドラー・サレー監督が、来季MFL1部に昇格するUITM FC監督に就任するのでは、という噂が出ているとスポーツ専門サイトスタジアムアストロが報じています。
 この噂は現在、シンガポールU22代表の監督として東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場中のシンガポールのレジェンド、ファンディ・アーマド監督が来季のパハンFAの監督就任の噂が発端になっています。さらには今季MFL2部でUITM FCを率いたイスマイル・ザカリア監督が、MFL1部の監督となるために必要なアジアサッカー連盟AFCの資格を保持していないことでさらに信憑性を帯びています。
 しかしUITM FCのムスタファ・アーマドGMは、ドラー監督はクラブにとって監督として雇用するには「偉大すぎる」とこの噂を否定しています。
 ムスタファGMは、クラブをMFL1部昇格のレベルまで引き上げたイスマイル監督の手腕を評価しており、来季も指揮を取ってもらうことを期待しているものの、資格要件を満たしていない点についてはMFLの判断に従うとしています。

11月22日のニュース:シーゲームズ関連-サファウィ・ラシドは招集せず、オーバーエイジ枠の2名が決定、17歳のルクマンもU22代表入りか

サファウィ・ラシドは招集せず
 先日のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選のインドネシア戦で2ゴールを挙げ勝利の立役者となったサファウィ・ラシド(JDT)を今月末からフィリピンで開催されるシーゲームズに参加するU22代表に招集しないとオン・キムスイ監督が発言したことが波紋を呼んでいます。
 11月19日のインドネシア戦に出場したフル代表メンバーのうち、U22代表でのプレー資格がある6名とオーバーエイジ枠での出場が予定されているアダム・ノー・アズリン(JDT)が代表候補合宿に参加し、現在は32名の大所帯となった代表候補合宿ですが、その中には当初、予定されていたサファウィ・ラシドの姿がなかったと英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。なお、この32名の詳細はこちらです。
 先日のナショナルフットボールアウォーズでは、2年連続の年間最優秀選手賞を受賞したサファウィ選手を招集しないことについて、オン監督は、サファウィ選手が今季、既に代表や所属クラブのJDTで多く過ぎるほどの試合に出場していることから、現時点では休息が必要だとして今回は召集を見送ったと述べ、これが難しい決断であると同時に、理解を求めています。
 またサファウィ選手の欠場は、代わりの選手が試合に出場する良い機会だとして、他の選手に期待しているとも述べています。
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 個人的にはオン監督の決断に大賛成です。シーゲームズは東南アジアのU22王者を決める大会ですが、そこからアジア、さらに世界へつながる大会ではありません。リーグ戦、AFCチャンピオンズリーグ、FAカップ、マレーシアカップ、代表戦と50試合近くに出場したサファウィ選手が出場すれば、優勝が一気に近づく可能性はありますが、マレーシアサッカーは、先日のインドネシア戦勝利で首の皮一枚で希望がつながったAFC選手権アジアカップ2023年大会出場を最優先にするべき。だとすれ東南アジアのU22チャンピオンを目指すことは、他の選手に任せて、サファウィ選手には十分な休養を与えてあげてほしいです。

オーバーエイジ枠の2名が決定
 シーゲームズの男子サッカーはオリンピック同様、U23代表の大会で、オーバーエイジ選手が出場可能ですが、人数はオリンピックが3名なのに対して、シーゲームズは2名となっています。
 U22代表のオン監督は、このオーバーエイジ枠の選手にアダム・ノー・アズリン(23歳、JDT)とのイルファン・ザカリア(24歳、クアラルンプールFA)の2名を指名しました。なお、両選手はマレーシアで開催された前回のシーゲームズ2017年大会に出場していますが、このときマレーシアは決勝にタイに0-1で敗れています。しかもこの試合は、今回のワールドカップ予選でも招集されていたGKハジック・ナズリルがパンチングしたボールがオウンゴールになるという負け方でした。
 この試合にも出場していたイルファン選手は、3大会ぶりの優勝を果たすことができず、年齢的にも自分にとって最後のシーゲームズとなったと思っていたところ、今回の招集に驚いたと英字紙スター電子版で語っています。
 所属するクアラルンプールFAは今季、MFL1部で最下位となり、来季は2部降格となったことから全く予想していない招集だったようですが、イルファン選手は今季、フル代表候補合宿に何度か招集されており、(前大会も監督を務めた)オン監督が、もう一度チャンスを与えたくれたことに感謝し、その期待に応えて優勝を目指したいと話しています。

