11月6日のニュース:FAMは今月末に代表候補合宿実施を計画、タイ1部リーグ第12節-スマレは出場もタンはベンチ外、パハン州FAは来季のクラブ名称コンテストを開催も結局はその結果を無視

FAMは今月末に代表候補合宿実施を計画
 マレーシアサッカー協会FAMは今月11月末に代表合宿を予定していると、マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、代表首脳陣が今週11月6日から始まるマレーシアカップの決勝戦が開催される11月22日後、直ちに合宿を開催することを希望していることを明かしています。
  昨年2019年11月以来1年近く代表の試合が行われていないため、今回予定されている合宿は短期間で選手と監督、コーチとの「顔合わせ」程度になるとになるとしていますが、マレーシア国内は現在も新型コロナウィルスの1日あたりの新規感染者が1000名前後で推移していることから、あくまでもこの感染状況が改善することが条件であると、スチュアーと事務局長は話しています。

タイ1部リーグ第12節-スマレは出場もタンはベンチ外
 タイ1部リーグ第12節は1試合が行われ、マレーシア代表のドミニク・タンとモハマドゥ・スマレが所属するポリス・テロFCはホームで昨季チャンピオンのシンハー・チェンライ・ユナイテッドFCと対戦し0-1で敗れています。
 前節第11節に対1部リーグデビューを果たしたスマレ選手は、79分にMFナロン・ジャンサウェックと交代で出場し、試合終了までプレーしましたが、タン選手は今季初めてペンチ入りしませんでした。
 この敗戦によりポリス・テロFCは3連敗となり、過去7試合勝ち星なしとなっています。

パハン州FAは来季のクラブ名称コンテストを開催も結局はその結果を無視
 11月1日のこのブログでは、パハン州サッカー協会(パハン州FA)が民営化に伴う来季発足する新たなクラブのロゴと名称のコンテストで集まった候補を挙げて、サポーターによる人気投票を行なっていることを取り上げました。その際には、パハン州FAが来季のクラブ名称として既に発表していたスリパハンFCの他、パハンFCやマコタパハンFCという名称もロゴの候補に併記されたことから、スリパハンFCが最終決定ではない可能性があるようだと書きました。
 しかし今回、新たに発表された新クラブ名のコンテストでは。投票できる名称が3つしかなく、しかもスリパハンFC以外の候補が「スリインデラプラFC」と「インデラプラFC」とこれまで全く取り上げられたことのない名称が突如、候補になりました。(インデラプラは15世期ごろまで存在した旧パハン王国の首都の名前です)その一方で、前述のパハンFCやマコタパハンFCが候補から外れたため投票ができなくなっています。
 サッカー専門サイトのスムアニャボラは、既に締め切られた新クラブロゴのコンテストではパハンFCの名所を含むロゴが全投票数の57%にあたる2861票を集め1位、マコタパハンFCの名称を含むロゴが1828票(同37%)を集め2位になっている点を指摘し、当初はロゴおよび名称コンテストとしていたにも関わらず、この結果を無視していることから、パハン州FAが当初発表したスリパハンFCが採用できなくなることを恐れて、絶対に選ばれないような名称を対抗馬に据えたのではないかと指摘しています。
 新クラブ名称への人気投票はスリパハンFCがダントツ1位で票を集めていますが、その得票数自体は1436票とロゴの人気投票に比べると遥かに少ないことから、多くのサポーターがこの3つしかない投票先に不満を示した結果、投票を控えているのではないかと分析しています。
******
 ここまでパハン州FAがスリパハンFCの名称にこだわるのは、当初発表した名称からの変更では州FAとしてのメンツが立たないといった理由か、あるいは既に「スリパハンFC」を商標登録しており、これを使って一儲けしようという戦略だったのが当てが外れ、慌てた結果のドタバタ劇か、結局はそんなつまらない理由だったりするのかもしれませんが、新クラブとして旗揚げする以上、サポーターからも愛される名称になることを期待したいです。
 

11月2日のニュース:Mリーグは今季全日程終了、マレーシアカップの組み合わせ決定、タイ1部リーグ第11節-ノーシャルルは出場せず

Mリーグは今季全日程終了
 Mリーグは順延されていた2部プレミアリーグ第11節のクアラルンプールFA対クチンFAの試合が10月31日に開催され、これで今季の全日程を終了しました。
 同じく順延されていた1部スーパーリーグ第11節のサバFA対UITM FC戦が中止となったことで、午後5時キックオフが予定されていた試合は、午後9時に変更となりました。

10月31日(土)
マラッカ州ハンジェバスタジアム
クアラルンプールFA 0-2 クチンFA
得点者:クチンFA-ブライアン・アニゼシオ(21分)、鈴木雄太(38分)
 前節第10節に続く鈴木選手のゴール(今季通算3ゴール目)などでクチンFAが快勝しています。この結果、今季2部に昇格したばかりのクチンFAは、リーグ4位の好成績で今シーズンを終了しています。
 クチンFAの鈴木雄太選手と谷川由来選手もいずれも先発してフル出場しています。
******
 新型コロナウィルスの影響でリーグが中断となるまでの4試合は0勝1分3敗で3得点6失点と2部の壁に苦しんだクチンFAですが、8月28日にリーグが再開されると、そこからの7試合は5勝0分2敗で14得点13失点、特に直近の5試合に関して12得点4失点で5連勝を飾り、内2試合は完封勝ちするなど調子を上げてきており、11月6日に開幕するマレーシアカップへ臨みます。
 また今季2020年シーズンの2部プレミアリーグ最終順位は以下の通りです。

