7月2日のニュース
アセアン選手権出場のU19代表発表-レッドスター・ベオグラード所属のオマル・ライヤンの名も
今週日曜日のスーパーリーグの結果次第では今季4人目の監督交代も
シャー・アラムスタジアムの解体案が浮上
クランタンのオーナーがシャー・アラムスタジアムのリース希望を表明

アセアン選手権出場のU19代表発表-レッドスター・ベオグラード所属のオマル・ライヤンの名も

マレーシアサッカー協会FAMは今日7月2日からインドネシアのジャカルタで始まる東南アジアサッカー連盟AFFU19選手権に出場するマレーシアU19代表25名を公式サイトで発表しています。

ハサン・サザリ監督率いるU19代表には、スランゴールのセカンドチームでMリーグ2部プレミアリーグのスランゴール2からの10名を筆頭に、同じプレミアリーグのFAM-MSNプロジェクト、そしてJDTのU19チームのJDT IIIからそれぞれ4名、FAMとマレーシア政府青年スポーツ省傘下の国家スポーツ評議会が共同で運営するエリートアカデミーAMDのU17チームから3名、JDTのセカンドチームJDT IIから2名、Mリーグ1部スーパーリーグのKLシティから1名、そしてセルビア1部の名門レッドスター・ベオグラードに所属するオマル・ライヤンも召集されています。

この25名の中にはいずれも飛び級で、今年2月のAFF U23選手権に出場したU23代表でプレーしたアイサー・ハディ(JDT II)や5月の東南アジア競技大会通称シーゲームズ出場のU23代表でプレーしたファイズ・アメル(スランゴール2)やウバイドラー・シャムスル(FAM-MSNプロジェクト)らが含まれている一方で、この年代のエースとして活躍してきたアズハド・ハラズ(サバ)がケガのため参加していません。

グループステージではB組に回ったマレーシアは、既にジャカルタ入りしており、7月5日の初戦でカンボジアと対戦し、その後はシンガポール(7月7日)、東ティモール(7月9日)、ラオス(7月11日)と対戦予定となっています。

U19代表の全メンバーはこちらです。

今週日曜日のスーパーリーグの結果次第では今季4人目の監督交代も

Mリーグ1部スーパーリーグは明日7月3日(日)に後半戦の初戦となる第12節の試合が行われますが、その結果次第では今季4人目の監督交代劇が起こりそうだと、マレーシア語紙ハリアン・メトロが報じています。

その候補(!)に上がっているのはスリ・パハンのクリストフ・ギャメル監督です。昨季開幕前にスリ・パハンのコーチに就任したギャメル氏は、開幕わずか2試合で当時のトーマス・ドゥーリー前監督(現フィリピン代表監督)が「休養」となると、それに呼応するかのようにU19チームの監督に降格されました。しかし、今季開幕前にトップチームの監督就任が発表され、ここまで10試合で2勝2分6敗、得点12(リーグ7位タイ)失点18(同8位タイ)で降格圏の11位と低迷しています。

直近の4試合でも引き分けを挟んで3連敗中のスリ・パハンですが、ハリアン・メトロの記事によると、今週末の7月3日のトレンガヌFC戦で敗れることがあれば、ギャメル監督が更迭される可能性が高いということです。

今季2度目のトランスファーウィンドウでは、今季ここまで5得点のMFマヌエル・イダルゴとGKママドゥ・サマサ以外の3名の外国籍選手を入れ替えるなど、経営陣は降格圏脱出の環境を整えたとして、今週末の試合ではギャメル監督に勝利が求められているということです。当のギャメル監督は、トレンガヌ戦では全力を尽くし、その結果は受け入れる覚悟ができていると話しています。

シャー・アラムスタジアムの解体案が浮上

スランゴール州シャー・アラムにあるシャー・アラムスタジアムは、1994年に開場した収容人数8万人を超える巨大スタジアム。本来はMリーグ1部スーパーリーグのスランゴールの本拠地ですが、施設老朽化のため観客に危険が及ぶ可能性があるとして、Mリーグを運営するMFLによって昨季から使用が禁止されています。このシャー・アラムスタジアムはスランゴール州の施設であることから、昨年、州政府は改修工事を行うことを発表していました。

しかし先月6月29日に、スランゴール州のアミルディン・シャリ州首相が、州政府が特別委員会を設け、スタジアムの解体も含めた再開発計画の検討を行うことを自身のツイッターで明らかにしたことから事態は急転直下、様々な憶測が飛び交い、その一つが現スタジアムの解体と規模を縮小した新スタジアムへの建て替えです。

具体的には、今後の維持管理費用の削減にもつながるよう、最大収容人数を現在の8万300人から3万から4万人収容程度(それでも十分大きいですが)にして立て替える案が有力ともされています。

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1998年にブキ・ジャリル国立競技場ができるまでは、大きな国際試合といえばこのシャー・アラムスタジアムが使われていました。こけら落としの大会ではバイエルン・ミュンヘンやリーズ・ユナイテッドを招き、1995年のバルセロナオリンピックアジア最終予選、1997年のFIFAユースワールドカップ、そしてチェルシーやアーセナルのアジアツアーでも試合会場になるなど、このシャー・アラムスタジアムは、文字通りマレーシアを代表するスタジアムでした。マレーシアでは素晴らしい施設が作られながら、維持管理が不十分でダメになる例をよく見ますが、ここもその例にもれなかったようです。また新しい施設を作れば、その費用の一部が中抜きされて誰かの懐に入るのもこの国の常なので、改修するよりは建て替えを望む声の方が大きいんだろうなぁ。

クランタンのオーナーがシャー・アラムスタジアムのリース希望を表明

そんなシャー・アラムスタジアムですが、Mリーグ2部プレミアリーグのクランタンのオーナーであるノリザム・トゥキマン氏が、シャー・アラムスタジアムのリースを希望していると、マレーシア語ニュースサイトのマジョリティが報じています。

ノリザム オーナーは自身のFacebookに投稿し、スタジアムの解体は不要で、施設管理者のスランゴール州政府に対してそのままクランタンに貸し出すことを希望しているということです。

これ以上の詳細は明らかになっていませんが、解体すれば費用がかかるこのスタジアムを賃貸すれば、州政府への収入にもなるわけで、ノリザム オーナーの申し出にスランゴール政府がどう反応するかが注目です

6月5日のニュース
アジアカップ予選出場の代表23名が発表
アセアンU19選手権出場のU19代表候補合宿参加者26名が発表
6月19日のMリーグ1部クダ対JDT戦が延期に 

