Mリーグ1部スーパーリーグ2020年シーズン第8節結果

 9月19日(土)から9月21日(月)の3日間に、1部スーパーリーグ第8節の6試合が行われました。以下結果です。(ホームチームが左側です。)
 *試合のダイジェスト映像は全てMFLの公式Youtubeより。

9月19日(土)
スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダルプテリ)
ジョホール・ダルル・タジムJDT 6-1 スランゴールFC
得点者:JDT-サファウィ・ラシド2(45+2分、49分PK)、ジオゴ(64分)、ゴンザロ・カブレラ(67分)、ラマダン・サイフラー2(72分、75分)、スランゴール-ルフィアノ・セゴヴィア(81分)
 直接対決でJDTとの勝点差を詰めるどころか粉砕されたスランゴールFCは、累積警告でブレンダン・ガンを欠くなど苦しいメンバーではありましたが、それでもこの惨敗は許容されなかったのか、この試合から数時間後にサティアナタン・バスカラン監督が解任されています。
 JDTはリーグ再開後にBチームから昇格したラマダン・サイフラーが既に3ゴール目を決めており、改めて選手層の厚さを見せつけました。

UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
UITM FC 2ー1 トレンガヌFC
得点者:UITM-アリフ・アンワル(5分)。ヴィクター・ニェノルド(61分)、トレンガヌFC-リー・タック(38分PK)
 某新聞の某記者からは予算のない大学生のチームはトップリーグにいるべきでないと辛辣なコメントをされていたUITM FCでしたが、第8節を終わって4位と大健闘どころか着実に勝ち星を重ねています。残り3試合はチームの士気が下がっていそうなスランゴールFC、降格圏内に低迷するPJシティFC、サバFAと続くため、リーグ2位に与えられる来季のAFCカップへの出場権獲得も見えてきました。

9月20日(日)
トゥン・アブドル・ラザクスタジアム(パハン州ジェンカ)
フェルダ・ユナイテッドFC 2-2 パハンFA
得点者:フェルダ-ニコラ・ラスポポヴィッチ(38分)、ハイカル・アズハ(45+2分PK)、パハン-ムスリム・アーマド(14分)、イヴァン・カルロス(79分PK)
 フェルダ・ユナイテッドFCの恵龍太郎選手は先発してフル出場しています。

ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州クルボン)
マラッカ・ユナイテッドFC 1-1 PJシティFC
得点者:マラッカ-ロメル・モラレス(72分)、PJ-コギレスワラン・ラジ(90+3分)

クアラルンプールフットボールスタジアム(クアラルンプール)
PDRM FC 0-2 ペラTBG
得点者:ペラ-シャーレル・フィクリ(分)、レアンドロ・ドス・サントス(87分)

9月21日(月)
クアラルンプールフットボールスタジアム(クアラルンプール)
クダFA 3-1 サバFA
得点者:クダ-クパ・シャーマン(26分)、チェチェ・キプレ(71分)、ファイヤッド・ズルキフリ(75分)、サバ-デニス・ブシェニング(28分)
 途中出場ながらファイヤッド・ズルキフリが1アシスト1ゴールと活躍した他、両エースが揃ってゴールを決めたクダFAがサバFAを振り切っています。

マレーシアスーパーリーグ順位表(第8節終了時)

順位クラブ試合得点失点得失差勝点
1JDT87102251722
2クダFA8512159616
2ペラTBG84221112-114
4UiTM FC841398113
5マラッカU8422117411
6トレンガヌFC83141513210
7パハンFA83141212010
8スランゴールFC82421015-510
9フェルダU81431013-37
10PJシティFC8153711-48
11サバFA8134815-76
12PDRM FC8026414-10-1
*5位のマラッカUと12位のPDRM FCはそれぞれ、給料未払い問題により勝点3が剥奪されています。

マレーシアスーパーリーグ ゴールランキング(第8節終了時)

ゴール数選手名所属試合数
7ドミニク・ダ・シルヴァトレンガヌFC8
6チェチェ・キプレクダFA8
5シャーレル・フィクリペラTBG
5ゴンザロ・カブレラJDT8
5イフェダヨ・オルセグンスランゴールFC8
5チェチェ・キプレクダFA8
5イヴァン・カルロスパハンFA8
5クパ・シャーマンクダFA8

Mリーグ1部スーパーリーグ2020年シーズン第7節結果

 9月11日(金)と9月12日(土)の両日に、1部スーパーリーグ第6節の6試合が行われました。以下結果です。(ホームチームが左側です。)
 *試合のダイジェスト映像は全てMFLの公式Youtubeより。

9月11日(金)
ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラTBG 1ー0 UITM FC
得点者:シャレル・フィクリ(4分)
 前節ではJDTに0ー7と大敗したペラTBGでしたが、この試合は開始直後4分のゴールを守り切って勝利しています。
 UITM FCは司令塔ラビ・アタヤを累積警告による出場停止で欠く苦しい布陣ながら善戦するも惜敗し、リーグ戦の連勝が3でストップしました。

スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴンバダ)
トレンガヌFC 0-1 ジョホール・ダルル・タジムJDT
得点者:JDT-サファウィ・ラシド(5分)
 JDTが3連勝、開幕からも7試合負けなしとなり、リーグ7連覇にまた一歩近づきました。AFCチャンピオンズリーグ過去10年のベストゴールを受賞したサファウイ・ラシドがゴールを決めています。
 下のハイライト映像にはありませんが、トレンガヌFCにとってはPKを与えられても良い場面が少なくと2度あり審判に泣かされた試合でもありました。これにはJDTのオーナーのトゥンク・イスマイル殿下も審判を非難するコメントを出すほどでした。

UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
スランゴールFC 1-1 マラッカ・ユナイテッドFC
得点者:スランゴール-サンドロ・ダ・シルヴァ(40分)、マラッカ-ウチェ・アグバ(39分)
 来季のAFCカップ出場を目指すスランゴールFCにとっては上位進出が遠のく引き分けでした。試合終了間際にはブレンダン・ガンが2枚目のイエローで退場となり、次節の注目カード、首位JDT戦に出場できなくなりました。
 一方のマラッカUはリーグ再開後は2勝1分と好調を維持しています。

