6月1日のニュース
サッカー協会はU23アジアカップの準決勝進出目標を撤回
JDTはACLに向けて大型補強を敢行か
スリ・パハンもFIFAの規定を使った帰化選手を獲得か

サッカー協会はU23アジアカップの準決勝進出目標を撤回

本日6月1日にウズベキスタンで開幕するAFC U23アジアカップにはマレーシアU23代表も出場しますが、当初、マレーシアサッカー協会FAMは準決勝出場(!)を今大会の目標に挙げていましたが、マレーシア語紙ウトゥサン・マレーシアによると、FAMは大会直前となった現在、この目標を撤回しているようです。

今大会ではマレーシアは、前回2020年大会優勝チームの韓国、各国のU23代表が出場して先月、開催された東南アジア競技大会通称シーゲームズの優勝チームのベトナムと準優勝チームのタイと同じC組に入っていますが、FAMはこれらの国と同組のグループステージを突破し、さらに準々決勝にも勝利して準決勝に進出することを目標に上げていました。

客観的に見ればグループステージ突破すら容易ではないこのC組にもかかわらず、高い目標を上げていたFAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長は「準決勝進出と言う目標は撤回する。今大会はアジアの他のチームと対戦して経験を積む良い機会になることを望んでいる。」と一転してトーンダウンしています。

この目標転換についてサイフディン事務局長は、U23代表の現在の実力に基づいた現実的な目標を設定し直しただけだと述べています。「FAMはU23代表に対して悲観的になっているわけではなく、身の丈にあった目標を設定し直しただけだ。」と話したサイフディン事務局長は、目標がどうであれチームには全力を尽くすことを求めたいと話しています。

なお2018年大会に続いて2度目の出場となるマレーシアは6月2日に韓国、6月5日にタイ、そして6月8日にベトナムと対戦します。

JDTはACLに向けて大型補強を敢行か

Mリーグ1部スーパーリーグ首位のJDTは、トランスファーウィンドウで新たな戦力補強を行うことを発表しています。先日テクニカルディレクターのアリスター・エドワーズ氏の名前でクラブ公式Facebookに投稿された内容は、マレーシア人選手2名、外国籍選手2名を新たに獲得すると言う内容です。

この投稿後に俄然、注目が集まっているのが、今季は英国3部のピーターバラ・ユナイテッドでプレーした20歳のMFコービー・ジェー・チョンです。英国生まれながらマレーシア人の父親を持つコービー選手は、マレーシア人選手として登録でき、また来季の契約が更新されなかったことが明らかになっています。

JDTは昨季、英国1部EPLのウルヴァーハンプトン・ワンダラーズU23から、やはり英国生まれながら母親がマレーシア人のナタニエル・シオ・ホンワンを獲得しており、似たような経歴を持つコービー選手の獲得は可能性が高そうです。

また別のメディアでは、スリ・パハンでプレーするMFアザム・アジー、ヌグリスンビランでプレーするDFクザイミ・ピーの両代表選手もこのトランスファーウィンドウでJDTに移籍するのでは、と言った噂もあります。

さらに大穴的な予想として、2017年から昨季までJDTでプレーしたFWゴンザロ・カブレラが、同一国で5年連続プレーすることで帰化選手として登録が可能となるFIFAの規定を利用して帰化し、マレーシア人選手としてJDTの戻ってくると言う噂もあります。アルゼンチン出身でイラク国籍を持つカブレラ選手は、JDT在籍5年間で90試合に出場し、クラブ史上最多となるリーグ通算ゴール43ゴールを挙げていますが、昨季終了後は退団していました。

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悲願のACLグループステージ突破を成し遂げたJDTは、浦和レッズとの対戦が決まっている準々決勝に向けて、かつてない補強を行いそうですが、これによりますますJDTの代表チーム化が進む一方で、帰化選手と外国籍選手だけのチーム編成にも近づきそうです。ACLでマレーシアのクラブが躍進してくれれば、それは喜ばしいことですが、このような強化方針によって国内出身選手の機会は減るわけで、マレーシアのサッカー全体にとってみるとマイナスの影響もありそうです。

スリ・パハンもFIFAの規定を使った帰化選手を獲得か

Mリーグ1部スーパーリーグでここまで2勝2分4敗の8位のスリ・パハンも、JDT同様に帰化選手の獲得が近いと、サッカー専門サイトのヴォケットFCが伝えています。

英国出身のリー・タックとアルゼンチン出身のエセキエル・アグエロは、スリ・パハンが既に帰化手続きを進めている選手で、6月24日のトランスファーウィンドウ期間最終日までにはその手続きが完了しそうだと、この記事では述べられています。

33歳のタック、28歳のアグエロの両選手は、父母や祖父母にマレーシア人はいませんが、いずれも2017年シーズンからMリーグでプレーしており、FIFAが規定する「同一国に5年間以上継続して居住する」という帰化選手登録のための条件を満たしていることから、今年に入って帰化手続きが進められていました。

スリ・パハンはこれ以前にもガンビア出身のモハマドゥ・スマレ(現JDT所属)を帰化させてマレーシア人選手として登録した実績もあります。

国内クラブだけでなく、マレーシアサッカー協会FAMも代表チーム強化のための「帰化選手養成プログラム」の一環として、ブラジル出身のギリェルメ・デ・パウラとコソボ出身のリリドン・クラスニキ(いずれもJDT所属)の帰化申請を行い、両選手は昨年2021年に晴れてマレーシア代表選手としてデビューしています。しかし、両選手はFIFAワールドカップ2022年大会予選などで「帰化選手」として期待されていたほどの活躍が見せられずが、FAMには批判が殺到、その結果としてFAMは「帰化選手養成プログラム」の凍結を発表する事態となっています。

しかしその一方で、FAMはMリーグのクラブによる所属選手の帰化申請についてはこれを阻むことはしないことも表明しており、タック、アグエロ両選手の帰化には特に障害はありません。

JDTも今季はスーパーリーグのペナンでプレーするブラジル出身で27歳のエンドリックを来季獲得し、帰化申請を行うことを明らかにしており、Mリーグは今後も帰化選手が続々と誕生しそうです。

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Mリーグには、マレーシア国外で生まれ育ちながら、父母や祖父母がマレーシア人であることから帰化してマレーシアパスポートを取得する「ハイブリッド」と呼ばれる帰化選手と、上記のタック、アグエロ両選手のように5年間滞在後に申請を行って帰化する帰化選手の2つのタイプの帰化選手が存在します。

JDTで言えば、ラベル・コービン=オン、マシュー・デイヴィーズ、ナチョ・インサ、ナタニエル・シオ・ホンワンが「ハイブリッド」帰化選手、ギリェルメ・デ・パウラ、リリドン・クラスニキ、そしてモハマドゥ・スマレがFIFA規定による帰化選手です。特にハイブリッド帰化選手は、2010年代後半から増え続けており、今季もブレンダン・ガン、クェンティン・チェン、サミュエル・サマーヴィル(いずれもスランゴール)、デヴィッド・ロウリー、ニコラス・スウィラッド(いずれもスリ・パハン)、ドミニク・タン(サバ)、ダレン・ロック(PJシティ)がおり、またマレーシア国外でプレーする代表選手にはディオン・クールズ(ベルギー1部SVズルテ・ワレヘム)やジュニオール・エルドストール(タイ1部チョンブリー)がいます。

5月25日のニュース
東南アジア競技大会-PK戦敗退のマレーシアはメダルを逃す
JDTがクダに期限付き移籍中のシャフィク・アフマドの復帰を発表
アセアン選手権のスポンサーがスズキ自動車から三菱電機へ-今年末の大会から大会名称も三菱電機カップに

来月、クアラルンプールで開催されるAFC選手権アジアカップ最終予選を前に、2試合の国際親善試合が予定されていますが、初戦の相手がミャンマーからブルネイとなることが発表されています。最新のFIFAランキングで154位のマレーシアにとって、同152位のミャンマーはちょうど良い相手だったのですが、それが同166位のブルネイに代わった背景には、マレーシア政府がミャンマーの軍事政権に反対する「国家統一政府(NUG)」の外相と会談したことが背景にあるかも知れません。

マレーシア、ミャンマーの両国も加盟する東南アジア諸国連合ASEAN加盟国の閣僚として初めて、マレーシアのサイフディン・アブドラ外相がNUGのジン・マー・アウン外相とアメリカのワシントンD.C閣僚と会談し、人道支援やミャンマー難民の支援などについて協議したことが報じられています。当時、ワシントンD.C.では、米国とASEANのサミットが開催されており、ASEANはミャンマーの軍事政権代表者のサミット出席を拒否していました。

