6月21日のニュース
スランゴールに大敗のサラワク監督が辞任
東南アジア競技大会とAFC U23アジアカップで出場のU23代表監督とコーチがFAMに報告書提出
クダがヨルダン代表を獲得

MリーグからはJDTが出場しているAFCチャンピオンズリーグのベスト16から決勝の開催地が日本となった事が発表されています。JDTは8月18日にJリーグの浦和レッズとの対戦が決まっているものの会場は今日現在未定です。とは言え、きっと埼玉スタジアムになるのでしょう。ならばそこに集まった浦和サポーターの前でJDTがジャイキリを見せてくれたら気持ちいいだろうなぁ。

スランゴールに大敗のサラワク監督が辞任

0-7で敗れれば心労も大きいだろうなぁ。

Mリーグ1部スーパーリーグのサラワク・ユナイテッドは、B・サティアナタン監督が健康上の理由で辞任したことを発表しています。後任には、元U16代表監督やA代表のコーチを務めたこともあるB・バラチャンドラン氏が就任することも合わせて発表されています。

クラブの公式発表では、64歳のサティアナタン監督の健康状態は定期的な観察とその後の治療が必要ということです。

サラワク・ユナイテッドは先週末のMリーグ1部スーパーリーグ第10節でスランゴールに0-7と大敗し、リーグ順位も現在は2勝1分7敗、得点8失点24の11位に低迷しています。

6月25日の第11節マラッカ・ユナイテッド戦から指揮を取るバラチャンドラン新監督はメディアの取材に対して「シーズン半ばでチームを引き受けることは容易でなく、ましてや現在のチーム状況では尚更だ。とにかく降格圏から出ることを優先しながら、自分の力がスーパーリーグでも通用することを示したい。」と答えています。

2014年のAFC U16選手権ではU16代表監督としてマレーシアをベスト8に導き、A代表でも昨年のAFF選手権スズキカップまでタン・チェンホー前監督の元で4年間にわたってコーチを務めるなど経験豊富なバラチャンドラン新監督は、現在開いているトランスファーウィンドウでの新戦力獲得については経営陣次第と話し、次節のマラッカ・ユナイテッド戦は現有戦力で臨むとしています。

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開幕当初に監督を務めていたE・エラヴァラサン氏がA代表のコーチに就任したため、テクニカル・ディレクターだったサティアナサン氏ががそれを引き継ぐ形で監督に就任していましたが、昨季途中から給与未払いとなっていたサラワクは元代表監督でも立て直す事ができなかったようです。

なお今季の監督交代は、マラッカ・ユナイテッド、ペナンに続き3クラブ目となっています。

東南アジア競技大会とAFC U23アジアカップ出場のU23代表監督とコーチがFAMに報告書提出

昨日6月20日が期限となっていたU23代表首脳陣からマレーシアサッカー協会FAMへの報告書提出が行われ、FAMはその内容の精査に入るとスタジアム・アストロが報じています。

先月5月にベトナムで開催された東南アジア競技大会通称シーゲームズ2021年大会は準決勝に進出したもののベトナムに敗れ、さらに3位決定戦ではインドネシアに敗れて2017年大会以来のメダル獲得に失敗したU23代表は、今月初旬にウズベキスタンで開催されたAFC U23アジアカップに出場したものの、韓国、ベトナム、タイと同組となったグループステージでは0勝3敗得点1失点9と惨敗に終わっています

なお両大会でU23代表を率いたブラッド・マロニー監督に代わり、A代表のキム・パンゴン監督の元でコーチを務める元バルセロナFCのBチームやU19、U18などでコーチ経験があるパウ・マルティ・ヴィンセンテ氏が後任となるなどの噂も出ています。

またFAMのスコット・オドネル テクニカルディレクターTDは「ウズベキスタンでは我々が望む結果を得られなかったが、その戦犯探しをするのではなく、あらゆる角度から今後の改善についての方法を検討する予定である。」と述べて、U23の監督およびコーチから提出された報告書を自身で精査することも明らかにしています。

また今回の記事の最後でスタジアム・アストロは、昨年2021年12月に2年契約を結んでいるマロニーU23代表監督ですが、双方了解の上での契約解除が可能になる条項も含まれている可能性もあるとしています。

クダはヨルダン代表を獲得

Mリーグ1部スーパーリーグのクダはクラブ公式Facebook上で、5人目の外国籍選手としてヨルダン代表FWマフムード・アル=マルディの獲得を発表しています。

今月6月14日のAFC選手権アジアカップ2023年大会最終予選のクウェート戦でもゴールを挙げている28歳のマフムード選手は、ケガのため前半戦終了後に引退を表明したチャン・ソグォン(韓国)に代わるアジア枠の外国籍選手として登録されます。

クダは現在も開いている今季2度目のトランスファーウィンドウで、アキレス腱を痛めて今季絶望となっているデニス・ブシェニング(タイ)に代わり、元タイ代表MFサンワット・デーミットも獲得、さらに同じスーパーリーグのマラッカ・ユナイテッドからはセンターバックのアクマル・ザーヒルも獲得しており、今週6月24日からインドネシアのバリで開催されるAFCカップのグループステージに向けて補強を進めています。

クダは、インドネシアのバリ島で開催されるAFCカップのグループステージG組で、6月24日にバリ・ユナイテッド(インドネシア)、6月27日にカヤFCイロイロ(フィリピン)、6月30日にビサカFC(カンボジア)と対戦します。

3月3日のニュース
Mリーグ2部プレミアリーグの全試合がYouTubeで配信
キム新監督の代表メンバーは3月半ばに発表か
サラワク・ユナイテッドの監督に前スランゴール監督のサティアナタンTDが就任

Mリーグ2部プレミアリーグの全試合がYouTubeで配信

Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは公式サイト上で、3月5日に開幕する今季2022年シーズンのMリーグ2部プレミアリーグの全試合がYouTubeで配信されることを発表しています。MFLの公式YouTubeチャンネルはこちらです。

今季は10チームで争われるプレミアリーグですが、その中には本山雅志、深井脩平選手と東山晃テクニカルディレクターが在籍するクランタン・ユナイテッドFC、谷川由来選手が所属するクチンシティFCが含まれています。今季のプレミアリーグの日程はこちらです。

開幕戦が行われるプレミアリーグ第1節の日程は以下の通りです(キックオフはマレーシア時間。日本時間はプラス1時間です。)

3月5日(土)キックオフ
ペラFCクランタン・ユナイテッドFC21:00
トレンガヌFC IIUITM FC20:15
スランゴールFC2FAM-MSNプロジェクト21:00
JDT IIクランタンFC20:15
3月7日(月)
PDRM FCクチンシティFC21:00

またMリーグ1部スーパーリーグは昨季同様、リーグの冠スポンサーでもあるマレーシアのマルチメディア企業UnifiのYouTubeチャンネルで配信されることも発表されています。UnifiのYouTubeチャンネルはこちらです。

キム新監督の代表メンバーは3月半ばに発表か

マレーシア代表のキム・パンゴン新監督は今月2月にマレーシア入りして以降は積極的に各クラブの練習に足を運び、JDTとKLシティが対戦した先週末のチャリティーカップもスルタン・イブラヒムスタジアムで観戦したようです。

