11月21日のニュース:アムリ・ヤハヤはスランゴールFA退団、ダレン・ロークはJDT退団、フェルダUの正GKがマラッカU移籍、クダFA監督は新戦力を求めて日本へ

アムリ・ヤハヤはスランゴールFA退団
 スランゴールFAのベテランFWアムリ・ヤハヤがスランゴールFA退団を自身のインスタグラムで発表しています。
 スランゴール州出身で38歳のストライカー、アムリ選手は、2001年にスランゴールFAで選手生活をスタートし、その後は2014年にはジョホール・ダルル・タクジムJDTに移籍し、2015年のAFCカップ優勝などに貢献、2017年にはマラッカ・ユナイテッドへ移籍しましたが、その年の2度目のトランスファーウィンドウ期間にスランゴールFAへ復帰していました。
 インスタグラムではスランゴールFAやファンへの感謝の言葉を並べているアムリ選手は、スランゴールFAで2度、JDTで3度のリーグ優勝に貢献した他、FAカップは4度、マレーシアカップは2度の優勝も経験しています。
 地元出身ということで今でもスランゴールFAに愛されているアムリ選手ですが、今季はスーパーサブのような役割が多く、相手チームのサポーターに対し問題あるジェスチャーを示すなどフラストレーションが溜まるシーズンでした。

ダレン・ロークはJDT退団
 以前このブログで「BBCがマレーシア選手のサクセスストーリーを紹介」と題して紹介したイギリス出身のダレン・ロークが3年半在籍したJDTの退団を自身のツイッターで発表しています。
 イギリス国内リーグ実質6部にあたるセミプロリーグのクラブでプレーしていたローク選手は、父親がマレーシア人ということから2016年にJDTへ入団すると、その年にはフル代表デビューを果たしています。
 今季はJDTのBチームJDT IIでプレーし、チームのチャレンジカップ優勝にも貢献しています。
 なお退団後もマレーシアに残るのかイギリスへ戻るかなどについてローク選手はツイッターでは言及していません。

フェルダUの正GKがマラッカU移籍
 マラッカ・ユナイテッドのFacebookでは、今季2019年はフェルダ・ユナイテッドで正GKを務めたノラズラン・ラザリと来季契約を結んだことが告知されています。
 ジョホール州出身で33歳のノラズラン選手は、JDTの前身であるジョホールFAで2006年にプロ生活をスタートしその後は、クアラルンプールFA、スランゴールFA、JDTでプレーした経験を持ち、今季からはフェルダ・ユナイテッドでプレーし、シーズン最終戦までもつれ込んだ2部降格を防いだ立役者のうちの一人でした。
 ノラズラン選手の加入でマラッカ・ユナイテッドの正GK争いは今季の正GKで代表でも50試合を超えるプレー経験を持つカイルル・ファーミ・チェ・マット、クアラルンプールFAへの期限つき移籍から復帰する若手のアフマッド・ソレヒン・ママットとノラズラン選手の三つ巴となりそうです。
 また同じFacebook上では、DFアンナズ・ラフマトの入団も発表されています。ヌグリスンビラン州出身で24歳のアンナズ選手は元U23代表選手で、今季はプタリンジャヤシティFCでプレーしていました。

クダFA監督は新戦力を求めて日本へ
 クダFAのアイディル・シャリン監督は来季の新戦力を日本で探していると、マレー語紙ブリタハリアン電子版が伝えています。
 記事によると、クダFAと提携しているJ1のサガン鳥栖の招待によって日本を訪れているアイディル監督は既に日本滞在三日目ということですが、すでに数名の選手の評価を終えており、残りの期間でもさらに数名の選手を見ることになっているようです。
 クダFAのアジア枠外国籍選手にはキルギス出身のMFエドガー・ベルンハルトがいますが、今季は7試合の出場に留まっており、来季は日本人MFがクダFAにやってくるかも知れません。
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 今季マレーシアフットボールリーグMFLに在籍していた日本人選手のうち、苅部隆太郎(クアラルンプールFA)はシーズン途中で、渡邉将基、池田圭(いずれもフェルダ・ユナイテッド)、鈴木ブルーノ(トレンガヌFC II)はシーズン終了後に退団が決定しており、残っているのは中武駿介(ヌグリスンビランFA)と鈴木裕太(クチンFA)だけですが、この二人も来季契約確定のニュースはないので、場合によっては来季のMFLには日本人選手が一人もいない、ということも起こりえます。隣国タイに比べると、日本人選手が少ない現状は在マレーシア日本人としては残念なので、アイディル監督には是非、日本人選手獲得をお願いしたいです。

11月19日のニュース:ワン・クザインがU22代表に合流、PKNPFC主将はペラTBGへ移籍

ワン・クザインがU22代表に合流
 何度かこのブログでも取り上げたMFワン・クザイン・ワン・カマルが東南アジア競技大会に参加するU22代表の練習に合流したことを英字紙スター電子版が報じています。
 アメリカのプロサッカーリーグ、メジャーリーグサッカーMLSのスポーティング・カンザスシティに所属し、今季2019年はBチームにあたるスウォープパーク・レンジャーズでプレーした21歳のワン・クザイン選手は、アメリカのイリノイ州生まれながら両親がマレーシア人であることから、マレーシア代表でプレーする資格を持っています。
 昨季2018年にMLSデビューを果たしただけでなく、ゴールも決めているワン・クザイン選手の招集をU22代表のオン・キムスイ監督も明言していましたが、スウォープパーク・レンジャーズのシーズンが10月まであったことなどから、合流時期が未確定でしたが、無事、マレーシアに到着し、早速チームの練習に合流したようです。
 合流初日の練習後はメディアの取材に応え、攻撃的あるいは守備的MFだけでなく、センターバックなど守備的なポジションも含めて監督の求めるポジションでプレーするとしながらも、自分が得意なのは試合を組み立てることと話すワン・クザイン選手は代表チームでプレーすることは名誉であり、国を背負ってプレーすることの意味は理解しているとも話しています。
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 現在U22代表候補合宿に招集されているのは25名ですが、今日11月19日のFIFAワールドカップ2022年大会予選のインドネシア戦に出場するフル代表からも、7名がU22代表に合流することが決まっており、その中にはフル代表の主力選手サファウィ・ラシド、シャマー・クティ・アッバ(いずれもJDT)やシャミ・サファリ(スランゴールFA)などがおり、東南アジア競技大会出場20名のメンバー入りへの競走は激しさを増しそうです。

