2021年Mリーグ2部プレミアリーグ第3節結果

 3月6日に開幕したMリーグ2部プレミアリーグは3月12日から早くも第3節が始まります。なお試合カードの左側がホームチームです。また試合の映像は各クラブの公式Youtubeチャンネルからお借りしています。

2021年3月12日@MPSスタジアム(スランゴール州スラヤン)
スランゴール2 4-2 FAM MSNプロジェクト
得点者:スランゴール-サイフル・イスカンダル・アドハ(16分)、ジョージ・アトラム3(41分、62分、90+3分PK)、FAM-ムハマド・イスマット・イムラン・ザイナル(70分)、アズハド・ハラズ・アルマン(90+2分)

2021年3月13日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
PDRM 1-2 ケランタン
得点者:PDRM- モハマド・ヒィディル・イドリス(74分)、ケランタン-ヌルシャミル・アブドル・ガニ(84分)、ジャック・ヒンドル(85分) 
 PDRMの鈴木ブルーノ選手は前節のケランタン・ユナイテッドとの試合でケガのため途中交代しましたが、この試合はベンチ入りしていません。ケガの状態が新灰です。

https://youtu.be/zNhSAsMcyiQ

2021年3月13日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(ケランタン州コタバル)
ケランタン・ユナイテッド 2-1 ペラII
得点者:ケランタン-ガッサマ・アルフセネイ(1分)、モハマド・アミルル・シャフィク(51分)、ペラ-ムハマド・アリフ・ジクリ・ザイニ・アヌアル(59分)
 開始直後にバドリ・ラジが自陣ハーフから蹴ったロングボールをガッサマ・アルフセネイが決めてあっという間に先制したケランタン・ユナイテッドが本拠地で2連勝しています。
 ケランタン・ユナイテッドの谷川由来、深井脩平の両選手は先発してフル出場、本山雅志選手は73分から出場し、試合終了まで出場しています。

2021年3月13日@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
ヌグリスンビラン 2-2 トレンガヌII
得点者:ヌグリスンビラン-ラファエル・ゴメス・デ・オリヴェリア(31分)、バラトクマル・ラマルー(58分)、トレンガヌ-モハマド・ラムジ・スフィアン(10分)、エンク・ムハマド・ヌル・シャキル・エンク・ヤコブ(50分)
 トレンガヌIIの渡邉将基選手は先発してフル出場しています。

2021年3月13日@タンスリ・ダト・ハジ・ハサン・ユーノススタジアム(ジョホール州ラーキン)
JDT II 2-1 クチンシティ
得点者:JDT-ニコラス・フェルナンデス (49分)、ムハマド・フェロズ・バハルディン2(52分、79分)、クチン-ハドソン・ジェズス(22分)
  JDT IIの廣瀬慧選手は先発して86分に交代、クチンシティの鈴木雄太選手は先発してフル出場しています。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ順位(第3節終了時)

ClubGWDLGFGAGDP
1NS32106427
2SU22005056
3SEL32018446
4KEL32014316
5KU32014316
6TFC31207344
7JDT21014313
8PRK310225-33
9KCH201124-21
10PDRM300317-60
11FAM3003310-70
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:NS-ヌグリスンビラン、TFC-トレンガヌII、PRK-ペラII、SEL-スランゴール2、KEL-ケランタン、KU-ケランタン・ユナイテッド、KCH-クチンシティ、FAM-FAM MSNプロジェクト、SU-サラワク・ユナイテッド

*今季の2部プレミアリーグは11チームが参加のため、各節で1チームだけ試合がありません。第3節はサラワク・ユナイテッドの試合がありませんでした。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ得点ランキング(第3節終了時)

選手名(所属クラブ)ゴール数
1ジョージ・アトラム(SEL)5
2ウチェ・アグバ(SU)3
3アラン・オコン(NS)ら7名2
クラブ名:NS-ヌグリスンビラン、TFC-トレンガヌII、PRK-ペラII、SEL-スランゴール2、KEL-ケランタン、KU-ケランタン・ユナイテッド、KCH-クチンシティ、FAM-FAM MSNプロジェクト、SU-サラワク・ユナイテッド

2021年Mリーグ2部プレミアリーグ第2節結果

 3月6日に開幕したMリーグ2部プレミアリーグは3月21日の第5節まで2週間で5試合というタイトなスケジュールが組まれています。調整が遅れているチームやベテランが主体のチームはこの日程をどう乗り切るかが第6節以降の成績に直結しそうです。(試合のダイジェスト映像は各クラブの公式TVチャンネルからお借りしています。)

2021年3月9日@MPSスタジアム(スランゴール州スラヤン)
スランゴール2 1-2 ヌグリスンビラン
得点者:スランゴール-ハリス・ハイカル(73分)、ヌグリスンビラン-バラトクマル・ラマルー(32分)、アラン・ティエリー・アコノ・アコノ(89分)
*以下の映像はクラブ公式TVではなく国営放送RTMのニュース映像です。

2021年3月9日@UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
FAM MSNプロジェクト 1-2 ケランタン
得点者:FAM-アザド・ハラズ・アルマン(7分)、ケランタン-ミオー・ダニ・アルミン(9分)、ヌルシャミル・アブドル・ガニ(90分) 

https://www.youtube.com/watch?v=Dg5tK6x3WWw

2021年3月10日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(ケランタン州コタバル)
ケランタン・ユナイテッド 2-0 PDRM
得点者:ケランタン-モハマド・アミルル・シャフィク(3分)、深井脩平(70分)
 今節は日本人選手が所属するクラブが対戦するカードが2つありますが、その一つはこのケランタン・ユナイテッド対PDRMです。この試合では昨季最下位となり1部から降格したPDRMをケランタン・ユナイテッドが破り今季初勝利を挙げています。一方のPDRMは開幕から2連敗です。なおマレーシアサッカー協会FAMが発表するCMS(Competition Management System)では谷川由来選手がこの試合のマンオブザマッチとなっています。
 ケランタン・ユナイテッドの深井脩平選手と谷川由来選手は先発でフル出場、本山雅志選手は46分から交代出場して試合終了までプレーしています。
 PDRMの鈴木ブルーノ選手は先発しましたが、ケガのため21分で交代しています。

