6月23日のニュース:マレーシアFAカップ準決勝の結果まとめ、アセアンが合同で2034年ワールドカップ開催立候補を検討

マレーシアFAカップ準決勝の結果まとめ
今週末はマレーシアフットボールリーグMFLは試合がありません。そこで6月22日(土)に行われたマレーシアFAカップ準決勝第1戦の結果をおしらせします。対戦カードの左側がホームチームです。なお準決勝第2戦は6月29日(土)に予定されています。

クダFA1-0フェルダ・ユナイテッド
得点者:クダFA-フェルナンド・ロドリゲス(70分PK)
 MFL3位のクダFAと最下位フェルダ・ユナイテッドの対戦は、ゴール前に上がったコーナーキックに反応したフェルダ・ユナイテッドのGKノラジアン・ラザリとクダFAの長身DFレナン・アルヴェスが交錯して得たPKをフェルナンド・ロドリゲズが決めた1点を守り切ったクダFAが先勝しました。

パハンFA2−0ペラTBG
得点者:パハンFA-エロルド・グロン2(12分、90分)、ムハマドゥ・スマレ(39分)、ペラTBG-パルティバラン・ジャナセカラン(54分)
 パハンFAの2点目は、右からのクロスを胸で受けたムハマドゥ・スマレが、それを倒れこみながらボレーでシュートした技ありのゴールでしたが、圧巻だったのはパハンFAの3点目。アディショナルタイムに入り、ハーフライン手前、自陣ハーフからエロルド・グロンの蹴った高い弾道のキックに対して、前に出ていたペラTBGのGKハフィズル・ハキムが慌てて下がりながらパンチングするも、ボールはそのままゴールへ吸い込まれるスーパーゴールとなり、パハンFAが先勝しました。

アセアンが合同で2034年ワールドカップ開催立候補を検討
タイのバンコクで本日開幕したアセアン(ASEAN、Association of Southeast Asian Nations東南アジア諸国連合)のサミット。その席でタイのプラユット・チャンオチャ首相が国際サッカー連盟FIFAワールドカップの2034年大会の立候補をアセアン各国と合同で行うことを表明し、このサミットに参加中のマレーシアのマハティール・マハティール首相もこの共催案を支持する発言をしたことを、マレーシアの英字紙ザ・スターの電子版が伝えています。
 地域内に人口およそ6億4千万人を抱えるアセアンは、タイの他、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、ベトナム、ブルネイの10カ国で構成される地域協力機構で、サッカーは間違いなくこの地域のナンバー1スポーツですが、まだワールドカップ本戦に出場した国はありません。
 アセアン内の国が単独でワールドカップを開催することは現実的でないとするマハティール首相は、域内の各国が協力して招致することで実現の可能性は上がるのではないかと話しています。

6月20日のニュース:MFL1部スーパーリーグ移籍情報まとめ

MFL1部移籍情報まとめ
遅ればせながら5月29日に終了した今年2回目のトランスファーウィンドウ期間中に入団および退団した選手について、マレーシアフットボールリーグMFLのホームページに掲載されたリストを参考に1部プレミアリーグの移籍情報をまとめました。順位は第15節終了時点、*印はまだ移籍が完了していない選手です。

1位:ジョホール・ダルル・タクジムJDT(12勝3分0敗)
新入団、退団ともなし
2位に勝点で13点差をつけて首位を独走するJDTは、マレーシア人選手、外国人選手とも不動のメンバーで残り7試合を戦います。シーズン中に補強する必要なし!という自信が伝わってきます。

2位:パハンFA(7勝5分2敗)
<新入団>
FWラザラス・カイムビ(ナミビア、2018年にはケランタンFAでプレー)
<退団>
FWゼ・エドゥアルド(ブラジル)

3位:ケダFA(6勝4分5敗)
<新入団>
MFデヴィッド・ロウリー(ケランタンFAより移籍)
*MFエドガー・ベルンハルト(キルギス、GKSティヒ(ポーランド)より移籍)
<退団>
MFアンマー・アルムバラキ(イラク)

4位:マラッカ・ユナイテッド(6勝4分5敗)
<新入団>
DFドミニク・バリチ(クロアチア、NKドゥゴポリェ(クロアチア)より移籍)
FWデイヴィ・クロード・アンガン(コートジボアール、モスタFC(マルタ)より移籍)
FWルカ・ミルノヴィッチ(セルビア、サバFA期限付き移籍から復帰)
GKアーマド・ソレヒン・ママト(クアラ・ルンプールFAより移籍)
FWモハマド・ファイザル・アブ・バカル(ヌグリ・スンビランFAより移籍)
<退団>
MFダルコ・マルコヴィッチ(モンテネグロ、クアラ・ルンプールFAへ期限付き移籍)
FWカサグランデ(ブラジル、ペナンFAへ期限付き移籍)
MFリリドン・クラシニキ(コソヴォ)
FWノーシャミル・アブドル・ガニ(スランゴール・ユナイテッドへ期限付き移籍)
MFゴピナタン・ラマチャンドラン(PDRM FCへ期限付き移籍)
FWワン・モハマド・シュクリ・ワン・アーマド(ペナンFAへ期限付き移籍)
GKシャフィズラ・アブドル・ワハブ

5位:スランゴールFA(5勝7分3敗)
<新入団
FWイフェダヨ・オルセグン(ナイジェリア、アル・リファーSC(バーレーン)より移籍)
<退団
FWルフィノ・セゴヴィア(スペイン)

6位:トレンガヌFC(5勝5分5敗)
<新入団
*DFルイス・グスタヴォ(ブラジル、アソシアソン・フェロヴィアリア・ジ・エスポルテス(ブラジル)より移籍)
FWナビル・アーマド・ラトピ(アルティメイトFC(MFL3部)より移籍)
<退団
DFイゴール・ゾンジッチ(モンテネグロ)

7位:PKNS FC(5勝4分6敗)
<新入団
*FWキティポン・プルエムジャイ(タイ、リセクロスタIL(ノルウェイ)より移籍)
<退団
FWシャフィク・シャハルディン(クアラ・ルンプールFAへ移籍)
FWチャン・ワタナカ(カンボジア、ボーウング・ケット・アンコール(カンボジア)へ移籍)

