5月10日のニュース:ザフアン・アゼマンはタイ3部リーグのクラブと契約解除、クアラルンプールFAはリーグ再開を待たずに解散も、クチンFAは今月からFAMの給料削減指針を採用

ザフアン・アゼマンはタイ3部リーグのクラブと契約解除
 タイ3部リーグでプレーするマレーシア人選手のアザフ・ザフアン・アゼマンが自らのインスタグラム上で契約解除となったことを発表しています。
 昨年2019年8月からタイ3部リーグのアーントーンFCに所属していたザフアン選手は、新型コロナウィルスの影響によりクラブとアゼマン選手が契約解除に合意したとしています。
 インスタグラムのコメントではクラブの会長、スタッフ、コーチ、チームメートそしてクラブ関係者全員に向けて、加入以来、世話になったことへの感謝の意を表し、またこのクラブにいつか戻って来たいと話しています。
 またアゼマン選手はヴォケットFCに対しては、タイに来たことは自分にとって大いに役に立ったこと、タイ3部とMリーグは違いがあるものの似ている点もたくさんあると話し、試合会場のピッチの状況はタイ3部の方がはるかに上で、質の高いプレーヤーもたくさんいるとも話しています。
 なおタイ1部には代表選手のノーシャルル・イドラン・タラハ(BGパトゥム・ユナイテッド)、ドミニク・タン(ポリス・テロ)が在籍しています。
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 タイリーグに関するツイートを見ると、3部だけでなく1部でも外国籍選手が次々に契約解除になっているようで、外国籍選手は全員が契約解除になるのではという噂もある様です。9月まで試合がないタイリーグは今後も契約解除が続きそうで、そうなればノーシャルル選手やタン選手にもその影響が及ぶ可能性もあります。

クアラルンプールFAはリーグ再開を待たずに解散も
 マレー語氏ハリアンメトロ電子版では、Mリーグ2部のクアラルンプールFAが経営困難に直面しており、予定されている9月のリーグ再開までクラブが存続できない可能性があると伝えています。
 クアラルンプールFAを運営するクアラルンプールサッカー協会KLFAのノクマン・ムスタファ事務局長によると。今期2020年シーズン開幕前には来季の1部復帰へ向けて相応の費用をかけてチームを強化したものの、一部のスポンサーや広告主からのスポンサー料や広告費が支払われておらず、選手およびスタッフへの給料支払いに支障が出ているとしており、「今後もこの状況が続けば、Mリーグの再開が予定されている9月までの3ヶ月間、クラブを存続させていくことが難しくなるだろう。」と話しています。
 クアラルンプールFAの苦境は、新型コロナウィルスによるリーグ中断に加えて、KLFA内での人事も影響しています。KLFAはクアラルンプールを統治する連邦直轄地大臣でもあったカリド・サマド前会長が昨年11月に就任後、2部に降格したクラブを1年で1部へ戻すための手厚い支援を約束していましたが、今年3月の政変でカリド氏は連邦直轄地大臣を解任され、連邦直轄地大臣が会長を務めるKLFAの会長職も辞任、その結果、クアラルンプールFAの運営方針も変更されています。
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 ここでもやはり公的機関や政府機関へ依存するMリーグクラブの問題点が露呈しています。マレーシアの連邦直轄地であるクアラルンプールは連邦政府の管轄で、KLFAの運営には他の州FA同様、公的資金が使われています。連邦直轄地大臣だったカリド氏の国民信用党はマハティール前首相率いる希望同盟の構成党でしたが、3月に発生した政変により希望同盟は政権を失い、野党となった国民信用党のカリド氏は大臣職を解任されてしまいました。カリド氏はKLFAの会長も辞任、KLFAはシーズン途中のトップ交代で方針転換を迫られた上、新型コロナウィルス対策で連邦政府からの支援方針も変更になり、経営困難に陥った、という図式です。

クチンFAは今月からFAMの給料削減指針を採用
 東マレーシア(ボルネオ島)のサッカー専門サイトのサラワク・クロックスは、Mリーグ2部のクチンFAが今月5月からの選手およびスタッフに対する給料削減について、先日、マレーシアサッカー協会FAMが発表した指針に沿って行うと報じています。
 クチンFAのファズルディン・アブドル・ラーマン会長によると、クラブはFAMが示す指針に従うことには依存はなく、この指針に沿ってマレーシア人選手、外国籍選手およびスタッフに対して給料削減を行うとしています。
 ファズルディン会長は「新型コロナウィルスによって影響を受けた他の産業と同様に、Mリーグの各クラブも困難ではあるがFAMの指針に沿った給料削減を行う必要がある」と話しています。
 FAMは自らが示した指針について、既に給料削減についての選手およびスタッフとの合意が得られているクラブには適用できないとしていることから、クチンFAが既に行った給料削減について選手との合意に達していたのは4月分までということがわかります。
 なおクチンFAには鈴木雄太選手と谷川由来選手が在籍しています。

