2021年Mリーグ1部スーパーリーグ第1節結果

 2021年シーズンが3月5日いよいよ開幕しました。1部スーパーリーグは8月8日の最終第22節まで全132試合が開催されます。なお現在は無観客試合での開催となっています。なお、対戦カードの左側がホームチームです。なお、試合のダイジェスト映像はいずれも各クラブの公式TVチャンネルからお借りしています。

2021年3月5日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
JDT 2- 0 クダ・ダルル・アマン
得点者:JDT-サファウィ・ラシド(35分)、ナチョ・インサ(68分)
 昨季の1位と2位が対決した開幕戦はボールへ寄るスピード、ボールキープやパスの精度などあらゆる面で得点差以上の実力差を見せたJDTが圧勝しています。この日が24歳の誕生日だったサファウィ・ラシドが今季のMリーグ初ゴールを決め、ナチョ・インサがダメ押しの2点目を決めています。新戦力のFWベルクソン・ダ・シルバがチームに合流できておらず、セカンドチームのJDT IIから一昨年はクダでプレーしたFWフェルナンド・ロドリゲスを招集する苦しい布陣にもかかわらず、試合はカウンター狙いで引き気味にプレーするクダを自陣に釘付けにして攻め続け、今季も圧倒的な優勝候補であることを見せつけました。
 なおクダにとっては守備陣のキーマンであるレノン・アルヴェスがコンディション不良で出場できなかった影響が大きそうですが、アイディル・シャリン監督は試合前から分かっていたことと、言い訳にはしたくないとメディアに語っています。

2021年3月6日@シティスタジアム(ペナン州ジョージタウン)
ペナン 1-0 KLシティ
得点者:ペナン-デヴィッド・ロウリー(29分)
 試合の数日前にクラブ名称がクアラルンプール・ユナイテッドFCからクアラルンプールシティFCへと変更になるなどバタバタ感は試合中も見られました。ロウリー選手のゴールも守備陣の選手は棒立ちで、結果だけでなく試合内容も前半は明らかにペナンが勝っていました。後半に入るとKLが優勢に試合を進めましたが、ペナンのリュウジ・ウトモとラファエル・ヴィトールが中心の守備陣が持ちこたえ1部復帰初戦での勝利としています。なおペナンの守備陣がJDTやクダ、スランゴールといったクラブの攻撃陣に対応できれば、上位進出もありそうです。
 

https://youtu.be/WKEpGV3ESDc

2021年3月6日@UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
UITM 1-2 トレンガヌ
得点者:UITM-モハマド・ファウジ(34分)、トレンガヌ-ダビ・アパレシド・ダ・シルバ(77分)、モハマド・ハキミ・アブドゥラ(88分)
 トレンガヌは新戦力でJ2金沢でもプレー経験があるFWダビと、2部ケランタンFCが手放した理由が不明な若手有望株のFWモハマド・ハキミがゴールを決めています。いずれのゴールはこちらも新戦力のMFマカン・コナテのピンポイントのパスからのものでしたが、昨季もインドネシア1部のプルシブバンドンでチームメートだったコナテ・ダビのホットラインでのゴール量産もありそうですが、今後他のチームはこのコナテ選手に要注意でしょう。

2021年3月6日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴール 3-1 スリ・パハン
得点者:スランゴール-オリヴァー・バフ2(45+1分、90+3分)、シャーレル・フィクリ(55分)、パハン-モハド・ノル・アザム・アジ(70分)
 ストップJDTの一番手を目指すスランゴールはいずれも期待される新戦力の3ゴールで快勝しています。バフの1点目はペナルティーボックスの外から、ダメ押しの2点目はボックス内で躊躇なく放ったゴールでした。シャーレル・フィクリのゴールも含め、今季のスランゴールは昨季のイフェダヨ・オルセグン頼りから多彩な攻撃パターンを持つチームへ変貌したようです。

2021年3月6日@ハンジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ・ユナイテッド 1-1 サバ
得点者:マラッカ-クマーハン・サタシバン(63分)、サバ-ハムラン・ピーター(45分)
 マラッカが優勢に試合を進めながら、新加入の外国籍選手4名が合流できていないサバと引き分け、ホームのマラッカにはとっては痛い引き分けです。
(マラッカ・ユナイテッドとサバは公式チャンネルにダイジェスト映像がないので、試合のフル映像をUnifiからお借りしました。)

https://youtu.be/knFJRDCYNgs

3月7日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラ 0-0 PJシティ
得点者なし
 開幕2週間前に監督が交代したペラと外国籍選手が1名もいないPJシティの試合は、今節で唯一のスコアレスドローとなっています。この試合では試合終了間際にPJシティのP・マニアム監督がイエローカードをもらっています。
(ペラとPJシティは公式チャンネルにダイジェスト映像がないので、試合のフル映像をUnifiからお借りしました。)

https://youtu.be/HMXUtVZPtkA

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第1節終了時)

ClubGWDLGFGAGDP
1SEL11003123
2JDT11002023
3TFC11002113
4PEN11001013
5MEL10101101
6SBH10101101
7PRK10100001
8PJ10100001
9UITM100112-10
10KL100101-10
11PHG100113-20
12KDH100102-20
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MEL-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-クアラルンプールシティ

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ得点ランキング(第1節終了時)

選手(所属クラブ)ゴール数
1オリヴァー・バフ(SEL)2
2サファウィ・ラシド(JDT)他9名1
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MEL-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-クアラルンプールシティ

2021年Mリーグ1部スーパーリーグのクラブ紹介とボラセパマレーシアJP的順位予想 その1

3月5日のJDT対クダ・ダルル・アマン戦で開幕する今季のMリーグ。需要があるとは思えませんが、勝手に今季の順位予想をしてみました。

ボラセパマレーシアJP的順位予想 1位ジョホール・ダルル・タジムFC

2020年シーズン成績:リーグ1位 – 9勝2分0敗 得点33 失点8

昨季はリーグ7連覇を果たしたJDTは、タイのBGパトゥム・ユナイテッドへ移籍したジオゴ・サントスに代わって獲得したばかりのエースストライカー候補ジョナサン・エレラを開幕直前にもかかわらず、期限付き移籍させて皆を驚かせたJDTですが、外国籍選手以外は全員がマレーシア代表経験者という強力なチームに、代表でも主力のモハマドゥ・スマレや「未完の大器」ダニアル・アミールが加わるなど、補強は怠りありません。あえて弱点を探すとすれば衰えが見えつつあるGKファリザル・マーリシャスでしょうか。

とは言え優勝候補の一番手であることは間違いありません。この記事を出す直前にはエレラに代わるブラジル出身のストライカーのベルクソン・ダ・シルバをフォルタレーザEC(ブラジル)から期限付き移籍で獲得したことが明らかになっています。また今季はAFCチャンピオンズリーグACLが集中開催になる中、Mリーグはこの時期にリーグが中断することから、ACLとMリーグの両方に出場することになっても負担が少なく、ここが死角になることもなさそうです。

<ボラセパマレーシアJP的今季注目選手>
ゴンザロ・カブレラ
JDTの強さは実は強固な守備にあり、その中心がゴンザロ・カブレラです。機を見て積極的に攻撃にも参加、しかも好機を物にするなど、DFながら攻守に貢献度が高い選手です。カブレラが安泰なら、JDTの守備も安泰ですが、言い換えれば換えが効かない選手なので、万が一ケガなどをすればJDTの8連覇に赤信号が点ります。

