9月23日のニュース:AFC女子アジアカップ予選-マレーシアはパレスチナに勝利、スズキカップ-初戦は12月6日カンボジア戦、ケランタンUのナズルラーワン監督に他のMFLクラブが関心

AFC女子アジアカップ予選-マレーシアはパレスチナに勝利
 パレスチナのエルサレムで開催中のアジアサッカー連盟AFC女子アジアカップ2022年大会予選のマレーシア(FIFAランキング92位)対ペレスチナ(同120位)が9月22日行われ、マレーシアがパレスチナに2-0で勝利し、予選初勝利を挙げています。
 FIFAランキング32位のタイとの初戦では0-4と良いところなく敗れたマレーシアはタイ戦で先発したDFジェシカ・マイル(21)、MFファイカ・サフィナ(20)、MFペドロリア・シカユン(29)に代えてDFファティン・ロザニ(18)、MFリヤナ・ソベリ(22)、MFダドリー・ソフィナス(31)を先発に起用し、初勝利を目指しました。
 この試合が予選H組初戦となったパレスチナ、そしてこの予選で初勝利を目指すマレーシアの双方が試合開始から積極的に相手ゴールを目指す展開となりましたが、両チームともシュートの精度を欠くなどして得点に至らず前半は0-0で終了しました。
 後半に入ると57分に相手DFのクリアミスをアンドレア・リー・シンイーが押し込みマレーシアが予選初ゴールで先制しました。さらに82分にはペナルティエリアの外で得たフリーキックを主将のステフィ・サルジ・シンが蹴るとカーブのかかったシュートはパレスチナGKの手をすり抜けるようにゴールに吸い込まれ、マレーシアは2-0とリードを広げます。その後も試合終盤のロスタイムのピンチも凌ぎ切ったマレーシアはパレスチナを完封して予選初勝利を挙げています。
 予選H組の最終戦はタイ対パレスチナ戦が9月25日に予定されています。

AFC女子アジアカップ2022年大会予選H組
2011年9月22日@ファイサル・フサイニー国際スタジアム(エルサレム、パレスチナ)
マレーシア 2- パレスチナ
得点者:マレーシア-アンドレア・リー・シンイー(57分)、ステフィ・サルジ・シン(82分)
(先発XIと試合結果の画像はマレーシアサッカー協会FAMの公式Facebookページより、映像はマレーシアの衛星放送チャンネルスタジアムアストロ公式Youtubeページより)


スズキカップ-初戦は12月6日カンボジア戦
 先日組み合わせ抽選が行われたアセアン東南アジアサッカー連盟AFF選手権アジアカップ2020年大会の試合日程がマレーシアサッカー協会FAMの公式Facebookで発表されています。
 2020年から順延され、また従来のホームアンドアウェイ方式から一箇所での集中開催方式へと変更になっている今回の大会は1回戦総当たりのグループステージの上位2チームが準決勝、決勝をそれぞれ2試合戦います。
 集中開催地は現在は発表になっておらず、今月中には決定するとされていますが、サッカー専門サイトのヴォケットFCはタイのサイアムスポーツの報道を引用して競技施設の状況に加えて医療施設が完備されている点を重視して現時点ではシンガポールが最有力候補とされている他、再来年2023年の東南アジア競技大会通称シーゲームズに向けて6万人収容の新たなスタジアムが完成したがカンボジアもスズキカップ開催を熱望していると伝えています。

ケランタンUのナズルラーワン監督に他のMFLクラブが関心
 Mリーグ2部プレミアリーグは最終節の第22節が終了しましたが、第21節の試合前の新型コロナ検査で陽性者が見つかったことにより検疫隔離となっていたケランタン・ユナイテッドFCは、順延されていたクチンシティFC戦を明日9月24日に行います。
 第22節では優勝の可能性もあったトレンガヌFC IIを1-0で破り、マレーシアカップ出場権獲得の可能性を残して最終戦を迎えるケランタン・ユナイテッドFCですが、先日の勝利で後半戦の通算成績が2勝1分5敗と苦しい試合が続いています。
 今季開幕から5勝1分5敗の4位で前半戦を折り返したケランタン・ユナイテッドFCでしたが、チームは後半戦開幕前に東山晃監督を突如、テクニカルディレクターへと配置転換し、さらにナズルラーワン・マクモルを就任させましたが、その結果が第22節を終えて2勝1分5敗で9位という成績です。明日のクチンシティFCとの試合に勝利すれば7位に浮上する可能性もありますが、外から見る限りではこの交代劇がチームに何も良い結果を齎してないように思います。
 そんな中、マレーシア語紙ブリタハリアンはこのナズルラーワン監督が他のプレミアリーグのクラブから来季の監督候補として関心を集めていると報じています。
 ブリタハリアンの取材に対して41歳のナズルラーワン監督は、マレーシアカップ出場権の懸かる試合を前に他のクラブと話し合いをする機会を持つことはできないと話す一方で、複数のクラブから監督就任のオファーを受けていることは認めています。
 「ケランタン・ユナイテッドFCの経営陣が来季も自分を必要してくれるのであれば、チームに残ることへの支障は何もない、しかしそうでなければプレミアリーグの他のクラブを指揮してみたいとも思っている。」と述べたナズルラーワン監督は魅力的な契約内容が提示されれば来季の監督継続を最終戦に検討すると話しています。

9月22日のニュース:Mリーグ2部優勝はヌグリスンビランFC、スズキカップ-マレーシアはベトナムと同組に

Mリーグ2部優勝はヌグリスンビランFC
 昨日9月21日にMリーグ2部プレミアリーグ最終節となる第22節が行われ、首位のヌグリスンビランFCが勝利し、リーグ優勝を果たしています。
 サラワク・ユナイテッドFC、トレンガヌFC Iiと三つ巴の優勝争いとなった最終節でしたが、勝利が条件だった2位サラワク・ユナイテッドFCはJDT IIと引き分け、3位のトレンガヌFC IIはケランタン・ユナイテッドFCに敗れたため、最後はあっけない幕切りとなりました。
 またこの第22節の結果、2部プレミアリーグからは来季1部に昇格するヌグリスンビランFCとサラワク・ユナイテッドFCに加えてクチンシティFCとケランタンFCもマレーシアカップ出場を決めています。プレミアリーグからマレーシアカップに出場する最後の5チーム目は、第22節でケランタン・ユナイテッドFCがトレンガヌFC IIを破ったことにより、順延されていた9月24日のクチンシティFC対ケランタン・ユナイテッドFCの結果次第となりました。この試合でケランタン・ユナイテッドFCが勝利するとケランタン・ユナイテッドFCが、また引き分け或いは負けの場合にはPDRM FCがマレーシアカップ出場権を獲得します。第22節の詳細はこちらからどうぞ。

