1月20日のニュース:管轄省庁がW杯予選前の代表合宿開催を許可、FAM-MCO延長ならMリーグ開幕は延期に、サバFCの新外国籍選手候補に元JDTのFWが浮上、ケランタンFCオーナーがMFLに放映権料の督促状送付

代表合宿開催に管轄省庁がゴーサイン
 マレーシアサッカー協会FAMは公式Facebook上で、国内のスポーツを統括する青年スポーツ省により、一時は中止となっていた代表合宿が完全隔離形式を条件とした開催が許可されたことを発表しています。
 この投稿ではFAMのハミディン・アミン会長が青年スポーツ省のリーザル・メリカン大臣に感謝の意を表した上で、Mリーグ各クラブへは招集許可依頼、また合宿会場として予定されているブキジャリルにある施設を管理する国家スポーツ審議会NSCには施設利用の調整などを直ちに行うことが述べられています。
 3月再開予定のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選に向けて、当初は今月1月16日から25日までの代表合宿が予定されていましたが、マレーシア国内の新型コロナウィルス感染拡大が続き、今月13日から26日まで代表候補合宿予定されていたFAM本部のあるスランゴール州などに不要不急の外出を禁じる活動制限令が出されたこともあり、合宿は中止とされていました。
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 この発表を受け、国家スポーツ審議会NSCのアフマド・シャパウィ・イスマイル会長は、直ちにFAMと代表チームへの全面協力を約束する声明を発表するなど、事前の根回しも万全だったようです。
(写真はFAM公式Facebookに挙げられたリーザル・メリカン青年スポーツ相に感謝の意を示す投稿)

FAM-MCO延長ならMリーグ開幕も延期に
 代表合宿開催の朗報が出た昨日1月19日には、サラワク州を除くマレーシア全州に活動制限令MCO施行が拡大されました。連邦直轄地クアラルンプールやスランゴール州などでは1月13日より1月26日までの予定で既にMCO施行中ですが、国内の新規感染者数が連日3000名前後とその効果が見られないことから、さらに2週間程度延長される可能性がメディア上で取り沙汰されています。
 この状況についてマレーシアサッカー協会FAMのモハマド・ユソフ・マハディ会長代理は、このMCOが延長された場合、Mリーグの今季開幕戦となる2月26日のJDT対クダ・ダルル・アマンKDA FC戦を予定通り開催しない可能性について言及しています。
 英字紙スター電子版によると、マハディ会長代理はMCOがさらに2週間延長されて2月9日に終了する場合、2月26日の開幕戦に出場するJDTとKDA FCは2週間ほどしか練習期間が取れないことをその理由に挙げ、開幕まで1ヶ月程度の練習期間を与えるためにはリーグ開幕が延期される可能性があると話しています。
 なお、1月13日からMCOが施行されているのは連邦直轄区クアラルンプール、プトラジャヤ、ラブアン及びスランゴール州、マラッカ州、ペナン州、ジョホール州、サバ州で、これに1月16日からMCOが施行されたケランタン州を加えた地域ではスポーツのグループ活動が禁じられており、Mリーグ各クラブはチーム練習ができない状況になっています。
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 急遽、開催可能ととなった代表候補合宿も近々日程が発表になるでしょうが、MCOがさらに2週間延長され、さらに3月のワールドカップ予選が予定通りの日程で開催される場合には、代表候補合宿が優先され、Mリーグの開幕は3月25日のアラブ首長国連邦戦と同30日のベトナム戦後の可能性も出てきました。

サバFCの新外国籍選手候補に元JDTのFWが浮上
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロは、Mリーグ1部のサバFCの新外国籍選手の候補にかつて同じ1部のJDTでもプレーしたアルゼンチン出身のホルヘ・ペレイラ・ディアスの名前が上がっていると報じています。
 サバFCの監督として2年目となるクルニアワン・ドゥイ・ユリアント監督はスタジアム・アストロの取材に対してこの噂を認めた上で、「ディアズ選手のプレースタイルは、サバFCのゲームプランにあっており、できるだけ速やかに契約にこぎつけて、直ちにマレーシアへ来てもらいたい。」と話し、2月末に予定されているMリーグの開幕に間に合うよう、経営陣に速やかに契約して欲しいと話しています。
 ディアズ選手は2014年にJDTに加入し、この年は29試合で15ゴールと活躍したものの翌年2015年には期限付き移籍でアルゼンチン1部のCAインデペンディエンテ、その翌年2016年にはJDTに復帰したのちメキシコ1部のクラブ・レオンへ再び期限付き移籍するなどし、最後にJDTでプレーしたのは2018年でした。

ケランタンFCオーナーがMFLに放映権料の督促状送付
 サポーターが沈静化のために行った提案も届かなかったようです。Mリーグ2部ケランタンFCのノリザム・トゥキマン オーナーが今度はMFLに対して放映権支払いの督促状送付を弁護士に命じたことを自身のFacebookで明らかにしています。
 昨季2020年シーズンのMリーグ2部はMyCujooによる有料オンラインストリーミングで配信されており、ノリザム オーナーはMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLに対し、自身がオーナーとなって以降、ケランタンFCのホームゲームとして開催されたペラII戦(9月12日)、サラワク・ユナイテッド戦(9月25日)そしてヌグリスンビラン戦(10月3日)の3試合分の放映権がクラブに支払われていないと主張しています。
 この記事執筆の時点では、この件に対するMFLからのコメントは出されていません。
(写真はノリザム オーナーのFacebookに掲載された督促状)

