4月7日のニュース:根絶されないMリーグの給料未払い問題-ペラとクダで給料未払いが発覚、FAMはVAR導入を再検討か、W杯予選を前にケガ人続出が代表監督の頭痛の種

根絶されないMリーグ給料未払い問題-ペラとクダで給料未払いが発覚
 今季も既にMリーグ1部スーパーリーグのマラッカ・ユナイテッドが給料未払いで勝点3剥奪処分を受けていますが、給料未払い問題が起こっているのは他にもあるようです。
 長年に渡りマレーシア国内リーグで問題になっている給料の未払いですが、最近の報道では1部スーパーリーグのペラFCとそのセカンドチームで2部プレミアリーグのペラII、そして現在はスーパーリーグ2位のクダ・ダルル・アマンでも数ヶ月分の給料が支払われていないようです。
 ペラの給料未払いについては、前節第6節のペナン戦敗戦の後に英字紙スター電子版のT・アヴィネンシュワラン記者が自身のTwitterに「ペラよ、ペラ、経営陣が勝点3とプロとしての振舞いを求める一方で、その経営陣は数ヶ月にわたり給料を支払っていない。選手はこれを公にするべきだ。隠す必要など何もない、それは自分の権利なのだから。」と#speakup「声を上げろ」#EnoughisEnough「もうたくさんだ」というハッシュタグをつけて投稿しています。
 またマレーシア語紙ウトゥサンマレーシア電子版に対して、シンガポール出身で今季クダから移籍してきたばかりのDFシャキル・ハムザと控えGKアズリ・ガニの代理人が今年2度目のトランスファーウィンドウ期間となる来月5月3日から30日にこの両選手が給料未払いを理由に移籍することを示唆したと報じた他、いずれもケガ人による戦力ダウンに悩むスランゴールやトレンガヌが移籍を望むペラの選手獲得に関心を持っているも言われています。

FAMはVAR導入を再検討か
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、マレーシアサッカー協会FAMがビデオアシスタントレフェリーVARについて審判部に調査を指示したと報じています。
 審判委員会のS・シヴァサンダラム委員長は、現在、近隣のタイやベトナム国内リーグでのVAR利用についての報告を待っていることも明らかにした上で「VAR利用は良いことではあるが、多額の費用がかかることもあり、まずはその調査が必要であり、その結果をもとに次のFAM理事会で話し合いも持つ予定である。現時点ではいつからVARを導入するかを明言することはできない。」と話しています。
 FAM審判委員会の元委員長でAFC選手権アジアカップやFIFAワールドカップでも審判を務めたスブヒディン・モハマド・サレー氏は、自身がFAMでの在職期間中にVARの導入を検討したもの、辞任する前の2018年に導入計画が取りやめになったことを数週間前にメディアに明らかにしています。
 ニューストレイトタイムズの記事によると、VAR導入の費用は1試合会場あたり15万米ドル(およそ1650万円)、1部スーパーリーグの本拠地の全12スタジアムでは180万米ドル(およそ1億9800万円)となるということです。

W杯予選を前にケガ人続出が代表監督の頭痛の種
 Mリーグの日程変更が確定し、予定より早めに代表合宿を開始できることになったマレーシア代表ですが、合宿に招集したい選手にケガが続き、頭を抱えていると英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 先月3月の代表合宿で初招集したトレンガヌのGKラハディアズリ・ラハリムは合宿終了後に戻ったクラブでの練習で膝前十字靭帯を損傷して今季絶望となり、今季開幕前にはスランゴールのMFハリム・サアリも同様に膝前十字靭帯損傷で同じく今季絶望となっています。
 代表のタン・チェンホー監督はラハディアズリ選手は正GKではないとしながらも、ハリム選手はレギュラーの1人であり、招集したい選手が減ったことからW杯予選の準備にも支障が出ていると話しています。
 なお3月の代表合宿にはやはり代表の主力ながらケガを追ってMリーグの試合を欠場していたモハマドゥ・スマレとサファウィ・ラシド(いずれもJDT)や、検疫隔離で短期の合宿には参加が難しかったタイリーグでプレーするジュニオール・エルドストール(チョンブリFC)やドミニク・タン(ポリステロFC)、オーストラリアリーグでプレーするリリドン・クラスニキ(ニューカッスルジェッツ)を招集しませんでした。
 W杯予選前の最終代表合宿は5月16日から行う予定であることを明らかにしたタン監督は、この合宿中に現在候補に上がっているバーレーン、ヨルダン、オーストラリアといったチームと練習試合も組みたいと話しています。

4月6日のニュース:Mリーグは断食月の試合日程変更を発表-トランスファーウィンドウも2ヶ月前倒しに、FAM-MSNプロジェクトのプレミアリーグ出場続行に関する議論がさらに加熱

Mリーグは断食月の試合日程変更を発表-トランスファーウィンドウも2ヶ月前倒しに
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、4月23日以降のMリーグ1部スーパーリーグと2部プレミアリーグの日程を変更することを公式サイト上で発表しています。
 この日程変更は6月に再開されるFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼アジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に出場するマレーシア代表合宿と、試合日程が変更になったAFCチャンピオンズリーグACLとAFCカップに出場するMリーグクラブを考慮しての変更ということです。
 マレーシア代表は6月3日にアラブ首長国連邦UAEとの試合を控え、このブログでも既報の通りマレーシアサッカー協会FAMは代表合宿をイスラム教の断食月が明けた5月16日から開催できるよう、MFLにMリーグ日程の変更を求めていました。
 またJDTが出場するACLは集中開催となるグループリーグが当初の4月21日から5月7日から6月21日から7月7日に変更となっています。
 この他、クダ・ダルル・アマンとトレンガヌが出場するAFCカップのグループステージも6月22日から28日の開催が発表されています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOはMリーグ各クラブの代表者とオンラインでの会談を行い、日程の変更を通達済みだということです。
 なお今回の日程変更により、4月13日から始まる予定のイスラム教の断食月の間に1部スーパーリーグの各クラブはは当初の2節(2試合)から5節(5試合)へ、また2部プレミアリーグの各クラブは3節(3試合)から4節(4試合)へ、それぞれ試合数が増えています。
 アブドル・ガニCEOは今回のMリーグ日程の変更により1部スーパーリーグは最終節が8月14日に、2部プレミアリーグの最終節は8月8日となることから、今年2度目のトランスファーウィンドウ期間が当初の7月5日から8月1日からおよそ2ヶ月早まり5月3日から5月30日となることも発表しています。