17歳のルクマンもU22代表入りか
 今月11月初旬にカンボジアで開催されたアジアサッカー連盟AFC U19選手権2020年大会予選に出場し、タイなどを破り全勝で予選を突破したマレーシアU19代表。17歳ながら主力選手の一人として活躍したFWルクマン・ハキム・シャムスディンは、DFハリス・ハイカル・アダム・アフカル、FWムハマド・ウマル・ハキーム・スハルとともにシーゲームズ出場のU22代表候補合宿に招集されています。
 上でも取り上げたようにサファウィ・ラシドが招集されなくなったことで、FWのポジションが一つ空き、ルクマン選手がそれを埋めるためにメンバー入りするのではと噂されています。
 スター電子版では、シーゲームズに出場することは昔からの夢であったというルクマン選手の声を紹介し、マレーシアでの前回大会決勝はスタンドから観戦したが、今大会は選手として出場したいと話していると報じています。
 「サファウィ選手の穴を自分が埋めることは難しいが、U22代表に選ばれれば、全力を尽くし、オン監督の期待に応えたい」とも話しています。
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 U22代表どころかフル代表へ招集すべきという声も上がるほど、マレーシアサッカー界とファンの期待を集めるルクマン選手が、体格差で勝るU22代表各チーム相手にどのようなプレーを披露してくれるのかは個人的に興味があります。U22代表のオン監督、フル代表のタン・チェンホー監督ともルクマン選手については慎重なコメントが目立ちますが、本日11月22日に発表が予定されている最終メンバー20名に残れるかどうか注目です。

9月27日のニュース:FAMはMFL1部9クラブと2部3クラブに2020年シーズンのクラブライセンス交付

MはMFL1部の9クラブに2020年シーズンのクラブライセンス交付
 マレーシアサッカー協会FAMのホームページでは、今季2019年マレーシアフットボールリーグMFL1部に所属する12クラブの内、9クラブに来季2020年のクラブライセンスが交付されたことが告知されています。
 この9クラブは、ジョホール・ダルル・タクジムJDT、パハンFA、スランゴールFA、クダFA、ペラTBG、トレンガヌFC、プタリンジャヤPJシティFC、フェルダ・ユナイテッド、クアラルンプールKLFAの9クラブです。
 FAMによるクラブライセンス制度は、各クラブに対して「競技」「施設」「組織運営・人事体制」「財務」「法務」の5分野において一定の基準により審査を行い、第一審機関 (First Instance Body、FIB) がライセンス交付の決定を行います。
 またマラッカ・ユナイテッドとPKNS FCついては5分野のうち基準に満たない分野があるとして、10月30日の期限までにFAMの基準を満たすことができれば、来季のライセンスを交付するとしていますが、その期限を過ぎた場合は2部への降格処分が課せられます。現に2017年シーズンではMFL1部で3位となったフェルダ・ユナイテッドが、クラブライ選手が取得できずに2部降格となった例もあります。
 この他、PKNP FCは申請が却下されたため、クラブライセンスは交付されず、来季は2部降格が確定しています。(ただしPKNP FCは今季1部で11位となり、下位2チームが降格するMFLの入れ替え規定により、すでに降格が決まっています。)
 また、クラブライセンスが交付された9クラブの内、JDT、スランゴールFA、クダFA、ペラTBG、トレンガヌFC、KLFAの6クラブはアジアサッカー連盟AFCのクラブライセンスも合わせて交付されており、AFCチャンピオンズリーグやAFCカップに出場することになれば、その資格も取得しています。
 なお今回交付されたクラブライセンスは2020年の1年間のみ有効ですが、2020年シーズン中に何か問題発生した場合、FAMが資格停止する権限を持っています。
 個人的には今回ライセンスの交付が受けられなかったクラブも結局、マレー人特有の「ティダアパ」(Tidak apa apa、マレーシア語で「問題なし」)とうやむやになってしまうのではないかと思っていますが、FAMが本当に強固な姿勢を取れるのかどうかに注目してみたいです。

