8月22日のニュース:いよいよMリーグが再開!(とは言っても中断前の未消化試合2試合ですが)

 本日8月22日には、Mリーグ1部スーパーリーグと2部プレミアリーグでそれぞれ1試合が開催されます。
 スーパーリーグは3月15日の第4節に予定されながら順延となっていたPJシティFC対トレンガヌFCの試合がPJシティFCの本拠地MBPJスタジアムで午後9時から行われます。この試合は試合当日の3月15日にMPPJスタジアムが改修工事中で使用できず、またその代替試合会場をPJシティFCが用意できなかったことにより順延されています。なお、PJシティFCはこの不手際により、Mリーグを主催するマレーシアフットボールMFLより3万リンギ(およそ76万円)の制裁金を課されています。
 ホームのPJシティFCは3月18日のリーグ中断まで1勝1分1敗の10位につけています。以下はMFLがリーグ再開を前に作成したチーム紹介用インフォグラフィックです。表記は全てマレーシア語ですが、クラブ名PJ CITY FCの下には本拠地のMBPJスタジアム(表記はSTADIUM MAJILIS BANDARAYA PETALING JAYA)、右側にチームロゴとホームユニフォームが、中央左には監督(Ketua Jurulatih)のデヴァン・クップサミー監督の顔写真と2020年スーパーリーグ1部での順位(KEDUDUKAN CIMB LIGA SUPER 2020、CIMBはリーグの冠スポンサーになっている金融グループの名前です)と試合結果(KEPUTASAN CIMB LIGA SUPER 2020)、さらに主将(Ketua Pasukan)のグルサミー・カンダサミーの紹介、そしてここまでのチーム得点者(Penjaring Pasukan)はデンバ・カマラ選手や他の上位得点者が紹介されています。

 対戦相手のトレンガヌFCはPJシティFC同様に1勝1分1敗で得失差もー1と同じですが、総得点が8とPJシティFCの4より多いことから、ここまでの順位は8位となっています。なおチーム得点王のドミニク・ダ・シルヴァ選手は、ここまでリーグの得点王でもあります。

 一方、Mリーグ2部プレミアリーグは、3月7日の第2節に雷雨のため試合開始直後に中止となったUKM FC対ケランタンFAの試合がUKM FCの本拠地MPSスタジアムで午後4時45分から行われます。ちなみにこの中途半端な試合開始時間の理由は、MPSスタジアムがMFLが規定する明るさの照明設備を備えていないことに加え、イスラム教の日没時のお祈りの時間がマレー半島では午後7時30分少し前であることから、試合がその時間にかからないよう設定されていることによります。

 ホームのUKM FCはマレーシア国立大学UKMの学生とプロ選手からなるクラブチームで。リーグ中断までの3試合を1勝1分1敗の勝点4ながら、昨季2019年シーズン優勝のJDT IIと引き分けるなど検討しています。

 対戦相手のケランタンFAはこのブログでも何度も取り上げたように、過去数ヶ月間の給料が未払いとなっているだけでなく、過去に在籍した選手への未払い給料問題が解決していないことからFIFAの制裁を受け、今季の勝点3が剥奪されています。このためリーグ中断までの3試合は1勝1分1敗で本来なら勝点4となるはずですが、剥奪の結果、勝点1となっています。
 また、開幕前に契約していたユニフォームの胸スポンサーも撤退して、リーグ再開後は新たなデザインのユニフォームで臨むなどバタバタが続いています。下のユニフォームは今季開幕時のもので、本日8月22日の試合はこれとは別のユニフォームを着用します。
 なおケランタンFAには日本人の渡邉将基選手も在籍しています。

 ケランタンFAにとって朗報なのは、今季はMリーグ2部と3部の入れ替え戦が廃止となったことです。新型コロナウィルスの影響で今季のMリーグ3部、M3リーグは中止が決定していることから、2部からの降格がないことがMFLより発表されています。
 勝点3を剥奪され、降格権に限りなく近づいていたケランタンFAですが、その降格がなくなったことから、失うものが何もなくなった結果の開き直りの底力に期待がかかります。これで上位5チームまでに与えられるマレーシアカップへの出場権を獲得できれば、言うことなし、といったところでしょう。

8月20日のニュース:Mリーグ再開が8月26日から28日へ変更、スランゴール州FA運営のアカデミーもゴールド評価獲得、U19代表はスランゴール2に敗れて2連敗

Mリーグ再開が8月26日から28日へ変更
 国内リーグのMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグは公式Facebook上で現在、中断中のMリーグ1部と2部の再開日が当初発表されていた8月26日ではなく8月28日へ変更になったことを告知しています。
 昨日8月19日に開催されたマレーシアフットボールリーグMFLの常務理事会で決定されたということですが、その理由としてFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選の延長や、昨季のMリーグチャンピオンであるジョホール・ダルル・タジムJDTが出場するAFCチャンピオンズリーグの日程への考慮などが挙げられています。
 当初は8月26日再開で9月23日終了と4週間で7試合を終える強行日程でしたが、新たに発表された日程は8月28日再開でMリーグ1部スーパーリーグは10月10日、2部プレミアリーグは10月9日に終了となっており、各クラブとも週に1試合で週末に行われ、7週間かけて試合を消化します。詳しい日程はこちらからどうぞ。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、日程が緩和されたことにより各クラブはより多くの休息日が取れること、また移動日程が柔軟になることなど利点があると述べ、JDTのACL日程(10月17日、26日、29日、11月1日)にも影響が出ないこと、また新型コロナウィルスの影響などで日程が変更になった場合の予備日として11月10日から29日を確保していることなどを明らかにしています。
 この他、新型コロナウィルスの感染状況が改善していないサラワク州に本拠地を持つ2部のクチンFAとサラワク・ユナイテッドFCのホームゲーム会場については、近いうちに発表されるということです。
 またMリーグ3部のM3リーグは既に今季の中止が決定していることから、M3リーグから2部プレミアリーグへの昇格とプレミアリーグからM3リーグへの降格については今季は行わないことも明かされています。なお1部スーパーリーグと2部プレミアリーグ間は通常通り1部の11位と12位が降格し、2部の1位と2位が昇格するということです。
 さらにMリーグの終了予定日が延長になったことで、1部の上位11チームと2部の上位5チームの計16チームが出場するマレーシアカップの日程も変更となり、10月16日空18日に1回戦、24日と25日に準々決勝、30日と31日に準決勝、そして11月7日に決勝が予定されています。