スズキカップ-マレーシアはベトナムと同組に
 アセアン東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020年大会のグループステージ組み合わせ抽選が9月21日にシンガポールで行われ、マレーシアベトナム、インドネシアなどと同じB組となっています。
 AFFとして初めてのオンライン組み合わせ抽選はYoutbueなどでストリーミングで公開され、予選を戦うブルネイと東ティモールの組み合わせが決定した後、本選の組み合わせ抽選となりました。ポッド1にはベトナムとタイ、ポッド2にはマレーシアとミャンマー、ポッド3にはインドネシアとフィリピン、ポッド4にはシンガポールとカンボジア、そしてポッド5にはラオスが入り、Pod5から順に、予選A組とB組への振り分けが行われました。
 前回2018年大会優勝のベトナムと準優勝のマレーシアはそろってB組となり、これにインドネシア、カンボジア、ラオスが加わり、A組はタイ、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、そしてブルネイと東ティモール戦の勝者がそのメンバーです。
 2020年に予定されていた今大会は新型コロナ感染拡大の影響を受け順延され、今年12月5日から来年1月1日の決勝までを、従来のホームアンドアウェイ方式ではなく、一国での集中開催方式で行われることが決まっています。

9月21日のニュース:マレーシアカップグループステージの日程が発表、サッカー協会事務局長-練習試合はまだ確定していない、ケン・ワーデン元マレーシア代表監督逝去

 今日9月21日はマレーシア時間の午後3時(日本時間午後4時)からアセアン東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020年大会(昨年から順延されたため「2020年大会」となっています)のグループステージ君合わせ抽選がオンラインで行われます。(こちらで視聴可能です。)またMリーグ2部プレミアリーグは最終節の第22節が行われ、ヌグリスンビランFC、サラワク・ユナイテッドFC、トレンガヌFC IIによる三つ巴の優勝争いの決着がつきます。またプレミアリーグから5チームが参加するマレーシアカップへの出場チームが決定する可能性もありなど、慌ただしい1日になりそうです。

マレーシアカップグループステージの日程が発表
 マレーシアンフットボールリーグMFLは、今季2021シーズンのマレーシアカップの試合日程を発表し、今大会が100周年記念と日本のサッカー天皇杯と並ぶアジア最古のカップ戦は9月26日(日)にグループステージが開幕します。
 MFLは今回の日程発表に関して、本日9月21日に予定されているMリーグ2部プレミアリーグ最終節の第22節後にもリーグ戦が予定されていること、また10月のFIFA国際マッチデー期間にマレーシア代表は国外遠征を予定しており、帰国後に必要となる検疫隔離期間を考慮したとしています。
 2部プレミアリーグでは、試合前の新型コロナ検査で陽性者が見つかったことから検疫隔離となっていたケランタン・ユナイテッドFCがクチンシティFCと対戦するカードが9月24日に順延となっており、さらにこの試合の結果次第でマレーシアカップ出場チームが変動する可能性があることから、最終的なグループステージの組み分けは9月24日の試合後に発表されるとしています。
 またマレーシア代表は10月4日から12日までのFIFA国際マッチー期間にヨルダンに遠征し、ヨルダン、ウズベキスタンとの練習試合が予定されていますが、マレーシア政府は全ての渡航者に14日間の検疫隔離を義務付けており、マレーシア代表の選手たちもヨルダン遠征後にはこの検疫隔離となり、すぐに所属クラブに合流できないことから、MFLはこの点も考慮した日程を作成したということです。
 マレーシアカップグループステージの日程はこちらです。

サッカー協会事務局長-練習試合はまだ確定していない
 上のマレーシアカップ日程決定の経緯にもあるように、マレーシア代表は10月4日から12日までのFIFA国際マッチデー期間に国外合宿を検討しているとされていますが、マレーシアサッカー協会FAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長は、この期間の活動について現時点では何も決まっていないと述べています。
 マレーシア語紙ハリアンメトロによると、新型コロナの1日あたりの新規感染者数が1万5000人を越え続けているマレーシアの現状を考えると、現時点で練習試合を計画するのは困難だと話しているということです。
 サイフディン事務局長は、10月の代表合宿に招集予定の選手が新型コロナ検査で陽性などによりこれに参加できなくなる場合に備えて、予備の代表候補をリストアップすることが重要だと話す一方で、実戦から離れている代表チームのために12月に開幕するAFFスズキカップの前には少なくとも2試合の練習試合を開催することを検討中であるとも話しています。
 「練習試合開催を打診するのが遅れたことと新型コロナの影響で練習試合の相手は現時点では決まっておらず、まずは代表合宿に招集する選手を決定した上で、練習試合を行うかどうかを確定する予定である。」とサイフディン事務局長は述べています。
 代表チームは12月5日から来年2022年1月1日の決勝まで続くAFFスズキカップと来年2月から始まるアジアサッカー連盟AFCアジアカップ2023年大会3次予選が控えていますが、スズキカップをいわば「ふるい」に使ってアジアカップ3次予選に出場する選手を選ぶという方針なのかも知れません。

ケン・ワーデン元マレーシア代表監督逝去
 マレーシアサッカー協会FAMは公式Facebookで元代表監督を務めたケン・ワーデン氏の訃報を伝えています。昨日9月20日に亡くなったワーデン氏は享年78でした。
 英国のプレストンで1943年2月2日に生まれたワーデン氏はオーストラリアで選手、そして指導者としてキャリアを積んだ後、1991年にスランゴールFA(当時、現在のスランゴールFC)の監督に就任すると、この年にリーグ戦(セミプロリーグ1部-当時の国内トップリーグ)では5位だったものの、FAカップ優勝、そしてマレーシアカップ準優勝(優勝はジョホールFA)を達成します。
 すると翌1992年1月には代表監督に就任し1993年末まで代表の指揮を取りましたが、ザイナル・アビディン・ハサン(現マラッカ・ユナイテッド監督)、ドラー・サレー(現スリ・パハンFC監督)、ムビン・モクタル、アズマン・アドナンなどスター揃いだった代表チームはW杯1994年アメリカ大会予選はグループステージで敗退、そして1993年の東南アジア競技大会通称シーゲームシンガポール大会ではベスト4進出を逃しました。
 代表監督を退いた1994年にはライバルのシンガポール代表監督に就任しますが、その年の途中には再びスランゴールFAに戻り、1995年と1996年のマレーシアカップ連覇を果たしました。
 その後、一度はオーストラリアに戻ったものの2002年にはスランゴールFAで3度目となるマレーシアカップに優勝したほか、サバFA(現サバFC)やトレンガヌFA(現トレンガヌFC)でも監督を務め、2015年にMリーグ2部プレミアリーグのKL SPA(現在は廃部)での指揮を最後に監督業を引退していました。
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 個人的には代表監督というよりもスランゴールFAの監督というイメージが強いワーデン氏には、1990年代にスランゴール州のPJオールドタウンにある仕立て屋で偶然に遭遇したことがあります。当時のスランゴール州では趙がつくほどの有名人だったワーデン氏に気づき、拙い英語で頑張ってください!というのが精一杯でしたが、満面の笑顔で「ありがとう」と返事をされて興奮したことを覚えています。店の外に出てもすぐに周りの人々から声をかけられて、それに丁寧に返事をしている姿も印象的でした。ご冥福をお祈りします。
(左はスランゴールFCの右はFAMの公式Facebookに掲載されたワーデン氏の訃報を知らせる投稿)

