1月17日のニュース(2)
FAM-マレーシア政府の厳格なSOPがアジアカップ予選開催を困難に
MFLはMリーグ日程への負担を減らすためACLとAFCカップGSの国内開催を希望
タイ1部リーグ第17節-エルドストールが先発に復帰

FAM-マレーシア政府の厳格なSOPがアジアカップ予選開催を困難に

アジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会3次予選の開催地決定が来月2月24日と迫る中、この3次予選に出場するマレーシアは自国での予選開催を目論んでいますが、マレーシア政府が設けている厳格なSOP(標準作業手順)のせいで実現が難しいと英字紙ニューストレイトタイムズが伝えています。アジアカップ2023年大会は開催国の中国の他、日本や韓国、オーストラリアやベトナムなど既に13カ国が出場を決めており、残る11枠をこの3次予選に出場する24ヶ国が争います。

マレーシアサッカー協会FAMのモハマド・ユソフ・マハディ会長代行は、アジアカップ2023大会3次予選の集中開催地として立候補する旨を既にAFCに伝えていることを明らかにする一方で、マレーシア政府が全ての渡航者に課している検疫隔離と厳格なSOPが自国開催実現の際の障害になる可能性があると述べています。モハマド・ユソフ会長代行はさらにマレーシア政府が大規模な国際スポーツ大会そのものの国内開催を認めない可能性もあると話していますが、政府による支持が得られ、AFCにより集中開催地に選ばれた場合には、ブキジャリル国立競技場を会場に開催する計画があることも明らかにしています。

MFLはMリーグ日程への負担を減らすためACLとAFCカップGSの国内開催を希望

また同じニューストレイトタイムズは、Mリーグを運営するMFLがやはり集中開催が決まっているAFCチャンピオンズリーグACLと、ACLの下部大会AFCカップのグループステージGS開催に意欲を示していると伝えています。マレーシアからはMリーグ1部スーパーリーグ昨季2021年シーズンのチャンピオンとしてJDTがACLグループステージに、また昨季スーパーリーグ2位のクダと昨季マレーシアカップ優勝のKLシティがAFCカップグループステージに出場します。

MFLは今季のリーグ日程作成の際に、このACLやAFCカップのグループステージが国外で開催された場合に備え、Mリーグクラブのために帰国後の検疫隔離期間として28日間を予備日として設けてあるということですが、ACLやAFCカップのグループステージにマレーシアが集中開催地に選ばれれば、この検疫隔離期間が不要になり、国内リーグ日程の過密化を防げることから、国内開催を強く希望しているということです。

タイ1部リーグ第17節-エルドストールが先発に復帰

タイ1部リーグ第17節が1月15日と16日に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCは今季1部昇格のノーンブワ・ピッチャヤFCに敗れたものの、リーグ3位を維持しています。

2022年1月15日@チョンブリースタジアム
ノーンブワ・ピッチャヤFC 3-2 チョンブリーFC
 前節第16節はベンチ入りしなかったジュニオール・エルドストールは、スズキカップ2020後は初出場となるこの試合で先発し、85分にはイエローカードをもらっています。チームも89分に決勝ゴールを決められて敗戦。連続無敗記録も8で止まってしまいました。
(試合のハイライト映像はチョンブリーFCの公式YouTubeチャンネルより)

https://youtu.be/dUefR_bPX7U

タイ1部リーグ順位表(第17節終了)

順位チーム得失差勝点
1ブリーラムU1611231935
2バンコクU1610331533
3チョンブリーFC168541329
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFCのみ表示しています。

1月17日のニュース
Mリーグ1部と2部の今季開幕カード発表
Mリーグ3部は外国籍選手および指導者の登録を認めない-リーグチェアマン

Mリーグの今季開幕カード発表

Mリーグを運営するMFLは今季2022年シーズンの1部スーパーリーグ6試合と2部プレミアリーグ5試合の開幕カードを発表しています。試合開始時間については、東マレーシア(サバ州とサラワク州)のクラブは午後7時30分または午後8時15分、マレー半島のクラブは8時15分または9時のいずれかを選ぶことをMFLが認めていることから、まだ発表されていません。

スーパーリーグ9連覇を目指すジョホール・ダルル・タジムJDTは昨季3位のペナンと対戦し、昨季プレミアリーグで優勝と準優勝して今季1部昇格を果たしたヌグリスンビランとサラワク・ユナイテッドは、昨季7位ながらシーズンオフに代表選手4名を獲得するなど積極的な補強を行なったサバ、昨季2位のクダとそれぞれ対戦します。またマレーシアカップで32年振りの優勝を果たしたKLシティはスランゴールとのクランバリーダービーも注目の開幕カードです。


プレミアリーグに目を向けると、昨季スーパーリーグ11位で降格したペラは本山雅志選手や深井脩平選手を擁するクランタン・ユナイテッドと、スーパーリーグ最下位だったUITM FCはトレンガヌFCのセカンドチーム、トレンガヌFCと対戦します。なおプレミアリーグはペラが降格したことで、MFLの規定によりトップチームとセカンドチームが同一リーグには同居できないことから、昨季はプレミアリーグに在籍したペラのセカンドチーム、ペラIIがリーグから外れています。

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今季の全日程に関しては既にMFL内部では決定しているようで公式サイトやFacebookなどで発表しているクラブもありますが、そんな中、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが取り上げているのがやや「いびつ」なスランゴールの日程です。スランゴールはスーパーリーグ第20節から第22節までの最後の3試合が全てアウェイとなっており、この日程はスランゴールに不利に働くようにMFLが意図的に組んだものではないか、という疑惑が生じています。事の発端はスランゴールのミヒャエル・ファイヒテンバイナー監督がこの日程について自身の30年に及ぶサッカー歴で初めてと発言した事でしたが、これについてMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、マレーシアには多くの祝日があり、これがマレーシア式の日程であると述べて真っ向から否定しています。