シャフィク・アフマド
W杯予選では2ゴールを挙げながら、クラブでは絶対的なレギュラーでないシャフィク・アフマドは、個人的には1年間を通してプレーを見てみたい選手です。昨年は事故でお子さんを亡くされるなど辛い1年でしたが、前線でサファウイ・ラシドやスマレとの連携が強化されれば、代表にとっても大きなプラスになります。

ボラセパマレーシアJP的順位予想 2位クダ・ダルル・アマンFC

2020年シーズン成績:リーグ2位 – 7勝1分3敗 得点20 失点13

JDTに対抗できる戦力を持ちながら、数ヶ月間にわたる給料未払いというピッチ外でのトラブルでチームの士気が下がり前半は出遅れたものの、最後にはきっちり2位を確保した昨季のクダ。今季の補強の目玉はUTIMから加入したラビ・アタヤ(レバノン)ではないかと思います。司令塔にもなれ、また自らが攻撃にも参加できる選手ですが、UITMでは前線の選手が力不足だったことから自分が攻撃に参加することが多くなり、その後はマークも厳しくなった結果、持ち味が活かせなかった印象です。

UITMとは違い、クパ・シャーマン、チェチェ・キプレと強力FW2枚を揃えるクダでは、司令塔に専念できそうです。また、このアタヤの加入でバドロル・バクティアルがより積極的に攻撃に加われるようになり、攻撃陣にも厚みが増しそうです。

この他にもシャズワン・ザイノン、ロドニー・セルヴィン(いずれスランゴールから移籍)らを獲得し、選手層が厚みを増したクダはJDTに勝負を挑める数少ないクラブの一つで、そのためにもJDTとの今季開幕戦になんとしても勝利しておきたいところです。

<ボラセパマレーシアJP的注目選手>
アヌマンサン・モハン・クマール
上記のアタヤ選手とともに新加入のアヌことアヌマンサン選手は、シンガポール時代のアイディル・シャリン監督の元でプレー経験もあり、移籍1年目ながら監督のサッカーを理解してチームにフィットする可能性があります。昨季は前線で孤立してしまう場面もあったシャーマンとキプレでしたが、このMFコンビの加入でそれが解消できそうです。

ボラセパマレーシアJP的順位予想 3位クアラルンプール・ユナイテッドFC

2020年シーズン成績:*2部プレミアリーグ3位 – 6勝3分2敗 得点21 失点14 

2部降格から1年で1部復帰を果たしたクアラルンプール・ユナイテッドですが、昇格に合わせて外国籍選手、マレーシア人選手とも1部でプレー経験のある選手を獲得したことに加え、Mリーグでの勝ち方を知っているボジャン・ホダック監督が就任したことで、いきなり上位進出を狙えるチームに変貌しています。

昨季はトレンガヌで9ゴールを挙げたFWドミニク・ダ・シルヴァ、かつての代表のエースFWサフィ・サリー(PJシティより移籍)、やはり代表経験もあるハディン・アズマン(クダより移籍)の前線、在籍5年目となる主将のパウロ・ジョズエ、23歳ながらMリーグ4年目を迎える攻撃的MFロメル・モラレス(マラッカ・ユナイテッドから移籍)そしてマレーシアの「鉄人」インドラ・プトラ・マハユディンの中盤、そして新加入のセンターバックで昨季はオーストラリア1部のメルボルンヴィクトリーなどでプレーしたジャンカルロ・ガリフオコ、地元出身のイルファン・ザカリア(クダより移籍)、そしてMリーグでは珍しい外国籍GKケヴィン・レイ・メンドーザ(フィリピン、デンマーク2部ヴェンシュセルFFより移籍)ら守備陣は、他の1部クラブに見劣りしない布陣です。

1部昇格クラブながら、上で述べたメンバーに加え、ボジャン・ホダック監督が指揮を取るというところが、3位に推す理由です。Mリーグではケランタンで2012年にリーグ戦、マレーシアカップ、FAカップの年間三冠のトレブルを達成、JDTでも2014年優勝監督、そして2018年には東南アジアサッカー連盟AFF U19選手権でも優勝と「勝ち」を知る監督の手腕に1部昇格初年度から期待したいです。

<ボラセパマレーシアJP的注目選手>
インドラ・プトラ・マハユディン
今季39歳を迎えるインドラ・プトラですが、昨季は11試合中9試合に出場し、3ゴールを決めるなど鉄人ぶりを発揮しました。2012年のケランタン年間三冠達成時にはホダック監督の元でプレーしており、ここでもう一花咲かせるのではという期待があります。

ロメル・モラレス
23歳という年齢からリリドン・クラスニキやギリエルメ・デ・パウラに続く帰化選手候補でもあるモラレスですが、昨季は所属したマラッカ・ユナイテッドの給料未払い問題で試合どころではなかったようです。昨季の鬱憤を晴らし、請われて帰化選手になれるよう活躍して欲しいです。

ボラセパマレーシアJP的順位予想 4位スランゴールFC

2020年シーズン成績:リーグ5位 – 4勝5分2敗 得点26 失点19

昨季はシーズン途中でB・サティアナタン監督がチーム不振から解雇になるなど思うような成績を残せなかったスランゴールFC。過去5年まで遡っても2016年シーズンから5位、6位、8位、3位、5位と「赤い巨人」と恐れられたリーグ盟主の座はJDTに奪われたままです。

そこで今季、クラブは方針を大転換し、5年ぶりの外国籍監督となるJリーグ元浦和コーチのカルステン・ナイチェル監督を招聘。また外国籍選手もアセアン(東南アジア)枠のDFサフアン・バハルディン(シンガポール)、そして昨季のゴールデンブーツ受賞者でナイジェリア出身のFWイフェダヨ・オルセグン(今季からバーレーン国籍を取得しアジア枠で登録)の2選手以外は入れ替えを行いました。ナイチェル監督とマイケル・ファイテンバイナー テクニカルディレクターのドイツコネクションを通じてDFテイム・ホイバッハ(イスラエル1部マカビ・ネタニャより加入)、攻撃的MFオリヴァー・バフ(スイス2部グラスホッパーから加入)、守備的MFマヌエル・コンラート(ドイツ3部KFCユルディンゲン05から加入)を獲得しています。

なおMリーグ1部各クラブの外国籍選手は5名の登録が可能ですが、大半のクラブはストライカー、ミッドフィルダー、センターバックの3ポジションに加えて、ストライカーをもう1人、そしてミッドフィルダーかディフェンダーをもう1人というのが一般的ですが、スランゴールは守備的MFのコンラートを含め3選手が守備の選手となっています。スランゴールは昨季のマレーシア人選手得点王のFWシャーレル・フィクリをペラから獲得しており、昨季の外国籍選手、マレーシア人選手の両方の得点王を揃えた攻撃陣はこれで万全、外国籍選手には守備を任せようということなのでしょう。

昨季5位のスランゴールですが、12ゴールでリーグ得点王となったオルセグンは上位4チームからは2ゴールしか挙げられておらず、特にJDTとクダ戦では無得点、またマレーシア人得点王のシャーレル・フィクリもこの2チーム相手では無得点と、上位に弱い体質が改善できるかどうかがカギになりそうです。昨季の失点19はリーグ8位の成績で、新外国籍選手を中心とした守備陣の奮起なければ4位以下の成績もあり得ます。