MFL2部は3クラブに2020年シーズンのクラブライセンス交付
 同じくマレーシアサッカー協会FAMのホームページでは、今季2019年マレーシアフットボールリーグMFL2部に所属する9クラブの内、3クラブに来季2020年のクラブライセンスが交付されたことが告知されています。(注:MFL2部は2019年は11クラブで構成されていますが、JDT IIとトレンガヌFC IIはそれぞれ1部のJDTとトレンガヌFCのBチームであるため審査対象外です。)
 この3クラブは、中武駿介選手が所属するヌグリ・スンビランFA、今季MFL2部で優勝し、来季は1部昇格が決まっているサバFA、そしてUITM FCの3クラブです。
 またPDRM FC、ペナンFA、スランゴール・ユナイテッドFCの3クラブについては5分野のうち基準に満たない分野があるとして、10月30日の期限までにFAMの基準を満たすことができれば、来季のライセンスを交付するとしていますが、その期限を過ぎた場合は3部となるM3リーグ(アマチュアリーグ)への降格処分が課せられます。
 さらにケランタンFA、サラワクFA、UKM FCの3クラブについては、今回がMFL2部プレミアリーグのクラブに資格審査を行う初年度ということから、10月30日まで資格審査を一時中断する一方で、やはり期限とする10月30日までに5分野で審査基準を満たすことができなければ、M3リーグ降格となると発表しています。

8月7日のニュース:U15代表はAFF選手権準決勝進出、FAMやチームは選手会の発表に反論、デ・パウラは帰化選手として代表でプレーすることを希望

U15代表はAFF選手権準決勝進出
 タイのチョンブリで開催中のアセアンサッカー連盟AFFU15選手権で、マレーシアU15代表は、グループステージ最終戦でタイと1-1で引き分け、グループBの首位で準決勝へ進出を決めました。開幕から3試合連続の完封勝ちと好調だったマレーシアは、4試合目のラオス戦にも快勝して準決勝進出を決めるかと思いきや、80分を過ぎたアディショナルタイムに相手のオウンゴールで辛くも1-1の引き分け。しかも最終戦のタイ戦も同様にアディショナルタイムに相手のオウンゴールで2試合続けて1-1の引き分けでした。
 選手の資格問題なども含め、今大会台風の目となった東ティモールとの最終戦1-0で辛勝したベトナム(グループA2位)との準決勝に勝利すれば、もう1試合の準決勝インドネシア(グループA1位)対タイ(グループB2位)の勝者と決勝戦で対戦します。(以下はグループステージの結果-マレーシアサッカー協会FAMのFacebookより)

