9月9日のニュース:Mリーグ1部-クダが2位浮上も順位決定は最終節まで持ち越し、U20の練習試合2試合目はFAM-MSNプロジェクトと引き分け、ナフジ監督は来季も続投させるべきとトレンガヌFC前監督が提言

Mリーグ1部スーパーリーグ第16節(7月31日から順延)
2021年9月8日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロースター)
クダ・ダルル・アマンFC 3-3 UITM FC
得点者:クダ-バドロル・バクティアル(39分)、フィクリ・ズルキフリ(74分)、チェチェ・キプレ(80分)、UITM-デニス・ブシェニング(40分PK)、クォン・ヨンヒュン(46分)、アリフ・アルラシド(64分)
 FIFAワールドカップ2022年大会アフリカ2次予選でリベリア代表に招集されたクパー・シャーマンが中央アフリカ戦で決勝ゴールを決めた朗報が入ってきた一方で、そのシャーマン選手を失って以降のクダ・ダルル・アマンFCは1分1敗と苦しい試合が続き、2位だった順位もペナンFCに抜かれて3位に後退しています。
 それでも最下位のUITM FCをホームに迎え、この試合で再び2位浮上を目論んだクダ・ダルル・アマンFCは39分にバドロル・バクティアルのゴールで先制します。しかしその直後にはUITM FCがPKを決め、前半は1-1 で終了します。後半に入るとUITM FCが立て続けにゴールを決めて逆に2点のリードを奪います。この試合に敗れれば自力での2位奪取が不可能となるクダ・ダルル・アマンFCは、アイディル・シャリン監督が投入したファンディ・オスマンとフィクリ・ズルキフリのコンビで74分に1点、そして80分はチェチェ・キプレのゴールで同点としますが、ここでタイムアップ。勝点ではペナンFCに並んだものの得失差で再びクダ・ダルル・アマンFCが2位に浮上し、今週末の最終第22節ではトレンガヌFCも交えた三つ巴の2位争いが繰り広げられることになりました。
 第22節では3位のペナンFCは4位のトレンガヌFCと、2位のクダ・ダルル・アマンFCは7位のマラッカ・ユナイテッドFCと対戦します。
 一方のUITM FCはこの引き分けにより11位のペラFCとの勝点差が1つ詰まって3となり、最終節の結果次第では最下位脱出とマレーシアカップ出場権獲得の可能性が残りました。
(試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルよりお借りしています。)

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第21節終了時)

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#JDTが2021年シーズンの優勝を果たしAFCチャンピオンズリーグ出場権を獲得しています。
@ペラFCとUITM FCは2022年シーズンの2部降格が決定しています。
*マラッカ・ユナイテッドは給料未払いのため、勝点3剥奪処分を受けています。
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
ラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

U20の練習試合2試合目はFAM-MSNプロジェクトと引き分け
 アジアサッカー連盟AFC U23アジアカップ予選に向けて合宿中のU20代表は合宿最終日となった9月7日にMリーグ2部プレミアリーグのFAM-MSNプロジェクトと対戦し、0-0と引き分けています。
 U20代表は初の実戦となったヌグリスンビランFCでは1-2と敗れていました。
 今回の相手のFAM-MSNプロジェクトは、マレーシアサッカー協会FAMと青年スポーツ省参加の国家スポーツ評議会MSNが共同で運営する育成目的のチームで、今季はプレミアリーグに参戦しここまでは18試合で1勝3分14敗(得点12、失点52)と言う成績ですが、このチームからはプレミアリーグでマレーシア人選手として最多の8ゴールを挙げているアズハド・ハラズ・アズマンら4名がU20代表に招集されています。
 FAMは2024年パリオリンピック出場の育成プランの一環として、10月27日から31日にモンゴルのウランバートルで開催されるAFC U23アジアカップ予選J組にはU20代表を派遣するとしていますが、このFAM-MSNプロジェクト自体もパリオリンピック出場の育成プランの一環として今季のプレミアリーグに参戦しており、両チームの選手がU20代表のブラッド・マロニー監督にアピールするために激しい試合となったと、マレーシア語紙のハリアンメトロは報じています。
 この練習試合後には、選手のパフォーマンスに満足したと話したマロニー監督は「チーム内での健全な競争によりヌグリスンビランFCからは明らかにチームのパフォーマンスは改善しており、特に練習で行ったことを実践できている選手も多かった。」と話し、今月末から始まる第2次合宿に参加するメンバー選考が難しくなったとも述べています。この第2次合宿には国外組のルクマン・ハキム・シャムすディン(ベルギー1部KVコルトレイク)や、FIFA国際マッチ期間に試合を行った1部スーパーリーグでプレーするアリフ・アイマン(JDT)、ムカイリ・アジマル(スランゴールFC)らの追加招集が予定されています。

ナフジ監督は来季も続投させるべきとトレンガヌFC前監督が提言
 それまでの好調さが嘘のようにシーズン終盤に失速したチームに合わせるように、来季の去就が取り沙汰されるようになったMリーグ1部トレンガヌFCのナフジ・ザイン監督について、前任のトレンガヌFC監督で、現在は2部クチンシティFCを指揮するイルファン・バクリ監督がトレンガヌFCは来季もナフジ監督と契約するべきと提言しています。
 リーグ終盤の重要な時期にチームが3連敗し、第12節から維持してきた2位から第20節には3位、第21節には4位と順位を下げたことから、その能力に一部からは疑問の声が出始めているナフジ監督ですが、イルファン前監督は、トレンガヌFCが今季の1部スーパーリーグで現在の4位という順位に到達していることで、ナフジ監督は指導者としての十分な能力を証明しており、来季も監督を続けさせてトレンガヌFCをトップレベルのチームにできることを証明する機会を与えられるべきだと、マレーシアの通信社ブルナマの取材に答えています。
 自身がトレンガヌFCの監督を務めていた際にはアシスタントコーチを務めていた、いわば愛弟子のナフジ監督についてイルファン前監督は現在も連絡を取り合う仲であり、辛抱強くあること、そしてチームにあく盈虚しか与えないピッチ外での問題をできるだけ減らす努力をすることをアドバイスしていると話しています。
*****
 昨季まで主将を務めていたリー・タックや、新型コロナの影響で11試合と短縮されたリーグで9ゴールを挙げたドミニク・ダ・シルヴァら外国籍選手を今季は全て入れ替えた上、マレーシア人選手の補強も即戦力というよりも若手中心だったことから、今年ではなく数年後に優勝を目指せるチームとしてボラセパマレーシアJPの今季開幕前の順位予想ではトレンガヌFCを5位としました。新たに獲得したデヴィッド・ダ・シルヴァはここまで7ゴールを期待に応えられず、またシーズン途中には、同じスーパーリーグのスリ・パハンFCに移籍していたリー・タックを期限付き移籍で呼び戻すなど、決して万全とは言えないチーム状態の中でシーズンの大半で2位の座を確保し続けたナフジ監督は、現在、スーパーリーグで指揮を取るマレーシア人監督6名中でトップの成績を収めており、その手腕には疑問の余地はなさそうに見えます。今季最終第22節となる今週末の試合では2位を争うペナンFCとの対戦が控えており、この試合の結果次第でナフジ監督の去就が決まる可能性もあります。