マレーシアプレミアリーグ2020年シーズン最終順位表

順位クラブ試合得点失点得失差勝点
1+^ペナンFA118212481626
2トレンガヌFC II117131714322
3+^クアラルンプールFA116322114721
4+クチンFA115151719-216
5JDT II114342017315
6+ケランタンFA1153314113*15
7スランゴール2114161723-613
8ケランタンU114071319-612
9UKM FC113351117-612
10サラワクU113261416-211
11ヌグリスンビランFA113261220-811
12ペラ II111551113-28
^ペナンFAとクアラルンプールFAは2021年シーズンの1部昇格が決定しています。
+は上位5クラブに出場資格が与えられるマレーシアカップ出場権を獲得したクラブ(Mリーグ1部にトップチームを持つBチームにはマレーシアカップ出場資格はありません。)
*5位のケランタンFAは給料未払い問題により勝点3が剥奪されています。

マレーシアカップの組み合わせ決定
 マレーシアフットボールリーグMFLは公式Facebook上で、11月6日に開幕するマレーシアカップの1回戦組み合わせ抽選の結果を発表しています。1部スーパーリーグの上位11クラブと2部プレミアリーグ5クラブ(1部にトップチームを持つセカンドチームのクラブは除く)が出場するこの大会は、11月1日にスランゴール州にあるMFL本部で組み合わせ抽選が行われました。
 MFLによって出場不可となったサバFAを除く15クラブはまずホームゲームとなるAグループとアウェイゲームとなるBグループに分けられ、Aグループには1部の上位6クラブであるJDT、クダFA、トレンガヌFC、ペラTBG、スランゴールFC、UITM FCと2部上位2クラブのペナンFAとクアラルンプールFAが入り、残りはBグループに割り振られました。そこから抽選により、以下のような組み合わせが決定しています。
<マレーシアカップ1回戦の組み合わせ(左側がホームチーム)
ペナンFA対フェルダ・ユナイテッドFC
UITM FC対ケランタンFA
ジョホール・ダルル・タジムJDT対クチンFA
クアラルンプールFA対サバFA(*但しサバFAは不出場のためクアラルンプールFAは1回戦不戦勝が決定)
トレンガヌFC対PJシティFC
ペラTBG対ケランタン・ユナイテッドFC
クダFA対パハンFA
スランゴールFC対マラッカ・ユナイテッドFC

******
 上の図を見てもわかるように、昨季のチャンピオンJDTが入った左側のやぐらでは8クラブ中、JDT以外の1部クラブはUITM FCとフェルダ・ユナイテッドFCの2クラブしかおらず、もう一方のやぐらはケランタン・ユナイテッドFC以外の7クラブが全て1部クラブという、JDTにとっては何とも有利な組み合わせになっています。

タイ1部リーグ-ノーシャルルは出場せず
 タイリーグ 1部第11節の残り試合が11月1日に開催され、マレーシア代表のノーシャルル・イドラ・タラハが所属するBGパトゥム・ユナイテッドは、昨季の1部優勝チームで、日本人の滝雅美監督率いるシンハー・チェンライ・ユナイテッドと対戦し、1-0で勝利を収め開幕からの無敗記録を11と伸ばしています。
 なおノーシャルル選手はベンチ入りしたものの、出場はありませんでした。
 第11 節終了時のタイ1部リーグは、このBGパトゥム・ユナイテッドが9勝2分0敗で首位、また前日10月31日にスパンブリーFCに0-5と敗れた、マレーシア代表のドミニク・タンとモハマドゥ・スマレが所属するポリス・テロFCは10位に順位を下げています。

10月31日のニュース:スマレはパハン州FAの処分に当惑、クアラルンプールFAの来季監督候補にAFCカップ優勝監督の名が挙がる、(速報)タイ1部リーグ-スマレがついにデビューもチームは惨敗

スマレはパハン州FAの処分に当惑
 Mリーグ1部のパハンFAを運営するパハン州サッカー協会(パハン州FA)は、今季途中にチームを離脱するなどの契約違反を理由にモハマドゥ・スマレに対し2年間のサッカー活動禁止処分を科すことを発表しましたが、これについてスマレ選手自身は当惑しているようです。
 マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版によると、パハン州FAの処分についてスマレ選手は自身とパハン州FAとの契約は既に破棄されており、パハン州FAが支配下選手でもない自分に果たして処分を科すこと自体が可能なのかどうかと疑問を持っていると話しています。
 「FIFAやマレーシアサッカー協会FAMによる処分であれば理解できるが、州サッカー協会が選手のサッカー活動を禁止する処分を下した話は今までに聞いたことがない。」
 給料未払い問題を理由に契約を破棄した上でクラブを離れたとしているスマレ選手は、今回の処分の内容についてはメディアを通じて知ったもので、パハン州FAから正式な通知を受け取るまではさらなるコメントを控えたいとしています。
 今回の処分が言い渡されたパハンFAの規律委員会への出席を求める通知を受け取っていたことは認めたスマレ選手は、自分はタイにいることをパハン州FAは知っていながら、委員会への出席を求められたことも理解できないとし、通知は弁護士に渡して弁護士と連絡を取り合うようパハン州FAに伝えたと話しています。
******
 今回のパハン州FAによる処分はパハン州FAが管轄する区域、つまりパハン州内でのみ効力を有するという報道もあり、そうなればスマレ選手が州内リーグでもプレーしようとしない限り何の問題にもならないとも言われています。スマレ選手は既にこの問題をFIFAに持ち込んでいることから、FAMもFIFAによる調査の結果を待つことを表明しており、この問題の解決は長期戦となりそうです。