5月8日のニュース:ケランタンFAにリーグ除名の危機、PJシティFCは未払い給料問題なし、クダFAのサポーターグループが州FAに給料未払い問題の早期解決を要望

ケランタンFAにリーグ除名の危機
 マレー語紙ハリアンメトロ電子版は、国際サッカー連盟FIFAはMリーグ2部プレミアリーグのケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会KAFAに対し、2018年シーズンに同クラブに加入し2019年シーズン途中に移籍した外国籍選手のDFカッシオ・フランシスコ・デ・ジーザス(現在はインドネシア1部リーグのバリトプテラに在籍)に対する未払い給料14万5944米ドル60セント(およそ1550万円)を30日以内に支払うことを命じたと報じています。
 4月23日付で発表されたこの決定により、もし期限内にKAFAが支払いを行われなければ、FIFAの懲罰委員会からの処分を受け、KAFAはマレーシア国内であらゆるレベルでのサッカー活動への参加が禁じられることになります。
 新型コロナウィルス感染拡大によりリーグが中断していることよって入場料収入が途絶え、マレーシア人選手への未払い給料も数千米ドルあると言われているKAFAにとっては、最悪の場合、リーグ再開を待たずにMリーグから除名となる可能性もあります。
 またFIFAは今年2回目と来年1回目の2回のトランスファーウィンドウ移籍期間中にケランタンFAが新たな選手を獲得することを禁じています。この措置はマレーシア人選手と外国籍選手の両方に適用され、現在、所属する選手との契約を解除しながら、新たな選手を獲得して同様の「違反」行為が行われることをFIFAが未然に防ぐための措置だとハリアンメトロは説明しています。
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 KAFAについては、昨日ちょうどこのブログでも、Mリーグが9月に再開となった場合には協会やクラブを支えるスポンサーの功績に報いるために、試合を中継することを望んでいるという記事を取り上げましたが、そうしないとスポンサーや広告主は約束していたスポンサー代や広告費を支払わない可能性もあることからの提言だったのだろうと思います。
 昨年2019年にはプルリス州サッカー協会PFAがやはり外国籍選手への給料未払いにより、FIFAから未払い給料を支払うまで、あらゆるサッカー活動の禁止を命じられ、その結果、PFAが運営していたプルリスFAは昨季途中でMリーグ2部プレミアリーグから除名されています。

PJシティFCは未払い給料問題なし
 上記のケランタンFAの様にMリーグの各クラブが経営に苦しむ中、PJシティFCには未払い給料問題がないと、マレー語紙ブリタハリアンが報じています。
 PJシティFCのチームマネージャーであるK・ラジェンドラン氏によると、選手およびスタッフはこれまでの給料を遅延なく支払われていると話す一方で、選手およびスタッフに対する給料削減の内容については詳細を明かしていないということです。
 「削減額はクラブが選手およびスタッフとの間で合意されたものであり、強制したものではない。選手は新型コロナウィルスによってもたらされた現状を十分理解しており、今回の給料削減は、クラブと選手が妥協したものである。今後はマレーシアサッカー協会FAMによる給料削減に関する指針を考慮する。」「選手およびスタッフの給料削減を行うことで、最も重要な『遅配なく給料が支払われている』を強調したい。」と述べています。
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 PJシティFCは、州政府や政府機関から資金援助を受けていないMリーグのクラブのうちの一つで、Mリーグ1部と2部をあわせても、この他にはMリーグ1部のジョホール・ダルル・タジムJDTとMリーグ2部のサラワク・ユナイテッドしかありません。州政府や政府機関が新型コロナウィルス対策で予想外の支出を強いられ、そのしわ寄せが各クラブの運営費用に影響を及ぼし、給料の遅配や未払いにつながっている中、「民営化」されているクラブにも影響がないわけではないでしょうが、選手およびスタッフが不安になる様な事態にはなっていない様です。

クダFAのサポーターグループが州FAに給料未払い問題の早期解決を要望
 クダFAのサポーターグループの代表が、クダFAを運営するクダ州サッカー協会KFAに対して、2ヶ月分の給料未払い問題の早期解決を求めていると、マレー語紙ブリタハリアンが報じています。
 クダFAのサポーターグループ25団体を束ねる「赤鷲連合(クダFAのニックネームはHelang Merah赤鷲です)」を代表するモハマド・サファリザル・モハマド・ソブリ氏は、2月と3月の給料を支払っていないとされるKFAが選手およびスタッフの福利に責任を負わない姿勢に失望していると話しています。
 「KFAのアスミルル・アヌアル・アリス名誉事務局長は、未払い給料問題に直ちに対応するとメディアに発表しておきながら、状況は改善どころかさらに悪化している。クダFAサポーターグループは、この事態がこれ以上悪化しないためにも直ちに未払い給料を支払い、クラブのイメージをこれ以上悪くしないでもらいたい。」
 「もし、スポンサーからの支援や広告収入が滞っているのであれば。スポンサーとお交渉を続けつつも、直ちに状況を選手およびスタッフに説明し、理解を求める努力をすべきである。」とサファリザル氏は述べています。
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 別のメディアでは、クダFAの選手およびスタッフには2月分の給料は30%のみが支払われ、3月分については全くの未払いと報じられています。
 またこの状況については、マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長も、クダ州サッカー協会KFAが選手およびスタッフの給料削減をFAMが作成した指針に基づいて行うことを望むのであれば、まずは遅配となっている2月と3月の未払い給料を支払うか、選手との間で遅配分を分割で支払うことの合意を得るかが必要であると述べています。

5月7日のニュース:リーグを短縮日程としてでもマレーシアカップを開催する理由、帰化選手のクラスニキが代表戦出場可能に、ケランタン州協会は2部リーグの放映拡大を要望