PKNP FC主将はペラTBGへ移籍
 PKNP FCは今季はMFL1部で11位となり、来季は2部降格となる予定でしたが、急転直下で来季よりペラTBGのBチーム化が決定し、各選手の去就が注目されていましたが、今季チームの主将を務めたハフィズ・ラマダンはペラTBGへ移籍が決まったとスター電子版が伝えています。
 2011年から2014年はプレジデントカップチーム(U21)、2015年から2017年まではペラTBGでのプレー経験があるハフィズ選手にとっては、かつて在籍したチームへの復帰となります。
 以前ペラTBGでプレーしていた際にはレギュラーポジションカクトには至らなかったハフィズ選手は、PKNP FCでは主に左ウィングで起用され、主力選手の一人として活躍し、3月の国際大会エアマリンカップの際には代表候補合宿にも招集されるほどになりました。
 まずはメフメト・ドゥラコビッチ監督のスタイルや考え方を理解し、チームに慣れることが最優先となると話すハフィズ選手は、ペラTBGでのスターティングXI入り、そして代表入りを今後の目標としたいと語っています。

11月18日のニュース:サディル・ラマダニはパハンFAを退団、ファイズ・ナシルは1年でトレンガヌFC復帰、クランタン州の2クラブは地元の選手により多くの機会を与える

サディル・ラマダニはパハンFAを退団
 インドネシア代表でもプレーする弱冠20歳のサディル・ラマダニが1年でパハンFAを退団するとマレー語紙ブリタハリアン電子版が伝えています。
 今季2019年マレーシアフットボールリーグMFL開幕戦でリーグ最速ゴールを挙げたラマダニ選手はパハンFAの外国籍選手枠のアセアン東南アジア出身選手枠で契約し、今季は21試合に出場する主力選手でした。。
 自身のインスタグラムで退団の意思を発表したラマダニ選手は、インドネシア国外でプレーするのは初めてだったが、この1年間で様々なことを学ぶことができたと、パハンFAとそのファンに感謝のメッセージを述べています。
 ラマダニ選手は11月19日にブキ・ジャリル国立競技場で行われるFIFAワールドカップ予選でマレーシア代表と対戦するインドネシア代表に召集されている他、今月末からフィリピンのマニラで開催される東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場するインドネシアU22代表のメンバーにも入っています。
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 パハンFAはシンガポール代表のサフワン・バハルディンに続き、サディル・ラマダニも2年契約の残り1年を残しての退団となっていることから、パハンFAのファンからはチームの経済状況を心配する声も上がっています。また、同じ外国籍選手のディクソン・ヌワカエメも来季の契約が確定していません。
 またラマダニ選手については、MFL1部スーパーリーグで1年間主力選手としてプレーし、その実力を示したことで、パハンFA退団後はインドネシアに戻らず他のMFL1部との契約の噂も出ています。

ファイズ・ナシルは1年でトレンガヌFC復帰
 今季2019年開幕前にトレンガヌFCからスランゴールFAに移籍したファイズ・ナシルは、トレンガヌFCとの来季1年契約を結んだとスポーツ系サイトスタジアムアストロが伝えています。
 27歳のナシル選手は今季開幕当初、調子の上がらないスランゴールFAで獅子奮迅の活躍が代表のタン・チェンホー監督の目に留まり、エアマリンカップでは代表に初招集されるとすぐにアフガニスタン代表戦でフル代表初ゴールを決めるなど順風満帆でしたが、シーズンが進むに連れて、ベンチを温めることが多くなっていました。
 クダFAやペラTBGも獲得意思を示していましたが、トレンガヌFCのイルファン・バクティ前監督のもと、昨季のトレンガヌFCの準優勝にも貢献したMFはかつて所属したクラブへ復帰を決めたようです。
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 個人的にはMFL前半で最も注目した選手の一人だったナシル選手は、公称で身長152センチと小柄ながら、豊富な運動量で移籍1年目からスランゴールFAファンからも支持される選手でしたが、代表招集後は出場機会が減っていきましたが、バースカラン・サティアナタン監督の戦術に合わなかったのでしょうか。