Mリーグ1部スーパーリーグ第21節結果

 9月3日から5日にかけて、Mリーグ1部スーパーリーグ第21節が開催されました。前節でJDTの優勝とリーグ8連覇が決まっていますが、AFCカップ出場権の懸かる2位争いは、前節終了時点で2位のクダ・ダルル・アマンFCと同3位のトレンガヌFCが揃って敗れた一方で、同4位のペナンFCが勝利して今季初となる2位に浮上しています。しかし次節最終節の結果次第ではまだ順位が変わル可能性があるため、決着は最終節まで持ち越しとなっています。
 また2部降格争いは11位のペラFCと12位のUITM FCの2部降格が今節で決まりました。なおペラFCはクラブ史上初となる2部降格となっています。(正確にはMリーグが1部と2部に別れてからなので31年ぶりです。)
 またスランゴールFCのイフェダヨ・オルセグンがサバFCを相手にハットトリックを達成し、シーズン最多となる3回のリーグ記録を樹立するとともに、今季通算ゴールを25とし、こちらもリーグ新記録を達成しています。しかし2位のベルグソン・ダ・シルヴァが2ゴール差でイフェダヨ選手を追走しており、得点王争いの決着も最終節まで持ち越しとなっています。
 試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルよりお借りしています。

2021年9月3日@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ・ユナイテッドFC 2-1 ペラFC
得点者:マラッカ-マヌエル・オット(67分)、ソニー・ノルデ(79分)、(分)、ペラ-セルヒオ・アグエロ(30分PK)
 この試合で引き分け以下ならば2部降格が決まる11位ペラFCが前節を終えて8位のマラッカ・ユナイテッドFCと対戦。PKで先制するなど前半を優勢に進めながら追加点の奪えなかったペラFCを後半にマラッカ・ユナイテッドFCが逆転し、ペラFCの2部降格が決定しました。負けられない重要な試合で今季初出場となるGKモハマド・ナスルラー・アブドル・アジズを先発メンバーに起用した理由は不明ですが、試合終了後にナスルラー・アジズ選手が大泣きしていたことが印象的でした。
 給料未払い問題により勝点3を剥奪されたことで、1部残留危機にあったマラッカ・ユナイテッドFCはこの日の逆転勝利で1部残留を決めています。

2021年9月4日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
KLシティFC 2-1 クダ・ダルル・アマンFC
得点者:KL-ロメル・モラレス(6分PK)、サフィ・サリ(26分)、クダ-チェチェ・キプレ(34分)
 今週はFIFAの国際マッチデー期間に当たることから、チーム得点王のFWクパー・シャーマン(リベリア)とMFラビ・アタヤ(レバノン)がそれぞれ自国の代表チームに招集されて欠場中のクダ・ダルル・アマンFC。主力選手を欠くものの来季のAFCカップ出場権獲得のためにリーグ2位の座を死守したいところでしたが、サフィ・サリの今季初ゴールなどで2点を挙げたKLシティに敗れています。
 次節の最終節第22節がアウェイマッチのKLシティFCは、この日の勝利で今季はホームで無敗(7勝5分)の記録を達成しています。

2021年9月4日@MBBJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティFC 0-0 UITM FC
得点者:PJ-カイリル・ムハイミン(39分)
 降格を争うチーム同士となったこの試合は9位のPJシティFCが12位のUITM FCを破り、PJシティFCの1部残留とUITM FCの2部降格が決定しています。
 外国籍選手が1名もいないことから、開幕前は2部降格の最有力候補とされていたPJシティFCの1部残留は、この試合で敗れたUITM FCやペラFCといった5名の外国籍選手枠を使いながら2部に降格するクラブにとっては強烈な皮肉になったのではないでしょうか。

2021年9月4日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴンバダ)
トレンガヌFC 0-1 JDT
得点者:JDT-シェイン・ローリー(45+2分)
 JDTに今季唯一の黒星をつけているトレンガヌFCは、この日はチーム得点王のFWデヴィッド・ダ・シルヴァがベンチ入りしなかったものの、将来のエース候補でJDT戦でゴールを挙げているFWハキミ・アブドラが後半戦で初めて先発し、JDTのGKファリザル・マーリアスに阻まれたものの惜しいシュートをはなちます。また守備陣は試合開始からリーグ得点王のベルグソン・ダ・シルヴァを厳しくマークしチャンスを与えず、このまま0-0で前半終了かと思われたロスタイムにトレンガヌFCゴール前の混戦からDFシェーン・ローリーが今季初ゴールを決めてJDTが先制し、結局これが決勝点となり、JDTが1-0で逃げ切っています。

2021年9月5日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
スリ・パハンFC 1-2 ペナンFC
得点者:パハン-ケニー・アティウ(61分)、ペナン-エンドリック(67分)、ダニアル・アシュラフ(72分)
 2位を争うクダ・ダルル・アマンFCとトレンガヌFCがいずれも前日に敗れ、この試合に勝てば今季初の2位に浮上することがわかっていたペナンFCと、やはり前日の結果で今季の1部残留が確定した10位のスリ・パハンFCの対戦は、前半は動きが悪いペナンFCに対し、積極的にゴールを狙うスリ・パハンFCが押し気味に進めたものの両チーム無得点で終了。後半に入るとスリ・パハンFCがリードし、ますますペナンFCのプレッシャーがかかるかと思われましたが、67分のエンドリックのシュートをスリ・パハンFCのGKヘルミ・エリザがまさかのキャッチミスでゴールを許し、ペナンFCが同点に追いつきます。そこからはペナンFCが攻撃のペースを上げ、5分後の72分にはカサグランデのパスをDFの裏に抜け出したダニアル・アシュラフが決めてこれが決勝点となり、ペナンFCが勝利しています。この勝利でペナンFCは今季最高位となる2位に浮上しています。

2021年9月5日@リカススタジアム(サバ州コタキナバル)
サバFC 0-6 スランゴールFC
得点者:スランゴール-イフェダヨ・オルセグン3(22分、24分、88分)、ムカイリ・アジマル(45+2分)、ノー・ハキム・ハサン(46分)、ダニアル・アスリ(75分)
 スランゴールFCが今季最多となる6ゴールでサバFCに圧勝。この試合でリーグ新記録となるシーズン最多となる3度目のハットトリックを決めたエースのイフェダヨ・オルセグンは、この日のゴールで今季通算25得点となり、Mリーグのシーズン最多得点の新記録を達成するとともに今季得点王争いのトップに立ちました。
 前節終了後に2試合を残してクルニアワン・ドゥイ・ユリアント監督を「休養」させたサバFCは、この試合前にペラFCとUITM FCが敗れたため1部残留が確定し、重圧のかからない状況だったにもかかわらずホームで今季最多失点で大敗しています。

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第21節終了時)

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#JDTが2021年シーズンの優勝を果たしAFCチャンピオンズリーグ出場権を獲得しています。
@ペラFCとUITM FCは2022年シーズンの2部降格が決定しています。
*マラッカ・ユナイテッドは給料未払いのため、勝点3剥奪処分を受けています。
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
ラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ得点ランキング(第20節終了時)

選手(クラブ)ゴール数
1イフェダヨ・オルセグン(SEL)25
2ベルクソン・ダ・シルバ(JDT)23
3クパー・シャーマン(KDH)13
4カサグランデ(PEN)11
5パウロ・ジョズエ(KL)10
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJC-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

9月2日のニュース:1部スーパーリーグ-主力欠場のクダは痛い引き分け、2部プレミアリーグ-サラワクUの1部昇格が決定、ペラFCは退団した外国籍選手との未払い給料問題を解決、複数企業がペラFC買収に関心、元代表監督は出場時間数に基づく代表選手選考方法には否定的