1月18日のニュース:FIBはクラブライセンス交付をけた3クラブを今後も監視、ケランタンFCオーナー対MリーグCEOの第2ラウンド勃発、マレーシアが出場予定のAFC U19選手権は結局中止に

 ケランタンFCのノリザム・トゥキマン オーナーがマレーシアサッカー協会FAM、マレーシアンフットボールリーグMFLと繰り広げている舌戦が第2ラウンドに入りました。野次馬根性丸出しで取り上げています。

FIBはクラブライセンス交付をけた3クラブを今後も監視
 マレーシアサッカー協会FAMが、条件付きで2021年のクラブライセンスが交付されていた7クラブの内、UKM FCを除いた6クラブにフルクラブライセンスを交付したことは、先日のこのブログでも取り上げましたが、ライセンス交付を担当するFAMのクラブライセンス交付第一審査機関(FIB)のシーク・モハマド・ナシル議長は、Mリーグ1部のマラッカ・ユナイテッド、スリ・パハン、そして2部のサラワク・ユナイテッドの3クラブについて、FIBに提出された宣言書の内容が守られなかった場合には交付されたクラブライセンスの無効も含めた措置を取る可能性があるとし、今後もこの3クラブを監視していくと話しています。
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版によれば、選手の税金と労働者積立金を滞納しているマラッカ・ユナイテッドと未払い給料を抱えるスリ・パハンとサラワク・ユナイテッドは、いずれもこれらを分割で支払うことを関係機関及び選手との間で合意しており、マラッカ・ユナイテッドは1回目の支払い分となる47万6160リンギを、ケランタンFA(ケランタンFCではありません)は4万4327リンギの支払いをそれぞれ終えており、残る未払い給料も予定されている日程に沿って支払われることになっているということです。またサラワク・ユナイテッドは来月2月よりやはり分割で未払い給料の支払いを行うということです。
 この状況についてシーク・モハマド・ナシルFIB議長はこの3クラブがフルライセンス交付に当たっての条件となっている分割払いが行われる状況を監視し続けるとし、この分割払いが予定通り行われない場合や、マレーシア人以外の選手への未払い給料問題が発覚した場合には、クラブライセンスの無効化も含めた処分を行うと話しています。

ケランタンFCオーナー対MリーグCEOの第2ラウンド勃発
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、ケランタンFCのノリザム・トゥキマン オーナーに対して、MFLの方針に反するコメントを公言することは、倫理規定に反する行為であると非難しましたが、ノリザム オーナーはこれに対してさらに反論を行なっているとブリタハリアンが報じています。
 未払い給料問題を抱えるケランタン州サッカー協会(ケランタン州FA)がこの問題を解決しなければ、FAMはケランタンFCの勝点剥奪処分を課すという発言の有無をめぐってFAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長とメディア上で非難の応酬を繰り広げたノリザム オーナーはその流れでMFLへも非難の矛先を向けました。これに対してMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは既に各クラブに対して説明済みの問題を敢えて蒸し返したとして倫理規定に違反するとしてノリザム オーナーを非難し、理由説明書を送付して説明を求めました。
 これで一件落着かと思いきや、ノリザム オーナーは理由説明書を受け取ったことを明らかにした上で、MFLのアブドル・ガニCEOに対して「MFLのCEOであるにも関わらず、ケランタン州FAとケランタンFCは民営化の結果、互いに別の組織となったことを理解していない。Mリーグ参加クラブを所有しているのが誰なのかをもっと正確に把握するべきだ。」と改めて非難しています。
 昨年9月にケランタン州FAからクラブの経営権を買い取ったノリザム オーナーは所有するケランタンFCがMリーグやMFLにマイナスイメージを植え付ける意図は全くはないとした上で、MFLに対して組織の透明性をより高め、Mリーグクラブのオーナーともミーティングを行うなど、プロらしく行動するべきであると提言しています。
 「MFLは経営状況を公開し、信用性、透明性、法令遵守をより高めるべきである。ケランタンFCは現在に至るまでMFLから会計監査の結果や年次総会の日程などの連絡を全く知らされていない。」とも述べているノリザム オーナーは、自身がMFLに求めているのはMリーグの地位や価値を高めるために、企業経営の監督管理を改善するための行為であるとも話しています。

AFC U19選手権は結局中止に
 東南アジアサッカー連盟AFFの公式サイトでは、昨年から延期されていたアジアサッカー連盟AFC U19選手権とU16選手権がいずれも中止となったと報じています。
 インドネシアサッカー協会(PSSI)のモハマド・イリアワン会長が今月1月15日にAFCから中止決定を知らせる内容を公式に書面で受け取ったことを報じている他、その書面にはAFCフットサル選手権とAFCビーチサッカー選手権の中止も書かれていたということです。
 マレーシアも出場予定だったAFC U19選手権は昨年10月にウズベキスタンで開催予定でしたが、新型コロナウィルス感染拡大の影響で今年3月に日程が変更になっていました。また同U16選手権は9月にバーレーンで開催予定でしたが、こちらも今年3月から4月にかけての開催に日程が変更になっていました。またこの両選手権の上位チームが出場する予定だったFIFA U20W杯と同U17W杯は既に中止が決まっていました。
 この中止決定を受け入れたと話すイリアワンPSSI会長は、AFCの決定を尊重するとし、中止によってPSSIはU16代表とU19代表の強化により多くの時間が取れると話しているということです。
 また中止となった選手権は2023年にAFC U20アジアンカップ、AFC U16アジアンカップとしてそれぞれウズベキスタンとバーレーンで開催される予定ということです。
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 U19選手権とU16選手権中止のニュースはAFCの公式サイトでは一切発表されていないのですが、AFFの公式サイトで記事となっていたので、取り上げました。

