1月19日のニュース
サバとトレンガヌがデンマーク1部クラブとタイで対戦
ジョホールのフットサルチームにさらに代表選手が加入

サバとトレンガヌがデンマーク1部クラブとタイで対戦

現在中断中のデンマーク1部リーグで5位のオーデンセBKは、クラブ公式サイトでタイでのトレーニングキャンプの日程を発表していますが、現地ではマレーシアスーパーリーグのサバ、トレンガヌと練習試合を行うようです。

1月31日から2月14日までの日程で、タイ1部のBGパトゥム・ユナイテッドの施設BGトレーニングセンターを使って行われるトレーニングキャンプ期間中、オーデンセBKは2月3日にはサバと、また2月12日にはトレンガヌと練習試合を行うと発表しています。またこの他、2月7日には タイ2部のナコーンパトム・ユナイテッドFCとの練習試合も行われます。なお、これらの試合の内、トレンガヌ戦はBGパトゥム・ユナイテッドの本拠地、BGスタジアムで開催されるということです。

オーデンセBKのクラブ公式サイトでは、練習試合のほか、地元の子供を対象としたサッカー教室やサイン会なども行うことが発表されています。

ジョホールのフットサルチームにさらに代表選手が加入

マレーシアプレミアフットサルリーグMPFLは来月2月に今季が開幕しますが、今季から参戦するジョホール・ダルル・タジムJDTは、2022年シーズンのリーグMVPアブ・ハニファ・ハサンとアワルディン・モハマド・ナウィ(いずれもパハンレンジャーズ)の両フットサルマレーシア代表選手の加入を発表しています。これを報じたサッカー専門サイトのマカンボラによると、アブ・ハニファ、アワルディン両選手はパハンレンジャーズとの契約がまだ1年残っているということですが、既にJDTの練習に参加しているようです。

昨季はMPFLでは2位、カップ戦のマレーシアカップでは準優勝に終わったパハンレンジャーズにとって、2019年にマラッカから加入し、優勝経験が豊富な上、10年以上代表チームでプレーする32歳のアブ・ハニファ選手と、10代から代表でプレーする25歳のアワルディン選手の退団は大きな戦力ダウンとなりそうです。

今季新参入のJDTは、既に昨季のMPFLチャンピオンであるスランゴールMACから代表GK(ゴレイロ)アズルル・ハディ・トーフィックら7名を獲得し、監督には前レアル・ベティスのフアニート・クピン氏が就任しており、1年目からサッカー同様、リーグ優勝を狙っています。

今季のMPFLは2019年のリーグ発足以来、史上最多となる18チームが参加し、クダ、KSMRカンガー、ペナン、クランタン、パハンレンジャーズ、トレンガヌ、マレーシア国軍ATM、マレーシア王立警察PDRM、そして大学選抜チームのKPT-PSTムスタングズがA組、シャーアラムシティ、スランゴールMAC、スランゴールTOT、KLシティ、クアラルンプール、ヌグリスンビラン、JDT、サバ、サラワクがB組に分かれてリーグ戦を行い、上位チームがノックアウトステージへ進む方式で2月から7月まで開催されます。

1月18日のニュース
昨季給料未払いが続くサラワクUの選手らが青年スポーツ相に仲裁を直訴
今年復活のムルデカ大会出場国にシリアとパレスチナが浮上
タイ1部ラーチャブリーFC移籍のサファウィ・ラシドが入団会見

昨季給料未払いが続くサラワクUの選手らが青年スポーツ相に仲裁を直訴

給料未払い問題を理由に今季の国内クラブライセンスが交付されず、Mリーグ1部スーパーリーグに参加できなくなったサラワク・ユナイテッドFCは、今季はMリーグ3部に当たるセミプロリーグのM3リーグで再出発することが発表されていますが、このサラワク・ユナイテッドで昨季プレーした選手や監督、コーチに対し、給料3ヶ月分が未だ未払いになっていると、英字紙スターが報じています。

選手や首脳陣による合同声明によると、クラブは完済を約束したにもかかわらず、3ヶ月分の給料や出場・勝利給を未だ支払っておらず、中には4ヶ月分の給料が未払いとなっていくケースも含まれているということです。なお、クラブは未払い給料を昨年12月末までに完済することを口頭でだけでなく、文書でも確約したにもかかわらず、既に年も明け、未だ何の進展もないことから、この状況を明らかにするとともに、この問題についてハンナ・ヨー青年スポーツ相による仲裁を求めたいとしています。

今年復活のムルデカ大会出場国にシリアとパレスチナが浮上

マレーシアの独立(マレーシア語で「ムルデカ」)を記念して1957年に第1回大会が開催されたムルデカ大会はこれまでに41回開催された、アジアでも最古の国際招待大会の一つで、かつては日本代表も何度も出場しています。今年9月に実に10年ぶりに復活するムルデカ大会について、これを主催するマレーシアサッカー協会FAMは西アジアから1カ国、東南アジアから2カ国を招待し、出場4カ国で開催することを検討していると、マレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。

この記事では西アジアの国としてシリア(直近のFIFAランキング90位)とパレスチナ(同93位)、また東南アジアの国としてはベトナム(同96位)とタイ(同111位)が招待国の候補に上がっているとしています。

この記事の中で、FAM競技委員会のフィルダウス・モハメド委員長は、現在FIFAランキング145位のマレーシアは、FIFAの国際マッチデー期間に開催予定のムルデカ大会では格上のチームとの対戦を希望しており、マレーシア代表はこの大会を来年2024年1月にカタールで開催されるAFCアジアカップへ向けての準備の一貫として使用する目的だと述べています。またこのムルデカ大会の試合形式については、4チームによる準決勝の後、準決勝の勝者は決勝を、敗者は3位決定戦を行うことで、各チームが2試合ずつ行える形式になるだろうとも述べています。

タイ1部ラーチャブリーFC移籍のサファウィ・ラシドが入団会見


タイ1部リーグのラーチャブリーFCは、Mリーグ1部スーパーリーグのジョホール・ダルル・タジムJDTからいずれも期限付き移籍したマレーシア代表FWサファウィ・ラシドとマリ代表FWムサ・シディベの入団会見を行っています。

記者会見の席では、15歳で本格的にサッカーを始めた頃からタイリーグでプレーしてみたいと思っていたと話したサファウィ選手はその夢が実現したことを喜んでいると述べています。

ラーチャブリーFCには、いずれも三菱電機カップ2022に出場したミャンマー代表のGKミョー・ミン・ラット、DFハイン・ピョー・ウィン、DFナンダ・チョーが東南アジア(アセアン)枠の選手として在籍しており、サファウィ選手は、まず彼らとの出場権争いに勝利することが目標となります。

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東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電気カップ2022により11月下旬から中断していたタイ1部リーグは今週末1月21日(土)に再開します、サファウィ選手が加入したラーチャブリーFCは15試合を終えて8勝5分け2敗で、リーグ首位のブリーラム・ユナイテッドFCとは勝点差10の3位につけています。また1月21日の試合で対戦するコーンケン・ユナイテッドFCには、元JDTでマレーシア代表でもプレー経験があるリリドン・クラスニキも在籍しており、サファウィ選手とのマレーシア選手対決がいきなり見られるかもしれません。

なおサファウィ選手は、2020年にポルトガル1部のポルティモネンセSCにやはり期限付き移籍しながら、トップチームはおろか、セカンドチームでもほとんど出場機会を得られず、1年も経たずに退団、帰国した苦い経験もあります。その後はJDTでもレギュラーの座を昨季2年連続リーグMVPを獲得したアリフ・アイマンに奪われ、出場機会が激減し、先日マレーシア代表として出場した三菱電気カップ2022でも、かつてのような輝きは見ることができませんでした。まずは試合出場、そしてクラブで主力となることで、代表でも再びその勇姿が見られるのではないかとボラセパマレーシアJPは期待を寄せています。

1月17日のニュース
大山鳴動して…18チームで開幕予定だった今季のMリーグは結局14チームに
アセアンチャリティーシールド-タイ王者ブリーラム・ユナイテッドがクランタンを一蹴、さらに新加入の代表DFコールズを初披露

東南アジアサッカー連盟AFF選手権は、今回から大会スポンサーがスズキ自動車から三菱電機に変わったことで、大会名称もスズキカップから三菱電機カップとなりました。その第1回(選手権通算では14回目)の優勝を飾ったのはタイでした。FIFA国際マッチデー期間外ということで、Jリーグでプレーするチャナティップ・ソングラシン(川崎)やスパチョーク・サラチャート(札幌)は参加しませんでしたが、それ以上に今回のタイが素晴らしかったのは、準決勝までで6ゴールとチーム最多ゴールを挙げていたティーラシン・デーンダーを決勝2試合とも欠きながら優勝したこと。今大会MVPに輝いたティーラトン・ブンマタンの強烈なキャプテンシーもさることながら、試合終了後のインタビューでも述べていたように今回の優勝はまさにチーム力の勝利でした。
 一方のベトナムは、東南アジアNo. 1に育て上げたパク・ハンソ監督の最終戦でしたが、花道を飾れませんでしたが、タイとともに東南アジアでは図抜けた存在であることを示しました。今大会を最後にパク監督が去り、またインドネシア代表のソン・テヨン監督も去就に注目が集まっており、東南アジアを席巻した「韓流ブーム」も、マレーシア代表のキム・パンゴン監督1人となってしまう可能性もあります。

大山鳴動して…18チームで開幕予定だった今季のMリーグは結局14チームに

Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、今季2023年シーズンのMリーグ1部スーパーリーグの参加チームは14となることを発表しています。

MFLは昨年、国内トップリーグの試合数が少ないというFIFAの指摘を受け、Mリーグ1部スーパーリーグと2部プレミアリーグを統合して「真」スーパーリーグとする大規模な改革案を発表しました。スーパーリーグ12チームにプレミアリーグの6チームを加えた18チーム編成とし、リーグ戦での各チームの試合数は現行の年間22試合から34試合へと増える予定でした。