<ボラセパマレーシアJP的注目選手>
ニック・シャリフ
昨季後半にパハンFA(現スリ・パハン)に彗星のように現れたニック・シャリフを他のクラブとの争奪戦に勝って獲得したスランゴールですが、先日の報道ではケガのため開幕絶望となっています。新たな環境で昨季のような活躍を見せられるかが注目でしたが、リーグ後半までは出場はなさそうです。

シャミ・サファリ
一方のシャミ・サファリは攻撃参加のできるサイドバックとしても、ウイングとしてもプレーできる選手ですが、その器用さが幸いして昨季はポジションが一定しませんでした。監督が代わり起用法も変われば、代表でもレギュラー定着が見えてきそうです。

3月3日のニュース:AFCカップ集中開催地決定-Mリーグの2チームいずれもはシンガポール、青年スポーツ省は開幕2ヶ月後にMリーグの観戦許可を政府に申請、スランゴールのニック・シャリフはケガで開幕絶望

AFCカップ集中開催地決定-Mリーグの2チームいずれもはシンガポール
 アジアサッカー連盟AFCは今季2021年シーズンのAFCカップグループステージの開催国を発表しています。なお今季のグループステージは集中開催となることが決定してます。
 Mリーグからは昨季1部スーパーリーグ2位のクダ・ダルル・アマンFCと3位のトレンガヌFCがAFCカップに出場しますが、両チームが所属するアセアン(東南アジア)地区は、クダ・ダルル・アマンFCが所属するH組、トレンガヌFCが所属するG組ともマレーシアの隣国シンガポールでの集中開催が決まりました。
 集中開催地については、各組の参加チームの出入国の際に検疫隔離が必要とならないことなどが立候補の条件となっていたことから、現在、渡航者全員に検疫隔離を求めているマレーシアは集中開催地に立候補していませんでした。
 なおクダ・ダルル・アマンFCが所属する予選H組にはライオンシティーセイラーズ(シンガポール)、サイゴンFC(ベトナム)とアセアン地区プレーオフ2の勝者により、またトレンガヌFCが所属する予選I組にはゲイランインターナショナルFC(シンガポール)、カヤ-イロイロFC(フィリピン)と、AFCチャンピオンズリーグプレーオフに出場中のシャン・ユナイテッドFCまたはエーヤワディー・ユナイテッドFCのいずれかにより構成されています。なおアセアン地区の予選G組については、まだ集中開催地が決定していません。
 他の地区の集中開催地などの詳細はこちらです。

青年スポーツ省は開幕2ヶ月後にMリーグの観戦許可を政府に申請
 マレーシア国内のスポーツを監督する青年スポーツ省は政府に対してMリーグの試合観戦許可についての申請を検討しているとマレーシアの通信ブルナマが報じています。
 昨季は新型コロナウィルスによる移動制限令が発動された3月半ば以降のMリーグの試合は全て無観客で開催され、今季リーグ戦も現時点では無観客での開催が決まっています。
 青年スポーツ省のリーザル・メリカン大臣は、(観戦許可を決定する)国家安全委員会と保健省に観戦者の安全について検討するための時間を与えたいとして、スポーツバブル方式を採用するMリーグが開幕してから2ヶ月ほど様子を見た後に観戦許可の申請を行いたいと話しています。
 人数の制限は行うものの観客を入れてのMリーグ開催は、新型コロナウィルスにより停滞した国内スポーツの活性化を目指す青年スポーツ省にとっても重要な目標であると話すリーザル・メリカン大臣は、さらにMリーグの選手や監督、コーチはスポーツ選手を対象とした第二次ワクチン接種プログラムの対象となっていることも明かしています。東京オリンピックとパラリンピックの予選あるいは本戦出場が決まっている各競技の選手264名を対象とした第一次接種が来月4月に予定されており、Mリーグの選手らはそれに続いてワクチン接種を受けるということです。

スランゴールのニック・シャリフはケガで開幕絶望
 Mリーグ1部スランゴールFCに移籍したニック・シャリフ・ハセディが足首のケガで開幕絶望とサッカー専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 昨季はパハンFA(現スリ・パハンFC)でウィングとしてプレーし、終盤はゴールを量産した23歳のニック・シャリフ選手は、今季からスランゴールFCに加入しましたが、練習中に足首を痛めたということで、先日行われたクアラルンプール・ユナイテッドとの連邦直轄地大臣杯には出場しませんでした。なおスタジアムアストロによると、ケガは5週間から6週間の療養が必要ということです。
 またスタジアムアストロは、やはり今季スランゴールFCに加入したシャーレル・フィクリも連邦直轄地大臣杯の試合開始からわずか1分で交代しており、こちらもケガが疑われていますが、クラブからの公式発表は出ていないということです。

3月2日のニュース:FAMが役員選挙を前に候補者を発表、ブラジル出身のデ・パウラが帰化選手として登録、MFLは今季9億円近いスポンサーを獲得、連邦直轄地大臣杯はKLユナイテッドが勝利もサポーターがモンキーチャント

FAMが役員選挙を前に候補者を発表
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で2021年から2025年までの任期を務める新役員選挙を前に候補者のリストを発表しています。なお新役員選挙は3月13日に予定されているFAM年次総会で投票が行われます。
 今年1月13日から2月11日までが候補者の指名期間となっており、FAM傘下の各州サッカー協会など20団体から、会長、会長代理、副会長及び常任理事の候補者として全34名が指名を受けていましたが、この34名中、候補者となるために必要な最低指名数を得られなかった6名は候補から外れ、残る28名が正式な候補者となっています。なお会長候補者、会長代理候補者および副会長候補者は、それぞれ最低6団体、5団体、4団体からの指名が必要となり、常任理事は最低2団体からの指名が必要です。
 正式な候補者となった28名中1名が指名を拒否したことから、最終候補者は27名となりましたが、この27名はさらにマレーシア王立警察と汚職防止委員会の審査を経て正式候補となりました。
 なお、この27名の候補者のうち、会長は現職のハミディン・アミン会長が、さらに2名の会長代理も現職のモハマド・ユソフ・マハディ会長代理と、元スランゴール州サッカー協会財務担当者のS・シヴァスンダラム氏が、いずれも対立候補がいないことから無投票で当選が決まっています。この他、4名が選ばれる副会長には5名が、女性2名を含む10名の理事には女性2名を含む19名が候補者となっています。

ブラジル出身のデ・パウラが帰化選手として登録
 Mリーグ1部のペラは、ブラジル出身のFWギリェルメ・デ・パウラが今季はマレーシア人選手として登録されることを公式Facebookで発表しています。
 2015年にスランゴールに入団し、その後はPDRM、クアラルンプールを経て昨季2020年シーズンからペラでプレーする34歳のデ・パウラ選手は、モハマドゥ・スマレ(JDT)、リリドン・クラスニキ(JDT II)に続くマレーシア人の血を引かない3人目の帰化選手となりました。
(デ・パウラ選手の帰化選手登録を伝えるペラFCの公式Facebookへの投稿)

