2月26日のニュース:WC予選前のバーレーン戦が新型コロナウィルスの影響で中止に、クロノス社がMFLのGK4名をブランド大使に、スランゴールFCは収容人数減を条件にシャーアラムスタジアムで試合開催か

WC予選前のバーレーン戦が新型コロナウィルスの影響で中止に
 FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼2023年アジアカップ予選が来月3月からの再開を前に、マレーシア代表は、その前にバーレーンのマナマにあるハリーファ・スポーツ・シティー・スタジアムで3月21日にバーレーン代表と練習試合を組んでいましたが、新型コロナウィルスの影響により中止になってしまいました。
 マレーシアの通信社ベルナマの報道によると、新型コロナウィルスの感染拡大を防ぐためにバーレーン政府は既に感染者が出ている19カ国からの入国を厳しく制限しており、その19か国の中にもはマレーシアも含まれていることから、バーレーンサッカー協会がマレーシアサッカー協会FAMに試合中止を申し入れたようです。
 バーレーンサッカー協会のエブラハム・サアド・アル・ブアイナイム事務局長から試合中止を謝罪する手紙を受け取ったことを明らかにしたFAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、3月26日に予定されているWC予選のアウェイでのアラブ首長国連邦UAE戦の前に代わりの試合を手配したいと述べています。
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 ワールドカップ出場に比べれば、2023年のアジアカップ出場は現在のフル代表にとってより現実的な目標なので、フル代表にはむしろこちらを目指して欲しいです。マレーシアが最後にアジアカップに出場したのは2007年の第14回大会ですが、その時はマレーシア、インドネシア、タイ、ベトナムの4カ国による共催だったことから開催国枠で出場できたもので、予選を勝ち上がって出場した大会となると1980年の第7回大会まで遡らなければなりません。

クロノス社がMFLのGK4名をブランド大使に
 イタリアのスポーツブランド、クロノス社Kronosは、マレーシアフットボールリーグMFLでプレーする4名のゴールキーパーとブランド大使契約を結んだと、サッカー専門サイトのヴォケットFCが報じています。
 1973年にイタリアのトレヴィーゾ県モンテベルナで生まれたクロノス社のブランド大使となったのは、ファリザル・ハルン(スランゴールFC)、レメゼイイ・チェ・ロス(UKM FC)、シャフィク・アフィフィ(ペラTBG II)、ザリフ・イルファン・ハシムディン(フェルダ・ユナイテッド)の4名で、クアラルンプール国際空港KLIAに近い三井アウトレットパークKLIAで行われたイベントで発表されています。(写真はクロノス社のFacebookより)

スランゴールFCは収容人数減を条件にシャーアラムスタジアムで試合開催か
 サッカー専門サイトのGoal.comによると、スランゴールFCは、MFLが改修を求めている天井の一部が崩落している客席部分を入場禁止にした上で、シャーアラムスタジアムでの試合開催許可をMFLに求める予定のようです。
 MFLから安全上の問題があることを指摘されている天井の崩落箇所はについては、スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会FASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長は施設の改修はFASの管轄外であることを、またシャーアラムスタジアムを管理するダルル・エーサン施設管理社(DEFM社)すぐには改修工事を始められないことを公言しており、シャーアラムスタジアムでの試合開催許可が降りない場合は、同じスランゴール州プタリンジャヤのMBPJスタジアムでスランゴールFCの試合を代替開催する可能性も示唆されていました。
 Goal. comの取材に対して、ジョハン事務局長は危険が指摘されている区画の客席を入場禁止にする一方で、防護ネットなどを設置して観客の安全を確保する作業は管理会社によって始まっており、ホーム開幕戦となる3月7日のペラTBG戦はもちろん、MFLが視察を行う3月4日までには完了する予定であると話しています。
 なおこの作業が影響を及ぼすのは、スタジアムの観客席の半数以下にあたる3万5000席程度ということですが、およそ8万人の収容が可能なシャーアラムスタジアムでは、それでもまだ4万5000席残っています。なお昨季3万人以上の観客を集めたのはマレーシアカップ準決勝とMFLの2試合だけだったことから、ジョハン会長は、スタジアムの半分を閉じたとしても、観客収容には何の問題もないと話しています。

2月25日のニュース:クダFAはJDTにチケット割り当て数増を求める、FAカップ2回戦のカードが決定、タイ1部リーグ第2節-代表コンビはともに出場

クダFAはJDTにチケット割り当て数増を求める
 今季のマレーシアフットボールリーグMFLは、今週金曜日2月28日のスンバンシーカップで開幕します。このスンバンシーカップは、英国プレミアリーグのチャリティーシールド(現コミュニティーシールド)を模した試合で、前年のMFL1部スーパーリーグ優勝クラブとマレーシアカップの優勝クラブが対戦する大会です。なお、昨季はスーパーリーグ、マレーシアカップとジョホール・ダルル・タジムJDTが優勝していることから、JDTはマレーシアFAカップ優勝クラブのクダFAと、開場したばかりのJDTの新本拠地スルタン・イブラヒムスタジアムで対戦しますが、このスンバンシーカップのチケットをめぐって、ちょっとした騒動が起こっていると英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が伝えています。
 このスンバンシーカップは、MFL1部スーパーリーグの公式戦として、JDTのホームゲームとして開催されますが、アウェイチームのクダFAに割り当てられたチケットが500枚となっていることが騒動の発端です。MFLの規定では、収容人数が2万人未満のスタジアムでは300枚、2万人以上4万人未満のスタジアムでは500枚、4万人以上のスタジアムでは1000枚のチケットをアウェイチームに割り当てることになっており、JDTはスルタン・イブラヒムスタジアムの収容人数が3万5000人であることから、MFLの規定に従って500枚のチケットをクダFAに割り当てましたが、クダFAはMFLを通じて1000枚のチケットを求めています。記事では、JDTは規定通りの対応をしており、MFLもJDTが割り当て増に応じない限り、何もできないとしています。
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 この問題はこのスンバンシーカップが本家のコミュニティーシールとは異なり、リーグ戦の一部となっていること、そして試合が中立地で行われていないことに端を発しています。特にJDTがリーグ6連覇中と言うことで、スンバンシーカップは今回も含め6回連続でJDTのホームでの開催になっています。
 しかしこれをコミュニティーシールドや隣国タイのチャンピオンズカップのように、リーグ開幕前に行い、会場も例えばブキジャリル国立競技場のような中立地とすれば、何の問題も発生しないどころか、MFLの主催試合として収入も得られると思うのですが、そんな発想はMFLにはないのでしょうか。