しかし、昨季終了後に次々と問題が明らかになりました。まずは国内のクラブライセンス交付を担う第一審機関FIBが2つのクラブにクラブライセンス不交付を決定しました。昨季スーパーリーグ10位のマラッカ・ユナイテッドFCに対しては、給料未払い問題を抱えており、来季のクラブ運営資金調達に関する書類に不備があるとして不交付を決定、また同11位のサラワク・ユナイテッドFCに対しては、かつてが在籍した外国籍選手への給料未払いに関して、FIFAの紛争解決室の支払い処分に応じていないことを理由に不交付を決定し、両クラブには不服申し立ての期間が与えられましたが、結局、りょうくらぶともFIBの判断を受けいれた結果、今季のスーパーリーグ参加資格を失いました。(その後、両クラブはセミプロリーグのMリーグ3部、M3リーグからの出直しを発表しています。)

マラッカ・ユナイテッド、サラワク・ユナイテッドの両クラブが不参加となったことで今季の参加チームが16になったスーパーリーグですが、問題はこれで終わりませんでした。

昨季スーパーリーグ9位のPJシティFCは、今季の国内クラブライセンス交付を受けた後、リーグからの撤退を表明しました。2021年、2022年シーズンに渡り、外国籍選手抜きのマレーシア人選手のみでチームを編成してきたPJシティは、その方針が功を奏し、東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022に出場したマレーシア代表にGKカラムラー・アル=ハフィズ、MF V・ルヴェンティラン、FWダレン・ロックが選出されています。しかし「新」スーパーリーグ発足に伴い、各クラブの外国籍選手枠が9名(ただし試合に出場できるのはこれまで通り5名)となることから、外国籍選手0名という現在のクラブ方針では他のクラブと対等に戦うのは難しいとして、スーパーリーグからの撤退を表明しました。その後の一部報道では、新たなオーナー候補が見つかったといったものもありましたが、結局、徹底の方針は変わりませんでした。

また昨季プレミアリーグ7位のUITM FCも、PJシティ同様に、クラブライセンス交付を受けた後に撤退を決めています。大学が母体のクラブとして初のスーパーリーグクラブとなり、2020年シーズンにはリーグ6位となる躍進を遂げたUITM FCですが、2021年にプレミアリーグへ降格すると、母体となるマラ工科大学(UITM)がクラブ運営資金を削減し、選手の多くは大学生、外国籍選手もシーズン後半になって1名(スランゴールFCからジョージ・アトラム)が期限付き移籍するなど、苦しいメンバーでの戦いを迫られました。また「新」スーパーリーグでは参加クラブに対して、U23、U21、U19といった年代別チームを所有することを義務付けており、複数の年代別チームを持つことによる負担増がクラブ経営を圧迫するとして、リーグ参加表明を先延ばしにしてきましたが、MFLがこれ以上有用は与えないという形で、リーグ参加の道が断たれています。

これにより結局、今季のマレーシア1部スーパーリーグは、ジョホール・ダルル・タジム(JDT)、トレンガヌ、サバ、ヌグリスンビラン、スランゴール、KLシティ、スリ・パハン、クダ・ダルル・アマン、ペナン、クランタン、クチンシティ、クランタン・ユナイテッド、PDRM、ペラの14チーム編成、試合数は各チーム年鑑26試合と試合数は4試合増えるだけとなっています。

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東南アジア諸国のトップリーグのチーム数は、人口2億7000万人越えのインドネシアが18チーム、人口9000万人越えのベトナムは14チーム、人口7000万人越えのタイは16チームといった数字を見ると、人口3500万人にも満たないマレーシアの市場規模から考えてもスーパーリーグの18チームというのはそもそも無理があるように感じ、むしろ14チームに落ち着いて良かったのでは、という印象すらあります。
 さらに言えば、給料未払い問題を抱えるチームはトップリーグではプレーできないというメッセージも明確に伝わり、今後は身の丈にあった運営をするクラブも増えてきそうです。しかし、その反面、2部プレミアリーグが今季と来季は一時的に中止になったことにより、少なくとも2シーズンは下部リーグへの降格や入れ替え戦がありません。全チームが今季どんなに成績が悪くともスーパーリーグに残留が可能になったことで、シーズン終盤になったときに下位のチームがどこまで真剣なプレーを見せてファンを楽しませてくれるのかどうかについて疑問が残ります。

アセアンシールド2023-タイ王者ブリーラム・ユナイテッドがクランタンを一蹴、さらに新加入の代表DFコールズを初披露

昨季はMリーグ2部プレミアリーグ2位に終わったクランタンFCと2020/2021年シーズンのタイ1部リーグチャンピオンのブリーラム・ユナイテッドFCが対戦するアセアンチャリティーシールドがタイ南部のソンクラー県にあるティンスラーノンスタジアムで行われ、石井正忠監督率いるブリーラム・ユナイテッドがクランタンに7-0で圧勝、大会2連勝を果たしています。

マレーシアとも国境を接するソンクラー県で行われたこの試合は、昨年に続く2回目の開催でした。なお昨年は6月にブリーラム・ユナイテッドの本拠地、チャーン・アリーナで開催され、ブリーラム・ユナイテッドがMリーグ1部スーパーリーグのヌグリスンビランを2-1で破っています。この時はブリーラム・ユナイテッドにとってはプレシーズン、ヌグリスンビランにとってはシーズン真っ只中、という時期でしたが、今回はクランタンがプレーシーズン、ブリーラム・ユナイテッドにとっては東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022開催によるリーグ中断期間中に開催されています。

この試合はクランタンチェ・ムンシク新監督にとって初采配となっただけでなく、新外国籍選手のアンドレアス・エッスヴァイン(フィリピン)のデビュー戦となりました。一方のブリーラム・ユナイテッドは1月3日に加入したばかりのマレーシア代表DFディオン・コールズを披露しています。

試合はスパチャイ・ジャイディードとスファナット・ムエンタの両代表FWを擁し、実力で勝るブリーラム・ユナイテッドが、そのスファナット・ムエンタのゴールで8分に先制すると、13分にはジョナサン・ボリンギ、17分にはスパチャイ・ジャイディード、さらに41分にはスファナット・ムエンタがこの試合2点目となるゴールを決めて、前半はブリーラム・ユナイテッドが4-0とリードして終了します。

後半に入っても49分には元スロベニア代表のFWハリス・ヴチキッチ、54分にはMFゴラン・チャウシッチがそれぞれゴールを決めて6-0とすると、終了間際の90分にはディオン・コールズのコーナーキックからタイ代表DFのナルバディン・ウェーラワトノドムが頭で合わせて7点目を挙げたブリーラム・ユナイテッドがクランタンを一蹴しています。

試合のハイライト映像はブリーラム・ユナイテッドの公式YouTubeチャンネルより

1月15日のニュース
Mリーグ新加入・移籍情報一覧 2023年1月15日版

マレーシア国内の2023年第1回のトランスファーウィンドウは、昨年12月2日から今年2月23日までとなっています。ここでは2023年1月15日現在までに発表されているMリーグの移籍、新加入、引退情報をまとめました。国名があるのは外国籍選手、国名がないのはマレーシア人選手です。なお今季はスーパーリーグに参加したものの、来季はスーパーリーグに参加しないマラッカ・ユナイテッドFC、サラワク・ユナイテッドFC、参加が未確定のPJシティFCとUITM FCの4チームについては、チームの新加入・移籍情報を掲載していません。
 なお今季のスーパーリーグは外国籍選手については9名(内アジア枠1名、東南アジア枠1名)が登録可能で、当日のベンチ入りはアジア枠、東南アジア枠を含めた6名を上限とし、同時にピッチ上煮立てるのは5名となっています。

ジョホール・ダルル・タジム
▽来季加入
監督エステバン・ソラリ(アルゼンチンU23代表コーチ)
FWジオゴ(ブラジル、前BGパトゥム・ユナイテッドFC)
MFオスカル・アリバス(スペイン、スペイン2部FCカルタヘナから移籍)
MFフアン・ムニス(スペイン、ギリシャ1部アトロミトスFCから移籍)
MFエンドリック(ブラジル、ペナンFCから移籍)
GKシーハン・ハズミ(ヌグリスンビランFCから移籍)
▼契約満了、移籍
監督エクトル・ビドリオ➡︎テクニカルディレクター就任
FWサファウィ・ラシド➡︎タイ1部ラーチャブリーFCに期限付き移籍
FWムサ・シディベ(マリ)➡︎タイ1部ラーチャブリーFCに期限付き移籍
DFダニエル・ティング➡︎サバFCに期限付き移籍
GKイルハム・タルミジ➡︎スリ・パハンFCに期限付き移籍
DFアズリフ・ナスハルク➡︎スリ・パハンFCに期限付き移籍
DFファドリ・シャス➡︎スリ・パハンFCに期限付き移籍
DFシャズワン・アンディック➡︎スリ・パハンFCに期限付き移籍
MFスチュアート・ウィルキン➡︎サバFCから復帰し、その後完全移籍
DFジュニオール・エルドストール➡︎タイ1部PTプラチュワップFCに移籍

トレンガヌFC
▽来季加入
監督トミスラフ・スタインブリュックナー(テクニカル・ディレクター)
FWソニー・ノルデ(ハイチ、マラッカ・ユナイテッドFCから移籍)

FWジョーダン・ミンター(ガーナ、KLシティへの期限付き移籍から復帰)
FWイヴァン・マムート(クロアチア、ルーマニア1部FCSBから加入)
MFアディサック・クライソーン(タイ、タイ1部ムアントン・ユナイテッドFCから移籍)
DFサルドル・クルマトフ(ウズベキスタン、ウズベキスタン1部PFCソグディアナ・ジザフから移籍)
DFドマゴイ・プシッチ(クロアチア、クロアチア2部NK BSKビイェロ・ブルドから移籍)
▼契約満了、移籍
監督ナフジ・ザイン(契約満了)➡︎クダFC監督
FWクパー・シャーマン(リベリア)➡︎スリ・パハンFCに移籍
FWチェチェ・キプレ(コートジボアール)➡︎KLシティFCに移籍
MFマヌエル・オット(フィリピン)➡︎クダ・ダルル・アマンFCに移籍
FWファイサル・ハリム➡︎スランゴールFCに移籍