Mリーグ1部スーパーリーグ第17節(8月4日から順延)
2021年9月1日@ダルル・マクムルスタジアム(パハン州クアンタン)
スリ・パハンFC 2-2 クダ・ダルル・アマンFC
得点者:パハン-ケニー・アティウ2(29分、87分)、クダ-アミルル・ヒシャム・アワン・クチック(12分)、シャズワン・ザイノン(67分)
 クダ・ダルル・アマンFCに新型コロナ陽性者が見つかったことから順延されていたこの試合は、現在、FIFA国際マッチデー期間であることから、チーム得点王のFWクパー・シャーマン(リベリア)と司令塔MFラビ・アタヤ(レバノン)がW杯予選に出場する自国の代表チームに招集されたことから欠場しています。両選手はこの試合も含め最短でも3試合欠場となることから戦力ダウンとなった布陣で熾烈な今季2位争いをどう乗り切るかに注目が集まりました。
 試合はアミルル・ヒシャム・アワン・クチックの今季初ゴールで先制したクダに対し、パハンはケニー・アティウの同点ゴールで追いつき、前半を1-1で折り返します。後半に入るとシャズワン・ザイノンのゴールで再びクダがリードしますが、試合終了間際の87分にアティウ選手がこの試合2点目となるゴールを決め、引き分けに終わっています。
 この結果、クダは2位のままで3位のトレンガヌFC、4位のペナンFCとの勝点差は2と広がっています。一方のパハンは順位を一つ上げて9位となったものの、残り2試合を残して11位のペラFCとは勝点差5と、降格圏脱出とはなりませんでした。(下のダイジェスト映像はMFLの公式Youtubeチャンネルより)

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第20節終了時)

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*マラッカ・ユナイテッドは給料未払いのため、勝点3剥奪処分を受けています。
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
ラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

Mリーグ2部プレミアリーグ第17節(8月8日から順延)
2021年9月1日@MBPGスタジアム(ジョホール州パシルグダン)
クチンシティFC 1-2 ヌグリスンビランFC
得点者:クチン-マイケル・イジェジー(47分)、ヌグリスンビラン-フランシス・コネ(5分)、アルトゥール・クーニャ (70分)
 クチンシティFCに新型コロナ陽性者が見つかったことから順延されていたこの試合は、クチンシティFCが一時は追いつくも、2部優勝を目指すヌグリスンビランFCがDFアルトゥール・クーニャの今季初ゴールで勝利を収めています。
 またこの試合の結果、1部昇格資格を持つ5クラブの内、残り試合数が6と最も多いクチンシティFCがこれに全勝しても勝点35となり、勝点37のサラワク・ユナイテッドFCが残り3試合を前半しても追いつけないことから、サラワク・ユナイテッドFCの1部昇格が確定しています。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ順位(第20節終了時)

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#サラワク・ユナイテッドFCとヌグリスンビランFCは来季のMリーグ1部昇格を決めています…
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:NS-ヌグリスンビランFC、SU-サラワク・ユナイテッドFC、TFC-トレンガヌFC II、PRK-ペラFC II、SEL-スランゴールFC 2、KEL-ケランタンFC、KU-ケランタン・ユナイテッドFC、KCH-クチンシティFC、FAM-FAM MSNプロジェクト

ペラFCは退団した外国籍選手との未払い給料問題を解決
 Mリーグ1部のペラFCはブラジル出身のレアンドロ・ドス・サントス、カレッカ両選手に関する給料未払い問題が解決したことをクラブの公式Facebookで発表しています。
 ペラFCのアズミン・ノーGM(ゼネラルマネージャー)は未払いとなっていた今年5月と6月分の給料に関して、期限となっていた8月31日前に支払い方法などで合意したことを明らかにしています。
 「レアンドロ、カレッカ、そしてJDTに移籍したギリェルメ・デ・パウラの代理人から出されているに支払い請求については来月から分割で支払うことで合意した。」と話したアズミンGMはこのブラジルトリオの他に、2019年に入団テストを受け契約を結びながらその後のケガが判明し、契約を破棄されたと訴え、50万リンギ(およそ1330万円)未払い給料の支払いを求めてFIFAに提訴していた韓国出身のチョン・ヒョソクに対しても分割での支払いで同意したことも明らかにしています。
 アズミンGMはこれらの未払い給料問題が解決したことで、MFLによる来季のクラブライセンス発給に支障をきたすものは無くなったとして、未払い給料問題解決のスポンサー探しを支援したペラ州のサアラニ・モハマド州首相に感謝しています。

複数企業がペラFC買収に関心
 サッカー専門サイトのフットボールトライブは、今季給料未払い問題で主力が大量退団したMリーグ1部のペラFC買収に複数の企業が名乗りを上げていると報じています。
 これについてペラ州政府の青年スポーツコミュニケーションおよびマルチメディア委員会のカイルル・シャーリル・モハマド議長は、今年7月から複数の企業との間でペラFCの経営権譲渡についての話し合いが行われていることを明かす一方で、まだ何も決定していないと話しています。
 ペラFC運営会社の理事の一人でもあるカイルル・シャーリル議長は今年4月には、ペラFCの経営を希望する企業には自身の株式を譲渡する用意があると話したこともありますが、現在はペラFCのアズマン・ノーGM(ゼネラルマネージャー)にスポンサーや買収などの件は全て任せていると話しています。なおこの記事では、具体的な企業名などは明らかになっていません。
*****
 ペラFC買収の話は何度かこのブログでも取り上げていますが、ペラ州サッカー協会主導で行われてきたこれまでの交渉は決裂に終わっています。上の記事にもありますが、州政府の直接あるいは間接支援なしでは運営できていないのが多くのMリーグクラブの現状で、ペラFCの給料未払い問題についても州政府以外の有力スポンサー、あるいは有力オーナーがいないことに起因します。そういった状況を改善するためにクラブの民営化がMリーグでは勧められているわけですが、未だ多くのクラブが従来の州サッカー協会による運営から、運営会社を設立しての運営と形式は変わっているものの、運営会社の主要財源が州政府や州政府関連企業であるなど、公的支援に依存する体質が変わっておらず、完全な民営化にはまだ時間がかかりそうです。

元代表監督は出場時間数に基づく代表選手選考方法には否定的
 マレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長は代表選手の選考についてMリーグでの出場時間数を重視して行うべきと発言していますが、その適用については簡単ではないと元代表監督が述べていルト、マレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。
 マレーシアは今年6月に開催されたFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選を突破できませんでしたが、この代表チームには所属クラブで主力選手として活躍できていない選手が多く含まれていたことがハミディン会長の発言へと繋がっていますが、マレーシアサッカー指導者協会会長で元代表監督でもあるB・サティアナタン氏はハミディンFAM会長の意見には原則同意するものの、選手選考の条件に出場時間数を適用するとポジションによっては、選手を選ぶことが難しくなるだろうと述べています。
「例えばMリーグでは各クラブのフォワードは外国籍選手が大半を占めており、マレーシア人選手の出場時間数は限られている。また得点ランキングを見てもマレーシア人選手の名前は上位にはない。ヨーロッパではクラブでの出場機会が少ない選手でも代表に招集されることがあるので、代表選手選考に条件をつけると代表監督が望む選手を招集することが困難になるだろう。」と述べたサティアナタン氏はJDTの選手を例に挙げて、リーグ戦の試合出場時間が短い選手であっても、チーム内での競争が激しいこと、また練習のレベルが高いことから代表では期待通りのプレーができているとして、各選手の練習環境、さらには所属するクラブの監督からのフィードバックなども考慮すべきであると提言しています。
 先月のFAM理事会でハミディン会長はW杯最終予選進出を逃した代表チームに対して目に見える形の変更を求めたいとして、今後の選手選考について新たな方針を打ち出すと述べており、JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が提案している選手の出場時間数を元に選手を評価する仕組みを導入する可能性にも言及していました。

