1月11日のニュース:JDTの新スタジアムでの練習公開でポドルスキ獲得の噂に拍車がかかる、トレンガヌFCの練習に新たな外国籍選手が参加も監督は沈黙を貫く、ヌワカエメが今季もパハンFAでプレーする可能性が浮上

JDTが新スタジアムでの練習公開でポドルスキ獲得の噂に拍車がかかる
 ジョホール・ダルル・タジムJDTの新たなホーム、完成したばかりのスルタン・イブラヒムスタジアムでの練習の様子がJDTのFacebookで公開されています。
 しかしその様子を伝える映像に主力選手のアキヤ・ラシドとマウリシオの姿が写っていないことからある憶測がソーシャルメディアを賑わせています。
 JDTは現在、外国籍選手枠5名が全て埋まっていることから、新たな外国籍選手の獲得では現実的ではないとされていましたが、マウリシオが練習に参加していない様子から、ヴィッセル神戸を退団したルーカス・ポドルスキのために外国籍選手枠1名が空いたのではないかという憶測です。
 JDTオーナーのTMJことジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下はポドルスキ選手から連絡があったことを公表し、近いうちにJDTがあるジョホール州にやってくることも明かしています。
 またアキヤ・ラシドについては、今季から東南アジア出身選手枠が新設される韓国リーグへの移籍が以前から噂されていることに加え、フィールド外でのアキヤ選手の行動についてクラブ規範を守らないことで罰金を貸したことや、プロ選手としての自覚がないとTMJが批判したこともあり、移籍の可能性は大いにありそうでうす。
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 ポドルスキ選手獲得の件については、既にジオゴやゴンザロ・カブレラといった攻撃陣を抱えるJDTが、DFのマウリシオを外し、FWのポドルスキを獲得するのは、今季のAFCチャンピオンズリーグACLでプレーする際にはリスクが大きすぎるのではないかとサッカー専門サイトのセムアニャボラが指摘するなど、噂で終わってしまう可能性もありますが、アキヤ選手については、素人から見ても明らかに伸び悩んでいると思いますので、個人的には他のクラブへ「修行」に出て、もっと(人間的に)成長してマレーシア に帰ってきて欲しいです。

トレンガヌFCの練習に新たな外国籍選手が参加も監督は沈黙を貫く
 今季開幕に向けて積極的な補強を行っているトレンガヌFCは、既に外国籍選手枠5名が埋まっていますが、そのトレンガヌFCの練習に新たな外国籍選手が参加していることをセムアニャボラが報じています。
 参加しているのはオーストラリア出身で昨季はオーストラリア2部リーグのクラブでプレーしていた22歳のクリストファー・フェイヤーズですが、トレンガヌFCは新加入のFWドミニク・ダ・シルヴァ(モーリタニア、ベトナム1部リーグのサイゴンFCより加入)、DFババカー・ディアロ(セネガル、フィンランド1部リーグのクオピオン・パロセウラより加入)、MFファリス・ラムリ(シンガポール、シンガポール1部リーグのホーガン・ユナイテッドより移籍)と昨季から残留するMFサンジャル・シャアフメドフ(ウズベキスタン)と主将のFWリー・タック(英国)の外国籍選手5名と既に契約しています。
 この状況で俄然、注目を浴びることになったのが主将を務めるリー・タックです。祖母がマレーシア人というタック選手は、これまでもマレーシア代表としてプレーしたいという希望を公言してきましたが、祖母がマレーシア人であることを証明する書類が見つかっていないということで、マレーシア国籍取得の申請ができていません。しかし、プレシーズン前の休暇で英国へ帰国していたタック選手がこれまで見つからなかった書類を見つけていれば、タック選手はマレーシア人選手として登録可能になり、もう一人外国籍選手の獲得が可能になります。
 これについてセムアニャボラは、トレンガヌFCのナフジ・ザイン監督に確認を取ろうとしたということですが、ナフジ監督からの返事はまだないと記事は結ばれています。

ヌワカエメが今季もパハンFAでプレーする可能性が浮上
 他のMFLクラブに比べると景気の良い話が聞こえてこないパハンFA。先日も今期開幕に向けたプレシーズントレーニング初日の参加者が15名しかおらず、今期在籍が確定している外国籍選手はフランス出身のDFエラルド・グロン選手のみという記事をアップしました。しかしここにきて、昨季も在籍した「鉄人」ことFWディクソン・ヌワカエメが今季もパハンFAでプレーするのでは、という可能性が浮上しています。
 その根拠となるのが、ヌワカエメ選手のインスタグラムで「お気に入りの場所の一つ、クアラルンプール」とマレーシアにいることが伝わるような投稿を繰り返しています。
 パハンFAはヌワカエメ選手の去就について明言をしていませんが、ヌワカエメ選手はパハンFAサポーターの「パハンFAに戻ってきて欲しい」という呼びかけに対して、無給でプレーすると答えるなど、残留に向けての動きがありそうです。
(写真はヌワカエメ選手のインスタグラムより)


 

12月30日のニュース:JDTオーナーがスランゴールFCサポーターに強烈なメッセージ、運営予算が決まらないパハンFAは来季への準備に遅れ、選手会は未払い給料問題を抱えるクラブのMFL参加停止を要望

JDTオーナーがスランゴールFCサポーターに強烈なメッセージ
 ブレンダン・ガン(元ペラTBG)を筆頭に、このシーズンオフに積極的な補強を行っているスランゴールFCは、サポーターから新たな「マラヤの王(King of Malaya)」と呼ばれ始めていることに対し、ジョホール・ダルル・タジムJDTのオーナーでジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下が皮肉を交えたメッセージ映像をJDTのFacebookに挙げています。。
 まずJDTは「マラヤの王」ではないと述べる一方で、世界中でJDTの名前は知られていると軽くジャブ。さらに「JDTはアジアクラブランキングで33位だが、他のMFLクラブは112位が最高位である」と述べ、さらに「王というのは借家に住まず、自身の家に住むものであり、もし王と呼ばれる者が借家住まいなら、その王とは一体どんな王なのか」と、総工費2億リンギ(およそ53億円)とされる自前のスルタン・イブラヒムスタジアムを来季から使用するJDTと、スランゴール州の公共施設であるシャーアラムスタジアムを使用するスランゴールFCを比べています。
 トゥンク・イスマイル殿下はさらに、クナンラン・スブラマニアム、アーマド・ハズワン・バクリ、アダム・ノー・アズリン、ファリザル・マリアスら、かつてスランゴールFAでプレーした選手たちの名前を挙げて、JDTが彼らをスランゴールFAから獲得する際には相当の金額を費やしたことも述べています。