8位:ペラTBG(3勝9分3敗)
<新入団
DFフセイン・エル・ドール(レバノン、チャーチル・ブラザーズFC(インド)から移籍)
FWロナルド(ブラジル、ECキンゼ・デ・ノヴェンブロ(ブラジル)より移籍)
FWカレッカ(ブラジル、アトレチコ・アクレアーノ(ブラジル)より移籍)
<退団>
FWワンダー・ルイス(ブラジル、ベカメックス・ビンズオンFC(ベトナム)へ移籍)
FWジルマール・ホセ・ダ・シルバ(ブラジル)
DFザカリー・アンダーソン(オーストラリア)
DFシャズワン・ザイポル・バハリ(PKNP FCへ期限付き移籍)
DFナジルル・アフィフ・イブラヒム(PKNP FCへ期限付き移籍)

9位:プタリン・ジャヤ・シティFC(5勝2分8敗)
<新入団>
FWワシントン・ブランドン(ブラジル、ヴェンシュセルFF(デンマーク)より移籍)
FWペドロ・エンリケ・オリヴェリア(東ティモール、サムットサーコーンFC(タイ)より移籍)
DFモハマド・ナスリク・バハロム(プルリスFAより移籍)
<退団>
DFジョシュア・ジェイク・ブラン・グロムメン(フィリピン)
FWペドロ・エンリケ(東ティモール)
MFムニアンティ・ヨゲス(ペナンFAへ移籍)

10位:クアラ・ルンプール(KL)FA(4勝2分9敗)
<新入団>
MFダルコ・マルコヴィッチ(モンテネグロ、マラッカ・ユナイテッドから期限付き移籍)
DFノ・ヘンセク(韓国、釜山アイパーク(韓国)より移籍)
DFラフィ・アジザン・マリアペン (プチョン・フェルザFC(MFL3部)より移籍)
FWシャフィク・シャハルディン (PKNS FC)
<退団>
DF苅部隆太郎
FWシルヴァーノ・コンヴァリアス(オランダ、アレマ・クロノスFC(インドネシア)へ移籍)

11位:PKNP FC(3勝3分9敗)
新入団
DFペドロ・ヴィクトル(ブラジル、ECノルエステ(ブラジル)より移籍)
FWラモン・ダ・シルバ・コスタ(ブラジル、CAジュヴェントス(ブラジル)より移籍)
DFシャズワン・ザイポル・バハリ(ペラTBGより期限付き移籍)
DFナジルル・アフィフ・イブラヒム(ペラTBGより期限付き移籍)
MFハフィズ・アーマド・カマルディン(ペラU19)
MFアイディル・アズアン (マラッカ・ユナイテッド U19-マレーシアU19代表)
退団>
DFシヨブシュ・アスロロフ(タジキスタン)
MFトマス・アビー(ガーナ)

12位:フェルダ・ユナイテッド(1勝6分7敗)
<新入団>
FWカイルル・アムリ・カマル(シンガポール、タンピネス・ローヴァーズ(シンガポール)より移籍)
<退団>
FWチアゴ・キリーノ・ダ・シウヴァ(ブラジル)

MFL第17節の結果まとめ

6月16日の第16節終了から数日で開催された6月18日(火)と19日(水)のマレーシアフットボールリーグMFL第17節の結果です。

MFL1部スーパーリーグ

ペラTBG3-1トレンガヌFC
得点者:ペラTBG-シャルル・サアド(34分)、ロナウド2(69分、77分)、チエリー・チャンタ・ビン(88分)
 好調のペラTBG攻撃陣相手に、DFデルチ・マーセルが27分に2枚目のイエローをもらって退場となるなど、トレンガヌFCにとっては厳しい試合展開でした。この試合の結果、ペラTBGがトレンガヌFCに代わって6位に浮上し、トレンガヌFCは7位に降下しています。

プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC1−0フェルダ・ユナイテッド
得点者:PJシティFC-サフィ・サリー(45分)
 フェルダ・ユナイテッドの渡邉将基選手は前節はベンチ入りしなかったものの、この試合ではスタメンでフル出場、また池田圭選手は前節同様、途中から出場しています。

PKNS FC2-3クダFA
得点者:PKNS FC-クパ・シャーマン2(53分PK、66分)、クダFA-バドロル・バクティアル(10分)、ファヤッド・ズルキフリ(71分)、リザル・ガザリ(90分)
 PKNS FCは、一時はリーグ4位と前半戦の快進撃を支えた守備陣が、この試合も含めた直近の5試合で12失点と崩壊しています。
 リーグ3位のクダFAは、残り5試合を全勝し、首位JDTが全敗しても現在のJDTの勝点には追いつかないため、優勝争いから脱落です。

パハンFA2-0PKNP FC
得点者:パハンFA-ラザラス・カイムビ(21分)、ディクソン・ヌワカエメ(31分)
 前節まで5試合連続無得点だったパハンFAは、両外国人FWがゴールを決めています。しかし、リーグ2位のパハンFAは試合数が1試合少ないものの、首位JDTとの勝点差は13のままです。

ジョホール・ダルル・タクジムJDT3-2スランゴールFA
得点者:JDT-ゴンザロ・カブレラ(10分)、レアンドロ・ヴァレズケス(12分)、サファウィ・ラシド(61分)、スランゴールFA-カイリル・ムヒミン(41分)、サンドロ・ダ・シルヴァ(89分)
 開始から12分で2点先取されたスランゴールFAは、前半終了間際にカイリル・ムヒミンの素晴らしいFKで1点差と迫りましたが、JDTが逃げ切り、スランゴールFAも優勝争いから脱落しました。
 この試合の勝利でJDTのMFL6連覇(!)はほぼ決まりでしょう。その余裕からか、国際サッカー連盟FIFAワールドカップ2022年大会アジア予選に出場したマレーシア代表のメンバーでもあったDFドミニク・タンを、タイ1部のトラートFCに期限付き移籍させています。

クアラ・ルンプール(KL)FA0−1マラッカ・ユナイテッド
得点者:マラッカ・ユナイテッド-パトリック・ライヒェルト(44分)
 ここ数試合、接戦を制することができないでいるKLFAは、この試合も1点差負け。今節第17節を終了して、36失点はリーグ最多です。
 マラッカ・ユナイテッドは、次節はホームに首位JDTを迎えます。最後までシーズンを緊迫したものにするためにも、この試合では是非、勝ってもらいたいです。

MFL2部プレミアリーグ

ケランタンFA1-1JDT II
得点者:ケランタンFA-アズワン・アリピン(57分)、JDT II-モハマド・ガダー(7分PK)

ヌグリ・スンビランFA3-0スランゴール・ユナイテッド
得点者:ヌグリ・スンビランFA-中武駿介(14分)、アルミール(71分)、イゴール・ルイズ(85分)
 今シーズン3点目のゴールを挙げたヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手は、スタメンでフル出場しています。

