12月9日のニュース:代表SBデイヴィーズが代表選出されなかった理由が明らかに、スズキカップ2020-ジュニオール・エルドストールがケガにより欠場へ、クダのエースがトレンガヌ移籍

 スズキカップが開催される一方で、Mリーグ各クラブは来季へ向けての巡撫を始めています。Mリーグ1部スーパーリーグのスリ・パハンFCは今季開幕から2試合で「アメリカ出身のトーマス・ドューリー監督とともに「休養」させられたアシスタントコーチのクリストファー・ギャメル氏の監督就任が濃厚となったようです。かつてはフィジー代表監督の経験もあるギャメル氏が今季10位とすんでのところで2部降格を免れ、今季所属の選手の内、外国籍選手5名や主将を務めたムスリム・アフマドら合計14選手との契約を更新しなかったスリ・パハンFCを立て直せるのでしょうか。
 また本山雅志、深井脩平、谷川由来の日本人3選手が所属する2部プレミアリーグのケランタン・ユナイテッドFCも、監督交代を含めた首脳陣刷新を発表しており、今季同じプレミアリーグのペラFCIIで指揮を取ったシャムスル・サアド氏に監督オファーを出しているとされています。

代表SBデイヴィーズが代表選出されなかった理由が明らかに

 現在シンガポールで開催中の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020に出場しているマレーシア代表には、タン・チェンホー監督が主力選手として起用してきた選手たちの中の数名が召集されていません。具体的には今季Mリーグ1部で8連覇を果たしたJDTのGKファリザル・マーリアスと、同じくJDTの両サイドバック、マシュー・デヴィーズとラヴェル・コービン=オングの3選手です。6月のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選など今年行われた代表戦にはほぼ全試合出場しているこの3選手を招集しなかった理由として、タン監督は「6月のW杯予選、その直後のAFCチャンピオンズリーグ、さらにはMリーグ、マレーシアカップと今年1年間を通して代表とクラブの両方で国内外の試合に休まず出場してきた選手に疲労回復と休養を与えるために今回の招集を見送った。代表チームの首脳陣は彼らの能力を熟知しており、JDTの監督、コーチらとも話し合いを行った結果、今回の選手選考となった。」と説明していました。
 特に先日のMリーグ年間表彰で今季の最優秀ディフェンダーを受賞したマシュー・デイヴィーズが代表に召集されなかったことで、その理由が「休養」と言う分かりづらい理由だったことからネット上はざわつきました。
 そんな中、マシュー・デイヴィーズが自身のインスタグラムに投稿し、マレーシア決勝にフル出場した後、ドイツに渡ってヘルニアの手術を受けていたことを明らかにしています。「ドイツでのスポーツヘルニア手術は成功。6ヶ月間苦しんできたので、早く痛みのない状態で体を動かしたい。JDTの手配のおかげで世界でもトップクラスの医師に執刀してもらうことができた。やっとくつろげる!」と言うコメントとともに、ベッドの上の写真を公開したディヴィーズ選手ですが、W杯カップ予選の時期にヘルニアを患ったようで、その後もACL、Mリーグ、そしてマレーシアカップを戦い切ったことが明らかになった今、その闘志に敬意を表するとともに来季に向けて術後の回復と休養を十分に取り、6月のアジアカップ最終予選にはベストコンディションで臨んでもらいたいです。

スズキカップ2020-ジュニオール・エルドストールがケガにより欠場へ

 スズキカップ2020に出場中のマレーシアは、入国時の新型コロナ検査で選手2名が陽性反応を示したことから隔離を強いられており、24名でシンガポールへ乗り込んだ代表は現在、22名となっています。ところがさらにケガ人が出たとマレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。
 初戦のカンボジア戦で試合開始からわずか27分で交代していたジュニオール・エルドストルについて、試合後のタン・チェンホー監督は戦術上の交代であったと説明していましたが、本当の交代の理由はこの試合中に腹部を痛め、痛みと張りを訴えたからのようです。試合後の検査では休養が必要と診断されたエルドストル選手はすぐに戻れると思うとコメントしているようですが、エルドストル選手の休養により代表が現在、試合で起用できる選手は21名となってしまいました。
 所属するタイ1部のチョンブリーFCではセンターバックとして出場しているエルドストル選手ですが、カンボジア戦でタン代表監督は一つポジションを挙げて守備的MFとして起用していますが、中盤の選手はこれでバドロル・バクティアルとムカイリ・アジマルの2名だけになってしまいました。
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 タン監督は所属チームで左サイドバックでプレーする選手が複数いるにも関わらず、本来は右サイドバックのシャミ・サファリを起用し、上でも書いたように所属チームではセンターバックのエルドストル選手を中盤で起用するなど思い切ったポジション変更を行なっています。

クダのエースがトレンガヌ移籍

 Mリーグ1部スーパーリーグで今季は4位に終わったトレンガヌFCは、同じスーパーリーグのクダ・ダルル・アマンFCで今季プレーしたリベリア代表FWのクパー・シャーマンの加入を公式Facebookで発表しています。
 今季はFIFAマッチデー期間中にMリーグの試合が強行されたことから、全試合に出場することができませんでしたが、それでもリーグ戦とマレーシアカップを合わせて23試合に出場し、14ゴールを挙げています。
 トレンガヌFCはMリーグが11試合に短縮となった昨季に6ゴールを挙げたモーリタニア出身のドミニク・ダ・シルヴァに代えて、インドネシア1部リーグでは2シーズンで35ゴール(42試合出場)の実績を提げ今季開幕前に加入したブラジル出身のFWデヴィッド・ダ・シルヴァがわずか7ゴール(13試合出場)に終わり、チームの得点数もリーグ5位の33得点に終わっています。
 なおトレンガヌFCは、上記のデヴィッド・ダ・シルヴァの他、同じくインドネシアリーグから移籍したマカン・コナテ(マリ)、デシ・マルセル(コートジボアール)、カルリ・デ・ムルガ(フィリピン)ら外国籍選手の退団を発表しています。これにより新加入のクパ・シャーマンと今季途中にセカンドチームから昇格したジョーダン・ミンター(ガーナ)、アルグジム・レゾヴィッチ(モンテネグロ)、ハビブ・ハルーン(バーレン)らが中心にチームを作り上げていく方針が見えてきました。なお退団するダ・シルヴァ、コナテの両選手は前所属のインドネシア1部リーグ、プルスバヤ・スラバヤへの復帰が濃厚な一方で、マルセル選手はシャーマン選手と交代するかのようにクダ加入の可能性が取り沙汰されています。
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 クパー・シャーマンが退団するクダは、このシャーマン選手と彼がW杯予選で不在だったときの穴を埋めて活躍したチェチェ・キプレ(コートジボアール)の2人とは契約を延長する一方で、ラビ・アタヤ(レバノン)、レノン・アルヴェス(ブラジル)、アヌマンサン・クマール(シンガポール)らの退団を発表しており、シャーマン選手のトレンガヌ移籍によって、チームの強化作の見直しが必要になりそうです。またキプレ選手もKLやスランゴールが獲得に動いていると言う報道もあり、クダは今季プレーした外国籍選手全員が退団となる可能性が高くなってきました。
 今季Mリーグ2位となり来季のAFCカップ出場が決まっているクダは、マレーシア人選手については代表コンビのMFバドロル・バクティアルと右サイドバックのリザル・ガザリがいずれもサバFCに移籍する一方で、右ウイングのアミルル・アズハン(ペラより加入)、MFカイルル・アズリン、右ウイングのアル=ハフィズ・ハルン、左ウィングのアメル・アズハル、左サイドバックのアズミール・アリス(いずれもペナンより加入)らを獲得しています。

12月8日のニュース:スズキカップ2020-アキヤ・ラシド「『ローカル』選手の実力を見せたかった」、新型コロナにより隔離のGKの代替招集が可能に、トレンガヌFCのナフジ監督は続投へ

 スズキカップでは初戦のカンボジア戦に快勝したものの、この勝利で帰化選手不要論がこれまで以上に声高に語られ、交代時に水の入ったボトルを投げたギリェルメ・デ・パウラの行動や、下の記事でも取り上げたアキヤ・ラシドの発言から「帰化選手対ローカル選手」の対立構造まで持ち出す報道が出るなど、代表チームを報じるニュースも賑やかになってきました。感情論ではなく、チーム内での純粋なポジション争いが激化すればそれは代表チームにとってプラスなるはず。是非、皆さんでガツガツ争っていただき、代表チームには準決勝とは言わず決勝進出して外野を黙らせて欲しいです。

