12月14日のニュース:スズキカップ2020-隔離を終えた3選手がチーム復帰、JDTがカブレラは退団を発表-大型補強敢行へ、クダはマラッカより韓国籍DFを獲得

スズキカップ2020-隔離を終えた3選手がチーム復帰

 マレーシアの通信社ブルナマは、新型コロナ検査で陽性となったことから隔離されていた4選手の内、GKカイルルアズハン・カリド、FWファイサル・ハリム、DFクェンティン・チェンの3選手がシンガポール政府保健省より隔離完了証明書を受け取ったと報じています。
 シンガポール入国時の検査で陽性となったカイルルアズハン、ファイサル両選手は開幕前に隔離となったことから今大会はベンチ入りすらできていませんでしたが10日間の隔離を終えたことで合流可能となっています。また12月9日のラオス戦前の検査で陽性となっていたチェン選手は追加で行われたPCR検査の結果が陰性だったことから隔離期間に入る前にチーム合流が許されたとブルナマは報じています。なおラオス1000枚の検査ではチェン選手と同じく陽性となっていたアキヤ・ラシドについては10日間の隔離となることが決まったようです。
 この4選手の隔離に加えて、初戦で腹筋を痛めていたジュニオール・エルドストルはコンディション不良、また所属クラブの試合日程の都合で今週木曜日12月16日にシンガポール入り予定のディオン・クールズも不在だったことから、12月12日のベトナム戦ではベンチ入り総勢18名で臨んでいました。
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 3選手の復帰は喜ばしいことですが、12月12日のベトナム戦では主将のアイディル・ザフアンとケガから復帰したばかりのシャールル・サアドの2人のセンターバックがいずれもケガ(ハムストリング)により途中交代しており、カンボジア戦で負傷し療養中のエルドストル選手も含めて3名のセンターバックがケガをしてます。これにより本職のセンターバックで現在残っているのはドミニク・タン1人となっており、グループステージ突破がかかるインドネシア戦に向けてクールズ選手の合流が待ち望まれます。

JDTがカブレラは退団を発表-大型補強敢行へ

 今季Mリーグ1部スーパーリーグで8連覇を達成したJDTですが、マレーシアカップ決勝で敗れたからか、例年にない大型補強を行いそうです。
 その手始めとなりそうなのがJDTのクラブ公式Facebookで発表されたゴンザロ・カブレラの退団です。アルゼンチン出身のカブレラ選手は2017年に期限付きでJDTに移籍すると翌2018年には完全移籍し、主に左ウィングとして活躍してきカブレラ選手はスーパーリーグで43ゴールを、そして国内カップ戦やACLなども含めると通算で152試合に出場し66ゴールを挙げ、いずれのゴール数もJDTのクラブ最多記録となっています。32歳のカブレラ選手はアルゼンチン出身ですが、イラクのパスポートも保持しているためJDTではAFC枠で登録されることもありましたが、今季はシーズン途中にオーストラリア出身のDFシェーン・ローリーが加入したことから、通常の外国籍選手枠となる一方で、同一国に継続して5年居住することで帰化選手としての出場が可能となることから、マレーシア代表の次の帰化選手候補として名前が上がることもありましたが、JDT自身が若い選手のみが帰化選手候補となると明言したことから、JDTでの帰化はなくなりました。しかし他のMリーグクラブに移籍してそこで帰化選手になる可能性も残っていることから、来季もカブレラ選手がMリーグでプレーする可能性は十分あります。

 さらにJDTの公式Facebookでは4名の外国籍選手と1名のマレーシア人選手との契約交渉中であることも報じられています。マレーシア人選手はスランゴールFCを退団したMFシャミ・サファリであることが濃厚ですが、4名の外国籍選手については何も明かされていません。
 なお4名の外国籍選手について1名はトップチームのJDTでプレーし、残る3名はセカンドチームのJDT IIに登録されるものの、ローテーションでシーズン中の入れ替えを行うとしています。現在JDT IIには2020年からプレーする廣瀬慧選手や今季JDT IIが所属したMリーグ2部プレミアリーグで16ゴールを挙げて得点王となったフェルナンド・ロドリゲスがいますが、この発表から察するに両選手ともJDT IIは今季で退団となりそうです。
 さらに英国1部プレミアリーグのウルヴァーハンプトン・ワンダラーズFC U23のナサニエル・シオ・ホンワンが来季2022年シーズンに向けて移籍し、英国生まれながらマレーシア人の母親を持つシオ選手がマレーシア人選手として登録されることも発表されている一方で、昨季、今季と2シーズンに渡ってJDTと同じMリーグ1部スーパーリーグでプレーしたブラジル出身のエンドリック・ドス・サントスを2023年(つまり来季ではなく2年後)に帰化選手として獲得することも発表しています。2018年からMリーグでプレーする現在26歳のエンドリック選手は来季もマレーシアでプレーすれば同一国に継続して5年居住となり、FIFAが規定する帰化選手としての登録が可能になります。

 JDTは期限付きで移籍する選手も発表しており、今季はJDT IIでプレーした元U23代表主将のMFイルファン・ファザイル(30)がU23時代のオン・キムスイ監督が指揮するサバFCへMFスチュアート・ウィルキンス(23)とともに移籍する他、2011年にはイルファン・ファザイルとともにスロバキアリーグのFC ViOnズラテー・モラフツェに派遣されたFWファドリ・シャス(30)とDFシャズワン・アンディック(25)がマラッカ・ユナイテッドFCへ移籍することも発表される一方で、現在、スズキカップにも出場しているシャフィク・アフマドも複数のクラブとやはり期限付き移籍について交渉中ということですが、その移籍先としてはマレーシアカップ2021を制したKLシティFC、Mリーグで今季2位のクダ・ダルル・アマンFCが有力とされています。

クダはマラッカより韓国籍DFを獲得

 今季Mリーグ1部スーパーリーグではJDTに次ぐ2位となり、来季のAFCカップ出場が決まっているクダ・ダルル・アマンFCですが、来季へ向けては5名の外国籍選手全員が退団し、代表選手2名も移籍が明らかになっており、アジアで戦うためのチーム強化が急務となっています。そんな中、今季は同じスーパーリーグのマラッカ・ユナイテッドFCでプレーしたチャン・ソグォンの加入がクラブ公式Facebookで明らかにされています。
 チャン選手は32歳のDFで、来季のクダ・ダルル・アマンFCの外国籍契約第1号となっています。韓国U23代表としてアジア競技大会に出場し銅メダルを獲得しているチャン選手は、2017年に当時 J2のファジアーノ岡山に完全移籍したものの、ケガのためわずか2試合出場しただけで退団し、2019年からはマラッカ・ユナイテッドFCでプレーしています。