FAカップ2回戦のカードが決定
 先週末に行われたFAカップ1回戦の結果を受けて、昨日2月24日にFAカップ2回戦の組み合わせ抽選が行われました。なお、このFAカップは3年連続でシンガポールのEコマース(ネットショッピング)サイトShopee「ショッピー」が冠スポンサーとなり、Shopee FAカップと名称が変更になっています。
 以下は3月17日から18日かけて行われるFAカップ2回戦のカードです。注目のカードの下に小ネタを添えてみました。
*(カッコ)内は所属リーグ:(1)はMFL1部スーパーリーグ、(2)はMFL2部プレミアリーグ、(3)はMFL3部M3リーグ、(4)はMFL4部M4リーグ

PJシティFC(1)対イミグレーション(入国管理局)FC(3)
 内紛騒動で揺れるPJシティFCと、給料未払い問題未解決のためM3出場停止になったジョホールFAに代わって急遽参加したイミグレーションFCの対戦。チーム内にゴタゴタがあるとは言え、M3相手では順当にPJシティFCが勝利するでしょう。
サバFA(1)対クアラルンプールFA(2)
 昨季MFL2部優勝クラブと昨季MFL1部最下位クラブの対戦です。来季の1部昇格を目指すクアラルンプールFAにとっては、負けられない相手でしょう。
クダFA(1)対パハンFA(1)
 2回戦でMFL1部同士が対戦するのは少々残念ですが、今季大型補強を行った昨季4位のクダFAが昨季2位のパハンFAと対戦する2回戦屈指の好カードです。
フェルダ・ユナイテッド(1)対ケランタン・ユナイテッド(2)
 昨季MFL3部で圧勝して2部に昇格したケランタン・ユナイテッドと、すんでのところでMFL1部残留を果たしたフェルダ・ユナイテッドの対戦です。フェルダUには、恵龍太郎選手が在籍しています。
ペナンFA(2)対ヌグリスンビランFA(2)
 今季のMFL2部のクラブの中で最も1部昇格に近いクラブ同士の対戦です。ヌグリスンビランFAには中武駿介選手が在籍しています。
スランゴールFC(1)対サラワク・ユナイテッド(2)
 スランゴールFCのサティアナタン監督と反りが合わず退団したアムリ・ヤハヤが加入したのがサラワク・ユナイテッド。「自分が加入するクラブをスランゴールFCは倒せない」という捨て台詞が正しかったのかどうかが見ものです。
UITM FC(1)対クチンFA(2)
 今月上旬のプレシーズンマッチで対戦し、UITM FCが3-2と勝っているカード。ただし、プレシーズンマッチということで、その結果はあてにはならないでしょう。クチンFAには鈴木雄太選手とタニガワユウキ選手が在籍しています。
KLローバーズ(3)対ジョホール・ダルル・タジムJDT(1)
 昨季MFL2部でプレーした外国籍選手2名を補強し、M3では別格のKLローバーズは国内最強のJDTとの対戦です。MFL2部のクラブなら意外に勝てるかとも思いましたが、今回は相手が悪すぎます。
ケランタンFA(2)対プロタップFC(3)
 外国籍選手がなかなか決まらなかったクランタンFAには、昨季フェルダ・ユナイテッドでプレーした渡邉将基選手が加入し、MFL2部でプレーする選手は6名になりました。
マラッカ・ユナイテッド(1)対ランカウィシティFC(3)
クアタグFC(4)対KSRサイエンスFC(3)
SS FC(4)対UKM FC(2)
ノーザンライオンズFCマーサ対PDRM FC
マークレスST(4)対AF(国軍) FC(3)
ペラTBG(1)対KTローバーズ(3)
サラワク・ユナイテッドII(3)対トレンガヌFC(1)
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 なおShopeeがスポンサーとなったことで、FAカップやMFLの試合もShopeeのサイトからオンラインで購入できます。詳しくはこちらをどうぞ。チケット1枚購入につき1枚無料(!)のキャンペーンもやっています。

ちなみにFAカップのスポンサーとなったShopeeは、インドネシア1部リーグのスポンサーにもなっていますが、あのクリロナにひどいダンスを踊らせたことでも有名です。

https://www.youtube.com/watch?v=fHH3QfBSs7I

タイ1部リーグ第2節-代表コンビはともに出場
 隣国タイリーグ1部の第2節が行われ、ノーシャルル・イドラン・タラハが所属するBGパトゥム・ユナイテッドはアウェイでプラチュワップFCと対戦し0-0の引き分けでした。なおノーシャルル選手は第1節に続いて先発出場し、75分に交代しています。
 またドミニク・タンが所属するポリス・テロFCはアウェイでトラートFCと対戦し3−1と勝利し、開幕2連勝を飾っています。タン選手は73分に途中出場し、試合終了までプレーしました。
 なお明日2月26日に行われる第3節では、2人の所属するクラブが直接対決する「マレーシア選手ダービー」がBGパトゥム・ユナイテッドのホーム、レオスタジアムで開催されます。
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 マレーシア人選手の動向はタイリーグの公式サイトで調べるのですが、タイリーグのサイトは一部が英語になっているので、記事は読めなくとも記録を調べるにはとても便利です。MFLもこれくらいのサイトを作ってくれると、より多くの情報を世界に発信できるのでありがたいのですが…。

1月4日のニュース:FAMは給料未払いクラブのMFL参加停止には消極的、MFLでは多くの選手が減給に直面

FAMは給料未払いクラブのMFL参加停止には消極的
 マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、給料未払い問題が解決していないクラブの今季2020年シーズンのマレーシアフットボールリーグMFL参加停止については慎重に対応したいと述べていると、スポーツ専門サイトフォックススポーツが報じています。。
 今季開幕を2月29日に控えるMFLですが、その参加クラブの中には昨季2019年シーズンの未払い給料問題が解決していないクラブが複数あり、給料を受け取っていない選手たちからはそういったチームの今季MFL参加をMFL自身やFAMが停止するべきという声が上がっています。
 これに対してラマリンガム事務局長は、この事態をFAMが手をこまねいて見ているわけではないとしながらも、クラブのMFL出場停止についてはその措置による影響の大きさを考慮して慎重に対応したいと述べています。
 「クラブが出場停止になれば、スポンサーを失い、サポーターも失い、結果的にはクラブの解散という事態も起こりうる。クラブが解散すれば、そのクラブと契約した選手やコーチ、クラブを運営するフロントなどなども収入源を失い、誰も得をしない状況となる可能性がある。」
 「例え分割払いのような方法になったとしても、クラブが未払い給料を選手に支払うことの方が、クラブが解散して一文も払われないよりは良いだろう。」
 「この方法は現実的で、大半のクラブはこの方法で未払い給料を支払えるだろうが、もし選手が全額を一括払いで求めるのであれば、難しいだろう。」などと発言しています。なお、給料未払い問題を抱えるクラブとしてマラッカ・ユナイテッド、PDRM FC(以上MFL1部)、サラワク・ユナイテッド、ペナンFA、ケランタンFA(以上MFL2部)などの名前が上がっています。
 またラマリンガム事務局長は、給料未払い問題を抱えるクラブに対しては「FAMの寛容さを利用することなく、真剣に問題に取り組むことを求め、必要な場合には今季のクラブライセンスの無効化なども含めた断固とした措置を取る用意があることも併せて強調しています。
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 メディアの報道によると、給料未払い問題を抱えるクラブの中には、給料が支払われていない選手たちの気持ちを逆撫でするように、今期に向けて新たな外国籍選手を獲得するクラブなどもあり、選手に給料を支払わないプロクラブを抱えるリーグMFLやそれを統括するサッカー協会FAMがこの状況にどう対処していくのかに注目です。

