12月25日のニュース:スズキカップ早期敗退の原因と指摘された国内日程にMFLが反論、タン代表監督はアジアカップ予選に向けて十分な準備期間を求める、部外者は実情を何も知らない-ファイサル・ハリム、代表チームマネージャーが帰化プログラムの有効性を疑問視する発言

 スズキカップ2020はいよいよノックアウトステージとなり、12月22日と23日には準決勝第1戦が行われました。シンガポール対インドネシア、タイ対ベトナムのいずれの試合も好ゲームでした。ベトナムの対東南アジア代表チーム連勝記録をストップさせたタイは、W杯予選時とは全く別のチームになっていますし、悲願のスズキカップ初優勝を狙うインドネシア、さらには開催国の利点を生かしたシンガポールと、ベトナム1強かと思われた大会はまだまだ予断を許さない試合が続きそうです。

スズキカップ早期敗退の原因と指摘された国内日程にMFLが反論

 スズキカップ2020は準決勝が行われていますが、代表チームがグループステージで敗退したことから、マレーシア国内ではメディア報道も含めて大会そのものへの関心は低下しています。しかしその一方で今回の「戦犯探し」は続いており、その非難の矛先は国内リーグやカップ戦を主催するマレーシアンフットボールリーグMFLにも向けられています。
 国内カップ戦マレーシアカップの決勝が11月30日に開催され、スズキカップ2020に出場する代表メンバー(国内組のみ)の全員が顔を合わせたのがシンガポール出発前日の12月2日でした。そこから12月6日のスズキカップの初戦までの期間が短すぎて、代表チームには十分な準備期間がなかったのは日程を作成するMFLの責任だ、と言うのが非難の内容です。
 これに対してMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、今季の日程は新型コロナの影響を受けた国内リーグ戦とカップ戦を無事終えるためであった一方で、代表の試合日程にも配慮して作成されたとして、グループステージ敗退の原因がMFLの日程によると言う主張を真っ向から否定していると、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 「スズキカップ前の準備期間が短くなってしまったのは、Mリーグやマレーシアカップの日程が原因ではなく6月のW杯予選と10月の中東遠征、そしていずれも帰国時に義務付けられていた検疫隔離期間が原因である。これによりMリーグとマレーシアカップは合わせて1ヶ月半以上の中断を強いられが、MFLはFAMと協調してこの中断を受け入れた。昨年から今年にかけては新型コロナの影響で国内リーグの日程にも大きな影響が出ていることも理解して欲しい。」と話したスチュアートCEOは、日程については議論の余地があることは理解しているが、マレーシアのサッカー界は現実を理解する必要があるとも述べています。
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 W杯予選は別として、10月の中東遠征に関しては後知恵ではありますが、その実施をもう少し慎重に考えても良かったのかもしれません。遠征と帰国後の検疫隔離期間によってマレーシアカップは1ヶ月ほど中断しましたが、もしこの遠征を行わず、マレーシアカップが1ヶ月早く終了していれば、その期間を代表合宿に活用できたはずですし、さらにミャンマーやインドネシア、シンガポールのように大会前に国外で代表合宿と練習試合を行い、そこから直接、シンガポール入りする方法もありました。
 一方で昨季はMリーグは試合数が半減し、マレーシアカップは途中で中止となったこともあり、入場料収入が貴重な財源となっている各クラブの収入は激減しており、MFLはプロリーグとしての存続をかけてリーグ戦とカップ戦開催に尽力したと思いまし、W杯予選に加え、中東遠征によるリーグ戦やカップ戦の中断を受け入れのはマレーシアサッカー協会FAMに対する最大の譲歩だったはず。まえーシア政府が今後も渡航者全員を対象とする検疫隔離を続けるのであれば、同様のことも起こりうるわけで、そのためにもFAMとMFLの間での日程調整作業が必要になります。

タン代表監督はアジアカップ予選に向けて十分な準備期間を求める

 スズキカップ2020ではグループステージ敗退に終わったマレーシア代表ですが、現場の声も少しずつですが報じられ始めています。そんな中、タン・チェンホー監督は、その原因を準備期間不足と分析しているとスタジアムアストロが報じています。
 今大会の総括としてタン代表監督からはマレーシアサッカー協会FAMに詳細な報告書が提出されることになっていますが、その中では来年6月に予定されているAFC選手権アジアカップ2023年大会最終予選に向けて選手を早めに招集し、練習試合の日程も速やかに確定させるべきだという提言が含まれるようです。
 「国際マッチデー期間には代表チームにの日程を優先させることはFAMとMリーグを運営するMFLとの間の同意事項であり、これに基づき、練習試合の日程作成と代表合宿の早めの開催が必要になる。(アジアカップ最終予選までの)6ヶ月はあっという間に過ぎてしまうので、最終予選突破のためのベストチームを直ちに編成する必要がある。」とタン代表監督は述べています。
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 上の記事でも書きましたが、FIFAマッチデー期間とは言えマレーシアカップを中断してまで代表チームが10月の中東遠征を行った理由の一つに、9月の国際マッチデー期間(8月30日から9月7日)に国内リーグの日程を優先してリーグ戦を開催し、代表合宿を行わなかったことがあります。しかも10月の中東遠征も「見えない手」の影響があったのかなかったかJDTの選手を中心にタン監督が臨んだ選手全員を招集できたわけではなく、結果として、この10月の中東合宿がスズキカップ2020の準備となったのかどうかを問われれば、その効果は限定的だったように思えます。

部外者は実情を何も知らない-ファイサル・ハリム

 タン代表監督に続いてスズキカップ2020に関して発言したのがFWファイサル・ハリム(トレンガヌFC)です。代表チームが12月3日に大会開催地のシンガポールへ入国した際に行われた新型コロナ検査でファイサル選手は陽性反応を示して10日間の隔離を義務付けられ、グループステージのラオス戦、カンボジア戦、ベトナム戦には出場できず、出場可能となったのはグループステージ最終戦インドネシア戦のみでした。
 スタジアムアストロの取材に対して失望感を隠さずに応じたファイサル選手は、大会前の準備の失敗が敗因だったと認めた一方で、代表チームに起こっていた状況を知らずに批判を受けるのは公平ではないと述べています。
 「初戦までの6日間しか準備期間がなかったチームが成功するはずはなく、我々選手は魔法使いでもない。マレーシアカップ敗退後の休暇を返上して代表のために全力を尽くすことを誓った自分としては、今回の敗戦は残念なだけでなく受け入れることが難しい。」とファイサル選手が述べるように、24名と発表されたスズキカップ2020出場の代表は国内組全員21名が揃ったのが12月1日、しかも海外組2名は12月3日に現地合流する中、初戦となった12月6日のラオス戦に臨みました。しかしもう1人の海外組でデンマーク1部FCミッティランでプレーするディオン・クールズに至ってはインドネシア戦直前の12月16日にシンガポール入りと、全24名が揃ったのがすでに3試合を終えた12月16日ではファイサル選手の指摘を受けるまでもなく準備不足は明らかでした。
 またわざわざデンマークから参戦し、インドネシア戦のみ出場となったクールズ選手は自身のインスタグラムに投稿し、今回の結果については早く忘れ、次の機会にはより強くなってチームで臨みたいと述べています。

