8月2日のニュース:二度目の検査で陰性反応もクチンFAの今季Mリーグ参加は再開直前まで確定せず、クダFAのエースは月給が300万円超えではないと明言、9月末の期限までに民営化しないクラブは来季は3部降格も

二度目の検査で陰性反応もクチンFAの今季Mリーグ参加は再開直前まで確定せず
 先日このブログでも取り上げたMリーグ2部クチンFAの選手5名が新型コロナウィルスの綿棒検査で陽性となった件ですが、その後、新たな進展があり、改めて行われた血液検査ではこの5名全員が陰性となっています。
 クチンFAのイスワンディ・アリ・ハサン事務局長は、この5名の選手は、3度目の検査を控えて現在は自宅隔離中だと明かした上で、状況が悪化し、Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLがリーグ出場辞退を求めた場合はそれを受け入れる用意があると話していることを、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 自宅隔離中というイスワンディ事務局長は「我々自身でリーグ出場辞退を申し出たくはないが、もしMFLからそのような依頼があれば、他のクラブに問題が及ばないよう、その依頼を受け入れる予定がある。」と話しています。
 なお現在のチームの状況は、8月8日までは選手及びスタッフ全員が自宅隔離となっており、選手は活動制限令MCO発令時と同様に各自が自宅でトレーニングを行なっているということです。
 またMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOはMリーグ再開となる8月26日の1週間前に、再度クチンFAの選手とスタッフの健康状態については検査を行い、その結果を理事会に諮って最終決定を下す予定であることを発表しています。
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 昨日8月1日の時点で678名の感染者が確認されているサラワク州ですが、州政府は現在、マレー半島からボルネオ島にあるサラワク州に入る場合には14日間の隔離措置を課しており、この措置が今後も続くとクチンFAのMリーグ出場の障害になる可能性も浮上しています。8月26日から短縮日程で再開されるMリーグ1部と2部は試合の間隔が詰まっており、最大でも7日間しかなく、クチンFAは再開初戦となる8月26日の第5節はホームゲームですが、第6節9月2日はペラIIとの試合はマレー半島でのアウェイ、そこから4日後の9月6日の第7節はホームでサラワク・ユナイテッドと「サラワクダービー」が控えています。

クダFAのエースは月給が300万円超えではないと明言
 マレー語紙ブリタハリアン電子版によると、Mリーグ1部クダFAのエースストライカーでリベリア出身のクパ・シャーマンは、自分の月給が12万5000リンギ(およそ311万円)ではないことを明らかにしています。
 過去5ヶ月間の給料が未払いとなっているクダFAですが、この6月にクダFAを運営するクダ州サッカー協会の新会長に就任したムハマド・サヌシ・ムハマド・ノー州首相が給料未払いは前経営陣の責任であると非難し、その中で月給12万5000リンギの選手と契約するなど予算を遥かに超える放漫経営だったと発言しました。
 これを受けてネット上ではこの高額取りは誰か、という「魔女狩り」が始まり、今季クダFAへ移籍してきた昨季のリーグ得点王のシャーマン選手ではないか、という声が上がっていましたが、これに対してシャーマン選手はこれを否定しています。
 「当初はこの件についてコメントする気はなかったが、自分の月給が12万5000リンギであるという噂が一人歩きし始めたので、これが真実ではないことを明らかにしたい。また、こういった噂を発した人物は、まず真実かどうかを確かめた上で発言するべきだ。」「たとえ実際にこのような金額を受け取っている選手がいるとしても、給料をメディアや大衆に公表することは、職業倫理に反することである。」とシャーマン選手は述べています。
 またシャーマン選手は5ヶ月間続いている給料未払いについて、給料未払いは我々選手だけでなく、その家族にも影響が及ぶことに加え、これ以上クラブが悪く見られることを避けるためにも、責任を負うべきものが直ちにこの問題の解決に取り組むべきだと話しています。

9月末の期限までに民営化しないクラブは来季は3部降格も
 マレーシアサッカー協会FAMは。9月30日に設定されている期限までに民営化されなかったクラブに対して、来季2021年シーズンをMリーグ3部降格処分を下す可能性があると、ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 FAMの民営化特別委員会のフィルダウス・モハマド委員長は、これまで民営化が完了しているのは6クラブのみであり、現在手続きを行っているのは8クラブであることを明らかにしています。
 民営化が完了しているのは1部のジョホール・ダルル・タジムJDT、PJシティFC、2部のサラワク、ヌグリ・スンビラン、3部のマレーシア国軍FC、現在はリーグに参加していないプルリスの6クラブということです。(注:2019年までMリーグ所属のプルリスFAを運営していたプルリス州サッカー協会は給料未払い問題が未解決のため、その運営クラブのリーグ参加が認められていません。)
 民営化クラブ(FC)の設立は、Mリーグ1部と2部に運営クラブが所属する20団体(1部のJDT、スランゴールFC、ペラTBG、トレンガヌFCの4クラブはBチームが2部に所属)およびマレーシア国軍、プルリス州FAに求められており、各州サッカー協会(州FA)が運営するクラブは民営化に加え、州FAから完全に独立した存在となる必要があります。またJDTやPJシティFCのように既に州FAから独立して運営されているクラブについては民営化が求められています。
 またフィルダウス委員長は民営化手続きを始めていないクラブとしてMリーグ1部ではクダ、ペラ、サバ、マレーシア王立警察PDRM、パハン、UITM FC、2部ではクアラルンプールの名を挙げる一方で、このうちの5つのクラブはFAMが支援を行なっていることも明らかにし、期限までは2ヶ月しかないことを警告した上で、期限内に民営化が完了しないクラブは来季はMリーグ3部のM3リーグからスタートする可能性にも言及しています。
 この民営化促進はアジアサッカー連盟主導のものであること、そしてマレーシアは東南アジアの他国に比べると遅れを取っていることも明らかにしたフィルダウス委員長は「この民営化を実施することにより、負債を抱えた後、それを残したまま運営から手を引く無責任な運営団体を根絶することができ、さらに優良なスポンサーを集めることになる。」として、Mリーグのクラブで拡大している未払い給料の問題の解決にもつながると話しています。