スズキカップ2020-アキヤ・ラシド「『ローカル』選手の実力を見せたかった」

 12月5日にシンガポールで開幕した東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップでは、初戦を白星で飾ったマレーシア代表。この試合でマンオブザマッチMOMに選ばれたのは22歳のアキヤ・ラシドでした。18歳で代表デビューすると、この天性のドリブラーはその試合でいきなりゴールを決め、その後の活躍が期待されました。しかしこの大会前まではキャップ数は26ながら、代表戦では途中出場のスーパーサブ的な起用にとどまり、デビュー戦のゴールも含めて通算4ゴールと期待に応えられていませんでした。
 そんなアキヤ選手が先日のカンボジア戦後のMOM表彰インタビューで発したのが冒頭の「『ローカル選手』の実力を見せたかった。」というコメントでした。
 ここ数年に渡り、マレーシアサッカー協会FAMは代表チーム強化のために帰化選手の活用を進めています。ここで言う帰化選手とは1)マレーシア国外で生まれ育ちながら父母や祖父母がマレーシア出身であることからマレーシア人の血を引く帰化選手(レガシー帰化選手)と、2)マレーシアジンの血は引かないものの国内で5年以上継続して生活しFIFAの規定によりマレーシア人として登録可能な帰化選手(ナチュラライズド帰化選手)に分かれます。1)で言えば、スズキカップ2020登録メンバーではドミニク・タン(シンガポール出身)、クエンティン・チェン(オーストラリア出身)ジュニオール・エルドストル(マレーシア生まれながらスウェーデンと英国育ち)、、ディオン・クールズ(マレーシア生まれながらベルギー育ちでU19代表経験あり)が、2)ではギリェルメ・デ・パウラ(ブラジル出身)が帰化選手です。また今回の代表には選ばれていないものの、今年6月のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選で主力としてプレーしたラヴェル・コービン=オング、ブレンダン・ガン、マシュー・デイヴィーズはレガシー帰化選手、ガンビア出身のモハマドゥ・スマレやコソボ出身のリリドン・クラスニキはナチュラライズド帰化選手です。
 特にナチュライズド帰化選手については、マレーシアサッカー協会が帰化選手プロジェクト委員会を協会内に捕捉させ、協会が主導する形で帰化選手獲得を進めてきた結果、去年と今年の2年間でリリドン・クラスニキとギリェルメ・デ・パウラがマレーシア国籍を取得し、6月のW杯予選に出場しています。W杯予選初戦のアラブ首長国連邦戦では、この両選手とモハマドゥ・スマレのナチュラライズド帰化選手3名に加え、レガシー帰化選手も合わせると先発11名中6名が帰化選手でした。このように帰化選手が増えれば、国内で生まれ育った「ローカル選手」の出場機会が減るわけで、このW杯予選でも代表入りしていたアキヤ・ラシドもその影響を受けた1人だったと言えるでしょう。
 しかし登録規定の都合もありこのW杯予選直前になっての代表参加となったデ・パウラとクラスニキ、さらにスマレのナチュラライズド帰化選手3名はこの予選でほとんど活躍できなかったことから、代表チームがW杯2次予選敗退後は帰化選手不要の声がサポーターから上がり、この批判を受けて可動かは分かりませんが、その後マレーシアサッカー協会は帰化選手の代表チームへの影響を見直すことを理由に帰化選手プロジェクトの一時停止を発表しています。
 そんな中でのスズキカップ2020でしたが、このカンボジア戦は27分に「戦術上の理由で」ジュニオール・エルドストールがムカイリ・アジマルと交代し、65分にはデ・パウラがルクマン・ハキムと交代したことで、図らずも帰化選手が1人もピッチ上にいない「ローカル選手」だけの布陣となりましたが、これは2017年のタン・チェンホー監督就任以来、初めてのことかも知れません。

新型コロナにより隔離のGKの代替招集が可能に

 スズキカップ開催のシンガポール入国時に行われた新型コロナの検査では、GKのカイルルハズハン・カリドとFWファイサル・ハリムの両選手が陽性反応を示したことから10日間の隔離となっいますが、マレーシアサッカー協会はスズキカップを主催する東南アジアサッカー連盟AFFに対して、代替招集の許可を求めていました。スズキカップの大会規定では、ゴールキーパーに限り・負傷などの理由などからの大会期間中の代替招集を認めています。
 これについてマレーシア通信社ブルナマはFAMによる代替招集の申請が認められたと報じ、サイフディン・アブ・バカルFAM事務局長は、既にタン・チェンホー代表監督と代替招集候補選手について話し合いを始めていると述べています。
 ただし今大会では背番号1をつけるカイルルアズハン選手の代替選手を招集した場合には、代わりにカイルルアズハン選手の出場選手登録が取り消され、隔離期間中の検査が陰性となっても今大会には出場できなくなります。
 報道ではカイルルアズハン、ファイサル両選手とも特に症状が現れていないと言うことで、隔離期間中の追加検査で陰性となれば、今後の試合には出場が可能となることから、サイフディンFAM軸曲調は代替選手を招集するかどうかの最終判断はタン監督に委ねられていることも明らかにしています。

トレンガヌFCのナフジ監督は続投へ

 今季のMリーグ1部スーパーリーグで4位、マレーシアカップは準決勝で敗退したトレンガヌFCは、ナフジ・ザイン監督に対して契約の延長をオファーしたことを明らかにしています。
 トレンガヌ州のアフマド・サムスリ・モクタル州首相が議長となり行われたトレンガヌFCの運営会社であるTFC社の理事会がこれを決定したと、ブルナマが報じています。
 TFC社のアブドル・ラシド・ジュソーCEOは、TFC社が来季の布陣を決定したことを受け、様々な要因を考慮した上で、来季の契約をオファーしたとしています。
 昨季は3位となったトレンガヌFCは今季、リーグ終盤に連敗するなどして最終的に4位となり昨季から順位を下げたことから、TFC社が設けた今季の重要業績評価指標KPIを達成していないとして、マレーシアカップも含めた今季の日程全てが終了した後もTFC社はナフジ監督の来季の契約に関して態度を表明していませんでした。
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 トレンガヌFCが来季の契約について時間をかけている間に、Mリーグの複数クラブがナフジ監督に接触したと言う噂もありますが、トレンガヌFCのサポーターは多くが続投を求めているとされ、またナフジ監督自身も今季終了後には来季の続投を希望していると話していることから、このオファーを受けるのは確実と見られています


12月6日のニュース:スズキカップ2020-本日カンボジアとの初戦に臨むマレーシア代表の2選手が新型コロナ陽性により隔離

スズキカップ2020-マレーシア代表は本日カンボジアとの初戦

 シンガポールで開幕した東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップに出場しているマレーシアは、本日12月6日に本田圭佑GMと廣瀬龍監督が率いるカンボジア代表と対戦します。
 前回2018年大会は準優勝しているマレーシアですが、2018年大会準決勝のタイ戦はホーム、アウェイともいずれも引き分けたもののアウェイゴールルールにより決勝へ進出、同決勝のベトナム戦もホームで引き分けた後に敵地で0-1で敗れており、過去4試合で勝利がありません。
 また本日の対戦相手カンボジアとは国際Aマッチとそれ以外も含めるとこれまでに31回の対戦があり、通算成績は23勝4分4敗です。ただしこの結果には1970年台後半のクメール・ルージュによる大量虐殺が起こる前の時代の結果も含まれており、1990年代に国際社会に復帰して以降の対戦は12回対戦してマレーシアの11勝1分0敗、スズキカップに関して言えば、3-2(2000年)、3-2(2016年)、1-0(2018年)と3連勝中です。
 しかしA代表以外では、マレーシアサッカー史上最悪の結果となった2019年の東南アジア競技大会通称シーゲームズでは、ルクマン・ハキムやハディ・ファイヤッドを擁して臨んだマレーシアU23はカンボジアU23に3-1と完敗して準決勝進出を逃しており、その試合でゴールを決めたシエン・チャンテア(ボーウング・ケットFC)、ケオ・ソクペン(ビサカFC)両選手は今回のスズキカップのメンバーに入っています。またコロナ禍前の行われた2019年のAFC U19選手権予選でもマレーシアU19はカンボジアU19と対戦し5-4と辛勝していますが、このカンボジアU19からもSoeuth Nava(ボーウング・ケットFC)ら複数の選手がメンバーしており、過去の対戦成績は今大会に関してはあまり参考にはならなそうです。

