7月28日のニュース(2):ヌグリ・スンビランFA監督は近々解任か、MFLはリーグ拡張を画策

ヌグリ・スンビランFA監督は近々解任か
 わずか勝点1の差でマレーシアフットボールMFL1部スーパーリーグへの昇格を逃したヌグリ・スンビランFA(N9)のマット・ザン・マット・アリス監督の解任が近いのではと、英字紙ニューストレイトタイムズが伝えています。
 一般的に、企業などで不正行為が行われた際、マレーシアでは当該者に対して事情説明を求めるshow-cause letter(「理由提示文書」とでも訳せばよいでしょうか)を送って、その回答を求めますが、今シーズンの昇格を逃したマット・ザン監督にもチームを運営するヌグリ・スンビラン州サッカー協会NSFAはこのshow-cause letterをマット・ザン監督に送付し、2週間以内の回答が求めているようです。またNSFAはマット・ザン監督には回答するまではチームと接しないことも伝え、今後の処遇は回答を得てから発表するとしています。
 MFL2部プレミアリーグ最終節では、どちらのチームも勝てば1部昇格の可能性があったN9対UITM FCのカードは引き分けに終わり、両チームと昇格を逃しています。なお、この試合では、試合終了直前でUITM FCの選手がペナルティボックス内でハンドの反則(結果は反則とみなされず)をしたとして、N9の選手たちは猛烈に抗議しましたが、審判は認めず、試合後もマッチコミッショナーに抗議を続けましたが、判定は変わりませんでした。
 トレンガヌFC(当時はトレンガヌFA)監督時代の2001年にはチームをマレーシアカップ優勝に導いているマット・ザン監督に代わって、現在は、N9の練習はザキ・シーク・アーマドアシスタントコーチとN9 U21のサザリ・サイドンコーチが担当しているようです。

MFLはリーグ拡張を画策
 マレーシアフットボールリーグMFLは、今シーズンが終了しましたが、MFLのケヴィン・ラマリンガムCEOは、今シーズンから導入されたアマチュアクラブの4部M4リーグの下に、さらに地域密着型のクラブによる5部リーグの開設も検討していると述べていることが英字紙ニューストレイトタイムズで報じられています。
 他国では地域密着型のクラブが住民や複数のスポンサーに支援されて大規模なクラブに成長するケースもある一方で、マレーシア国内リーグのクラブの多くは州政府など単一スポンサーに依存していることから、そのスポンサーが撤退した場合にクラブそのものの存続が危うくなる懸念があるとしています。
 マレーシア国内サッカーリーグの現状はこれまでも何度か書いてきていますが、例えば1部スーパーリーグで今シーズン9位のPKNS FCと11位のPKNP FCはいずれも州政府機関であるスランゴール州開発公社とペラ州開発公社が母体のクラブです。マレーシアでは一般的に州政府が各州のトップチームの資金援助を行っているため、スランゴール州で言えばスランゴールFAとPKNS FC、ペラ州ではペラTBGとPKNP FCとが州政府からの予算を分け合っていることから、PKNS FCはスランゴールFAの、PKNP FCはペラTBGのBチーム化、あるいはチーム解散が噂されています。なお両チームがBチームとなると、JDT IIやトレンガヌFC IIと同様に、2部プレミアリーグの所属となるだけでなく、MFLの規定がBチームの1部スーパーリーグでのプレーを禁じていることから、1部昇格が不可能になります。
 またシーズン終盤に奇跡の逆転で1部残留を決めたフェルダ・ユナイテッド(フェルダU)も母体は連邦土地開発公社という政府機関で、マレーシア政府が進める緊縮財政策の影響を受ける可能性があり、来シーズンのクラブの存続については言明されていません。マレーシア国立大学UKMが運営するUKM FCも予算の問題からリーグ脱退の可能性が取り沙汰されています。

7月28日のニュース(1):マレーシアFAカップはクダFAが優勝

 7月27日(土)にクアラ・ルンプールのブキ・ジャリル国立競技場で行われた2019年マレーシアFAカップは、延長戦の末、クダFAがペラTBGを1−0で破って優勝しました。