AFC U23アジアカップに出場中のマレーシアU23代表は、本日タイU23代表と対戦します。初戦の韓国戦に1-4と破れているマレーシアは、グループステージ突破のためにはこの試合に勝つことが必須です。先月の東南アジア競技大会通称シーゲームズで対戦した両チームは、タイに退場者が出たこともありマレーシアが辛勝していますが、果たして今日の試合はどうなるのでしょうか。

アジアカップ予選出場の代表23名が発表

マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で、6月8日に開幕するAFC選手権アジアカップ2023年大会最終第3次予選に出場するマレーシア代表23名を発表しています。その内訳はリーグ首位のJDTの13名を筆頭に、PJシティとヌグリスンビランから各2名、トレンガヌ、スランゴール、サバから各1名、さらに海外組2名となっています。(ただしこの発表後、ジュニオール・エルドストールがタイ1部チョンブリーFCを退団することが発表されています。)

直近のFIFAランキングで154位のマレーシアは、クアラ・ルンプールのブキ・ジャリル国立競技場で開催されるアジアカップ最終第3次予選E組で、同134位のトルクメニスタン(6月8日)、同89位のバーレーン(6月11日)、同188位のバングラディシュ(6月14日)と対戦します。

アジアカップ最終第3次予選出場メンバー

ポジション氏名年齢所属
GKファリザル・マーリアス36JDT
DFシャールル・サアド29JDT
DFラベル・コービン=オン31JDT
MFシャマー・クッティ・アバ25JDT
MFナズミ・ファイズ28JDT
MFサフィク・ラヒム35JDT
FW アリフ・アイマン20JDT
FW サファウィ・ラシド25JDT
FW アキヤ・ラシド23JDT
FW モハマドゥ・スマレ28JDT
DF マシュー・デイヴィーズ27JDT
FWギリェルメ・デ・パウラ36JDT
FWシャフィク・アフマド27JDT
FW ダレン・ロック32PJシティ
FW V・ルーヴェンティラン21PJシティ
DF クザイミ・ピー29ヌグリスンビラン
GKシャイハン・ハズミ26ヌグリスンビラン
FW ファイサル・ハリム24トレンガヌ
GK カイルルアズハン・カリド33スランゴール
DF ドミニク・タン25サバ
MFアザム・アジー27スリ・パハン
DF ディオン・クールズ26SVズルテ・ワレヘム
DFジュニオール・エルドストール31チョンブリーFC
SVズルテ・ワレヘムはベルギー1部、チョンブリーFCはタイ1部、それ以外はマレーシア1部スーパーリーグのクラブ

なお、5月20日から行われていた代表候補合宿には全員で29名が召集されていましたが、副鼻腔炎の手術のため既に5月30日に合宿を離れているシャーミ・サファリ(JDT)を除く以下5名は、予備登録メンバーとして発表されています。

ポジション氏名年齢所属
GKカラムラー・アル=ハフィズ36PJシティ
FWコギレスワラン・ラジ29PJシティ
MFアフィク・ファザイル21JDT
DF シャールル・ニザム24トレンガヌ
FWノーシャルル・イドラン・タラハ27マラッカU
MFリリドン・クラスニキ31オディシャFC
オディシャFCはインドスーパーリーグ、それ以外はマレーシア1部スーパーリーグのクラブ
アセアンU19選手権出場のU19代表候補合宿参加者26名が発表

マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で、7月2日に開幕する東南アジアサッカー連盟AFF U19選手権に出場するマレーシアU19代表26名を発表しています。ハサン・サザリ監督率いるU19代表候補は、既に6月4日に国家スポーツ評議会NSCの施設に集合しており、本日、ジョホール・バルに移動して複数の練習試合を含めた合宿を行った後、6月12日に合宿を打ち上げる予定になっています。

このU19代表は7月2日から15日までインドネシアで開催されるAFF U19選手権出場後は、今年9月にモンゴルのウランバートルで開催されるAFC U20アジアカップ予選にも出場します。なおアジアカップ予選でマレーシアはE組に入り、韓国、モンゴル、スリランカと同組になっています。

U19代表候補合宿参加メンバー

ポジション氏名年齢所属
FWカイリ・スフィアン19SEL2
GKシャーミ・アディブ・ハイカル19SEL2
DFファクルル・ファリーズ19SEL2
MFハイカル・ハキーム・ハイリ19SEL2
MFアザニス・アズリ19SEL2
MFアリフ・イズワン・ユスラン18SEL2
FWアブドル・ラーマン・ダウド18SEL2
DFアリフ・ファルハン・ファウジ18SEL2
MFイズリン・イブラヒム18SEL2
MFアイサル・ハディ19JDT II
MFアダム・ファルハン18JDT II
GKズルヒルミ・シャラニ18JDT III
DFアダム・ダニエル18JDT III
MFジアド・エル=バシール19JDT III
FWナジムディン・アクマル19JDT III
DFアフマド・シャフィク・イクワン19TRE III
DFムハマド・シャフィク・イクワン19TRE III
FWダニエル・シャフィク19TRE III
MFアドリ・アフマド19FAM
FWハイカル・サハル19FAM
MFハリス・ナジワン18FAM
FWアズハド・ハラズ19SAB
FWハキミ・アジム19KLC
GKハジック・ムクリズ19PEN U21
DF ファルハン・ラヒム19UITM U21
DFズリハキム・ザフラン17AMD U17
所属は、SEL2はスランゴール2、JDT III、TRE IIIはそれぞれ、JDTとトレンガヌのU21チーム、FAMはFAM-MSNプロジェクト、SABはサバ、KLCはKLシティ、PENはペナン、AMDはFAMと国家スポーツ評議会MSNが共同運営するエリートアカデミー、モクタル・ダハリアカデミーのチーム
6月19日のMリーグ1部クダ対JDT戦が延期に

Mリーグを運営するMFLは公式サイト上で、6月19日に予定されているMリーグ1部スーパーリーグ第10節のクダ対JDTの試合を延期することを発表しています。なお新たな日程については発表されていませんが、クダが出場するAFCカップのグループステージ終了後となるということです。。

クダは6月24日から30日までインドネシアのバリ島で集中開催されるAFCカップのグループステージに出場することから、この試合に向けての準備のため、MFLに試合日程の延期を求め、対戦相手のJDTもこれに同意したことが、MFLのサイトでは説明されています。

MFLのスチュアート・ラマリンガムCEOはAFC主催大会に出場するMリーグクラブに対しては協力を惜しまないと述べ、クダの他、やはりAFCカップに出場するKLシティ、そしてACLのベスト16に進出しているJDTに対しても同様の対応をしていくことを表明しています。