サラワクFA1-3UKM FC
得点者:サラワクFA-アリフ・ハサン(14分)、UKM FC-ミラド・ザニドプール(14分)、ワン・ファイズ2(53分、89分)

PDRM FC1-2サバFA
得点者:PDRM FC-リ・チャンフン(76分)、サバFA-ロドリュウブ・パウノヴィッチ(76分)、アルト・リナス(82分)

UITM FC3-3ペナンFA
得点者:UITM FC-ザルコ・コラチ2(12分PK、59分)、アメル・アザハ(45分)、ペナンFA-カサグランデ3(34分。47分、90分)

MFL第16節の結果まとめ

マレーシアフットボールリーグMFLは6月15日(土)と16日(日)の両日に第16節が行われました。以下結果です。(左側がホームチーム)

MFL1部プレミアリーグ

PKNP FC1−1ジョホール・ダルル・タクジムJDT
得点者:PKNP FC-ラモン・コスタ(15分)、JDT-ジオゴ(5分)
 リーグ首位JDTが11位PKNP FCのホームでまさかの引き分け。PKNP FCは5月末のトランスファーウィンドウ期間中に加入したブラジル人FWラモン・コスタのゴールで追いつくと、そのままJDTを抑えて貴重な勝点1を獲得しました。
 一方、6月11日に行われた国際サッカー連盟FIFAワールドカップ2022年大会アジア一次予選で東ティモール代表と対戦し勝利したマレーシア代表23名中、JDTからは9名が選出されており、代表組は少々お疲れだったのかもしれません。しかし、この引き分けのおかげで、2位以下のチームにはJDTとの差を詰めるチャンス到来だったのですが…。

クダFA0-0パハンFA
得点者:なし
 この試合前までに首位JDTとの勝点差が10あったリーグ2位のパハンFA。JDTが降格圏のPKNP FCと引き分けたこの機会を活かしたかったところですが、結果はリーグ3位のクダFAと引き分けて、勝ち点差を詰めることができませんでした。
 得点力不足に苦しむパハンFAは、FWディクソン・ヌワカエメが4月28日のMFL第11節JDT戦以来の出場となりましたが、この試合ではゴールを決めることができず、チームも5試合連続無得点となりました。

フェルダ・ユナイテッド5−4PKNS FC
得点者:フェルダ・ユナイテッド-チアゴ・ジュニオール(4分)、ハディ・アズマン(45分)、ファイズ・マズラン(48分)、カイルル・アムリ2(52分、56分)、PKNS FC-クパ・シャーマン(15分)、タミルラン・コズバエフ(60分)、 ジャフリ・フィルダウス・チュウ(72分)、ロドニー・セルヴィン(82分)
 リーグ最下位に低迷するフェルダ・ユナイテッドが貴重な勝点3を獲得。なおフェルダ・ユナイテッドの池田圭選手は途中出場、渡邉将基選手はベンチ外でした。
 スランゴールFAのBチーム化が噂されているPKNS FCは、開幕当初の勢いが衰えてきていますが、もしこのBチーム化が決定すれば、今シーズンの成績に関わらずMFL2部プレミアリーグへ降格となります。ここで補足的な説明をすると、スランゴールFAはスランゴール州サッカー協会(スランゴール州FA)によるクラブチームであるのに対し、PKNS FCはスランゴール州政府の機関であるスランゴール州開発公社が母体のクラブチームです。この2つのクラブはいずれもマレーシア国内で最大の人口と経済規模を持つスランゴール州の州政府からそれぞれ経済的な支援を受けています。この2つのクラブを統合することで、恐らく主体となるであろうスランゴールFAをJDTのような金満クラブと対等に戦うだけの資金を確保し、同時にMFL2部でようという算段です。スーパーリーグのJDTとトレンガヌFCはそれぞれのBチームが、プレミアリーグにJDT IIとトレンガヌFC IIとして在籍していますので、スランゴールFAもこれに習う形になる可能性があります。

プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC0-1ペラTBG
得点者:ペラTBG-ロナウド(19分)
 ペラTBGが逃げ切り。PJシティFCは主将のDFスブラマニアム・ソーリャパラドが65分,68分と立て続けに2枚のイエローカードをもらって退場となり、数的不利な状況では反撃できませんでした。

スランゴールFA2−1クアラ・ルンプール(KL)FA
得点者:スランゴールFA-イフェダヨ・オルセグン(37分)、サンドロ・ダ・シルヴァ(90分PK)、KLFA-ギリェルメ・デ・パウラ(59分PK)
 クアラ・ルンプールとそれを囲む形のスランゴール州を本拠とするチーム同士の対戦は、この辺りがクラン川に沿った渓谷であることからクランバレーダービーと呼ばれていますが、そのダービー戦も引き分けかと思われた90分過ぎに、途中出場のMFショーン・セルヴァラジがペナルティエリア内で倒されてPKを獲得、この日のマンオブザマッチ的な活躍をしたサンドロ・ダ・シルヴアがこのPKを確実に決め、スランゴールFAが土壇場でKLFAに勝利しました。
 KLFAは、FWギリェルメ・デ・パウラが、元シンガポール代表で現役時代はKLFAでもプレーしたファンディ・アーマドの持つクラブ記録の67得点へあと2つとせまるゴールを決めましたが、第14節のプタリン・ジャヤ・シティFCに続き、またも90分を過ぎてから決勝ゴールを奪われての敗戦となりました。

マラッカ・ユナイテッド3-3トレンガヌFC
得点者:マラッカ・ユナイテッド-デイヴィ・クロード・アンガン2(17分,49分)、ルカ・ミルノヴィッチ(31分)、トレンガヌFC-サンジャル・シャアフメドフ3(41分、73分、82分)
 ウズベキスタン出身のMFサンジャル・シャアフメドフのハットトリックで引き分けたトレンガヌFCは、最近6試合で3試合目の引き分け。
 一方のマラッカ・ユナイテッドは、入団後2試合目となったFWデイヴィ・クロード・アンガンの2ゴール、5試合で5ゴール目を決めたFWルカ・ミルノヴィッチの活躍もありましたが、やはりこちらも最近6試合で3試合目の引き分けでした。