クアラルンプールFAの来季監督候補にAFCカップ優勝監督の名が挙がる
 来季はMリーグ1部に昇格するクアラルンプールFAの監督候補に元クダFA監督のラモン・マルコート氏が上がっていることをこのブログでも取り上げましたが、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロによると、この他にも有力候補がいるようです。
 候補に上がっているのは昨季2019年のAFCカップ優勝監督でレバノン出身のバッセム・マーマー氏で、マーマー氏はアル・アヘドFC(レバノン)を率いて、4.25体育団(北朝鮮)を破り、レバノンのクラブとして初めてAFCカップで優勝しています。
 43歳のマーマー氏は今季はクウェート1部リーグのアル・アラビSCと契約したものの、リーグ戦2試合を終え1分1敗となった時点で解任されています。
 クアラルンプールサッカー協会のカリド・アブドル・サマド会長は「監督がどの国出身かは重要ではないが、できればアジア出身が好ましい。ヨーロッパから監督を招聘しても我々の文化に合わない可能性があるので、これは給料以外にも考慮が必要な点である」と話しています。
 今季2部で3位となり、来季は1部に昇格するクアラルンプールFAは、今季、2部で指揮を取ったニザム・アズハ・ユソフ監督が1部クラブで監督を務めるのに必要なAFCプロフェッショナルコーチングディプロマ(AFCプロディプロマ)を保持していないことから、新たな監督を獲得する必要があります。
 ニザム現監督は外部からの監督招聘について、クアラルンプールサッカー協会にマレーシア人監督を招聘することを希望すると話し、前トレンガヌFCのイルファン・バクティ・アブ・サリム氏や、ペラTBGのセカンドチームのペラIIのアブ・バカル・ファジム監督らの名前を挙げて

(速報)タイ1部リーグ-スマレがついにデビューもチームは惨敗
 タイ1部リーグ第11節の1試合が行われ、マレーシア代表のドミニク・タンとモハマドゥ・スマレが所属するポリス・テロFCは、アウェイでスパンブリーFCと対戦し0-5で敗れています。
 この試合では、タン選手が第7節以来4試合ぶりに先発出場しましたが、45分に昨季はMリーグのマラッカ・ユナイテッドFCでプレーしたフィリピン出身のパトリック・ライヒェルトに先制ゴールを決められ、ポリス・テロFCは0-1をリードを許しました。
 その後は48分、63分、64分と立て続けにゴールを決められると、72分にはついにスマレ選手がDFサンチャイ・ノンタシラに代わって投入され、タイ1部リーグデビューを果たしています。
 試合はその後もスパンブリーFCが1点を追加し、ポリス・テロFCは5失点と守備陣が崩壊して敗れています。タン選手はフル出場、スマレ選手も試合終了まで出場しています。

10月27日のニュース:タイ1部リーグ第10節-タンとノーシャルルは途中出場、ポルトガル1部リーグ-サファウィはトップチーム合流へ、制限付き活動制限令延長はマレーシアカップの日程に影響なし-MFL

タイ1部リーグ第10節-タンとノーシャルルは途中出場
 タイ1部リーグは10月24日と25日に第10節が開催されました。マレーシア代表のムハマドゥ・スマレとドミニク・タンが所属するポリス・テロFCは10月25日にSCGムアントン・ユナイテッドを迎えてのホームゲームを行いましたが、1-3と敗れています。
 前節第9節はベンチ入りしながら出場機会がなかったタン選手ですが、この日は同じDFのアイザック・ホニーに代わって59分から出場し試合終了までプレーしています。またスマレ選手はクラブが課している12日間のフィットネスプログラムを終了していないということで、ベンチ入りしませんでした。
 またノーシャルル・イドラ・タラハが所属するBGパトゥム・ユナイテッドはスコータイFCとのアウェイゲームに臨み、3−2で勝利しています。前節第9節はベンチ入りしながら出場機会がなかったノーシャルル選手は、この日は同じFWのシロー・チャットーンと交代で78分から出場し試合終了までプレーています。
  第10節を終了して、開幕から無敗のBGパトゥム・ユナイテッドは8勝2分で2位のチェンライ・ユナイテッドに勝点差6をつけて首位を快走、一方のポリス・テロFCはここ5試合で3分2敗の成績で、通算成績を4勝3分3敗として8位となっています。

ポルトガル1部リーグ-サファウィはトップチーム合流へ
 ポルトガル1部リーグのポルティモネンセSCと契約した代表FWのサファウィ・ラシドは、現地時間10月24日に開催されたU23リーグのマリティモSC U23戦への出場がありませんでした。前節第5節は同じU23リーグのスポルティングCP U23戦に出場し、メディアだけでなくパウロ・セルジオ監督からも高く評価する発言があった一方で、その次の試合ではベンチ入りすらしなかったことから謎が深まっていましたが、その疑問にサファウィ選手が答えています。
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版によると、ポルティモネンセSC U23チームに内に新型コロナウィルス感染者が見つかったことから、サファウィ選手はチームとは別行動を取っていたようです。
 また、サファウィ選手はトップチームのこの翌日からトップチームの練習に参加することも明らかにしており、今週末に予定されているポルトガル1部リーグ第6節のCDサンタ・クララ戦への出場の可能性も出てきています。

制限付き活動制限令延長はマレーシアカップの日程に影響なし-MFL
 昨日10月26日のマレーシア保健省の発表では新規感染者が全国で1200名を超えるなど、連日、1日あたりの感染者数の記録を更新し続ける新型コロナウィルス。収束の気配すら見えないことから、スランゴール州、クアラルンプールそしてプトラジャヤの首都圏に施行されていた条件付き活動制限例CMCOは本日1027日を期限としていましたが、これが11月9日とさらに2週間の延長が発表されています。
 これを受けて国内リーグのMリーグ、さらに来月開催予定のマレーシアカップを主催するマレーシアフットボールリーグMFLが声明を発表し、未消化のMリーグの試合とマレーシアカップは予定通り実施予定であることを明らかにしています。
 Mリーグ1部最終節第11節の未消化試合は1部UITM FC対サバFA、同2部クアラルンプールFA対クチンFA戦がいずれも10月31日に開催予定となっている他、マレーシアカップは11月1日に組み合わせ抽選、1回戦は11月6日開幕という予定がMFLから発表されています。
 マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版は、MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、CMCOが施行されている地域に本拠地を持つスランゴールFC、クアラルンプールFA、PJシティFCそしてUITM FCについて、MFLが適切な試合会場を確保する予定であるとしています。
 「サッカーは産業であり、CMCO施行中に工場が稼働しているのと同様に、試合を続けていくべきである。」とアブドル・ガニCEOは話しています。
 新型コロナウィルス感染拡大に伴い、首都圏には10月14日より本日10月27日まで2週間の期限付き活動制限令が施行され、可能な限り出勤を控えてリモートワークを行うことが奨励されていました。しかし2週間近く経っても感染者数が減るどころか増加を続けており、昨日、この活動制限令のさらに2週間の延長が発表されました。
******
 新規感染者数が1200名を超えたとはいえ、7割以上が東マレーシア(ボルネオ島)のサバ州に集中しており、首都圏ではスランゴール州で200名弱以外はクアラルンプールが10数名、プトラジャやは昨日は新規感染者が0名と、政府が数字を操作しているのではという疑惑が出るほど少ない数でした。