クランタン州の2クラブは地元の選手により多くの機会を与える
 今季2019年のMFL3部にあたるM3リーグを圧倒的な力で優勝し、来季はMFL2部プレミアリーグに昇格するたケランタン・ユナイテッドは、マレー半島東海岸北部にあるケランタン州をホームとするクラブです。このケランタン州にはケランタン州サッカー協会が統括するケランタンFAもあり、来季はこの両クラブはいずれもMFL2部プレミアリーグでプレーしますが、この状況は、ケランタン州の若いサッカー選手たちがより高いレベルでプレーする機会をより多く得ることができる望ましい状況であると、1990年代にケランタンFAでプレーしたかつての名選手モハマド・ハシム・ムスタファが語っています。
 今季はケランタンFAのプレジデントカップチーム(U21チーム)のコーチを務めたモハマド・ハシム氏は、自らがコーチするチームからトップチームへ昇格する選手以外にもプレーを続ける道が開かれるとして、ケランタンFAのユスリ・チェ・ラーとケランタン・ユナイテッドのザハスミ・イスマイルの両監督に若い選手を積極的に使うよう求めています。
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 運営資金不足から今季2019年は外国籍選手をシーズン途中で全員解雇したケランタンFAは、給料の低い若手を活用するというよりも、そうせざるを得なかった状況でした。しかし裏返せば、モハマド・ハシム氏の言う通り、他のクラブでは出場機会のないような若手でもケランタン州のチームに救われる可能性もあります。

11月16日のニュース:年間MVPは2年連続でサファウィ・ラシドが受賞-ナショナルフットボールアウォード各賞発表

年間MVPは2年連続でサファウィ・ラシドが受賞
 11月15日に開催されたナショナルフットボールアウォードABK2019では、MFL1部ジョホール・ダルル・タクジムJDTのMFサファウィ・ラシドが昨年2018年に続き、2年連続で年間最優秀選手賞MVPを受賞しています。
 今季2019年はリーグ戦、カップ戦合計で20ゴールを挙げた22歳のサファウィ選手は、このMVPの他、最優秀フォワード賞、ファン投票で選ばれる最も人気のある選手Most Popular Playerにも選ばれています。
 昨年の初受賞の際には、史上最も若くしてMVPを獲得したサファウィ選手ですが、成功の秘訣を問われると、練習、試合いずれも常に全力で臨んでいることを挙げ、将来的にはオファーがあれば海外のクラブでプレーすることを望んでいると述べる一方で、これまで自分を育ててくれたJDTのオーナーであるジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下の意思も尊重したいと述べています。

ナショナルフットボールアウォード各賞発表
 上記のサファウィ選手のMVP、最優秀フォワード賞以外も発表になっていますが、大方の予想通りJDTが席巻しています。なお各賞の受賞者は以下の通りです。
 最優秀選手:サファウィ・ラシド(JDT)
 最優秀フォワード:サファウィ・ラシド(JDT)
 最優秀ミッドフィルダー:モハマドゥ・スマレ(パハンFA)
 最優秀ディフェンダー:シャルル・サアド(ペラTBG)
 最優秀ゴールキーパー:ファイザル・マーリアス(JDT)
 最優秀外国籍選手:ジオゴ・ルイス・サント(JDT-ブラジル)
 最優秀外国籍選手(アセアン):ハリス・ハルン(JDT-シンガポール)
 ベストヤングルプレーヤー賞:アキヤ・ラシド(JDT)
 最優秀監督:ドラー・サレー(パハンFA)
 ゴールデンブーツ(最多得点):フェルナンド・ロドリゲズ(クダFA)
 最高人気選手:サファウィ・ラシド(JDT)
 最優秀クラブ:JDT
 最優秀サポーターグループ:ボーイズオブストレイト(JDT)
 最優秀ソーシャルメディア:johorsoutherntigers.com.my(JDT)
 最優秀ホームページ:JDT
 MFL1部スーパーリーグ最多得点(マレーシア人選手):サファウィ・ラシド(JDT-8ゴール)
 MFL1部スーパーリーグリーグ最多得点(外国籍選手):クパー・シャーマン(PKNS FC-14ゴール)
 MFL2部プレミアリーグ最多得点(マレーシア人選手):ボビー・ゴンザレス(サラワクFA-9ゴール)
 MFL2部プレミアリーグリーグ最多得点(外国籍選手):ザルコ・カラチ(UITM FC-13ゴール)
 最優秀M3リーグ選手:ファクルル・ザマン(ケランタン・ユナイテッド)
 ファン投票による2019年ベストチーム
 監督:アイディル・シャリン(クダFA)
 GK:イフワット・アクマル・チェク・カシム(クダFA)
 DF:リザル・ガザリ、シャキル・ハムザ、レナン・アルヴェズ(以上クダFA)、ラヴェル・コービン=オング(JDT)
 MF:リー・タック(トレンガヌFC)、バドロル・バクティアル(クダFA)、ブレンダン・ガン(ペラTBG)
 FW:サファウィ・ラシド、ジオゴ・ルイス・サント、アキヤ・ラシド(以上JDT)
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 リーグ6連覇に加え、今季はマレーシアカップも優勝したJDTが大方の予想通り、受賞者の7割方を占めました。個人的には今季就任し、昨季の6位から今季は4位と順位を引き上げ、FAカップ優勝を果たしたクダFAのアイディル・シャリン監督が最優秀監督を受賞するだろうと思っていました。
 なおナショナルフットボールアウォードの各賞は、マレーシアサッカー協会FAM、マレーシアプロサッカー選手会、マレーシアサッカーコーチ協会、マレーシアスポーツ記者協会などの代表者からなる選考委員会による候補者選定後、MFL1部と2部各クラブの監督と主将、そして23名のメディア関係者による投票で、また最高殊勲選手MVPは、5名からなら選考委員会の投票で決定します。
(写真はファン投票による2019年ベストチーム-MFLのFacebookより)

11月14日のニュース:スランゴールFAは外国籍選手4名の残留決定、JDT IIからGKがペナンFAへ移籍、U19代表GKがU22代表へ昇格、インドネシアのクラブがクダFA監督に触手