2019年マレーシアFAカップ決勝
クダFA1-0ペラTBG
得点者:クダFA-ファズルル・ダネル(105分)
 ブキ・ジャリル国立競技場には8万3000人の観衆が押しかけ、地上波でも放送されたマレーシア国内サッカーの大一番の一つは、試合開始からペラTBGが押し気味に試合を進めますが、前線までボールを運ぶものの、シュートまで至らなかったり、枠を捉えられなかったりと決定機がないまま前半が終了しました。後半に入ると両チームともシュートの精度は上がったものの、今度はGKの好守やゴールポストに阻まれ、試合は0-0のまま延長戦に入りました。
 フルタイム終了直前にペラTBGは、ここまで攻守に活躍していたDFアミルル・アザン・アズナンが2枚目のイエローをもらい退場となり、延長戦ではペラTBGは10名のでの戦いを強いられることになりました。
 そして延長前半の105分、右サイドを上がってきたDFリザル・ガザリへFWジョナサン・ボウマンがペラTBGのバックラインの裏へ絶妙のパス、そしてリザル選手からのグラウンダーのクロスを直前に投入されたばかりのMFファズルル・ダネルがゴール!それまで身体を張ってゴールを守っていたペラTBGの守備陣でしたが、この一瞬だけ、動きが緩慢になってしまいました。
 クダFAのFAカップの優勝は、1996年、2007年、2008年、2017年に続く5度目となり、この勝利によりクダFAはアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグの二次予選出場権も獲得しています。
 またこの試合は、マレーシアのサッカー史上初となる、主審と副審2名が外国人となる初の国内試合でしたが、試合を担当した主審は岡部拓人氏は、ペラTBGに4 枚(ナズリ・ナイムとレアンドロ・ドス・サントスがそれぞれ1枚、アミルル・アザン・アズナンは2枚)、クダFAには1枚(バドロル・バクティアル)のイエローカードを出しましたが、素人から見ても疑惑の判定もなく、試合をしっかりとコントロールしていたと思います。また副審の八木あかね氏と野村修氏も仕事をこなし、揃って日本の審判の技術の高さを見せることができたのではないでしょうか。
 以下はこの試合のハイライト映像です。(MFLのFacebookより)

7月27日のニュース:PKNP FC会長が2部降格の責任を取って辞任、PKNP FC監督は外国人選手への不満が爆発 、新たにマラッカUでも給料未払い問題が発覚

PKNP FC会長が2部降格の責任を取って辞任
 マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグで今シーズン3勝7分12敗の成績で11位に終わり、来シーズンは2部プレミアリーグ降格が決まったPKNP FCのザイノン・ファッジ・パハルディン会長が辞任したと、マレー語紙ウトゥサンマレーシア電子版が伝えています。
 ザイノン会長は、今シーズン開幕前にPKNP FCが2部降格となった場合は辞任すると宣言しており、その約束を守った形になります。

PKNP FC監督は外国人選手への不満が爆発
 2部降格となったPKNP FCのアブ・バカル・ファジム監督は、今シーズンを振り返って、自チームの外国人選手への不満を爆発させていると、英字紙スター電子版が伝えています。
 PKNP FCはシーズン当初、FWヤーセル・ピント(パレスチナ)、DFシヨブシュ・アスロロフ(タジキスタン)、MFトーマス・アビィ(ガーナ)、FWカリドゥ・クリバリ(セネガル)、FWジャンカルロ(ブラジル)、DFアマニ・アギナルド(フィリピン)という外国人でスタートしました。
 アブ・バカル監督が常に全力でプレーすると評価したトーマス・アビーが、シーズン中のケガにより退団となる一方、残った外国人選手に対してはチームの役に立っておらず、トランスファーウィンドウ期間に獲得した二人のブラジル人、DFペドロ・ヴィクター(ブラジル)とFWラモン・シルヴァも同様だったと述べています。
 またアブ・バカル監督は、選手と監督を含めたコーチングスタッフ全員が、今年12月までの1年契約であることも明かしています。2部降格によってチーム解散の噂もあるPKNP FC、前談の会長辞任とともにその噂が現実味を帯びてきました。
 

新たにマラッカUでも給料未払い問題が発覚
 MFLが先週発表した「経営が健全に行われている1部スーパーリーグの6クラブ」の一つ、マラッカ・ユナイテッド(マラッカU)で給料未払い問題が発覚しました。
  ジョホール・ダルル・タクジムJDT、パハンFA、スランゴールFA、クダFA、ペラTBGとともにMFLから評価されたマラッカ・ユナイテッドでは、スター選手にはきちんと給料が払われていたものの、そうでない選手たちは3ヶ月分の給料が支払われていないと、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 未払い給料の総額は約300万リンギ(約7900万円)ということですが、マラッカ・ユナイテッドサッカー協会のアドリ・ザハリ会長によれば、給料未払いは複数のスポンサーが責任義務を果たしていないことによるとしていますが、選手にとってはそんなことは問題でなく、経営陣が契約を履行していない事実のみが問題でしょう。
 シーズン直後に除名処分になったプルリスFAを始め、リーグ戦での勝点を剥奪されたケランタンFAやペナンFAに続くマラッカUの給料未払い問題は、MFLが把握しきれていない問題がまだまだあることを暗示しているように思います。

7月26日のニュース:明日はFAカップ決勝、そこでFAカップ関連のニュースを3つ

 明日7月27日(土)は、クアラ・ルンプールのブキ・ジャリル国立競技場を舞台にケダFA対ペラTBGの顔合わせでマレーシアFAカップの決勝戦が行われます。リーグ戦ではそれぞれ4位と5位ながら、首位のジョホール・ダルル・タクジムに対して、クダFAは19点、ペラTBGは20点の勝点差をつけられ、タイトル争いには絡むことができなかった両チームにとって、今シーズンの初タイトルを目指す重要な試合です。また、このFAカップの勝者にはアジアサッカー連盟AFCのアジアチャンピオンズカップ2次予選の出場資格が与えられます。