そのキム監督の初陣となるのは3月23日のフィリピン戦と3月26日のシンガポール戦となることがマレーシアサッカー協会FAMから発表されていますが、これらの試合に向けて、キム監督とコーチ陣は、明日3月4日に開幕する今季のMリーグの第1節6試合と第3節6試合の計12試合をスタジアムと映像とで観戦予定であると、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。

同じ記事の中では、A代表のチームマネージャを務めながらスズキカップでの惨敗後に辞任したFAMのユソフ・マハディ会長代行は、3月16日頃までには代表候補合宿招集メンバーが決まりだろうと話しています。

マレーシア代表は3月の練習試合2試合の後は、6月にクアラルンプールで開催されるAFC選手権アジアカップ2023最終予選で、バーレーン、トルクメニスタン、バングラディシュと対戦します。

サラワク・ユナイテッドの監督に前スランゴール監督のサティアナタンTDが就任

キム・パンゴン代表監督がアシスタントコーチに指名したE・エラヴァラサン監督が退任したサラワク・ユナイテッドFCは、B・サティアナタンTD(テクニカルディレクター)の監督就任を発表しています。

昨日3月2日に監督就任後の初練習を指揮したサティアナタン監督は、3月4日の開幕戦で対戦する昨季2位のクダ・ダルル・アマンFC、3月9日の第2節で対戦するに昨季チャンピオンのJDTの対策については、わずか2日ではできることはないと話し、エラヴァラサン前監督のゲームプラン通りに試合を進めたいと、スタジアムアストロの取材に答えています。

昨年末に給料未払い問題が明らかになり、今季のクラブはその返済を優先し、積極的な補強が叶わなかったものの、サティアナタン監督は今季の目標に1部スーパーリーグ残留を挙げたものの、有名選手不在のチーム状況については、1試合ごとに選手が全力を尽くせるようにしたいと話すにとどまっています。

2022年シーズン開幕直前!
Mリーグ1部スーパーリーグクラブ紹介第6回
ヌグリスンビランFC & サラワク・ユナイテッドFC

Mリーグ2022年シーズンは2月26日のピアラ・スンバンシー(チャリティーカップ)で開幕しますが、今季開幕前に今季のMリーグ1部スーパーリーグの12クラブを紹介する最終回は、いずれも今季スーパーリーグに昇格する昨季Mリーグ2部プレミアリーグ1位のヌグリスンビランFCとプレミアリーグ2位のサラワク・ユナイテッドFCです。この2クラブは昨季は2部プレミアリーグに所属していたため、ボラセパマレーシアJPが情報不足なところもありますので、内容はこれまでの5回に比べると薄くなっている点をご容赦ください。

ヌグリスンビランFC(2021年シーズンプレミアリーグ1位)

本拠地:トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
2021年シーズン成績:2部プレミアリーグ1位(12勝5分3敗)得点33(リーグ4位)失点16(同2位)
過去5シーズンの成績:2017年2部5位-2018年12位-2019年2部6位-2020年2部11位-2021年2部1位
監督:K・ディヴァン(マレーシア)
外国籍選手:
 *DFエラルド・グロン(フランス)
 *FWマテウス・アウヴェス(ブラジル)
 *FWコッシ・アデトゥ(トーゴ)
 *MFデヴィッド・マウーター(タジキスタン/ガーナ-AFC枠)
 *MFオミド・ナザリ(フィリピン/イラン-アセアン枠)

主なマレーシア人選手(*は新加入選手、#は2021年にマレーシア代表に招集された選手):
 *GKシャイハン・ハズミ(PJシティより加入)
 DFザムリ・ピン・アムリ
 DFナスルラー・ハニフ・ジョハン
 *DFアフマド・クザイミ・ピー(UITMより加入)
 *DFチェ・ラシド・チェ・ハリム(マラッカ・ユナイテッドより加入)
 *DFカイル・ジョーンズ(サラワク・ユナイテッドより加入)
 MF K・サルクナン
 MFシーン・セルヴァラジ
 MFサイフル・リズワン
 FWザクアン・アドハ

チーム紹介:
4年振りに1部スーパーリーグに復帰するヌグリスンビランFC(以下ヌグリスンビラン)。外国籍選手を全て入れ替え、マレーシア人選手も昨季のメンバーからは、5ゴールを挙げたMFのR・バラトクマル、その弟のDFのR・アルーン・クマル(いずれもPJシティに移籍)、正GKとして16試合に出場したGKダミアン・リム(サバに移籍)らが退団と、昨季からはメンバーが大きく変わっています。その一方で、新加入のマレーシア人選手はクザイミ・ピー、チェ・ラシドなど実績ある選手を獲得しているだけに、戦力面ではむしろ昨季からはアップしていそうです。となれば外国籍選手の活躍が1部での成績に直結しそうです。

昨季は失点を抑えて勝つというチームカラーからヌグリスンビランですが、同じことが1部スーパーリーグでもできるのか。そして昨季のチーム総得点33点中、退団した選手たちが挙げた21点分の穴をどのように埋めていくのか。この二つの問いの正解が見つけられれば、1部残留、見つけられなければ1シーズンで2部に降格もあり得る、というのが今季のヌグリスンビランです。

ボラセパマレーシアJP的注目選手
・ザクアン・アドハ
昨季は17試合に出場し、マレーシア選手としてはチーム1位の7ゴールを挙げたザフアン・アドハは、主将としてもチームを牽引しました。今年35歳になるベテランは、自身にとっては2季ぶりとなる1部スーパーリーグでも同じような活躍を見せらられるのかに注目です。

・マテウス・アウヴェス
2017年シーズンにパハンに加入すると、リーグ2位となる18ゴール(21試合)を挙げたマテウス・アウヴェスが5季ぶりにMリーグに戻って来ます。パハン退団後は水原FC(韓国2部)、チョンブリーFC、PTプラチュワップFC、ポリス・テロFC(いずれもタイ1部)そして昨季は忠南牙山FC(韓国2部)と渡り歩いて経験を積んだマテウスは28歳となり、5年前はなかった円熟味も加味されていれば、今季の得点王争いに絡んでくる可能性大の選手です。またそうなれば、チーム自体も1部初年度ながら躍進が期待できます。

サラワク・ユナイテッドFC(2021年シーズンプレミアリーグ2位)

本拠地:サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
2021年シーズン成績:2部プレミアリーグ2位(11勝5分4敗)得点37(リーグ2位タイ)失点14(同1位)
過去5シーズンの成績:2017年3部6位-2018年3部2位-2019年2部9位-2020年2部10位-2021年2部2位
監督:E・エラヴァラサン(マレーシア)
外国籍選手:
 FWウチェ・アグバ(ナイジェリア)
 *FWフランシス・コネ(トーゴ)
 DFゴンサロ・ソト(アルゼンチン)(2/22追加)
 DFリー・チャンフン(韓国-AFC)
 DFボリス・コック(カンボジア-アセアン枠)

主なマレーシア人選手(*は新加入選手、#は2021年にマレーシア代表に招集された選手):
 GKシャルビニー・アラウィー
 *DFカライハラサン・レチュマナン(PDRM FCより加入)
 DFカイル・ジョーンズ
 DFアメル・サイディン
 *DFアミルル・アシュラフ(ペラFCより加入)
 MFラヒム・ラザク
 MFシャミー・イスズアン
 MFクリスティ・ジャヤシーラン
 MFスチュアート・ウォーク
 *MFカイルル・アヌアル(PJシティFCより加入)
 FWスピアー・チャントゥル
 FWゴピ・リズキ