1月13日のニュース(2):MFLがMリーグ全クラブに活動制限令施行期間中の練習中止を命じる

MFLが全クラブに活動制限令施行期間中の練習中止を命じる
 Mリーグを主催するマレーシアンフットボールリーグMFLは、1月12日付でMリーグ1部と2部の全24チームに対して練習中止を指示したと、マレーシア語紙ウトゥサンムラユ電子版が報じています。
 2月下旬の今季Mリーグを控え、各クラブはプレシーズン練習を行なっていますが、これに水を差すように、本日1月13日より連邦直轄地クアラルンプール、プトラジャヤ及びラブアンとスランゴール、ペナン、ジョホール、マラッカの各州にロックダウンとも言える活動制限令が施行されていますが、今回の練習中止命令はこの活動制限令が施行されていない地域を本拠地とするクラブも含めた全クラブが対象です。
 MFLのハミディン・アミン会長は1月26日まで2週間の予定で施行される活動制限例期間中のMリーグ1部、2部および3部以下やユースカップ(U19)、プレジデントカップ(U21)チームの練習を全て中止するよう求めているということです。
 マレーシアサッカー協会の会長でもあるハミディン会長は、Mリーグはマレーシア政府の方針に従う必要があるとして、昨日開かれたFAM理事会後の記者会見で練習中止を発表しています。
 なおハミディン会長は、活動制限令が延長された場合に備えて複数の対応策などもこのFAM理事会で検討されたことも明かしています。
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 FAMやMFLの公式サイトや公式Facebookにも全チームへの練習中止指示については掲載されておらず、このニュースを報じているのがウトゥサンムラユだけなのが気になりますが、とりあえず取り上げました。
 FAMの公式Facebookでは上記の理事会で決定したこととして、今月1月16日から25日までの日程で予定されていた代表合宿の中止、今年2021年11月にベトナムのハノイで開催される東南アジア競技大会通称シーゲームズにU19代表を派遣すること(通常はオリンピックに準じてU23代表が派遣されます)、またこのU19代表が2024年パリオリンピック予選に備えてアジアサッカー連盟AFCU23選手権予選にも出場することなどが挙げられています。

1月9日のニュース:スランゴールFCは今後3年はMBPJスタジアムをホームに、サラワクU監督は今季優勝争い参戦に自信、元代表のジュニオール・エルドストールはタイ1部クラブに移籍

スランゴールFCは今後3年はMBPJスタジアムをホームに
 Mリーグ1部のスランゴールFCは今季から少なくとも3シーズンはスランゴール州プタリンジャヤにあるMBPJスタジアムを本拠地として使用するようです。
 これまで本拠地としてきた同州シャーアラムにあるシャーアラムスタジアムが総費用2億5000万リンギ(およそ64億4000万円)とされる大規模な改修工事に入ることから、スランゴールFC運営会社のジョハン・ハミドンCEOは今後2、3年は、同じMリーグ1部PJシティFCのホームでもあるMBPJスタジアムを本拠地とすることを、スランゴール州政府関連企業が発行するスランゴールキニ紙上で明かしています。
 スランゴールFCは昨季2020年シーズン開幕前に、Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLからシャーアラムスタジアムの老朽化による危険を指摘されたことによりホームゲームを同スタジアムで開催できなくなり、昨季のホームゲームは同じ1部のUITM FCが使用するスランゴール州シャーアラムのUITMスタジアムを使用していました。(ただし1試合だけはブキジャリルスタジアムでホームゲームを開催したものの、FAMにブキジャリルスタジアムでのホームゲーム開催を禁じられています。)

 昨季2020年シーズンはMリーグ2部で10位、しかも11位のヌグリスンビランFC(旧ヌグリスンビランFA)とは勝点で並びながら得失差で10位となったサラワク・ユナイテッドFC。その監督として2年目となるエラヴァラサン・エランゴワン監督は、2月下旬に開幕予定の今季2021年シーズンに向けて優勝を目指す戦力が整ったと話しています。
 マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版によると、その根拠は補強した新戦力にあるということです。昨季はスランゴールFCで主将を務めたテイラー・リガン(オーストラリア)の他、サンドロ・ダ・シルヴァ(スランゴールFCより加入)、ノーシャルル・イドラン・タラハ(タイ1部リーグBGパトゥム・ユナイテッドから加入)、リ・チャンホーン(ペナンFCから加入)らMリーグ経験者を集めたエラヴァラサン監督は、昨季とは大きく異なるチームの編成に自信を持っており、2部の優勝争いはサラワク・ユナイテッドFCを含めた全てのチームにチャンスがあると話しているということです。
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 フェルダ・ユナイテッドFCとUKM FCがリーグ参加を認められず、今季は10チームで争われる2部プレミアリーグですが、その内、4チームは1部スーパーリーグ所属チームのセカンドチームであることから1部昇格ができません。このため今季の2部リーグは6チームが1部昇格の2枠を争うことになります。