7月25日のニュース:クチン FAの選手から新型コロナウィルスの陽性反応、ベックラー兄弟はU19代表の秘密兵器となるか、今季終了後の1部と2部の入れ替えは従来通り実施

クチン FAの選手から新型コロナウィルスの陽性反応
 Mリーグ2部クチンFAは公式Facebook上で、選手の一人から新型コロナウィルスの陽性反応が出たことを発表しています。
 この選手はクチン市内のセントサ病院に勤務しており、この病院で発生したクラスターで感染した可能性があるということです。
 クラブ内で新型コロナウィルスの感染者が出たことにより、クチンFAは練習を中止し、選手やその他の関係者の安全のため、当局の指示に従った対応を取るとしています。
 最初の感染者が7月19日に確認されたこの「セントサ病院クラスター」は、これまでに61人が検査を受け、16人に陽性反応が出ているということですが、その感染経路は現在も不明ということです。

ベックラー兄弟はU19代表の秘密兵器となるか
 マレーシアの通信社ブルナマは、ドイツ出身のベックラー兄弟がマレーシアU19代表の次回の合宿に参加する可能性があると報じています。
 17歳で左サイドバックのジョシュア・ヨハン・ベックラーは、ドイツ6部リーグのロートヴァイス・フランクフルトに所属していますが、ドイツ国内では期待の若手という評価を集めているということで、ドイツ国内のクラブ以外からも練習参加の誘いなどを受けているということです。
 ジュリアン選手は「自分はスピードのある左サイドバック、あるいは左ウイングとされているので、U19代表に招集されることがあれば、そのスピードでゴールを量産したい。」と話しています。
 一方18歳でゴールキーパーのジュリアン・ヨハン・ベックラーは、昨年2019年7月ににジョホール・ダルル・タジムJDTと既に契約を交わしており、JDTのU21チームであるJDT IIIに加入が予定されています。
 このジュリアン選手は、ボジャン・ホダック前監督が指揮を取っていたU19代表候補合宿に参加経験がありますが、その時にはまだマレーシア国籍を取得しておらず、代表チームに加わることができませんでした。
 ジュリアン選手は、晴れてマレーシア国籍を取得したことから、8月3日から予定されているU19代表候補第二次合宿に兄弟揃って招集されることを希望しており、もしそうなれば、ブラッド・マロニー監督やチームメートに自分の実力を披露して、高い評価を得たいとしています。

今季終了後の1部と2部の入れ替えは従来通り実施
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロによると、Mリーグの1部と2部の入れ替えは従来どおり行われるということです。
 新型コロナウィルス感染拡大により第4節終了後に中断に入ったMリーグは、従来のホームアンドアウェイ形式から1回戦総当たりとなり、試合数が半減して再開しますが、リーグ終了後の入れ替えについては、1部スーパーリーグの11位と12位のクラブが降格し、2部プレミアリーグの1位と2位((1部のBチームは除く)が昇格するという従来通りの方式で行われることを、Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOが明言しています。
 また、今季は既に中止が決定している3部M3リーグと2部プレミアリーグの間の昇格と降格についてガニCEOは、来季から3部を運営するマレーシアサッカー協会FAMがM3リーグから2部へ昇格する2クラブを選び、2部の11位と12位が降格する方式になると話しています。

7月21日のニュース:Mリーグは感染者急増のサラワク州の状況を憂慮、ACL出場のJDTには試合日程の配慮も-MFL、ワン・クザリも他の選手もU19代表メンバー入りは実力次第

Mリーグは感染者急増のサラワク州の状況を憂慮
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、サラワク州での新型コロナウィルス感染者が急増した事態を受け、国内リーグのMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは今後の状況を監視していく予定であると伝えています。
 3月半ばから中断中のMリーグは8月26日の再開が発表されていますが、Mリーグには2部プレミアリーグにサラワク州に本拠地を持つクチン FAとサラワク・ユナイテッドがあることから、サラワク州政府が今後、感染拡大を防ぐ処置を発動するかどうかを注視していくと、MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは話しています。
 「クチンFAとサラワク・ユナイテッドはいずれも綿棒テストの結果をMFLに提出しており、再開後のリーグ参加は許可されているが、万が一、サラワク州の観戦状況が悪化することがあれば、MFLは両クラブのホームゲームを共有しているサラワクスタジアムではなく中立地で行うことも検討している。」と話しています。
 またガニ・ハサンCEOは、MFLがリーグ再開後の標準作業手順SOPのマニュアルを作成中で、1週間程度で完成し、Mリーグの各クラブに配布される予定であることも明かしています。これにはボールボーイからメディア関係者まで無観客試合で再開されるスタジアムに入場を許可されている全員を対象とした物となっていると言うことです。
 この他、観客の入場については、少なくとも最初の2試合は無観客で開催することは決定しているものの、その後は青年スポーツ省や保健省、国家安全保障委員会から許可が出れば、可能になると話しています。しかしその場合でもスタジアムの収容人数の1割程度の入場者受け入れとなるだろうとガニ・ハサンCEOは話しています。