10月25日のニュース:U19代表のルクマンがついにベルギ−1部リーグ公式戦デビュー、来季の1部リーグコーチのライセンス特例続報、クアラルンプールFA新監督候補者としてマルコート氏が浮上

U19代表のルクマンがついにベルギ−1部リーグ公式戦デビュー
 U19代表のエース、ルクマン・ハキム・シャムスディンがついにベルギー1部リーグでの公式戦デビューを果たしました。
 ベルギー1部リーグのKVコルトレイクへ移籍した18歳のルクマン選手は、マレーシア時間の10月24日の早朝にホームのグルデンスポーレン・スタディオンで開催されたリーグ第10節のRSCアンデルレヒト戦に74分から出場し、マレーシア出身選手として初めてベルギー1部リーグデビューを果たしています。
 0-3と劣勢の場面でセルビア出身のDFペタル・ゴルボヴィッチと交代で出場したルクマン選手は右サイドのポジションに入り、わずか16分ほどしかプレーしませんでしたが、87分には敵陣ゴールライン付近からペナルティーエリアに走り込んできたMFジュリアン・デ・サールへパスを送ると、相手DFがデ・サール選手を倒してしまい、KVコルトレイクはPKを獲得しました。これをFWイロンベ・ムボヨが決めて、試合は1-3都なりましたが、このままのスコアで終了し、KVコルトレイクは敗れています。
 KVコルトレイクは、10試合を終了して4勝2分4敗、得点12失点13でリーグ暫定順位を9位としています。
 マレーシア人ビジネスマンのヴィンセント・タン氏がオーナーのKVコルトレイクと5年契約を結んだルクマン選手は、今年8月にチームに合流し、先週はKVコルトレイクのU21チームの試合に出場し、ゴールを決めていました。 

来季の1部リーグコーチのライセンス特例続報
 来季Mリーグ2部から1部に昇格するペナンFAのマンズール・アズウィラ監督とクアラルンプールFAのニザム・アズハ・ユソフ監督は、FAMがMリーグ1部クラブの監督に求めるアジアサッカー連盟AFCプロフェッショナルコーチングディプロマ(AFCプロディプロマ)を保持していません。しかし新型コロナウィルス感染拡大による特例措置として、来季に限りAFCプロディプロマなしでの指導が認められる可能性があることを、先日のこのブログで取り上げました。
 この件についてスポール専門サイトのスタジアムアストロは続報として、AFCは「資格のある」コーチに限り、Mリーグ1部での指導を認める特例を適応するということのようです。
 この特例についてAFCと相談中と話すマレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長によると、この特例措置はAFCプロディプロマを持たない指導者のうち、国内トップリーグのクラブを指導するに値する資格を持つとAFCが判断した指導者にのみ適応されるということです。その判断の基準の一つとして指導期間の長さなどが上がっているということです。
 スタジアムアストロはAFCのウインザー・ジョン事務局長にも確認を取ったということで、この特例対象者はFAMではなくAFCによって決定されるということです。

クアラルンプールFA新監督候補者としてマルコート氏が浮上
 上の記事と関連して、スタジアムアストロではクアラルンプールFAの監督候補者を取り上げています。
 スペイン出身のラモン・マルコート氏がその一人、スタジアムアストロのインタビューに対して、マレーシア人コーチと自らの経験や知識を共有したいと話しています。
 クアラルンプールFAを運営するクアラルンプールサッカー協会は、上の記事で取り上げたように今季の指揮を取るのニザム・アズハ・ユソフ監督がMリーグ1部昇格となる来季も続けて指揮を取る為に必要なAFCプロディプロマを保持していないことから、Mリーグ1部のクダFAでの監督経験がある43歳のマルコート氏を、来季の監督候補の一人としているとされています。
 スタジアムアストロのインタビューに対してマルコート氏は、クアラルンプールサッカー協会からの正式なオファーは受けていないと話す一方で、もしそういったものがあれば話を聞くつもりがあるとしています。
 なおマルコート氏は、2017年シーズンから2018年シーズンにかけて、クダFAがニザム・アズハ・ユソフ監督だった際にはコーチを務め、その後はニザム監督と交代で監督を務めた経験もあります。
 さらにマルコート氏は、外国人指導者が成功するためには、其の国の状況を理解し、現地の指導者と協力して指導することが重要だと話し、ニザム現クアラルンプールFA監督とは当時は関係が良好であり、また今後ともに指導することには何も問題がないと話しています。