元代表のジュニオール・エルドストールはタイ1部クラブに移籍し
 かつてサラワクFA(現サラワク・ユナイテッドFC)やJDTでのプレー経験のあるDFジュニオール・エルドストールはマレーシア人の母親とスウェーデン人の父親を持ち、マレーシア代表でもプレー経験があります。2018年にJDTを退団後は英国7部リーグなどでプレーしていましたが、このエルドストール選手がタイ1部のチョンブリーFCと契約したことをマレーシア語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 マレーシア人選手のタイリーグ挑戦といえば、今季は既にノーシャルル・イドラン・タラハ(前BGパトゥム・ユナイテッドFC)とモハマドゥ・スマレ(前ポリス・テロFC)の代表コンビがいずれも尻尾を巻いて昨年末で契約を終えてマレーシアへ戻ってきたのは記憶に新しいところです。
 アセアン(東南アジア)枠での契約となるエルドストール選手は、若い選手が多いチョンブリーFCに自分の経験を伝えたいと話していますが、9歳とまだまだ老け込む歳でもないエルドストール選手の東南アジア復帰は、ワールドカップ2022年大会アジア二次予選を控えるマレーシア代表にとって朗報となることを期待したいです。
(チョンブリーFCと契約したエルドストール選手-チョンブリーFC公式サイトより)

1月8日のニュース:鈴木ブルーノはPDRM FC加入か、昨季TFC得点王はクアラルンプールUとの契約間近か、タイのクラブ退団のスマレはクダFC入り後に期限付き移籍でJDT入りか

今日はソーシャルメディア上の噂を3本集めました。

鈴木ブルーノはPDRM FC加入か
 2017年からMリーグでプレーし、昨季は2部トレンガヌFC IIで主将も務めながら、シーズン終了後に退団となった鈴木ブルーノ選手ですが、その勇姿が今季もMリーグで見られそうです。
 英字紙スターのスポーツ記者でMリーグの移籍情報に詳しいアヴィネシュワラン・タハルマレンガム記者のツイートによれば、鈴木選手は昨季は1部で12位となり今季は2部に降格するPDRM FCとの契約が間近とのことです。
 過去3年間は1部トレンガヌFCのセカンドチームであるトレンガヌFC IIでプレーしながら、シーズン中にはトップチームでプレーすることもあった鈴木選手は、今季も1週間にトップチームとセカンドチームの両方の公式戦に出場するなどタフネスぶりを発揮しただけでなく、トレンガヌFC IIの昨季2位躍進の立役者でもありました。
 昨季は給料未払いを理由に開幕前に勝点3を剥奪されて、短縮されたシーズンとは言え最終的には勝点がマイナス1という屈辱的な成績で降格するPDRM FCは、新たにマット・ザン・マット・アリス新監督の就任を発表していますが、選手の顔ぶれも大きく代わる中、Mリーグ5年目となるブルーノ選手の加入でサンタンの1部復帰が果たせるかどうかに注目が集まります。

昨季TFC得点王はクアラルンプールUとの契約間近か
 昨季2020年シーズンはチーム最多の9ゴール(11試合)を決めながら、トレンガヌFCが契約を延長しなかったドミニク・ダ・シルヴァが今季からMリーグ1部に昇格するクアラルンプール・ユナイテッドFC(旧クアラルンプールFA)との契約間近と、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 トレンガヌFCは2019年シーズンの7位から昨季3位と躍進し、アジアサッカー連盟AFCカップの出場権を獲得しましたが、それに貢献したダ・シルヴァ選手は1年契約終了後に延長オファーを出されることなく退団しています。
 昨季の実績に加え、新型コロナウィルスによる厳格な入国及び出国制限が課せられているマレーシアは国外から外国籍選手獲得が難しいことから、これまでも複数のMリーグクラブが獲得交渉を進めているという噂がありました。
 来季はチリ出身で前東ティモール代表監督を務めたシモン・エリゼッチ氏が就任することが発表になっているクアラルンプール・ユナイテッドFCはクダ・ダルル・アマンFCからハディン・アズマン、PJシティFCからサフィー・サリといった代表経験者を獲得しており、ダ・シルヴァ選手が獲得できれば攻撃陣はほぼ補強完了と言えます。

タイのクラブ退団のスマレはクダFC入り後に期限付き移籍でJDT入りか
 先月12月いっぱいでタイ1部ポリス・テロFCとの契約が切れた代表選手のモハマドゥ・スマレが既にマレーシアに戻っていることはこのブログでも取り上げましたが、そのスマレ選手がMリーグ1部クダ・ダルル・アマンFC(旧クダFA)と既に契約済みという噂があります。
 新型コロナウィルス感染拡大に伴う昨季のMリーグ中断期間中に給料未払いを理由に所属していたパハンFA(現スリ・パハンFC)を離脱しタイに渡ったスマレ選手ですが、タイで所属した1部ポリス・テロFCでは合計で111分間という出場時間が示すように、出場機会には恵まれませんでした。
 そしてそのスマレ選手は既にクダ・ダルル・アマンFC(KDA FC)と契約済みという噂がソーシャルメディア上にありますが、KDA FCは昨季は同じ1部のUITM FCでプレーしたレバノン代表のMFラビ・アタヤを獲得しており、アタヤ選手がこのスマレ選手と同じ右ウィングであることから、スマレ選手が期限付きでJDTへ移籍可能性も取り沙汰されています。
 またこのスマレ選手のJDT移籍と交代する形でリリドン・クラスニキのKDA FCへの期限付き移籍の可能性も噂されています。FIFAの規定によりマレーシアで5シーズンプレーし昨年2月にマレーシアに帰化したコソボ出身のクラスニキ選手ですが、JDTではトップチームのレギュラーどころかベンチ入りすらできず、昨季はセカンドチームのJDT IIでプレーしました。今年再開するFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選の切り札とされるクラスニキ選手ですが、リーグ出場機会を求めてKDA FCへスマレ選手と入れ替わりの形でKDA FC入りとなるのではという噂です。そもそもクラブチームであるJDTでレギュラーになれない選手がそもそも代表入りできるのか、という疑問も残りますが、噂とはいえ理に叶っていますので、あながち噂だけで済まないかも知れません。