ACL出場のJDTには試合日程の配慮も-MFL
 Mリーグの再開が、マレーシア政府がサッカーの試合実施許可日とする8月15日ではなく8月26日と決まったことで、Mリーグで暫定の首位となっているジョホール・ダルル・タジムJDTは、ACLを控えていることから過密日程の心配が出ていると、ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 現在国内リーグ7連覇中で、今季2020年シーズンも4試合を終えた時点で勝点10と2位のペラTBGに勝点差2をつけて首位のJDTですが、8月26日に再開するリーグは9月中に終了する予定ですが、その後はこちらも連覇がかかるマレーシアカップが10月17日から開幕する一方で、再開されるアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグも10月17日に広州恒大淘宝FCとの試合が組まれています。
 この過密日程について、マレーシアカップを運営するMFLのガニ・ハサンCEOは「マレーシアを代表してACLに出場するJDTが不利にならないよう、マレーシアカップの試合日程については考慮したい。」と述べ、MFLとしてサポートする姿勢を明らかにしています。
 今季のACLは新型コロナウィルスによる大幅な日程変更を迫られた上、試合も各予選グループごとの1ヶ所開催で行うことが発表されています。JDTは初戦の広州恒大淘宝FC戦後は、10月23日の水原三星戦、10月29日のヴィッセル神戸戦、そして11月1日には再び広州恒大淘宝FCの予定が組まれており、11月4日に決勝が予定されているマレーシアカップとほぼ同時期の試合となっています。

ワン・クザリも他の選手もU19代表メンバー入りは実力次第
 現在行われているU19代表候補合宿に参加しているアメリカ出身のワン・クズリ・ワン・アーマド・カマルは、アメリカ2部リーグにあたるUSLチャンピオンシップUSLCのセントルイスFCのアカデミー所属ということや、実の兄がマレーシア国内のサッカーを統括するマレーシアサッカー協会を監督する青年スポーツ省の大臣代理であることなどから注目を浴びています。
 このワン・クズリ選手についてU19代表のブラッド・マロニー監督は、チームにとって有用な戦力だが、23名のメンバー入りが保証されているわけではないとマレーシアの通信社ブルナマとのインタビューに答えています。
 国外からの入国者に義務付けられている14日の隔離措置が終了し、先週から10月のAFC U19選手権に出場するU19代表候補合宿に合流したワン・クザリ選手は、合宿合流前から多くのファンの期待や注目を集めている一方で、一部のファンからはその前評判ほどの選手ではないのではないかという疑念が出ています。
 これらの意見についてマロニー監督は、ワン・クズリ選手の代表合宿合流後の進捗状況には満足していると話しています。
 「外国出身ということを踏まえずとも、一人の選手が周りと違っているのは全く普通のことである。またこれまで数日間見た限りでは、ワン・クズリ選手はとても良い選手であり、チームにとって戦力となりうる。」と話しています。しかしその一方で、代表候補合宿に参加しているどの選手もメンバー入りを確約されている選手はおらず、誰もが実力でメンバー入りを勝ち取らなければならないと話しています。
 さらに今週土曜日7月25日に合宿が終了する前に練習試合を組みたいと話すマロニー監督は、実戦の中でワン・クザリ選手だけでなく、現在のチームの実力を見てみたいと話しています。
 なお、招集された35名から既に31名まで絞り込まれているチームは、次回の合宿を8月3日から行うということです。

6月30日のニュース:FAMは8月半ばのリーグ再開案を目指し身体接触を含めた練習許可を申請へ、Mリーグ3部と4部は来季からFAMが運営、AFCU19選手権出場の代表に新戦力参加か

FAMは8月半ばのリーグ再開案を目指し身体接触を含めた練習許可を申請へ
 マレーシアサッカー協会FAMは8月半ばのリーグ再開を目指して、身体接触を含む練習の許可申請を青年スポーツ省に行う予定であると、英字紙ニューストレイトタイムズNST電子版が報じています。
 FAMのハミディン・アミン会長がNSTとのインタビューで、7月半ばからの身体接触を含む練習再開許可を青年スポーツ省に対して近々、申請すると話しています。
 Mリーグ1部および2部のクラブの多くが先週から、社会的距離を維持した上で、少人数ごとに行う身体接触を含まない第一段階練習を再開しています。また青年スポーツ省は2021年の東京オリンピック出場を目指す他の競技の選手たちに対しては、標準作業手順SOPを遵守した上での通常練習を6月28日から許可したこともあり、FAMも身体接触を含み、より実践的な練習が可能になる第二段階練習の実施に向けて動き出すことにしたということです。
 「Mリーグの各クラブは身体接触を含まない第一段階練習を始めており、今後の数週間で問題が起こらなければ、7月第2週あるいは第3週からの身体接触を含む練習の許可を青年スポーツ省に申請する予定である。こちらの希望通りに許可が出れば、身体接触を含めた練習だけでなく練習試合も可能となり、そこから1ヶ月程度で実戦感を取り戻した上で8月半ばのリーグ再開を目指したい。当初予定していた9月1日よりもリーグ再開が早まれば、試合日程に余裕が出るだけでなく、10月からFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選が再開する代表チーム参加選手の負担も少なくなる。」と話すハミディン会長ですが、複数の監督が希望しているサポーターのスタジアム観戦の許可については、リーグ再開が最優先であり、スタジアムへの入場許可はリーグ再開が実現した後に検討するとしています。

