3月6日のニュース:AFC U23選手権予選とエアマリンカップ出場の代表候補選手発表

AFC U23選手権予選とエアマリンカップ出場の代表候補選手発表
3月22日から26日までクアラルンプール郊外のシャー・アラムスタジアムを会場に開催されるアジアサッカー連盟AFCのU23選手権予選兼東京オリンピック予選に出場するU22代表候補合宿への参加選手27名が、マレーシアサッカー協会FAMより発表になりました。昨日のAFCチャンピオンズリーグACL、JDT対鹿島アントラーズ戦にも出場したFWサファウィ・ラシド、FWアクヤ・ラシド、MFシャマル・クティ・アッバの3選手や昨年末のアセアンサッカー連盟AFF選手権スズキカップでゴールも決めているDFシャミ・サファリ(スランゴールFA)など、現時点で考えられる最強布陣となりそうな選手27名が招集されています。なお、この予選ではマレーシアは、中国、フィリピン、ラオスと同組のグループJとなっています。
 AFC U23選手権へは、2018年に初めて出場したマレーシアはタイで行われる本選への連続出場を目指して代表候補合宿を行いますが、JDT以外の選手は3月11日までに、3月12日にホームでACL第2線となる慶南FCUを戦うJDTの選手は3月13日までに合流予定となっています。候補選手は7日間の合宿を経て23名に絞られ、3月17日にはU22オーストラリア代表との練習試合を行った後、予選に臨みます。
 上記のJDTの3選手、スランゴールFAのシャミ・サファリらは、2月のアセアンサッカー連盟AFFのU22選手権では所属チームが代表チームへの招集を拒否していたため参加せず、チームもグループステージで敗退となっていました。

AFC U23選手権予選の代表候補選手(カッコ内は年齢と所属)
<ゴールキーパー>
*ムハマド・ハジック・ナズリ(21 JDT)
*ムハマド・アズリ・アブドル・ガニ(20 フェルダ・ユナイテッド)
*ダミエン・リム・チェン・カイ(22 ケランタンFA)
<ディフェンダー>
*ドミニク・タン・ジュン・ジン(22 JDT)
*モハマド・ハリス・カマルディン(22 JDT II)
*ムハマド・シャルル・ニザム・ロス・ハスニ(21 ケランタンFA)
*ニック・アズリ・ニック・アリアス(22 ケランタンFA)
R・ディネシュ(21 パハンFA)
*アーマド・タスニム・フィトリ・モハマド・ナシル(20 フェルダ・ユナイテッド)
*アリフ・アル=ラシド・アリフィン(21 PKNS FC)
*エヴァン・ウェンスレイ・ウエンセスラウス(21 サバFA)
*アリアスディアス・ジャイス(21 サバFA)
*ムハマド・アミルル・アシュラフ・アリフィン(21 UITM FC)
*ムハマド・ナジルル・アフィフ・イブラヒム(22 ペラTBG)
*ムハマド・シャミ・サファリ(21 スランゴールFA)
<ミッドフィルダー>
シャマー・クティ・アッバ(22 JDT)
*ニック・アキフ・シャヒラン・ニック・マット(20 ケランタンFA)
*ムハマド・ダニアル・ハキム・ドラマン(21 ケランタンFA)
ムハマド・ダニアル・アミエル・ノーヒシャム(20 フェルダ・ユナイテッド)
*K・シヴァンダラン(20 PJシティFC)
*ムハマド・イザン・シャミ・ムスタパ(22 トレンガヌFC II)
<フォワード>
ムハマド・アクヤ・アブドル・ラシド(20 JDT)
ムハマド・サファウィ・ラシド(22 JDT)
*コギレスワラン・ラジ(21 パハンFA)
モハマド・ファイザル・アブドル・ハリム(21 パハンFA)
*ムハマド・ジャフリ・ムハマド・フィルダウス・チュウ(22 PKNS FC)
*ムハマド・ハディ・ファイヤッド・アブドル・ラザク(19 ファジアーノ岡山)
*は2019年AFF U22選手権の代表選手

エアマリンカップ出場候補選手も発表になっています。
FAMは、3月20日と23日の日程でクアラルンプールのブキ・ジャリルスタジアムを会場に開催される国際サッカー連盟FIFAカレンダーの国際招待大会エアマリンカップに出場するマレーシア代表候補選手25名も発表しています。選手たちは3月12日から始まる強化合宿を経て、オマーン、アフガニスタン、シンガポールが参加する招待大会へ臨みます。
 今回の代表には、昨年末のAFF選手権スズキカップ準優勝のメンバーから13名に加えて、今回新たに招集された選手12名が選ばれています。マレーシア代表は3月20日にシンガポール代表と対戦し、勝てばオマーン対アフガニスタン戦の勝者と優勝を賭けて激突し、負ければこの試合の敗者と3位を争います。決勝及び3位決定戦は3月23日に行われます。なお、この代表チームは3月26日にはネパール代表とも練習試合を行う予定です。
 