チーム紹介(2/22一部追記しました):
2月22日のトランスファーウィンドウ最終日にフランシス・コネ、ゴンサロ・ソト、そしてボリス・コックとの契約を発表したサラワクユナイテッドFC(以下サラワク)。Mリーグでプレー経験のあるコネ選手はKL(2020年)、ヌグリスンビラン(2021年)に続いてこのサラワクが3クラブ目で、ソト選手は2016年と2017年の両シーズンにPKNS FC(現スランゴール2)でエラヴァラサン監督の元でのプレー経験もあります。(ちなみにボリス・コックはウィキペディアでは代表キャップ数2となっており、Mリーグではアセアン枠で獲得する選手に『最低キャップ数』といった条件がないことを初めて知りました。)

2部では得点リーグ2位タイ、失点はリーグ1位と圧倒的な強さを見せたサラワクですが、昨季はシーズン中に給料未払い問題が明らかになり、しかもオーナーが未払いではなく遅配であると言い張るなど、運営が不安定なチームという印象が強く、ボラセパマレーシアJP的には今季2部降格の最有力候補です。

ボラセパマレーシアJP的注目選手
・ウチェ・アグバ
昨季はリーグ戦とカップ戦を合わせたチームの全試合26試合に出場し、総得点46点中、19点を挙げたチームの大黒柱。Mリーグでは4季目を迎え、2020年はマラッカでプレーするなど1部スーパーリーグでもプレー経験があるエースですが、1部では当然マークも厳しくなり、昨季同様の活躍は期待できないかも知れません。昨季のチーム2位の得点を挙げたのは退団したサンドロとラヒム・ラザクの5点ですので、アグバ選手が封じられると、チーム全体の得点力も大きく下がりそうです。

2月10日のニュース(1)
再契約の約束を反故にされたと主張するサラワクUのブラジル出身FWが失意の帰国
マレーシア国内新規感染者増もFAMはアジアカップ3次予選開催地として立候補の意向は変えず

再契約の約束を反故にされたと主張するサラワクUのブラジル出身FWが失意の帰国

昨季はMリーグ2部プレミアリーグで2位となり、今季は1部スーパーリーグに昇格するサラワク・ユナイテッドは、昨季終了後も選手や監督、コーチへの給料が未払いとなっていましたが、オーナーが「未払いではなく遅配である」と嘯き、またこれをメディアに公開した選手に対しては「事を大袈裟にしてクラブを貶めるような選手はいらない。」などと逆ギレ気味の発言をするなど、その運営姿勢には大いに問題があるクラブですが、今度は再契約をちらつかせられた外国籍選手がマレーシアへ戻ってきたら、クラブからは不要と言われて帰国するという事件が起こっているようです。

スポーツ専門サイトのスタジアムアストロによると、昨季サラワク・ユナイテッドに在籍したサンドロ・ダ・シルヴァは再契約を約束されて今年1月22日に母国のブラジルからマレーシアへ入国したそうですが、クラブからはE・エラヴァラサン監督の決定により新たな外国籍選手と契約すると告げられて、サンドロ選手とは再契約しない旨を告げられたと報じられています。

2015年にクダに加入し、その後はスランゴールでのプレーを経て、昨季からはサラワク・ユナイテッドでプレーしていた今年38歳のサンドロ選手は、クラブ関係者からは再契約を前提としていると聞かされており、他のクラブからのオファーを受けていたがそれらを断るようにとも言われていたと話しています。「再契約の意思がないならそれを伝える電話一本で済むことで、わざわざ自分をブラジルからマレーシアまで呼び寄せる必要はなかったはずだ。」と話したサンドロ選手は、再契約をちらつかせたクラブ関係者には失望していると話す一方で、その名を明かすつもりはないとし、さらに現時点ではこのまま引退する可能性が高いとも話しています。

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サンドロ選手について取り上げたスタジアムアストロの記事に対して、サラワク・ユナイテッドは記事の内容を否定する声明をクラブ公式Facebookに投稿しています。これによればクラブはサンドロ選手に対して昨年12月2日に今季2022年シーズンの契約を提示したものの、サンドロ選手が12月6日にこれを拒否した上で新たな再契約オファーの提案があったとしています。サンドロ選手からは「メッセージアプリのWhatsApp」を利用して回答があったことから、クラブはその提案内容を正式に書面で提出するように求めましたが、その期限とした1週間後までに書面での提出がなかったことからクラブはサンドロ選手側に契約の意思がないと判断したと説明しています。この他、サラワク・ユナイテッドはサンドロ選手に交渉のためにマレーシア入国を求めたことも否定し、今回のマレーシア入国はあくまでもサンドロ選手の意思によるものだともしています。

マレーシア国内新規感染者増もFAMはアジアカップ3次予選開催地として立候補の意向は変えず

マレーシアは成人の半数以上が3度目のブースタ-接種を終えていますが、新型コロナの1日当たりの感染者数は連日、今年最高を記録し続け、2月9日は1万7000人を超えています。そんな中でマレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長は、マレーシアがAFC選手権アジアカップ2023年大会3次予選の集中開催地として立候補する意向は変わっていないと述べています。

マレーシアの通信社ブルナマによるとハミディンFAM会長は、オミクロン株による国内の新規感染者数急増について、この状況は対応できる範囲内にあり、一定期間後には感染者数が減っていくとするマレーシア政府保健省の主張を信じていると話しています。その上で国内のスポーツを統括する青年スポーツ省に対しては、アジアカップ3次予選開催のための表中作業手順SOPの見直しは特に行わないとも述べています。

「新規感染者数が増加傾向にあることは理解しているが、多くの国民がワクチン接種している現在は、これまでの状況とは異なると考えている。FAMは保健省や国家安全保障委員会が設けた基準に則って、アジアカップ3次予選をマレーシアで開催する意向をAFCに文書で伝えてあり、今はそれ変更する予定はない。実際に開催地に選ばれるかどうかは今月2月24日の組み合わせ抽選以降になり、それを選ぶのはAFCだが、マレーシアだけでなく3次予選に出場する多くの国が開催地として立候補していると聞いている。」と話したハミディンFAM会長は、開催地決定は渡航者に検疫隔離を義務付けていない国などとの競合になるとしながらも、1980年大会以来となるAFCアジアカップ出場を果たすための本拠地開催に意欲を示しています。

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マレーシアは2007年にタイ、ベトナム、インドネシアと共同開催したアジアカップで「開催地枠」での出場はあるものの、予選を突破しての出場となると上記の1980年クウェート大会まで遡らなければなりません。また国外の開催となれば、マレーシア政府が渡航者全員に義務付けている検疫隔離により国内リーグの日程も影響を受ける可能性もあることから、マレーシアは自国での3次予選開催を強く希望しています。昨日2月9日には、マレーシア政府の諮問機関の国家復興評議会NRCが渡航者に義務付けている検疫隔離措置について、3月1日付けで全面的に撤廃し、国境を完全に開放するよう政府に提案するなど、アジアカップ予選を開催する環境も整いつつあります。 とは言え、昨年末のスズキカップ2020の代表のプレーぶりを見る限りでは、自国開催が実現したとしてもキム新監督が何かマジックを使わない限り、3次予選突破は容易ではなさそうです。