Mリーグ3部と4部は来季からFAMが運営
 国内リーグMリーグの3部にあたるM3リーグと同4部のM4リーグが来季2021年シーズンよりマレーシアサッカー協会FAMの主催によって行われる予定であると、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 現在のM3リーグとM4リーグは、Mリーグ1部スーパーリーグと2部プレミアリーグを主催するマレーシアフットボールリーグMFL傘下のアマチュアフットボールリーグAFLが主催しています。
 これを発表したAFLのチェアマンでもあるFAMのユソフ・マハディ副会長は、MFLは1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグ、FAカップ、マレーシアカップといったプロリーグの運営に注力し、セミプロリーグのM3リーグとアマチュアリーグのM4リーグはFAMが運営するという構造にすることが目的であるということで、MFLは既にこれを了承しており、今後開催されるFAMの執行委員会による承認を経て、正式決定するということです。
 M3リーグはかつてはFAMカップという名称で、FAMが運営していた時期もあるため、ユソフ副会長はM3リーグをFAMが再び主催することには問題はないと考えていると話しています。

AFCU19選手権出場の代表に新戦力参加か
 マレー語紙ブリタハリアン電子版は、英国プレミアリーグのブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC(BAHAFC)のU19チームに所属するジャミ・クレシュのU19代表参加が可能になったと報じています。
 現在17歳のクレシュ選手は英国生まれながら母親がマレーシア人であることから、マレーシア代表としてのプレーが可能です。父親でイラク出身のペルヴィズ・クレシュ氏はブリタハリアンによるソーシャルメディアを通じてのインタビューに対し、クレシュ選手が10月に開催されるAFC U19選手権に出場するマレーシアU19代表に正式に招集されることがあれば、所属クラブのBAHFCは代表参加を許可する用意があると答えています。
 またU19代表のチームマネージャーを務めるカマルル・アリフィン・モハマド・シャハル氏も、クレシュ選手をU19代表に招集したいとも話しています。
 さらにアリフィン氏は、アメリカ生まれのワン・クズリ・ワン・カマルの招集も決定しており、マレーシアサッカー協会FAMがその手配を行っている最中であることも明かしています。

6月10日のニュース:M3リーグ中止に安堵するクラブも、給料未払い問題を抱えるクダ州FAはトップ3のポストが空席に、サバFAは東マレーシアのクラブにも公平な日程を求める

M3リーグ中止に安堵するクラブも
 一昨日発表されたMリーグ3部M3リーグの今季2020年シーズン中止について、関係者の安全に考慮した結果として受け入れるクラブがある一方で、慢性的な運営資金不足にクラブにとってはむしろ朗報だったとする記事を、マレーシアフットボールリーグMFLの公式サイトが掲載しています。
 取り上げられているのはM3リーグのクラシコFCで、チームマネージャーのカイリル・アヌアル氏の話として、各クラブはリーグを運営するアマチュアフットボールリーグAFLによる今季の中止決定を正しい判断であると指示していると話す一方で、もしM3リーグ最下位となっていたら、クラシコFCはリーグ参加を辞退していた可能性があると話しています。
 「今季に向けて準備をしてきた他のクラブには申し訳ないが、リーグ中止の知らせには正直、安堵している。クラシコFCのスポンサーや広告主も新型コロナウィルスによる様々な影響を受けており、約束されていた広告収入の支払いが滞っていたり、スポンサーを辞退するケースも起きたりしている。我々のような状況にいる他のクラブにとっても、むしろ来季のスポンサー獲得により多くの時間をかけられるので、このリーグ中止を好意的に捉えているだろう。」と話しています。
 またクラシコFCは社会人選手が大半のため、月給制度ではなく、試合給を支払う形を取っていると言うことで、選手への給料支払いに関しては大きな影響は出ていないと話しています。
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 MFLはAFLの上部組織であることから、このような記事を掲載したのだと思いますが、AFLによる今後の予定の発表がないまま、リーグ中止の正当性をリーグ権傾斜ではなく、M3リーグのクラブ関係者に語らせるだけの記事には、個人的には無責任な空気を感じます。今年はM3リーグ改革年、2021年にはセミプロ化という大風呂敷を広げて始まった今季でしたが、改革は来年に持ち越されるのか、それとも頓挫してしまうのか、このブログでも見守っていきたいと思います。