エアマリンカップ出場の代表候補選手
<ゴールキーパー>
*ハフィズル・ハキム・カイルル・ニザム・ジョティ(26 ペラTBG)
イフワット・アクマル・チェック・カシム(23 クダFA)
*カイルル・ファミ・チェ・マット(30 マラッカ・ユナイテッド)
<ディフェンダー>
*シャルル・サアド(26 ペラTBG)
*ナジルル・ナイム・チェ・ハシム(26 ペラTBG)
マシュー・デイヴィーズ(24 パハンFA)
アブドル・ラティフ・スハイミ(30 スランゴールFA)
リザル・ガザリ(27 クダFA)
#ニコラス・スワラッド(28 PKNS FC)
*シャズワン・アンディック・イシャク(23 JDT)
*イプファン・ザカリア(24 KLFA)
<ミッドフィルダー>
*ケニー・パルラジ(26 ペラTBG)
#フィルダウス・サイヤディ(26 ペラTBG)
*ムハマドゥ・スマレ(25 パハンFA)
ノー・アザム・アブドル・アジー(24 パハンFA)
*シャズワン・ザイノン(30 スランゴールFA)
#ファイズ・ナシル(27 スランゴールFA)
#アブドル・ハリム・サアリ(25 スランゴールFA)
*アクラム・マヒナン(26 PKNS FC)
#ハフィズ・ラムダン(26 PKNP FC)
ハディン・アズマン(フェルダ・ユナイテッド)
<フォワード>
*ノーシャルル・イドラン・タラハ(33 パハンFA)
*ザクワン・アドハ・アブドル・ラザク(32 クダFA)
*アーマド・ハズワン・バクリ(28 JDT)
S・クマーラン(23 JDT)
*は2018年スズキカップの代表選手、#はタン・チェンホー監督が初めて招集した選手です。

3月3日のニュース:サニックス杯に向けてU19代表候補合宿開始

サニックス杯に向けてU19代表候補合宿開始
マレーシアサッカー協会FAMは、福岡で開催されるサニックス杯国際ユースサッカー大会へ出場するU19代表の候補選手29名を発表しています。この中から強化合宿を経て選ばれた22名が3月10日に日本へ経ち、3月14日から17日まで福岡県宗像市のグローバルアリーナで開催される大会に参加します。大会公式ページではマレーシアU17代表となっていますが、マレーシアからはU19代表が出場します。
 代表候補メンバーは、FAMのサッカーアカデミーがあるマレーシアパハンスポーツスクール(MPSS)から7名、マラッカFAとスランゴールFA、PKNP FCからそれぞれ3名、トレンガヌFAとPKNS FCからはそれぞれ2名、JDT、フェルダ・ユナイテッド、クアラルンプールFA、クダFA、ケランタンFA、ヌグリ・スンビランFA、ペラFA、ペナンFA、サラワクFAから各1名となっています。
 U19代表のボジャン・ホダック監督は、このサニックス杯を今年7月のアセアンサッカー連盟AFFのU19選手権、そしてアジアサッカー連盟AFCのU19選手権予選のための準備に使いたいとしています。昨年2018年のAFF U19選手権では、このホダック監督が指揮したU19代表が準決勝でインドネシア、決勝ではミャンマーを破り初の優勝を遂げていますが、AFC U19選手権ではグループステージ敗退となっています。

 マレーシアは、昨年もこのサニックス杯に出場しており、一回戦(グループステージ)では同組となった前橋育英高校に2−1で勝利(ダイジェスト映像はこちら)したものの、FC東京ユースには0−3、大津高校には0-2と敗れ、グループ3位となり、順位決定戦では東福岡高校とは0−0(PK戦4−3)、台湾の清水(QING SHUI)高校を6−0、そして13/14位決定戦ではロシアのイジョレツ・インコンユースを3−1で破り、最終順位は参加16チーム中13位でした。
 このチームには今シーズン、J2ファジアーノ岡山に加入したハディ・ファイヤッドが10番を着けキャプテンとして出場し、イジョレツ・インコン戦でのハットトリックを含む4得点を挙げています。