FAMやチームは選手会の発表に反論
 マレーシアフットボールリーグMFL所属の12クラブが総額およそ640万リンギ(約1億6300万円)の未払い給料を抱えていることをプロサッカー選手会PFAM(以下「選手会」)のイズハン・イスマイルCEOが行なった記者会見で明らかにしましたが、これに対して、マレーシアサッカー協会FAMや記者会見で具体的に名前を挙げらたクラブから反論が上がっていると、英字紙スター電子版が伝えています。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長はの発表は不正確であり、かつ職業倫理に反するものであると非難しています。ラマリンガム事務局長は反論の中で、ヌグリ・スンビランFAについては、係争中の未払い給料問題はFAM、国際サッカー連盟FIFAのいずれにも報告されていないとし、パハンFAについては同様の問題がFIFAに報告されていたもののの既に解決済みであるとしています。また、マラッカ・ユナイテッドは1件の給料未払い問題がFAMに、2件がFIFAに報告されているもののの資格委員会の最終的な判断を待っており、プルリスFAやケランタンFAは新たな経営陣が経営状況を安定させるために努力をしている状況下で、選手会による発表は問題解決の役に立たないどころか、状況を悪化させかねないと選手会を非難すらする逆ギレに近いコメントを出しています。
 さらに既に解散したクラブに関してはFAMの管轄外であると責任放棄の発言し、個々の選手に訴訟を起こすように促しています。
 また選手会に名前を挙げて非難されたヌグリ・スンビランFAのサトワント・シン事務局長は、先月末には未払い給料問題は解決したとし、選手会の発表を無責任な発表であると非難しています。
 とは言え、そもそもプロ選手に対して給料未払い問題が存在すること自体が問題であり、たかだか数週間前にやっと解決したくらいで選手会に謝罪を要求する州サッカー協会の姿勢や、そういった状態をこれまで放置してきながら、選手会との関係断絶をちらつかせるFAMの危機感のなさこそが、この問題の根源のように思えます。選手会のイズハンCEOの「選手は奴隷ではない。」という言葉の重みをどれだけのFAMやMFL、そして国内クラブの経営者が理解しているかは疑問です。

デ・パウラは帰化選手として代表でプレーすることを希望
 クアラ・ルンプール(KL)FAでプレーするブラジル出身のFWギリェルメ・デ・パウラは、マラッカ・ユナイテッドのコソボ出身MFリリドン・クラシニキとともに帰化選手としてマレーシア代表でプレーできるよう、FAMがマレーシア市民権取得申請書類を内務省に提出した最終候補です。
 マレー語紙ウトゥサン・マレーシア電子版の記事で、このデ・パウラ選手は今年9月から始まるFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選までに帰化申請が完了し、代表に招集されることがあれば、最高のパフォーマンスを見せたいと語っています。母国ブラジルでは代表経験のない33歳のデ・パウラ選手は、マレーシア人となってマレーシア代表としてプレーすることができれば名誉なことだと語り、その可能性を与えてくれたFAMに感謝するとともに、代表のユニフォームを着られるように努力したいと述べています。
 今年11月31日にKLFAとの契約が切れるデ・パウロ選手について、FAMの帰化プログラム委員会のダト・モハマド・ユソフ・マハディ委員長は、デ・パウロ選手とクラシニキ選手は、まず市民権付与に値する選手であることを証明する必要があり、さらに帰化申請中のフィットネスレベルと試合でのパフォーマンスが代表招集の際の参考になるだろうと述べています。

MFL第22節の結果まとめ

マレーシアフットボールリーグMFLは7月19日(金)から21日(日)までに行われた第22節がいよいよ最終節です。
 1部スーパーリーグはジョホール・ダルル・タクジムJDT、2部プレミアリーグはサバFAと優勝チームがすでに決まっており、最終節では、1部からの降格争いと2部からの昇格争いに注目が集まりました。

MFL1部スーパーリーグ
優勝:ジョホール・ダルル・タクジムJDT
2部降格:PKNP FC、クアラ・ルンプール(KL)FA

JDT3-3トレンガヌFC
得点者:JDT-レオナルド・ヴァレズケズ(31分)、サファウィ・ラシド(36分)、ゴンザロ・カブレラ(45分)、トレンガヌFC-サンジャル・シャアフメドフ(24分)、セルヒイ・アンドレイエフ(65分)、リー・タック(79分)
 JDT地は、この試合が行われたタン・スリ・ハジ・ハサン・ユノススタジアム、通称ラーキンスタジアムから、新たに建設されたスルタン・イブラヒムスタジアムへと本拠地を移転します。ホームでの無敗記録が止まった前節、そして引き分けに終わった今節と、JDTはラーキンスタジアムでの最後を飾ることはできませんでした。