9月1日のニュース:問題発言映像の青年スポーツ相が謝罪、2021年のU21とU19リーグの2年連続中止が決定、2位争い渦中のクダはシャーマンとアタヤがW杯予選出場で今季残り試合は全て欠場か、FAMの新事務局長にモハマド・サイフディン氏が就任

問題発言映像の青年スポーツ相が謝罪
 かつてペラ州サッカー協会を務めたことから、今季Mリーグ1部で降格危機に直面するペラFCをリーグのチーム数拡大によって救おうとしていると非難が集まっていたアフマド・ファイザル・アズム青年スポーツ相が謝罪したと、マレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。
 新内閣成立後、青年スポーツ省への初登庁となったこの日、記者会見に応じたアフマド・ファイザル青年スポーツ相は、ソーシャルメディア上で拡散した映像の中で発言について全てのマレーシア人に対して謝罪したいと述べています。またマレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長とスチュアート・ラマリンガム事務局長に対しても映像の中で名前を出したことを詫びています。
 『今回の私の発言は誤りであり、この誤りについて全てのマレーシア人に謝罪したい。今回、大臣として自分が言うべきことと言うべきでないことがあることを学んだ。何も良いことをもたらすさないないことについて話すよりも、担当大臣として国内スポーツをより良くするために職務を全うすることをマレーシア人と全てのスポーツファンに約束する。」と述べています。
 アフマド・ファイザル青年スポーツ相はネット上に流出した映像の中で、現在は12チームで構成されているMリーグ1部スーパーリーグのチーム数を16に拡大することで、現在11位で2部降格危機のペラFCが1部に残留できると発言しましたが、その発言内容が現在のMリーグの規則に反し、政治的な介入であると批判を受けていました。さらにアフマド・ファイザル青年スポーツ相はハミディン・アミンFAM会長やスチュアート・ラマリンガム事務局長にもこの内容を提案済みとも述べたことから、FAMやMリーグを運営するMFLがチーム数増に関与しているのではないか疑問の声が上がり、FAMとMFLがそれぞれアフマド・ファイザル氏との会談の事実がないこと、そして今季の1部と2部の入れ替えは従来通りの方式で行うと言う声明を出す事態になっていました。

2021年のU21とU19リーグの2年連続中止が決定
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイトで今季2021年のU21リーグのプレジデントカップとU19リーグのリーグカップの中止を発表しています。両リーグは今季は6月に開幕予定でしたが、新型コロナ感染拡大により9月に延期されていました。
 FAMはマレーシア国内での新型コロナ感染状況が改善されていないことが中止の理由として挙げている他、クラブの選手や関係者、審判、さらには試合開催に直接的、間接的に関わる関係者全員の安全を考慮した結果に基づく決定であるとしています。また今回の決定は、国内のスポーツを統括する青年スポーツ省と新型コロナ対策を担当する国家安全保障委員会のいずれからも現時点で開催許可の承認を得られていないことも理由に挙げられています。
 マレーシア国内では、8月30日には1週間ぶりに国内の1日あたりの新規感染者数が2万人を切り、スランゴール州とクアラルンプールを含む首都圏を中心では新規感染者数が減り始めた一方で、他の地域では新規感染者数が再び増え始めた州もあり、この状況下でのU21リーグとU19リーグの開催までにはまだ時間がかかること、さらにU21とU19の選手は新型コロナワクチン接種を終えたばかりでありこのまま予定通り9月に今季リーグを開幕すれば感染リスクも大きいことも今季中止の判断に繋がったとFAMは説明しています。
 FAMはプレジデントカップとユースカップの2022年シーズンを来年2月に開幕する予定であることも発表しています。
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 新型コロナを理由に挙げられてははどうしようもないですが、2024年パリオリンピック出場を目指すFAMは、長期強化プランの一環としてU20代表をAFC U23アジアカップ予選に派遣する一方で、そのパリオリンピック予選に出場する可能性がある選手たちがプレーするU21リーグとU19リーグを昨年に続き2年連続で中止しています。代表チームの強化にも直結する国内リーグの中止は、U20代表だけでなく、長期的に見ればU23代表やフル代表などの強化にも影響を与えることは必至で、また数年後にはマレーシアサッカーの暗黒の時代がやって来そうでなりません。

2位争い渦中のクダはシャーマンとアタヤがW杯予選出場で今季残り試合は全て欠場か
 Mリーグ1部スーパーリーグで2位のクダ・ダルル・アマンFCは今夜9月1日にスリ・パハンFCと対戦しますが、この試合では今季13ゴールを挙げているエースのFWクパー・シャーマンと司令塔MFラビ・アタヤの両主力選手が自国の代表としてFIFAワールドカップ予選に出場するため欠場します。8月31日から9月9日はFIFA国際マッチデー期間となっており、両選手はこの期間中に開催されるMリーグ1部第21節の9月4日のKLシティFC戦と当初は第16節の7月31日予定されていながら順延されたUITM FC戦も欠場します。
 シャーマン選手はMリーグのサバ、ケランタン、トレンガヌでも監督経験があるピーター・バトラー監督が率いるリベリア代表の選手として、アフリカ2次予選C組で9月3日にはアウェイでナイジェリアと、9月6日にはホームで中央アフリカと対戦します。
 一方のアタヤ選手はマレーシアが突破できなかったアジア2次予選を突破したレバノン代表の選手として、アジア3次予選B組で9月2日にはマレーシアが予選で敗れているアラブ首長国連邦とアウェイで、9月7日はやはりアウェイで韓国と対戦します。
 来季のAFCカップ出場権がかかるスーパーリーグの2位争いでは残り2節となる中、クダ・ダルル・アマンFCが直近の4試合で4連勝するなど勝点38(18試合終了)がリードしているものの、3位のトレンガヌFCと4位のペナンFCがいずれも勝点37(20試合終了)と僅差で迫っています。なお、クダ・ダルル・アマンFCは7月下中の後半戦開幕時に新型コロナ検査で陽性者が出たことから、チーム全員が検疫隔離となり、他のクラブより昇華している試合数が少なく、今夜のスリ・パハンFC戦は第17節の8月4日に予定されていた試合が順延されたものです。
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 気になるのはFIFA国際マッチデー期間以降です。現在、マレーシア政府は全ての渡航者に2週間の検疫隔離を求めており、シャーマン、アタヤ両選手が国際マッチデー期間最終日の9月7日にマレーシアに戻った場合、何か特例がない限り、2週間の隔離期間を経て9月21日からのプレーが可能になります。一方で今季のMリーグ1部は最終第22節が9月12日となっており、両選手は今季のリーグ戦は出場なし、リーグ戦終了後のマレーシアカップから復帰となる可能性があります。

FAMの新事務局長にモハマド・サイフディン氏が就任
 マレーシアサッカー協会FAMは9月1日付でモハマド・サイフディン・アブ・バカル氏が事務局長に就任することを公式Facebookで発表しています。FAMの事務局長は、前任者のスチュアート・ラマリンガム氏がMリーグを運営するMFLのCEOに就任することから空席となっていました。
 60歳になるモハマド・サイフディン氏はスランゴール州サッカー協会で技術部門と育成部門で担当者を務めたのち1991年からはFAMで競技委員会委員長、2004年からはアジアサッカー連盟AFCで競技委員を務め、FAMに戻った2007年から2009年までは副事務局長を務めた後、2009年から2012年まではカタールのスターズリーグの競技委員会の副委員会、2012年からは2019年まではオマーンリーグの競技委員会やライセンス担当者を務めた経歴を持っている他、FIFAとAFCのマッチコミッショナーでもあります。

