2021年12月19日@シンガポール国立競技場(シンガポール)
マレーシア 1-4 インドネシア
得点者:マレーシア-コギレスラワン・ラジ(13分)、インドネシア-イルファン・ジャヤ2(36分、43分)、プラタマ・アルハン(50分)、エルカン・バゴット(82分)
スズキカップ2020のグループステージB組の最終節が行われ、インドネシアが先制点を許すものの4-1の逆転勝利でマレーシアを破り、準優勝した2016年大会以来の準決勝進出を決めています。最終節のもう1試合はベトナムがカンボジアを4-0で破っています。この結果、B組は1位インドネシア、2位ベトナムとなり、12月22日(水)から始まる準決勝はタイ対ベトナム、インドネシア対シンガポールのカードに決まりました。前回2018年大会準優勝のマレーシアは今大会はグループステージ敗退となりました。
準決勝に進出するためにはこの試合での勝利が必要なマレーシア代表のタン・チェンホー監督は、フォワード5人、ミッドフィルダー1人(1-4-1-4)の布陣を選択。開始直後にはインドネシアに攻め込まれるも、13分にインドネシアDFのクリアミスを奪ったFWコギレスラワン・ラジがペナルティエリアの外からゴールを決め、マレーシアに欲しかった先制点が入ります。
この試合は引き分けでも準決勝進出が決まるインドネシアは、先に失点したことで攻撃陣のギアが入り36分にはDFラインの裏に抜け出したウィタン・スライマンのマイナスのクロスをイルファン・ジャヤが蹴り込んで同点とし、さらに前半終了間際の43分にはプラタマ・アルハンがゴール前に持ち込んで放ったシュートのこぼれ球をイルファン・ジャヤが押し込んで逆転します。
後半に入るとタン監督は負傷のFWサファウィ・ラシドに代えて、DFドミニク・タンを投入し、前半はセントラルディフェンダーとしてプレーしたディオン・クールズのポジションを上げて攻撃的ミッドフィールダーとして起用して攻撃を続けますが、逆に50分にはコーナーキックからのクリアを奪ったプラタマ・アルハンがペナルティエリアの外からシュートを決めて3点目、さらに82分にはコーナーキックからエルカン・バゴットがGKカイルル・ファミに競り勝つヘディングシュートを決めて駄目押しの4点目が入りました。
先制点を奪ったところまではシナリオ通りだったマレーシアですが、ベトナム戦と同様にパスを出すタイミングがワンテンポ遅いところにインドネシア選手が詰め、そこでボールを奪われたり、苦し紛れのパスを出すしかなくなるなど、追加点を取るための中盤を組み立てることができませんでした。
インドネシアの1点目、2点目はいずれも左SBに入ったシャーミ・サファリのマークが不十分でしたが、所属するスランゴールFCでは今季は右SBで出場しており本職ではありません。また3点目はプラタマ・アラハンの狙い澄ましたゴールも見事でしたが、GKカイルル・ファミのポジショニングが前すぎたようにも見えました。さらにCBが本職のドミニク・タンではなく所属クラブでは右SBでプレーするディオン・コールズをCBとして起用するなど、この試合だけでなく大会を通じてタン監督の選手起用法にも疑問が残りました。
またこの試合ではケガで途中退場したドミニク・タン(サバFC)、第3節のベトナム戦でいずれもハムストリングを痛めたシャールル・サアド、アイディル・ザフアン(ともにJDT)のCB3選手は所属チームではいずれも出場試合が非常に少なく、もしそれが影響しているとすれば、開幕前に指摘されていた大会規定により30名登録可能にもかかわらず、24名しかシンガポールへ連れて行かなかった選択を含め、タン監督とマレーシアサッカー協会FAMの選手選考にも検証が必要でしょう。
JDTの選手を中心にすぐに倒れてファールをもらおうとする国内リーグでの癖が抜けなかった選手たちに対して、マレーシアのテレビの解説者からは「気力が感じられない」と酷評されるなどいいところが何一つなかった敗戦ですが、来年6月に予定されているAFC選手権アジアカップ2023年大会最終予選に向けては、同じく予選に出場するインドネシアとも明らかに差が開いたことも明らかになった敗戦でもありました。また今大会参加国中、代表監督が外国籍ではなかった唯一の国がマレーシアでしたが、今回のグループステージ敗退によって今後は外国籍監督待望論が出てくる可能性もあります。