1月6日のニュース:サバFCは一転して今季もクルニアワン監督が指揮、今月の代表合宿では練習試合は行わない-タン代表監督、今季のM3リーグは4チーム増の24チーム編成で開催

サバFCは一転して今季もクルニアワン監督が指揮
 Mリーグ1部で昨季は10位に終わったサバFC(今季から、昨季まではサバFA)は、今季もクルニアワン・ドゥイ・ユリアント監督が続投することが発表されています。
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版によると、先日行われたサバ州サッカー協会SAFAの執行委員会終了後、ブン・モクタル会長代行は今季もインドネシア出身のクルニアワン監督がクラブの指揮を取り、サバFAでプレー経験があるブルハン・アジュイ氏が今季新たにアシスタントコーチに就任すると発表しています。
 これまでクルニアワン監督は退任、新監督としてサバ州に隣接するサラワク州出身のルーカス・カラン・ラエン氏が就任することが昨年12月初旬にサバFCを運営するサバFC社のヴァードン・バハンダCEO(当時)によって発表されていましたが、サバ州選出の国会議員でサバ州副州知事でもあるブン・モクタルのサバFA会長代行就任に合わせるようにヴァードンCEOは辞職しています。
 またブン・モクタル会長代行は、ヴァードン氏の辞職に伴い空席となったサバFC社のCEOにカイルル・フィルダウス・アクバル・カーン氏の就任と、サバ州トライアスロン協会会長のアフマド・マルズキ・ナシル氏のサバFCチームマネージャー就任も合わせて発表しています。
 ブン・モクタル会長代行は、今週中にマレーシア入りする予定のクルニアワン監督は今月半ばをめどに選手の選抜を行うということです。
 また最終メンバーと今季のユニフォームについては、来月2月14日にサバ州のハジジ・ノー州知事も出席するイベントで発表されることも明らかにしています。

今月の代表合宿では練習試合は行わない-タン代表監督
 今月1月15日から26日まで予定されている代表合宿について、タン・チェンホー代表監督は練習試合を行わない予定であると、ブリタハリアンが伝えています。
 タン監督は2月末のMリーグ開幕前に選手にケガのリスクを負わせるわけにはいかないとして、3月に予定されているFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選のアラブ首長国連邦戦直前まで、練習試合は行わないとブリタハリアンのインタビューに答えています。「プレシーズン前の練習を始めたばかりの状況では練習試合を行っても、選手はコンディションも十分に仕上がっていないだけでなく、自信となるようなものは得られないだろう。」と話すタン監督は、3月19日に予定されているバーレーンとの練習試合までは対外試合を「封印」する方針を明らかにしています。なお新型コロナウィルスによる中断から再開されるW杯予選でマレーシア代表の初戦は3月25日のアラブ首長国UAEとなっています。
 またタン監督は今月の代表合宿ではこれまで招集された選手が大半を占めることも明らかにしています。「昨季はMリーグが短縮されたことで、これまで未招集の選手を評価するには十分な試合数が見られていないため、今回の代表合宿はこれまで招集経験のある選手中心に行う。それでも新たな選手は数名を今回の合宿で初招集する予定であるが、これは次の代表合宿が(予選直前の)3月開催のため、そこで新戦力を見出す時間はなく、今回の合宿がその最後の機会と考えているからである。」と話しています。

今季のM3リーグは4チーム増の24チーム編成で開催
 少々古くなってしまったニュースですが、Mリーグ3部と4部にあたるM3リーグとM4リーグを運営するアマチュアフットボールリーグAFLは公式Facebook上で、今季のM3リーグは24チーム編成で開催することを発表しています。
 AFLのモハマド・ユソフ・ウィラ会長は、今年3月開幕予定のM3リーグについてセミプロ化を目指すためのリーグ再編成を行った結果、昨季はM3リーグとM4リーグに所属したチームから24チームが今季のM3リーグでプレーすると発表しています。なお昨季2020年シーズンのM3リーグは20チーム編成でしたが、新型コロナウィルスの影響で第2節終了後に中止となりました。
 今季のM3リーグについては、昨季の20チームの内、国軍FC、マンジュンシティFC、ランカウィシティFC、NLFC-マンサなど既に19チームが参加の意思を表明しているということです。
 新たに参加となるチームについてモハマド・ユソフ会長は、各州サッカー協会の協力を得て募集を行うとし、参加希望チームの運営形態や経営状況などを精査した上で決定するとしています。

1月5日のニュース:スマレはタイのクラブを退団し帰国、前U23代表監督がFAMのテクニカルディレクター就任、UITM FCから移籍のアタヤはクダFCに合流

スマレはタイのクラブを退団し帰国
 タイ1部ポリス・テロFCに所属していた代表FWのモハマドゥ・スマレがマレーシアへ帰国したことをマレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 新型コロナウィルスによるリーグ中断期間中に数ヶ月間にわたる給料未払いを理由に当時所属していたパハンFA(当時、今季からはスリ・パハンFC)を離脱し、タイに入国しポリス・テロFCと契約していました。しかし、9月7日のクラブ加入後もコンディショニング不良などの理由から試合出場は4試合、プレー時間も111分間とプレー機会も少なく、ポリス・テロFCも昨年12月までとなっていた契約を更新せず、すまれ選手はわずか4ヶ月ほどでマレーシアに戻る羽目となりました。
 これまでもJDT移籍が何度も噂となっていたスマレ選手ですが、今回こそはそれが実現する可能性大です。