MFLでは多くの選手が減給に直面
 これまで高給を取っていたMFL所属クラブの選手たちの多くが、今季は50パーセント以上の減俸を受け入れて契約しているという代理人の話を英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が伝えています。代表クラスの選手は依然として高給を受け取っているものの、「元代表選手」や「準レギュラー」クラスの選手たちは、生活がかかっているためクラブとの契約獲得に必死で、従来より低い給料での契約を受け入れているとしています。
 今季はMFLの多くのクラブが年間運営資金削減を行っており、記事の中では、MFL2部のマレーシア国立大学UKMを母体とするUKM FCは運営資金が昨季の400万リンギ(およそ1億500万円)から今季は150万リンギ(およそ4000万円)となっていること、マラ工科大学UITMを母体とし、MFL1部に昇格したUITM FCは現役大学生が、同じ昇格組でマレーシア王立警察が母体のPDRM FCは新規採用の警察官が今季のチームの主力になっていることなどを報じ、ジョホール・ダルル・タジムJDT、スランゴールFC、クダFAなど今季に向けて大型補強を行ったクラブはむしろ例外的であるとしています。
 また、MFL2部に所属するJDT II、トレンガヌFC II、ペラTBG II、スランゴールFC IIといったMFL1部クラブのBチームは育成目的で若手主体のチーム編成となっており、これまで高給を取ってきた選手たちの所属先とはならないことや、スランゴールFCに合併吸収されて同クラブのBチーム、スランゴールFC IIとなったPKNS FC(昨季MFL1部9位)や、サラワクFA(同MFL2部11位)に買われたスランゴール・ユナイテッドFC(同MFL2部9位)の選手たちの多くは所属先を失ったため、市場に選手があふれているとしています。
 また記事の中では、所属先を探す選手からの問い合わせが例年になく多いと話す選手の代理人の談話を紹介し、これまでなら月額4万から5万リンギ(およそ105万から131万円)の給料を取っていた選手たちが、今季は1万5千から2万リンギ(およそ40万円から53万円)の給料でも契約していることを述べ、その結果、これまで月額2万リンギやそれ以下の給料を取っていた選手の所属先が見つからなくなって現状を紹介しています。中にはより低い給料でMFL3部にあたるM3リーグでプレーすることを選ぶ選手もいるそうですが、この代理人の話では、M3リーグではトップの選手でも月額5千リンギ(およそ13万円)を超えることはないそうです。
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 選手を苦しめる給料未払い問題の発生を防ぐためには、各クラブは「身の丈に合った経営」を行う必要がありますが、その一方でクラブが選手の給料を低く設定しすぎて、プロサッカー選手という職業に魅力がなくなれば、プロリーグそのものが衰退してしまう可能性もあります。雇用主である各クラブやリーグを運営するMFLは、マレーシアプロサッカー選手会PFAM、さらにはマレーシアサッカー協会FAMなどとも協議をしながら、問題解決の糸口を探る必要がありそうです。

11月6日のニュース:FAMは来季クラブライセンス交付追加チームを発表、PKNS FCがスランゴールFAのBチーム化に同意か、MFLはBチーム参入の規定を内密に変更か

FAMは来季クラブライセンス交付追加チームを発表
 マレーシアフットボールリーグMFL1部の2クラブと2部の4クラブが新たに来季2020年シーズンのクラブライセンスの交付を受けたことを、マレーシアの通信社ベルナマが伝えています。
 今回、マレーシアサッカー協会FAMのクラブライセンス交付第一審機関より交付を受けたのは、マラッカ・ユナイテッド、PKNS FC(以上1部)、UKM FC、スランゴール・ユナイテッド、PDRM FC、ペナンFA(以上2部)の6クラブです。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長はこの6クラブの他にケランタンFAとサラワクFAにも、第三者による保証を証明する文書が出されたことにより、未払いの給料があるものの条件付きでライセンスの交付を行ったことも発表しています。ただしFAMはその保証が実行されるかどうかを見守るとしており、実行されない場合には交付されたクラブライセンスが無効になる可能性があることも示唆しています。
 またケランタンFA、サラワクFA、UKM FCについては10月30日の申請締め切り期限を守らなかったことで警告を受けたようです。
 なお来季のライセンス交付は、今年2019年6月30日の時点で未払い給料問題を解決したクラブが対象になっているとし、その後新たに発生した未払い問題については12月15日までにFAMにその解決法と解決時期を報告することを義務付けています。これについてラマリンガム事務局長は、今季の未払い給料等を来季へ持ち越させないための手段であると説明し、FAMのクラブライセンス委員会は未払い給料を抱えるクラブの解決法と解決時期が厳格に守られているかどうかのチェックを行っていくとしています。

PKNS FCがスランゴールFAのBチーム化に同意か
 スポーツ系サイトアストロアリーナによると、PKNS FCのフロントがスランゴールFAとの合併に同意し、PKNS FCがスランゴールFAのBチームとなることが決定したようです。
 スランゴールFAを統括するスランゴール州サッカー協会FASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長が明らかにしています。
 Bチーム参入についてはMFLの規定により参入1年前の申請が義務付けられていますが、ハミドン事務局長によれば、FASは既に最初の申請書をMFLに提出しており、PKNS FCからの合併についての同意書があれば、来季からのPKNS FCのBチーム化の実現にはさほど問題にはならないだろうと楽観視しています。
 また、PKNS FCがスランゴールFAのBチームとなった場合のPKNS FCとスランゴールFAのプレジデントカップ(U21)チームの処遇については、まだ未定としながらも、スランゴールFAのプレジデントカップチームが残る可能性が高いとしています。
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 なお「育成のPKNS FC」とも言えるPKNS FCは今季2019年のプレジデントカップで優勝し、U19チームが参加するユースカップでも昨季2018年は優勝、今季は準優勝している一方、スランゴールFAはプレジデントカップ、ユースカップとも今季は準々決勝でPKNS FCに敗れています。