代表チームマネージャーが帰化プログラムの有効性を疑問視する発言

 スズキカップ2020に出場したマレーシア代表のチームマネージャー(TM)が帰化選手プログラムの有効性を疑問視する発言をしたことをスタジアムアストロが報じています。
 Mリーグで5年以上プレーし、FIFAが規定する「同一国で5年以上継続して滞在していること」を条件とする帰化選手の資格を得たブラジル出身のギリェルメ・デ・パウラとコソボ出身のリリドン・クラスニキの両選手に対し、マレーシアサッカー協会FAMは代表チーム強化を目的とする帰化選手プログラムの一環として両選手のマレーシア国籍取得を支援しました。
 その結果、デ・パウラ、クラスニキの両選手は今年6月に行われたFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選に出場しましたが、いずれも活躍というには程遠く、代表チームも2次予選で敗退しました。
 今回のスズキカップ2020には35歳のデ・パウラ選手だけが招集されましたが、グループステージ4試合中で先発したのは1試合だけと今大会でも絶対的な戦力とはならず、準決勝進出を目標としていた代表チームはまさかのグループステージ敗退となったことから、代表チームサポーターを中心に帰化選手不要論なども出ていました。
 スタジアムアストロの取材にたいしてユソフ・マハディ代表TMは、帰化選手が代表チームで効果的な役割を果たしていなかったとして、代表でプレーすることに誇りを持つマレーシア人選手を代わりに招集するべきという意見に同意しています。
 「(6月のW杯予選とは異なり)スズキカップは東南アジア内の大会であり、帰化選手のデ・パウラ選手は今度は活躍できるだろうと期待していたが、大会で見せた彼の能力には全く裏切られた。」と述べたユソフTMは、今大会を見ても帰化選手プログラムの有効性をこれ以上擁護するのは難しくなっているとも話す一方で、タン・チェンホー代表監督が今後も帰化選手を代表チームに招集する場合には、FAMの代表チーム運営委員会でその必要性を議論するとも話しています。

12月21日のニュース:FAMはスズキカップ早期敗退の責任を認める、トレンガヌFCのナフジ監督は続投が決定

 マレーシアは先週末の記録的な大雨によりクアラルンプールやスランゴール州の首都圏やその周辺地域では2万人とも3万人とも言われる被災者を出しています。1ヶ月分に当たる降水量がわずか3日で降る豪雨による被害の影響は大きく、サッカーどころではないですが、被災者の皆さんが速やかに自宅へ戻れることを祈りつつ今日のニュースです。

FAMはスズキカップ早期敗退の責任を認める

 東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020でマレーシア代表がグループステージ敗退となったことを受け、マレーシアサッカー協会FAMはこの敗退の全責任を負うと公式サイトで発表しています。
 当初の目標であった準決勝進出を逃したマレーシア代表について、FAMのハミディン・アミン会長は現場からの報告を受け取り次第、FAM内の代表チーム運営委員会でスズキカップでのチームのパフォーマンス内容や敗因についての詳細な分析を行うとしています。
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 今年6月のワールドカップ予選敗退の際にはこのような発表はなかったので、今回の敗戦のショックはファンだけでなく、協会にとっても大きかったようです。敗因分析の結果が公表されるかどうかは分かりませんが、選手選考の段階から問題があったとされる今回の代表チームですので、運営面や選手選考などについて見直しが行われるでしょうが、選手のパフォーマンス自体も今回のスズキカップ2020で準決勝に進出した4チームには遠く及ばず、運営と現場の双方が改善されなければ、東南アジア上4強との差は縮まりそうにありません。
 なお多くのメディアでは既にスズキカップ2020のグループステージ敗退の原因解明が始まっています。このブログでも何度か取り上げた、30名登録可能にも関わらず24名しか登録しなかった「24名登録問題」に加え、国内カップ戦の決勝が11月30日に開催されたわずか3日後の12月3日に代表がシンガポール入りとなった「準備期間の不足」、マレーシアサッカー協会FAM主導で行われた帰化選手プログラムの3選手中、今回の代表招集は1名でしかも大会ではスタメンは1回だけの「帰化選手プログラムの失敗」などがその主な原因に上がる一方で、タン代表監督の選手招集を妨げる外部圧力の「見えない手」(これについてはまた機会を作って取り上げる予定です)まで取り沙汰されています。
 マレーシアのタン監督以外は全員が外国籍監督だった今回のスズキカップ2020で、グループステージでは同じB組から準決勝へ進んだベトナム、インドネシアが韓国人監督であることや、やはり準決勝へ進んだ開催国シンガポールが吉田達磨監督であることから、アジア人監督待望論なども出ているようで、来年6月に予定されているAFC選手権アジアカップ2023年大会最終予選はタン監督以外が監督をしている可能性もありそうです。

トレンガヌFCのナフジ監督は続投が決定

 今季のMリーグ1部スーパーリーグで4位に終わったトレンガヌFCは、今季指揮を取ったナフジ・ザイン監督が来季も続投することを発表しています。
 トレンガヌFCを運営するTFC社はトレンガヌ州首相でもあるアフマド・サムスリ・モクタル トレンガヌ州サッカー協会会長を議長として12月6日に理事会を開催し、続投を求めるオファーをナフジ監督に出していましたが、マレーシア語紙ハリアンメトロはこのオファーをナフジ監督が受けたことを報じています。
 スーパーリーグでは4位、そしてリーグ戦後のマレーシアカップでは準決勝でJDTに敗れてベスト4止まりだった今季のトレンガヌFCは、TFC社が今季開幕前に設定した重要業績評価指数KPIをナフジ監督が達成できなかったこともあり、シーズン終了後、直ちに続投オファーが出されませんでした。またTFC社から続投オファーが出た後もナフジ監督が受諾した報道がなかなか出なかったことから、来季は他のクラブでの監督就任も噂されるなど、その去就に注目が集まっていましたが、TFC社のサブリ・アバスCEOはナフジ監督から監督受諾の連絡を受け取ったことを明らかにしています。
 

12月20日のニュース:スズキカップ2020-マレーシアはインドネシアに完敗でグループステージ敗退

2021年12月19日@シンガポール国立競技場(シンガポール)
マレーシア 1-4 インドネシア
得点者:マレーシア-コギレスラワン・ラジ(13分)、インドネシア-イルファン・ジャヤ2(36分、43分)、プラタマ・アルハン(50分)、エルカン・バゴット(82分)

スズキカップ2020のグループステージB組の最終節が行われ、インドネシアが先制点を許すものの4-1の逆転勝利でマレーシアを破り、準優勝した2016年大会以来の準決勝進出を決めています。最終節のもう1試合はベトナムがカンボジアを4-0で破っています。この結果、B組は1位インドネシア、2位ベトナムとなり、12月22日(水)から始まる準決勝はタイ対ベトナム、インドネシア対シンガポールのカードに決まりました。前回2018年大会準優勝のマレーシアは今大会はグループステージ敗退となりました。
 準決勝に進出するためにはこの試合での勝利が必要なマレーシア代表のタン・チェンホー監督は、フォワード5人、ミッドフィルダー1人(1-4-1-4)の布陣を選択。開始直後にはインドネシアに攻め込まれるも、13分にインドネシアDFのクリアミスを奪ったFWコギレスラワン・ラジがペナルティエリアの外からゴールを決め、マレーシアに欲しかった先制点が入ります。
 この試合は引き分けでも準決勝進出が決まるインドネシアは、先に失点したことで攻撃陣のギアが入り36分にはDFラインの裏に抜け出したウィタン・スライマンのマイナスのクロスをイルファン・ジャヤが蹴り込んで同点とし、さらに前半終了間際の43分にはプラタマ・アルハンがゴール前に持ち込んで放ったシュートのこぼれ球をイルファン・ジャヤが押し込んで逆転します。
 後半に入るとタン監督は負傷のFWサファウィ・ラシドに代えて、DFドミニク・タンを投入し、前半はセントラルディフェンダーとしてプレーしたディオン・クールズのポジションを上げて攻撃的ミッドフィールダーとして起用して攻撃を続けますが、逆に50分にはコーナーキックからのクリアを奪ったプラタマ・アルハンがペナルティエリアの外からシュートを決めて3点目、さらに82分にはコーナーキックからエルカン・バゴットがGKカイルル・ファミに競り勝つヘディングシュートを決めて駄目押しの4点目が入りました。
 先制点を奪ったところまではシナリオ通りだったマレーシアですが、ベトナム戦と同様にパスを出すタイミングがワンテンポ遅いところにインドネシア選手が詰め、そこでボールを奪われたり、苦し紛れのパスを出すしかなくなるなど、追加点を取るための中盤を組み立てることができませんでした。
 インドネシアの1点目、2点目はいずれも左SBに入ったシャーミ・サファリのマークが不十分でしたが、所属するスランゴールFCでは今季は右SBで出場しており本職ではありません。また3点目はプラタマ・アラハンの狙い澄ましたゴールも見事でしたが、GKカイルル・ファミのポジショニングが前すぎたようにも見えました。さらにCBが本職のドミニク・タンではなく所属クラブでは右SBでプレーするディオン・コールズをCBとして起用するなど、この試合だけでなく大会を通じてタン監督の選手起用法にも疑問が残りました。
 またこの試合ではケガで途中退場したドミニク・タン(サバFC)、第3節のベトナム戦でいずれもハムストリングを痛めたシャールル・サアド、アイディル・ザフアン(ともにJDT)のCB3選手は所属チームではいずれも出場試合が非常に少なく、もしそれが影響しているとすれば、開幕前に指摘されていた大会規定により30名登録可能にもかかわらず、24名しかシンガポールへ連れて行かなかった選択を含め、タン監督とマレーシアサッカー協会FAMの選手選考にも検証が必要でしょう。
 JDTの選手を中心にすぐに倒れてファールをもらおうとする国内リーグでの癖が抜けなかった選手たちに対して、マレーシアのテレビの解説者からは「気力が感じられない」と酷評されるなどいいところが何一つなかった敗戦ですが、来年6月に予定されているAFC選手権アジアカップ2023年大会最終予選に向けては、同じく予選に出場するインドネシアとも明らかに差が開いたことも明らかになった敗戦でもありました。また今大会参加国中、代表監督が外国籍ではなかった唯一の国がマレーシアでしたが、今回のグループステージ敗退によって今後は外国籍監督待望論が出てくる可能性もあります。