前U23代表監督がFAMのテクニカルディレクター就任
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で前U23代表監督のオン・キムスイ氏のテクニカルディレクターTD就任を発表しています。なおオン氏は1月1日付でのTD就任ということです。
 U23監督退任後はアシスタントTDに就任していた50歳のオン氏は、2017年からその職についていた前任者でオランダ出身のピーター・デ・ルー氏が昨年9月に契約満了で退任したことから、新たなTDの第一候補とされていました。
職に就くことが有力視されていましたが、それが実現した形になります。
 FAMの公式サイトでは「選手、そして指導者としてさまざまレベルを経験しているオン氏はFAMテクニカルディレクターに適任である。」と述べられており、U23代表監督としては2011年の東南アジア競技大会優勝、2017年の同大会準優勝の他、2018年のアジアサッカー連盟AFCU23選手権出場や同年のアジア競技大会でのベスト16進出などの実績があります。

UITM FCから移籍のアタヤはクダFCに合流
 昨季2020年シーズンはMリーグ1部に昇格したばかりのUITM FC6位躍進の立役者となったレバノン出身のMFラビー・アタヤが今季加入したクダ・ダルル・アマンFC(KDA FC)に合流するためクダ州に到着したと、マレーシア語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 家族を伴ってクダ州アロースターの空港に到着したアタヤ選手はKDA FCサポーターの歓迎を受けたということです。
 昨季から在籍するFWクパー・シャーマン、FWチェチェ・キプレ、DFレナン・アウヴェスが残留し、先日このブログでも取り上げたシンガポール代表MFアヌマンサン・モハン・クマールをASEAN東南アジア枠で獲得、さらにアジア枠でプレーするこのアタヤ選手の加入でクダ・ダルル・アマンFCの外国籍補強は終了となります。
(写真はクダ・ダルル・アマンFCの公式Facebookより。Hijau Kuning(マレーシア語でそれぞれ「緑」「黄色」)は、チームの愛称です。)

1月1日のニュース:2020年フットボールアウォード発表-JDTの独壇場に、クラスニキが代表合宿初招集、FIFAはケランタンFCに対する選手獲得禁止制裁を解除

 明けましておめでとうございます。2021年もどうぞよろしくお願い致します。それでは新年1回目のニュースをお伝えします。

2020年フットボールアウォード発表-JDTの独壇場に
 12月30日に開催された2020年フットボールアウォード(年間表彰)では、大方の予想通りJDTの独壇場となりました。
 新型コロナウィルスの影響により史上初のオンライン開催となった今年の年間表彰では、ファン投票が全体の30%、Mリーグ1部と2部の24チームの監督、主将とメディア関係者の投票が70%として審査され、今季Mリーグ1部で7連覇を果たしたジョホール・ダルル・タジムJDTが審査対象となった6部門中5部門を受賞するなど、リーグ同様に圧勝でした。以下、受賞者です。

<最優秀GK:ファリザル・マーリアス(JDT)5度目>
 代表でもプレーするファリザル選手が2009年、2015年、2018年、2019年に続く5度目の最優秀GK受賞を果たしています。
<最優秀DF:アイディル・ザフアン・アブドル・ラザク(JDT)5度目>
 最優秀DFはやはり代表の主力でもあるアイディル・ザフアンが受賞。2009年、2010年、2012年、2015年に続く5度目の受賞です。
<最優秀MF:サファウィ・ラシド(JDT)2度目>
 ポルトガルリーグ挑戦では残念な結果に終わったサファウィ・ラシドですが、最優秀MFは一昨年2018年に続く2度目の受賞です。(ちなみに昨年2019年はFW部門でノミネートされて最優秀FWに選出されています。)今回はマレーシアの全サッカーファンに送られる特例となった最優秀選手部門では2018年、2019年と2年連続で選ばれている現在のマレーシアNo. 1選手ですが、来季から復帰するJDTでは、国外のクラブが獲得に乗り出すような活躍を見せて欲しいです。
<最優秀FW:シャーレル・フィクリ(ペラTBG)2度目>
 マレーシア人選手として今季リーグ最多の10ゴール(11試合)を挙げたシャーレル・フィクリが2017年に次ぐ2度目の最優秀FW受賞です。
<最優秀監督:ベンヤミン・モラ(JDT)初受賞>
 リーグ7連覇中のJDTも最優秀監督賞となると2015年のマリオ・ゴメス監督まで遡らなければなりません。メキシコ出身のモラ監督自身は初受賞です。
<最優秀クラブ:JDT 5度目>
 2014年、2016年、2018年、2019年に続く5度目の受賞です。前身のジョホールFC時代を含めると、表彰が始まった2009年から2020年までで7度目の受賞です。
*ここまでが審査員によって決まる表彰部門です。

<ゴールデンブーツ-1部リーグ得点王>
 イフェダヨ・オモスイ(スランゴールFC)12ゴール(11試合)
 チームに優勝の望みが無くなった最後の3試合で7ゴールの荒稼ぎをしたイフェダヨ・オモスイがゴールデンブーツを初受賞しています。
<年間最多ゴール>
 1部スーパーリーグ外国籍選手部門 イフェダヨ・オモスイ(12ゴール)
 1部スーパーリーグマレーシア人選手部門 シャーレル・フィクリ(10ゴール)
 2部プレミアリーグ外国籍選手部門 カサグランデ(ペナンFA-9ゴール)
 2部プレミアリーグマレーシア人選手部門 ダニアル・アサリ(スランゴール2-7ゴール)