ニュース1:担当する日本人審判団が決定
 マレーシアサッカー協会FAMのホームページでは、このFAカップ決勝を担当する日本人審判団の顔ぶれが発表されています。主審は岡部拓人氏(38)、副審は八木あかね氏(45)、野村修氏(31)の3氏です。実はこの3氏は、今年6月11日にやはりブキ・ジャリル国立競技場で行われた国際サッカー連盟FIFAワールドカップ2022年大会アジア一次予選のマレーシア対東ティモール戦でも審判を勤めています。(ただしこの時は、荒木友輔氏が主審を務め、岡部氏と野村氏が副審、八木氏が第四審判という構成でした。)
 マレーシアのサッカー史上で初めて、国内戦の決勝を外国人審判が担当することになった背景には、退場者を2名を出した昨年2018年のマレーシアカップ決勝に代表されるようなマレーシア人審判の試合進行のまずさ、その結果としてのマレーシア人審判への信頼度の低さがあります。なお、第四審判はマレーシア人のロズラン・ジョフリ・アリ氏が務めることになっています。(写真はFAMのホームページより)

ニュース2:クダFAには痛いアウヴェスの出場停止
 ブラジル出身の長身DFレナン・アウヴェスはクダFA守備陣の要ですが、MFL1部スーパーリーグ最終戦のフェルダ・ユナイテッド戦で2枚のイエローカードをもらい退場になりました。その結果、明日のFAカップ決勝は出場停止処分のため試合に出ることができません。クダFAは、FAカップを主催するマレーシアフットボールリーグMFLに出場停止処分の先送りを求めたようですが、MFLは受け入れなかったようです。
 コーナーキックの時には前線に上がり、今シーズン2得点を挙げるなど攻撃でも貴重なアウヴェス選手ですが、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、同じ試合でケガをしたカイルル・へルミ・ジョハリとともに、センターバックの二人が同時に出場できないことを想定したシンガポール人のアイディル・シャリン・サハク監督は、アミルル・ヒシャム・アワン・ケチックとシャキル・ハムザを大会前練習でテストしていたと伝えています。

FAカップ決勝会場周辺で交通規制
 FAカップ決勝の会場となるクアラ・ルンプール(KL)のブキ・ジャリル国立競技場周辺は、約8万5000名の観衆が集まることが予想されるため、周辺の一部道路を閉鎖し、迂回路を設置すると、KL市警察本部のダト・スリ・マズラン・ラジム長官が語っていると、ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。マズラン長官は、当日の午前8時から1300名を超える警官を競技場内とその周辺に配置し、周辺の違法駐車も厳しく取り締まるとし、試合を観戦しない人や車両は混乱を避けるため、この日はブキ・ジャリル競技場周辺を迂回するよう求めています。

以下はFA決勝へ向けて、マレー語紙ブリタ・ハリアンが作成したインフォグラフィックです。

7月25日のニュース:マレーシアカップの組み合わせ決定、リーグ得点王はマレーシアカップに照準

マレーシアカップの組み合わせが決定
 マレーシアフットボールリーグMFLは今シーズンが終了しましたが、マレーシアのサッカーは今度はマレーシアカップで盛り上がります。
 日本の天皇杯と同じ1921年に初開催されたマレーシアカップ(ただし1921年のこの地域はイギリス植民地の英領マラヤだったため、当時の名称はマラヤカップ)は、日本に占領されていた1942年から1947年を除いて毎年開催されてきたアジア最古のカップ戦の一つです。
 マレーシアにはカップ戦が二つあり、一つはこのマレーシアカップ、そしてもう一つは今週末7月27日(土)に日本人審判団が決勝を担当するマレーシアFAカップ(FAカップ)です。日本の天皇杯同様、アマチュアクラブも含めて予選が行われるFAカップに対し、マレーシアカップはプロクラブのみのカップ戦です。
 このマレーシアカップに出場するのはMFL1部スーパーリーグの最下位クアラ・ルンプールFAを除いた11チームと2部プレミアリーグの上位5チーム(ただし、ジョホール・ダルル・タクジムJDT IIとトレンガヌFC IIはそれぞれ1部スーパーリーグ所属のJDTとトレンガヌFCのBチームのため、出場資格はありません)の計16チームで、この16チームが4つのグループに分かれてホームアンドアウェイ形式で予選を行い、各グループの上位2チームが準々決勝に進みます。
 昨年2018年の決勝ではペラTBGがPK戦でトレンガヌFCを破って優勝していますが、この試合ではマレーシア人主審の試合のハンドリングに批判が集まったことから、もう一つのカップ戦FAカップの決勝に日本人審判団が採用された経緯があります。
 また、このマレーシアカップに出場しない7チームにはチャレンジャーカップと呼ばれる大会が用意されており、マレーシアカップと同時期に細々と試合を行います。
 今年のマレーシアカップとチャレンジャーカップのグループ分けは、それぞれ以下の通りです。(MFLのFacebookより、Kumpulanとはマレーシア語で「グループ」の意味です)