サバFC
▽来季加入
FWジェィコブ・ンジョク(ナイジェリア、クランタン・ユナイテッドFCから移籍)
MFテルモ・カスタニェイラ(ポルトガル、アイスランド1部ÍBヴェストマンナエイヤ から移籍)
DFガブリエル・ペレス(ブラジル、ブラジル3部GEブラジウから移籍)
FWダレン・ロック(PJシティFCから移籍)
FW S・クマーラン(PJシティFCから移籍)
FWジャフリ・フィルダウス・チュウ(ペナンFCから移籍)
MFスチュアート・ウィルキン(JDTへ復帰、その後完全移籍)
DF R・ディネシュ(スランゴールFCから移籍)
DFイルファン・ザカリア(KLシティFCから移籍)
DFダニエル・ティン(JDTから期限付き移籍)
▼契約満了、移籍
FW加賀山泰毅(契約満了)
FWジョゼ・エンバロ(ギニアビサウ)➡︎ヌグリスンビランFCに移籍
FW N・タナバラン➡︎3部ハリニFCに移籍
MFトミー・マワト➡︎ヌグリスンビランFCに移籍
MFナアイム・フィルダウス➡︎3部イミグレーションFCに期限付き移籍
MFジェラルド・ガディット➡︎クランタンFCに期限付き移籍
DFナジルル・ナイム➡︎KLシティFCに移籍
DFバドルル・アフェンディ(契約満了)
DFアルト・リノス(契約満了)

ヌグリスンビランFC
▽来季加入
FWジョゼ・エンバロ(ギニアビサウ、サバFCから移籍)
FWシャーレル・フィクリ(スランゴールFCから移籍)
MF R・バラトクマル(PJシティFCから移籍)
MFトミー・マワト(サバFCから移籍)
MFマハリ・ジュスリ(PJシティFCから移籍)
DFアルーン・クマル(PJシティFCから移籍)
DFザイナル・アビディン(PJシティFCから移籍)
DFハスブラー・アブ・バカル(JDTから移籍)
GKトフィク・アル=ラシド(サラワク・ユナイテッドFCから移籍)
▼契約満了、移籍
FWマテウス・アウヴェス(ブラジル、契約満了)
MFオミド・ナザリ(フィリピン、契約満了)
FWリドゥアン・ドゥルファカル(契約満了)
MF K・サルクナン➡︎スランゴールFCに復帰
MFアリブ・ファリズ(契約満了)
DFクザイミ・ピー➡︎スランゴールFCに移籍
DFカイル・ジョーンズ(契約満了)
GKシーハン・ハズミ➡︎JDTに移籍

スランゴールFC
▽来季加入
MFヌール・アル=ラワブデ(ヨルダン、ヨルダン1部アル・ファイサリーFCから移籍)
FWファイサル・ハリム(トレンガヌFCから移籍)
MF K・サルクナン(ヌグリスンビランFCから復帰)
MF V・ルヴェンティラン(PJシティFCから移籍)
DFクザイミ・ピー(ヌグリスンビランFCから移籍)
▼契約満了、移籍
FWカイオン(ブラジル)➡︎KLシティFCに移籍
FWユーリ(ブラジル)➡︎ブラジル2部ヴィラ・ノヴァFCに移籍
MFバハー・アブドッラフマーン(ヨルダン、契約満了)
DFサフアン・バハルディン(シンガポール、契約満了)
FWシャーレル・フィクリ➡︎ヌグリスンビランFCに移籍
MFニック・シャリフ(トレンガヌへの期限付き移籍終了➡︎復帰)➡︎トレンガヌFCへ完全移籍
MFハリム・サアリ(契約満了)
DF R・ディネシュ➡︎サバFCに移籍

KLシティFC
▽来季加入
FWチェチェ・キプレ(コートジボアール、トレンガヌFCから移籍)
FWパトリック・ライヒェルト(フィリピン、タイ1部PTプラチュワップFCから移籍)
FWカイオン(ブラジル、スランゴールFCから移籍)
MFセバスチャン・アヴァンジニ(イタリア、デンマーク1部ホブロIKから移籍)
DFマッコ・ジルダム(クロアチア、クロアチア1部NKスラヴェン・ベルポから移籍
MFフィルダウス・サイヤディ(ペラFCから期限付き移籍)
DFナジルル・ナイム(サバFCから移籍)
▼契約満了、移籍
DFイルファン・ザカリア➡︎サバFCへ移籍

スリ・パハンFC
▽来季加入
監督ファンディ・アフマド(シンガポール、テクニカル・ディレクター)
FWクパー・シャーマン(リベリア、トレンガヌFCから移籍)
FWルーカス・シルヴァ(ブラジル、ペナンFCから移籍)
DFステファノ・ブルンド(アルゼンチン、アルゼンチン2部エストゥディアンテス・ブエノスアイレスから移籍)
DFマイケル・グラソック(オーストラリア、オーストラリア1部シドニー・オリンピックFCから移籍)
DFアズリフ・ナスルハク(JDTから移籍)
DFファドリ・シャス(JDTから移籍)
DFシャズワン・アンディック(JDTから移籍)
GKイルハム・タルミジ(JDTから移籍)
▼契約満了、移籍
監督ドラー・サレ(契約満了)
MFマヌエル・イダルゴ(アルゼンチン)➡︎クダ・ダルル・アマンFCへ移籍
GKママドゥ・サマサ(マリ、契約満了)
MFリー・タック➡︎クダ・ダルル・アマンFCへ移籍
MFハスヌル・ザイム➡︎ペラFCへ移籍

クダ・ダルル・アマンFC
▽来季加入
監督ナフジ・ザイン(トレンガヌFC)
FWウィリアン・リラ・ソウザ(ブラジル、ヴァンフォーレ甲府から移籍)
FWエベネゼル・アシフアー(ガーナ、フランス2部ポーFCから移籍)
MFマヌエル・イダルゴ(アルゼンチン、スリ・パハンFCから移籍)
MFマヌエル・オット(フィリピン、トレンガヌFCから移籍)
DFアミルベック・ズラボエフ(タジキスタン、フィリピン1部ユナイテッド・シティFCから移籍)
DFアラン・ロバートソン(南アフリカ、フィリピン1部ユナイテッド・シティFCから移籍)
DFボヤン・シガル(セルビア、ウズベキスタン1部PFCナフバホール・ナマンガンから移籍)
MFリー・タック(スリ・パハンから移籍)
GKカラムラー・アル=ハフィズ(PJシティから移籍)
▼契約満了、移籍
監督アイディル・シャリン・サハク(シンガポール)➡︎インドネシア1部プルシカボ1973監督就任
GKシャーリル・サアリ(契約満了)
FWロナルド・ンガ・ワンジャ(カメルーン)➡︎クランタンFCに移籍
MFデシ・マルセル(コートジボワール、契約満了)
MFサンワット・デーミット(タイ)➡︎タイ1部バンコク・ユナイテッドFCに復帰
MFマフムード・アル=マルディ(ヨルダン)➡︎ヌグリスンビランFCに移籍
DFマルク・バレス(アンドラ、契約満了)
FWシャズワン・ザイノン➡︎クランタン・ユナイテッドFCに移籍
MFアザムディン・アキル(契約満了)

ペナンFC
▽来季加入
監督マンズール・アズウィラ(監督代行から昇格)
FWアドリアーノ(マラッカ・ユナイテッドFCから移籍)
FWジオバネ・ゴメス(ブラジル、SERカシアス・ド・スルから移籍)
FWスーニー・サアド(レバノン、タイ1部PTプラチュワプFCから移籍)
FWカート・ディゾン(フィリピン、フィリピン1部ユナイテッドFCから移籍)
MFウスマン・ファネ(フランス、英国3部モアカムFCから移籍)
DFゾー・ミン・トゥン(ミャンマー、タイ1部チョンブリーFCから移籍
DFフセイン・エル・ドール(レバノン、レバノン1部シャバブアルサヘルFCから移籍)
DFアン・セヒ(韓国、ベトナム1部ホアンアイン・ザライFCから移籍)
FWヌル・イザット(スリ・パハンから移籍)
MFニック・アキフ(トレンガヌFCから移籍)
DFアズミール・アリフ(クダ・ダルル・アマンFCから移籍)
DFダニッシュ・ハジック(ペラFCから期限付き移籍)
DFリュウ・ヤマグチ(FCマラガシティアカデミーから移籍)
▼契約満了、移籍
GKハフィズル・ハキム➡︎ヌグリスンビランFCに移籍
DFラフィウディン・ロディン➡︎クチンシティFCに移籍
MF K・ティヴェンダラン(契約満了)
FWゴピ・リジキ(契約満了)
MFタム・シェンツン(契約満了)
FWアジム・ラヒム(契約満了)
DFラティフ・スハイミ➡︎クランタン・ユナイテッドFCに移籍
FWジャフリ・フィルダウス・チュウ➡︎サバFCに移籍
FWファイザル・タリブ(契約満了)
MFシュクリ・ハミド(契約満了)
MFアジザン・ノルディン(契約満了)
MFアリフ・アル=ラシド(契約満了)
DFシャズワン・ザイポル➡︎クランタン・ユナイテッドFCに移籍
MFダニエル・アシュラフ(契約満了)
MFエンドリック(ブラジル)➡︎JDTに移籍
FWルーカス・シルヴァ(ブラジル)➡︎スリ・パハンFCに移籍
DFクリスチャン・ロンティニ(フィリピン、契約満了)
FWカサグランデ(ブラジル、契約満了)

クランタンFC
▽来季加入
監督チェ・ムンシク(韓国、中国1部延辺富徳FC前監督)
FWロナルド・ンガ・ワンジャ(カメルーン、クダ・ダルル・アマンFCから移籍)
MFオミド・パパルザイ(アフガニスタン、バングラデシュ1部チッタゴン・アバハニ・リミテッドFCから移籍)
MFアンドレアス・エスヴァイン(フィリピン、フィリピン1部ユナイテッド・シティFCから移籍)
FWカイリル・アヌアル(サラワク・ユナイテッドから移籍)
MFジェラルド・ガディット(サバFCから期限付き移籍)
▼契約満了、移籍
監督ザムブリ・ヤハヤ(トップチームコーチ就任)
MFフェリペ・エレダ(ブラジル、双方合意の上契約解除)
FWニクソン・ギリェルメ(ブラジル、双方合意の上契約解除)

