11月23日のニュース:MFLとラ・リーガが提携、放映権料分配は半額で終了か、ベルギーリーグから代表選手誕生か

MFLとラ・リーガが提携
 マレーシアフットボールリーグMFLはスペインのラ・リーガと提携したことをホームページで発表しています。
 ラ・リーガのビジネススクールの教育部門が、プロサッカー選手、マレーシアサッカー協会、MFL各クラブ及びフットボール関係者を対象として2020年よりスポーツ関連教育を担当しますが、具体的には3ヶ月ごとに様々なコースを開催し、手始めとして来年2020年3月27日から30日までの予定でスポーツマーケティングコースが開催することになっています。
 MFLのケヴィン・ラマリンガムCEOによると、MFL各クラブの特にフロントを中心に理論と実践両面から「プロとして意識と技術」つまりプロフェッショナリズムを植え付けることを目的にしており、この提携関係によって、MFLはフィールド上だけでなくフロントもサポートして、国内サッカーを一大産業として発展させたいとしています。
 ラ・リーガのビジネススクールは、スポーツ産業の人材育成とスポーツマネージメントの専門知識習得を目的に設立されたプログラムで、メキシコ、エジプト、コロンビア各国が既にこのプログラムを実践しているということです。
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 このブログで繰り返し取り上げている給料未払い問題は、雇用主としての各クラブのフロントにも問題があるのは明らかです。そのフロントを「教育」することで、プロリーグとして恥ずべき給料未払い問題を撲滅して欲しいですね。

放映権料分配は半額で終了か
 スポーツ専門サイトフォックススポーツは、MFL各クラブに分配される予定だった放映権料が当初の半額となりそうであると報じています。
 MFLは当初、各クラブに支給予定だった報奨金について、報償金ではなく放映権料であるとした上で、昨年2018年と同額のMFL1部スーパーリーグの各クラブに300万リンギ(およそ7800万円)、MFL2部プレミアリーグの各クラブには100万リンギ(およそ2600万円)の放映権料を分配するしていました。
 しかし、この放映権料の支払いはMFL開幕後も実施されず、結局7月に入ってスーパーリーグクラグには150万リンギ(およそ3900万円)、プレミアリーグクラブには50万リンギ(およそ1300万円)の「半額」が分配され、残り半分は8月に分配するとしていました。
 しかし8月に入ると、MFLは十分なスポンサーが確保できていないとして、その分配時期を11月に延期すると発表していました。そして11月も月末に近づく一方で各クラブに対してMFLからは何も説明のなく状況が続いていました。
 フォックススポーツの取材に対して、MFL取締役会のダト・ウィラ・ユソフ・マハディ取締役は「今季開幕前にMFL各クラブは放映権収入の75%を受け取ることで同意していたが、今季は放映権収入が全くなかったため、各クラブに分配する資金ない。しかしながら各クラブとの同意を尊重し、MFLは予定していた放映権料の半額については何とか調達したが、残りの半額について支払うための資金がないことから、残り半分の支給は実現しない可能性が高い。各クラブが残り半分の支給を求めていることは理解しているが、少なくとも現時点で至急の目処は立っていない。」と答えています。マレーシアサッカー協会FAM副会長でもあるユソフ氏にとっても、ない袖は触れぬといったところでしょうが、各クラブに給料未払い問題の是正を求めているMFLにとっても頭の痛い問題でしょう。
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 この問題は、MFLがマレーシアのテレコミュニケーション企業テレコム・マレーシア(TM)と結んだスポンサー契約が「突如」3月に打ち切られたことに端を発します。
 2018年1月に発表された8年間総額4億8000万マレーシアリンギ(およそ125億円)の大型スポンサー契約はマレーシアのスポーツ史上最大のものでしたが、1年ほどで頓挫。この契約ではTMがMFLとマレーシアカップの冠スポンサーとなり、全ての試合を放映することになっていました。この契約が打ち切られたことで、今季のMFLは財政的に非常に厳しい状況に置かれることになりました。

ベルギーリーグから代表選手誕生か
 ディオン・ヨハン・コールズは、現在はベルギー1部リーグの強豪クラブ・ブルッへでプレーするDFですが、現在23歳のディオン選手がマレーシア代表入りに関心を持っているのでは、と話題になっています。
 外国生まれながらマレーシア人の親を持ち、世界各地のマレーシア代表入り資格を持つ選手を取りあげているツイッターHarimau Abroadでは、このコールズ選手が自身のインスタグラムにマレーシア代表のユニフォームを着ている写真を意味深なメッセージとともに掲載していることを取り上げています。
 マレーシアのサラワク州クチン生まれで、母親がマレーシア人であることからマレーシア代表としてプレーする資格のあるコールズ選手については、現在のフル代表タン・チェンホー監督の前任者であるネロ・ヴィンガダ前監督が招集しようとしましたが、その際は実現しませんでした。
 各年代でも代表経験があり、UEFAチャンピオンズリーグでのプレー経験もあるものの、一度もフル代表招集がないコールズ選手がベルギー代表ではなく、マレーシア代表でプレーするのであれば、攻撃陣に比べ弱いとされる守備陣を持つマレーシア代表にとっては朗報です。しかも現在のフル代表のラヴェル・コービン=オング、マシュー・デイヴィーズ、ブレンダン・ガンといった外国生まれの選手に加われば、チーム力は明らかにアップします。
 単なる冷やかしなのか、それともマジか。今後の動向に注目です。
(写真はコールズ選手のインスタグラムに挙げられた写真)