9月12日(土)
トゥン・アブドル・ラザクスタジアム(パハン州ジェンカ)
フェルダ・ユナイテッドFC 1-2 クダFA
得点者:フェルダ-シャミ・ザムリ(41分)、クダ-チェチェ・キプレ(48分)、ハディン・アズマン(66分)
 クダFAが昨季までフェルダ・ユナイテッドに在籍していたハディン・アズマンの逆転ゴールでリーグ再開後3連勝し、今季最高位の2位に浮上しています。
 一方のフェルダ・ユナイテッドはリーグ再開から1分2敗と勝ち星がありません。
 フェルダ・ユナイテッドの恵龍太郎選手は先発でフル出場しています。

ダルル・マクマルスタジアム(パハン州クアンタン)
パハンFA 2-1 PDRM FC
得点者:パハン-イヴァン・カルロス(37分)、ファイザル・ハリム(74分)、PDRM-アミル・サイフル(83分)
 パハンFAはFWディクソン・ヌワカエメを欠きながらも最下位のPDRM FCに勝利し、連敗を2で止めています。
 PDRM FCは給料未払い問題により勝点3を剥奪されており、このままだと勝点がマイナスでシーズンを終える可能性が出てきました。

MPPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティFC 1-1 サバFA
得点者:PJ-エリゼウ・アラウージョ(53分)、サバ-ロドリュブ・パウノヴィッチ(88分)
 ともに降格圏にいる両チームの争いは引き分けに終わっています。

マレーシアスーパーリーグ順位表(第7節終了時)

順位クラブ試合得点失点得失差勝点
1JDT76101641219
2クダFA7412128413
3ペラTBG7322912-311
4マラッカU741264210
5トレンガヌFC73131411310
6スランゴールFC724199010
7UITM FC731377010
8パハンFA7304101009
9フェルダU7133811-36
10PJシティFC7133610-46
11サバFA7133712-56
12PDRM FC7024310-7-1
*4位のマラッカUと12位のPDRM FCはそれぞれ、給料未払い問題により勝点3が剥奪されています。

マレーシアスーパーリーグ ゴールランキング(第7節終了時)

ゴール数選手名所属試合数
7ドミニク・ダ・シルヴァトレンガヌFC7
5イフェダヨ・オルセグンスランゴールFC7
5チェチェ・キプレクダFA7
4サンジャル・シャアフメドフ他6名

Mリーグ1部スーパーリーグ2020年シーズン第6節結果

 9月4日(金)と9月5日(土)の両日に、1部スーパーリーグ第6節の6試合が行われました。以下結果です。(ホームチームが左側です。)
 *試合のダイジェスト映像は全てMFLの公式Youtubeより

9月4日(金)
ジョホール・ダルル・タジムJDT 7-0 ペラTBG
得点者:アフィク・ファザイル(22分)、ゴンザロ・カブレラ3(36分、45分PK、63分)、ラマダン・サイフラー(45分+2分)、サファウィ・ラシド(79分)、アキヤ・ラシド(84分)
 JDTは、追撃候補の一つペラTBGを全く寄せ付けず、JDTがゴンザロ・カブレラのハットトリックなどを含む今季最多得点で圧勝。2位に勝点差6をつけ、独走態勢に入りつつあります。

リカススタジアム(サバ州コタキナバル)
サバFA 1-2 スランゴールFC
得点者:サバ-ルドリュブ・パウノヴィッチ(65分)、スランゴール-イフェダヨ・オルセグン2(72分、81分)
 スランゴールFCは前節はベンチスタートだったイフェダヨ・オルセグンが先発し、終盤に2ゴールを決めリーグ再開後の初勝利を挙げています。
 一方、サバFAはリーグ再開から2連敗となっています。

ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州クルボン)
マラッカ・ユナイテッドFC 1-0 トレンガヌFC
得点者:マラッカ-ウチェ・アグバ(61分)
 マラッカ・ユナイテッドFCが連勝。過去2試合で6得点無失点で2連勝のトレンガヌFCは完封負けしています。

9月5日(土)
ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロースター)
クダFA 2-1 PJシティFC
得点者:クダ-クパ・シャーマン(24分)、チェチェ・キプレ(68分)、PJ-ワシントン・ブランダオ(16分)
 5バックで試合に臨んだPJシティが先制し、さらに守備的になった布陣をこじ開けたクダFAが連勝で2位に浮上。
 一方の3試合勝ち星なしのPJシティは11位のサバFAと勝点で並び、次節の直接対決が控えています。

UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
UITM FC 1-0 パハンFA
得点者:ラフィ・ヤアコブ(63分)
 昇格組のUITM FCが前節のフェルダ・ユナイテッドFCに続き、昨季2位のパハンFAに勝利する大番狂わせで、順位を一つ上げ4位としています。
 パハンFAはリーグ再開以降2連敗で、モハマドゥ・スマレ不在が響いています。

クアラルンプールフットボールスタジアム(クアラルンプール)
PDRM FC 1-1 フェルダ・ユナイテッドFC
得点者:PDRM-エスカンダル・イスマイル(59分)、フェルダ-カイルル・アムリ(71分PK)
 PDRM FCが今季チーム3ゴール目となるエスカンダル・イスマイルのゴールで先制しましたが、フェルダ・ユナイテッドFCが追いつき引き分けに終わっています。
 フェルダ・ユナイテッドFCは最下位のPDRM FC相手に勝点3を獲得してリーグ順位をあげたいところでしたが、今季未勝利の相手に引き分けが精一杯でした。
 フェルダ・ユナイテッドFCの恵龍太郎選手は先発でフル出場しています。

マレーシアスーパーリーグ順位表(第6節終了時)

順位クラブ試合得点失点得失差勝点
1JDT65101541116
2トレンガヌFC63121410410
3クダFA6312107310
4UITM FC631276110
5マラッカU64029549
6スランゴールFC62318809
7ペラTBG6222812-48
8パハンFA620489-16
9フェルダU613279-26
10PJシティFC612359-45
11サバFA6123611-55
12PDRM FC6024310-7-1
*5位のマラッカUと12位のPDRM FCはそれぞれ、給料未払い問題により勝点3が剥奪されています。