スランゴールFAは外国籍選手4名の残留決定
 今季2019年はマレーシアフットボールリーグMFL1部で3位となったスランゴールFAは、来季に向けて4名の外国籍選手の残留をホームページで発表しています。
 残留するのは、今季途中から加入してリーグ戦とカップ戦合計20試合で16ゴールを挙げたFWイフェダヨ・オルセグン(ナイジェリア)の他、MFサンドロ・ダ・シルヴァ・メンドンサ(ブラジル)とDFテイラー・リガン(オーストラリア)で、ケガのため今季は6試合のみ出場にとなったFWルフィノ・セゴヴィア(スペイン)の残留も決まっています。
 なおこの他の外国籍選手DFミハル・グエン(ベトナム)とMFエンドリック・ドス・サントス(ブラジル)は退団となっています。
 またスランゴールFAの「カンテ(チェルシー)」ことMFサクナン・クリシュナサミー、FWシャズワン・ザイノン、DFタミル・マラン、そして今回代表に召集されているDFシャミ・サファリ、GKカイルルアズハン・カリドらの残留も合わせて発表されています。#STILLRED
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 今季は開幕でつまづき監督の解任騒ぎまで出ながら、最終的にはリーグ3位となったスランゴールFA。他のクラブが外国籍選手の入れ替えや新戦力獲得に忙しい一方で、次々とチームの中心選手の残留を発表していますが、これはバスカラン・サティアナタン監督が現在のチームに自信を持っているからでしょう。昨季31ゴールを挙げたセゴヴィア選手が復帰することで、今季大活躍のオルセグン選手と組む強力FW陣はJDTの牙城を崩すのに十分な戦力が整い、個人的には来季が最も楽しみなチームになりました。

JDT IIからGKがペナンFAへ移籍
 MFL2部ペナンFAのFacebookでは、JDT IIからGKサミュエル・サマーヴィルの獲得を発表しています。イギリス生まれでマレーシア人の母親を持つサマーヴィル選手は2015年から4年間、JDT IIでプレーしていました。
 またサマーヴィル選手は自身のインスタグラムでJDTとオーナーのTMJ子とジョホール皇太子トゥンク・イスマイル殿下への感謝の気持ちを述べるともに、JDTから離れて自分の価値を示したいと述べています。
(写真はサマーヴィル選手獲得を告知するペナンFAのFacebookより)

U19代表GKがU22代表へ昇格
 先日カンボジアで開催されたアジアサッカー連盟AFCU23選手権予選でグループ1位となり本選出場を決めたマレーシアU19代表のGKが、今月末にフィリピンで開催される東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場するU22代表に昇格したと、英字紙スター電子版が報じています。
 U19代表でも主将を務めたモハマド・フィルダウス・イルマン・ファディルの昇格でU22代表に招集されるU19代表の選手は合計6名となりました。
 U22代表のオン・キムスイ監督によると、GKハジック・ナジル(JDT II)がフル代表に召集されたことで、GKを補充する必要があるための招集としながらも、他の選手ではなくフィルダウス選手を招集した理由として、U19選手権予選終了後で試合感、体調などが整っていることを挙げています。
 U22代表に招集されているのこの他のU19代表選手は、このブログでは既に何度か取り上げたFWルクマン・ハキム・シャムスディン、DFハリス・ハイカル・アダム・アフカル、MFモハマド・ウマル・ハキーム・スハル・レズワン、MFムカイリ・アジマル・マハディ、MFモハマド・アザム・アズミ・ムラドです。

インドネシアのクラブがクダFA監督に触手
 MFL1部のクダFAは、今季から就任したシンガポール人のアイディル・シャリン監督のもと、リーグ4位、FAカップ優勝、マレーシアカップ準優勝と好成績を収めましたが、インドネシア1部リガ1のクラブ、ペルセバヤ・スラバヤがこのアイディル監督との契約を検討していたと、インドネシアのスポーツ専門サイトインドスポートが報じています。
 プルセバヤ・スラバヤは、数試合を残して辞任したオーストリア人のウォルフガング・ピカル監督の後任に、元監督のアジ・サントソ氏の就任を発表していますが、プルセバヤ・スラバヤは当初はクダFAのアイディル監督と交渉を行い、アイディル監督もこれを認めています。アイディル監督もインドネシアのクラブでの監督業に興味を示していたということですが、その後プルセバヤ・スラバヤ側からの連絡が途絶えたため、契約延長を求めていたクダFAと来季の契約したようです。
 この他、同じリガ1のクラブ、ペルシジャ・ジャカルタもアイディル監督と交渉を行っていたとも伝えられており、アイディル監督自信も2021年にまた機会があればインドネシアのクラブでの指導を考えたいと、インドスポートに語ったということです。

11月13日のニュース:MFLはPKNS FCとPKNP FCのBチーム化を承認、UITM FCが棚ぼたで1部昇格、TFC IIは鈴木ブルーノと契約更新せず、パハンFAはサファウィ・バハルディンとの契約を解除、マラッカUはロメル・モラレス獲得、MFLは来季からの背番号に関する規則を改定

MFLはPKNS FCとPKNP FCのBチーム化を承認
 マレーシアフットボールリーグMFLはホームページで、スランゴール州サッカー協会FASとペラ州サッカー協会PAFAから出されていたPKNS FCとPKNP FCのそれぞれスランゴールFAとペラTBGのBチーム化申請を承認したこと発表しています。
 規定ではBチーム創設は、書面にて1年前に申請することになっていますが。別の規定ではMFL理事会の承認がある場合はこの限りではないとなっており、今回はそちらの規定により申請から1ヶ月程度で申請承認となっています。