Mリーグ1部スーパーリーグ第20節結果

 8月27日から29日にかけて、Mリーグ1部スーパーリーグ第20節が開催されました。今節は首位のJDTがスリ・パハンFCに勝利し、2試合を残しながら今季優勝を決めています。またこの優勝でリーグ8連覇も達成しています。次節からの残り2節はAFCカップ出場権がかかるリーグ2位、3位争いと2部降格をめぐる争いがさらに激化しそうです。
 試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルよりお借りしています。

2021年8月27日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダルプテリ)
JDT 3-0 スリ・パハンFC
得点者:ベルグソン・ダ・シルヴァ3(8分、41分、45分)
 前半だけでハットトリックを決めたベルグソン・ダ・シルヴァの活躍でJDTが快勝し、今季優勝とリーグ8連覇を決めています。この試合では、先日このブログでも取り上げた代表FWシャフィク・アフマドも後半戦初めてベンチ入りし、60分からの途中出場ながらシュートを放つなど今季3試合目の出場を果たしています。
 一方のスリ・パハンFCはエラルド・グロンやアダム・ノー・アジーら主力選手6名がケガで出場できず、試合前から困難な試合になることは明らかでしたが、やはりJDTになすすべなく破れ、今季残り2試合は1部残留をかけた戦いが続きます。

2021年8月28日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロースター)
クダ・ダルル・アマンFC 1-0 ペラFC
得点者:クダ-クパー・シャーマン(19分)
 Mリーグを運営するMFLは来季のAFCカップ出場資格はMリーグ1部スーパーリーグ2位とマレーシアカップ優勝チームに与えられることを発表し、各チームは今季2位を目指して争いを激化させています。そんな中、11位のペラFCを相手にクダ・ダルル・アマンFCが勝利し、2位に浮上しています。
 ペラFCはこの試合で引き分けを挟み6連敗とまた一歩、2部降格に近づいています。

2021年8月28日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤヤ)
スランゴールFC 1-1 マラッカ・ユナイテッドFC
得点者:スランゴール-ハイン・テット・アウン(18分)、マラッカ-マヌエル・オット(90+4分)
 ハイン・テット・アウンのゴールで先制したスランゴールFCは、28分にDFアシマウィ・ヤキンがいわゆるプロフェッショナルファウルで退場となりますが、10人となってもこの1点を守り切り5連勝目前となったロスタイムに失点して引き分けています。スランゴールFCのカルステン・ナイチェル監督が89分に守備の選手ではなくFWダニアル・アスリとウィングのシーン・シヴァラジを投入した選手交代には疑問も残りますが、この引き分けでスランゴールFCの今季トップ3でのフィニッシュは難しくなりました。
 一方、2部降格争いの中にいるマラッカ・ユナイテッドFCにとっては貴重な引き分けとなりました。

2021年8月28日@UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
UTIM FC 4-0 サバFC
得点者:UTIM-クォン・ヨンヒョン(15分PK)、ジョエル・ヴィニシウス(17分)、シーン・ジッネッリ2(59分、66分)
 最下位12位のUITM FCがホームで7位のサバFCに今季最多となる4得点で圧勝し、1部残留の可能性が残りました。KLシティFCから期限付き中のGKザミル・スラマットが移籍後2試合目となるクリーンシートを達成すれば、同じくKLシティFCから期限移籍中のシーン・ジッネッリが2得点を挙げてUITM FCの勝利に貢献しています。
 サバFCは4月17日に自身のホームで行われた同じカードでは4-0と勝利していましたが、この日は同じ得点差で敗れて後半戦はこれで3分4敗となり、この試合後にはクルニアワン・ドゥイ・ユリアント監督の「休養」が発表されています。

2021年8月29日@シティスタジアム(ペナン州ジョージタウン)
ペナンFC 2-1 PJシティFC
得点者:ペナン-カサグランデ(5分)、シェリディン・ボボエフ(45+1分)、PJ-P・ラジェス(64分)
 エースのカサグランデとシェリディン・ボボエフがいずれも2試合連続ゴールを決めたペナンがFCが勝利しています。ペナンFCは今季2部から昇格したチームですが、いきなりトップ3でのフィニッシュの可能性が見えてきました。
 PJシティFCは残り2試合で降格圏の11位まで勝点差5となり、次節第21節の最下位UITM FC戦での勝利が1部残留の条件となります。

2021年8月29日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
KLシティFC 1-0 トレンガヌFC
得点者:KL-パウロ・ジョズエ(29分)
 今季2部から昇格したKLシティFCのボジャン・ホダック監督が今季の目標にあげた1部残留が既に確定しており、チームもこの試合の勝利で後半戦は3勝4分と無敗記録を更新しています。
 一方、今季2位とAFCカップ出場権を狙うトレンガヌFCは、下位のクラブ相手に痛すぎる敗戦で3位に後退しています。次節第21節はリーグ覇者のJDTと、そして最終節の第22節では3位を争うペナンFCと好調なチームとの直接対決が控えており、3位を死守できるかどうかに注目です。

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第20節終了時)

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#JDTが2021年シーズンの優勝を果たしAFCチャンピオンズリーグ出場権を獲得しています。
*マラッカ・ユナイテッドは給料未払いのため、勝点3剥奪処分を受けています。
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
ラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ得点ランキング(第20節終了時)

選手(クラブ)ゴール数
1ベルクソン・ダ・シルバ(JDT)23
2イフェダヨ・オルセグン(SEL)22
3クパー・シャーマン(KDH)13
4カサグランデ(PEN)11
5パウロ・ジョズエ(KL)10
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJC-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

8月26日のニュース:Mリーグ1部-クダが3連勝で4位に浮上、Mリーグ2部-クチンシティが連勝でマレーシアカップ出場権争いが混戦に、Mリーグ運営組織の新CEOはJDT勤務の兄との関連を否定

 チーム内に新型コロナ陽性者が見つかり、複数の試合が延期されていたMリーグ1部のクダ・ダルル・アマンFCと2部のクチンFCが試合を行い、両チームとも勝利しています。

2021年8月25日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティFC 1-4 クダ・ダルル・アマンFC
得点者:PJ-カイリル・ムヒミーン(61分)、クダ-ラビー・アタヤ(4分)、プラバカラン(45+4分OG)クパー・シャーマン(56分)、ファヤッド・ズルキフリ(90+3分)
 クダ・ダルル・アマンFCがエースのクパー・シャーマンらの4ゴールでPJシティFCに圧勝し、3連勝で4位に浮上しています。
 Mリーグ1部で唯一、外国籍選手が一人もいないPJシティFCはここまで8位と大健闘としていますが、残り3試合で降格権となる11位のペラFCとは勝点差5と今後も厳しい状況が続きます。そんな中での朗報は、ケガで長期離脱を余儀なくされていたダレン・ロックがこの試合に途中出場したことでしょう。開幕5試合で2勝2分1敗と快進撃する中、3ゴールを挙げたロック選手は、ケガをした3月21日の第5節スリ・パハンFC戦以来の復帰を果たしており、1部残留がかかる残り3試合に間に合った!といったところでしょうか。

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第19節終了時)

ClubGWDLGFGAGDP
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*マラッカ・ユナイテッドは給料未払いのため、勝点3剥奪処分を受けています。
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
ラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