マレーシアスーパーリーグ ゴールランキング(第6節終了時)

ゴール数選手名所属試合数
7ドミニク・ダ・シルヴァトレンガヌFC6
5イフェダヨ・オルセグンスランゴールFC6
4サンジャル・シャアフメドフトレンガヌFC6
4ゴンザロ・カブレラJDT6
4クパ・シャーマンクダFA6
4チェチェ・キプレクダFA6

Mリーグ1部スーパーリーグ2020年シーズン第5節結果

 3月16日から中断していたMリーグが再開し、8月28日(金)と8月30日(土)の両日に、1部スーパーリーグ第5節の6試合が行われました。以下結果です。(ホームチームが左側です。)
 今節は、JDTを除き、試合前に下位だったチームが上位のチームを破る結果になっています。(試合のダイジェスト映像はMalaysia Football LeagueのYoutubeチャンネルより)

8月28日(金)
ダルル・マクマルスタジアム(パハン州クアンタン)
パハンFA 2-0 ジョホール ・ダルル・タジムJDT
得点者:パハン-ファイサル・ハリム(40分)、エラルド・グロン(45分)、JDT-レオナルド・ヴァレスケス(5分)、ラマダン・サイフラー(15分)、ゴンザロ・カブレラ(35分PK)
 ポルトガルリーグのポルティモネンセSCへの移籍が決まっているエースのサファウィ・ラシドをベンチスタートさせたJDTは、Mリーグが中断する第4節まではBチームのJDT IIに所属し、2部プレミアリーグでプレーしていたラマダン・サイフラーがトップチーム昇格後に即スタメン出場し、さらにゴールを決めるなど改めて選手層の厚さを披露しました。さらに代表でもプレーするパハンFAの高速ウイング、モハマドゥ・スマレ獲得の噂もあり、エースの移籍にも盤石の構えでリーグ7連覇に近づきました。
 一方のパハンFAは、前述のスマレ選手が過去1ヶ月ほど練習にも参加していないという報道があり、この日もベンチ入りしませんでした。また第4節までチーム最多の3ゴールを決めているFWイヴァン・カルロスもケガでスタメンを外れるなど満身創痍のチーム状態では2点を返すのがやっとでした。

ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラTBG 0-1 マラッカ・ユナイテッド
得点者:マラッカ-フェリス・ダニアル(52分)
 給料未払い問題で揺れるマラッカ・ユナイテッドがペラTBGの無敗記録をストップ。ペラTBGのオフサイドトラップを抜け出したフェリス・ダニアルが今季初ゴールを決めています。

トゥン・アブドル・ラザクスタジアム(パハン州ジェンカ)
フェルダ・ユナイテッド 0-1 UITM FC
得点者:UITM-マーク・ハートマン(38分)
 今節最大の番狂わせとなったこの試合は、マーク・ハートマンのゴールで大学生が主体のUITM FCがフェルダ・ユナイテッドを破り9位から3位に浮上。一方のフェルダ・ユナイテッドは5位から9位に順位を下げています。
 フェルダ・ユナイテッドの恵龍太郎選手はスタメンでフル出場しています。

スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
トレンガヌFC 4-0 サバFA
得点者:トレンガヌ-ドミニク・ダ・シルヴァ(12分)、サンジャル・シャアフメドフ2(43分、71分)、ファリス・ラムリ(84分)
 Mリーグ再開前のスーパーリーグ展望で失点をどれだけ防げるかが上位進出の鍵となると予想したトレンガヌFCが2試合連続の完封勝利で首位JDTと勝点差3の2位に浮上しています。またこの試合でもゴールを決めたドミニク・ダ・シルヴァは5試合で6ゴールとリーグ得点王として好調を維持しています。
 一方、サバFAはやはりスーパーリーグ展望で実戦練習不足が懸念材料と書きましたが、やはりそれが露呈した格好になり、一気に降格圏内の11位まで順位を下げました。

クアラルンプール・フットボールスタジアム(クアラルンプール)
PDRM FC 0-2 クダFA
得点者:チェチェ・キプレ2(30分、36分PK)
 こちらも給料未払い問題が取り沙汰されているクダFAが最下位相手ながら快勝し、順位を8位から3位としています。クダFAを運営するクダ州サッカー協会は、このPDRM FC戦前に未払いとなっている3月から6月までの給料を完済すると約束していましたが、それが1週間先延ばしになり、チームの士気が低下しても致し方ない状況でしたが、相手がPDRM FCだったことも幸いしてか、勝点3を獲得しています。
 敗れたPDRM FCは、リーグ中断前の第4節まで活躍した正GKのブライアン・シーをケガで欠き、攻撃陣も機能せず、既に今季3度目の完封負けで、今季の成績を0勝1分4敗としています。

UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
スランゴール FC 0-0 PJシティFC
得点者:なし
 ケガから復帰のルフィアノ・セゴヴィアを先発させて攻撃重視のメンバーを組みながら前半を無得点で折り返すと、スランゴールFCは後半には昨季のチーム得点王イフェダヨ・オルセグンやワン・ザック・ハイカルら攻撃のカードをさらに切りましたが、PJシティFCのゴールを破ることはできませんでした。この引き分けは上位進出を狙うスランゴールFCにとっては負けにも等しい痛い引き分けでした。
 この試合の前にはスランゴールFCのサティアナタン・バスカラン監督が今季の契約切れと共に退任するという噂が出ており、この辺りも試合の結果に影響を及ぼしたかもしれません。
 PJシティFCは負けていれば、降格権内の11位に落ちるところでしたが、貴重な勝点1をもぎ取り10位に踏みとどまりました。

マレーシアスーパーリーグ順位表(第5節終了時)