スランゴール州FA運営のアカデミーもゴールド評価獲得
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイトで国内にあるアカデミーの評価を発表し、スランゴール州サッカー協会(スランゴール州FA)が運営するFASサッカースクールがゴールド評価を得たことを発表しています。
 スーパリマウ(スーパーとマレーシア語で「虎」を意味するハリマウを組み合わせた造語)と名付けられた、国内の草の根レベルの育成を行うアカデミーの評価プログラムは国内のアカデミーのレベルアップを目標に設けられたもので、リーダーシップ、計画性、設備、教育、草の根レベルでの試合運営の5つの点で審査され、その審査結果に応じて、ゴールド、シルバー、ブロンズの3つの評価が与えられます。8月6日のこのブログでは、JDTが運営するアカデミーがゴールド評価を獲得したことを紹介しましたが、FASサッカースクールはFAMが設定した基準の80%を達成した結果のゴールド評価で、同様の基準の98%を達成しているJDTのアカデミーに続き、国内で2番目にスーパリマウのゴールド評価を受けたアカデミーとなります。FASサッカースクールとJDTアカデミーに対するFAMの審査による具体的な結果はこちらから見ることができます。
 FAMは今後も定期的に国内のアカデミーの審査を行う予定としており、現在も審査を希望するアカデミーを募集しています。審査を受けた各アカデミーはその結果をもとにゴールド、シルバー、ブロンズの評価が与えられますが、この評価は2021年の12月まで有効で、それ以降はFAMによる審査を改めて受ける必要があります。
 なおこのスーパリマウ評価プログラムをの審査を受けたクラブは、FAMが主催するアカデミー対象のリーグ戦への参加や、アカデミー出身者がプロ契約を結んだ場合の褒賞なども提供されるということです。
(下はアカデミーにスパリマウ評価プログラムの審査を受けることを勧めるFAMの告知-FAM公式サイトより)

U19代表はスランゴール2に敗れて練習試合2連敗
 10月にウズベキスタンで開催されるアジアサッカー連盟AFC U19選手権に出場するU19代表は、昨日8月19日にMリーグ2部のスランゴール2と練習試合を行い、0−4で敗れています。
 スランゴール州プタリンジャヤのPKNSグラウンドで行われた試合は、前半を0ー1で折り返したU19代表が後半さらに3失点という展開でした。試合の映像はこちらからご覧になれます。
 U19代表は8月12日にはMリーグ1部のPJシティFCとも練習試合を行なっており、こちらも1-6で敗れています
 現在、第二次代表候補合宿を行なっているU19代表ですが、実は昨日対戦したスランゴール2には、MFムカイリ・アジマルを始め、GKにはフィルダウス・イルマンやシーク・イズハン・ナズレル、DFのハリス・ハイカル、ジクリ・カリリ、アイディル・アズハンなど昨年2019年のアセアンサッカー連盟AFF U19選手権優勝に貢献した主力メンバーを含むU19代表候補選手が在籍していますが、来週8月28日にMリーグの開幕を控えるスランゴール2が所属選手のU19代表合宿合流を認めていないため、U19代表はベストメンバーをそろえることができていません。またベルギー1部KVコルトレイクと契約し、現在はベルギーにいるFWルクマン・ハキム・シャムスディンもこの第二次合宿には不参加となっています。

8月19日のニュース:AFC-Mリーグクラブの民営化が実現しなければその責任はFAMにある、10月開催予定のAFC U19選手権は延期か、イフェダヨはスランゴールFCに合流間近

AFC-Mリーグクラブの民営化が実現しなければその責任はFAMにある
 9月30日を期限としてMリーグ1部と2部の全てのクラブは各州サッカー協会から独立し、民営化されることが求められていますが、これが期限までに完了しない場合、アジアサッカー連盟AFCはその責任をマレーシアサッカー協会FAMを追うべきだとしています。
 マレーシアのスポーツ専門サイトのスタジアムアストロによると、AFCのウインザー・ポール事務局長は、民営化手続きを完了していない大半のMリーグクラブに警告を発すると同時に、期限までに全てのクラブの民営化が完了しない場合、その責任はFAMにあると話しています。
 マレーシア国内で放送されたサッカー関連番組に出演したウインザーAFC事務局長は、AFCはクラブの民営化完了の必要期間として、2017年から3年間の猶予をFAMに対して与えていることを明らかにしています。その上で、民営化が完了しない場合には、2021年以降のAFCチャンピオンズリーグやAFCカップなどAFCが主催する大会でFAMが発給するクラブライセンスは正式ライセンスとして認識されなくなり、Mリーグのクラブには出場権が与えられなくなると話しています。
 「そうなった場合、例えばMリーグの優勝チームがAFCチャンピオンズリーグに出場する場合には、その出場に必要なライセンスを自国のサッカー協会FAMではなく、AFCに申請することが必要になる。そうなった場合、FAMは面目を失うことになるだろう。」とウインザー事務局長は話しています。
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 AFCからは2017年の段階でクラブの民営化についての指示が出ていたというのは驚きです。というのはこの民営化の話がメディアを賑わすようになったのは今年2020年に入ってからで、それまではそう言った話を見ることはほとんどありませんでした。
 期限ギリギリになって重い腰を上げ、しかも直前になってパニックになったり、泣きを入れるというのは、マレーシアでは珍しいことではありません。それでも貴重なAFC主催大会への出場権がかかるような手続きの不備を放置してきたFAMは非難されるべきでしょう。