FAM-MSNプロジェクトのプレミアリーグ出場続行に関する議論がさらに加熱
 Mリーグ2部プレミアリーグに今季初参戦中のFAM-MSNプロジェクトは、マレーシアサッカー協会FAMとマレーシア政府の青年スポーツ省傘下の国家スポーツ評議会が共同運営するエリートアカデミーAMD出身者らで構成されている平均年齢17.23歳と若いチームですが、第6節を終了した時点で0勝0分6敗で得点4、失点20、得失差-16という成績で、先月のリーグ中断期間中にはリーグに残るべきかどうかがメディアやソーシャルメディア上で様々な議論が起こりました。
 そのFAM-MSNプロジェクトが第6節でもJDT IIに0-5と惨敗したことから、このチームの指揮を取るユスリ・チェ・ラー監督がJDT II戦後の記者会見で。短期間でこのチームが成長することは難しいと認めた上で「外野では様々なことが言われていることは承知しているが、このチームが育成目的であることは理解する必要がある。また外国籍選手がいるような(プレミアリーグの他の)クラブと渡り合うことはこのチームの選手にとっては容易なことではない。」とマレーシアの通信社ブルナマに語り、次節のクチンシティ戦では、チームが改善されたパフォーマンスを見せてくれることを期待しているとも話しています。
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 これに対し、FAM-MSNプロジェクトのプレミアリーグ参戦が決まった時点から一貫してリーグ参加に否定的な意見を繰り返し述べているのが元エリートアカデミーAMDの責任者でもあったリム・ティオンキム氏です。
 今回の敗戦後にも「FAMが『育成』と呼んで行っている(FAM-MSNプロジェクトのプレミアリーグ参加)行為は完全に間違いである。」とし、リーグ参加自体が無責任な判断であり、FAMのオン・キムスイ テクニカルディレクターはその責任責任を果たすべきであると批判しています。
 リム氏はサッカー選手の育成とは強靭な精神や個性を持った個々の選手を生み出すことであると定義し、FAMが行っているのは単に選手を集めてチームを作っているだけである、と話しています。またこのFAM-MSNプロジェクトの先例として挙げられるハリマウムダ(ヤングタイガーズ、2008年から2012年まで当時のMリーグ2部プレミアリーグに参戦し、2009年にはリーグ制覇したU21代表チーム)については、Mリーグが2009年から2011年までは外国籍選手の出場を認めていなかったことから、対戦チームには外国籍選手がおらず、FAM-MSNプロジェクトとハリマウムダを比較すること自体に無理があると話しています。
 「FAM-MSNプロジェクトの選手が対戦しているのはスピードがある上に体躯に勝り、経験もある国内トップクラスの選手である。ハリマウムダは当時のU21の代表選手を集めて結成されたが、FAM-MSNプロジェクトの選手28名中、FAMが主催する国内トップレベルのU19リーグに出場経験がある選手はわずか6名で、チーム自体が当時のハリマウムダのレベルには達していないが、それはここまでの試合結果を見ても明らかである。育成とは選手に自信を持たせ、他の選手に敬意を払いながらもフィールド上では自分自身で問題を解決する能力を身に付けさせることである。」というコメントを元バイエルン・ミュンエヘンU19チームのアシスタントコーチでもあったリム氏は現在居住しているドイツから発信しています。
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 FAMのシヴァサンダラム会長代理はスランゴール2との対戦ではFAM-MSNプロジェクトが2-4と「善戦」したことを引き合いに出し、リム氏のコメントが適切ではないと述べてていますが、リム氏はスランゴール2は大半の選手が20歳で30歳代の選手が1名しかチームにいない点を指摘しています。
 さらにリム氏はFAM-MSNプロジェクトの選手について0-2で敗れた第5節のヌグリスンビラン戦では90分間の試合中にアズハド・ハラズ・アルマンがボールを保持したのが23秒間、ウバイドゥラー・シャムスル・ファズリが5秒間だったことを指摘した上でこの両選手がチーム内で最も長くボールを保持できていた選手であり、試合中のボールタッチの数多ければ多いほど良いとされる若い年代にも関わらず、この両選手以外は試合中は走っているか、ボールを追いかけているかするだけであり、この状況を放置しておくことが果たして「育成」と呼べるものなのか、そしてサッカーをしていると言えるのかと疑問を呈し、FAMはボールに触れられていない選手をどう評価するのかとも述べています。
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 なお次節第7節で選手の平均年齢17.23歳のFAM-MSNプロジェクトは、プレミアリーグで最年長となる選手平均年齢30.26歳のクチンシティと対戦します。

4月5日のニュース:朗報!-Mリーグは次節第7節から全試合でスタジアム観戦が可能に、今季のU21リーグとU19リーグの出場チームが決定、タン代表監督-W杯予選前の合宿には12日間は必要

朗報!-Mリーグは次節第7節から全試合でスタジアム観戦が可能に
 Mリーグ第5節に試験的に実施された有観客試合で標準作業手順SOPが遵守され、国家安全保障委員の初任を得られとして、国内のスポーツを監督する青年スポーツ省は次節第6節から、Mリーグ全試合でのスタジアム観戦を許可したとマレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 4月2日のJDTの本拠地スルタン・イブラヒムスタジアムでの試験的有観客試合に足を運んだリーザル・メリカン青年スポーツ相自身は「国家安全保障委員会は視察の結果、他の試合でもスタジアムに観客を入れての開催を認めるとする報告を受けている。」と話し、サポーターがソーシャルディスタンスを維持して観戦した様子に満足していると話しています。
 またMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOはこの発表を歓迎するとともに各クラブにサポーターの観戦受け入れの準備を行うように命じたことを明らかにしており、今後MFLは早急に各クラブとSOPなどについての会合を開く予定があると話しています。なおスタジアムでの観戦許可はMFLによる承認を獲ることが条件ということです。
 MFLの承認を受けたクラブについては、条件付き移動制限令MCO施行地域ではスタジアム収容人数の10%または2000人、回復のための移動制限例RMCO施行地位域ではスタジアム収容人数の25%または8000人のいずれか少ない方を上限にサポーターの観戦が認められるということです。

今季のU21リーグとU19リーグの出場チームが決定
 マレーシアサッカー協会FAMは、主催するMリーグ各クラブのU21チームが出場するプレジデントカップとU19チームが出場するユースカップのグループ分けが決定したことを公式Facebookではっぴょうしています。新型コロナウィルス観戦拡大により昨季2020年は中止に追い込まれた両リーグは2年ぶりの開催となります。
 19チームが参加するプレジデントカップは6月3日から各ゾーンごとのグループステージを開催し、8月9日から9月19日にノックアウトステージを開催し、20チームが参加するユースカップは6月2日にやはり各ゾーンに分かれてグループステージが開幕し7月31日と8月4日のプレーオフを経て、8月8日から9月4日までがノックアウトステージ開催期間となります。
 各ゾーンのグループ分けは以下の通りです。

プレジデントカップ(U21リーグ)出場チーム(19チーム)
<北部ゾーン>
ペナン、クダ・ダルル・アマン、モクタル・ダハリアカデミーAMD U17、ケランタン・ユナイテッド、ペラIII、ケランタン、スランゴール
<南部ゾーン>
ヌグリスンビラン、KLシティ、マラッカ・ユナイテッド、PDRM、スリ・パハン、JDTIII
<中央ゾーン>
PJシティ、UITM、サバIII、クチンシティ、サラワク・ユナイテッド、トレンガヌIII