2021年3月10日@スルタン・イスマイル・ナサルディン・シャースタジアム(トレンガヌ州クアラトレンガヌ)
トレンガヌII 1-1 クチンシティ
得点者:トレンガヌ-アミルル・シャズワン・ノー・アズミ(20分) 、クチン-モハマド・ハイロル・モクター(30分)
 今季初戦となったクチンシティはトレンガヌIIと引き分けています。前節はFAM-MSNプロジェクトを相手に4ゴールを挙げたトレンガヌIIはこの試合では1ゴールでした。
 トレンガヌIIの渡邉将基選手、クチンシティの鈴木雄太選手とも先発してフル出場しています。

2021年3月10日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラII 0-3 サラワク・ユナイテッド
得点者:サラワク-ノーシャルル・イドラン・タラハ(36分)、ウチェ・アルバ2(76分PK、84分)
 1部リーグ経験者を大量補強したサラワク・ユナイテッドが2連勝を果たしています。
*以下の映像はクラブ公式TVではなく国営放送RTMのニュース映像です。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ順位(第2節終了時)

ClubGWDLGFGAGDPts
1SU22005056
2NS22004226
3TFC21105144
4SEL21014223
5KEL21012203
6KU21012203
7PRK210113-23
8KCH10101101
9JDT100112-10
10FAM200216-50
11PDRM200205-50
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、Pts-勝点
クラブ名:NS-ヌグリスンビラン、TFC-トレンガヌII、PRK-ペラII、SEL-スランゴール2、KEL-ケランタン、KU-ケランタン・ユナイテッド、KCH-クチンシティ、FAM-FAM MSNプロジェクト、SU-サラワク・ユナイテッド

*今季の2部プレミアリーグは11チームが参加のため、各節で1チームだけ試合がありません。第2節は廣瀬慧選手が所属するJDT IIの試合がありませんでした。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ得点ランキング(第2節終了時)

選手名(所属クラブ)ゴール数
1ウチェ・アグバ(SU)3
2アラン・オコン(NS)2
2アミルル・シャズワン・ノー・アズミ(TFC)2
2ジョージ・アトラム(SEL)2
クラブ名:NS-ヌグリスンビラン、TFC-トレンガヌII、PRK-ペラII、SEL-スランゴール2、KEL-ケランタン、KU-ケランタン・ユナイテッド、KCH-クチンシティ、FAM-FAM MSNプロジェクト、SU-サラワク・ユナイテッド

3月1日のニュース:サラワク州本拠地の2クラブが試合会場と日程を変更、MFLはメディア関係者への迅速抗体検査を受検義務づけは変更せず

サラワク州本拠地の2クラブの試合会場と日程が変更に
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグは公式サイト上でサラワク州クチンを本拠地とするMリーグ2部プレミアリーグのサラワク・ユナイテッドとクチンシティの試合日程及び会場の変更を発表しています。
 先日発表された今季の試合予定では、サラワク・ユナイテッドはスランゴール州スラヤンにあるMPSスタジアムでホームゲームを開催すると発表されていましたが、サラワク・ユナイテッドは新たにマラッカ州のハンジェバスタジアムへ変更することをMFLに申請し、MFLは臨時理事会を経て、これを承認したと発表しています。
 なおハンジェバスタジアムはMリーグ1部マラッカ・ユナイテッドの本拠地でもあることから、試合日程が変更されています。
 またクチンシティは、MFLに対して今季のホームゲームの最初の2試合をアウェイゲームとして行うこと、そしてその後のホームゲームはサラワク州に隣接するサバ州のコタキナバルにあるリカススタジアムで開催することを申請し、これが承認されています。
 サラワク州は独自の新型コロナウィルス対策を実施しており、サラワク州外からの渡航者全員に2週間の検疫隔離が義務付けられており、サラワク州でアウェイゲームを戦うMリーグ2部のクラブも例外とはなりませんでした。このため当初の予定通りの日程で今季のプレミアリーグを終えることが難しくなっていたことから、サラワク州を本拠地とする両クラブがその対策として州外でのホームゲーム開催をMFLに申請していました。
 なお、修正された今季Mリーグ2部プレミアリーグの試合日程はこちらからどうぞ。

MFLはメディア関係者への迅速抗体検査を受検義務付は変更せず
 マレーシアンフットボールリーグMFLは試合会場で取材を行うメディア関係者について、迅速抗原検査(ラピッドテスト)受検を義務付ける方針に変更はないことを発表しています。
 MFLのアブドル・ガニ・オスマンCEO名で出された今回の要望では、Mリーグを報道するメディア関係者に感謝の意を表する一方で、今季のMリーグはいわゆるスポーツバブル方式で開催されることから、このスポーツバブルを安全に維持していくためにもメディア関係者全員にラピッドテストの受検を義務付けると述べています。
 なお今回の要望は、MFLがメディア関係者全員に試合ごとにラピッドテストの受検を義務付けると発表したことに対し、マレーシアスポーツライター協会SAMのジャスニ・シャフィ会長がその手間や費用などの面から再考を求める提案をしたことについての回答です。
 ジャスニ会長は1回当たり100リンギから160リンギ(およそ2630円から4210円)かかるとされるラピッドテストを毎試合受けることによる金銭的な負担に加え、受検にかかる時間もメディアにとっては負担になると述べていました。
 またアブドル・ガニCEOはラピッドテスト受検が必要となるのはピッチ周辺で取材するカメラマンやテレビカメラマンのみであることを説明した上で、それ以外のメディアはMFLが用意するメディアルームで取材を行う限りはラピッドテスト受検は不要であるとしています。
 この他、新型コロナウィルスの感染が収まれば、国内スポーツを監督する青年スポーツ省とも協議の上、検査義務付けなども緩和する予定であるとし、それまではスポーツバブル維持のために協力を求めたいとアブドル・ガニCEOは話しています。
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 MFLはリーグ戦中にクラスターが発生しないようにと、Mリーグのチーム全員が合宿して外部との接触を遮断する合宿検疫隔離と、自宅で生活しながら同居する家族全員にも外部との接触の遮断を義務付ける自宅検疫隔離の二つの方法を併用して外部との接触を遮断するスポーツバブルを形成するとしています。
 なおアメリカプロバスケットボールのNBAやサッカーのMLSはこのスポーツバブル方式で試合を既に実施しています。いずれもフロリダ州のウォルトディズニーワールドで集中開催され、それを取材したUSA TodayやThe New York Timesの記事を読むと、記者など取材するメディアもそのスポーツバブルから自由でに出入りできない生活を強いられるだけでなく、定期的に検査を受けるなど外部からの隔離と感染予防が徹底していたことがわかります。ちなみに頻繁に行われたメディア関係者を対象とした検査はNBAやMLSが負担していたようです。