スズキカップ2020-マレーシア代表の2選手が新型コロナ陽性により隔離

 本日12月6日にカンボジア代表との初戦を迎えるマレーシア代表の2選手が新型コロナの検査で陽性となり隔離となったと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 シンガポール入国時にチャンギ国際空港で行われた検査の結果により陽性が判明したのはGKカイルルアズハン・カリド(スランゴールFC)とFWファイサル・ハリム(トレンガヌFC)の両選手で、幸いなことに発熱などの症状はなく、この2選手以外の選手の検査結果は全員陰性だったということです。
 代表チームのモハマド・ユソフ チームマネージャーによれば、この2選手がシンガポール政府保健省が設けている手順に従って10日間の隔離となり、この間は毎日、検査を受ける必要があるということです。また他の選手は試合に向けての練習を続けることが可能だということです。
 この2選手に代わる選手を召集するかどうかについては、モハマド・ユソフ チームマネージャーはタン監督と話し合いを行い速やかに決定したいと話しています。
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 この大会にはタン監督は当初の26名の予定からケガによる辞退者が出たことで最終的に24名の選手を引き連れて臨んでおり、その内GKはカイルルアズハン、カイルル・ファミ(マラッカ・ユナイテッドFC)、カラムラー・アル=ハフィズ(PJシティFC)の3名となっていることから、追加召集の可能性もありそうですが、ベトナム代表のパク監督はゴールキーパー4人を含む30名の選手をシンガポールに連れて行ったことが報じられるなど、他のチームは新型コロナ禍下での危機管理ができているところもある中で、2選手の隔離によって他の選手を急遽、マレーシアから招集するとなれば、マレーシアサッカー協会FAMはこのような事態を想定しての危機管理ができていたのかどうかが問題視されそうです。


12月4日のニュース:スズキカップ2020開幕!ボラセパマレーシアJP的スズキカップ直前予想(グループステージ編)

スズキカップ2020は明日開幕

東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020年大会がいよいよ明日12月5日に開幕します。東南アジアNo. 1を決めるこの大会は本来は隔年開催ですが、新型コロナ禍により昨年開催予定だった大会が中止されたことから、今大会では2020年大会の名前が使われています。また、開催方法も従来のホームアンドアウェイ方式から集中開催方式に変更され、今大会ではシンガポールでの開催となっています。

参加国と試合方式

東南アジアサッカー連盟所属の*11ヶ国が出場するこの大会は、ブルネイが直前に出場辞退を表明したことから、ブルネイとプレーオフで対戦予定だった東ティモールがそのまま本戦入りしています。この結果、10ヶ国中、タイ、フィリピン、ミャンマー、シンガポール、東ティモールがA組、ベトナム、マレーシア、インドネシア、カンボジア、ラオスがB組にそれぞれ分かれて1回戦総当りのグループステージを行い、両組の上位2ヶ国が2回戦制の準決勝に進出、さらにその勝者がやはり2回戦制の決勝を行い東南アジアNo. 1が決定されます。
*東南アジアサッカー連盟にはオーストラリアサッカー連盟も加盟していますが、このスズキカップにはオーストラリア代表は出場しません。

ボラセパマレーシアJP的グループステージ見どころ

マレーシアが入るB組では前回2018年大会優勝のベトナムの力が頭一つ、いや二つ、いや三つ・・・とにかくダントツで抜けています。東南アジアのチームで唯一、FIFAワールドカップ2022年大会アジア最終予選に残っていることからも明らかなように、今大会でも優勝候補筆頭です。マレーシアはこのベトナムとワールドカップ予選では同じ予選G組に入っており、予選の集中開催地となったアラブ首長国連邦のドバイで6月に対戦した際には、与えたPKが決勝ゴールとなり1-2で敗れています。少なくともこの6月の時点では個々の選手の身体の強さ、スピードなどではベトナムがマレーシアを圧倒していましたので、それからおよそ半年経った現在マレーシアが東南アジアNo. 1のチーム相手にどのようなサッカーを展開するかが見ものです。

ベトナム1強のB組ではマレーシアにとってはおそらくインドネシアが相手となる2位争いが熾烈を極めそうです。ワールドカップ予選ではやはり同じ予選G組に入っていたインドネシアとは新型コロナ感染拡大前の2019年にホーム、アウェイ共に対戦を終えており、6月のドバイでは対戦がありませんでした。ワールドカップ予選でマレーシアに連敗した後に就任した元韓国代表監督のシン・テヨン監督率いるチームはこのスズキカップに向けてトルコで合宿を行い、練習試合ではMリーグのペナンFCでプレーするリュウジ・ウトモに加え、やはり海外組の19歳エルカン・バゴット(英国2部イプスウィッチタウン)、20歳のエギ・マウラナ・フィクリ(スロバキア1部FKセニツァ)、21歳のウィタン・スレイマン(ポーランド1部レヒア・グダニスク)ら若い選手が加わったチームがミャンマーを破るなどチーム力も大きく変わっているようです。このインドネシアとはグループステージ最終戦で対戦することから、そこまでの3試合で確実に勝点を積み上げておきたいところです。そのためにもマレーシアは初戦の相手となる本田圭佑GM率いるカンボジア、2戦目のラオスにはいずれも勝利し、3戦目のベトナム戦を落としたとしても、インドネシアとの対戦までに2勝1敗としておけば、今大会では準決勝進出がノルマのマレーシアはプレッシャーを感じることなく自分たちのサッカーができるのではないでしょうか。

一方のA組は西野朗監督に代わりアレシャンドレ・ポルキン新監督が就任したタイ代表がチャナティップ・ソングラシン(札幌)、ティーラトン・ブンマタン(横浜)のJリーグ組に加え、その他の海外組も召集し、グループリーグ突破は順当です。ただし前回2018年大会準決勝ではホームでマレーシア相手に引き分け、アウェイゴールルールで決勝進出を逃しているだけに、AFF選手権最多優勝5回を誇るタイにとっては、優勝候補ベトナムとは決勝まで当たらないためにもグループリーグの1位突破を目指してくるでしょう。またB組同様、A組もおそらく開催国シンガポールとフィリピンの間で争われる2位争いが注目です。本来ならここにミャンマーが入ってくるべきですが、軍政と民主化との争いによる政情不安に加え、軍政反対への意思表示として代表招集を辞退する選手も出ており、戦力的にも今大会に関しては2位争いに絡んでくるのは難しそうです。

ということでボラセパマレーシア的には、A組がタイフィリピン、B組はベトナムと願望込みでマレーシアを準決勝進出と予想してこの記事を締めくくりたいと思います。

スズキカップ2020日程

<グループステージA組>

2021年12月5日(日)
東ティモール – タイ(17時30分@シンガポール国立競技場)
シンガポール – ミャンマー(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月8日(水)
ミャンマー – 東ティモール (17時30分@シンガポール国立競技場)
フィリピン – シンガポール (20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月11日(土)
東ティモール – フィリピン(17時30分@シンガポール国立競技場)
タイ – ミャンマー(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月14日(火)
フィリピン – タイ(17時30分@シンガポール国立競技場)
シンガポール – 東ティモール(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月18日(土)
タイ – シンガポール(20時30分@シンガポール国立競技場)
ミャンマー – フィリピン(20時30分@ビシャンスタジアム)

<グループステージB組>

2021年12月6日((月))
カンボジア – マレーシア(17時30分@ビシャンスタジアム)
ラオス – ベトナム(20時30分@ビシャンスタジアム)

2021年12月8日(水)
マレーシア – ラオス (17時30分@ビシャンスタジアム)
インドネシア – カンボジア (20時30分@ビシャンスタジアム)

2021年12月11日(土)
ラオス – インドネシア(17時30分@ビシャンスタジアム)
ベトナム – マレーシア(20時30分@ビシャンスタジアム)

2021年12月14日(火)
カンボジア – ラオス(17時30分@ビシャンスタジアム)
インドネシア – ベトナム(20時30分@ビシャンスタジアム)

2021年12月18日(土)
ベトナム – カンボジア(20時30分@ビシャンスタジアム)
マレーシア – インドネシア(20時30分@シンガポール国立競技場)