11月22日のニュース:シーゲームズ関連-サファウィ・ラシドは招集せず、オーバーエイジ枠の2名が決定、17歳のルクマンもU22代表入りか

サファウィ・ラシドは招集せず
 先日のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選のインドネシア戦で2ゴールを挙げ勝利の立役者となったサファウィ・ラシド(JDT)を今月末からフィリピンで開催されるシーゲームズに参加するU22代表に招集しないとオン・キムスイ監督が発言したことが波紋を呼んでいます。
 11月19日のインドネシア戦に出場したフル代表メンバーのうち、U22代表でのプレー資格がある6名とオーバーエイジ枠での出場が予定されているアダム・ノー・アズリン(JDT)が代表候補合宿に参加し、現在は32名の大所帯となった代表候補合宿ですが、その中には当初、予定されていたサファウィ・ラシドの姿がなかったと英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。なお、この32名の詳細はこちらです。
 先日のナショナルフットボールアウォーズでは、2年連続の年間最優秀選手賞を受賞したサファウィ選手を招集しないことについて、オン監督は、サファウィ選手が今季、既に代表や所属クラブのJDTで多く過ぎるほどの試合に出場していることから、現時点では休息が必要だとして今回は召集を見送ったと述べ、これが難しい決断であると同時に、理解を求めています。
 またサファウィ選手の欠場は、代わりの選手が試合に出場する良い機会だとして、他の選手に期待しているとも述べています。
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 個人的にはオン監督の決断に大賛成です。シーゲームズは東南アジアのU22王者を決める大会ですが、そこからアジア、さらに世界へつながる大会ではありません。リーグ戦、AFCチャンピオンズリーグ、FAカップ、マレーシアカップ、代表戦と50試合近くに出場したサファウィ選手が出場すれば、優勝が一気に近づく可能性はありますが、マレーシアサッカーは、先日のインドネシア戦勝利で首の皮一枚で希望がつながったAFC選手権アジアカップ2023年大会出場を最優先にするべき。だとすれ東南アジアのU22チャンピオンを目指すことは、他の選手に任せて、サファウィ選手には十分な休養を与えてあげてほしいです。

オーバーエイジ枠の2名が決定
 シーゲームズの男子サッカーはオリンピック同様、U23代表の大会で、オーバーエイジ選手が出場可能ですが、人数はオリンピックが3名なのに対して、シーゲームズは2名となっています。
 U22代表のオン監督は、このオーバーエイジ枠の選手にアダム・ノー・アズリン(23歳、JDT)とのイルファン・ザカリア(24歳、クアラルンプールFA)の2名を指名しました。なお、両選手はマレーシアで開催された前回のシーゲームズ2017年大会に出場していますが、このときマレーシアは決勝にタイに0-1で敗れています。しかもこの試合は、今回のワールドカップ予選でも招集されていたGKハジック・ナズリルがパンチングしたボールがオウンゴールになるという負け方でした。
 この試合にも出場していたイルファン選手は、3大会ぶりの優勝を果たすことができず、年齢的にも自分にとって最後のシーゲームズとなったと思っていたところ、今回の招集に驚いたと英字紙スター電子版で語っています。
 所属するクアラルンプールFAは今季、MFL1部で最下位となり、来季は2部降格となったことから全く予想していない招集だったようですが、イルファン選手は今季、フル代表候補合宿に何度か招集されており、(前大会も監督を務めた)オン監督が、もう一度チャンスを与えたくれたことに感謝し、その期待に応えて優勝を目指したいと話しています。

17歳のルクマンもU22代表入りか
 今月11月初旬にカンボジアで開催されたアジアサッカー連盟AFC U19選手権2020年大会予選に出場し、タイなどを破り全勝で予選を突破したマレーシアU19代表。17歳ながら主力選手の一人として活躍したFWルクマン・ハキム・シャムスディンは、DFハリス・ハイカル・アダム・アフカル、FWムハマド・ウマル・ハキーム・スハルとともにシーゲームズ出場のU22代表候補合宿に招集されています。
 上でも取り上げたようにサファウィ・ラシドが招集されなくなったことで、FWのポジションが一つ空き、ルクマン選手がそれを埋めるためにメンバー入りするのではと噂されています。
 スター電子版では、シーゲームズに出場することは昔からの夢であったというルクマン選手の声を紹介し、マレーシアでの前回大会決勝はスタンドから観戦したが、今大会は選手として出場したいと話していると報じています。
 「サファウィ選手の穴を自分が埋めることは難しいが、U22代表に選ばれれば、全力を尽くし、オン監督の期待に応えたい」とも話しています。
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 U22代表どころかフル代表へ招集すべきという声も上がるほど、マレーシアサッカー界とファンの期待を集めるルクマン選手が、体格差で勝るU22代表各チーム相手にどのようなプレーを披露してくれるのかは個人的に興味があります。U22代表のオン監督、フル代表のタン・チェンホー監督ともルクマン選手については慎重なコメントが目立ちますが、本日11月22日に発表が予定されている最終メンバー20名に残れるかどうか注目です。

11月21日のニュース:アムリ・ヤハヤはスランゴールFA退団、ダレン・ロークはJDT退団、フェルダUの正GKがマラッカU移籍、クダFA監督は新戦力を求めて日本へ

アムリ・ヤハヤはスランゴールFA退団
 スランゴールFAのベテランFWアムリ・ヤハヤがスランゴールFA退団を自身のインスタグラムで発表しています。
 スランゴール州出身で38歳のストライカー、アムリ選手は、2001年にスランゴールFAで選手生活をスタートし、その後は2014年にはジョホール・ダルル・タクジムJDTに移籍し、2015年のAFCカップ優勝などに貢献、2017年にはマラッカ・ユナイテッドへ移籍しましたが、その年の2度目のトランスファーウィンドウ期間にスランゴールFAへ復帰していました。
 インスタグラムではスランゴールFAやファンへの感謝の言葉を並べているアムリ選手は、スランゴールFAで2度、JDTで3度のリーグ優勝に貢献した他、FAカップは4度、マレーシアカップは2度の優勝も経験しています。
 地元出身ということで今でもスランゴールFAに愛されているアムリ選手ですが、今季はスーパーサブのような役割が多く、相手チームのサポーターに対し問題あるジェスチャーを示すなどフラストレーションが溜まるシーズンでした。