ユースカップ(U19リーグ)出場チーム(20チーム)
<北部ゾーン>
ケランタン、スリ・パハン、ペナン、ケランタン・ユナイテッド、ペラIV、クダ・ダルル・アマン、UITM
<南部ゾーン>
ヌグリスンビラン、JDT IV、PDRM、マラッカ・ユナイテッド、AMD U16、トゥンク・マコタ・イスマイルスポーツ学校(ジョホール)SSTIM U17、KLシティ
<中央ゾーン>
トレンガヌIV、サバIV、PJシティ、クチンシティ、スランゴール、サラワク・ユナイテッド
(以下はプレジデントカップ(Piala Presiden)とユースカップ(Piala Belia)のグループステージの組み合わせを告知するFAM公式Facebookの投稿)

タン代表監督-W杯予選前の合宿には12日間は必要
 6月に再開されるFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選を前に、マレーシア代表は5月に合宿を予定していますが、この合宿では12日ほどの日数が欲しいと、代表のタン・チェンホー監督がマレーシアの通信社ブルナマに語っています。
 アジア二次予選G組で同組となっているアラブ首長国連邦UAE、ベトナム、タイはこれより早い時期から準備を進めており、練習試合を行なっている一方で、マレーシア代表は3月に行なった代表合宿でも試合は組まずチーム内連携を中心とした練習を行いました。
 この状況についてタン監督は「5月の代表合宿では、練習試合が複数組めるように10日から12日の日数が確保できることが望ましい。さらに理想を言えば(予選の集中開催地となる)UAEと似た気候を持つ場所で合宿や練習試合を組み、その気候にチームが慣れるようにしたい。」と話しています。なお、6月のUAEは日中は気温が40度まで上がり、夜間でも25度と1年間で最も暑い時期だということです。
 しかしタン監督は気候自体は時間が十分にあれば選手が身体を鳴らすことは可能だと話す一方で、5月末まで試合が組まれているMリーグの日程ではその時間が確保できない心配があると話しています。このブログでも既に報じましたが、マレーシアサッカー協会FAMはタン監督の要望を受け、Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLに対して、イスラム教の断食月が開ける5月13日以降の試合日程の変更を提案しています。  
 タン監督は「代表チームは1年以上合宿を行っておらず、先日行った3月の合宿も7日間と十分ではなかったので、FAMの提案が受け入れられることを願っている。」と話しており、MFLの対応に注目が集まっています。
 マレーシアはここまでのW杯予選5試合でベトナム(勝点11)に続く2位(同9)となっており、以下タイ(同8)UAE(同7、ただし試合数は4試合)と続いています。また自国開催を除きマレーシアが予選を突破してアジアカップに出場したのは1980年が最後です。

4月3日のニュース:主審を突いたJDTのインサにFAMは2試合出場停止と26万円の罰金処分、トレンガヌのGKラハディアズリが膝前十字靭帯損傷で今季絶望、タイリーグ20/21シーズン終了-エルドストールとスウィラッドが最終戦でタイ移籍初ゴール、オーストラリアリーグ第13・14節-クラスニキは両試合に出場

主審を突いたJDTのインサにFAMは2試合出場停止と26万円の罰金処分
 マレーシアサッカー協会FAMは今季2度目となる懲罰委員会を開催し、JDTのナチョ・インサに対し2試合の出場停止と1万リンギ(およそ26万7000円)の罰金処分を課したことをバルジット・シン・シドウ委員長名で発表しています。

  1. ナチョ・インサ(JDT)
    処分対象:3月21日のMリーグ1部スーパーリーグ第5節、ペラ戦での非スポーツマン行為 
    (具体的には、試合後に両手で主審の胸を押した行為がが処分対象の行為)
    処分内容:2試合出場停止および罰金1万リンギ

 ただし今回の出場停止処分には、4月2日のマラッカ・ユナイテッド戦は出場停止が確定しているものの、残るもう1試合の出場停止処分は、今後8ヶ月間以内に同様の行為を行った場合に適用するのとの注もつけられており、出場停止試合が1試合で済む可能性もあります。
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 試合中に死角になっている後ろから両手で主審を突き飛ばして倒したケランタンのジャック・ヒンドルへの処分は厳重注意のみだっただけに、FAMの処分の一貫性のなさには今後再び批判が集まりそうです。

トレンガヌのGKラハディアズリが練習中に膝前十字靭帯損傷で今季絶望
 Mリーグ1部で現在2位と好調のトレンガヌに激震です。先日の代表合宿にも初招集されたGKラハディアズリ・ラハリムが練習中に膝前十字靭帯を損傷し、今季絶望とスポーツ専門サイトのスタジアムアストロが伝えています。
 192cmの長身を生かしたプレーで昨季頭角を表し、19歳ながら今季は第5節までの全試合にフル出場している正GKのケガはトレンガヌにとっては大きな痛手です。なお、ラハディアズリ選手は手術が必要な状態で、復帰までには時間が必要と報じられており今季の出場は絶望ということです。
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 今回の代表合宿招集でFWルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)、FWアリフ・アイマン・ハナピ(JDT)ら他の10代選手ととも将来の代表の核となることが期待されていたラハディアズリ選手ですが、6月の代表チーム招集の可能性もあっただけに、クラブにとっても本人にとっても大きな痛手です。

タイリーグ20/21シーズン終了-エルドストールとスウィラッドが最終戦でタイ移籍初ゴール
 今さらですがタイ1部は3月28日に、2部は3月31日にいずれも最終節が開催され20202/2021年シーズンが閉幕しています。1部ではチョンブリーFCに所属するジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・ナデール・アマルハン・マダナー)が最終戦で今季初ゴールを決めてます。また同じ1部のポリス・テロFCに所属するドミニク・タンはケガが完治しておらずベンチ入りしませんでした。チョンブリーFCでは加入後は主力としてほぼ毎試合先発したエルドストール選手は検疫隔離の都合で3月の代表合宿には招集されませんでしたが、5月のW杯予選直前の代表合宿招集の可能性が高くなってきました。
 一方2部のノーンブワ・ピッチャヤFCに所属するニコラス・スウィラッドも最終戦でタイ移籍初ゴールを決めています。
タイ1部第30節
ラヨーンFC(16位-4勝3分23敗) 1-1 チョンブリーFC(12位-9勝5分16敗)
 ラヨーンFCは大久保剛志選手のゴールで先制するも、ジュニオール・エルドストールが90+4分に引き分けに持ち込む今季初ゴールを決めています。エルドストール選手は先発してフル出場しています。
ポリス・テロ(11位-10勝6分14敗)0-0 ブリーラム・ユナイテッドFC(2位-20勝3分7敗)
 ドミニク・タンはケガが完治しておらずベンチ入りしませんでした。
タイ2部第32節
ノーンブワ・ピッチャヤFC 6-0 MOFカスタムズ・ユナイテッド
 ニコラス・スウィラッドはベンチ入りしませんでした。
同第33節
ノーンブワ・ピッチャヤFC 1-2 ネイビーFC 
 ノーンブワ・ピッチャヤFCは33試合目で今季初敗戦。ニコラス・スウィラッドはベンチ入りしましたが、出場しませんでした。
同第34節
カセサートFC(14位-11勝5分8敗) 0-3 ノーンブワ・ピッチャヤFC(1位-21勝12分1敗)
 既に2部優勝を決めていたノーンブワ・ピッチャヤFCが最終戦も勝利しています。90+2分に交代出場したニコラス・スウィラッドはタイ移籍初ゴールを最終戦で決めています。