MFLは今季9億円近いスポンサーを獲得
 マレーシアの通信社ブルナマは、Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLが今季リーグに向けて、放映権料を含めるとこれまでに3340万リンギ(およそ8億7800万円) のスポンサーを獲得したと報じています。
 今季のMリーグの開幕イベントの席上でマレーシアサッカー協会会長でもあるハミディン・アミンMFL会長は、その詳細を明かさなかったもののMFLは現在競技中のものも含まるとさらにスポンサーが集まる可能性も示唆しています。
 「現時点ではスポンサー料と放映権料も合わせると3342万8000リンギが集まっている。しかもこれはコロナ禍でなんとか集めたものであり、この他にも現在も協議中のスポンサーもおり、この金額は今後さらに増える可能性が高い。」とイベントの最後に行われた記者会見の席で話したということです。
 MFLは昨年11月に昨季のMリーグ1部スーパーリーグの冠スポンサーだった国内第二の金融グループCIMB社と格安航空会社のエアアジア社がスポンサー契約を中断しています。(ただしエアアジア社はその後、今季のスポンサー契約を検討すると発表しています。_

連邦直轄地大臣杯はKLユナイテッドが勝利もサポーターがモンキーチャント
 同じ首都圏に本拠地を持つスランゴールとクアラルンプール・ユナイテッド(KLユナイテッド)が対戦した連邦直轄地大臣杯は、今季から1部スーパーリーグでプレーするKLユナイテッドが昨季1部で5位のスランゴールをPK戦4−2で破り、第一回のチャンピオンとなっています。
 KLユナイテッドの本拠地クアラルンプールフットボールスタジアムで行われたこの試合は、前半はスランゴールが、後半はKLユナイテッドが押し気味に進めたものの、90分間を終えて0-0となりPK戦へと突入し、KLユナイテッドは主将のパウロ・ジョズエ以下、ドミニク・ダ・シルヴァ、ハディン・アミン、インドラ・プトラ・マハユディンの4名がゴールを決めたの対し、スランゴールのゴールはサフアン・バハルディンとイフェダヨ・オルセグンの2選手が決めただけでした。
 しかし無観客で行われたこの試合では、スタジアムの外に集まったKLユナイテッドサポーターが発煙筒を焚いたり、明らかにオルセグン選手に向けて人種差別的なモンキーチャント(猿の鳴き真似)を行ったりするなど非常に悪質な行為を行なったことにより、印象が良くない試合となったと英字紙ニュースとレイトタイムズは報じています。

2月24日のニュース:開幕を前に少なくとも5クラブが給料未払い問題あり、スランゴールはドイツ出身MF獲得で外国籍枠5つが埋まる、PDRMも外国籍枠4選手を発表

開幕を前に少なくとも5クラブが給料未払い問題あり
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版は、3月5日のMリーグ開幕まで2週間を切ったこの時期に、少なくとも5つのMリーグクラブで給料未払いが発生していると報じています。
 今季からアジアサッカー連盟の「指導」のもと、州サッカー協会が運営し、州政府からの公金を主な運営資金としていた多くのMリーグクラブは運営会社を設立して民営化されています。
 この記事では名前は明かされていないものの、Mリーグ1部の4クラブと2部の1クラブで給料が未払いとなっているということで、昨年12月から契約が始まっているクラブでは12月分の給料から、また今年1月から契約しているクラブからは1月分の給料の支払いが滞っているということで、間も無く2月も終わるとして選手の中からは不安の声が出ていると報じています。
*****
 今季のMリーグでプレーするためのマレーシアサッカー協会FAMによるクラブライセンス発給審査では、条件付きも含めると今季Mリーグ1部と2部でプレーするすべてのクラブにクラブライセンスが交付されている一方で、この報道が事実だとすると、FAM、そして今季からそれを引き継ぐMFLの審査そのものが機能していないということになるのですが、FAMとMFLからはまだコメントが出ていないようです。

スランゴールはドイツ出身MF獲得で外国籍枠5つが埋まる
 Mリーグ1部スランゴールは公式サイトでドイツ出身のMFマヌエル・コンラートの加入を発表しています。「マヌ」の愛称を持つ32歳のコンラート選手は、昨季までの2年間はドイツ3部リーグのユルディンゲン05で、その前にはドイツ2部ディナモ・ドレスデンでのプレー経験もある選手で、今季からスランゴールの指揮を取るカルステン・ナイチェル監督とは、ナイチェル監督がドイツ1部フライブルクのリザーブチーム、フライブルグIIでの監督時代に選手だったこともあります。、
 ドイツ出身でJリーグ浦和でのコーチ経験もあるカルステン・ナイチェル監督を今季新たに迎えたスランゴールは、ナイジェリア出身で昨季は11試合で12ゴールを挙げゴールデンブーツ受賞したイフェダヨ・オルセグンがバーレーン国籍を取得したことによりアジア枠外国籍選手となった結果、コンラート選手の他、同じドイツ出身のDFティム・ホイバッハ、そしてスイス出身の攻撃的MFオリバー・バフの3選手が新たに加盟し、Mリーグ6年目、スランゴールでは3年目のシーズンとなるアセアン枠のサフワン・バハルディン(シンガポール)とともに5名の外国籍選手が所属しています。
(コンラート選手の加入を伝えるスランゴールFC公式Facebookの投稿より)

PDRMも外国籍枠4選手を発表
 Mリーグ2部のPDRMは公式Facebookで今季の外国籍選手4名を発表しています。
 滋賀県出身のFW鈴木ブルーノ選手は、Mリーグ2部ヌグリスンビランや同1部トレンガヌ、2部でトレンガヌのセカンドチームであるトレンガヌIIでプレーしMリーグ5年目を迎える「ベテラン」です。なお昨季はトレンガヌIIで主将を務めました。
 またナミビア出身のFWリザラス・カイムビもMリーグ4年目を迎える選手で、これまでは2部ケランタンや1部パハンでのプレー経験があります。
 この他、PDRMにはジンバブエ出身のDFビクター・カムフカとガーナ出身の守備的MFアレクサンダー・アムポンサが加入しています。カムフカ選手は30歳で、昨季はミャンマー1部リーグのエーヤワディーユナイテッドした193cmのセンターバック、また同じミャンマー1部のラカイン・ユナイテッドから移籍したアムポンサ選手はまだ23歳で、ガーナの年代代表でのプレー経験もあるということです。
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 昨季2020年シーズンは開幕前に給料未払い問題により勝点3を剥奪され、リーグ戦でも0勝2分9敗、しかも前代未聞の勝点マイナス1という成績で2部降格となったPDRMですが、Mリーグ経験者の鈴木、カイムビ両選手を中心に1シーズンでの1部復帰を目指します。
(左上から時計回りで鈴木ブルーノ、リザラス・カイムビ、ビクター・カムフカ、アレクサンダー・アムポンサの4選手-PDRMの公式Facebookより。)

2月23日のニュース:ペラのドゥラコビッチ監督は自ら契約解除を希望、スリ・パハンはアグエロに帰化選手化計画、タイ1部リーグ20節・21節-エルドストールは2戦フル出場もタンは1戦のみ出場、連邦直轄地大臣杯でクランダービーが実現、ヤクルトは今年もマレーシア若手選手のC大阪派遣を支援

ペラのドゥラコビッチ監督は自ら契約解除を希望
 家族との時間を大事にしたい。突然明らかになったMリーグ1部ペラのメフメト・ドゥラコビッチ監督の契約解除問題は、昨日2月22日夕刻にドゥラコビッチ監督自身が記者会見を開き、自身の意思で契約解除を申し出たことが明らかになりました。
 クラブの本拠地があるペラ州イポーで開かれた会見でドゥラコビッチ監督は、新型コロナウィルスを理由にオーストラリアに残した家族の元に戻ることを自ら希望したと話し、難しい決断であったと述べ、契約解除については2月19日に合意されていたことを明かしています。「自分自身がこの決断を悲しく思う。昨年から続く新型コロナウィルスにより、家族と離れ1人孤独だった。そして今年も同じ状況であることから家族の元に戻ることにした。」と話すドゥラコビッチ監督の後任には元クアラルンプールFA(現クアラルンプール・ユナイテッド)監督のチョン・イーファット氏が就任するということです。
*****
 選手からの人望も集めていたとされるドゥラコビッチ監督の契約解除は、開幕まで2週間を切ったこの時期だけに、果たして額面通りの理由なのかどうか疑わしいですが、真相は明らかになることはなさそうです。