1月14日のニュース
MFLは給料未払いの2クラブに警告もその有効性は甚だ疑問

MFLは給料未払いの2クラブに警告もその有効性は甚だ疑問

Mリーグを運営するMFLは、給料未払いが明らかになったMリーグ1部のマラッカ・ユナイテッドとサラワク・ユナイテッドの両クラブに対して、MFLが設けた期限までに解決されない場合には新規の選手獲得禁止処分を科すことを警告しています。

マレーシアの通信社ブルナマによれば、昨季2021シーズンの選手や首脳陣の給料未払いが明らかになったマラッカ・ユナイテッドとサラワク・ユナイテッドに対し、MFLは未払い給料の支払い期限を1月31日とし、この期限までに支払いが完了しない場合には2月1日以降は新たな選手獲得を禁止する処分を科すと発表しています。また、さらにこの2月1日を超えても14日以内に未払いが完了しない場合にはさらに勝点剥奪処分が科されるとということです。

MFLによれば、サラワク・ユナイテッドは昨年末の時点で選手や首脳陣合わせて39名に対して未払い給料があり、現時点ではその内の15名には支払いが完了しているということです。残る24名については支払い期限の1月31日までに完済できない場合や、あるいはこの24名との間で支払い期限延長に同意が得られない場合には、新規選手獲得の禁止処分が科されるということです。

またマラッカ・ユナイテッドについては給料未払いが起きていることがメディアで報じられている一方で、選手からMFLに対して公式な申し立ては行われていないことをスチュアート・ラマリンガムCEOは明らかにし、選手たちへの支援を表明したマレーシアプロサッカー選手会PFAMがクラブとの交渉の窓口となり問題が解決することを期待していると話しています。

スチュアートCEOは、昨季Mリーグ1部と2部でプレーした計22チーム中、昨年末の段階でサラワク・ユナイテッド、マラッカ・ユナイテッド、ペラの3チームが未払い給料問題を抱えていたと述べ、ペラについては新たな経営陣がMFLと連絡を取り合いながら問題解決に取り組んでいると説明しています。

また未払い給料問題を抱えているにも関わらず、この3クラブが今季2022年のMリーグに参加するためのクラブライセンスをMFLが交付したことについては、未払い給料問題が発覚がクラブライセンス申請書類提出期限の6月30日以降だったことを理由に挙げ、PFAMの要望に基づき、2023年のクラブライセンス申請については書類提出期限を9月30日に変更して対処するとスチュアートCEOは説明しています。なお、次年度のクラブライセンス申請をさらに遅らせて、シーズンが終了する11月末までとするべきと声が出ていることについては、次年度のMリーグに出場するクラブのリストをAFCに提出する都合上、難しいと弁明しています。

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昨年12月1日から始まっているMリーグの今年1回目のトランスファーウィンドウ期間は2月22日までで、3月の開幕を控えたMリーグの各クラブは大半が選手の新規獲得を終えており、上で取り上げたサラワク・ユナイテッドやマラッカ・ユナイテッドにとっては2月1日以降の選手獲得禁止処分を受けることになったとしても、その時期までに新戦力を揃えておけば痛くも痒くもない処分です。また勝点剥奪処分については、2020年、2021年といずれも未払い給料問題を理由に勝点3を剥奪されているマラッカ・ユナイテッドは今季も何事もなかったかのように1部スーパーリーグに残れているわけで、1部残留がシーズンの目的ならこちらもそれほどの痛手ではありません。未払い給料問題を理由にかつてはプルリス州サッカー協会に活動停止、そのクラブチームのプルリスFAをリーグ除名処分と強権発動したにも関わらず、3年連続で給料未払い問題を起こしたマラッカ・ユナイテッドが他のクラブと同じ規則に基づいて処分されるというのを聞くと、マラッカ・ユナイテッドが特別扱いなのは、マレーシアサッカー協会FAMのNo.2がマラッカ州サッカー協会のNo.2でもあることによる「忖度」なのではと勘ぐりたくもなります。

12月27日のニュース:マレーシアの最新FIFAランキングは154位と変わらず、女子代表GKがインドのアマチュアリーグで「武者修行」、国外からの代表監督招聘に元代表監督がクギ、サラワク・ユナイテッドFCは未払い給料を完済

 スズキカップ2020はタイがベトナムを2試合連続完封して決勝進出を決め、12月29日と来年2022年元旦の決勝(2試合制)でインドネシアと対戦します。地力に勝るタイと勢いのインドネシアの対戦は今年の東南アジアサッカーのフィナレーとして面白い試合になりそうで今から楽しみです。

マレーシアの最新FIFAランキングは154位と変わらず

 最新のFIFAランキングが発表されマレーシア代表は男子が154位、女子が88位となっています。男子は前回発表となった11月から変わっていませんが、女子は前回8月の発表の92位から順位を4位上げています。
 昨年2020年最後のランキング発表では男子が153位、女子が83位だったことから、2021年通年では男子は1位、女子は5位とそれぞれランキングを下げたことになります。
 なお次回のFIFAランキングは来年2022年2月10日に発表される予定ですが、男子はグループステージで敗退したスズキカップ2020で166位のインドネシアに敗れており、次回発表ではランキングが下がる可能性があります。。

女子代表GKがインドのアマチュアリーグで「武者修行」

 今年9月にパレスチナで行われたAFC女子アジアカップにも出場したマレーシア女子代表のGKヌルル・アズリン・マズランがインドのアマチュアリーグに参戦するとマレーシア語紙ウトゥサンマレーシアが報じています。
 21歳のヌルル・アズリン選手は12月22日にマレーシアを出発し、インド南部のバンガロールを拠点とするアマチュアクラブのミサカ・ユナイテッドFCに合流し、既に練習に参加しているということで、気温18度とマレーシアでは経験できないような寒さの中で練習をこなしているようです。
 ヌルル・アズリン選手が出場するアマチュアリーグのカルナタカ女子リーグは来年2月までおよそ2ヶ月間続くということですが、その際の宿泊費や食費さらには移動の費用もクラブが負担するということも報じられています。
 AFC女子アジアカップ予選ではパレスチナに2-0で勝利したマレーシアですが、同じH組のタイには0-4で敗れて来年2022年にインドで開催される本戦出場を逃しています。