リーグ得点王はマレーシアカップに照準
 マレーシアフットボールリーグMFLは全節が終了し、PKNS FCのリベリア出身FWクパー・シャーマンが14得点で得点王となりましたが、PKNS FCはリーグ後半に失速し、9位と低迷しました。
 英字紙スター電子版の記事の中でシャーマン選手は、得点王になったことは嬉しいが、リーグ戦でより良い成績をあげていればもっと嬉しかっただろうと述べています。前半戦を4勝3分4敗で折り返しながら、後半戦は1勝3分7敗と苦しんだチームについて、シャーマン選手は勝つべき試合を落としたのは残念で、特に後半戦は得点も多かったものの、失点も多かったとして、8月3日から始まるマレーシアカップでは、その点が修正できれば良いと述べています。
 シーズン前の個人的な目標として年間20ゴールを挙げていたというシャーマン選手はリーグ戦の14ゴール、マレーシアFAカップの2ゴールにできるだけ多く積み重ねたいとしています。
 なおMFL1部スーパーリーグでは、シャーマン選手の14ゴールに続くのはジョホール・ダルル・タクジムJDTのジオゴとスランゴールFAのイフェダヨ・オルセグんゲサンの12ゴール、以下ゴンザロ・カブレラ(JDT、11ゴール)、フェルナンド・ロドリゲズ(クダFA、10ゴール)、パトリック・ライヒェルト(マラッカ・ユナイテッド、10ゴール)と続きます。

7月23日から24日のニュース:FAカップ決勝は日本人審判団が担当、マレーシアの富豪がMLSチームの株を売却、ペナン州サッカー協会がCASに仲裁を求める、U15代表がAFF U15選手権へ向けて調子を上げる

FAカップ決勝は日本人審判団が担当
 当地の英字紙スター電子版は、7月27日(土)に開催されるマレーシアFAカップの決勝戦ペラTBG対クダFAの試合は日本人審判団が担当すると伝えています。
 マレーシア人審判に対しての国内の評価は低く、また昨年のもう一つのカップ戦マレーシアカップでは、プレーした選手ではなく審判の判定で注目を浴びたこともあり、外国人審判の採用が噂されてきました。
 FAカップを主催するマレーシアフットボールリーグMFLのケヴィン・ラマリンガムCEOによると、マレーシアサッカー協会FAMとパートナーシップ協定を締結している日本サッカー協会JFAが選抜する審判団は主審1名、副審2名の計3名で構成され、マレーシア人の第4審判がこのチームに加わることを記者会見で明らかにしています。

マレーシアの富豪がMLSチームの株を売却
 マレーシアで不動産から旅行業やホテル経営、セブンイレブンやスターバックスなどの国内フランチャイズ権を持つ企業体ブルジャヤグループの創業者のタン・スリ・ヴィンセント・タン氏がメジャーサッカーリーグMSLのロスアンゼルスFC(LAFC)の株式20%の売却を検討していると、英字紙スター電子版が報じています。
 記事によれば、この株式売却は、タン氏がいずれもオーナーを務めるイングランドフットボールリーグEFLチャンピオンシップ(イングランドプレミアリーグEPLの一つ下のリーグ)のカーディフ・シティFCとベルギー1部リーグのKVコルトレイクの経営に注力するためだとしています。特にタン氏が愛するカーディフ・シティFCはわずか1年でEPLからEFLチャンピオンシップへ降格となったため、LAFCの株式売却で得られる1億米ドルとも1億5000万米ドルとも言われる資金が、カーディフ・シティFCのEPL復帰に向けて使われるだろうとしています。

ペナン州サッカー協会がCASに仲裁を求める
 英字紙スター電子版は、国際サッカー連盟FIFAの裁定によりMFL2部プレミアリーグでの勝点6を剥奪(はくだつ)され、その結果、1部スーパーリーグへの昇格の機会を失ったペナンFAパンサーズを運営するペナン州サッカー協会FAPは、スポーツ仲裁裁判所CASに対してFIFAの裁定に対する不服申し立てを行なったと報じています。
 記者会見の席でFAPのアマル・プリトパル・アブドラ会長は、過去の経営陣による失態によって、今シーズンのリーグ戦での勝点剥奪というFIFAの処分には失望しているとし、アマル会長以下新経営陣は、勝点6剥奪処分が撤回されれば、その代償として罰金を支払う用意があるとしています。
 この記者会見には、ペナン州政府青年スポーツ委員会のスン・リップチー会長も同席し、ペナン州政府が毎年、500万リンギ(約1億3000万円)以上をペナンFAパンサーズに提供してチームを強化してきているとし、選手とコーチ陣の努力の結果である1部昇格が実現することを強く希望していると述べています。

U15代表がAFF U15選手権へ向けて調子を上げる
 タイのチョンブリで開催される東南アジアサッカー連盟AFF U15選手権に出場するマレーシアU15代表が、中国で開催された国際大会で優勝し、好調を維持してタイに出発できそうだと、英字紙スター電子版が伝えています。
 中国のの海口(ハイコウ)で開催され、イラン、中国、北朝鮮が参加して総当たり方式で行われた大会で、マレーシアはイランに2-0で勝利中国とは1-1で引き分け、最終戦の北朝鮮には2-1で勝利し、優勝を果たしています。
 7月27日から8月9日までの期間で開催されるAFF U15選手権で、マニアム・パチャイアパン監督が率いるマレーシアU15代表は、開催国タイ、ラオス、カンボジア、ブルネイ、オーストラリアとともにグループBに入っています。
 なおこのU15代表のメンバーはこちらです。