スリ・パハンはアグエロに帰化選手化計画
 Mリーグ1部スリ・パハンは今年2年契約を結んだばかりのFWセルジオ・アグエロ(注:マンチェスターシティのアグエロとは別の選手です)を今季はMリーグ2部のクラブに期限付き移籍させる計画があると英字紙スターが報じています。
 アルゼンチン出身で26歳のアグエロ選手は、2017年にはMリーグ1部マラッカ・ユナイテッド、2018年には同2部スランゴール・ユナイテッド(現在はクラブは解散)、2019年は同2部ペナンFA(現ペナンFC)、そして昨年2020年は同3部のKLローヴァーズでプレしており、今年2021年でマレーシア国内でプレーし始めてから5年目となることから、スリ・パハンは来季にはアグエロ選手を帰化させる計画があるということです。
 スリ・パハンのトーマス・ドゥーリー監督はアグエロ選手の練習熱心さを評価した上で、「アグエロ選手が帰化選手となれば是非、起用したいが、現状ではベンチを温める可能性が高いので、他のチームで試合経験を積んだ後、逞しくなって2022年シーズンに再びスリ・パハンに戻ってきることが、彼にとってもチームにとっても最善である。」と話しています。
 なおスリ・パハンはウクライナ出身で同国年代代表経験もあるFWイェウヘン・ボハシュヴィリをインドネシア1部PSSスレマンから獲得しています。ドゥーリー監督はこのボハシュヴィリ選手をFWペドロ・エンリケ・オリヴェリア(バングラデシュ1部シェイク・ラッセルKCから移籍、2019年にはMリーグ1部PJシティでプレー経験あり)とともに前線に配置し、トレンガヌから移籍の攻撃的MFリー・タックは中盤で司令塔して起用、新加入のDFママドゥ・ワグ(キプロス2部アルキ・オロクリニから移籍)はかつてチームメートでもあったチーム3年目のDFエラルド・グロンと組んで最終ラインを任せるという外国籍選手の起用法も明らかにしています。
 その一方でJDTやクダ・ダルル・アマン、スランゴールほどの資金はないとし、一部主力選手が残留しなかったことや自身が希望した選手は獲得できなかったこと、そして主力と控えの差が大きいことなどを挙げ、昨季のリーグ8位から少しでも上位を目指したいと弱気な発言もしています。

タイ1部リーグ20節・21節-エルドストールは2戦フル出場もタンは1戦出場のみ
 タイ1部リーグ第20節が2月17日と18日に、第21節が2月20日と21日に開催されました。第20節ではDFジュニオール・エルドストール (タイでの登録名はプテラ・ナデール・アマルハン・マダナー)が所属するチョンブリーはPTプラチュワップと対戦し0−1で敗戦しています。なおエルドストール選手はスタメンでフル出場しています。一方、DFドミニク・タンが所属するポリス・テロはラーチャブリー・ミトポンと対戦し0-4と大敗し、タン選手は先発出場したものの、45分に交代しています。
 続く第21節はチョンブリーとポリス・テロが対戦し、マレーシア代表経験者コンビが直接対決を果たし、試合はチョンブリーが1-0と勝利しています。この試合はエルドストール選手は4試合連続となる先発でフル出場を果たしましたが、タン選手はベンチ入りしたものの出場機会はありませんでした。
 第21節を終了して、チョンブリーは8勝2分11敗で10位、ポリス・テロは7勝4分10敗で11位となっています。
 なおタイ2部リーグのノーンブワ・ピッチャヤに移籍したニコラス・スウィラッドはベンチ入りしませんでした。

連邦直轄地大臣杯でクランダービーが実現
 マレーシアの通信社ブルナマはMリーグ1部のクアラルンプール・ユナイテッド(KLユナイテッド)が同1部のスランゴールと対戦する連邦直轄地大臣杯の詳細を報じています。クアラルンプールはプトラジャヤやラブアンとともに、どの州にも属さない連邦直轄地です。
 プレシーズンマッチとして2月27日にKLユナイテッドの本拠地KLフットボールスタジアムで開催されるこの試合は、プリハティン杯(プリハティンはマレーシア語で「気遣い」の意味)の別名もつけられており、アストロ・アリーナで中継されるこの試合の放映権料の一部はチャリティに寄付されることにもなっています。
 KLユナイテッドの運営理事会メンバーで前連邦直轄地大臣のカリド・アブドル・サマド氏は、この試合はクラブが目指す長期計画の一環として開催され、ファンディ・アフマッドがいた頃の栄光を取り戻すための第一歩とするだけでなく、地元クアラルンプールでのサポーター獲得にもつなげたいと話しています。
 またこの大会詳細発表の記者会見にはアヌアル・ムサ現連邦直轄地大臣も出席し、(連邦直轄地)のクアラルンプールを代表するクラブを成功させる責任があるとして、民営化されたクラブに対して練習施設の提供などを行なっていきたいと話しています。
 2年ぶりに1部へ復帰となるKLユナイテッドは同じ昇格組のペナンFCと3月6日の開幕戦で対戦します。
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 クアラルンプールとそれを囲むように存在するスランゴール州はその地域を流れるクラン川の流域にあることから、クランバリー(クラン渓谷)と呼ばれること多く、その中でも1980年代半ばから後半にかけてファンディ・アフマッド、マレク・アワブ、K・カナンのシンガポールトリオの活躍で1987年からMリーグでは2位、優勝、2位、またマレーシアカップでは1987年から3連覇を果たすなど当時は国内最強のチームでした。

ヤクルトは今年もマレーシア若手選手のC大阪派遣を支援
 今年も若い選手の育成を支援。英字紙ニューストレイトタイムズは、ヤクルト・マレーシア社がマレーシアの若手選手を日本に派遣するマレーシアドリームプロジェクトについて発表を行ったことを報じています。
 2018年にマレーシア、タイ、ベトナムの3カ国が参加して開催されたアセアンドリームプロジェクトとして始まったこのプロジェクトは、翌2019年にはベトナムに代わりミャンマーが参加して行われまし、このプロジェクトでは各国5名、計15名の参加者はセレッソ大阪での練習参加やJリーグの試合観戦などを経験しました。
 セレッソ大阪とアセアン(東南アジア)は戦略パートナー契約を結んでいるヤクルトの濱田浩志社長はセレッソ大阪の森島寛晃社長はオンラインで新たに契約を更新し、2021年の今回はマレーシアからより多くの選手が参加できるよう、単独で15名が参加するマレーシアドリームプロジェクト2021と名称となることを明かし、より多くのマレーシア人選手にセレッソ大阪での指導や練習試合参加などを経て経験を積んでもらいたいと考えており、新型コロナウィルスの感染がおさまればすぐにプロジェクトを実行したいと話しています。