13/14位決定戦イジョレツ・インコン戦のスタメン。後列右端の10番がハディ・ファイヤッド選手

3月2日のニュース:エアマリンカップにはソロモン諸島に代わりアフガニスタンが出場

エアマリンカップにはソロモン諸島に代わりアフガニスタンが出場
3月20日から23日までクアラルンプールで開催されることになったエアマリンカップの出場国が、ソロモン諸島からアフガニスタンへと変更になったことが発表されました。最初に参加国が発表になった際には、そもそも「『ソロモン諸島』って…」などという反応がありましたが、それでもソロモン諸島は国際サッカー連盟FIFAランキングでは143位で、マレーシアの167位よりも上のチームです。当初はこの枠にニュージーランドが入る予定でしたが、結局、ニュージランドは招待を辞退、その代りとして同じオセアニア地区ではニュージーランドに続く高ランクチームとしてソロモン諸島が参加することになった経緯があります。
 しかし、このソロモン諸島代表は3月24日に台湾代表とも国際Aマッチを予定しており、3月18日から26日の国際試合カレンダー期間中の代表同士の試合は最大2試合というFIFAの規定があることから、台湾代表との試合を優先し(エアマリンカップは準決勝、3位決定戦、決勝とどの参加チームも2試合を行うことになっています)、エアマリンカップの出場辞退を決めてと報道されています。中国の圧力により、これまで外交関係のあった国々からている台湾にとって、ソロモン諸島は2019年3月現在、台湾と外交関係のある17国の内の1つですので、この背景には政治的な意図などもあるのかも知れません。
 そしてソロモン諸島に代わって出場することになったのが、これまたビミョーなアフガニスタン代表です。大会まで1ヶ月を切っての参加チーム探しは大変だったとは思いますが、それでもアフガニスタンのFIFAランキングは147位で、こちらもマレーシアよりも高いランキングのチームです。内戦のイメージが強いアフガニスタンよりランクが低いマレーシアって一体どれだけ弱いんだ…。ちなみにマレーシアフットボールリーグMFL2部のクランタンFAには、アフガニスタン代表でもプレーするMFムスタファ・ザザイが在籍しています。
 このエアマリンカップは、このアフガニスタン代表の他、オマーン(FIFAランキング90位)、シンガポール(同165位)といずれもマレーシアよりFIFAランキング上位のチームが参加します。今年後半から始まる2022年のFIFAワールドカップ予選では、アジアサッカー連盟AFC34位以上のチームは1回戦が免除になるため、AFCランキング35位にいるマレーシアにとっては経験を積むだけではなく、勝ってFIFAランキングを上げねばならない大会です。

ソロモン諸島に変わりアフガニスタンがエアマリンカップに出場することを知らせるマレーシアサッカー連盟FAMの告知(FAMのホームページより)

2月23日のニュース:AFF U22はミャンマーに勝利も準決勝進出ならず、PKNS FCとスランゴールFAの間で選手のトレード、その他の移籍情報など

AFF U22はミャンマーに勝利も受験決勝進出ならず
先程終わったアセアンサッカー連盟AFFのU22選手権グループステージ最終戦でマレーシア代表は今大会2得点目となるFWハディ・ファイヤッド(ファジアーノ岡山)のゴールでミャンマー代表に1-0で勝利し、今大会初勝利を挙げました。しかしグループBのもう一つの試合でインドネシアがカンボジアに2-0で勝利したため、カンボジア(2勝1敗で勝点6)、インドネシア(1勝2分で勝点5)、マレーシア(1勝1分1敗で勝点4)、ミャンマー(1分2敗で勝点1)となり、カンボジアとインドネシアが決勝進出となり、マレーシアとミャンマーはグループステージ敗退となりました。
 FIFAカレンダーに含まれない大会ということで、U22代表オン・キムスイ監督が招集した選手の内5人がクラブから招集を拒否されるなど、ベストメンバーで臨むことができなかった大会でしたが、オン監督がこの大会を通じて使えると判断した選手に、今回招集されなかった選手たちが合流して、マレーシア U22代表は3月にクアラルンプールで行われるアジアサッカー連盟AFC U23選手権予選兼東京オリンピック予選を戦います。

スランゴールFAとPKNS FC間でトレード
トランスファーウインドウが閉じ、続々と移籍情報が入ってきています。同じシャー・アラムスタジアムをホームとするスランゴールFAとPKNS FCとの間ではトレード(?)が行われました。スランゴールFAからはDFのカライセルヴァン・カナン(22)が、PKNS FCからはMFモハマド・ファンディ・オスマン(26)がそれぞれ期限付き移籍でクラブを交換しました。カナン選手は今シーズンここまでベンチ入り無し、一方ファンディ選手は開幕戦では先発したものの、第2節ではベンチ入りも出場なし、第3節も後半途中からの出場にとなっていました。