(試合のハイライト映像はスズキカップ2020nの公式YouTubeチャンネルより)

スズキカップ2020- ベトナムはカンボジアを完封も得失差でグループ2位で準決勝進出

2021年12月19日@ビシャンスタジアム(シンガポール)
ベトナム 4-0 カンボジア
得点者:グエン・ティエン・リン2(3分、27分)、ブイ・ティエン・ドゥン(55分)、グエン・クアン・ハイ(57分)

グループステージB組最終順位
*インドネシアとベトナムは勝点と得失点差で並んだものの、インドネシアの総得点13に対してベトナムは9のため、インドネシアがB組の1位に決定

順位チーム得失差勝点
*1インドネシア4310910
2ベトナム4310910
3マレーシア420206
4カンボジア4103-53
5ラオス4004-130

グループステージA組最終順位

順位チーム得失差勝点
1タイ4400912
2シンガポール430149
3フィリピン420266
4ミャンマー4103-63
5東ティモール4004-130

スズキカップ2020日程および結果

*既に終了している試合の詳細については、試合結果をクリックするとスズキカップ2020公式サイト(英語)へ飛ぶことができます。

<グループステージA組>

2021年12月5日(日)
東ティモール 2-0 タイ
シンガポール 3-0 ミャンマー

2021年12月8日(水)
ミャンマー 2-0 東ティモール
フィリピン 1-2 シンガポール

2021年12月11日(土)
東ティモール 0-7 フィリピン
タイ 4-0 ミャンマー

2021年12月14日(火)
フィリピン 1-2 タイ
シンガポール 2-0 東ティモール

2021年12月18日(土)
タイ 2-0 シンガポール
ミャンマー 2-3 フィリピン

<グループステージB組>

2021年12月6日(月
カンボジア 1-3 マレーシア
ラオス 0-2 ベトナム

2021年12月8日(水)
マレーシア 4-0 ラオス
インドネシア 4-2 カンボジア

2021年12月12日(日)
ラオス 1-5 インドネシア
ベトナム 3-0- マレーシア

2021年12月15日(水)
カンボジア 3-0 ラオス
インドネシア 0-0 ベトナム

2021年12月19日(日)
ベトナム 4-0 カンボジア
マレーシア 1-4 インドネシア

<準決勝第1回戦>

2021年12月22日(水)
A組2位 – B組1位(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月23日(木)
A組1位 – B組2位(20時30分@シンガポール国立競技場)

<準決勝第2回戦>

2021年12月25日(土)
B組1位 – A組2位(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月26日(日)
B組2位 – A組1位(20時30分@シンガポール国立競技場)

<決勝第1回戦>

2021年12月22日(水)
A組2位 – B組1位(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月23日(木)
A組1位 – B組2位(20時30分@シンガポール国立競技場)

<決勝第2回戦>

2021年12月29日(木)
準決勝勝者1 – 準決勝勝者2(20時30分@シンガポール国立競技場)

2022年1月1日(土)
準決勝勝者2 – 準決勝勝者1(20時30分@シンガポール国立競技場)

12月19日のニュース:スズキカップ2020-今日のインドネシア戦を前に隔離終了のアキヤ・ラシドらが出場可能に、来季ペナンでプレーのエンドリックをJDTが23年シーズンに獲得表明

スズキカップ2020-今日のインドネシア戦を前に隔離終了のアキヤ・ラシドらが出場可能に

 昨日のグループステージA組最終節ではタイが追い縋るシンガポールを振り切って2-0で勝利し、1位タイ、2位シンガポールの両チームが準決勝進出を決めています。本日行われるB組の最終節では、現在、グループ3位のマレーシアは首位インドネシアと、2位のベトナムは4位のカンボジアと対戦します。ベトナムの勝利はほぼ確実なので、マレーシアが準決勝に出場するためにはインドネシア戦の勝利あるのみで、この試合に勝利することができればB組の2位として準決勝ではA組1位のタイと対戦します。
 そのマレーシア代表ですが、所属クラブの試合日程の都合から木曜日にシンガポール入りしチームに合流したディオン・クールず(デンマーク1部FCミッティラン)に加え、新型コロナ検査で陽性となっていたアキヤ・ラシド(JDT)が10日間の隔離を終えてチームに復帰した他、初戦のカンボジア戦で腹筋を痛めていたジュニオール・エルドストル(タイ1部チョンブリーFC)も練習に参加していると、マレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。
 とは言えアイディル・ザフアン、シャールル・サアド(いずれもJDT)の両センターバックはともにハムストリングを痛めてインドネシア戦は出場が絶望視されており、ディフェンダー陣にはやや不安があるマレーシアに対し、この試合は引き分けでも準決勝進出となるインドネシアは先日のベトナム戦と同様に全員が身体を張る守備的な布陣が予想されます。
 インドネシア戦に先立って行われたオンラインの記者会見では、その守備をこじ開けない限り勝利がないマレーシアのタン・チェンホー代表監督は初戦のラオス戦でMOMに選ばれたアキヤ・ラシドがチームに戻ってくることで、ベトナム戦無得点に終わったフォワード陣について、ベトナム戦でセンターフォワードとして起用されたルクマン・ハキム(ベルギー1部KVコルトレイク)に代わり、帰化選手のギリェルメ・デ・パウラ(JDT)がカンボジア戦以来の先発に復帰する可能性やここまでは先発出場のないシャーレル・フィクリ(スランゴールFC)の起用などもほのめかしていたということです。
 なおインドネシアとマレーシアの対戦成績は直近の8試合では4勝4敗ですが、同組となったFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選ではホームとアウェイで2連勝しています。