MFLはBチーム参入の規定を内密に変更か
 スポーツ系サイトフォックススポーツは、上記のPKNS FCのBチーム化について義務付けられている1年前の申請をMFLが公にしないまま変更したのではないかという疑惑を取り上げています。
 PKNS FCのBチーム化については、これまでも多くのメディアで報じられる一方、PKNS FCの監督、選手は反対を表明してきたため、正式な申請は今年中には不可能との予測が出ていました。
 しかし上記でも取り上げた通り、スランゴール州サッカー協会FASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長は、PKNS FCフロントの同意を得られてことから、来季2020年シーズンには、PKNS FCがスランゴールFAのBチーム、スランゴールFA IIとしてMFLに参加するかのような発言をしています。
 しかしフォックスポーツは、Bチーム参入の条件としてMFLが義務付けている参入1年前の申請という規定をFASが軽視しており、この規定を厳守すれば、今年11月に行われる申請によってBチーム参入が許可されるのは来年2020年11月であるとしています。その上で給料未払いなどの問題では期日を守ることを求めているMFLがこのFASの申請を受理し、来季2020年からスランゴールFAのBチーム、スランゴールFA IIの参入を認めるとなれば、正当な根拠が必要となるだろうとしています。
 特に今回のPKNS FCのBチーム化は、既存のクラブが他のクラブのBチームになるという特殊なケースであり、各クラブを統括するMFLはこの状況について繊細に対応するべきだとした上で、もしこのまま来季からPKNS FCがスランゴールFA IIとなるのであれば、各クラブにもサッカーファンにも公にしないまま内密に規定を変更したと取られても仕方がないと批判的に記事を結んでいます。
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 歴史もあり影響力の大きいFASに対してMFLがなし崩しで屈してしまうとしても、長いものには巻かれることを厭わないマレーシアではありそうなことですが、悪しき前例を一旦、作ってしまうとそれが自らの首をしめかねないので、MFLは威厳を持ってこの問題に対処するべきだと思います。

10月14日のニュース:予算増で第二、第三のルクマンを、ワールドカップ の前にアジアのスタンダード到達を目指せ、日本滞在中のMFLコーチが台風19号の恐怖を語る

予算増で第二第三のルクマンを
 マレーシアのリム・グアンエン財務相は10月11日、連邦議会下院で2020年度国家予算案を発表しましたが、その中で国家サッカー選手養成プログラムNFDPへ4500万リンギ(およそ11億6000万円)が投入されることが明らかになりました。これは昨年度の配分額1500万リンギ(およそ3億9000万円)から大幅な増額になっています。
 マレーシア政府の肝煎(きもい)りで2014年から始まったこのプログラムは、政府のスポーツ青年省を中心に教育省(日本の文科省に相当)、マレーシアサッカー協会FAMなどが共同で運営する東南アジア最大の養成プログラムで、毎年1月、専任のスカウトチームが国内を回って探し出した7歳から17歳の選手およそ5万5000人がセレクションを受験し、その半数以下ほどの合格者が国内123箇所にあるユースアカデミー(Akademi Tunas)に所属して、無償でコーチングを受けることができるようになっています。そのユースアカデミーからさらに選抜された選手たちは、パハン州モクタル・ダハリアカデミー(AMD)に集められ、さらにトレーニングを積みますが、先日、このブログでも紹介した2002年生まれの注目選手60人に選ばれたロクマン・ハキム・シャムスディンは、このAMDのU17チームに所属しています。
 青年スポーツ省傘下の国家スポーツ委員会NSCのダト・アーマド・シャパウイ・イスマイル事務局長はマレーシアの通信社ベルナマの取材に対し、現在はNFDPに所属しているおよそ1万5000人の選手が今回の予算増によって海外遠征などがより可能になる他、女子選手育成にも大きな助けになると述べています。

ワールドカップの前にアジアのスタンダード到達を目指せ
 FIFAワールドカップアジア2020年大会二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選では、ベトナムに1-0と破れ、3試合で勝点3、予選グループGでは5チーム中4位という位置につけているマレーシア ですが、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版ではアジトパル・シン記者の署名入りで「ワールドカップの前にアジアのスタンダード到達を目指せ」という記事を掲載しています。
 シン記者はベトナム戦を振り返って、FIFAランキング99位のベトナムは158位のマレーシアと比べるとスピード、組織力、判断力などあらゆる面で優っていたとし、東南アジアトップレベルとマレーシアの差はこれまで以上に開いていると述べています。その一方で帰化選手を含めたマレーシア代表も明らかに進歩しているとし、教科の方向性は間違えてはないと指摘。そこでまず提案されているのが国際親善試合のマッチメイキングです。
 今年2019年のマレーシア代表の国際親善試合の相手はシンガポール(直近のFIFAランキング157位)、アフガニスタン(同146位)、ネパール(同161位)、ヨルダン(同98位)、スリランカ(同202位)とヨルダンを除けば、ほぼ似たようなランクか格下の相手ばかりとなっていますが、同じ予選グループGで来月対戦する1タイ(同114位)はインド(同104位)、中国(同68位)、ウルグアイ(同6位)、ベトナム、コンゴ共和国(同90位)と全てが格上相手の試合を組んでいます。
 国内リーグを通しての選手強化は、リーグの規模を考えると限界があるとして、より強い相手との国際親善試合の必要性をシン記者は述べ、さらにはワールドカップではなく、アジアカップの最終予選出場を目指すことが現実的な目標であると述べています。
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 ワールドカップ二次予選の残り5試合中、ホームでの試合は11月14日のタイ戦、11月19日のインドネシア戦そして来年2020年3月31日のベトナム戦が残っていますが、この3試合に勝利することができれば、マレーシアは各グループ3位、あるいはグループ4位チームの内の上位4チームに出場権が与えられる最終予選に進出できる可能性が高いです。

日本滞在中のMFLコーチが台風19号の恐怖を語る
 台風19号は日本各地で猛威を振るいましたが、ちょうど同じ時期にマレーシアフットボールリーグMFL所属クラブの監督数名が、アジアサッカー連盟AFCディプロマコースに参加するために日本に滞在しており、そのときの恐怖を英字紙ニューストレイトタイムズ電子版で語っています。
 このコースに参加していたのはドラー・サレー(MFL1部パハンFA)、メフメト・ドゥラコビッチ(同ペラTBG)、ザイナル・アビディン・ハサン(同マラッカ・ユナイテッド)、デヴァン・クプサミー(同プタリンジャヤシティFC)、スライマン・ハシン(MFL2部UKM FC)の各監督とイルファン・バクティ前トレンガヌFC監督の6名で、コース終了後に新潟のホテルに滞在中に台風19号に見舞われたようです。
 この中でUKM FCのスライマン監督は、人生で初めて台風というものを経験したそうで、生きた心地がしなかったと記事の中で述べています。ホテルの中にいるように指示を受けたので、何か被害があったわけではないものの、台風が新潟を襲った午後4次ごろから真夜中までは他の監督も皆、恐怖を感じ、もう二度と同じ経験はしたくないとも語っています。
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 マレーシアでは豪雨が降ることはあっても、台風が来ることはありませんので、この時期日本にいたマレーシア人にとっては、各地で記録的な大雨をもたらした台風19号に恐怖を感じたというのは、決して大袈裟な表現ではないのだろうと思います。

