4月25日のニュース
ACLグループステージI組第4節-JDTは川崎に大敗でグループ2位に転落(ハイライト映像あり)
トレンガヌはMFLにリーグ日程の再考を求める

ACLグループステージI組第4節-JDTは川崎に大敗でグループ2位に転落

MFレアンドロ・ヴェラスケスに代えてDFカルリ・デ・ムルガを起用するのでは、というボラセパマレーシアJPの予想は外れてしまいましたが、レアンドロ・ヴェラスケスではなくDFマウリシオ、そしてここまで4ゴールを決めているFWベルグソン・ダ・シルヴァに代えてフィリピン代表のFWビエンベニード・マラニョンを起用するなど、JDTのベンヤミン・モラ監督は3日前の引き分けた試合から先発を5名入れ替え、しかもこの5名全員が今大会初先発という布陣で、Jリーグ王者に臨みました。

キックオフから両チームとも激しくせめぎ合った試合は、13分にマウリシオがペナルティエリアの外で小林悠を倒してFKを与えてしまいます。このFKを脇坂泰斗がゴール左上に決めて、川崎が先制しました。このゴールが合図かのようにここから川崎が一気に攻勢を強め、試合はJDTサイドでの時間が長くなります。

JDTにとって不運だったのは、20分にはマウリシオが負傷で交代となったことでしょう。今季ここまでリーグ戦でもベンチ入りすらなかったマウリシオの先発起用は予想しませんでしたが、今季初出場がこのインテンシティの高い試合ということに問題があったのかもしれません。

攻め続ける川崎は31分に家長昭博から山根視来、そして脇坂と繋いだボールを小林が決めて2-0、さらに42分には再び家長からのパスを受けた山根のクロスを再び小林が決めて3-0と、いずれも右サイドを崩す形でゴールを重ね、前半はこのまま川崎の3点リードで折り返します。JDT視点で見ると、2点目と3点目はここまで全試合フル出場の左SBラヴェル・コービン=オンとCBシェーン・ローリーが振り切られ、カバーが遅れる形での失点でした。

JDTのモラ監督はハーフタイムでFWフェルナンド・フォレスティエリとMFアフィク・ファザイルに代えてFWハズワン・バクリとMFナズミ・ファイズを投入します。51分にはそのナズミからのクロスにサファウィ・ラシドが、その直後のCKではシェーン・ローリーがいずれもヘディングでゴールを狙いますが、得点には至りません。

グループステージ突破のためには得失差を考えると、少しでも差を詰めておきたいJDTでしたが、81分にはマルシーニョ、88分にはチャナティップ・ソングラシンがそれぞれゴールを決めて、終わってみればJDTが5失点と大敗に終わった試合でした。

Jリーグ王者の壁の厚さを思い知らされると共に、この試合ではベンチ外となったナチョ・インサやベルグソン・ダ・シルヴァ、80分に投入されたものの焼け石に水だったアリフ・アイマンといったレギュラーとそうでない選手との差が歴然でした。今後も集中開催方式が続く限り、JDTが日本や韓国のクラブと対等に勝負するには選手層に厚みを増す必要がありそうです。

またグループステージI組は残り2節となりましたが、この日の勝利で川崎が勝点8となり首位浮上し、この前の試合で広州を5-0で破った蔚山とJDTが勝点7で並びましたが、グループステージは勝点で並んだ場合には、得失差ではなく直接対決の結果を優先することから、第2節で蔚山に勝利しているJDTが2位、蔚山が3位、そしてここまで全敗の広州が4位となっています。

次節第5節の広州戦は、川崎戦大敗で1となった得失差を再び広げるための大勝が必要な一方で、ここまで4試合フル出場のレヴェル・コービン=オンとシェーン・ローリー、そしてほぼフル出場のマシュー・デイヴィーズを最終第6節の蔚山戦に向けてどれだけ休ませることができるかが焦点となりそうです。

ACLグループステージI組 第4節
4月24日(日)
スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
JDT 0-5 川崎フロンターレ
⚽️川崎:脇坂泰斗(14分)、小林悠2(31分、43分)、マルシーニョ(81分)、チャナティップ・ソングラシン(88分)
🟨JDT(1):マウリシオ、アフィク・ファザイル
🟨川崎(0)
(下は両チームの先発XIとハイライト映像。映像はアストロアリーナの公式YouTubeより)