給料未払い問題を抱えるクダ州FAはトップ3のポストが空席に
 今年2月からの給料未払い問題が明らかになったMリーグ1部のクダFAを運営するクダ州サッカー協会KFAは、会長、副会長、事務長のトップ3のポストが空席になっていると、マレー語紙ブリタハリアンが報じています。
 昨日開かれたKFAの理事会後にプレスリリースを発表したアブドル・ラーマン・アブドラ会長代理によれば、ムクリズ・マハティール会長、アナス・ハフィズ・ムスタファ副会長、アミルル・アヌアル・アリス名誉事務長から提出されていた辞職願が理事会で受理されたということです。
 空席となった3つのポストについては、候補者の人選を進め、KFAに加盟する各組織に推薦者の有無などを問う連絡がされ、その後は臨時総会を開催して、空席となったポストを早急に埋めたいとしています。
 またアブドル・ラーマン会長代理は、選手やスタッフへの未払い給料問題についても、KFAの理事会が現在の経営状況に沿った解決方法を模索していくと話しています。
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 前州首相のムクリズ・マハティール氏が州政府内の与野党逆転により権力を失った結果、州首相を辞任、兼任していた州FA会長職も辞任という構図ですが、これまで伝統的に州首相が兼任してきたKFA会長職には、現州首相が就任しておらず、その結果として未払い給料問題も進展していないようです。選手の苦境を引き伸ばすことで、前政権のイメージを悪くするといった政治的な魂胆も見え隠れするだけに、それに巻き込まれた形の選手たちが最大の被害者ながら、さらに災難に巻き込まれた格好になっています。

サバFAは東マレーシアのクラブにも公平な日程を求める
 サバ州サッカー協会SAFAのピーター・アンソニー会長は、9月に再開が予定されているMリーグの日程について、日程を作成するマレーシアフットボールリーグMFLに対して、東マレーシアのクラブにとって負担にならない公平な日程作成を求めていると、英字紙スターが報じています。
 マレー半島から南シナ海を隔てて位置する東マレーシア(ボルネオ島)に本拠地を持つサバFA、サラワク・ユナイテッド、クチン FAは、半島部のクラブとの試合では飛行機による移動を強いられます。新型コロナウィルスの感染者数が減少しているとは言え、いわゆる「三密」状態となりやすい飛行機での移動、半島内を移動するクラブに比べると高額になる移動費用の負担など、東マレーシアのクラブが不利にならないような日程作成を求めたいとしています。
 2012年シーズン以来のMリーグ1部スーパーリーグ復帰となったサバFAは、リーグが中断した第4節終了時点で1勝2分1敗でリーグ4位につけています。

6月9日のニュース:Mリーグクラブは6月15日より社会的距離を維持しての練習が可能に、M3の監督は来季のM3リーグの早期開幕を期待、別のM3リーグクラブは早速、契約見直し交渉開始

Mリーグクラブは6月15日より社会的距離を維持しての練習が可能に
マレーシア国内リーグのMリーグ各クラブに対して、社会的距離を維持した上での練習再開許可が下りたことを、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 マレーシア政府のリーザル・メリカン・ナイナ・メリカン青年スポーツ相は、活動制限令MCO期間中は集団での練習が禁止されていたサッカーやラグビー、ホッケー、格闘技系スポーツについて、互いに3mから5mの距離を維持し、身体接触を避ける形での練習を6月15日より許可することを発表しています。
 しかしその一方で、リーザル・メリカン青年スポーツ相は、サッカーやラグビー、ホッケー及び空手やテコンドーなどの格技系スポールの試合を開催することは許可しませんでした。
 「今回の措置により、Mリーグクラブや代表は身体接触のない形で練習許可は、マレーシア政府の標準作業手順SOPに従って行うことが条件になっている。英国プレミアリーグのクラブも身体接触なしでの練習を、リーグ再開へ向けての第一段階としてして採用している。」と話すリーザル・メリカン青年スポーツ相は、マレーシアサッカー協会FAMが身体接触を含む通常練習の再開を希望するのであれば、国家安全保障委員会に別途、申請を行う必要があると話しています。

M3の監督は来季のM3リーグの早期開幕を期待
 Mリーグ3部にあたるM3リーグは昨日6月8日に今季の中止が決定しましたが、M3リーグに所属するクアラトレンガヌ・ローヴァーズ(KTR)のモハマド・アズハリ・サリム監督は、来季2021年シーズンの早期開幕を望んでいると、マレー語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 M3リーグを運営するアマチュアフットボールリーグAFLによる今季中止の決定を尊重すると話すアザハリ監督は、選手のパフォーマンスが「錆びついて」しまう前に来季が開幕することを望んでいると話しています。
 「今季中止を受け入れるのは簡単ではないが、観客の移動などを制限できないM3リーグの試合環境では、中止が現時点で最善の選択であることは理解している。」と話すアザハリ監督は、多くの才能ある選手がおり、サッカー人気を維持するためにも、来季のM3リーグは早めに開幕して欲しいと述べています。
 また選手の給料や契約に関しては、M3リーグにはサッカー選手としての給料に依存している選手はほんの一握りであるとはしながらも、経営陣と選手や監督、コーチとの間の話し合いで両者が納得するような見直しが行われることを期待していると話しています。

別のM3リーグクラブは早速、契約見直し交渉開始
 ランカウィシティFC(LCFC)のチームマネージャーを務めるモハマド・ノー・モハマド・アミン氏は、今季に向けて入念にチームづくりをしてきたLCFCにとって、M3リーグ中止は残念ではあるが、選手の安全を優先しての中止については理解していると話しています。
 LCFCだけでなく、M3リーグの各クラブはこの事態を素直に受け入れるしかないだろうと話すモハマド・ノー氏は、LCFCは新型コロナウィルスの影響によるスポンサーや広告主の撤退による資金不足に直面していることから、直ちに選手および監督、コーチとの契約交渉見直しを行うことを表明し、経営陣と選手側がともに納得できるような形の解決法を模索したいと話しています。

“What has happened is that we consider this a fate and not just the LCFC team, but all the teams in the M3 League have to face and accept this news with open heart,” he said.