10月24日のニュース:来季のMリーグ1部クラブの監督には保持ライセンスの特例適用か、タイメディアがスマレの給料を暴露、フェルダUの新たなオーナーの名前が浮上

来季のMリーグ1部クラブの監督には保持ライセンスの特例適用か
 マレーシアサッカー協会FAMはMリーグ1部の監督就任の条件としてアジアサッカー連盟AFCプロフェッショナルコーチングディプロマ(AFCプロディプロマ)または同等のライセンス保持を求めています。
 AFCからの指示で今季2020年シーズンから適用されたこの条件により、昨季のMリーグ2部で優勝し、1部に昇格したサバFAのジュリアス・アティン監督(当時)はAFCプロディプロマを保持していなかったため、優勝監督ながらコーチに降格し、外部からクルニアワン・ドゥイ・ユリアント現監督を招聘したという経緯があります。
 今季Mリーグ2部で優勝し来季の1部昇格を勝ち取ったペナンFAのマンズール・アズウィラ監督、そして同じく1部昇格を決めているクアラルンプールFAのニザム・アズハ・ユソフ監督はいずれもこのAFCプロディプロマを保持していないため、来季は両クラブとも新監督が指揮を取ることが予想されていましたが、新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて、マンズール監督とニザム・アズハ監督が1部でも指揮を取ることができる特例適用の可能性が報じられています。
 スポーツ専門サイトのアストロアリーナは、FAMが決定権を持つAFCとは現在も協議中であり、最終決定ではないとしながらも、新型コロナウィルスによる影響をもとにAFCが特例を認める可能性があるとしています。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長はこれについて「新型コロナウィルスによって、昨季(のサバFA昇格時)とは大きく異なっており、AFCはマレーシア国内の状況を考慮した上で、AFC主催大会に出場しないペナンFAとクアラルンプールFAに特例を認める可能性がある。」と話し、その理由として以下のような説明をしています。
 「Mリーグの監督、コーチが今年3月に参加を予定していたコーチングライセンス一次コースの最終モジュール(履修単位)は新型コロナウィルスの影響に延期されたままであり、最終モジュールの履修が終わっていないため、来年開催予定の二次コースも開催時期は未定である。」
 なおMリーグ1部の監督に保持が義務付けられているAFCプロディプロマは、2022年シーズン以降ははMリーグ2部の監督にもその保持が義務付けられことになっています。
******
 この記事ではAFCプロディプロマの取得費用として6万6000リンギ(およそ167万円)がかかるとも書かれており、これが高いのか安いのかはわかりませんが、マレーシアサッカー協会FAMはAFCのAライセンスのコースまでしか開催できないようです。このためAFCプロディプロマ取得に関してはそのコース開催資格を持つ日本、中国、オーストラリア、カタールのいずれのサッカー協会で研修を受ける形になるようです。そう言えば、昨年のちょうど今頃、FAMが日本サッカー協会JFAによる研修に指導者を派遣していました。

タイメディアがスマレの給料を暴露
 タイ1部リーグのポリス・テロFCに移籍したムハマドゥ・スマレの月給は27万5000バーツ(およそ92万円)であることが明らかにされています。
 マレーシア語紙ブリタハリアンはタイメディアのサイアムスポートの記事を引用し、この金額はタイ1部リーグの外国籍選手としては最低レベルであること、そしてこの金額で契約したポリス・テロFCがラッキーだったと報じているとしています。
******
 JDTのキャプテン、ハリス・ハルンは月給3万シンガポールドル超(およそ231万円)と報じられていますので、スマレ選手が代表の主力選手ということを考えると、マレーシア国内でも92万円は決して高額ではなさそうです。なおタイ1部リーグの外国籍選手の月給の相場というものが分かりませんが、この記事を書くために調べた際に、タイ代表DFタナブーン・ケサラットが昨年、ムアントン・ユナイテッドからチェンライ・ユナイテッドへ移籍した際に月給70万バーツ(およそ234万円)という記事を見つけました。

フェルダUの新たなオーナーが判明か
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版は、Mリーグの撤退を発表したフェルダ・ユナイテッドFCの新たなオーナーが判明したと報じています。
 記事の中で新たなオーナーとされているのはタナムラユキャピタル社TMCB社で、このTMCB社が、フェルダ・ユナイテッドFCの旧運営会社社員が設立した新たなクラブの運営会社ファイターズ社の主要株主となるようだと報道されています。
 記事によれば、TMCB社はファイターズ社がマレーシアサッカー協会FAMに提出した書類の審査後、認可が得られた段階で正式な発表を行う予定のようです。
******
 TMCB社は今季フェルダ・ユナイテッドFCの今季のユニフォームの胸スポンサーの1社で、これまでもフェルダ・ユナイテッドFCとは無関係ではなかったようです。なお2015年創設のTMCB社は、同社の公式サイトを見る限りでは国外にも東南アジアや中国に支店を持つリース企業のようです。

10月19日のニュース:タイ1部リーグ第9節-マレーシア代表トリオは出場せず、ポルトガル移籍のサファウィ・ラシドはU23の試合に出場、ケダ州FAはアイディル監督の留任交渉開始

タイ1部リーグ-マレーシア人選手は出場せず
 タイ1部リーグ第9節が10月17日に行われましたが、現在、タイ1部リーグのクラブに所属するマレーシア人選手は出場しませんでした。
 リーグ1位を快走するBGパトゥム・ユナイテッドは、日本人の石井正忠監督率いるサムットプラーカーン・シティFCとホームで対戦し、2−2と引き分け、開幕から7勝2分0敗と無敗記録を9と伸ばしています。
 BGパトゥム・ユナイテッドに所属するマレーシア代表のノーシャルル・イドラ・タラハは、前節第8節に続き出場が期待されましたが、この日はベンチ入りしたものの、出場機会がありませんでした。
 またドミニク・タンとモハマドゥ・スマレが所属するポリス・テロFCは、アウェイでPTプラチュワップFCと対戦し、こちらも2-2と引き分け、通算成績を4勝3分2はいとしています。
 ドミニク・タンはこの試合でもベンチ入りしたものの、9月12日のタイ1部リーグ再開後は初めて出場機会がありませんでした。また隔離検疫期間が明けて練習に参加したばかりのムハマドゥ・スマレはベンチ入りしませんでした。
******
 スマレ選手は、別の報道ではMリーグ中断からパハンFA離脱後の7ヶ月間は十分な練習を行ってていないと話しており、チームに合流以降はチーム練習とは別にコンディショニングトレーナーと一緒にトレーニングを行なっていることを明らかにしています。