NUGをテロ組織としている軍事政権にとって、国際社会では承認を得られていないNUGとのみ協議を行うことを表明しているマレーシアとは代表戦は行えない、といったところかも知れません。

ちなみにマレーシア代表とブルネイ代表が最後に対戦したのは、U23代表の対戦になる前の東南アジア競技大会通称シーゲームズ1999年大会と20年以上も前のことでした。隣国ながらこれほど長い間対戦がなかったのも驚きですが、ブルネイで開催されたこの1999年のシーゲームズでは、マレーシア代表はブルネイ代表を2-0で破っています。

東南アジア競技大会-PK戦敗退のマレーシアはメダルを逃す

5月22日に開催された東南アジア競技大会シーゲームズの3位決定戦で、マレーシアU23代表はインドネシアU23代表と対戦しました。

この日の先発XIは、準決勝で負傷したGKアズリ・アブドル・ガニ(KLシティ)に代わり、ラーディアズリ・ラハリム(トレンガヌ)が今大会初先発し、またFWルクマン・ハキム(KVコルトレイク-ベルギー1部)に代わり、本来はDFながらこの大会では中盤で起用されているサフワン・マズラン(トレンガヌII)が起用されました。

準決勝ではいずれも延長120分を戦っていた両チームですが、強烈なライバル関係もあってか、試合は疲労の後も見せず開始直後から激しくぶつかり合います。しかしマレーシアのラーディアズリ・ラハリム、インドネシアのエルナンド・アリの両GKの好セーブやゴールポストなどに阻まれ、前半は0-0で終了します。

後半に入ってもゴールシーンがないまま試合が進んだ70分、A代表でもプレーする、シン・テヨン監督の「秘蔵っ子」17歳のFWロナルド・クワテのゴールでインドネシアが先制しました。しかし、マレーシアも80分にハディ・ファイヤッド(アスルクラロ沼津-J3)が今大会3得点目となるゴールを決めてすぐに同点に追いつきます。

その後は両チームとも得点できないまま90分を終え、1-1と決着がつきませんでした。今大会では3位決定戦は延長戦はなく、PK戦が採用されており、銅メダルを賭けてのPK戦が始まりました。先攻のマレーシアは1人目のハディ・ファイヤッドがGKに止められたものの、インドネシアも1人目のアスナウィ・マンクアラムがゴールポストに当てて外しタイ、しかしマレーシアは3人目のルクマン・ハキムが枠を捉えられず、インドネシアは残る3選手が全員決めて、結局、3-4でインドネシアに敗れて、2017年のクアラルンプール大会以来となる2大会ぶりのメダル獲得はなりませんでした。

東南アジア競技大会2021年大会
3位決定戦
5月22日(日)
ミーディン国立競技場(ハノイ-ベトナム)
インドネシア 1-1 マレーシア(PK戦 4-3)
⚽️インドネシア:ロナルド・クワテ (70分)
⚽️マレーシア:ハディ・ファイヤッド(80分)
🟨インドネシア(0)
🟨マレーシア(0)
(下はマレーシアU23代表とインドネシアU23代表の先発XIとこの試合のハイライト映像。今回はマレーシア視点、インドネシア視点、そしてシンガポールのメディアによる中立視点で見て下さい。マレーシア視点の映像はアストロアリーナ、インドネシア視点の映像はインドネシアのTV局RCTI、そして中立視点はシンガポールのメディアコープの各公式YouTubeより)

https://youtu.be/PGNhJDq2IpU

東南アジア競技大会2021年大会
決勝
5月22日(日)
ミーディン国立競技場(ハノイ-ベトナム)
ベトナム 1-0 タイ
⚽️ベトナム:マン・ドゥン・ニャム (83分)
🟨タイ(0)
🟨インドネシア(0)

インドネシア対マレーシアの3位決定戦の後に行われた決勝では、地元ベトナムがタイを破り金メダルを獲得し、前回2019年フィリピン大会に続く2連覇を達成しています。
(映像はシンガポールのメディアコープの公式YouTubeより)

https://youtu.be/-r2WIWdBH6c
JDTがクダに期限付き移籍中のシャフィク・アフマドの復帰を発表

Mリーグ1部スーパーリーグのJDTは、クラブ公式Facebook上で、同じスーパーリーグのクダに期限付き移籍してた代表FWのシャフィク・アフマドが、5月28日からのトランスファーウィンドウ期間にJDTに復帰することを発表しています。

2019年のFIFAワールドカップ2022年大会アジア予選から代表に招集されながら、新型コロナ禍の中でJDTではセカンドチームでもベンチ入りできなくなっていたシャフィク選手は、出場機会を得るために当初は1年間の期限付きでクダへ移籍と発表されていました。しかし、5月20日に発表された突然すぎるこの期限付き移籍終了については多くの憶測が飛び交っています。

ソーシャルメディアで話題になっているのは、クダ州首相でもあるムハマド・サヌシKFA(クダ州サッカー協会)会長のJDTのオーナーでジョホール州皇太子でもあるトゥンク・イスマイル殿下に対する発言が今回の移籍期限の短縮の原因ではないか、という憶測です。

これまでもJDTやトゥンク・イスマイル殿下に批判的なコメントをすることが少なくなかったモハマド・サヌシKFA会長ですが、今回は「サッカーは皆のものであり、特定の個人のものではない。ましてや特定の個人を「崇拝」するべきではない。この国のサッカー界では非常に奇妙なことが何度も起こっており、マレーシアサッカー協会FAMがこれにどう対処するかに皆の関心が集まっている。」とソーシャルメディアに投稿し、さらにその一例としてヌグリスンビラン対JDT戦で試合が0-0の中、主審がロスタイムを10分間とったことを挙げています。

ソーシャルメディア上では、MリーグがJDTに有利になるように操作されているかのようなモハマド・サヌシKFA会長の発言に対して、イスマイル殿下が報復した結果がシャフィク選手の期限付き移籍終了だという指摘です。

クダのクラブ公式Facebookには、「JDTには有り余るほど選手がおり、今、シャフィク選手を呼び戻す必要はない。モハマド・サヌシKFA会長が余計なことを言わなければ、JDTは移籍期間を突然終了させることはなかっただろう。」といった類の投稿が見られる一方で、「JDTはまさに真実を指摘されたために傷ついた。モハマド・サヌシKFA会長の発言は間違っておらず、他のクラブも同様な考えを持ちながら、それを口にする勇気がないだけの話である。それを明らかにしたモハマド・サヌシKFA会長こそが正しい。」といった意見も見られます。

しかし今回の期限短縮は誰にとってもマイナスでしかないように思えるのも事実です。当初の希望通り出場機会を得ていたシャフィク選手は、JDTに戻れば、またベンチを温めることになりそうです。またAFCカップをおよそ1ヶ月後に控えるクダにとっては、引退を決めたDFチャン ソグォン、アキレス腱を痛めて今季絶望のFWデニス・ブシェニングと既に戦力ダウンとなる中、今季は2ゴールながら主力として第9節までのクダの試合全てに出場していたシャフィク選手を失うのは、アイディル・シャリン監督とクダにとって大打撃です。その原因はともかく、誰も得をしない今回の期限付き移籍終了の最大の被害者はシャフィク選手かも知れません。

アセアン選手権のスポンサーがスズキ自動車から三菱電機へ-今年末の大会から大会名称も三菱電機カップに

東南アジアサッカー連盟AFFは公式サイト上で、AFF選手権の冠スポンサーが三菱電機となることを発表しています。これにより今年2022年に開催が予定されている第14回AFF選手権の名称も「AFF三菱電機カップ」と変更になるということです。

1996年に始まったAFF選手権は、ブルネイ、マレーシア、タイ、シンガポール、インドネシア、フィリピンのAFF創設メンバー6ヵ国とカンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムの招待国4ヵ国の計10ヵ国が参加して第1回大会が開かれています。なおこの第1回大会から2004年の第5回大会までは、タイガービールを製造販売するシンガポールのアジアパシフィックブルワリーがスポンサーとなり、「タイガーカップ」の名称で開催されています。

アジアパシフィックブルワリーズ社がスポンサーを降りた後の2007年の第6回大会はAFF選手権のみの名称で開催されたものの、2008年の第7回からはスズキ自動車がスポンサーとなり「スズキカップ」として昨年2021年末の第13回まで開催されています。

5月1日のニュース
ACLグループステージI組第6節-JDTは蔚山に勝利しマレーシアクラブ史上初の16強進出決定(ハイライト映像あり)