2月26日のニュース:クチンシティもサラワク州外でのホームゲーム開催をMFLに正式申請、スウィラッドはタイ2部ノーンブワ・ピッチャヤに合流、経営難で消滅クラブの元選手らが未払い給料支払いを求めて民事訴訟を準備、2部ペラIIは今季リーグ残留が決定

クチンシティもサラワク州外でのホームゲーム開催をMFLに正式申請
 Mリーグ2部の鈴木雄太選手が所属するクチンシティはMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLに対し、3月5日に迎える今季のMリーグ開幕からのホームゲーム4試合について本拠地クチン市のあるサラワク州外での開催を正式に申請したと英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 サラワク州は州内に複数のレッドゾーン(過去2週間で累積感染患者40名以上の地域)を複数抱えており、州外からの全ての渡航者に対して14日間の検疫隔離を義務付けています。このためサラワク州でMリーグの試合が行われる場合、対戦チームは試合の2週間以上前に渡航せねばならない上、検疫隔離中は練習が行えないことから、既に発表されている今季の日程が予定通りに開催できないことが懸念されていました。
 この状況について、同じサラワク州クチン市を本拠地にするMリーグ2部のサラワク・ユナイテッドは、既に州外でのホームゲーム開催をMFLに申請しており、先日発表になった今季日程では、スランゴール州スラヤンにあるMPSスタジアムを本拠地として使用することが発表されています。
 一方、対応が後手に回ってしまったクチンシティは、当初はイスラム教の断食月が始まる4月半ばまではホームゲームを首都圏で開催し、それ以降はクチンを本拠地とする案や、全ての試合をアウェイとして行う案を検討していたということです。なお、クチンシティは第2節の3月9日にトレンガヌIIを迎えてのホームゲームが予定されていますが、試合会場はまだ決まっていません。
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 MPSスタジアムを本拠地として使用することが決まっているサラワク・ユナイテッドですが、このMPSスタジアムは照明の光度がMFLの試合には不十分であることから、ここで開催される試合はいずれもマレーシアではまだ日中の暑さが残る午後4時45分キックオフとなっています。
 サラワク・ユナイテッドのサティアナタン・バースカラン テクニカルディレクターは、他のMリーグ2部のクラブの本拠地同様、午後9時キックオフが可能なスタジアムを抑えることができなかったと話し、暑さに対応するため、チームが目指すプレッシングサッカーから戦術変更の可能性も示唆しています。

スウィラッドはタイ2部ノーンブワ・ピッチャヤに合流
 タイ2部リーグのノーンブワ・ピッチャヤFCは、マレーシア代表経験もあるニック・スウィラッドのチーム合流を公式Facebookで発表しています。
 昨季はMリーグ1部スランゴールに所属していたスウィラッド選手はシーズン中はベンチを温めることも多く、シーズン終了後に契約解除となり、今季はクアラルンプール・ユナイテッドと契約直前までいったものの、結局は契約に至りませんでした。
 スウィラッド選手が加入したノーンブワ・ピッチャヤは、現在、タイ2部リーグで15勝8分0敗で2位に勝点差4をつけて首位を走っており、スウィラッド選手は残り11試合の契約となっています。
 スランゴールでは出場機会が少なかったこともあり、2019年3月を最後に代表招集がないスウィラッド選手ですが、ノーンブワ・ピッチャヤで出場機会を積み、さらに代表のタン・チェンホー監督にもアピールできれば再び招集もあるだろうと、サッカー専門サイトのヴォケットFCは予想しています。

経営難で消滅クラブの元選手らが未払い給料支払いを求めて民事訴訟を準備
 先日の2月21日にパハン州初の「市」となった州都クアンタン。かつてここにはMリーグ2部プレミアリーグでプレーするクアンタンFAというチームがありました。昨年ヌグリスンビランFA(現ヌグリスンビランFC)を最後に引退した中武駿介氏もかつて在籍したこのクアンタンFAは、2017年シーズンから給料未払い問題が明らかになり、その後、2018年には4ヶ月以上給料を支払われていない選手たちがリーグ戦当日に試合会場に現れないという事件を起こし、この年のリーグ開幕からわずか2ヶ月後にはチームはリーグ追放処分を受け、その後、クアンタンFAはチームが解散となりました。
 このクアンタンFAを当時買収しようとしていたのが当時のMリーグ3部にあたるFAMカップに所属していたセミプロクラブのマルセラ・ユナイテッドでした。このマルセラ・ユナイテッドの会長はクアンタンFAを買収してマルセラ・クアンタンFAとすると公言していましたが、結局それも実現せず、クアンタンFA解散後はマルセラ・ユナイテッドへ移籍してプレーを続ける選手もいましたが、マルセラ・ユナイテッドもやはりリーグ途中で解散してしまいました。
 この結果、クアンタンFAとマルセラ・ユナイテッドに所属していた選手や監督、コーチらは給料は未払いながら、請求先となるクラブが解散するという事態に直面していました。その後も当時の関係者などに問題解決のために連絡を取ろうとするも、これまで何年間もなしの礫。だったようです。
 しかしマレーシアの通信社ブルナマは、この両クラブの選手や監督、コーチらが記者会見を開き、クアンタンFAの26名の元選手と7名の監督、コーチ、そしてマルセラ・ユナイテッドの21名の選手と5名の監督以下スタッフが、2018年シーズンの未払い給料問題を解決するため、両クラブに責任を持つ人物に対して14日以内に連絡を取流よう求めていると、選手たちの弁護士を務めるスハイル・ラヒミ・アブドル・ラザク氏が述べていると報じています。平均して4ヶ月から5ヶ月分の給料が未払いとなっていると話すスハイル氏は「選手や監督、コーチは1年契約を結びながら、現在に至るまで全く何も支払われていない。しかも何年も支払いを求めながら何も進歩していないことに疲弊している。」と話し、旧クラブ関係者の誰も応じない場合には民事訴訟を起こす考えも明かしています