ダレン・ロークはJDT退団
 以前このブログで「BBCがマレーシア選手のサクセスストーリーを紹介」と題して紹介したイギリス出身のダレン・ロークが3年半在籍したJDTの退団を自身のツイッターで発表しています。
 イギリス国内リーグ実質6部にあたるセミプロリーグのクラブでプレーしていたローク選手は、父親がマレーシア人ということから2016年にJDTへ入団すると、その年にはフル代表デビューを果たしています。
 今季はJDTのBチームJDT IIでプレーし、チームのチャレンジカップ優勝にも貢献しています。
 なお退団後もマレーシアに残るのかイギリスへ戻るかなどについてローク選手はツイッターでは言及していません。

フェルダUの正GKがマラッカU移籍
 マラッカ・ユナイテッドのFacebookでは、今季2019年はフェルダ・ユナイテッドで正GKを務めたノラズラン・ラザリと来季契約を結んだことが告知されています。
 ジョホール州出身で33歳のノラズラン選手は、JDTの前身であるジョホールFAで2006年にプロ生活をスタートしその後は、クアラルンプールFA、スランゴールFA、JDTでプレーした経験を持ち、今季からはフェルダ・ユナイテッドでプレーし、シーズン最終戦までもつれ込んだ2部降格を防いだ立役者のうちの一人でした。
 ノラズラン選手の加入でマラッカ・ユナイテッドの正GK争いは今季の正GKで代表でも50試合を超えるプレー経験を持つカイルル・ファーミ・チェ・マット、クアラルンプールFAへの期限つき移籍から復帰する若手のアフマッド・ソレヒン・ママットとノラズラン選手の三つ巴となりそうです。
 また同じFacebook上では、DFアンナズ・ラフマトの入団も発表されています。ヌグリスンビラン州出身で24歳のアンナズ選手は元U23代表選手で、今季はプタリンジャヤシティFCでプレーしていました。

クダFA監督は新戦力を求めて日本へ
 クダFAのアイディル・シャリン監督は来季の新戦力を日本で探していると、マレー語紙ブリタハリアン電子版が伝えています。
 記事によると、クダFAと提携しているJ1のサガン鳥栖の招待によって日本を訪れているアイディル監督は既に日本滞在三日目ということですが、すでに数名の選手の評価を終えており、残りの期間でもさらに数名の選手を見ることになっているようです。
 クダFAのアジア枠外国籍選手にはキルギス出身のMFエドガー・ベルンハルトがいますが、今季は7試合の出場に留まっており、来季は日本人MFがクダFAにやってくるかも知れません。
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 今季マレーシアフットボールリーグMFLに在籍していた日本人選手のうち、苅部隆太郎(クアラルンプールFA)はシーズン途中で、渡邉将基、池田圭(いずれもフェルダ・ユナイテッド)、鈴木ブルーノ(トレンガヌFC II)はシーズン終了後に退団が決定しており、残っているのは中武駿介(ヌグリスンビランFA)と鈴木裕太(クチンFA)だけですが、この二人も来季契約確定のニュースはないので、場合によっては来季のMFLには日本人選手が一人もいない、ということも起こりえます。隣国タイに比べると、日本人選手が少ない現状は在マレーシア日本人としては残念なので、アイディル監督には是非、日本人選手獲得をお願いしたいです。

11月19日のニュース:ワン・クザインがU22代表に合流、PKNPFC主将はペラTBGへ移籍

ワン・クザインがU22代表に合流
 何度かこのブログでも取り上げたMFワン・クザイン・ワン・カマルが東南アジア競技大会に参加するU22代表の練習に合流したことを英字紙スター電子版が報じています。
 アメリカのプロサッカーリーグ、メジャーリーグサッカーMLSのスポーティング・カンザスシティに所属し、今季2019年はBチームにあたるスウォープパーク・レンジャーズでプレーした21歳のワン・クザイン選手は、アメリカのイリノイ州生まれながら両親がマレーシア人であることから、マレーシア代表でプレーする資格を持っています。
 昨季2018年にMLSデビューを果たしただけでなく、ゴールも決めているワン・クザイン選手の招集をU22代表のオン・キムスイ監督も明言していましたが、スウォープパーク・レンジャーズのシーズンが10月まであったことなどから、合流時期が未確定でしたが、無事、マレーシアに到着し、早速チームの練習に合流したようです。
 合流初日の練習後はメディアの取材に応え、攻撃的あるいは守備的MFだけでなく、センターバックなど守備的なポジションも含めて監督の求めるポジションでプレーするとしながらも、自分が得意なのは試合を組み立てることと話すワン・クザイン選手は代表チームでプレーすることは名誉であり、国を背負ってプレーすることの意味は理解しているとも話しています。
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 現在U22代表候補合宿に招集されているのは25名ですが、今日11月19日のFIFAワールドカップ2022年大会予選のインドネシア戦に出場するフル代表からも、7名がU22代表に合流することが決まっており、その中にはフル代表の主力選手サファウィ・ラシド、シャマー・クティ・アッバ(いずれもJDT)やシャミ・サファリ(スランゴールFA)などがおり、東南アジア競技大会出場20名のメンバー入りへの競走は激しさを増しそうです。