ACLグループステージI組第6節-JDTは蔚山に勝利しマレーシアクラブ史上初の16強進出決定

悲願のベスト16進出のためには勝利しかない状況下で迎えたグループステージI組最終節の蔚山現代戦は、JDTには「劇的」という言葉さえ陳腐に聞こえてしまうような結末が待っていた試合でした。

過去2試合を休養したナチョ・インサ、また広州戦を欠場したDF陣のシェーン・ローリー、ラヴェル・コービン=オン、マシュー・デイヴィーズの3名が先発に戻ったJDTは考えられる限りのベストメンバーでこの試合に臨みました。JDT、そしてグループステージ突破のためにはこの試合で勝利が必要な2020年ACL王者は共にキックオフから激しくせめぎ合います。

そしてそんな試合は開始からわずか5分で動きました。エースのベルグソン・ダ・シルヴァが倒され、蔚山ペナルティーエリアの外で得たフリーキックをレアンドロ・ヴァレスケスがゴール右上に決めて、2-1で勝利した前回の対戦に続き、早い時間帯にJDTが先制しました。

しかし、この日の蔚山現代は前回対戦時のような動揺もなく、すぐさま反撃に転じ、そのわずか1分後には、ラヴェル・コービン=オンがゴール前で中途半端にクリアしたボールをユン・イルロクが拾います。そこから出たパスを走りこんできた天野純がシュート。歓声が悲鳴に変わる中、試合はすぐに振り出しに戻りました。

さらにその10分後、JDTに誤算が生じました。ナチョ・インサが早々と交代とすることになったのです。川崎フロンターレとの対戦では初戦は引き分けたものの再戦で大敗したのは、中盤をコントロールするこのナチョ・インサを2戦目で欠いたことが大きな要因の1つでした。最終節に備えて休養十分でこの試合に臨んだはずでしたが、ナチョ・インサの予想外の早い交代で一気に窮地へ陥るかと思われましたが、交代出場した21歳のナサニエル・シオ・ホン・ワンがこの日はその穴を感じさせないプレーを見せ、試合は一進一退の攻防を繰り返しながら進んでいきました。

ハーフタイムでは選手を交代させなかったJDTのベンヤミン・モラ監督は「今日の試合が決勝のつもりで戦う」という前日記者会見の言葉通り、思い切った交代カードを切ってきました。MFアフィク・ファザイルに代えてFWサファウィ・ラシドを投入、リーグ戦でも見られないようなフォワード4人を同時に起用して逆転を狙いました。

さらに84分には、サファウィ・ラシドの起用でサイドバックに下がっていたラヴェル・コービン=オンに代えてさらにFWラマダン・サイフラーを投入、モラ監督は残り5分で試合を決めにかかりました。ここからJDTは押し気味に試合を進めますが、、87分にはゴール前にフリーになったレアンドロ・ヴァレスケスがヘディングシュートを放つも、蔚山GKチョ・ヒョヌが容易にキャッチ、また89分にはラマダン・サイフラーのシュートをGKチョが見事なパンチングで防ぐなど、ゴールには至りませんでした。

またロスタイムが3分と発表になった直後の90分にはサファウィ・ラシドがシュートを放ちますが、GKが反応できなかったもののゴールポストに阻まれるなど、運にも見放され、このまま引き分けで終了の雰囲気が漂い始めました。しかしその直後には蔚山のオム・ウォンサングのシュートもゴールポストに当たって外れ、まだJDTにもツキが残っているようでしたが、タイムアップは刻々と迫りました。

映像では既に92分と残り1分を切った状態で、オフサイドからのフリーキックを得たJDTはGKファリサル・マーリサルが全員に上がるように指示し、ゴール前へロングボールを蹴り込みます。そこからつないだボールをアリフ・アイマンがシュートするも、蔚山DF陣がブロックしたボールをGKチョ・ヒョヌがこれをパンチングでクリア。しかしこのボールがフラフラとペナルティエリア内に上がり、蔚山DFに競り勝ったアリフ・アイマンがゴール前のフェルナンド・フォレスティエリにパスするも、このパスをカットしようとした蔚山DFパク・ヨンウがまさかのオウンゴール。この直後に試合終了のホイッスルが吹かれ、まさに土壇場でJDTがベスト16進出を決めました。

JDTのオーナーでジョホール州皇太子でもあるトゥンク・イスマイル殿下は、この試合が行われたスルタン・イブラヒムスタジアム(ちなみにスタジアムの名前はイスマイル殿下の父君でジョホール州スルタンのスルタン・イブラヒム殿下にちなんで名付けられています。)だけでなく、練習施設やスタッフなどにも投資を惜しまず、勝利への熱意は国内他のクラブの比ではありません。

またこの日の先発メンバーでは、生まれも育ちもマレーシア生まれの選手は4名、帰化選手(国外生まれながら、マレーシア人の父親または母親を持つ選手)が3名、外国籍選手4名という顔ぶれでした。昨季までで国内リーグ8連覇中とその強さから国内ではファンも多いクラブですが、帰化選手で補強し、他クラブの有力選手を高給で引き抜くなど、ややもすると強引なJDTの手法に対し、正直、アンチも多いクラブです。

しかし少なくともこの試合に限っては、ファンもアンチも揃ってJDTを応援したのではないでしょうか。そして最後まで諦めずにプレーし続けたJDTの選手たちを後押しした結果がこの日のドラマにつながったような気がします。

今回のACLグループステージI組は、中立地での集中開催というには、「中立性」を欠いていたのは明らかです。JDTの試合は全てスコールのない午後10時から行われる一方で、それ以外の試合は、強い日差しも残ればスコールもある午後5時キックオフ。高麗芝のスルタン・イブラヒムスタジアムに対して、タン・スリ・ダト・ハジ・ハッサン・ユノスはカウグラスという言わば「野芝」のピッチなど劣悪な環境だったと言われれば、その通りだと思います。

試合前日の記者会見の席上では、スルタン・イブラヒムスタジアムでの練習希望をAFCが却下したことを蔚山現代の洪明甫監督が明らかにしましたが、AFC本部がマレーシアにあり、事務局長がマレーシア人であることを考えると、これがマレーシアのクラブ、JDTを有利にする決定だったことは明らかです。

それでも、この日のJDTの勝利で2024年/2025年シーズンのマレーシアのACL出場枠が2+2(本戦出場2チーム+プレーオフ出場2チーム)となるのであれば、限りなく黒に近いグレーなことをしてでも、JDTにその枠を取りに行ってもらいたい、とマレーシアサッカーファンなら誰でも考えることです。

今回の運営方法が不公平、不公正という批判があることはJDTも(そしてAFCも)重々承知していると思います。しかし、そんな批判を受けても、なりふりに構わずに勝ちたいと思うほどマレーシアサッカーにとってACLの価値は高く、間違ってもそれを「罰ゲーム」と呼ぶファンは1人もいないということも記しておきたいです。

ACLグループステージI組 第6節
4月30日(土)
スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
JDT 2-1 蔚山現代
⚽️JDT:レアンドロ・ベラスケス(5分)、パク・ヨンウ(90+4分OG)
⚽️蔚山:天野純(6分)
🟨JDT(4):リ・ジアハオ、ス・ティアンシ、ファン・カイシュウ、ヤン・シン)
🟨蔚山(2):アキヤ・ラシド、シャーミ・サファリ
(下は両チームの先発XIとハイライト映像。映像はアストロアリーナの公式YouTubeより)

4月30日(土)
タン・スリ・ダト・ハジ・ハッサン・ユノススタジアム(ジョホール州ジョホールバル)
川崎フロンターレ 1-0 広州FC
⚽️川崎:知念慶(14分)
🟨川崎(0)
🟨広州(2):チェン・ジェンフン、チョウ・ティエンチェン
(下は両チームの先発XI)

ACLグループステージI組 最終順位表

チーム得失差勝点
1JDT6411117413
2川崎63211741311
3蔚山6312147710
4広州6006023-230

ACLグループステージI組結果

4月15日(金)
川崎フロンターレ 1-1 蔚山現代JDT 5-0 広州FC
4月18日(月)
広州FC 0-1 川崎フロンターレ蔚山現代 1-2 JDT
4月21日(木)
蔚山現代3-0 広州川崎フロンターレ 0-0 JDT
4月24日(日)
広州FC 0-5 蔚山現代JDT 0-5 川崎フロンターレ
4月27日(火)
蔚山現代 3-2 川崎広州 0-2 JDT
4月30日(土)
川崎 1-0 広州JDT 2-1 蔚山現代