オーストラリアリーグ第13・14節-クラスニキは両試合に出場
 こちらも少々古いニュースですが、オーストラリア1部リーグのAリーグの第13節と第14節が開催され、ニューカッスル・ジェッツに所属する帰化選手のリリドン・クラスニキはいずれも途中から出場しています。検査隔離の都合もあり、3月の代表合宿には招集されませんでしたが、試合出場時間を伸ばしていけば、5月のW杯予選直前の代表合宿には招集が期待されます。
オーストラリア1部(Aリーグ)第13節
ニューカッスル・ジェッツ 1-4 アデレード・ユナイテッド
  リリドン・クラスニキは45分から出場し最後まで出場しています
同第14節
パース・グローリー (8位-5勝2分6敗)2-1 ニューカッスル・ジェッツ(11位-3勝2分9敗)
 元日本代表の太田宏介選手を擁するパース・グローリーにも敗れたニューカッスル・ジェッツは5連敗。リリドン・クラスニキは59分から出場し最後まで出場しています。

4月1日のニュース:Mリーグの選手と監督やコーチは5月からワクチン接種開始、カシオがFAMとスポンサー契約締結-G SHOCKの限定マレーシア代表モデルも発売へ、今季M3リーグへ参戦する14クラブをAFLが発表

Mリーグの選手と監督、コーチは5月からワクチン接種開始
 国内スポーツを監督する青年スポーツ省のリーザル・メリカン大臣は、Mリーグの選手や監督、コーチを対象とした新型コロナウィルスワクチンの接種が5月より始まると述べています。
 マレーシアの通信社ブルナマによると、青年スポーツ省はワクチン接種候補者となる4000名のスポーツ選手を選び出し、ワクチン接種を担当するカイリル・ジャマルディン新型コロナウィルスワクチン接種担当大臣にそのリストを提出済みと言うことです。その中から、東京オリンピックへの出場資格を得るための予選参加者264名を第一陣として今月からワクチン接種を開始、6月にFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選を控える代表選手を含めたMリーグの選手や監督、コーチは第二陣として接種対象となっているということです。

カシオがFAMとスポンサー契約締結-G SHOCKのマレーシア代表モデルも発売へ
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で日本の電気メーカーであるカシオ計算機と公式スポンサー契約を締結したことを発表しています。なお契約は今年2021年3月1日から2022年2月28日までと言うことです。
 FAM本部で行われた契約締結式は、FAMのハミディン・アミン会長、カシオマレーシア社の手塚逸郎社長の他、マレーシア代表のタン・チェンホー監督、シャーレル・フィクリ(スランゴール)とイルファン・ザカリア(KLシティ)らが出席して行われ、その席上ではハリマウマラヤ(マレーシア語で「マラヤの虎」)の愛称を持つマレーシア代表とコラボした限定モデルのG SHOCKも同時に発表されています。999個のみが製作された限定モデルはハリマウマラヤのロゴと伝統的にユニフォームに使われている黄色と黒が基調となっており、そのシリアル番号001はカシオマレーシアの手塚社長からハミディンFAM会長に贈られたということです。
 オリジナルTシャツ、リストバンドがセットになったこのハリマウマラヤ限定モデルのG SHOCKは579リンギ(およそ15500円)で6月1日より全国のG SHOCK取扱店やカシオのオンラインストアなどで販売されると言うことです。
(下はFAMのFacebook公式サイトに掲載された「ハリマウマラヤ」限定G SHOCKの写真)

FAMはW杯予選出場の代表のためにMリーグ日程の変更を要望
 6月にFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選を控えるマレーシア代表が本番前に練習試合を組めるようにと、マレーシアサッカー協会FAMはMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLに日程変更を要望していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 FAMのモハマド・ユソフ・マハディ会長代理は、イスラム教の断食月(今年は4月13日から5月12日)明けに予定されているMリーグ第11節(5月17日から18日)と第12節(5月22日から23日)を延期して、第13節(7月2日から4日)から再開すれば、代表はW杯予選に集中できるだけでなく、6月3日に予定されているアラブ首長国連邦戦まで2週間以上の時間的な余裕が取れることから、本番前に練習試合を行うことも可能であると話しています。
 また代表チームのチームマネージャーも務めるモハマド・ユソフ会長代理は、バーレーン、ヨルダン、オーストラリアの3カ国がW杯予選前の練習試合の相手を希望しているとし、そのうちから2チームをタン・チェンホー監督の希望に沿って選びたいと話しています。
 さらにこの要望は代表合宿に参加した選手から提案されたものだと明かしたモハマド・ユソフ会長代理は、W杯予選前により多くの練習時間を確保し、万全な状態で試合に臨みたいと言う選手の姿勢に応えたいと話しています。

今季M3リーグへ参戦する14クラブをAFLが発表
 Mリーグ3部にあたるM3リーグはセミプロリーグ化を目指して再編成が行われている最中で、今季は6月に開幕が予定されていますが、今季のM3リーグに参加する14クラブをM3リーグを統括するアマチュアフットボールリーグAFLが公式Facebookで発表しています。この14クラブは以下の通りです。

  1. AFFC(国軍FC)公式Facebook
  2. BRM FC 公式Facebook
  3. サイバーリンクスFC 公式Facebook
  4. FCランカウイ
  5. ハリニKS FC 公式Facebook
  6. キジャンレンジャーズFC 公式Facebook
  7. キナバルジャガーズFC 公式Facebook
  8. KSRサイエンスFC 公式Facebook
  9. クアラカンサーFC 公式Facebook
  10. ランカウイシティFC 公式Facebook
  11. マンジュンシティFC 公式Facebook
  12. MNY FC 公式Facebook
  13. PIB FC 公式Facebook
  14. リアルチュカイFC 公式Facebook
     AFLのモハマド・ユソフ・マハディ会長は、全部で23クラブから今季のM3リーグ参加の申請があったことを明らかにし、上記の14クラブの他、さらに6クラブについて現在も書類審査が行われていると話し、最終的なM3リーグ参加クラブ名は今後、発表されるとしています。
     また書類審査を通過しなかったクラブについては、その理由として州サッカー協会からの支持がないこと、提出された経営プランに不備があることなどを挙げています。
    (以下はAFLの公式Facebookに掲載された上記クラブのロゴ。FCランカウイのロゴがないため、全部で13クラブ分になっています。)