国外からの代表監督招聘に元代表監督がクギ

 スズキカップ2020ではグループステージで敗退したマレーシア代表ですが、前回2018年大会準優勝からのグループステージ敗退となったことで2022年まで契約が残るタン・チェンホー監督の更迭論なども浮上し、さらにその後任候補としてマレーシアU16代表元監督で、今年のマレーシアカップでKLシティFCを32年ぶりに優勝させたボジャン・ホダック監督の名前も上がっています。また、ホダック監督自身も自身は十分、代表監督の候補になるうるとして、成績に話があれば検討すると発言するなど賑やかになっています。
 そんな中、2007年から2009年まで代表監督を務めたB・サティアナタン氏は、来年6月に予定されているAFC選手権アジアカップ2023年大会最終予選を控えた現時点の監督交代は大きな「賭け」であり、決定に際してマレーシアサッカー協会FAMは様々な角度から検討するべきであるとマレーシアの通信社ブルナマの取材に答えています。
 現在は今季Mリーグ2部で2位となり来季は1部に昇格するサラワク・ユナイテッドFCのテクニカルディレクターを務めるサティアナタン氏は、特に外国籍の監督を採用する場合の給与を例に挙げています。
 「ベトナム代表のパク・ハンソ監督は手取りで月給5万5000米ドル(およそ630万円)と聞いているが、それはパク監督の月給であり、他のコーチの月給はこれとは別である。もしFAMが同様に有能な外国籍の代表監督を採用するのであれば、FAMだけでこの給料を支払うことは容易ではなく、スポンサーを探す必要があるだろう。しかし果たしてそんなスポンサーは見つかるだろうか。」と述べたサティアナタン氏は、今回のスズキカップ2020の準決勝に進出した4チームの内、ベトナムはパク監督、インドネシアはシン・テヨン監督、そしてシンガポールは吉田達磨監督と韓国と日本から指導者を招いていることを指摘し、アジア出身の監督も含めて外国籍監督の招聘そのものには反対ではないとしながらも、ベトナムの躍進はパク監督が2017年から長期にわたって指導を続けた結果だとして、外国籍監督を採用する場合でもこのベトナム同様に長期的なプランを検討するべきであるとも述べています。
 「外国籍監督を採用する場合でも、FAMは短期の成功を期待するのではなく、選手やコーチの選択、さらにチームのプレースタイルなども全て監督に一任した上で、一定の期間は任せる覚悟が必要である。」とも述べて、そのためにもキュ葉面などを含めた条件を慎重に検討することが大事だとしています。

サラワク・ユナイテッドFCは未払い給料を完済

今季Mリーグ2部プレミアリーグで2位となり、来季は1部スーパーリーグへ昇格するサラワク・ユナイテッドFCはおよそ200万リンギ(およそ5450万円)に及ぶ未払い給料を完済したと、マレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。
 サラワク・ユナイテッドFCの共同オーナーでサラワク州サッカー協会のポサ・マジャイス会長は過去3ヶ月分の未払い給料は既に完済されたことを明らかにしています。
 未払い給料が完済されたことで、サラワク・ユナイテッドFCは1部昇格に備えてチーム編成に取り掛かりたいと話すポサ会長は、未払い給料は様々な要因による単なる遅配であり、支払うつもりがないということではなかったとこれまでの主張を繰り返し、さらには今回の未払い給料については、一部の選手が問題を大ごとにして、チームの評判を落とそうとしていたと責任転嫁とも言える発言もこれまで通り繰り返しています。
 また来季に向けては5名の主力選手との契約を解除し、このチームで来季もプレーしたいという選手だけが残ったと述べたポサ会長は、給料未払い問題が解決したことで、直ちに来期へ向けてのチーム編成に取り掛かりたいと話しています。
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 給料未払い問題が発覚したことで、来季2022年のクラブライセンスが条件付きで発給されていたサラワク・ユナイテッドFCは、この問題が長期化すれば、1部昇格取り消しの可能性も取り沙汰されていましたが、期限とされていた12月31日までに全ての選手への未払い給料支払いが終わったようです。ただし、Mリーグの選手とクラブの契約は11月末までが一般的とされており、契約期間を終えて未払い給料があった事態に対してFAMあるいはMリーグを運営するMFLが何の処分も科さないとすれば、未払い給料問題を容認したことにもなり、今後も結果的に払えば「未払い」ではなく「遅配」という説明がまかり通ることになりますが、毎度毎度の通り今回もマレーシア的決着で誰も処分されず、うやむやになるのだろうなぁ。



12月18日のニュース
主力が大挙退団のクダは来季の運営資金削減を発表
代表FWシャフィクはクダへ期限付き移籍へ
給料未払いを明らかにしたサラワクUの主将が契約を1年残し退団

主力が大挙退団のクダは来季の運営資金削減を発表

 Mリーグ1部スーパーリーグのクダ・ダルル・アマンFCは、過去に在籍した選手への給料未払いが発覚した上、現役選手らについても数ヶ月の給料遅配も報じられる中、今季は2位の成績を挙げ、来季のAFCカップ出場権も獲得しています。しかし今季終了後には在籍した外国籍選手5名全員の退団に加え、バドロル・バクティアル、リザル・ガザリの代表コンビも同じスーパーリーグのサバFCへ移籍することが発表され、来季は主力選手が大幅に入れ替わることが明らかになっています。
 そのクダ・ダルル・アマンFCが来季は資金を今季より大幅に削減して運営されると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。クダ州州首相でもあるクダ州サッカー協会のムハマド・サヌシ・ノー会長は、クダ・ダルル・アマンFCの運営資金が今季の3000万リンギ(およそ8億800万円)から2200万リンギ(およそ5億9200万円)となることを発表し、外国籍選手と主力マレーシア人選手の退団により資金削減が可能になったと話しています。
 昨年2020年5月にクダ州首相就任と同時にクダ州サッカー協会の会長にも就任したサヌシ会長は、政敵でもあった前会長下での外国籍選手を含む複数の選手との高額契約がクラブの財政を圧迫していたことが現役選手の給料遅配につながったとして前会長によるクラブ運営を批判し、今後はクラブの資金規模にあった運営を行うと述べ、、高額契約の選手が退団、移籍したことで今後は給料未払いの問題は発生させないとしています。
 クダ・ダルル・アマンFCが昨季、今季と2季連続スーパーリーグで2位となったのは、同じスーパーリーグのトレンガヌFCへ移籍することが発表されたリベリア代表のクパー・シャーマン、チェチェ・キプレ(コートジボワール)のフォワードコンビ、そしてサバFCへ移籍する代表コンビらの力が大きかったのですが、彼らを含め今季の主力7名が抜ける上に、クラブの資金が2割以上も削減される来季は、他のクラブが積極的に補強を起こっているのとは対照的で、優勝争いどころか10年振りのBクラス(7位以下)の可能性もあります。