M3リーグは外国籍選手の登録を認めない-リーグチェアマン

2年振りの開催となるMリーグ3部に当たるセミプロリーグのM3リーグは2月11日に開幕しますが、これに先駆けてグループ分け抽選が行われたことを、M3リーグを運営するアマチュアフットボールリーグAFLの公式Facebookで伝えられています。今季は20クラブが参加するM3リーグはこの20クラブをA、Bの2つのグループに分けてホームアンドアウェイ形式でリーグ戦を行い、各グループの上位4クラブがノックアウトステージとなる準々決勝に進出し、そこから準決勝、そして9月3日に予定されている決勝と進み優勝チームはMリーグ2部のプレミアリーグに自動昇格、準優勝チームはプレミアリーグ最下位チームとの入れ替え戦に望むのが通例ですが、現在のプレミアリーグは10クラブしかなく、今季のM3リーグは決勝に進出する2クラブがそのままプレミアリーグ昇格となる可能性が濃厚です。また今季のM3リーグ優勝チームには10万リンギ(およそ270万円)、準優勝チームには5万リンギ(140万円)が賞金として授与されるということです。

今季のグループ分けはオンラインで開催されましたが、その際の記者会見ではモハマド・ユソフ・マハディAFLチェアマンが、コーチライセンスの「名義貸し、名義借り」について言及したとマレーシアの通信社ブルナマが報じています。モハマド・ユソフ チェアマンは、資格を持たない外国籍指導者に指揮を取らせるためにプロコーチライセンスを持つマレーシア人指導者を隠れ蓑として雇っているクラブがあれば厳罰に処すと話していますが、これについては以前にもこのブログで取り上げた通り、複数のM3クラブでのこの「名義貸し」や「名義借り」が行われていると噂されています。なおモハマド・ユソフ チェアマンは、今季のM3リーグでは外国籍選手および外国籍指導者の登録を認めないことを強調しています。


1月16日のニュース
スズキカップ惨敗の原因分析を行う独立委員会のメンバーが明らかに
U23代表GKがKLシティに加入
セリエAのストライカーがJDTに加入

スズキカップ惨敗の原因分析を行う独立委員会のメンバーが明らかに

昨年2021年末に開催された東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020でのグループステージ敗退を受け、マレーシアサッカー協会FAMはこの予想外に速かった敗退の原因分析を行う外部委員会の設置を発表し、元代表選手でマレーシア王立警察クアラルンプール本部長を務めたこともあるデル・アクバル・カーン氏をその委員長に任命して、委員会のメンバーの人選を一任していましたが、そのメンバー6名が確定したことから、サッカー専門サイトのスムアニャ・ボラはそのメンバーの顔ぶれを紹介しています。

  • デル・アクバル・カーン委員長
    1960年代から70年代にかけてマレーシア代表やマレーシア王立警察が運営するPDRM FA(現PDRM FC)、スランゴールFA(現スランゴールFC)でプレーし、現役引退後はFAMの仕事につき、1990年代には代表チームマネージャーを務めた他、2000年から2005年までは事務局長も務めています。
  • アレックス・ソーセイ委員
    ヌグリスンビランFA(現ヌグリスンビランFC)でプレーした元代表選手で、20年以上に渡りアジアサッカー連盟AFCで勤務し、2008年からは事務局長を務めていましたが、2012年に会計監査の際に汚職もみ消し工作の指示を行なった疑惑が持ち上がり辞任しています。
  • アフマド・ファエザル・モハマド・ラムリ委員
    2019年から国立スポーツ機関ISNのCEOを務め、それ以前はISNとISNを運営する国家スポーツ評議会MSNを担当する首相府直属の経済計画部での勤務経験がある他、AFCフットサルコーチのライセンスも保持しています。
  • アフマド・カワリ・モハマド・イサ委員
    元マレーシアスポーツ記者協会の会長で、1990年からマレーシア語紙ブリタハリアンの記者を務め、2001年から2005年まではFAMのメディア担当責任者を務めました。その後はブリタハリアンを経て、昨年まではスポーツ専門衛星チャンネルのスタジアムアストロで編集責任者を務めていました。
  • シュコル・アダン委員
    昨年のKLシティFCでのマレーシアカップ優勝を持って24年間の現役生活を引退した元代表選手で、昨年2021年の優勝を含めて5度のマレーシアカップ優勝や、2005年にはスランゴールFA(現スランゴールFC)でリーグ戦優勝、FAカップ優勝、マレーシアカップ優勝のトレブル(三冠)も果たしています。
  • ガナセガラン・スブラマニアム委員
    元AFCコーチング指導者で、AFCではコーチ指導用の研修プログラム作成に携わった他、フットサル指導者向けの研修プログラムや、各国の状況に合わせたフィールド上の芝の保全方法などの指導も行っています。
  • スコット・オドネル委員
    今年1月1日付で就任したばかりのFAMのテクニカルディレクターで、1990年代にはクアラルンプールFA(現KLシティFC)やシンガポールのクラブでプレーした他、コーチとしてはシンガポールやカンボジアのクラブでの指導経験があります。FAMのテクニカルディレクター就任前には母国オーストラリアのキャンベラ州女子サッカー協会でもテクニカルディレクターを務めていました。