2月7日のニュース:今月予定の代表合宿が中止に、ベトナムサッカー協会もW杯予選の6月集中開催に同意、FIFAがパハン州FAに未払い給料1億2600万円の支払いを命じる、前スランゴールのスウィラッドがタイ2部クラブと契約

今月予定の代表合宿が中止に
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は今月2月に予定されていた代表合宿が中止になったことを報じています。代表が最後に合宿を行ったのは2019年11月で、来月3月に再開予定のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選を控え、1年3ヶ月ぶりの代表合宿が予定されていました。
 タン・チェンホー監督は1月13日にサラワク州を除くマレーシア全土に施行された活動制限令MCOが2月16日まで延期になったことを受け、このMCO中は各選手が所属するクラブの練習が禁止されており、招集する選手の体調が万全でないことを合宿中止の理由に挙げています。
 「(10日間が予定されていた)代表合宿に自宅のみで練習している選手を招集しても、簡単にケガをする可能性があり、そうなれば誰にとっても利益にならない。」と話すタン監督はマレーシアサッカー協会FAMと話し合いの末、来月のFIFAマッチデー期間に短期の合宿を行う予定であることも明らかにしています。
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 この次の記事でも取り上げますが、W杯アジア二次予選が6月の集中開催となることが濃厚となったことで、この時期に無理して合宿を行う必要がなくなったことが大きな理由でしょう。しかし、3月のFIFAマッチデー期間は3日しかなく、新戦力を試す時間もないため、6月に再開されるW杯予選に向けての選手選考は来月開幕するMリーグでの調子を見て、ということになりそうです。

ベトナムサッカー協会もW杯予選の6月集中開催に同意
 ニューストレイトタイムズはこれまで態度を表明してこなかったベトナムサッカー協会VFFが現在中断中のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選の6月集中開催案を支持することを発表したと報じています。
 W杯アジア二次予選ではベトナム、マレーシア、タイ、アラブ首長国連邦UAE、インドネシアが予選G組に入っていますが、ベトナムを除く4カ国は既に6月の集中開催案に同意しており、ベトナムだけが態度を表明していませんでした。
 トラン・クオック・トゥアンVFF副会長は、アジアサッカー連盟AFCの決定を尊重し、また多くの国が新型コロナウィルス感染によって苦境にあるとし、W杯アジア二次予選の残り試合を集中開催で行うことに同意すると発表しています。なおG組の集中開催地はアラブ首長国連邦が濃厚ということです。

FIFAがパハン州FAに未払い給料1億2600万円の支払いを命じる
 FIFAはパハン州サッカー協会(パハン州FA)に対し、未払いとなっている120万米ドル(およそ1億2600万円)の給料をモハマド・スマレに支払うよう命じたと、ニューストレイトタイムズが報じています。
 パハン州FAが運営するパハンFA(現スリ・パハン)に昨季まで所属していたスマレ選手は、新型コロナウィルスによるリーグ中断期間中の昨年8月に未払い給料を理由にチームを離れ、タイ1部ポリス・テロFCに電撃移籍していました。
 今回のFIFAによる支払裁定は、スマレ選手からFIFAに持ち込まれた未払い給料に関する訴えについて裁定を下した結果です。
 ニューストレイトタイムズは、スマレ選手とパハンFAの間で1年ごとに5000米ドルの昇給が取り決められていた一方で、スマレ選手は2017年のパハンFA加入後は一度も昇給していないと主張していることも報じています。なおFIFAが算定した120万米ドルは昇給予定分の総額と2020年および2021年の契約違反の罰金の総額だとし、この金額はFIFAの裁定によりMリーグの選手が受け取った金額としては、ケランタンFA(現ケランタンFC)がやはりかつて所属したカッシオ・デ・ジェズスに支払った62万9620リンギ(およそ1630万円)を超える過去最高金額だということです。
 なおこの裁定を受け、パハン州FAは45日以内にスマレ選手に120万米ドルを支払うか、10日以内にスポーツ仲裁裁判所CASに控訴することが可能で、いずれかの対応を行わない場合、パハン州FAはFリーグでの勝点剥奪や新たな選手獲得の禁止などの処分がFIFAにより課されるということです。

前スランゴールのスウィラッドがタイ2部クラブと契約
 昨季2020年シーズンはスランゴールでプレーしたDFニコラス・スウィラッドがタイ2部リーグのノーンブワ・ピッチャヤFCと契約したことを英字紙スター電子版が報じています。
 29歳のスウィラッド選手は英国マンチェスター出身ですが、マレーシア人の母親を持つことからマレーシアの国籍取得後に帰化選手として2016年のJDT II加入以降、マラッカ・ユナイテッド、PKNSなどでもプレーしています。
 スウィラッド選手が加入するノーンブワ・ピッチャヤFCは現在、タイ2部リーグで14勝5分0敗、勝点47の成績で2位に勝点8差をつけて首位を快走しています。
 「(かつてJDT IIでチームメートだった同じく英国出身の帰化選手)ダニエル・ティングと今季はKLユナイテッドでプレーできると思っていたが、KLユナイテッドはレフトバックの選手を探していて実現しなかった。そんな時にノーンブアからの獲得オファーを受け、そこで早速、テイラー(リガン、サラワク・ユナイテッド)やブレンダン(ガン、スランゴール)、パトリック(ライヒェルト、タイ1部スパンブリーFC-かつてマラッカ・ユナイテッドでチームメート)らに相談し、タイ移籍を勧められた。」
 「ノーンブアは何もないところでバンコクからは8時間ほど離れているが、サッカーするには良い環境だと聞いているので、チャレンジすることを選んだ。」と話すスウィラッド選手は、この移籍が今後の代表チーム招集につながることも期待しているとも話しています。
 スウィラッド選手の移籍で、現在、タイでプレーするマレーシア人選手はドミニク・タン(ポリス・テロFC)、ジュニオール・エルドストール(チョンブリーFC)に続き3人目となりました。

2月3日のニュース:W杯アジア二次予選-マレーシアはUAEでの6月集中開催を希望、プロ選手会-これ以上のリーグ延期は国内サッカー産業全体への悪影響を及ぼす、スランゴールが今季のホームユニフォームを発表

 毎日発表される新規感染者数が高止まりしているマレーシアでは、2月4日終了予定だった活動制限令MCOが2月16日まで延長されることが発表されました。Mリーグ各クラブは今季開幕まで最低でも3週間の練習期間が必要とされていることから、3月4日に延期された開幕日がさらに延期される可能性も出てきました。

W杯アジア二次予選-マレーシアはUAEでの6月集中開催を希望
 FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選でマレーシアはベトナム、タイ、アラブ首長国連邦UAE、インドネシアとともに予選G組に入っています。当初は3月予定されていた予選再開についてアジアサッカー連盟AFCは、新型コロナウィルスの影響が各国で異なることから各予選組内での合意に従ってフォーマットや日程変更を認めるとしています。
 昨日2月2日の新規感染者数が3400名超と新型コロナウィルス感染の収束が見られないマレーシアはタイ、インドネシアとともにUAEでの6月集中開催を求めていますが、現在、予選G組首位のベトナムはこの6月開催に対して態度を明確にしていないとされています。これについてマレーシアの通信社ブルナマはAFCが多数派の意見を聞き入れた上で、6月開催に同意することを望んでいると報じています。
 マレーシアサッカー協会FAMのモハマド・ユソフ・マハディ会長代理は、ベトナム以外の予選G組各国が6月集中開催に同意しているとして、AFCが6月開催に同意した上で、態度を明確にしていないベトナムにも6月開催への同意を求めるよう働きかけてほしいと話しています。
 モハマド・ユソフ会長代理は、FAMは現在、AFCの決定を待っており、それの決定を待って今後の代表のスケジュールを決定したいとしています。代表チームのチームマネージャーでもあるモハマド・ユソフ会長代理は、ベトナムと比べるとUAEは国外のチームを招いた試合をより多く開催しているとし、UAEが集中開催地として望ましいとしています。