Mohd Noor also said that at the same time the LCFC would hold an immediate discussion session with players and officials to explain and find a ‘win-win’ solution based on the situation faced by all parties.

“We also know that the M3 League team was also affected by the funding of the sponsorship when the company sponsoring the team had a negative economic impact since the Covid-19 outbreak,” he said.

6月8日のニュース(2):速報-今季のM3リーグの中止決定

速報-今季のM3リーグの中止決定
 マレーシア国内の3部リーグを運営するアマチュアフットボールリーグAFLは、新型コロナウィルスの影響により今季2020年シーズンの3部リーグM3リーグ中止の決定を公式サイトで発表しています。
 ウィラ・モハマド・ユソフ・マハディAFLチェアマンは、国内1部および2部リーグを運営し、AFLの上部組織にあたるマレーシアフットボールMFLとの理事会での席上で、マレーシア政府保健省と国家安全保障委員会がも受ける標準作業手順SOPに従った場合の関係者の安全と健康への配慮、そしてM3リーグに参加するアマチュアクラブの経済的影響を理由に中止が決定されたことを明らかにしています。
 具体的にはマレーシア政府がサッカーに求めるSOPでは無観客試合が含まれていますが、スタジアムではないフィールドで試合が行われることが多いM3リーグでは、無観客試合の要件を満たすことができないことに加えて、SOPで求められる感染予防の仕組みや体温測定など実際に試合を行う際にも、ホームチームの経済負担が増すことが理由としています。
 なお、今季のM3リーグは3月18日の活動制限令MCOにより中断し、各クラブとも16試合が残っていますが、Mリーグ1部および2部は9月のリーグ再開を目指しているのに対し、ウィラ・ユソフAFLチェアマンは、M3リーグは9月に再開できたとしても、アマチュアクラブの選手は大半が公務員や社会人であり、勤務の都合上、M3リーグの平日開催が難しいことから、全ての残り試合を年内に終えることが不可能であること、またMCOにより契約を履行できなくなったスポンサーや広告主により収入源に苦しむクラブもあるとして、今季のM3リーグの中止に理解を求めています。
 来季2021年シーズンについては、M3リーグ再開に向けての仕組みづくりに取り組んでおり、各クラブからのフィードバックも求めているとしています。
 またウィラ・ユソフAFLチェアマンは、M3リーグ中止による各クラブが契約内容の見直しや契約解除を行う場合については、選手や監督、コーチとの合意に基づいて行われることを求めています。
(下はMFLの公式サイトに掲載されたM3リーグ中止の告知)

6月7日のニュース:W杯予選前のチーム練習期間として最低2週間は必要-代表監督、U19代表最大の敵は寒さ、異色の経歴を持つディルガ選手のスーパーリーグまでの道のり

W杯予選前のチーム練習期間として最低2週間は必要-代表監督
 アジアサッカー連盟AFCが延期されていたワールドカップ予選の日程を発表したことを受け、マレーシア代表のタン・チェンホー監督は代表候補合宿を完全隔離型で行うことか許可された場合、最低でも2週間の合宿が必要であると話しています。
 英字紙スターによれば、予選再開後の初戦が10月7日のアウェイでのアラブ首長国連邦UAE戦に決まり、マレーシアサッカー協会FAMが計画している完全隔離型の代表候補合宿について、タン監督は「FAMの計画が承認されれば、チームを集めて重要な試合の準備を行える」と歓迎し、活動制限令MCO期間中に各自が自宅でトレーニングを続けていたとは言え、それでは全く不十分だとして、トレーニングをゼロから始めると考えると最低でも2週間は必要である。」と話しています。
 さらに練習だけでは不十分であり練習試合の必要性も訴え、中止が決まったバーレーンとの練習試合の再検討を求めたいと話しています。「世界中の空港は再開され始めており、UAEとの試合前に中東で練習試合が行うことは可能である。(W杯予選で同じグループにいる)ベトナムは国内リーグを再開させ、タイはリーグ中断中ながら練習は行われている。またUAEの国内リーグも6月10日に再開されると聞いており、(国内リーグ再開の目処が立っていない)マレーシアは他のチームに大きく遅れを取っていることから、やらなければならないとことがたくさんある。」と話しています。

U19代表最大の敵は寒さ
 10月14日から始まるAFC U19選手権に出場するU19代表の最大の敵は寒さではないか、と英字紙スターが報じています。
 今回、AFC U19選手権が開催されるウズベキスタンは、10月の気温が6度から19度とマレーシア人に取っては非日常的な寒さであり、U19代表の選手たちはそのような寒い高校の中ではプレーした経験がありません。
 それでもU19代表のブラッド・マロニー監督は、前任のU23代表コーチ時代の2018年1月に中国で開催されたにU23代表を率いてAFC U23選手権を戦った経験を生かして、現地あるいは近隣諸国に先乗りして選手を寒さに慣らす計画を立てていると話しています。
 2018年のAFC U23選手権に出場したマレーシアU23代表は大会前に韓国のモッポ市で合宿を張り、練習試合を数試合行うなどの寒さに選手を慣らす対策を行いました。
 マロニー監督は、気候がプレーに与える影響は大きいとして、気候に慣れるために先乗りする重要性を主張しています。