10月開催予定のAFC U19選手権は延期か
 マレーシアも出場する2020年アジアサッカー連盟AFC U19選手権の延期についてAFCが検討を始めたことをマレーシア語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 10月14日から30日までウズベキスタンで開催予定の今年のAFCU19選手権は、来年2021年にインドネシアで開催予定のFIFA U20W杯のアジア予選も兼ねた大会ですが、開催国ウズベキスタンや他の出場国の新型コロナウィルスの感染状況次第では、大会延期もありうることをAFCのウインザー・ポール事務局長が明らかにしています。
 アジア各地での新型コロナウィルスの状況を監視していると話すウインザー事務局長は、感染拡大の収束が見られないことから、今月8月末をめどにU19選手権の延期を正式に発表する可能性について言及しています。
 「近々開催予定のAFCの定例会合では、今年10月のAFC U19選手権の開催についてだけでなく、来年2021年にインドネシアで開催されるU20W杯なども含め全てのAFCが関わる大会について、大会運営委員会の委員が最新の情報をもとにその日程について協議を行う予定である。」
 「大会運営には多くの準備が必要なので、大会延期の決定は最速で今月末、遅くとも9月の初旬までには行いたいが、その際には出場チームなど関係者全員の健康と安全が最優先される。」とウインザー事務局長は述べています。
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 この記事を書いている時点で、AFC U 19選手権開催国のウズベキスタンは、新型コロナウィルスの感染者が3万5702人で、その内、回復者が3万1384人、亡くなられて方236人となっています。また、来年2021年5月20日に開幕予定のFIFA U20W杯の開催国インドネシアは、感染者がおよそ14万3000人、その内、回復者が9万6306人、亡くなられた方は6277人となっています。

イフェダヨはスランゴールFCに合流間近
 Mリーグ1部スランゴールFCのナイジェリア出身のFWイフェダヨ・オルセグンは無事、8月11日にマレーシアに到着し、現在、全ての入国者に義務付けられている14日間の隔離期間があと1週間で終了するようです。
 スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会の公式サイトに掲載されたインタビューでイフェダヨ選手は「チームメートと合流できるので、マレーシアに戻れて嬉しい。」と話すイフェダヨ選手は、隔離期間中、クラブがエアロバイクやウェイトトレーニングの機材などを使って体力を維持する予定だと話しています。
 イフェダヨ選手不在の間のスランゴールFCは、8月26日のMリーグ再開に先立ち解禁となった練習試合をここまで4連勝しています。解禁となった8月5日に行われたMリーグ2部ペナンFA戦に4-1 で勝利すると、8月8日と13日にはいずれも2部のUKM FCとヌグリスンビランFAを相手にいずれの試合も3-0で快勝、そして8月15日にはトレンガヌFCを2-0で破っています。
 Mリーグ過去最高の33回の優勝を数える名門スランゴールFCですが、本拠地のシャーアラムスタジアムが改修工事で閉鎖となるため、今季の残り7試合は同じスランゴール州にあるUITM FCのホーム、UITMスタジアムを使用します。
 リーグ中断までの間は1勝2分1敗の勝点5で6位につけているスランゴールFCは、リーグ再開後の初戦はUITMスタジアムでPJシティFCと対戦します。

8月18日のニュース:FAM-サバ州FAは民営化手続きを始めている、ケランタン州FAはニック・アキフの放出も検討

FAM-サバ州FAは民営化手続きを始めている
 昨日8月17日のこのブログでは、マレーシアサッカー協会FAMが民営化手続きを始めていないクラブがMリーグ1部で2チーム、2部で1チームあると発表した記事を取り上げ、噂では1部のクラブはサバFAとPDRM FC、2部はUKM FCがこの3クラブだと書きました。
 しかしサッカー専門サイトのサッカートライブによると、サバ州サッカー協会(サバ州FA)は運営するMリーグ1部のサバFAの民営化手続きに着手しているとFAMのスチュアート・ラマリンガン事務局長が述べています。
「サバ州FAは、運営クラブの民営化に着手していない州FAの一つではない。ただし、サバ州政府内の政変により州議会が解散しており、このため民営化手続きに必要な承認が州政府から得られず、その進行に遅れが出ているというの事実である。なお、民営化の期限は9月30日ではあるが、FAMはサバFAの民営化手続きの完了を支援することを確約する。」
 その一方でスチュアート事務局長は、今回の手続きの遅れはクラブが州FAから独立していないこと、そして州FAが州政府に依存していることが原因だとして、改めてMリーグクラブの州FAからの独立と民営化の必要性を訴えています。

