Mリーグ2部プレミアリーグ2020年シーズン第5節結果

 3月16日から中断していたMリーグが再開し、8月28日(金)と8月30日(土)の両日に、2部プレミアリーグ第5節の6試合が行われました。以下結果です。(ホームチームが左側です。)

8月28日(金)
サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
クチンFA 1-4 スランゴール2
得点者:クチン-ジョセフ・カラン・ティー(81分)、スランゴール-ダニアル・アスリ2(26分、64分)、ファズルル・ファーリズ(48分)、アリフ・ハイカル(83分)
 クチンFAは未だ今季白星なしと苦しい試合が続いていますが、プレミアリーグは8位までが勝点差3以内という接戦になっていて、1勝するだけ順位が大きく変わります。しかも今季は3部のM3リーグが新型コロナウィルスの影響で中止となっており、2部と3部の間での入れ替えなく、今季が11位以下に終わっても降格の心配はありません。
 クチンFAの鈴木雄太選手は先発してフル出場、谷川由来選手は89分に交代出場しています。

クアラルンプール・フットボールスタジアム(クアラルンプール)
クアラルンプールFA 2-1 UKM FC
得点者:クアラルンプール-フランシス・コネ(27分)、パウロ・ジョズエ(82分)、UKM-アカニ・サンデイ(90+3分)
 クアラルンプールFAはリーグ中断期間を挟んで連勝し、無敗記録を5試合としています。
 一方のUKM FCは開幕戦で勝利を挙げたもの、それ以降は1分3敗となっています。

トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
ヌグリスンビランFA 1-0 トレンガヌFC II
得点者:ヌグリスンビラン-イザック・イズハン・ユスワルディ(90+4分)
 ヌグリスンビランFAは今季2勝目を挙げ、開幕から4連勝中だったトレンガヌFC IIに今季初黒星をつけています。
 ヌグリスンビランFAの中武駿介選手、トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手はいずれも先発でフル出場しています。

8月29日(土)
スルタン・ムハマド4世スタジアム(ケランタン州コタ・バル)
ケランタンFA 0-3 ペナンFA
得点者:ペナン-エンドリック3(53分、66分、90+3分)
 ペナンFAがエンドリックのハットトリックで2位に浮上。首位とのトレンガヌFC IIにも勝点差1と迫っています。エンドリックは昨季はスランゴールFCに在籍していましたが、24歳という年齢ながらケガを理由にコンディション不良を訴えることが多く、サティアナタン監督の信用を失い(報道によれば)、昨シーズン終了時には契約が更新されなかった経緯がありますが、見事に復活したようです。
 ケランタンFAの渡邉将基選手はスタメンでフル出場しましたが、前節のUKM FC戦に続き、60分にイエローカードを出されています。

MPMスタジアム(ペラ州マンジュン)
ペラ II 2-2 サラワク・ユナイテッドFC
得点者:ペラ-タリク・イシッチ(20分)、ブルーノ・ベゼーハ(40分)、サラワク-ミラド・ザニドプール(8分)、カユム・ジャブルラー(52分)
 クチンFAと共にまだ今季白星のないペラIIは今季2度目の引き分けで勝点1を獲得しています。

タン・スリ・ダト・ハジ・ハサン・ユノススタジアム(ジョホール州ラーキン)
ジョホール・ダルル・タジムJDT II 3-2 ケランタン・ユナイテッド
得点者:JDT-ルイス・カブレラ(37分)、ニコラス・フェルナンデス(60分)、フェルナンド・ロドリゲス(64分)、ケランタン-ファクルル・ザマン(48分)、ガッサマ・アルフサイネイ(75分)
 JDT IIの廣瀬慧選手は先発出場し、66分に交代しています。

マレーシアプレミアリーグ順位表(第5節終了時)

順位クラブ試合得点失点得失差勝点
1トレンガヌFC II540173412
2ペナンFA5320124811
3クアラルンプールFA532095411
4ケランタンU53028629
5スランゴール253028719
6JDT II52218808
7ヌグリスンビランFA520359-46
8ケランタンFA5212972*4
9サラワクU5113910-14
10UKM FC5113410-64
11ペラ II502348-42
12クチンFA5014410-61
*8位のケランタンFAは給料未払い問題により勝点3が剥奪されています。

マレーシアプレミアリーグ ゴールランキング(第5節終了時)