来季ペナンでプレーのエンドリックをJDTが23年シーズンに獲得表明

 今季のマレーシアカップでは大方の下馬評に反しKLシティFCに敗れて連覇を逃したJDTは、クラブ経営から引退をほのめかしていたオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が俄然、やる気を見せて来季に向けて選手の大幅な入れ替えを含めた積極的な補強を行うことを表明しています。トップチームではクラブ歴代最多ゴールを記録しているゴンザロ・カブレラが退団し、代表でもプレーするシャフィク・アフマドを期限付き移籍で放出、またMリーグ2部プレミアリーグでプレーするJDT IIでも外国籍選手との契約を更新せず、複数のマレーシア人選手を他のクラブへ期限付き移籍させるなど、新たな選手を受け入れる準備を着々と進めています。
 そんな中で、既に来季の契約をペナンFCと結んでいるエンドリックを2023年に帰化選手として獲得する予定であることがJDTのクラブ公式Facebookで発表され、ペナンFCのサポーターを中心に波紋を投げかけています。
 Mリーグ1部スーパーリーグで8連覇を果たしたJDTはオーナーが皇族ということもあり、ある意味、国内リーグではやり放題、もとい非常に影響力を持つチームですが、さすがにこの発表はエンドリック選手と契約しているペナンFCに対して敬意を欠くあるいは職業倫理に反するという声が上がっています。(それ以上に選手があるクラブと契約中に他のクラブが獲得に動けば間違いなくタンパリング(tampering、イギリス英語ではtapping up)ですが、マレーシアのメディアではこれについて言及しているものはありません。)、
 ソーシャルメディアではこのJDTの行為に対して、エンドリック選手はもともとJDTの選手であり、ペナンFCには期限付き移籍しているだけなので何の問題もない、といった投稿があると、サッカー専門サイトのラ・ボラが報じていますが、それが真実であれば隠す必要は全くなく、単に期限付き移籍の期間が延長されたとJDTあるいはペナンFCが発表するはずですので、これは事実ではなさそうです。
 現在26歳のエンドリック選手は、2018年にマレーシア政府系企業である連邦土地整理統合局(通称フェルクラ)が運営するMリーグ2部プレミアリーグのフェルクラFC(現在は既に解散)に加入し、翌2019年にはMリーグ1部スーパーリーグのスランゴールFA(当時、現スランゴールFC)へ移籍しています。そのスランゴールFAではケガでたびたび試合を欠場するもその原因は医療スタッフにも解明できずこのシーズン限りで退団し、2020年はプレミアリーグのペナンFCに移籍するとここでは新型コロナの影響で11試合に短縮されたリーグ戦では10試合に出場し8ゴールを挙げなど、クラブのプレミアリーグ優勝に貢献してチームを1部に昇格させる原動力となりました。今季もリーグ戦とカップ戦を合わせた出場試合数ではチーム最多タイの23試合に出場し、昇格初年度に3位となったクラブの躍進を支えました。

12月17日のニュース:スズキカップ2020-インドネシアサポーターが隔離措置をめぐって大会主催者とサファウィ・ラシドを非難

スズキカップ2020-インドネシアサポーターが隔離措置をめぐって大会主催者とサファウィ・ラシドを非難

スズキカップ2020はグループステージB組の第4節が行われ、第1試合はJ3の藤枝MYFCやマレーシアリーグのパハンFA(現スリ・パハンFC)でもプレー経験があるチャン・ワタナカの2ゴールなどでカンボジアがラオスを3-0で破り、今大会初勝利を挙げています。

第2試合のベトナム対インドネシア戦は、ベトナムが勝利すれば準決勝進出が決まりましたが、マレーシア戦に比べると動きも悪かったベトナムに対して、インドネシアが文字通り身体を張った守備でゴールを死守し、0-0のスコアレスドローで終わっています。

この試合のMOMがインドネシアDFのアルフェンドラ・デワンガであったことからもわかるようにインドネシアの守備が光った試合ですが、この大事な試合に出場できなかったのが英国2部イプスウィッチタウンでプレーするDFエルカン・バゴットでした。第3節のラオス戦には後半から出場していたエルカン選手ですが、この試合ではロンドンからシンガポールへ移動する際にエルカン選手が搭乗した便の乗客に新型コロナ陽性者が見つかったことから、シンガポール保健省の指示で5日間の隔離となったことが理由でした。

この措置に対し、東南アジアNo. 1の熱狂度を誇るインドネシアサポーターが噛みつきましたが、その理由はマレーシアのサファウィ・ラシドへの処分との格差からでした。12月9日のラオス戦前に行われた新型コロナの検査でマレーシアのクェンティン・チェンとアキヤ・ラシドが陽性反応を示し、両選手は隔離処分となりました。そしてこのアキヤ選手と同室だったのがラオス戦でハットトリックを決めたサファウィ選手でした。

陽性者と同じ便に登場していたエルカン選手が隔離措置となる一方で、陽性者とホテルで同室だったサファウィ選手が試合に出場し、しかもエルカン選手は既に3度行われたPCR検査でいずれも陰性だったにもかかわらず、インドネシアにとっては重要なベトナム戦への出場が認められなかったことから、東南アジアサッカー連盟AFFやスズキカップ2020の公式サイトに対し、インドネシアサポーターからこの不公平と思える扱いについて非難、中傷するコメントが殺到し、その数は報道によれば数万件に及ぶということです。(現在は投稿されたコメントが読めなくなっています。)

さらにこの影響はサファウィ選手にも及んでおり、サファウィ選手個人のインスタグラムにもインドネシアサポーターから非難や抽象のコメントが集まっていると、マレーシア語紙のハリアンメトロが報じています。

エルカン選手の隔離は5日間ということなので、12月19日のマレーシア戦には出場可能となり、そこでサファウィ選手との対戦も見られそうです。

2021年12月15日@ビシャンスタジアム(シンガポール)
カンボジア 3-0 ラオス
得点者:カンボジア-チャン・ワタナカ2(31分、41分)、SIENG CHANGTHEA(74分)

2021年12月15日@ビシャンスタジアム(シンガポール)
インドネシア 0-0 ベトナム
得点者:なし

グループステージB組順位

順位チーム得失差勝点
1インドネシア321067
2ベトナム321057
3マレーシア320136
4カンボジア3102-13
5ラオス4004-130

グループステージA組順位

順位チーム得失差勝点
1タイ230079
2シンガポール330069
3フィリピン310253
4ミャンマー3102-53
5東ティモール4004-130
スズキカップ2020日程および結果

*既に終了している試合の詳細については、試合結果をクリックするとスズキカップ2020公式サイト(英語)へ飛ぶことができます。

<グループステージA組>

2021年12月5日(日)
東ティモール 2-0 タイ
シンガポール 3-0 ミャンマー

2021年12月8日(水)
ミャンマー 2-0 東ティモール
フィリピン 1-2 シンガポール

2021年12月11日(土)
東ティモール 0-7 フィリピン
タイ 4-0 ミャンマー

2021年12月14日(火)
フィリピン 1-2 タイ
シンガポール2 – 0東ティモール

2021年12月18日(土)
タイ – シンガポール(20時30分@シンガポール国立競技場)
ミャンマー – フィリピン(20時30分@ビシャンスタジアム)

<グループステージB組>

2021年12月6日((月))
カンボジア 1-3 マレーシア
ラオス 0-2 ベトナム

2021年12月8日(水)
マレーシア 4-0 ラオス
インドネシア 4-2 カンボジア

2021年12月12日(日)
ラオス 1-5 インドネシア
ベトナム 3-0- マレーシア

2021年12月15日(水)
カンボジア 3-0 ラオス
インドネシア 0-0 ベトナム

2021年12月19日(日)
ベトナム – カンボジア(20時30分@ビシャンスタジアム)
マレーシア – インドネシア(20時30分@シンガポール国立競技場)

<準決勝第1回戦>

2021年12月22日(水)
A組2位 – B組1位(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月23日(木)
A組1位 – B組2位(20時30分@シンガポール国立競技場)

<準決勝第2回戦>

2021年12月25日(土)
B組1位 – A組2位(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月26日(日)
B組2位 – A組1位(20時30分@シンガポール国立競技場)

<決勝第1回戦>

2021年12月22日(水)
A組2位 – B組1位(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月23日(木)
A組1位 – B組2位(20時30分@シンガポール国立競技場)

<決勝第2回戦>

2021年12月29日(木)
準決勝勝者1 – 準決勝勝者2(20時30分@シンガポール国立競技場)