3月30日のニュース:代表合宿は2日短縮して7日間で終了、FAM懲罰委員会が第5節までの処分を発表、鈴木ブルーノは所属クラブ監督が「休養」となったことを悔やむ

更新の間隔がだいぶ空いてしまいましたので、今回は過去5日分のニュースから抜粋しました。

代表合宿は2日短縮して7日間で終了
 英字紙ニュースストレイトタイムズ電子版は、ジョホール州ジョホールバルにあるMリーグ1部JDTの練習施設を利用して行われていた今年1回目の代表合宿が予定より2日早い3月28日に終了したと報じています。なお合宿解散後、各選手は所属チームに戻っています。
 タン・チェンホー代表監督は代表合宿を7日間に短縮したことについて、代表合宿参加者が4月2日から再開するMリーグ第6節までには疲労が回復しているようにという配慮からであると話しています。また、新型コロナウィルス感染の影響で合宿期間中には練習試合が組めなかったことも、合宿短縮の理由にあるということです。
 「これまでの戦術を選手がこなせるかどうかを見るという首脳陣の目的も果たせており、2週間で5節をこなした後にも関わらず、選手たちは練習に全力で取り組んでくれたことに満足している。」と話したタン監督は6月11日のベトナム戦から再開するFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼アジアサッカー協会AFC選手権アジアカップ2023年大会予選の前の5月に再び代表合宿を行うとした上で、残りのW杯予選に向けて、今回の合宿参加者がケガもなく、万全な状態で招集できることを望んでいるとも話しています。

FAM懲罰委員会が第5節までの処分を発表
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上でMリーグ第5節まで試合により懲罰委員会への出頭を求められた選手に対する処分をバルジット・シン・シドウ委員長名で発表しています。

  1. ジャック・ヒンドル(ケランタン)
    処分対象:3月6日のMリーグ2部プレミアリーグ、ペラII戦での非スポーツマン行為 
    処分内容:厳重注意
  2. アレックス・ドス・サントス・ゴンサウヴェス(マラッカ・ユナイテッド)
    処分対象:3月10日のMリーグ1部スーパーリーグ、PJシティ戦での非スポーツマン行為
    処分内容:厳重注意
  3. アフマド・カイリル・アヌアル・アフマド・ザムリ(PJシティ)
    処分対象:3月10日のMリーグ1部スーパーリーグ、マラッカ・ユナイテッド戦で非スポーツマン行為
    処分内容:2試合の出場停止(4月2日のトレンガヌFC戦と4月7日のKLシティFC戦)
  4. ハイン・テット・アウン(スランゴール2)
    処分対象:3月6日のMリーグ2部プレミアリーグ、PDRM戦での非スポーツマン行為
    処分内容:1試合出場停止(4月2日のペラII戦)
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     ヒンドル選手はプレー中に自分の前に立った主審を両手で押し倒した行為が、ゴンサウヴェス選手は投げたボールが主審に当たった行為、そしてカイリル・アヌアル選手は自身のシミュレーションによりPJシティがPKを得てそれが得点につながった行為が処分の対象になっています。
     一方で、ミャンマー出身のハイン・テット・アウン選手はゴールを決めた後に、下の写真のように三本指の敬礼をカメラに向かって行った行為がサッカーの試合中に「政治的なメッセージを持つシンボルを掲げた」ことで処分されています。19歳のハイン・テット・アウン選手がカメラに向かって見せたのは、クーデターを実行した国軍による国民の弾圧が続くミャンマーで、この軍事クーデターに反対するデモ参加者の間で、その象徴的な存在となった3本指を掲げるサインでした。ストを決行する公務員から学生デモなどで抵抗の印としてこの3本指のサインが広がった中での行為でした。
     なお、当初はハイン・テット・アウン選手が所属するスランゴールFC2の公式サイトでも下の写真は掲載されていましたが、今は削除されています。

鈴木ブルーノは所属クラブ監督が「休養」となったことを悔やむ
 マレーシアのスポーツ専門サイトのスタジアムアストロは、2部プレミアリーグのPDRMがマット・ザン・マット・アリフ監督を「休養」させたことについて、同チームでプレーする鈴木ブルーノ選手はチームに貢献できず、結果として監督の役に立てなかったと悔やんでいると報じています。
 昨季は1部で12位となり今季は2部に降格したPDRMは第5節を終えた時点で1勝4敗の9位に位置しており、現在は昨季はペナンFCのU21監督を務めた元代表のワン・ロハイミ・ワン・イスマイル氏がマット・ザン監督に代わり練習を指揮しているということです。
 「1勝4敗という厳しい状況ではあるが、ここで監督を交代させるということはPDRMが今季は本気で1部復帰を目指していることの現れである。監督の「休養」はサッカーでは珍しいことではなく、負け続ければ何かを変える必要がある。マット・ザン監督のもとで、自分自身はここまで出場が2試合で、しかもいずれもフル出場できていなかったことが残念だ。」とブルーノ選手はスタジアムアストロに語る一方で、続いている背中の痛みから次戦となる4月3日の古巣トレンガヌII戦への出場についてはまだわからないと話しているということです。

3月23日のニュース:UITMのアダム・リードが出場わずか2試合で退団、J3第2節-沼津は今季初戦勝利もハディ・ファイアッドはケガのため出場せず、FAMテクニカルディレクターは今年の東南アジア競技大会に19歳のルクマン招集を明言

 マレーシア国内のスポーツニュースは、3月21日のバドミントン全英オープンで優勝し、2017年のリー・チョンウェイ選手以来のマレーシア人チャンピオンとなったリー・ジイジア選手の話題で持ちきりですが、そんな中、サッカー関連では昨日からW杯予選に向けた今年1回目の代表合宿が始まっています。

UITMのアダム・リードが出場わずか2試合で退団
 Mリーグ1部で12位と低迷するUITM FCの東南アジア枠外国籍選手のアダム・リードが出身地であるフィリピンのクラブと契約したと、フィリピンのメディアが報じています。
 フィリピンのスポーツメディア「タイブレイカータイムズ」電子版は、昨季はMリーグ1部のパハンFA(現スリ・パハンFC)で、そして今季はUITM FCに加入したアダム・トゥルことアダム・リードがフィリピン1部リーグの2020年シーズンチャンピオンのユナイテッドシティFCと契約したと報じています。リード選手は今季は第1節のトレンガヌ戦と第4節のペナン戦に先発してフル出場した一方、第2節と第3節にはベンチ入りしていませんでした。
 タイブレーカータイムズは、アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグに出場するユナイテッドシティFCが、昨季2020年シーズンにはMリーグ1部のPJシティとUITMでプレーしたFWマーク・ハートマン、同じく昨季はクダFA(現クダ・ダルル・アマンFC)でプレーしたアミン・ナザリらの名前とともにリード選手を新加入選手として紹介しています。
 ユナイテッドシティFCは、Jリーグ昨季王者のの川崎、中国1部リーグ2位の北京国安、そして大邱FC(韓国)とチェンライ・ユナイテッド(タイ)のプレーオフの勝者とともにACL東地区I組に入っています。
 なおリード選手の退団についてはUITMは公式な発表を行っていません。