<準決勝第1回戦>

2021年12月22日(水)
A組2位 – B組1位(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月23日(木)
A組1位 – B組2位(20時30分@シンガポール国立競技場)

<準決勝第2回戦>

2021年12月25日(土)
B組1位 – A組2位(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月26日(日)
B組2位 – A組1位(20時30分@シンガポール国立競技場)

<決勝第1回戦>

2021年12月22日(水)
A組2位 – B組1位(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月23日(木)
A組1位 – B組2位(20時30分@シンガポール国立競技場)

<決勝第2回戦>

2021年12月29日(木)
準決勝勝者1 – 準決勝勝者2(20時30分@シンガポール国立競技場)

2022年1月1日(土)
準決勝勝者2 – 準決勝勝者1(20時30分@シンガポール国立競技場)

12月3日のニュース:JDTの19歳MFアリフ・アイマンらが代表に追加召集、Mリーグ3部は来年2月に2年ぶりの開催へ、日本人Mリーガーも出場する聴覚障害者スポーツ支援のチャリティーマッチが12月11日に開催

 東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020年大会はいよいよ今週日曜日の東ティモール対タイで開幕します。西野朗氏に代わってタイ代表の監督に就任したアレシャンドレ・ペルキンク氏率いるタイ代表でチャナティップ・ソングラシン(札幌)が主将に指名された、またベトナム代表のパク・ハンソ監督はケガ人を恐れて4名のGKを含む30名の大所帯でシンガポールに乗り込んだ、など大会関連のニュースも続々と入ってきていますが、マレーシア代表も今日12月3日にシンガポール入りが予定されています。

JDTの19歳MFアリフ・アイマンらが代表に追加召集

 12月5日に開幕するスズキカップ2020年大会に出場するマレーシア代表は、大会開催地のクアラルンプールへ向けて本日出発しますが、出発前の最後の練習が行われた昨日、MFアリフ・アイマン(JDT)とカラムラー・アル=ハフィズ(PJシティFC)が追加招集されています。
 11月17日にマレーシアサッカー協会FAMが発表した代表候補28名からは、代表合宿に参加していたFWダレン・ロック(PJシティFC)がケガのため合宿参加後に辞退していますが、11月30日に行われたマレーシアカップ決勝で負傷した箇所が重傷だったことから、MFアクラム・マヒナン(股関節)とMFケニー・パッラジ(膝靱帯)も代表参加を辞退しています。またこの日、MFモハマドゥ・スマレ(JDT)が家族の事情で、またGKアズリ・アブドル・ガニ(ペラFC)が肩の痛みを訴えて代表辞退を表明したことから、当初は追加召集を行わないと話していたタン・チェンホー監督は予備召集候補だったカラムラー選手に加えて、アリフ選手の招集にも踏み切ったようです。
 既に6月のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選にも召集されていたアリフ選手は、スズキカップでも当然代表入りすると思われていましたが、11月17日の代表候補発表の際には「今季の疲労を考慮して」スズキカップ出場の代表チームに招集しないとタン監督が発表していました。
 アリフ、カラムラー両選手が加わった結果、マレーシア代表は以下の24名でシンガポールに乗り込みます。

<GK>
カイルルアズハン・カリド(スランゴールFC)、カイルル・ファミ(マラッカ・ユナイテッドFC)、カラムラー・アル=ハフィズ(PJシティFC)
<DF>
リザル・ガザリ、アリフ・ファルハン(以上クダ・ダルル・アマンFC)、シャールル・サアド、アイディル・ザフアン(以上JDT)、ドミニク・タン(サバFC)、クェンティン・チェン(スランゴールFC)、アリフ・ファジラー(トレンガヌFC)、ディオン・クールズ(デンマーク1部FCミッティラン)、ジュニオール・エルドストール(タイ1部チョンブリーFC)、シャミ・サファリ(スランゴールFC退団)
<MF>
サファウィ・ラシド、アリフ・アイマン、シャフィク・アフマド、アキヤ・ラシド(以上JDT)、バドロル・バクティアル(サバFC)、ムカイリ・アジマル(スランゴールFC)、ファイサル・ハリム(トレンガヌFC)、コギレスワラン・ラジ(PJシティFC)
<FW>
ギリエルメ・デ・パウラ(JDT)、ルクマン・ハキム(ベルギー1部KVコルトレイク)、シャーレル・フィクリ(スランゴールFC)

Mリーグ3部は来年2月に2年ぶりの開催へ

 Mリーグ3部に当たるM3リーグ以下のリーグを運営するアマチュアフットボールリーグAFLのモハマド・ユソフ・マハディ チェアマンは、新型コロナの影響で2019年シーズンを最後に中止が続いている下部リーグについて、M3リーグとM5リーグは来年2022年の2月あるいは3月に新シーズンの開幕を、またMリーグ4部に当たるM4リーグについては2022年シーズン終了後にM3リーグからの降格クラブとM5リーグからの昇格クラブが決定することを受けて2023年より新シーズンを開幕すると発表しています。
 モハマド・ユソフAFLチェアマンは、来季2022年のM3リーグでは参加する20クラブを2つのグループに分けて2回戦制のリーグ戦を行い、各グループの上位4チームずつがホームアンドアウェイ形式で行われる準々決勝、準決勝を経て、2部プレミアリーグへ昇格する2クラブが決定されるということです。
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 スタジアムではなく、オープンフィールドで試合が行われることもあるM3リーグは、観衆の制限ができず新型コロナの感染拡大防止対策が十分行えないという理由で2年連続で中止となっていました。昨季が中止となったことを受け、AFLは今季の開催を模索し開幕時期をが2度延期したものの、最終的には9月半ばに正式に中止が発表されました。今季のM3リーグは外国籍選手及び外国籍指導者の登録禁止となりましたが、来季はこれまで通り、外国籍選手もプレーできるようになってくれることを期待したいです。

日本人Mリーガーも出場する聴覚障害者スポーツ支援のチャリティーマッチが12月11日に開催

 マレーシア聴覚障害者スポーツ協会の2022年の活動を支援するためのチャリティーマッチが12月11日にクアラルンプールのKLフットボールスタジアムで開催されます。
 この試合ではデフ(聴覚障害者)サッカーマレーシア代表のマレーシアデフタイガーズとヤクルトオールスターズが対戦しますが、ヤクルトオールスターズは先日のマレーシアカップで優勝を果たしたKLシティFCからインドラ・プテラ・マハユディン、さらにはザクアン・アドハ(ヌグリスンビランFC)、アズミ・ムスリム(ペナンFC)、ヌルシャミル・アブドル・ガニ(ケランタンFC)、ノーシャルル・イドラン・タラハ(サラワク・ユナイテッドFC)など現役Mリーガーの他、先日引退を発表したシュコル・アダン氏やサッカー解説者のサイド・アドニー氏など錚々たるメンバーが顔を揃える一方で、本山雅志、谷川由来、深井脩平、東山晃(以上ケランタン・ユナイテッドFC)、鈴木雄太(クチンシティFC)、鈴木ブルーノ(PDRM FC)ら日本人Mリーガーや指導者もこのヤクルトオールスターズに参加します。
 ヤクルトマレーシア社が主催し、国家スポーツ評議会NSCが全面支援するこのチャリティーマッチのチケットですが、VIP席は既に売り切れとなっていますが、オープンスタンドの座席はこちらから入手可能です。

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11月30日のニュース:今季のフィナーレを飾るマレーシアカップは今日決勝、タイ1部第15節-代表コンビは揃って出場もタンは退団へ

今季のフィナーレを飾るマレーシアカップは今日決勝

 100周年記念大会となったマレーシアカップは今日11月30日午後9時からブキジャリル国立競技場を舞台に決勝が行われ、2019年に続き連覇を狙うJDT(Mリーグ1部今季1位)と決勝進出32年ぶりのKLシティFC(同6位)が対戦します。準々決勝、準決勝はいずれもホームアンドアウェイ方式で行われましたが、決勝は文字通りの一発勝負。JDT有利の予想が大方を占める中、KLシティFCのボジャン・ホダック監督が策士としての本領を発揮すれば、好試合が期待できそうです。ということで今回は今日の決勝戦にまつわる小ネタ集です。

1. 両チームともグループステージから無敗
 JDTはグループステージから準決勝までの10試合を8勝2分(19得点2失点)、一方のKLシティFCは6勝4分(17得点6失点)と無敗で勝ち上がっています。