MFL2部プレミアリーグ

JDT II5-0トレンガヌFC II
得点者:JDT II- ニコラス・フェルナンデス3(14分、18分、89分)、ラマドハン・サイフラー(50分)、サアルヴィンドラン・デヴァンドラン(73分)
 MFL1部スーパーリーグのBチーム同士の対戦となったこのカードは、MFニコラス・フェルナンデズのハットトリックなどでJDT IIが圧勝しています。
 トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手は、スタメンでフル出場しています。

ケランタンFA0-0UITM FC
得点者:なし
 3位UITM FCと11位ケランタンFAの試合は、両チーム無得点の引き分けでした。
 第14節でプレミアリーグ首位に立ったUITM FCは、その後は1分1敗という成績で、3位まで順位を下げています。

スランゴール・ユナイテッド1-3ペナンFA
得点者:スランゴール・ユナイテッド-ハディ・ヤハヤ(90分)、ペナンFA-ジュリアン・ボッタロ(50分)、カサグランデ(60分)、セルジオ・アグエロ(89分)
 トランスファーウィンドウ期間中に、セルジオ・アグエロ(スランゴール・ユナイテッドから移籍)、カサグランデ(マラッカ・ユナイテッドから期限付き移籍)と二人のFWを獲得して以来、2勝1分と好調のペナンFAは、この試合も新戦力二人が活躍して4試合負けなしとなりました。

サバFA1-0ヌグリ・スンビランFA
得点者:サバFA-アルト・リナス(66分)
 ともに1部スーパーリーグへの昇格を目指す3位のサバFAと5位ヌグリ・スンビランFAの試合は、5試合負けなしのサバFAがこの試合も勝利し、消化試合がヌグリ・スンビランFAよりも1試合少ないものの、勝点で5点差をつけてリードしています。
 ヌグリ・スンビランFAの中武俊介選手はスタメンでフル出場しています。

UKM FC2-3PDRM FC
得点者:UKM FC-アスナン・アーマド(14分)、マテオ・ロスカム(74分)、PDRM FC-ファウザン・ファウジ(8分)、アルグジム・レゾヴィッチ(49分)、リ・チャンフン(77分PK)

6月2日のニュース:サファウイ・ラシドに日韓のクラブが関心、FAMの懲戒委員会によりスランゴールFAのGKは5試合出場停止、FAMのステイタス委員会は未払い給料支払いを命令

サファウイ・ラシドに日韓のクラブが関心
英字紙ニューストレイトタイムズの電子版では、AFCチャンピオンズリーグACLにジョホール・ダルル・タクジムJDTのメンバーとして出場したサファウイ・ラシドに日韓のクラブが関心を示していると英字紙ニューストレイトタイムズの電子版が伝えています。
 昨シーズンの国内最優秀選手にも選ばれているサファウイ選手はACL以外にも昨年インドネシアで開催され、韓国を撃破したアジア競技大会や今年3月のアジアサッカー連盟AFC U23選手権予選にも出場してゴールを決めていまが、そういった実績に加えて、現在22歳という若さからJ1のクラブが関心を示していると、記事の中であるエージェントが述べています。しかし同じエージェントがJDTと話したところ、現時点ではJDTはサファウィ選手の移籍を容認しないと語ったようです。
 この記事の中では、別のエージェントは韓国のKリーグ所属クラブにもサファウィ選手に関心を持っているところがあると述べています。2020年より「アセアン枠」での外国人獲得が可能となるKリーグ(詳しくはこちらを参照して下さい。)にはこの「アセアン枠」が開いているチームがあり、サファウィ選手はまさしくその枠にフィットする候補だと述べています。アジア競技大会では、英国プレミアリーグのトットナムで活躍する孫興民(ソン・フンミン)を擁するU23韓国代表相手に2ゴールを挙げ、マレーシアの勝利に貢献しているので、その活躍が注目を集めたのかも知れません。このエージェントはサファウィ選手以外に、帰化選手であるモハマドゥ・スマレやマシュー・デイビーズ(いずれもパハンFA)といったマレーシア代表の選手の他、リー・タック(トレンガヌFC)やロメル・モラレス(PKNS FC)なども国外のクラブの関心を集めていると述べています。
 国内のトップレベルの選手が国外でプレーする話は聞いたことがありませんが、個人的にはサファウィ選手には是非、Jリーグでプレーしてもらいたいです。アセアン出身者のJリーグ成功例としては、水戸のグエン・コン・フオン(現Kリーグインチョン・ユナイテッド)や札幌のチャナティップ・ソングラシンがいます。またファジアーノ岡山にはU23代表のハディ・ファイヤッドも在籍していますが、サファウィ選手も是非、国外のクラブで揉まれてもう一回り大きくなって欲しいと思います。

FAMの懲戒委員会によりスランゴールFAのGKは5試合出場停止
マレーシアサッカー協会FAMの懲戒委員会が開かれ、マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグのスランゴールFAのGKファリザル・ハルンに対し、5試合の出場停止と罰金5000リンギ(約13万円)が課されました。
 5月18日に行われたMFL第14節のスランゴールFA対PKNP FCとの試合中に、ファリザル選手がゴール前の混乱の中、PKNP FCのムハマド・アル・ファテ選手の顔面を殴りました。試合中、審判はこれに気が付きませんでしたが、ビデオ映像にはしっかり残っており、今回の処分につながっています。
 ファリザル選手はMFL第8節、4-3で勝利した対マラッカ・ユナイテッド戦でも自らのミスから失点につながったことをなじったファンに対して中指を立てるなど前科があり、またこのPKNS FC戦の後も彼の行為に対して批判的なファンに対して悪態をつくなど、一部ファンからは「スランゴールFA史上最低の選手」とも呼ばれています。
 MFLが残り7試合という状況下でのFAMによる5試合の出場停止処分に対して、ファリザル選手は裁定が重すぎると述べていますが、その一方で「サッカー選手なら一度や二度はカッとなることはあるはず」と述べるなど、反省の色は見られません。
 スランゴールFAのB・サティアナタン監督はこの裁定に対して不服申し立てを行うかどうかはクラブの上層部に任せるとし、チームにとってレギュラーGKがいなくなるのは非常に大きな痛手であるとコメントし、観客に飛び蹴りを加えたことで有名なエリック・カントナ(!)が出場停止を乗り越えて復帰したことを例に挙げ、ファリザル選手にもカントナ選手を見習って欲しいと述べています。