リーグを短縮日程としてでもマレーシアカップを開催する理由
 マレーシアの国内リーグMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは、現在中断中のMリーグ再開に向けて、マレーシア政府が9月再開を許可した際の日程を発表しています。それぞれ全12クラブで争うMリーグ1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグとも今季2020年シーズンは1回戦総当たりの11試合(中断前に4試合は実施済み)とし、日本で言えば天皇杯にあたるFAカップは中止を決めています。
 その一方で、試合形式は変更になったものの、中止とはならなかったのがマレーシアカップです。このマレーシアカップはMリーグ終了後に行われ、スーパーリーグの上位11クラブとプレミアリーグの上位5クラブ(ただしスーパーリーグ所属クラブのBチームは出場権なし)の合計16クラブで争われるカップ戦です。
 マレー語紙ブリタハリアン電子版は、なぜ、FAカップが中止となりながら、マレーシアカップは実施となったかを解説する記事を掲載しています。
 MFLがマレーシアカップの開催にこだわったは、このカップ戦が持つ歴史と名声が大きな要因である、と話すのはMFLのアブ・ガニ・ハサンCEOです。「前身のマラヤカップから数えると今年がちょうど100周年となるマレーシアカップは、国内サッカーの重要なブランドであり、多くのサポーターが郷愁を感じるカップ戦であることから、(リーグが9月再開となった場合の)限られた時間の中で、FAカップや(マレーシアカップに出られないクラブが出場する)チャレンジカップを犠牲にしてでも開催するという結論に至った。」
 また、アブドル・ガニCEOは、マレーシアカップの優勝クラブが、マレーシア代表としてアジアサッカー連盟AFCカップに出場するとしたMFLの発表は間違いではないとしています。MFLはFAカップとマレーシアカップの優勝クラブのどちらか一方をマレーシア代表して選ぶことができるとした上で、FAカップが中止となった今、マレーシアカップの優勝クラブがAFCカップに出場できると話しています。
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 英国の植民地であった当時の英領マラヤで、英国海軍の戦艦HMSマラヤより寄贈されたカップ「マラヤカップ」を争奪する大会として1921年に第1回大会が開かれたマラヤカップは、1967年カラはマレーシアカップと名称を変え、現在に至ります。日本の天皇杯(天皇杯JFA全日本サッカー選手権大会)も同じ1921年に第1回を開催しており、両大会はアジア最古の大会とされています。
 ところが両大会は性格が大きく異なり、マレーシアカップが16のプロクラブだけが出場する大会、日本で言えばJリーグカップのような大会なのに対して、天皇杯はアマチュアクラブも地方予選から参加する大会だということ。ちなみにマレーシアでアマチュアとプロが参加する全国大会はFAカップですが、こちらは第1回大会が1990年で、1994年から始まったJ歴史や伝統を持ち出されるとマレーシアカップには太刀打ちできません。
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 ところで、マレーシアカップ優勝クラブがAFCカップに出場するというアブ・ガニCEOの発言を読んで、少々気になる点があります。というのはAFCカップの出場権が「全国レベルの国内カップ戦優勝クラブ」に与えられるという点です。これまで、Mリーグ1部スーパーリーグの優勝クラブは国内1位のクラブとしてACLチャンピオンズリーグACLの本戦へ、FAカップ優勝クラブは国内2位のクラブとしてACL予選に出場してきました。16のプロクラブだけの大会であるマレーシアカップが果たして「全国レベルの国内カップ戦」とAFCに認められるのかどうかは定かではありません。

帰化選手のクラスニキが代表戦出場可能に
 今季からジョホール・ダルル・タジムJDTでプレーするリリドン・クラスニキは国際サッカー連盟FIFAが規定する「18歳に達した後から5年以上その国で継続居住歴を持つ」という帰化条件を満たしたことから、今年2月にマレーシアの国籍を取得し、JDTではマレーシア人選手として登録されています。
 マレーシア国内ではマレーシア人選手としてのプレーが可能となったものの、代表でのプレーについては、FIFAによる承認が必要でしたが、ブリタハリアン電子版では、マレーシアサッカー協会FAMのもとにFIFAより承認を伝える連絡が入ったということです。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長によれば、FIFAは帰化規定中の「5年」を厳密に計算したところ3月25日がちょうど5年目に当たる日だったとし、この日をもって5年経過となり、クラスニキ選手はFIFAから正式にマレーシア人選手として承認されたとしています。
 ラマリンガム事務局長は、もう1人の帰化選手であるギリェルメ・デ・パウラ(ペラTBG)については、FIFAからは何の連絡も受け取っていないと話しています。
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 このクラスニキ選手が代表でのプレーを承認された3月25日は、FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFCアジアカップ2023年大会予選のアラブ首長国UAE戦が予定されていた3月26日の前日で、クラスニキ選手が実際にUAE戦に出場できるのかどうかは定かではありませんでした。しかし、幸か不幸かこのUAE戦が新型コロナウィルスの影響で延期となったことで、クラスニキ選手は予選再開後は問題なく出場する資格を得ることができました。

ケランタン州協会は2部リーグの放映拡大を要望
 渡邉将基選手が所属するケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会KAFAは、予定されているMリーグの9月再開が実現した際には、所属するMリーグ2部プレミアリーグの放映を拡大するように求めていると、ブリタハリアン電子版が報じています。
 KAFAのスポンサー委員会のアーマド・ムザッキル・ハミド委員長は、リーグ再開となっても無観客試合が予定されていることから、クラブを支援するスポンサーの功績を称える行動が必要であると述べています。
 「(MFLの規定により)KAFA自身がライブストリーム配信やソーシャルメディアで中継を配信をすることができないため、2部プレミアリーグの放映権を持つメディアに対して試合の放映を要請したい。観客を入れずにリーグが再開した場合、(KAFAが運営する)ケランタンFAの試合を放送することでスポンサーの功績を認める必要がある」とアーマド・ムザッキル委員長は話しています。