代表FWシャフィクはそのクダへ期限付き移籍へ

 現在開催中のスズキカップ2020に出場中のマレーシア代表でプレーするFWシャフィク・アフマドはMリーグ1部スーパーリーグのJDTに所属していますが、代表選手でありながら選手層が厚いJDTでは出場機会に恵まれず、今季のJDTの公式戦(リーグ戦およびカップ戦)33試合中、出場したのはわずか8試合でそのうち先発は2試合しかありません。
 シーズン中にはソーシャルメディアで「試合に出ている仲間を見ているのは楽しいな」と皮肉混じりに自身の不遇を託つと、チームのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下からは「チームを去りたければ自由にすれば良い」と言い放たれるなど、今季は散々なシーズンになりました。
 そんなシャフィク選手が期限付きで同じスーパーリーグのクダ・ダルル・アマンFCに移籍が濃厚になったと英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。クダ・ダルル・アマンFCの前身のクダFAのユースで育ち、プロデビューもクダFAだった26歳のシャフィク選手は2018年にJDTに移籍するとその才能が開花し、代表では2018年に3ゴール(8試合)、そして翌2019年にはFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選のアラブ首長国戦やインドネシア戦でもゴールを決め、この年は最終的に5ゴール(9試合)を挙げるなどして代表の主力として活躍しました。
 しかし新型コロナの影響でワールドカップ予選が延期となり、さらに国内リーグも短縮されて開催された昨年2020年12月のシーズンオフには、シャフィク選手は自身が運転する車で事故を起こし、生後22日の長男を含む3名が亡くなりました。その事故の影響があったかどうかはわかりませんが、今季開幕を迎えるとJDTのトップチームにはシャフィク選手の名はなく、今季の初出場はチームの6試合目でしかも90分からの途中出場でした。結局今季のスーパーリーグでは4試合に出場し、うち1試合が先発、出場時間は4試合合計で91分、その後に行われたマレーシアカップでも4試合に出場し、うち先発1試合、出場時間は4試合合計で88分といった状況でした。
 それでもタン・チェンホー代表監督は6月にアラブ首長国連邦で開催されたワールドカップ予選、そして10月に行われた中東遠征のいずれにもシャフィク選手を代表チームに招集し続け、そしてスズキカップ2020出場に出場している24名のマレーシア代表にもその名を連ねています。
 クダ・ダルル・アマンFCの期限付き移籍についてクラブ運営会社のカマル・イドリス・アリCEOはJDTとの交渉が行われていることを認め、さらにシャフィク選手自身からは再びクダでプレーしたいという希望が明かされているということです。
 JDTのオーナーのイスマイル殿下はシャフィク選手の移籍先についてAFC主催大会に出場できるチームを条件にしていると話し、これに当てはまるのはいずれもAFCカップに出場するクダ・ダルル・アマンFCとKLシティFCしかないことから、シャフィク選手のクダ・ダルル・アマンFC移籍は濃厚と見られています。
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 シャフィク選手のファンとしては、出場機会を得るための移籍は望ましいことに思えます。タン代表監督が気に入っているとは言え、今後も試合に出なければ試合感は鈍り、いつかは代表に呼ばれなくなるどころか、このまま選手としても向上せずに選手生命を終えてしまう可能性すらあります。一方でクダでは出場機会が得られるだけでなく、スーパーリーグ随一の堅牢さを誇るJDTを相手にプレーすることになり、それを破って得点を挙げられればシャフィク選手もかつての輝きを取り戻してくれるかも知れません。

給料未払いを明らかにしたサラワクUの主将が契約を1年残し退団

 今季Mリーグ2部で2位となり来季の1部昇格を決めているサラワク・ユナイテッドFCはシーズン終盤に一部選手への給料未払いが明らかになったものの、クラブのオーナーであるサラワク州サッカー協会がその速やかな解決を約束していましたが、実際にはその約束は守られていなかったようです。
 英字紙スターはサラワク・ユナイテッドFCのテイラー・リガン主将がクラブが給料未払い問題を解決する意思がないとして、1年の契約を残して退団し、この事態をFIFAに提訴済みであると報じています。この記事ではサラワク州サッカー協会はリガン選手を含めた複数の選手に対して給料未払いに加えて勝利給も未払いとなっているということです。さらにクラブの共同オーナーでもあるサラワク州サッカー協会のポサ・マジャイス会長は今年3月からクラブに姿を見せていないことにも失望していると話すリガン主将は、この現状を明らかにするためにチームを離れることを決意したと述べています。
 給料未払いの問題を抱えながらもプレーが続けられた理由として、チームメートや監督、コーチと良好な関係を挙げたリガン主将は、そういった仲間と一緒にプレーできたのは幸せだったとも話し、既に複数のクラブから受けている獲得オファーについてはクリスマス以降に決めたいとも話しています。
 来季1部昇格の権利を得ているサラワク・ユナイテッドFCですが、マレーシアサッカー協会FAMのクラブライセンス発給である第一審査機関FIBからはこの給料未払い問題の解決を条件とした上で来季のクラブライセンスを発給されており、サラワク州サッカー協会のマジャイス会長は10月までに未払い給料を完済したと述べていました。しかし11月には複数の選手がマレーシアプロサッカー選手会PFAMに給料未払いを訴え出ており、事態の真偽を確かめるためMリーグを運営するMFLがサラワク州サッカー協会とマジャイス会長から聞き取りを行うことが発表されていました。現時点ではこの聞き取りについては現時点では何も明らかになっていませんが、給料未払い問題が解決されていない場合にはクラブの来季1部昇格が取り消しになるだけでなく、クラブライセンスの発給を受けられなくなることも考えられ、その場合には来季のMリーグ参戦も不可能になります。
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 サラワク・ユナイテッドFCの1部昇格が取り消しになれば、今季2部プレミアリーグで5位となったクチンシティFCが昇格となることも考えられますが、サラワク・ユナイテッドFCには最悪の場合にはチーム解散といった噂も出ており、MFLによる聞き取りの結果に注目が集まります。
 サラワク・ユナイテッドFC(当時はサラワクFA)は2019年シーズンにプレミアリーグで最下位の11位となり、Mリーグ3部のM3リーグで2位となったクチンFA(当時、現在のクチンシティFC)との入れ替え戦に敗れて3部降格が決まりましたが、経営不安を抱えていた同じプレミアリーグで9位のスランゴール・ユナイテッドFCを買収し、クラブの本拠地をスランゴール州からサラワク州に移してサラワク・ユナイテッドFCと名称変更する離れ業で2部に留まっています。

マレーシアカップ-準々決勝第2戦結果

 11月14日にマレーシアカップ準々決勝第2戦の4試合が行われ、JDT(Mリーグ1部今季1位)、トレンガヌFC(同4位)、KLシティFC(同6位)、マラッカ・ユナイテッド(同8位)の4チームがベスト4に進出しています。準々決勝と同様、準決勝もホームアンドアウェイ方式で行われ、第1戦は11月22日、第2戦は11月26日に予定されています。

マレーシアカップ準々決勝第2戦
2021年11月18日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
KLシティFC 1-0 スランゴールFC(2試合通算:KLシティFC 3-0 スランゴールFC)
得点者:KL-ロメル・モラレス(51分)
 絶好調を維持するロメル・モラレスがマレーシアカップ8試合で10ゴール目となるゴールを決めたKLシティFCが準々決勝2試合に連勝して、1992年以来29年振りとなる準決勝進出を決めています。KLシティFCの今季ホーム無敗記録はこの日の勝利で15試合(12勝3分)に伸びています。
 ケガでグループステージでの出場がなかった今季のリーグ得点王イフェダヨ・オルセグンが復帰したスランゴールFCは準々決勝1回戦とは明らかに別のチームで、選手同士の連動も目に見えて良くなっていました。後半には検疫隔離明けのU22代表主将のMFムカイリ・アジマルを投入するなど総力戦で臨みましたが、総合力で上回ったKLシティFCの軍門に降りました。
 いずれも首都圏クランバリーに本拠地を持つ両チームが対戦した「クランバリーダービー」に連勝したKLシティFCは準決勝ではマラッカ・ユナイテッドと対戦します。

2021年11月18日@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ・ユナイテッドFC 2-1 サバFC(2試合通算:マラッカ・ユナイテッドFC 3-1 サバFC)
得点者:マラッカ-アドリアーノ(3分)、ソニー・ノルデ(77分)、サバ-リスト・ミトレフスキ(90+3分PK)
 マラッカ・ユナイテッドFCがソニー・ノルデの2戦連発となるゴールなどでサバFCを破り、クラブ史上初となる準決勝進出を決めています。