2022年1月1日(土)
準決勝勝者2 – 準決勝勝者1(20時30分@シンガポール国立競技場)

12月16日のニュース:ベトナム戦で負傷の両CBがグループステージ突破が懸かるインドネシア戦欠場、スズキカップ出場選手中でディオン・クールズは市場価値2位

 昨日12月15日にはグループステージB組の第4節が開催され、ここまでいずれも2戦2勝のベトナムとインドネシアが激突しましたが、試合は0-0に終わっています。この結果、インドネシアとベトナムがいずれも勝点7となりましたが、得失差でインドネシアが1位、ベトナム2位、そしてこの日は試合がなかったマレーシアが勝点6で3位と続いています。12月19日のグループステージ最終戦では3位のマレーシアと2位のインドネシア、1位のベトナムはこの日ラオスを破って初勝利を挙げたカンボジアと対戦します。
 引き分け以上で準決勝進出となるインドネシアに対し、マレーシアが準決勝に進出するためにはインドネシア戦の勝利あるのみですが、英国2部イプスウィッチタウンでプレーするDFエルカン・バゴットを欠きながら全員が身体を張ってベトナムを今大会初めて無得点に抑えたインドネシアの守備をこじ開けるのは容易ではなさそうです。い

ベトナム戦で負傷の両CBがグループステージ突破が懸かるインドネシア戦欠場

 ここまで2勝1敗として12月19日のインドネシア戦を残すマレーシア代表ですが、先日のベトナム戦でいずれもハムストリングを痛めて途中交代したセンターバックの2選手のインドネシア戦出場が絶望となったことをマレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 タン・チェンホー代表監督は、アイディル・ザフアンとシャールル・サアド(いずれもJDT)のセンターバックコンビは少なくとも1週間の治療と休養が必要だとしてインドネシア戦出場が不可能であるし、ドミニク・タン(サバFC)と明日12月16日にチームに合流予定のディオン・クールズ(デンマーク1部FCミッティラン)が最終戦ではセンターバックを務める予定であると話しています。センターバックが本職ながらスズキカップ2020開幕直前まで在籍したタイ1部のポリス・テロFCではほとんど出場機会がなかったタン選手と、本来は右サイドバックのクールズ選手のコンビが好調のインドネシア相手にどれだけ機能するかに注目が集まります。
 またシンガポール入国時の新型コロナ検査で陽性反応を示した結果、10日間の隔離となっていたGKカイルルアズハン・カリド(スランゴールFC)、FWファイサル・ハリム(トレンガヌFC)、そして12月9日のラオス戦前の検査で陽性反応を示したDFクェンティン・チェン(スランゴールFC)の3選手がチームに再合流可能となったことは発表されていますが、タン監督はこの内、ファイサル選手をインドネシア戦で起用する可能性についても言及しています。Mリーグ、マレーシアカップと所属するトレンガヌFCでは今季最も活躍した選手の1人ですが、隔離により出場機会のなかったファイサル選手ですが、負ければグループリーグ敗退となるインドネシア戦では得意のスピードを生かした攻撃に期待したいところです。。

スズキカップ出場選手中でディオン・クールズは市場価値2位

 マレーシア語紙ブリタハリアンは、スズキカップ2020に出場する各国代表選手の市場価値を比較する特集記事を掲載し、その中でマレーシア代表のDFディオン・クールズが全体で第2位となっているようです。
 サッカー選手関連のデータベース「トランスファーマルクト」に掲載されている各選手の市場価値を使って比較したブリタハリアンの記事では、スズキカップ2020出場選手中、最も市場価値が高いのがタイ代表のMFチャナティップ・ソングラシン(J リーグ札幌)でその市場価値は763万リンギ(およそ2億500万円)、それに続く第2位がマレーシア代表のDFディオン・クールズ(デンマーク1部FCミッティラン)で715万リンギ(およそ1億9200万円)、3位がDFティーラトン・ブンマタン(Jリーグ横浜FM)で429万リンギ(およそ1億1500万円)ということです。
 この記事では上位8位までの選手18名を取り上げていますが、その内の上位5位(7名)中5名がタイ代表の選手で、全18名で見ても10名がタイ代表の選手です。なお、東南アジアでFIFAランクNo. 1のベトナムの選手は1人も含まれていません。
 また他国の代表選手ではフランス2部リーグでプレーするラオス代表のFWビリー・ケトケオポムポン(USLダンケルク)が230万リンギ(およそ6190万円)で5位、インドネシア代表DFアスナウィ・マンクアラム (韓国2部安山グリナースFC)、フィリピン代表FWビエンベ・マラニョン(フィリピン1部ユナイテッドシティFC)がいずれも160万リンギ(およそ4300万円)となっています。
 この他、マレーシア代表からはFWサファウイ・ラシド(JDT)とMFバドロル・バクティアル(サバFC)がいずれも150万リンギ(およそ4040万円)で8位となっています。

スズキカップ2020に出場する各国代表選手の市場価値ランキング(ブリタハリアン調べ)

  1. チャナティップ・ソングラシン(タイ)763万リンギ(およそ2億500万円)
  2. ディオン・クールズ(マレーシア)715万リンギ(およそ1億9200万円)
  3. ティーラトン・ブンマタン(タイ)429万リンギ(およそ1億1500万円)
  4. ティティパン・プアンチャン(タイ)286万リンギ(およそ7700万円)
    ティーラシン・デーンダー(タイ)
  5. スパチョク・サラチャット(タイ)230万リンギ(およそ6190万円)
    ビリー・ケトケオポムポン(ラオス)
  6. サーラット・ユーイェン (タイ)190万リンギ(およそ5110万円)
  7. アディサク・クライソーン(タイ)160万リンギ(およそ4300万円) 
    ピティワ・スクジッタムマクー(タイ) 
    フィリップ・ローラー(タイ)  
    シワコーン・ティアトラクーン(タイ) 
    アスナウィ・マンクアラム(インドネシア) 
    ビエンベ・マラニョン(フィリピン)
  8. サファウィ・ラシド(マレーシア)150万リンギ(およそ4040万円)
    バドロル・バクティアル(マレーシア)
    エズラ・ワリアン(インドネシア)
    エヴァン・ディマス(インドネシア)

12月14日のニュース:スズキカップ2020-隔離を終えた3選手がチーム復帰、JDTがカブレラは退団を発表-大型補強敢行へ、クダはマラッカより韓国籍DFを獲得

スズキカップ2020-隔離を終えた3選手がチーム復帰

 マレーシアの通信社ブルナマは、新型コロナ検査で陽性となったことから隔離されていた4選手の内、GKカイルルアズハン・カリド、FWファイサル・ハリム、DFクェンティン・チェンの3選手がシンガポール政府保健省より隔離完了証明書を受け取ったと報じています。
 シンガポール入国時の検査で陽性となったカイルルアズハン、ファイサル両選手は開幕前に隔離となったことから今大会はベンチ入りすらできていませんでしたが10日間の隔離を終えたことで合流可能となっています。また12月9日のラオス戦前の検査で陽性となっていたチェン選手は追加で行われたPCR検査の結果が陰性だったことから隔離期間に入る前にチーム合流が許されたとブルナマは報じています。なおラオス1000枚の検査ではチェン選手と同じく陽性となっていたアキヤ・ラシドについては10日間の隔離となることが決まったようです。
 この4選手の隔離に加えて、初戦で腹筋を痛めていたジュニオール・エルドストルはコンディション不良、また所属クラブの試合日程の都合で今週木曜日12月16日にシンガポール入り予定のディオン・クールズも不在だったことから、12月12日のベトナム戦ではベンチ入り総勢18名で臨んでいました。
*****
 3選手の復帰は喜ばしいことですが、12月12日のベトナム戦では主将のアイディル・ザフアンとケガから復帰したばかりのシャールル・サアドの2人のセンターバックがいずれもケガ(ハムストリング)により途中交代しており、カンボジア戦で負傷し療養中のエルドストル選手も含めて3名のセンターバックがケガをしてます。これにより本職のセンターバックで現在残っているのはドミニク・タン1人となっており、グループステージ突破がかかるインドネシア戦に向けてクールズ選手の合流が待ち望まれます。