運営予算が決まらないパハンFAは来季への準備に遅れ
 来季に向けてMFL各クラブが新戦力の加入のニュースが連日流れる中、景気の良い話が全くといって良いほど聞こえてこないのが、今季MFL2位に終わったパハンFAです。多くの主力選手が移籍、退団した一方で、新戦力加入もなく、来期の運営資金が不足しているという噂もあります。
 他のMFLクラブ同様、パハンFAでもプレシーズン前の練習が始まっていますが、参加しているのはわずか15名、そのうち外国籍選手はフランス出身のDFエラルド・グロンただ一人と英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 ディクソン・ヌワカエメ(ナイジェリア)、ラザラス・カイムビ(ナミビア)、サディル・ラムダニ(インドネシア、ベルギーのクラブへの移籍の噂あり)サフワン・バハルディン(シンガポール、スランゴールFC加入)ら外国籍選手が退団しただけでなく、代表でもプレーするノーシャルル・イドラン・タラハやズビル・モハマド・アズミ(サバFAに加入)、コギレスワラン・ラジ、ソロモン・ラジ(いずれもPJシティFCに加入)、アフィフ・アミルディン、レメゼイ・チェ・ロス、ワフユディン・シャムスディンらとも契約を更新していません。
 またUTIM FC監督就任の噂が出ていたドラー・サレー監督も一時は退団の意向を持っていたようですが、来季の指揮を取ることに合意し残留を決めたとも記事には書かれています。
 記事では、来季の運営資金が確定しておらず新戦力の補強が遅れていること、運営資金が十分でなければ、外部からの補強ではなく、プレジデントカップチーム(U21チーム)からの昇格などで三種を確保することになるという関係者からのコメントも掲載されています。
 今季はMFL1部では首位のJDTからは勝点10離された2位、マレーシアFAカップではペラTBGに、マレーシアカップではクダFAにそれぞれ準決勝で敗れています。

選手会は未払い給料問題を抱えるクラブのMFL参加停止を要望
 年末になって次々と未払い給料問題が報じられる中、マレーシアプロサッカー選手会(PFAM)はMFLに対して、給料未払い問題を抱える6つのクラブの来季MFL参加停止を要望していると、スポーツ専門サイトスタジアムアストロが伝えています。
 6クラブとは来季MFL1部でプレーするマラッカ・ユナイテッドFCフェルダ・ユナイテッドFCトレンガヌFCPDRM FC、MFL2部でプレーするペナンFA、そしてケランタンFAです。
 PFAMのイズハム・イスマイルCEOは、スタジアムアストロとのインタビューで、MFL所属クラブは、全ての未払い給料問題を解決した上でリーグに参加するべきと述べています。同じインタビューの中で、今季はMFL2部でプレーしたPDRM FCは過去4ヶ月分の給料が選手やコーチ人に未払いとなっていることや、トレンガヌFCが今季プレーしたアーマド・シャミン・ヤハヤ(マラッカ・ユナイテッドFCに加入)に対して未払い給料を抱えていることなどを発表しています。また、マラッカ・ユナイテッドFCのカイルル・ファミ・チェ・マットもケランタンFAが抱える未払い給料を直ちに支払うことを求める発言をメディアに繰り返しています。
 PFAMのイズハムCEOは、この状況を放置しているMFLとFAMに対して直ちに対応を求めるとともに、同じような問題が来季開幕後も発生することを防ぐために、未払い給料問題を抱えるクラブのMFL参加停止を要望するとしています。
 これに対してMFLのダト・ガニ・ハサンCEOは、来季からMFL各クラブに導入される経済コントロールプログラムECPが、給料未払い問題解決につながるだろうと述べるにとどまり、明確な回答が得られなかったと、スタジアムアストロは報じています。

12月16日のニュース:クダFAは5人目の外国籍選手加入が決定-杉本選手加入は噂止まり、トレンガヌFCも5人の外国籍選手枠が埋まる、鈴木ブルーノ選手はトレンガヌFCII残留が決まる

クダFAは5人目の外国籍選手加入が決定-杉本選手加入は噂止まり
 マレーシアフットボールリーグMFL1部クダFAはFacebookで、今季2019年はタイリーグのラーチャブリーFCでプレーしたフィリピン代表のMFアミン・ナザリの加入を発表しています。スウェーデン生まれながらイラン人とフィリピン人の両親を持つアミン選手は、スウェーデンU17代表などを経て、フィリピン代表としてのプレー経験もあります。
 アミン選手の加入により、今季2019年在籍したDFレナン・アウヴェス(ブラジル)とDFシャキール・ハムザ(シンガポール)、新規加入のFWチェチェ・キプレ(コートジボアール、トレンガヌFCより加入)とFWクパー・シャーマン(リベリア、PKNS FCより加入)と合わせてクダFAは来季2020年シーズンの外国籍選手枠5名が全て埋まり、このブログでも取り上げた浦和レッズの杉本健勇選手のクダFA加入は、結局、噂止まりとなりました。なおアミン選手はアジア選手枠での契約となっています。

トレンガヌFCも5人の外国籍選手枠が埋まる
 MFL1部のトレンガヌFCはFacebookで、セネガル出身のDFババカル・ディアロがフィンランド1部リーグのクオピオン・パロセウラから加入することを発表しています。
 ディアロ選手の他、同じく新加入となるFWファリス・ラムリ(シンガポール、ホウガン・ユナイテッドFCより加入)、FWドミニク・ダ・シルヴァ(モーリタニア、サイゴンFCより加入)、そして今季キャプテンを務めたFWリー・タック(イギリス)、2年目となるMFサンジャル・シャアフメドフ(ウズベキスタン)とともにトレンガヌFCも来季の5人の外国籍選手枠が全て埋まっています。