ケランタン州FAはニック・アキフの放出も検討
 Mリーグ2部ケランタンFAのMFニック・アキフ・シャヒラン・ニック・マットは、U19やU23代表でもプレー経験があるチームでもトップの若手有望株ですが、この21歳の攻撃的ミッドフィルダーがクラブを運営するケランタン州サッカー協会(ケランタン州FA)の苦しい財政状況から放出される可能性があると、マレーシア語紙コスモ電子版が報じています。
 ケランタン州FAの苦しい財政状況は、在籍選手やスタッフだけでなく、かつて在籍した選手やスタッフに対しても未払い給料があることなどを、このブログでも何度も取り上げています。この状況に対して、クラブの買収を希望する声が複数の企業や個人から挙がる一方で、現在抱えている未払い給料の問題を解決しなければ、来季は現在のMリーグ2部からセミプロリーグの3部、M3リーグへの降格処分を受ける可能性があります。そんな中でケランタン州FAのフシン・デラマン事務局長は、他のMリーグクラブからのケランタンFA在籍選手獲得の打診について話を聞く用意があるとしています。
 「ケランタンFAの有望な若手選手の多くが2021年まで契約が残っているが、ケランタン州FAはそう言った選手の獲得を希望するクラブがあれば話を聞く用意がある。特にニック・アキフに関心があるクラブが複数あることは理解しており、そう言ったクラブは、他の若手選手よりも高額の100万リンギ(およそ2520万円)の契約解除違約金がニック・アキフに設定されていることを理解してもらいたい。」
 ケランタン州FAは600万リンギ(およそ1億5100万円)を超える負債があるとされており、この負債には今年3月半ばから選手やスタッフに支払われていないとされる未払い給料は含まれていないということです。
 なお、ケランタンFAには、ニック・アキフ選手以外にもMFダニアル・アシュラフ、FWニック・アズリ、FWアフィク・サルディン、FWカイルル・リザムなど年代別代表でのプレー経験がある20代前半の選手が複数おり、クラブの存続のためにはニック・アキフ選手以外にも多くの若手を放出せざるを得ない可能性があると、コスモの記事は結んでいます。

8月17日のニュース:リーグ再開を前にケランタンFAが新ユニフォーム発表、来季のMリーグは参加クラブ数減少の可能性も、FAM-サポーターが株式を持つクラブ民営化方法を否定しない

リーグ再開を前にケランタンFAが新ユニフォーム発表
 Mリーグ2部ケランタンFAの公式Facebookでは、リーグ再開後に着用される新しいユニフォームが発表されています。
 中断中とは言え、シーズン途中での新たなユニフォームの発表は異例ですが、これは中断期間中のユニフォームの胸スポンサー撤退したことが原因です。
 新ユニフォーム披露のイベントでは、ケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会のシャアリ・マット・ハサン会長が見守る中、新たな胸スポンサーとなったステックマッド社のルス・ファイザン・モハマド代表取締役から、ケランタンFAのチームマネージャーであるアズマン・イスマイル氏に新しい胸スポンサーのロゴがついたユニフォームが授与されました。
 5月下旬にケランタンFAの実質的な運営を行なってるザレッドウォリアー社(TRW社)の社長で、TRW社の株式の80%を所有するアフターイメージ社のワン・ラケミ・ワン・ザハリ社長が辞任し、同時に胸スポンサーであったアフターイメージ社はケランタン州サッカー協会とのパートナー契約を打ち切っており、ケランタン州サッカー協会にとってリーグ再開を前に新たなスポンサー探しが急務となっていました。
 ケランタン州サッカー協会のスポンサー委員会のアーマド・ムザッキル・ハミド委員長は、ステックマット社との契約は2021年まで合意されており、ケランタン州サッカー協会が運営するケランタンFAの他、U21チーム、U19チーム、フットサルチームなど全てのチームがこのスポンサーの対象となるということですが、最終的なスポンサー料については現在も交渉中であるとしています。

来季のMリーグは参加クラブ数減少の可能性も
 このブログで何度も取り上げているMリーグクラブの民営化について、9月30日に設定されている期限までにMリーグ1部と2部の全てのクラブの民営化手続きが完了しない場合、来季2021年シーズンはMリーグに参加するクラブ数が減少する恐れがありそうだと、マレーシア語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 現在はMリーグ1部、2部とも12チームで構成されていますが、9月30日までに民営化手続きが完了していない1部と2部のチームに対しては、FAMは来季のクラブライセンスを発給しないとしており、クラブライセンスが発給されないクラブは、Mリーグ3部にあたるセミプロリーグのM3リーグに降格となります。
 スチュアート事務局長は「クラブライセンスを発給されないクラブが出た場合の最終的な決定はMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLに委ねられており、12チームより少ないチーム数でリーグを開催するか、下部リーグからチームを昇格させて12チームに調整するかのいずれにしてもMFL次第である。」と話しています。
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 別の記事では、スチュアートFAM事務局長は、現時点でMリーグ1部の2チームと2部の1チームが民営化手続きに全く着手していないことを明らかにしています。スチュアート事務局長は具体的なチーム名は明かさなかったものの、これまでの経緯から1部の2チームはサバFAとPDRM FC、2部の1チームはUKM FCではないかと疑われています。