FAMのステイタス委員会は未払い給料支払いを命令
このブログでは何度も取り上げたマレーシアサッカー界の給料未払い問題ですが、今回はFAMのステイタス委員会が、所属選手から未払い給料請求を受けているクラブへ30日以内の支払い命令を出しています。
 その中でも最大額は昨シーズンのMFL3部(昨年までの名称はFAMリーグ)の優勝チーム、トレンガヌ・シティFCの411,900リンギ(約1070万円)で21名のマレーシア人選手から未払い給料請求が出ています。この他にはサバFAはかつて所属した外国人選手3名の契約上の賠償金と航空券代金362,000リンギを、クアラルンプール(KL)FAは外国人選手の代理人費用260,000リンギを支払うよう命令されています。またケランタンFA、ペナンFA、すでに解散したマルセラ・ユナイテッドFCなどにも選手、コーチ陣への支払い命令が出されています。またフェルダ・ユナイテッドFCは前監督で現スランゴールFA監督のB・サナティアタンに対して契約金と住居手当など未払い分の支払いを命じています。
 イスラム教国マレーシアでは、6月5日に断食月が終わり、日本で言えば正月に当たるこの時期に未払い給料問題の解決が見えてきたことは喜ばしいのですが、この話は支払い命令を出せば終わりというものではないのが、マレーシアサッカーの闇の深いところです。例えば上で取り上げたトレンガヌ・シティFCは、MFL3部の優勝チームとして2部プレミアリーグへ自動昇格の権利を得ていましたが、給料未払い問題により昇格どころか解散しており、現在ではクラブ経営陣も存在していません。このため、FAMが支払いを命じたところで存在しないクラブの責任の所在がはっきりしていません。トレンガヌ・シティFCのモハマド・ノー・デルス前監督は、トレンガヌ・シティFCはトレンガヌ州サッカー協会(トレンガヌ州FA)の加盟団体だったことから、トレンガヌ州FAが仲介しこの問題を解決するべきだとしています。さらにトレンガヌ・シティFCはFAMリーグでトレンガヌ州を代表するクラブで、その優勝はトレンガヌ州サッカーに名誉をもたらしたことへの評価を求めています。またモハマド・ノー前監督は、トレンガヌ州FAが仲介せず、FAMも命令を出す以上の関与を行わないのであれば、FAMは「窓枠に溜まったホコリを吹く」程度で掃除を終えたと言っているようなものであり、時間の無駄以外の何物でもないと非難しています。


 

MFL第15節の結果まとめ

マレーシアフットボールリーグMFLは5月24日(金)から26日(日)にかけて、1部スーパーリーグと2部プレミアリーグで合わせて10試合が行われました。なお、パハンFA対フェルダ・ユナイテッドの試合は、元FAM会長で、パハンFA元会長でもあった故スルタン・アーマド・シャー殿下追悼のため順延になっています。以下、結果です。

1部スーパーリーグ

トレンガヌFA1-0スランゴールFA
得点者:トレンガヌFC-K・サルクナン(90分OG)
 両チームともに決め手を欠く試合は、このまま引き分けかと思われたアディショナルタイムにスランゴールFAのキャプテンK・サルクナンが自陣ゴール前の低いクロスをクリアミスしたOGで決着がつきました。
 前節終了後にイルファン・バクティ監督が辞任したトレンガヌFCは、モハマド・ナフジ・ザイン監督代行がこれまで先発出場していたイゴール・ゾニッチ(モンテネグロ)やチエリー・チャンタ・ビン(カンボジア)をスタメンから外すだけでなくベンチ外にするなど思い切ったメンバー入れ替えを行なって試合に臨みました。ただし一部メディアの報道では、二人の外国人選手のベンチ外はザイン監督代行ではなく、経営陣の指示であるような報道もあり、あと3日で閉じてしまうトランスファーウインドウ期間にトレンガヌFCには外国人獲得など何かしらの動きがあるかもしれません。

PKNS FC3-0プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC
得点者:PKNS FC-ゲブリエル・ゲラ(50分)、クパ・シャーマン2(53分、73分)
 3連勝中だったPJシティFCを破ったPKNS FCは、自らの連敗を2で止めています。

ペラTBG2-3マラッカ・ユナイテッド
得点者:ペラTBG-ブレンダン・ガン(18分)、J・パルティバン(57分)、マラッカ・ユナイテッド-ナズリ・ナウィ(23分)、パトリック・ライヒェルト2(45分、74分)
 新戦力加入で過去4試合負けなしだったペラTBGは、マラッカ・ユナイテッドのフィリピン人FWパトリック・ライヒェルトの2ゴールを含む今季3度目の3失点と守備陣が崩壊しました。一方のマラッカ・ユナイテッドは再び4位浮上です。

ジョホール・ダルル・タクジム(JDT)2-0クダFA
得点者:JDT-レアンドロ・ヴァラスケス(33分)、サファウイ・ラシド(86分)
 今節注目の首位JDT対3位のクダFAの対戦でしたが、JDTが順当に勝利し、試合のなかったパハンFAとの勝点差は13と開きました。

クアラ・ルンプール(KL)FA4-1PKNP FC
得点者:KLFA-パウロ・ジョスエ(14分)、ギリェルメ・デ・パウラ3(17分、18分PK、90分)、PKNP FC-ジャンカルロ(83分)
 キャプテンで攻撃の要でもあるインドラ・プトラ・マハユディンを累積警告の出場停止で欠くKLFAでしたが、降格を争うPKNP FCをギリェルメのハットトリックなどで一蹴し、PKNP FCに代わって順位を一つ上げて10位に、負けたPKNP FCは代わって11位となりました。
 KLFAの苅部隆太郎選手はスタメンでフル出場しています。

2部プレミアリーグ

UITM FC3−2スランゴール・ユナイテッド
得点者:UITM FC1-2マイコン・カリジュリ(46分)、スランゴール・ユナイテッド-ダンコ・コヴァチェヴィチ(26分)、フランクリン・アンズィテ(60分PK)
 この試合はネットで観戦しました。前節第14節が終了した時点で今シーズン初めて首位となったUITM FCは、それが影響したのかホームでの試合ながら受け身に回りスランゴール・ユナイテッドに攻め込まれる場面が目立ちました。しかも残り10分でここから反撃、という大事な時間帯に、DFファイザル・アリフが必要のない2枚目のイエローをもらって退場し、10人となったところで万事休すでした。

ヌグリ・スンビランFA0-1UKM FC
得点者:UKM FC-ミラド・ジダドプール(51分)
 ヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手はスタメンでフル出場しています。ちなみに中武選手には5月20日にお嬢さんが誕生されたそうです。おめでとうございます。