鈴木ブルーノ選手はトレンガヌFCII残留が決まる
 スポーツ専門サイトスアジアムアストロでは、MFL2部トレンガヌFC IIがFW鈴木ブルーノ選手との契約延長を発表したと報じています。
 今季終了後、鈴木選手はトレンガヌFCIIのAチームであるトレンガヌFCのバングラディシュ遠征に参加したにも関わらず、契約延長されないという話が出ていましたが、ここにきて急転直下、来季もトレンガヌFC IIでプレーすることになりました。また同じくバングラディシュ遠征に参加したMFマルセル・ングウェッセン(コートジボアール)も契約延長で合意したと発表された他、今季はMFL2部PDRM FCでプレーしたDFアルグジム・レゾヴィッチ(モンテネグロ)、FWジョーダン・ミンター(ガーナ、フィリピン1部カヤFCより加入)の2選手の加入も発表されており、トレンガヌFC IIの4人の外国籍選手枠は全て埋まりました。
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 今季終了後、自身のインスタグラムで退団を発表していた鈴木選手でしたが、来季からトレンガヌFCIIの指揮を取るロシャディ・ワハブ監督自身は、今季トレンガヌFC IIの得点王でもあった鈴木選手の安定した力を高く評価した上で、来季も残留を望む発言を繰り返していたので、結局、無事残留となりました。(写真は鈴木選手のトレンガヌFC II残留を伝えるトレンガヌFCのホームページより)

11月28日と29日のニュース:ブレンダン・ガンとロナウドがペラTBG退団を発表、サバFAの監督候補にインドネシアのレジェンドが浮上、トレンガヌFCが新外国籍選手獲得発表、シーゲームズでU22代表はフィリピンに敗れる

ブレンダン・ガンはペラTBG退団を発表
 スランゴールFA移籍の噂が出ていたブレンダン・ガンが、自身のインスタグラムでペラTBG退団を発表しています。
 ペラTBGを統括するペラ州サッカー協会PAFAと来季の契約についての合意ができなかったことを退団の理由に挙げていますが、チームメートやサポーターへの感謝の気持ちを述べ、メフメト・ドゥラコヴィッチ監督やスタッフ、フロントへも賛辞を送っています。
 ガン選手は2012年にサバFAで外国籍選手としてプレーした後、オーストラリア生まれながらマレーシア人の父親を持つことから2014年から在籍したケランタンFAでは、マレーシアパスポートを取得しマレーシア人として登録されました。しかし2015年シーズン開幕戦で右前十字靭帯断裂し、このシーズンを棒に振り、2016年9月には左前十字靭帯を断裂し2017年シーズンはケランタンFAが契約を解除するなど、10ヶ月も戦列を離れることになりました。
 その後2018年にはペラTBGと契約し、リーグ戦では2位に、またクラブとしては18年ぶりとなるマレーシアカップ優勝に貢献するなど、今やペラTBGだけでなくフル代表でも欠かせない選手となっています。
 現時点では移籍先のクラブを明かしていませんが、スランゴールFA移籍が有力であると噂されています。

ロナウドもペラTBG退団を発表
 上記のブレンダン・ガンに加えて、通算で90試合近い出場数を誇ったモハマド・ナシル・バシャルディンがトレンガヌFCへ移籍など主力選手の流出が続くペラTBGは、ロナウドことロナウド・エンリケ・シウヴァもインスタグラムで自身の’退団を発表しています。
 今季2019年の2度目のトランスファーウィンドウ期間中に加入したロナウド選手は21試合に出場し12ゴールを挙げています。
 移籍先はマレーシア国内ではなく母国ブラジルのクラブということです。

サバFAの監督候補にインドネシアのレジェンドが浮上
 今季MFL2部で優勝し、来季はMFL1部でプレーするサバFAの監督候補にインドネシアのレジェンドが候補に上がっていると、マレーシア語のサッカー専門サイトボケットFCが報じています。
 候補に上がっているのは代表として59試合に出場し、33ゴールをあげているクルニアワン・ドゥイ・ユリアントです。昨年はフル代表のアシスタントコーチを、現在は東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場しているインドネシアU22代表のアシスタントコーチを務めていますが、2005年にはサラワクFAでプレーし29ゴールを挙げています。
 サバFAを今季MFL2部優勝に導いたジュリアス・アティン監督は、MFL1部監督の要件となるアジアサッカー連盟AFCのプロ指導者資格を保持していないことから、サバFAはアティン監督を来季はアシスタントコーチとし、新監督を探しています。

トレンガヌFCが新外国籍選手獲得発表
 攻撃陣の主力チェチェ・キプレがクダFAに移籍したトレンガヌFCは、モーリタニア出身のFWドミニク・ダ・シルヴァと契約したと、ボケットFCが報じています。
 30歳のドミニク選手は2017/2018年シーズンはベトナムリーグのホーチミンシティFCで、2018/2019年シーズンはサイゴンFCでプレーしていますが、エジプト、チュニジア、アラブ首長国連邦、キプロスなどでもプレー経験があります。

シーゲームズでU22代表はフィリピンに敗れる
 マニラで開催中の東南アジア競技大会通称シーゲームズの男子サッカーに出場中のマレーシアU22代表は開催国フィリピンと対戦し、0-1と敗れ、通算成績を0勝1分1敗としています。
 この結果、マレーシアは、首位ミャンマー(2勝1分0敗)、2位カンボジア(1勝1分1敗)、3位フィリピン(1勝1分1敗、順位は得失差によります)に続く4位(0勝1分1敗)となり、最下位は東ティモール(0勝0分2敗)となっています。
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 大会前はベトナム、タイ、インドネシアがひしめくグループAとならなかったことで準決勝進出を心配する声は上がりませんでしたが、ここに来てグループステージ敗退の可能性も出てきたマレーシア。各チームとも成績が橘高しているだけに、残りの東ティモール戦、カンボジア戦とも勝利は当然ですが、得失差を考えると大量得点で勝つことが必要です。

11月18日のニュース:サディル・ラマダニはパハンFAを退団、ファイズ・ナシルは1年でトレンガヌFC復帰、クランタン州の2クラブは地元の選手により多くの機会を与える