クチンシティFC
▽来季加入
DFミハイロ・ヨヴァノヴィッチ(セルビア、ウズベキスタン1部ディナモ・サマルカンドから移籍)
MFシロジディン・クジエフ(ウズベキスタン、ウズベキスタン1部ネフチ・フェルガナから移籍)
DFセリオ フェレイラ ドス サントス(ブラジル、タイ2部カセサートFCから移籍)
GKジュリアン・シュワルツァー(フィリピン、フィリピン1部ADTから移籍)
FWスディ・アブダラ(ブルンジ、イラク1部アル・ナフトFCから移籍)
MFアルハム・クッシャイリ(UITM FCから移籍)
DFバドルル・アフェンディ(サバFCから移籍)
DFカイヨム・マルジョニ(クランタン・ユナイテッドFCから移籍)
DFアルハム・クッシャイリ(UITM FCから移籍)
GK
▼契約満了、移籍

クランタン・ユナイテッドFC
▽来季加入
監督トマス・トルチャ(チェコ、元ペナンFC)
MFモルガロ・ゴミス(セネガル、スコットランド3部クライドFCから移籍)
FWシャズワン・ザイノン(クダ・ダルル・アマンFCから移籍)
FWインドラ・プトラ・マハユディン(ペラFCから移籍)
FWアキル・ヒルマン(ペラFCから移籍)DFシャズワン・ザイポル(ペナンFCから移籍)
FW S・シャルヴィン(スランゴールFC2から移籍)
FWディルガ・スルディ(サバFCから移籍)
DFラティフ・スハイミ(ペナンFCから移籍)
DFアフマド・タスニム・フィトリ(サラワク・ユナイテッドFCから移籍)
GKアシラフ・オマル(マラッカ・ユナイテッドFCから移籍)
▼契約満了、移籍

PDRM FC
▽来季加入
FW鈴木ブルーノ(日本、タイ3部バンコクFCから移籍)
GKラマダン・ハミド(UITM FCから移籍)
▼契約満了、移籍
GKフィルダウス・イルマン➡︎ペラFCに移籍

ペラFC
▽来季加入
監督リム・ティオンキム(前マレーシアU16代表監督)
FWクリスチャン・オビオゾール(ナイジェリア、レバノン1部タダモン・スルから移籍)
FWハディ・ファイヤッド(J2岡山から移籍)
FWスニル・チャンドラン(PJシティFC から移籍)
FWアミルル・アクマル(FAM-MSNプロジェクトから移籍)
FWシャフィジ・イクマル(クチンシティFCから移籍)
FWファーミ・ダニエル(スランゴールFC2から移籍)
MFオズウィン・リム(PJシティFC から移籍)
MFハスヌル・ザイム(スリ・パハンFCから移籍)
MFファディル・イドリス(マラッカ・ユナイテッドFCから移籍)
DFファーミ・ダニエル(スランゴール2から移籍)
DFシヴァン・ピレイ(PJシティFCから移籍)
DFファリス・ズディハム(FAM-MSNプロジェクトから移籍)
DFフェリックス・アドリアーノ(FAM-MSNプロジェクトから移籍)
DFハジック・プアド(マラッカ・ユナイテッドFCから移籍)
DFラジャ・イムラン(サラワク・ユナイテッドFCから移籍)
DFハフィザル・モハマド(トレンガヌFCから移籍)
GKブライアン・シー(マラッカ・ユナイテッドFCから移籍)
GKフィルダウス・イルマン(PDRM FCから移籍)
GKトーフィク・アル=ラシド(サラワク・ユナイテッドFCから移籍)
▼契約満了、移籍
監督ユスリ・チェ・ラー(ペラFC U23監督)
FWインドラ・プトラ・マハユディン➡︎クランタン・ユナイテッドFCに移籍
MFスティッペ・プラジバット(クロアチア、契約満了)

1月14日のニュース
マレーシア人初のKリーガーが誕生-コギレスラワン・ラジがKリーグ2部の忠北清州FCと契約
ハディ・ファイヤッドがマレーシア復帰-ファジアーノ岡山からペラFCへ完全移籍
Mリーグにも韓流ブーム到来か-韓国出身のチェ・ムンシクがクランタンFCの監督に就任
JDTの代表選手コレクションが止まらない-代表GKシーハン・ハズミは噂通りジョホール加入

昨日の東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022の決勝ファーストレグは、大会2連覇を目指すタイと、今大会終了後に退任するパク・ハンソの花道を飾りたいベトナムが最後までスリリングな試合を見せてくれました。セカンドレグでホームに戻るタイはこの試合で欠場したティーラシン・デーンダーが復帰するのか、そしてこの試合でもゴールを決め、ティーラシン選手と6ゴールで並んだグエン・ティエン・リンとの大会得点王争いにも注目の、来週月曜日のセカンドレグが今から楽しみです。
 一方、準決勝で敗退したマレーシアでは、サポーターの関心は既に来月2月24日に開幕する2023年スーパーリーグへと移っています。各チームの陣容が整いつつある中、移籍、加入のニュースをいくつか紹介します。

マレーシア人初のKリーガーが誕生-コギレスラワン・ラジがKリーグ2部の忠北清州FCと契約

マレーシアの年代別代表やA代表でもプレー経験があるコギレスワラン・ラジがKリーグ2部の忠北清洲FCと契約したことを、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。「コギ」の愛称で呼ばれる24歳のコギレスワランは攻撃的MFで、昨季はMリーグ1部スーパーリーグのPJシティでプレーしていましたが、PJシティが今季のスーパーリーグから撤退する方針を発表したため、移籍先を探していました

昨季はセミプロリーグのKリーグ3部で14位だった清洲FCは、クラブ名を忠北清州FCとして今季からKリーグ2部に参加しますが、攻撃的MFのコギレスラワン選手はこの忠北清洲FCと1年契約を結んだということです。

今季のKリーグ2部にはインドネシア代表で今回の東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022にも出場したDFのアスナウィ・マンクアラムが安山グリナースFCへ加入することも発表されており、コギレスワラン選手が東南アジアからKリーグ2部に参加する今季2人目の選手となります。

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一時はシンガポール1部プレミアリーグのタンピネス・ローヴァーズへの移籍なども噂されていたコギレスワラン選手ですが、居心地良い東南アジアを飛び出した彼のチャレンジを応援するとともに、今後も続く選手が出るよう、まずはポジションを勝ち取って欲しいです。

Kリーグへ移籍したコギレスワラン選手だけでなく、今季は多くのマレーシア人選手がタイリーグへも移籍していることも注目です。1部リーグではディオン・コールズ(ブリーラム・ユナイテッド)、ジュニオール・エルドストール(PTプラチュワップFC)、サファウィ・ラシド(ラーチャブリーFC)、リリドン・クラスニキ(コーンケン・ユナイテッド)、2部リーグではザフアン・アゼマン(ウタイターニーFC)、スチュアート・ウォーク(カセサートFC)の合計6名がプレーします。近年では、タイリーグに移籍したノーシャルル・イドラン・タラハ(元BGパトゥム・ユナイテッド)、ドミニク・タン、モハマドゥ・スマレ(いずれも元ポリス・テロFC)らが全く活躍できなかっただけに、マレーシア人選手の評価を高めるような活躍を期待したいです。

ハディ・ファイヤッドがマレーシア復帰-ファジアーノ岡山からペラFCへ完全移籍

去る者もいれば戻って来る者もいる。

スーパーリーグのペラFCはクラブ公式SNSで、マレーシアの年代別代表でプレー経験があるハディ・ファイヤッドの加入を発表しています。ハディ選手はJDTのセカンドチームJDT IIを退団後、2019年に2月にJ2のファジアーノ岡山へ加入しており、Mリーグ復帰は5年ぶりとなります。

今月22日に23歳となるハディ選手は、マレーシア人選手として初めてJ2のクラブに移籍しましたが、岡山では出場機会を得ることができず、2021年には出場機会を求めてJ3のアスルクラロ沼津に期限付き移籍しました。しかし沼津へ移籍からわずか1ヶ月で右膝前十字靭帯(ACL)断裂の重傷を負い、このシーズンを棒に振りました。このケガから復帰した昨季は4月21日のヴァンラーレ八戸戦に84分から出場し、待望のJリーグデビューを果たしていました。その後も8月21日にはY.S.C.C.横浜で60分から、9月17日にはカターレ富山戦で83分から途中出場し、昨季の出場時間は合計43分、また出場した試合も含めベンチ入りは5試合でした。

ペラ州出身のハディ選手にとっては地元クラブでもあるペラFCは、一昨年に給料未払い問題により主力選手の大半が退団、移籍した結果、クラブ創設100周年となった年にクラブ史上初となる2部降格となっていました。またこの給料未払いの他、かつて在籍した外国籍選手への給料未払いもあったことから、FIFAは昨年1回目のトランスファーウィンドウ期間での新規選手の獲得を禁止する処分を課し、昨季のペラはシーズン前半はU23やU21の選手をやりくりして戦わなければならず、その結果、リーグ10チーム中で5勝2分11敗の9位に終わりました。しかし昨季終了後には携帯電話会社のXOX社がメインスポンサーとなり、元マレーシアU16代表監督で、バイエルン・ミュンヘンのユースチームコーチの経験もあるリム・ティオンキム氏が監督が就任すると、ベテラン選手を放出し、若い選手を多く獲得するなど、クラブの建て直しの過程にあり、その目玉の一つが今回のハディ選手獲得と言えそうです。

Mリーグにも韓流ブーム到来か-韓国出身のチェ・ムンシクがクランタンFCの監督に就任

来週月曜日1月16日に決勝戦セカンドレグが開催されフィナーレを迎える東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022では、準決勝に進んだ4チームの内、マレーシア、インドネシア、そしてベトナムの各代表チームは韓国人監督が指揮しており、東南アジアの代表チームには「韓流ブーム」がおとづれていますが、今季からスーパーリーグに加わるクランタンFCは、クラブ公式SNSで韓国出身のチェ・ムンシク(崔文植)監督の就任を発表しています。