異色の経歴を持つディルガ選手のスーパーリーグまでの道のり
 英字紙ニューストレイトタイムズは、Mリーグ1部スーパーリーグのPDRM FCでプレーするディルガ・スルディの移植の経歴を取り上げた記事を掲載しています。
 マレーシア王立警察が運営するクラブPDRM FCでプレーするディルガ選手は東マレーシアのサバ州コタキナバルの出身ですが、マレーシア国内の多くのプロサッカー選手が経験するような、Mリーグのクラブのユースカップ(U19)チームや、プレジデントカップ(U21)チームでのプレー経験がありません。しかも2年前まではMリーグ4部より下になるアマチュア地域リーグでプレーしていたということです。
 「高校時代は州代表どころか(その下の)地域代表が自分がプレーした最高レベルだった。それでも自分が出会った多くのコーチが諦めずに努力することを勧めてくれたおかげで、月給が800リンギ(およそ2万円)の地域リーグのクラブでプレーしていたところを、自分のプレーを見たM3のプチョン・フェルザのナズレルワン・マクモー監督が自分をクラブに招いてくれた。おそらくこれが転機だったのだと思う。そして今年初めにPDRM FCとの練習試合に出場し、そこからPDRM FCのトライアウトに招かれた。PDRM FCからのトライアウト参加を求める電話も、最初は悪戯かと思ったほどだった。」と話すディルガ選手は、高校時代は州代表にも選ばれなかった自分だが、諦めずにプロになる目標を追い続けたことで、今は胸を張って自分をプロサッカー選手と紹介できるようになった。似たような境遇の選手たちにも諦めずに頑張って欲しい。」と述べています。

5月4日のニュース:今季終了後の降格と昇格と3部リーグ再開の詳細については6月に決定、給料削減指針は給料未払い問題を抱えていないクラブにのみ適応されることをFAMが強調

今季終了後の降格と昇格と3部リーグ再開の詳細については6月に決定
 Mリーグ1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグとも12クラブの1回戦総当たりの11試合という変則日程で今季を行う案を発表したマレーシアフットボールリーグMFLは、シーズン終了後の昇格と降格についての詳細を6月に発表するとしています。なお第4節開催後に中断となっているMリーグは9月1日及び2日再開、9月26日および27日終了とする日程案をMFLは発表しています。
 英字紙スター電子版によると、MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、現時点では降格と昇格については何も決定していないと話す一方で、降格と昇格はプロリーグに欠かせないものであり、この仕組みをなくすことによって各クラブ間の競争力が低下することは避けたいとも話し、6月に予定しているMFLの取締役会議で今季の降格と昇格に関する詳細を決定するとしています。
 また9月再開予定のMリーグは、マレーシア政府が求める標準進行手順SOPにより全て無観客試合として行われることになっていますが、入場を制限できる設備のある1部や2部のスタジアムと異なり、観客が集まることが避けられないフィールドも試合会場となるMリーグ3部のM3リーグについては、マレーシア政府のSOPに沿った運営ができない場合には、再開せずにこのまま今季は中止となる可能性があるとも話しています。
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 Mリーグは中断となる前の第4節終了時点で、1部スーパーリーグは、いずれも給料未払い問題により勝点3の剥奪(はくだつ)処分を受けたPDRM FCが12位(勝点-2)、マラッカ・ユナイテッドが11位(同3)、一方2部プレミアリーグは1位からトレンガヌFC II(勝点12)、ケランタン・ユナイテッドFC(同9)、ペナンFA(同8)、クアラルンプールFA(同8)となっています。なお、スーパーリーグ所属のトレンガヌFCのBチームであるトレンガヌFC IIには昇格資格はありません。

給料削減指針は給料未払い問題を抱えていないクラブにのみ適応されることをFAMが強調
 マレーシアサッカー協会FAMは、国内リーグの各クラブの内、選手およびスタッフと給料削減について未だ合意のできていないクラブを対象とした指針を発表していますが、この指針について、未払い給料問題を抱えるクラブを救済する手段ではないことを強調していると、マレー語紙ブリタハリアンが報じています。
 FAMのスチュアート・ラマリンガムは、現時点ではどのMリーグクラブからも3月分の給料未払いが発生しているという報告は受けていないとする一方で、FAMは給料未払い問題を抱えるクラブには発表した指針に沿った給料削減を認めないとしています。
 「FAMの『地位及び法務委員会』への給料未払い問題の報告は上がってきていないが、それがそのまま給料未払い問題が発生していないという意味ではない。新型コロナウィル感染による国内の経済状況悪化によって給料の遅配が起こっている可能性がある。」「その場合、二つの状況が考えられる。一つ目は3月分の未払い給料が発生してはいるが、選手及びスタッフとクラブとの間で、支払い方法や支払い時期についての合意がされている場合で、この場合はFAMの指針を適用して4月以降の給料削減を行なって良い。」「しかし3月の給料が未払いながら、その支払い方法などで選手及びスタッフとクラブが合意していないにも関わらず、4月以降の給料削減を行いたいとするクラブに対しては、FAMは指針に沿った給料削減は認めないだけでなく、そう言った行為を行うクラブに対しては、選手の権利を守るために処罰を行う。」とラマリンガム事務局長は話しています。
 またリーグ再開案として出されている9月の再開に関しては、いつからチーム練習が可能になるのか、またどこで練習や試合を行うのかについては、アジアサッカー連盟AFCからの助言や他国のリーグの状況を見ながらFAMが指針を作成するとしています。