4月25日のニュース
ACLグループステージI組第4節-JDTは川崎に大敗でグループ2位に転落(ハイライト映像あり)
トレンガヌはMFLにリーグ日程の再考を求める

ACLグループステージI組第4節-JDTは川崎に大敗でグループ2位に転落

MFレアンドロ・ヴェラスケスに代えてDFカルリ・デ・ムルガを起用するのでは、というボラセパマレーシアJPの予想は外れてしまいましたが、レアンドロ・ヴェラスケスではなくDFマウリシオ、そしてここまで4ゴールを決めているFWベルグソン・ダ・シルヴァに代えてフィリピン代表のFWビエンベニード・マラニョンを起用するなど、JDTのベンヤミン・モラ監督は3日前の引き分けた試合から先発を5名入れ替え、しかもこの5名全員が今大会初先発という布陣で、Jリーグ王者に臨みました。

キックオフから両チームとも激しくせめぎ合った試合は、13分にマウリシオがペナルティエリアの外で小林悠を倒してFKを与えてしまいます。このFKを脇坂泰斗がゴール左上に決めて、川崎が先制しました。このゴールが合図かのようにここから川崎が一気に攻勢を強め、試合はJDTサイドでの時間が長くなります。

JDTにとって不運だったのは、20分にはマウリシオが負傷で交代となったことでしょう。今季ここまでリーグ戦でもベンチ入りすらなかったマウリシオの先発起用は予想しませんでしたが、今季初出場がこのインテンシティの高い試合ということに問題があったのかもしれません。

攻め続ける川崎は31分に家長昭博から山根視来、そして脇坂と繋いだボールを小林が決めて2-0、さらに42分には再び家長からのパスを受けた山根のクロスを再び小林が決めて3-0と、いずれも右サイドを崩す形でゴールを重ね、前半はこのまま川崎の3点リードで折り返します。JDT視点で見ると、2点目と3点目はここまで全試合フル出場の左SBラヴェル・コービン=オンとCBシェーン・ローリーが振り切られ、カバーが遅れる形での失点でした。

JDTのモラ監督はハーフタイムでFWフェルナンド・フォレスティエリとMFアフィク・ファザイルに代えてFWハズワン・バクリとMFナズミ・ファイズを投入します。51分にはそのナズミからのクロスにサファウィ・ラシドが、その直後のCKではシェーン・ローリーがいずれもヘディングでゴールを狙いますが、得点には至りません。

グループステージ突破のためには得失差を考えると、少しでも差を詰めておきたいJDTでしたが、81分にはマルシーニョ、88分にはチャナティップ・ソングラシンがそれぞれゴールを決めて、終わってみればJDTが5失点と大敗に終わった試合でした。

Jリーグ王者の壁の厚さを思い知らされると共に、この試合ではベンチ外となったナチョ・インサやベルグソン・ダ・シルヴァ、80分に投入されたものの焼け石に水だったアリフ・アイマンといったレギュラーとそうでない選手との差が歴然でした。今後も集中開催方式が続く限り、JDTが日本や韓国のクラブと対等に勝負するには選手層に厚みを増す必要がありそうです。

またグループステージI組は残り2節となりましたが、この日の勝利で川崎が勝点8となり首位浮上し、この前の試合で広州を5-0で破った蔚山とJDTが勝点7で並びましたが、グループステージは勝点で並んだ場合には、得失差ではなく直接対決の結果を優先することから、第2節で蔚山に勝利しているJDTが2位、蔚山が3位、そしてここまで全敗の広州が4位となっています。

次節第5節の広州戦は、川崎戦大敗で1となった得失差を再び広げるための大勝が必要な一方で、ここまで4試合フル出場のレヴェル・コービン=オンとシェーン・ローリー、そしてほぼフル出場のマシュー・デイヴィーズを最終第6節の蔚山戦に向けてどれだけ休ませることができるかが焦点となりそうです。

ACLグループステージI組 第4節
4月24日(日)
スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
JDT 0-5 川崎フロンターレ
⚽️川崎:脇坂泰斗(14分)、小林悠2(31分、43分)、マルシーニョ(81分)、チャナティップ・ソングラシン(88分)
🟨JDT(1):マウリシオ、アフィク・ファザイル
🟨川崎(0)
(下は両チームの先発XIとハイライト映像。映像はアストロアリーナの公式YouTubeより)

4月24日(日)
タン・スリ・ダト・ハジ・ハッサン・ユノススタジアム(ジョホール州ジョホールバル)
広州FC 0-0 蔚山現代
⚽️蔚山:ユン・イルロク(4分)、マールク・コスタ(54分)、ヴァレリ・カザイシュヴィリ(64分)、天野純(73分)、ソル・ヨンウ(85分)
🟨広州(0)
🟨蔚山(0):キム・ヒョヌ
(下は両チームの先発XI)

ACLグループステージI組 順位表

チーム得失差勝点
1川崎4229141138
2JDT42117617
3蔚山421110374
4広州4004021-210

ACLグループステージI組日程(時間はマレーシア時間、日本時間は-1時間)
試合会場はJDTの試合は全てスルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)、それ以外の試合はタンスリ・ダト・ハジ・ハサン・ユノススタジアム(ジョホール州ジョホールバル)となっています。

4月15日(金)
川崎フロンターレ 1-1 蔚山現代JDT 5-0 広州FC
4月18日(月)
広州FC 0-1 川崎フロンターレ蔚山現代 1-2 JDT
4月21日(木)
蔚山現代3-0 広州川崎フロンターレ 0-0 JDT
4月24日(日)
広州FC 0-5 蔚山現代JDT 0-5 川崎フロンターレ
4月27日(火)
蔚山現代-川崎(17時キックオフ)、広州-JDT(22時キックオフ)
4月30日(土)
川崎-広州(17時キックオフ)、JDT-蔚山現代(17時キックオフ)

トレンガヌはMFLにリーグ日程の再考を求める

昨日のこのブログでも取り上げたMリーグ1部スーパーリーグの日程変更。これによりスランゴールとトレンガヌ両クラブの第7節から第9節までの試合が5月以降に変更になっています。この日程変更についてトレンガヌがMリーグを運営するMFLに対して再考を求めていると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

5月にベトナムで行われる東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場するU23代表に招集された選手が、スーパーリーグの試合を欠場せずに、大会前の合宿参加やシーゲームズ出場が可能になるようにとの理由からMFLは日程変更を行なっていますが、事前にクラブに打診などなしにMFLが一方的に日程変更を行なったことに失望していると、トレンガヌのアブドル・ラシド・ジュソCEOは述べています。

第7節から第10節の試合が延期されたことで、トレンガヌは5月には全くリーグ戦がなく、その後は延期された試合が組み込まれることで日程が過密になることは明らかであるとし、リーグ終盤の大事な時期に選手のパフォーマンスに影響が出ることを懸念していると述べたアブドル・ラシドCEOは、今季開幕直後に新型コロナの感染者がチーム内に出たことによる試合延期によるその後の連戦で同様の問題がすでに起こったと説明しています。

「スーパーリーグの延期の理由は理解できるが、開幕直後の試合延期のせいで2連敗でスタートしたが、現在はチームは立ち直って2連勝でチームに勢いがついたところである。ここでまた1ヶ月に渡って試合がない状況が続けば、チームの勢いが途切れてしまう心配がある。」と日程変更の再考を求める理由を説明したアブドル・ラシドCEOは、この日程変更により、すでに予約済みの宿舎や移動手段などをキャンセルすることで余分な費用が発生する点も理由として挙げています。

さらにアブドル・ラシドCEOは、今回の日程変更の影響を直接、受けているのはスランゴールとトレンガヌだけであることから、公平さを記すためにもMFLには日程変更の再興を求めたいとしています。

今回のスーパーリーグの日程変更はU23代表候補合宿の招集メンバー31名中、スランゴールから11名、トレンガヌから9名が選ばれていますが、合宿期間もシーゲームズ期間もいずれもFIFA国際マッチデー期間外であることから、トレンガヌのナフジ・ザイン監督は招集拒否を明言し、他のクラブもリーグ戦を優先し、合宿初日には参加者がわずか5名しかいませんでした。


4月22日のニュース(1)
ACLグループステージI組-JDTは川崎フロンターレと引き分けもグループ首位堅守(ハイライト映像あり)