UITM FCが棚ぼたで1部昇格
 上記の記事に関連して、MFL1部のPKNS FCがスランゴールFAのBチームとなることで、PKNS FCは「AチームとBチームは同一リーグでプレーすることができない」というMFLの規定により、MFL2部へ降格になります。これによりMFL1部は11チームになってしまうため、今季2019年MFL2部で5位のUITM FCがその空席を埋めるべく昇格することになったと、MFLのホームページで告知しています。
 スランゴール州の州都シャーアラムにある公立大学UITMを母体とするUITM FCは、高等教育機関のサッカークラブとして初めて国内トップリーグに参加するクラブという歴史を作っています。

TFC IIは鈴木ブルーノと契約更新せず
 マレーシアフットボールリーグMFL2部のトレンガヌFC IIは、今季2019年シーズンに在籍した外国籍選手のうち、コートジボアール出身のMFデチ・マルセル・ングエッサンのみと契約を更新すると発表しています。
 この結果、FW鈴木ブルーノ、FWアカニ・サンデイ・ワシウ(ナイジェリア)、MFセルヒイ・アンドレイエフ(ウクライナ)の各選手は退団となります。
 トレンガヌFC IIを統括するトレンガヌ州サッカー協会のロシャデイ・ワハブ会長は、空席となった3名の外国籍枠は代わりの選手を獲得する予定ではあるが、候補者は決まっていないと話していると、スポーツ専門サイトスタジアムアストロは伝えています。
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 鈴木選手とアンドレイエフ選手は、先日このブログでも取り上げたバングラデシュで開催されたシーク・カマル国際クラブカップに出場したトレンガヌFCに参加し、優勝に貢献しています。しかも鈴木選手は今季のチーム得点王でもあります。
 なお鈴木選手はツイッター上でチームへの感謝を述べるとともに、新チームへの移籍を希望することを表明しています。

パハンFAはサファウィ・バハルディンとの契約を解除
 サッカー専門サイトGoal. comマレーシア版では、MFL1部パハンFAのDFサファウィ・バハルディンが契約解除されたことを報じています。シンガポール代表でもプレーする28歳のサファウィ選手は、2020年まで契約が残っていましたが、契約満了前のリリースとなっています。サファウィ選手は自身のインスタグラムでこの契約解除について告知していますが、その理由については何も述べられておらず、パハンFAのファンやチームメートなどに感謝の意を述べています。
 今季2019年はリーグ戦とカップ戦合わせて23試合に出場した主力選手の退団で、外国籍選手枠の内のアジア選手枠が空くことになり、新たなアジア人選手の獲得につながる可能性があります。

マラッカUはロメル・モラレス獲得
 MFL1部のマラッカ・ユナイテッドは、今季はPKNS FCでプレーしたコロンビア出身のMFロメル・モラレスと来季の’1年契約を結んだことを、マレーシアの通信社ベルナマが伝えています。
 マラッカ・ユナイテッドを統括するマラッカ州サッカー協会MUSAの発表によると、MUSAのダミエン・ヨー新会長立ち合いのもとで、契約が交わされたということです。
 攻撃的MFのモラレス選手は、2018年にPKNS FCと契約し、2シーズンで17点を挙げています。

MFLは来季からの背番号に関する規則を改定
 MFLはホームページで、来季2020年シーズンより選手が着用できる背番号を1から99までと改訂することを発表しています。なお、今期まではMFL出場選手は1から30まで、U21のプレジデントカップチームとU19のユースカップチームの選手は31から50を着用することが決められていました。
 また51から60までの番号については、MFLの2度目の移籍期間トランスファーウィンドウ期間中に移籍してきた選手のみが着用可能としています。

11月12日のニュース:タイ・インドネシア戦に向けて代表メンバー発表、JDTIIは元ラ・リーガアカデミー指導者を新監督に任命、ナショナルフットボールアウォーズではJDTが席巻か

タイ・インドネシア戦に向けて代表メンバー発表
 FAMのホームページでは、11月14日に開催されるFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選となるタイ代表戦と同19日のインドネシア戦に出場する代表メンバーを発表しています。23名の顔ぶれはこちらです。
 この23名中、DFムハマド・シャズワン・ビン・アンディック、MFムハマド・アフィク・ビン・ファザイル(いずれもJDT)、MFバドロル・ビン・バクティアル(クダFA)はいずれも代表経験者ですが、今回のW杯予選では初招集となります。
 また候補合宿に招集された26名からは、FWシャレル・フィクリ・モハマド・ファウジ、GKナジルル・ナイム・チェ・ハシム(いずれもペラTBG)、MFムハマド・ファルハン・ビン・ロスラン(クダFA)の3名が外れています。
 いずれの試合もブキ・ジャリル国立競技場で開催されます。
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 タイ戦は昨年末のスズキカップ以来ですが、この時のタイ代表はMFチャナティップ・ソングラシン(札幌)やDFテーラトン・ブンマタン(横浜)らを招集せず、準決勝ではアウェイゴールルールでマレーシアに敗れています。しかし、この当時のチームとは監督も含め大きく変わっており、タン・チェンほー監督率いるマレーシアにとっては非常に厳しい試合となりそうです。
 先日のタジキスタン戦を見た印象では、個ここ数試合固定されている右サイドバックのマシュー・デイヴィーズ(パハンFA)に代えて、今回の東南アジアサッカー連盟AFFアウォーズでタイ戦でのゴールスズキカップのベストゴール賞を獲得したシャミ・サファリ(スランゴールFA)をタイ戦で再び起用するのかどうかが気になります。
 それともう一つ。今回の代表23名の中には、JDTのBチームであるJDT IIのGKムハマド・ハジック・ナズリと、JDTから期限付き移籍でタイのポリステロFCでプレーするDFドミニク・タンを含めると12名の選手がJDT所属です。リーグ6連覇中と国内ではダントツの強さを誇るJDTですが、興味深いのはこの人選に表立った批判が出ていないことです。昨年2018年3月には、アジアカップ2019年大会予選でモンゴル戦で2-2の引き分け後、タン監督がファンのプレッシャーに屈する形で選ばれていたJDTの選手14名全員を代表から外すという出来事もありました。この時のような批判が出ないのは、マレーシアの多くのサッカーファンがJDTの強さを認めたということなのかもしれません。