サディル・ラマダニはパハンFAを退団
 インドネシア代表でもプレーする弱冠20歳のサディル・ラマダニが1年でパハンFAを退団するとマレー語紙ブリタハリアン電子版が伝えています。
 今季2019年マレーシアフットボールリーグMFL開幕戦でリーグ最速ゴールを挙げたラマダニ選手はパハンFAの外国籍選手枠のアセアン東南アジア出身選手枠で契約し、今季は21試合に出場する主力選手でした。。
 自身のインスタグラムで退団の意思を発表したラマダニ選手は、インドネシア国外でプレーするのは初めてだったが、この1年間で様々なことを学ぶことができたと、パハンFAとそのファンに感謝のメッセージを述べています。
 ラマダニ選手は11月19日にブキ・ジャリル国立競技場で行われるFIFAワールドカップ予選でマレーシア代表と対戦するインドネシア代表に召集されている他、今月末からフィリピンのマニラで開催される東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場するインドネシアU22代表のメンバーにも入っています。
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 パハンFAはシンガポール代表のサフワン・バハルディンに続き、サディル・ラマダニも2年契約の残り1年を残しての退団となっていることから、パハンFAのファンからはチームの経済状況を心配する声も上がっています。また、同じ外国籍選手のディクソン・ヌワカエメも来季の契約が確定していません。
 またラマダニ選手については、MFL1部スーパーリーグで1年間主力選手としてプレーし、その実力を示したことで、パハンFA退団後はインドネシアに戻らず他のMFL1部との契約の噂も出ています。

ファイズ・ナシルは1年でトレンガヌFC復帰
 今季2019年開幕前にトレンガヌFCからスランゴールFAに移籍したファイズ・ナシルは、トレンガヌFCとの来季1年契約を結んだとスポーツ系サイトスタジアムアストロが伝えています。
 27歳のナシル選手は今季開幕当初、調子の上がらないスランゴールFAで獅子奮迅の活躍が代表のタン・チェンホー監督の目に留まり、エアマリンカップでは代表に初招集されるとすぐにアフガニスタン代表戦でフル代表初ゴールを決めるなど順風満帆でしたが、シーズンが進むに連れて、ベンチを温めることが多くなっていました。
 クダFAやペラTBGも獲得意思を示していましたが、トレンガヌFCのイルファン・バクティ前監督のもと、昨季のトレンガヌFCの準優勝にも貢献したMFはかつて所属したクラブへ復帰を決めたようです。
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 個人的にはMFL前半で最も注目した選手の一人だったナシル選手は、公称で身長152センチと小柄ながら、豊富な運動量で移籍1年目からスランゴールFAファンからも支持される選手でしたが、代表招集後は出場機会が減っていきましたが、バースカラン・サティアナタン監督の戦術に合わなかったのでしょうか。

クランタン州の2クラブは地元の選手により多くの機会を与える
 今季2019年のMFL3部にあたるM3リーグを圧倒的な力で優勝し、来季はMFL2部プレミアリーグに昇格するたケランタン・ユナイテッドは、マレー半島東海岸北部にあるケランタン州をホームとするクラブです。このケランタン州にはケランタン州サッカー協会が統括するケランタンFAもあり、来季はこの両クラブはいずれもMFL2部プレミアリーグでプレーしますが、この状況は、ケランタン州の若いサッカー選手たちがより高いレベルでプレーする機会をより多く得ることができる望ましい状況であると、1990年代にケランタンFAでプレーしたかつての名選手モハマド・ハシム・ムスタファが語っています。
 今季はケランタンFAのプレジデントカップチーム(U21チーム)のコーチを務めたモハマド・ハシム氏は、自らがコーチするチームからトップチームへ昇格する選手以外にもプレーを続ける道が開かれるとして、ケランタンFAのユスリ・チェ・ラーとケランタン・ユナイテッドのザハスミ・イスマイルの両監督に若い選手を積極的に使うよう求めています。
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 運営資金不足から今季2019年は外国籍選手をシーズン途中で全員解雇したケランタンFAは、給料の低い若手を活用するというよりも、そうせざるを得なかった状況でした。しかし裏返せば、モハマド・ハシム氏の言う通り、他のクラブでは出場機会のないような若手でもケランタン州のチームに救われる可能性もあります。

11月13日のニュース:MFLはPKNS FCとPKNP FCのBチーム化を承認、UITM FCが棚ぼたで1部昇格、TFC IIは鈴木ブルーノと契約更新せず、パハンFAはサファウィ・バハルディンとの契約を解除、マラッカUはロメル・モラレス獲得、MFLは来季からの背番号に関する規則を改定

MFLはPKNS FCとPKNP FCのBチーム化を承認
 マレーシアフットボールリーグMFLはホームページで、スランゴール州サッカー協会FASとペラ州サッカー協会PAFAから出されていたPKNS FCとPKNP FCのそれぞれスランゴールFAとペラTBGのBチーム化申請を承認したこと発表しています。
 規定ではBチーム創設は、書面にて1年前に申請することになっていますが。別の規定ではMFL理事会の承認がある場合はこの限りではないとなっており、今回はそちらの規定により申請から1ヶ月程度で申請承認となっています。

UITM FCが棚ぼたで1部昇格
 上記の記事に関連して、MFL1部のPKNS FCがスランゴールFAのBチームとなることで、PKNS FCは「AチームとBチームは同一リーグでプレーすることができない」というMFLの規定により、MFL2部へ降格になります。これによりMFL1部は11チームになってしまうため、今季2019年MFL2部で5位のUITM FCがその空席を埋めるべく昇格することになったと、MFLのホームページで告知しています。
 スランゴール州の州都シャーアラムにある公立大学UITMを母体とするUITM FCは、高等教育機関のサッカークラブとして初めて国内トップリーグに参加するクラブという歴史を作っています。