PKNP FC主将はペラTBGへ移籍
 PKNP FCは今季はMFL1部で11位となり、来季は2部降格となる予定でしたが、急転直下で来季よりペラTBGのBチーム化が決定し、各選手の去就が注目されていましたが、今季チームの主将を務めたハフィズ・ラマダンはペラTBGへ移籍が決まったとスター電子版が伝えています。
 2011年から2014年はプレジデントカップチーム(U21)、2015年から2017年まではペラTBGでのプレー経験があるハフィズ選手にとっては、かつて在籍したチームへの復帰となります。
 以前ペラTBGでプレーしていた際にはレギュラーポジションカクトには至らなかったハフィズ選手は、PKNP FCでは主に左ウィングで起用され、主力選手の一人として活躍し、3月の国際大会エアマリンカップの際には代表候補合宿にも招集されるほどになりました。
 まずはメフメト・ドゥラコビッチ監督のスタイルや考え方を理解し、チームに慣れることが最優先となると話すハフィズ選手は、ペラTBGでのスターティングXI入り、そして代表入りを今後の目標としたいと語っています。

11月18日のニュース:サディル・ラマダニはパハンFAを退団、ファイズ・ナシルは1年でトレンガヌFC復帰、クランタン州の2クラブは地元の選手により多くの機会を与える

サディル・ラマダニはパハンFAを退団
 インドネシア代表でもプレーする弱冠20歳のサディル・ラマダニが1年でパハンFAを退団するとマレー語紙ブリタハリアン電子版が伝えています。
 今季2019年マレーシアフットボールリーグMFL開幕戦でリーグ最速ゴールを挙げたラマダニ選手はパハンFAの外国籍選手枠のアセアン東南アジア出身選手枠で契約し、今季は21試合に出場する主力選手でした。。
 自身のインスタグラムで退団の意思を発表したラマダニ選手は、インドネシア国外でプレーするのは初めてだったが、この1年間で様々なことを学ぶことができたと、パハンFAとそのファンに感謝のメッセージを述べています。
 ラマダニ選手は11月19日にブキ・ジャリル国立競技場で行われるFIFAワールドカップ予選でマレーシア代表と対戦するインドネシア代表に召集されている他、今月末からフィリピンのマニラで開催される東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場するインドネシアU22代表のメンバーにも入っています。
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 パハンFAはシンガポール代表のサフワン・バハルディンに続き、サディル・ラマダニも2年契約の残り1年を残しての退団となっていることから、パハンFAのファンからはチームの経済状況を心配する声も上がっています。また、同じ外国籍選手のディクソン・ヌワカエメも来季の契約が確定していません。
 またラマダニ選手については、MFL1部スーパーリーグで1年間主力選手としてプレーし、その実力を示したことで、パハンFA退団後はインドネシアに戻らず他のMFL1部との契約の噂も出ています。

ファイズ・ナシルは1年でトレンガヌFC復帰
 今季2019年開幕前にトレンガヌFCからスランゴールFAに移籍したファイズ・ナシルは、トレンガヌFCとの来季1年契約を結んだとスポーツ系サイトスタジアムアストロが伝えています。
 27歳のナシル選手は今季開幕当初、調子の上がらないスランゴールFAで獅子奮迅の活躍が代表のタン・チェンホー監督の目に留まり、エアマリンカップでは代表に初招集されるとすぐにアフガニスタン代表戦でフル代表初ゴールを決めるなど順風満帆でしたが、シーズンが進むに連れて、ベンチを温めることが多くなっていました。
 クダFAやペラTBGも獲得意思を示していましたが、トレンガヌFCのイルファン・バクティ前監督のもと、昨季のトレンガヌFCの準優勝にも貢献したMFはかつて所属したクラブへ復帰を決めたようです。
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 個人的にはMFL前半で最も注目した選手の一人だったナシル選手は、公称で身長152センチと小柄ながら、豊富な運動量で移籍1年目からスランゴールFAファンからも支持される選手でしたが、代表招集後は出場機会が減っていきましたが、バースカラン・サティアナタン監督の戦術に合わなかったのでしょうか。

クランタン州の2クラブは地元の選手により多くの機会を与える
 今季2019年のMFL3部にあたるM3リーグを圧倒的な力で優勝し、来季はMFL2部プレミアリーグに昇格するたケランタン・ユナイテッドは、マレー半島東海岸北部にあるケランタン州をホームとするクラブです。このケランタン州にはケランタン州サッカー協会が統括するケランタンFAもあり、来季はこの両クラブはいずれもMFL2部プレミアリーグでプレーしますが、この状況は、ケランタン州の若いサッカー選手たちがより高いレベルでプレーする機会をより多く得ることができる望ましい状況であると、1990年代にケランタンFAでプレーしたかつての名選手モハマド・ハシム・ムスタファが語っています。
 今季はケランタンFAのプレジデントカップチーム(U21チーム)のコーチを務めたモハマド・ハシム氏は、自らがコーチするチームからトップチームへ昇格する選手以外にもプレーを続ける道が開かれるとして、ケランタンFAのユスリ・チェ・ラーとケランタン・ユナイテッドのザハスミ・イスマイルの両監督に若い選手を積極的に使うよう求めています。
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 運営資金不足から今季2019年は外国籍選手をシーズン途中で全員解雇したケランタンFAは、給料の低い若手を活用するというよりも、そうせざるを得なかった状況でした。しかし裏返せば、モハマド・ハシム氏の言う通り、他のクラブでは出場機会のないような若手でもケランタン州のチームに救われる可能性もあります。

11月16日のニュース:年間MVPは2年連続でサファウィ・ラシドが受賞-ナショナルフットボールアウォード各賞発表

年間MVPは2年連続でサファウィ・ラシドが受賞
 11月15日に開催されたナショナルフットボールアウォードABK2019では、MFL1部ジョホール・ダルル・タクジムJDTのMFサファウィ・ラシドが昨年2018年に続き、2年連続で年間最優秀選手賞MVPを受賞しています。
 今季2019年はリーグ戦、カップ戦合計で20ゴールを挙げた22歳のサファウィ選手は、このMVPの他、最優秀フォワード賞、ファン投票で選ばれる最も人気のある選手Most Popular Playerにも選ばれています。
 昨年の初受賞の際には、史上最も若くしてMVPを獲得したサファウィ選手ですが、成功の秘訣を問われると、練習、試合いずれも常に全力で臨んでいることを挙げ、将来的にはオファーがあれば海外のクラブでプレーすることを望んでいると述べる一方で、これまで自分を育ててくれたJDTのオーナーであるジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下の意思も尊重したいと述べています。