ゴール数選手名所属試合数
6カサグランデペナンFA5
5エンドリックペナンFA5
4ダニアル・アスリ他2名

9月1日のニュース:パハン州FAはスマレに対して懲戒を検討、ケランタン州FAはクラブの民営化手続き書類の提出完了

パハン州FAはスマレに対して懲戒を検討
 Mリーグ第5節の結果のところでも取り上げた通り、Mリーグ1部のパハンFAに所属するムハマドゥ・スマレは過去1ヶ月練習に参加してないことをドラー・サレー監督が明らかにしていますが、マレーシアの通信社ブルナマはスマレ選手とパハンFAとの関係がこじれてしまっているようだと報じています。
 マレーシア人の血を引かない初めての帰化選手となったガンビア出身のスマレ選手は、2017年シーズンからパハンFAでプレーしています。代表でも主力選手であるスマレ選手とパハンFAとの契約は2022年まで残っているということですが、パハンFAのチームマネージャーを務めるモハマド・スフィアン・アワン氏は「スマレ選手の職業倫理に反する行動を見る限りでは、既にパハンFAでプレーする気持ちがないのだろう。パハンFAを運営するパハン州サッカー協会(パハン州FA)はスマレ選手の行動を重く見え、契約違反に対する懲戒処分を科す予定である。」と話しています。
 さらにモハメド・スフィアン チームマネージャーは、スマレ選手の獲得についてどのチームからも正式な獲得交渉を持ちかけられていないことも明らかにし、チームの知らないところで交渉が行われている場合には、チームとしては何もできないと話しています。
 一方スマレ選手は自身のインスタグラムを更新し、パハンFAのサポーターに謝罪をすると同時に、現時点では明らかにできることがないとも述べています。
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 これまでもJDTへの移籍が噂されてきたスマレ選手ですが、昨季同じようにパハンFAからJDTへ移籍したマシュー・デイヴィーズのようにスムーズな移籍とはならなそうな様相です。財政的に苦しいとされるパハン州FAは、JDTが違約金を払えばスマレ選手を放出する用意はありそうですが、JDTが正式なオファーをしない理由があるのかも知れません。いずれにせよ、代表でも主力のスマレ選手が飼い殺しになってしまうような環境はできるだけ早く解消するよう関係者の皆さんの尽力に期待しましょう。

ケランタン州FAはクラブの民営化手続き書類の提出完了
 Mリーグ2部のケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会(ケランタン州FA)は、民営化手続きに必要なすべての書類をマレーシアサッカー協会FAMに提出したことを公式Facebook上で発表しています。
 この手続きが完了すれば、新たに設立される民営化クラブのケランタンフットボールクラブ(ケランタンFC)はケランタン州FAから独立した団体となります。
 ケランタン州FAは、クラブ運営会社のチームレッドウォリアーズ社(TRW社)をすでに設立済みで、来季からはケランタン州FAに代わってTRW社がケランタンFCを運営します。またケランタンFCは、これまでこのブログでも取り上げてきたかつての在籍選手に対する未払い給料などの負債についてもその責任を負わないとされています。
 またケランタン州FAは今後は州内のサッカー振興に注力することを中心に、州内リーグの開催や年代別大会、さらにはサッカークリニックの開催などが主な事業となる一方、TRW社はケランタンFCの経営を行い、選手や監督、コーチの獲得や給料支払いやMリーグの試合運営などが業務となります。
 このためケランタンFCのオーナーとなることを希望する場合にはこのTRW社の株式購入という形で経営に参画することになり、ケランタン州FAの干渉を受けずに経営が可能になるとこの記事は結んでいます。
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 来季2021年シーズン以降のケランタンFCについては様子がわかりますが、これまでの未払い給料の支払いについては、何も言及されていません。ケランタン州FAとしても巨大な財源である入場料収入を失って、果たしてどのように未払い給料問題を解決するのかは不明ですが、いずれにしても早く解決して選手が不安なくプレーできるような環境になって欲しいです。(以下の写真はケランタンFAのFacebookより)

Mリーグ1部スーパーリーグ2020年シーズン第5節結果

 3月16日から中断していたMリーグが再開し、8月28日(金)と8月30日(土)の両日に、1部スーパーリーグ第5節の6試合が行われました。以下結果です。(ホームチームが左側です。)
 今節は、JDTを除き、試合前に下位だったチームが上位のチームを破る結果になっています。(試合のダイジェスト映像はMalaysia Football LeagueのYoutubeチャンネルより)

8月28日(金)
ダルル・マクマルスタジアム(パハン州クアンタン)
パハンFA 2-0 ジョホール ・ダルル・タジムJDT
得点者:パハン-ファイサル・ハリム(40分)、エラルド・グロン(45分)、JDT-レオナルド・ヴァレスケス(5分)、ラマダン・サイフラー(15分)、ゴンザロ・カブレラ(35分PK)
 ポルトガルリーグのポルティモネンセSCへの移籍が決まっているエースのサファウィ・ラシドをベンチスタートさせたJDTは、Mリーグが中断する第4節まではBチームのJDT IIに所属し、2部プレミアリーグでプレーしていたラマダン・サイフラーがトップチーム昇格後に即スタメン出場し、さらにゴールを決めるなど改めて選手層の厚さを披露しました。さらに代表でもプレーするパハンFAの高速ウイング、モハマドゥ・スマレ獲得の噂もあり、エースの移籍にも盤石の構えでリーグ7連覇に近づきました。
 一方のパハンFAは、前述のスマレ選手が過去1ヶ月ほど練習にも参加していないという報道があり、この日もベンチ入りしませんでした。また第4節までチーム最多の3ゴールを決めているFWイヴァン・カルロスもケガでスタメンを外れるなど満身創痍のチーム状態では2点を返すのがやっとでした。

ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラTBG 0-1 マラッカ・ユナイテッド
得点者:マラッカ-フェリス・ダニアル(52分)
 給料未払い問題で揺れるマラッカ・ユナイテッドがペラTBGの無敗記録をストップ。ペラTBGのオフサイドトラップを抜け出したフェリス・ダニアルが今季初ゴールを決めています。

トゥン・アブドル・ラザクスタジアム(パハン州ジェンカ)
フェルダ・ユナイテッド 0-1 UITM FC
得点者:UITM-マーク・ハートマン(38分)
 今節最大の番狂わせとなったこの試合は、マーク・ハートマンのゴールで大学生が主体のUITM FCがフェルダ・ユナイテッドを破り9位から3位に浮上。一方のフェルダ・ユナイテッドは5位から9位に順位を下げています。
 フェルダ・ユナイテッドの恵龍太郎選手はスタメンでフル出場しています。

スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
トレンガヌFC 4-0 サバFA
得点者:トレンガヌ-ドミニク・ダ・シルヴァ(12分)、サンジャル・シャアフメドフ2(43分、71分)、ファリス・ラムリ(84分)
 Mリーグ再開前のスーパーリーグ展望で失点をどれだけ防げるかが上位進出の鍵となると予想したトレンガヌFCが2試合連続の完封勝利で首位JDTと勝点差3の2位に浮上しています。またこの試合でもゴールを決めたドミニク・ダ・シルヴァは5試合で6ゴールとリーグ得点王として好調を維持しています。
 一方、サバFAはやはりスーパーリーグ展望で実戦練習不足が懸念材料と書きましたが、やはりそれが露呈した格好になり、一気に降格圏内の11位まで順位を下げました。

クアラルンプール・フットボールスタジアム(クアラルンプール)
PDRM FC 0-2 クダFA
得点者:チェチェ・キプレ2(30分、36分PK)
 こちらも給料未払い問題が取り沙汰されているクダFAが最下位相手ながら快勝し、順位を8位から3位としています。クダFAを運営するクダ州サッカー協会は、このPDRM FC戦前に未払いとなっている3月から6月までの給料を完済すると約束していましたが、それが1週間先延ばしになり、チームの士気が低下しても致し方ない状況でしたが、相手がPDRM FCだったことも幸いしてか、勝点3を獲得しています。
 敗れたPDRM FCは、リーグ中断前の第4節まで活躍した正GKのブライアン・シーをケガで欠き、攻撃陣も機能せず、既に今季3度目の完封負けで、今季の成績を0勝1分4敗としています。

UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
スランゴール FC 0-0 PJシティFC
得点者:なし
 ケガから復帰のルフィアノ・セゴヴィアを先発させて攻撃重視のメンバーを組みながら前半を無得点で折り返すと、スランゴールFCは後半には昨季のチーム得点王イフェダヨ・オルセグンやワン・ザック・ハイカルら攻撃のカードをさらに切りましたが、PJシティFCのゴールを破ることはできませんでした。この引き分けは上位進出を狙うスランゴールFCにとっては負けにも等しい痛い引き分けでした。
 この試合の前にはスランゴールFCのサティアナタン・バスカラン監督が今季の契約切れと共に退任するという噂が出ており、この辺りも試合の結果に影響を及ぼしたかもしれません。
 PJシティFCは負けていれば、降格権内の11位に落ちるところでしたが、貴重な勝点1をもぎ取り10位に踏みとどまりました。

マレーシアスーパーリーグ順位表(第5節終了時)

順位クラブ試合得点失点得失差勝点
1JDT541087413
2トレンガヌFC5311149510
3ペラTBG52218538
4クダFA52128627
5UITM FC52126607
6マラッカU5302853*6
7パハンFA52038806
8スランゴールFC513167-16
9フェルダU512268-25
10PJシティFC512247-35
11サバFA512359-45
12PDRM FC501429-7*-2
*6位のマラッカUと12位のPDRM FCはそれぞれ、給料未払い問題により勝点3が剥奪されています。

マレーシアスーパーリーグ ゴールランキング(第5節終了時)

ゴール数選手名所属試合数
7ドミニク・ダ・シルヴァトレンガヌFC4
4サンジャル・シャアフメドフトレンガヌFC4
3イフェダヨ・オルセグンら他5名