5月5日のニュース:AFCはMリーグの暫定日程を承認、国内フットサルリーグの再開を危ぶむ声、マラッカ・ユナイテッドは勝点剥奪を逃れる

AFCはMリーグの暫定日程を承認
 アジアサッカー連盟AFCは、マレーシアの国内リーグMリーグが9月から再開となった場合の暫定日程を承認したと、Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLが公式サイト上で報じています。なおMリーグはすでに7月からの練習開始と8月からのリーグ再開案がマレーシア政府に却下されており、現在は9月のリーグ再開許可を待っている状態です。
 AFCの事務局長でマレーシア人のウインザー・ポール・ジョン氏は、都合わずか3ヶ月の期間で終了するMリーグについて、AFCはMリーグに課せられた時間的制約を理解した上で、リーグに参加する全てのクラブが同意することとマレーシア政府による標準進行手順SOPを遵守することを条件に、暫定日程を了承するとしています。
 またリーグ参加の全クラブが同意していることを条件にMリーグ1部スーパーリーグとマレーシアカップの優勝クラブがAFC主催大会のAFCチャンピオンズリーグとAFCカップにそれぞれ出場することも併せて承認しています。
 さらにウインザー事務局長は、Mリーグよりも早く再開する他国のリーグの標準進行手順SOPを参考にするべきと話しており、AFCは各国で中断中のリーグ再開について、当該政府によるSOPの遵守が絶対条件になると話しています。

国内フットサルリーグの再開を危ぶむ声
 新型コロナウィルス感染拡大によりMリーグだけでなく、国内フットサルリーグのマレーシアプレミアフットサルリーグMPFLも中断していますが、マレーシアサッカー協会FAMとMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは、Mリーグが9月再開となった場合の暫定日程を発表していますが、MPFLに関しては何の告知も行われていません。
 マレー語紙ブリタハリアン電子版では、このままMPFLの今季2020年シーズンが終わってしまうことを心配する声を取り上げています。
 3月14日に開幕した今季のMPFLは、この第1節終了後にマレーシア全土に発令された活動制限令の影響でリーグが中断しています。MFPLに所属するトレンガヌのモハマド・ロザイリ・アーマド監督は、Mリーグの暫定日程が発表になっている一方でMPFLについては何も発表がないことから、今季はこのまま中止となってしまうのでは心配していると話しています。
 昨季のMPFLでは3位となったトレンガヌのロザイリ監督は、MPFLを運営するFAMからも、またクラブを運営するトレンガヌ州サッカー協会PBSNTからも何も情報が与えられていないと話す一方で、マレーシア政府の青年スポーツ省が6月に発表する予定のMリーグ再開の詳細が明らかになれば、MPFLの今後も明らかになるのではないかと話しています。

マラッカ・ユナイテッドは勝点剥奪を逃れる
 2019年分の給料未払い問題により、今季既に勝点3が剥奪(はくだつ)されているマラッカ・ユナイテッドは、この問題を4月末までに解決できない場合にはさらに勝点6が剥奪されることになっていましたが、マレー語紙ハリアンメトロ電子版は、新型コロナウィルスのおかげで九死に一生を得たようだと報じています。
 マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長はハリアンメトロの取材に対し、新型コロナウィルス感染拡大によりマラッカ・ユナイテッドを運営するマラッカ州サッカー協会MUSAが直面している苦境を考慮して、クラブライセンス委員会の第一審機関(First Instance Body、FIB)が4月30日となっていた支払い期限を当面延期することを決定したと話しています。
 この決定はMUSAが選手との間で同意していた未払い給料の支払い期限を過ぎたにも関わらず、何も支払われていないことが発覚し、その結果として開催されたFIBで決まったとハリアンメトロは報じており、さらにFIBが期限延長を発表した後もMUSAからは何の発表もないということです。
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 2019年分の給料未払いは、新型コロナウィルス感染とは何の関係もなく、単なる放漫経営の結果ですが、それでもマラッカ・ユナイテッドが処分を逃れたのは、FAMのモハマド・ユソフ・マハデイ副会長がマラッカ州サッカー連盟MUSAの副会長でもあるということと無関係ではなさそうで、まぁマレーシアでは珍しくないダブルスタンダードのおかげと言えそうです。まぁこんなクラブをリーグでプレーさせないために、今季開幕前に、FAMはクラブの運営状況を把握する経済コントロールプログラムECPを導入したのですが、その審査は身内がいるクラブには大甘だったということでしょうか。
 9月に再開となった場合、リーグの残り試合は各クラブとも7試合です。万が一、マラッカ・ユナイテッドがここでさらに勝点6が剥奪されれば、勝点は-3となり、既にPDRM FCやUITM FCなど下位のクラブとの試合を終えているため2部降格が見えてきます。しかしそうなっても、今季は昇格と降格は行わない、などあらゆる手を使ってFAMがマラッカ・ユナイテッドを1部に残留させそうです。

5月4日のニュース:今季終了後の降格と昇格と3部リーグ再開の詳細については6月に決定、給料削減指針は給料未払い問題を抱えていないクラブにのみ適応されることをFAMが強調