10月13日のニュース:チャレンジカップはJDT IIがPK戦の末辛勝、試合後に出されたイエローカード、マレーシア代表主将「11月の2試合で勝点6獲得を目指す」

チャレンジカップはJDT IIがPK戦の末辛勝
 チャレンジカップは、マレーシアフットボールリーグMFLの1部12位と2部の6位以下の合計7クラブが出場する大会で、マレーシアカップに出場できないクラブのために昨年から始まった大会です。フェルダ・ユナイテッドの池田圭選手がブログの中で「小さなカップ戦」と呼んでいる大会です。
 参加7チームを2つのグループに分け、その上位2チームが準決勝に進み、その勝者が決勝で対戦します。今季2019年の決勝に進んだのはMFL1部のジョホール・ダルル・タクジムJDTのBチームJDT II(リーグ戦2位)と、マレーシア国立大学UKMの大学生を中心としたUKM FC(同9位)でした。
 ホームアンドアウェイ形式で行われる決勝の第1戦はJDT IIのホームで10月4日に開催され、JDT IIが1-0でUKM FCに勝利しています。そして昨日10月12日にUKM FCのホームで行われた第2戦はUKM FCが1ー0で勝利。その後の延長戦でも決着がつかずPK戦となった結果、JDT IIのGKハジック・ナズリが3本のシュートを止める活躍で、JDT IIが6-5でUKM FCを破ってチャレンジカップを獲得しました。
 JDT IIはMFLの新たな規定変更によって、今季はMFL1部のJDTに登録されていたDFファドリ・シャスとFWアーマド・ハズワン・バクリがこの試合の直前に合流しました。代表チームでもプレー経験のある二人が加わったJDT IIでしたが、フルタイムでは0-1と敗戦したものの、結局、このファドリ選手が決勝のPKを決めています。
 UKM FCは昨年の決勝でもトレンガヌFC IIに敗れており、2年連続で涙を飲みました。この勝利でJDT IIは賞金20万リンギ(およそ520万円)を、準優勝のUKM FCは7万5000リンギ(およそ200万円)を獲得しています。
 なお、このチャレンジカップでは、準決勝で敗退したトレンガヌFCのBチーム、トレンガヌFC IIでプレーする鈴木ブルーノ、この日の試合でゴールを決めたUKM FCのマテオ・ロスカム、ミラド・ゼネイドプールの3選手が8ゴールで得点王を分け合っています。
(写真はマレーシアフットボールリーグMFLのFacebookより)

試合後に出されたイエローカード
 FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選のベトナム戦では、マレーシア代表DFアイディル・ザフアンが試合終了後(!)に、この試合の主審を務めたアリ・ミルザベイギ主審(イラン)からイエローカードを出されるというハプニングがありました。この件について、アイディル選手がGoal. comに真相を語っています。
 試合全体を通して判定に納得できなかったマレーシア代表の選手たちですが、特に疑惑の判定だったのが後半終了間際にDFラヴェル・コービン=オングがベトナムのペナルティーボックス付近で倒された場面の判定でした。このプレーは一見、ファウルのように見えたものの、主審は試合続行を指示しましたが、試合終了のホイッスル後に、この判定に疑問を持ったアイディル選手がこの判定について尋ねようと主審に駆け寄ると、主審は答えずにそのままイエローカードをアイディル選手に出しました。
 これに対してアイディル選手は、自分が主審に駆け寄ったことが原因かも知れないと述べつつも、何も言わずにイエローカードを出した主審の真意はわからないとしています。

マレーシア代表主将「11月の2試合で勝点6獲得を目指す」
 ワールドカップ予選の初戦インドネシア戦の勝利の後、強豪アラブ首長国連邦UAEと接戦の末敗れたマレーシア代表は、ホームでの2試合の後、意気揚々とアウェイのベトナム戦に臨みましたが、結果は0-1の敗戦。3試合で獲得した勝点は3で予選グループ5チームで4位となっています。
 今後の予定はタイ戦(11月14日)、インドネシア戦(11月19日)と再びホームの連戦が控えており、この11月の2試合が非常に重要であると主将でもあるGKファリザル・マーリアスがGoal. comに語っています。
 ノックアウトステージへ進む可能性を残すためには、11月の2試合で勝点6を取ることが必要であり、そのためには特に3試合で5失点の守備陣については、自信を取り戻すことと、集中力が切れるなどここまでのミスの修正が課題であるとし、自らは守備陣とのコミュニケーションの強化を課題に挙げています。
 


 

10月4日のニュース:UKM FCは初タイトルを目指してチャレンジャーカップ決勝に臨む、スリランカ戦はスタメンに新戦力起用か、WCのアセアン開催立候補に向けタイが作業部会を設立

UKM FCは初タイトルを目指してチャレンジャーカップ決勝に臨む
 マレーシアフットボールリーグMFL2部で今季2019年は8位に終わったUKM FCは、マレーシア国立大学Universiti Kebangsaan Malaysiaの学生が主体のクラブチームで、2部プレミアリーグ昇格1年目の昨季は12チーム中7位と健闘しただけでなく、昨年第1回開催となったチャレンジャーカップ(マレーシアカップに出場しないMFL1部と2部のクラブを対象としたカップ戦)で決勝まで進出しています。その決勝ではトレンガヌFCのBチームであるトレンガヌFC IIに第1戦と第2戦の通算で4-2で敗れましたが、そのUKM FCは今季2019年も再びチャレンジャーカップ決勝戦に進出しています。
 7クラブが出場する今季のチャレンジャーカップのグループステージでUKM FCは、MFL1部12位のクアラルンプールKLFA、同2部4位のトレンガヌFC II、同2部9位のスランゴール・ユナイテッドと同組になり、3勝3分0敗と堂々のグループ首位で準決勝に進出しました。準決勝ではグループA2位のサラワクFAを第1戦と第2戦の通算成績7−1で撃破し、決勝の相手はMFL1部のジョホール・ダルル・タクジムJDTのBチームでMFL2部2位のJDT IIとなっています。
 UKM FCは、この大会ここまでの8試合で5ゴールを挙げているクロアチア出身のFWマテオ・ロスカムと同じく6ゴールのイラン出身のMFミラド・ザニドプール対今大会6試合で4失点のJDT II守備陣との戦いになりそうです。
 なおチャレンジャーカップ決勝第1戦はJDT IIのホーム、ジョホール州ジョホールバルのパシル・グダンスタジアムで10月4日に、第2戦はUKM FCのホーム、KLフットボールスタジアムで10月12日に開催されます。ちなみにUKM FCのスライマン・フサイン監督は、アジアサッカー連盟AFCのプロライセンスコース参加のため日本滞在中とのことで、10月4日の試合はジュザイリ・サミオン アシスタントコーチが指揮を取るようです。