MFL第22節の結果まとめ

マレーシアフットボールリーグMFLは7月19日(金)から21日(日)までに行われた第22節がいよいよ最終節です。
 1部スーパーリーグはジョホール・ダルル・タクジムJDT、2部プレミアリーグはサバFAと優勝チームがすでに決まっており、最終節では、1部からの降格争いと2部からの昇格争いに注目が集まりました。

MFL1部スーパーリーグ
優勝:ジョホール・ダルル・タクジムJDT
2部降格:PKNP FC、クアラ・ルンプール(KL)FA

JDT3-3トレンガヌFC
得点者:JDT-レオナルド・ヴァレズケズ(31分)、サファウィ・ラシド(36分)、ゴンザロ・カブレラ(45分)、トレンガヌFC-サンジャル・シャアフメドフ(24分)、セルヒイ・アンドレイエフ(65分)、リー・タック(79分)
 JDT地は、この試合が行われたタン・スリ・ハジ・ハサン・ユノススタジアム、通称ラーキンスタジアムから、新たに建設されたスルタン・イブラヒムスタジアムへと本拠地を移転します。ホームでの無敗記録が止まった前節、そして引き分けに終わった今節と、JDTはラーキンスタジアムでの最後を飾ることはできませんでした。

PKNS FC2-3スランゴールFA
得点者:PKNS FC-ロメル・モラレス(3分)、タミルラン・コズバエフ(79分)、スランゴールFA-サンドロ・ダ・シルヴァ(40分)、イフェダヨ・オルセグン2(44分、52分)
 ともにシャー・アラムスタジアムを本拠地とする両チームは、MFL第3節で対戦し、その際にはPKNS FCが4点を挙げてスランゴールFAに圧勝。スランゴールFAのファンからはサティアナタン監督更迭を求める声が上がりましたが、終わってみればスランゴールFAはリーグ3位でシーズンを終えました。
 スランゴールFAのBチーム化が噂されるPKNS FCは、その噂が出た6月中旬以降は2分5敗の成績で、あわや2部降格というところまで順位を下げました。もし、PKNS FCがスランゴールFAのBチームとなることが決定すれば、JDT II、トレンガヌFC IIといったBチーム同様、2部プレミアリーグでプレーすることになります。

パハンFA4-1マラッカ・ユナイテッド
得点者:パハンFA-ラザラス・カイムビ2(2分、69分)、モハマドゥ・スマレ(41分)、サディル・ラムダニ(90分)、マラッカU-ルカ・ミルノヴィッチ(58分)

フェルダ・ユナイテッド5-1クダFA
得点者:フェルダU-ジョシネル・シャアド(6分)、ファイズ・マズラン(32分)、カイルル・アムリ(85分)、ジャサズリン・ジャマルディン(90分)、池田圭(90分)、クダFA-ジョナタン・ボーマン(78分PK)
 フェルダ・ユナイテッドがクダFA相手にまさかの勝利で1部スーパーリーグ残留を決めています。第20節から降格争いのライバルKLFAに勝利し、PKNP FCとは引き分けたものの、負ければ2部プレミアリーグ降格が決まるこの試合、上位チームのクダFA相手では苦戦が予想されましたが、蓋を開けてみればフェルダ・ユナイテッドの快勝でした。
 一方のクダFAはこの敗戦で、今シーズンの成績が4位となってしまいました。

プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC1-0PKNP FC
得点者:PJシティ-ワシントン・ブランダオ(75分PK)
 この試合に勝てば1部残留の可能性が大きかったPKNP FCでしたが、残念ながら2部降格となっています。

ペラTBG2-1クアラ・ルンプール(KL)FA
得点者:ペラTBG-カレッカ2(32分、68分)、KLFA-ルーク・ウッドランド(77分)
 KLFAは2部プレミアリーグ降格です。

順位チーム勝点勝数分け負数得点失点得失差
1JDT531651491930
2パハンFA431273372116
3スランゴールFA37107541356
4クダFA3497837298
5ペラTBG3389536315
6マラッカ・U3396736342
7トレンガヌFC307963537-2
8PJシティFC2682122229-7
9PKNS FC2156113738-1
10フェルダ・U1947112743-16
11PKNP FC1637122240-19
12KLFA1442162449-25

MFL2部プレミアリーグ
優勝:サバFA
1部昇格:サバFA、PDRM FC
3部との入替戦出場:サラワクFA

UITM FC1-1ヌグリ・スンビランFA
得点者:UITM FC-パク・ヨンジュン(24分)、ヌグリ・スンビランFA-中武駿介(63分)
 勝点30のPDRM FCがペナンFAに敗れたため、勝点28で並んでいる両チームは、この試合に勝てば1部昇格でした。UITM FCが先制するも中武駿介選手のゴールでヌグリ・スンビランFAが同点に追いつきますが、試合はそのまま終了。UITM FC、ヌグリ・スンビランFAは1部昇格ならず。
 ヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手はスタメンでフル出場しています。