今季終了後の降格と昇格と3部リーグ再開の詳細については6月に決定
 Mリーグ1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグとも12クラブの1回戦総当たりの11試合という変則日程で今季を行う案を発表したマレーシアフットボールリーグMFLは、シーズン終了後の昇格と降格についての詳細を6月に発表するとしています。なお第4節開催後に中断となっているMリーグは9月1日及び2日再開、9月26日および27日終了とする日程案をMFLは発表しています。
 英字紙スター電子版によると、MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、現時点では降格と昇格については何も決定していないと話す一方で、降格と昇格はプロリーグに欠かせないものであり、この仕組みをなくすことによって各クラブ間の競争力が低下することは避けたいとも話し、6月に予定しているMFLの取締役会議で今季の降格と昇格に関する詳細を決定するとしています。
 また9月再開予定のMリーグは、マレーシア政府が求める標準進行手順SOPにより全て無観客試合として行われることになっていますが、入場を制限できる設備のある1部や2部のスタジアムと異なり、観客が集まることが避けられないフィールドも試合会場となるMリーグ3部のM3リーグについては、マレーシア政府のSOPに沿った運営ができない場合には、再開せずにこのまま今季は中止となる可能性があるとも話しています。
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 Mリーグは中断となる前の第4節終了時点で、1部スーパーリーグは、いずれも給料未払い問題により勝点3の剥奪(はくだつ)処分を受けたPDRM FCが12位(勝点-2)、マラッカ・ユナイテッドが11位(同3)、一方2部プレミアリーグは1位からトレンガヌFC II(勝点12)、ケランタン・ユナイテッドFC(同9)、ペナンFA(同8)、クアラルンプールFA(同8)となっています。なお、スーパーリーグ所属のトレンガヌFCのBチームであるトレンガヌFC IIには昇格資格はありません。

給料削減指針は給料未払い問題を抱えていないクラブにのみ適応されることをFAMが強調
 マレーシアサッカー協会FAMは、国内リーグの各クラブの内、選手およびスタッフと給料削減について未だ合意のできていないクラブを対象とした指針を発表していますが、この指針について、未払い給料問題を抱えるクラブを救済する手段ではないことを強調していると、マレー語紙ブリタハリアンが報じています。
 FAMのスチュアート・ラマリンガムは、現時点ではどのMリーグクラブからも3月分の給料未払いが発生しているという報告は受けていないとする一方で、FAMは給料未払い問題を抱えるクラブには発表した指針に沿った給料削減を認めないとしています。
 「FAMの『地位及び法務委員会』への給料未払い問題の報告は上がってきていないが、それがそのまま給料未払い問題が発生していないという意味ではない。新型コロナウィル感染による国内の経済状況悪化によって給料の遅配が起こっている可能性がある。」「その場合、二つの状況が考えられる。一つ目は3月分の未払い給料が発生してはいるが、選手及びスタッフとクラブとの間で、支払い方法や支払い時期についての合意がされている場合で、この場合はFAMの指針を適用して4月以降の給料削減を行なって良い。」「しかし3月の給料が未払いながら、その支払い方法などで選手及びスタッフとクラブが合意していないにも関わらず、4月以降の給料削減を行いたいとするクラブに対しては、FAMは指針に沿った給料削減は認めないだけでなく、そう言った行為を行うクラブに対しては、選手の権利を守るために処罰を行う。」とラマリンガム事務局長は話しています。
 またリーグ再開案として出されている9月の再開に関しては、いつからチーム練習が可能になるのか、またどこで練習や試合を行うのかについては、アジアサッカー連盟AFCからの助言や他国のリーグの状況を見ながらFAMが指針を作成するとしています。

5月3日のニュース:MFLのリーグ再開案に対する各クラブの反応

 マレーシア政府の指示によって9月再開あるいは今季中止のいずれかの可能性まで絞られたマレーシアの国内リーグMリーグ。それぞれ12クラブで構成されるMリーグ1部スーパーリーグと2部プレミアリーグは従来はホームアンドアウェイで22試合を戦う予定でしたが、Mリーグを運営するMFLは9月再開となった場合は各クラブと1度ずつのみの対戦となる全11試合(リーグ中断前に実施済みの4試合を含む)という日程へと変更することを発表しています。
 この新たな日程について、いくつかのチームの反応が当地のメディアに取り上げられています。

スランゴールFC監督は再開予定発表を歓迎も不安要素にも言及
 スランゴールFCのサティアナアン・バスカラン監督は9月に再開を予定するMFLの案を歓迎しながらも、現時点では不透明な要素が多いと語っていると、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 「リーグ再開前に練習試合を行うことが許可されるのか、また、再開前の練習の際のソーシャルディスタンスをどうするのかなど、MFLは指針を示す必要がある。」と話すサティアナタン監督は、リーグが11試合で開催される予定となったことはスランゴールFCにとっては不利になったとも話しています。
 「AFCチャンピオンズリーグやAFCカップへの出場権を獲得するためには、現在の5位から最低でも2位にならなければならず、残り試合が7試合しかない状況はクラブにとって大変厳しい」と語っています。
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 リーグ中断前の4試合で1勝2分1敗だったスランゴールFCは、フェルダ・ユナイテッド、サバFAとともに勝点5となっていますが、得失差によりサバFAが4位隣、スランゴールFCは得失差も同じフェルダ・ユナイテッドと5位を分け合う状況になっています。

最下位PDRM FC監督は早くも2部降格を心配
 マレー語紙ブリタハリアン電子版では、Mリーグ1部のPDRM FCが早くも今季終了後の2部降格について心配している、と報じています。
 リーグ中断前の4試合を0勝1分3敗として最下位に位置するPDRM FCのモハマド・イシャク・クンジュ・モハマド監督は、リーグ再開の意思を示したことは、選手およびスタッフの生活が守られると話す一方で、従来通り1部から2クラブが降格、2部から2クラブが昇格というルールが短縮される予定の今季リーグでも適用されるのかどうかに最も関心があると話しています。
 PDRM FCは、未払い給料問題が期限までに解決できなかったことを理由に、今季開幕前に勝点3の剥奪(はくだつ)処分を受けており、現在の勝点は-2となっています。
 「最終的には(Mリーグを運営する)MFLが決定することではあるが、通算で11試合となる今季のリーグ戦に限っては降格と昇格を行わないという方法もあると思う。」と話しています。
 またモハマド・イシャク監督は、サッカーという産業に関わる全ての人間にとって、MFLとマレーシアサッカー協会FAMがリーグ再開方針を示したことは、全員の福利を守るという点で評価できるとも話しています。