(試合のハイライト映像はスズキカップ2020nの公式YouTubeチャンネルより)
スズキカップ2020- ベトナムはカンボジアを完封も得失差でグループ2位で準決勝進出
2021年12月19日@ビシャンスタジアム(シンガポール)
ベトナム 4-0 カンボジア
得点者:グエン・ティエン・リン2(3分、27分)、ブイ・ティエン・ドゥン(55分)、グエン・クアン・ハイ(57分)
グループステージB組最終順位
*インドネシアとベトナムは勝点と得失点差で並んだものの、インドネシアの総得点13に対してベトナムは9のため、インドネシアがB組の1位に決定
順位 | チーム | 試 | 勝 | 分 | 負 | 得失差 | 勝点 |
*1 | インドネシア | 4 | 3 | 1 | 0 | 9 | 10 |
2 | ベトナム | 4 | 3 | 1 | 0 | 9 | 10 |
3 | マレーシア | 4 | 2 | 0 | 2 | 0 | 6 |
4 | カンボジア | 4 | 1 | 0 | 3 | -5 | 3 |
5 | ラオス | 4 | 0 | 0 | 4 | -13 | 0 |
グループステージA組最終順位
順位 | チーム | 試 | 勝 | 分 | 負 | 得失差 | 勝点 |
1 | タイ | 4 | 4 | 0 | 0 | 9 | 12 |
2 | シンガポール | 4 | 3 | 0 | 1 | 4 | 9 |
3 | フィリピン | 4 | 2 | 0 | 2 | 6 | 6 |
4 | ミャンマー | 4 | 1 | 0 | 3 | -6 | 3 |
5 | 東ティモール | 4 | 0 | 0 | 4 | -13 | 0 |
スズキカップ2020日程および結果
*既に終了している試合の詳細については、試合結果をクリックするとスズキカップ2020公式サイト(英語)へ飛ぶことができます。
<グループステージA組>
2021年12月5日(日)
東ティモール 2-0 タイ
シンガポール 3-0 ミャンマー
2021年12月8日(水)
ミャンマー 2-0 東ティモール
フィリピン 1-2 シンガポール
2021年12月11日(土)
東ティモール 0-7 フィリピン
タイ 4-0 ミャンマー
2021年12月14日(火)
フィリピン 1-2 タイ
シンガポール 2-0 東ティモール
2021年12月18日(土)
タイ 2-0 シンガポール
ミャンマー 2-3 フィリピン
<グループステージB組>
2021年12月6日(月
カンボジア 1-3 マレーシア
ラオス 0-2 ベトナム
2021年12月8日(水)
マレーシア 4-0 ラオス
インドネシア 4-2 カンボジア
2021年12月12日(日)
ラオス 1-5 インドネシア
ベトナム 3-0- マレーシア
2021年12月15日(水)
カンボジア 3-0 ラオス
インドネシア 0-0 ベトナム
2021年12月19日(日)
ベトナム 4-0 カンボジア
マレーシア 1-4 インドネシア
<準決勝第1回戦>
2021年12月22日(水)
A組2位 – B組1位(20時30分@シンガポール国立競技場)
2021年12月23日(木)
A組1位 – B組2位(20時30分@シンガポール国立競技場)
<準決勝第2回戦>
2021年12月25日(土)
B組1位 – A組2位(20時30分@シンガポール国立競技場)
2021年12月26日(日)
B組2位 – A組1位(20時30分@シンガポール国立競技場)
<決勝第1回戦>
2021年12月22日(水)
A組2位 – B組1位(20時30分@シンガポール国立競技場)
2021年12月23日(木)
A組1位 – B組2位(20時30分@シンガポール国立競技場)
<決勝第2回戦>
2021年12月29日(木)
準決勝勝者1 – 準決勝勝者2(20時30分@シンガポール国立競技場)
2022年1月1日(土)
準決勝勝者2 – 準決勝勝者1(20時30分@シンガポール国立競技場)