順位クラブ試合得点失点得失差勝点
1JDT541087413
2トレンガヌFC5311149510
3ペラTBG52218538
4クダFA52128627
5UITM FC52126607
6マラッカU5302853*6
7パハンFA52038806
8スランゴールFC513167-16
9フェルダU512268-25
10PJシティFC512247-35
11サバFA512359-45
12PDRM FC501429-7*-2
*6位のマラッカUと12位のPDRM FCはそれぞれ、給料未払い問題により勝点3が剥奪されています。

マレーシアスーパーリーグ ゴールランキング(第5節終了時)

ゴール数選手名所属試合数
7ドミニク・ダ・シルヴァトレンガヌFC4
4サンジャル・シャアフメドフトレンガヌFC4
3イフェダヨ・オルセグンら他5名

8月27日のニュース:JDTのエースはポルトガルのクラブに移籍へ、マラッカ・ユナイテッドの新ロゴに盗作疑惑、一方クチンシティFCの新ロゴには好評価が集まる

JDTのエースはポルトガルのクラブに移籍へ
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版はMリーグ1部のジョホール・ダルル・タジムJDTに所属するサファウィ・ラシドが、来季、ポルトガル1部のクラブへ移籍すると報じています。
 ポルトガルのスポーツ紙O Joboが伝える記事として、ポルトガル1部のポルティモネンセSCが買取オプション付きの期限付き移籍でサファウィ選手を獲得する可能性があると伝えた第一報に続き、サファウィ選手が所属するJDTがポルティモネンセSCよりオファーを受けていることを公表し、契約交渉が最終段階にあることからその内容は明かせないとしながらも、JDTとサファウィ選手の両者にとって好ましい内容であることも明らかにしています。
 さらにJDTのスポーティングダイレクターSDを務めるマーティン・プレスト氏は「JDTはサファウィ選手がヨーロッパでさらなるキャリアを積めるよう放出する意思がある。」と言うコメント発表しています。
 国内で最高のフォワードとされる23歳のサファウィ選手は、2017年にT-Team(現トレンガヌFC II)からJDTに移籍し、JDTでは3季連続の1部リーグ優勝や2度のマレーシアカップ優勝に貢献したほか、2018年には34試合で16ゴールを決めて最優秀若手選手、最優秀フォワードとMVPを、昨年2019年は34試合で20ゴールを決めて最優秀フォワードとMVPと2年連続で獲得しています。
 かつては日本代表の中島翔哉選手も所属したポルティモネンセSCは、昨季は1部18チーム中17位の成績ながら、16位のヴィトーリア・デ・セトゥーバルにライセンスに関する問題があったことから、2部降格を免れたと言うことです。
******
 この移籍はポルティモネンセSCの主力株主とJDTのオーナーのトゥンク・イスマイル殿下とが近しい関係にあることから、実現の可能性が高いという報道もあります。 
 なおポルトガルリーグでプレーするマレーシア人選手としては、現在、JDTでプレーする・ナズミ・ファイズ(3部のSCベイラ・マル、2013年)、アマド・ファクリ・サアラニ(3部アトレティコSC、2012/13年シーズン)に続く3人目となるということです。
(以下はJDTの公式Facebookに掲載されたプラットSDのコメント)

マラッカ・ユナイテッドの新ロゴに盗作疑惑
 Mリーグ1部マラッカ・ユナイテッドFCを運営するマラッカ州サッカー協会MUSAは、クラブの民営化に伴う新たなチームロゴを発表しましたが、これに盗作疑惑がもたれていルト、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 公募で選ばれた新しいロゴは、マラッカ州の名前の由来でもあるマラッカ(和名は油柑「ゆかん」)の木をモチーフにしたデザインですが、これが8月22日発表されると、まず、これが画像共有サイトのピンタレストで「木」を検索した際に見つかるロゴに似ているという指摘がありました。
 その後、新しいロゴはオーストラリアの食品製造企業のBare Blends社が2015年から使用しているロゴと酷似しているという報道が出ると、MUSAの会長を兼任するマラッカ州のスライマン・モハマド・アリ州首相は新しいロゴの商標登録を申請し、それが承認されてから使用することを発表しています。
(左がBare Blends社、右がマラッカ・ユナイテッドFCの新しいロゴ)

 さらにイギリスのアマチュアサッカークラブのバンステッド・ローバーズや来季からアメリカ1部のメジャーリーグサッカーMSLに参入するオースティンFCのロゴとも酷似ていることが指摘する報道も出ており、公募の際の条件の一つである、国内外を問わず他のロゴと類似ていないことに反しているという声がサポーターから上がっているということです。
(左からオースティンFC、マラッカ・ユナイテッドFC、バンステッド・ローバーズのロゴ)

一方クチンシティFCの新ロゴには好評価が集まる
 Mリーグ2部クチンFAも、クチン市サッカー協会からの独立と民営化に伴い、チーム名をクチンシティFCと変更し、また新しいロゴを発表していますが、これには好評価が集まっていると、サッカー専門サイトのヴォケットFCが報じています。
 鈴木雄太選手と谷川由来選手が所属するクチンFAの本拠地クチンkuchingは、マレーシア語で「ネコ」を意味することから、ロゴ全体の形がネコに見立てられており、緑はチームの勇猛さを、赤は決して諦めない強さ示しているということで、中央にはkuchingのKの文字も描かれています。
 盾やボールをモチーフとしたものが一般的なサッカーチームのロゴの中で、この独創的なネコの形はチームのサポーターからも好感を持って受け入れれられているということです。

8月26日のニュース:Mリーグ再開に向けて1部スーパーリーグ展望Part3

Mリーグ1部スーパーリーグ展望Part2
 Mリーグ再開まであと2日となりました。昨日、一昨日に続き、ニューストレイトタイムズのアジトパル・シン記者によるMリーグ1部スーパーリーグの展望に便乗し、ボラセパマレーシアJP視点の(=素人感丸出しの)コメントをつけたものをお届けします。今日は第4節終了時の9位から12位のチームについてです。

9位 UITM FC(1勝1分2敗-勝点4)