2021年8月25日@MBPGスタジアム(ジョホール州パシルグダン)
クチンシティFC 2-1 JDT II
得点者:クチン-イルワン・シャズミン(59分)、アミル・アムリ・サレー(82分)、JDT-フェルナンド・ロドリゲス(18分)
クチンシティFCが2連勝し、8位と勝点差4の9位に浮上しています。消化試合数が他のクラブよりも少ないクチンシティFCは、今後の成績次第でも2年連続となるマレーシアカップ出場も見えてきます。今季の残りのホームゲームはジョホール州のMBPGスタジアムを使用するクチンシティFCからは、移動の負担も少なくなる上、ピッチの状態も本来のサラワク州立スタジアムより良いという話も聞こえてきており、さらに上位を目指す環境は整っているようです。
 この試合ではクチンシティFCの鈴木雄太選手とJDT IIの廣瀬慧選手はいずれも先発してフル出場しています。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ順位(第19節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
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項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:NS-ヌグリスンビランFC、SU-サラワク・ユナイテッドFC、TFC-トレンガヌFC II、PRK-ペラFC II、SEL-スランゴールFC 2、KEL-ケランタンFC、KU-ケランタン・ユナイテッドFC、KCH-クチンシティFC、FAM-FAM MSNプロジェクト

MFLの新CEOはJDT勤務の兄との関連を否定
 9月1日付でMリーグを運営するMFLのCEOに就任するスチュアート・ラマリンガム氏は、MFLのCEOが受けるプレッシャーはこれまで以上に厳しくなっていることは理解している上で、自分にはその状況に対処する能力があると話しているとマレーシアの通信社ブルナマが報じています。。
 就任発表後初めてとなる会見で、自身を仕事としてではなくサッカー好きとしてサッカー界に関わっている人間であると評したスチュアート氏は、産業としての国内サッカーが向かう方向性が未だ定まっていないことを問題として挙げ、就任後は直ちにMリーグに変革をもたらしたいと話す一方で、長期的視野に立った改革も同時に行いたいとも話しています。
 前任者のアブドル・ガニ・ハサン氏がMFL会長に就任したことを受け、MFLのCEOが空席となったことにより、2018年7月からマレーシアサッカー協会FAMの事務局長を務めてきたスチュアート氏がMFLの新CEOとなることが今週発表されています。
 またオンラインで行われた会見の席上では、MFLの前身であるFMLLPが2015年に設立された際にCEOを務めた兄のケヴィン・ラマリンガム氏との関連を問われると、自分たちは兄弟ではあるものの、それぞれが異なる能力を持つ別の人間であることを強調し、今回のMFLのCEO就任と現在はMFLが運営するMリーグの1クラブであるJDTで働く兄とは全く関連がないとし、「各州のサッカー協会が運営するMリーグクラブが民営化する先鞭をつけた兄の実績を評価するとともに、自分の役割はそこで作られた仕組みを改善して前進することだと理解している。」と答えています。
 2015年4月にFMLLPのCEOに就任したケヴィン・ラマリンガム氏は、2018年3月に現在のMFLとなった後もCEOを務めた後、2019年11月に健康上の理由で退任しています。そしてその後任としてMFLの第2代CEOに就任したのが今回、MFLの新会長に就任したアブドル・ガニ・ハサン氏でした。



Mリーグ1部スーパーリーグ第19節結果

 8月20日から22日にかけて、Mリーグ1部スーパーリーグ第19節が開催されました。今節もJDTが勝利し、次節にも今季優勝とリーグ8連覇が決まります。このために残り3節の注目はリーグ2位と3位に与えられるAFCカップ出場権争いと2部降格をめぐる争いとなりました。
 試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルよりお借りしています。

2021年8月20日@ダルル・マクモルスタジアム(パハン州クアンタン)
スリ・パハンFC 0-2 KLシティFC
得点者:KL-ロメル・モラレス(48分)、ザムリ・ヤハヤ(71分)
 今年2度目のトランスファーウィンドウ期間に獲得したFWキリアン・ヌワブエズがチーム合流初戦で膝前十字靭帯損傷で今季絶望となったことから、本来のMFではなくFWとして起用されているロメル・モラレスが先制ゴール、後半にはザフリ・ヤハヤの今季2得点目となるゴールでKLシティFCが連勝し、無敗記録を9試合に更新しています。なおKLシティFCは今季これまでの勝利が全てホームゲームで、この試合で今季アウェイゲーム初勝利も記録しています。
 一方のスリ・パハンFCは今季初先発となったGKダニエル・ワフディン・サドゥンが活躍したものの攻撃陣の不発で連敗となり、10位に交代し、11位のペラFCまでとも勝点差が4と降格争いから抜け出せていません。

2021年8月21日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラFC 0-3 スランゴールFC
得点者:オリヴァー・バフ(42分)、イフェダヨ・オルセグン2(45+2分、60分PK)
 スランゴールFCが得点王争いでトップに立つイフェダヨ・オルセグンの2ゴールで勝利し、4連勝。AFCカップ出場権の懸かる3位以内でリーグを終える可能性を残しました。
 一方のペラFCは、この試合前に「休養」させていたチョン・イーファット監督が今季最後まで指揮を取ることを発表していますが、この「休養」期間中にシャーリル・ニザム コーチが監督代行を務めたチームはこの試合も含め3得点10失点で3連敗、後半戦開幕以降では1分5敗となり2部降格が一段と近づきました。

2021年8月21日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティFC 0-2 JDT
得点者:JDT-ベルグソン・ダ・シルヴァ(27分)、モハマドゥ・スマレ(83分)
 JDTはエースのベルグソン・ダ・シルヴァのゴールなどで快勝しています。この勝利で勝点48となったJDTは今季3節を残し、2位のトレンガヌFCとの勝点差が11に、試合数が3試合少ないクダ・ダルル・アマンFCとも勝点差が16となり、次節第20節のスリ・パハン戦に勝利すれば今季優勝とリーグ8連覇が決まります。
 PJシティFCは4試合連続でゴールなしの4連敗となり、11位のペラFCとは勝点差5のままとなっています。

2021年8月21日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴンバダ)
トレンガヌFC 1-2 クダ・ダルル・アマンFC
得点者:トレンガヌ-ドミニク・ダ・シルヴァ(70分)、クダ-ラビー・アタヤ(45+3分)、シャズワン・ザイノン(50分)
 首位JDTと直接対決を残すトレンガヌFCでしたがホームでクダ・ダルル・アマンFCに敗れる痛い敗戦で優勝争いから脱落したどころか2位の座も危なくなってきました。
 新型コロナ陽性者が出たことで、消化試合数が少ないクダ・ダルル・アマンFCは連勝で3位のスランゴールFCに勝点で並び、得失差で4位となっています。またこの日の勝利でクダ・ダルル・アマンFCは乗り試合を全勝し、JDTが残り試合全敗となれば、JDTの優勝を阻止できる唯一のチームとなりました。なおこの試合でDFロドニー・ケルヴィンが肩を負傷して途中退場し、その後の報道では今季残り試合の欠場が発表されるほどの重症と判明しました。

2021年8月22日@リカススタジアム(サバ州コタキナバル)
サバFC 0-1 ペナンFC
得点者:ペナン-カサグランデ2(38分、55分)、シェリディン・ボボエフ(68分)
 前節で敗れたクダ・ダルル・アマンFC戦ではベンチ入りもしなかったカサグランデとエンドリックのブラジル出身コンビが復帰したペナンFCはそのカサグランデが3試合ぶりのゴールを決め3位を死守しています。
 サバFCは後半戦開幕以来3分3敗と未だ勝ち星がなく、7位ながら降格圏の11位まで勝点差6と残り3試合で下位のクラブ相手に取りこぼすことがあれば降格もあり得ます。