なおクダはAFCカップのグループステージG組でバリ・ユナイテッド(インドネシア)、カヤ-イロイロFC(フィリピン)、ビサカFC(カンボジア)と同組、KLシティはH組でタンピネス・ローヴァーズ(シンガポール)、PSMマカッサル(インドネシア)と同組となっています。なおH組はクアラルンプールで集中開催の予定です。(*H組はミャンマーのシャン・ユナイテッドが出場辞退したため、3クラブのみとなっています。)ACLのベスト16に進出しているJDTは8月18日に、浦和レッズ戦が控えています。

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1月19日のニュース
元U16代表監督「自分ならA代表監督に自分自身を選ぶ」
FAMが英国1部クラブU18チームの選手をU19代表に招集しなかった理由を説明

元U16代表監督「自分ならA代表監督に自分自身を選ぶ」

昨日のこのブログではマレーシアサッカー協会FAMが4名の韓国人指導者を次のマレーシア代表監督に候補としているというニュースを取り上げましたが、スズキカップ2020グループステージ敗退の責任を取るという名目で契約期間を全うせず辞任したタン・チェンホー前代表監督を批判したリム・ティオンキム氏が、自分がFAMの担当者なら間違いなく自分を次期代表監督に指名すると話しています。

低迷していた香港代表を立て直したことから「香港のフース・ヒディンク」と呼ばれているキム・パンゴン(金判坤)、前韓国U23代表監督のキム・ハクボム(金鶴範)の両氏を中心にFAMが人選を進めているとされるマレーシア代表の監督候補ですが、国内サッカーファンの間では元バイエルンミュンヘンのユースチームコーチで、U16マレーシア代表元監督でもあるリム氏を推す声も多いですが、ソーシャルメディア上でのファンから4名の候補者の内、最もマレーシア代表に適しているの誰かを尋ねられたキム氏は「自分なら自分自身を選ぶ」と答えていますが、その一方での代表監督就任に関してFAMからは何も連絡がないことも明らかにしています。これまでもFAMやマレーシア国内の育成システムなどを度々批判しているキム氏ですが、単なる批判ではなく、的を得た指摘や建設的批判も少なく、またマレーシア人指導者としては数少ない「世界を知っている」指導者でもあることから、FAMは度量の大きさを見せて、キム氏に再び年代別代表を任せてその手腕を発揮してもらうことを考えてみてもいいのではないでしょうか。

FAMが英国1部クラブU18チームの選手をU19代表に招集しなかった理由を説明

マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で、2020年に起こったジャアミ・クレシのU19代表招集騒動の顛末を説明しています。クレシ選手は現在英国1部EPLのブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFCのU18チームでセンターバックとしてプレーしていますが、英国生まれながらイラク人の父親とマレーシア人の母親を持つことから、英国、イラク、マレーシアいずれかの代表選手としてプレーする資格がある選手です。このクレシ選手がマレーシア代表としてプレーする意思を示した一方で、FAMがその意思を無視したといった非難が出ていることから、FAMはこの騒動を時系列に沿って説明しています。

マレーシアU19代表は2020年10月にウズベキスタンで開催予定だったAFC U19選手権2020年大会への出場を決めていましたが、当時16歳だったクレシ選手を招集するため、FAMはクレシ選手の父親と所属するブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFCのアカデミーの責任者に連絡を入れたのが発端ということです。その後、同年7月に予定されているU19代表合宿招集についての話し合いを行なっていく中でクレシ選手の父親が、クレシ選手に無条件でマレーシア国籍取得の支援を求めたとFAMは説明しています。一度もU19代表の練習にも参加せず、ブラッド・マロニーU19代表監督(当時)に評価の機会が与えられない条件下でのこの要求をFAMは一旦は拒否し、その上でFAMとブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFCのアカデミーは話し合いを続け、FAMはブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFCのアカデミーとAFCU19選手権に向けてのU19代表の練習内容や日程を共有する一方で、クラブからはクレシ選手のプレーする様子の映像を受け取ったということです。

7月のU19代表合宿への参加を了承したクレシ選手の父親に対し、FAMはマレーシアが翌2021年にインドネシアで開催が予定されていたFIFA U19ワールドカップにマレーシアが出場となった際には、クレシ選手は英国U19代表に招集された場合でも、マレーシアU19代表としてプレーするという確約を求めると、この父親は当時マレーシア政府が全ての渡航者に求めていた2週間の検疫隔離を理由に、クレシ選手のU19代表合宿参加を撤回する一方で、マレーシア国籍取得手続きは始めるように依頼したということです。

FAMはこれに対して1)マレーシア国籍取得手続きのためにはクレシ選手がマレーシアに入国すること、2)FIFA U19ワールドカップ2021大会ではマレーシア代表としてプレーするという確約、3)U19代表首脳陣が評価するため、U19代表合宿参加すること、の3つの条件を提示したところ、クレシ選手の父親からはこれら全てには同意が得られなかったことから、FAMはクレシ選手のU19代表招集を見送った、というのが騒動の顛末だと説明し、FAMが有望な若手選手の招集に努力を怠っているという批判は当たらないとしています。

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FAMの説明がどこまで本当なのかは分かりませんが、実際にU19代表の練習や合宿に参加せずマレーシア国籍取得を求めたのであれば、FAMがその要求を拒否したのは当然です。その結果としてクレシ選手は現在はイラク国籍を取得して、同国代表としてプレーする意思があると父親は話しており、クレシ選手自身もイラク代表サポーターに対して自身のソーシャルメディア上で自分への支持を感謝するコメントを出しています。マレーシア人の母親を持ち米国3部リーグのニューイングランドレヴォリューションのセカンドチームでプレーするMFアイザック・アングキング(22)も昨年2021年にはマレーシアではなく父親の母国プエルトリコ代表でプレーすることを選び、既に6試合に出場しています。

7月10日のニュース:Mリーグ1部2部とも7月24日より再開決定、完全ロックダウン施行地域のクラブは本拠地以外でホームゲーム開催へ、今年11月開催予定の東南アジア競技大会が2022年に順延決定、U23アジアカップ予選-マレーシアはタイ・ラオス・モンゴルと同組に

 マレーシアはワクチン接種が進んではいるものの、昨日は国内全体で新規感染者数が9,180名と連日新記録が更新されています。一部の州では完全ロックダウンが解除されてはいますが、クアラルンプールとスランゴール州を含む首都圏では現在も完全ロックダウンが続いています。