2. 今季のリーグ戦ではJDTの1勝1分
 今季リーグ戦からマレーシアカップまでホームでは15戦無敗のKLシティFCは4月30日にJDTと対戦して1-1で引き分けており、この時のJDTのゴールは既に退団したシンガポール代表主将のハリス・ハッルンがゴールを決めています。またJDTがKLシティFCをホームに迎えた9月12日の今季Mリーグ最終戦では、KLシティFCはニック・シャールルのオウンゴールで1-2と敗れています。

3. KLシティFCのホダック監督は今回が4度目のマレーシアカップ決勝
 KLシティFCは32年ぶりの決勝進出ですが、クラブの指揮を取るボジャン・ホダック監督自身は今回が4回目のマレーシアカップ決勝です。2012年にケランタンFA(現ケランタンFC)を率いてマレーシアカップに優勝し、国内3冠(Mリーグ、マレーシアカップ、マレーシアFAカップ)を達成した浦ダック監督は翌2013年にもケランタンFAで2年連続でマレーシアカップ決勝に進出しましたが、この年は決勝で敗れています。その翌年の2014年にJDTの監督に就任したホダック監督は、前年同様パハンFA(現スリ・パハンFC)に決勝で敗れています。ただしこの2014年の決勝は前後半を終えて2-2から延長戦に入るも決着がつかず、最後はPK戦による惜敗でした。

4. 幻となった「師弟対決」
 前述の2014年の決勝ではサフィク・ラヒムがJDTの主将を務めており、今日の決勝戦では7年前の決勝では同じチームだったホダック監督との「師弟対決」になるはずでしたが、サフィク選手は11月26日の準決勝第2戦トレンガヌFC戦で試合中にトレンガヌFCのファイサル・ハリムに頭突きを喰らわせて1発退場となり、今日の決勝戦は出場停止になっています。

5. 3度目の優勝を目指すJDTに対しKLは32年前に3連覇達成
 2017年、2019年(2020年は新型コロナにより大会中止)に続く3度目の優勝を目指すJDTに対し、32年ぶりの決勝進出となったKLシティFCですが、1987年から1989年までは前身のクアラルンプールFAがファンデイ・アフマドとマレク・アワブ、K・カナンのシンガポールトリオの活躍で3連覇を果たしています。ちなみにこの3連覇の立役者で当時のクアラルンプール市長でクアラルンプールサッカー協会会長でもあったエリアス・オマー氏、そして3連覇を果たした監督のチョウ・カイラム氏はいずれも故人となりましたが、キャラクターが濃いこの2人の印象はちょうどマレーシアのサッカーを見始めたばかりの私にはとても印象深く残っています。

タイ1部第15節-代表コンビは揃って出場もタンは退団へ

 2021/2022年シーズンのタイ1部リーグ第15節が11月27日と28日に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCはラーチャブリー・ミトポンFCに勝利し3位に浮上、一方DFドミニク・タンが所属するポリス・テロFCもチェンマイ・ユナイテッドに勝利し、順位を2つ下げて今季最高位の9位としています。

タイ1部リーグ第15節
2021年11月27日@ブンヤジンダースタジアム
ポリス・テロFC 1-0 チェンマイ・ユナイテッド
 11位のポリス・テロFCが最下位のチェンマイ・ユナイテッドに勝利し、今季最高位の9位に浮上しています。
 ドミニク・タンは88分から出場し、試合終了までプレーしています。

2021年11月28日@チョンブリースタジアム
チョンブリーFC 3-0 ラーチャブリー・ミトポンFC
 今季のACLではMリーグチャンピオンのJDTや名古屋グランパスと同組となったラーチャブリー・ミトポンFCと対戦したチョンブリーFC。4日前にはFAカップで最下位のチェンマイ・ユナイテッドに敗れる波乱がありましたが、この試合ではリーグ戦6試合無敗の好調を取り戻して解消しています。
 ジュニオール・エルドストールは先発してフル出場しています。

タイ1部リーグ順位表(第15節終了)

順位チーム試合得失差勝点
1ブリーラム・ユナイテッド1510231632
2バンコク・ユナイテッド1510231532
3チョンブリーFC158431428
9ポリス・テロFC15555-220
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFC、ポリス・テロFCのみ表示しています。
ドミニク・タンはポリス・テロ退団へ

 タイ1部ポリス・テロFCに所属するマレーシア代表DFドミニク・タンが自身のインスタグラムを更新し「ポリス・テロFC、素晴らしい思い出をありがとう。一生忘れません。でもこれは終わりではありません。私は戻ってきます。コップンカップ」というメッセージとともにチームメートとの写真を投稿しています。
 2019年にJDTから期限付き移籍で当時2部に在籍していたポリス・テロFCに加入していたタン選手は、翌2020年には完全移籍していました。
 昨季は21試合に出場しましたが、今季は第9節まで出場はなく、初出場となった第10節以降も終盤の起用が多く、第15節まででプレー時間の最長は29分でした。
 U23代表では主将も務めるなど将来の代表DF陣の中心選手と目されていただけに、この出場時間の少なさでは、今後は代表招集すら危うくなることからの退団のようです。
 ポリス・テロFC退団後は、U23代表時代の監督だったオン・キムスイ監督が就任したMリーグ1部のサバFCへの加入が濃厚と噂されています。今季Mリーグ2部のFAM-MSNプロジェクトでプレーし、マレーシア人選手としてはリーグ2位の8ゴールを挙げたU22代表でもプレーする18歳のFWアズハド・ハラズに4年契約をオファーする一方で、今季Mリーグ1部2位のクダ・ダルル・アマンFCからMFバドロル・バクティアル、DFリザル・ガザリ、マレーシアカップでベスト4のマラッカ・ユナイテッドFCからGKカイルル・ファミ・チェ・マットの代表トリオ獲得が噂されるなど、来季に向けた大型補強が噂される中、タン選手獲得もその一つと考えられています。

11月18日のニュース:KLシティFCはモラレスの帰化を画策、ペラFC主将は条件付きで2部降格クラブへの残留を表明、タン代表監督はコービン=オングらJDT選手を招集しなかった理由を説明

 昨日は12月5日に開幕する東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップに出場する代表候補が発表されましたが、今季の代表戦7試合の総得点が4点という慢性的な得点力不足に悩む代表のタン・チェンホー監督は今季リーグ戦の大半を棒に振るほどのケガから復帰のシャーレル・フィクリ(スランゴールFC)とダレン・ロック(PJシティFC)の2人のFWを招集しています。そんな火力不足の攻撃陣に朗報、という話題から始めましょう。

KLシティFCはモラレスの帰化を画策
 マレーシアカップ準々決勝は今日11月18日にホームアンドアウェイ方式の第2戦が行われますが、グループステージから通算して7試合で9ゴールを挙げているKLシティFCのロメル・モラレスはチームのベスト16進出の原動力となっています。
 昨季2020年シーズンはトレンガヌFCでプレーしたドミニク・ダ・シルヴァ(モーリタニア)を獲得したものの開幕からわずか6試合で今季絶望の負傷を負い、後半戦に向けてシーズン中のトランスファーウィンドウ期間に獲得したキリアン・ヌワブエズ(アメリカ)に至っては加入後初出場となった試合で負傷しこちらも今季絶望となるなど、ストライカーを立て続けに失ったボジャン・ホダック監督はMFのロメル・モラレスをFWにコンバートするとこれが大成功。リーグ戦では5ゴールにとどまったものの、マレーシアカップに入ってからはゴールを量産しています。
 そんなモラレス選手が代表の救世主となるのでは、とマレーシア語紙のブリタハリアンが報じています。24歳のモラレス選手は2018年にMリーグ1部のPKNS FC(当時、後にチームはスランゴールFCと合併)に加入し、2020年シーズンはマラッカ・ユナイテッドFC、そしてKLシティFCに移籍した今季がマレーシアでの4年目のシーズンになることから、来季2022年もマレーシアでプレーすればFIFAが認める「継続して5年間の居住歴を持つこと」というマレーシアの帰化選手となる条件を満たすことになります。
 KLシティFCのスタンリー・バーナードCEOはブリタハリアンの取材に対して、クラブとして支援していく計画があることも認めており、またコンバートを命じたホダック監督もモラレス選手の身体の強さや技術に加え24歳という年齢も帰化選手として代表に貢献できるだろうと話しています。
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 モラレス選手のコンバートについてホダック監督は「他に候補者がいなかったことに加えて、(モラレス選手は)守備をしたがらないから、とりあえず前線に置いてみた。」と冗談とも本気ともわからないコメントを述べていますが、FWとなってからは身体を絞り込むなど意識も変わったことに加えて、本人の努力がゴールという結果になって出ていることも好結果が続いている理由だろうと分析しています。
 マレーシアの帰化選手(マレーシア人の父母や祖父母を持たないマレーシア国外生まれの選手)は2018年4月にマレーシア国籍を取得し同年10月に代表に招集されてマレーシアサッカー史上初の帰化選手となったガンビア出身のモハマドゥ・スマレ(27歳、JDT)、2020年2月にマレーシアサッカー協会FAMの支援で帰化したコソボ出身のリリドン・クラスニキ(29歳、JDTからインドスーパーリーグのオディシャFCに期限付き移籍中)、同じくFAMの支援で帰化したブラジル出身のギリェルメ・デ・パウラ(35歳、JDT)の3選手がいますが、今年6月のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選では3選手ともに活躍することができず、国内サッカーファンからはFAMの帰化プログラムに避難が集中し、FAMもプログラム見直しを表明する事態となりました。