スリランカ戦はスタメンに新戦力起用か
 9月30日から始まっているFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選ベトナム戦へ向けた代表候補合宿には、DFシャルル・サアド、MFブレンダン・ガン、MFパルティバン・ジャナセカラン(以上ペラTBG)、MFノー・アザム・アジー(パハンFA)、ダニエル・アミル・ノーヒシャム(フェルダU)、アブドル・ハリム・サアリ(スランゴールFA)ら候補選手が初日からケガを抱えたまま合流していますが、このうちアザム選手は9月10日のWC予選対UAE戦で蹴られた足首の腫れが引かないとして、10月10日のベトナム戦ではなく、いずれもホームでの試合となる11月14日のタイ戦、同19日のインドネシア戦に間に合うように治療を進めていくと述べていると英字紙スター電子版が伝えています。
 また数日前にはペラのFWシャレル・フィクリが練習中に鼠蹊(けいそ)部を痛めるなど、主力選手にケガ人が多く出ていることから、タン・チェンホー監督は通常は試合に出る機会のない選手にチャンスを与えることを明言しています。なかでも今回久しぶりの招集となったJDTのDFアイディル・ザフアン・ラザクへの期待が高いようで、明日10月5日に予定されているスリランカとの国際親善試合前の記者会見には、キャプテンのGKファイザル・マーリアス(JDT)ではなく、アイディル選手が列席しています。(写真は左からスリランカ代表のカヴィンドゥ・イシャン首相、ニザム・パッキール・アリ監督、マレーシダ代表のタン監督、アイディル選手。FAMのFacebookより)
*10月5日修正:英字紙ニューストレイトタイムズ電子版の報道によると、スリランカとの国際親善試合では、今回の代表候補合宿参加選手中最多のキャップ数82のアイディル選手がキャプテンを務めるようです。)

WCのアセアン開催立候補に向けタイが作業部会を設立
 マレーシアの通信社ベルナマのポータルサイトによると、2034年のFIFAワールドカップの東南アジア諸国連合ASEAN共催を目指して、国内に作業部会を設立したことをタイの観光・スポーツ省のピパット・ラチャキットプラカン大臣が発表しています。
 そもそもは今年6月にタイのバンコクで開かれたアセアンサミットの席上でタイのプラユット・チャンオチャ首相がぶちあげたこの計画は、タイ国内では観光・スポーツ省主導で進められるようです。
 また同じ記事の中で、タイ国スポーツ局SATのコンサック・ヨドマニー局長の談話として、現在タイ国内にはFIFAの規格に合うピッチを持つスタジアムがないものの、バンコクのラジャマンガラ国立競技場やチェンマイの700周年記念スタジアム、ナコーンラーチャシーマー県のタイ国王80歳記念スタジアムなど既存のスタジアムの改修する他、2026年のユースオリンピック開催への立候補に合わせて建設されるチョンブリの新スタジアムなども試合会場候補になっているようです。

9月27日のニュース:FAMはMFL1部9クラブと2部3クラブに2020年シーズンのクラブライセンス交付

MはMFL1部の9クラブに2020年シーズンのクラブライセンス交付
 マレーシアサッカー協会FAMのホームページでは、今季2019年マレーシアフットボールリーグMFL1部に所属する12クラブの内、9クラブに来季2020年のクラブライセンスが交付されたことが告知されています。
 この9クラブは、ジョホール・ダルル・タクジムJDT、パハンFA、スランゴールFA、クダFA、ペラTBG、トレンガヌFC、プタリンジャヤPJシティFC、フェルダ・ユナイテッド、クアラルンプールKLFAの9クラブです。
 FAMによるクラブライセンス制度は、各クラブに対して「競技」「施設」「組織運営・人事体制」「財務」「法務」の5分野において一定の基準により審査を行い、第一審機関 (First Instance Body、FIB) がライセンス交付の決定を行います。
 またマラッカ・ユナイテッドとPKNS FCついては5分野のうち基準に満たない分野があるとして、10月30日の期限までにFAMの基準を満たすことができれば、来季のライセンスを交付するとしていますが、その期限を過ぎた場合は2部への降格処分が課せられます。現に2017年シーズンではMFL1部で3位となったフェルダ・ユナイテッドが、クラブライ選手が取得できずに2部降格となった例もあります。
 この他、PKNP FCは申請が却下されたため、クラブライセンスは交付されず、来季は2部降格が確定しています。(ただしPKNP FCは今季1部で11位となり、下位2チームが降格するMFLの入れ替え規定により、すでに降格が決まっています。)
 また、クラブライセンスが交付された9クラブの内、JDT、スランゴールFA、クダFA、ペラTBG、トレンガヌFC、KLFAの6クラブはアジアサッカー連盟AFCのクラブライセンスも合わせて交付されており、AFCチャンピオンズリーグやAFCカップに出場することになれば、その資格も取得しています。
 なお今回交付されたクラブライセンスは2020年の1年間のみ有効ですが、2020年シーズン中に何か問題発生した場合、FAMが資格停止する権限を持っています。
 個人的には今回ライセンスの交付が受けられなかったクラブも結局、マレー人特有の「ティダアパ」(Tidak apa apa、マレーシア語で「問題なし」)とうやむやになってしまうのではないかと思っていますが、FAMが本当に強固な姿勢を取れるのかどうかに注目してみたいです。

MFL2部は3クラブに2020年シーズンのクラブライセンス交付
 同じくマレーシアサッカー協会FAMのホームページでは、今季2019年マレーシアフットボールリーグMFL2部に所属する9クラブの内、3クラブに来季2020年のクラブライセンスが交付されたことが告知されています。(注:MFL2部は2019年は11クラブで構成されていますが、JDT IIとトレンガヌFC IIはそれぞれ1部のJDTとトレンガヌFCのBチームであるため審査対象外です。)
 この3クラブは、中武駿介選手が所属するヌグリ・スンビランFA、今季MFL2部で優勝し、来季は1部昇格が決まっているサバFA、そしてUITM FCの3クラブです。
 またPDRM FC、ペナンFA、スランゴール・ユナイテッドFCの3クラブについては5分野のうち基準に満たない分野があるとして、10月30日の期限までにFAMの基準を満たすことができれば、来季のライセンスを交付するとしていますが、その期限を過ぎた場合は3部となるM3リーグ(アマチュアリーグ)への降格処分が課せられます。
 さらにケランタンFA、サラワクFA、UKM FCの3クラブについては、今回がMFL2部プレミアリーグのクラブに資格審査を行う初年度ということから、10月30日まで資格審査を一時中断する一方で、やはり期限とする10月30日までに5分野で審査基準を満たすことができなければ、M3リーグ降格となると発表しています。