クラスニキが代表合宿初招集
 マレーシアの通信社ブルナマはコソボ出身の帰化選手であるリリドン・クラスニキが今月1月15日から予定されている代表合宿に初招集されると報じています。
 Mリーグ1部JDTに所属する28歳のクラスニキ選手は2015年にクダFAに加入し、それ以来Mリーグでプレーし続けていることから、FIFAが規定する帰化選手条件を満たしたことからマレーシアサッカー協会FAMの支援により、昨年2020年2月にマレーシア国籍を獲得しています。
 初招集となったクラスニキ選手ですが、クダFA時代には当時クダFA監督だったタン・チェンホー代表監督のもとで2015年から2017年までプレーした経験もあります。
 ガンビア出身のモハマドゥ・スマレ(ポリス・テロFC)に次ぐ、マレーシア人を血縁者に持たない二人目の帰化選手となったクラスニキ選手ですが、昨季2020年シーズンはJDTでレギュラーを確保できず、出場試合数は3試合でした。

FIFAはケランタンFCに対する選手獲得禁止制裁を解除
 ブルナマは国際サッカー連盟FIFAがMリーグ2部のケランタンFCに課していた選手獲得禁止の制裁措置を解除したことを報じています。
 ケランタンFCはかつて在籍した外国籍選手や監督に対して多額の未払い給料があり、この問題が選手や代理人によってFIFAに持ち込まれたことから、FIFAはこれを完済するまで選手獲得を禁止する制裁をケランタンFCに課していました
 昨年2020年9月にケランタンFCの新たなオーナーとなったノリザム・トゥキマン氏は、2018年から2019年にかけて在籍したブラジル出身のカッシオ・デ・ジェズスに対する未払い給料61万2632リンギ(およそ1570万円)を完済したことでFIFAによる制裁が解除となったことを明かし、この制裁解除によりクラブは可能となった選手の獲得を含め今季のチーム編成に専念できると話しています。
 さらにノリザム オーナーは「オーナー就任後、既に800万リンギ(およそ2億500万円)を費やして、これまでクラブを運営者していたケランタン州サッカー協会の作った未払い給料の支払いを行なってきたが、今回の制裁が解除となったことで外国籍選手も含めた最高の選手を獲得して今季リーグに臨みたい。」とも話しています。

1月31日のニュース:2020年マレーシアサッカー重大ニュース(後編)

2020年最後の1日は昨日の前編に続き、今年のマレーシアサッカーをボラセパマレーシアJP的視点」振り返ります。

クラブ民営化がスタートも州サッカー協会の影響力は変わらず
 国内リーグMリーグは州対抗戦から発展した経緯があり、各州のサッカー協会(州FA)が運営するクラブが今季2020年シーズンで言えば、1部は12クラブ中7クラブが、2部は12クラブ中8クラブあります(2部は1部在籍クラブのセカンドチームも含む)。さらに政府系企業や警察、国立大学などの公的機関によって運営されているクラブも含めれば、1部と2部合わせた24クラブ中、民営化されているのは1部ではJDTとPJシティFC、2部はJDTのセカンドチームJDT IIの3クラブだけです。
 過去数年に渡ってリーグ参加クラブを民営化するようアジアサッカー連盟AFCから勧告を受けていたマレーシアサッカー協会FAMがようやく重い腰を上げたのが今年でしたが、そこで起こったのが新型コロナウィルスによるリーグ中断。州政府などの抗菌による支援を受けていたクラブは軒並み経営危機に陥りました。クラブは選手や監督、コーチの給料をカット、カットでも対応できる昨日取り上げた給料未払いとなる最悪のケースもありました。
 この公的資金依存体質を改善することも目的の一つとされるMリーグクラブの民営化ですが、FAMが全クラブが州FAから分離され民営化が完了したことを発表しても、クラブ関連のニュースが相変わらず州FAの公式サイトで発表され、運営会社の役員も州FAからの横滑りといった人事も見られます。FAMは「完全」民営化まで2年間の猶予を各クラブに与えていますが、それまでは見た目が変わっただけの旧態依然とした状況が続きそうです。

代表選手の国外リーグ挑戦はほぼ失敗
 去年から国外でプレーするドミニク・タン(タイ1部ポリス・テロFC)に加え、ノーシャルル・イドラン・タラハ(タイ1部BGパトゥム・ユナイテッド)、モハマドゥ・スマレ(タイ1部ポリス・テロFC)そして期限付き移籍でサファウィ・ラシド(ポルトガル1部ポルティモネンセSC)が今季は国外でのプレーを選びました。
 しかしノーシャルル選手は今年12月いっぱいまでの契約が延長されず退団、給料未払い問題を理由にパハンFAを離脱したスマレ選手も同様に12月以降の契約更新がなく対談が濃厚です。また1年間の期限付き移籍でポルトガルへ渡ったサファウィ選手も1度もリーグ戦に出場することなく帰国が決まっています。
 その一方で2年目のタン選手は先発フル出場する機会も増えているので、1年足らずでマレーシアへ戻る選手たちにはもう少し腰を落ち着けてプレーする覚悟があれば…といったところでしょうか。
 フル代表の選手が国外でパッとしない一方で、U19代表のルクマン・ハキム・シャムスディンがベルギー1部コルレイクKVと5年契約を結び、U23代表のハディ・ファイヤッドがJ2のファジアーノ岡山で3年目の契約更新を行うなど若い選手に期待する方が楽しみかもしれません。(ハディ選手はその後、出場機会を求めてJ3のアスルクラロ沼津へ期限付き移籍しています。)