ペラFC主将は条件付きで2部降格クラブへの残留を表明
 今季開幕後に発覚した給料未払い問題により、主力の大半がシーズン途中に退団した結果、Mリーグ1部で11位となり来季は2部に降格するペラFCの正GKで主将でもあるハフィズル・ハキムは、来季もペラFCでプレーするとしながらもそのためにはゼネラルマネージャー(GM)とチームマネージャー(TM)の留任を条件としていると、マレーシア語紙ウトゥサンマレーシアが報じています。
 ペラ州イポー出身でペラFCのユースチーム上りでもあるハフィズル選手は、アズマン・ノーGMとラシディ・ラヒムTMが来季もペラFCに残るのであれば、自身もペラFCに残留すると話していますが、ペラFCは一昨日の11月16日にアズマンGMを理事に任命した上でGM職を廃止し、ペラ州サッカー協会の理事でもあるハイリル・アンワル氏をCEOに任命する人事を敢行しています。
 「アズマンGMとラシディTMに対しては自身の来季残留を約束したが、もし両名がクラブに残らなければ、約束を果たす義理もなくなるので、残留に関する自分の考えも変わる可能性がある。」と話すハフィズル選手は、同じMリーグ1部のペナンFCを含めた複数のクラブからのオファーがあることを明らかにした上で、近々予定されている新たに就任したハイリルCEOとの面談で直接、説明を聞いてから最終決定を行うとしています。
 ウトゥサンマレーシアの記事では既にU22代表のGKでスズキカップ出場の代表候補にも選ばれているGKアズリ・アブドル・ガニとMFアディブ・ラオプは既に他のクラブと移籍交渉を行っており、ペラFCが選手の不信感を払拭できなければさらに選手の流出は続くとしています。

タン代表監督はコービン=オングらJDT選手を招集しなかった理由を説明
 東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020年大会に出場する代表候補が昨日発表されましたが、そのメンバーから代表でも主力として活躍するJDTの選手が複数漏れていましたが、これについてタン・チェンホー代表監督がその理由を説明しています。
 Mリーグ1部で8連覇を達成したJDTの主力選手でもあり、代表でも今年の試合にはほぼ全て出場したGKファリザル・マーリアス、DF(左SB)のラベル・コービン=オング、DF(右SB)のマシュー・デイヴィーズ、そしてU22代表招集をチームが拒否したFWアリフ・アイマンらがスズキカップ出場の代表候補に選ばれなかった理由についてマレーシアの通信社ブルナマは、疲労と休養をタン監督が理由にしていると報じています。
 「6月のW杯予選、その直後のAFCチャンピオンズリーグ、さらにはMリーグ、マレーシアカップと今年1年間を通して代表とクラブの両方で国内外の試合に休まず出場してきた選手に疲労回復と休養を与えるために今回の招集を見送った。代表チームの首脳陣は彼らの能力を熟知しており、JDTの監督、コーチらとも話し合いを行った結果、今回の選手選考となった。」と説明しています。さらに主力が欠場するスズキカップは他の選手にとってはポジション奪取のための好機であるとも述べて、来年6月に予定されているAFC選手権アジアカップ3次予選に向けて代表チームの選手層を厚くするための選手選考であるとも説明しています。
 この他、ノー・アザム・アジー(スリ・パハンFC)、シャマー・クティ・アッバ(JDT)、ブレンダン・ガン(スランゴールFC)についてもそれぞれヒザの負傷、太ももの負傷、精巣腫瘍の治療を理由に招集しなかったことを説明しています。
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 東南アジアNo.1の称号が懸かるスズキカップですが、今回の招集メンバーは現在の代表が目指すべきはこのスズキカップ優勝ではなく、来年6月のアジアカップ予選突破であるというタン監督の決意の表れとも理解できます。その一方で前回大会では準優勝したスズキカップでメンバーを落として結果がグループステージ敗退となれば、アジアカップの前に自身の更迭論にも発展しかねません。
 そうならないためにもタン監督の覚悟に今回招集された選手たちが応えることに期待しましょう。

11月17日のニュース(2):スズキカップ出場の代表候補28名発表

スズキカップ出場の代表候補28名発表
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイトなどで、12月5日に開幕する東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020年大会に出場するマレーシア代表候補28名と代替追加候補3名を発表しています。
 この代表候補は来週11月22日からスランゴール州プタリンジャヤにあるFAM本部に隣接する施設で始まる合宿に参加しますが、明日11月18日にはマレーシアカップ準々決勝第2戦が行われることから、11月22日の合宿初日にはマレーシアカップ準決勝に残る4チーム以外のチームに所属する選手のみが招集となります。
 また11月22日と26日にはホームアンドアウェイ形式で行われるマレーシアカップ準決勝が予定されており、ここで敗退したチームの選手は11月28日に、そして11月30日の決勝に出場したチームの選手は翌12月1日にそれぞれ合宿に合流するということです。
 また「海外組」については所属クラブが合流日を決定するということですが、タイ1部でプレーするドミニク・タン(ポリス・テロFC)とジュニオール・エルドストール(チョンブリーFC)はリーグ第15節が11月27日と28日に予定されていることからチーム合流はこれ以降になりそうです。またデンマーク1部のFCミッティランでプレーするディオン・クールズは、デンマークカップ準々決勝となる11月13日のブレンビーIF戦後にデンマーク国内リーグが冬季オフ期間に入ることから早期の合流が期待されています。またベルギー1部のKVコルトレイクでプレーするルクマン・ハキム・シャムスディンはFIFAマッチデー期間外に行われたAFC U23アジアカップ予選にも出場していたので、こちらも代表合流がギリギリになることはなさそうです。
 タン・チェンホー代表監督は30人登録、試合当日のベンチ入り18名となっている今回のスズキカップ2020年大会に24名で臨むと話しており、今回招集される28名をさらに24名に絞り込んだ後、12月3日に隣国シンガポール入りするということです。
 なおスズキカップ2020年大会ではB組に入っているマレーシアのグループステージの試合日程は以下の通りです。
12月6日(月)対カンボジア@ビシャンスタジアム(午後5時30分)
12月9日(木)対ラオス@ビシャンスタジアム(午後5時30分)
12月12日(日)対ベトナム@ビシャンスタジアム(午後8時30分)
12月19日(日)対インドネシア@シンガポール国立競技場(午後8時30分)
 また2試合ずつ行われる準決勝と決勝は準決勝第1戦が12月22日または23日、第2戦が12月25日または26日、決勝は第1戦が12月29日、第2戦が2022年1月1日にいずれもシンガポール国立競技場で開催される予定です。
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 得点力不足に苦しむ代表に2人のストライカーが戻ってきます。いずれもケガのため今季リーグ戦では出場試合数が少なく6月のW杯予選には出場できなかったダレン・ロック(PJシティFC)とシャーれる・フィクリ(スランゴールFC)の復帰は今年2021年の代表戦の総得点4(7試合)ととにかく点が取れない代表にとっては朗報です。また総失点21と崩壊した守備陣には人材難のセンターバックにシャールル・サアド(JDT)がケガから復帰します。6月のW杯予選には出場できなかったため、ディオン・クールズあるいはジュニオール・エルドストールらとは初めて組むことになりますが、アイディル・ザフアン(JDT)とイルファン・ザカリア(KLシティFC-ただし今回はケガのため招集されていません)のコンビよりは安定感がありそうです。
 またAFC U23アジアカップ2022年大会の出場権を獲得したU22代表からは既にA代表でプレーするルクマン・ハキムに加えてムカイリ・アジマル(スランゴールFC)、クェンティン・チェン(ペナンFC)、アズリ・アブドル・ガニ(ペラFC)が昇格している点も目を引きます。
 その一方でU22代表に招集されながらチームがこれを拒否したアリフ・アイマンを筆頭に、ラヴェル・コービン=オング、マシュー・デイヴィーズ、ナズミ・ファイズ、そしてファリザル・マーリアスらこれまで代表の常連だったJDTの選手が招集されていない点も少々気になります。