MFL第22節の結果まとめ

マレーシアフットボールリーグMFLは7月19日(金)から21日(日)までに行われた第22節がいよいよ最終節です。
 1部スーパーリーグはジョホール・ダルル・タクジムJDT、2部プレミアリーグはサバFAと優勝チームがすでに決まっており、最終節では、1部からの降格争いと2部からの昇格争いに注目が集まりました。

MFL1部スーパーリーグ
優勝:ジョホール・ダルル・タクジムJDT
2部降格:PKNP FC、クアラ・ルンプール(KL)FA

JDT3-3トレンガヌFC
得点者:JDT-レオナルド・ヴァレズケズ(31分)、サファウィ・ラシド(36分)、ゴンザロ・カブレラ(45分)、トレンガヌFC-サンジャル・シャアフメドフ(24分)、セルヒイ・アンドレイエフ(65分)、リー・タック(79分)
 JDT地は、この試合が行われたタン・スリ・ハジ・ハサン・ユノススタジアム、通称ラーキンスタジアムから、新たに建設されたスルタン・イブラヒムスタジアムへと本拠地を移転します。ホームでの無敗記録が止まった前節、そして引き分けに終わった今節と、JDTはラーキンスタジアムでの最後を飾ることはできませんでした。

PKNS FC2-3スランゴールFA
得点者:PKNS FC-ロメル・モラレス(3分)、タミルラン・コズバエフ(79分)、スランゴールFA-サンドロ・ダ・シルヴァ(40分)、イフェダヨ・オルセグン2(44分、52分)
 ともにシャー・アラムスタジアムを本拠地とする両チームは、MFL第3節で対戦し、その際にはPKNS FCが4点を挙げてスランゴールFAに圧勝。スランゴールFAのファンからはサティアナタン監督更迭を求める声が上がりましたが、終わってみればスランゴールFAはリーグ3位でシーズンを終えました。
 スランゴールFAのBチーム化が噂されるPKNS FCは、その噂が出た6月中旬以降は2分5敗の成績で、あわや2部降格というところまで順位を下げました。もし、PKNS FCがスランゴールFAのBチームとなることが決定すれば、JDT II、トレンガヌFC IIといったBチーム同様、2部プレミアリーグでプレーすることになります。

パハンFA4-1マラッカ・ユナイテッド
得点者:パハンFA-ラザラス・カイムビ2(2分、69分)、モハマドゥ・スマレ(41分)、サディル・ラムダニ(90分)、マラッカU-ルカ・ミルノヴィッチ(58分)

フェルダ・ユナイテッド5-1クダFA
得点者:フェルダU-ジョシネル・シャアド(6分)、ファイズ・マズラン(32分)、カイルル・アムリ(85分)、ジャサズリン・ジャマルディン(90分)、池田圭(90分)、クダFA-ジョナタン・ボーマン(78分PK)
 フェルダ・ユナイテッドがクダFA相手にまさかの勝利で1部スーパーリーグ残留を決めています。第20節から降格争いのライバルKLFAに勝利し、PKNP FCとは引き分けたものの、負ければ2部プレミアリーグ降格が決まるこの試合、上位チームのクダFA相手では苦戦が予想されましたが、蓋を開けてみればフェルダ・ユナイテッドの快勝でした。
 一方のクダFAはこの敗戦で、今シーズンの成績が4位となってしまいました。

プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC1-0PKNP FC
得点者:PJシティ-ワシントン・ブランダオ(75分PK)
 この試合に勝てば1部残留の可能性が大きかったPKNP FCでしたが、残念ながら2部降格となっています。

ペラTBG2-1クアラ・ルンプール(KL)FA
得点者:ペラTBG-カレッカ2(32分、68分)、KLFA-ルーク・ウッドランド(77分)
 KLFAは2部プレミアリーグ降格です。

順位チーム勝点勝数分け負数得点失点得失差
1JDT531651491930
2パハンFA431273372116
3スランゴールFA37107541356
4クダFA3497837298
5ペラTBG3389536315
6マラッカ・U3396736342
7トレンガヌFC307963537-2
8PJシティFC2682122229-7
9PKNS FC2156113738-1
10フェルダ・U1947112743-16
11PKNP FC1637122240-19
12KLFA1442162449-25

MFL2部プレミアリーグ
優勝:サバFA
1部昇格:サバFA、PDRM FC
3部との入替戦出場:サラワクFA

UITM FC1-1ヌグリ・スンビランFA
得点者:UITM FC-パク・ヨンジュン(24分)、ヌグリ・スンビランFA-中武駿介(63分)
 勝点30のPDRM FCがペナンFAに敗れたため、勝点28で並んでいる両チームは、この試合に勝てば1部昇格でした。UITM FCが先制するも中武駿介選手のゴールでヌグリ・スンビランFAが同点に追いつきますが、試合はそのまま終了。UITM FC、ヌグリ・スンビランFAは1部昇格ならず。
 ヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手はスタメンでフル出場しています。

PDRM FC1-2ペナンFA
得点者:PDRM FC-パトリック・ロナルジーニョ(30分)、ペナンFA-カサグランデ(6分)、アル・ハフィズ・ハルン(53分)
 UITM FCとヌグリ・スンビランFAが引き分けたおかげで、最終節に大逆転でペナンFAが1部昇格を勝ち取ったかと思いましたが、最後に大どんでん返しが待っていました。

サラワクFA3-1スランゴール・ユナイテッド
得点者:ボビー・ゴンザレス(32分)、クロヴィス・フランクリン(60分OG)、ハドソン・ディアス(75分)、スランゴール・ユナイテッド-ノーシャミル・ガニ(6分)
 最終戦に勝利したものの、サラワクFAはプレミアリーグ最下位の11位。MFL3部に当たるM3リーグの準優勝チームであるケランタン・ユナイテッドと入れ替え戦を行います。M3リーグの優勝チーム、鈴木雄太選手が所属するクチンFAは自動昇格となり、来シーズンはプレミアリーグ入りしますが、クチンはサラワク州の州都です。例えるなら、東京都サッカー協会のチームが3部との入れ替え戦に出場する一方で、新宿区サッカー協会のチームが2部昇格となるような状況です。

トレンガヌFC II2-1サバFA
得点者:ハイディル・スハイニ(45分)、リズアン・ラザリ(55分)、サバFA-アギナルド・ポリカルポ(64分)
 トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手はスタメンでフル出場しています。