元韓国代表のチェ氏は52歳で、韓国U16代表監督や、韓国の仁川で開催された2014年のアジア競技大会に出場したU23代表コーチなどを歴任している他、クラブレベルでは大田ハナシチズンFC(韓国)や延辺富徳FC(中国、2019年に解散)で監督経験があります。またMFだった現役選手時代の2001年にはJリーグの大分トリニータでもプレーしています。

なお昨季の監督を務めたザムベリ・ヤハヤはチェ監督のもとでコーチとして残留することも発表されています。

JDTの代表選手コレクションが止まらない-代表GKシーハン・ハズミは噂通りジョホール加入

三菱電機カップ2022準決勝で敗退したマレーシア代表のメンバーは、所属チームへ戻って2月24日に迫った今季の開幕に備えますが、昨季在籍したヌグリスンビランを退団することを表明し、三菱電機カップでは「無所属」となっていたGKシーハン・ハズミが噂通りジョホール・ダルル・タジム(JDT)に加入しています。

JDTのクラブ公式フェイスブックでは、新加入選手が本拠地のスルタン・イブラヒムスタジアムへリムジンで乗りつけるお約束の画像で加入が紹介されたシーハン選手は、背番号が33となることも明らかになっています。JDTオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下はこれまでも、マレーシア人選手はトップクラスの選手しか獲得しないと明言していた通り、三菱電機カップでは代表の正GKとして6試合中5試合に出場したシーハン選手が、JDTがこのオフに獲得した唯一のマレーシア人選手です。

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昨季は大ブレークを果たし、Mリーグアウォーズで2022年シーズンの最優秀GK賞を受賞した26歳のシーハン選手は、2021年まで4年連続で同賞を獲得してきた37歳のファイルズ・マーリアスとチームメートとなったことで、昨季リーグ9連覇を達成したJDTには代表GKが2人揃いました。これによりJDT内での正GK争いは激しいものになりそうですが、それと同時にまさかの同一チームから2人のGKが代表に選出、といった事態が起こるかも知れません。

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1月10日のニュース
マレーシア政府はAFF選手権準決勝セカンドレグ観戦用に国内全州にPV用スクリーンを設置
FAM会長が今季のMリーグにVAR導入の可能性を示唆
トレンガヌが今季の外国籍選手を発表

アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022の準決勝セカンドレグ、ベトナム対インドネシアが行われ、ベトナムは2-0で勝利して2大会連続となる決勝進出を決めています。そしてもう一方の準決勝はいよいよ今日1月10日にタイのバンコク郊外にあるタマサートスタジアムでタイ対マレーシアのセカンドレグが開催されます。クアラルンプールで行われたファーストレグではホームのマレーシアが1−0でタイを破っており、このまま逃げ切って2大会ぶりの決勝出場を果たすのか、あるいはタイが勝利して2大会連続優勝に王手をかけるのか。試合は現地時間午後7時30分(日本時間午後9時30分)キックオフです。

マレーシア政府はAFF選手権準決勝セカンドレグ観戦用に国内全州にPV用スクリーンを設置

マレーシア政府の青年スポーツ省は、5万9000人分のチケットがわずか24時間で売り切れた1月7日のAFF選手権三菱電機カップ準決勝ファーストレグ、マレーシア対タイ戦を多くのマレーシア人が観戦できるようにと国内の14カ所に巨大スクリーンを設置しましたが、本日行われる準決勝セカンドレグではさらに11カ所増えた25ヶ所にスクリーンを設定することを明らかにしています。

ハンナ・ヨー青年スポーツ相が自身のツイッターで明らかにしたところによると、連邦直轄地のラブアンやマレー半島最北端のプルリス州や東海岸のクランタン州やトレンガヌ州など国内全13州と、3つある連邦直轄地全てで観戦が可能になるという事です。

FAM会長が今季のMリーグにVAR導入の可能性を示唆

マレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長は、今季からのビデオアシスタントレフリーVARのマレーシアリーグ(Mリーグ)への導入について、近いうちにFAMの審判委員会が発表を行う予定があると話しています。

マレーシア語紙ハリアンメトロが選ぶスポーツリーダーシップ賞を受賞したハミディン会長は、この表彰式の席上で、FAMはMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLとの間でおよそ3ヶ月前からVAR導入について話し合いを続けいることを明らかにしています。

「順調に事が運べば、FAMの審判委員会は今季からVARを導入する予定である。ただしMリーグ全試合への導入ではなく、まずは例としてFAカップやマレーシアカップの準々決勝以降といった部分的導入になるだろう。FAMは既にVAR審判養成のために海外での研修に派遣している。」と説明したハミディン会長はファンにはVAR導入までもうしばらく待って欲しいと話しています。

トレンガヌが今季の外国籍選手を発表

昨季はスーパーリーグ2位に終わったトレンガヌFC(以下トレンガヌ)は、来月2月に開幕する2023年シーズンに向けての外国籍選手を発表しています。昨季、テクニカル・ディレクターを務めたトミスラフ・スタインブリュックナー氏が新監督に就任しましたが、今季は監督の母国であるクロアチアからDFドマゴイ・プシッチとFWイヴァン・マムートが加入しています。

ナフジ・ザイン前監督のクダ・ダルル・アマンFC(以下クダ)監督就任に合わせてクダへ移籍したMFマヌエル・オット(フィリピン)に代わる32歳のブシッチ選手はクロアチアU18代表でもプレー経験がある190cmのセンターバックで、クロアチア2部のNK BSKビイェロ・ブルドから加入し、背番号は8をつけるということです。またスリ・パハンFC(以下パハン)へ移籍したFWクパー・シャーマン(リベリア)に代わる26歳のマムート選手は192cmのセンターフォワードで昨季途中まではFCSB(かつてのFCステアウア・ブカレスト)でプレーしており、トレンガヌでの背番号は7ということです。なお、トレンガヌのアブドル・ラシド・ジュソーCEOによると、いずれもアジアでプレーするのは初めてという両選手とは1年契約を結んだということです。

なおトレンガヌは昨季から続けてプレーするMFハビブ・ハルーン(バーレーン)の他、東南アジア枠でタイ代表の攻撃的MFアディサック・クライソーン(タイ1部ムアントン・ユナイテッドFCから加入)、アジア枠でウズベキスタン出身のセンターバック、サルドル・クルマトフ(ウズベキスタン1部PFCソグディアナ・ジザフから加入)、そして昨季はマラッカ・ユナイテッドでプレーした元ハイチ代表のウィング、ソニー・ノルデと既に来季の契約を結んでいます。

1月7日のニュース
マレーシアサッカーファンの筋違いな非難にジェイ・チョウが対応
青年スポーツ省が国内14ヶ所に特設スクリーンを設置-本日の準決勝が視聴可能に
ブキ・ジャリルのピッチ改修期間中はJDTのスタジアムがマレーシア代表の本拠地に

本日1月7日は東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ準決勝のファーストレグがマレーシアのホーム、ブキ・ジャリル競技場で午後8時30分(マレーシア時間、日本時間午後9時30分)から開催されます。5万9000人分のチケットは24時間も経たずに完売するなど、マレーシアサッカーファンの期待も高まっています。最新のFIFAランキングでは、145位のマレーシアに対して、タイは111位と劣勢ですが、マレーシアとタイの対戦成績は直近6試合では昨年9月のキングズカップPK戦勝利の1勝を含むマレーシアの3勝3分、特にブキ・ジャリル国立競技場での対戦は全5試合でマレーシアの3勝2分とタイにとっては鬼門となる試合会場です。マレーシアはこの記録を伸ばすのでしょうか、それともタイが不名誉な記録をストップするのでしょうか。

マレーシアサッカーファンの筋違いな非難にジェイ・チョウが対応

最大収容人数8万7000人のブキ・ジャリル国立競技場ですが、今日の試合のために販売されたチケットは5万9000人分でした。これは1月15日に同じブキ・ジャリル国立競技場で開催される台湾のスーパースター、ジェイ・チョウのコンサートのためのステージ設営の準備と仮設状態のステージからではピッチを見ることができない2万1000人分にあたる座席が販売されなかったことが理由です。マレーシアサッカー協会にはこの不手際について非難が集まっただけでなく、一部のファンはジェイ・チョウのSNSに人種差別的な内容を含んだ罵詈雑言などを投稿する辞退となっており、これに対してジェイ・チョウ自身が冷静になるよう求めていると、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 「マレーシアのサッカーファンの皆さん。私はあなたたちがサッカーに真剣なのは理解しています。(1月15日の)コンサートを延期することには何も問題はありませんが、皆さんはそれを私にではなく、マレーシアサッカー協会やブキ・ジャリル国立競技場の管理者に依頼するべきです。コンサート延期するか否かは問題ではありません。私は自分のファンの前で歌わせて欲しいだけです。」と自身のSNSに投稿したジェイ・チョウですが、ハンナ・ヨー青年スポーツ相はコンサート開催のための会場予約は2019年に行われた一方で、三菱電機カップ開催のための予約が行われたのは昨年2022年であることを明らかにしており、マレーシア政府が介入し、代表戦を優先する形でコンサートを延期あるいは中止を求めれば、国際社会でマレーシアに対する否定的な評価につながりかねないと述べ、延期や中止の可能性を否定しています。

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昨年12月に就任したばかりのヨー青年スポーツ相では、この問題を知らされた時点はほぼ打つ手がなかったでしょう。またこの記事の中では、ブキ・ジャリル国立競技場を運営するマレーシアスタジアム社とFAMは既に座席数を減らすことで合意していたことも明らかになっています。こちらもこれまでのAFF選手権の日程を見る限りでは、年を超えて決勝が行われたのは前回2020年大会が初めてで、それも1月1日が決勝でしたので、まさか1月8日に準決勝がブキ・ジャリル国立競技場で開催することになるとは思っていなかった可能性もあります。あるいは、ここまで代表戦が観客を集められるとは思っておらず、5万9000人分を確保しておけば十分と考えていたのかも知れません。
 準決勝ファーストレグ前の記者会見では、タイ代表