2部ペラIIは今季リーグ残留が決定
 今期開幕を控えながらリーグ不参加が取り沙汰されていたMリーグ2部のペラIIは、噂されていたチームの解散やMリーグ3部にあたるセミプロリーグM3リーグではなく、今季も2部に出場することが決定したと、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 スタジアムアストロの取材に対してMリーグ1部ペラFCの運営理事会メンバーであるカイルル・シャーリル・モハメド氏は、ペラFCのセカンドチームであるペラIIは、今年1回目のトランスファーウィンドウが3月5日まで延長されたことで、選手確保のめどがったととしてリーグ残留を表明しています。
 「(ペラFCの)運営理事会内では解散の意見も出たことは事実だが、それはあくまでも最後の選択肢である。様々な意見を検討した結果、ペラIIは今季も2部でプレーすることを決定した。」
 また外国籍選手が1人も加入していない状況については、ペラIIは本来、トップチームのペラFCに供給する若手選手に出場機会を与えることが設立目的であることから、今季は外国籍選手を獲得しない可能性が高いとも述べています。

2月21日のニュース:Mリーグ1部と2部の今季日程が発表、クチンシティも首都圏での複数のホームゲーム開催を検討、マレーシアはW杯予選の6月集中開催地として立候補せず、政治家がペラ州FAを混乱させている、サバが新戦力発表

Mリーグ1部と2部の今季日程が発表
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは公式サイト上で、今季2021年シーズンのMリーグ1部スーパーリーグと2部プレミアリーグの試合日程を発表しています。
 3月5日に開催されるスルタン・ハジ・アフマド・シャーカップ(スンバンシーカップ)として昨季チャンピオンJDT対昨季2位のクダ・ダルル・アマンが激突する開幕戦を皮切りに、1部スーパーリーグは8月8日まで、また2部プレミアリーグは8月1日までおよそ5ヶ月間のリーグ戦を戦います。
 今季日程の発表に際してMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、マレーシア政府が設ける標準行動手順SOPを厳守することを改めて全クラブに求め、クラスターなどを発生させることなく、各クラブが責任を持ってリーグを終えられることを望んでいると話しています。
 またアブドル・ガニCEOは新型コロナウィルスの感染者数がすれば政府に対してスタジアムでの感染許可を申請することも検討していると話しています。
 なおMリーグ1部スーパーリーグの日程はこちらから、2部プレミアリーグの日程はこちらからどうぞ。(新しいタブが開きます。)
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 サラワク・ユナイテッドがホームゲームを従来のサラワク州クチンではなく首都圏で開催することを希望していることはこのブログも取り上げましたが、2部プレミアリーグの日程表ではホームゲームの会場がスランゴール州MPSスタジアムになっていることから、今季のサラワク・ユナイテッドはこのMPSスタジアムを本拠地とするようですなおサラワク・ユナイテッドが本拠地とするMPSスタジアムはスランゴールのセカンドチーム、スランゴール2も本拠地として使用します。
 またマレーシアサッカー協会FAMと国家スポーツ評議会NSC(マレーシア語表記ではMSN)が共同で運営するFAM-MSNプロジェクトチームはスランゴール州シャーアラムのUITMスタジアムを本拠地とするようです。

クチンシティも首都圏での複数のホームゲーム開催を検討
 サラワク州クチンを本拠地とするMリーグ2部サラワク・ユナイテッドは今季のホームゲームを首都圏で開催する希望をMFLに出していましたが、昨日発表された今季のMリーグ日程を見ると、サラワク・ユナイテッドのホームゲームがスランゴール州スラヤンのMPSスタジアムを会場に組まれています。
 同じクチンを本拠地にする2部プレミアリーグのクチンシティは、サラワク州政府が州外からの渡航者に対する検疫隔離を継続する場合には、やはりホームゲームをサラワク州外に移して行う意向があると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 クチンシティのファズルディン・アブドル・ラーマン会長は、経営陣が2月20日朝にミーティングを行ったと話し、MFLの承認があれば自チームの最初のホームゲーム4試合はクアラルンプールで行いたいという希望を表明しています。そしてその後、サラワク州政府の標準作業手順SOPが渡航者に検疫隔離を求めるようであれば、残るホームゲームは全てマレー半島にあるスタジアムを本拠地として行う意向も明らかにしてます。

マレーシアはW杯予選の6月集中開催地として立候補せず
 マレーシアサッカー協会FAMは6月に延期されたFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選の残り試合の集中開催地として立候補しないことを表明しています。
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版はFAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長の話として、3月から6月に日程が変更されたFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼アジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会予選G組の残り試合を集中開催地としてマレーシアは立候補しないと述べています。
 AFCが集中開催地の条件として定めているいくつか項目について確約できないと話すスチュアート事務局長は、AFCのウインザー・ポール事務局長が挙げた検疫の実施状況など複数の点でAFCが求める条件をクリアできない可能性があることを理由に今回の見送りを決めたと話しています。 .

政治家がペラ州FAを混乱させている
 マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版は「政治家がペラ州サッカー協会(ペラ州FA)を混乱させている」というタイトルの記事を掲載しています。この記事の中ではペラ州FAの複数の加盟団体が、ペラ州FA理事会の意向を一部の州議会議員が無視した上で、運営に干渉をしていると非難しています。
 この加盟団体の代表者によれば、このブログでも取り上げたペラFCの新しいロゴをめぐる騒動や、一昨日から始まったUITMとスランゴール州シャーアラム市が共催する大会への出場などについてはペラ州FAの理事会では全く話し合われないまま、「ペラ州政府内の『スポーツ理事会』」のメンバーである州議会議員が勝手に発表したものだと非難しています。(ちなみにUITMでの大会には結局、ペラは出場せず、スリ・パハンが出場しています。)
 さらにこの加盟団体の代表者はペラ州FAのムハマド・ヤザン・ムハマド会長代理に対しても、ペラ州FA理事会を押しのけて干渉を続ける州議会議員らに職権濫用を理由に懲戒処分を課すべきと述べています。
 ペラ州FAの混乱は前ペラ州首相でペラ州FA会長も兼務していたアフマド・ファイザル氏がペラの選手や監督、コーチを含めたスタッフに380万リンギ(およそ9930万円)の未払い給料があることを暴露して辞職したことに始まります。中央政府の政変により与野党が逆転した州議会で不信任決議を突きつけられたアフマド・ファイザル氏は州首相を辞任したものの、州FA会長には留まろうとしていましたが、アフマド・ファイザル氏と敵対する州政府は選手らの未払い給料の支払いの条件としてアフマド・ファイザル氏に州FA会長辞任を迫った経緯があります。また新チームのロゴについても州内サポーターから不透明な経緯で選出されたロゴに非難が集まるもそれを押し切って採用しようとしましたが、ペラ州スルタンがサポーターの声を聞いて新たなコンペを開いてロゴを決めるよう「助言」を行う異例の事態になっていました。