2021年11月18日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダルプテリ)
JDT 0-0 クダ・ダルル・アマンFC(2試合通算:JDT 1-0 クダ・ダルル・アマンFC)
得点者:JDT-アリフ・アイマン(40分)
 2019年に続く連覇(2020年は新型コロナ感染拡大により中止)を目指すJDTが19歳のFWアリフ・アイマンのゴールで挙げた1点を守り切り、準決勝に進んでいます。
 今季のMリーグ1部1位と2位の対決となった準々決勝第1戦のホームゲームを0-0で終えたクダ・ダルル・アマンFCは初戦を欠場したチェチェ・キプレが先発し、GKシャーリル・サアリの好セーブを連発しましたが、今季ホームでは12勝1分1敗と圧倒的な強さを誇るJDTの前に敗れています。
 JDTは準決勝でトレンガヌFCと対戦しますが、今季唯一の黒星がホームでのトレンガヌFC戦です。

2021年11月18日UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
サラワク・ユナイテッドFC 2-4 トレンガヌFC(2試合通算:サラワク・ユナイテッドFC 3-6 トレンガヌFC)
得点者:サラワク-サンドロ・ダ・シルヴァ(71分)、ウチェ・アグバ(89分)、トレンガヌ-ジョーダン・ミンター2(2分、64分)、ファイサル・ハリム(12分)、ファイズ・ナシル(45分)
 ホームでの準々決勝初戦に2-1と勝利していたトレンガヌFCはこの日もジョーダン・ミンターとファイサル・ハリムのFWコンビが絶好調。ミンター選手がマレーシアカップ4得点目となるゴールを決めて先制すると、ハリム選手も2戦連発となるマレーシアカップ5得点目となるゴールを決めるなど、前半で3−0、通算成績を5-1としてリードを広げて勝利したトレンガヌFCは、JDTと準決勝で対戦します。

マレーシアカップ2021-準々決勝第1戦結果

 情報が古くなってしまいましたが11月14日にマレーシアカップ準々決勝第1戦の4試合が行われました。今季のマレーシアカップ準々決勝に残ったののはJDT(今季のMリーグ1部スーパーリーグ1位)、クダ・ダルル・アマンFC(同2位)、トレンガヌFC(同4位)、スランゴールFC(同5位)、KLシティFC(同6位)、マラッカ・ユナイテッドFC(同8位)、サバFC(同9位)、サラワク・ユナイテッドFC(2部プレミアリーグ2位)の8チームです。ホームアンドアウェイ方式で行われるマレーシアカップはこの日の第1戦の後、第2戦は11月18日に予定されています。

マレーシアカップ準々決勝第1戦
2021年11月14日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴールFC 0-2 KLシティFC
得点者:KL-ロメル・モラレス(14分)、ハディン・アズマン(82分)
 共に首都圏に本拠地を持つ両クラブの対戦は伝統的に*クランバリーダービーと呼ばれています。今季のMリーグ1部での対戦ではいずれも1-1の引き分けに終わっていることからこの試合も拮抗することが予想されましたが、グループステージからの好調を維持するロメル・モラレスがマレーシアカップに入ってから7試合で9ゴール目となる先制ゴールを挙げてKLシティFCがリードを奪うと、シャーレル・フィクリを中心にスランゴールFCは反撃を試みるもグループステージ6試合で4失点のKLシティFC守備陣がその前に立ちはだかります。数少ない好機もオフターゲットのシュートが目立つなど、ケガによりマレーシアカップには出場していない今季リーグ得点王のイフェダヨ・オルセグン、アラブ首長国のドバイで合宿中のシンガポール代表に招集されたサフアン・バハルディン、さらにはU23アジアカップ予選に出場しモンゴルから帰国後の検疫隔離期間が延長されてチームに合流できていないムカリ・アジマルら主力を欠くチームは少なくともこの試合ではKLシティFCの脅威とはなりませんでした。
 第2戦はKLシティFCのホーム、KLフットボールスタジアムで行われますが、今季のKLシティFCはリーグ戦11試合、マレーシアカップ3試合の計14試合でホームでは無敗記録を継続中です。

2021年11月14日@リカススタジアム(サバ州コタキナバル)
サバFC 1-2 マラッカ・ユナイテッドFC
得点者:マラッカ-ソニー・ノルデ(52分)
 グループステージでは5勝1分と無敗で突破したマラッカ・ユナイテッドFCに対して、最終戦のPJシティFC戦に1-0と辛勝して準々決勝に進出したサバFCの対戦は、試合開始から好機を演出し続けたソニー・ノルデがマレーシアカップでは4ゴール目となる得点を決めて、アウェイとなるコタキナバルでマラッカ・ユナイテッドFCに貴重な勝利をもたらしています。

2021年11月14日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロースター)
クダ・ダルル・アマンFC 0-0 JDT
得点者:なし
 2ヶ月分の給料未払いが封じられていたクダ・ダルル・アマンFCについて、試合前にはJDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下と、クダ・ダルル・アマンFCを運営するクダ州サッカー協会会長でもあるモハマド・サヌシ・モハマド・ノークダ州首相の舌戦がソーシャルメディア上で繰り広げられるなど場外でも賑わったこの試合は、試合前に未払い給料が完済されたとの報道もあり、クダ・ダルル・アマンFCの選手たちのモチベーションも上がっていました。
 今季のMリーグでは0-2、0-1とJDTに完敗しているクダ・ダルル・アマンFCは、直近の過去20試合の対戦でもJDTに対して2勝4分14敗と明らかに分が悪く、さらにこの試合ではFIFAワールドカップ2022年大会アジア最終予選に出場するレバノンにラビ・アタヤが、またAFFスズキカップに向けてアラブ首長国連邦のドバイで合宿中のシンガポールが親善試合にアヌマンサン・モハン・クマールを招集、さらに今季のMリーグでチーム2位の10ゴールを挙げているチェチェ・キプレがケガと主力の外国籍選手3名抜きで今季のMリーグチャンピオンとの対戦となりました。
 そういった諸々の事情からクダ・ダルル・アマンFCのアイディル・シャリン監督はホームゲームにも関わらず守備重視の布陣を選択、「勝つ」ための戦術ではなく「負けない」戦術で臨みました。開始直後から双方はオンザボールはもちろん、オフザボールでも激しく当たり合うやや荒れ気味の試合になりましたが、レノン・アルヴェスとロドニー・ケルヴィンが最後まで守備陣をコントロールし続けたクダ・ダルル・アマンFCが守りきり、試合は結局0-0で終了しています。

2021年11月14日スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴンバダ)
トレンガヌFC 0-0 サラワク・ユナイテッドFC
得点者:トレンガヌ-ファイサル・ハリム(17分)、ファイズ・ナシル(51分)、サラワク-シャールル・ニザム(22分OG)
 Mリーグ1部スーパーリーグではシーズン終盤に失速して4位に終わったトレンガヌFCですが、リーグ戦後のマレーシアカップではセカンドチームでMリーグ2部プレミアリーグでプレーするセカンドチームのトレンガヌFC IIの選手も含めた選手層の厚さを見せつける形でグループリーグを5勝1分けと無敗で突破し、この準々決勝に進んでいます。試合ではマレーシアカップに入ってもリーグ戦からの好調を維持しているファイサル・ハリムがペナルティエリアの外から豪快にシュートを決めて先制し、オウンゴールで動転するもののこの試合ではたびたび好機を演出していた身長156cmの小兵ファイズ・ナシルが地震で決勝ゴールを決めて2-1でトレンガヌFCが勝利しています。
 一方、プレミアリーグ勢としては唯一、準々決勝に残ったサラワク・ユナイテッドFCはジャイキリを目論んでこの試合に臨みましたが、前半の序盤には構成を見せたものの、その後は守勢に回ることが多く、むしろ1点差で済んだのは幸いでした。しかしこの最小得点差のまま耐え切ったことで準々決勝第2戦ではジャイキリの機会が残ったとも言えそうです。