<残り試合>
フェルダ・ユナイテッド (A)、パハンFA (H)、ペラTBG (A)、トレンガヌFC (H)、スランゴールFC (A)、PJシティFC (H)、サバFA (A)
<シン記者評>
 UITM FCは今季の降格候補の一つ。そもそも大学のクラブが国内のトップリーグでプレーする必要もなければ、他のプロクラブと競い合うだけの資金力もない。現にリーグ再開前の練習試合ではJDTに0-8と惨敗しており、リーグの頭数合わせ的な存在である。フランク・バーンハート監督にとっては、ペラTBG、トレンガヌFC、スランゴールFC、そしてPJシティFCといった相手との対戦は頭が痛いだろう。
<シン記者の今季順位予想>
11位
<ボラセパマレーシア的私見>
 Mリーグの規則に則って1部昇格してきたUITM FCをこき下ろすよりも、シン記者はむしろこのクラブを昇格させてしまった2部の他の「プロ」クラブの不甲斐なさを非難すべきではないでしょうか。
 とは言え、降格候補のクラブであることは事実です。他のクラブにとっては、このUITM FC相手に勝点はもちろん、得失差を有利にするためにもゴールを量産しにかかるでしょうから、そこを逆手にとってジャイキリを狙い、リーグを盛り上げてもらいたいです。そしてそのためには自身へのマークが集まりがちなMFラビ・アタヤが周りを生かす役割に徹することができるかどうか次第でしょう。

10位 PJシティFC(1勝1分2敗-勝点4)


<残り試合>
スランゴールFC (A)、クダFA (A)、サバFA (H)、マラッカ・ユナイテッド (A)、JDT (H)、UITM FC (A)PDRM FC (H)
<シン記者評>
 中堅どころのクラブながらスランゴール州プタリンジャヤ(PJ)を中心に存在感をアピールし、一定のファンを集めているPJシティFC。
 デヴァン・クッパサミー監督率いるクラブはリーグ中断前は安泰感を欠いていたものの、リーグ再開前の練習試合を見る限りでは、リーグの上位チームに一泡吹かせる実力をつけてきている。
<シン記者の今季予想順位>
8位
<ボラセパマレーシアJP的私見>
 リーグ再開前に飛び込んできたのはFWデムバ・カマラが母国のギニアから未だ出国できていないと言うニュースです。ギニア政府が自国民の移動を禁じていると言う報道もあり、新型コロナによるリーグ中断期間中に帰国したデムバ選手は明後日に迫ったリーグ再開に間に合わないことは明らかです。下手をすればこのままマレーシアに戻ることなく今季2020年シーズン終了の可能性もあるようで、そうなるとPJシティFCも降格争いに巻き込まれてしまう可能性があります。

マラッカ・ユナイテッド(2勝0分2敗-勝点3 *勝点3が剥奪されています。)

<残り試合>ペラTBG (A)、トレンガヌFC (H)、スランゴールFC (A)、PJシティFC (H)、サバFA (A)、クダFA (A)、JDT (H)
<シン記者評>
 過去数シーズンに渡り未払い給料問題を抱えていたことが発覚し、しかもそれが解決していないことから今季開幕後に勝点3を剥奪されたマラッカ・ユナイテッド。タイ出身のナザことDFナルポン・プッソーンは2月の給料と3月の給料の4分の1しか払われなかったことから退団しています。
 マラッカ・ユナイテッドは勝点3の11位ながら、他の降格候補はマラッカ・ユナイテッドより更に劣るため、今季は1部に残留するだろう。
 元代表のザイナル・アビディン監督や同じ元代表主将のサフィク・ラヒムらは、そんなマラッカ・ユナイテッドに在籍していることで時間を無駄にしているように思える。今季終了後は、負債まみれのチームを直ちに離れるべきである。
<シン記者の今季順位予想>
10位
<ボラセパマレーシアJP的私見>
 昨季は上記のサフィク・ラヒムやカイルル・ファミ・チェ・マットなど往年の代表選手を集めて強化を図りながら、結果は残せず、債務が残ったといったところでしょう。その結果が未払い給料が発生し、勝点剥奪処分を受ける、と言うマレーシアのプロリーグでの「あるある」を実践したマラッカ・ユナイテッド。
 昨季はシーズン途中で主将のシュコル・アダンが未払い給料問題を理由に、チームの遠征に帯同せず、そのまま退団となっています。
 同じようなことが今季も繰り返されれば、

12位 PDRM FC(0勝1分3敗-勝点マイナス2点 *勝点3が剥奪されています。)

<残り試合>クダFA (H)、フェルダ・ユナイテッド (H)、パハンFA(A)、ペラTBG (H)、トレンガヌFC (A)、スランゴールFC (H)、PJシティFC (A)
<シン記者評>
 今季開幕前に、給料未払い問題が未解決であったことから勝点3を剥奪されたPDRM FC。限られた予算で運営される現職警察官とプロ選手の混合チームはプロリーグでプレーしているものの、一部の選手には手当てしか支給されておらず、その実態はアマチュアクラブのような運営が行われている。
 リーグ中断期間中に帰国、その後の合流を拒否しているアントニオ・ジャーマンを欠き、4試合で勝点1のチームは、リーグ再開後も勝点がプラスに転じる可能性が低く、今季終了後に2部降格となることが誰がどうみても確定していると言える。
<シン記者の今季順位予想>
12位
<ボラセパマレーシアJP的私見>
 活動制限令MCO期間中は選手を兼ねる警察官の仕事がメディアで取り上げられるなど、サッカーとは関係のないところで注目を浴びましたが、言い換えれば、それくらいしか話題性もないクラブです。昨今話題になっている民営化の実現も難しそうなクラブは今季終了と共に降格、そして二度と1部復帰することはなさそうです。

8月11日のニュース:来季は複数のMリーグクラブに新たなオーナーが誕生か、ケランタンFA買収に投資家が名乗りを上げる、スランゴールFCとパハンFAは民営化後は共に皇族がクラブのトップに