青年スポーツ省が国内14ヶ所に特設スクリーンを設置-本日の準決勝が視聴可能に

青年スポーツ省は国家統一省と協力し、本日行われるAFF選手権三菱電機カップ2022準決勝ファーストレグのマレーシア対タイの試合が観戦できるように、マレーシア国内の14ヶ所に特設スクリーンを設置することを発表しています。
 「強力な応援でハリマウ・マラヤ(マレーシア語で「マレーの虎」ーマレーシア代表の愛称)を決勝へ連れて行こう!」というツイートと共にスクリーン設置を発表した青年スポーツ省のハンナ・ヨー大臣は、既に試合のチケットが売り切れている中で、試合会場に足を運べない多くのマレーシアサポーターのために、KL市内にあるムルデカ広場を初めてマレー半島各地や東マレーシアのサバ、サラワクにもスクリーンを設置するとして、観戦会場となる場所のリストも発表しています。

ブキ・ジャリルのピッチ改修期間中はJDTのスタジアムがマレーシア代表の本拠地に

本日の準決勝が行われるクアラ・ルンプールのブキ・ジャリル国立競技場は、今年3月に芝の張り替えを含めた大規模なピッチ改修が予定されています。その一方で3月20日から28日まではFIFAの国際マッチデー期間になっており、マレーシア代表のホームでもあるブキ・ジャリル国立競技場が使用できない状況の中、Mリーグのジョホール・ダルル・タジムJDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が代表が試合を行う代替地としてJDTのホーム、スルタン・イブラヒムスタジアムの提供を申し出たと、英字紙ニュースとレイトタイムズが報じています。
 またこれを受けたハンナ・ヨー青年スポーツ相は、「TMJ(Tunku Mahkota Johor「ジョホール州皇太子」の意)は青年スポーツ省を何度も手助けしてくれているが、今回もこの申し出に感謝するとともに、喜んでこの申し出を受けたい。」と述べて、イスマイル殿下のマレーシアサッカーへの貢献は計り知れないものだと賛辞を送ったということです。
 上で取り上げたジェイ・チョウのコンサートのように、ブキ・ジャリル国立競技場はサッカー以外のイベントでも使用されるため、今年3月は施設を完全に閉鎖して、カウグラスと呼ばれているマレーシアのサッカー場で一般的な草から、いわゆる高麗芝の一種で、マレーシアの環境にも適したゼオン・ゾイシアと呼ばれる芝への張り替えが計画されています。

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ちなみのこのゼオン・ゾイシアはJDTのホーム、スルタン・イブラヒムスタジアムやJDTの練習場に貼られている芝で、しかも今回のブキ・ジャリル国立競技場の芝の張り替えは140万マレーシアリンギ(およそ4200万円)かかるということですが、トゥンク・イスマイル殿下がその費用を支援することになっています。

1月6日のニュース
帰化選手リー・タックがクダと契約もスリ・パハンサポーターの怒りを買う
ムルデカ大会の10年ぶり開催が決定

東南アジアサッカー連盟選手権三菱電機カップ2022では、シンガポールに快勝し、2大会ぶりの準決勝進出を決めたマレーシア。今週土曜日1月9日にブキ・ジャリル競技場で行われる準決勝ファーストレグのチケットが完売したことをマレーシアサッカー協会FAMが公式SNSで告知しています。東南アジアでも最大級の観客収容数を誇るブキ・ジャリル国立競技場の収容人数は8万7000名ですが、FAMのSNSでは5万9000枚の時点で札止めとなっています。
 タイ戦の6日後の1月15日には、台湾出身でいわゆるマンドポップのスーパースター、ジェイ・チョウがこのブキ・ジャリル国立競技場でコンサートを行いますが、そのためのステージ設営におよそ2万1000人分の座席があるエリアが必要であることから、今週末のタイ戦のチケットは5万9000枚飲み販売となっているとFAMは説明しています。
 これを受けてチケットが入手できなかったファンの中には、ジェイ・チュウのSNSに否定的なコメントを投稿するといった全く筋違いな行動に出る者もいるようです。

帰化選手リー・タックがクダと契約もスリ・パハンサポーターの怒りを買う

英国出身のリー・タックは、マレーシア国内で5年以上継続してプレーし、FIFAの帰化選手としての登録要件を満たしたことから、所属するMリーグ1部スーパーリーグのスリ・パハンの支援もあり、昨年マレーシア国籍を取得しています。
 タック選手は帰化申請中だった昨季のリーグ戦ではスリ・パハンの外国籍選手枠が埋まっていたこともあり、出場機会がありませんでしたが、マレーシア国籍取得と同時にマレーシア人選手としての登録が可能となったリーグ戦終了後のマレーシアカップでは一回戦のトレンガヌ戦でゴールを挙げるなど活躍しています。
 さらにマレーシア国籍取得によりマレーシア代表でのプレーが可能になると、キム・パンゴン監督は早速、東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップに出場する代表に招集しています。
 国籍取得からは順風満帆に見えるタック選手ですが、現在、スリ・パハンサポーターの怒りを買っていると、英字紙スターが報じています。
 その理由はタック選手がスリ・パハンではなく、同じスーパーリーグのクダと契約をしたことにあります。スリ・パハンに在籍していた際には、クラブの支援によりマレーシア国籍を取得したにもかかわらず、クダと契約したことはスリ・パハンに対して後足で砂をかけるような行為であるというのが非難の内容です。
 この非難に対してタック選手は、スリ・パハンで今季もプレーしたかったものの、下交渉で同意できず、結局はクラブからの契約オファーがなかったことが、移籍を決断した理由だったと話しています。給料の削減を自ら申し出たにもかかわらず、正式なオファーがなく、将来が不安になったと話す話すタック選手は、今ではクダへの移籍は正しい決断だったとスターの取材に答えています。
 スリ・パハンは以前にもマレーシア国籍取得を支援したガンビア出身のムハマドゥ・スマレー(現JDT)にも「逃げられて」います。

ムルデカ大会の10年ぶり開催が決定

英字紙ニューストレイトタイムズは、今年2023年がマレーシアサッカー協会FAMの設立90周年となることから、この記念行事の一つとして、今年10月にムルデカ大会が10年ぶりに開催されるというFAMのノー・アズマン事務局長の発言を報じています。
 マレーシアの独立(マレーシア語でムルデカ)を記念し、1957年に始まったこのムルデカ大会は、これまでに41回開催されていますが、近年はマレーシア代表が弱くなったこともあり、2014年大会を最後に開催されていませんでした。
 ノー・アズマン事務局長は、このムルデカ大会を今年年末あるいは来年初頭に開催されるAFC選手権アジアカップ2023(カタール)に向けた準備の一環として開催する予定であると話しています。

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1957年に始まったこの大会は東南アジア最古の国際親善大会(およそ10年後にはタイでキングスカップが始まっています)として、北米を除く世界各地のクラブチームや代表チームが出場しています。第1回大会(1957年)の出場チームを見ると、マラヤ連邦の他は香港リーグ選抜、カンボジア、南ベトナム、シンガポール、インドネシア、タイ、ビルマとなっています。南ベトナム(現ベトナム)、ビルマ(現ミャンマー)といった国名に歴史を感じます。
 ちなみに日本もこのムルデカ大会に何度も出場しており、初めてムルデカ大会に出場したのは 1959年の第3回大会で、この時は1回戦で香港リーグ選抜と引き分け、再戦では2-5で敗れて2回戦に進めずに終わっています。日本代表の試合結果が掲載されている日本サッカー協会JFAのホームページによれば、敗れた香港戦での2ゴールはいずれも当時早稲田大学2年生だった(!)川淵三郎初代Jリーグチェアマンが決めています。
 ムルデカ大会での日本の最高成績は1963年に開催された第7回大会と1976年に開催されたでの準優勝です。いずれも7チームの1回戦総当たり方式で開催された両大会で、第7回大会は6試合で4勝1分1敗、優勝した台湾に0-2で敗れ、第20回大会では6試合で2勝4分0敗、決勝戦では優勝したマレーシアに0-2で敗れています。
 また日本が最後にムルデカ大会に出場したのは1986年の第30回大会でした。グループステージではチェコのSKシグマ・オロモウツに敗れてグループステージB組2位にとなった日本は、準決勝でA組1位のマレーシアと対戦し1-2で敗れています。ちなみにこの試合で日本のゴールを決めたのが「アジアの核弾頭」(ちょっと古いか)原博美選手で、マレーシアの2ゴールはMリーグ1部スーパーリーグで昨季ペナンの監督を務めたザイナル・アビディン・ハサンと同じスーパーリーグのスリ・パハンで監督を務めたドラー・サレーでした。日本は1985年から名称が変わったキリンカップを使って自国開催大会での代表強化に舵を切りつつあったことから、この大会を最後にムルデカ大会には出場していません。
 前述の川淵三郎氏や原博美氏の他、奥寺康彦選手らも出場しているこの大会は、車範根(チャ・ブンクン、韓国)やフセイン・サイード(イラク)などアジアのスーパースターも多く出場した大会でもありました。

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ちなみに私が初めて観戦したムルデカ大会が1988年の第32回大会でした。この32回大会の大会プログラムの表紙の写真をお見せしますが、タバコブランドのダンヒルが大会のスポンサーという、今では考えられない、古き良き時代だったことがわかります。


この32回大会の日程と出場国は以下の通りでした。

今では考えられませんが、ムルデカ大会やキリンカップなどの当時の国際大会は、ナショナルチームとクラブチームが混在する大会でした。この第32回大会も上の出場国中、オーストリアはFCチロル・インスブルック(この記事を書くために調べたところ、2002年に破産し、解散していました。)、ドイツはハンブルガーSVが出場しています。下がハンブルガーSVの紹介ページですが、マンフレート・カルツや、後にJリーグ浦和でプレーするウーベ・バイン、当時はまだ20歳のオリバー・ビアホフなどの名前が見えるのが興味深いです。

