8月12日のニュース:U23アジアカップ予選再抽選-マレーシアはJ組で変わらず、MFLはMリーグ各クラブにSOP違反に対する厳罰処分を警告、MFL会長の退任意思は変わらず、MFLはMリーグ各クラブへの分配金額決定は10月

U23アジアカップ予選再抽選-マレーシアはJ組で変わらず
 アジアサッカー連盟AFCは公式サイトでAFC U23アジアカップ2022年大会予選の組み合わせ再抽選の結果、香港が予選K組に振り分けられたことを発表しています。
 今回のU23アジアカップ予選は、北朝鮮が予選出場を辞退したため、北朝鮮が所属していた予選K組が日本とカンボジアの2チーム編成になってしまった一方で、他の組は3チームあるいは4チームで編成されていることから、東地区予選各組のシード国と集中開催地となる予選開催国を除いた国のチームを対象に、K組に振り分ける1チームを選ぶ再抽選を行うことをAFCが発表していました。
 昨日8月11日にクアラルンプールにあるAFC本部、AFCハウスでオンライン形式で行われた再抽選では、7月9日に行われた組み合わせ抽選で予選I組に所属していた香港がJ組に振り分けられています。また、この結果予選I組はベトナム、ミャンマー、台湾の3チーム編成となりました。
 なおマレーシアはタイ、ラオス、モンゴルと同じ予選J組と変わらず、10月27日から31日まで集中開催地となるモンゴルでの試合に臨みますが、ロンドンオリンピック出場を目指すマレーシアサッカー協会FAMはこの予選にU20代表を派遣することを発表しています。
 なお組み合わせ再抽選後の日程はこちらです。

MFLはMリーグ各クラブにSOP違反に対する厳罰処分を警告
 Mリーグを運営するMFLは標準作業手順SOPの遵守を再度求め、これに違反したクラブに対しては厳罰を課す用意があることを明言しています。
 マレーシア語紙ブリタハリアンはMFLのハミディン・アミン会長はSOP違反のクラブへの処分については理事会でその内容が決定しており、Mリーグ各クラブには近々文書で通達される予定である話しています。
 Mリーグでは1部スーパーリーグのクダ・ダルル・アマンFC、そして2部プレミアリーグのクチンシティFCとサラワク・ユナイテッドFCがそれぞれ試合前に行った新型コロナウィルス検査で陽性者がいたことから、いずれも2週間の検疫隔離となり、両チームの試合計12試合が延期されたほか、リーグ自体の日程も変更されるなど混乱が生じています。

MFL会長の退任意思は変わらず
 同じブリタハリアンでは、ハミディン・アミンMFL会長が退任の意思を変えておらず、その後任は近いうちに発表されると話していることを報じています。
 FAMの会長でもあるハミディンMFL会長は、FAM会長職に専念するためにMFL会長を辞任する意思があることを今年3月に行われたマレーシアサッカー協会FAM理事会で明らかにしていましたが、今回オンラインで行われた定例会見では、その意思が変わっていないと話し、規約に則り、理事会の承認を経て後任を決定したいと話しています。。

MFL-Mリーグ各クラブへの分配金は10月に支給予定
 MFLはMリーグの放映権収入による分配金は各クラブへ10月に支給される予定であると発表しています。
 ブリタハリアンはMFLのハミディン会長がこれを確約したと報じています。
 「各クラブに支給される最終的な金額については、MFL理事会によって決定される。各クラブに対しては既に支給は段階的に行われており、今後の増減についての決定権は理事会にあ利、マレーシアカップが終了する10月には最終的な金額がわかるだろう。」とハミディン会長は述べています。
 MFLは昨季2020年シーズンの放映権収入をもとに1部スーパーリーグのクラブには100万リンギ(およそ2600万円)、2部プレミアリーグのクラブには50万リンギ(およそ1300万円)を支給しています。

8月11日のニュース:ペラFCがブラジルコンビの退団を公式に発表、今月の代表合宿開催却下でタン監督は10月の合宿と練習試合を熱望

ペラFCがブラジルコンビの退団を公式に発表
 ペラFCはブラジル出身の2選手の退団を公式に発表しています。
 ペラFCのアズマン・ノー ゼネラルマネージャー(GM)は、退団の意思を示したレアンドロ・ドス・サントスとカレッカと今季残り試合の出場についての交渉を行ってきたが、交渉は決裂し、両選手はチームには戻らないことを明らかにしています。
 「当初、クラブは両選手の退団希望の理由が家族のビザが延長されていなかったことだと考えていたので、クラブがこの問題を解決した際には、両選手がチームに戻ると考えていた。しかし、レアンドロ、カレッカ両選手はすでに退団の意思を固めていたようである。現在、両選手は未払いとなっている給料に関する支払い訴訟を継続するかどうかを弁護士と相談中と聞いている。」とマレーシアの通信社ブルナマの取材に答えています。
 ペラFCは両選手に対して3ヶ月分の給料が未払いとなっていることを認めています。
 今月初めに「休養」となったペラFCのチョン・イーファット前監督は、7月26日に両選手が契約解除を申し出て、すでにチームを離れたことを明らかにしたことは、このブログでも取り上げました。
 さらにアズマンGMはトランスファーウィンドウ期間に獲得した新たな外国籍選手がチームに何の貢献していないだけでなく、その振る舞いにも不満を述べています。
 「新外国籍選手の態度には問題があり、中でも特にレバノン出身のDFジャド・ヌールディンとMFサミル・アヤスの両選手は振る舞いには問題がある。当初、この両選手はその力量を評価するために(2部プレミアリーグでプレーするセカンドチームの)ペラFC IIでプレーすることを求めたが、ケガを理由に練習参加を貫いている。またDFズバイロウ・ガルバ(カメルーン)とFWジスラン・ゲッセン(コートジボアール)はパフォーマンスのレベルが低く、ペラFC IIのマレーシア人選手よりも低い。」と自身が獲得に関わらなかった4選手を批判したアズマンGMは、新たに獲得したDFアズハル・アパンディ、DFシャミン・バハルディン、DFアイザット・マイディン・コティの3名のマレーシア人選手も移籍証明書の提出がMFLの登録期間に間に合わなかったことで、今季は出場できなくなったことも明らかにしています。
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 経営陣がクラブをダメにする良い例が、今季のペラFCで起こっている未払い給料に伴う主力選手の大量退団です。クラブ史上初となる2部プレミアリーグ降格は残念ですが、クラブ民営化に伴う痛みを乗り越えて、現場だけでなくフロントにも求められるプロ化に向けて膿を出す良い機会かもしれません。