TFC IIは鈴木ブルーノと契約更新せず
 マレーシアフットボールリーグMFL2部のトレンガヌFC IIは、今季2019年シーズンに在籍した外国籍選手のうち、コートジボアール出身のMFデチ・マルセル・ングエッサンのみと契約を更新すると発表しています。
 この結果、FW鈴木ブルーノ、FWアカニ・サンデイ・ワシウ(ナイジェリア)、MFセルヒイ・アンドレイエフ(ウクライナ)の各選手は退団となります。
 トレンガヌFC IIを統括するトレンガヌ州サッカー協会のロシャデイ・ワハブ会長は、空席となった3名の外国籍枠は代わりの選手を獲得する予定ではあるが、候補者は決まっていないと話していると、スポーツ専門サイトスタジアムアストロは伝えています。
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 鈴木選手とアンドレイエフ選手は、先日このブログでも取り上げたバングラデシュで開催されたシーク・カマル国際クラブカップに出場したトレンガヌFCに参加し、優勝に貢献しています。しかも鈴木選手は今季のチーム得点王でもあります。
 なお鈴木選手はツイッター上でチームへの感謝を述べるとともに、新チームへの移籍を希望することを表明しています。

パハンFAはサファウィ・バハルディンとの契約を解除
 サッカー専門サイトGoal. comマレーシア版では、MFL1部パハンFAのDFサファウィ・バハルディンが契約解除されたことを報じています。シンガポール代表でもプレーする28歳のサファウィ選手は、2020年まで契約が残っていましたが、契約満了前のリリースとなっています。サファウィ選手は自身のインスタグラムでこの契約解除について告知していますが、その理由については何も述べられておらず、パハンFAのファンやチームメートなどに感謝の意を述べています。
 今季2019年はリーグ戦とカップ戦合わせて23試合に出場した主力選手の退団で、外国籍選手枠の内のアジア選手枠が空くことになり、新たなアジア人選手の獲得につながる可能性があります。

マラッカUはロメル・モラレス獲得
 MFL1部のマラッカ・ユナイテッドは、今季はPKNS FCでプレーしたコロンビア出身のMFロメル・モラレスと来季の’1年契約を結んだことを、マレーシアの通信社ベルナマが伝えています。
 マラッカ・ユナイテッドを統括するマラッカ州サッカー協会MUSAの発表によると、MUSAのダミエン・ヨー新会長立ち合いのもとで、契約が交わされたということです。
 攻撃的MFのモラレス選手は、2018年にPKNS FCと契約し、2シーズンで17点を挙げています。

MFLは来季からの背番号に関する規則を改定
 MFLはホームページで、来季2020年シーズンより選手が着用できる背番号を1から99までと改訂することを発表しています。なお、今期まではMFL出場選手は1から30まで、U21のプレジデントカップチームとU19のユースカップチームの選手は31から50を着用することが決められていました。
 また51から60までの番号については、MFLの2度目の移籍期間トランスファーウィンドウ期間中に移籍してきた選手のみが着用可能としています。

11月9日のニュース:トレンガヌFCは新たな外国籍ストライカーを獲得へ、トレンガヌFCはファリス・ラムリをアセアン枠で獲得、クダFAはジョナサン・ボーマンも退団、復活したピヤは6年ぶりの優勝を味わう

トレンガヌFCは新たな外国籍ストライカーを獲得へ
 エースストライカーのFWチェチェ・キプレが退団するトレンガヌFCはヨーロッパ、南米、アフリカから代わりのストライカーを獲得する予定であると、スポーツ系サイトのスタジアムアストロが伝えています。
 既に数名がリストアップされているようで、モハマド・ナフジ・ザイン監督は、来月予定されているトライアウトを経て、獲得選手が最終決定する予定であるとしています。
 また同じ記事内では、来季2020年シーズンはトレンガヌFCのプレジデントカップチーム(U21)とユースカップチーム(U19)の選手にトップチームでの出場機会がより多く与える予定であるとも述べ、来季も在籍するリー・タック選手が主将として若手とベテランの融合するチームを率いてくれることを期待していると述べています。

トレンガヌFCはファリス・ラムリをアセアン枠で獲得
 12名の退団者を出したトレンガヌFCは、来季は大きく布陣が変わりそうですが、上記で取り上げた外国籍FWが確定する前に、シンガポール出身の攻撃的MFムハマド・ファリス・ラムリをアセアン枠で獲得したことを同じスタジアムアストロが報じています。
 2018年にはマレーシアフットボールリーグMFL1部のPKNS FCでプレーし、今季2019年は開幕前にMFL2部のプルリスFAと契約したファリス選手でしたが、プルリスFAの抱える給料未払い問題により、1試合も出場しないまま退団していました。その後プルリスFAは開幕直後にMFLより追放処分を受け、、ファリス選手は、シンガポールの1部リーグであるプレミアリーグのホーガン・ユナイテッドに移籍していました。
 トレンガヌFCのアセアン枠は、今季在籍したDFチエリー・チャンタ・ビン(カンボジア)と来季の契約を結ばない事から空席となっていましたが、27歳のファリス選手はこのアセアン枠選手として1年契約を結んでいます。

クダFAはジョナサン・ボーマンも退団へ
 今季から指揮を取るアイディル・シャリン監督のもと、MFL1部スーパーリーグ4位、FAカップ優勝、マレーシアカップ準優勝という結果を残したクダFAですが、先日このブログでも伝えたスペイン出身のFWフェルナンド・ロドリゲズの退団に続き、アルゼンチン出身のFWジョナサン・ボーマンの退団も発表されました。
 今季はリーグ戦と2つのカップ戦合計で16ゴールを挙げたボーマン選手の退団は、同じく今季21ゴールを挙げたフェルナンデズ選手の退団とともに、来季2020年にはさらに上位を目指したいクダFAにとっては大きな痛手になりそうです。
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 退団決定後にはクダFAを統括するクダ州サッカー協会が2人を送り出すための夕食会を開き、またクダFAのサポーターグループからも温かい言葉が贈られたとのことなので、今季の成績による解雇というよりは、来季から各クラブの財務状況に合わせた運営を求めて導入される経済コントロールプログラムECPの影響もあるかも知れません。
 なおクダFAは、PKNS FCのクパ・シャーマン、元トレンガヌFCのチェチェ・キブレに興味を持っているという報道もあり、ロドリゲズ、ボーマン両選手の穴を埋めるのはこの2人になる可能性もあります。