ヌグリスンビランFAは来季昇格に向けて全勝を目指す
 2部プレミアリーグに所属するヌグリスンビランFAは、中断前の4試合を1勝0分3敗としていますが、今季のMリーグが1回戦総当たりとなったことについて、サザリ・サイドン監督は、残り試合を全勝するつもりで臨む必要があるとマレー語紙ブリタハリアン電子版に語っています。
 「開幕から4試合の結果が思わしくなかったことにより、チームにはプレッシャーがかかっているが、これまで以上に努力する必要がある。来季、スーパーリーグへ昇格するためには全試合に勝利する必要がある。さもなければ、来季もプレミアリーグに残ることになる。それは(プレミアリーグの上位5クラブに出場権が与えられる)
今季のマレーシアカップ出場についても同様である。」
 「予定されている9月のリーグ再開の前に予定されているチームとしての練習期間は2週間とされているが、その短期間に選手、監督、コーチはチームを準備するのは容易ではなく、しかも再開後の日程はおよそ1ヶ月で7試合をこなすハードスケジュールとなっているため、ヌグリスンビランFAにとっては難題となるだろう」と話しています。
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 MFLは9月1日再開、9月27日リーグ終了、4週間で8節を行う予定を立てています。またリーグ戦で5位以内に入れなければ、マレーシアカップの出場権なく、例年ならマレーシアカップに出場資格がないクラブを対象としたチャレンジカップという大会がありますが、MFLは今季のチャレンジカップの中止を発表しています。

UKM FCはホームゲーム数の公平な分配を求める
 2部プレミアリーグに所属するUKM FCは、9月再開となった場合、第2節が雷雨で中止となっているため、残りは8試合となりますが、その際にはホームとアウェイの試合数配分を公平にすることをMFLに要望していると、マレー語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 UKM FCのモハマド・ファイラス・シャフィ名誉事務局長は、まだMFLからは何も通達がないとした上で、ホームのチームは試合では有利であるとして、各クラブのホームとアウェイの試合数を不公平がないように分配することを求めています。
 UKM FCは中断前の3試合を1勝1分1敗としています。

5月2日のニュース:FAMが給料削減についての指針を発表、活動制限令解除後のM3リーグ再開を希望しないクラブも

 マレーシアサッカー協会FAMは4月22日を期限として選手、監督、コーチと給料削減についての合意を求めていましたが、合意に至らなかったクラブに対して適用されるFAMとしての指針を公式サイト上で発表しています。
 スチュアート・ラマリンガム事務局長名で出された発表の中でFAMは、新型コロナウィルスによるリーグ中断によって各クラブが受ける影響は大きいことは理解しているとする一方で、選手及びスタッフの福利についてもこれを守らなければならいとして、マレーシアのサッカー活動を統括する組織として、今回の指針を発表するに至ったと説明しています。
 さらに4月9日から22日までの交渉期間を第1段階とし、国内リーグを運営するマレーシアフットボールMFLとマレーシアプロサッカー選手会PFAMによる交渉を第2段階、そして第3段階として、今回の指針をMリーグのクラブに適用するとしています。
 以下が発表内容です。
I 今回の指針が適用されるクラブについて
1)4月22日までににクラブと選手及びスタッフと給料削減についての合意に達しているクラブには今回の指針は適用されない。
2)今年2020年3月の時点で未払い給料問題を抱えていたクラブは給料削減を選手に求めることはできない(ただし、クラブと選手及びスタッフとの間で事前合意がある場合は除く)
3)選手及びスタッフに対して今季、給料削減を行わないクラブはこの指針に従う必要はない。
注)例えば既に一律10%の給料削減で選手及びスタッフとの間で合意しているクラブは、今回の指針発表後に給料削減額を変更することはできない。
注2)また例えば既に一律40%の給料削減で選手及びスタッフとの間で合意をしているクラブは、今回の指針発表後に給料削減額を変更することはできない。
いずれも4月9日から22日の間に合意されている場合には、その内容を変更することは認められない。

II 給料削減の限度と期間
1)選手及びスタッフの給料額に基づき、削減は最大30%までとする。
2)削減の割合は給料額によって以下の通りとする。
カテゴリー1:4999リンギ(およそ12万4000円)以下−10%
カテゴリー2:5000リンギから9999リンギまで(およそ24万8000円)−15%
カテゴリー3:10000リンギから14999リンギまで(およそ37万2000円)−20%
カテゴリー4:15000リンギ以上−30%
3)30%を超える削減を行う場合は、クラブと選手およびスタッフ双方の同意が必要とする。
4)給料削減を行う期間は2020年4月より今季2020年シーズンのMリーグが再開された月までとする。例えばMリーグが8月に再開になった場合、給料削減は8月まで行えるものとする。
5)カテゴリー4の選手については、4月の削減は25%とし、5月から30%とする。

III その他
1)指針で示された給料削減の割合については、FAMはクラブの経営状況など必要に応じて変更する場合がある。
2)今季2020年シーズンの開催時期が延長される場合には、それに伴って選手及びスタッフとの契約も速やかに延長されるものとする。
 この他、今回の指針発表にあたり、FAMは法務部門、クラブライセンス部門、競技部門、スポーツ科学部門の職員からなるプロジェクトチームを作って、各クラブ、選手及びスタッフに対応するとしており、この発表の最後では、クラブ経営陣、選手、スタッフ及びサポーターが、これらの指針の受け入れを望んでいるとしています。