そしてこの大会のマレーシア代表のメンバー。なお、チームマネージャは当時のパハン州皇太子、現在はパハン州のスルタン(州王)で現在のマレーシア国王でもあるアブドラ国王です。


そんなムルデカ大会ですが、1990年代に入りアジアの各国代表がFIFAワールドカップやAFCアジアカップの予選などに注力するようになると、1957年の第1回から毎年開れた大会が隔年開催となり、またホストのマレーシア代表が弱くなったこともあり、参加するチームも東南アジアの代表チーム、さらにA代表ではなくU23代表の大会になるなど大会の「格」も下がり、2013年にタイ選抜、ミャンマー、シンガポールを招いて行われた第41回大会を最後に開かれていませんでした。(この記事は昨年8月31日の記事を一部再構成して使っています。)

 

1月2日のニュース
ボラセパマレーシアJPが選ぶマレーシアサッカー2022年重大ニュース-国内リーグとクラブ編

本来なら昨年末までにアップしておくべき記事でしたが、2023年につながる話題もあるのであえて新年早々の記事として掲載します。まずは国内リーグとクラブ編からスタートです。

ジョホールの一強時代はいつまで続くのか-ジョホールが国内リーグ9連覇と国内三冠達成に加えセカンドチームも2部で優勝

2022年シーズンも圧倒的な力を見せたジョホール・ダルル・タジム(JDT)が国内リーグ9連覇を達成、さらにFAカップではトレンガヌを、マレーシアカップではスランゴールを下して優勝し、クラブ史上初の国内三冠にも輝いています。

先月発表された2022年マレーシアリーグアウォードでも最優秀DF、最優秀MF、最優秀FW、そして年間MVPがいずれもJDTから選出されていることからもわかるように、JDTの主力選手は各ポジションで国内トップクラスの選手が集まっています。しかも、そのほぼ全員が代表チームでも主力であることから、JDTはいわばマレーシア代表に外国籍選手が加わったチーム編成。そりゃぁ強いに決まっています。しかも外国籍選手もリーグ新記録となる29ゴール、カップ戦なども合わせれば41ゴールと驚異的な数字を記録したベルグソン・ダ・シルヴァを筆頭にこれまた強力な布陣を揃えており、9連覇は順当な結果でもあります。オーナーでジョホール州の皇太子でもあるトゥンク・イスマイル殿下は、国内の有力選手を今後も獲得していくことを明言しており、2022年シーズンの最優秀GKを受賞した代表GKのシーハン・ハズミは今季所属したヌグリスンビランとの契約を更新していないことから、JDT入りが噂されています。
 また2部プレミアリーグではJDTのセカンドチーム、JDT IIが2位に勝点差5をつけて優勝しています。トップチームで出場機会のないマレーシア代表の選手がプレーし、外国籍選手も自国に戻れば代表チームでプレーする、他のクラブならトップチーム入りも可能なレベルの選手が在籍する陣容は、プレミアリーグでも頭ひとつ抜けています。ここから来季はトップチーム入りする若手もおり、JDTの時代はまだまだ続きそうです。

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代表チームのクラブ化(JDTの場合はクラブの代表チーム化ですが)は代表チーム強化の近道ですが、それが諸刃の剣でもあることが露呈したのが、現在開催中の東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022です。この大会はFIFA国際マッチカレンダー期間外であることから、この大会に出場する代表チームに招集された選手のリリースは各クラブには義務付けられていませんが、これを理由にJDTから代表候補合宿に招集された13名(この数字もすごいですが)中、招集に応じたのはわずか2名で、残る11名が辞退する事態が起こっています。リーグ戦に加えて優勝したFAカップとマレーシアカップ、そして後述しますがACLと国内の他のどのクラブよりも試合をしているJDTの選手にとって、国内日程が全て終了した11月末から、来年2月に開幕する2023年シーズンに向けてトレーニングが始まるまでの期間は、休養やケガの治療などに充てる貴重なオフシーズンです。また、選手は機械ではない、というイスマイル殿下の意見は正論中の正論ですが、その結果、マレーシア代表はベストな布陣を組めずに三菱電機カップに臨まざるを得なくなっています。

Mリーグ1部と2部を統合する大改編発表-しかし当初の18チーム編成が結局15チームに

昨年7月に発表されたリーグ改編ではFIFAの指導のもと、国内リーグ戦の試合数増を目的として、現行の1部スーパーリーグ12チームと2部プレミアリーグの6チームを合わせた「新スーパーリーグ」を2023年に18チームで開催し、その一方でプレミアリーグは一時休止となることが発表されました。
 今年2月24日に開幕が予定されている新スーパーリーグでは、各クラブの登録選手は従来の30名から32名に拡大し、外国籍選手枠もトップチーム5名、セカンドチーム4名だったものが、アジア(AFC)枠1名、東南アジア(AFF)枠1名を含めた9名に改定され、試合当日はアジア枠1名、東南アジア枠1名を含めた6名がのベンチ入りが可能になっています。(ただしピッチ上ではこれまで通りアジア枠、東南アジア枠を含めた最大5名)
 また新たにU23リーグに当たる「リザーブリーグ」を新設し、現行のプレミアリーグでプレーしていたJDT、トレンガヌ、JDTのセカンドチームに加え、各クラブはこのリザーブリーグにもチームを出場させることを義務付けることが決まっています。また今季プレミアリーグでプレーしたFAM-MSNプロジェクトはこのリザーブリーグ参加が決まっています。こちらは登録選手の上限は30名ですが、その内、23歳以上の選手は外国籍選手を含めた最大で5名が登録可能、また23歳以上の選手はピッチ上では外国籍選手2名を含めた最大で3名がプレー可能となっています。

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スーパーリーグが拡大することで、2023年シーズンは年間34試合と昨季の22試合から試合数が50%以上増える予定でしたが、この拡大案が発表された後にどんでん返しが待っていました。スーパーリーグ10位のマラッカ・ユナイテッドと11位のサラワク・ユナイテッドの両クラブに対して、国内クラブライセンス交付を司る第一審機関FIBがクラブ経営資金に関する情報が不十分だとして申請を却下、さらに両クラブによる再審査の要請も同様の理由で却下されたことから、両クラブは今季のスーパーリーグ参加資格を失っています。これにより今季のスーパーリーグは当初、予定されていた18チームから16チームへと減少しました。サラワク、マラッカの両チームは昨季中も給料未払いが起こるなど、運営に問題があるクラブだったことから、この両チームへの国内クラブライセンス不交付は、時として身内に甘いマレーシアサッカー界を考えると大英断であり、評価されるべき決定です。
 しかしこれだけではありませんでした。今度は昨季9位のPJシティがリーグ撤退を表明しました。PJシティは成績は9位であったものの、外国籍選手が1人もおらず、他のクラブに比べるとマレーシア人選手が出場機会を多く得られることから、チームからはFWダレン・ロック、MF V・ルヴェンティラン、GKアラムラー・アル=ハフィズといった代表選手が育つなど、マレーシアサッカーへの貢献度は高いクラブでした。しかし、外国籍枠9名となる今季は、マレーシア人選手のみというクラブの運営方針とリーグ改編の内容が合致しないとして、リーグ撤退を発表しています。これによりさらにチーム数が減ったスーパーリーグは全15チーム、試合数は28試合となり、試合数は3割にも満たないわずか6試合増と、当初の目的が十分果たせない改編となっています。

東マレーシアに本拠地を持つクラブに明暗-サバとクチンシティは大躍進もサラワク・ユナイテッドは3部から出直しへ

2021年シーズンの終盤にマレーシアサッカー協会FAMのテクニカルディレクターからサバの監督へと転身したオン・キムスイ監督の実質1年目となった昨季、1部スーパーリーグのサバは2021年の9位から3位へと大躍進し、今季のAFCカップ出場権を獲得しています。残念だったのはリーグ終盤に失速し、最終節の第22節でも敗れて最後の最後にリーグ2位から3位となってしまったこと。それでも今季加入の加賀山泰毅の貢献もあり、来季はアジアの舞台に挑みます。
 また2部プレミアリーグでは、谷川由来選手が所属するクチンシティがクラブ史上最高位となる3位となりました。前述したように今季からスーパーリーグとプレミアリーグが統合されるため、昨季は1部と2部の入れ替えがありませんでしたが、もし実施されていても、クチンシティは堂々の1部昇格を果たしていたところでした。昨季開幕前には2022年シーズンを最後に退任するとしていた名将イルファン・バクティ監督の今季続投も決定、またMリーグ4年目を迎える谷川由来選手の残留も濃厚のようなので、2019年の入れ替え戦で3部から昇格して以来、わずか3年で1部昇格を果たしたクラブがスーパーリーグで果たしてどのようなプレーを見せてくれるのかに注目です。
 サバ州のコタキナバルを本拠地とするサバ、そしてサラワク州のクチンを本拠地とするクチンシティが東マレーシア(サバ州とサラワク州はクアラルンプールがあるマレー半島とは離れたボルネオ島にあるため、こう呼ばれています。)の明の部分だとすれば、暗に当たるのが、国内クラブライセンスが交付されずスーパーリーグへの参観資格を失ったサラワク・ユナイテッドです。昨季中もE・エラヴァラサン前監督が代表チームのコーチに就任したことで、後任となったB・サティアナタン氏への給料未払いが明らかになっていますが、国内クラブライセンス不交付の直接的な原因は2021年シーズンに在籍した際の給料が未払いとなっていた外国籍選手がFIFAの紛争解決室へこの問題を持ち込み、FIFAによる支払い裁定が下されたにもかかわらず、これを支払わなかったことにあります。
 なおこのサラワク・ユナイテッドは来季は2部プレミアリーグが開催されないため、3部のセミプロリーグ、M3リーグに出場することが決まっています。ちなみにこのサラワク・ユナイテッドはサラワク州サッカー協会も運営に関わる州のトップチームである一方で、同じサラワク州のクチン市を本拠地とするクチンシティは位置的にはその下位となるチームです。言い換えれば東京都サッカー協会が運営するクラブが3部に降格し、世田谷区サッカー協会が運営するクラブが1部に昇格するといった状況です。実はこのサラワク・ユナイテッドは、前身のサラワクFAが2019年の2部と3部の入れ替え戦でこのクチンシティに敗れて3部降格となったところを、当時資金難に苦しんでいた2部でスランゴール州に本拠地があったスランゴール・ユナイテッドを買収して、本拠地をサラワク州に移してサラワク・ユナイテッドと改変するという「寝技」を使って2部に生き残った前歴もありクラブなので、今季の3部スタートは順当と言えば、順当かもしれません。