JDTがカブレラは退団を発表-大型補強敢行へ

 今季Mリーグ1部スーパーリーグで8連覇を達成したJDTですが、マレーシアカップ決勝で敗れたからか、例年にない大型補強を行いそうです。
 その手始めとなりそうなのがJDTのクラブ公式Facebookで発表されたゴンザロ・カブレラの退団です。アルゼンチン出身のカブレラ選手は2017年に期限付きでJDTに移籍すると翌2018年には完全移籍し、主に左ウィングとして活躍してきカブレラ選手はスーパーリーグで43ゴールを、そして国内カップ戦やACLなども含めると通算で152試合に出場し66ゴールを挙げ、いずれのゴール数もJDTのクラブ最多記録となっています。32歳のカブレラ選手はアルゼンチン出身ですが、イラクのパスポートも保持しているためJDTではAFC枠で登録されることもありましたが、今季はシーズン途中にオーストラリア出身のDFシェーン・ローリーが加入したことから、通常の外国籍選手枠となる一方で、同一国に継続して5年居住することで帰化選手としての出場が可能となることから、マレーシア代表の次の帰化選手候補として名前が上がることもありましたが、JDT自身が若い選手のみが帰化選手候補となると明言したことから、JDTでの帰化はなくなりました。しかし他のMリーグクラブに移籍してそこで帰化選手になる可能性も残っていることから、来季もカブレラ選手がMリーグでプレーする可能性は十分あります。

 さらにJDTの公式Facebookでは4名の外国籍選手と1名のマレーシア人選手との契約交渉中であることも報じられています。マレーシア人選手はスランゴールFCを退団したMFシャミ・サファリであることが濃厚ですが、4名の外国籍選手については何も明かされていません。
 なお4名の外国籍選手について1名はトップチームのJDTでプレーし、残る3名はセカンドチームのJDT IIに登録されるものの、ローテーションでシーズン中の入れ替えを行うとしています。現在JDT IIには2020年からプレーする廣瀬慧選手や今季JDT IIが所属したMリーグ2部プレミアリーグで16ゴールを挙げて得点王となったフェルナンド・ロドリゲスがいますが、この発表から察するに両選手ともJDT IIは今季で退団となりそうです。
 さらに英国1部プレミアリーグのウルヴァーハンプトン・ワンダラーズFC U23のナサニエル・シオ・ホンワンが来季2022年シーズンに向けて移籍し、英国生まれながらマレーシア人の母親を持つシオ選手がマレーシア人選手として登録されることも発表されている一方で、昨季、今季と2シーズンに渡ってJDTと同じMリーグ1部スーパーリーグでプレーしたブラジル出身のエンドリック・ドス・サントスを2023年(つまり来季ではなく2年後)に帰化選手として獲得することも発表しています。2018年からMリーグでプレーする現在26歳のエンドリック選手は来季もマレーシアでプレーすれば同一国に継続して5年居住となり、FIFAが規定する帰化選手としての登録が可能になります。

 JDTは期限付きで移籍する選手も発表しており、今季はJDT IIでプレーした元U23代表主将のMFイルファン・ファザイル(30)がU23時代のオン・キムスイ監督が指揮するサバFCへMFスチュアート・ウィルキンス(23)とともに移籍する他、2011年にはイルファン・ファザイルとともにスロバキアリーグのFC ViOnズラテー・モラフツェに派遣されたFWファドリ・シャス(30)とDFシャズワン・アンディック(25)がマラッカ・ユナイテッドFCへ移籍することも発表される一方で、現在、スズキカップにも出場しているシャフィク・アフマドも複数のクラブとやはり期限付き移籍について交渉中ということですが、その移籍先としてはマレーシアカップ2021を制したKLシティFC、Mリーグで今季2位のクダ・ダルル・アマンFCが有力とされています。

クダはマラッカより韓国籍DFを獲得

 今季Mリーグ1部スーパーリーグではJDTに次ぐ2位となり、来季のAFCカップ出場が決まっているクダ・ダルル・アマンFCですが、来季へ向けては5名の外国籍選手全員が退団し、代表選手2名も移籍が明らかになっており、アジアで戦うためのチーム強化が急務となっています。そんな中、今季は同じスーパーリーグのマラッカ・ユナイテッドFCでプレーしたチャン・ソグォンの加入がクラブ公式Facebookで明らかにされています。
 チャン選手は32歳のDFで、来季のクダ・ダルル・アマンFCの外国籍契約第1号となっています。韓国U23代表としてアジア競技大会に出場し銅メダルを獲得しているチャン選手は、2017年に当時 J2のファジアーノ岡山に完全移籍したものの、ケガのためわずか2試合出場しただけで退団し、2019年からはマラッカ・ユナイテッドFCでプレーしています。

12月12日のニュース:スズキカップ2020-マレーシアがベトナムに完敗でグループ3位に転落

2021年12月12日@ビシャンスタジアム(シンガポール)
マレーシア 0-3 ベトナム
得点者:ベトナム-グエン・クアン・ハイ(32分)、グエン・コン・フォン(36分)、グエン・ホアン・ドゥック(89分)

12月6日カンボジア戦、12月9日ラオス戦に続き3連戦となったマレーシアと、12月9日は試合がなく休養十分のベトナムの対戦となったこの試合は、格上のベトナムに対してタン・チェンホー監督は12月9日のラオス戦と同じ先発XIを起用。帰化選手のギリェルメ・デ・パウラらの「高さ」ではなく、アリフ・アイマン、ルクマン・ハキムら若い選手の「速さ」で勝負を挑みました。

試合直後は慎重な入りを見せたベトナムですが、すぐに正確なパスと素早いプレスでマレーシアを圧倒し、試合開始直後からマレーシアは自陣に釘付けになる時間が続きます。ベトナムの猛攻に耐えるマレーシアはカウンターを狙いますが、そこでも素早いプレスを受けてパスが繋がらず、ボールを奪われチャンスが作れない中、23分にはセンターバックで主将のアイディル・ザフアンがケガのため早々と交代となり、マレーシアはさらに押し込まれる場面が多くなります。

そして32分には左サイドから持ち込んだグエン・トゥアン・アンのマイナスのクロスをグエン・クアン・ハイが豪快に蹴り込んでベトナムが先制すると、その4分後にはグエン・クアン・ハイのバックヒールパスを受けたグエン・コン・フォンがマレーシアDFをドリブルで交わして2点目のゴールを決めます。

ベトナムの強固な守備を崩せないマレーシアはそれでも数少ないチャンスでルクマン・ハキム、シャフィク・アフマドがベトナムGKトラン・グエン・マンと1対1の場面を作りますが、得点には至りませんでした。

後半に入るとタン監督はルクマン・ハキムに代えてギリェルメ・デ・パウラを、ムカイリ・アジマルに代えてコギレスワラン・ラジを、71分にはシャフィク・アフマドに代えてシャーレル・フィクリを、シャールル・サアドに代えてアリフ・ファルハンをそれぞれ投入しますが、試合の流れを変えることができませんでした。そしてこの試合を象徴するような88分のゴールは、中盤の選手がパスコースを探している間にベトナム守備陣がしっかりコースを防ぎ、結局、苦し紛れに出したパスをカットされた結果でした。

試合終了後、マレーシアのテレビの解説者はフィットネスレベルの差、とか前線の選手が動いてスペースを作れていない、などコメントしていましたが、その前に個々の選手を比べても速さ、パスの精度が高い上に、約束事を守りチームとして機能しているベトナムとはおそらく100回やっても勝てそうにない印象で、6月のW杯予選で対戦した時よりも両チームはの差はさらに開いているように見えました。