9月20日のニュース:AFC女子アジアカップ予選-タイの厚い壁を崩せず完敗、タイ1部-代表コンビはエルドストールはフル出場もタンは出場せず

AFC女子アジアカップ予選-タイの厚い壁を崩せず完敗
 アジアサッカー連盟AFC選手権女子アジアカップ2022年大会予選が始まり、マレーシアは初戦で前回大会ベスト4のタイと対戦し0-4で敗れています。
 予選H組で開催地となっているパレスチナ、タイと同じ組に入っているマレーシアは、ファイサル・フサイニー国際スタジアムでおこなれた初戦で岡本三代監督率いるタイと対戦しました。試合は開始からタイが積極的にマレーシアゴールを狙い、1分(正確には35秒)にはKanyanat ChetthabutrがSunisa Srangthaisongの右からのクラスに頭で合わせで先制ゴールを決め、さらに2分にはNutwadee Pram-Nakがペナルティーエリアの外からロングシュートを決めてタイがあっという間に2点をリードします。その後Kanyanat Chetthabutrは37分にもゴールを決めて、タイが3-0として前半を終了しました。
 FIFAランキング39位のタイは後半に入っても同92位のマレーシアを圧倒しますが、マレーシアGKヌルル・アズリン・マズランの再三にわたる攻守などもあり、このまま試合が終わるかと思われたロスタイムに集中力が一瞬切れたマレーシア守備陣の隙をついてKanyanat Chetthabutrがこの試合3点目となるゴールを決めてハットトリックを達成し、このままタイが4-0でマレーシアに完勝しています。
 今後の予選H組の日程では、マレーシアは9月22日パレスチナと、タイは9月25日にやはりパレスチナとそれぞれ最終戦を戦い、このH組からは1位のチームが来年2022年1月20日から2月6日までインドで開催される本大会に出場します。

AFC女子アジアカップ2022年大会予選H組
2011年9月19日@ファイサル・フサイニー国際スタジアム(エルサレム、パレスチナ)
マレーシア 0-4 タイ
得点者:タイ-Kanyanat Chetthabutr 3(1分、37分、90分)、Nutwadee Pram-Nak(2分)
(先発XIと試合結果の画像はマレーシアサッカー協会FAMの公式Facebookページより、映像はマレーシアの衛星放送チャンネルスタジアムアストロ公式Youtubeページより)

タイ1部-代表コンビはエルドストールはフル出場もタンは出場せず
 2021/2022年シーズンのタイ1部リーグ第3節が9月18日と19日開催に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCとDFドミニク・タンが所属するポリス・テロFCの試合が行われました。

タイ1部リーグ第3節
2021年9月18日@チョンブリースタジアム
チョンブリーFC 3-1 ノーンブワ・ピッチャヤFC
 チョンブリーFCが今季1部昇格のノーンブワ・ピッチャヤFCを一蹴して今季初勝利を挙げています。ノーンブワ・ピッチャヤFCは昨季はニコラス・スウィラッド(スリ・パハンFC)がアセアン東南アジア枠で在籍していましたが、クラブの1部昇格にともないスウィラッド選手の代表キャップ数不足が理由で1部での登録ができなくなり、スウィラッド選手は退団してマレーシアに戻りスリ・パハンFCと契約した経緯があります。
 ジュニオール・エルドストールタイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)は先発してフル出場しています。
 (試合のハイライト映像はチョンブリーFCの公式Youtubeチャンネルより)

https://youtu.be/k72tJ708EzY

2021年9月19日@80周年スタジアム
ナコーンラーチャシーマー・マツダFC 1-0 ポリス・テロFC
 今季まだ勝ち星がないチーム同士の戦いは、ホームのナコーンラーチャシーマー・マツダFCが勝利しています。ポリス・テロFCは開幕戦引き分けの後は2連敗となっています。
 ドミニク・タンはベンチ入りしたものの、この試合でも出場はありませんでした。

タイ1部リーグ順位表(第2節終了)

順位チーム試合得失差勝点
1ブリーラムU321067
2サムットプラーカーン・シティ321037
3チョンブリーFC312025
15ポリス・テロFC2012-31
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFC、ポリス・テロFCのみ表示しています。

9月19日のニュース:代表は10月にヨルダンとウズベキスタンと対戦、ペラ州協会は3部降格のペラFC II解散発表もチーム関係者は再考を求める

代表は10月にヨルダンとウズベキスタンと対戦
 10月4日から12日までのFIFA国際マッチデー期間に合宿を予定しているマレーシア代表は、ヨルダン、ウズベキスタンと練習試合を行うと、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 8月30日から9月7日にかけての国際マッチデー期間に国内合宿と他国の代表を招いての練習試合を予定していたマレーシア代表は、マレーシア政府安全保障委員会NSCやマレーシア保健省から国内での練習試合開催を認められなかったことから、この期間は練習試合だけでなく合宿も行わず、日程がずれ込んでいた国内リーグの試合開催に充ててていました。
 そこで10月の国際マッチデー期間が再び無駄になることを避けるため、マレーシア代表はヨルダンの首都アンマンで、ヨルダン代表が主催し、ウズベキスタン代表が参加する3カ国間での練習試合に出場するということです。
 またこの練習試合でタン・チェンホー代表監督は、DFディオン・クールズ(デンマーク1部FCミッティラン)、FWルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)、DFジュニオール・エルドストール(タイ1部チョンブリーFC)、DFドミニク・タン(タイ1部ポリス・テロFC)ら「国外組」の招集を予定していることを明かしています。
 なおこの代表合宿後、マレーシア代表は今年12月5日開幕予定のアセアン東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ、そして2月から始まるAFC選手権アジアカップ2023年大会3次予選などが控えています。