ナショナルフットボールアウォード各賞発表
 上記のサファウィ選手のMVP、最優秀フォワード賞以外も発表になっていますが、大方の予想通りJDTが席巻しています。なお各賞の受賞者は以下の通りです。
 最優秀選手:サファウィ・ラシド(JDT)
 最優秀フォワード:サファウィ・ラシド(JDT)
 最優秀ミッドフィルダー:モハマドゥ・スマレ(パハンFA)
 最優秀ディフェンダー:シャルル・サアド(ペラTBG)
 最優秀ゴールキーパー:ファイザル・マーリアス(JDT)
 最優秀外国籍選手:ジオゴ・ルイス・サント(JDT-ブラジル)
 最優秀外国籍選手(アセアン):ハリス・ハルン(JDT-シンガポール)
 ベストヤングルプレーヤー賞:アキヤ・ラシド(JDT)
 最優秀監督:ドラー・サレー(パハンFA)
 ゴールデンブーツ(最多得点):フェルナンド・ロドリゲズ(クダFA)
 最高人気選手:サファウィ・ラシド(JDT)
 最優秀クラブ:JDT
 最優秀サポーターグループ:ボーイズオブストレイト(JDT)
 最優秀ソーシャルメディア:johorsoutherntigers.com.my(JDT)
 最優秀ホームページ:JDT
 MFL1部スーパーリーグ最多得点(マレーシア人選手):サファウィ・ラシド(JDT-8ゴール)
 MFL1部スーパーリーグリーグ最多得点(外国籍選手):クパー・シャーマン(PKNS FC-14ゴール)
 MFL2部プレミアリーグ最多得点(マレーシア人選手):ボビー・ゴンザレス(サラワクFA-9ゴール)
 MFL2部プレミアリーグリーグ最多得点(外国籍選手):ザルコ・カラチ(UITM FC-13ゴール)
 最優秀M3リーグ選手:ファクルル・ザマン(ケランタン・ユナイテッド)
 ファン投票による2019年ベストチーム
 監督:アイディル・シャリン(クダFA)
 GK:イフワット・アクマル・チェク・カシム(クダFA)
 DF:リザル・ガザリ、シャキル・ハムザ、レナン・アルヴェズ(以上クダFA)、ラヴェル・コービン=オング(JDT)
 MF:リー・タック(トレンガヌFC)、バドロル・バクティアル(クダFA)、ブレンダン・ガン(ペラTBG)
 FW:サファウィ・ラシド、ジオゴ・ルイス・サント、アキヤ・ラシド(以上JDT)
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 リーグ6連覇に加え、今季はマレーシアカップも優勝したJDTが大方の予想通り、受賞者の7割方を占めました。個人的には今季就任し、昨季の6位から今季は4位と順位を引き上げ、FAカップ優勝を果たしたクダFAのアイディル・シャリン監督が最優秀監督を受賞するだろうと思っていました。
 なおナショナルフットボールアウォードの各賞は、マレーシアサッカー協会FAM、マレーシアプロサッカー選手会、マレーシアサッカーコーチ協会、マレーシアスポーツ記者協会などの代表者からなる選考委員会による候補者選定後、MFL1部と2部各クラブの監督と主将、そして23名のメディア関係者による投票で、また最高殊勲選手MVPは、5名からなら選考委員会の投票で決定します。
(写真はファン投票による2019年ベストチーム-MFLのFacebookより)

11月15日のニュース:MFL2部と3部の入れ替え戦は11月23日実施、フェルダUは渡邉将基、池田圭両選手と契約せず、セレッソ大阪が在馬日系企業をパートナーに決定

MFL2部と3部の入れ替え戦は11月23日実施
 マレーシアフットボールリーグMFLのホームページでは、MFL2部プレミアリーグ11位のサラワクFAとMFL3部M3リーグ2位クチンFAの入れ替え戦が11月23日午後8時15分開始となることを発表しています。
 またサラワクFA、クチンFAとも、ホームとして同じサラワク州立スタジアムを使用していることから、MFL理事会の投票によりホームチームを決定するとしている他、試合に出場する外国籍選手に関しては、リーグの規定ではプレミアリーグは4名、M3リーグは2名の外国籍選手枠があることから、この入れ替え戦ではフィールド上にいられるのは2名までとしています。
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 クチンFAの本拠地クチンはサラワク州の州都で、この入れ替え戦は、例えて言えば東京都代表チームと港区代表チームが入れ替え戦を行うような図式になっており、サラワクFAとしては負けられない試合です。しかしクチンFAには鈴木裕太選手が在籍しており、個人的にはクチンFAに昇格を勝ち取ってもらい、鈴木選手をプレミアリーグの試合で見てみたいです。