ポルトガル移籍のサファウィ・ラシドはU23の試合に出場
 タイでプレーする代表トリオも気になりますが、Mリーグ1部のジョホール・ダルル・タジムJDTからポルトガル1部リーグのポルティモネンセSCに移籍した代表のエース、サファウィ・ラシドも先週末に移籍後初の公式戦が控えており、マレーシアの衛星放送が急遽、この試合を生中継することを発表するなど期待が高まっていました。
 このブログでもブルネイ出身の「世界一リッチなサッカー選手」ことファイク・ボルキアとの対戦もあり得るか、という記事を取りあげましたが、残念ながらトップチーム合流、即デビューとはなりませんでした。
 それでもサファウィ選手は前日の10月16日(現地時間)に行われたU23リーグのポルティモネンセSCU23対スポルティングCP U23の試合に先発出場しています。試合はスポルティングCP U23が3-1で勝利しています。
 「ポルトガルのサッカーはマレーシアのサッカーとはかなり違うので、まだ学ばなければならないことがたくさんある。試合のペースやリズムが違っているので、試合中に考えている時間はなく、素早い判断が求められる。自身のパフォーマンスには満足しておらず、ベストなプレーが出来なかった。」とサファウぃ選手は試合後に話しています。
 トップチームのパウロ・セルジオ監督はサファウィ選手の練習を見て高評価をつけた一方で、トップチームデビュー前にポルトガルのサッカーに適応する必要があると話しています。

ポルティモネンセU23対スポルティングCP U23のハイライト映像(スポルティングCPの公式Youtubeチャンネルから)背番号10をつけたサファウィ選手がチラチラと映っています。

ケダ州FAはアイディル監督の留任交渉開始
 マレーシア語紙コスモ電子版は、Mリーグ1部ダルル・アマンFC(来季から。現在はクダFA)を運営するクダ州サッカー協会はアイディル・シャリン・サハク監督との留任交渉にあたり条件を聞く用意があると報じています。
 このブログでも取りあげましたが、アイディル監督にはMリーグの他のクラブ(その後の報道でスランゴールFC、クアラルンプールFA、パハンFA、マラッカ・ユナイテッドFC、ペナンFAの名前が具体的に上がっています。)や母国シンガポール、さらにはインドネシアのクラブも関心を持っていると報じられています。
 クダ州サッカー協会のアブドル・ラーマン・アブドラ副会長は、来季もアイディル監督が続けてダルル・アマンFCの指揮を取ることを望んでいると話しています。
 しかしその一方で、留任が実現するかどうかはアイディル監督が求める給料の額や来季に向けての選手獲得などでクダ州サッカー協会が対応できる範囲内であることが条件であるとしています。
 「アイディル監督のクラブへの貢献は計り知れず、今季2位という良い結果も残している。また選手やサポーターからも広く支持されているので、アイディル監督を手放す理由は全くない。来季の出場が決まっているAFCカップでもクラブの指揮を取ってもらえるよう、残留交渉を既に始めている。」とアブドル・ラーマン副会長は話しています。
******
 記事の書き方もあるのでしょうが、クダ州サッカー協会はアイディル監督を全力で慰留しようという姿勢が伝わってこない報道が多い印象です。いまだ給料未払い問題を抱え、無い袖は振れない、というところなのでしょうが、昨季のFAカップ優勝、マレーシアカップ準優勝、そして今季はリーグ再開後からチームを立て直してリーグ2位としたアイディル監督を獲得したいクラブは多いはず。そんな中、有利な立場にいるはずのクダ州サッカー協会の本気度が伝わってこないのは残念です。

10月17日のニュース:FAMは8名の審判を処分、フェルダU旧運営会社職員がクラブ消滅を救う動き、サファウィ・ラシドのデビュー戦は「世界で最もリッチな選手」との対戦

FAMは8名の審判を処分
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版は、マレーシアサッカー協会FAMが今季Mリーグの試合を担当した審判8名に処分を下したと報じています。
 FAM審判委員会のムハマド・ダリ・ワヒド委員長は、査定に基づき2名の審判に後日決定される期限までの資格停止処分を、また他の2名の審判には2週間の資格停止処分を、残る4名の審判には戒告処分が出されたと述べています。なお、本来であれば処分を受けた審判は3部のM3リーグやU21チームが争うプレジデントカップなどの試合を担当して改善を図るということですが、今季はいずれも新型コロナウィルスの影響で中止になっていることから、資格停止などの処分が科されているということです。また戒告処分を受けた審判については今季の残りは線審のみを担当することも発表しています。
 ダリ委員長は複数のクラブが審判に不満を持っていることは理解していると話していますが、多くのクラブがメディアに対してその不満を述べるにとどまり、FAMの審判委員会に対してに今季はこれまでに正式な意見書を提出しているのはUITM FC、PJシティFC、トレンガヌFC、そしてサバFAの4クラブのみであることを明かす一方で、今季は1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグとも全体としては審判委員会が満足できるレベルで試合が進められていると話しています。
 ダリ委員長はこの他、マレーシアカップでは新たに10名の審判が起用されることも明らかにしています。
******
 Mリーグでは審判のレベルの低さが度々話題になり、昨季2019年のマレーシアFAカップ決勝戦には、日本サッカー協会JFAを通じて依頼した主審、副審、線審計4名の日本人審判が担当するといったこともありました。FAMは審判のプロ化案なども発表していますが、実際には何も進んでいないようで、まだまだ審判に関する問題は起こりそうです。