今月の代表合宿却下でタン監督は10月の合宿と練習試合を熱望
 マレーシア代表のタン・チェンホー監督は来月に希望していた練習試合の開催を諦めたと、マレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。タン監督はFIFAの国際マッチデー期間の8月30日から9月7日に代表合宿や練習試合の開催を希望していました。
 このブログでも取り上げましたが、マレーシアサッカー協会FAMは新型コロナウィルス対策を行うマレーシア政府の国家安全保障委員会に対して、スポーツバブル形式での練習試合の許可を申請していましたが、その申請が却下されていました。またこれを受けてMリーグを運営するMFLは8月30日から9月7日までの期間にMリーグの試合日程を組み込んだことで、代表合宿や練習試合の開催が不可能になっています。
 これについてタン代表監督は次のFIFAマッチデー期間である10月4日から10月12日までの期間には代表合宿開催と練習試合実施の許可が出ることを望んでいると話しています。
 「マレーシア国内の感染状況は改善していないので、10月のFIFAマッチデー期間には代表合宿と練習試合が国外、国内を問わず許可されることを期待しながら忍耐強く待たなければならない。10月に代表合宿や練習試合が行われる際に選手のパフォーマンスに影響が出ないよう、今後もMリーグが遅延なく開催されることも望んでいる。」とブリタハリアンの取材に答えたタン監督は、今年12月に開催予定されている東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ、そして来年2月に開催が予定されているアジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会3次予選の準備となる10月のFIFAマッチデー期間に行う代表合宿と練習試合の重要性を強調しています。
 なお2021年のFIFA国際マッチデーは10月4日から12日と、11月8日から16日が残っています。


8月5日のニュース:契約完了で退団のマディンダがサバFCと再び契約、元代表選手4名が新たにFIFAセンチュリークラブ入り

契約完了で退団のマディンダがサバFCと再び契約
 このブログでも「シーズン中ながらサバFCのマディンダが契約完了で退団」のタイトルで昨日取り上げたガボン出身のMFレヴィン・マディンダのサバFC退団のニュースですが、何とサバFCのクラブ公式Facebookでは、このマディンダ選手と再契約したことを発表しています。
 サバFCの公式Facebookでは詳細については言及されていませんが、これを取り上げたマレーシア語紙ハリアンメトロは、サバFCのマルズキ・ナシル チームマネジャー(TM)の話として、29歳のマディンダ選手とサバFCは今季終了までの契約延長に同意し、さらにこれには来年2022年5月までの延長オプションも含まれていることを明らかにしています。
 また先日発表された契約完了についてマルズキTMは、マディンダ選手が8ヶ月以上家族と離れ、しかもちょうど夫人が手術を受けることになったことから、帰国して夫人に付き添うことを理由に契約延長を希望していなかったと述べています。さらにマルズキTMは夫人の容態が安定していることに加えて、マディンダ選手自身は残留を希望し、やはり残留を望むサバFCがマディンダ選手の夫人がマレーシアへ来られるよう手配を行うことに同意したことから、今回の契約延長が決定したと説明しています。
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 マディンダ選手はチームに合流し、早速昨日のKLシティFC戦では0=1の劣勢から貴重な同点ゴールを決め、チームに早速貢献しています。
(左は8月2日のクラブ公式Facebookに投稿されたマディンダ選手退団に伴う感謝のメッセージ、そして右は8月4日に同じクラブ公式Facebookに投稿された再契約の告知)

元代表選手4名が新たにFIFAセンチュリークラブ入り
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で、代表キャップ数100以上の選手のみがメンバーとなることができるFIFAセンチュリークラブに新たに4名の元マレーシア代表選手が加わったことを発表しています。
 今月8月に更新された発表によるとこの4名は元代表主将でソー・チンアン(195キャップ)、M・チャンドラン(115キャップ)、サントク・シン(100キャップ)、そして現在Mリーグ1部マラッカ・ユナイテッドFC監督を務めるザイナル・アビディン・ハサン(116キャップ)です。
 マレーシアからは今年2021年5月にもアブドル・シュコル・サレー(163キャップ)、モクタル・ダハリ(138キャップ)、R・アルムガム(131キャップ)のFIFAセンチュリークラブ入りが発表されており、今回の4名と合わせてメンバーが7名となりました。
 なおマレーシアサッカー協会FAMの記録ではソー・チンアン氏のキャップ数は252となっているますが、FIFAは国際Aマッチのみのをキャップ数計算の対象としていることから195と発表されているということです。
 1969年のキングズカップ大会(タイ)で代表デビューを果たし、1975年から引退した1984年のアジアカップ予選(インド)までは代表の主将を務めたソー・チンアン氏は現在は71歳ということですが、このニュースが伝えられると代表時代には外国のクラブチームなどとも試合を行った際のキャップ数が含まれていないのだろうと話し、それでも自分の代表歴が評価されたことは嬉しいと話しています。
 なお、ソー・チンアン氏の代表キャップ数195は、アフメド・ハサン(エジプト、184キャップ)、バデル・アル・ムタワ(クウェート、181キャプ)、アフメド・ムバラク(オマーン、180キャップ)を抑えて世界一となっています。(*現役選手ではポルトガルのクリスティアーノ・ロナウドの173キャップが最多です。-今年3月時点)
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 マレーシアがまだアジアの強豪だった1970年代の古き良き時代にプレーしたソー・チンアン氏は1972年のミュンヘンオリンピック出場、1980年のモスクワオリンピック予選突破(ただしモスクワオリンピック自体ははマレーシアがボイコットしたために出場せず)、1974年のアジア競技大会銅メダルなど、そして今の代表からは考えられないような実績です。
 しかしボラセパマレーシアJP的に興味深いのは今回のFIFAセンチュリークラブ入り7名の人種構成です。マレー系3名(アブドル・シュコル・サレー、モクタル・ダハリ、ザイナル・アビディン・ハサン)、インド系3名(M・チャンドラン、R・アルムガム、サントク・シン)、中華系1名(ソー・チンアン)となっており、かつての代表チームは文字通り多民族国家マレーシアを表すようなチーム構成だったことがわかります。翻って、今年6月のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選に出場したマレーシア代表25名の顔ぶれを見ると、インド系、中華系はいずれも0名(*ドミニク・タンはシンガポール、ブレンダン・ガンはオーストラリア出身の中華系で、マレーシア国内出身は0名)、その一方でマレー系は16名と、現在の代表チームが帰化選手とマレー系選手のみで構成されていることがわかります。
 ちなみに現在開催中の東京オリンピックにマレーシアは10種目に男子12名、女子18名の計30名の選手を派遣していますが、その内訳はマレー系12名、中華系17名、東マレーシアの先住民族系1名となっており、マレー系だけがスポーツをしているわけではありません。では、なぜ現在の代表チームにインド系や中華系がいないのか。サッカーを通してマレーシアを紹介したいと思っているボラセパマレーシアJPでは、機会を見て考察してみたいと思います。
(下はFIFAセンチュリークラブ入りした7名-FAMの公式サイトより)