両選手のトレードを伝えるスランゴールFAのFacebookポスト

その他の移籍情報
スランゴールFAの動きが活発です。上記のトレードのほか、2015年から2018年までクダFAでプレーした経験のあるMFサンドロ・ダ・シルヴァを獲得しています。クダFAではFAカップやマレーシアカップ優勝経験のあるサンドロ選手は攻撃陣に取って強力な戦力アップになりそうです。また、サンドロ選手の入団で、開幕戦ではゴールを決めたものの、期待通りの活躍ができていないFWアントニオ・ジャーマン選手は退団になるのではと予想されています。

もう一つスランゴールFA関連の移籍です。2部プレミアリーグを給料未払い問題のために追放されたプルリスFAの選手たちの移籍期間はトランスファーウインドウが閉じた後も30日の猶予が与えられています。そんな中、FWモハマド・キリル・ムヒミーン・ザンブリ(31)はスランゴールFAに移籍しました。代表キャップ数31、代表ゴール5の実績で、低迷するスランゴールFAの浮上に貢献することが期待されています。

キリル・ムヒミーン選手入団を知らせるスランゴールFAのFacebookポスト

開幕から負け無しのJDTも新たな外国人を獲得しています。新たな外国人とは言ってもMFレアンドロ・ヴァレスケスは2015年にJDTがアジアサッカー連盟AFCカップで優勝した際に決勝点とあげたヒーローです。アセアンサッカー連盟AFFに所属する国でAFCカップ優勝経験のあるのはJDTだけ、その結果でクラブのランキングが上がりAFCカップから昇格しAFCチャンピオンズリーグACLへ出場できるようになった立役者と言っても良いかも知れません。
 なおレアンドロ選手獲得にともない、今シーズン開幕前に獲得したアロン・ニゲスは契約期間を残したまま退団となりました。

2月22日のニュース:AFFU22選手権はインドネシアと引き分け、マレーシアの新国王はFIFAの役職を辞任、PDRM FCは開幕3試合で新外国人を解雇

AFFU22選手権はインドネシアと引き分け
カンボジアで開催中のアセアンサッカー連盟AFFのU22選手権で、マレーシア代表はインドネシア代表と対戦し2−2の引き分けでした。初戦のカンボジア代表戦を0−1で落としているだけに、準決勝進出に向けては痛い引き分けでした。試合は前半を0−0で折り返した後の54分に、インドネシア代表がFWマリヌス・ ワネワルが自らのシュートのこぼれ球を決めて先制しますが、マレーシア代表も62分にゴールエリアの外で得たFKをケガから復帰したMFニック・アキフ・シャヒラン・ニック・マット(ケランタンFA)が直接ゴールし同点に追いつきます。その後、インドネシアは78分にMFウイタン・スライマンがゴールエリアの外から素晴らしいゴールを決め再びリードを奪いましたが、83分にFWハディ・ファイヤッド(ファジアーノ岡山)がCKを頭で合わせてゴールし、なんとか引き分けに持ち込みました。
 ダイジェスト映像を見ただけの印象ですが、前半はほぼ一方的にインドネシア代表に攻め込まれていた様子で、インドネシア攻撃陣のミスなどもあり無失点で切り抜けたのがむしろ奇跡だったようでした。
 これでマレーシア代表は2試合を終え勝点1、インドネシア代表が勝点2となりました。グループBのもう一つの試合はカンボジア(勝点6)が2−0でミャンマー(勝点1)を破っています。今日2月22日の試合でミャンマー代表に勝ち、インドネシア代表がカンボジア代表に負ければ準決勝進出、引き分けなら得失点差(現在はインドネシア代表±0、マレーシア代表-1)次第となります。
 なおもう一方のグループAは各チーム2試合を終え、ベトナムとタイがそれぞれ勝点6、フィリピンと東ティモールが勝点0となっており、ベトナムとタイが最終戦を待たずに準決勝進出を決めています。