来季は複数のMリーグクラブに新たなオーナーが誕生か
 マレーシアサッカー協会FAMは、国内リーグMリーグ1部と2部の全てのクラブに対して9月30日までに州サッカー協会(州FA)から独立した民営化クラブとなることを求めていますが、未払い給料問題を抱えるクラブが複数あり、その前途は多難かと思いきや、マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版によると、Mリーグクラブ買収に関心がある企業や個人が一定数おり、そういった中から新たなオーナーが誕生する可能性もあるようです。
 Mリーグ1部ではペラTBGの他、クダFAやマラッカ・ユナイテッドといった数百万リンギを超える未払い給料を含めた負債を抱えるクラブや、やはり未払い給料が問題となっているMリーグ2部のケランタンFA、ペナンFAの他、クアラルンプールFAなども買収の対象となっているようです。
 この報道を裏付けるように、ケランタンFAを運営するケランタン州FAのフシン・デラマン事務局長は外国企業による買収の問い合わせを受けたことを明かし、未払い給料問題を抱えるクラブであっても、買収対象として関心を持たれていることに驚いたと話しています。
 またペラTBGを運営するペラ州FAのモハマド・アズリン・モハマド・ナズリ名誉事務局長も同様の問い合わせを受けていると話す一方、クアラルンプールFAのノクマン・ムスタファ事務局長は個人の資産家から調査を受けたことを明かしています。
 なお、イツのサッカー情報サイトトランスファマルクトによると上記の各クラブの資産価値は、Mリーグ1部のクダFAが2000万リンギ(およそ5億500万円)、マラッカ・ユナイテッドが1930万リンギ(およそ4億8700万円)、ペラTBGが1650万リンギ(およそ4億1600万円)、Mリーグ2部のクアラルンプールFAが1090万リンギ(およそ2億7500万円)、ペナンFAが840万リンギ(およそ2億1200万円)そしてケランタンFAが360万リンギ(およそ9080万円)となっています。

ケランタンFA買収に投資家が名乗りを上げる
 上の記事と関連して同じハリアンメトロは、Mリーグ2部ケランタンFAの買収に投資家のノリザム・トゥキマン氏が名乗りを挙げていると報じています。
 U19代表候補のワン・クザインの父親であるアメリカ在住の大学教諭ワン・カマル・ワン・ナピが買収から手を引く一方で、ケランタン州FAはこのノリザム氏と交渉を行い、既に同意書にサインする寸前まで話が進んでいるということです。
 ケランタン州FAのフシン・デラマン事務局長によれば、ノリザム氏はケランタンFAの再生計画なども明かし、ここまでの話し合いは順調に進んでいるということで、今後は詳細を詰めた後に、公式な契約にサインされる予定であると話しています。

スランゴールFCとパハンFAは民営化後は共に皇族がクラブのトップに
 Mリーグクラブ民営化関連では、共にMリーグ1部のスランゴールFCとパハンFAが共に皇族がクラブのトップとなりそうだと、ハリアンメトロが報じています。
 スランゴールFCが民営化される際には、スランゴール州皇太子のトゥンク・アミル・シャア・スルタン・サラフディン・イドリス・シャア殿下を筆頭株主とし、これにスランゴール州FAも一部株式を保有する他、スランゴール州の機関であるスランゴール開発公社PKNSや州首相企業MBIなども株式を持つということです。なお一部の株式はサポーターに対しても売り出される可能性があることを、スランゴール州FAのシャーリル・モクタル副会長は明らかにしています。
 一方パハンFAを運営するパハン州FAはパハン州皇太子のトゥンク・アブドル・ラーマン・スルタン・アーマド・シャア殿下がオーナーを務める企業を中心としたグループが買収する形で民営化が行われる予定だということです。
 Mリーグにはジョホール州皇太子でTMJの愛称で知られるトゥンク・イスマイル殿下がオーナーのジョホール・ダルル・タジムJDTがありますが、JDTはトゥンク・イスマイル殿下が単独オーナーですが、スランゴールFCとパハンFAは皇太子を中心としたグループによる運営となりそうです。
 なおドイツのサッカー情報サイトトランスファマルクトによると、スランゴールFCは1950万リンギ(およそ4億9200万円)、パハンFAは1420万リンギ(およそ3億5800万円)の資産価値があるとなっています。

8月4日のニュース:ケランタン州FAに勝点剥奪処分が下る、そのケランタン州FA内部から今季リーグ戦出場辞退すべきの声も上がる、U19代表の第二次合宿開始で将来のエース二人の共演に期待が集まる

ケランタン州FAに勝点剥奪処分が下る
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で、Mリーグ2部のケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会KAFAに対して、未払い給料問題の解決の遅れを理由にケランタンFAの勝点3剥奪(はくだつ)処分を課したことを発表しています。
 FAMのクラブライセンス発給を担当する第一審交付機関FIBの会合で下された処分は、KAFAが期限までにかつて在籍した選手に対して約束された未払い給料の分割支払いを行わなかったことが理由であることも公表されています。本来は4月30日を期限としたいたこの支払いは、3月18日に新型コロナウィルス感染防止に伴う活動制限令MCOが発令され、Mリーグが中断されたことなどを考慮し、FIBはその期限を7月30日まで延期されました。しかし7月30日になっても未払い給料は選手やスタッフに支払われなかったことから、FAMは当初の期限を守らなかったKAFAに対して勝点3の剥奪処分を下したとしています。
 なおKAFAは7月30日付でFAMに対して手紙を送り、支払い期限を今季2020年シーズン終了まで延長することを求めていたということです。
 さらにFIBは新たな未払い給料の支払い期限として8月31日を設定し、この期限が守られない場合には、KAFAに対しては来季2021年シーズンのMリーグに出場するために必要なクラブライセンスは発給されないとしています。
 なおFIBの会合では、KAFAの他、Mリーグ1部マラッカ・ユナイテッドを運営するマラッカ州サッカー協会MUSA、PDRM FCを運営するマレーシア王立警察サッカー協会PDRM FA、サラワク・ユナイテッドを運営するサラワク州サッカー協会FASについても議題に取り上げられ、KAFAを含めた4団体全てが内国歳入庁(日本では国税庁に相当)への滞納金があり、FASを除く3団体は従業員積立基金と従業員社会保障制度にも滞納金があることが明らかになっており、こちらの滞納金も8月31日までに完済されない場合には、来季のクラブライセンス発給に影響が出る可能性があるとしています。
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 ケランタンFAはこの勝点剥奪処分により、Mリーグ2部プレミアリーグの7位(勝点4)から10位(勝点1)に転落し、11位のクチンFA、12位のペラIIとは勝点で並び、得失差のおかげで10位となっています。この現状に加え、昨日のこのブログでも取り上げましたが、未払い給料に愛想を尽かした選手の退団が噂されているケランタンFAは、来季の1部復帰どころから、3部降格の可能性も見えてきました。