ACLグループステージI組-JDTは川崎フロンターレと引き分けもグループ首位堅守

大会前のスーパーリーグ、トレンガヌ戦で味方選手と交錯し、脳震盪を起こして初戦の広州FC戦、2戦目の蔚山現代戦とベンチ外だったGKファリザル・マーリアス、そして中盤は初戦同様にアフィク・ファザイルが戻ったJDT。試合開始から押し込まれる場面が多くあり、また攻撃では前線までボールを送れない展開が続きました。それでも前半終了間際にはラヴェル・コービン=オングがペナルティーエリアの外から、また相手DFにブロックされたもののエース、ベルグソン・ダ・シルヴァもシュートを放つなど、少しずつ川崎の早い試合展開に対応し始めたところで前半が終了しました。

両チームとも選手交代なしで始まった後半は、59分にレアンドロが倒されてJDTがペナルティエリアの外でFKを得ますが、これはGKに阻まれてしまいます。その後も一進一退を繰り返す中、試合の終盤にかけては試合がこう着状態のまま、見ているこちらもヒヤヒヤしましたが、結局0-0でフルタイムとなりました。

JDTはJクラブ相手に初の引き分けで勝点1を積み上げ、通算成績を2勝1分の勝点7としてI組の1位を堅守。川崎は1勝2分の勝点5で2位に続いています。なおこの両チームは3日後の4月24日(日)の第4節で再び対戦しますが、Mリーグではあり得ないインテンシティに耐えたJDTの選手たちが3日間で回復できるかどうかが、次戦の鍵になりそうです。

ACLグループステージI組 第3節
4月21日(木)
スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
川崎フロンターレ 0-0 JDT
🟨川崎(1):車屋紳太郎
🟨JDT(2):レアンドロ・ヴァレスケス、アリフ・アイマン
(下は両チームの先発XIとハイライト映像。映像はアストロアリーナの公式YouTubeより)

またこの試合の前に行われた蔚山現代対広州FCは、JDTに5失点、川崎には8失点の広州を相手に、蔚山現代は勝利したものの3失点と、グループ順位決定に関わる得失差では川崎、JDTには少なくとも現時点で差をつけられています。

4月21日(木)
タン・スリ・ダト・ハジ・ハッサン・ユノススタジアム(ジョホール州ジョホールバル)
蔚山現代3-0 広州
⚽️蔚山:マールク・コスタ(28分)、パク・チュヨン(57分)、ユン・イルロク(68分)
🟨広州(0)
🟨川崎(0)
(下は両チームの先発XI)

チーム得失差勝点
1JDT32107167
2川崎31209185
3蔚山31115324
4広州3002016-160

ACLグループステージI組日程(時間はマレーシア時間、日本時間は-1時間)
試合会場はJDTの試合は全てスルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)、それ以外の試合はタンスリ・ダト・ハジ・ハサン・ユノススタジアム(ジョホール州ジョホールバル)となっています。

4月15日(金)
川崎フロンターレ 1-1 蔚山現代JDT 5-0 広州FC
4月18日(月)
広州FC 0-1 川崎フロンターレ蔚山現代 1-2 JDT
4月21日(木)
蔚山現代3-0 広州川崎フロンターレ 0-0 JDT
4月24日(日)
広州-蔚山現代(17時キックオフ)、JDT-川崎(22時キックオフ)
4月27日(火)
蔚山現代-川崎(17時キックオフ)、広州-JDT(22時キックオフ)
4月30日(土)
川崎-広州(17時キックオフ)、JDT-蔚山現代(17時キックオフ)

4月17日のニュース
東南アジア競技大会出場のU23代表候補発表-J3沼津のハディは2019年以来の候補入り
ACL-ベルグソンにキックを見舞った広州FC選手が解雇に(映像あり)

東南アジア競技大会出場のU23代表候補発表-J3沼津のハディは2019年以来の候補入り

マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で、4月19日(火)より始まるU23代表合宿に参加する31名のメンバーを発表しています。今回の合宿は来月5月6日からベトナムのハノイで開催される東南アジア競技大会、通称シーゲームズの男子サッカーに出場するメンバー選考が目的です。

新型コロナ感染拡大の影響で1年遅れの開催となった今回のシーゲームズでは、マレーシアはタイ、シンガポール、カンボジア、ラオスと同じグループステージB組になっており、フィリピンのマニラで開催された前回2019年大会優勝のベトナム、準優勝のインドネシアのいるA組とは別組となっています。

4月19日(火)よりマラヤ大学構内にあるUMアリーナを会場として行われるU23代表で選ばれたメンバーの顔ぶれですが、昨年10月にモンゴルのウランバートルで行われたAFC U23アジアカップ予選をグループ1位で予選突破を決めたメンバー19名が中心となっています。

この他、今年2月に行われた東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権に出場したU23代表からはウバイドラー・シャムスル・ファジリ(FAM-MSNプロジェクト)とA・セルヴァン(ヌグリスンビラン)の2名が選ばれています。なおこのAFF U23選手権でマレーシアU23代表はラオスU23代表に2戦2敗でグループステージ敗退となっています。

残る10名はスランゴールでプレーするダニアル・アスリ、シャヒル・バシャー、アリフ・ハイカル、JDTのセカンドチームJDT IIでプレーし、プレミアリーグではゴールも決めているダリル・シャム、アイサル・ハディ、トレンガヌの正GKに近づいているラハディアズリ・ラハリム、トレンガヌのセカンドチームのトレンガヌIIのムスリフディン・アティク、サフワン・マズラン、KLシティのハキミ・ロスリ、そしてJ2岡山から3沼津に期限付き移籍中のハディ・ファイヤッドとなっています。

U23代表候補は非公開で4月29日に東ティモールU23代表と、5月1日にはフィリピンU23代表と練習試合を行い、最終メンバー20名を決定した後、5月4日にハノイ入りすることになっています。(なお今大会は主催者規定により、この20名の中から新型コロナ感染者が出た場合に限り、選手の追加登録が可能ということで、ハノイ入りする選手は20名となることが決まっています。)

ハノイ入り後は5月7日の初戦がタイ、以下ラオス(5月11日)、シンガポール(5月14日)、カンボジア(5月16日)と試合が続き、準決勝に進出するためには、B組の上位2位までに入る必要があります。

*****

今回のメンバーで興味深いのはJDTのアリフ・アイマンが選ばれていないことです。昨季のリーグMVPを史上最年少の19歳で受賞したアリフ選手はA代表でも主力選手ですが、今回、U23代表に選ばれなかったことで、6月1日から19日の予定でウズベキスタンで開催されるAFC U23アジアカップにU23代表として出場するのではなく、6月8日から14日までクアラルンプールで開催されるAFC選手権アジアカップ2023年大会3次予選にA代表として出場する可能性が高くなりました。(あるいは単にJDTが招集を拒否した可能性もありますが。)同じJDTでは、先日のACLの広州FC戦でゴールを決めたラマダン・サイフラーも個人的にはU23代表で見てみたい選手でしたが、こちらも今回は招集されていません。

その一方で、ムカイリ・アジマル、クエンティン・チェン(いずれもスランゴール)、ラハディアズリ・ラハリム(トレンガヌ)、アズリ・アブドル・ガニ(KLシティ)、ルクマン・ハキム(ベルギー1部KVコルトレイク)ら昨季はA代表に招集された選手たちは、少なくとも今季はキム・パンゴン監督はA代表では起用する可能性がなく、U23代表でシーゲームズ、そしてAFC U23アジアカップで頑張れ、ということなのかも知れません。

またJ2岡山からJ3沼津に期限付き移籍中のハディ・ファイヤドは、2019年3月のAFC U23選手権2020年大会予選以来となるU23代表への招集となっています。昨年は出場機会を求めて岡山から沼津へ期限付き移籍したハディ選手ですが、移籍先の沼津での練習で膝前十字靭帯を断裂し、昨季を棒に振っています。今回のU23代表招集はケガの後は順調に回復したということでしょう。現在のU23代表はAFC U23アジアカップ予選では3試合でチーム総得点が2、AFF U23選手権では2試合で同じく1点と深刻な得点力不足が課題で、大型FWのハディ選手には大きな期待がかかります。