JDTIIは元ラ・リーガアカデミー指導者を新監督に任命
 マレー語紙ブリタハリアン電子版によると、マレーシアフットボールリーグMFL2部のJDT IIは、エルヴィン・ボバン氏の辞任後、空席となっていた監督のポストにマラガCFの元アカデミーおよびスカウト責任者のラファエル・ギル・サンチェス氏の就任を発表しています。
 この他、マラガCFのU23チームやサウジアラビアU17代表で監督経験を持つギル新監督には、アカデミーからの昇格選手を含めたJDTのBチームであるJDT IIの若い選手たちがJDTと同様のプレースタイルを身につけ、JDTへ昇格してもすぐ活躍できるよう成長させることが求められていると、JDTのアリスター・エドワーズTD(テクニカルダイレクター)がJDTのホームページで語っています。

ナショナルフットボールアワーズではJDTが席巻か
 11月15日に行われる今季2019年のナショナルフットボールアワーズABKでは、JDTが各賞を席巻するだろうとブリタハリアン電子版が伝えています。
 ABKでは、最優秀選手MVP、最優秀若手選手、最優秀監督、最優秀FW、最優秀MF、最優秀DF、最優秀GK、最優秀外国籍選手、最優秀ASEAN選手、得点王ゴールデンブーツ賞、最優秀クラブ、最優秀サポーターの他、ファン投票によって選ばれる最高人気選手、同じくファンが選ぶベストイレブンなどが選ばれます、
 ブリタハリアンの予想では、年間最優秀選手賞の最有力候補は、昨年2018年の受賞者でもあるサファウィ・ラシド(JDT)。JDTが優勝したマレーシアカップでは合計11ゴールを挙げ、9ゴールのディクソン・ヌワカエメ、7ゴールのラザラス・カイムビ(いずれもパハンFA)、8ゴールのフェルナンド・ロドリゲズら外国籍選手を抑えて得点王を獲得しています。
 なおブリタハリアンは、最優秀監督賞、最優秀GK賞などもJDTの監督、選手が獲得する可能性が高いとしています。
(以下はマレーシアフットボールリーグMFLのFacebookに掲載されているABK各賞のノミネート選手。上から順にベストFW、ベストMF、ベストDF、ベストGK、ベスト外国籍選手、ベストアセアン選手)


11月9日のニュース:トレンガヌFCは新たな外国籍ストライカーを獲得へ、トレンガヌFCはファリス・ラムリをアセアン枠で獲得、クダFAはジョナサン・ボーマンも退団、復活したピヤは6年ぶりの優勝を味わう

トレンガヌFCは新たな外国籍ストライカーを獲得へ
 エースストライカーのFWチェチェ・キプレが退団するトレンガヌFCはヨーロッパ、南米、アフリカから代わりのストライカーを獲得する予定であると、スポーツ系サイトのスタジアムアストロが伝えています。
 既に数名がリストアップされているようで、モハマド・ナフジ・ザイン監督は、来月予定されているトライアウトを経て、獲得選手が最終決定する予定であるとしています。
 また同じ記事内では、来季2020年シーズンはトレンガヌFCのプレジデントカップチーム(U21)とユースカップチーム(U19)の選手にトップチームでの出場機会がより多く与える予定であるとも述べ、来季も在籍するリー・タック選手が主将として若手とベテランの融合するチームを率いてくれることを期待していると述べています。

トレンガヌFCはファリス・ラムリをアセアン枠で獲得
 12名の退団者を出したトレンガヌFCは、来季は大きく布陣が変わりそうですが、上記で取り上げた外国籍FWが確定する前に、シンガポール出身の攻撃的MFムハマド・ファリス・ラムリをアセアン枠で獲得したことを同じスタジアムアストロが報じています。
 2018年にはマレーシアフットボールリーグMFL1部のPKNS FCでプレーし、今季2019年は開幕前にMFL2部のプルリスFAと契約したファリス選手でしたが、プルリスFAの抱える給料未払い問題により、1試合も出場しないまま退団していました。その後プルリスFAは開幕直後にMFLより追放処分を受け、、ファリス選手は、シンガポールの1部リーグであるプレミアリーグのホーガン・ユナイテッドに移籍していました。
 トレンガヌFCのアセアン枠は、今季在籍したDFチエリー・チャンタ・ビン(カンボジア)と来季の契約を結ばない事から空席となっていましたが、27歳のファリス選手はこのアセアン枠選手として1年契約を結んでいます。