ペラ州協会は3部降格のペラFC II解散発表も、チーム関係者は再考を求める
 今季Mリーグ1部スーパーリーグで11位となったペラFCは来季の2部プレミアリーグ降格が決まっていますが、今季2部プレミアリーグでプレーしたペラFCのセカンドチーム、ペラFC IIはMリーグを運営するMFLが定めた「トップチームとセカンドチームは同一リーグに所属できない」という規定により、来季は3部M3リーグへ降格となってしまいました。これを受けてペラ州サッカー協会のモハマド・ヤザン会長代行は、2年以内にペラFCを1部へ復帰させることが最優先課題だとして、ペラFC IIの解散を決定したと報じられましたが、ペラFCのモハマド・ラシディ・アブドル・ラヒムTM(チームマネージャー)は、ペラFC IIの解散を決定する前には十分な検討が必要であるとの述べています。
 マレーシアの通信社ブルナマはモハマド・ラシディTMの談話を掲載し、チームの解散は所属する選手や監督およびコーチに影響を与えるだけでなく、将来のペラFCへと続く選手育成へも直接影響を及ぼすとして、ペラ州サッカー協会に再考を求めていると報じています。
 「ペラFCはシーズン中に選手を入れ替えて(セカンドチームの)ペラFC IIの選手を起用することもある他、ペラFC IIの選手の中にはU21リーグのプレジデントカップやU19リーグのユースカップではプレーできない年齢の選手もおり、こういった選手たちはペラFC IIが解散した場合にはサッカー選手という職業を続けていくことを断念せざるを得なくなるという事実も考慮した上で(ペラ州サッカー協会には)最終決定を下して欲しい。」とのべるモハマド・ラシディTMは、ペラFC IIが降格するM3リーグは運営費用がプレミアリーグよりも低く抑えられること、またセミプロリーグのM3リーグに参加することで、現在ペラFC IIに所属する選手たちのさらなる技術向上が図れ、そこからトップチームのペラFCへ選手が供給できる可能性などを指摘した他、今季ペラFCで起こった給料未払い問題とそれによる主力選手の大量退団などで低下したクラブのイメージが、セカンドチームのペラFC II解散でさらに悪化する懸念もあると話しています。
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 ペラFC IIの前身はPKNP FCはペラ州政府機関のペラ州開発公社PKNPが母体のクラブチームで、2018年シーズンに1部スーパーリーグに昇格すると、このシーズンは9位、翌2019年シーズンは11位で2部降格となったことで、PKNP FCはペラFCに吸収合併される形でペラFC IIが誕生しました。ペラFC(合併当時はペラFA)、PKNP FCともにペラ州政府からの資金で運営されていたこともあり、運営の一本化が目的の合併でした。そんな経緯もあり、かつて1部スーパーリーグでもプレーしたクラブを「解散」するというペラ州サッカー協会の発表には驚きましたが、民営化されたはずのクラブに未だに州サッカー協会が「指導」する関係性が変わっていないことにも驚きです。


9月16日のニュース:マレーシアカップの組み合わせが決定、サッカー協会のTD候補にNFPDのイシャラレンTDが浮上、来季2部降格のペラFCが新たなオーナー候補と交渉へ、1部昇格決定のヌグリスンビランFCに州政府が報奨金、AFC女子アジアカップ予選出場の代表が予選開催地パレスチナ到着

 今日9月16日はマレーシアデー。この日は1957年に英国から独立していたマラヤ連邦と、英国統治下から独立したボルネオ島のサバ、サラワク、シンガポールが合併してマレーシアが成立した1963年9月16日を記念する国民の祝日です。(しかしシンガポールは2年後の1964年にマレーシアから追い出されてしまいますが…。)

マレーシアカップの組み合わせが決定
 英国海軍の軍艦HMSマラヤ(HMSはHer Majesty Shipの意)からカップの寄贈を受けて1921年に第1回大会が開催されたマラヤカップは、1941年から1948年までは太平洋戦争による中断を挟んだものの、1967年からは名称が現在のマレーシアカップとなり、今年は第1回大会から数えてちょうど100周年を迎える、日本のサッカー天皇杯と並ぶアジア最古のカップ戦の一つです。
 マレーシアサッカーの歴史はこのカップ戦で始まったという理由ももあり、Mリーグ以上に盛り上がるこのマレーシアカップですが、100周年記念大会となる今季大会の組み合わせ抽選が昨日9月15日に行われました。
 マレーシアカップに出場できるのは、Mリーグ1部スーパーリーグの上位11チームと2部プレミアリーグの上位5チーム(スーパーリーグのクラブのセカンドチームは除く)の計16チームで、組み合わせ抽選ではこの16チームが4つのグループに振り分けられました。この16チームは2回戦総当たりで行われるグループステージを経て、各グループの上位2チームが進むノックアウトステージの準々決勝に進み、そこから準決勝までやはりホームアンドアウェイ方式で決勝を目指します。そして一発勝負となる決勝戦を制したチームは、来季のAFCカップ出場権を獲得します。。
 抽選の結果決まった各グループは以下の通りです。(”Kumpulan”はマレーシア語で「グループ」、LP(”Liga Premier”)は2部プレミアリーグチームを指し、LPの後の数字は順位を表します。プレミアリーグは今週末に最終節第22節が開催予定で、まだ今季の最終順位が決まっていないためこのような表記になっています。)
 グループA:ペナンFC(スーパーリーグ3位)、KLシティFC(同6位)、スリ・パハンFC(同10位)、プレミアリーグ2位のチーム
 グループB:トレンガヌFC(スーパーリーグ4位)、スランゴールFC(同5位)、ペラFC(同11位)、プレミアリーグ3位のチーム
 グループC:クダ・ダルル・アマンFC(スーパーリーグ2位)、マラッカ・ユナイテッドFC(同8位)、プレミアリーグ1位のチーム、プレミアリーグ5位のチーム
 グループD:JDT(スーパーリーグ1位)、PJシティFC(同じ7位)、サバFC(同9位)、プレミアリーグ4位のチーム
 プレミアリーグから参加する5チームのうち、現在1位のヌグリスンビランFCと2位のサラワク・ユナイテッドFCは既に出場が確定していますが、残る3枠は鈴木ブルーノ選手が所属するPRDM FC、鈴木雄太選手が所属するクチンシティFC、本山雅志、深井脩平、谷川由来の3選手が所属するケランタン・ユナイテッドFC、そしてケランタンFCの4チームが激しく争っている最中です。
 なお日程は9月25日から11月10日までがグループステージ期間で、準々決勝(11月14日と18日)、準決勝(11月22日と26日)、そして決勝は11月30日に開催が予定されています。

FAMのTD候補にNFPDのイシャラレンTDが浮上
 マレーシアサッカー協会FAMのオン・キムスイTD(テクニカルディレクター)は、今月いっぱいで辞任し、来月からはMリーグ1部スーパーリーグのサバFCの監督に就任することが発表されていますが、このオンTDの後任にFAMとスポーツ青年省が共同で運営する国家サッカー選手育成プログラムNFDPのサアド・イシャラレンTDが候補に上がっているとマレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。
 フランス出身のイシャラレンTDは2016年からNFDPで育成プログラム作成や選手発掘などを単とした後、2019年1月から現職を務めていますが、NFDP着任前にはパリ・サンジェルマンFCのアカデミーでヘッドコーチを務めており、その時の選手にはフランス代表のプレスネル・キンペンベ(パリ・サンジェルマンFC)やアドリアン・ラビオ (ユベントスFC)などがいます。
 マレーシア国内及び国外で選手育成に関わってきたイシャラレン氏の経験はFAMのテクニカルディレクターとしては申し分ないこと、またNFPD運営にも関わっている青年スポーツ省傘下の国家スポーツ評議会NSCとの関係も良好であることなどを理由に、この記事ではイシャラレン氏のFAMのTD就任の可能性が高いとしています。