フェルダU旧運営会社職員がクラブ消滅を救う動き
 今季をもってMリーグからの撤退を発表したフェルダ・ユナイテッドFCに新たな動きです。クラブの旧運営会社関係者がMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグを訪れ、新たなスポンサーに関する書類を手渡す予定であると英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 旧運営会社であるファイターズ社のアフィザル・アブ・オスマン前事務局長は、クラブの名称は変わる可能性を認めながら、来季もチームが存続できることに希望を持っていると話しています。
 創部以来13年間Mリーグでプレーしたフェルダ・ユナイテッドFCは、クラブの運営権がファイターズ社からクラブの母体でもある政府関係機関のフェルダ(連邦土地直轄庁)に移った直後の10月6日に経済的理由を挙げてMリーグからの撤退を発表しています。また撤退発表とともに旧運営会社の職員16名全員が解雇されましたが、この旧職員がフェルダ・ユナイテッドFC存続のために活動を続けています。
 アフィザル前事務局長は、クラブは新しいスポンサーを獲得できたとして、MFLが期限とした10月19日までにクラブ存続のための書類を用意したいと話しています。なお新しいスポンサーについて、アフィザル前事務局長は何も明かしていないということです。
******
 この記事を読んで思いついたのは、もしかしてこのフェルダ・ユナイテッドFCがプトラジャヤを本拠地とするクラブになるのでは、ということです。プトラジャヤを含む連邦直轄地を担当するアヌアル・ムサ連邦直轄地相が、来季からプトラジャヤにMリーグクラブができると発言してネット上で炎上した記事を先日、取り上げましたが、フェルダが手放したクラブをそのまま横滑りでプトラジャヤに持ってくれば、撤退によるリーグのチーム数減を心配するMFLが、新クラブを下部リーグからスタートさせず、そのままMリーグに残す可能性もあります。
 フェルダ・ユナイテッドFCでプレーする選手の中にはプトラジャヤに住んでいる方もいるようなので、実現すれば朗報ではないでしょうか。

サファウィ・ラシドのデビュー戦は「世界で最もリッチな選手」との対戦
 Mリーグ1部のジョホール・ダルル・タジムJDTからポルトガル1部リーグのポルティモネンセSCに移籍したサファウィ・ラシドは、本日10月17日に行われる第4節でCSマリティモ戦でのベンチ入りが期待されていますが、この試合は東南アジア出身選手が所属するチーム同士の争いとしても注目されています。
 その理由はCSマリティモにブルネイ出身のファイク・ボルキアが所属しているからです。ブルネイのボルキアと聞いてピンと来た方がいるかも知れませんが、このファイク・ボルキア選手はブルネイ国王ハサナル・ボルキアの甥にあたます。世界でも有数の裕福なブルネイ王家の一員でもあることから、「世界一リッチなサッカー選手」とも呼ばれています。
 とは言え、サッカーの実力で言えば、今年9月に英国1部リーグのレスターシティU23からCSマリティモに移籍してきたファイク・ボルキア選手の市場価値はトランスファマルク上では「評価なし」であるのに対し、サファウィ選手は30万ユーロ(およそ3700万円)とされており、その差は歴然です。
 額面通りの実力なら、2人がフィールドで対峙する機会はなさそうですが、それでもポルトガルという異国の地でマレーシアの選手とブルネイの選手が対戦するというのは東南アジアのサッカーファンにとっては十分注目に値するのではないでしょうか。特にサファウィ選手は開幕から3試合でわずか勝点1のポルティモネンセSCの救世主となれるかどうかも注目です。
******
 今日の試合はマレーシアの衛星放送アストロアリーナでも生中継されるようです。史上初となるポルトガルリーグ生中継で果たしてサファウィ選手の勇姿は見られるでしょうか。なおチャンネルは801と802HDです。

10月16日のニュース:スマレがポリス・テロFCに合流、代表は12月に国外合宿を検討、MFLは条件付き活動制限令期間中の練習許可申請を行う予定

スマレがポリス・テロFCに合流
 マレーシア代表のムマハドゥ・スマレが移籍したタイ1部リーグのポリス・テロFCの練習に合流したことが、ポリス・テロFCの公式Facebookに投稿されています。なお、この前日には自身のインスタグラム上でタイへの渡航者に義務付けられている14日間の隔離措置の最終日であることを投稿していました。
 また明日10月17日に予定されているタイ1部リーグ第9節、アウェイゲームのPTプラチュワップFC戦にランサン・ヴィワチャイチョク監督が帯同を希望しているという報道もあり、さすがにベンチ入りの可能性はないにしても、スマレ選手への期待の大きさがわかります。
(写真左上は同じマレーシア代表のドミニク・タンとポーズを取るムハマド・スマレ。写真はいずれもポリス・テロFCの公式Facebookより。)

代表は12月に国外合宿を検討
 マレーシア語紙ハリアン・メトロ電子版によると、マレーシア代表は12月に国外での合宿を検討しているようです。
 代表チームマネージャーを務めるユソフ・マハディ氏は、来年2021年3月に再開が予定されているFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選、そして4月に予定されている東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップに備えて、昨年2019年11月のワールドカップ予選以降は全く活動が行われていない代表を再始動させる必要があると話しています。
 「タン監督やコーチとの話し合いをもとに、12月に代表候補合宿を行い、さらに外国のチームと練習試合を行う予定を立てているが、今後のマレーシア国内の新型コロナウィルスの感染状況次第では、感染が収束している他国での合宿開催の可能性もある。」と話すユソフ・マハディ代表チームマネージャーは、その候補地の一つとしてカタールを挙げています。
 「カタールは現在、多くの国際親善試合が開催されており、AFCチャンピオンズリーグが集中開催が予定されるなど比較的安全な場所と言えるので、マレーシア国内の感染状況や政府からの渡航許可が出るかなどについて今後も検討を続けていく。」とユソフ・マハディ代表チームマネージャーは話し、国外のチームとの対戦を検討している理由については、国内クラブはマレーシアカップ終了後の休養期間に入っていることに加え、その時期には多くの選手の契約期間が終了しておりチーム編成が難しい可能性を挙げています。