プロ選手会-これ以上のリーグ延期は国内サッカー産業全体への悪影響を及ぼす
 今季開幕が当初の2月16日から3月5日に延期された今季のMリーグについて、これ以上の延期、あるいは今季中止といった事態が起これば、選手や監督、コーチを含めた現場だけでなく国内サッカー産業全体に悪影響を及ぼすとマレーシアプロサッカー選手会PFAMが警告しています。
 PFAMのイズハム・イスマイルCEOは、Mリーグは利益を享受する関係者全員が互いに関連し合っているとした上で、選手はクラブの影響を受け、クラブはスポンサーの影響を受け、さらにスポンサーは試合放映の影響を受けるとし、試合が行われればその放映を見るファンの支持も得られ、産業としてのサッカーへの投資家も繋ぎ止められる一方で、この連鎖がリーグ延期や中止で断ち切られることになれば、国内サッカー産業全体に計り知れないほどの悪影響が起こるとしています。
 「国内サッカー産業にはW杯予選参加中の代表チームも含まれており、再開予定のアジア二次予選の準備にも大きな悪影響が出るだろう。またシーズンパスやチームグッズを購入しているサポーターにとってもリーグ延期や中止は損失となる。」と話すイズハムCEOは、国家安全保障委員会NSCに対して、リーグが再開している欧州各国を参考に、Mリーグが厳格な標準作業手順SOPに従うことを条件として今季開幕を求めたいとしています。
 「SOPを遵守している各クラブがスタジアムで試合を行えば、関係者以外の立ち入りを禁止して感染予防が可能となる。また無観客試合で開催となっても試合が放映されればスポンサーが撤退することも防ぐことができる。これは既に欧州で実施されており、マレーシアでも十分可能である。」とイズハンCEOが話す一方で、今季からKLユナイテッドでプレーするサフィー・サリPFAM会長は、リーグが延期あるいは中止になれば、唯一の収入源を失うプロサッカー選手は感情的、精神的に大きな影響を受けるとして、開幕延期までは許容できても、各クラブが未払い給料問題を抱える可能性がるとしてリーグ中止は受け入れられないとしています。

スランゴールが今季のホームユニフォームを発表
 Mリーグ1部の*スランゴールは公式サイト上で、今季2021年シーズンのホームユニフォームを発表しました。今季のユニフォームはマレーシアサッカー史を語れば必ずその名が上がるスランゴールのレジェンド選手、モクタル・ダハリがエースだった1986年にスランゴールが着用していたユニフォームと同じ色使いを基調としています。
 国内最高のエリートアカデミーにもその名を残すモクタル・ダハリはこの1986年にチームを27度目となるマレーシアカップ優勝へ導いています。
 このユニフォームの赤、黄、緑の色使いはチームの最大のサポーターとも言えるスランゴール州皇太子の旗を模しており、当時の皇太子、現在はスランゴール州スルタンとなったスルタン・シャラフディン・イドリス・シャー殿下に敬意を表したものになっています。また近年のユニフォームでは左胸につけられているチームのエンブレムが、当時と同じように右胸につけられているのも特徴ということです。
 また今季のユニフォームはレトロなデザインの一方で、内襟にはクラブ創設85周年を記念する文言が入っていたり、背中側にはモクタル・ダハリのシルエットが描かれていたりと、今風のデザイン変更も施されています。
 最後のマレーシアカップ優勝が2015年、リーグ制覇は2010年とタイトルから遠ざかっているスランゴールにとって、このユニフォームがチームにかつての栄光を取り戻すインスピレーションとなることを経営陣は期待しているということです。
 Joma社製のこのユニフォームはプロモデルが109リンギ(およそ2830円)で販売中で、廉価版となるサポーターモデルは今月半ばの中国正月(旧正月)後に価格が発表されるということです。
(写真左は当時のユニフォームそっくりのレプリカ、右が今季のユニフォーム)

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 1986年と言えば、まだタバコメーカーが堂々とスポーツイベントに広告を出せる古き良き時代で、当時はダンヒルがMリーグ全体のスポンサーでした。左のユニフォーム写真を見るとわかりますが、Mリーグの他のチームのユニフォームの胸にもダンヒルの文字が踊っていましたが、今からは想像もつかないですね。

 *今季2021年シーズンよりMリーグの大半のクラブの名称が民営化により「○○FC」となるため、今後、このブログではクラブ名からFCを省いて表記します。

1月28日のニュース:スランゴールFCにスイス出身MFが加入、スランゴールFCのナイジェリア出身FWがアジア枠に変更か、スリ・パハンFC前監督がチームマネージャーに就任、マレーシアでも故ベングロシュ氏を悼む声

スランゴールFCにスイス出身MFが加入
 Mリーグ1部のスランゴールFCは公式サイト上で、スイス出身のMFオリヴァー・バフと契約したことを発表しています。
 U15からU21スイス代表でのプレー経験があるバフ選手は、2012年のロンドンオリンピック出場経験がある他、2009年のU17W杯で優勝したスイスU17代表のメンバーとして、大会7試合中6試合に出場しています。
 28歳のバフ選手はFCチューリッヒのユース出身で、2010年から2017年までトップチームでプレーした後、スペイン2部リーグのレアル・サラゴザ、キプロス1部リーグのアノルトシス・ファマグスタ、スイス2部グラスホッパー・クラブ・チューリッヒを経て、スランゴールFCに加入しています。
 アジアでプレーするのは今回が初めてのバフ選手はスランゴールFCからオファーを受けた後、カルステン・ナイチェル監督、そしてマイケル・ファイヒテンバイナーTD(テクニカルダイレクター)と話をする機会があり、2人からクラブの今後の計画を聞いた上で入団を決めたことも明かしています。
 またナイチェル監督もかつて自身が監督を務めていたドイツのクラブでこのバフ選手を獲得しようとしたものの実現しなかったこと、そしてFCチューリッヒ時代からバフ選手に関心を持っていたことを明かした上で「状況判断力があり攻守ともに質が高いバフ選手はスランゴールFCの若い選手の良い手本となりうる。スランゴールFCでは持てる力を全て発揮してほしい。」と話しています。

スランゴールFCのナイジェリア出身FWがアジア枠に変更か
 同じスランゴールFCのナイジェリア出身FWイフェダヨ・オモスイが、今季2021年シーズンはアジア枠外国籍選手として登録される可能性をスポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会のシャーリル・モクタル会長代理によると、昨季のMリーグ1部の得点王でもあるイフェダヨ選手は現在、バーレーン国政機獲得の手続きを行なっているということです。これが実現すれば、アジアサッカー連盟のメンバーであるバーレーン国籍保持者はアジア枠外国籍選手としての登録が可能となります。
 スランゴールFCの今季の外国籍選手はこのイフェダヨ選手の他、上の記事で取り上げたバフ選手、ドイツ出身のDFティム・ホイバッハ、スリ・パハンから加入したアセアン東南アジア枠のMFサフアン・バハルディン(シンガポール)の4名が確定していますが、イフェダヨ選手がアジア枠となれば欧州やアフリカ、あるいは南米出身の選手の獲得も可能になります。