PKNS FC2-3スランゴールFA
得点者:PKNS FC-ロメル・モラレス(3分)、タミルラン・コズバエフ(79分)、スランゴールFA-サンドロ・ダ・シルヴァ(40分)、イフェダヨ・オルセグン2(44分、52分)
 ともにシャー・アラムスタジアムを本拠地とする両チームは、MFL第3節で対戦し、その際にはPKNS FCが4点を挙げてスランゴールFAに圧勝。スランゴールFAのファンからはサティアナタン監督更迭を求める声が上がりましたが、終わってみればスランゴールFAはリーグ3位でシーズンを終えました。
 スランゴールFAのBチーム化が噂されるPKNS FCは、その噂が出た6月中旬以降は2分5敗の成績で、あわや2部降格というところまで順位を下げました。もし、PKNS FCがスランゴールFAのBチームとなることが決定すれば、JDT II、トレンガヌFC IIといったBチーム同様、2部プレミアリーグでプレーすることになります。

パハンFA4-1マラッカ・ユナイテッド
得点者:パハンFA-ラザラス・カイムビ2(2分、69分)、モハマドゥ・スマレ(41分)、サディル・ラムダニ(90分)、マラッカU-ルカ・ミルノヴィッチ(58分)

フェルダ・ユナイテッド5-1クダFA
得点者:フェルダU-ジョシネル・シャアド(6分)、ファイズ・マズラン(32分)、カイルル・アムリ(85分)、ジャサズリン・ジャマルディン(90分)、池田圭(90分)、クダFA-ジョナタン・ボーマン(78分PK)
 フェルダ・ユナイテッドがクダFA相手にまさかの勝利で1部スーパーリーグ残留を決めています。第20節から降格争いのライバルKLFAに勝利し、PKNP FCとは引き分けたものの、負ければ2部プレミアリーグ降格が決まるこの試合、上位チームのクダFA相手では苦戦が予想されましたが、蓋を開けてみればフェルダ・ユナイテッドの快勝でした。
 一方のクダFAはこの敗戦で、今シーズンの成績が4位となってしまいました。

プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC1-0PKNP FC
得点者:PJシティ-ワシントン・ブランダオ(75分PK)
 この試合に勝てば1部残留の可能性が大きかったPKNP FCでしたが、残念ながら2部降格となっています。

ペラTBG2-1クアラ・ルンプール(KL)FA
得点者:ペラTBG-カレッカ2(32分、68分)、KLFA-ルーク・ウッドランド(77分)
 KLFAは2部プレミアリーグ降格です。

順位チーム勝点勝数分け負数得点失点得失差
1JDT531651491930
2パハンFA431273372116
3スランゴールFA37107541356
4クダFA3497837298
5ペラTBG3389536315
6マラッカ・U3396736342
7トレンガヌFC307963537-2
8PJシティFC2682122229-7
9PKNS FC2156113738-1
10フェルダ・U1947112743-16
11PKNP FC1637122240-19
12KLFA1442162449-25

MFL2部プレミアリーグ
優勝:サバFA
1部昇格:サバFA、PDRM FC
3部との入替戦出場:サラワクFA

UITM FC1-1ヌグリ・スンビランFA
得点者:UITM FC-パク・ヨンジュン(24分)、ヌグリ・スンビランFA-中武駿介(63分)
 勝点30のPDRM FCがペナンFAに敗れたため、勝点28で並んでいる両チームは、この試合に勝てば1部昇格でした。UITM FCが先制するも中武駿介選手のゴールでヌグリ・スンビランFAが同点に追いつきますが、試合はそのまま終了。UITM FC、ヌグリ・スンビランFAは1部昇格ならず。
 ヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手はスタメンでフル出場しています。