東南アジア競技大会2021年大会出場 U23代表合宿参加メンバー

選手氏名年齢所属
ムカイリ・アジマル21スランゴール
シーク・イズハン20スランゴール
アフマド・ジクリ20スランゴール
アズリン・アフィク20スランゴール
クエンティン・チェン23スランゴール
ハリス・ハイカル20スランゴール
ダニアル・アスリ22スランゴール
シャヒール・バシャル21スランゴール
アリフ・ハイカル22スランゴール
ファイズな・アメル19スランゴール 2
ファーミ・ダニエル20スランゴール2
ニック・アキフ23トレンガヌ
アザム・アズミ21トレンガヌ
シャフィク・イスマイル22トレンガヌ
ハイリー・ハキム22トレンガヌ
ラハディアズリ・ラハリム21トレンガヌ
サイド・ナスルルハク23トレンガヌII
ヌル・アズファル22トレンガヌII
ムスリフディン・アティク21トレンガヌII
サフワン・マズラン20トレンガヌII
ウマル・ハキム20JDT II
ダリル・シャム20JDT II
アイサル・ハディ19JDT II
シャフィー・アズスワド21JDT III
アズリ・アブドル・ガニ23KLシティ
ハキミ・ロスリ19KLシティ
ルクマン・ハキム20KVコルトレイク
アイマン・アフィフ21クダ
ウバイドラー・シャムスル19FAM-MNSプロジェクト
A・セルヴァン22ヌグリスンビラン
ハディ・ファイヤド22J3沼津
ACL-ベルグソンにキックを見舞った広州FC選手が解雇に(映像あり)

香港の英字紙サウスチャイナモーニングポストSCMPによると、4月15日のAFCチャンピオンズリーグACLのJDT対広州FC戦の試合中に、JDTのベルグソン・ダ・シルヴァにキックを見舞った広州FCのグァン・ハオジンが解雇されたようです。

この記事では、「グァン選手がチームの規範を犯したことを深刻に受け止め、クラブは即時解雇を行なった」というクラブからの発表を報じています。

グループステージI組の第1節に行われたこの試合では、Mリーグ1部スーパーリーグ8連覇中のJDTが若手主体の広州FCを試合開始から終始圧倒し、5-0で圧勝しています。この試合ではJDTが4-0とリードしていた68分に、JDTのベルグソン選手と交錯して倒れ込んだ広州FCのグァン選手が、ベルグソン選手の側頭部にキックを見舞い、一発レッドで退場となりました。問題の場面は下の映像の04:00からです。(画像はAstro Arenaの公式YouTubeより)

映像ではマレーシア人コメンテーターが「審判が説明する必要がないほど明らかです。」と言うほど露骨な反則でしたが、このグァン選手の退場で10人となり、さらに劣勢になった広州FCはその後、JDTに追加点を許し、0-5で敗れています。

広州FCの公式サイトでは、監督、コーチおよび選手に対して、グァン選手の蛮行が広州FCの選手に求められている三九規則に違反していること、また監督、コーチが選手を選手を厳格に統制できていないとして双十規則に違反していると説明し、これを罰すると同時に、今後同様のケースが起こることを防ぐために1)グァン選手の即時解雇、2)監督の給与は3段階、コーチの休養は1段階降格処分を行うと発表しています。(Google翻訳による)

三九規則と双十規則が具体的に何かは分かりませんが、クラブは今回の件に対して、厳格な姿勢で望んでいることは伝わってきます。

4月16日のニュース(2)
MFLがペラの追加の勝点剥奪処分を発表
ヴィダコヴィッチ監督退任のマラッカの新監督にタン前代表監督の名前が浮上
ジュニオール・エルドストールにJDT復帰の噂
MリーグへのVAR導入は時期尚早-元FAM審判委員長

MFLがペラの追加の勝点剥奪処分を発表

Mリーグを運営するMFLは公式サイト上で、給料未払い問題の解決が遅れている2部プレミアリーグのペラに対して、勝点6が剥奪処分を科されたことを発表しています。

この発表によると、クラブライセンス交付を行う第一審期間FIBの決定を伝える形で、昨年11月の時点で申告されたトップチーム及びセカンドチームの首脳陣および選手の未払い給料が現在に至るまで支払われていないことに加え、今季契約している首脳陣および選手に対する未払い給料も支払われていないことによる処分ということです。

第1回目の支払い期限となっていた3月31日までに未払い給料が支払われなかったことから、ペラは既に今季リーグ戦の勝点3剥奪の処分を受けており、今回の処分を加えると合計で勝点9を剥奪されるという前代未聞の処分を受けています。

FIBのシーク・モハマド・ナシル委員長は、次の猶予として4月21日までに未払い給料の支払いが行われない場合には、FIBとMFL理事会でさらなる処分が課される可能性があると話しています。

ヴィダコヴィッチ監督退任のマラッカの新監督にタン前代表監督の名前が浮上

Mリーグ1部プレミアリーグのマラッカは、開幕から4試合で0勝1分3敗と勝ち星がなく、メディアに未払い給料問題についての不満を口にしたリスト・ヴィダコヴィッチ前監督がそれを咎められたことからチームを去ったことは、このブログでも紹介しました。

空席となったマラッカの後任監督候補にタン・チェンホー前代表監督の名前が上がっていると、マレーシア語紙のウトゥサン・マレーシアが報じています。

タン前監督は前任のデイヴ・ミッチェル氏が開幕直後に更迭された2014年4月から代表チームのコーチに就任した2017年4月まではクダFA(当時、現クダ・ダルル・アマンFC)で監督を務めています。2015年にはクラブを2部プレミアリーグで優勝させて1部昇格を果たし、翌2016年には昇格初年度で3位となるとともに同年のマレーシアカップで優勝を果たすなど、Mリーグでの実績も十分な人材であるのは確かです。

昨年末の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020での惨敗の印象が強いですが、就任以来7試合で1勝も挙げられなかったネロ・ヴィンガダ氏の代表監督辞任により、2018年12月にコーチから昇格したタン前監督は、その年のスズキカップでマレーシア代表を2大会ぶりとなる決勝進出に導き、さらに2019年のFIFAワールドカップ2022年大会予選でもインドネシアを破り、タイと引き分け、アラブ首長国連邦とは接戦を繰り広げるなど、マレーシア人監督としてトップクラスの評価を受けていました。

マラッカのオーナーで、中華系マレーシア人のジャスティン・リム氏はウトゥサン・マレーシアの取材に対して「Mリーグを熟知している経験豊富な指導者」をすでにリストアップしていると述べていることから、ウトゥサン・マレーシアはタン前代表監督がマラッカの新監督の最有力候補であると記事を結んでいます。

ジュニオール・エルドストールにJDT復帰の噂

タイ1部リーグのチョンブリーFCでプレーするDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・ナダル・アマルハン・マデルナー)にJDT復帰の噂があると、サッカー専門サイトのヴォケットFCが伝えています。

東マレーシアのサバ州出身の母親とスウェーデン人の父親を持つエルドストール選手は、スウェーデンと英国で育ちましたが、マレーシア国籍を取得し、マレーシア人選手登録で2013年にMリーグのサラワクFA(当時)に加入、2シーズンプレーしました。2015年にはJDTに移籍して2018年までプレーし、在籍3シーズンでリーグ優勝3回(2015年から2017年)、マレーシアカップ優勝1回(2016年)、FAカップ優勝1回(2017年)、そしてJDT初のアジアタイトルとなったAFCカップ優勝(2015年)も経験しています。

2017年シーズン終了後は背筋痛などを理由にJDTを退団し、引退していましたが、2019年に英国のアマチュアクラブで現役復帰すると、昨年2021年2月にはチョンブリーFCに加入し、センターバックとしてレギュラーポジションを獲得、さらに同年6月には3年振りにマレーシア代表にも招集され、FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選にも出場していますが、初戦のアラブ首長国戦でアキレス腱を痛め(当時は腹部のケガと発表)、残るベトナム戦、タイ戦には出場できませんでした。

なおエルドストール選手は、今季タイ1部リーグでは2月10日の第21節スパンブリーFC戦以降はベンチ入りもしていません。

MリーグへのVAR導入は時期尚早-元FAM審判委員長

今季のMリーグはまだ第4節までしか終了していませんが、マレーシアサッカー協会FAMが認めたものも含めて多くの誤審がクラブやファンから失望や怒りを勝っています。この状況を改善するために、MリーグはVARを導入するべきだという声も大きくなっています。

マレーシア語紙シナルハリアンの取材に答えた元FAMの審判委員長のスブヒディン・サレー氏は「いくつかの誤審は審判の位置どりが悪いことが理由で起こっており、そういった場合にはVARにより異なる角度からプレーを検証することで正しい判定を下すことが可能になる。しかしそれ以外のケースについてはVARを導入したからといって誤審がなくなるものではない。」と説明し、そもそもMリーグはVAR導入の用意ができていないとコメントしてます。

FIFAワールドカップやU20W杯で主審を務めた経験もあるスブヒディン氏は、VARを導入すれば誤審がなくなるというのは全く誤った考えである、と前置きした上で、VARを使いこなすためには技術、経験、知識などを含め審判自身のレベルが一定以上であることが必要であると述べています。その上で正確な判定ができない審判がVARの映像を見ても、現在と同様の解釈、同様の判定しか望めず、同様の誤審は起こるだろうと述べています。