スズキカップ2020についてFAMは当時のタン・チェンホー代表監督に対し、前回2018年大会に続く2大会連続の決勝進出をKPI(重要業績評価指標)としたものの、その準備段階から様々な問題があったとされており、結果としてグループステージ敗退につながった直接的な原因分析のために設置されたのがこの独立委員会です。FAM外部から委員を集めることで透明性を持った究明作業を行うことが期待されており、新型コロナ最中の大会で30名の登録が可能にも関わらずなぜFAMは24名しか登録しなかったのか、しかもその内ミッドフィルダーはわずか2名で、結果として他のポジションの選手を起用することになったのはなぜか、さらに10月の中東遠征や6月のW杯予選に招集された主力選手がスズキカップ2020では招集されなかったのはなぜか、またFAMが大会前に練習試合などを組まなかった理由など、この独立委員会が解明する必要がある疑問は残っています。

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この独立委員会設置が発表されたこと自体、スズキカップで代表が惨敗したことへの批判をFAMが受けた結果のいわば泥縄的措置であり、当初は敗因分析は内部委員会の代表チーム運営委員会で行われれるはずでした。大会敗退から既に1ヶ月近く経つにもかかわらず、まだ何も出てこないのはFAMの職務怠慢と言われてもやむを得ないでしょう。

U23代表GKがKLシティに加入

Mリーグ1部のKLシティは、U23代表GKのアズリ・ガニの加入をクラブ公式Facebookで発表しています。昨季はペラFCでプレーしたアズリ選手は昨年開催されたAFC U23アジアカップ予選の3試合全てでGKとしてフル出場し、チームの予選突破と本戦出場に貢献しています。2021年シーズン開幕前にクダからペラへ移籍したアズリ選手は、給料未払い問題で大量の主力選手が退団し、今季は11位となり来季は2部に降格するペラと11月末に契約解除で同意していました。

KLシティには昨季はチーム躍進に貢献し、優勝したマレーシアカップ決勝でもスーパーセーブを連発したフィリピン代表のケヴィン・レイ・メンドーザが正GKとして在籍していますが、KLシティと2年契約を結んだ22歳のガニ選手は第2GKとなることが予想されています。またKLシティは今季はAFCカップに出場するため、選手層を厚くすることが急務でしたが、アズリ選手の加入でGKに関しては補強完了となりそうです。

セリエAのストライカーがJDTに加入

Mリーグ1部8連覇中のJDTはクラブ公式FacebookでセリエAのウディネーゼよりFWフェルナンド・フォレスティエリが加入することを発表しています。アルゼンチン生まれながらイタリアの年代別代表でのプレー経験もあるフォレスティエリ選手は、退団したゴンザロ・カブレラに代わって、昨季はリーグ2位の23ゴールを挙げたFWベルグソン・ダ・シルヴァとリーグ最強のフォワードコンビを結成することになりそうです。

31歳のフォレスティエリ選手は、イタリアリーグのジェノアやシエナ、ヴィチェンザ、エンポリ、バリ、スペインリーグのマルガ、英国1部EPFのワトフォードや2部のシェフィールド・ウエンズデイでもプレー経験があり、同じMリーグ1部のスリ・パハンでプレーするマヌエル・イダルゴと英国2部のシェフィールド・ウエンズデイではチームメートだったこともあるということです。なおフォレスティエリ選手が加わったJDTは1月25日からアラブ首長国連邦でのプレシーズン練習が始まります。

1月15日のニュース
スンバンシーカップのJDT本拠地開催はMFLによる忖度の結果?
やっぱりそうなったかぁ。代表DFシャーミ・サファリもJDT移籍
マラッカ・ユナイテッドが未払い給料を完済

マレーシア版FAコミュニティシールドとも言えるスンバンシーカップは前年のMリーグ覇者とマレーシアFAカップチャンピオンが対戦する試合です。昨季2021年シーズンは新型コロナ観戦拡大防止を理由にFAカップが中止となったことから、今季はMリーグ8連覇を果たしたJDTと32年ぶりにマレーシアカップに優勝したKLシティが2月26日に対戦します。そしてこれまでMリーグ公式戦の一部でシーズン開幕戦として行われてきたスンバンシーカップですが、今季2022年シーズンのスンバンシーカップはリーグ戦からは独立した試合として開催することをMリーグを運営するMFLは発表しています。

今季のスンバンシーカップは過去7年間同様、JDTの本拠地で開催されますが、今季はMリーグの公式戦ではなくなったにも関わらず、中立地ではなく相変わらずJDTの本拠地で開催されることに疑問の声が上がりました。本家英国のFAコミュニティーシールドはその前身のチャリティーシールド時代の1970年代に中立地であるウェンブリースタジアムで開催されるようになっており、ホームのJDTが圧倒的に有利となる今回の開催方針に対して「なぜ中立地での開催でないのか」という国内サッカーファンの疑問は至極当然です。

Mリーグ開幕戦として開催されてきたスンバンシーカップは、JDTの連覇が始まった翌年の2015年からは7年連続でJDTの本拠地で開催されており、この間JDTは6勝1敗と圧倒的な成績を残しています。唯一の負けを記録した2017年も90分間では決着がつかずPK戦にも連れ込んだ結果、クダに敗れた1敗でした。(リーグ戦の一環なら、そもそもPK戦まで行って勝者を決める必要はないはずですが。)そこでスンバンシーカップがアウェイの試合となることを憂慮したJDTに対してMFLが忖度した結果、開催地がスルタン・イブラヒムスタジアムになったのではといった意見も出てます。

そんな中でサッカー専門サイトのラ・ボラ・マレーシアは、この疑問に対するMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOの回答を伝えています。この記事によれば開催地をJDTの本拠地スルタン・イブラヒムスタジアムとしたことについて、その理由を「人の移動を極力少なくするため」だと説明しているということです。この記事では詳しい説明はされておらず、JDTの本拠地でスンバンシーカップを開催することが何故、「人の移動を極力少なくする」ことになる根拠は不明ですが、まぁそこはマレーシア、放っておけばそんな声も聞こえなくなる、とこれ以上の説明がされることはないでしょう。