PDRM FC1-2ペナンFA
得点者:PDRM FC-パトリック・ロナルジーニョ(30分)、ペナンFA-カサグランデ(6分)、アル・ハフィズ・ハルン(53分)
 UITM FCとヌグリ・スンビランFAが引き分けたおかげで、最終節に大逆転でペナンFAが1部昇格を勝ち取ったかと思いましたが、最後に大どんでん返しが待っていました。

サラワクFA3-1スランゴール・ユナイテッド
得点者:ボビー・ゴンザレス(32分)、クロヴィス・フランクリン(60分OG)、ハドソン・ディアス(75分)、スランゴール・ユナイテッド-ノーシャミル・ガニ(6分)
 最終戦に勝利したものの、サラワクFAはプレミアリーグ最下位の11位。MFL3部に当たるM3リーグの準優勝チームであるケランタン・ユナイテッドと入れ替え戦を行います。M3リーグの優勝チーム、鈴木雄太選手が所属するクチンFAは自動昇格となり、来シーズンはプレミアリーグ入りしますが、クチンはサラワク州の州都です。例えるなら、東京都サッカー協会のチームが3部との入れ替え戦に出場する一方で、新宿区サッカー協会のチームが2部昇格となるような状況です。

トレンガヌFC II2-1サバFA
得点者:ハイディル・スハイニ(45分)、リズアン・ラザリ(55分)、サバFA-アギナルド・ポリカルポ(64分)
 トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手はスタメンでフル出場しています。

ケランタンFA2-0UKM FC
得点者:ケランタンFA-ニック・アズリ・ニック・アリアス(59分)、ニック・アキフ・シャヒラン(90分)

順位チーム勝点勝数分け負数得点失点得失差
1サバFA431343331716
2JDT II33965311912
3PDRM FC3093830273
4トレンガヌFC II308662124-3
5UITM FC2985733258
6ヌグリ・スンビランFA2985729254
7ペナンFA24641032275
8UKM FC2264192832-4
9スランゴール・U2163112437-13
10ケランタンFA174882332-9
11サラワクFA1644122544-19

*ペナンFAとケランタンFAは、過去に在籍した選手、スタッフへの給与未払い問題への対応が不十分だったことから、国際サッカー連盟FIFAの裁定により、それぞれ勝点3と勝点6を剥奪(はくだつ)されています。

MFL第21節の結果まとめ

 7月12日(金)から14日(日)にかけて行われたマレーシアフットボールリーグMFL第21節の結果は以下の通りです。(カッコ)内の成績は、第21節終了時のものです。
 次節第22節はいよいよ最終節。1部スーパーリーグはJDT、2部プレミアリーグはサバFAとすでに優勝チームは決まっていますが、1部の降格争いと2部の昇格争いは最終節までもつれており、最後まで目が離せません。

MFL1部スーパーリーグ

トレンガヌFC(7位:7勝8分6敗 勝点29)1-1パハンFA(2位:10勝7分3敗 勝点37)
得点者:トレンガヌFC-シャミン・ヤハヤ(42分)、パハンFA-モハマドゥ・スマレ(51分)

クダFA4(2位:9勝7分5敗 34)-2ペラTBG(6位:7勝9分5敗 勝点30)
得点者:クダFA-タナバラン・ナダラジャ(40分)、レナン・アルヴェス(45分)、フェルナンド・ロドリゲズ2(89分、90分)、ペラTBG-シャルル・サアド(29分)、ロナウド(79分PK)

PKNP FC1(10位:3勝7分11敗 勝点16)1-1フェルダ・ユナイテッド(11位:3勝7分10敗 勝点16)
得点者:PKNP FC-ヤシル・ピント(81分)、フェルダ・ユナイテッド-チャントゥル・スピアー(53分)
 スーパーリーグ10位と11位の対戦は引き分けに終わり、KLFAを含めた降格争いは最終節まで続きます。残り試合は、PKNP FCが現在リーグ9位のPJシティFC戦、フェルダ・ユナイテッドは2位パハンFA戦、3位クダFA戦となっています。
 またこの日の引き分けで、勝点20の8位PKNS FCと9位のプタリン・ジャヤ(PJ)シティFCは1部残留が確定しました。
 フェルダ・ユナイテッドの池田圭選手、渡邉将基選手はどちらもベンチ入りしませんでした。