その上でスブヒディン氏は「(VARの画像として利用される)Mリーグのテレビ中継の映像はVARに採用するレベルに達していないが、それよりも前にまず、現在の審判の質の向上が最優先されるべきであり、技術的に十分なレベルに達するまで育成し続けていくことが必要だ。」と述べています。

今季のMリーグでは1部スーパーリーグでいずれもスリ・パハンが、クダ戦では同点ゴールをオフサイド判定で取り消され、またPJシティ戦では線審がオフサイドとしながら主審がこの判定を覆してPJシティの同点ゴールを認め、どちらの裁定もマレーシアサッカー協会FAMの審判委員会が試合後の検証の結果、誤審を認めています。

Mリーグでは審判の質については毎シーズン議論の対象になり、VARの即時導入が叫ばれており、隣国タイでは既に国内リーグでVARが導入され、インドネシア国内リーグも2022/2023年シーズンからの導入が検討されています。

*****

上記のスブヒディン氏がマレーシアサッカー協会FAMの審判委員長だった際には、審判のプロ化が計画され、20名ほどがリストアップされていましたが、新型コロナの感染が拡大するとそれを理由にプロ化計画の中断を発表しました。それ以降は何の進展もないようですので、スブヒディン氏が主張するようにプロ化も含めた審判の技術向上のための取り組みがVAR導入に優先されるべきことのように思います。

4月16日のニュース(1)
ACLグループステージI組-JDTは広州FCに大勝で好発進

ACLグループステージI組-JDTは広州FCに大勝で好発進

ACL I組第1節
4月15日(金)
スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
JDT 4-0 広州
⚽️JDT:ベルグソン・ダ・シルヴァ3(10分、27分、52分)、ホー・リパン(12分OG)、ラマダン・サイフラー(81分)
⚽️広州
🟨JDT(0)
🟨広州(1):ニン・ハオシュ
🟥JDT(0)
🟥広州(1):グァン・ハオジン
 4月10日のスーパーリーグ、トレンガヌ戦でチームメートのシェーン・ローリーと交錯し、脳震盪を起こして退場したGKファリザル・マーリアスはこの試合はベンチ入りせず、ハジック・ナズリが代わって今季先発出場したJDTは。外国籍選手枠がスーパーリーグの3+1(アジア枠)+1(東南アジア枠)からACLでは3+1(アジア枠)となることから、ベンヤミン・モラ監督はリーグ戦では開幕戦以来全試合で先発しているカルリ・デ・ムルガ(フィリピン)に代わりシャールル・サアドを先発起用しました。さらに中盤にはベテランのサフィク・ラヒムに代わりアフィク・ファザイルを起用するなど、今季のベストメンバーで臨んだトレンガヌ戦から先発を3名入れ替えたJDTでしたが、まさかの大勝でACL好発進を果たしています。
 スーパーリーグでもここまで4試合で7ゴールと絶好調のベルグソン・ダ・シルヴァがこの日も躍動し、10分には左サイドを上がったシェーン・ローリーからのクロスに頭で合わせて先制ゴールを決めると、さらにラヴェル・コービン=オンの左からのクロスを27分には左足で、52分には頭で合わせてゴールを決めてハットトリックを達成しています。
 この日はゴールに至らなかったもののフェルナンド・フォレスティエリも積極的にシュートを打っており、ベルグソン選手とのコンビが次戦の蔚山現代戦でどのくらい通用するのか期待を持たせてくれる試合でした。
 シュート数はJDTの24(内オンターゲット9)に対して広州は2(同1)、ボール支配率もJDTの 82%に対して広州は18%と試合内容だけでなく記録的にも若い広州FCを圧倒したJDTは4月18日(月)の午後10時(日本時間午後11時)から、川崎フロンターレと引き分けた蔚山現代と対戦します。(下は両チームの先発XI。また試合のハイライト映像はアストロアリーナのYouTubeチャンネルより)

またJDT-広州戦の前に行われた川崎フロンターレ対蔚山現代は、1-1の引き分けに終わっています。

4月15日(金)
タン・スリ・ダト・ハジ・ハサン・ユノススタジアム(ジョホール州ジョホールバル)
川崎フロンターレ 1-1 蔚山現代
⚽️川崎:車屋紳太郎(90+4分)
⚽️蔚山:レオナルド(21分)
🟨川崎(0)
🟨蔚山(0)
🟥川崎(0)
🟥蔚山(0)

ACL グループステージI組 順位表(第1節終了時)

チーム得失差勝点
1JDT11005003
2川崎10101101
3蔚山10101101
4広州100105-50

ACLグループステージI組日程(時間はマレーシア時間、日本時間は-1時間)
試合会場はJDTの試合は全てスルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)、それ以外の試合はタンスリ・ダト・ハジ・ハサン・ユノススタジアム(ジョホール州ジョホールバル)となっています。

4月15日(金)
川崎フロンターレ 1-1 蔚山現代JDT 5-0 広州FC
4月18日(月)
広州-川崎(17時キックオフ)、蔚山現代-JDT(22時キックオフ)
4月21日(水)
蔚山現代-広州(17時キックオフ)、川崎-JDT(22時キックオフ)
4月24日(日)
広州-蔚山現代(17時キックオフ)、JDT-川崎(22時キックオフ)
4月27日(火)
蔚山現代-川崎(17時キックオフ)、広州-JDT(22時キックオフ)
4月30日(土)
川崎-広州(17時キックオフ)、JDT-蔚山現代(17時キックオフ)

4月15日のニュース
ACLグループステージI組-JDTは若手主体の広州恒大を警戒
シーゲームズ出場のインドネシア代表へのサディル・ラムダニ招集拒否をサバが説明

ACLグループステージI組-JDTは若手主体の広州恒大を警戒

AFCチャンピオンズリーグACL東地区グループステージのI組はマレーシアのジョホールが集中開催地となっていますが、第1節となる川崎対蔚山現代(韓国)、そしてJDT対広州恒大(中国)が本日開催されます。

昨日4月14日にはマレーシア1部スーパーリーグ8連覇中のJDTのベンヤミン・モラ監督と広州恒大のパン・ヤンへ監督代行がそろって試合前の記者会見に出席し、抱負を述べています。

JDTのモラ監督は、若手中心の選手構成でこの大会に臨む広州恒大は依然、脅威であると話し、サッカーは年齢でやるものではないと述べて過小評価をするつもりはないとしています。

「(広州恒大が)若く経験が十分でない選手で構成されていると見る向きもあるが、そういった選手たちは勝利に貪欲であり、見くびればケガをする」と話す一方で、I組の他の3クラブに比べればJDTは知名度が低いクラブではあるが、グループステージ突破という目標を掲げて戦うと述べています。

「夢は見るものではなく、その実現に向けて行動するものであり、JDTの選手たちはそれを実現するだけの能力を持っていると強く信じている。地元開催という利点に加え、好調な国内リーグの勢いそのままでACLに臨むことができることも有利だと考えている。」と話したモラ監督ですが、先日の試合で味方選手と交錯し、脳震盪を起こして途中退場となったGKファリザル・マーリアスが起用されるかどうかについては記者会見では明言しなかったと、マレーシアの通信社ブルナマが伝えています。

一方、広州恒大は昨年退任したファビオ・カンナバーロ氏を引き継いだ鄭智(テイ・チ)監督兼選手が国内リーグに専念するため、今回のACLで指揮を取るパン・ヨンへ監督代行が記者会見に臨み、JDTがマレーシアの強豪であることは熟知しているが、アカデミー出身の選手で構成されるメンバーはJDTとの対戦を恐れるどころか、高いレベルの試合に出場できることを良い機会と捉えていると話しています。

ACLグループステージI組日程(時間はマレーシア時間、日本時間は-1時間)
試合会場はJDTの試合は全てスルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)、それ以外の試合はタンスリ・ダト・ハジ・ハサン・ユノススタジアム(ジョホール州ジョホールバル)となっています。

4月15日(金)
川崎-蔚山現代(17時キックオフ)、JDT-広州恒大(22時キックオフ)
4月18日(月)
広州恒大-川崎(17時キックオフ)、蔚山現代-JDT(22時キックオフ)
4月21日(水)
蔚山現代-広州恒大(17時キックオフ)、川崎-JDT(22時キックオフ)
4月24日(日)
広州恒大-蔚山現代(17時キックオフ)、JDT-川崎(22時キックオフ)
4月27日(火)
蔚山現代-川崎(17時キックオフ)、広州恒大-JDT(22時キックオフ)
4月30日(土)
川崎-広州恒大(17時キックオフ)、JDT-蔚山現代(17時キックオフ)