PDRM FC1-2ペナンFA
得点者:PDRM FC-パトリック・ロナルジーニョ(30分)、ペナンFA-カサグランデ(6分)、アル・ハフィズ・ハルン(53分)
 UITM FCとヌグリ・スンビランFAが引き分けたおかげで、最終節に大逆転でペナンFAが1部昇格を勝ち取ったかと思いましたが、最後に大どんでん返しが待っていました。

サラワクFA3-1スランゴール・ユナイテッド
得点者:ボビー・ゴンザレス(32分)、クロヴィス・フランクリン(60分OG)、ハドソン・ディアス(75分)、スランゴール・ユナイテッド-ノーシャミル・ガニ(6分)
 最終戦に勝利したものの、サラワクFAはプレミアリーグ最下位の11位。MFL3部に当たるM3リーグの準優勝チームであるケランタン・ユナイテッドと入れ替え戦を行います。M3リーグの優勝チーム、鈴木雄太選手が所属するクチンFAは自動昇格となり、来シーズンはプレミアリーグ入りしますが、クチンはサラワク州の州都です。例えるなら、東京都サッカー協会のチームが3部との入れ替え戦に出場する一方で、新宿区サッカー協会のチームが2部昇格となるような状況です。

トレンガヌFC II2-1サバFA
得点者:ハイディル・スハイニ(45分)、リズアン・ラザリ(55分)、サバFA-アギナルド・ポリカルポ(64分)
 トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手はスタメンでフル出場しています。

ケランタンFA2-0UKM FC
得点者:ケランタンFA-ニック・アズリ・ニック・アリアス(59分)、ニック・アキフ・シャヒラン(90分)

順位チーム勝点勝数分け負数得点失点得失差
1サバFA431343331716
2JDT II33965311912
3PDRM FC3093830273
4トレンガヌFC II308662124-3
5UITM FC2985733258
6ヌグリ・スンビランFA2985729254
7ペナンFA24641032275
8UKM FC2264192832-4
9スランゴール・U2163112437-13
10ケランタンFA174882332-9
11サラワクFA1644122544-19

*ペナンFAとケランタンFAは、過去に在籍した選手、スタッフへの給与未払い問題への対応が不十分だったことから、国際サッカー連盟FIFAの裁定により、それぞれ勝点3と勝点6を剥奪(はくだつ)されています。

7月22日のニュース:ペナンFAが経験した天国と地獄

ペナンFAが経験した天国と地獄
 少々大げさな見出しではありますが、マレーシアサッカー協会FAMによる謀略説が噂されるほどの大どんでん返しが起こりました。
 マレーシアフットボールリーグMFL2部プレミアリーグ第21節終了時点で、既にサバFAはリーグ優勝で1部昇格を決め、残る一つの1部昇格枠を争っていたのはPDRM FC(勝点30、得失差4)、UITM FC(勝点28、得失差8)、ヌグリ・スンビランFA(勝点28,、得失差4)、ペナンFA(勝点27、得失差4)の4チーム。しかも最終節となる第22節では、UITM FC対ヌグリ・スンビランFA、PDRM FC対ペナンFAと、昇格を争うチーム同士の直接対決のカードが組まれていました。
 7月20日に行われた試合の結果は、それぞれUITM FC1-1ヌグリ・スンビランFA、PDRM FC1-2ペナンFAで、最も不利な条件下にあったペナンFA(勝点30、得失差5)が、PDRM FC(同30、3)、UITM FC(同29、8)、ヌグリ・スンビランFA(同29、4)を抑えて、大逆転で1部昇格を勝ち取りました。と、ここまでが天国だとすれば、地獄はそのわずか24時間後にやって来ました。
 7月21日にFAMがそのホームページ上で、FIFAの裁定によりペナンFAのプレミアリーグでの勝点6が剥奪(はくだつ)されることを発表しました。この結果、ペナンFAはリーグ3位(2位のJDT IIは、1部JDTのBチームのため昇格不可)から一気にリーグ7位となり、リーグ4位のPDRM FCが代わりに3位となったため、1部昇格枠を手に入れました。
 ペナンFAの勝点剥奪の理由は、2015年から2017年まで在籍したブラジル人DFレイナルド・ロボに対する2017年の6ヶ月分の未払い給料約9万5000米ドルが、FIFAが規定した期限までに支払われなかったことによりますが、その顛末(てんまつ)がFAMのホームページに掲載されていますので、以下、翻訳を載せておきます。