Mリーグ1部2部とも7月24日より再開決定
 Mリーグを運営するMFLは公式サイトで5月9日より中断中のMリーグが1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグともに7月24日より再開されることを発表しています。この中断はFIFAワールドカップアジア2次予選に出場するマレーシア代表や、AFCチャンピオンズリーグ予選、そして結局は中止となってしまいましたがAFCカップ予選に出場するMリーグクラブを考慮してのものでした。なお、Mリーグ2部は当初、7月3日に再開の予定でしたが、国内に完全ロックダウンが施行されたことで再開延期が発表されていました。
 また中断前に豪雨により順延されていた2部のスランゴールFC2対サラワク・ユナイテッドFC戦と選手が新型コロナウィルス感染により延期されていたペラFC II対ケランタンFC戦はいずれも7月17日への日程変更に加え、強行日程緩和のため1部では8月13日からの第19節から最終節第22節まで、2部では7月27日からの第14節から最終節第22節までで試合日程が変更になることも発表になっています。
 変更された1部スーパーリーグの日程はこちら、2部プレミアリーグの日程はこちらです。

完全ロックダウン施行地域のクラブは本拠地以外でホームゲーム開催へ
 MFLは完全ロックダウン施行地域に本拠地を持つクラブに対し、新たなホームゲーム開催地を確保するように求めています。
 MFL公式サイトによると、Mリーグの全てのクラブは練習場と宿舎間の移動のみが許される合宿形式で練習を行なっていますが、完全ロックダウン施行地域では練習試合も含めてMリーグの試合を行うことが許可されていないことから、MFLはこの地域に本拠地を持つ1部と2部のクラブに対してホームゲームを開催する「暫定本拠地」の確保を求めていくとしています。
 現在、完全ロックダウンが施行されているのはクアラルンプール、スランゴール州、ヌグリスンビラン州の各州と地域ですが、ここにはクアラルンプールに本拠地を持つKLシティFC(1部)、PDRM FC(2部)、スランゴール州に本拠地を持つスランゴールFC、PJシティFC、UITM FC(以上1部)、スランゴールFC2、MSN-FAMプロジェクト(以上2部)、ヌグリスンビラン州に本拠地を持つヌグリスンビランFC(2部)の8チームがあり、この8チームは7月24日ののMリーグ再開前に完全ロックダウン施行地域外に新たに暫定本拠地を設けることが求められています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは現在、Mリーグクラブが使っていないスタジアムに加えて、あるいはMリーグクラブが既に使用しているスタジアムの共用も許可すると話しており、上記の8チームは開幕までの2週間ほどで試合会場を確保する必要があります。

今年11月開催予定の東南アジア競技大会が2022年に順延決定
 マレーシアの通信社ブルナマは今年2021年11月21日から12月2日まで開催予定だった東南アジア競技大会通称シーゲームズが新型コロナウィルス感染拡大を理由に2022年へ延期されたことを報じています。
 マレーシアオリンピック協会OCMの発表によると、東南アジア競技大会連盟はオンラインで会合を開き、ベトナムのハノイで開催予定だった今年のシーゲームズの2022年への延期を決定したということです。既に2022年にはさまざまな国際競技大会の日程が決まっていることから、これまでマレーシアを含めた大多数の国が延期に反対していましたが、今回やっと延期が決まった格好です。新たな日程に関しては、東南アジア競技大会連盟より後日発表されるということですが、なおベトナムの地元メディアでは来年3月あるいは6月への延期が有力ということです。
 オリンピックの東南アジア版とも言えるシーゲームズでは、サッカーはオリンピックに準じて23歳以下代表同士が対戦しますが、マレーシアはマレーシアサッカー協会FAMが2024年パリオリンピック予選を見越して武者修行のためにU19代表を派遣する予定にしていました。

U23アジアカップ予選-マレーシアはタイ、ラオス、モンゴルと同組に
 アジアサッカー連盟AFC U23アジアカップ(旧U23選手権)2022年大会はウズベキスタンで開催されますが、この大会の予選組み分け抽選が昨日7月9日にウズベキスタンのタシケントで行われ、マレーシアはタイ、ラオス、モンゴルと同じ予選J組となることが決まりました。
 今回の組み分け抽選では参加42チームを西地区23チームと東地区19チームに大別された後、さらに西地区は6組、東地区は5組に分ける形で行われ、東地区のマレーシアは予選J組に入り、タイ、ラオス、モンゴルと同組となっています。また今回の予選は各組とも集中開催方式で行われ、マレーシアが入ったJ組はモンゴルが集中開催地となり、10月27日にラオス、29日にモンゴル、31日にタイとの対戦カードが組まれています。
 なお来年2022年の本戦には、開催国のウズベキスタンと予選各組1位のチームと各組2位の内、成績上位の4チームの計16チームが出場します。
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 マレーシアが入る予選J組が集中開催されるモンゴルですが、ググってみたところ首都のウランバートルで10月下旬の平均気温は最高7度、最低-6度と、この組の東南アジア3チームにとってはそれだけでハンデになりそうな環境です。それでも東アジアの強豪国やオーストラリアとは別組みになった幸運に感謝しつつ、マレーシアは2018年中国大会以来となる2度目の本戦出場を目指します。ちなみに2018年大会ではマレーシアはイラク、サウジアラビア、ヨルダンと同組になりながら、サウジを破り、ヨルダンと引き分けるなどしてベスト16に進出しています。
 (下はU23アジアカップ2022年大会予選組み合わせ-AFCの公式サイトより)


6月10日のニュース:東南アジア競技大会延期案にマレーシアは反対、トレンガヌFCはヴァーチャルチームを発足、JDTのU21チームのシンガポールリーグ参加希望に対し地元は賛否両論

東南アジア競技大会延期案にマレーシアは反対
 マレーシアの通信社ブルナマは今年2021年11月21日に開幕予定の東南アジア競技大会延期案に反対の意を表明したと報じています。
 東南アジア版オリンピックとも言える東南アジア競技大会通称シーゲームズは隔年開催の大会で、第31回大会となる2021年大会はベトナムのハノイを中心に開催されることになっていますが、先日、オンラインで開催された東南アジア競技大会連盟SEAGFの会合席上で、主催者となるベトナムより新型コロナウィルス感染拡大を理由に主催者側から来年2022年5月または7月への延期が提案されたということです。この対案に対してSEAGF所属国のうち、開催国ベトナムともう1カ国が支持を表明した一方で、マレーシアを含めた8カ国が反対を表明、ラオスは意思表明を行わなかったということですが、反対多数により主催者は2週間以内にSEAGF所属各国が了承できる新たな提案を行う必要があるということです。
 反対の理由についてマレーシアオリンピック協会OCMのモハマド・ノルザ・ザカリア会長は、来年2022年には*コモンウェルス競技大会(7月28日から8月8日まで英国バーミンガムで開催)、アジア競技大会(9月10日から25日まで中国杭州市で開催)など大会が続き選手の日程が過密になることを挙げています。
 東南アジア競技大会ではサッカーはオリンピック同様、U23代表チームの大会となっていますが、2024年パリオリンピック出場を目指すマレーシアはU19代表チームを出場させることをマレーシアサッカー協会が明らかにしています。