クダFAはジョナサン・ボーマンも退団へ
 今季から指揮を取るアイディル・シャリン監督のもと、MFL1部スーパーリーグ4位、FAカップ優勝、マレーシアカップ準優勝という結果を残したクダFAですが、先日このブログでも伝えたスペイン出身のFWフェルナンド・ロドリゲズの退団に続き、アルゼンチン出身のFWジョナサン・ボーマンの退団も発表されました。
 今季はリーグ戦と2つのカップ戦合計で16ゴールを挙げたボーマン選手の退団は、同じく今季21ゴールを挙げたフェルナンデズ選手の退団とともに、来季2020年にはさらに上位を目指したいクダFAにとっては大きな痛手になりそうです。
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 退団決定後にはクダFAを統括するクダ州サッカー協会が2人を送り出すための夕食会を開き、またクダFAのサポーターグループからも温かい言葉が贈られたとのことなので、今季の成績による解雇というよりは、来季から各クラブの財務状況に合わせた運営を求めて導入される経済コントロールプログラムECPの影響もあるかも知れません。
 なおクダFAは、PKNS FCのクパ・シャーマン、元トレンガヌFCのチェチェ・キブレに興味を持っているという報道もあり、ロドリゲズ、ボーマン両選手の穴を埋めるのはこの2人になる可能性もあります。

復活したピヤは6年ぶりの優勝を味わう
 ケランタンFA時代には主将として2012年のマレーシアフットボールリーグMFL、FAカップ、マレーシアカップの同一年3冠制覇(トレブル)も経験しているMFモハマド・バドリ・モハマド・ラジにとって、今季2019年途中から入団したケランタン・ユナイテッドでM3リーグでの優勝に貢献したことは、自らの選手生命を蘇らせる結果にもなったと、マレーシアの通信社ベルナマが報じています。
 ピヤの愛称で知られる37歳のバドリ・ラジ選手は、昨年2018年5月にケランタンFAとの契約が切れ、同年末にM3リーグからMFL2部プレミアリーグに昇格したプルリスFAと契約しましたが、上のファリス・ラムリ選手の記事で書いたように、プルリスFAはMFLを追放され、ピヤ選手もプルリスFAを退団していました。その後も昨季2018年のケランタンFAの給料未払いも明らかになり、所属クラブもないままでしたが、今年6月にケランタン・ユナイテッドと契約していました。
 「昨年末から今年の初めてにかけて自分が経験した苦境を思うと、優勝チームでプレーすることは2度とないと思っていたが、自分にプレーする機会を与えてくれたケランタン・ユナイテッドと、ザハスミ・イスマイル監督、そして応援してくれたサポーターに感謝したい」とピヤ選手は語っています。
 来年は38歳となるピヤ選手は、引退については考えたこともなく、自分に機会が与えられれば、ケランタン・ユナイテッドをさらに上のレベルへ引き上げられるよう、できるだけ長くチームに貢献したいとも語っています。

11月7日のニュース:アセアンクラブ選手権が来季創設へ、M3のストライカーにMFLクラブから複数オファー、ドーピング違反の出場停止処分が明けた選手がPJシティFCと契約

アセアンクラブ選手権来季創設へ
 東南アジアサッカー連盟AFFの公式サイトでは、国際サッカー連盟FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長とアジアサッカー連盟AFCのサルマーン・ビン・イブラーヒーム・アール=ハリーファ会長が来季から創設されるアセアンクラブチャンピオンシップACCへの支援を表明していると伝えています。
 ACCは、AFF加盟国のトップ12クラブが参加する大会です。
 AFFのキエヴ・サメス会長によれば、このACCでは、参加する全てのクラブに出場料が支払われ、勝ち上がっていくことに賞金の金額が上がっていくシステムになっているとのことで、アセアン各国のトップクラブに励みとなるような仕組みを構築し、東南アジア地域のサッカーをさらに上のレベルへ押し上げる場としてACCを活用したいとしています。
 その上で、各国の国内リーグやFIFA、AFC大会、さらには来季から現行の30チームから40チームへと拡大するAFCチャンピオンズリーグなどとの日程調整や試合フォーマット、スポンサー確保などに時間がかかっているものの、ACCの詳細は近々発表できるだろうとしています。

M3のストライカーにMFLクラブから複数オファー
 MFL3部にあたるM3リーグはリーグ終了待たずして、ケランタン・ユナイテッドが優勝し、来季2020年のMFL2部プレミアリーグへの自動昇格権を手に入れていますが、このケランタン・ユナイテッドで今季ここまで26試合で28ゴールを挙げているFWファクルル・ザマン・ワン・アブドラ・ザワウイに対して、MFL1部スーパーリーグ、MFL2部プレミアリーグのクラブが来季2020年シーズンに向けて獲得に動いていると英字紙スターのマレー語ポータルサイトmstarが報じています。
 25歳のファクルル・ザマン選手は、ケランタン・ユナイテッドを離れる決断は難しいが、その一方で自分のキャリアを考えると高いレベルでプレーできるチームへ移籍は必ずしも悪いことではないと話しています。その上で、MFL2部へ昇格するケランタン・ユナイテッドが来季に向けてどのように準備していくのかも見極めた上で結論を出したいとも述べています。
 ファクルル・ザマン選手はケランタンFAのプレジデントカップチーム(U21)で活躍し、ケランタンFAのトップチームに昇格しましたが、出場機会には恵まれませんでした。しかし移籍したケランタン・ユナイテッドでは、チームメイトのガンビア出身のFWアルフサイネイ・ガッサマとリーグ得点王を争う活躍を見せ、ケランタン・ユナイテッドのM3優勝に貢献しています。
 伸び悩んでいた自分に機会を与えてくれたクランタン・ユナイテッドのザハスミ・イスマイル監督に感謝の気持ちが