来季2部降格のペラFCが新たなオーナー候補と交渉へ
 今季のMリーグ1部スーパーリーグで11位となり、来季は2部降格が決まっているペラFCは新たなオーナー候補の企業が名乗り出ていることを、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 サッカーチーム経営を専門とする企業のコパ・アリーナ社との協議に入る予定であることを明らかにしたペラFCのアズマン・ノーGM(ゼネラルマネージャー)は、同社より先週正式に書面で申し出を受け、ペラFCの株式譲渡についての話し合いが近日中に行われると述べています。.
 ブルナマの取材に対して、最終決定権はペラ州サッカー協会にあると答えたアズマンGMは、選手及び監督、コーチ人の給料やプレミアリーグの試合の移動及び宿泊費用などで少なくとも1000万リンギ(およそ2億6300万円)の予算が来季は必要だと述べています。

1部昇格決定のヌグリスンビランFCに州政府が報奨金
 ヌグリスンビラン州政府は来季のMリーグ1部昇格を決めたヌグリスンビランFCの選手及び監督、コーチ全員に2000リンギ(およそ5万3000円)の報奨金を贈ったとブルナマが報じています。
 ヌグリスンビラン州のアミルディン・ハルン州首相は自身が主催した食事会の席で、今回の報奨金は1部昇格に加えてマレーシアカップ出場権獲得を讃えるものだとし、新型コロナ禍の中でのこれらを成し遂げたクラブを称賛しています。
 ヌグリスンビランFCのアドバイザーも務めるアミルディン州首相は、国家復興計画NRPが第4段階に入れば、スタジアムに観衆を入れての試合開催も検討していると述べています。

AFC女子アジアカップ予選出場の代表が予選開催地パレスチナ到着
 アジアサッカー連盟AFC女子アジアカップ2022年大会予選に出場するマレーシア女子代表が予選開催地のパレスチナに到着したことがマレーシアサッカー協会FAMの公式Facebookで報告されています。
 ニュースなどでもよく聞くヨルダン川西岸に昨日9月15日早朝に到着した女子代表は、パレスチナのアッ=ラームにあるファイサル・アルフサイニー国際スタジアムを会場として行われる予選H組で9月19日にはタイと、22日にはパレスチナと対戦します。なお今回の予選ではグループ1位チームが本大会への出場資格を獲得します。
 この予選H組では前回の2018年大会でベスト4だったタイが1位突破の最有力候補である一方、マレーシアは2008年大会予選以来4大会ぶりの予選出場となっています。
(下の映像は女子代表の国内合宿中の様子。FAMの公式YouTube

9月14日のニュース:これがリーグ8連覇の秘訣!?JDTは選手の規律違反に罰金100万円、タイ1部リーグ第2節-代表コンビのエルドストールはフル出場もタンは出番なし、女子アジアカップ予選出場の代表23名が発表、AFFフットサルカップにマレーシアから2チームが出場

 これがリーグ8連覇の秘訣!? JDTは選手の規律違反に罰金100万円
 マレーシア語紙ブリタハリアンは、JDTが規律違反した選手に対する処分内容を報じています。
 オーナーでジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下によれば、チーム内での規律を維持するため、選手と結ぶ契約書にはクラブが設ける様々な規律や行動規範がが明確に記載されており、それに違反した場合には選手、コーチ、監督を問わず、罰金処分が課されるということです。
 「選手がソーシャルメディアで不適切な投稿をした場合の罰金は4万リンギ(およそ106万円)、練習に遅刻した場合は1万5000リンギ(およそ39万8000円)が課せられる。(代表選手の)アキヤ・ラシドは遅刻してこの罰金処分を受けたことがある。また選手の夫人が不適切な投稿をしたクラブの名を汚すようなことをすればその選手に罰金を、また監督やコーチは練習開始2時間前に練習場に来ることを求めているので、これに遅れればチームマネージャーがその責任を負って罰金処分を受ける。もし罰金が支払えなければ、借金をしてでも払わせる。」と出演したテレビ番組内でイスマイル殿下が明かしたということです。
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 マレーシア人は時間に「寛容」なことはよく知られています。先日のパラリンピック東京大会でも一旦は金メダルを獲得した砲丸投げのマレーシア人選手が、競技前の呼び出しに遅刻したことから失格処分を受け、その処分が厳しすぎると国中がIOCに抗議する事態になりました。常識的に考えれば、決められた時間遅刻した時点でアウトですが、そういう思考にならないマレーシア人には不当な処分に映ったのでしょう。パラリンピックレベルですら時間厳守を気にしないのは、それが日常で容認されているからで、そういったマレーシアで選手に時間厳守や規律保持を求めるにはイスマイル殿下のように「痛み」を伴う処分が一番効果的かも知れません。失敗を「失敗」と認識しなければ、何も学べないですからね。

タイ1部リーグ第2節-代表コンビのエルドストールはフル出場もタンは出番なし
 2021/2022年シーズンのタイ1部リーグ第2節が先週末に開催され、チョンブリーFCでプレーする代表DFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)は先発してフル出場しています。開幕戦ではベンチ入りしなかったポリス・テロFCの代表DFドミニク・タンはこの試合ではベンチ入りしましたが出場機会はありませんでした。

タイ1部リーグ第2節
2021年9月11日@チャンアリーナ
ブリーラム・ユナイテッドFC 3-1 ポリス・テロFC
 ブリーラムが逆転勝ちで2位に浮上。ポリス・テロのドミニク・タンは今季初のベンチ入りも出場機会はありませんでした。
(試合の映像はブリーラム・ユナイテッドFCの公式YouTubeチャンネルより)

2021年9月12日@SCGスタジアム
ムアントン・ユナイテッドFC 3-3 チョンブリーFC
 3-0から引き分けたチョンブリーFCでしたが、3点目献上のPKを与えたジュニオール・エルドストールは自身のTwitterでVARを批判していますが、映像を見る限りではどちらとも言えない微妙なPK裁定でした。エルドストール選手は2戦連続で先発してフル出場しています。
(試合の映像はチョンブリーFCの公式YouTubeチャンネルより)

https://youtu.be/Ut7u97zGh78

タイ1部リーグ順位表(第2節終了)

順位チーム試合得失差勝点
1BGパトムU211024
2ブリーラムU211024
3シンハ・チェンライU211014
11チョンブリーFC202002
15ポリス・テロFC2011-21