復活したピヤは6年ぶりの優勝を味わう
 ケランタンFA時代には主将として2012年のマレーシアフットボールリーグMFL、FAカップ、マレーシアカップの同一年3冠制覇(トレブル)も経験しているMFモハマド・バドリ・モハマド・ラジにとって、今季2019年途中から入団したケランタン・ユナイテッドでM3リーグでの優勝に貢献したことは、自らの選手生命を蘇らせる結果にもなったと、マレーシアの通信社ベルナマが報じています。
 ピヤの愛称で知られる37歳のバドリ・ラジ選手は、昨年2018年5月にケランタンFAとの契約が切れ、同年末にM3リーグからMFL2部プレミアリーグに昇格したプルリスFAと契約しましたが、上のファリス・ラムリ選手の記事で書いたように、プルリスFAはMFLを追放され、ピヤ選手もプルリスFAを退団していました。その後も昨季2018年のケランタンFAの給料未払いも明らかになり、所属クラブもないままでしたが、今年6月にケランタン・ユナイテッドと契約していました。
 「昨年末から今年の初めてにかけて自分が経験した苦境を思うと、優勝チームでプレーすることは2度とないと思っていたが、自分にプレーする機会を与えてくれたケランタン・ユナイテッドと、ザハスミ・イスマイル監督、そして応援してくれたサポーターに感謝したい」とピヤ選手は語っています。
 来年は38歳となるピヤ選手は、引退については考えたこともなく、自分に機会が与えられれば、ケランタン・ユナイテッドをさらに上のレベルへ引き上げられるよう、できるだけ長くチームに貢献したいとも語っています。

11月5日のニュース:JDT IIのGKが飛び級で代表候補合宿に招集される、トレンガヌFCはバングラディシュの大会で優勝、トレンガヌFCはキプレを含む12名の退団を発表、鈴木ブルーノは来季はトレンガヌFCでプレーか

JDT IIのGKが飛び級で代表候補合宿に招集される
 マレーシアサッカー協会FAMのFacebookでは、マレーシアフットボールリーグMFL2部プレミアリーグ所属のJDT II(1部ジョホール・ダルル・タクジムのBチーム)のGKムハマド・ハジック・ナズリがクダFAのGKイファット・アクマル・チェ・カシムに代わってフル代表候補合宿に招集されることを告知されています。
 
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 MFL2部のクラブから、しかもBチームからの招集と異例づくめですが、21歳のハジック・ナズリ選手は、U22代表には招集されず、言わば飛び級でのフル代表招集となっており、フル代表のタン・チェンホー監督には何か考えがあるのでしょう。
 ところでこのハジック・ナズリ選手は11月1日に、20歳の女優アイラ・ハザリことハジラ・カスディナ・ハザリさんと結婚式を挙げたばかりで、FAMのFacebookのコメント欄には「新婚の二人を引き離すとはかわいそう」「ハネムーンに行けなくなる!」などの書き込みが多くありました、結婚と代表候補合宿招集と文字通り両手に花のハジック・ナズリ選手が代表チームに選ばれるのか注目です。

トレンガヌFCはバングラディシュの大会で優勝
 10月19日からバングラディシュ南東部の都市チッタゴンで開催されていたシーク・カマル国際クラブカップに参加したマレーシアフットボールリーグMFL1部のトレンガヌFCは、決勝で地元のチッタゴン・アバハニ・リミテッドを2ー1で破り、初優勝しています。またスポーツ専門サイトのスタジアムアストロでは、トレンガヌFCで主将を務めるリー・タックはこの大会での若手の活躍を喜んでいると、伝えています。
 タック選手は、9日間で5試合と日程的に厳しかった大会期間中であっても心身両面の強さを維持できた若い選手たちを評価すると同時に、今季2019年は12チーム中7位に終わったチームにとって、来季2020年に向けての展望が開ける大会だったとしています。
 8チームが参加した今回の大会では、トレンガヌFCは、ゴクラム・ケララFC、チェナイ・シティFC(いずれもインドIリーグ所属)、バシュンドハラ・キングズ(バングラディシュプレミアリーグ所属、今季の優勝チーム)と同組となった予選グループを2勝1分の首位で突破、準決勝はモフン・バガンAC(Iリーグ)をタック選手をハットトリックを含む4-2で撃破、決勝ではホストチームのチッタゴン・アバハニ・リミテッド(バングラディシュプレミアリーグ)を2−1で破って優勝賞金5万米ドル(およそ540万円)獲得しています。また,2016年にはバングラディシュリーグでもプレー経験のあるタック選手は大会得点王と最優秀選手賞を獲得しています。
 この優勝についてタック選手は、主力選手を欠くメンバーで優勝できたことでMFLのレベルの高さを証明できたと思うと語っています。
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 後述しますが、トレンガヌFCは今季から大きくメンバーが変わる可能性があり、外国のクラブとの対戦の中で優勝したことで若手選手たちが得た経験は、タック選手だけでなく、監督代行から昇格したモハマド・ナフジ・ザイン新監督にとっても期待が持てるものだったのではないでしょうか。