シーゲームズ出場のインドネシア代表へのサディル・ラムダニ招集拒否をサバが説明

東南アジア版オリンピックとも言える東南アジア競技大会、通称シーゲームズは隔年で開催されますが、中でも男子サッカーは、東南アジアのU23代表選手権に相当する大会です。新型コロナの影響で1年延期された2021年大会の男子サッカーは、今年5月6日から23日までベトナムのハノイで開催されます。

Mリーグ1部で現在3位のサバでプレーするサディル・ラムダには、このシーゲームズに出場するインドネシアU23代表に招集されましたが、クラブがラムダニ選手の招集を拒否したことから、インドネシア代表に非協力的だ」「ラムダに選手は出場を望んでいるにもかかわらずクラブが拒否するとはけしからん」といった非難が集まっています。これに対してサバFCは公式Facebookなどでこの「理不尽な批判」についての反論と説明を行なっています。

サバFCは、このシーゲームズはそもそもFIFAの国際マッチデー期間外で開催されることから、選手の所属クラブはU23代表も含めた代表チームへの選手招集を拒否する権利があル事を説明しています。さらに次のFIFAFIFA国際マッチデー期間にあたる5月30日から6月14日までについては、ラムダニ選手が招集された場合には代表チーム合流について同意する事を表明しており、理不尽な取集拒否という批判は当たらないと説明しています。

「ラムダニ選手はサバFCの主力選手であり、世界中を見回しても国際マッチデー期間外に主力選手を手放すクラブなどない。シーゲームズ開催期間中には、リーグ戦が4試合、FAカップのベスト16の試合も予定されており、クラブはラムダに選手が必要である。また国外でプレーするインドネシア人選手の中で、クラブが招集拒否をしているのはラムダニ選手以外にもいる。」と説明するサバFCは、ラムダニ選手自身もクラブの決定を了承しているとして、インドネシア代表サポーターが中心とされるクラブ批判に対して反論しています。

3月23日のニュース
スランゴールCEO-JDTオーナーからの「資金援助」は過去のもの
Mリーグの未払い給料文化がフットサルリーグにも「伝染」
代表の守護神争いは三つ巴に

キム・パンゴン新監督率いる代表の初戦となるフィリピン戦はいよいよ今日、開催。誰が先発するのかなど興味が高まる一方で、結果には期待せず、キム監督には時間が必要だろう、と言う声が国内では多いですが、それでもフィリピンに大差で負けることがあれば手のひら返しが起こることもあります。果たして結果はどうなるでしょう。試合はシンガポール時間で午後8時(日本時間午後9時)キックオフです。

かつてのマレーシアならフィリピンに負けようものなら大騒ぎとなりましたが、それも今は昔、最も最近の対戦は2017年3月で、この試合を含む直近の5試合では全て引き分けており、最後にマレーシアがフィリピンに勝ったのは2007年1月のAFF選手権まで遡らなければなりません。なお現在のFIFAランキングはフィリピンが129位、マレーシアが154位となっています。

スランゴールCEO-JDTオーナーからの「資金援助」は過去のもの

JDTオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が、給料未払い問題を抱えるペラFCに資金援助を行なったことが明らかになった後、イスマイル殿下が同様の援助を行ったのはこれまでに複数クラブあったことを明らかにしましたが、その中にはスランゴールFCも入っており、しかもイスマイル殿下は2度にわたる援助を行なったことも明かしています。

これに対してスランゴールFCのジョハン・カマル・ハミドンCEOは、イスマイル殿下の資金援助は、スランゴール州皇太子ののトゥンク・アミル・シャー・スルタン・シャラフディン・イドリス・シャー殿下がスランゴール州サッカー協会の会長に就任した2018年7月以前の話であり、アミル殿下の会長就任以降はMリーグの他のクラブから資金援助を受けたことは一度もないと述べています。

イスマイル殿下の発言以降、多くの質問を受けたことから説明が必要だと感じたと説明したジョハンCEOは、アミル殿下の会長就任以降のスランゴールFCの収入は全てスポンサーや商業活動から得たものであると述べていルト、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。 

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イスマイル殿下が2012年2月にジョホール州サッカー協会会長就任し、ジョホール州内に本拠地を持つ複数のクラブを統合し、2013年からJDTとしてMリーグに参加するようになって以降、昨季までMリーグ1部スーパーリーグで8連覇を果たすなど、JDTはまさにマレーシアを代表するクラブとなりました。しかしそれ以前は国内リーグを代表するのはスランゴールFC(当時はスランゴールFA)でした。老舗のスランゴールが新興のJDTに資金援助を受けていた、と言うことにはボラセパマレーシアも驚きましたが、ジョハンCEOにすれば、そんな話を一人歩きさせるわけにはいかなかったところでしょうか。

Mリーグの未払い給料文化がフットサルリーグにも「伝染」

ペラFCやKLシティなどMリーグの給料未払い問題がメディアを賑わしていますが、これがフットサルリーグにも「伝染」しているとマレーシア語紙のハリアンメトロが報じています。

記事で取り上げられているのは、3月8日から23日までの予定で開催されているマレーシアプレミアフットサルリーグMPFLの女子リーグに出場しているKL(クアラルンプール)チームで、選手への給料が未払いとなっているだけでなく、選手たちは滞在している合宿の家賃が払われないことから、退去を命じられたと報じられています。またリーグ参加のための交通費や食費も選手自身が負担していると言うことです。

さらクラブ経営陣は3月17日に行われたMPFLのマラッカ戦に0-26で敗れたKLについて、チーム内で新型コロナ陽性者が出たことが大敗の理由と説明していましたが、その説明は虚偽であり、真相は未払い給料に抗議して主力選手が出場をボイコットしていたことも明らかになっています。

この真相を発表したマレーシアプロサッカー選手会PFAMのイズハム・イスマイルCEOは既にKLの複数の選手から事情聴取を行なっており、クラブ経営陣の選手への対応は虐待とも言えるもので、PFAMはクラブ経営陣による説明を求めると同時に、MPFLの主催者であるマレーシアサッカー協会FAMはこの事態についての調査を行うことを提言しています。

さらにイズハムCEOは、マレーシアの女子フットサル選手はアマチュア選手ではあるものの、このように扱われ方は選手の権利を蔑ろするものであり、FAMは給料の支払いや厚生面が保証されるよう、より明確で遵守が求められる法的枠組を設ける必要があると指摘しています。

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別の記事では、MPFL開幕の3月8日までに1400リンギ(およそ4万円)がリーグ出場の給料として支払われることになっていたものの、結局、開幕から4試合終了しても100リンギ(およそ2800円)の手当てしか支払われなかったことから、第5戦のマラッカ戦で16名の選手が出場をボイコットしたと報じられています。また、給料未払いを訴えた際には、監督から「俺の知ったことか。どっかへ行け。死ね」と暴言を吐かれたとも報じられており、FAMも静観するわけにはいかないでしょう。

代表の守護神争いは三つ巴に

シンガポールで開催される3カ国対抗に出場するマレーシア代表は、昨日3月22日にシンガポール入りし、本日23日2は初戦のフィリピン戦を迎えますが、キム・パンゴン監督がどのような先発XIを選ぶのかが気になるところです。

注目なのは代表GKのポジション争いで、代表合宿打ち上げ前に新型コロナ検査で陽性となった20歳のラハディアズリ・ラハリム(トレンガヌ)が脱落したことで、守護神争いはファリザル・マーリアス(JDT)、カイルルアズハン・カリド(スランゴール)、カラムラー・アル=ハフィズ(PJシティ)の3名に絞られています

この3名の中で最も経験が豊富なのはファリザル選手で現在はキャップ数48と、シンガポールでの2試合に出場すれば50キャップ達成となります。一方、キャップ数では14とファリザル選手に遅れをとるカイルルイズハン選手ですが、昨年2021年はタン・チェンホー前監督の元で先発試合数がファリザル選手3試合、カイルルイズハン選手2試合と、その差はわずか1試合でした。またカラムラー選手は昨年初めて代表に召集されましたが、10月の中東遠征、12月の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップとも出場機会はありませんでした。

経験で言えばファリザル選手が一番手でしょうが、今日3月23日のフィリピン戦、26日のシンガポール戦、そして3カ国対抗後に行う3月28日のアルビレックス新潟シンガポールとの練習試合もあり、シンガポールではこの3人全てが起用される可能性も否定できません。