5月2日のニュース:FAMが給料削減についての指針を発表、活動制限令解除後のM3リーグ再開を希望しないクラブも

 マレーシアサッカー協会FAMは4月22日を期限として選手、監督、コーチと給料削減についての合意を求めていましたが、合意に至らなかったクラブに対して適用されるFAMとしての指針を公式サイト上で発表しています。
 スチュアート・ラマリンガム事務局長名で出された発表の中でFAMは、新型コロナウィルスによるリーグ中断によって各クラブが受ける影響は大きいことは理解しているとする一方で、選手及びスタッフの福利についてもこれを守らなければならいとして、マレーシアのサッカー活動を統括する組織として、今回の指針を発表するに至ったと説明しています。
 さらに4月9日から22日までの交渉期間を第1段階とし、国内リーグを運営するマレーシアフットボールMFLとマレーシアプロサッカー選手会PFAMによる交渉を第2段階、そして第3段階として、今回の指針をMリーグのクラブに適用するとしています。
 以下が発表内容です。
I 今回の指針が適用されるクラブについて
1)4月22日までににクラブと選手及びスタッフと給料削減についての合意に達しているクラブには今回の指針は適用されない。
2)今年2020年3月の時点で未払い給料問題を抱えていたクラブは給料削減を選手に求めることはできない(ただし、クラブと選手及びスタッフとの間で事前合意がある場合は除く)
3)選手及びスタッフに対して今季、給料削減を行わないクラブはこの指針に従う必要はない。
注)例えば既に一律10%の給料削減で選手及びスタッフとの間で合意しているクラブは、今回の指針発表後に給料削減額を変更することはできない。
注2)また例えば既に一律40%の給料削減で選手及びスタッフとの間で合意をしているクラブは、今回の指針発表後に給料削減額を変更することはできない。
いずれも4月9日から22日の間に合意されている場合には、その内容を変更することは認められない。

II 給料削減の限度と期間
1)選手及びスタッフの給料額に基づき、削減は最大30%までとする。
2)削減の割合は給料額によって以下の通りとする。
カテゴリー1:4999リンギ(およそ12万4000円)以下−10%
カテゴリー2:5000リンギから9999リンギまで(およそ24万8000円)−15%
カテゴリー3:10000リンギから14999リンギまで(およそ37万2000円)−20%
カテゴリー4:15000リンギ以上−30%
3)30%を超える削減を行う場合は、クラブと選手およびスタッフ双方の同意が必要とする。
4)給料削減を行う期間は2020年4月より今季2020年シーズンのMリーグが再開された月までとする。例えばMリーグが8月に再開になった場合、給料削減は8月まで行えるものとする。
5)カテゴリー4の選手については、4月の削減は25%とし、5月から30%とする。

III その他
1)指針で示された給料削減の割合については、FAMはクラブの経営状況など必要に応じて変更する場合がある。
2)今季2020年シーズンの開催時期が延長される場合には、それに伴って選手及びスタッフとの契約も速やかに延長されるものとする。
 この他、今回の指針発表にあたり、FAMは法務部門、クラブライセンス部門、競技部門、スポーツ科学部門の職員からなるプロジェクトチームを作って、各クラブ、選手及びスタッフに対応するとしており、この発表の最後では、クラブ経営陣、選手、スタッフ及びサポーターが、これらの指針の受け入れを望んでいるとしています。

活動制限令解除後のM3リーグ再開を希望しないクラブも
 マレーシア全土に発令中の活動制限令は5月4日より、飲食店での食事が可能になるなど緩和されることが昨日5月1日に発表されました。しかし3月18日から続く活動制限令下では多くの経済活動が制限され、その影響から上の記事でも取り上げた各クラブが選手及びスタッフの給料を削減せざるを得ない状況となっています。
 この状況はMリーグ1部スーパーリーグや2部プレミアリーグのクラブはもとより、3部M3リーグでも同様で、特に小規模のクラブには大きな影響を及ぼしていると、マレー語紙ブリタハリアンが報じています。
 同紙が取り上げているのは、今季から高山龍選手も所属するM3リーグのランカウィシティFCですが、クラブのマネージャーを務めるモハマド・ノー・モハマド・アミンは、現在の状況はクラブにとって厳しいものになっていると述べています。
 「新型コロナウィルス感染は予期できないものではあるが、M3リーグのクラブは大半が小規模クラブであり経営危機に直面していることから、選手及びスタッフの給料支払いに悪影響が出ている」と話すモハマド・ノー氏は、「多くのM3クラブは企業スポンサーに依存しているが、その企業の多くが活動制限例により経営難に陥っている。」とも述べ、活動制限令が解除となった場合でも、今季のM3リーグは中止とするべきだと話しています。
 この他、FAMと国内リーグMリーグを統括するマレーシアフットボールMFLが提案している9月のMリーグ再開については、政府がこれを認めたとしても、ランカウィシティFCのような小規模クラブは綿密な運営計画が必要になるとし、事前に再開に向けた準備をせざるを得ないとしています。
 モハマド・ノー氏はFAMとMFLが6月に発表するとしているM3リーグ再開の可否については、M3リーグに関わる全員にとって最善のものであることを期待していると話しています。