女子アジアカップ予選出場の代表23名が発表
 マレーシアサッカー協会FAMはアジアサッカー連盟AFC女子アジアカップ2022年大会予選に出場する代表23名を公式サイトで発表しています。
 ジェイコブ・ジョセフ監督率いる女子代表は8月21日よりFAMの施設と国家スポーツ評議会NSCのブキジャリルにある施設で、候補選手25名を招集して合宿を行っていました。
 予選H組に入るマレーシアは集中開催地となるパレスチナへ向けて本日9月14日にKL国際空港を出発する予定で、パレスチナのアルラムで開催される予選H組ではタイ(9月19日)、パレスチナ(9月22日)との対戦が組まれています。
 代表23名のメンバーはこちらです。(下の告知はFAMの公式サイトより)

AFFフットサルカップにマレーシアから2チームが出場
 タイで開催される東南アジアサッカー連盟AFFフットサルカップ2021年大会に、マレーシアからスランゴールMACとパハンレンジャーズの2クラブが参加します。
 9月13日から17日までタイのナコーンラーチャシーマー(コラート)で開催されるこの大会は今回で6回目の開催となり、地元タイからはフリーファイア・ブルーウェーブ・チョンブリーとポートFCが、またカンボジアからはモハハンオールスターズFCが出場し、一回戦総当たり形式で行われます。
 過去5大会は全てタイのクラブが優勝しており、2015年から2017年はポートFCが、2018年と2019年はいずれもバンコクBTSがチャンピオンとなっています。(バンコクBTSはその後、PTTブルーウェイブ・チョンブリーと合併して現在のフリーファイア・ブルーウェーブ・チョンブリーとなっています)
 今回のAFFフットサルカップ2021年大会に出場するスランゴールMACは2019年のマレーシアプレミアフットサルリーグMPFLのチャンピオンで、フットサルマレーシア代表GKアズルル・ハディ・トフィクをはじめ、アズリ・ラーマン、アズワン・イスマイルらが所属しています。またパハンレンジャーズはフットサル界のJDTとも呼ばれており、カイルル・エフェンディ・バーリン、アワルディン・マット・ナウィ、サイフル・ニザム・モハマド・アリ、アブ・ハニファ・ハサン、リズワン・バクリらが所属しています。
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 スランゴールMACとパハンレンジャーズが所属するMPFLは昨季に続き今季2021年シーズンも中止が決定し、2年間の実戦不足はかなり大きなハンデとなりますが、近年、フル代表はタイに対して好成績を残し、また先日のACLではJDTがラーチャーブリーFCを相手にやはり好成績を上げているので、フットサルクラブもそれに続いて欲しいですね


 

9月9日のニュース:Mリーグ1部-クダが2位浮上も順位決定は最終節まで持ち越し、U20の練習試合2試合目はFAM-MSNプロジェクトと引き分け、ナフジ監督は来季も続投させるべきとトレンガヌFC前監督が提言

Mリーグ1部スーパーリーグ第16節(7月31日から順延)
2021年9月8日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロースター)
クダ・ダルル・アマンFC 3-3 UITM FC
得点者:クダ-バドロル・バクティアル(39分)、フィクリ・ズルキフリ(74分)、チェチェ・キプレ(80分)、UITM-デニス・ブシェニング(40分PK)、クォン・ヨンヒュン(46分)、アリフ・アルラシド(64分)
 FIFAワールドカップ2022年大会アフリカ2次予選でリベリア代表に招集されたクパー・シャーマンが中央アフリカ戦で決勝ゴールを決めた朗報が入ってきた一方で、そのシャーマン選手を失って以降のクダ・ダルル・アマンFCは1分1敗と苦しい試合が続き、2位だった順位もペナンFCに抜かれて3位に後退しています。
 それでも最下位のUITM FCをホームに迎え、この試合で再び2位浮上を目論んだクダ・ダルル・アマンFCは39分にバドロル・バクティアルのゴールで先制します。しかしその直後にはUITM FCがPKを決め、前半は1-1 で終了します。後半に入るとUITM FCが立て続けにゴールを決めて逆に2点のリードを奪います。この試合に敗れれば自力での2位奪取が不可能となるクダ・ダルル・アマンFCは、アイディル・シャリン監督が投入したファンディ・オスマンとフィクリ・ズルキフリのコンビで74分に1点、そして80分はチェチェ・キプレのゴールで同点としますが、ここでタイムアップ。勝点ではペナンFCに並んだものの得失差で再びクダ・ダルル・アマンFCが2位に浮上し、今週末の最終第22節ではトレンガヌFCも交えた三つ巴の2位争いが繰り広げられることになりました。
 第22節では3位のペナンFCは4位のトレンガヌFCと、2位のクダ・ダルル・アマンFCは7位のマラッカ・ユナイテッドFCと対戦します。
 一方のUITM FCはこの引き分けにより11位のペラFCとの勝点差が1つ詰まって3となり、最終節の結果次第では最下位脱出とマレーシアカップ出場権獲得の可能性が残りました。
(試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルよりお借りしています。)

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第21節終了時)

ClubGWDLGFGAGDP
1#JDT2117314884051
2KDA21124549271340
3PEN2112453528740
4TFC21114631181337
5SEL21106544281636
6KL218942618833
7MU215972427-3*21
8PJ2156101427-1321
9SBH2147102036-1619
10PHG2146112336-1318
11@PRK2134141844-2613
12@UITM2124151541-2610
#JDTが2021年シーズンの優勝を果たしAFCチャンピオンズリーグ出場権を獲得しています。
@ペラFCとUITM FCは2022年シーズンの2部降格が決定しています。
*マラッカ・ユナイテッドは給料未払いのため、勝点3剥奪処分を受けています。
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
ラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

U20の練習試合2試合目はFAM-MSNプロジェクトと引き分け
 アジアサッカー連盟AFC U23アジアカップ予選に向けて合宿中のU20代表は合宿最終日となった9月7日にMリーグ2部プレミアリーグのFAM-MSNプロジェクトと対戦し、0-0と引き分けています。
 U20代表は初の実戦となったヌグリスンビランFCでは1-2と敗れていました。
 今回の相手のFAM-MSNプロジェクトは、マレーシアサッカー協会FAMと青年スポーツ省参加の国家スポーツ評議会MSNが共同で運営する育成目的のチームで、今季はプレミアリーグに参戦しここまでは18試合で1勝3分14敗(得点12、失点52)と言う成績ですが、このチームからはプレミアリーグでマレーシア人選手として最多の8ゴールを挙げているアズハド・ハラズ・アズマンら4名がU20代表に招集されています。
 FAMは2024年パリオリンピック出場の育成プランの一環として、10月27日から31日にモンゴルのウランバートルで開催されるAFC U23アジアカップ予選J組にはU20代表を派遣するとしていますが、このFAM-MSNプロジェクト自体もパリオリンピック出場の育成プランの一環として今季のプレミアリーグに参戦しており、両チームの選手がU20代表のブラッド・マロニー監督にアピールするために激しい試合となったと、マレーシア語紙のハリアンメトロは報じています。
 この練習試合後には、選手のパフォーマンスに満足したと話したマロニー監督は「チーム内での健全な競争によりヌグリスンビランFCからは明らかにチームのパフォーマンスは改善しており、特に練習で行ったことを実践できている選手も多かった。」と話し、今月末から始まる第2次合宿に参加するメンバー選考が難しくなったとも述べています。この第2次合宿には国外組のルクマン・ハキム・シャムすディン(ベルギー1部KVコルトレイク)や、FIFA国際マッチ期間に試合を行った1部スーパーリーグでプレーするアリフ・アイマン(JDT)、ムカイリ・アジマル(スランゴールFC)らの追加招集が予定されています。