フェルダUは渡邉将基、池田圭両選手と契約せず
 英字紙スター電子版は、MFL1部のフェルダ・ユナイテッドがニザム・ジャミル監督と新たに2年契約を結んだことを伝えています。今季2019年のフェルダ・ユナイテッドは、MFL最終節での勝利により10位となり、2部降格を免れるというクルシーズンを送りました。
 しかし来季2020年は今季よりクラブ運営資金が縮小され、連邦土地開発公団下の入植農家出身者をプロサッカー選手として育成しすることなどを目的とした若手主体のクラブに生まれ変わることから、さらに厳しいシーズンとなりそうだとスター電子版は報じています。
 またクラブの方針変更により、今季は代表でも数試合プレーしたMFハディン・アズマン主将、今季30試合に出場した正GKノラズラン・ラザリ、MFクリスティ・ジャイエシレン、 DFアリフ・ファジラー・アブ・バカルら主力選手に加え、外国籍選手の渡邉将基、池田圭両選手やFWチアゴ・アウグスト、MFジョシネイ・シャド(いずれもブラジル)とも新たに契約を更新しないことを発表しており、来季は代表にも招集されているダニアル・アミエルやアンワル・イブラヒム、ザハリル・アズリなどが主力となるだろうとしています。これについてニザム監督はチームの平均年齢を下げるためとしていますが、年齢以上に予算縮小による影響によるものでしょう。
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 フェルダ・ユナイテッドを統括する連邦土地開発公団FELDA(フェルダ)は、換金作物を栽培する小規模農家を組織するために設立されたマレーシア政府機関の一つで、パーム農園(プランテーション)運営フェルダ・グローバル・ベンチャーズ・ホールディングス社や、パーム油生産を行う政府系企業フェルダホールディング社やを傘下に持っています。
 世界のおよそ85%をマレーシアとインドネシアが生産するパーム油はマレーシアを代表する輸出農作物で、マーガリンやチョコレートなどの食料品・シャンプーなど日用品の原材料・発電用燃料などに幅広く使われていますが、健康への悪影響が指摘されているほか、パーム油農園の開拓が森林破壊の元凶だとの批判が根強いことから、主要な買い手である欧州連合(EU)がパーム油の輸入を2030年までに禁止する方針を決めており、その影響がフェルダ・ユナイテッドの運営予算縮小につながっている可能性はあります。

セレッソ大阪が在馬日系企業をパートナーに決定
 セレッソ大阪のホームページでは、在マレーシアの日系企業であるヤクルト・マレーシア社がアセアンアクティブパートナーシップに決定したことを告知しています。
 また、このニュースに合わせて、C大阪が来季のスプリングトレーニングを行いたい意向を表明しているとマレーシアの通信社ベルナマが報じています。マレーシアの国家スポーツ協会(ISN、日本の日本スポーツ協会にあたります)のアーマド・ファエザル・モハマド・ラムリCEOによると、C大阪では「モリシ」の愛称で知られた森島寛晃代表取締役社長がISNのスポーツ科学施設や隣接するブキ・ジャリル国立競技場など周辺のスポーツ施設に対して好印象を持った様子であったそうです。
 最終的な決定は森島代表取締役がクラブに持ち帰ってから行われるとしていますが、従来はタイで春季キャンプを行っているC大阪に対して、上記のアセアンアクティブパートナーとなったヤクルト・マレーシア社がマレーシアでのキャンプを強く働きかけているということです。
 C大阪の森島代表取締役とヤクルト・マレーシア社の浜田社長の訪問を受けたアーマド・ファエザルCEOは、マレーシアでC大阪が春季キャンプを開催することがあれば、それを見ることは我々にとって貴重な機会となると述べています。

11月14日のニュース:スランゴールFAは外国籍選手4名の残留決定、JDT IIからGKがペナンFAへ移籍、U19代表GKがU22代表へ昇格、インドネシアのクラブがクダFA監督に触手

スランゴールFAは外国籍選手4名の残留決定
 今季2019年はマレーシアフットボールリーグMFL1部で3位となったスランゴールFAは、来季に向けて4名の外国籍選手の残留をホームページで発表しています。
 残留するのは、今季途中から加入してリーグ戦とカップ戦合計20試合で16ゴールを挙げたFWイフェダヨ・オルセグン(ナイジェリア)の他、MFサンドロ・ダ・シルヴァ・メンドンサ(ブラジル)とDFテイラー・リガン(オーストラリア)で、ケガのため今季は6試合のみ出場にとなったFWルフィノ・セゴヴィア(スペイン)の残留も決まっています。
 なおこの他の外国籍選手DFミハル・グエン(ベトナム)とMFエンドリック・ドス・サントス(ブラジル)は退団となっています。
 またスランゴールFAの「カンテ(チェルシー)」ことMFサクナン・クリシュナサミー、FWシャズワン・ザイノン、DFタミル・マラン、そして今回代表に召集されているDFシャミ・サファリ、GKカイルルアズハン・カリドらの残留も合わせて発表されています。#STILLRED
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 今季は開幕でつまづき監督の解任騒ぎまで出ながら、最終的にはリーグ3位となったスランゴールFA。他のクラブが外国籍選手の入れ替えや新戦力獲得に忙しい一方で、次々とチームの中心選手の残留を発表していますが、これはバスカラン・サティアナタン監督が現在のチームに自信を持っているからでしょう。昨季31ゴールを挙げたセゴヴィア選手が復帰することで、今季大活躍のオルセグン選手と組む強力FW陣はJDTの牙城を崩すのに十分な戦力が整い、個人的には来季が最も楽しみなチームになりました。

JDT IIからGKがペナンFAへ移籍
 MFL2部ペナンFAのFacebookでは、JDT IIからGKサミュエル・サマーヴィルの獲得を発表しています。イギリス生まれでマレーシア人の母親を持つサマーヴィル選手は2015年から4年間、JDT IIでプレーしていました。
 またサマーヴィル選手は自身のインスタグラムでJDTとオーナーのTMJ子とジョホール皇太子トゥンク・イスマイル殿下への感謝の気持ちを述べるともに、JDTから離れて自分の価値を示したいと述べています。
(写真はサマーヴィル選手獲得を告知するペナンFAのFacebookより)