FAM-サポーターが株式を持つクラブ民営化方法を否定しない
 マレーシアサッカー協会FAMは、各州サッカー協会(州FA)が民営化を行う方法として、サポーターに株式の一部を与えて共同オーナーとすることには反対しないことを表明しています。
 ブリタハリアンによると、スチュアート・ラマリンガム事務局長はサポーターが共同オーナーとなる案についてこれを支持する立場を表明する一方で、共同オーナーとなるサポーターはその際に発生する義務も同時に理解する必要があるとしています。
 「あるクラブがサポータークラブなどを通じ、そのメンバーから共同オーナーとして出資者を募ることには何ら問題はなく、共同オーナーとなったサポーターの代表者がクラブの経営者会議に出席することも可能である。しかし、共同オーナーは出資者、つまり株主でもあるので株主責任を負うことも理解しておくことが必要である。」と話しています。
 またスチュアート事務局長は、州FAが独立して民営化されたクラブを所有すること希望する場合には、州FAがクラブを運営する株式会社を設立し、その会社を所轄官庁であるマレーシア会社登録委員会SSMに登録することにより可能になると話しています。ただしその際には、州FAの関係者がクラブ運営会社に直接関わることはできず、外部の人間を代表取締役に指名し、州FAとクラブがそれぞれ別の経営陣によって運営される形にする必要があるとしています。

8月16日のニュース:マレーシアサッカー協会はタン代表監督との契約延長の予定、W杯予選延期によるMリーグの日程再編はなし、マレーシアサッカー協会は買収希望者に対してクラブの経営状況などを提供

マレーシアサッカー協会はタン代表監督との契約延長の予定
 マレーシア国内では3月18日から中断中のMリーグが今月8月26日に再開しますが、国外に目を向けると、まずは今年の11月に予定されていた東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ、そして10月から11月にかけて予定されていたFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼アジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会予選がいずれも来年2021年まで延期となるなど、代表チームの国際試合が消失してしまいました。
 これに伴い2017年12月からの契約が今年12月末で切れる代表のタン・チェンホー監督の去就も注目されていましたが、マレーシアサッカー協会FAMはタン監督との契約を延長し、来年再開予定のW杯予選の指揮を任せる方向で話が進んでいると、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、これまでタン監督が残してきた結果を好ましく評価した上で、近いうちに契約の延長を提示する予定であると話しています。
 またスチュアート事務局長は、当面の試合予定がなくなってしまった代表チームの今後の予定についても近いうちに発表すると話しています。
 「現在、FAMは(Mリーグを運営する)マレーシアフットボールリーグMFLと、代表チームの試合がなくなった10月と11月の日程について協議中である。この期間中は、アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグに出場するジョホール・ダルル・タジムJDT以外のMリーグのクラブにとっては試合のない空白期間になっている。」と話すスチュアート事務局長は、代表チームの今後の予定に関心を持つメディアやサポーターに対し、今後の日程の詳細についてはもうしばらく待つように求めています。

W杯予選延期によるMリーグの日程再編はなし
 10月と11月に予定されていたW杯予選が来年に延期されたことを受け、5週間で7試合を消化する予定のMリーグの日程が変更になるのではという声も上がっていましたが、MリーグのCEOは、再開後のMリーグの日程に変更はないようです。
 ニューストレイトタイムズによるとMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、8月26日に再開し、9月23日に閉幕予定のMリーグ1部と2部、そしてリーグ1部の上位11クラブと2部の上位5クラブが参加して10月17日開幕予定のマレーシアカップのいずれについても、W杯予選延期による日程変更はないと話しています。
 アブドル・ガニCEOは、当初の国内日程が11月に終了する予定であり、これに基づき多くの選手及び監督、コーチの契約が11月末で切れることから、契約期間延長などの混乱を避けることを理由に日程を変更しないと話しています。

マレーシアサッカー協会は買収希望者に対してクラブの経営状況などを提供
 マレーシアサッカー協会FAMは、Mリーグクラブの買収を検討している企業や個人からのクラブの経営状況についての問い合わせを受ければ、その情報を提供する用意があると、マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 さらにFAMは、クラブの買収希望者とクラブを運営する州サッカー協会(州FA)の間の交渉が効率的に行えるよう仲介を行い、Mリーグ全クラブの民営化という目的が滞りなく実現させたいとしています。
 FAMのクラブライセンス発給を担当する第一審期間FIBのモハマド・フィルダウス・モハメド委員長は、多くの企業や個人がMリーグクラブ買収という形でサッカーに関心を示していることは喜ばしいが、実際にクラブを運営する州FAとの交渉に入った際に、州FAが買収希望者に全ての情報を提供していない場合には、交渉が決裂するだけでなく、Mリーグ全体のイメージが低下する可能性があると話しています。
 「例えば5年前や10年前の未払い給料や滞納金について州FAが『忘れている』ことを買収希望者が後で知った場合、その州FAだけでなくMリーグ全体が信用を失ってしまうことが考えられる。そう言ったことを避けるためにも、クラブの買収を検討している企業や個人はFAMに問い合わせて欲しい。FAMは必要な情報を提供するだけでなく、州FAとの交渉を円滑に進められるよう仲介することもできる。」と話すフィルダウス委員長は、9月30日を期限とするMリーグクラブの州FAからの独立と民営化は、アジアサッカー連盟AFCが設けている国内リーグの参加条件によるものであることも強調しています。

8月15日のニュース:日本対マレーシアの親善試合計画が進行中?、FAMはクラブに民営化期限の遵守を求める、FAM-代表候補レベルでない選手の帰化申請は所属クラブの責任で行うべき