活動制限令解除後のM3リーグ再開を希望しないクラブも
 マレーシア全土に発令中の活動制限令は5月4日より、飲食店での食事が可能になるなど緩和されることが昨日5月1日に発表されました。しかし3月18日から続く活動制限令下では多くの経済活動が制限され、その影響から上の記事でも取り上げた各クラブが選手及びスタッフの給料を削減せざるを得ない状況となっています。
 この状況はMリーグ1部スーパーリーグや2部プレミアリーグのクラブはもとより、3部M3リーグでも同様で、特に小規模のクラブには大きな影響を及ぼしていると、マレー語紙ブリタハリアンが報じています。
 同紙が取り上げているのは、今季から高山龍選手も所属するM3リーグのランカウィシティFCですが、クラブのマネージャーを務めるモハマド・ノー・モハマド・アミンは、現在の状況はクラブにとって厳しいものになっていると述べています。
 「新型コロナウィルス感染は予期できないものではあるが、M3リーグのクラブは大半が小規模クラブであり経営危機に直面していることから、選手及びスタッフの給料支払いに悪影響が出ている」と話すモハマド・ノー氏は、「多くのM3クラブは企業スポンサーに依存しているが、その企業の多くが活動制限例により経営難に陥っている。」とも述べ、活動制限令が解除となった場合でも、今季のM3リーグは中止とするべきだと話しています。
 この他、FAMと国内リーグMリーグを統括するマレーシアフットボールMFLが提案している9月のMリーグ再開については、政府がこれを認めたとしても、ランカウィシティFCのような小規模クラブは綿密な運営計画が必要になるとし、事前に再開に向けた準備をせざるを得ないとしています。
 モハマド・ノー氏はFAMとMFLが6月に発表するとしているM3リーグ再開の可否については、M3リーグに関わる全員にとって最善のものであることを期待していると話しています。

5月1日のニュース(2):Mリーグは変則日程で9月1日再開予定と発表も、政府の認可待ち

 マレーシアの国内リーグMリーグを運営するMFLは公式サイト上で今後の計画を発表しています。7月からの各クラブの練習開始と8月からのリーグ再開というMFLの要請はは却下されたとしており、これにより当初の予定を変更し、新たな案として発表されたのは以下の通りです。くどいようですが、これは決定事項ではなく、あくまでもMFL作成案であり、Mリーグ再開については現在もマレーシア政府の認可待ちであることにご注意下さい。

1)今季2020年シーズンのMリーグ1部スーパーリーグと2部プレミアリーグは9月1日と2日より再開し、第5節から第11節までを行い、9月26日と27日を持って終了する。
2)マレーシアカップは10月17日と18日に開幕し、11月7日に決勝戦を行う。またフォーマットは従来のグループステージ形式、準々決勝と準決勝のホームアンドアウェイ形式も採用せず、他全試合をトーナメント形式とする。マレーシアカップの出場クラブはスーパーリーグ上位11クラブとプレミアリーグの上位5クラブとする(プレミアリーグ所属のBチームには出場資格なし)
3)FAカップとチャレンジカップは中止。
4)各クラブは、FAMとMFLがFIFAやAFCによる指針とマレーシア政府保健省、青年スポーツ省、国家安全保障委員会の指示に従って発表する活動方針に従って8月から練習開始。
5)すべての試合は無観客試合として実施。
6)Mリーグが9月に再開する場合、リーグ開催期間中の選手移籍は禁止
7)9月中のMリーグ再開が許可されない場合、今季2020年シーズンは中止。
8)Mリーグ3部のM3リーグの再開については、多くの試合会場施設の都合上、無観客試合の実施が難しいことから6月に決定する。

 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、上記の内容については来月6月に見直しを行うとしており、マレーシア国内の新型コロナウィルス感染拡大の状況によっては、さらに変更も考えられると話しています。
 また上記の日程が実施された場合には、スーパーリーグの優勝クラブが2021年のAFCチャンピオンズリーグへの出場権を、マレーシアカップの優勝クラブとスーパーリーグの準優勝クラブが2021年のAFCカップへの出場権が獲得しますが、万が一、9月にMリーグ再開が果たせず、今季中止となった場合には、2019年のスーパーリーグ優勝クラブジョホール・ダルル・タジムJDTがACLへ、2019年スーパーリーグ準優勝クラブのパハンFAと2019年FAカップ優勝のクダFAがAFCカップへ出場するとしています。

 今回の日程発表では、現在中断中のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選や、やはり中断中でJDTが出場中の2020年ACL、そして11月21日から12月15日にかけて予定されているAFF選手権スズキカップを念頭に置いたものだとしています。