J3第2節-沼津は今季初戦勝利もハディ・ファイアッドはケガのため出場せず
 J3は第2節が3月20日と21日行われ、ハディ・ファイアッドが所属するアスルクラロ沼津は第1節に試合がなかったため、今季初戦を本拠地でFC今治を迎えて開催し、1-0で勝利しています。
 なおハディ選手は練習中にケガを負ったということで、この試合にはベンチ入りしませんでした。またハディ選手はチームを離れて治療に専念するとも報道されています。 
 これを伝えたマレーシア語紙ブリタ・ハリアン電子版はハディ選手のコメントを紹介し、足を痛めたもののケガは深刻ではないとする一方、回復まで数週間を要すると話しているということです。
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 J2岡山から期限付きで移籍しているハディ選手ですが、マレーシア国内でもアスルクラロ沼津の試合が放映されることが決まった矢先だっただけに、その勇姿が見られるのはもう少し先になりそうです。

FAMテクニカルディレクターは今年の東南アジア競技大会に19歳のルクマン招集を明言
 昨日3月22日から代表合宿が始まり、代表チームは1年5ヶ月ぶりの顔合わせとなっています。大半は6月から再開されるW杯アジア二次予選にこれまで出場したメンバーですが、今回初招集となった選手の1人が19歳のルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)です。
 このルクマン選手について、マレーシアサッカー協会FAMのオン・キムスイ テクニカルディレクター(TD)は、オリンピックの東南アジア版とも言える東南アジア大会、通称シーゲームズに出場するU20代表にも招集することを明言していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 今年2021年11月からベトナムのハノイを中心に開催されるシーゲームズですが、FAMは2024年パリオリンピック予選を睨んで従来のU23代表ではなく、U20代表を出場させる予定ですが、「同年代の選手で構成されるU20代表に(フル代表を経験する)ルクマンが加わることは、チームにより大きな影響を与えるだろう。」と話すオンTDはU20代表にルクマン選手を参加させる予定であると話しています。
 新型コロナウィルス感染拡大が落ち着き、マレーシア政府の国家安全委員会の許可が得られるようなら11月のシーゲームズの前にはU20代表を海外遠征させたいと話すオンTDは、今回のU20代表のシーゲームズ出場は2023年にカンボジアで開催される次のシーゲームズでのメダル獲得、そして2024年パリオリンピック予選を見越したものであることから、今年のシーゲームズではあくまでも経験を得ることが目的であり、大会での目標などは設定していないと話しています。
 またこのU20代表は現在Mリーグ2部プレミアリーグに出場中のFAM MSNプロジェクトチームにJDTやスランゴールFCなど他のMリーグクラブから選手が加わる形になるだろうと話しています。
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 オンTDはFAM MSNプロジェクトと他のMリーグクラブの選手とでU20代表を構成するとしていますが、FAM MSNプロジェクトの選手は、FAMとスポーツ青年省が運営するトップアカデミーのAMDを卒業しながら、Mリーグクラブから声がかからなかった選手が中心のチームで、いわば同年代では上澄みにあたるトップ層が抜けた後の選手たちで構成されています。このチームから果たして何人が実際にU20代表に選ばれるかわかりませんが、U20代表の主力は同年代のトップ層である他のMリーグクラブ選手となることは間違いありません。

3月19日のニュース:Mリーグは第6節よりスタジアムでの観戦が解禁、JDTのACL対戦相手が変更-名古屋・浦項・ラーチャブリーに、タイ1部リーグ第28節と2部リーグ第30節-元代表トリオは出場なし

Mリーグは第6節よりスタジアムでの観戦が解禁
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、マレーシア政府の承認が得られたとしてMリーグ1部スーパーリーグ第6節(4月2日および3日)からスタジアムでの観戦が可能となることを発表しています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、まずスーパーリーグ第6節のJDT対マラッカ・ユナイテッド戦(4月2日、スルタン・イブラヒムスタジアム)とKLシティ対サバ(4月3日、KLフットボールスタジアム)の2試合で試験的に観衆をスタジアムに入れて開催することを発表しています。
 アブドル・ガニCEOは、この2試合は他のMリーグクラブがスタジアムに観客を入れて試合を開催できるかどうかの審査に使われ、その結果をもとにMFLは他の試合での観客の入場を認めるかどうかを判断するとしています。
 またMFLは、観戦許可が出た後もMリーグ各クラブに対して部外者との接触を避けるスポーツバブルを維持し、さらに今後も標準作業手順SOPを遵守することを求める一方で、スタジアムへ来場予定のサポーターに対しても同様にSOPの遵守を求めるとしています。
 なおスタジアムでの観戦解禁に際し、入場可能となる観戦者数は、最も制限が緩和される「回復のための行動制限令」RMCO施行地域では8000名あるいはスタジアム収容総人数の25%の内少ない方が、「条件付き行動制限令」CMCO施行地域では2000名あるいはスタジアム収容総人数の10%の内少ない方が上限となるということです。
 この他、現在は毎試合で必要されている抗原検査(RTK Antigen)が、今後は週1回でよくなることもアブドル・ガニCEOは発表しています。

JDTのACL対戦相手が変更-名古屋・浦項・ラーチャブリーに
 アジアサッカー連盟AFCは、AFCチャンピオンズリーグG組の江蘇FC(中国)が出場を辞退し、G組の残る1枠をプレーオフで争う予定だった浦項スティーラーズ(韓国)とラーチャブリーFC(タイ)の両クラブがともにG組に組み込まれたことを公式サイト上で発表しています。浦項スティーラーズとラーチャブリーFCは4月14日に予定されていたプレーオフで対戦し、その試合の勝者がG組に入る予定でした。なおこのG組にはMリーグ7連覇中のJDTと名古屋グランパスも所属しています。
 昨季中国1部リーグ優勝の江蘇FCはこのブログでも既報通り、運営停止が発表されており、今季のACLの出場が危ぶまれていました。
 このG組は6月下旬にタイを会場とした集中開催となることが決まっています。
 