11月12日のニュース:アジアカップ最終予選のマレーシア開催案を青年スポーツ省が承認、プロ選手会がサラワク・ユナイテッドFCの選手からの給料未払いの訴えを受理、U23アジアカップ予選から帰国のU22代表は検疫隔離期間が1週間延長に

アジアカップ予選のマレーシア開催案を青年スポーツ省が承認
 AFCアジアカップ2023年大会最終予選は来年6月に実施される予定ですが、最終予選に残った24チームを6つのグループに分けて開催されることが決まっています。AFCは最終予選開催国の立候補を募るとしており、多くのサポーターの声援を得て予選突破を目指すマレーシアサッカー協会FAMは集中開催地の一つとして立候補するため、政府の承認を待っていましたが、マレーシアの通信社ブルナマは国内スポーツを統括する青年スポーツ省がFAMの予選開催案を承認したと報じています。
 FAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長が明らかにしたところによると、最終予選開催の立候補手続きは最終予選の組み合わせ抽選が行われれる来年2022年2月以降に始まり、抽選後に決定する予選組内でマレーシアが集中開催地として立候補する唯一の国となるのか、あるいは同じ予選組内で他の国も同様に立候補してくるのかどうか、という点が焦点になるということです。現在は試合会場や練習場、さらには宿泊施設などについて、新型コロナ感染予防のための標準作業手順SOPに従いながら、確保のための準備を進めているということです。
 またサイフディン事務局長はアジアカップ予選の費用は全てFAMが負担し、政府の公的支援を受けることはないことを改めて強調していますが、これは当初、FAMが予選開催希望を表明した際に青年スポーツ省のアフマド・ファイザル・アズム大臣が「新型コロナ後の経済復興が政府の最優先課題でありアジアカップ予選開催の費用を支援する余裕が政府にない」と述べたことを意識してのことです。サイフディンFAM事務局長はさらにアジアカップ予選開催により国外からの旅行者がマレーシア国内で宿泊や移動などにお金を落とせば、それはマレーシア経済を支援することにもなるとも述べて、アジアカップ予選の自国開催の利点も強調しています。
 マレーシアは東南アジアの他国と共同開催となった2007年大会以来のアジアカップ出場を目指していますが、この自国開催枠での出場を除くと、予選を突破して自力で本選に出場したのは1980年のクウェート大会まで遡らなければなりません。

プロ選手会がサラワク・ユナイテッドFCの選手からの給料未払いの訴えを受理
 マレーシアプロサッカー選手会PFAMは公式ツイッター上で、マレーシアカップのグループステージを突破して準々決勝に進出したサラワク・ユナイテッドFCの選手から給料未払いに関する訴えを正式に受理し、選手に代わってサラワク・ユナイテッドFCに接触していることを明らかにしています。
 サラワク・ユナイテッドFCで給料未払いが怒っていることはこのブログでも何度か取り上げましたが、マレーシアサッカー協会FAM、そしてマレーシアプロサッカー選手会PFAMともにメディアに不満を話すのではなく、FAMあるいはPFAMに対して正式に訴え出るように選手や監督、コーチに求めており、今回それが実現したようです。
 この投稿の中でPFAMは、正式な形で問題を訴え出た選手の勇気を褒め称えるとともに、PFAMに加盟している他の選手に対してはサラワク・ユナイテッドFCの選手への支援を求めて、PFAMがこの問題の早期解決を目指していくことを表明しています。

U23アジアカップ予選から帰国のU22代表は検疫隔離期間が1週間延長に
 モンゴルで開催されたAFC U23アジアカップ(旧U23選手権)の予選J組で1位となり、来年2022年にウズベキスタンで開催される本戦への出場権を獲得したU22代表は11月2日に試合開催地のモンゴルから帰国し、マレーシア政府が全ての渡航者に義務付けている7日間の検疫隔離が11月9日に終える予定でしたが、11月5日行った検査の結果、モンゴルに遠征したチーム関係者の一人が陽性反応を示したことから、検疫隔離期間が1週間延長されたとブルナマが報じています。
 このことを明らかにしたFAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長は、陽性となった関係者は滞在中の宿泊施設から医療施設えへと移送されたということですが、他の参加者には陽性反応は見つかっていないということで、サイフディン事務局長は心配するような状況にないことを強調しています。
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 この検疫隔離期間延長により、U22代表でプレーするMFムカイリ・アジマル(スランゴールFC)やFWハキミ・アブドラ(トレンガヌFC)らのチーム合流が遅れることになり、11月14日のマレーシアカップ準々決勝から彼らの復帰を期待していたチームにとっては痛手になりそうです。

スズキカップ直前の代表の練習試合実現は困難に
 東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020年大会は12月5日開幕しますが、マレーシア代表はこの大会直前に東ティモールとの練習試合を企画していることが報じられましたが、マレーシアの通信社は大会前の過密日程により実現は難しいと報じています。
 国内サッカーの年内最大のイベントであるマレーシアカップの決勝が11月30日に開催され、この決勝戦後に代表メンバーが全員揃いますが、マレーシア代表のシンガポール入りが12月3日に予定されており、スズキカップ初戦のカンボジア戦が12月6日となっていることから、東ティモールとの練習試合の実現は難しいだろうと、代表チームのマネージャーを務めるFAMのモハマド・ユソフ・マハディ会長代行はブルナマの取材に対して答えています。
 ブルネイの出場事態によって東ティモールは12月1日に予定されていたプレーオフを経ずに本戦出場となったことに加え、代表は12月1日にシンガポール入りを予定していたことから練習試合実現の可能性が取り沙汰されていましたが、主催者である東南アジアサッカー連盟の12月3日のシンガポール入りを求めたことから、前回大会準優勝のマレーシア代表は全選手合流後、ぶっつけ本番でスズキカップに臨むことになります。
 11月26日のマレーシアカップ準決勝終了後には、決勝に出場しない選手のみを招集して代表合宿が開催される予定ですが、順当に行けば代表の主力選手の大半が所属するJDTは決勝進出が予想されることから、第1次合宿には全体の半数程度のメンバーのみが参加することになりそうです。
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 デンマーク1部のFCミッティランでプレーするDFディオン・クールズがデンマークカップ準々決勝となる11月13日のブレンビーIF戦後にデンマーク国内リーグが冬季オフ期間に入ることからスズキカップに出場する代表に合流することも発表されています。このクールズ選手を含め予想されるメンバーを見る限りでは前回の2018年大会よりも強い代表になっていますが、果たして今回の大会では東南アジアでは一強時代を築きつつあるグループリーグ同組のベトナム戦で、決勝で敗れた前回大会のリベンジができるのかどうかに注目が集まります。