ナフジ監督は来季も続投させるべきとトレンガヌFC前監督が提言
 それまでの好調さが嘘のようにシーズン終盤に失速したチームに合わせるように、来季の去就が取り沙汰されるようになったMリーグ1部トレンガヌFCのナフジ・ザイン監督について、前任のトレンガヌFC監督で、現在は2部クチンシティFCを指揮するイルファン・バクリ監督がトレンガヌFCは来季もナフジ監督と契約するべきと提言しています。
 リーグ終盤の重要な時期にチームが3連敗し、第12節から維持してきた2位から第20節には3位、第21節には4位と順位を下げたことから、その能力に一部からは疑問の声が出始めているナフジ監督ですが、イルファン前監督は、トレンガヌFCが今季の1部スーパーリーグで現在の4位という順位に到達していることで、ナフジ監督は指導者としての十分な能力を証明しており、来季も監督を続けさせてトレンガヌFCをトップレベルのチームにできることを証明する機会を与えられるべきだと、マレーシアの通信社ブルナマの取材に答えています。
 自身がトレンガヌFCの監督を務めていた際にはアシスタントコーチを務めていた、いわば愛弟子のナフジ監督についてイルファン前監督は現在も連絡を取り合う仲であり、辛抱強くあること、そしてチームにあく盈虚しか与えないピッチ外での問題をできるだけ減らす努力をすることをアドバイスしていると話しています。
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 昨季まで主将を務めていたリー・タックや、新型コロナの影響で11試合と短縮されたリーグで9ゴールを挙げたドミニク・ダ・シルヴァら外国籍選手を今季は全て入れ替えた上、マレーシア人選手の補強も即戦力というよりも若手中心だったことから、今年ではなく数年後に優勝を目指せるチームとしてボラセパマレーシアJPの今季開幕前の順位予想ではトレンガヌFCを5位としました。新たに獲得したデヴィッド・ダ・シルヴァはここまで7ゴールを期待に応えられず、またシーズン途中には、同じスーパーリーグのスリ・パハンFCに移籍していたリー・タックを期限付き移籍で呼び戻すなど、決して万全とは言えないチーム状態の中でシーズンの大半で2位の座を確保し続けたナフジ監督は、現在、スーパーリーグで指揮を取るマレーシア人監督6名中でトップの成績を収めており、その手腕には疑問の余地はなさそうに見えます。今季最終第22節となる今週末の試合では2位を争うペナンFCとの対戦が控えており、この試合の結果次第でナフジ監督の去就が決まる可能性もあります。

9月7日のニュース:AFCU23アジアカップ出場のU20代表が練習試合で来季1部昇格クラブ相手に惜敗、トレンガヌFC経営陣はナフジ監督の「休養」説を否定、2部降格のペラFCの理事が辞任表明

AFC U23アジアカップ出場のU20代表が来季1部昇格クラブ相手に惜敗
 アジアサッカー連盟AFC U23アジアカップに出場するU20代表は現在第1時合宿中ですが、初の実戦として9月4日にMリーグ2部のヌグリスンビランFCと練習試合を行いました。
 英字紙ニューストレイトタイムズによると、試合は1-2と敗れたもののU20代表のブラッド・マロニー監督は「このチームにとっては初の実戦でとなったこの試合では、ボールを速く動かすにはピッチの状態は悪すぎたが、それでも多くの機会を作り、ゴールを決めることもできた。また個々の選手たちの能力を把握することもできたのでとても良い実戦機会となった。2点を先制された後は、チームとして積極的にゴールを目指す姿勢も見られたので、今後も同じようなパフォーマンスを期待したい。」と述べています。
 一方対戦したヌグリスンビランFCのK・デヴァン監督は「前半は特に1対1となった場面ではボールに向かっている積極性に欠けていたものの、後半に入るとボールコントロールに自信が見て取れるようなり、組織的に攻撃に転じる場面もあった。今回の第1次合宿が8月30日から始まったことを考えるとチームとして活動した期間は1週間ながら良い点が多く見られた。」と述べて、チームとしてプレーする時間が増えれば、それにつれてパフォーマンスも改善するだろうと話しています。
 本日9月7日に第1次合宿を終えるU20代表は、今月末には第2次合宿が予定されています。
 マレーシアサッカー連盟FAMは、2024年パリオリンピック出場を目標とした長期プログラムの一環として、U22代表ではなくU20代表を10月下旬にモンゴルのウランバートルで開催されるAFC U23アジアカップ予選J組に派遣する方針を明らかにしています。

トレンガヌFC経営陣はナフジ・ザイン監督の「休養」説を否定
 Mリーグ1部スーパーリーグは今週末の最終節第22節を残すのみとなりましたが、一時は2位となりながら直近の3試合で3連敗したトレンガヌFCのナフジ・ザイン監督の周辺が騒がしくなっています。先週末の第21節JDT戦までの直近3試合でチームが3連敗するなど、リーグ戦終盤の重要な時期の失速が原因で「休養」あるいは「退団して来季は他のクラブで指揮を取る」などの噂も出ていましたが、トレンガヌFCを運営するTFC社はこれらを全て否定します。
 TFC社のアブドル・ラシド・ジュソCEOは、こういった噂はリーグ2位の座を賭けて現在4位のトレンガヌFCが同2位のペナンFCと対戦する最終節第22節や、リーグ戦の後に控えるマレーシアカップへ向けたチームの士気を低下させ、さらにはスポンサーに対する印象を悪化させるものだとして、このような意図を持った「フェイクニュース」を非難するとともに、クラブはチーム、サポーターそしてスポンサーとの良好な関係を保っていると主張しています。
 また今回の噂を増幅させることにもなったクラブがJDT戦を前にナフジ監督に提出を求めた理由提示命令(Show cause letter)についてアブドル・ラシドCEOは「クラブの運営者として、問題が起こった場合には最善の解決方法を見つけるため、またクラブが設けた目標に向けて正しく進んでいるかを知るためにも、チームのパフォーマンスについてTFC社はクラブの運営者として常に責任を負っている。」と話し、チームの直近の成績に対してクラブが満足していない場合に行う行為としては珍しいことではないと説明しています。
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 リーグ序盤から好調だったトレンガヌFCはJDTに黒星をつけるなど8勝3分2敗の成績で前半戦を終えましたが、W杯予選などによるリーグ中断期間を挟んで後半戦に入ると3勝1分4敗と失速し、さらに前述の理由提示命令書の一件もあり、ナフジ監督の去就に関する噂がソーシャルメディアを中心に囁かれるようになっていました。