MFLは条件付き活動制限令期間中の練習許可申請を行う予定
 Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは、10月14日からクランバリー(首都圏のスランゴール州、クアラルンプールおよびプトラジャヤ)に施行中の条件付き活動宣言令CMCO期間中のMリーグクラブの練習許可を当局に求めていく考えがあることをマレーシア語紙シナルハリアン電子版が報じています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、クランバリーに本拠地を持つMリーグクラブがCMCO期間中は練習ができず、未消化となっているMリーグの試合や11月に開催されるマレーシアカップに備えた練習ができないという声を受けて、この練習許可の申請を行うとしていますが、申請が認められるかどうかはMFLの支配が及ばない部分であり、その点は理解して欲しいとしっかり言い訳もしています。
 アブドル・ガニCEOは、これまでMリーグは標準作業手順SOPを遵守し、開催された試合で新型コロナウィルスの感染者が一人も出ていないことを今回の申請先となる保健省と国家安全保障委員会が考慮してくれることを期待していると話す一方で、練習許可が下りた場合でも、スタジアムのような外部と遮断された会場で従来の標準作業手順SOPに沿った形で練習が行なわれるべきであるとしています。
 クランバレーに本拠地を持つクラブの内、UITM FCはサバFAと、クアラルンプールFAはクチンFAとそれぞれMリーグ最終節第11節の試合が新型コロナウィルス感染者急増により10月31日に延期されている他、上記の4クラブに加えてマレーシアカップに出場するスランゴールFC、PJシティFCもCMCOにより練習が禁止されており、これらのクラブからMFLに対して当局への働きかけを行う声が上がっていましたが、MFLはその重い腰をやっと上げることにしたようです。

10月12日のニュース:クダ州FAが会長の辞職願受領を拒否、タイ1部リーグ-マットヨーは出場なし、JDT主将は英国2部のクラブへ移籍か

 Mリーグ1部のクダFAを運営するクダ州サッカー協会(クダ州FA)はムハマド・サヌシ・ムハマド・ノー会長から提出されていた辞職願の受領を拒否したことが、マレーシアの通信社ブルナマにより報じられています。
 クダ州FAのアブドル・ラーマン・アブドラ副会長は10月10日に開かれた執行部特別委員会で受領拒否が全会一致で決議されたことを明かし、クダ州首相でもあるムハマド・サヌシ会長は就任以来、様々な問題を解決するなどその運営手腕を発揮しているだけでなく、クダ州FAが運営するクダFAは現在、Mリーグ1部で2位となるなど、現時点で辞任する明確な理由がない、というのがクダ州FAによる受領拒否の理由であるということです。
 辞職の意思が固い場合にはせめて今年いっぱいまでの在職を求めるよう説得を続けると話すアブドル・ラーマン副会長ですが、クダ州FAとしては2022年の任期満了まで会長を勤めることを期待していると話しています。
******
 今年2月の政変による与野党逆転の結果、5月にクダ州首相に就任したムハマド・サヌシは従来の州首相と同様にクダ州FA会長に就任したのが7月でした。その後、3月から起こっていたとされるクダFAの選手や監督、コーチへの未払い給料を一部解消するなどそれなりの結果は残しています。それでも5月から8月までの給料は未払いとなっており、副会長が言う「手腕を発揮」と言えるレベルではない気もします。現在運営しているクダFAが来季から民営化され、今後の収入源が不安になるクダ州FAは、現職州首相の「金を引っ張ってくる力」に対する期待を込めて慰留を希望していると考えられますが、「政治」と「サッカー」を切り離す機会を自ら手放そうとしていることまでは頭が回らないのか、それとも背に腹は変えられなのか。いずれにしてもサッカーにとってはプラスにならないような気がします。

タイ1部リーグ-マットヨーは出場なし
 タイ1部リーグは選手に新型コロナ感染者が出たことから順延となっていた第5節の2試合を10月10日(土)に開催しています。
 マレーシア代表FWのノーシャルル・イドラ・タラハが在籍するBGパトゥム・ユナイテッドはブリーラム・ユナイテッドを1−0で破り、今シーズン負けなしの7勝1分と、2位との勝点差を7として首位を快走しています。
 なおこの試合はマットヨーことノーシャルル選手はベンチ入りはしたものの、出場しませんでした。
 またポリス・テロFCに加入したマレーシア代表のFWモハマドゥ・スマレは、クラブの公式Facebookで隔離検疫期間が終了したことを明かし、ジムでのトレーニングを行う映像を投稿しています。1部16チーム中8位のポリス・テロFCのゴール数は、上位8チームの中で最小となっており、スマレ選手への期待は高まっているのではないでしょうか。

JDT主将は英国2部のクラブ移籍か
 Mリーグ1部7連覇を達成したジョホール・ダルル・タジムJDTの主将でシンガポール出身のハリス・ハルンがJDTを退団し、英国のクラブへの移籍を匂わす投稿を自身のFacebookで行っています。
 シンガポール代表でも主将を務めるハリス選手は10月11日に”I have just signed. Coventry here I come.”「(契約書への)サイン完了。いざコヴェントリーへ」というキャプションとともに契約書にサインしている姿の写真を投稿しています。
 ハリス選手は具体的にクラブ名をあげていませんが、この写真をもとにシンガポールのザモニター電子版は、英国2部リーグのコヴェントリーシティへの移籍を予想しています。なおコヴェントリーシティは2部24チーム中、現在1勝1分2敗の18位です。
 なお、シンガポールのメディアによれば、ハリス選手はコヴェントリー大学にも入学したということですが、詳細は伝えられていません。
*****
 今季は膝のケガのために大半のシーズンを棒に振ったハリス選手ですが、2013年にJDTと契約し、期限付き移籍で他のクラブでのプレーを経て、2018年からその強烈なキャプテンシーでJDTの連覇を牽引してきました。
 29歳という年齢は国外でプレーする最後のチャンスかもしれませんが、その活躍には期待したいです。