タイ1部リーグ第28節と2部リーグ第30節-元代表トリオは出場なし
 タイ1部リーグ第28節が3月16日と17日に、また2部リーグ第30節が3月17日に開催されました。
 1部チョンブリーFCに所属するジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・ナデール・アマルハン・マダナー)は、前節第27節は警告累積により出場停止でしたが、今節はベンチ入りしたものの出場はありませんでした。またポリス・テロFCのドミニク・タンはケガが完治しておらず、こちらもベンチ入りしませんでした。
 この他、2部ノーンブワ・ピッチャヤFCのニコラス・スウィラッドもベンチ入りしませんでした。
タイ1部第28節
チョンブリーFC(12位-9勝3分16敗)0-2 サムットプラーカーン・シティFC(7位-13勝5分10敗)
 ジュニオール・エルドストールはベンチ入りしたものの出場せず。
ラヨーンFC(16位-4勝2分22敗) 6-1 ポリス・テロ(11位-10勝5分13敗)
 ドミニク・タンはケガが完治しておらずベンチ入りせず。
タイ2部第30節
ノーンブワ・ピッチャヤFC(1位-18勝12分0敗)1-0 ウドーンターニーFC(16位-6勝10分14敗)
 ニコラス・スウィラッドはベンチ入りせず。

3月18日のニュース:代表監督は合宿招集メンバーの顔ぶれへの疑問に回答、トレンガヌFCは映画館を利用したパブリックビューイングを計画、続報-トレンガヌが予定した第4節のパブリックビューイングは行わず、サッカー協会とブキジャリル運営会社が契約を延長-2025年12月まで代表の本拠地に

代表監督は合宿招集メンバーの顔ぶれへの疑問に回答
 英字紙スター電子版は、来週3月22日から30日までの予定で、Mリーグ1部JDTの施設を使って行われる代表合宿へタン・チェンホー監督が招集したメンバーの顔ぶれについてソーシャルメディア上で疑問の声が上がる中、自身の選考について反論しています。
 今回召集されたメンバーには、マレーシア人の両親などを持たない帰化選手でブラジル出身のFWギリェルメ・デ・パウラ(ペラ)や今季からJDTに移籍したMFダニエル・アミエル・ノーヒシャムが初めて召集された他、一昨年11月のW杯2022年大会アジア二次予選代表のメンバーだったMFシャマー・クッティ・アッバ、Fムハマドゥ・スマレ、FWアキヤ・ラシド、FWシャフィク・アフマド(いずれもJDT)が含まれていますが、これらの面々はここまでの第4節では明らかに不調であったり、所属するチームでレギュラーポジションが獲得できておらず試合の出場時間が極端に少ない選手であることから、これらの選手を招集したタン監督の選考に疑問の声が上がっています。
 その一方で開幕から好調なGKサミュエル・サマヴィル(ペナン)、DFロドニー・セルヴィン・アクウェンシヴィ(クダ・ダルル・アマン)、DFアリフ・ファジラー・アブ・バカル、DFシャールル・ニザム・ロス・ハスニ(いずれもトレンガヌ)、FWダレン・ロック(PJシティ)、FW S・クマーラン(マラッカ・ユナイテッド)といった選手たちが召集されず、ケガ人が出た際の控えメンバーとなっていることも疑問視されています。
 こういった疑問について、タン監督は今回の招集メンバーはこれまでのW杯予選を一緒に戦ってきた選手を選んだことを認め、その理由として自身の戦法や戦術を熟知しているからであると説明しています。
 「自身が所属するクラブで出場していない選手がいることも知っているが、(6月に再開されるW杯2022年大会アジア二次予選を前に)新しい選手を試す十分な時間がない。」と話すタン監督は、代表初招集となったデ・パウラ選手を招集したことを問われると「彼は既にトップクラスのストライカーという実績があり、現在の不調は(今季開幕直前に起こった)監督交代の影響だと思っている。そこで今回は彼に代表合宿に招集してチームに適応できるかどうか見てみたい。」と何やら矛盾する内容を述べたタン監督はさらに「今後もMリーグを視察し、他の選手を見て行く予定で、良い選手がいれば5月末に予定している次の代表合宿に招集する。」ともう何だかわからないことを述べています。
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 今回召集された28名中、JDTからは13名が召集されていますが、召集メンバーが発表される前のMリーグ第3節までにダニアル・アミエルとモマハドゥ・スマレは試合出場どころかベンチ入りすらしておらず、シャマー・クティ・アッバは合計6分間の出場、シャフィク・アフマッドとアキヤ・ラシドはそれぞれセカンドチームのJDT IIで1試合出場のみです。選手層が厚いJDTの控え選手の方がMリーグの主力選手より上という判断なのかもしれませんが、自分の戦術を理解していない新戦力を5月ではなく今月3月の合宿で試す方が、筋が通っているとは思いますが、ここまでは結果を出してきているタン監督にも考えがあるのでしょう。

トレンガヌFCは映画館を利用したパブリックビューイングを計画
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、第3節まで開幕3連勝と好調なMリーグ1部スーパーリーグのトレンガヌFCが映画館を利用したパブリックビューイングを計画していると報じています。
 3月5日に開幕した今季のMリーグは無観客試合で行われています。
 マレーシアの映画館ではこれまでも英国1部プレミアリーグやW杯の試合がパブリックビューイングに使われたこともあり、トレンガヌFCもドルビーシステムなども駆使して、無観客試合による入場料収入の損失を補いたいとしています。その手始めとして今季第4節となる本拠地スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアムで開催されるトレンガヌ対マラッカ・ユナイテッド戦のパブリックビューイングが予定されているということです。
 Mリーグの試合は国内では地上波で放送されないため、インターネットのストリームング以外では、インド系ムスリムが経営するママック(Mamak)と呼ばれる店で上映される衛星放送を友人と一緒に観戦するのが一般的ですが、エアコンの効いた映画館でポップコーン片手に観戦するのはまた違った経験になるだろうと、ニュースとレイトタイムズの記事は結んでいます。

続報-トレンガヌが予定した第4節のパブリックビューイングは行わず
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、トレンガヌFCが計画した映画館でのパブリックビューイングはまだ最終調整が終わっておらず、第4節のホームゲーム、マラッカ・ユナイテッド戦では実現しないと報じています。
 トレンガヌFCのアブドル・ラシド・ジュソーCEOはパブリックビューイングは未だ計画段階で、上映を予定している映画館チェーンのロータス・ファイヴ・スター社(LFS社)との話し合いが行われている段階だとし、またMリーグを主催するマレーシアンフットボールMFLの承認も得られていないと話しています。またLFS社はMリーグ全試合をストリーミング配信するMリーグの公式スポンサーでもあるユニファイ社(Unifi)とも交渉中ということで、第4節のパブリックビューイングは間に合わなかったようです。