ペナンFA0-0サバFA
得点者:なし

トレンガヌFC II2-2ケランタンFA
得点者:トレンガヌFC II-アーマド・タキユディン・ロスラン2(10分、68分)、ケランタンFA-ニック・アズリ・ニック・アリアス(4分)、ニック・アキフ・シャヒラン(22分)
 トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手はスタメンでフル出場しています。

サラワクFA1−1ジョホール・ダルル・タクジム(JDT)II
得点者:サラワクFA-アリフ・ハサン(26分)、JDT II-ロザイミ・ラーマン(90分PK)
 UITM FCと勝点で並びながら、得失点差で2位のJDT IIは、この試合も最下位のサラワクFAと引き分けるなど、ここ4試合で勝ちなしと、それまでの7勝3分0敗という勢いが嘘のような失速です。

5月26日のニュース:PKNS FCのGKが代表候補へ追加招集、MFL3部チームの多くがアマチュアリーグ案に同意 、MFL3チームは勝点剥奪なし

PKNS FCのGKが代表候補へ追加招集
マレーシアサッカー協会FAMのFacebookによると、マレーシア代表のタン・チェンホー監督は、5月27日から始まる代表候補合宿へマレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグのPKNS FCのGKザリフ・イルファン・ハシムディンを追加招集しました。24歳のザリフ選手は、ケガにより代表候補合宿を辞退したペラTBGのGKハフィズル・ハキム・カイルル・ニザムに代わって招集されています。

MFL3部チームの多くがアマチュアリーグ案に同意
マレー語紙ウトゥサン・ムラユのオンライン版によると、MFLのケヴィン・ラマリンガムCEOがMFL3部のM3リーグの14クラブの代表と会談しました。その席でM3クラブの多くが、MFLが創設するアマチュアフットボールリーグ(AFL)への参加に前向きであるようです。
 M3リーグはMFL3部ながら、MFLからの助成金支給はなく、各チームが全ての費用を負担しています。
 M3リーグがAFLとなることで、M3リーグの優勝チームと2位のチームはMFL2部プレミアリーグへの自動昇格はなくなり、プレミアリーグ最下位2チームとのプレーオフを行うことになりますが、その一方でMFLはM3リーグの試合の審判費用を負担するほか、M3各クラブの遠征に伴う移動や宿泊費用に関する援助を行い各クラブが直面している費用負担の軽減に協力するとしています。
 記事の中ではケランタン・ユナイテッド、トゥン・ラザクFC、クチンFAなどM3リーグのクラブ関係者がMFLのケヴィン・ラマリンガムCEOの詳細な説明を聞いて、MFLによる提案に対して前向きになっていることが紹介されています。

MFL3チームは勝点剥奪なし
MFLのホームページで、マラッカ・ユナイテッド、ケランタンFA、サラワクFAの各クラブは、期限までにMFLが求めていた会計資料を提出期限としていた5月22日までに提出したとして、勝点3の剥奪を行わないとしています。
 またケランタンFAとサラワクFAに課せられていたトランスファーウィンドウ期間中の新たな選手獲得禁止措置についても、新入団する選手の給与が、代わりに退団する選手の給与を超えない、という条件付きで選手1名のみ獲得を許可するとしています。
 MFLは昨年12月31日までに各クラブの経営破綻をさけるため、会計資料を提出するように求め、その期限に間に合わなかった1部スーパーリーグのクアラルンプール(KL)FA、フェルダ・ユナイテッド、マラッカ・ユナイテッド、2部プレミアリーグのケランタンFA、PDRM FC、サラワクFA、ペナンFAについては、スーパーリーグが300万リンギ(約7800万円)、プレミアリーグが100万円(約2600万円)とされるMFLからの年間助成金の50パーセントを削減するとしていました。
 しかし今年4月22日、各クラブが提出した借金返済計画や今後の運営計画などを精査した結果、MFLはKLFA、フェルダ・ユナイテッド、PDRM FC、ペナンFAへの助成金削減は5パーセントとすることと発表しました。
 その一方で、マラッカ・ユナイテッド、サラワクFA、ケランタンFAの各クラブについては、4月22日までに従業員積立基金(EPF、退職時に受け取れる強制積立基金、労働者が給与の12パーセント、雇用者が給与の11パーセントを負担する)、従業員社会保障(SOCSO、労災補償のために雇用者が給与の1.25パーセントを負担する)、国税局による支払いを証明する公式書類が期限までに提出されなかったため10パーセントの削減と提出期限の30日間延長措置をうけ、5月22日の期限までにこれらの公式書類が提出されない場合は勝点3の剥奪を行うことが通知されていました。

5月25日のニュース:クダFA、UITM FC、スランゴール・ユナイテッドが新外国人獲得、元FAM会長の死去に伴いパハンFA対フェルダ・ユナイテッドの試合は延期

クダFAが新外国人を獲得
トランスファーウィンドウ期間終了まであと5日となり、マレーシアフットボールリーグMFL各クラブの新戦力獲得の動きが活発化してきました。MFL1部スーパーリーグで第14節を終えて首位ジョホール・ダルル・タクジム(JDT)と勝点14差の3位につけるクダFAは、オーストラリア出身で185cmの攻撃的MFデイヴィッド・ロウリーを獲得したと、マレー語紙ハリアン・メトロのオンライン版が伝えています。
 29歳のロウリー選手はオーストラリア、ドイツ、タイなどでプレー経験があり、昨年はMFL2部プレミアリーグのヌグリ・スンビランFAでプレーし、今シーズン開幕時にはやはりプレミアリーグのケランタンFAと契約し、9試合に出場しましたが、5月21日には契約を解除していました。
 今週末の第15節では、首位JDTとの直接対決を控え、攻撃のキーマンでもある主将のバドロル・バクティアルは累積警告による出場停止で、イラク出身のFWアンマル・アルムバラキ、MFシャハルル・アズワリ・イブラヒム、MFアザムディン・アキルらをケガで欠くクダFAに対しては、サポータークラブも新戦力獲得を求める声を上げており、そう言った中での新戦力補強です。
 オーストラリア人のロウリー選手は、マレーシアの市民権も持っているため、選手登録は外国人としてではなく、マレーシア人選手として登録されます。