ケランタンFA2-0UKM FC
得点者:ケランタンFA-ニック・アズリ・ニック・アリアス(59分)、ニック・アキフ・シャヒラン(90分)

順位チーム勝点勝数分け負数得点失点得失差
1サバFA431343331716
2JDT II33965311912
3PDRM FC3093830273
4トレンガヌFC II308662124-3
5UITM FC2985733258
6ヌグリ・スンビランFA2985729254
7ペナンFA24641032275
8UKM FC2264192832-4
9スランゴール・U2163112437-13
10ケランタンFA174882332-9
11サラワクFA1644122544-19

*ペナンFAとケランタンFAは、過去に在籍した選手、スタッフへの給与未払い問題への対応が不十分だったことから、国際サッカー連盟FIFAの裁定により、それぞれ勝点3と勝点6を剥奪(はくだつ)されています。

MFL第21節の結果まとめ

 7月12日(金)から14日(日)にかけて行われたマレーシアフットボールリーグMFL第21節の結果は以下の通りです。(カッコ)内の成績は、第21節終了時のものです。
 次節第22節はいよいよ最終節。1部スーパーリーグはJDT、2部プレミアリーグはサバFAとすでに優勝チームは決まっていますが、1部の降格争いと2部の昇格争いは最終節までもつれており、最後まで目が離せません。

MFL1部スーパーリーグ

トレンガヌFC(7位:7勝8分6敗 勝点29)1-1パハンFA(2位:10勝7分3敗 勝点37)
得点者:トレンガヌFC-シャミン・ヤハヤ(42分)、パハンFA-モハマドゥ・スマレ(51分)

クダFA4(2位:9勝7分5敗 34)-2ペラTBG(6位:7勝9分5敗 勝点30)
得点者:クダFA-タナバラン・ナダラジャ(40分)、レナン・アルヴェス(45分)、フェルナンド・ロドリゲズ2(89分、90分)、ペラTBG-シャルル・サアド(29分)、ロナウド(79分PK)

PKNP FC1(10位:3勝7分11敗 勝点16)1-1フェルダ・ユナイテッド(11位:3勝7分10敗 勝点16)
得点者:PKNP FC-ヤシル・ピント(81分)、フェルダ・ユナイテッド-チャントゥル・スピアー(53分)
 スーパーリーグ10位と11位の対戦は引き分けに終わり、KLFAを含めた降格争いは最終節まで続きます。残り試合は、PKNP FCが現在リーグ9位のPJシティFC戦、フェルダ・ユナイテッドは2位パハンFA戦、3位クダFA戦となっています。
 またこの日の引き分けで、勝点20の8位PKNS FCと9位のプタリン・ジャヤ(PJ)シティFCは1部残留が確定しました。
 フェルダ・ユナイテッドの池田圭選手、渡邉将基選手はどちらもベンチ入りしませんでした。

スランゴールFA(4位:9勝7分5敗 勝点34)3-0プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC(10位:6勝2分12敗 勝点20)
得点者:スランゴールFA-エンドリック(43分)、カイリル・ムヒミーン(57分)、イフェダヨ・オルセグン(61分)
 PJシティFCは、スランゴールFAに大敗したものの、10位のPKNP FCと11位のフェルダ・ユナイテッドが引き分けたため、1部スーパーリーグ残留が決まりました。今シーズンからスーパーリーグでプレーするPJシティFCにとっては、最低限の目標は達成できたシーズンだったのではないでしょうか。
 スランゴールFAはこの日の勝利でリーグ3位のクダFAと勝点で並んだものの、得失点差により4位となっています。

クアラ・ルンプール(KL)FA(12位:4勝2分15敗 勝点14)-ジョホール・ダルル・タクジムJDT(1位:16勝4分0敗 勝点52)
得点者:JDT-ゴンザロ・カブレラ(15分)、ジオゴ2(28分、71分)、ナジム・ファイズ(61分)
 スーパーリーグ最下位のKLFAはこの日の敗戦で6連敗。最終節のペラTBG戦を残して11位のフェルダ・ユナイテッドとは勝点差2となり、自力での降格圏脱出は無くなりました。

なおマラッカ・ユナイテッド対PKNS FCの試合は、PKNS FCにインフルエンザ感染者が出たことから7月16日(火)に延期となっています。

MFL2部プレミアリーグ

UKM FC(8位:6勝4分9敗 勝点22)3-2JDT II(2位:9勝6分5敗 勝点33)
得点者:UKM FC-ミラド・ザニドプール(20分)、マテオ・ロスカム2(23分,52分)、JDT II-イザフィック・ルジ(25分)、ロザイミ・ラーマン(90分PK)

スランゴール・ユナイテッド(9位:6勝3分10敗 勝点21)3-1トレンガヌFC II(7位:7勝6分6敗 勝点27)
得点者:ダンコ・コヴァチェヴィッチ(41分)、ファン・シンヨン2(60分、80分)
 スランゴール州内のプロクラブ再編の渦中にいるスランゴール・ユナイテッドは連敗を5でストップさせています。
 トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手はスタメンでフル出場しています。

サバFA(1位:13勝4分2敗 勝点43)1-0ケランタンFA(10位:3勝8分8敗 勝点14)
得点者:サバFA-アフメット・アタエフ(58分)
*ケランタンFAは、国際サッカー連盟FIFAの裁定により、勝点3を剥奪されています。

ヌグリ・スンビランFA(5位:8勝4分7敗 勝点28)2-3PDRM FC(4位:9勝3分7敗 勝点30)
得点者:ヌグリ・スンビランFA-ウチェ・アグバ(4分OG)、ズルファミ・ハディ(70分)、PDRM FC-ウチェ・アグバ(36分)、リ・チャンフン2(85分、90分)
 1部スーパーリーグ昇格を争うチーム同士の直接対決は、PDRM FCが勝利し、次節の最終節第21節ペナンFA戦で勝利すれば、自力での1部昇格が決まります。
 一方のヌグリ・スンビランFAはこの日の敗戦で自力昇格がなくなり、最終節で昇格を争うUITM FCに勝利し、PDRM FCが引き分けあるいは敗れた場合に昇格となります。
 ヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手はスタメンでフル出場しています。

ペナンFA(6位:7勝6分6敗 勝点27)6-3サラワクFA(11位:3勝4分12敗 勝点13)
得点者:ペナンFA-アル・ハフィズ・ハルン2(5分、32分)、セルジオ・アグエロ(8分)、カサグランデ2(14分、28分)、ジュリアン・ボッタロ(52分)、サラワクFA-ボビー・ゴンザレス2(65分、81分)、アリフ・ハッサン(75分)
 この日の勝利でわずからながら1部昇格の可能性が残ったペナンFA。最終節のPDRM FC戦に勝利し、ヌグリ・スンビランFA対UTIM FCの試合が引き分けになった場合にのみ昇格となります。