4月24日(日)
タン・スリ・ダト・ハジ・ハッサン・ユノススタジアム(ジョホール州ジョホールバル)
広州FC 0-0 蔚山現代
⚽️蔚山:ユン・イルロク(4分)、マールク・コスタ(54分)、ヴァレリ・カザイシュヴィリ(64分)、天野純(73分)、ソル・ヨンウ(85分)
🟨広州(0)
🟨蔚山(0):キム・ヒョヌ
(下は両チームの先発XI)

ACLグループステージI組 順位表

チーム得失差勝点
1川崎4229141138
2JDT42117617
3蔚山421110374
4広州4004021-210

ACLグループステージI組日程(時間はマレーシア時間、日本時間は-1時間)
試合会場はJDTの試合は全てスルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)、それ以外の試合はタンスリ・ダト・ハジ・ハサン・ユノススタジアム(ジョホール州ジョホールバル)となっています。

4月15日(金)
川崎フロンターレ 1-1 蔚山現代JDT 5-0 広州FC
4月18日(月)
広州FC 0-1 川崎フロンターレ蔚山現代 1-2 JDT
4月21日(木)
蔚山現代3-0 広州川崎フロンターレ 0-0 JDT
4月24日(日)
広州FC 0-5 蔚山現代JDT 0-5 川崎フロンターレ
4月27日(火)
蔚山現代-川崎(17時キックオフ)、広州-JDT(22時キックオフ)
4月30日(土)
川崎-広州(17時キックオフ)、JDT-蔚山現代(17時キックオフ)

トレンガヌはMFLにリーグ日程の再考を求める

昨日のこのブログでも取り上げたMリーグ1部スーパーリーグの日程変更。これによりスランゴールとトレンガヌ両クラブの第7節から第9節までの試合が5月以降に変更になっています。この日程変更についてトレンガヌがMリーグを運営するMFLに対して再考を求めていると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

5月にベトナムで行われる東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場するU23代表に招集された選手が、スーパーリーグの試合を欠場せずに、大会前の合宿参加やシーゲームズ出場が可能になるようにとの理由からMFLは日程変更を行なっていますが、事前にクラブに打診などなしにMFLが一方的に日程変更を行なったことに失望していると、トレンガヌのアブドル・ラシド・ジュソCEOは述べています。

第7節から第10節の試合が延期されたことで、トレンガヌは5月には全くリーグ戦がなく、その後は延期された試合が組み込まれることで日程が過密になることは明らかであるとし、リーグ終盤の大事な時期に選手のパフォーマンスに影響が出ることを懸念していると述べたアブドル・ラシドCEOは、今季開幕直後に新型コロナの感染者がチーム内に出たことによる試合延期によるその後の連戦で同様の問題がすでに起こったと説明しています。

「スーパーリーグの延期の理由は理解できるが、開幕直後の試合延期のせいで2連敗でスタートしたが、現在はチームは立ち直って2連勝でチームに勢いがついたところである。ここでまた1ヶ月に渡って試合がない状況が続けば、チームの勢いが途切れてしまう心配がある。」と日程変更の再考を求める理由を説明したアブドル・ラシドCEOは、この日程変更により、すでに予約済みの宿舎や移動手段などをキャンセルすることで余分な費用が発生する点も理由として挙げています。

さらにアブドル・ラシドCEOは、今回の日程変更の影響を直接、受けているのはスランゴールとトレンガヌだけであることから、公平さを記すためにもMFLには日程変更の再興を求めたいとしています。

今回のスーパーリーグの日程変更はU23代表候補合宿の招集メンバー31名中、スランゴールから11名、トレンガヌから9名が選ばれていますが、合宿期間もシーゲームズ期間もいずれもFIFA国際マッチデー期間外であることから、トレンガヌのナフジ・ザイン監督は招集拒否を明言し、他のクラブもリーグ戦を優先し、合宿初日には参加者がわずか5名しかいませんでした。