8月4日のニュース:シーズン中ながらサバFCのマディンダが契約完了で退団、低迷するペラFCにOB2人が支援を申し出、AFC U23アジアカップ予選出場のU20代表はチベットの合宿を検討

シーズン中ながらサバFCのマディンダが契約完了で退団
 Mリーグ1部のサバFCはMFレヴィ・マディンダとの契約完了をクラブ公式Facebookで発表しています。ガボン出身で29歳のマディンダ選手はサバFCと7月31日までの契約を結んでいましたが、クラブは契約更新を行わないことを決定し、契約が完了しています。3月13日の第3節クダ・ダルル・アマンFC戦から出場したマディンダ選手は7月28日の第15節スリ・パハンFC戦までの12試合中11試合に出場し3ゴールを挙げています。
 サバFCはクラブ公式Facebookでマディンダ選手に在籍への感謝の意を表し、マディンダ選手も自身のインスタグラムで契約完了を報告するとともにチームへの感謝を述べています。
 マディンダ選手の契約完了を取り上げたマレーシア語紙ハリアンメトロは、両者合意のもとでの契約完了であったものの、契約が延長されなかった理由は不明だとしています。
 マディンダ選手の退団により、現在リーグ7位のサバFCは残り6試合をパク・テース、リストロ・ミトレヴィスキ、ジョシップ・イヴァンチッチ、サディル・ラムダニの4名の外国籍選手で戦うことになります。
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 開幕当初の予定では7月中に第20節までが終了している予定でしたが、W杯予選やAFCチャンピオンズリーグなどの日程変更の影響で、現在は第15節までしか終了しませんでした。サバFCはリーグ終了後のマレーシアカップに向けて、各外国籍選手との契約内容を検討する予定だったと思いますが、日程変更に加え、度々噂されている運営資金不足による給料未払いなどの理由から、外国籍選手の数を減らす手段を取ったと考えられます。


低迷するペラFCにOB2人が支援を申し出
 チョン・イーファット監督の「休養」が発表されたMリーグ1部ペラFCの元選手がチーム状況改善のための支援を申し出ていると、マレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。
 かつてペラFC(当時はペラFA)でリーグ得点王も獲得したカリド・ジャムラスとアズミール・ユソフは今季、ここまで11位と低迷するペラFCに対し、支援を申し出ています。
 2002年にペラFAでリーグ得点王を獲得したカリド氏は、機会が与えられれば今季16試合で14得点の攻撃陣を指導し、残り試合に向けて攻撃力を改善したいとソーシャルメディア上で発言し、また2010年、11年、14年、15年と4シーズン在籍したアズミール氏は、特に具体的な内容はあげていないものの無償で良いので指導したいとやはりソーシャルメディアに投稿しています。
 なお、このペラFCに対する両OBの申し出はサポーターの間では好感を持って受け止められているとブリタハリアンは報じていますが、昨日8月3日もペナンFCに3-5と2試合連続5失点で敗れ、降格圏脱出が遠のいたペラFCがこのOB2人の申し出を受け入れるのかどうか、そして受け入れたとしても1部残留のための特効薬となるのかどうかに注目です。

AFC U23アジアカップ予選出場のU20代表はチベットの合宿を検討
 マレーシアサッカー協会FAMは2024年パリオリンピック出場を目指すための強化策として今年10月に予定されているアジアサッカー連盟AFC U23アジアカップ(旧U23選手権)予選ににU20代表を派遣することを明らかにしていますが、マレーシア語紙ハリアンメトロは予選前の合宿候補地としてチベットが上がっていると報じています。
 AFC U23アジアカップ予選では予マレーシアはタイ、ラオス、モンゴルと共に選J組に入ったマレーシアは今年10月27日から31日までモンゴルで集中開催される予選に出場しますが、10月下旬のモンゴルは気温が-1度から-5度で、年間平均気温が最高で31度、最低でも23度のマレーシアで育った選手たちには気温への適応が最大の課題となることから、予選前の合宿地とネパール、中国などとともにチベットが予選直前の合宿地候補となっているということです。
 U20代表のブラッド・マロニー監督はこれまで予定されていたアラブ首長国連邦のドバイでの合宿後に、寒冷地対策となる合宿を行うことが計画されていると話す一方で、このAFC U23アジアカップ予選は先日、北朝鮮が出場辞退を発表したことから、組み合わせ抽選のやり直しが行われることも承知しており、予選の組み分けが変わり、開催地がモンゴルでなくなる場合には、それにあわせた計画変更をFAMが予定していることも明らかにしています。