トレンガヌFCはヴァーチャルチームを発足
 Mリーグ1部のトレンガヌFCがEスポーツにも参戦することをクラブの公式サイトで発表しています。
 トレンガヌFCを運営するTFC社は、同じトレンガヌ州を拠点とするEスポーツマレーシアトレンガヌ社(ESMT)とパートナー契約を結び、仮想空間で「ヴァーチャル」トレンガヌFCを立ち上げるということです。このようなヴァーチャルチームを発足させるのはMリーグのクラブとしては初めてということです。
 TFC社のアブドル・ラシド・ジュソーCEOは、トレンガヌFCがEスポーツに参戦することで、クラブのサポーターなどにもEスポーツを体験する機会が提供できるだけでなく、このヴァーチャルチームを国内だけでなく国外へのトレンガヌFCのマーケティングの手段として活用したいと話しています。
 なおこのヴァーチャルトレンガヌFCの選手は、トレンガヌFCのユニフォームと同じユニフォームを着用して、EAスポーツのFIFAシリーズやプロエヴォリューションサッカーPES(日本語名ウイニングイレブン)などの国際大会にも出場するということです。
 

JDTのU21チームのSリーグ参加希望に対し地元は賛否両論
 Mリーグ1部JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下はJDTのU21チーム、JDT IIIをシンガポール1部のSリーグに参加するための交渉が行われていることを明らかにしました。
 イスマイル殿下はクラブがU21チームに多額の投資を行う一方で、マレーシア国内ではU21チームが出場できる試合が少ないことがその理由で、これに対してシンガポールサッカー協会FASのリム・キアトン会長は、Sリーグへの参加が公式に申請された場合、シンガポール国内サッカーにとって利益になるようであれば、JDT IIIの参戦を検討すると前向きな姿勢を見せています。
 これについてシンガポールの英字紙ストレイトタイムズはこのJDT IIIのSリーグ参加希望に対する様々な意見を取り上げています。
 元シンガポール代表のR・サシクマル氏はイスマイル殿下のサッカーに対する考えには共感するが、JDT IIIがU21のサードチームだとして、シンガポールサッカーにとっては何の利益もないとして、Sリーグ参加には反対だと述べています。さらに2034年のワールドカップ出場を目指しているシンガポール代表を強化するためには、外国のクラブ参加を認める代わりにSリーグに参加する国内クラブの数を現在の7から10に増やすべきだと述べています。
 またやはり元代表のシャーリル・ジャンタン氏はFASに対してSリーグの存在意義を再検討するよう求めています。強い国内リーグが強い代表チームや質の高いシンガポール代表選手を生み出す基盤になるとして、JDT IIIの参加はシンガポール人選手のレベルアップには全く繋がらないと話しています。
 その一方でSリーグ昨季5位のバレスティア・カルサFCの副会長でFASの理事でもあるダーウィン・ジャリル氏は、リーグ内の競争を激しくするようなクラブの参加は認めるべきだとしています。チーム数が増えることは歓迎すべきことで、チーム数が増えれば試合数も増えることから、国内クラブ数が増えることが望ましいものの、当座しのぎとしてはJDT IIIのSリーグ参加は悪いアイディアではないと述べています。
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 昨季2020年シーズンのSリーグ優勝チームはアルビレックス新潟シンガポール、そしてその前年2019年シーズンブルネイのDPMMが優勝といずれも外国のクラブが2連覇を達成しています。また、それ以前にもマレーシアのU22代表が2012年に、またU21代表が2013年から2015年にSリーグに参加(同時にシンガポールU22がMリーグに参加)していたこともあります。ちなみにシンガポールU22代表は2013年にはMリーグ1部スーパーリーグで優勝しています。
 なお現在のSリーグは8チームが所属していますが、アルビレックス新潟シンガポールは先発に必ずシンガポール人選手2名を含めること、またベンチ入りも含めて最低10名のシンガポール人選手を登録することなどが義務付けられています。

6月3日のニュース:U19代表合宿がロックダウンにより中止に、主力選手流出のペラFCに9選手が加入、今年のスズキカップは一箇所での集中開催か

U19代表合宿がロックダウンにより中止に
 今年2021年11月からベトナムのハノイで開催される東南アジア競技大会通称シーゲームズに向けて今月6月に予定されていたU23代表合宿が中止になったと、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 事前に関係各所から合宿開催許可を得ていたU19代表でしたが、新型コロナウィルス感染拡大が止まらないマレーシアでは6月1日から14日まで移動制限を含む完全ロックダウンが実施されたことで、今回の合宿も中止となったようです。
 オリンピックの東南アジア版とも言えるシーゲームズでは、サッカーは各国のU23代表が出場しますが、マレーシアサッカー協会FAMは2024年パリオリンピック予選の準備としてU19代表を派遣する予定にしています。
 現在のロックダウン下では半径10kmを超えての原則として禁じられており、これによりスランゴール州プタリンジャヤにあるFAMの練習施設で開催予定だった合宿に選手が参加できない可能性があることなどが中止の理由とされています。
 オーストラリア出身のブライアン・マロニーU19代表監督は現時点ではチームをいつ招集できるかは不明だと話す一方で、新型コロナウィルスの感染状況やFIFAの国際マッチデーカレンダーなどを考慮しながら、次の合宿の予定を立てるとしています。
 U19代表はアジアサッカー連盟AFC U19選手権2020年大会の予選を勝ち抜き、ウズベキスタンで開催予定だった本戦出場の資格を得ましたが、新型コロナウィルス感染拡大により大会そのものが中止になっています。なお、この2020年大会の中止決定後、AFCはこの大会を2023年よりAFC U20選手権として開催することを発表しています。