やっぱりそうなったかぁ。代表DFシャーミ・サファリもJDT移籍

Mリーグ1部スーパーリーグのJDTは公式Facebookで代表DFシャーミ・サファリの加入を発表しています。23歳のシャーミ選手は右サイドバック(スズキカップ2020ではまさかの左サイドバック起用でしたが)で、契約期間を1年残しながら前所属のスランゴールFCとの契約を双方合意の上で昨年11月末に解除していました。契約解除後にはJDT移籍が噂されていましたが、昨年中は何の動きもなかったことからその去就に注目が集まっていました。

JDTには同じ代表右サイドバックのマシュー・デイヴィーズが在籍していますが、昨年末にスポーツヘルニアの手術を受けており、シャーミ選手がデイヴィーズ選手が完治するまでの単なる繋ぎとなるのか、デイヴィーズ選手復帰後にもポジション争いを続けられるのかは不明ですが、シャーミ選手の加入により、代表選手すら控えに回るJDTの既に分厚い選手層がさらに厚くなったことは事実です。

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スランゴール州のクアラスランゴール出身で2017年にスランゴールFCのトップチームに昇格したシャーミ選手は通算80試合出場で11ゴールの記録を残して退団しました、私自身が個人的にもシャーミ選手のファンなので退団は非常に残念でしたが、その移籍先がよりによってJDTなのは少々モヤモヤします。しかし昨季のスランゴールFCでの起用方法には同じくらいモヤモヤを感じていたので、ここは新天地での活躍に期待したいです。

シャーミ・サファリといえばこのゴール!スズキカップ2018のタイ戦で決めたゴール(スズキカップの公式YouTubeチャンネルより)

マラッカ・ユナイテッドが未払い給料を完済

先日のこのブログでも取り上げたMリーグ1部スーパーリーグのマラッカ・ユナイテッドの給料未払い問題が解決したことを、選手を支援してクラブと交渉を続けていたマレーシアプロサッカー選手会PFAMがTwitterで発表しています。

マラッカユナイテッドの選手から未払いとなっていた3ヶ月分の給料の全額が支払われた連絡を受け取ったとして、PFAMは問題が解決した選手を祝福するとともに、マラッカ・ユナイテッドのジャスティン・リム オーナーと経営陣に対して迅速な対応を感謝するというコメントも出していますが、その一方で2度と同様の問題が起こらないよう注意を払うよう釘を刺すことも忘れませんでした。。
さらPFAMは今回の件を教訓に他のMリーグクラブに対して、選手の給料支払いについてより敏感になるよう求めています。

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MFLが期限に遅れた場合の処分を発表すると直ちに片付いた今回の給料未払い問題は、交渉だけでは解決せず、実害が起こって初めて対処するというマレーシアではよくある事例でした。結局、未払いによる実害を被ったのは選手や首脳陣だけで、この問題の根本についてはその責任が問われないというのもマレーシア的。世界的には通用しないこの仕組みでクラブを運営しながら、やれアジアだ、世界だというのはやはり無理があると言わざるを得ないです。


1月14日のニュース
MFLは給料未払いの2クラブに警告もその有効性は甚だ疑問

MFLは給料未払いの2クラブに警告もその有効性は甚だ疑問

Mリーグを運営するMFLは、給料未払いが明らかになったMリーグ1部のマラッカ・ユナイテッドとサラワク・ユナイテッドの両クラブに対して、MFLが設けた期限までに解決されない場合には新規の選手獲得禁止処分を科すことを警告しています。

マレーシアの通信社ブルナマによれば、昨季2021シーズンの選手や首脳陣の給料未払いが明らかになったマラッカ・ユナイテッドとサラワク・ユナイテッドに対し、MFLは未払い給料の支払い期限を1月31日とし、この期限までに支払いが完了しない場合には2月1日以降は新たな選手獲得を禁止する処分を科すと発表しています。また、さらにこの2月1日を超えても14日以内に未払いが完了しない場合にはさらに勝点剥奪処分が科されるとということです。

MFLによれば、サラワク・ユナイテッドは昨年末の時点で選手や首脳陣合わせて39名に対して未払い給料があり、現時点ではその内の15名には支払いが完了しているということです。残る24名については支払い期限の1月31日までに完済できない場合や、あるいはこの24名との間で支払い期限延長に同意が得られない場合には、新規選手獲得の禁止処分が科されるということです。

またマラッカ・ユナイテッドについては給料未払いが起きていることがメディアで報じられている一方で、選手からMFLに対して公式な申し立ては行われていないことをスチュアート・ラマリンガムCEOは明らかにし、選手たちへの支援を表明したマレーシアプロサッカー選手会PFAMがクラブとの交渉の窓口となり問題が解決することを期待していると話しています。

スチュアートCEOは、昨季Mリーグ1部と2部でプレーした計22チーム中、昨年末の段階でサラワク・ユナイテッド、マラッカ・ユナイテッド、ペラの3チームが未払い給料問題を抱えていたと述べ、ペラについては新たな経営陣がMFLと連絡を取り合いながら問題解決に取り組んでいると説明しています。

また未払い給料問題を抱えているにも関わらず、この3クラブが今季2022年のMリーグに参加するためのクラブライセンスをMFLが交付したことについては、未払い給料問題が発覚がクラブライセンス申請書類提出期限の6月30日以降だったことを理由に挙げ、PFAMの要望に基づき、2023年のクラブライセンス申請については書類提出期限を9月30日に変更して対処するとスチュアートCEOは説明しています。なお、次年度のクラブライセンス申請をさらに遅らせて、シーズンが終了する11月末までとするべきと声が出ていることについては、次年度のMリーグに出場するクラブのリストをAFCに提出する都合上、難しいと弁明しています。