トレンガヌFCはキプレを含む12名の退団を発表
 バングラディシュの大会で優勝したトレンガヌFCは、今季2019年をもって退団する選手を発表していますが,その中には過去3シーズンで63試合に出場し40ゴールを挙げているコートジボアール出身のFWチェチェ・キプレが含まれていると、スタジアムアストロが伝えています。
 記事の中では、トレンガヌFCはキプレ選手に対して来季の契約をオファーしたもののそれが拒否されたとしています。キプレ選手のほか、東南アジアサッカー連盟AFF枠で契約していたDFチエリー・チャンタ・ビン(カンボジア)も退団となっており、来季の外国籍選手としてはMFリー・タック(英国、ただし祖母がマレーシア人ということで来季中にマレーシア人選手登録になる可能性あり)とMFサンジャル・シャアフメドフ(ウズベキスタン)の2人のみが確定しています。
 またマレーシア人選手では、今季のFAカップでトレンガヌFCと対戦した際にイルファン・バクティ前監督が高く評価し、M3(MFL3部)のアルティメイトFCから引き抜いたFWナビル・アーマド・ラトピやMFマリク・マット・アリフ、MFシャルル・アイザッド・ズルキフリ、MFアハマド・シャミン・ヤヒヤ、MFカイルル・イズアン・ロスリ、MFカイル・アズリン・カザリ、MFカイルル・アンワル・シャールディン、DFアデッブ・アイズディン、DFハスニ・ザイディ・ジャミアンそしてGKワン・モハマド・アズレイ・ワン・テーが退団となっています。
 なおトレンガヌFCを統括するトレンガヌ州サッカー協会PBSNTのヒシャムディン・アブドゥル・カリム副会長は、退団するキプレ選手のトレンガヌFCへのこれまでの貢献を感謝し、チーム史上でもトップのストライカーだと賛辞する一方で、彼の穴を埋めることが急務であるとも述べています。
 一部報道では、現在のベトナムリーグでプレーする選手に関心を示しているという情報もありますが、ヒシャムディン副会長は言及を避け、新たな選手の獲得についてはナフジ・ザイン新監督に一任していると述べるにとどまっています。
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 キプレ選手については、今季MFLやカップ戦合計で21ゴールを挙げたスペイン出身のFWフェルナンド・ロドリゲズの退団が決まったクダFAが関心を示しているという噂もあり、来季もキプレ選手の姿をMFLで見ることができるかも知れません。

鈴木ブルーノは来季はトレンガヌFCでプレーか
 トレンガヌFCのBチームでMFL2部に所属するトレンガヌFC IIでプレーするFW鈴木ブルーノとコートジボアール出身のMFデチ・マーセル・ングエッセンに対して監督が残留希望を持っていることをスタジアムアストロが伝えています。
 トレンガヌFC IIを来季から率いるロシャディ・ワハブ新監督は、Aチームのナフジ・ザイン監督との話し合いの結果次第と前置きしながらも、今季MFL2部で13ゴールを挙げた鈴木選手はチーム得点王であり、必要な選手であるとしています。
 なお上の記事でも取り上げたトレンガヌFCが出場したバングラディシュでの大会には、鈴木選手とングエッセン選手もチームに帯同し、鈴木選手はグループステージでは4ゴールを挙げるなど活躍し、両選手は決勝戦にもスタメンで出場しました。
 トレンガヌFC IIの外国籍選手は全員が今月11月末に契約が切れますが、他の外国籍選手、DFセルヒイ・アンドレイエフ(ウクライナ)とFWアカンニ・サンデイ・ワシウについては、フロントの意向に従いたいとワハブ新監督は述べています。

10月30日のニュース:クダFAは守備の要がマレーシアカップ決勝出場停止、JDTとスランゴールFAがAMDから選手獲得、イルファン監督はMFLに復帰か

クダFAは守備の要がマレーシアカップ決勝出場停止
 両チーム合わせて計16ゴールと壮絶な準決勝でパハンFAを破りマレーシアカップ決勝へ進出したクダFAですが、守備の要2人が決勝に出場できない状況になっています。
 今季2019年のマレーシアフットボールリーグMFLでは、チーム最多出場のブラジル出身DFラノン・アルヴェスと、アルヴェス選手に次ぐ出場数のDFリザル・ガザリが、先日行われたパハンFAとのマレーシアカップ準決勝第2戦でいずれもイエローカードをもらい、累積警告で次戦となるマレーシアカップ決勝は出場停止処分を受けることになりました。
 しかしこの状況でも、かつてGoal. comによってシンガポールのグラディオラと評されたクダFAのアイディル・シャリンク監督が、強豪ジョホール・ダルル・タクジム相手に効果的な策略を立ててくれことをクダFAのサポーターは期待していると、マレー語紙ブリタハリアン電子版が伝えています。
 あるサポーターは、アイディル監督はこの状況で最も効果的な戦略を立ててJDT戦に臨んでくれると期待し、別のサポーターは今季のクダFAの実績から、アイディル監督がどんな戦術を取ってもそれを支持すると述べています。
 なお今季から就任したアイディル監督の下、クダFAは今季のMFLで4位(昨季は6位)、FAカップは優勝と好成績を上げ、マレーシアカップ でも2017年以来2年ぶりの決勝進出を果たしています。

JDTとスランゴールFAがAMDから選手獲得
 マレーシア政府肝煎の国家サッカー選手養成プログラムNFDPの中の「エリート」、モクタル・ダハリアカデミーAMDの1期生となる34名が間も無くこのプログラムを卒業します。2002年生まれのこの世代の出世頭はベルギー1部リーグのクラブと契約したルクマン・ハキム・シャムスディンですが、彼だけでなくこの世代は東南アジアサッカー連盟AFF U18選手権で昨年2018は優勝、今年2019年は準優勝とアセアンでは周りの国に負けないタレント揃いです。
 ただし、この1期生たちはどのクラブにも所属しておらず、プログラム終了後の所属先がどうなるかに関心が集まっていますが、マレーシアフットボールリーグMFL1部のジョホール・ダルル・タクジムJDTと、スランゴールFAを統括するスランゴール州サッカー協会FASが早速、選手獲得に動いたことをマレー語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 U19代表でもプレーする左ウィングのウマル・ハキーム・スハル・レズアンはJDTとの契約の可能性が高まっています。FASも彼に興味を示していたということですが、JDTを選んだ理由としてウマル選手はチーム力に加えて設備や練習環境、そしてサッカーに情熱を持つオーナーのTMJことジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下を挙げています。
 また左サイドバックのアーマド・ジクリ・モハマド・カリリはJDTとパハンFAも関心を示したようですが、FASを選んだようで、その理由としてFASが最も熱心にアプローチされたと明かしています。

イルファン監督はMFLに復帰か
 今年2019年5月にチームの成績不振の責任を取りMFL1部トレンガヌFCの監督を辞任したイルファン・バクティ氏は来年2020年にMFLで指揮を取る可能性がありそうだとマレー語紙ハリアンメトロ電子版が伝えています。
 既に複数のクラブから監督のオファーを受けているものの、まだ現時点では何も決めていないというイルファン氏ですが、届いているオファーがクアラルンプールやスランゴールといった首都圏以外のクラブからということで、首都圏のクラブでの指導を望んでいるイルファン氏の希望に沿うクラブからのオファーははまだないようです。
 首都圏のクラブには、MFL1部スーパーリーグではスランゴールFA、プタリンジャヤシティFC、PKNS FC、PDRM FC、MFL2部プレミアリーグではクアラルンプールFA、UITM FC、UKM FC、スランゴール・ユナイテッドがありますが、1部スーパーリーグのクラブはどこもおそらく監督の更迭はなさそうなので、イルファン氏がMFLに復帰するとすれば2部プレミアリーグの監督としての可能性が高そうです。