2021年8月22日@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ・ユナイテッドFC 1-1 UITM FC
得点者:マラッカ-S・クマーラン(45分)、UITM-ヴィクター・ニーレノルド(88分)
 UITM FCが終盤に主将のヴィクター・ニーレノルドのゴールで執念のドローに持ち込み、首の皮一枚のところで1部残留の可能性を残しています。

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第19節終了時)

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*マラッカ・ユナイテッドは給料未払いのため、勝点3剥奪処分を受けています。
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
ラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ得点ランキング(第19節終了時)

選手(クラブ)ゴール数
1イフェダヨ・オルセグン(SEL)22
2ベルクソン・ダ・シルバ(JDT)20
3クパー・シャーマン(KDH)11
4カサグランデ(PEN)10
5パウロ・ジョズエ(KL)9
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJC-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

8月14日のニュース:クダは3ヶ月ぶりの公式戦で敗れ3位争いが大混戦に、ペラFCはリーグ最終戦までシャーリル・ニザム監督代行が指揮、ペラFCが新たな練習場確保の必要に迫られる

 後半戦開幕となる7月24日のペナンFC戦前に行われた新型コロナウィルス感染検査で陽性者が出たことから2週間の検疫隔離を強いられていたクダ・ダルル・アマンFC。5月8日の前半戦最終戦第13節以来およそ3ヶ月ぶりの公式戦に臨みましたが、スランゴールFCに敗れています。この結果、3位のペナンFCから5位のクダ・ダルル・アマンFCまでが勝点差5の中にひしめく大混戦となっています。
 FAカップが中止となった今季は、スーパーリーグの2位と3位のチームに来季のAFCカップ出場権が与えられることから、このリーグ3位を目指す各チームの争いはシーズン最終戦まで続きそうです。

2021年8月14日@ダルル・アマンスタジアム
クダ・ダルル・アマンFC 2-4 スランゴールFC
得点者:クパー・シャーマン(24分)、アヌマンタン・クマール (44分)、スランゴール-イフェダヨ・オルセグン3(29分PK、75分、90+4分)、ダニアル・アスリ(30分)
 この試合で先制したのはクダ・ダルル・アマンFCでした。今季初先発したスランゴールFCのGKシーク・イズハンが前にポジションを取っているのを見たクパー・シャーマンがペナルティーエリアの外からシュートを決め、23分にクダ・ダルル・アマンFCが先制します。しかしその5分後、自陣ゴール前の混戦からシュートを手で止めたレナン・アルヴェスが一発レッドで退場。そこで得たPKをイフェダヨ・オルセグンが決めてスランゴールが追いつきます。
 その1分後には19歳のハイン・テット・アウンからのクロスに21歳のダニアル・アスリが走り込んでゴールを決め、スランゴールが2-1とリードを奪います。しかし前半終了間際にはGKシーク・イズハンがコーナーキックを弾いたボールをアヌマンタンがヘディングでシュートし、クダ・ダルル・アマンFCが同点に追いつき前半を2-2で折り返しました。
 後半に入ると再びテット・アウンからのクロスを足元に受けたイフェダヨが75分に3点目のゴールを、そして終了間際の90+4分にはイフェダヨがこの試合3点目となるゴールを決めて3連勝で4位浮上、クダ・ダルル・アマンFCは5位に後退しています。

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第18節終了時)

ClubGWDLGFGAGDP
1JDT1814314283445
2TFC18114330141437
3PEN179442722531
4SEL188553427729
5KDA148242317626
6KL185942117424
7SBH174772023-319
8PJ174671119-818
9PHG174582027-717
10MU184772024-4*16
11PRK1834111738-2113
12UITM171214736-295
*マラッカ・ユナイテッドは給料未払いのため、勝点3剥奪処分を受けています。
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
ラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ得点ランキング(第18節終了時)

選手(クラブ)ゴール数
1イフェダヨ・オルセグン(SEL)20
2ベルクソン・ダ・シルバ(JDT)19
3クパー・シャーマン(KDH)10
4パウロ・ジョズエ(KL)9
5カサグランデ(PEN)8
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJC-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

ペラFCはリーグ最終戦までシャーリル・ニザム監督代行が指揮
 Mリーグ1部ペラFCは現在、2部降格圏の11位に低迷していますが、「休養」したチョン・イーファット前監督に代わりコーチから昇格したシャーリル・ニザム監督代行が今季の残り4試合も引き続き指揮を取ることを発表しています。
 マレーシア語紙ブリタハリアンはペラFCのアズマン・ノーGM(ゼネラルマネージャー)の談話を紹介し、その中でアズマンGMは経営陣がシャーリル監督代行の手腕を評価しているだけでなく、選手からも聞き取りをした上で決定したと話しています。なお、シャーリル監督代行が就任した第17節以降、ペラFCはペナンFCに3-5、最下位のUITM FCに0-2と連敗しています。
 またこのブログではトランスファーウィンドウ期間中に獲得した新たな外国籍選手批判にアズマンGMが批判していることについても取り上げましたが、非難の対象となっていたレバノン出身のDFジャド・ヌールディンとMFサミル・アヤスが英国出身のMFチャーリー・マシェルとともに残る4試合ではペラFCでプレーすることも明らかにしています。
 「ヌールディン、アヤス両選手はこれまで首脳陣に対して協力的ではなかったが、状況が改善されていることから再度機会を与えることにした。今後もその行動は監視していくが、真摯な姿勢が見られるようならシャーリル監督代行が試合に起用するだろう。」とアズマンGMは述べています。なお7月24日から始まった後半戦では、ヌールディン選手はここまで出場なし、アヤス選手は2試合(内先発1試合)の出場となっています。

ペラFCが新たな練習場確保の必要に迫られる
 マレーシア語紙ウトゥサンマレーシアの報道によると、ペラFCのホーム、ペラスタジアム(ペラ州イポー)を管理するイポー市は、ペラFCとペラFC IIに対してペラスタジアムでの練習禁止を通達したということです。
 イポー市はMリーグ1部のペラFCとセカンドチームで2部のペラFC IIがいずれもイポースタジアムと練習と試合の両方に使っていることから過度の使用によるピッチの損傷を抑えるため、スタジアムの使用を試合のみに限定したということです。
 これを受けて、シーズン終盤にもかかわらず新たな練習場確保の必要背に迫られたペラFCのアズマン・ノーGMはペラ州とペラ州サッカー協会が管理し、イポー市から20KMほど離れたチェモルにあるフィールドを新たな練習場の候補に挙げています。しかし、このフィールドはピッチが平坦でなく、周りに柵などもないということで改善が必要ということです。
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 新たな練習場の候補地と上がっているチェモルのフィールドは、給料未払い問題が表面化した際に現れたペラFCの新たなオーナー候補が整地を行い、単独で収益があげられるような本格的練習施設の建設を提案していましが、当時、ペラFCを運営していたペラ州サッカー協会がそれを拒否してクラブの売買交渉そのものが決裂した経緯があるフィールドです。
 降格圏からの脱出を目指すペラFCにとっては、シーズン終盤に及んで新たな練習場確保を求められるなど、まさに踏んだり蹴ったり今季を物語るようなニューと言えるかもしれません。

8月12日のニュース:U23アジアカップ予選再抽選-マレーシアはJ組で変わらず、MFLはMリーグ各クラブにSOP違反に対する厳罰処分を警告、MFL会長の退任意思は変わらず、MFLはMリーグ各クラブへの分配金額決定は10月