サッカー協会とブキジャリル運営会社が契約を延長-2025年12月まで代表の本拠地に
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で、ブキジャリル国立競技場を運営するマレーシアスタジアム運営会社(PSM社)とFAMの間で交わされたブキジャリル国立競技場の使用契約を2025年12月31日まで延長したことを発表しています。これにより今後5年間はマレーシア国内での代表公式戦はブキジャリル国立競技場で行われることになります。
 ブキジャリル国立競技場で行われた契約延長の調印式には、FAMを代表してハミディン・アミン会長が、そしてPSM社はトニー・フェルナンデス会長が出席しました。
 なお2019年8月15日に結ばれたFAMとPSM社とのこれまでの契約では、2020年12月31日まで国内で開催する代表の公式戦はブキジャリルスタジアムでのみ開催とする一方、親善試合については国内の他のスタジアムでの開催が可能になっています。
 ハミディンFAM会長は、2019年8月の契約締結以降の代表戦となったFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選ではタイに2-1、インドネシアに2-0と現在の予選G組2位へとつながる貴重な勝利を挙げた一方で、2020年は新型コロナウィルスの影響でW杯予選が延期され、その勢いを削がれてしまったと話した上で、再びブキジャリルで代表戦が行われる際には観衆を入れて開催されると確信していると話しています。
 トニー会長はFAMと共同で敷地内へのスポーツ博物館建設なども検討中であることを明らかにした他、政府の支援によりピッチの張り替えを行うことが決定し、現在は張り替える芝の種類を選定中だとしています。

3月16日のニュース:W杯アジア二次予選出場の代表合宿参加メンバーが発表、FAMはMリーグ第2節まで審判と選手に対する処分を発表

W杯アジア二次予選出場の代表合宿参加メンバーが発表
 マレーシアサッカー協会FAMは3月22日から3月30日までジョホール・バルのJDTの施設を利用して行われる代表合宿の取集メンバー28名を公式サイト上で発表しています。
 この代表合宿は6月3日からアラブ首長国連邦UAEで開催されるFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼アジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に出場する選手選考のための合宿です。
 今回の招集メンバーには、新型コロナウィルスによる中断前の最後の試合となった2019年11月14日のタイ戦と同19日のインドネシア戦で召集された23名中、17名が再招集されており、残るGKハジック・ナジル(JDT II)、DFドミニク・タン(タイ1部ポリステロFC)、シャズワン・アンディック(JDT II)、MFバドロル・バクティアル(クダ・ダルル・アマン)、MFアジザン・ノルディン(サバ)、そして先日のUITM戦で怪我のため途中退場したFWサファウイ・ラシドの6名は今回の合宿には召集されていません。
 その一方で久々の代表復帰となるGKカイルル・ファミ・チェ・マット(マラッカ・ユナイテッド)や初招集となる18歳のGKラハディアズリ・ラハリム(トレンガヌ)、DFリザル・ガザリ(クダ・ダルル・アマン)、DFイルファン・ザカリア(KLシティ)、DFファズリー・マズラン (スリ・パハン)、FWファイザル・ハリム(トレンガヌ)、MFナズミ・ファイズ・マンソル、MFラマダン・サイフラー(いずれもJDT)、昨季のマレーシア人得点王のFWシャーレル・フィクリ(スランゴール)、ルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)、そしてブラジル出身で今季から帰化選手登録されているFWギリェルメ・デ・パウラ(ペラ)の11名が召集されています。
 またタン・チェンホー監督はタイ1部のチョンブリーでレギュラーを獲得しているDFジュニオール・エルドストールと、期限付き移籍で加入したオーストラリア1部のニューカッスル・ジェッツでデビューを果たしたリリドン・クラスニキについては、現在、マレーシアへの渡航者には2週間の検疫隔離が義務付けられており、またマレーシアからそれぞれの国へ戻っても同様の検疫隔離があることからは今回は召集を見送ったと話しています。「両選手はそれぞれのクラブでプレーし、パフォーマンスが改善されていることは確認しており、今回はそのまま所属クラブでプレー時間を十分に確保してさらにレベルアップを図ってもらい、5月に予定している次回の代表合宿に招集する方が良いと考えた結果の判断である。」と述べたタン監督は、今回初招集となったルクマン・ハキム・シャムスディンについては、昨年から代表合宿への招集を予定していたことも明かし、今回の招集はルクマン選手のフィジカルのレベル、自信、そしてプレースタイルを首脳陣が把握することを目的としているとしています。
 この他、合宿でケガ人が出た際の補充要員としてGKサミュエル・サマヴィル(ペナン)、DFロドニー・ケルヴィン(クダ・ダルル・アマン)、DFアリフ・ファジラー・アブ・バカル、DFシャールル・ニザム・ロス・ハスニ(いずれもトレンガヌ)、FW S・クマーハン(マラッカ・ユナイテッド)、FWダレン・ロック(PJシティ)が待機しているということです。
(以下はマレーシアサッカー協会の公式サイトに掲載された代表合宿メンバーの告知)

FAMはMリーグ第2節までの審判と選手に対する処分を発表
 マレーシアサッカー協会FAMは、Mリーグ第1節と第2節に発生した試合中の複数の事例について、審判と選手を対象とした処分を発表しています。
1) Mリーグ2部プレミアリーグ第1節(3月6日)ケランタン対ペラII
a) モハマド・アミルル・アイザット・モハマド・ロディン主審はペナルティエリア内で適切でない位置に立っていたことにより、ケランタンFCのFWジャック・ヒンドルに両手で押し倒された。審判評価担当者からの報告によるとアミルル主審は試合全体を通しての判定は合格点ではあるが、FAMの審判育成担当者でプロ審判のナゴール・アミル・ノー・モハマドの指導の元、審判技量改善プログラムを受講することとする。なお、次の審判はこのプログラム終了後、その評価をもとに決定する。
b) ケランタンFCのジャック・ヒンドルは、ビデオ映像で明らかになった「審判を両手で強く押したという行為」についてFAMの懲戒委員会による処分対象とする。
(ケランタンFCによるハイライト映像。問題のシーンは2:45頃から)

https://youtu.be/H8oXPqGqXKE

2) Mリーグ1部スーパーリーグ第2節(3月10日)PJシティ対マラッカ・ユナイテッド
a) モハマド・ファイルジ・マット・デサ主審はPJシティのアフマド・カイルル・アヌアル・アフマド・ザムリによるペナルティーエリア内でのシミュレーションに気づかず、そのままPJシティにPKを与えたことにより、2週間の審判停止処分とする。またファイルジ審判はFAMの審判育成担当者でプロ審判のナゴール・アミル・ノー・モハマドの指導の元、審判技量改善プログラムを受講することとする。なお、次の審判はこのプログラム終了後、その評価をもとに決定するが、まずは下部リーグでの審判を行い、スーパーリーグで再び審判を担当するのに十分な評価を得た上で、スーパーリーグの審判に復帰する。
b) PJシティのアフマド・カイルル・アヌアル・アフマド・ザムリはビデオ映像で明らかになった「シミュレーション行為」についてFAMの懲戒委員会による処分対象とする。
C) マラッカ・ユナイテッドのアレックス・ドス・サントス・ゴンサウヴェスはビデオ映像で明らかになった「2点目のゴールの後、意図的に審判に向かってボールを投げつけた行為」についてFAMの懲戒委員会による処分対象とする。
(シミュレーションの場面は2:40辺りから、ボール投げつけは最後にありますがこの映像ではよく見えません。

https://youtu.be/j5PAimUdvGA