日本対マレーシアの親善試合計画が進行中?
 英国の大衆向け新聞ミラー電信版によると、日本代表対マレーシア代表の試合が来月9月に計画されているようです。
 日本で言えばいわば東スポ的な存在の大衆向けタブロイド紙のミラーは、「リバプールFCの南野拓実選手が今後はチーム内での役割が増すだろう」という見出しの記事記事を8月12日版に掲載しています。その記事では、来月9月から各国代表が参加して行われるヨーロッパサッカー連盟UEFAネイションズリーグが開幕しますが、国内リーグやUEFAチャンピオンズリーグなどの過密日程の中で行われることから、リバプールFCのユルゲン・クロップ監督はUEFAネイションズリーグに出場しないヨーロッパ出身ではない選手に依存する割合が上がるだろうとしています。そしてその記事の中に以下のような記述があります。
Now Minamino has been told that, while Japan do have friendlies against Malaysia and Lebanon in the pipeline – although not confirmed – for next month, he won’t be needed for any World Cup qualifiers in October and November.”
「日本代表は(確定はしていないが)来月、マレーシアとレバノンとの親善試合の計画を進めており、南野選手は10月と11月にあるW杯予選には招集されないことが、本人には既に伝えられている。」(ボラセパマレーシア訳)
 W杯予選に招集されない南野選手の出場機会は、同様に代表チームの試合が組まれていないアフリカ出身のモハメド・サラー(エジプト)やサディオ・マネ(セネガル)、ナビ・ケイタ(ギニア)らとともに増えるだろうとこの記事は結んでいます。
 「確定はしていない」、「計画中」という表現を含んでおり、またどこで開催される予定かなどは全く書かれておらず、また新型コロナウィルスの影響で国境を超えての移動には色々と制約がつきますが、もし実現すれば…と考えるだけでもワクワクします。

FAMはクラブに民営化期限の遵守を求める
 マレーシアサッカー協会FAMは、Mリーグ1部と2部の全てのクラブに対して、各州サッカー協会からの独立と民営化を求めており、その期限を9月30日としています。このブログでもMリーグのクラブを「クダFA」「ケランタンFA」と表記していますが、これは例えば「クダFA」というクラブが、クダ州サッカー協会(クダ州FA)によって運営されているクラブであることが理由です。そして、FAMは9月30日までに州FAが運営するクラブ「○○FA」が州FAから分割されて民営化された「○○FC」となることを求めています。そして、この民営化が期限までに達成されないクラブには、MリーグでのプレーするためのクラブライセンスをFAMは発給しないとしています。
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版によれば、そんな中、FAMのクラブライセンス発給を担当する第一審期間FIBのフィルダウス・モハマド委員長は、Mリーグ1部パハンFAが民営化手続きを未だに始めていないことを明らかにした上で、「パハン州FAは、期限までに運営するパハンFAを民営化してパハンFCとすることに楽観的なようだが、クラブの歴史を考えると、万が一期限までに民営化が実現できなければ惜しいことになる。」と話しています。
 その一方でフィルダウス委員長は、ヌグリスンビラン州FAが運営するMリーグ2部のヌグリスンビランFAの民営化が完了し、来季はヌグリスンビランFCとなることについて、その真摯な取り組み姿勢を高く評価していると話しています。
 さらにフィルダウス委員長は、新型コロナウィルスの影響もあり、各州FAの民営化手続きの進捗状況を逐一把握することは難しいと話す一方で、9月30日の期限までに民営化手続きの最終段階にいるクラブには寛容な姿勢を示す可能性はあるかもしれないが、手続きの大半が残っているクラブに関しては、クラブライセンスの発給はないと話しています。

FAM-代表候補レベルでない選手の帰化申請は所属クラブの責任で行うべき
 スランゴール州FAが運営するスランゴールFCのBチームでMリーグ2部のスランゴール2に所属するアルミン・マイアー・ラフィは、ドイツ人の父親とマレーシアとシンガポール人の母親を持ち、シンガポールU23代表でのプレー経験がある23歳の守備的ミッドフィルダーです。
 現在は外国籍選手として在籍しているアルミン・マイヤー選手は、母方の祖父がマレーシア出身ということで、帰化した上でマレーシア国籍の取得も可能ですが、ニューストレイトタイムズ電子版は、マレーシアサッカー協会FAMにはアルミン・マイアー選手の帰化申請手続きの支援予定がないとしています。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は「アルミン・マイアー選手は代表候補レベルの選手ではないため、FAMが支援を行う予定はない。もしスランゴール2がアルミン・マイアー選手をマレーシア人として登録したいのであれば、所属クラブのスランゴール2が帰化申請を支援するべきである。」と話しています。
 アルミン・マイヤー選手自身は、これまでもマレーシア代表としてプレーしたいことを公言しており、そのため現在、代表でプレーするマシュー・デイヴィーズやラヴェルコービン=オング同様、父母や祖父母にマレーシア人を持つヘリテージプレーと呼ばれる帰化選手となり、マレーシア国籍を取得したいと話しています。
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 今年に入って、いずれもマレーシアに連続5年居住というFIFAの帰化規定を満たしたコソボ共和国出身のリリドン・クラシニスキの帰化申請を達成し、ブラジル出身のギリェルメ・デ・パウラの帰化申請も支援しているFAMですが、代表チームの利益に直接繋がらない帰化申請は支援しない、というシビアな姿勢を打ち出しているようです。
 アルミン・マイヤー選手は、昨シーズンはMリーグ覇者ジョホール・ダルル・タジムJDTのBチームでMリーグ2部のJDT IIとテスト生として契約しながら、リーグ戦では出場機会がなく、今季からスランゴール2でプレーしています。
 

8月14日のニュース:Mリーグは予定通り8月26日より無観客試合でリーグ再開することを担当大臣が明言、フェルダUも共同オーナーを募集中、ルクマンのKVコルトレイクでの背番号は9に決定