主力選手流出のペラFCに9選手が加入
 5月31日の今年2度目のトランスファー期間が終了したMリーグですが、給料未払い問題により主力選手が多数退団した1部スーパーリーグのペラFCは公式Facebook上で新たに9選手が加入したことを発表しています。
 9選手の氏名の公表はMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLへの登録が正式に承認されるのを待って行われるということです。
 ペラFC経営陣の署名で行われたFacebookへの投稿では、主力選手6名の退団に伴うサポーターの憂慮を理解しているとした上で、残留した選手が継続して力を発揮できるよう、バランスの取れたチーム作りをするための補強を行ったとしています。
 給料未払い問題が発覚したペラFCからは帰化選手でマレーシア代表でもあるFWギリェルメ・デ・パウラと同じく代表選手のDFシャールル・サアドがJDTへ、MFJ・パルティバンとMFケニー・パッラジがKLシティFCへ、DFナジルル・ナイム・チェ・ハシムがサバFCと、いずれも同じMリーグ1部のクラブに移籍した他、シンガポール出身のDFシャキル・ハムザは母国シンガポール1部のライオンシティセーラーズFCに移籍しています。
 またマレーシア語紙ウトゥサン・マレーシア電子版は、ペラFCのイシャサム・シャールディン チームマネージャーは退団した主力選手6名に感謝の言葉を述べる一方で、この6選手の退団により1ヶ月あたりおよそ50万リンギ(およそ1330万円)の支出減となり、これは経営危機を乗り越えなければならないクラブにとっては重要なことだというコメントを紹介しています。

今年のスズキカップは一箇所での集中開催か
 アセアン(東南アジア)サッカー連盟AFF選手権スズキカップは東南アジアナンバー1を決める大会です。これまではグループステージから決勝までをホームアンドアウェイ方式で行ってきたこの大会は昨年2020年11月に開催が予定されていたものの新型コロナ感染拡大により中止となり、一旦は今年2021年4月に延期されました。しかし東南アジア各国で感染拡大が止まらなかったことから、再度延期された結果今年の12月5日開幕、来年2022年1月1日決勝となる日程が発表されています。
 これについてマレーシアの通信社ブルナマは、新型コロナの感染状況が各国とも改善されていないことからAFFが今年の大会を一箇所での集中開催に方式を変更する可能性があると報じています。
 AFFのKhiev Sameth会長は従来のホームアンドアウェイ方式で大会を開催するのが本意であるとしながらも、新型コロナの影響を考慮して、いくつかの選択肢を用意しておきたいと話しており、その一つが一箇所での集中開催方式だと言うことです。
 今年8月10日に組み合わせ抽選が予定されているスズキカップですが、開催方式についての発表は7月中に行われると言うことです。

1月18日のニュース:FIBはクラブライセンス交付をけた3クラブを今後も監視、ケランタンFCオーナー対MリーグCEOの第2ラウンド勃発、マレーシアが出場予定のAFC U19選手権は結局中止に

 ケランタンFCのノリザム・トゥキマン オーナーがマレーシアサッカー協会FAM、マレーシアンフットボールリーグMFLと繰り広げている舌戦が第2ラウンドに入りました。野次馬根性丸出しで取り上げています。

FIBはクラブライセンス交付をけた3クラブを今後も監視
 マレーシアサッカー協会FAMが、条件付きで2021年のクラブライセンスが交付されていた7クラブの内、UKM FCを除いた6クラブにフルクラブライセンスを交付したことは、先日のこのブログでも取り上げましたが、ライセンス交付を担当するFAMのクラブライセンス交付第一審査機関(FIB)のシーク・モハマド・ナシル議長は、Mリーグ1部のマラッカ・ユナイテッド、スリ・パハン、そして2部のサラワク・ユナイテッドの3クラブについて、FIBに提出された宣言書の内容が守られなかった場合には交付されたクラブライセンスの無効も含めた措置を取る可能性があるとし、今後もこの3クラブを監視していくと話しています。
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版によれば、選手の税金と労働者積立金を滞納しているマラッカ・ユナイテッドと未払い給料を抱えるスリ・パハンとサラワク・ユナイテッドは、いずれもこれらを分割で支払うことを関係機関及び選手との間で合意しており、マラッカ・ユナイテッドは1回目の支払い分となる47万6160リンギを、ケランタンFA(ケランタンFCではありません)は4万4327リンギの支払いをそれぞれ終えており、残る未払い給料も予定されている日程に沿って支払われることになっているということです。またサラワク・ユナイテッドは来月2月よりやはり分割で未払い給料の支払いを行うということです。
 この状況についてシーク・モハマド・ナシルFIB議長はこの3クラブがフルライセンス交付に当たっての条件となっている分割払いが行われる状況を監視し続けるとし、この分割払いが予定通り行われない場合や、マレーシア人以外の選手への未払い給料問題が発覚した場合には、クラブライセンスの無効化も含めた処分を行うと話しています。

ケランタンFCオーナー対MリーグCEOの第2ラウンド勃発
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、ケランタンFCのノリザム・トゥキマン オーナーに対して、MFLの方針に反するコメントを公言することは、倫理規定に反する行為であると非難しましたが、ノリザム オーナーはこれに対してさらに反論を行なっているとブリタハリアンが報じています。
 未払い給料問題を抱えるケランタン州サッカー協会(ケランタン州FA)がこの問題を解決しなければ、FAMはケランタンFCの勝点剥奪処分を課すという発言の有無をめぐってFAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長とメディア上で非難の応酬を繰り広げたノリザム オーナーはその流れでMFLへも非難の矛先を向けました。これに対してMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは既に各クラブに対して説明済みの問題を敢えて蒸し返したとして倫理規定に違反するとしてノリザム オーナーを非難し、理由説明書を送付して説明を求めました。
 これで一件落着かと思いきや、ノリザム オーナーは理由説明書を受け取ったことを明らかにした上で、MFLのアブドル・ガニCEOに対して「MFLのCEOであるにも関わらず、ケランタン州FAとケランタンFCは民営化の結果、互いに別の組織となったことを理解していない。Mリーグ参加クラブを所有しているのが誰なのかをもっと正確に把握するべきだ。」と改めて非難しています。
 昨年9月にケランタン州FAからクラブの経営権を買い取ったノリザム オーナーは所有するケランタンFCがMリーグやMFLにマイナスイメージを植え付ける意図は全くはないとした上で、MFLに対して組織の透明性をより高め、Mリーグクラブのオーナーともミーティングを行うなど、プロらしく行動するべきであると提言しています。
 「MFLは経営状況を公開し、信用性、透明性、法令遵守をより高めるべきである。ケランタンFCは現在に至るまでMFLから会計監査の結果や年次総会の日程などの連絡を全く知らされていない。」とも述べているノリザム オーナーは、自身がMFLに求めているのはMリーグの地位や価値を高めるために、企業経営の監督管理を改善するための行為であるとも話しています。