5月1日のニュース(1):Mリーグ再開についての政府の閣議決定がFAMとMFLに伝えられる

Mリーグ再開についての政府の閣議決定がFAMとMFLに伝えられる
 マレーシアサッカー協会FAMは国内リーグMリーグの再開について、マレーシア政府による決定を受け入れたようだと、マレーシアの通信社ブルナマが伝えています。
 新型コロナウィルス感染拡大に伴い、3月18日からマレーシア全土に発令中の活動制限令MCOは、国内の新たな感染者数が減少傾向にあることから今月5月中から段階的に解除されるのではという予測があります。
 MCO発令により中断しているMリーグはMCO直後の再開を目指しており、FAMとMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは、国内のスポーツを統括する青年スポーツ省を通じて、マレーシア政府に再開許可を求めていました。
 一昨日4月29日のMCO発令中の定例記者会見の席上で、イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相が青年スポーツ省から許可を求める申請を受け取ったことを明らかしており、昨日4月30日の定例会見でMリーグ再開について何らかの発言があるのではと期待されていましたが、何も起こりませんでした。
 しかし、ブルナマの報道によると、昨日4月30日にリーザル・メリカン・ナイナ・メリカン青年スポーツ相との会合での席上で、FAMのハミディン・アミン会長とMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOに政府の決定が伝えられたということです。なお、FAM、MFLとも決定内容についてはまだ明らかにしていません。
 リーザル・メリカン青年スポーツ相は、防衛大臣でもあるイスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相が議長を勤めた閣議による決定に沿うようFAMとMFLに助言したとも報道されており、実際にリーザル・メリカン青年スポーツ相も自身のTwitterでFAMとMFLに対してアドバイスおよび決定事項を伝えたことを明らかにしています。
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 現時点では閣議決定の内容が明らかになっていないため、おそらく本日中に行われるであろうFAMとMFLからの発表を待って、5月1日のニュース(2)として後ほどアップします。

4月30日のニュース:Mリーグ再開が遅れればAFC選手権予選突破に暗雲も、クラブによる一方的な給料削減内容やその交渉を選手が明かす

Mリーグ再開が遅れればAFC選手権予選突破に暗雲も
 新型コロナウィルス感染拡大により中断中のFIFAワールドカップ(W杯)2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選では、マレーシアは5試合を終えてベトナムに次ぐグループ2位につけています。正直なところ、ワールドカップへの道のりは険しそうですが、より現実的な目標となるアジアカップ出場についてはまだ可能性を残しています。
 しかし、マレーシアの通信社ブルナマは、国内リーグMリーグの再開が10月あるいは11月となった場合、その可能性が低下するだろうという記事を配信しています。
 現在中断中のW杯アジア二次予選兼AFC選手権予選について、FIFAは11月の再開を予定しており、ブルナマの記事では、Mリーグ再開の遅れによって代表選手たちがW杯予選に臨むのに十分なコンディションになっているかどうかが心配であるとしています。
 元代表監督でもあるスランゴールFCのサティアナタン・バスカラン監督は「本番の試合の前には数試合は練習試合を行う必要があるが、マレーシア国内でのサッカーの試合解禁が10月以降になれば、練習試合を組むことが難しくなるだろう。」と述べ、さらに「(活動制限令が発令された3月18日から)6ヶ月以上自宅のみで練習してきた選手が、10月からチーム練習を始め、11月にはW杯予選に出場するという日程を想像してみれば、それがどのくらい難しいことなのかがわかるだろう。しかもW杯予選はMリーグよりもはるかに激しい試合になる。そういった試合にコンディションが整った選手を招集するのは至難の技だろう」と話しています。
 現在中断中のW杯予選でマレーシアが所属するグループGでは、ベトナムが3勝2分0敗で首位、マレーシアは3勝0分2敗で2位、以下タイ(2勝2分1敗)、アラブ首長国連邦UAE(2勝0分2敗)、インドネシア(0勝0分4敗)と続いています。なおマレーシア代表は先月3月には予選の残り試合となるアウェイのUAE戦、ホームのタイ戦とベトナム戦が予定されていましたが、いずれも新型コロナウィルス感染拡大のため延期となっています。
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 冒頭にも書きましたが、W杯出場は無理でも2007年以来となるアジアカップへの出場権は手が届くところまで来ているので、何とか出場権を獲得して欲しいです。なお2007年大会は、アセアン4カ国との共催で出場資格を得ましたが、予選を突破しての出場となると、マレーシアが最後に出場したのは1980年のクウェート大会まで遡らなければなりません。

一方的な給料削減交渉の現状を選手が明かす
 新型コロナウィルス感染拡大により中断中のMリーグの各クラブに対し、マレーシアサッカー協会FAMは、選手やスタッフとの給料削減交渉を今月4月22日までに終えるように求めていました。その後、FAMは期限を1週間延長し4月29日までとましたが、複数のクラブが交渉をおこったものの合意に至っていないことは、このブログでも取り上げましたが、マレー語紙ブリタハリアン電子版では、給料削減を迫られた選手が置かれた状況を取り上げて記事にしています。
 この記事で取り上げられている選手が所属するのはクランバリー(クアラルンプールとスランゴール州の総称)に本拠地があるクラブということですが、そのクラブは所属する選手に給料削減に関する同意書を渡し、渡されたその日のうちにサインすることを求めたそうです。
 給料削減内容を詳しく確認する時間すら与えられなかったと話すこの選手は「クラブの経営陣は今後の見通しについて選手との話し合いを行わない一方で、選手の受け取っている給料の額に関係なく給料削減を行なっている。給料が5000リンギ(およそ12万4000円)の選手の給料が40%削減されることを想像してみて欲しい。給料削減は段階的に行うと聞かされており、最終的にはどうなるかが不明で、給料未払いという事態も起こるのではないかという心配もある。」と話しています。
 ブリタハリアンの記事では、このような事態はこの記事の選手が所属するクラブを含めて、少なくとも4つのクラブで起こっていると報じ、Mリーグ1部のスーパーリーグに所属する別のクラブでは、クラブが意図的に選手との交渉を期限の前日に行い、選手が同意せざるを得ない状況になったと話しています。
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 FAMは選手とクラブが合意に至らない場合には、仲介する用意があるとしていましたが、そのような話は出ていないので、FAMそのものに選手からの信用がないのかも知れません。