8月3日のニュース:AFC女子アジアカップ代表候補はオンラインで練習継続中、CEO不在のペラFCがGMを任命、さらにペラFCはチョン監督の「休養」も発表

AFC女子アジアカップ代表候補はオンラインで練習継続中
 マレーシアサッカー協会FAMはアジアサッカー連盟AFC女子アジアカップ2022年大会予選に出場するマレーシア代がオンラインでのトレーニングを行なっていることを公式Facebookで発表しています。
 アジアカップ2022年大会予選は9月13日から25日まで開催予定で、マレーシアはタイ、パレスチナと同組の予選H組となっています。
 ベテランと若手を組み合わせた28名の代表候補選手が既に7月12日からオンラインによるトレーニングを行なっていると話す女子代表のジェイコブ・ジョセフ監督は、「新型コロナの県戦拡大が止まらない状況下では代表合宿の開催許可が出ていないが、代表候補選手たちの士気は高く、オンライントレーニングにも積極的に臨んでいる。オンライントレーニングは予選に向けての理想的な準備方法ではないが、(国内の新型コロナ対策を統括する)国家安全保障委員会から合宿開催許可が出るまではこれを続けていくしかない。今月中にはスポーツバブル形式での代表合宿を行う許可が出ることを期待している」と話しています。

CEO不在のペラFCがGMを任命
 Mリーグ1部で11位と低迷するペラFCMリーグ1部のペラFCはセカンドチームペラFC IIのアズマン・ノー チームマネージャー(TM)をペラFCのジェネラルマネージャー(GM)に就任することを発表しています。
 マレーシアの通信社ブルナマによると、8月1日付で就任したアズマンGMはペラFC理事会の同意を得て任命されたということです。
 ペラ州政府青年・スポール・コミュニケーション・マルチメディア委員会のカイルル・シャーリル委員長は「(Mリーグ1部の)JDTや(同2部の)ヌグリスンビランFCはCEOを置かず、GMを配置しており、ペラFCもこれに倣うことにした。アズマンGMは従来のCEOと同様にクラブの運営を担当する。」と話しています。
 給料未払い問題で主力が大量退団したペラFCは、リザル・アリ・ナイザリ前CEOが6月に辞任して以来、後任のCEOを置かないまま運営されてきました。
 また現在リーグ11位と低迷するペラFCの今後について問われたカイルル委員長は、首脳陣の処遇などは全てGMを含めた経営陣に一任していると話し、直接関与する意思はないとしています。

さらにペラFCはチョン監督の「休養」も発表
 新GM就任を発表したペラFCは、今度はチョン・イーファット監督が「休養」することをクラブの公式Facebookで発表しています。
 ペラFCは第16節を終了し3勝4分9敗の勝点13とリーグ11位に低迷しています。
 クラブの発表は「クラブの現状と(クラブ運営に関わる)ペラ州サッカー協会の勧告により、チョン監督を『休養』させることを決定した。この『休養』期間中はシャーリル・ニザム・カリル アシスタントコーチが監督代行として指揮を取る。」としていますが、シャーリル・ニザム監督代行の任期などは明記されていません。
 ペラFCは44歳のシャーリル・ニザム監督代行は今季開幕前に対談したメフメト・ドゥラコビッチ元監督のもとで2017年からペラFA、ペラFCのコーチを務めていますが、ペラFCが1部残留するためには、計算上は残る6試合で少なくとも4勝が必要なことから厳しい状況下での監督代行就任となりました。



7月27日のニュース:スランゴールFCの代表MFがガンと診断される、FAMはスポーツバブル形式での練習試合開催を検討

スランゴールFCの代表MFがガンと診断される
 Mリーグ1部のスランゴールFCは公式Twitter上で主将のブレンダン・ガンに精巣腫瘍が見つかり、既に癌性増殖を取り除く手術を受けたことを発表しています。
 33歳のガン選手は今年6月に行われたFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選では警告累積となっていた初戦のアラブ首長国連邦戦を除き全試合に出場しましたが、Mリーグ後半の開幕戦となった7月24日のKLシティFC戦にはベンチ入りしていませんでした。
 なお、ガン選手は現在、医療関係者によるチェック体制のもとにあるということです。
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 7月24日の試合にガン選手が先発どころかベンチ入りもしなかったことから、ネット上でその原因となりそうな記事を探しましたが見つからず、不思議に思っていましたが、こんなことだったとは…。
 これを報じたマレーシアの通信社ブルナマの記事によると、ガン選手自身は楽観的かつ気丈に振る舞っているということです。またガン選手も自身のTwitter上で、できるだけ早くピッチに戻りたいというメッセージを投稿しており、ボラセパマレーシアJPもそれを期待して、ガン選手の速やかな回復を祈りたいと思います。

FAMはスポーツバブル形式での練習試合開催を検討
 マレーシアサッカー協会FAMは9月にマレーシア代表の練習試合として国際Aマッチをスポーツバブル形式で開催することを検討中であると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は国家安全保障委員会NSCとマレーシア保健省、そして国内スポーツを監督する青年スポーツ省に対して、練習試合開催の許可を求める申請を提出したことを明らかにしています。
 スチュアート事務局長は、FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選やAFCチャンピオンズリーグACLを主催したアジアサッカー連盟AFCが、それらの大会で採用された標準作業手順SOPの詳細や各大会実施の際の経験について、FAMと共有する形で練習試合開催を支援するという言質を得たと話し、国内での練習試合開催に漕ぎ着けたいと話しています。
 AFCはW杯予選、ACLとも参加チームは宿泊施設、練習会場、試合会場で構成される「バブル」の中から出ない形で外界との接触を断ち、新型コロナウィルスをそのバブルの中に持ち込まない仕組みを作った上で大会を開催しました。FAMはこれと同じ形式での練習試合開催を目指しており、W杯予選やACLでその効果は実証済みだと話すスチュアート事務局長はNSCとマレーシア政府保健省からの認可を得られることを期待しているとブルナマに述べています。。
 さらにスチュアート事務局長は8月30日から9月7日までの国際マッチデー期間に行いたいとしている練習試合の相手として、パレスチナ(FIFAランキング104位)、インド(105位)、台湾(141位)が候補に上がっているとも述べています。なおマレーシア代表は現在、FIFAランキングが153位です。