サバが新戦力発表
 今年1回目のトランスファーウィンドウが2月19日から3月5日まで延長されたことを受け、各クラブが獲得した新戦力を発表しています。
 Mリーグ1部のサバは公式Facebook上でガボン代表のMFレヴィ・クレモン・マディンダとマケドニア出身のDFリストロ・ミトレヴスキーの獲得を発表しています。28歳のマディンダ選手はキャップ数50の現役のガボン代表でスペイン1部のセルタ・デ・ビーゴなどでもプレー経験があり、昨季はトルコ2部リーグのギレスンスポルでプレーしていました。またミトレヴスキー選手は29歳で、ボスニア、イスラエル、キプロスなどでのプレーを経て、昨季はアルメニア1部リーグのアラシュケルトでプレーしていました。
 また東南アジア(アセアン)枠でインドネシア代表のFWサディル・ラムダニをインドネシア1部リーグのバヤンガラ・ソロから獲得しています。ラムダニ選手は2019年にはパハンFA(現スリ・パハン)でプレーしており、2年ぶりのMリーグ復帰です。
 サバは2019年からプレーする韓国出身のDFパク・タエスとも契約を更改しており、4人の外国籍選手が確定しています。

2月5日のニュース:ペラ州FAはサポーターから不評の新ロゴ変更の予定なし、JDT招待大会にクチンシティが唯一2部から出場

 Mリーグ2部ケランタン・ユナイテッドと契約した本山雅志選手は昨日、地元福岡を出発してマレーシアへ向かったと日本で報じられてます。マレーシアでは現在、全ての渡航者に10日から14日の検疫隔離が義務付けられており、入団発表まではまだ時間がかかりそうですが、その一方で今季は背番号10を背負うなどの報道もあり、ユニフォーム姿を見せる前から注目を集めています。

ペラ州FAはサポーターから不評の新ロゴ変更の予定なし
 ペラ州サッカー協会(ペラ州FA)は、今季のMリーグに臨むペラFC(前ペラTBG)の新たなロゴを発表しましたが、これがサポーターから大変な不評を買っています。これに対してペラ州FAは批判はサポーターの権利であるとしながらもロゴの変更は行わないことを明言しています。
 ペラ州FAのムハマド・ヤザン・モハマド副会長はマレーシアの通信社ブルナマの取材に対し、このロゴの採用を決定したのは現在のペラ州FAのトップではなく、前任者であるとしながらも、ロゴを変更する予定は当面はない話しています。
 2月1日発表された新しいロゴは黒色の背景に白いガウル(別名インドヤギュウ)を配置し、黄色の縁取りがされています。(写真左下が新しいロゴ、右下が昨季までのロゴ)

 サポーターからは「センスがない」「小学生がデザインしたのか」「創設100年目という伝統が感じられない」などの辛辣なコメントが出ており、一部には昨季までのロゴに戻すべきだという声もあります。ロゴの変更や修正について問われたムハマド・ヤザン副会長はペラ州政府(!)を含めた関係各所と話し合うとしていますが、同時にロゴの件以上に早急に解決しなければならない問題としてペラFCをペラ州FAから独立させる民営化を挙げており、当面はロゴの問題は棚上げとなる可能性を示唆しています。
 また11月から給料未払いが続いているとされるペラFCの選手に対しては、(3月5日に予定されている)今季のMリーグ開幕前には解決できるだろうと話しています。

JDT招待大会にクチンシティが唯一2部から出場
 3月5日に開幕を控えるMリーグですが、マレーシア全土に施行されている活動制限令により練習試合どころかチーム練習も行えない事態となっています。
 そんな中、サラワク州のサッカーを中心に報じるサイトのサラワク・クロックスがMリーグ1部7連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDT主催の招待大会に居並ぶMリーグ1部のクラブに混じって2部のクチンシティが出場すると報じています。
 2月10日から25日に予定されているこの大会は1回戦総当たり形式で行われ、JDTとクチンシティの他には昨季1部で3位のトレンガヌ、同8位のスリ・パハン、同9位のマラッカ・ユナイテッドが出場します。
 JDTからの招待を受け取ったと話すクチンシティのイスワンディ・アリ・ハサンCEOは、2月8日ジョホール入りする予定であると話す一方で、同時にこの大会は新型コロナウィルスの感染状況次第では中止もあり得るとも話しています。
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 昨季開幕前にはJDTの新たな本拠地スルタン・イブラヒムスタジアムの柿落としでもJDTと対戦したクチンシティ。昨季2部ながら4位の実力をJDTに評価されているということかも知れません。
 

1月18日のニュース:FIBはクラブライセンス交付をけた3クラブを今後も監視、ケランタンFCオーナー対MリーグCEOの第2ラウンド勃発、マレーシアが出場予定のAFC U19選手権は結局中止に

 ケランタンFCのノリザム・トゥキマン オーナーがマレーシアサッカー協会FAM、マレーシアンフットボールリーグMFLと繰り広げている舌戦が第2ラウンドに入りました。野次馬根性丸出しで取り上げています。

FIBはクラブライセンス交付をけた3クラブを今後も監視
 マレーシアサッカー協会FAMが、条件付きで2021年のクラブライセンスが交付されていた7クラブの内、UKM FCを除いた6クラブにフルクラブライセンスを交付したことは、先日のこのブログでも取り上げましたが、ライセンス交付を担当するFAMのクラブライセンス交付第一審査機関(FIB)のシーク・モハマド・ナシル議長は、Mリーグ1部のマラッカ・ユナイテッド、スリ・パハン、そして2部のサラワク・ユナイテッドの3クラブについて、FIBに提出された宣言書の内容が守られなかった場合には交付されたクラブライセンスの無効も含めた措置を取る可能性があるとし、今後もこの3クラブを監視していくと話しています。
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版によれば、選手の税金と労働者積立金を滞納しているマラッカ・ユナイテッドと未払い給料を抱えるスリ・パハンとサラワク・ユナイテッドは、いずれもこれらを分割で支払うことを関係機関及び選手との間で合意しており、マラッカ・ユナイテッドは1回目の支払い分となる47万6160リンギを、ケランタンFA(ケランタンFCではありません)は4万4327リンギの支払いをそれぞれ終えており、残る未払い給料も予定されている日程に沿って支払われることになっているということです。またサラワク・ユナイテッドは来月2月よりやはり分割で未払い給料の支払いを行うということです。
 この状況についてシーク・モハマド・ナシルFIB議長はこの3クラブがフルライセンス交付に当たっての条件となっている分割払いが行われる状況を監視し続けるとし、この分割払いが予定通り行われない場合や、マレーシア人以外の選手への未払い給料問題が発覚した場合には、クラブライセンスの無効化も含めた処分を行うと話しています。