結果を知らせるFAMのFacebookポスト

マレーシアの新国王がFIFAの役職を辞任
FIFA評議会(FIFA Council)のアジアサッカー連盟AFC選出メンバーであったマレーシアの新国王アブドゥラ・スルタン・アフマド・シャー陛下が1月24日付けで辞職したことを、FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長が発表しました。FIFA評議会のメンバーを2015年より務められていたアブドゥラ殿下は、それ以前も1994年からFIFAの様々な委員会の役職についており、実際には25年に渡ってFIFAに貢献してきました。
 パハン州の皇太子であったアブドゥラ陛下は、今年1月15日に父であるパハン州スルタン(州王)のスルタン・アーマド・シャー陛下が体調不良により退位により新たなスルタンとなりました。その後、当時のマレーシア国王であったムハンマド5世陛下が1月6日に任期を3年残し、イギリスからの独立後としては初となる任期途中での退位をしたことにより国王の座は空位となっていました。マレーシアは国内にある9州のスルタンが輪番制で国王を務めており、今年1月24日に開催された各州のスルタンによる「統治者会議」でアブドゥラ殿下が新国王に選出され、今年1月31日に即位したばかりでした。

PDRM FCは開幕3試合で新外国人を解雇
トランスファーウインドウが閉じる前にマレーシアでのプレー経験があるリベリア人FWパトリック・ウレーを獲得したPDRM FCは、開幕から3試合でモンテネグロ出身のMFベンジャミン・レクソヴィクを解雇しています。開幕戦にスタメン出場したものの、その後はベンチ入りすらしていなかったレクソヴィク選手は、3試合で2点しか挙げられていないPDRM FCの攻撃陣強化のために獲得したウレー選手によってはじき出された形になりました。

2月19日のニュース:U22代表はカンボジアに敗戦でスタート、KLFAがフィリピン代表獲得を発表

U22代表はカンボジアに敗戦でスタート
カンボジアで開催中のアジアサッカー連盟AFFのU22選手権で、マレーシア代表は初戦のカンボジア戦に0−1で敗れました。前半はカンボジアの攻撃をしのいでなんとか0−0で折り返したものの、60分にムハマド・ダニアル・ハキム・ドラマン(ケランタンFA)が2枚めのイエローで退場となり、マレーシア代表は10人となってしまいました。その後64分にはゴールエリアの外で得たフリーキックをMFサス・ロシブがループシュートで直接、決めて1-0となり、試合はこのまま終了しました。
 予選グループBに属するマレーシア代表は、カンボジアの他、インドネシア、ミャンマーと同組になっており、この日インドネシアとミャンマーは1-1で引き分けています。痛い黒星スタートとなったマレーシア代表は、各グループの上位2チームに出場する準決勝進出を賭けて2月20日にインドネシアと、22日にミャンマーと対戦します。
 この試合のハイライト映像はこちらです。

AFF U22選手権に出場するマレーシア代表メンバー(FAMのホームページより)

KLFAがフィリピン代表獲得を発表
先日、インドネシア人DFアクマド・ジュフリヤントとの契約を解除したクアラルンプール(KL)FAが、アセアン枠の外国人選手としてフィリピン代表のDFルーク・ウッドランドと契約しました。上記のジュフリヤント選手以外にも、ハイル・ジョーンズ選手もケガで出場できていない他、今シーズン開幕直前に代表でもプレーするシャズワン・アンディックがJDTに移籍しており、その結果が開幕からの2試合で7失点とKLFAは守備陣が完全に崩壊中。今後、このウッドランド選手中心にどの様に立て直せるかに注目が集まります。

新入団のルーク・ウッドランド選手(KL HawksのFacebookより)

2月17日のニュース:KLFAが外国人選手を解雇、MFLは7クラブに追加の経営状況報告書を要求、ムルデカ大会の出場国が決定

KLFAが外国人選手を解雇
マレーシアフットボールリーグMFLの1部スーパーリーグ第2節を終えて勝点0のKLFAは、インドネシア人DFアクマド・ジュフリヤントと契約解除に合意したことを発表しました。昨シーズンはリーグ戦22試合中、途中出場も含めると17試合に出場したジュフリヤント選手ですが、今シーズンは足首の故障が癒えず、これまでベンチ入りもしていませんでした。ジュフリヤント選手との契約は2019年末までですが、彼を含め3人の外国人選手がケガで出場できていないKLFAは、トランスファーウィンドウが閉じる前に、新たな外国人を探すことになるでしょう。ジュフリヤント選手は2019年シーズンの外国人選手解雇第1号となってしまいました。
 なおジュフリヤント選手に代わる選手として、AFCアジアカップのフィリピン代表でもプレーしたルーク・ウッドランド(ブリーラム・ユナイテッド、タイ)が加入する可能性が高く、このウッドランド選手はメディカルテストのため、明日2月18日にKL入りする予定になっています。

KLFAのチームメートに挨拶するJupeことジュフリヤント選手(中央のボーダーシャツ、KLFAのFacebookより)