7月23日のニュース:Mリーグはスランゴール州とヌグリスンビラン州のクラブに本拠地での試合開催を許可、東マレーシアに本拠地を持つクラブは明暗が分かれる、代表は9月にパレスチナと練習試合か

Mリーグはスランゴール州とヌグリスンビラン州のクラブに本拠地での試合開催を許可
 Mリーグは今週末7月24日より再開しますが、これを前にMリーグを運営するMFLは、スランゴール州およびヌグリスンビラン州に施行されていた強化行動制限令EMCOが通常の行動制限令MCOへと変更になったことに基づき、この両州に本拠地を持つクラブに対して、本拠地でのホームゲーム開催を許可すると発表しています。
 スランゴール州に本拠地を持つ1部スーパーリーグのスランゴールFC、PJシティFC、UITM FCの3クラブは、それぞれMBPJスタジアム(今季はスランゴールFCとPJシティFCが共同使用)とUITMスタジアムでのホーム開催が許可され、2部プレミアリーグではUITM FCを本拠地とするFAM-MSNとヌグリスンビラン州パロイにあるトゥンク・アブドル・ラーマンスタジアムを本拠地とするヌグリスンビランFCもそれぞれ本拠地でのホームゲーム開催が許可されています。
 この発表以前には上記の各チームは強化行動制限令EMCOが施工されている従来の本拠地でのホームゲーム開催が禁止され、暫定本拠地での代替開催が求められており、やはりスランゴール州スラヤンのMBSスタジアムを本拠地とするスランゴールFCのセカンドチーム、スランゴールFC2は、前半戦の未消化試合となっていたホームゲームのサラワク・ユナイテッドFCを7月17日にペラ州で開催していました。
 またこの変更により、Mリーグ1部スーパーリーグと2部プレミアリーグは一部の試合で試合日程及び試合会場も変更になっています。最新の試合日程は1部スーパーリーグはこちら、2部プレミアリーグはこちらです。

東マレーシアに本拠地を持つクラブは明暗が分かれる
 マレーシアはマレー半島部とボルネオ島(カリマンタン島)にある東マレーシアの二つの地域で構成されていますが、東マレーシアにあるサバ州では7月10日より渡航者全員に14日間の検疫隔離が義務付けられたことを受け、Mリーグを運営するMFLはサバ州政府の危機管理委員会に対し、Mリーグクラブの入州について例外措置を求めていくとしています。
 Mリーグ全クラブは現在、宿舎と練習場で構成されるスポーツバブル内のみで活動する合宿形式の練習を行なっており、長期の検疫隔離は不要との観点から例外措置が認められることを期待しているとMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは公式サイト上で述べています。
 なおサバ州コタキナバルに本拠地を持つサバFCは、現在はマレー半島のジョホール州でリーグ開幕に備えた合宿を行っています。
 一方、同じ東マレーシアのサラワク州では、州都クチンに本拠地を持つ2部プレミアリーグのサラワク・ユナイテッドFCとクチンシティFCが今季初めて、両クラブのホームスタジアムであるサラワク州スタジアムでの練習がサラワク州政府の危機管理委員会によって許可されたことに対し、MFLは州政府への感謝の意を表明しています。

代表は9月にパレスチナと練習試合か
 先月6月に開催されたFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選ではアラブ首長国連邦、ベトナムに次ぐ3位となり、アジアカップ3次予選に回ることになったマレーシア代表。そのアジアカップ3次予選は来年2022年2月の開催が予定されていますが、この予選に向けて9月には練習試合が予定されているようだと、サッカー専門サイトのヴォケットFCが伝えています。
 この記事ではフットボールパレスチナというツイッタアカウントからの投稿を取り上げており、その投稿によると今年12月に予定されているFIFAアラブカップ(アラブ諸国の代表チームによる大会)の準備としてパレスチナ代表がアルジェリアでの合宿を行った後、マレーシア、そしてやはりアジアカップ3次予選に出場するキルギスとの練習試合を予定しているということです。
 ただし試合開催地などの詳細は投稿には記載されておらず、ヴォケットFCはこの練習試合の開催決定は、新型コロナウィルスの今後の感染状況などにより左右される可能性があるとしています。
 なおこの記事で取り上げられているパレスチナはFIFAランキング104位、またキルギスは同99位で、実現すれば同153位のマレーシアにとっては願ってもないランク上位チームとの練習試合となります。

7月16日のニュース:今季Mリーグ1部前半戦は2000万人以上がオンラインでライブ観戦、FAMのテクニカルディレクターがU20代表のAFCU23アジアカップ予選派遣について説明、JDT IIからマラッカUへ期限付き移籍のロバットが抱負を語る

今季Mリーグ1部前半戦は2000万人以上がオンラインでライブ観戦
 7月24日より再開まで10日を切り、Mリーグ各クラブは練習試合をこなすなど準備に余念がありませんが、Mリーグを運営するMFLは今季ここまでのMリーグ1部スーパーリーグの試合のライブ視聴者数が2100万人を越えていると公式サイトで発表しています。
 今年3月5日に開幕したスーパーリーグは5月9日に行われた第13節まで78試合が行われていますが、これらの試合を放映した国営放送RTM、MFLのスポンサーUnifi社の有料スポーツチャンネル、そして同社が運営する無料YouTubeチャンネルを合わせるとそのライブ視聴査数が2181万4979人となっていることをMFLの公式サイトが発表しています。
 さらにYouTubeでの録画視聴者数は、5月30日までの時点で4983万8140人とということです。なおUnifiの無料YouTubeチャンネルでは、今季のスーパーリーグ全試合の観戦が可能になっています。
 この他、中継された78試合中、ライブ視聴者が最も多かった節は第11節で6試合合計230万7698人、また最も視聴者が多かった試合は4月24日の第10節JDT対トレンガヌFC戦(スルタン・イブラヒムスタジアム、ジョホール州イスカンダルプテリ)で69万8341人が視聴したということも発表されています。
 このように様々なプラットフォームで視聴可能な1部スーパーリーグに対し、2部プレミアリーグについてMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、プレミアリーグの各クラブには7月24日から再開される後半戦ではソーシャルメディアやストリーミングによる配信が許可されたことを明らかにしています。
 またMリーグ前半戦は4月2日の第6節から感染者拡大による無観客措置が取られた5月9日の第12節までは、首都圏など一部地域を除いて定員の10%から25%の条件付きながらスタジアムでの観戦も可能でしたが、この期間中はスーパーリーグとプレミアリーグ合わせて観戦可能だった41試合では6万2318人の有料入場者数を集め、その内。4月9日の第8節クダ・ダルル・アマンFC対トレンガヌFC戦(ダルル・アマンスタジアム、クダ州アロースター)が最大の5941人の有料入場者を記録したということです。