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昨年12月1日から始まっているMリーグの今年1回目のトランスファーウィンドウ期間は2月22日までで、3月の開幕を控えたMリーグの各クラブは大半が選手の新規獲得を終えており、上で取り上げたサラワク・ユナイテッドやマラッカ・ユナイテッドにとっては2月1日以降の選手獲得禁止処分を受けることになったとしても、その時期までに新戦力を揃えておけば痛くも痒くもない処分です。また勝点剥奪処分については、2020年、2021年といずれも未払い給料問題を理由に勝点3を剥奪されているマラッカ・ユナイテッドは今季も何事もなかったかのように1部スーパーリーグに残れているわけで、1部残留がシーズンの目的ならこちらもそれほどの痛手ではありません。未払い給料問題を理由にかつてはプルリス州サッカー協会に活動停止、そのクラブチームのプルリスFAをリーグ除名処分と強権発動したにも関わらず、3年連続で給料未払い問題を起こしたマラッカ・ユナイテッドが他のクラブと同じ規則に基づいて処分されるというのを聞くと、マラッカ・ユナイテッドが特別扱いなのは、マレーシアサッカー協会FAMのNo.2がマラッカ州サッカー協会のNo.2でもあることによる「忖度」なのではと勘ぐりたくもなります。

1月13日のニュース
今季のMリーグは3月4日に開幕
AFCカップ出場権が懸かるFAカップも3年ぶりに開催

Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは主催するMリーグやマレーシアカップ、マレーシアFAカップなどの今季日程や開催要項などを発表しています。

Mリーグ

12チームが優勝を賭けて戦う1部スーパーリーグは3月4日に開幕し、7月16日までを前半、7月19日から9月17日までを後半として開催される一方で、昨季に続き今季も11チーム編成となる2部プレミアリーグは3月5日に開幕し、5月28日までが前半、6月25日から9月3日までを後半となることが発表されています。

また今季から試合開始時間が変更されることも発表になっています。スーパーリーグは東マレーシアのサバ州とサラワク州での試合はそれぞれ午後7時30分と8時15分に、またマレー半島部での試合は8時15分または9時キックオフとなるようです。各試合の具体的な開始時刻は2月1日に発表されるようです。

またイスラム教が国境となっているマレーシアでは、イスラム教の断食月には試合時間が変更になります。イスラム教のカレンダーに基づく今年の断食月は4月3日から5月2日の予定ですが、この間は日没とともの明ける断食後の食事の時間などの都合から、サバ州とサラワク州では午後9時15分に、マレー半島部では午後10時にキックオフとなります。平日の午後10時キックオフの試合は観戦するのが結構辛いんだよなぁ。

マレーシアカップ

昨季はKLシティが前身のクアラルンプールFAから数えると32年ぶりとなる優勝を果たしたマレーシアカップは、ここ数年はMリーグのシーズン終了後に開催され、リーグ戦での1部スーパーリーグ上位11チームと2部プレミアリーグの上位5チームの全16チームが4組に分かれてグループステージを行い、各組みの上位2チームがノックアウトステージとなる準々決勝に進むマレーシアカップは決勝がシーズン最後の公式戦となりますが、今年は11月19日に予定されています。

マレーシアFAカップ

また新型コロナ感染拡大防止を理由に過去2シーズンは開催されなかったマレーシアFAカップ(以下FAカップ)が3年ぶりに開催されることも発表になっています。日本で言えば天皇杯に当たる、プロアマ問わず国内全てのサッカークラブに開かれたFAカップは1990年に創設され、昨季100周年記念大会が開かれたマレーシアカップに比べると国内の注目度は低いですが、このFAカップの優勝チームは来季のAFCカップの本戦出場権を獲得することができます。Mリーグと並行して試合が行われるFAカップですが、今季の決勝は8月6日に予定されています。

スンバンシーカップ(チャリティーシールド)

英国1部EPLには、リーグ開幕の1週間前に前年度のリーグチャンピオンとFAカップの勝者が対戦するFAコミュニティーシールドが開催されます。創設当初は慈善事業への寄付金を集めるために開催されたことから「チャリティーシールド」と呼ばれていたこの大会ですが、マレーシアでもスンバンシーカップ(スンバンシー Sumbangsihはマレーシア語で「寄付」、あるいは勝者に授与されるトロフィーの名をとってスルタン・ハジ・アフマド・シャートロフィーと呼ばれる同様の大会があります。本来はMリーグ1部スーパーリーグのチャンピオンとFAカップチャンピオンが対戦しますが、昨季はFAカップが開催されなかったため、2月26日に開催される今季のシャリティーシールドではスーパーリーグの覇者JDTとマレーシアカップチャンピオンのKLシティが対戦します。

昨季までは何故かMリーグ開幕戦として行われていましたが、今季からはMリーグ公式戦には含まれないようです。ちなみに本国英国ではこのFAコミュニティーシールドは、中立地のウェンブリースタジアムで開催されますが、マレーシアのチャリティーシールドはこれまた何故かJDTの本拠地であるスルタン・イブラヒムスタジアムで開催されます。Mリーグ公式戦でなくなったのなら、中立地のブキ・ジャリル国立競技場での開催が自然かと思いますが、MFLはそうは考えていないようです。

1月12日のニュース
・監督不在のA代表に代わりU23代表が国際マッチデーに試合を開催
・有能なマレーシア人指導者がいないことが外国人代表監督が必要な理由-元FAMテクニカルディレクター
・サバFCはインドネシア代表FWへの獲得オファーを拒否