U19代表GKがU22代表へ昇格
 先日カンボジアで開催されたアジアサッカー連盟AFCU23選手権予選でグループ1位となり本選出場を決めたマレーシアU19代表のGKが、今月末にフィリピンで開催される東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場するU22代表に昇格したと、英字紙スター電子版が報じています。
 U19代表でも主将を務めたモハマド・フィルダウス・イルマン・ファディルの昇格でU22代表に招集されるU19代表の選手は合計6名となりました。
 U22代表のオン・キムスイ監督によると、GKハジック・ナジル(JDT II)がフル代表に召集されたことで、GKを補充する必要があるための招集としながらも、他の選手ではなくフィルダウス選手を招集した理由として、U19選手権予選終了後で試合感、体調などが整っていることを挙げています。
 U22代表に招集されているのこの他のU19代表選手は、このブログでは既に何度か取り上げたFWルクマン・ハキム・シャムスディン、DFハリス・ハイカル・アダム・アフカル、MFモハマド・ウマル・ハキーム・スハル・レズワン、MFムカイリ・アジマル・マハディ、MFモハマド・アザム・アズミ・ムラドです。

インドネシアのクラブがクダFA監督に触手
 MFL1部のクダFAは、今季から就任したシンガポール人のアイディル・シャリン監督のもと、リーグ4位、FAカップ優勝、マレーシアカップ準優勝と好成績を収めましたが、インドネシア1部リガ1のクラブ、ペルセバヤ・スラバヤがこのアイディル監督との契約を検討していたと、インドネシアのスポーツ専門サイトインドスポートが報じています。
 プルセバヤ・スラバヤは、数試合を残して辞任したオーストリア人のウォルフガング・ピカル監督の後任に、元監督のアジ・サントソ氏の就任を発表していますが、プルセバヤ・スラバヤは当初はクダFAのアイディル監督と交渉を行い、アイディル監督もこれを認めています。アイディル監督もインドネシアのクラブでの監督業に興味を示していたということですが、その後プルセバヤ・スラバヤ側からの連絡が途絶えたため、契約延長を求めていたクダFAと来季の契約したようです。
 この他、同じリガ1のクラブ、ペルシジャ・ジャカルタもアイディル監督と交渉を行っていたとも伝えられており、アイディル監督自信も2021年にまた機会があればインドネシアのクラブでの指導を考えたいと、インドスポートに語ったということです。

11月13日のニュース:MFLはPKNS FCとPKNP FCのBチーム化を承認、UITM FCが棚ぼたで1部昇格、TFC IIは鈴木ブルーノと契約更新せず、パハンFAはサファウィ・バハルディンとの契約を解除、マラッカUはロメル・モラレス獲得、MFLは来季からの背番号に関する規則を改定

MFLはPKNS FCとPKNP FCのBチーム化を承認
 マレーシアフットボールリーグMFLはホームページで、スランゴール州サッカー協会FASとペラ州サッカー協会PAFAから出されていたPKNS FCとPKNP FCのそれぞれスランゴールFAとペラTBGのBチーム化申請を承認したこと発表しています。
 規定ではBチーム創設は、書面にて1年前に申請することになっていますが。別の規定ではMFL理事会の承認がある場合はこの限りではないとなっており、今回はそちらの規定により申請から1ヶ月程度で申請承認となっています。

UITM FCが棚ぼたで1部昇格
 上記の記事に関連して、MFL1部のPKNS FCがスランゴールFAのBチームとなることで、PKNS FCは「AチームとBチームは同一リーグでプレーすることができない」というMFLの規定により、MFL2部へ降格になります。これによりMFL1部は11チームになってしまうため、今季2019年MFL2部で5位のUITM FCがその空席を埋めるべく昇格することになったと、MFLのホームページで告知しています。
 スランゴール州の州都シャーアラムにある公立大学UITMを母体とするUITM FCは、高等教育機関のサッカークラブとして初めて国内トップリーグに参加するクラブという歴史を作っています。

TFC IIは鈴木ブルーノと契約更新せず
 マレーシアフットボールリーグMFL2部のトレンガヌFC IIは、今季2019年シーズンに在籍した外国籍選手のうち、コートジボアール出身のMFデチ・マルセル・ングエッサンのみと契約を更新すると発表しています。
 この結果、FW鈴木ブルーノ、FWアカニ・サンデイ・ワシウ(ナイジェリア)、MFセルヒイ・アンドレイエフ(ウクライナ)の各選手は退団となります。
 トレンガヌFC IIを統括するトレンガヌ州サッカー協会のロシャデイ・ワハブ会長は、空席となった3名の外国籍枠は代わりの選手を獲得する予定ではあるが、候補者は決まっていないと話していると、スポーツ専門サイトスタジアムアストロは伝えています。
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 鈴木選手とアンドレイエフ選手は、先日このブログでも取り上げたバングラデシュで開催されたシーク・カマル国際クラブカップに出場したトレンガヌFCに参加し、優勝に貢献しています。しかも鈴木選手は今季のチーム得点王でもあります。
 なお鈴木選手はツイッター上でチームへの感謝を述べるとともに、新チームへの移籍を希望することを表明しています。

パハンFAはサファウィ・バハルディンとの契約を解除
 サッカー専門サイトGoal. comマレーシア版では、MFL1部パハンFAのDFサファウィ・バハルディンが契約解除されたことを報じています。シンガポール代表でもプレーする28歳のサファウィ選手は、2020年まで契約が残っていましたが、契約満了前のリリースとなっています。サファウィ選手は自身のインスタグラムでこの契約解除について告知していますが、その理由については何も述べられておらず、パハンFAのファンやチームメートなどに感謝の意を述べています。
 今季2019年はリーグ戦とカップ戦合わせて23試合に出場した主力選手の退団で、外国籍選手枠の内のアジア選手枠が空くことになり、新たなアジア人選手の獲得につながる可能性があります。