ドーピング違反の出場停止処分が明けた選手がPJシティFCと契約
 先日MFL1部のプタリンジャヤPJシティFCと契約したGKアーマド・シャイハン・ハズミ・モハマド選手に注目が集まっていると、スポーツ系サイトのフォックススポーツが報じています。
 ケランタン州出身のシャイハン選手は今年10月6日に20ヶ月に渡るドーピング違反の出場停止処分が解除になったばかりの選手ですが、かつてはU23代表にも選ばれていた選手で、マレーシアU23代表が初めて出場したアジアサッカー連盟AFC U23選手権2018年大会の大会期間中に行われたドーピング検査でA検体が陽性、さらにB検体も陽性と判定されAFCから20ヶ月の出場停止処分を受けていました。
 他のクラブからもオファーを受けていたと語るシャイハン選手は、PJシティFCを選んだ理由としてデヴァン・クップサミー監督の存在を挙げ、早速、練習に参加しています。出場停止処分中は1人でトレーニングを積んできたというシャイハン選手は、サッカーに戻ってこられたことに興奮していると話した上で、試合に早く出場したいとしています。

11月6日のニュース:FAMは来季クラブライセンス交付追加チームを発表、PKNS FCがスランゴールFAのBチーム化に同意か、MFLはBチーム参入の規定を内密に変更か

FAMは来季クラブライセンス交付追加チームを発表
 マレーシアフットボールリーグMFL1部の2クラブと2部の4クラブが新たに来季2020年シーズンのクラブライセンスの交付を受けたことを、マレーシアの通信社ベルナマが伝えています。
 今回、マレーシアサッカー協会FAMのクラブライセンス交付第一審機関より交付を受けたのは、マラッカ・ユナイテッド、PKNS FC(以上1部)、UKM FC、スランゴール・ユナイテッド、PDRM FC、ペナンFA(以上2部)の6クラブです。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長はこの6クラブの他にケランタンFAとサラワクFAにも、第三者による保証を証明する文書が出されたことにより、未払いの給料があるものの条件付きでライセンスの交付を行ったことも発表しています。ただしFAMはその保証が実行されるかどうかを見守るとしており、実行されない場合には交付されたクラブライセンスが無効になる可能性があることも示唆しています。
 またケランタンFA、サラワクFA、UKM FCについては10月30日の申請締め切り期限を守らなかったことで警告を受けたようです。
 なお来季のライセンス交付は、今年2019年6月30日の時点で未払い給料問題を解決したクラブが対象になっているとし、その後新たに発生した未払い問題については12月15日までにFAMにその解決法と解決時期を報告することを義務付けています。これについてラマリンガム事務局長は、今季の未払い給料等を来季へ持ち越させないための手段であると説明し、FAMのクラブライセンス委員会は未払い給料を抱えるクラブの解決法と解決時期が厳格に守られているかどうかのチェックを行っていくとしています。

PKNS FCがスランゴールFAのBチーム化に同意か
 スポーツ系サイトアストロアリーナによると、PKNS FCのフロントがスランゴールFAとの合併に同意し、PKNS FCがスランゴールFAのBチームとなることが決定したようです。
 スランゴールFAを統括するスランゴール州サッカー協会FASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長が明らかにしています。
 Bチーム参入についてはMFLの規定により参入1年前の申請が義務付けられていますが、ハミドン事務局長によれば、FASは既に最初の申請書をMFLに提出しており、PKNS FCからの合併についての同意書があれば、来季からのPKNS FCのBチーム化の実現にはさほど問題にはならないだろうと楽観視しています。
 また、PKNS FCがスランゴールFAのBチームとなった場合のPKNS FCとスランゴールFAのプレジデントカップ(U21)チームの処遇については、まだ未定としながらも、スランゴールFAのプレジデントカップチームが残る可能性が高いとしています。
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 なお「育成のPKNS FC」とも言えるPKNS FCは今季2019年のプレジデントカップで優勝し、U19チームが参加するユースカップでも昨季2018年は優勝、今季は準優勝している一方、スランゴールFAはプレジデントカップ、ユースカップとも今季は準々決勝でPKNS FCに敗れています。

MFLはBチーム参入の規定を内密に変更か
 スポーツ系サイトフォックススポーツは、上記のPKNS FCのBチーム化について義務付けられている1年前の申請をMFLが公にしないまま変更したのではないかという疑惑を取り上げています。
 PKNS FCのBチーム化については、これまでも多くのメディアで報じられる一方、PKNS FCの監督、選手は反対を表明してきたため、正式な申請は今年中には不可能との予測が出ていました。
 しかし上記でも取り上げた通り、スランゴール州サッカー協会FASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長は、PKNS FCフロントの同意を得られてことから、来季2020年シーズンには、PKNS FCがスランゴールFAのBチーム、スランゴールFA IIとしてMFLに参加するかのような発言をしています。
 しかしフォックスポーツは、Bチーム参入の条件としてMFLが義務付けている参入1年前の申請という規定をFASが軽視しており、この規定を厳守すれば、今年11月に行われる申請によってBチーム参入が許可されるのは来年2020年11月であるとしています。その上で給料未払いなどの問題では期日を守ることを求めているMFLがこのFASの申請を受理し、来季2020年からスランゴールFAのBチーム、スランゴールFA IIの参入を認めるとなれば、正当な根拠が必要となるだろうとしています。
 特に今回のPKNS FCのBチーム化は、既存のクラブが他のクラブのBチームになるという特殊なケースであり、各クラブを統括するMFLはこの状況について繊細に対応するべきだとした上で、もしこのまま来季からPKNS FCがスランゴールFA IIとなるのであれば、各クラブにもサッカーファンにも公にしないまま内密に規定を変更したと取られても仕方がないと批判的に記事を結んでいます。
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 歴史もあり影響力の大きいFASに対してMFLがなし崩しで屈してしまうとしても、長いものには巻かれることを厭わないマレーシアではありそうなことですが、悪しき前例を一旦、作ってしまうとそれが自らの首をしめかねないので、MFLは威厳を持ってこの問題に対処するべきだと思います。