2019年3月25日
FIFAの懲戒委員会が、ペナンサッカー協会FAPに対してレイナルド・ロボ選手に対して9万米ドルに利子5%を加えた金額を、さらにFIFAの紛争解決室*NDRCによる指示に従わなかったことに対する罰金1万米ドルを30日以内に支払うことを命じる。この裁定に従わない場合には国内リーグでの勝点6の剥奪が明示された。
2019年4月17日
FAPが9万2597米ドルをレイナルド選手の銀行口座に払いこまれた。この際に支払いはFAM経由ではなく、FAPが直接、レイナルド選手へ支払った。
2019年4月29日
レイナルド選手の弁護士がFIFAに対し、レイナルド選手が9万2597米ドルを受け取ったことを報告する一方、FAPからレイナルド選手に支払われるべき金額は9万7041米ドルであり、4444米ドルが不足していることをFIFAに通達した。その通達の控えはFAPに送られたが、FAMには送られず、従ってFAMはまだ未払いが存在することを把握していなかった。
2019年6月28日
FIFAからFAMに対して、FPAが期限までに支払いを完了していないことが通達され、7月3日までに国内リーグの勝点6を剥奪することを命じた。これを受けたFAMは、FAPが契約時の為替レートに従って支払いを行なったのに対し、FIFAは支払い時点での為替レートで支払うことも求めていたことによる混乱を説明する1度目の懇願書を提出した。
2019年7月1日
FAPは差額分の4444米ドルをレイナルド選手の口座へ払い込んだ。またレイナルド選手の弁護士は、送金を受け取った時点でFIFAに連絡することを通達する一方で、送金が完了するまでPFAに対するFIFAの処分が保留されることには異論がないことも通達した。
2019年7月2日
FAMはFIFA宛に公式文書にて、支払いが完了するまでの間のPFAに対する処分保留が可能かどうかを問い合わせた。
2019年7月3日
勝点剥奪の起源となったこの日、レイナルド選手の弁護士はFIFAに対して、送金が未だ受け取れていない一方で、処分が保留となることに異論がないことを通達した。
2019年7月4日
FAMは2度目の懇願書をFIFAに提出し、FAPが未払い給料の支払いを行い、その手続きに時間がかかっていることの理解と処分保留を求めた。
2019年7月10日
レイナルド選手の弁護士からFIFAに対して、未払い分を全額受け取ったことが報告され、同時にFAPに対する懲戒処分の取り下げが求められた。
2019年7月17日
FIFAより勝点6の剥奪を遅くとも7月22日までに行うことを求める手紙がFAMに届き、その理由としては当初の指示通り30日以内に給料未払い分が完済されなかったことが理由となっていた。
2019年7月18日
FAMはFIFAに対して3度目の懇願書を提出した。
2019年7月21日
FIFAから新たな裁定はなく、期限となったこの日、FAMからMFLに対してPFAの勝点6剥奪が命じられた。
(*筆者注:FAMのホームページの表記ではNDRCとなっていますが、FIFAの組織であればNationalのつかないDPCが正しい表記だと思われます。)

7月17日から21日のニュース:2022年WCアジア予選でマレーシアは「アセアン組」に、サラリーキャップ導入にFAMは否定的、JDTにドイツ出身のティーンエイジャーが加入

2022年WCアジア予選でマレーシアは「アセアン組」に
 アジアサッカー連盟AFC本部のあるクアラ・ルンプールで国際サッカー連盟FIFAワールドカップWC2022年カタール大会兼2023年AFC選手権のアジア二次予選の組み合わせ抽選が行われ、一次予選を勝ち上がったマレーシア(FIFAランキング159位)は予選G組となり、アラブ首長国連邦UAE(同67位)、ベトナム(同96位)、西野朗監督が就任したタイ(同116位)、インドネシア(同160位)と同じ組になりました。この組はUAEを除けば、他の相手は全てマレーシアも属する東南アジア諸国連合ASEANアセアン域内の国々です。
 マレーシアサッカー協会FAMは2018年10月に、「2030年までにアジアのトップ5入りを目指す」ことを目的とするF:30行動計画を立ち上げており、これを実現するためには今回のWC予選で対戦する域内の国々がその前に立ちはだかることは明らかで、そう行った国々との対戦がどのような結果になるのかが楽しみです。

サラリーキャップ導入にFAMは否定的
給料の高騰により、その未払い問題が散見するマレーシアフットボールリーグについて、FAMのダト・ハミディン・アミン会長は、 各チームが選手の給与として使用できる最大の金額を、規定するサラリーキャップ制度の導入に否定的であると英字紙ニューストレイトタイムズが伝えています。
 サラリーキャップ制度は 選手の年俸の高騰を抑え、全チームが平等な条件で争うことを目的としていますが、この記事の中でハミディン会長は給料未払い問題を解消する役には立たないだろうと述べています。
 サラリーキャップ制度は、MFLではなくFAMがマレーシアのプロリーグを運営していた際に導入されたことがありましたが、結果として二重契約問題を引き起こした前歴があります。二重契約とは、選手とクラブが交わしFAMが承認した契約書とは別に、サラリーキャップで規定された給料の上限を超える金額でもう一つの契約書でも契約を交わし、こちらはFAMに提出しないというものです。
 これについてFAMは、自らが承認した契約書のみが有効という立場を主張する一方で、二重契約については見て見ぬ振りをした結果、二重契約で約束された給料を支払えないクラブがある一方で、その契約内容が不履行であっても監督、コーチ、選手がFAMに訴えることができないという状況を起こしてしまいました。
 この前例を踏まえ、ハミディン会長はスペインのラ・リーガを模してMFLが導入を検討している各クラブごとの年間収入に基づく出費制限制度の方が、給料未払い問題対策としてより有効であると考えていると述べています。