ケランタンFCオーナー対MリーグCEOの第2ラウンド勃発
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、ケランタンFCのノリザム・トゥキマン オーナーに対して、MFLの方針に反するコメントを公言することは、倫理規定に反する行為であると非難しましたが、ノリザム オーナーはこれに対してさらに反論を行なっているとブリタハリアンが報じています。
 未払い給料問題を抱えるケランタン州サッカー協会(ケランタン州FA)がこの問題を解決しなければ、FAMはケランタンFCの勝点剥奪処分を課すという発言の有無をめぐってFAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長とメディア上で非難の応酬を繰り広げたノリザム オーナーはその流れでMFLへも非難の矛先を向けました。これに対してMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは既に各クラブに対して説明済みの問題を敢えて蒸し返したとして倫理規定に違反するとしてノリザム オーナーを非難し、理由説明書を送付して説明を求めました。
 これで一件落着かと思いきや、ノリザム オーナーは理由説明書を受け取ったことを明らかにした上で、MFLのアブドル・ガニCEOに対して「MFLのCEOであるにも関わらず、ケランタン州FAとケランタンFCは民営化の結果、互いに別の組織となったことを理解していない。Mリーグ参加クラブを所有しているのが誰なのかをもっと正確に把握するべきだ。」と改めて非難しています。
 昨年9月にケランタン州FAからクラブの経営権を買い取ったノリザム オーナーは所有するケランタンFCがMリーグやMFLにマイナスイメージを植え付ける意図は全くはないとした上で、MFLに対して組織の透明性をより高め、Mリーグクラブのオーナーともミーティングを行うなど、プロらしく行動するべきであると提言しています。
 「MFLは経営状況を公開し、信用性、透明性、法令遵守をより高めるべきである。ケランタンFCは現在に至るまでMFLから会計監査の結果や年次総会の日程などの連絡を全く知らされていない。」とも述べているノリザム オーナーは、自身がMFLに求めているのはMリーグの地位や価値を高めるために、企業経営の監督管理を改善するための行為であるとも話しています。

AFC U19選手権は結局中止に
 東南アジアサッカー連盟AFFの公式サイトでは、昨年から延期されていたアジアサッカー連盟AFC U19選手権とU16選手権がいずれも中止となったと報じています。
 インドネシアサッカー協会(PSSI)のモハマド・イリアワン会長が今月1月15日にAFCから中止決定を知らせる内容を公式に書面で受け取ったことを報じている他、その書面にはAFCフットサル選手権とAFCビーチサッカー選手権の中止も書かれていたということです。
 マレーシアも出場予定だったAFC U19選手権は昨年10月にウズベキスタンで開催予定でしたが、新型コロナウィルス感染拡大の影響で今年3月に日程が変更になっていました。また同U16選手権は9月にバーレーンで開催予定でしたが、こちらも今年3月から4月にかけての開催に日程が変更になっていました。またこの両選手権の上位チームが出場する予定だったFIFA U20W杯と同U17W杯は既に中止が決まっていました。
 この中止決定を受け入れたと話すイリアワンPSSI会長は、AFCの決定を尊重するとし、中止によってPSSIはU16代表とU19代表の強化により多くの時間が取れると話しているということです。
 また中止となった選手権は2023年にAFC U20アジアンカップ、AFC U16アジアンカップとしてそれぞれウズベキスタンとバーレーンで開催される予定ということです。
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 U19選手権とU16選手権中止のニュースはAFCの公式サイトでは一切発表されていないのですが、AFFの公式サイトで記事となっていたので、取り上げました。

1月17日のニュース:今度はMFLとケランタンFCオーナーの場外バトル勃発か、JDTが新たな医療施設とトレーニング施設を公開、代表監督就任のラジャゴパル氏がブルネイ入り、クチンシティのアシスタントコーチに前UKM FC監督が就任

今度はMFLとケランタンFCオーナーの場外バトル勃発か
 Mリーグ2部ケランタンFCは、昨季までケランタン州サッカー協会(ケランタン州FA)が運営していましたが、このケランタン州FAが抱える給料未払い問題により、今季2021年リーグでケランタンFCの勝点が剥奪される可能性が浮上しました。これに噛み付いたのがケランタンFCの新たなオーナーとなったノリザム・トゥキマン氏でしたが、 マレーシアサッカー協会FAMが勝点剥奪を否定したことで一件落着かと思われました。
 しかし今度はノリザム オーナーの発言がMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLの癇に障った倫理規定に違反した可能性を英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 ノリザム オーナーはFAMを批判する中で、MFLがMリーグ各クラブに対して放映権料を未だに支払っていないこと、そして審判の給料が未払いになっていることを指摘しました。しかしこれに対してMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、MFLがノリザム オーナーに対しその発言内容の説明を求める理由呈示命令書を送ったことを明らかにしています。
 「放映権料については、昨季分は既に全額を支払っており、今季についてはまだ発生していないことから、ノリザム オーナーの批判については特にコメントすることはない。また審判の給料未払いについては、先日Mリーグ各クラブのCEOと行ったミーティングの際に事情を説明し全員から理解を得ているので、なぜノリザム オーナーが改めて話題にしたのかが理解できない。」とアブドル・ガニCEOは話しています。
 「ノリザム オーナーはMリーグのステークホルダー(利害関係者)として、して良いこととするべきではないことを知っておく必要がある。言い換えれば、MFLの方針に相反する内容を公言することは、MFLの方針を否定していることになる。」とも述べて、ノリザム オーナーを非難しています。
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 これまではサッカーについては全くの部外者であったビジネスマンのノリザム オーナーと、国内サッカーの言わば互助会的な関係で運営されてきたMリーグ各クラブ、MFLとFAMとではそれぞれの「常識」が大きく異なっているようです。ただし、FAMが積極的に進める(というよりもアジアサッカー連盟AFCに急かされている)民営化が本格化すれば、ノリザム オーナーのような「身内以外」の人間が国内サッカーに直接関わる機会もますます増え、従来は起こり得なかった今回のようなFAM批判やMFL批判が今後も起こることが想像できます。MFLとFAMはこれを民営化の「産みの苦しみ」として受け入れるのでしょうか、それともこれまで同様に権威主義を貫いて力でねじ伏せようとするのでしょうか。