UITM FCも新外国人選手と契約
第14節を終えてMFL2部プレミアリーグの首位UITM FCもブラジル出身のFWマイコン・ロジェリオ・シルヴァ・カリジューリと契約したとハリアン・メトロのオンライン版が伝えています。
 33歳のマイコン選手はヨーロッパではポーランドやベラルーシ、アジアではタイやインドネシア、カンボジア、ミャンマーなどでもプレー経験があり、UITM FCでは、現在プレミアリーグで10ゴールを挙げ得点王となっているモンテネグロ出身のザルコ・コラチとともに攻撃陣をリードすることが期待されています。
 UITM FCには第11節までで7ゴールを挙げ、リーグ得点王争いで2位につけていたセネガル出身のロベルト・メンディーがいましたが、完治まで8ヶ月というケガを負ったため、メンディー選手に代わってマイコン選手が登録されることになります。
 UITM FCはキルギスタン出身で今年1月のアジアサッカー連盟AFC選手権アジア杯にも出場したMFアフリジン・イスライロフをすでにトランスファーウィンドウ期間に獲得しており、こちらは既にプレミアリーグで2試合に出場しています。
(下の写真はいずれもUITM FCのFacebookより)

スランゴール・ユナイテッドも新たに2名の外国人選手と契約
8試合で4ゴールを挙げたセルジオ・アグエロがペナンFAへ移籍したスランゴール・ユナイテッドは、モンテネグロ出身のFWダンコ・コヴァチェヴィッチと韓国出身の攻撃的MFファン・シンヨンを獲得しています。
 両選手はMFL第15節のUTIM FC戦から出場の予定です。

元FAM会長の死去に伴いパハンFA対フェルダ・ユナイテッドの試合は延期
5月22日に亡くなられた元FAM会長で前パハン州のスルタン、スルタン・アーマド・シャー殿下を追悼するため、MFL第15節のパハンFA対フェルダ・ユナイテッドの試合を延期することがMFLのホームページで告知されています。
 またその他のMFLのカードでも、試合開始前に1分間の黙祷を捧げるとしています。

5月22日のニュース:JDTは今日ACLの最終戦、背番号を変えてスーパーリーグに臨む新外国人選手

JDTは今日ACLの最終戦
今シーズン初めてアジアサッカー連盟AFCチャンピンズリーグACL本戦に出場したジョホール・ダルル・タクジム(JDT)が、今日、韓国の慶南FCのホームでACLグループステージ最終戦を戦います。
 前節5月8日に行われたホームでの対鹿島アントラーズ戦では、歴史に残るACL初勝利を挙げたJDTですが、グループEでの順位は1位山東魯能泰山(3勝2分0敗-勝点11)、2位鹿島アントラーズ(2勝1分2敗-勝点7)、3位慶南FC(1勝2分2敗-勝点5)に続く4位(1勝1分3敗-勝点4)となっています。1位の山東魯能泰山はすでにグループスタージ突破が確定していますが、最下位のJDTを含めた残り3チーム全てに2位になる可能性があり、各グループの上位2チームが進むノックアウトステージ進出の可能性が残っています。
 ノックアウトステージへJDTが進むためには、まず慶南FCに勝ち、さらに鹿島が山東魯能泰山に敗れることが条件です。ACLは勝ち点で並んだ場合の順位決定規定として、
1. 当該チーム同士の対戦における勝ち点の多少(JDTと鹿島の対戦結果は1勝1敗)
2. 当該チーム同士の対戦における得失点差(両チームとも得点2、失点2で得失点差±0)
3. 当該チーム同士の対戦における、ゴール数の多少(両チームとも得点2)
4. 当該チーム同士の対戦における、アウェーゴール数の多少(JDT1、鹿島0)
となっており、JDTが勝ち、鹿島が負ければそのスコアに関わらず、規定4)により、JDTがグループEの2位でノックアウトステージに進みます。
 グループスタージ突破が確定している山東魯能泰山が、アウェイとなる鹿島戦に主力を投入してくるかどうかは疑問ですが、JDTはとにかく目の前の試合に勝って、少しでも可能性を残しておきたいところです。
 マレーシアのメディアの中には、突破の可能性が限りなく低いことから、この日曜日5月26日におこなわれるマレーシアフットボールリーグMFL第15節、3位のクダFA戦にベストメンバーで臨めるよう、主力選手をベンチに置く布陣を進める最初から敗者の発想のなんとも情けない記事を掲載するオンライン版メディアもありますが、大方の予想を覆す勝利を見せてもらいたいものです。

背番号を変えてスーパーリーグに臨む新外国人選手
5月2日から始まっているトランスファーウィンドウ期間中に、シンガポールリーグのタンピネスローバーズからMFL1部スーパーリーグのフェルダ・ユナイテッドへ移籍してきたシンガポール代表のカイルル・アムリ・カマル。3月にクアラルンプールで開催された親善大会エアマリンカップでは、マレーシア代表を倒したシンガポール代表のメンバーでもありました。
 移籍直後のマレーシアFAカップ準々決勝、対クアラルンプール(KL)FA戦に先発スタメン出場したものの、試合中に肩を痛め24分に途中交代しています。その後、ケガの回復が遅れスーパーリーグの試合も2試合に欠場、その間チームはマラッカ・ユナイテッドに0-6と大敗、その翌節もトレンガヌFCと1−1と引き分け、順位は最下位に低迷しています。
 このカイルル選手が背番号を変更したいとしていると、マレーシア語紙ハリアン・メトロのオンライン版が伝えています。
 カイルル選手は2010年にインドネシアリーグのプルシバ・バリクパパンへ移籍した経験があり、その際にはデビュー戦でのゴールを含めて、23試合で9ゴールを挙げるなど活躍しましたが、シーズン中に足の一部筋肉断裂により、7ヶ月ほど試合に出場できない状況が続いた結果、契約期間を終了しないままシーズン途中での対談となりました。そしてプルシバ・バリクパパン時代につけていた背番号が9でした。そして今回フェルダ・ユナイテッドでもKLFAとのデビュー戦では背番号9をつけて出場したカイルル選手は、やはりケガでその後の試合を欠場することになったことから、背番号を9から他の番号へ変えることを決めています。
 なお本人の希望は19だったようですが、これはすでにチームメイトのクリスティ・ジャヤセランがつけているため、まだ新背番号は決まっていないようですが、今週末のMFLでは、新たな背番号をつけてカイルル選手が見られそうです。


 

MFL第14節の結果まとめ

5月17日(金)から5月19日(日)にかけて行われたマレーシアフットボールリーグMFL第14節の結果です。

MFL1部スーパーリーグ

プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC1-0クアラ・ルンプール(KL)FA
得点者:PJシテイFC-サフィ・サリー(90分)
 この試合を観戦しましたが、両チームとも決め手を欠き、無得点のまま試合終了かと思ったその時にたった一つのミスで決着がつきました。KLFAの苅部隆太郎選手はレフトバックでスタメンフル出場し、要所では効果的な活躍をしていたのですが、最後にGKとのコミュニュケーションがうまくいかず、途中出場のサフィ・サリーがそのミスを見逃さずPJシティFCの決勝ゴールにつながりました。