スリ・パハンFC前監督がチームマネージャーに就任
 Mリーグ1部のスリ・パハンFC(前パハンFA)は元アメリカ代表主将としてW杯出場経験もあるトーマス・ドゥーリー新監督が就任しましたが、昨季まで監督を務めたドラー・されー前監督は今季からスリ・パハンFCのチームマネージャーに就任すると、マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 スリ・パハンFCのモハマド・スフィアン・アワンCEOは2人の「レジェンド」が協力することで、チームに好影響がもたらされることを期待していると話しています。「2人はいずれも選手として国際舞台も含めた豊富な経験を持っており、外国籍選手を含めた選手の力を引き出してくれるだろう。」と期待を述べています。
 選手として2大会のW杯出場の他、アメリカ代表のアシスタントコーチやフィリピン代表監督の経験もあるドゥーリー新監督に対して、ドラー前監督は選手としてはマレーシア代表として74試合に出場、監督としてはMリーグの複数クラブの他、マレーシア代表監督として58試合を指揮した経験を持っています。

マレーシアでも故ベングロシュ氏を悼む声
 2002年にジェフユナイテッド市原(現ジェフユナイテッド市原・千葉)を指揮したジョゼフ・ベングロシュ氏の訃報が報じられています。1月26日にスロヴァキアサッカー協会が公式サイトで発表したベングロシュ氏死去のニュースを報じる日本のメディアではその記述が全く見つけられませんでしたが、故ベングロシュ氏はかつてクアラルンプールFA(現クアラルンプール・ユナイテッドFC)やマレーシア代表で監督を務めた経験もあり、当時を知る人々からベングロシュ氏を悼む声が上がっていることをマレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 1985年にクアラルンプールFAの監督に就任したベングロシュ氏は1986年にクラブ初タイトルとなるMリーグ1部優勝をもたらすと、そのまま代表監督に就任し、同じ1986年には日本も出場したムルデカ大会で優勝を果たしています。しかし期待されて臨んだ同1986年の韓国ソウルでのアジア大会では1分2敗の成績でグループステージを突破できませんでした。
 ベングロシュ氏が監督時代にクアラルンプールFAの主将を務めていたタン・シュウセン氏は「ベングロシュ氏の練習方法は単純明快で理解がしやすい上、性格の良さもあって選手たちはまずベングロシュ氏を敬意を持って受け入れ、彼のことがより詳しく理解できるようになると、今度は選手は父親のように慕う存在になった。その結果として、チームは彼の持ち込んだ練習方法や彼の知識を素直に受け入れ、それが1986年の初優勝に結びついた。」と話しています。
 また現在はMリーグ1部PJシティFCのU21チームの監督を務めるグナラン・カルピア氏はクアラルンプールFAと代表の両方でベングロシュ氏の指導を受けており、その思い出として時間に厳格だったことが印象に残っていると話し、ベングロシュ氏がクアラルンプールFA監督を務めた期間は2年弱ながら、チームに近代サッカーをもたらすという遺産を残したおかげで、彼がクラブを去り代表監督となった後も、クアラルンプールFAは1987年までマレーシアカップを3連覇することができたとも話しています。
(下はクアラルンプール・ユナイテッドFCの公式Facebookに投稿された追悼メッセージ)


1月9日のニュース:スランゴールFCは今後3年はMBPJスタジアムをホームに、サラワクU監督は今季優勝争い参戦に自信、元代表のジュニオール・エルドストールはタイ1部クラブに移籍

スランゴールFCは今後3年はMBPJスタジアムをホームに
 Mリーグ1部のスランゴールFCは今季から少なくとも3シーズンはスランゴール州プタリンジャヤにあるMBPJスタジアムを本拠地として使用するようです。
 これまで本拠地としてきた同州シャーアラムにあるシャーアラムスタジアムが総費用2億5000万リンギ(およそ64億4000万円)とされる大規模な改修工事に入ることから、スランゴールFC運営会社のジョハン・ハミドンCEOは今後2、3年は、同じMリーグ1部PJシティFCのホームでもあるMBPJスタジアムを本拠地とすることを、スランゴール州政府関連企業が発行するスランゴールキニ紙上で明かしています。
 スランゴールFCは昨季2020年シーズン開幕前に、Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLからシャーアラムスタジアムの老朽化による危険を指摘されたことによりホームゲームを同スタジアムで開催できなくなり、昨季のホームゲームは同じ1部のUITM FCが使用するスランゴール州シャーアラムのUITMスタジアムを使用していました。(ただし1試合だけはブキジャリルスタジアムでホームゲームを開催したものの、FAMにブキジャリルスタジアムでのホームゲーム開催を禁じられています。)

 昨季2020年シーズンはMリーグ2部で10位、しかも11位のヌグリスンビランFC(旧ヌグリスンビランFA)とは勝点で並びながら得失差で10位となったサラワク・ユナイテッドFC。その監督として2年目となるエラヴァラサン・エランゴワン監督は、2月下旬に開幕予定の今季2021年シーズンに向けて優勝を目指す戦力が整ったと話しています。
 マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版によると、その根拠は補強した新戦力にあるということです。昨季はスランゴールFCで主将を務めたテイラー・リガン(オーストラリア)の他、サンドロ・ダ・シルヴァ(スランゴールFCより加入)、ノーシャルル・イドラン・タラハ(タイ1部リーグBGパトゥム・ユナイテッドから加入)、リ・チャンホーン(ペナンFCから加入)らMリーグ経験者を集めたエラヴァラサン監督は、昨季とは大きく異なるチームの編成に自信を持っており、2部の優勝争いはサラワク・ユナイテッドFCを含めた全てのチームにチャンスがあると話しているということです。
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 フェルダ・ユナイテッドFCとUKM FCがリーグ参加を認められず、今季は10チームで争われる2部プレミアリーグですが、その内、4チームは1部スーパーリーグ所属チームのセカンドチームであることから1部昇格ができません。このため今季の2部リーグは6チームが1部昇格の2枠を争うことになります。

元代表のジュニオール・エルドストールはタイ1部クラブに移籍し
 かつてサラワクFA(現サラワク・ユナイテッドFC)やJDTでのプレー経験のあるDFジュニオール・エルドストールはマレーシア人の母親とスウェーデン人の父親を持ち、マレーシア代表でもプレー経験があります。2018年にJDTを退団後は英国7部リーグなどでプレーしていましたが、このエルドストール選手がタイ1部のチョンブリーFCと契約したことをマレーシア語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 マレーシア人選手のタイリーグ挑戦といえば、今季は既にノーシャルル・イドラン・タラハ(前BGパトゥム・ユナイテッドFC)とモハマドゥ・スマレ(前ポリス・テロFC)の代表コンビがいずれも尻尾を巻いて昨年末で契約を終えてマレーシアへ戻ってきたのは記憶に新しいところです。
 アセアン(東南アジア)枠での契約となるエルドストール選手は、若い選手が多いチョンブリーFCに自分の経験を伝えたいと話していますが、9歳とまだまだ老け込む歳でもないエルドストール選手の東南アジア復帰は、ワールドカップ2022年大会アジア二次予選を控えるマレーシア代表にとって朗報となることを期待したいです。
(チョンブリーFCと契約したエルドストール選手-チョンブリーFC公式サイトより)