マラッカUはロメル・モラレス獲得
 MFL1部のマラッカ・ユナイテッドは、今季はPKNS FCでプレーしたコロンビア出身のMFロメル・モラレスと来季の’1年契約を結んだことを、マレーシアの通信社ベルナマが伝えています。
 マラッカ・ユナイテッドを統括するマラッカ州サッカー協会MUSAの発表によると、MUSAのダミエン・ヨー新会長立ち合いのもとで、契約が交わされたということです。
 攻撃的MFのモラレス選手は、2018年にPKNS FCと契約し、2シーズンで17点を挙げています。

MFLは来季からの背番号に関する規則を改定
 MFLはホームページで、来季2020年シーズンより選手が着用できる背番号を1から99までと改訂することを発表しています。なお、今期まではMFL出場選手は1から30まで、U21のプレジデントカップチームとU19のユースカップチームの選手は31から50を着用することが決められていました。
 また51から60までの番号については、MFLの2度目の移籍期間トランスファーウィンドウ期間中に移籍してきた選手のみが着用可能としています。

11月12日のニュース:タイ・インドネシア戦に向けて代表メンバー発表、JDTIIは元ラ・リーガアカデミー指導者を新監督に任命、ナショナルフットボールアウォーズではJDTが席巻か

タイ・インドネシア戦に向けて代表メンバー発表
 FAMのホームページでは、11月14日に開催されるFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選となるタイ代表戦と同19日のインドネシア戦に出場する代表メンバーを発表しています。23名の顔ぶれはこちらです。
 この23名中、DFムハマド・シャズワン・ビン・アンディック、MFムハマド・アフィク・ビン・ファザイル(いずれもJDT)、MFバドロル・ビン・バクティアル(クダFA)はいずれも代表経験者ですが、今回のW杯予選では初招集となります。
 また候補合宿に招集された26名からは、FWシャレル・フィクリ・モハマド・ファウジ、GKナジルル・ナイム・チェ・ハシム(いずれもペラTBG)、MFムハマド・ファルハン・ビン・ロスラン(クダFA)の3名が外れています。
 いずれの試合もブキ・ジャリル国立競技場で開催されます。
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 タイ戦は昨年末のスズキカップ以来ですが、この時のタイ代表はMFチャナティップ・ソングラシン(札幌)やDFテーラトン・ブンマタン(横浜)らを招集せず、準決勝ではアウェイゴールルールでマレーシアに敗れています。しかし、この当時のチームとは監督も含め大きく変わっており、タン・チェンほー監督率いるマレーシアにとっては非常に厳しい試合となりそうです。
 先日のタジキスタン戦を見た印象では、個ここ数試合固定されている右サイドバックのマシュー・デイヴィーズ(パハンFA)に代えて、今回の東南アジアサッカー連盟AFFアウォーズでタイ戦でのゴールスズキカップのベストゴール賞を獲得したシャミ・サファリ(スランゴールFA)をタイ戦で再び起用するのかどうかが気になります。
 それともう一つ。今回の代表23名の中には、JDTのBチームであるJDT IIのGKムハマド・ハジック・ナズリと、JDTから期限付き移籍でタイのポリステロFCでプレーするDFドミニク・タンを含めると12名の選手がJDT所属です。リーグ6連覇中と国内ではダントツの強さを誇るJDTですが、興味深いのはこの人選に表立った批判が出ていないことです。昨年2018年3月には、アジアカップ2019年大会予選でモンゴル戦で2-2の引き分け後、タン監督がファンのプレッシャーに屈する形で選ばれていたJDTの選手14名全員を代表から外すという出来事もありました。この時のような批判が出ないのは、マレーシアの多くのサッカーファンがJDTの強さを認めたということなのかもしれません。

JDTIIは元ラ・リーガアカデミー指導者を新監督に任命
 マレー語紙ブリタハリアン電子版によると、マレーシアフットボールリーグMFL2部のJDT IIは、エルヴィン・ボバン氏の辞任後、空席となっていた監督のポストにマラガCFの元アカデミーおよびスカウト責任者のラファエル・ギル・サンチェス氏の就任を発表しています。
 この他、マラガCFのU23チームやサウジアラビアU17代表で監督経験を持つギル新監督には、アカデミーからの昇格選手を含めたJDTのBチームであるJDT IIの若い選手たちがJDTと同様のプレースタイルを身につけ、JDTへ昇格してもすぐ活躍できるよう成長させることが求められていると、JDTのアリスター・エドワーズTD(テクニカルダイレクター)がJDTのホームページで語っています。

ナショナルフットボールアワーズではJDTが席巻か
 11月15日に行われる今季2019年のナショナルフットボールアワーズABKでは、JDTが各賞を席巻するだろうとブリタハリアン電子版が伝えています。
 ABKでは、最優秀選手MVP、最優秀若手選手、最優秀監督、最優秀FW、最優秀MF、最優秀DF、最優秀GK、最優秀外国籍選手、最優秀ASEAN選手、得点王ゴールデンブーツ賞、最優秀クラブ、最優秀サポーターの他、ファン投票によって選ばれる最高人気選手、同じくファンが選ぶベストイレブンなどが選ばれます、
 ブリタハリアンの予想では、年間最優秀選手賞の最有力候補は、昨年2018年の受賞者でもあるサファウィ・ラシド(JDT)。JDTが優勝したマレーシアカップでは合計11ゴールを挙げ、9ゴールのディクソン・ヌワカエメ、7ゴールのラザラス・カイムビ(いずれもパハンFA)、8ゴールのフェルナンド・ロドリゲズら外国籍選手を抑えて得点王を獲得しています。
 なおブリタハリアンは、最優秀監督賞、最優秀GK賞などもJDTの監督、選手が獲得する可能性が高いとしています。
(以下はマレーシアフットボールリーグMFLのFacebookに掲載されているABK各賞のノミネート選手。上から順にベストFW、ベストMF、ベストDF、ベストGK、ベスト外国籍選手、ベストアセアン選手)