スランゴールFA(4位:9勝7分5敗 勝点34)3-0プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC(10位:6勝2分12敗 勝点20)
得点者:スランゴールFA-エンドリック(43分)、カイリル・ムヒミーン(57分)、イフェダヨ・オルセグン(61分)
 PJシティFCは、スランゴールFAに大敗したものの、10位のPKNP FCと11位のフェルダ・ユナイテッドが引き分けたため、1部スーパーリーグ残留が決まりました。今シーズンからスーパーリーグでプレーするPJシティFCにとっては、最低限の目標は達成できたシーズンだったのではないでしょうか。
 スランゴールFAはこの日の勝利でリーグ3位のクダFAと勝点で並んだものの、得失点差により4位となっています。

クアラ・ルンプール(KL)FA(12位:4勝2分15敗 勝点14)-ジョホール・ダルル・タクジムJDT(1位:16勝4分0敗 勝点52)
得点者:JDT-ゴンザロ・カブレラ(15分)、ジオゴ2(28分、71分)、ナジム・ファイズ(61分)
 スーパーリーグ最下位のKLFAはこの日の敗戦で6連敗。最終節のペラTBG戦を残して11位のフェルダ・ユナイテッドとは勝点差2となり、自力での降格圏脱出は無くなりました。

なおマラッカ・ユナイテッド対PKNS FCの試合は、PKNS FCにインフルエンザ感染者が出たことから7月16日(火)に延期となっています。

MFL2部プレミアリーグ

UKM FC(8位:6勝4分9敗 勝点22)3-2JDT II(2位:9勝6分5敗 勝点33)
得点者:UKM FC-ミラド・ザニドプール(20分)、マテオ・ロスカム2(23分,52分)、JDT II-イザフィック・ルジ(25分)、ロザイミ・ラーマン(90分PK)

スランゴール・ユナイテッド(9位:6勝3分10敗 勝点21)3-1トレンガヌFC II(7位:7勝6分6敗 勝点27)
得点者:ダンコ・コヴァチェヴィッチ(41分)、ファン・シンヨン2(60分、80分)
 スランゴール州内のプロクラブ再編の渦中にいるスランゴール・ユナイテッドは連敗を5でストップさせています。
 トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手はスタメンでフル出場しています。

サバFA(1位:13勝4分2敗 勝点43)1-0ケランタンFA(10位:3勝8分8敗 勝点14)
得点者:サバFA-アフメット・アタエフ(58分)
*ケランタンFAは、国際サッカー連盟FIFAの裁定により、勝点3を剥奪されています。

ヌグリ・スンビランFA(5位:8勝4分7敗 勝点28)2-3PDRM FC(4位:9勝3分7敗 勝点30)
得点者:ヌグリ・スンビランFA-ウチェ・アグバ(4分OG)、ズルファミ・ハディ(70分)、PDRM FC-ウチェ・アグバ(36分)、リ・チャンフン2(85分、90分)
 1部スーパーリーグ昇格を争うチーム同士の直接対決は、PDRM FCが勝利し、次節の最終節第21節ペナンFA戦で勝利すれば、自力での1部昇格が決まります。
 一方のヌグリ・スンビランFAはこの日の敗戦で自力昇格がなくなり、最終節で昇格を争うUITM FCに勝利し、PDRM FCが引き分けあるいは敗れた場合に昇格となります。
 ヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手はスタメンでフル出場しています。