JDTにドイツ出身のティーンエイジャーが加入
 MFL1部スーパーリーグで6シーズン連続優勝を果たしたジョホール・ダルル・タクジムJDTは、マレーシア人の母親とドイツ人の父親を持つ16歳のDFジュリアン・ヨハン・ベックラーと契約したことをFacebookで発表しています。ドイツリーグ6部のロット・ワイス・フランクフルトのU17チームでプレーしているジュリアン選手は、母親がマレーシア人であることからマレーシア代表としてプレーする資格があり、先月退任したU19代表のボジャン・ホダック前監督がマレーシアU19の代表候補合宿にも招集したことがありますが、その際にはマレーシア人が持っている身分証明証の発行が間に合わず、U19代表入りができませんでした。
 今回、マレーシアの市民権を取得するために必要な書類を提出したジュリアン選手は、JDTとの契約後は、JDTのU21チームに当たるJDT IIIに所属することになっているようです。(写真はJDTのFacebookより)

JDTといえば、今シーズン最終節第22節、ホームでのトレンガヌFC戦の会場を無料開放しました。さすが太っ腹なJDTですね。(写真は入場無料と優勝の表彰式が行われることを告知するJDTのFacebookポスト)

7月16日のニュース:速報!JDTのホーム無敗記録が75で止まる!、スター選手は勇気を持って国外を目指せ

スター選手は勇気を持って国外を目指せ
 上のような見出しで英字紙ニューストレイトタイムズのアジトパル・シン記者が、マレーシア人選手にもっと高い志を持つべきだと提言しています。
 この記事の中では、マレーシア人選手の多くが夢見ているのは、マレーシアフットボールリーグMFL1部のジョホール・ダルル・タクジムJDTでプレーすることし、国内トップクラブでプレーすること自体は悪いことではないが、スター選手たちはむしろ国内で満足せず国外でのプレーを目指すべきだと提言しています。
 MFLは以前に比べると格段に注目を集めるようになってはいるものの、日本や韓国の1部リーグに比べるとまだまだ見劣りするとしています。また、記事の中ではJDTのサファウィ・ラシド、アキヤ・ラシド、アフィック・ファザイル、スランゴールFAのシャミ・サファリの名を挙げ、こういったマレーシアのスター選手は日本や韓国でプレーするだけの実力を持っているだろうと述べています。
 FAMのダト・ハミダン・アミン会長も日本や韓国からヨーロッパへ移籍する選手たちを例に挙げ、マレーシア人選手もまずは日本や韓国の2部リーグでも良いので、そこをスタートラインとし、そこで活躍できればヨーロッパのトップクラブの眼に留まるだろうとしています。日本サッカー協会JFAや韓国サッカー協会も17歳から21歳までの選手については、積極的に受け入れたい意向を示しているとのことです。その一方でハミダン会長は、マレーシアではスター選手は20代前半の選手でも既に1ヶ月あたり40000リンギ(約105万円)の給料を受け取っており、給料が激減するような日本や韓国の2部リーグでのプレーを勧めるのも容易ではないとしています。

速報!JDTのホームでの無敗記録が75試合で止まる!
 複数の選手がインフルエンザに感染したことから順延となっていたMFL1部スーパーリーグ第20節のジョホール・ダルル・タクジムJDT対プタリン・ジャヤ(PJ)シティFCの試合が7月16日(火)にJDTのホームで行われ、PJシティFCがJDTを1−0で破っています。
 JDTはホームのタン・スリ・ダト・ハジ・ハサン・ユノススタジアム(通称ラーキンスタジアム)では、国内リーグ戦は75試合無敗(前進のジョホールFC時代も含めると82試合無敗)の記録を更新中でしたが、高い位置から積極的にプレスをかけ続けるPJシティFCの戦術に屈しました。
 来シーズンからはスルタン・イブラヒムスタジアムを新たなホームとするJDTにとっては、この試合も入れてラーキンスタジアムでは残り2試合というところでしたが、2014年4月14日以来の敗戦によって、ホームの連勝記録も28でストップとなりました。しかも連勝記録を止めたのは、今シーズンMFL1部スーパーリーグで得点数がリーグ最低のPJシティFCだったというのも皮肉です。(下は無敗記録が75で止まったことを知らせるJDTのFacebookポスト)

MFL1部スーパーリーグ 第20節(カッコ内は第21節終了時の成績)
JDT(1位:16勝4分1敗 勝点52)0-1PJシティFC(8位:7勝2分12敗 勝点23)
得点者:PJシティFC-ワシントン・ブランダオ(64分)

同じ7月16日には、以下の試合も行われました。
MFL1部スーパーリーグ 第21節(カッコ内は第21節終了時の成績)
マラッカ・ユナイテッド(5位:9勝6分6敗 勝点32)1-1PKNS FC(9位:5勝6分11敗 勝点21)
得点者:マラッカ・ユナイテッド-シュコール・アドナン(54分)、PKNS FC-クパ・シャーマン(80分)
 やはり選手がインフルエンザに感染したPKNS FCはマラッカ・ユナイテッドと対戦し、リーグ得点王のクパ・シャーマンのゴールで引き分けに持ち込んでいます。