FAMのテクニカルディレクターがU20代表のAFCU23アジアカップ予選派遣について説明
 マレーシアサッカー協会FAMのオン・キムスイ テクニカルディレクター(TD)は、現在のU20代表の2024年パリオリンピックの予選突破に向けた計画の中心人物の1人ですが、このたび、英字紙ニューストレイトタイムズの取材に応じ、自身の考えを明らかにしています。
 FAMは今年10月に開催されるAFC U23アジアカップ2022年大会(旧U23選手権)予選にU23代表ではなく、U20代表を派遣することを発表しましたが、これに対しては現在のU23代表の育成が等閑(なおざり)になるなど否定的な反応が出ています。
 こういった声に対し、前回2020大会予選にU23代表監督として臨みながら本戦出場を果たせなかったオンTDは、その成功が100%保証されるわけではないとはしながらも、自身の経験に基づき「選手が共に過ごす時間が長くなれば長くなるほど、より好ましい結果を生み出す可能性は高い」と考えていると話しています。
 「今年2021年から選手たちが一緒にプレーすれば、彼らは様々なレベルの大会に出場することができる、オリンピック予選突破について最優先されるのは現在のU20代表である。U20代表がAFCU23アジアカップの予選を突破することは容易ではないが、上の年代の選手たちと対戦する貴重な機会をチームとして活用したい。」と話すオンTDは、現在のU23代表の選手についていも(チーム参加の)扉は完全に閉じられたわけではない、とも述べ、将来的にはU23代表選手の参加に含みを持たせる発言をしています。
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 2020年大会予選では、中国と引き分け勝点で並びながら得失差で本戦出場を逃したU23代表からはサファウイ・ラシド、アキヤ・ラシど、シャマー・クティ・アッバ(以上JDT)、シャミ・サファリ(スランゴールFC)、ドミニク・タン(タイ1部ポリス・テロFC)の5選手がFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選に出場した代表に選ばれています。U23代表はフル代表への選手を供給する場でもあると思うのですが、このU23代表年代を冷遇すると、それは代表教科にも悪影響が出る可能性があります。またフル代表ではルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)、アリフ・アイマン(JDT)らU20代表候補選手がいますが、フル代表レベルの彼らをパリオリンピック予選までU20代表に縛り付けてしまうのも、むしろ彼らの成長の芽を摘んでしまいかねないような気がします。U23代表にU20代表の有望選手を加えたチーム編成で、U23アジアカップ本戦出場を目指し、本戦でアジアの強豪との試合を経験する方が遥かに代表強化につながるような気がします。

JDT IIからマラッカUへ期限付き移籍のロバットが抱負を語る
 各年代代表だけでなくフル代表の経験もあるJDT IIの守備的MFゲイリー・スティーヴン・ロバットがマラッカ・ユナイテッドFCへ期限付き移籍しましたが、MFLの公式サイトではこのロバット選手を特集しています。
 今季は開幕からMリーグ1部スーパーリーグの覇者JDTのセカンドチームで、Mリーグ2部プレミアリーグのJDT IIでプレーしてきたロバット選手は、代表キャップ数11の28歳です。豊富な運動量が売り物のロバット選手が期限付き移籍したマラッカ・ユナイテッドFCは3勝5分5敗でリーグ11位と降格圏にいるチームです。
 そんなチームに今季2度目のトランスファーウィンドウ期間に期限付き移籍したラバット選手は後半戦開幕初戦となる7月25日の第14節スリ・パハンFC戦を重要な試合と考えているとブル生に語っています。
 「まず自分がやらなければならないことは、ザイナル・アビディン・ハサン監督に対して自分がチームの戦力になることを証明することだ。より多くの試合出場時間を求めての移籍してきたことは事実だが、チームメートからも信用を得なければならないことも分かっている。スリ・パハンFC戦で出場機会が与えられれば、自分がどのくらいチームのために献身的にプレーできるかを見せたい。」と述べるラバット選手は、マラッカ・ユナイテッドFCを降格圏から脱出させることが自分に課せられた使命であるとも話しています。

7月11日のニュース:FAMはU23アジアカップ予選にU20代表を派遣、ペラFCはリーグ再開前の練習試合で新外国籍選手をテスト、JDTオーナーは監督解任の声に対して冷静な対応を求める