(試合のハイライト映像はスズキカップ2020nの公式YouTubeチャンネルより)

スズキカップ2020- インドネシアはラオスに初得点を許すも2連勝で2位浮上

2021年12月12日@ビシャンスタジアム(シンガポール)
インドネシア 5-1 ラオス
得点者:インドネシア-アスナウィ・マンクァラム(23分PK)、イルファン・ジャヤ(34分)、ウィタン・スレイマン(56分)、エズラ・ワリアン(77分)、エヴァン・ディマス(84分)、ラオス-キダヴォン・スヴァニ

グループステージB組順位

順位チーム得失差勝点
1ベトナム220056
2インドネシア220066
3マレーシア220136
4カンボジア2011-40
5ラオス2002-100

グループステージA組順位

順位チーム得失差勝点
1タイ220066
2シンガポール220046
3フィリピン210163
4ミャンマー2102-53
5東ティモール2003-110

スズキカップ2020日程および結果

*既に終了している試合の詳細については、試合結果をクリックするとスズキカップ2020公式サイト(英語)へ飛ぶことができます。

<グループステージA組>

2021年12月5日(日)
東ティモール 2-0 タイ
シンガポール 3-0 ミャンマー

2021年12月8日(水)
ミャンマー 2-0 東ティモール
フィリピン 1-2 シンガポール

2021年12月11日(土)
東ティモール 0-7 フィリピン
タイ 4-0 ミャンマー

2021年12月14日(火)
フィリピン – タイ(17時30分@シンガポール国立競技場)
シンガポール – 東ティモール(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月18日(土)
タイ – シンガポール(20時30分@シンガポール国立競技場)
ミャンマー – フィリピン(20時30分@ビシャンスタジアム)

<グループステージB組>

2021年12月6日((月))
カンボジア 1-3 マレーシア
ラオス 0-2 ベトナム

2021年12月8日(水)
マレーシア 4-0 ラオス
インドネシア 4-2 カンボジア

2021年12月12日(日)
ラオス 1-5 インドネシア
ベトナム 3-0- マレーシア

2021年12月15日(水)
カンボジア – ラオス(17時30分@ビシャンスタジアム)
インドネシア – ベトナム(20時30分@ビシャンスタジアム)

2021年12月19日(日)
ベトナム – カンボジア(20時30分@ビシャンスタジアム)
マレーシア – インドネシア(20時30分@シンガポール国立競技場)

<準決勝第1回戦>

2021年12月22日(水)
A組2位 – B組1位(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月23日(木)
A組1位 – B組2位(20時30分@シンガポール国立競技場)

<準決勝第2回戦>

2021年12月25日(土)
B組1位 – A組2位(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月26日(日)
B組2位 – A組1位(20時30分@シンガポール国立競技場)

<決勝第1回戦>

2021年12月22日(水)
A組2位 – B組1位(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月23日(木)
A組1位 – B組2位(20時30分@シンガポール国立競技場)

<決勝第2回戦>

2021年12月29日(木)
準決勝勝者1 – 準決勝勝者2(20時30分@シンガポール国立競技場)

2022年1月1日(土)
準決勝勝者2 – 準決勝勝者1(20時30分@シンガポール国立競技場)

12月11日のニュース:スズキカップ2020-マレーシア代表は陽性反応者がこれ以上増えれば大会辞退も、FAM-MSNプロジェクトは来季もMリーグ2部参加、FAM-MSNプロジェクトの監督が辞任-ペラFCの監督就任か

 シンガポールで開催中のスズキカップに関する報道で、ベトナム代表のパク・ハンソ監督がインドネシア対カンボジア戦を視察しながら、その試合の前に行われたマレーシア対ラオス戦はアシスタントコーチを派遣し自身は視察を行わなかったことがマレーシアではニュースになっています。パク監督はマレーシアは眼中にないのかな。

スズキカップ2020-マレーシア代表は陽性反応者がこれ以上増えれば大会辞退も

 12月3日のシンガポール入国時の新型コロナ検査で陽性反応を示したカイルルアズハン・カリドとファイサル・ハリムに加え、12月9日のラオス戦当日朝の検査で陽性反応を示したアキヤ・ラシドとクェンティン・チェンの4選手が隔離となっているマレーシア代表ですが、デンマーク1部FCミッティランでプレーするDFディオン・クールズは12月13日の国内カップ戦後に代表チーム合流が予定されていることから、明日12月12日に予定されているベトナム戦では、出場可能な選手は19名となっています。しかも腹部のケガで休養を強いられているジュニオール・エルドストルも回復状況によってベトナム戦には出場できない可能性があり、そうなるとなんと18名の選手で東南アジアNo. 1にチームに挑むことになります。
 なお初戦のカンボジア戦で活躍しMOMを受賞したアキヤ・ラシドは、ここまでの2試合で4ゴールを挙げているサファウィ・ラシドと同室で、しかも試合後には他の選手と勝利を喜び合う写真などもソーシャルメディアに上がっていることから、今後マレーシア代表に陽性反応者が増える可能性も懸念されています。そうなれば最悪の場合、選手がいない…と言うことも起こりかねません。
 スズキカップに参加しているのは全部で10チームですが、スポーツバブルの仕組みを使って開催されているこの大会でマレーシア代表は4名の陽性反応者が出ているのに対し、他の9チーム全てを合わせても明らかになっている陽性反応者はミャンマー代表に1名だけとなっています。

FAM-MSNプロジェクトは来季もMリーグ2部参加

 今季Mリーグ2部プレミアリーグに参加したFAM-MSNプロジェクトが来季2022年シーズンもプレミアリーグに参加すると、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 FAMとマレーシア政府青年スポーツ省傘下の国家スポーツ評議会(マレーシア語での短縮名MSN)が共同運営するこのチームは、やはりFAMとMSNが共同で運営するマレーシア国家サッカー選手育成プログラムNFDP所属の選手の内、プログラム卒業となる18歳の時点でにプロ契約に至らなかった選手を中心に編成されたチームで、今季開幕前に設立され、そのままプレミアリーグに参戦しましたが、20試合で1勝3分16敗の成績で11チーム中ダントツの最下位で、得点12、失点56はいずれもリーグ最低でした。 
 FAM-MSNプロジェクトの来季参戦を発表したFAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長は、今季のチームの内、17名の選手が来季もこのチームでプレーすることも明らかにした一方で、NFDPの中核をなすエリートアカデミーのモクタル・ダハリアカデミーAMDから10名ほどの選手が加わる予定であるとも話しています。
 またサイフディン事務局長はAMDのU19選手の移籍についても言及し、正規のトランスファーウィンドウ期間にU19選手をMリーグのクラブに期限付き移籍をすることについてFAMはこれを禁止する予定はないとする一方で、国家スポーツ評議会MSNが運営するAMD在籍中はいずれの選手も気完全移籍ではなく毅然つき移籍のみが可能であると話しています。

FAM-MSNプロジェクトの監督が辞任-ペラFCの監督就任か

 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で、今季Mリーグ2部プレミアリーグに参加したFAM-MSNプロジェクトのユスリ・チェ・ラー監督が辞任したことを発表しています。
 FAMとマレーシア政府青年スポーツ省傘下の国家スポーツ評議会(マレーシア語での短縮名MSN)が共同運営するこのチームは、やはりFAMとMSNが共同で運営するマレーシア国家サッカー選手育成プログラムNFDP所属の選手の内、プログラム卒業の18歳の時点でにプロ契約に至らなかった選手を中心に編成されたチームで、今季初めてMリーグに参戦し、20試合で1勝3分16敗、得点12、失点56の成績を残し、11チーム中最下位でした。。
 今季開幕前に発足したこのFAM-MSNプロジェクトの監督に就任したユスリ監督は、FAMと2年契約を結んでいましたが、FAMとユスリ監督の双方が合意の上、契約解除となったということです。
 なおFAM-MSNプロジェクトの監督を辞任したユスリ監督は、来季は2部プレミアリーグに降格するペラFCの監督就任が濃厚とされています。