JDTが新たな医療施設とトレーニング施設を公開
 Mリーグ1部で7連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDTが新たに完成した医療施設とトレーニング施設を公開しています。
 これを報じたニューストレイトタイムズは、医師と物理療法士それぞれ複数名が常駐する施設としては東南アジアで初であると報じています。
 JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イブラヒム殿下は一人一人の選手のベストパフォーマンスを引き出すため、リハビリや回復のための施設も最高のものを用意していると話しています。
 オンライン上で公開された施設はトレーニング装置や遠赤外線サウナなどが完備されているほか、屋内のランニングトラックなども完備されています。
(私の中途半端な説明より下の映像を見ていただく方が早いです。-JDT TVより)

代表監督就任のラジャゴパル氏がブルネイ入り
 新型コロナウィルスによる影響がサッカー界でも散見される中、ブルネイ代表監督就任が決まっていたラジャゴパル・クリシュナサミー氏は既にブルネイ入りしており、予定通り指導を始めるとニューストレイトタイムズが報じています。
 元マレーシア代表監督としてU23代表を率いて2009年の東南アジア競技大会通称シーゲームズ優勝、そして翌2010年には東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ優勝などの実績を持つラジャゴパル氏は1月15に日にブルネイ入りしており、現在は入国後に義務付けられている隔離期間中ということです。
 ブルネイサッカー協会と2年契約を結んだラジャゴパル監督は、1996年以来となるアジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップの2023年大会本戦出場を目指し、今月1月末には代表候補選手を招集して合宿を開催する予定ということです。

クチンシティのアシスタントコーチに前UKM FC監督が就任
 前トレンガヌFC監督のイルファン・バクティ氏が新監督に就任したMリーグ2部のクチンシティFCのアシスタントコーチに、昨季2020年シーズンは同じMリーグ2部でプレーしたUKM FCで監督を務めたスライマン・フシン氏が就任したことをマレーシア語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 マレーシア国立大学UKMが運営し、その学生を主体としたクラブだったUKM FCは昨季はMリーグ2部で3勝3分5敗の9位となりましたが、UKMがクラブ運営から撤退を表明し、その後の新たなスポンサーが見つからなかったことから、今季のMリーグには参加しないことが決まっています。
  現役時代はクアラルンプールFA(現クアラルンプール・ユナイテッド)などでプレーしたスライマン氏は、2008年にUKM FCでコーチに就任し、当時3部リーグに所属していたチームで2017年からは監督を務め、その年には3部リーグで優勝し2部昇格を果たし、昇格1年目の2018年、2019年と2年連続で*チャレンジカップ決勝へとチームを導いています。
*チャレンジカップとはマレーシアカップに出場できないMリーグ1部の12位のチームと2部の5位以下のチームが出場する大会で、UKM FCは2018年決勝はトレンガヌFC IIに。2019年決勝はJDT IIにそれぞれ敗れています。

1月16日のニュース:ケランタンFCオーナーがFAMを痛烈に批判-FAMは勝点剥奪処分を否定、ケランタンFCの新監督が決定、今季Mリーグ参加の全クラブにクラブライセンス発給完了

図らずも今回はケランタンFCの記事が集まってしまいました。開幕後も何かと話題になりそうなケランタンFCは今後も取り上げる機会が多くなりそうな予感がします。

ケランタンFCオーナーがFAMを痛烈に批判
 マレーシアサッカー協会FAMがケランタン州サッカー協会(ケランタン州FA)に対し、11名の選手への未払い給料を命じたことは、数日前のこのブログでも取り上げましたが、マレーシアの通信社ブルナマによると、ケランタン州FAが期限までに未払い給料を支払わない場合、今季2021年のMリーグに参加するケランタンFCが勝点3を剥奪される可能性があるという報道が出たことを受け、ケランタンFCのノリザム・トゥキマン オーナーが自身のFacebookにFAMを激しく非難するコメントを投稿しています。その内容はMリーグの各クラブに義務付けられた民営化の有効性、さらにFAMによる国内サッカーの運営方法への非難にまで及んでいます。
 「未払い給料問題はケランタン州FAの問題にもかかわらず、(民営化された結果、ケランタン州FAとは別の組織となった)ケランタンFCが勝点剥奪の対象となるとはどういうことか。民営化は一体何のためだったのか。FAMは民営化を支援する立場にありながら、ケランタン州FAにもケランタンFCにも事前に何の通告もせず、いきなりメディアに勝点剥奪について発表するべきではない。」
 「Mリーグの放映権料は未だ、各クラブに支払われておらず、Mリーグの審判も給料が未払いとなっているではないか。FAMは一体何をしたいのか。自らのオフィスの改築か。」ノリザム オーナーはこのような批判を展開していますが、これにとどまらずマレーシアの現在のFIFAランキングが153位であることを「恥ずべきこと」であるとし、一体どんな輩がこの国のサッカーを運営しているのか、とまで述べています。
 ノリザム オーナーは昨年9月に、680万リンギ(およそ1億7500万円)をケランタン州FAに支払ってケランタンFCの経営権を買い取っています。またケランタン州FAは、ノリザム オーナーがクラブを購入する1ヶ月前の昨年8月に、同様の給料未払い問題でリーグ戦の勝点3を剥奪される処分を受けています。

FAMは勝点剥奪処分を否定
 前述のMリーグ2部ケランタンFCのノリザム オーナーの非難を受け、マレーシアサッカー協会FAMは急遽、公式声明を発表し、ケランタン州サッカー協会(ケランタン州FA)が給料未払いとなっている11名の選手の給料を期限までに支払わない場合でも、ケランタンFCが勝点剥奪処分を受けることはないと明言しています。
 ブルナマによれば、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長はそのような発言はしていないと否定しているということです。
 FAMの公式声明でも「残された録音音声を元に判断すると、ラマリンガム事務局長はレポーターからのケランタンFCの勝点剥奪に関する質問に答えないようにしている」としており、またケランタンFCのノリザムオーナーに対しては、事実を確認しないまま、ソーシャルメディア上でFAMに対して批判的なコメントを投稿するべきではなかったと非難しています。
 「ノリザム オーナーはFAMのスチュアート事務局長に直接連絡を取り、そういった発言があったのか、またその真意は何かなどを尋ねていればこのような問題はそもそも怒らなかった。」としています。