そのケランタン州FA内部から今季リーグ戦出場辞退すべきの声も上がる
 マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版は、未払い給料問題で揺れるケランタン州サッカー協会内KAFAから、8月26日再開予定のMリーグへの出場辞退の声が上がっていると報じています。
 Mリーグの各クラブは4ヶ月以上の中断を経て練習を再開し、リーグ再開に備えて準備を進めていますが、KAFAは上の記事で取り上げた未払い給料問題に加え、マレーシアサッカー協会FAMが9月30日を期限としているクラブの民営化手続きへの着手も遅れているということです。
 この状況下でKAFAのフシン・デラマン事務局長は、KAFA内の役員会の一部メンバーからは・現在抱えている問題の解決に専念し、運営するケランタンFAの今季のMリーグへの出場は辞退した方が良いのではないかという提案が出ていることを明らかにしています。
 「Mリーグに出場すれば、毎試合で移動や宿泊、安全対策などに費用がかかる。さらに今季は無観客試合で行われることから、入場料という貴重な収入を失うことになる。それならば期限が2ヶ月しか残されていないクラブの民営化と未払い給料の支払いに専念するべきだという意見が出ている。」とデラマン事務局長は語っているということです。

U19代表の第二次合宿開始で将来のエース二人の共演に期待が集まる
 8月3日から始まったU19代表候補第二次合宿では、将来の代表を背負う二人の選手の共演にサポーターの期待が高まっています。
 ベルギーのKVコルトレイクと5年契約を結んだ18歳のFWルクマン・ハキム・シャムスディンと、アメリカ育ちでアメリカ2部リーグのセントルイスFC U19でプレーする18歳のワン・クズリ・ワン・アーマドは、今回の代表候補合宿で始めてコンビを組みますが、これは多くのマレーシア人サポーターが楽しみにした共演の実現であるとマレーシア語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 第一次合宿には参加しなかったルクマン選手は、今回招集されたことに喜ぶと同時に、できるだけ早くチームに溶け込みたいと話しています。また、ワン・クズリ選手については、そのプレーは映像で見たことしかないものの、良い選手であることはわかっているので、早く一緒にトレーニングを行いたいとしています。
 「ワン・クアラ選手はU19代表に貢献してくれることは確かだが、自分自身も最終メンバーに残るために練習でも試合でも常に全力で臨みたい。新しい選手が加わることで競争心も生まれるので、そういった選手たちの参加は自分にとっても励みになる。」取るクマン選手は話しています。

7月22日のニュース:PDRM FCの外国籍FWが退団、マラッカUはアセアン枠DFと契約解除、クダFAはリーグ再開前に4試合の練習試合を予定、U19代表候補合宿は最終週

PDRM FCの外国籍FWが退団
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版によると、Mリーグ1部のPDRM FCのFWアントニオ・ジャーマンが活動制限令MCO期間中に退団したようです。
 今季2020年シーズン開幕前にPDRM FCに加入した英国出身でグレナダ代表のジャーマン選手は英国2部リーグのクイーンズパークレンジャーズでもプレー経験があるFWで、昨季2019年シーズンには同じMリーグ1部のスランゴールFCに加入したものの、人種差別発言を受けわずか数試合に出場したのみで退団しています。
 ニューストレイトタイムズによると、新型コロナウィルス感染に伴う活動制限令MCOが発令されていた4月中に、ジャーマン選手は親族の不幸を理由に英国に帰国したということですが、これがクラブの承諾を得なかったことから契約違反となり、その結果契約解除となったようですが、ジャーマン選手はシーズン中の契約解除に対して数か月分の給料を賠償金として請求しており、現在は選手、代理人そしてクラブとの間で話し合いが行われているということです。
 PDRM FCのイシャク・クンジュ監督は、MCO期間中もジャーマン選手はクラブから各選手に与えられていた練習メニューをこなしていなかったということで、当初からリーグ再開後も起用の予定はなかったと話し、残る二人の外国籍選手(いずれもトルクメニスタン出身のMFセルダール・ゲルディエフとDFショフラト・ソユノフ)を中心に戦っていくと話しています。

マラッカUはアセアン枠DFと契約解除
 マレー語紙ブリタハリアン電子版は、Mリーグ1部マラッカ・ユナイテッドとアセアン(東南アジア)東南アジア枠のナッザことDFナルポン・ワイルド・プッソーンとの契約解除を発表しています。
 こちらは両者合意の上の契約解除ということです。
 マラッカ・ユナイテッドのムハマド・アクラム・アブドラ チームマネージャーは、チームの戦力にとっては痛手ではあるものの、ナルポン選手の意思を尊重して、契約解除を決めたと話しています。
 また口頭での合意はできているものの、書面での合意には至っていないということで、アクラム チームマネージャーは、もし翻意をすることがあれば、いつでも再交渉の余地はあると話しています。
 その一方で、メディアからナルポン選手の退団の理由を問われたアクラム チームマネージャーは、その説明を拒否したということです。
 この他、アクラム チームマネージャーは8月26日のMリーグ再開に先立ち、練習試合が解禁される8月2日以降にMリーグ2部のヌグリスンビランFAとの練習試合を予定していることも発表しています。試合会場はヌグリスンビランFAのアブドルラーマンスタジアムということですが、日程については現在交渉中ということです。