MFLは7クラブに追加の経営状況報告書を要求
昨日2月15日は、マレーシアフットボールリーグMFLが給料未払い問題を抱える7つのクラブに対し、現在の経営状況に関する報告書を提出するように求めた期限でしたが、この7クラブは全てが報告書を提出したものの、MFLが精査したところ、全7クラブ全てで情報不足が判明したことから、追加の経済状況報告書の提出を求めています。当初はプルリスFAが書類の提出期限に間に合わなかった、といった報道もありましたが、とりあえずは提出できていたようです。それでも追加資料を求められたということは、この7クラブは安心できないでしょう。
 なおこの7クラブとは1部スーパーリーグのフェルダ・ユナイテッド、クアラルンプールFA、マラッカ・ユナイテッド、2部プレミアリーグのプルリスFA、ケランタンFA、ペナンFA、PDRM FCが上記の7クラブです。

ムルデカ大会の出場国が決定
マレーシアサッカー協会FAMによると、3月に予定されているムルデカ大会の出場国が決定しました。開催国マレーシア(FIFAランキング167位)とオマーン(89位)、ニュージーランド(109位)、シンガポールの4カ国が、FIFAのカレンダーに含まれている3月18日から26日にクアラルンプールで開催するムルデカ大会に出場します。



2月15日のニュース:ペラTBGのMFL日程が変更、国際大会への選手招集に応じたクラブへの補償措置をMFLが検討、PJシティFCがマンチェスターシティFCの抗議でロゴ変更

ペラTBGのMFL日程が変更
2月12日のアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACL予選2回戦で香港のキッチーFC(傑志)を破ってプレーオフに進出することになったペラTBG。次のマレーシアフットボールリーグMFLの試合は、本日2月15日に予定されている敵地でのKLFA戦ですが、これが8日間で3試合目となることから、ペラ州サッカー協会PAFAは15日のKLFAの日程変更をMFLに申し入れていましたが、Fダト・スリ・アーマド・ファイザル・アズミPAFA会長はこの要求がMFLによって拒絶されたとしていました。MFLはこれを了承し、とりあえず本日のKLFAとの試合は延期となりました。
 ペラTBGは、来週2月19日にACL本選出場が懸かるプレーオフを蔚山現代FCと敵地で対戦します。2012年にはACL優勝の経験もある蔚山現代FCは勝つのが難しい相手ですが、ペラTBGにとってはしっかりと準備ができるような日程変更になって良かったです。

本日2月15日の試合が延期になったことを伝えるKL Hawks(KLFA)の告知(KL HawksのFacebookより)

国際大会への選手招集に応じたクラブへの対応をMFLが検討
2月17日から26日までカンボジアで行われるアセアンサッカー連盟AFFのU22選手権は、FIFAカレンダーに含まれていないため、各クラブが選手招集に応じる義務はありませんが、所属クラブが招集を拒否したことから主力選手を含む5人が出場を辞退しています。
 この問題について、マレーシアサッカー協会FAMでかつて規律委員会の委員長を務めた経験もあるカマルディン・アブドラ氏は、国際大会がFIFAカレンダーに含まれている、いないに関わらず、各クラブがFAMによる招集に応じることを義務付ける規則を作るべきだとしています。
 しかしこの問題は世界中に散見し、どの国も関係者全員が満足するような解決策が見つけられていないわけですから、カマルディン氏の言うように規則を作ってそれを一方的にクラブに押し付けるというのは、やや前時代的な対応に思えます。
 またMFLのケヴィン・ラムリンガンCEOは、スーパーリーグとプレミアリーグを運営するMFLとしてFAMにどのような協力ができるかを考えたいとし、例えば国際大会への選手招集に応じたMFLのクラブについては、各クラブに登録が認められている30名の選手枠を35名に拡大する案などを披露し、代表チームとクラブ双方とってウィンウィンになるような環境を作りたいとしています。

PJシティFCがマンチェスター・シティFCの「アドバイス」でロゴ変更
2019年シーズンから1部スーパーリーグに昇格したプタリン・ジャヤ(PJ)シティFCが、イギリスプレミア・リーグのマンチェスター・シティFCから「アドバイス」を受け、ロゴを変更していました。自身がマンチェスター・シティのファンであるというPJシティFCのオーナー、ダト・スリ・ヴィジェイ・エスワラン氏は大きな問題ではないとしています。ちなみにPJシティFCのホーム用ユニフォームもマンチェスター・シティFCと同じスカイブルーです。(写真は左からPJシティFCの旧ロゴ、マンチェスター・シティFCのロゴ、一番右がPJシティFCの新しいロゴです。)