ケランタンFCの新監督が決定
 ケランタンFC関連の記事が続きますが、今回は新監督就任のニュースです。前任者のユスリ・チェ・ラー氏の退団により空席となってた監督に、サンマリノ出身のマルコ・ラギニ氏が就任するとマレーシア語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 欧州サッカー連盟UEFAプロライセンスを保持するラギニ氏は、イタリアサッカー協会でインストラクターを務めた経験があるほか、イタリア、スイス、ポルトガル、モンゴル、ナイジェリアでも監督やコーチの経験があるいうことです。
 ラギニ新監督の就任を自身のFacebookで告知したケランタンFCのノリザム オーナーはイタリア出身のGKコーチとスペイン出身のアシスタントコーチとフィットネスコーチを獲得したことも明かしています。

今季Mリーグ参加の全クラブにクラブライセンス発給
 マレーシアサッカー協会FAMの第一審査期間(FIB)は今季2021年シーズン参加のためのクラブライセンスを条件付きで発給されていた7クラブの内、UKM FCを除く6クラブが再審査を通過してフルライセンスを発給されたことを公式サイトで発表しています。
 この7クラブは今季Mリーグ2部に参加するクチンシティFC、ケランタンFC、サラワク・ユナイテッドFC、、1部に参加するペナンFC、スリパハンFC、マラッカ・ユナイテッドFCです。なおUKM FCの条件付きクラブライセンスは今回の審査を通過しなかったため、無効となったということです。
 昨年から断続的に施行されている活動制限令MCOや条件付き活動制限令CMCOなどのため、クラブライセンスの申請期間が昨年10月31日から12月31日まで延長された結果、上記の6クラブにはフルライセンスが発給される一方、このクラブライセンスはあくまでもマレーシア国内のみで有効で、アジアサッカー連盟AFC主催大会への参加はできないということです。
 なお、今回フルライセンスを獲得したクラブの内、マラッカ・ユナイテッドFCは国内歳入庁と従業員積立基金に合わせて27万6000リンギ(およそ709万円)を超える未納があるということですが、新たに設定された支払い期限までに納入できない場合には、クラブライセンスが無効となるということです。
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 国内歳入庁に対し税金未払いがあり、期限までに納入できなければライセンスが無効になる状況にもかかわらず、マラッカ・ユナイテッドFCに支給される条件付きライセンスがフルライセンスになる理由が全くわかりませんが、いずれにせよ、シーズン中にライセンスが無効となり、リーグ開催期間中にクラブの数が減ることだけは勘弁していただきたいです。

1月13日のニュース:ペナンはタイ3部クラブから元U19代表を獲得、ヌグリスンビランは既に外国籍選手が埋まる、クチンシティはブラジルトリオ結成

ペナンFCはタイ3部リーグクラブから元U19代表を獲得
 今季2021年シーズンから1部に昇格するペナンFCは公式Facebook上で、昨季はタイ3部リーグのアーントーンFCでプレーしたFWザフアン・アゼマン、そして同じく昨季はMリーグ1部のクダFA(現クダ・ダルル・アマンFC)でプレーしたMFデイヴィッド・ロウリーの獲得を発表しています。
 元U19代表で21歳のザフアン選手は、新型コロナウィルスにより経費節減を目指したアーントーンFCが複数の外国籍選手との契約が更新しなかったことから、所属先を失っていました。
 また2018年のケランタンFA(現ケランタンFC)加入からMリーグでプレーするロウリー選手はオーストラリア出身ですが、マレーシア人の母親を持つことからマレーシア人選手として登録されます。
(下はペナンFC公式Facebookに掲載された新加入選手紹介)

ヌグリスンビランFCは既に外国籍選手枠が埋まる
 昨季2020年シーズンはMリーグ2部で11位に終わったヌグリスンビランFCはブラジルやカメルーン出身の新たな外国籍選手3名と既に契約していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 今季からヌグリスンビランFCの指揮を取るデヴァン・クップサミー監督によれば、3名の選手の内2名の選手は渡航者に義務付けられている隔離期間をマレーシア国内で過ごしており、残る1名も1月15日にマレーシア入国予定ということです。
 さらにこの3名のうち2名はブラジル出身のDFでクウェートやオマーンのリーグでのプレー経験があり、もう一人は過去2シーズンはインドネシアでプレーした攻撃的MF、残る1名はカメルーン出身のFWだということです。この他、韓国出身の選手も獲得済みであることが発表されており、2部リーグのクラブに与えられている外国籍選手の4枠全てが埋まったことになります。
 この他、クダ・ダルル・アマンFCより10年ぶりに復帰するFWザフアン・アドハが今季のチームの主将を務めることも発表されています。
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 JDTのDFアイディル・ザフアンの双子の弟でもあるザフアン・アドハはヌグリスンビラン州スレンバン出身で、この兄弟二人がともに在籍した2005/2006年シーズン(当時のMリーグは12月開幕、5月閉幕)にはヌグリスンビランFA(現ヌグリスンビランFC)は1部スーパーリーグで優勝を果たしただけでなく、2010年のマレーシアカップ優勝、さらに2011年のFAカップ優勝もヌグリスンビランFAで経験しています。

クチンシティはブラジルトリオ結成
 Mリーグ2部で昨季は3部からの昇格初年度で4位と検討したクチンシティFC(旧クチンFA)に第3のブラジル出身選手が加わると、マレーシア語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 今季から加わるのは、昨季は同じ2部のケランタン・ユナイテッドFCでプレーしたDFアイルトン・アレマオです。昨季から残留するFWハドソン・ディアス、そしてケガにより昨季はプレーできなかったFWレオナルド・アウヴェスとのブラジルトリオにMF鈴木雄太が加わる外国籍選手と主将のジョセフ・カラン・ティを中心とするサラワク州出身の選手たちに対しては、今季から指揮を取るイルファン・バクティ監督も大きな期待をかけていると話し、来季1部へ自動昇格権が得られるリーグ上位2位以内を今季の目標に挙げています。

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