2部降格のペラFCの理事が辞任表明
 先週末のMリーグ1部第21節でマラッカ・ユナイテッドFCに敗れ、クラブ史上初の2部降格が決定したペラFCですが、ペラ州政府の青年・スポーツ・コミュニケーション・マルチメディア委員会のカイルル・シャーリル・モハメド委員がクラブを運営する理事会およびペラ州サッカー協会からの辞任を表明しています。
 マレーシア語紙ブリタハリアンによると、カイルル委員の他、理事でペラ州議会シャム・マット・サハット議員もクラブ運営理事会からの辞任を表明しています。なおブリタハリアンの取材に対し、カイルル・シャーリル委員はペラFCの2部降格と自身の辞任の関連を否定したということです。

9月6日のニュース:タイリーグ開幕-代表コンビのエルドストールはフル出場も、タンはベンチ入りせず、2部降格決定のペラFCはサポーターに謝罪、スランゴールFCのイフェダヨがシーズン最多ゴール新記録

タイリーグ開幕-代表コンビのエルドストールはフル出場も、タンはベンチ入りせず
 2021/2022年シーズンのタイ1部リーグが9月3日に開幕しています。昨季は1部と2部合わせて通算でマレーシア人選手5名が在籍していましたが、今季は1部のチョンブリーFCでプレーする代表DFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)とポリス・テロFCでプレーするやはり代表DFドミニク・タンの2名だけとなっています。

タイ1部リーグ第1節
2021年9月5日@チョンブリースタジアム
チョンブリーFC 1-1 BGパトム・ユナイテッドFC
 昨季12位のチョンブリーFCが昨季のチャンピオンに挑んだこの試合は、2019年と2020年にはMリーグ1部のJDTでプレーしたジオゴ・ルイス・サントスのゴールでBGパトム・ユナイテッドFCが17分に先制しましたが、チョンブリーFCも68分にデニス・ムリーリョが自身が倒されて得たPKを決めて同点とし、試合はそのまま引き分けています。
 ジュニオール・エルドストールは先発してフル出場しています。
 (試合のハイライト映像はチョンブリーFCの公式Youtubeチャンネルより)

https://youtu.be/TM-pT8eZfBA

2021年9月5日@PATスタジアム
ポートFC 3-3 ポリス・テロFC
 昨季3位のポートFCが昨季11位のポリス・テロをホームに迎えた一戦は、前半だけで3点を挙げたポリス・テロFCにポートFCが追いつき、こちらも引き分けに終わっています。
 ドミニク・タンはこの試合はベンチ入りしませんでした。

ペラFCはクラブ史上初の2部降格決定をサポーターに謝罪
 先週末に開催されたMリーグ1部第21節でマラッカ・ユナイテッドFCに敗れて来季の2部降格が決まったペラFCは、クラブの公式Facebookにサポーターに向けた公式謝罪文を投稿しています。
 1921年のマラヤカップ(現マレーシアカップ)第1回大会への出場から数えてクラブ創設100年記念の年にもかかわらず、Mリーグが2部制となった1990年以来、一度も2部でプレーしたことがなかったペラFCがクラブ史上初の2部降格となった事態に対し、今季途中に就任したアズマン・ノーGM(ゼネラルマネージャー)は、現在のMリーグクラブの中で2部へ降格したことがなかった唯一のクラブであるペラFCの1部残留に向けて全力を尽くしたが、それが実らず記念の年に2部に降格することを残念に思うと述べています。
 「2部降格は今後もクラブの歴史に残る出来事であるが、我々が現状から立ち直るためには最も重要で意味があることを学んだと考えたい。2部降格はペラFCの終わりを意味するものではなく、むしろこれをより良いクラブとなるための新たな始まりとしたい。」と述べているアズマンGMは、来季の2部プレミアリーグ優勝と1シーズンでの1部スーパーリーグ復帰をサポーターに約束する一方で、クラブの完全民営化を進め、クラブの短期と長期の目標を定めることなども合わせて約束しています。

スランゴールFCのイフェダヨがシーズン最多ゴール新記録
 昨日9月5日のMリーグ1部第21節でサバFCに6-0と圧勝したスランゴールFCで一際活躍したのが今季3度目のハットトリックを達成したFWイフェダヨ・オルセングンでした。2019年途中からスランゴールFCに加入したナイジェリアとバーレーンの二重国籍を持つこのイフェダヨ選手は昨日のゴールで今季通算ゴールが25(21試合)となりましたが、これはMリーグのシーズン最多ゴールの新記録となっています。なお、1シーズン3回のハットトリックもMリーグの新記録となっています。
 これまでのシーズン最多ゴールの記録は2017年にケランタンFA(当時、現ケランタンFC)とJDTでプレーしたレバノン出身のモハマド・ガダルと今季第20節までにJDTのベルグソン・ダ・シルヴァが持っていた23ゴールでした。(ガダル選手はケランタンFAで18、JDTで5ゴールの合計23ゴール)
 昨季2020年はリーグが短縮され11試合となった中で12ゴールを挙げてリーグ得点王となったイフェダヨ選手は2季連続の得点王を目指しますが、2位のベルグソン選手が2ゴール差で迫っており、今季の得点王争いは最終節を終えるまで決着はつかなそうです。
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 2季連続得点王を目指すイフェダヨ選手に代表されるように、リーグ得点王は2004年のスーパーリーグ開始以降、ほとんどが外国籍選手によって獲得されています。2004年から昨季2020年までの間で、マレーシア人のリーグ得点王は2004年のインドラ・プトラ・マハユディン(パハンFA、15ゴール)、2009年のニザルディン・ユソフ(プルリスFA、18ゴール)、2010年アシャアリ・サムスディン(トレンガヌFA、18ゴール)、2011年アブドル・ハディ・やはや(トレンガヌFA、20ゴール)となっていますが、実は2009年から2011年はMリーグが外国籍選手の獲得を禁じていたため、外国籍選手と競った結果のマレーシア人得点王は2004年のインドラ・プトラ選手まで遡らなければなりません。ちなみにこのインドラ・プトラ選手は今月40歳になりましたが今季もKLシティFCでプレーしています。