ペナンFA(6位:7勝6分6敗 勝点27)6-3サラワクFA(11位:3勝4分12敗 勝点13)
得点者:ペナンFA-アル・ハフィズ・ハルン2(5分、32分)、セルジオ・アグエロ(8分)、カサグランデ2(14分、28分)、ジュリアン・ボッタロ(52分)、サラワクFA-ボビー・ゴンザレス2(65分、81分)、アリフ・ハッサン(75分)
 この日の勝利でわずからながら1部昇格の可能性が残ったペナンFA。最終節のPDRM FC戦に勝利し、ヌグリ・スンビランFA対UTIM FCの試合が引き分けになった場合にのみ昇格となります。

7月12日のニュース:PKNS FCもインフルで試合延期、KLFA監督の処遇は年次総会後に決定、ライバルチームの監督が呉越同舟

PKNS FCもインフルで試合延期
 マレーシアフットボールリーグMFLのホームページで、本日7月12日に予定されていたMFL第21節のマラッカ・ユナイテッド対PKNS FCの試合が、PKNS FCの選手8名がインフルエンザに感染したことから、7月16日に延期になったことが告知されています。
 マラッカ・ユナイテッドのホーム、ハン・ジェバスタジアムで予定されていた試合は、PKNS FCから出された医師による診断書をMFLが確認した上で、マラッカ・ユナイテッドの同意を得て延期されたとしています。
 インフルエンザの影響で延期となった試合はこの試合だけでなく、第20節のジョホール・ダルル・タクジムJDT対プタリン・ジャヤ(PJ)シティFCの試合も7月10日から16日に延期されています。

KLFA監督の処遇は年次総会後に決定
 マレーシアの通信社ブルナマによると、休養中のクアラ・ルンプール(KL)FAのチョン・イーファット監督の処遇は、KLFAのシーズン終了後の成績を元に、今年11月に予定されているKLサッカー協会の年次総会後に決定すると、ノクマン・ムスタファKLサッカー協会事務局長が述べています。
 KLサッカー協会のクラブチームKLFAは、就任したばかりのユスリ・チェ・ラー前監督がMFL1部スーパーリーグ開幕から5連敗の責任を取って3月に辞任し、チャンコーチが監督代行に指名されました。その後、正式に昇格したチャン監督のもとKLFAは4勝2分8敗の成績でしたが、4試合を残したところでKLサッカー協会はチャン監督の「休養」を発表、ロスリ・モハマド・デラスコーチを監督代行に指名していました。
 ロスリ監督代行の下、KLFAはパハンFA、フェルダ・ユナイテッドにいずれも0-2で敗れ、現在は最下位に沈んでおり、残る2試合は優勝を決めているJDT(ホーム)、リーグ6位でここ5試合で4勝1敗と好調のペラTBG(アウェイ)との対戦が残っています。

ライバルチームの監督が呉越同舟
 明日7月13日のMFL1部スーパーリーグ第21節で対戦するフェルダ・ユナイテッドのニザム・ジャミル監督とPKNP FCのアブ・バカル・ファジム監督が試合会場となるPKNP FCのホームであるペラ州マンジュンまで相乗りしていく予定であると、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 クアラ・ルンプール(KL)で開催されているマレーシアサッカー協会FAMによるプロコーチングライセンスのセミナーに出席している二人は、3時間ほどの道のりを相乗りしていくようです。MFLの規定では、試合前に対戦相手が相乗りしてはいけないということはないようですが、フェルダ・ユナイテッドのニザム監督は、車中では試合の話には触れないとしています。
 現在11位のフェルダ・ユナイテッドと10位のPKNP FCとは勝点15で並び、得失点差がそれぞれ-16と-15と、MFL2部プレミアリーグへの降格争いの最中で、この試合の勝利はどちらにとっても降格圏から一歩抜け出す貴重な勝点をもたらします。
 なお二人が参加しているプロコーチングライセンスのセミナーは7月17日まで続きますが、マレーシアではFAMのセミナー中でも、ベンチ入りはしないものの、試合会場に足を運ぶことは一般的なようです。