監督不在のA代表に代わりU23代表が国際マッチデーに試合を開催

東南アジアサッカー連盟AFFスズキカップ2020でのグループステージ敗退の責任をとってタン・チェンホー監督が辞任したA代表に代わり、U23代表が今年1回目のFIFA国際マッチデーに試合を行うとマレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。。

2022年の第1回のFIFA国際マッチデー(AFC)は1月24日から2月1日に設定されていますが、スズキカップ2020の敗因分析すら終わっていないA代表は未だ新監督が決まっておらず、この時期に試合は組まれていません。そんなA代表に代わりU23代表がこの国際マッチデー期間に試合を行うとFAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長が述べています。

来月2月にAFF U23選手権(カンボジア)が控えているU23代表は、他国のU23代表あるいはMリーグクラブとの練習試合を行うということですが、このAFF U23選手権に続き、5月には東南アジア競技大会(ベトナム)、6月にはAFC U23アジアカップ(ウズベキスタン)、さらには9月にはアジア競技大会(中国)と今年のU23代表は大会が目白押しになっています。

有能なマレーシア人指導者がいないことが外国人代表監督が必要な理由-元FAMテクニカルディレクター

タン監督が辞任したA代表は、次期代表監督候補者として様々な名前がメディアを賑わせていますが、そこで取り沙汰されているのはマレーシアカップで優勝したKLシティFCのボヤン・ホダック監督やU23代表のブラッド・マロニー監督らに加え、日本人や韓国人などの外国人ばかりで、マレーシア人の候補者については全く名前が上がっていません。

この状況について、前FAMテクニカルディレクターのピーター・デ・ルー氏は代表チームの質を高められるだけの能力を持つマレーシア人指導者の数が少なすぎるためにFAMは外国人監督を採用せざるを得ない、という発言をマレーシア語紙ブリタハリアンが紹介しています。

マレーシア代表はマレーシア人監督が指導するのが理想的と話すデ・ルー氏は、2017年から2021年まで自身がFAMでテクニカルディレクターを務めた経験に基けば、辞任したタン前監督以上のマレーシア人指導者には遭遇しなかったと述べ、そのタン前監督が辞任した以上、他のマレーシア人指導者を代表監督に据えても代表が今より強化されるとは思えないと話しています。

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自身がテクニカルディレクターを務めていた際に指導者研修などを行なってマレーシア人指導者のレベルアップを図ることは考えなかったのかな、という疑問は置いておくとして、Mリーグでも1部スーパーリーグの昨季上位6チーム中5チームが外国人監督に率いられたチームだったことを見てもわかるように、マレーシア人指導者に有能な人材が不足していることは否めません。選手が年代別代表を経てA代表になるようように、FAMには将来の代表監督を育てるための方針が必要に思えますが、U23代表のマロニー監督がU19代表の監督も兼任している状況を見ると、将来の代表監督育成は目に見える形では行われてはいないようです。

サバFCはインドネシア代表FWへの獲得オファーを拒否

Mリーグ1部スーパーリーグのサパFCは、所属するインドネシア代表FWサディル・ラムダニに対してセルビアのクラブから受けていたオファーを拒否したとマレーシアの通信社ブルナマが報じています。

スズキカップ2020にも出場した4名の代表選手獲得を含め、オフシーズンには積極的な補強を行ったサバFCですが、マルズキ・ナシル チームマネージャーは、このタイミングでラムダニ選手を放出した際に代わりの選手を獲得するにはトランスワーウィンドウの残り期間が短すぎると話しています。なおMリーグの今年1回目のトランスファーウィンドウ期間は昨年2021年12月1日から今年2月20日までとなっています。

マルズキ チームマネージャーは、ラムダニ選手自身も今季のサバFCでのプレーを希望しており、既に本国からマレーシアに戻っているラムダニ選手はマレーシア政府が渡航者全員に求めている検疫隔離期間が終わる明日1月13日にはチームに合流する予定であることも明らかにしています。



1月11日のニュース(2)
・前マラッカU選手が昨季の給料4ヶ月分が未払いであることを暴露
・3年ぶりの開催となるU19とU21リーグの組み合わせ発表


前マラッカユナイテッドの選手が昨季の給料4ヶ月分が未払いであることを暴露

Mリーグ各クラブがプレシーズンの練習を始める中、昨季は1部スーパーリーグのマラッカユナイテッドに在籍したDFカイルル・ヘルミが、4ヶ月に及ぶ昨季の給料が未払いとなっていることを明らかにしています。

マラッカユナイテッドを退団し、今季は2部プレミアリーグのクランタンFCでプレーするカイルル選手は、この未払い給料がいつ完済されるのかは知らされておらず、新たなシーズンの開幕までにはなんとか支払って欲しいと、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロの取材に答えています。

給料未払いとなっている選手は複数名いると述べたカイルル選手は、その中にはマラッカユナイテッドに残留した選手も、自身のように移籍する選手もいると話し、全員が支払い日程を知らされないまま、昨季の給料の支払いを待ち続けていると話しています。

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未払い給料問題やその解決の遅れから2020年、そして昨季2021年と続けてリーグ戦での勝点剥奪処分を受けているマラッカユナイテッドですが、全く懲りていないようです。しかも数日前には新戦力獲得の告知をたびたびTwitterに投稿するなど、今季の新戦力獲得資金はあっても、昨季の給料を直ちに支払う資金はないというプロクラブとしてはあまりにも無責任な行動をとっています。