U23アジアカップ予選再抽選-マレーシアはJ組で変わらず
 アジアサッカー連盟AFCは公式サイトでAFC U23アジアカップ2022年大会予選の組み合わせ再抽選の結果、香港が予選K組に振り分けられたことを発表しています。
 今回のU23アジアカップ予選は、北朝鮮が予選出場を辞退したため、北朝鮮が所属していた予選K組が日本とカンボジアの2チーム編成になってしまった一方で、他の組は3チームあるいは4チームで編成されていることから、東地区予選各組のシード国と集中開催地となる予選開催国を除いた国のチームを対象に、K組に振り分ける1チームを選ぶ再抽選を行うことをAFCが発表していました。
 昨日8月11日にクアラルンプールにあるAFC本部、AFCハウスでオンライン形式で行われた再抽選では、7月9日に行われた組み合わせ抽選で予選I組に所属していた香港がJ組に振り分けられています。また、この結果予選I組はベトナム、ミャンマー、台湾の3チーム編成となりました。
 なおマレーシアはタイ、ラオス、モンゴルと同じ予選J組と変わらず、10月27日から31日まで集中開催地となるモンゴルでの試合に臨みますが、ロンドンオリンピック出場を目指すマレーシアサッカー協会FAMはこの予選にU20代表を派遣することを発表しています。
 なお組み合わせ再抽選後の日程はこちらです。

MFLはMリーグ各クラブにSOP違反に対する厳罰処分を警告
 Mリーグを運営するMFLは標準作業手順SOPの遵守を再度求め、これに違反したクラブに対しては厳罰を課す用意があることを明言しています。
 マレーシア語紙ブリタハリアンはMFLのハミディン・アミン会長はSOP違反のクラブへの処分については理事会でその内容が決定しており、Mリーグ各クラブには近々文書で通達される予定である話しています。
 Mリーグでは1部スーパーリーグのクダ・ダルル・アマンFC、そして2部プレミアリーグのクチンシティFCとサラワク・ユナイテッドFCがそれぞれ試合前に行った新型コロナウィルス検査で陽性者がいたことから、いずれも2週間の検疫隔離となり、両チームの試合計12試合が延期されたほか、リーグ自体の日程も変更されるなど混乱が生じています。

MFL会長の退任意思は変わらず
 同じブリタハリアンでは、ハミディン・アミンMFL会長が退任の意思を変えておらず、その後任は近いうちに発表されると話していることを報じています。
 FAMの会長でもあるハミディンMFL会長は、FAM会長職に専念するためにMFL会長を辞任する意思があることを今年3月に行われたマレーシアサッカー協会FAM理事会で明らかにしていましたが、今回オンラインで行われた定例会見では、その意思が変わっていないと話し、規約に則り、理事会の承認を経て後任を決定したいと話しています。。

MFL-Mリーグ各クラブへの分配金は10月に支給予定
 MFLはMリーグの放映権収入による分配金は各クラブへ10月に支給される予定であると発表しています。
 ブリタハリアンはMFLのハミディン会長がこれを確約したと報じています。
 「各クラブに支給される最終的な金額については、MFL理事会によって決定される。各クラブに対しては既に支給は段階的に行われており、今後の増減についての決定権は理事会にあ利、マレーシアカップが終了する10月には最終的な金額がわかるだろう。」とハミディン会長は述べています。
 MFLは昨季2020年シーズンの放映権収入をもとに1部スーパーリーグのクラブには100万リンギ(およそ2600万円)、2部プレミアリーグのクラブには50万リンギ(およそ1300万円)を支給しています。

8月9日のニュース:陽性者のみ隔離を求めたMFLの申請を政府が却下、MFLが試合日程変更を発表-1ヶ月で10試合のチームも

陽性者のみ隔離を求めるMFLの申請を政府が却下
 Mリーグを運営するMFLは新型コロナウィルス対策を担当するマレーシア政府国家安全保障委員会NSCに対し、Mリーグ各クラブについて新型コロナ陽性者のみを検疫隔離し、陰性者には練習参加や試合出場を求める申請を行っていましたが、NSCはこの申請を却下したということです。
 申請が却下されたことを明らかにしたMFLのアブドル・ガニCEOはマレーシア語紙ブリタハリアンの取材に対し、NSCはマレーシア国内での新規感染者数が高止まりしている状況をもとに申請を拒否したことを明らかにしています。(8月9日の発表はおよそ1万7000人)
 「MFLは従来通りの標準作業手順SOPを維持し、各クラブが行っている検査で陽性反応を示した者は14日間の検疫隔離に、また陰性反応を示した者の濃厚接触者は10日間の検疫隔離を求め、濃厚接触者には従来通り、検疫隔離期間中の練習参加を禁止する。各クラブはこれまで以上にSOP遵守に留意し、今季の残り試合がこれ以上の遅延なく開催されるためにも新たな感染者を出さないよう最大限の努力を求めたい。」と述べたアブドル・ガニCEOはNSCによる申請却下を受け、Mリーグ1部、2部とも今後の日程の変更を行うことも発表しています。
 MFLは1部のクダ・ダルル・アマンFCと2部のクチンシティFCがいずれも試合前に行った検査で陽性者が見つかり、14日間の検疫隔離を実施しています。これによりクダ・ダルル・アマンFCは5試合、クチンシティFCは7試合が延期となっており、Mリーグの日程にも影響が生じています。

MFLが試合日程変更を発表
 MFLは公式サイト上で今季残り試合の日程変更を発表しています。
 上の記事でも取り上げたように1部スーパーリーグでは現在4位のクダは5試合が、2部プレミアリーグで10位のクチンシティFCは7試合が、それぞれ延期になっています。
 スーパーリーグ、プレミアリーグとも最終順位はこの両チームが全日程を終了するまで確定できないことから、MFLは既に延期になっている試合については、最終第22節前の試合が予定されていない日に開催し、最終節にはクダ・ダルル・アマンFC、クチンシティFCとも他のチーム同様に日程を終了できるように日程を改変しています。
 Mリーグ終了後には、1部スーパーリーグの上位11チームと2部プレミアリーグの*上位5チームが出場するマレーシアカップ、1部最下位と2部プレミアリーグの*6位以下が出場するチャレンジカップが開催されるため、リーグ最終順位決定が遅れれば、この両カップ戦の組み合わせ抽選日程にも影響が出ることが懸念されていました。
 今回新たに発表された日程では、クダ・ダルル・アマンFCは8月13日からリーグ戦を再開し最終第22節が開催される9月12日までのおよそ1ヶ月で9試合を、8月17日に後半戦初戦となるクチンシティFCは最終第22節の9月12日までのやはりおよそ1ヶ月間に10試合が組まれています。
(以下はMFL公式サイトで発表されたクダ・ダルル・アマンFC(青)とクチンシティFC(赤)の変更日程)

 なおMFLはマレーシアサッカー協会FAMの承認を得た上でで、8月30日から9月7日のFIFAの国際マッチデー期間にも1部スーパーリーグは試合を開催することも発表しています。なおこの期間は、マレーシア代表のタン・チェンホー監督が代表合宿を開催したいと述べていましたが、MFLのアブドル・ガニCEOは既に発表となった日程を理由にMリーグクラブには代表招集拒否権があると述べています。また外国籍選手が自国の代表チームに招集された場合、一旦出国すれば、クラブに合流可能となるのは渡航者全員に義務付けられている14日間の検疫隔離を終えてからとなる点には変更がないことも明らかにしています。
 新たに発表された1部スーパーリーグの日程はこちら、2部プレミアリーグの日程はこちらです。