PJシティFCのユニフォーム(PJ CITY FCのFacebookより)

2月14日のニュース:Shopeeは今年もFAカップのスポンサーに、U22代表に追加招集、KLFA監督は新外国人選手獲得を経営陣に求める

Shopeeは今年もFAカップのスポンサーに
シンガポールを拠点に、アセアンや台湾に展開するeコマース(電子商取引)サイトを運営しているShopeeが、昨年に続き、2019年もマレーシアサッカー協会FAMとFAカップのスポンサーになることで契約を更改しました。同社がマレーシアで展開するオンラインサイトでは、マレーシアフットボールMFLのチケットや公式グッズなども販売しており、昨年の実績では同サイトで30000枚のチケットを販売したそうです。(ネット購入はスタジアムでの購入より安く、特にこのshopeeのサイトはチケット1枚購入すると、もう1枚無料!なんてこともやっていました。)
 マレーシアFAカップは、マレーシアカップと並ぶ国内有数のカップ戦で、マレーシアカップが日本のサッカー天皇杯と同じ1921年(大正10年)創設の伝統ある大会でMFL所属チームのみが出場するのに対し、FAカップは開始が1990年と新しいカップ戦で、日本のサッカー天皇杯と同じ様に全国各地で予選を行い、アマチュアチームも参加する大会です。
 今年のFAカップは今週末の2月16日(土)より予選が始まりますが、特に今年は史上最多となる38のアマチュアチームが出場することが話題になっています。なお昨年はアマチュアチームの出場は7チームのみでしたが、今年は3部にあたる旧FAMカップ、今年から名称が変わったマレーシアリーグ3(Mリーグ3、このMリーグ3以下は全てアマチュアチームで構成)所属の全14チームと、4部にあたるMリーグ4から24のアマチュアチームが参加し、1部スーパーリーグと2部プレミアリーグでプレーする24のプロチームとともに頂点を目指します。

U22代表に追加招集
2月17日にカンボジアのプノンペンで開幕するアセアンサッカー連盟AFFのU22選手権に向けて、合宿中のマレーシアU22代表チームですが、複数のクラブが選手招集を拒否したため、昨シーズンはペナンFAでプレーし、2019年にプタリン・ジャヤ(PJ)シティFCに加わったMF、K・ティヴェンドランとヌグリ・スンビランFAのDFダニシュ・ハジック・サイプル・ハシムの二人が追加招集されました。
 また代表合宿への参加辞退をする選手が出れば、その分は別の選手のチャンスにもなるわけで、この状況についてケランタンFAのMFニック・アキフ・シャイラン・ニック・マットは、複数のMFが参加辞退をしていることから、このAFF U22選手権で活躍して、3月にクアラルンプールで行われるアジアサッカー連盟AFC U23選手権予選兼東京オリンピック予選でも招集されるようにしたいと述べています。
 またU22代表のオン・キムスイ監督は、今回の招集を拒否する権利が各クラブにあることを理解している一方で、招集を依頼するために直接、クラブや選手に電話を入れているにもかかわらず、それを無視するクラブ、選手に対しては礼を欠いていると非難しています。

合宿で指示を出すオン監督(FAMのFacebookより)
練習用ユニフォームも何種類かあるんですね(FAMのFacebookより)

KLFA監督は新外国人選手獲得を経営陣に求める
2019年シーズン開幕戦第1節ではパハンFAに1-3、第2節ではJDTに1-4と連敗スタートとなったKLFA。インドネシア人DFアクマド・ジュフリヤントと帰化選手DFハイル・ジョーンズの二人を怪我で欠き、シーズン開幕前には給料未払い問題からシャズワン・アンディックがJDTに移籍したKLFAの守備陣は2試合で7失点と壊滅的です。この状況にユスリ・チェ・ラーKLFA監督は、今シーズン新加入の守備的MF苅部隆太郎をセンターバックで起用するなど様々な手を試みていますが、結果は出ていません。これ以上順位を下げると降格もままならないとし、ユスリ監督はチーム経営陣に外国人DFの新たな獲得を依頼しているとメディアに公表しました。いわゆるトランスファーウインドウは2月20日に閉じるので、できるだけ早い対応を求めています。
 昨シーズン4位のパハンFA、同1位のJDT、そして明日第3節では昨シーズン2位のペラFAと、開幕から昨年の上位陣との対戦が続くのは辛いところですが、ダイジェスト版とは言え、第1節と第2節の失点シーンを見る限りでは、新戦力獲得など何か思い切った手を打たない限り状況は改善しそうにありません。
 2017年途中からKLFAを指揮し、プレミアリーグからスーパーリーグに昇格させたファビオ・マキエル氏が現在、MFLの2チームが自分に興味を持っているとしていますが、もしそれが本当であれば、彼が指揮するのはKLFAの可能性も大いにあります。