FAMはU23アジアカップ予選にU20代表を派遣
 昨日のコラムではアジアサッカー連盟AFC U23アジアカップ2022年大会の予選組み分けが行われ、マレーシアはタイ、ラオス、モンゴルと同じ予選J組となり、モンゴルでの集中開催となることを取り上げましたが、マレーシアサッカー協会FAMはこのU23大会にU23代表ではなく、U20代表を派遣することを公式サイトで発表しています。
 FAMのオン・キムスイ テクニカルディレクターTDによれば、このU20代表派遣は2024年のパリオリンピック出場を目指すU23代表強化プログラムの一環として行われ、オーストラリア出身のブラッド・マロニー現U23代表監督がこのチームの指揮を取る予定だということです。
 「このU20代表派遣は既にFAMの代表チーム運営委員会で提案され、FAM理事会の承認も得た上で決定されている。現在のU20代表を10月のAFC U23アジアカップ2022年大会予選、そして11月の東南アジア競技大会2021年ベトナム大会(この発表後に来年に延期が決定-筆者注)さらには、AFC U23アジアカップ2024年大会予選、東南アジア競技大会2023年カンボジア大会と継続して派遣していく予定になっている。これによりこの年代の代表チームは早い段階から様々なレベルで経験を積み重ね、長期間かけて(オリンピック2024年パリ大会予選に向けて)準備していくことができる。」とオンTDは話しています。
 またオンTDは10月のAFC U23アジアカップ予選前には次の国際マッチデー期間(8月30日から9月7日)にU20代表候補を招集して候補合宿も開催する予定も明らかにしています。
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 先月のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選にも出場したFWルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)やFWアリフ・アイマン(JDT)、代表に招集されながら合宿中のケガで代表辞退となったといったGKラハディアズリ・ラハリム(トレンガヌFC)さらにMFムカイリ・アジマル、DFハリス・ハイカル(いずれもスランゴールFC)など才能豊かな選手がU20代表の主力になる可能性がある一方で、代表選手のFWアキヤ・ラシド(JDT)、先日終了したAFCチャンピオンズリーグ予選に出場したFWラマダン・サイフラー(JDT)、リーグでは好調のMFハキミ・アブドゥラ(トレンガヌFC)、FWダニアル・アサリ(スランゴールFC)そしてFWハディ・ファイヤッド(J3沼津)など順当ならU23代表候補となる選手たちが勝負の機会も与えられず、U23アジアカップ出場の選考対象ならないのはもったいない気もしますし、さらに言えばこのような育成のための「複数年計画」は、失敗した際にその前の年代も含めて代表強化の「空白期間」ができてしまうこともあります。個人的にはU20代表に限定するのではなく、U23代表に飛び級できる能力のあるU20代表の主力を加えたチームを編成し、彼らに同年代のタイやラオスと対戦されて、本大会出場を目指す方が一足飛びにオリンピック出場を目指すよりは遥かに現実的な目標に思えます。言い換えれば、既にフル代表でもプレーするルクマン選手やアリフ選手を敢えてU20代表でプレーさせることは、むしろ開きかけている才能の芽を摘みかねない気もします。

ペラFCはリーグ再開前の練習試合で新外国籍選手をテスト
 Mリーグ1部スーパーリーグのペラFCは、7月24日より再開するMリーグを前に新たに獲得した外国籍選手をテストする予定だとマレーシア語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 ペラFCのチョン・イーファット監督はいずれも2部プレミアリーグのPDRM FCとヌグリスンビランFCとの練習試合で、これまでは練習参加のみだった新外国籍選手を起用すると話しています。
 給料未払いにより主力5選手が他のMリーグクラブに流出したペラFCはトランスファーウィンドウ期間中に英国出身のMFチャリー・マシェル(昨季はシンガポール1部ホウガン・ユナイテッドでプレーし今季はカンボジア1部のビサカFCに移籍するも出場なし)、2018年にもペラに在籍したレバノン出身のDFジャド・ヌールディン(レバノン1部のアル・アヘドFCより期限付き移籍)、同じくレバノン出身のMFサミル・アヤス(ブルガリア1部POFKボテフ・ヴラツァより移籍)、カメルーン出身のDFゾバイロウ・ガルバ(昨季はインドネシア1部プルスバヤ・スラバヤでプレー)、フランス出身のFWジスラン・グゥエッサン(2019年にアルジェリア1部CAボルジュ・ブー・アリエージュでプレーも昨季はプレー記録なし)の5選手を獲得しています。
 なおペラFCにはMFレアンドロ・ドス・サントスとMFカレッカのブラジルコンビ、やはりトランスファーウィンドウ期間中に同じ1部のUITM FCから移籍したガーナ出身のFWナナ・ポク、そしてスリ・パハンFCから期限付き移籍しているFWセルヒオ・アグエロがおり、この9選手はペラFCに5名と2部プレミアリーグでプレーするセカンドチームのペラFC II4名がに配置される予定ということです。
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 別の報道ではブラジルコンビのレアンドロとカレッカは放出を希望していたものの、条件面でクラブとの合意に至らず、今季の残留が決まったと報じられています。守備的MFのレアンドロ、攻撃的MFのカレッカはいずれもリーグ中断前の第13節までに12試合に出場している主力選手ですが、この2人が残留となったことでペラFCではFWナナ・ポク、DFジャド・ヌールディン、DFゾバイロウ・ガルバの5名の外国籍選手が、残る4選手はペラFC IIでプレーするのではないかと予想されています。それにしてもペラFC IIは外国籍選手なしでスタートしながら、突然4名の外国籍選手を割り振られるなど、数ヶ月前までは給料未払い問題て揺れていたクラブとは思えないような大盤振る舞いです。

JDTオーナーは監督解任の声に対して冷静な対応を求める
 Mリーグ1部スーパーリーグで7連覇中のJDTは、先日終了したAFCチャンピオンズリーグACLでは同組の名古屋グランパスと浦項スティーラーズ(韓国)にそれぞれ2敗、ラーチャブリーFC(タイ)とは1勝1分のグループ3位でノックアウトステージ進出を逃しましたが、ほぼマレーシア代表とも言えるメンバーを揃えながら、この結果に不満を持つ一部サポーターがソーシャルメディア上でベンヤミン・モラ監督の解任を求めている事態について、JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下はモラ監督を擁護しているとブリタハリアンが報じています。
 自身のインスタグラムに投稿したイスマイル殿下は、ACLはJDTにとっては超えるには高い壁だとし、大志を持つことは良いことだが、現実に目を向けない大志はそうではないと述べ、モラ監督を批判するなら、モラ監督を採用した自分を非難するべきだと述べて、サポーターに現実的になることを求めています。
 2019年から連続してMリーグの唯一の代表としてACLに参戦できていることは名誉であるとも述べたイスマイル殿下は、JDTのレベルはACLのレベルには達していないと述べる一方で、2019年には鹿島アントラーズを、2020年には水原三星ブルーウィングス (韓国)を破ったことは事実だとして、今後もクラブのレベルアップを図っていくことをサポーターに約束しています。