昨年末にはMリーグを運営するMFLがクラブライセンス発給審査を行い、マラッカユナイテッドは日本の社会保険にあたる労働者積立基金EPFや所得税滞納が明らかになり、条件付きでクラブライセンスを発給されています。その時点では未払い給料については言及されておらず、今回の件でMFLから新たに処分を受ける可能性もありますが、そこはマレーシア。結局、罰金、あるいは第1回目のトランスファーウィンドウでの新規選手獲得禁止程度の処分で終わってしまうのでしょう。

下部リーグ降格などの処分にならないのは、審査した自分たちの目が相変わらずの節穴だったことを認めることにもなるMFLの第一審期間FIBのメンツも潰れるからだと予想が立ちます。今季に向けて新戦力を次々と獲得する資金がありながら未払い給料問題を起こすクラブも悪いが、十分な審査ができなければ厳しい処分もできない審査機関も悪い。Mリーグはクラブの民営化を来季までに終了する予定ですが、クラブとリーグのゆる〜い関係が続く限りではいつまで経っても未払い給料問題は起き続けるのだろうなぁ。

3年ぶりの開催となるU19とU21リーグの組み合わせ発表

Mリーグ各クラブのU19とU21チームによるリーグ戦は、新型コロナの影響で過去2年間はいずれも中止となっていましたが、マレーシアサッカー協会FAMは3年ぶりの開催となるU19リーグのユースカップとU21リーグのプレジデントカップのグループステージの組み合わせを発表しています。

Mリーグ1部と2部の19クラブと、FAMと青年スポーツ省が共同で運営する国家サッカー選手養成プログラムNFDPの中核となるエリートアカデミーのAMDの年代別チームの全20チームが出場するユースカップとプレジデントカップは、今季はいずれのリーグもこの20チームを北部、南部、中部の3つのグループに分けて開催しますが、その組み合わせ抽選が行われました。

両リーグともグループステージはホームアンドアウェイ形式で開催され、U19リーグのユースカップはグルー2月23日から7月13日まで、またU21リーグのプレジデントカップは2月24日から7月14日までグループステージを行い、いずれのリーグも各グループの1位と2位、そして3位チームの内成績上位の2チームの計8チームがノックアウトステージとなる準々決勝に進出します。7月24日から始まるノックアウトステージでもホームアンドアウェイ形式が採用され、最終戦となる決勝第2戦は9月11日に予定されています。

U21リーグのプレジデントカップ(PIALA PRESIDEN)のグループ分け
U19リーグのユースカップ(PIALA BELIA)のグループ分け
プレジデントカップとユースカップのノックアウトステージ日程。
SUKU AKHIRは準々決勝、SEPARUH AKHIRは準決勝の意味

10月11日のニュース
FIFA提案によるMリーグ試合増は必ずしも代表強化につながらない-AFC
JDTがプレシーズンのドバイ遠征日程を発表
Mリーグが今季の公式球にプーマのアクセラレートを採用

FIFA提案によるMリーグ試合増は必ずしも代表強化につながらない-AFC

1月6日のこのブログでは、マレーシアサッカーの現状を調査したFIFAがマレーシアサッカー協会FAM対してその結果をまとめて報告書を提示し、マレーシアの国内リーグであるMリーグの現在の試合数では代表チームのレベルアップのためには不十分だと指摘した、というニュースを取り上げました。さらにFIFAは、1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグとも12チームで構成されるMリーグ各クラブがホームアンドアウェイ形式で年間22試合行う現行の日程から、シーズンを延長して3回戦制とし各クラブが年間33試合を行うべきといった具体的な変更案も提案しました。

これに対してアジアサッカー連盟AFCのウインザー・ジョン事務局長は、代表チーム強化という観点からは国内リーグの試合数を増やすことが必ずしも有効ではないと、スタジアムアストロの取材に対して応えています。さらにウインザー事務局長はFIFAの報告書でなされている提案がアジアの代表チームに適したものなのか、それともヨーロッパでのみ有効なものなのかをを精査する必要があると述べています。

「代表チーム強化が目的とは言え、Mリーグの試合の質を考慮せず、試合数だけを増やすという対策は間違えている。AFCのアンディ・ロクスバラ テクニカルディレクターは、代表選手は国内リーグで年間40試合程度の試合に出場することが望ましいとしているが、マレーシアにはMリーグに加えて、マレーシアカップやマレーシアFAカップがあり、代表選手はこれら全ての試合にに出場するため、Mリーグの試合数を増やす必要があるかどうかは、リーグ戦だけでなくカップ戦の試合数なども反映させて検討する必要がある。」とウィンザー事務局長は述べています。

JDTがプレシーズンのドバイ遠征日程を発表

Mリーグ1部スーパーリーグで8連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDTは今月末から行うプレシーンのドバイ遠征の日程と現地での練習試合のカードを発表しています。

セカンドチームのJDT IIから若手数名を加えて行う今回の遠征では、現地での練習に加えて1月25日のスロヴァキア1部リーグのMŠKジリナとの対戦を皮切りに、1月29日にはラトヴィア1部リーグのリガFC、さらには2月2日にはロシア2部リーグのFCロディナ・モスクワ、そして2月5日ロシア1部リーグのFCスパルタク・モスクワとの練習試合が組まれています。

またこのドバイ遠征について取り上げた英字紙ニューストレイトタイムズは、JDTの新外国籍選手としてイタリアの年代別代表でプレー経験もあるFWフェルナンド・フォレスティエリと契約する可能性が高いと報じています。2015年から2020年までは英国2部のシェフィールド・ウェンズデイFC、そして今季はセリエAのウディネーゼでプレーしている31歳のフォレスティエリ選手は、今季はここまで出場時間がわずか54分ですが、サンプドリアとトリノを相手に2ゴールを挙げています。イタリア人の両親を持ちアルゼンチン生まれのフォレスティエリ選手はイタリアのU17、U19、U21代表などでのプレー経験もある選手です。