AFC U19選手権は結局中止に
 東南アジアサッカー連盟AFFの公式サイトでは、昨年から延期されていたアジアサッカー連盟AFC U19選手権とU16選手権がいずれも中止となったと報じています。
 インドネシアサッカー協会(PSSI)のモハマド・イリアワン会長が今月1月15日にAFCから中止決定を知らせる内容を公式に書面で受け取ったことを報じている他、その書面にはAFCフットサル選手権とAFCビーチサッカー選手権の中止も書かれていたということです。
 マレーシアも出場予定だったAFC U19選手権は昨年10月にウズベキスタンで開催予定でしたが、新型コロナウィルス感染拡大の影響で今年3月に日程が変更になっていました。また同U16選手権は9月にバーレーンで開催予定でしたが、こちらも今年3月から4月にかけての開催に日程が変更になっていました。またこの両選手権の上位チームが出場する予定だったFIFA U20W杯と同U17W杯は既に中止が決まっていました。
 この中止決定を受け入れたと話すイリアワンPSSI会長は、AFCの決定を尊重するとし、中止によってPSSIはU16代表とU19代表の強化により多くの時間が取れると話しているということです。
 また中止となった選手権は2023年にAFC U20アジアンカップ、AFC U16アジアンカップとしてそれぞれウズベキスタンとバーレーンで開催される予定ということです。
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 U19選手権とU16選手権中止のニュースはAFCの公式サイトでは一切発表されていないのですが、AFFの公式サイトで記事となっていたので、取り上げました。

10月25日のニュース:U19代表のルクマンがついにベルギ−1部リーグ公式戦デビュー、来季の1部リーグコーチのライセンス特例続報、クアラルンプールFA新監督候補者としてマルコート氏が浮上

U19代表のルクマンがついにベルギ−1部リーグ公式戦デビュー
 U19代表のエース、ルクマン・ハキム・シャムスディンがついにベルギー1部リーグでの公式戦デビューを果たしました。
 ベルギー1部リーグのKVコルトレイクへ移籍した18歳のルクマン選手は、マレーシア時間の10月24日の早朝にホームのグルデンスポーレン・スタディオンで開催されたリーグ第10節のRSCアンデルレヒト戦に74分から出場し、マレーシア出身選手として初めてベルギー1部リーグデビューを果たしています。
 0-3と劣勢の場面でセルビア出身のDFペタル・ゴルボヴィッチと交代で出場したルクマン選手は右サイドのポジションに入り、わずか16分ほどしかプレーしませんでしたが、87分には敵陣ゴールライン付近からペナルティーエリアに走り込んできたMFジュリアン・デ・サールへパスを送ると、相手DFがデ・サール選手を倒してしまい、KVコルトレイクはPKを獲得しました。これをFWイロンベ・ムボヨが決めて、試合は1-3都なりましたが、このままのスコアで終了し、KVコルトレイクは敗れています。
 KVコルトレイクは、10試合を終了して4勝2分4敗、得点12失点13でリーグ暫定順位を9位としています。
 マレーシア人ビジネスマンのヴィンセント・タン氏がオーナーのKVコルトレイクと5年契約を結んだルクマン選手は、今年8月にチームに合流し、先週はKVコルトレイクのU21チームの試合に出場し、ゴールを決めていました。 

来季の1部リーグコーチのライセンス特例続報
 来季Mリーグ2部から1部に昇格するペナンFAのマンズール・アズウィラ監督とクアラルンプールFAのニザム・アズハ・ユソフ監督は、FAMがMリーグ1部クラブの監督に求めるアジアサッカー連盟AFCプロフェッショナルコーチングディプロマ(AFCプロディプロマ)を保持していません。しかし新型コロナウィルス感染拡大による特例措置として、来季に限りAFCプロディプロマなしでの指導が認められる可能性があることを、先日のこのブログで取り上げました。
 この件についてスポール専門サイトのスタジアムアストロは続報として、AFCは「資格のある」コーチに限り、Mリーグ1部での指導を認める特例を適応するということのようです。
 この特例についてAFCと相談中と話すマレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長によると、この特例措置はAFCプロディプロマを持たない指導者のうち、国内トップリーグのクラブを指導するに値する資格を持つとAFCが判断した指導者にのみ適応されるということです。その判断の基準の一つとして指導期間の長さなどが上がっているということです。
 スタジアムアストロはAFCのウインザー・ジョン事務局長にも確認を取ったということで、この特例対象者はFAMではなくAFCによって決定されるということです。

クアラルンプールFA新監督候補者としてマルコート氏が浮上
 上の記事と関連して、スタジアムアストロではクアラルンプールFAの監督候補者を取り上げています。
 スペイン出身のラモン・マルコート氏がその一人、スタジアムアストロのインタビューに対して、マレーシア人コーチと自らの経験や知識を共有したいと話しています。
 クアラルンプールFAを運営するクアラルンプールサッカー協会は、上の記事で取り上げたように今季の指揮を取るのニザム・アズハ・ユソフ監督がMリーグ1部昇格となる来季も続けて指揮を取る為に必要なAFCプロディプロマを保持していないことから、Mリーグ1部のクダFAでの監督経験がある43歳のマルコート氏を、来季の監督候補の一人としているとされています。
 スタジアムアストロのインタビューに対してマルコート氏は、クアラルンプールサッカー協会からの正式なオファーは受けていないと話す一方で、もしそういったものがあれば話を聞くつもりがあるとしています。
 なおマルコート氏は、2017年シーズンから2018年シーズンにかけて、クダFAがニザム・アズハ・ユソフ監督だった際にはコーチを務め、その後はニザム監督と交代で監督を務めた経験もあります。
 さらにマルコート氏は、外国人指導者が成功するためには、其の国の状況を理解し、現地の指導者と協力して指導することが重要だと話し、ニザム現クアラルンプールFA監督とは当時は関係が良好であり、また今後ともに指導することには何も問題がないと話しています。

9月11日のニュース:AFCU19選手権は来年へ延期決定、クダ州FA会長はアイディル監督に固執せず、ケランタンUの民営化手続きが完了

AFCU19選手権は来年へ延期決定
 アジアサッカー連盟AFCは、新型コロナウィルスの影響を理由に10月にウズベキスタンで開催が予定されていたAFC U19選手権の延期を公式サイトで発表しています。またバーレーンで開催予定だったAFC U16選手権の延期も併せて発表されており、いずれの大会も2021年初旬の開催を目指していると言うことです。
 マレーシアも出場予定だったAFC U19選手権は来年2021年5月にインドネシアで開催予定の国際サッカー連盟FIFA U20W杯のアジア予選も兼ねています。
 AFCは公式サイト上でアジアの多くの国で新型コロナウィルス感染拡大が収束していない中、大会に参加する若い選手の健康を最優先することに加え、移動に伴う健康上のリスクなども延期の理由に挙げています。
 AFCのシーク・サルマン・エブラハム・アル・カリファ会長はAFCとAFC加盟国のサッカー協会MAの財政の健全性を確保することは重要だとした上で、全員が協力してこの苦境を乗り越えることを提案しています。
 U19選手権とU16選手権に加え、今年2020年のAFCカップとAFCソリダリティカップの中止を決定した他、フットサルクラブ選手権は2021年にアラブ首長国連邦を開催国として来年2021年に開催することも発表しています。また11月にトルクメニスタンで開催が予定されていたAFCフットサル選手権は、12月2日から13日の予定でクウェートに開催地を変更して行うことも発表しています。