KLFAを指揮していた頃のファビオ氏

2月12日のニュース:ペラTBGのACL予選2回戦、AFF U22候補選手は5人が出場辞退、プルリスFA会長は選手の八百長関与を否定

ペラTBGがアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACL予選2回戦に登場
2019年シーズンは0勝1分1敗と期待はずれなスタートを切ったペラTBGですが、本日2月12日にホームのペラ・スタジアムに、昨シーズンの香港プレミアリーグのチャンピオンKitchee FC(傑志)を迎えて、ACLの予選2回戦を戦います。
 本来なら2018年FAカップの勝者であるパハンFAが出場する枠なのですが、2018年にAFCカップ(ACLの下のレベルのクラブ大会)への出場を拒否したため、マレーシアサッカー協会FAMによりパハンFAは2年間のAFC主催のクラブ大会への出場を禁止されているため、ペラFAにお鉢が回ってきた格好です。
 2011年にはオーストラリアのメルボルン・ビクトリーの監督としてACL出場経験もあるペラFAのメメト・デュラコヴィッチ監督は、MFフィルダウス・サイヤディ(22)やMFアーマド・カアイリル(23)といった若手の名前を挙げて、ACLのような大きなステージで経験を積んで欲しいとしています。
 この試合の勝者は、1週間後の2月19日にAFCチャンピオンズリーグ出場権を賭けたプレーオフで韓国の蔚山現代FCと対戦しますので、今日の試合に勝ったとしてもACL本選は簡単ではありません。それでもマレーシアのクラブチームがアジアのトップチームと対戦する機会はめったにないので、今日の試合に勝って、蔚山現代FCと対戦する機会が得られると良いですね。
 なおACLには、2018年のスーパーリーグチャンピオンJDTが本選から出場します。

AFF U22候補選手は5人が出場辞退
 
今回のAFF U22選手権は、FIFAカレンダーに含まれていないため、予想はされていましたが、今回の大会を今年3月にマレーシアのクアラルンプールで開催されるAFC U23選手権予選兼東京オリンピック予選のための選手選考の場として想定していたU22とU23の監督を兼ねるオン・キムスイ監督にとっては、頭が痛いところです。

プルリスFA会長は選手の八百長関与を否定
一昨日2月10日(日)に当地のマレー語新聞が、かつて2部プレミアリーグでプレーしていた選手のインタビューを掲載しましたが、その中で所属チームによる給料未払いで苦しんでいる際に、八百長を持ちかけられた事があると発言したことから、この選手が、現在、給料未払い問題で注目を浴びているプルリスFAの選手ではないかとソーシャルメディア上で反響を呼びました。
 これに対してプルリスFAのダト・アーマド・アミザル・シャイフィト・アーマド・ラフィ会長は、プルリスFAの選手が先月から給料を払われていないことを認めた上で、選手たちを信じており、違法行為に加担していることはないと発言しています。
 ブッキー(Bookie)と呼ばれる掛けの胴元が、給料未払いが発生しているチームの選手に八百長を持ちかける話は、マレーシアでは珍しい話ではなく、2018年シーズンにも現在のプタリン・ジャヤ(PJ)シティFC、当時のMISC-MIFA FCのアルゼンチン人やインドネシア人の外国人選手を含めた4名がマレーシア反汚職委員会に勾留され、そのうちマレーシア人選手2名が八百長で告発されています。ちなみにこのときのMISC-MIFAは1-7、3-6といったスコアの試合も含め、開幕からの9試合の内6試合で負けるなど、「疑惑の試合」が続いていました。
 マレーシアサッカー界の八百長と言えば、1994年の「大粛清」に触れない訳にはいかないでしょう。126名が事情聴取され、八百長に関わった選手とコーチ合わせて21名が追放となり、58名が出場停止になった歴史的事件でした。その後も2012年にはFAMが18名の若手選手を1年から5年の出場停止に、1名のコーチを永久追放、さらに2014年には、不自然な敗戦が続いたことからペラFAがチーム全員(!)に2週間の謹慎処分を与えるという事態も起こっています。
 しかしこれもプロである選手たちが約束された給料をもらっている上でならば、八百長を行った選手たちが罰せられるべきですが、給料未払いが続く状況であったならば、アマチュアなマネージメントを行う経営者にも責任はあり、選手ばかりを責める訳にはいかない気もします。