スズキカップ2020年大会代表候補

氏名年齢所属
1. アブドル・ラザク34JDT
2. シャールル・サアド28JDT
3. サファウィ・ラシド24JDT
4.アキヤ・ラシド22JDT
5.モハマドゥ・スマレ27JDT
6.シャフィク・アフマド26JDT
7. ギリェルメ・デ・パウラ35JDT
8. リザル・ガザリ29クダ
9.アリフ・ファルハン25クダ
10.バドロル・バクティアル33クダ
11.ファイヤド・ズルキフリ23クダ
12.カイルルアズハン・カリド32スランゴール
13.シャミ・サファリ23スランゴール
14. ムカイリ・アジマル20スランゴール
15. シャーレル・フィクリ27スランゴール
16.アクラム・マヒナン28KLシティ
17.ケニー・パッラジ28KLシティ
18. アリフ・ファジラー25トレンガヌ
19. ファイサル・ハリム23トレンガヌ
20.ダレン・ロック31PJシティ
21. コギレスワラン・ラジ23PJシティ
22.カイルル・ファミ・チェ・マット32マラッカ
23. クェンティン・チェン22ペナン
24.アズリ・アブドル・ガニ22ペラ
25.ジュニオール・エルドストール30チョンブリーFC
26.ドミニク・タン24ポリス・テロFC
27.ルクマン・ハキム・シャムスディン19KVコルトレイク
28.ディオン・クールズ25FCミッティラン

代替招集候補

氏名年齢PASUKAN
1.カラムラー・アル=ファイズ26PJシティ
2.ロドニー・ケルヴィン25クダ
3.ハキミ・アブドラ22トレンガヌ

11月17日のニュース:タイ1部第12・13節-エルドストールはフル出場しタンは5戦連続出場、協会はAFCU23アジアカップ出場権獲得のU22代表監督との契約延長へ、空席の協会テクニカルディレクターは来年1月までに決定、過去2年間中止のU19とU21の国内リーグは来年2月に開幕

タイ1部第12・13節-エルドストールはフル出場しタンは5戦連続出場 
 2021/2022年シーズンのタイ1部リーグ第12節が11月9日から11日まで、第13節が11月13日と14日という過密日程で開催されましあた。マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCは首位ブリーラム・ユナイテッド戦の勝利を含む2連勝で4位を堅持、DFドミニク・タンが所属するポリス・テロFCは1勝1敗でこちらも順位は10位と変わっていません。

タイ1部リーグ第12節
2011年11月9日@トゥルースタジアム
バンコク・ユナイテッド 5-0 ポリス・テロFC
 GKのプラシット・ゴルダが2ヶ月分の給料未払いを明らかにしたポリス・テロFCは今季最大の5失点でバンコク・ユナイテッドに大敗しています。前半で3失点を喫したからか、これまでは試合終盤投入されていたドミニク・タンは61分から出場し、今季最長となる29分間プレーしています。

2021年11月10日@サームアーオスタジアム
PTプラチュワップFC 1-2 チョンブリーFC
 滝雅美率いるPTプラチュワップFCと対戦したチョンブリーFCが3連勝で4位を堅持。ジュニオール・エルドストールは先発してフル出場しています。なお翌第13節でも今季1部昇格のノーンブワ・ピッチャヤFCに敗れて5連敗となったPTプラチュワップFCは滝雅美を解任しています。
 (試合のハイライト映像はタイリーグ公式Youtubeチャンネルより)

タイ1部リーグ第13節
2011年11月13日@ブンヤジンダースタジアム
ポリス・テロFC 1-0 スパンブリーFC
 前節の大敗からこの日はフィリピン代表の佐藤大介選手が所属するスパンブリーFCとの対戦となったポリス・テロFCは1-0で勝利し、今季4勝目を挙げています。ドミニク・タンは前節から一転して90+2分からの出場となっています。

2021年11月13日@サームアーオスタジアム
チョンブリーFC 2-0 ブリーラム・ユナイテッド
 チョンブリーFCが首位のブリーラムに勝利し4連勝で4位を堅持。ジュニオール・エルドストールは先発してフル出場しています。
 (試合のハイライト映像はタイリーグ公式Youtubeチャンネルより)

タイ1部リーグ順位表(第13節終了)

順位チーム試合得失差勝点
1バンコク・ユナイテッド139221529
2ブリーラム・ユナイテッド138231126
3BGパトゥム・ユナイテッド12822626
4チョンブリーFC137331124
10ポリス・テロFC11445-316
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFC、ポリス・テロFCのみ表示しています。

協会はAFCU23アジアカップ出場権獲得のU22代表監督との契約延長へ
 マレーシアサッカー協会FAMは、来年6月にウズベキスタンで開催されるAFC U23アジアカップ2022年大会予選J組で首位となり本戦出場権を獲得したブラッド・マロニー監督との契約延長に向けた交渉を開始することを発表しています。
 英字紙スターによると、FAMのモハマド・サイフディン・アブ・バカル事務局長はオーストラリア出身のマロニーU22代表監督がFAMの設けた重要業績評価指標KPIを達成したとして、現在の契約が切れる今年12月以降の契約延長とAFC U 23アジアカップへの準備などについての話し合いを行うとしています。なおマロニーU22代表監督とチームは予選J組の試合が開催されたモンゴルから帰国後の検疫隔離期間中に行われた検査で新型コロナの陽性反応を示した者が出たことから、検疫隔離期間が延長されていました。
 U23代表は2022年には6月1日から19日まで開催されるAFCU23アジアカップに加えて、5月12日から23日には東南アジア競技大会通称シーゲームズ(ベトナム)、さらに9月10日から25日にはアジア競技大会(中国)などが控えています。
 FAMの理事会後に記者会見したサイフディン事務局長は、この他、来年2022年10月に予定されているAFC U17選手権予選に向けても早急に首脳陣を決定し、2006年以降に生まれた選手からU17代表を編成するとも述べていますが、これは2023年にバーレーンで開催されるAFC U17選手権が同年にペルーで開催されるFIFA U17ワールドカップの予選も兼ねていることからであると説明し、U17代表は来年4月には大会に向けてサウジアラビアかアラブ首長国連邦での合宿も予定しているということです。

空席の境界テクニカルディレクターは来年1月までに決定
 9月末にオン・キムスイ氏がMリーグ1部のサバFCの監督に転身したことにより空席となっているマレーシアサッカー協会FAMのテクニカルディレクター職(TD)について、FAMのモハマド・サイフディン・アブ・バカル事務局長は来年1月には決定すると話していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 報道陣から候補者がマレーシア人か外国籍かを問われたサイフディン事務局長は、現時点ではそのような絞り込みはできていないと答え、選考は候補者の経験に基づいて行い、さらにFIFAやAFCなどにも経歴の確認などを行い、最良の人物を選びたいとしています。
 なおオン氏がサバFC監督に就任した後は、後任としてサラワク・ユナイテッドFCのテTDで元代表監督のB・サティアナタン氏や、FAMと青年スポーツ省が共同で運営する国家サッカー選手育成プログラムNFDPのサアド・イシャラレンTDなどの名前も上がっています。