クダ州FA会長はアイディル監督に固執せず
 マレーシアの通信社ブルナマはMリーグ1部クダFAを運営するクダ州サッカー協会(クダ州FA)会長の「アイディル・シャリン監督が他のクラブへ移籍したければ、それを慰留しない」と言う発言を報じています。
 来季は同じMリーグ1部のペラTBGの監督就任が噂されているアイディル監督について報道陣に問われたクダ州FAのムハマド・サヌシ会長は「自分のところには何の情報も届いていないが、マレーシアは民主主義の国であり、誰でも自由に自分の行きたいところへ行く自由がある。」と話しています。
 同じ記事では、ムハマド・サヌシ会長はクダFAの選手と給料体系の見直しのために話し合いを行ったことも明らかにしています。
 「クダ州FAは経営が困難になっており、その大きな理由の一つが現在の給与体系である。給料削減に応じられない選手や自身の技量にそぐわない給料を希望する選手に対しては、クダFAは希望があれば放出する準備がある。」とも話す一方でムハマド・サヌシ会長は、クダ州出身の選手にはクダFAに残って欲しいというとも話しています。
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 アイディル監督は、来季の構想や自身の契約についてクダ州FAと話し合いを希望していることを表明していますが、それに対してクダ州FAが何の対応もしていないことに不満があるとされており、今月9月半ばまでにクダ州FAから何の返事もなければ、他のクラブと交渉に入ることも明らかにしています。

ケランタンUは民営化手続きが完了
 Mリーグ2部のケランタン・ユナイテッドFCは、マレーシアサッカー協会FAMがMリーグ1部と2部の全クラブに求めているクラブ民営化手続きを完了したようです。
 マレーシアの通信社ブルナマによると、ケランタン・ユナイテッドFCは今月に入ってFAMに民営化手続きに必要な書類を提出したと言うことですが、ブルナマの記事ではケランタン・ユナイテッドFCのワン・モハマド・ズル・イクマン事務局長の話として、FAMから正式に民営化承認の手紙がケランタン・ユナイテッドFCに届いたと言うことです。
 FAMは来季2021年以降のMリーグ出場のクラブライセンス発給条件の一つして、各州のサッカー協会(州FA)などが運営するクラブの民営化を義務付けており、今回の民営化手続き完了により、ケランタン・ユナイテッドFCは来季のMリーグに出場するためのクラブライセンス申請資格を得たことになります。
 ケランタン・ユナイテッドFCは昨季、Mリーグ3部にあたるM3リーグの優勝チームとして今季から2部に昇格しています。

“Thank you to FAM, the Malaysian Football League (MFL) for helping the club complete this privatization. However, KUFC’s participation in the national level competition or the Asian Football Confederation (AFC) is subject to the acceptance of the KUFC club license this year,” he said. .

Wan Mohd Zul said at this time, his party was completing the documents required by FAM for the purpose of application and license approval.

“Currently, 95 percent of the documents have been sent to FAM for club license matters,” he said.

  • BERNAMA


9月3日のニュース:ケランタンFAの新オーナーが決定、U19代表合宿参加組のレベルアップが急務

 ケランタン州サッカー協会(ケランタン州FA)が運営するMリーグ2部のケランタンFAの新オーナーが決定したと、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 企業家でもあり投資家でもあるノリザム・トゥキマン氏はケランタン州FAとの間で行っていた交渉が成立し、ケランタン州FAが設立したクラブ運営会社のTRW社の主要株主となるということです。
 本日9月3日に正式な記者会見が本拠地のケランタン州コタバルで行われるということですが、これによりケランタンFAは民営化されて、来季からはケランタンFCとなることも発表される予定です。
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 ケランタン州を中心に食品関連企業とホテルなどを経営するザムバーガー社をノリザム氏はザムサハムの愛称で知られています。本日の記者会見ではケランタンFAの選手とスタッフに未払い給料の支払いも行われるという情報もあります。
 いずれにせよ、これでクラブの民営化が実現され、ケランタンFAは来季はケランタンFCとしてMリーグに参戦できそうです。
(以下はノリザム氏の運営企業のFacebookに挙げられたケランタンFA民営化発表イベントの告知)

U19代表合宿参加組のレベルアップが急務
 U19代表は代表候補合宿参加組に現在開催中のMリーグに出場している選手が加わり最終メンバーが決定しますが、U19代表のチームマネージャーは合宿参加組のレベルアップが急務であると話していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 これまで7週間にわたって合宿を行なってきたU19代表候補について、チームマネージャーのカマルル・アリフィン・モハマド・シャハル氏は、いまだに満足のいくレベルのパフォーマンスが見られないと話し、この理由として合宿参加組とMリーグ出場組との間の実力差を挙げています。
 「合宿参加組とMリーグでプレーしているU19代表候補の実力差は明らかである。しかしその際はここの選手の才能の差ではなく、Mリーグ組がプロとして臨んでいる練習や試合時間数の差である。」と話すカマルル・アリフィン チームマネージャーは、今月から始まるU19代表候補第三次合宿からMリーグでプレーする選手が合宿に加わることを明らかにしています。
 さらにカマルル・アリフィン チームマネージャーは、「現在Mリーグの1部と2部でプレーしている13名の選手が第三次合宿からチームに加わり、これまでの合宿に招集された総勢30名ほどの選手から選ばれる7名か8名の選手とともに最終候補のメンバーとなる。」と話しています。
 第三次合宿から参加する予定のMリーグ組には、ムカイリ・アジマル・マハディ、フィルダウス・イルマン・モハマド・ファドヒル、アズリン・アフィク・ルスミニ、シーク・イズハン・ナズレイ・シーク・アズマン、ハリス・ハイカル・アダム・アフカル(以上スランゴール2)やベルギー1部リーグのKVコルトレイクと契約したルクマン・ハキム・シャムスディンらがいます。
 U19代表は、10月14日にウズベキスタン で開幕するアジアサッカー連盟AFC U19選手権に出場しますが、この大会も延期の可能性が取り沙汰されています。