Mリーグが今季の公式球にプーマのアクセラレートを採用

Mリーグを運営するMFLは公式サイトで今季2022年シーズンの公式球としてプーマ社のMFLアクセラレート21.1プロを採用することを発表しています。この公式球はMFLが主催するMリーグ1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグ、マレーシアカップ、マレーシアFAカップ、チャレンジカップの各大会で使用されるということです。

MFLは2016年シーズンから昨季2021年まではナイキ社と公式球採用に関する契約を結び、昨季のMリーグでも同社の「フライト」が使用されていましたが、創立100周年記念大会となったマレーシアカップではMFLはプーマ社のサッカーボールを公式球として採用し、さらにプーマ社と2024年までMFL主催大会での公式球提供の契約を結んだことを発表していました。なお今季のMリーグで使用されるこのアクセラレートはスペインのラ・リガ、英国2部リーグのEFLチャンピオンシップでも採用されており、アジアで採用するのはMリーグが初めてだということです。

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MFLのロゴとともに白を基調にマレーシアの国旗で使われている赤、青、黄色を使ったマレーシアリーグ向けの特別デザインが施されたこのボールは、マレーシア国内のプーマ社製品取扱店で49リンギから559リンギ(およそ1300円から16000円)で販売されるということです。

1月10日のニュース
「見えない手」の存在を明らかにせず辞任したタン前監督を元代表が批判
精巣腫瘍治療を受けたブレンダン・ガンが復帰へ
タイ1部リーグ第16節-エルドストールはベンチ入りせず

「見えない手」の存在を明らかにせず辞任したタン前監督を元代表が批判


東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020でマレーシア代表はグループステージで敗退し、その責任をとってタン・チェンホー代表監督は辞任しています。今年末までの契約期間を残して辞任したタン前監督に対し、前NFDP(国家サッカー選手養成プログラム)ディレクターのリム・ティオンキム氏は、「見えない手」の存在を明らかにしないまま辞任したタン前監督を「負け犬根性」の持ち主と批判しています。

元代表選手でバイエルンミュンヘンのユースチームのコーチを務めた経験もあるリム氏は、マレーシアサッカー協会FAMがスズキカップ2020の結果では解雇しないとわざわざ発表した後で辞任したタン前監督は「責任をとって」の辞任は間違いであり、代表監督としての重圧に耐えて職を全うするべきであったと、マレーシア語ニュースサイトのマジョリティの取材に答えています。さらにリム氏は、タン前監督の自由な代表選手招集を妨げていたとされる「見えない手」の存在を明らかにしなかったことにも失望したと述べています。

「監督としての重圧はサッカーでは当たり前のことであり、その重圧に耐えられないのなら、そもそも監督になるべきではなかった。マレーシア代表サポーターは馬鹿ではないので、選手が試合に全力で臨んでいるのを見れば、試合に敗れてもその姿勢を認めてくれる。6ヶ月後にはAFC選手権アジアカップ2023年大会予選があり、既に代表チームの選手たちの力を把握しているタン前監督には、スズキカップで露呈した弱点を改善してアジアカップ予選に臨んで欲しかった。また『見えない手』の存在を明らかにする機会があったにも関わらず、それをせずに辞任したことも明らかに間違えている。『見えない手』の介入がメディアやサポーターに知らされなかったことで、今後、代表監督に就任するマレーシア人指導者たちも同様にその仕事が困難になるだろう。」

精巣腫瘍治療を受けたブレンダン・ガンが復帰へ

Mリーグ1部スーパーリーグのスランゴールFCに所属するブレンダン・ガンは、昨年6月のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選後に精巣腫瘍を患っていることを明らかにし、治療に専念していましたが、マレーシア語氏ブリタハリアンはこのガン選手が今季のリーグ出場を目指してクラブの練習に復帰していると報じています。

代表の主力として活躍していた33歳のガン選手は、W杯予選後に手術を受け、その後は代表、スタンゴールFCにいずれでも出場はありませんでしたが、およそ半年ぶりとなるクラブ練習に参加した後の取材では、再びピッチに立つことを目的にリハビリに励んできた結果、またチームメートと一緒に練習ができることが嬉しいと話しています。

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いわゆる「ボックストゥボックス」MFのガン選手が不在だったことにより、2021年シーズンのスランゴールFC、代表チームとも中盤のキーマンを失い、いずれも望むような成績を残せませんでした。スランゴールFCはセカンドチームから20歳のムカイリ・アジマルを昇格させましたが、経験不足からその代わりとはならず、また代表もバドロル・バクティアル(サバFC)やナズミ・ファイズ(JDT)らを代わりに招集したものの、いずれもその穴は埋めきれませんでした。

タイ1部リーグ第16節-エルドストールはベンチ入りせず

 スズキカップ2020で中断されていたのタイ1部リーグの2021/2022年シーズン第16節が1月8日と9日に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCはムアントン・ユナイテッドと引き分けてリーグ中断前のと同じ3位を維持しています。

2022年1月9日@チョンブリースタジアム
チョンブリーFC 1-1 ムアントンユナイテッド
 ジュニオール・エルドストールはベンチ入りしなかったこの試合は、後半開始直後にレナト・ケリッチのゴールで同点に追いついたチョンブリーFCがそのまま引き分け、8試合負けなし(5勝3分)となっています。

タイ1部リーグ順位表(第16節終了)

順位チーム得失差勝点
1ブリーラムU1510231632
2バンコクU1610331533
3チョンブリーFC168531429
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFCのみ表示しています。