クダFAはリーグ再開前に4試合の練習試合を予定
 8月26日のMリーグ再開に向け、クダFAのアイディル・シャリン・サハク監督は4試合の練習試合を予定していると、マレー語紙ハリアンメトロ電子版が伝えています。
 アイディル監督は、クアラルンプールとスランゴール州周辺のクラブと3試合、マレー半島北部のクラブと1試合を予定していると話しています。
 既に練習試合を希望する相手はクダFAを運営するクダ州サッカー協会KFAに報告済みだと話すアイディル監督は、現在はKFAの経営陣から試合の実施許可を待っていると話し、できるだけ早く確定させたいと話しています。
 「選手のコンディションは良く、4試合の練習試合はリーグ再開前にチーム全体のレベルアップにとって非常に重要だ。リーグが再開すれば、4週間で7試合をこなす必要があり、しかもその間の移動も含めると、選手には体力と精神力の両方が求められる。」とアイディル監督は話しています。

U19代表候補合宿は最終週
 7月6日から始まったU19代表候補合宿は7月26日が最終日ですが、ハリアンメトロ電子版によると、ここまでの2週間は体力強化を中心に行ってきたU19代表は、3週目の最終週は戦術練習中心を行うようです。
 U19代表のブラッド・マロニー監督は、ここまでの2週間でどの選手も積極的に練習に取り組み、成長が見られると話しています。
 また最終週を前にいずれもGKモハマド・アズリアン・モハマド・アズランとMFモハマド・ナゼミザン・ナスロン(いずれもサバFA)、DFモハマド・ザリフ・シャミル・モハマド・ザマン、MFアブドル・ラジク・アブドル・ラヒム(いずれもマラッカFA)の4名がメンバー外となる一方、マレーシアサッカー協会FAMと青年スポーツ省が運営するエリートアカデミーのモクタル・ダハリアカデミーAMDから元U16代表のGKシャミ・アディブ・ハイカル・モハマド・シュクリを召集しています。

7月18日のニュース:Mリーグの8月26日再開が決定、Mリーグ再開日程に対する各監督の反応、U19代表合宿にワン・クズリが合流

Mリーグの8月26日再開が決定
 マレーシア国内リーグのMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは3月半ばから中断しているリーグ戦を8月26日から再開することを公式Facebookなどを通じ発表しています。
 Mリーグ1部スーパーリーグと2部プレミアリーグは新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて3月16日以来中断しています。なお3部以下はすでに今季の中止が決定しています。
 リーグ再開についてMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、各クラブの選手が試合を行う体調を取り戻すのに十分な時間を確保することがこの8月26日を選んだ理由のうちの一つとし、MFLが任命するマッチコミッショナーが再開前にリーグ戦で使用される各スタジアムの消毒や殺菌状況の確認を行うと話しています。
 この他、リーグ再開に先駆け、MFL各クラブは無観客を条件として8月3日からは練習試合が解禁になることや、試合会場が確保できないと言う前代未聞の理由で延期となったMリーグ1部第4節3月14日のPJシティFC対トレンガヌFC戦と、雷雨のため試合途中で中止となったMリーグ2部第2節3月6日のUKM FC対ケランタンFA戦の振替試合はこれに先立ち8月22日に開催されることも併せて発表になっています。
(8月26日からのリーグ再開を知らせるMFL公式Facebookページ

Mリーグ再開日程に対する各監督の反応
 マレー語氏ブリタハリアンは、8月26日からの再開が決まったMリーグについて、各クラブの監督の声を紹介しています。
 他のクラブに先駆けて8月22日に再開後の初戦を迎えるMリーグ1部PJシティFCのデヴァン・クップサミー監督は、選手たちはトレンガヌFCとの対戦に向けて用意ができていると語った上で、「選手たちの体調は満足いく状態になっており、ここまでケガ人が出ていないことも良い傾向である。」と話しています。
 Mリーグ1部スランゴールFCのサティアナタン・バスカラン監督は、8月26日の再開に向けてどのクラブもチームを仕上げるのに十分な時間が与えられているとし、練習試合が解禁となる8月3日以降には練習試合を5試合ほど組みたい。残り試合が7試合しかない事から、全選手が再開後の初戦から全力でプレーができるように準備したい。」と話しています。
 またマラッカ・ユナイテッドのザイナル・アビディン・ハサン監督も試合感を取り戻すために練習試合は必要であると述べ、体調を仕上げるだけでは不十分であるとしています。
 一方、パハンFAのドラー・サレー監督は、再開が(当初予定されていた)9月1日でも8月26日でも違いはないとし、選手たちはボールのタッチなどの感覚を取り戻しつつあることから、再開まで1ヶ月間あるのでそこで集中的に練習を行うことができれば十分であると話しています。

U19代表合宿にワン・クズリが合流
 マレーシアの通信社ブルナマは、アメリカ育ちのワン・クズリ・ワン・アーマド・カマルが、現在開催中のU19代表候補合宿に合流したと報じています。
 アメリカ2部リーグにあたるUSLチャンピオンシップに所属するセントルイスFCのアカデミーでプレーするワン・クズリ選手は、現在マレーシアへの入国者全員に課されている2週間の自宅検疫期間を経て、さらに2度の綿棒検査で陰性が確認された後、35番目の選手としてチームに合流しています。
 国内メディアとの会見の席上で、ワン・クズリ選手はチームに貢献するために、自分ができることをやるつもりであると話しています。
 「自分は攻撃の起点になるのが得意な選手なので、多くのチャンスを作って多くのゴールに貢献したい。また機会があれば積極的に前でもプレーしたい。」と話しています。
 また同じブルナマの記事では、このワン・クズリ選手の兄でもあるワン・アーマド・ファイサル青年スポーツ相代理がU19代表合宿を訪れたことを伝え、その際に大臣代理の弟だと言うことで特別扱いをされることはなく、選手選考はブラッド・マロニーU19代表監督の専権事項であると話しています。
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 このファイサル青年スポーツ相代理のU19代表候補合宿は非公式なものでしたが、ネット上では本人が何と言おうと選手選考に悪い影響を与えることはあっても、良い絵鏡を与えることがないと言う批判が出ており、この二人の父親であるワン・アーマド・カマル氏も、ワン・クズリ選手がサッカーに集中しようとしている状況を妨げるようなことはすべきでないと、ファイサル青年スポーツ相代理を批判するコメントをソーシャルメディアに投稿しています。