ジョホール・ダルル・タクジム(JDT)2−1PKNS FC
得点者:JDT-サファウイ・ラシド(18分)、ジオゴ(61分)、PKNS FC-ロメル・モラレス(30分)
 アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLのグループステージ最終戦、アウェイでの慶南FCを来週の水曜日に控えるJDTにとっては、勢いをつけるためにも国内では負けるわけにはいかない試合でした。将来の代表のエース(と私が思っている)サファウィ・ラシドの先制ゴールは、帰化選手の候補にも上がっているロメロ・モラレスのゴールで同点にされましたが、ゴール前の混戦からジオゴがヘディングで決勝ゴールを決めています。

クダFA2-1マラッカ・ユナイテッド
得点者:クダFA-バドロル・バクティアル(61分)、ジャン・スクウォン(71分OG)、マラッカ・ユナイテッド-ルカ・ミルノヴィッチ(31分)
 前節第13節では、スランゴールFAの新外国人FWイフェダヨ・オルセグンのハットトリックで大敗したクダFAが、マラッカ・ユナイテッド相手に勝利しリーグ順位を3位と上げました。クダFAは次節第15節はアウェイのJDT戦です。
 一方のマラッカ・ユナイテッドは前節は最下位のフェルダ・ユナイテッド相手にルカ・ミルノヴィッチがハットトリックを決めるなど6-0の圧勝でしたが、この試合はミルノヴィッチが2試合連続ゴールを決めたものの、最後はオウンゴールで逆転負けでした。

フェルダ・ユナイテッド1-1トレンガヌFC
得点者:フェルダ・ユナイテッド-池田圭(88分)、トレンガヌFC-ナビル・ラトピ(83分)
 前節にKLFAと入れ替わりで最下位へ落ちたフェルダ・ユナイテッドは、上位チーム相手に貴重な勝点1を手にしました。
 また、前節の試合後にイルファン・バクティ監督が辞任したトレンガヌFCにとっては、上位進出が遠のく引き分けと言えるでしょう。
 なお、前節第12節はベンチ入りしていなかったフェルダ・ユナイテッドの渡邉将基選手は先発スタメンでフル出場、池田圭選手は72分から出場して、今シーズン3ゴール目となる貴重な同点ゴールを決めています。

PKNP FC1-1スランゴールFA
得点者:PKNP FC-G・ムゲンティラン(48分)、スランゴールFA-イフェダヨ・オルセグン(29分)
 前節は新加入のイフェダヨ・オルセグンのハットトリックで上位のクダFAに快勝しましたが、この試合ではトマス・アビィ、ジャンカルロ・ロペス、アマニ・アギナルドといった外国人選手をケガや累積警告による出場停止で欠く下位のPKNS FC相手に上位進出にとっては手痛い引き分けとなりました。

パハンFA0-0ペラTBG
得点者:なし
 いずれもワールドカップ予選出場の代表候補となっているキャプテンのDFシャルル・サアドを累積警告による出場停止で、GKハフィズル・ハキムをケガで欠いたペラTBGでしたが、後半は明らかに引き分け狙いの戦術で、2位パハンFAを完封し、勝点1を獲得しました。
 一方のパハンFAはFWディクソン・ヌワカエメがケガで欠場して以来3試合連続の無得点の1分2敗と明らかな得点力不足に苦しんでおり、JDTとの勝点差を1つ詰めたものの、その差はまだ10あり、リーグ優勝を狙うには痛恨の引き分けでした。

MFL2部プレミアリーグ

トレンガヌFC II1−0PDRM FC
得点者:トレンガヌFC II-セルヒイ・アンドリエイエフ(43分)
 トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手は先発スタメンでフル出場しています。

UKM FC0-1サバFA
得点者:サバFA-アギナルド・ポリカルポ(49分)
 サバFAは、期限付き移籍で獲得していたセルビア人MFルカ・ミルノヴィッチがマラッカ・ユナイテッドへ復帰し、ブラジル人FWルイス・カルロス・ジュニオールとの契約を解除しましたが、同時に二人の新外国人選手をトランスファーウィンドウ期間中に獲得しました。一人はトルクメニスタン出身のMFアフメット・アタエフで、彼は今年1月9日に行われたアジアサッカー連盟AFC選手権での対日本戦でもゴールを決めています。もう一人がこの試合でゴールを決めたアンゴラ出身のFWアギナルド・ポリカルポです。

UITM FC2-1サラワクFA
得点者:UITM FC-ザルコ・コラチ(29分)、ナズリン・シャムスル(85分)、サラワクFA-ボビー・ゴンザレス(3分)
 ついにUITM FCが今シーズン初の敗戦で勝利数でもJDT IIを抜き、8勝2分3敗の勝点26で勝点25のJDT IIを抑えて首位に浮上しました。

ヌグリ・スンビランFA3-1ケランタンFA
得点者:ヌグリ・スンビランFA- アルミール(5分)、イゴール・ルイス2(26分、28分)、ケランタンFA-ニック・アキフ・シャヒラン(65分PK)
 新戦力のブラジル出身FWイゴール・ルイスの2ゴールなどでヌグリ・スンビランFAが快勝しています。アルミール選手のゴールをアシストするなどチームの勝利に貢献したヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手は先発スタメンでフル出場しています。
 各チームが新外国人を獲得し、その多くが活躍している他チームと比べると、ケガが完治しないまま出場を続けている(しかも途中交代し続けている)ブラジル人DFカッシオ・デ・ジーサスしか外国人がいないケランタンFAは、今シーズンの残り試合もこの体制で臨むようですので、このままだとMFL3部のM3リーグ降格に一番近いチームとなりそうです。

JDT II0-2ペナンFA
得点者:ペナンFA-セルジオ・アグエロ(34分)、カサグランデ(46分)
 ペナンFAは、スランゴール・ユナイテッドから移籍のFWセルジオ・アグエロが2試合連続ゴール、マラッカ・ユナイテッドから期限付き移籍のFWカサグランデが移籍後初ゴールを決め、JDT IIの今シーズン初の黒星をつけました。
 セルジオ・アグエロは元ハイチ代表のMFセバスティアン・テュリエールに代わって、カサグランデはザンビア出身のFWンドゥンバ・マケチェに代わっての入団です。