7月10日のニュース:Mリーグ1部2部とも7月24日より再開決定、完全ロックダウン施行地域のクラブは本拠地以外でホームゲーム開催へ、今年11月開催予定の東南アジア競技大会が2022年に順延決定、U23アジアカップ予選-マレーシアはタイ・ラオス・モンゴルと同組に

 マレーシアはワクチン接種が進んではいるものの、昨日は国内全体で新規感染者数が9,180名と連日新記録が更新されています。一部の州では完全ロックダウンが解除されてはいますが、クアラルンプールとスランゴール州を含む首都圏では現在も完全ロックダウンが続いています。

Mリーグ1部2部とも7月24日より再開決定
 Mリーグを運営するMFLは公式サイトで5月9日より中断中のMリーグが1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグともに7月24日より再開されることを発表しています。この中断はFIFAワールドカップアジア2次予選に出場するマレーシア代表や、AFCチャンピオンズリーグ予選、そして結局は中止となってしまいましたがAFCカップ予選に出場するMリーグクラブを考慮してのものでした。なお、Mリーグ2部は当初、7月3日に再開の予定でしたが、国内に完全ロックダウンが施行されたことで再開延期が発表されていました。
 また中断前に豪雨により順延されていた2部のスランゴールFC2対サラワク・ユナイテッドFC戦と選手が新型コロナウィルス感染により延期されていたペラFC II対ケランタンFC戦はいずれも7月17日への日程変更に加え、強行日程緩和のため1部では8月13日からの第19節から最終節第22節まで、2部では7月27日からの第14節から最終節第22節までで試合日程が変更になることも発表になっています。
 変更された1部スーパーリーグの日程はこちら、2部プレミアリーグの日程はこちらです。

完全ロックダウン施行地域のクラブは本拠地以外でホームゲーム開催へ
 MFLは完全ロックダウン施行地域に本拠地を持つクラブに対し、新たなホームゲーム開催地を確保するように求めています。
 MFL公式サイトによると、Mリーグの全てのクラブは練習場と宿舎間の移動のみが許される合宿形式で練習を行なっていますが、完全ロックダウン施行地域では練習試合も含めてMリーグの試合を行うことが許可されていないことから、MFLはこの地域に本拠地を持つ1部と2部のクラブに対してホームゲームを開催する「暫定本拠地」の確保を求めていくとしています。
 現在、完全ロックダウンが施行されているのはクアラルンプール、スランゴール州、ヌグリスンビラン州の各州と地域ですが、ここにはクアラルンプールに本拠地を持つKLシティFC(1部)、PDRM FC(2部)、スランゴール州に本拠地を持つスランゴールFC、PJシティFC、UITM FC(以上1部)、スランゴールFC2、MSN-FAMプロジェクト(以上2部)、ヌグリスンビラン州に本拠地を持つヌグリスンビランFC(2部)の8チームがあり、この8チームは7月24日ののMリーグ再開前に完全ロックダウン施行地域外に新たに暫定本拠地を設けることが求められています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは現在、Mリーグクラブが使っていないスタジアムに加えて、あるいはMリーグクラブが既に使用しているスタジアムの共用も許可すると話しており、上記の8チームは開幕までの2週間ほどで試合会場を確保する必要があります。

今年11月開催予定の東南アジア競技大会が2022年に順延決定
 マレーシアの通信社ブルナマは今年2021年11月21日から12月2日まで開催予定だった東南アジア競技大会通称シーゲームズが新型コロナウィルス感染拡大を理由に2022年へ延期されたことを報じています。
 マレーシアオリンピック協会OCMの発表によると、東南アジア競技大会連盟はオンラインで会合を開き、ベトナムのハノイで開催予定だった今年のシーゲームズの2022年への延期を決定したということです。既に2022年にはさまざまな国際競技大会の日程が決まっていることから、これまでマレーシアを含めた大多数の国が延期に反対していましたが、今回やっと延期が決まった格好です。新たな日程に関しては、東南アジア競技大会連盟より後日発表されるということですが、なおベトナムの地元メディアでは来年3月あるいは6月への延期が有力ということです。
 オリンピックの東南アジア版とも言えるシーゲームズでは、サッカーはオリンピックに準じて23歳以下代表同士が対戦しますが、マレーシアはマレーシアサッカー協会FAMが2024年パリオリンピック予選を見越して武者修行のためにU19代表を派遣する予定にしていました。

U23アジアカップ予選-マレーシアはタイ、ラオス、モンゴルと同組に
 アジアサッカー連盟AFC U23アジアカップ(旧U23選手権)2022年大会はウズベキスタンで開催されますが、この大会の予選組み分け抽選が昨日7月9日にウズベキスタンのタシケントで行われ、マレーシアはタイ、ラオス、モンゴルと同じ予選J組となることが決まりました。
 今回の組み分け抽選では参加42チームを西地区23チームと東地区19チームに大別された後、さらに西地区は6組、東地区は5組に分ける形で行われ、東地区のマレーシアは予選J組に入り、タイ、ラオス、モンゴルと同組となっています。また今回の予選は各組とも集中開催方式で行われ、マレーシアが入ったJ組はモンゴルが集中開催地となり、10月27日にラオス、29日にモンゴル、31日にタイとの対戦カードが組まれています。
 なお来年2022年の本戦には、開催国のウズベキスタンと予選各組1位のチームと各組2位の内、成績上位の4チームの計16チームが出場します。
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 マレーシアが入る予選J組が集中開催されるモンゴルですが、ググってみたところ首都のウランバートルで10月下旬の平均気温は最高7度、最低-6度と、この組の東南アジア3チームにとってはそれだけでハンデになりそうな環境です。それでも東アジアの強豪国やオーストラリアとは別組みになった幸運に感謝しつつ、マレーシアは2018年中国大会以来となる2度目の本戦出場を目指します。ちなみに2018年大会ではマレーシアはイラク、サウジアラビア、ヨルダンと同組になりながら、サウジを破り、ヨルダンと引き分けるなどしてベスト16に進出しています。
 (下はU23アジアカップ2022年大会予選組み合わせ-AFCの公式サイトより)