12月10日のニュース:スズキカップ2020-マレーシアが開幕2連勝で次戦はいよいよベトナム戦、インドネシアはカンボジアに勝利で白星発進、マレーシアはさらに2名が新型コロナ陽性で試合出場可能な選手が19名に

スズキカップ2020-マレーシアが開幕2連勝で次戦はいよいよベトナム戦

021年12月9日@ビシャンスタジアム(シンガポール)
マレーシア 4-0 ラオス
得点者:マレーシア-サファウィ・ラシド3(7分、34分、80分)、シャールル・サアド(78分)

 初戦のカンボジア戦ではMOMとなったアキヤ・ラシドが試合当日朝の新型コロナ検査で陽性反応をしめしたこともあり、タン・チェンホー監督は左ウィングにアリフ・アイマン、センターフォワードにはギリェルメ・デ・パウラに代えてルクマン・ハキムといずれも今大会初先発となる19歳コンビを起用しましたが、この起用がピタリとハマり、7分にはアリフ選手が左サイドからドリブルで持ち込み、そこからのクロスにサファウィ・ラシドが合わせてマレーシアが先制します。さらに34分にはアリフ選手のコーナーキックにファーサイドのサファウィ選手が頭で合わせ、再びJDTコンビの活躍でマレーシアが前半で2-0とリードして折り返します。
 結果的に全員が「ローカル」選手の布陣となったマレーシアは後半に入っても攻撃の手を緩めず、終盤の78分にはカウンターからこの試合ではセンターバックを務めたシャールル・サアドがオーバーラップし、バドロル・バクティアルがラオス守備陣の裏に出すたボールをゴールキーパーを交わしてゴールを決めて3-0とすると、80分にはコギレスラワン・ラジからやはり守備陣の裏に出たボールをサファウィ選手がきめてハットトリックを達成し、開幕から2連勝となりました。サファウィ選手はこの試合のMOMにも選ばれています。
 2018年、2019年といずれも当時最年少でMリーグMVPとなったサファウィ選手ですが、今季は所属するJDTでも出場時間が激減し、今季のMリーグMVPもチームメートで19歳のアリフ・アイマンに奪われるなど、今年24歳ながら「もう燃え尽きたのでは」などといった声も出ていましたが、この試合でのハットトリックで代表サポーターが求めていたサファウイ・ラシドが戻ってきたと言えるかもしれません。
 ネット上では八百長の疑いがかけられるほどの圧勝だったこの日の試合でしたが、2連勝とは言え、この後は前回チャンピオンで東南アジアNo. 1のベトナム戦(12月12日)、そして互いに永遠のライバルと目すインドネシア戦(12月19日)が残っています。また冒頭でも書いたアキヤ・ラシドに加えてクェんティン・チェンも新型コロナ検査で陽性反応を示したことも報じられており、新型コロナやケガなどで既に5名が出場でききなくなっているマレーシアは、次戦のベトナム戦は19名で臨むことになります。
(試合のハイライト映像はスズキカップ2020nの公式YouTubeチャンネルより)

スズキカップ2020- インドネシアはカンボジアに勝利で白星発進

2021年12月9日@ビシャンスタジアム(シンガポール)
インドネシア 4-2 カンボジア
得点者:インドネシア-ラフマト・イリアント2(4分、33分)、エヴァン・ディマス(17分)、ラメイ ルマキエク(54分)カンボジア-ユエ・サフィ(37分)、プラク・モニ・ウドン(60分)

スズキカップ2020-マレーシアはさらに2名が新型コロナ陽性で試合出場可能な選手19名に

 ラオス戦に関する記事でも取り上げましたが、マレーシア代表から新型コロナ陽性反応を示した戦車がさらに2名出ています。
 この日の試合前に行われた検査で陽性反応を示したのは、初戦のカンボジア戦でMOMとなったFWアキヤ・ラシドと今回が代表初招集となったDFクェンティン・チャンの両選手です。この結果、マレーシア代表はシンガポール入国時の検査で陽性反応を示したGKカイルルアズハン・カリドとFWファイサル・ハリムと合わせて計4名がシンガポール政府が義務付けている10日間隔離となっています。
 なおスズキカップの規定ではゴールキーパーに限り、ケガなどによる大会中の選手入れ替えが可能となっており、マレーシアサッカー協会FAMによる申請をこの大会を主催する東南アジアサッカー連盟AFFが承認していることから、代表候補合宿に参加していたU22代表正GKアズリ・アブドル・ガニ(ペラFC)か6月のW杯予選では代表入りしていたサミュエル・サマーヴィル(ペナンFC)が代替招集されることが濃厚です。
 しかし、この4名の他、初戦で腹部を痛めたDFジュニオール・エルドストルも休養が必要ということでラオス戦ではベンチしておらず、24名でシンガポール入りした代表は、次戦のベトナム戦に出場可能なのは19名となっています。
 このような新型コロナ禍でのアクシデントを見越してベトナムのパク・ハンソ監督はゴールキーパー4名を含む総勢30名でシンガポールするなど準備万全ですが、その一方でわずか24名でこの大会に臨んだマレーシア代表とマレーシアサッカー協会は危機管理意識が欠如していると言わざるをえなそうです。

スズキカップ2020順位表(12月10日時点)

グループステージB組順位

順位チーム得失差勝点
1マレーシア220066
2インドネシア110023
3ベトナム110023
4カンボジア2011-40
5ラオス1001-60

グループステージA組順位

順位チーム得失差勝点
1シンガポール220046
2タイ110023
3ミャンマー2101-13
4フィリピン1001-10
5東ティモール2002-40
スズキカップ2020日程および結果

*既に終了している試合の詳細については、試合結果をクリックするとスズキカップ2020公式サイト(英語)へ飛ぶことができます。

<グループステージA組>

2021年12月5日(日)
東ティモール 2-0 タイ
シンガポール 3-0 ミャンマー

2021年12月8日(水)
ミャンマー 2-0 東ティモール
フィリピン 1-2 シンガポール

2021年12月11日(土)
東ティモール – フィリピン(17時30分@シンガポール国立競技場)
タイ – ミャンマー(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月14日(火)
フィリピン – タイ(17時30分@シンガポール国立競技場)
シンガポール – 東ティモール(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月18日(土)
タイ – シンガポール(20時30分@シンガポール国立競技場)
ミャンマー – フィリピン(20時30分@ビシャンスタジアム)

<グループステージB組>

2021年12月6日((月))
カンボジア 1-3 マレーシア
ラオス 0-2 ベトナム

2021年12月8日(水)
マレーシア 4-0 ラオス
インドネシア 4-2 カンボジア

2021年12月12日(日)
ラオス – インドネシア(17時30分@ビシャンスタジアム)
ベトナム – マレーシア(20時30分@ビシャンスタジアム)

2021年12月15日(水)
カンボジア – ラオス(17時30分@ビシャンスタジアム)
インドネシア – ベトナム(20時30分@ビシャンスタジアム)

2021年12月19日(日)
ベトナム – カンボジア(20時30分@ビシャンスタジアム)
マレーシア – インドネシア(20時30分@シンガポール国立競技場)

<準決勝第1回戦>

2021年12月22日(水)
A組2位 – B組1位(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月23日(木)
A組1位 – B組2位(20時30分@シンガポール国立競技場)

<準決勝第2回戦>

2021年12月25日(土)
B組1位 – A組2位(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月26日(日)
B組2位 – A組1位(20時30分@シンガポール国立競技場)

<決勝第1回戦>

2021年12月22日(水)
A組2位 – B組1位(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月23日(木)
A組1位 – B組2位(20時30分@シンガポール国立競技場)

<決勝第2回戦>

2021年12月29日(木)
準決勝勝者1 – 準決勝勝者2(20時30分@シンガポール国立競技場)

2022年1月1日(土)
準決勝勝者2 – 準決勝勝者1(20時30分@シンガポール国立競技場)