過去2年間中止のU19とU21の国内リーグは来年2月に開幕
 新型コロナウィルスの感染拡大に伴い2020年と2021年の2年連続で中止となっていたU19国内リーグのユースカップとU21国内リーグのプレジデントカップについて、この両大会を主催するマレーシアサッカー協会FAMは来年2022年2月に開幕を予定していることを発表しています。
 ブルナマの報道によるとFAMの協議委員会の委員長も務めるモハマド・フィルダウス・モハメド会長代行は2月の中旬あるいは下旬からの開幕に向けて、国内の新型コロナ対策を担う国家安全保障委員会NSCに対して、ユースカップとプレジデントカップの開催申請を行った結果、承認を受けたことを明らかにしています。
 20から22チームが参加するユースカップとプレジデントカップは、従来は参加全チームをそれぞれ2グループに分けてホームアンドアウェイ方式でグループステージを行い、そこから勝ち上がった各グループの上位4チームが準々決勝に進み、そこからはトーナメント方式で優勝チームを決定していましたが、新型コロナ禍の中で開催を模索した昨年2020年と今年は、移動距離を減らすために国内を3つの地域に分けるなど方式を変更して開催を試みたものの、結局は中止に追い込まれています。




11月6日のニュース:AFCU23アジアカップ出場権獲得のU22代表監督は続投に意欲、サバFCのインドネシア代表選手が旧所属クラブの所得税未納で出国できず、MFLはSOP違反に厳格に対処-スチュアートCEO、JDTオーナーはガンによる給料半減の話は真実と改めて主張

AFC U23アジアカップ出場権獲得のU22代表監督は続投に意欲
 先日行われたアジアサッカー連盟AFC U23アジアカップ2022年大会予選を突破したマレーシアU22代表のブラッド・マロニー監督は、来年6月にウズベキスタンで開催されるAFC U23アジアカップ本選で指揮をとることに意欲を見せていると、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 マロニー監督が率いたU22代表はモンゴルのウランバートルで開催された予選J組では宿敵タイと引き分けるなど2勝1分でグループ首位となり、2018年の中国大会に次ぐ2度目の本選出場権を獲得しています。なおこの2018年大会では現在はサバFCの監督を務めるオン・キムスイ氏が監督を務め、マロニー氏はアシスタントコーチでした。
 マロニー監督とFAMの契約は今年末までとなっており、マロニー監督は最終決定権はFAMにあるとしながらも
 来年2022年の本大会出場のU23代表候補には、今回の予選でクラブの召集拒否にあったフル代表でもプレーするFWアリフ・アイマン(JDT)やMFワン・クズリ・ワン・カマル(米国アクロン大学)、負傷により今回の代表召集を辞退したシャールル・ナジーム(スランゴールFC)、いずれも膝前十字靭帯損傷から復帰途中のFWハディ・ファイヤッド(J2岡山からJ3沼津に期限付き移籍中)やGKラハディアズリ・ラハリム(トレンガヌFC)、さらには現在開催中のマレーシアカップで活躍するダニアル・アスリ(スランゴールFC)など、今回の予選に出場できなかったタレント軍団も控えており、アストロ・アリーナの取材に対してマロニー監督は「最終的にはFAMが決定することだが、このチームに対する私の信頼はとても大きく、また選手達を誇りに思っており、可能であるならばこのチームとともにできる限り長く戦いたい。」と従来の発言を繰り返しています。
 マロニー監督はウズベキスタンでの本選に向けては現在、50名以上の候補選手をリストアップしていることも明かす一方で、出場資格のある全ての選手に(本大会に)出場するチャンスがあるとも述べ、この50名のリストから選手を選ぶことには固執していないとも話しています。

サバFCのインドネシア代表選手が旧所属クラブの所得税未納で出国できず
 サバFCでプレーするFWサディル・ラムダニはインドネシアU22代表とフル代表でプレーする選手ですが、リーグ戦終盤のケガでベンチを外れ、アジアサッカー連盟AFC U23アジアカップに出場するインドネシアU22代表に招集された際にはクラブがケガからの回復を理由に招集を拒否させるほどでした。
 そこで自国インドネシアへ戻って治療を受けようとしたラムダニ選手ですが、出国時の審査でおよそ4万3000リンギ(およそ117万円)の所得税未払いが発覚し、これを理由に出入国管理局に拘留されたことをインドネシアの全国紙、コンパスが報じました。この報道で明らかになったのは、所得税が未払いなのは現在、所属するサバFCではなく、2019年に在籍したパハンFA(現スリ・パハンFC)であることが報じられると驚きが広がりました。
 ラムダニ選手は全ての責任はかつて所属したクラブにあるとして、速やかな解決と即時の出国を求める事態になりましたが、スリ・パハンFCはこの報道が出ると直ちに対応したようで、クラブの公式Facebookでは内国歳入庁(日本の国税庁にあたる)と出入国管理局と交渉の結果、ラムダニ選手の出国が可能になったことを明らかにしています。
 この件についてはインドネシアのザイヌディン・アマリ青年スポーツ相がインドネシアサッカー協会PSSIとともにクアラルンプールのインドネシア大使館にラムダニ選手と接触するように求めるなどインドネシア側も巻き込んだ一騒動になっています。
 報道通りであれば、既にインドネシアに戻っているラムダニ選手ですが、これまではケガによりインドネシアU22代表とフル代表の監督を兼ねるシン・テヨン監督の招集に応じることができませんでしたが、12月にシンガポールで開催される東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップへの出場には意欲を見せているということです。

MFLはSOP違反に厳格に対処-スチュアートCEO
 現在開催中のマレーシアカップは10月29日の第4節から人数制限があるものの、スタジアムでの観戦が可能になっていますが、その一方で観戦者に対してはスタジアム内での常時マスク着用の義務や飲食の禁止などの標準作業手順SOPの遵守が求められています。
 そんな中、第4節のマラッカ・ユナイテッドFC対ケランタン・ユナイテッドFC戦が開催されたハン・ジェバスタジアムの一室で会食が行われている写真がネット上に流失し、マレーシアカップを主催するMFLがマラッカ・ユナイテッドFCを優遇しているとの批判が出ていると、マレーシア語紙シナルハリアンが伝えています。
 これに対してMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOはこの批判に反論し、あらゆるSOP違反に対しては厳格に対応すると述べ、マラッカ・ユナイテッドFCに対する調査を開始していると述べています。「MFLは既に事実確認のためにマラッカ・ユナイテッドFCに問い合わせを行なった。またこの件はMFL理事会で議論されることになる。」と述べたスチュアートCEOに対し、マラッカ・ユナイテッドFCのモハマド・サイフル・マット・サペリ理事はMFLの調査を受けたことを認め、現在はMFLに判断を委ねていると述べ、今後はスタジアム内での会食は行わないと述べています。
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 この第4節直前にはチーム内で20名以上の新型コロナ陽性者が見つかったヌグリスンビランFCがクラスター化したことからマレーシアカップグループステージを途中辞退しており、MFLとしてもスタジアムでの観戦解禁に合わせて感染予防と対策に特に力を入れていた際に起こったこのSOP違反疑惑ですが、結局は毎度お馴染みのお咎めなしといったマレーシア特有の誰も悪者にしない灰色決着に落ち着くんだろうなぁ。

JDTオーナーはガンによる給料半減の話は真実と改めて主張
 JDTオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が、ガン治療により試合に出場できない選手の給料を半減したクラブを批判し、これに該当すると思われるブレンダン・ガンと所属するスランゴールFCの双方がその事実を否定しているという記事をこのブログでも昨日取り上げましたが、スランゴールFCとガン選手が否定したことで、イスマイル殿下の情報が誤っている、さらにイスマイル殿下の発言はスランゴールFCへの当て擦りだという逆に批判的な声がネット上で上がる事態になっています。
 マレーシア語紙ハリアンメトロは、そういった声に対しイスマイル殿下は改めて自身の発言を事実であると述べていると報じ、この事実は該当する選手のチームメートから直接聞いたと話しているということです。(昨日のブログでは「イスマイル殿下は本人から直接聞いたと話している」と書きましたが、私が読み間違えていたようです。お詫びして訂正します。)
 「この選手はチームメートに対して、クラブが来季の給料を半減したがっていると話し、このチームメートがそのことを私に知らせてくれた。」と述べたイスマイル殿下は、さらにクラブが給料の半減をしたがっているのは今季ではなく来季2022年の給料であることも述べています。(ここも私が誤解していました。お詫びして訂正します。)
 さらに「この選手はクラブに大変な貢献をしてきたにも関わらず、ガンになったという理由だけで給料を半減されようとしていることから私が声を上げた。このようなクラブの対応をこの選手も公にしたいのではないか。」と述べたイスマイル殿下ですが、改めて自身の発言を肯定したことで、この騒動はまだまだ沈静化しそうにありません。