日本人トリオがクチンFAの躍進に貢献
 クチンFAは昨季2019年はMリーグの3部に当たるM3リーグで2位となり、入れ替え戦に勝利して今季2部に昇格したクラブです。そのクチンFAは今季2部で4位と大躍進を果たしましたが、それを支えたのがMリーグで初の日本人監督となった東山晃監督と昨年からクチンFAでプレーする鈴木雄太選手、そして大卒即プロデビューとなった谷川由来選手の日本人トリオです。
 リーグ上位に与えられるマレーシアカップへもクラブ史上初めて出場も果たし、クラブの歴史に名前を残した3名ですが、東山監督と谷川選手はケランタン・ユナイテッドFCへ加入し、鈴木選手は来季もクチンFAでプレーします。

中武駿介がアシスト王に
 所属したMリーグ2部ヌグリスンビランFAは今季11位となったものの、チームの12ゴールの半数近くに絡む5アシストを記録し、クチンFAのハドソン・ディアスと共にリーグのアシスト王に輝いています。
 今季終了後には複数クラブからオファーを受けながら引退を選択したのは残念でしたが、2016年に今は消滅してしまったクアンタンFAに加入し、PDRM FC、そしてヌグリスンビランFAとMリーグで長きに渡ってプレーした中武選手。本当にお疲れ様でした。

Mリーグに日本出身選手が急増
 昨季2019年シーズンは上記の鈴木選手(クチンFA)や中武選手(ヌグリスンビランFA)の他、1部のフェルダ・ユナイテッドFCに渡邉将基選手、池田圭選手が、2部のトレンガヌFC IIには鈴木ブルーノ選手と5名しかいなかったMリーグの日本出身選手ですが、今季2020年は渡邉選手はケランタンFAへ移籍し、池田選手は退団、他の3選手は昨季と同じチームに所属しました。この4名に加えて、フェルダ・ユナイテッドFCには恵龍太郎選手が、クチンFAには谷川由来選手が、JDT IIには廣瀬慧選手が加入した他、M3リーグにも岸健太(PIB FC)、木下怜耶(アルティメイトFC)、高山龍(ランカウィシティ)、宮崎崚平(ムラワティFC)、米澤淳司(スマラクFC)の5名の日本出身選手が加入し、日本出身選手の数が昨季の倍以上になりました。
 この内、鈴木雄太選手は来季もクチンFA、谷川選手はケランタン・ユナイテッドFC加入、渡邉選手は同じマレー半島東海岸のトレンガヌFC II加入が発表されています。また廣瀬選手は2年契約の2年目で、この4選手は来季もMリーグで観戦できそうです。
 さらにケランタン・ユナイテッドFCにビッグネーム加入!昨日12月30日に元日本代表の本山雅志選手が加入することが発表されました。
 マレーシアのトランスファーウィンドウは来年2月1日までなので、今後も日本人選手が増えることを期待して、今年のブログを締めくくらせていただきます。皆様、良いお年をお迎え下さい。

12月24日のニュース:来季のMリーグチケットは全試合オンライン販売のみ、FAMはMリーグクラブに対して1月の代表合宿への理解を求める、ケランタンFCは未払い給料を次々と完済

来季のMリーグチケットは全試合オンライン販売のみ
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版によると、来季2021年シーズンのMリーグのチケットはオンライン販売のみとなる様です。
 マレーシア政府は、来季のMリーグは開幕当初はスタジアムでの観戦者数を収容人員の10%のみ、しかも4000人を上限としており、この規制が適用されている間は、Mリーグ各試合のチケットはオンライン販売のみとし、スタジアムでは販売しないことをMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOが明らかにしています。
 オンラインのみでの販売はチケット売り場に人が集まることを避けるための処置であると話すアブドル・ガニCEOは、オンラインで販売されるチケットもアウェイチームのサポーターが州境を超えて移動することを防ぐため、ホームチームのサポーターのみが対象とするとしています。

FAMはMリーグクラブに対して1月の代表合宿への理解を求める
 先日のこのブログでも2021年1月15日から26日の予定で代表合宿が開催される記事を取り上げましたが、マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、Mリーグ各クラブに対し、招集された選手の代表合宿参加をクラブの開幕前練習より優先させることを求めています。
 来季のMリーグは2月27日にJDTとクダFC(来季から、今季まではクダFA)の対戦で開幕しますが、1月半ばはどのクラブにとってもプレシーズン期間の真っ最中であることは理解していると話すスチュアート事務局長は、12日間の代表合宿が各クラブの開幕前の計画を妨げるものではないと話しています。
 「プレシーズン期間は各選手の体力強化だけでなく、開幕に向けてチーム練習が必要な時期であることは十分理解した上で、各クラブの理解と協力を求めたい。また各クラブでのプレシーズン期間の練習によって代表選手の体力が良い状態になっていることをタン・チェンホー代表監督も期待している。クラブで体力強化ができていれば、代表合宿はその分の練習に費やす時間が不要になり、短期間で合宿を開催できる。」とスチュアート事務局長は話しています。

ケランタンFCは未払い給料を次々と完済
 ケランタンFC(来季から、今季まではケランタンFA)は公式Facebook上で、これまで給料未払いとなっていたかつて在籍した外国籍選手や監督に対し、未払い分を完済したことを明らかにしています。
 今季2020年シーズンも給料未払いによりリーグ戦での勝点剥奪処分をFIFAから受けていたケランタンFCですが、公式Facebookによれば、昨季2019年に監督を務めたマルコ・クラリエヴィッチへ99万7000リンギ(およそ2540万円)、2018年から2019年シーズンに在籍したカッシオ・デ・ジェズスへ67万9000リンギ(およそ1730万円)、2017年シーズンに在籍したアブー・バクル・アル=ミルへ96万9000リンギ(およそ2470万円)の未払い給料を完済し、さらにFIFAから課されていた罰金の支払いも完了したということです。