12月15日のニュース
Mリーグアウォーズ各賞の最終候補が発表

今季のマレーシアサッカー界で活躍した選手やチームに送られるナショナルフットボールアウォーズ2022の表彰式は、本日12月15日の午後9時(マレーシア時間)にオンラインで行われますが、その各部門の最終候補が発表されています。なお、このイベントはこちらから視聴可能です。

最優秀ゴールキーパー部門
最終候補に残ったのはシーハン・ハズミ(ヌグリスンビランFC)、カラムラー・アル=ハフィズ(PJシティFC)、ラーディアズリ・ラハリム(トレンガヌFC)の3名です。この部門でのサプライズは、2018年から4年連続でこの賞を受賞していたファリザル・マーリアスが、所属チームのジョホール・ダルル・タジムJDTがスーパーリーグ9連覇を果たしたにもかかわらず最終候補に残らなかったことでしょう。
 なお今季のスーパーリーグでのクリーンシートはファリザル選手の11回がトップ、次いでカラムラー選手が9回、3位がシーハン選手の7回、ラーディアズリ選手が5回となっており、強固なDF陣を持つとはいえ、出場試合20試合で11試合がクリーンシートのファリザル選手が最終候補に残らなかったのは謎です。
 その一方で今年「最も印象に残った」GKと言えば、シーハン選手です。クラブでは今季1部に昇格したヌグリスンビランFCの正GKとして、昇格初年度4位の好成績に貢献しています。さらに今年2月に就任したキム・パンゴン監督に3月の3カ国対抗(シンガポール)の代表チームに初招集されると、6月のAFCアジアカップ最終予選のバングラデシュ戦では待望のA代表デビューを飾りました。さらに9月のキングズカップ(タイ)では2試合に先発しフル出場するなど代表正GKに近づいています。ちなみにこのシーハン選手は2021年まではPJシティFCに所属しており、その時には今回最優秀GK部門の最終候補3名の内の1人、カラムラー選手の控えでしたが、昨季オフにヌグリスンビランFCへ移籍したことが功を奏しています。
 シーハン選手が最有力、それを追うのがカラムラー選手で、左膝前十字靭帯損傷から復帰した21歳のラーディアズリ選手はこの中では3番手というのがボラセパマレーシアJPの最優秀GK賞争いの予想です。

最優秀ディフェンダー部門
ここでも昨年の受賞者、マシュー・デイヴィーズが最終候補に残らず、今回選出されたのはザイミ・ピー(ヌグリスンビランFC)、ラヴェル・コービン=オング、シャールル・サアド(いずれもジョホール・ダルル・タジムJDT)です。クラブはもちろん、いずれも代表選手の主力選手でもあるこの3選手の中で、やはり今年「最も印象に残った」選手を選ぶとすれば、クザイミ選手でしょう。GK部門のシーハン選手同様、今季のヌグリスンビランFCの躍進に貢献したクザイミ選手は、昨季はUITM FCでプレーしていましたが、チームが2部降格となったことから、昨季終了後にヌグリスンビランFCに移籍しています。
 シーハン選手同様、今年3月の3カ国対抗に出場する代表チームに2016年以来6年振りに招集されると、その後はセンターバックのポジションを、今回も最優秀DF部門候補になっているシャールル・サアドやディオン・コールズ(チェコ1部FKヤブロネツ)と争いながらも、徐々に出場機会を増やし、キム監督の起用に応えています。
 ボラセパマレーシアJP的には印象に残ったクザイミ選手を推したいところですが、と、2018年、2019年と2年連続でこの賞を受賞しているシャールル選手や、国内リーグ、ACL、代表戦と年間を通して安定した力を見せたコービン=オング選手との勝負となると、コービン=オング選手が初受賞に一番近いのではないでしょうか。

最優秀ミッドフィルダー部門
昨年に続き2年連続4階目の受賞を狙うバドロル・バクティアル(サバFC)にいずれも初受賞を目指すアフィク・ファザイル(JDT)とムカイリ・アジマル(スランゴールFC)が候補となっている最優秀ミッドフィルダー部門はベテラン、中堅、若手の争いです。
 ユース時代を含めると実に16年間クダFC一筋だったバドロル選手は、U23代表時代の監督だったオン・キムスイ氏が監督を務めるサバFCに今季から移籍し、昨季はリーグ9位だったチームを今季は3位に躍進させる原動力となりました。一方、ムカイリ選手はシーズン序盤は空回りする場面が目についたもののと、特にタン・チェンホー前代表監督が所属チームのスランゴールFC監督に就任以降は、チームの司令塔としてリーグ戦とカップ戦での9連勝に貢献しています。また2年連続でこの部門の候補に上がったアフィク選手は、リーグ線、カップ戦など合わせて27試合に出場し、いわゆる「汗かき役」の選手として活躍し、チームの国内三冠達成に貢献しました。
 チーム成績に対する貢献度で言えばバドロル選手が2年連続の最有力候補、大穴でムカイリ選手、というのがボラセパマレーシアJPの予想です。

最優秀フォワード部門
今年の最優秀フォワード部門は、アリフ・アイマン(JDT)、ダレン・ロック(PJシティFC)、ファイサル・ハリム(トレンガヌFC)と、昨年の最優秀フォワード部門と全く同じ3選手が候補となっています。昨年19歳で初受賞したアリフ選手が2年連続受賞を狙う一方で、今季、マレーシア人選手として最多ゴールを決めたいわゆるアウトアンドアウトストライカーのロック選手、そしてトレンガヌの今季リーグ2位の原動力となったファイサル選手はいずれも見劣りしない選手です。ゴール数で見ると、ロック選手が12ゴール(24試合)でリードし、以下、ファイサル選手が11ゴール(30試合)、アリフ選手が8ゴール(31試合)となっています。しかしアシスト数はアリフ選手がトップの16、続いてファイサル選手が14アシスト、ロック選手は2アシストとなっています。
 ベルグソン・ダ・シルヴァという絶対的なストライカーがいるJDTでは、前線にボールを運び、ベルグソン選手に供給する役割を担うアリフ選手、1人でも敵陣に残ってとにかくゴールを狙うロック選手、いずれも良い選手ですが、自身のドリブルで相手DFをかわし、自身でゴールを狙うだけでなく、臨機応変にパスも出せるファイサル選手は今年一番成長した選手でもあり、ボラセパマレーシアJPは、ファイサル選手を押したいです。

最優秀監督部門
昨年に続きノミネートされたボヤン・ホダック(KLシティFC)、ナフジ・ザイン(トレンガヌFC)の両氏にオン・キムスイ(サバFC)が加わって争われる最優秀監督部門。昨年の受賞者ホダック監督は、KLシティFCを32年振りに優勝へ導いた功績が大きかったですが、今季もチームをAFCカップ決勝に導いており、その手腕には大会評価が当てられそうです。南アジアや中央アジアのクラブを破り、2015年のJDT以来となる東南アジアのクラブとしては2チーム目となる決勝進出の実績に対し、トレンガヌFCをリーグ2位に導いたナフジ監督、そして昨季9位のサバFCを同じく3位に導いたオン監督の三つ巴の争いです。
 リーグ戦では6位にとどまったものの、ナフジ、オン両監督に比べると潤沢な資金があるとは言えないKLシティFCをAFCカップ決勝に導いたその功績は、今季の最優秀監督に値いし、2年連続受賞となるだろうとボラセパマレーシアJPは考えています。

最優秀外国籍選手部門
昨年この賞を受賞したロメル・モラレス(KLシティFC)は、ケガがちだったこともあり、シーズンを通して調子が上がりませんでした。そんな中、今年はモラレス選手のチームメートのパウロ・ジョズエ、そしていずれもJDTのベルグソン・ダ・シルヴァ、フェルナンド・フォレスティエリの3選手がノミネートされています。
 いずれも今季活躍した選手3名ですが、今季に関してはベルグソン選手一択となるのは明らかでしょう。今季リーグ新記録となる29ゴール(22試合)を挙げ、カップ戦も合わせれば今季は何と41ゴール(30試合)、さらにACLでも6試合で6ゴールとあわや年間50ゴールに迫る勢いでした。リーグ3位のフォレスティエリ選手でも13ゴール、ジョズエ選手は6ゴールと、その差は歴然としています。ジョズエ選手もキャプテンとしてチームをAFCカップ決勝に導いたリーダーシップは素晴らしかったですが、それでもボラセパマレーシアJPが予想する必要もないくらい確実なベルグソン選手の受賞です。

最優秀若手選手部門
今週末から始まる東南アジアサッカー連盟AFF選手権出場のA代表候補にもなっているアザム・アズミ(トレンガヌFC)、ムカイリ・アジマル(スランゴールFC)そして、今回のA代表招集を辞退したアリフ・アイマン(JDT)の3名がノミネートされている最優秀若手選手賞。昨年はアリフ選手が受賞しており、これまで2年連続受賞がないことからも、ここはムカイリ、アザム両選手の一騎打ちが予想されます。(勝手な想像ですが。)今季は所属チームで主力として活躍し、甲乙つけがたい両選手ですが、ここは単純にチームの成績が影響するかも知れません。アザム選手の所属するトレンガヌFCは今季2位、ムカイリ選手が所属するスランゴールは5位でしたので、ここはアザム選手が賞レースでは一歩リートしているのではないかと、というのがボラセパマレーシアJPの予想です。

ナショナルフットボールアウォーズでは、こららの賞のほか、各賞の受賞から選ばれる年間MVPやファンが選ぶベストXIや年間ベストゴールなども合わせて発表されることになっています。