Mリーグは予定通り8月26日より無観客試合でリーグ再開することを担当大臣が明言
 ここに来て、新型コロナウィルス感染者数が増加傾向にあるマレーシア。これを受けて国内スポーツを統括する青年スポーツ省が保健省と国家安全保障委員会にMリーグ再開日程についての助言を求めたという記事なども出ていましたが、新型コロナウィルス関連事項を担当しているイスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相は、Mリーグは予定通り8月26日より無観客で再開することを明言しています。
 マレーシアの通信社ブルナマによれば、サブリ上級相は「保健省による勧告を考慮した上で(8月26日リーグ再開の)日程が決定が下されており、Mリーグの主催者にはマレーシア政府が求める指針に従うことを改めて求めたい。」と、現在発令中のリカバリー活動制限令RMCO関連の定例記者会見の席上で語ったということです。

フェルダUも共同オーナーを募集中
 Mリーグ1部と2部のクラブは9月30日までにクラブの民営化が求められていますが、マレーシア政府機関の連邦土地開発庁FELDAが運営するフェルダ・ユナイテッドFCも共同オーナーを探していると、サッカー専門サイトのスムアニャボラが伝えています。
 FELDAは新たな入植地を開梱し、その入植者支援を目的に立ち上げられた政府機関ですが、現在はヤシ油を算出する世界最大のプランテーションを運営するFGV持ち株会社を含め関連会社を複数抱え、経済活動及び商業活動を活動の中心としています。
 フェルダ・ユナイテッドFCも、当初はFELDAによる入植者のためのクラブとしてスタートしましたが、2008年にMリーグ2部に昇格、そして2011年には1部へ昇格しています。また2016年にはMリーグ1部で2位となり、よく2017年にはアジアサッカー連盟主催のAFCカップにも出場しているリーグ中堅のクラブです。
 フェルダ・ユナイテッドFCは、クラブ名にFCがついてはいるものの、多くの州サッカー協会(州FA)が運営するクラブと同様、完全な民営化は完了しておらず、現在は民営化をを目指して、FELDAと共同でクラブ運営をする企業や投資家を募っているということです。
 フェルダ・ユナイテッドFCのアフィザル・アブ・オスマン事務局長は、民営化によってクラブ経営が改善され、FELDAとその関連企業に運営資金を依存する体質から脱却できる機会と捉えているとし。現在は未払い給料問題もなく、パハン州ジェンカに本拠地となるトゥン・アブドル・ラザクスタジアムを持ち、スランゴール州バンギには練習場とジムを持つなど資産もあり、マレーシアでのサッカークラブ運営を検討している企業や投資家には魅力的なクラブであると話しています。

ルクマンのKVコルトレイクでの背番号は9に決定
 マレーシアU19代表のエースで、ベルギー1部リーグのKVコルトレイクと5年契約を結んだルクマン・ハキム・シャムスディンの背番号は9となることが、クラブの公式Facebookで発表されています。
 クラブの公式Facebook上の40秒ほどのビデオでは、ルクマン選手のユニフォーができていく過程が紹介されています。
 またマレーシア語紙ブリタハリアンは、ルクマン選手が13時間かけてマレーシアからベルギーに到着したことを報じています。なお、ルクマン選手はクラブが所有する施設で2週間の隔離期間を経てチームに合流するということです。
 なおベルギー1部リーグは8月9日に開幕し、第1節ではルクマン選手が所属する昨季11位のKVコルトレイクは小林祐希選手が所属する昨季16位のワースラント=ベフェレンと対戦し、1-3で敗れています。
(写真はKVコルトレイクの公式Facebookに掲載されたルクマン選手のユニフォーム)

8月13日のニュース:速報-AFCはW杯アジア二次予選を2021年に延期、W杯予選延期でMリーグ日程も変更か、クダFAの選手に7月分の給料が支給される

速報-AFCはW杯アジア二次予選を2021年に延期
 アジアサッカー連盟AFCは国際サッカー連盟FIFAとともに、10月から11月にかけて予定されていたFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選を来年2021年まで延期することを公式サイトで発表しました。
 新型コロナウィルスの感染がいまだに多くの国で広がっていることを考慮した上で、すべての参加者の健康と安全保護の観点からの判断であるとしています。延期後の日程については追って発表されるということです。
 今年3月に予定されていたW杯予選は、新型コロナウィルス感染の影響で10月から11月に延期されており、これで二度目の延期となりました。

W杯予選延期でMリーグ日程も変更か
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロは、Mリーグを主催するマレーシアフットボールリーグMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOが、W杯アジア二次予選延期はMリーグの日程の過密化の助けになると話していると報じています。
 アブドル・ガニCEOは、FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選の延期の発表は、Mリーグが待ち続けていたものだとしています。
 「8月26日に開幕し、9月23日に閉幕するMリーグの日程には、リーグ開催中に(新型コロナウィルスの)感染者が出るなどして試合が延期される場合や、何らかの事情でスタジアムが使用できなくなるような場合に必要な『予備日』が全く設定されていないので、このW杯予選中止により、この予備日を設定する日程的な余裕ができた。」と話しています。
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 先日のアセアンサッカー連盟AFF選手権スズキカップの延期に続き、W杯予選も来年まで延期となったことで、マレーシアの今年のサッカーカレンダーはMリーグの残り7試合とマレーシアカップのみとなりました。8月26日から再開されるMリーグは上記のアブドル・ガニCEOが話すように予備日を設定することで過密日程を避けることができ、それにより10月17日の一回戦から11月7日の決勝までの日程が発表されているマレーシアカップの日程もMリーグ最終節の日程が変われば、変更になることも考えられます。