10月25日のニュース:FAM会長はECPに基づいた戦力補強を求める、クラスニキがJDTの練習場で目撃される、ニック・アキフにはトレンガヌFC移籍の噂

FAM会長はECPに基づいた戦力補強を求める
 今季2019年シーズンは、残すところ今週末のマレーシアカップ 準決勝、そして11月2日の決勝だけとなりました。
 準決勝に残ったJDT、パハンFA、スランゴールFA、クダFA以外のクラブは、来季2020年シーズンに向けて、トライアウトなどを行って戦力増強に余念がないところでしょう。そういった各クラブに向けて、マレーシアサッカーリーグMFLのダト・ハミディン・モハマド・アミン会長は、来季から導入される経済コントロールプログラムECPに基づいた戦力補強を行うように求めています。
 このECPは、これまで多くのMFLクラブが抱えてきた給料未払いや所得税、雇用主負担が求められる従業員積立基金EPF(日本の年金制度に該当)、従業員社会保障制度SOCSO(日本の社会保険制度に該当)の滞納といった問題を事前に防ぐことを目的として導入されます。具体的には、各クラブはMFLが承認した金額内での経営を求められ、MFLが承認する金額は各クラブの経営状況をもとに判断されます。
 このECPはもとはスペインのラ・リーガで採用されたプログラムですが、本家のスペインでは、リーグ全体で9000万ユーロ(およそ108億700o万円)の未払い給料を含む6億ユーロ(およそ725億3000万円)の負債を抱えていた2012年に導入され、2017年には負債額が0になったそうです。
 ハミディン会長はマレーシアの通信社ベルナマのインタビューに答えて、選手との契約内容は、来季から段階的に導入されるECPにおける各クラブの経営状況判断の元になるとして、新戦力との契約は、自らの経営状況を理解した上で行うべきと各クラブに警告しています。
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 マレーシアのことわざに”Ukur Baju Di Badan Sendiri“「自らの身体に合わせた服の寸法を測れ」と言うものがあります。マレー語紙の電子版では、ECP導入に際して各チームに求められるものとして、このことわざを引用している記事もありました。文字通り、身の丈に合った経営がこの後は求められそうです。

クラスニキがJDTの練習場で目撃される
 スポーツ専門サイトフォックスフポーツでは、マットドンことリリドン・クラスニキがジョホール・ダルル・タクジムの練習場で目撃されことを報じています。
 記事の中では、ツイッター上で出回っている、JDTの練習場でしかもJDTのトレーニングジャージを着ているクラスニキ選手の写真を掲載した上で、クラスニキ選手の来季2020年シーズンのJDT入りの可能性について言及しています。
 27歳のクラスニキ選手は、2015年から2018年までクダFAでプレーし105試合で38ゴールという成績を残し、今季2019年はマラッカ・ユナイテッドと契約しましたが、MFL第5節のクアラルンプールFAとの試合でケガのため途中退場し、それ以降はカップ戦も含めて出場がありませんでした。
 コソボ出身のアルバニア人であるクラスニキ選手は、マレーシアサッカー協会FAMがリストアップした帰化選手(マレーシア人を父母、祖父母に持たない外国籍であっても、5年以上継続居住歴を持つことでFIFAの規定によりマレーシア人としでプレーが可能になる。マレーシアでは既にガンビア出身のモハマドゥ・スマレがこの要件を満たしてパハンFAとマレーシア代表でプレーしている。)候補となっており、JDTがクラスニキ選手を核とし、さらに彼が帰化選手となれば、JDTはMFL1部の各クラブに与えられている5人の外国籍選手枠を使わずに戦力補強ができることになります。
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 今季わずか5試合しか出場していないクラスニキ選手ですが、マラッカ・ユナイテッドは給料未払い問題を抱えていたこともあり、本当にケガだけが理由で長期離脱していたかどうかは正直不明です。ケガが完治していて、クダFA時代の活躍ができるのであれば、クラスニキ選手が加わることでJDT1強時代はまだまだ続くことになりそうです。

ニック・アキフにはトレンガヌFC移籍の噂
 今季はMFL2部で11チーム中10位と低迷したケランタンFAでプレーする20歳のMFニック・アキフ・シャヒラン・ニック・マットが、隣接するトレンガヌ州のMFL1部トレンガヌFCに移籍するのではという噂がソーシャルメディア上を賑わせていると、スポーツ専門サイトスタジアムアストロが報じています。
 トレンガヌFCのシャリザル・ヤハヤ チームマネージャーは、単なる噂であると否定していますが、戦力としてニック・アキフ選手が必要かどうかはモハマド・ナフジ・ザイン新監督次第であると述べています。
 なお、ナフジ新監督のもとで新たなチームづくりを目指すトレンガヌFCは、今季のチームからMFアーマド・シャミン・ヤハヤ、MFシャルル・アイザッド・ズルキフリ、FWカイルル・イズアン・ロスリ、MFナビル・アーマド・ラトピ、GKのワン・ムハマド・アズレイ・ワン・テーとの契約を更新しない方針であることが既に報じられています。
 前述のシャリザルチームマネージャーは、ニック・アキフ選手はケランタンFAとの契約中の選手であることは理解しており、現状ではケランタンFAを統括するケランタン州サッカー協会KAFAとの関係を悪化させることは望んでいないとしています。
 今年3月に行われたアジアサッカー連盟AFC U23選手権予選でもプレーしたニック・アキフ選手は、11月に開催される東南アジア競技大会、通称シーゲームズに参加するU22代表でも主力としての活躍が期待されている他、所属するケランタンFAは移籍金として100万リンギ(およそ2600万円)を設定しており、今後の行方が注目されます。