クダFAの選手に7月分の給料が支給される
 マレーシアの通信社ブルナマは、Mリーグ1部のクダFAの選手が7月分の給料全額を支払われたと報じています。クダFAを運営するクダ州サッカー協会(クダ州FA)のムハマド・サヌシ会長は、いまだ未払いとなっている3月から6月分の給料についても、近いうちに支払いが行われると話しています。
 サヌシ会長は、今季中にクダFAの選手やスタッフに対する全ての未払い給料を完済する他、従業員積立基金EPFと交渉し、2019年から未納となっている積立金についても納入計画を作成することを記者会見で約束しています。
 この記者会見の前には、クダFAのチーム全員を招いた夕食会を主催したサヌシ会長は、その夕食会の席上で選手やスタッフの献身的にサッカーへ取り組む姿勢に感謝の意を示すとともに、クダ州FAの現経営陣及び旧経営陣の不手際を出席者に詫びたということです。

8月12日のニュース:活動停止処分期間中のプルリス州FAが密かに活動再開か、強化合宿中のU19代表は練習試合2試合を予定、パハンFAのレバノン出身選手はいまだ自国から出国できず

活動停止処分期間中のプルリス州FAが密かに活動再開か
 複数の在籍選手やコーチに対しての未払い給料が支払われなかったことから、国際サッカー連盟FIFAから2019年より2年間のあらゆるサッカー活動の停止処分を受けているプルリス州サッカー協会(プルリス州FA)が、マレーシアサッカー協会FAMの知らないうちに活動を再開しているという疑惑を英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 プルリス州に拠点を持つクラブのプルリス・ユナイテッドFCは今季2020年シーズンからMリーグ3部にあたるM3リーグに参加していますが、このプルリス・ユナイテッドFCがプルリス州FAを運営しているという疑惑が浮上しています。
 プルリス・ユナイテッドFCはプルリス州を拠点にするということで、クラブのM3リーグ参加の際には、プルリス州FAの元役員らと接触を持たないようFAMが警告していましたが、効果はなかったようです。
 今季まではMリーグ1部と2部を運営するマレーシアフットボールリーグMFLの下部組織であるアマチュアフットボールリーグAFLが3部のM3リーグと4部のM4リーグを運営していましたが、来季2021年シーズンからはFAMが3部と4部リーグを運営することなり、これによりこの疑惑が発覚したようです。
 FAMでクラブライセンス審査を担当する第一審査機関FIBのフィルダウス・モハマド委員長は、「プルリスFAは現在、2年間の活動停止処分期間中であり、どのような活動も許されていない。プルリス・ユナイテッドFCがどのようにしてM3リーグに参加できたのかは定かではないが、来季開幕前までには精査を行なって、事実を明らかにしたい。」と話しています。さらにFAM主導で行われている州FAが運営するクラブの民営化に際しては、法を守らないクラブがMリーグに戻れるような抜け穴を作らないようにするとも話しています。
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 このプルリス・ユナイテッドFCは今年3月には、給料の半分しか支払わず、しかも選手の同意なしに契約解除を行ったことが報じられるなど、既に問題が発生していましたが、それをAFL、そしてMFLが放置していた結果、このような事態になった可能性もあります。

強化合宿中のU19代表は練習試合2試合を予定
 10月にウズベキスタン で開催されるアジアサッカー連盟AFC U19選手権に出場するU19代表は、大会前にMリーグクラブと2試合の練習試合を行うことが予定されていると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 第一次合宿と現在開催中の第二次合宿を合わせると既に5週間の練習を続けてきたチームは、待望の実戦練習として本日8月12日にはMリーグ1部のPJシティFCと、そして8月19日にはMリーグ2部のスランゴール2との対戦が組まれているということです。
 強い相手と練習試合を行いたいとするU19代表のブラッド・マロニー監督は、現在強化合宿が開催されているスランゴール州の両クラブを相手に、これまで練習で行ってきたことができるかどうかを確認する機会でもあり、良い腕試しになることを期待していると話しています。
 AFC U19選手権ではグループDに入るU19代表は、10月16日のグループステージ初戦でトルクメニスタンと、10月19日にはカタール、10月22日にはイエメンと対戦します。この大会では、各グループの上位2チームがベスト8としてノックアウトステージに進み、準決勝まで勝ち上がったチームは、来年2021年にインドネシアで開催されるU20W杯への出場権を獲得することができます。

パハンFAのレバノン出身選手はいまだ自国から出国できず
 Mリーグ1部パハンFAで今季からプレーするレバノン出身のDFカリル・ハミスは、Mリーグ再開の8月26日が近づく一方で、いまだに自国で足止めされていると、マレーシア語紙コスモ電子版が伝えています。
 カリル選手は、現在、レバノン政府が自国民の海外渡航を禁じていることからいまだに出国できていません。さらに出国許可が出る予定も立っていないことから、パハンFAのドラー・サレー監督は、カリル選手は今季中にチームに合流できない可能性が高いことを認めざるを得ないと話しています。新型コロナウィルスにより中断しているMリーグは、試合数が半分になっており、今季は9月末に終了する予定になっています。
 新型コロナウィルスに加え、先日、レバノンの首都のベイルートで起こった爆発事故の影響で、レバノンからの出国ははさらに難しくなっているという話もあります。
 ここにきてカリル選手との連絡も途絶えていると話すドラー監督は、同じくディフェンダーのムスリム・アーマドもケガが完治しておらず、リーグ再開に向けて頭が痛いとし、現有戦力で戦うしかないと話しています。
 リーグ中断時点で勝点6でリーグ3位のパハンFAは、8月26日のリーグ再開初戦で同じくリーグ首位のジョホール・ダルル・タジムとホームのダルル・マクムルスタジアムで対戦します。