1月31日のニュース:2020年マレーシアサッカー重大ニュース(後編)

2020年最後の1日は昨日の前編に続き、今年のマレーシアサッカーをボラセパマレーシアJP的視点」振り返ります。

クラブ民営化がスタートも州サッカー協会の影響力は変わらず
 国内リーグMリーグは州対抗戦から発展した経緯があり、各州のサッカー協会(州FA)が運営するクラブが今季2020年シーズンで言えば、1部は12クラブ中7クラブが、2部は12クラブ中8クラブあります(2部は1部在籍クラブのセカンドチームも含む)。さらに政府系企業や警察、国立大学などの公的機関によって運営されているクラブも含めれば、1部と2部合わせた24クラブ中、民営化されているのは1部ではJDTとPJシティFC、2部はJDTのセカンドチームJDT IIの3クラブだけです。
 過去数年に渡ってリーグ参加クラブを民営化するようアジアサッカー連盟AFCから勧告を受けていたマレーシアサッカー協会FAMがようやく重い腰を上げたのが今年でしたが、そこで起こったのが新型コロナウィルスによるリーグ中断。州政府などの抗菌による支援を受けていたクラブは軒並み経営危機に陥りました。クラブは選手や監督、コーチの給料をカット、カットでも対応できる昨日取り上げた給料未払いとなる最悪のケースもありました。
 この公的資金依存体質を改善することも目的の一つとされるMリーグクラブの民営化ですが、FAMが全クラブが州FAから分離され民営化が完了したことを発表しても、クラブ関連のニュースが相変わらず州FAの公式サイトで発表され、運営会社の役員も州FAからの横滑りといった人事も見られます。FAMは「完全」民営化まで2年間の猶予を各クラブに与えていますが、それまでは見た目が変わっただけの旧態依然とした状況が続きそうです。

代表選手の国外リーグ挑戦はほぼ失敗
 去年から国外でプレーするドミニク・タン(タイ1部ポリス・テロFC)に加え、ノーシャルル・イドラン・タラハ(タイ1部BGパトゥム・ユナイテッド)、モハマドゥ・スマレ(タイ1部ポリス・テロFC)そして期限付き移籍でサファウィ・ラシド(ポルトガル1部ポルティモネンセSC)が今季は国外でのプレーを選びました。
 しかしノーシャルル選手は今年12月いっぱいまでの契約が延長されず退団、給料未払い問題を理由にパハンFAを離脱したスマレ選手も同様に12月以降の契約更新がなく対談が濃厚です。また1年間の期限付き移籍でポルトガルへ渡ったサファウィ選手も1度もリーグ戦に出場することなく帰国が決まっています。
 その一方で2年目のタン選手は先発フル出場する機会も増えているので、1年足らずでマレーシアへ戻る選手たちにはもう少し腰を落ち着けてプレーする覚悟があれば…といったところでしょうか。
 フル代表の選手が国外でパッとしない一方で、U19代表のルクマン・ハキム・シャムスディンがベルギー1部コルレイクKVと5年契約を結び、U23代表のハディ・ファイヤッドがJ2のファジアーノ岡山で3年目の契約更新を行うなど若い選手に期待する方が楽しみかもしれません。(ハディ選手はその後、出場機会を求めてJ3のアスルクラロ沼津へ期限付き移籍しています。)

日本人トリオがクチンFAの躍進に貢献
 クチンFAは昨季2019年はMリーグの3部に当たるM3リーグで2位となり、入れ替え戦に勝利して今季2部に昇格したクラブです。そのクチンFAは今季2部で4位と大躍進を果たしましたが、それを支えたのがMリーグで初の日本人監督となった東山晃監督と昨年からクチンFAでプレーする鈴木雄太選手、そして大卒即プロデビューとなった谷川由来選手の日本人トリオです。
 リーグ上位に与えられるマレーシアカップへもクラブ史上初めて出場も果たし、クラブの歴史に名前を残した3名ですが、東山監督と谷川選手はケランタン・ユナイテッドFCへ加入し、鈴木選手は来季もクチンFAでプレーします。

中武駿介がアシスト王に
 所属したMリーグ2部ヌグリスンビランFAは今季11位となったものの、チームの12ゴールの半数近くに絡む5アシストを記録し、クチンFAのハドソン・ディアスと共にリーグのアシスト王に輝いています。
 今季終了後には複数クラブからオファーを受けながら引退を選択したのは残念でしたが、2016年に今は消滅してしまったクアンタンFAに加入し、PDRM FC、そしてヌグリスンビランFAとMリーグで長きに渡ってプレーした中武選手。本当にお疲れ様でした。

Mリーグに日本出身選手が急増
 昨季2019年シーズンは上記の鈴木選手(クチンFA)や中武選手(ヌグリスンビランFA)の他、1部のフェルダ・ユナイテッドFCに渡邉将基選手、池田圭選手が、2部のトレンガヌFC IIには鈴木ブルーノ選手と5名しかいなかったMリーグの日本出身選手ですが、今季2020年は渡邉選手はケランタンFAへ移籍し、池田選手は退団、他の3選手は昨季と同じチームに所属しました。この4名に加えて、フェルダ・ユナイテッドFCには恵龍太郎選手が、クチンFAには谷川由来選手が、JDT IIには廣瀬慧選手が加入した他、M3リーグにも岸健太(PIB FC)、木下怜耶(アルティメイトFC)、高山龍(ランカウィシティ)、宮崎崚平(ムラワティFC)、米澤淳司(スマラクFC)の5名の日本出身選手が加入し、日本出身選手の数が昨季の倍以上になりました。
 この内、鈴木雄太選手は来季もクチンFA、谷川選手はケランタン・ユナイテッドFC加入、渡邉選手は同じマレー半島東海岸のトレンガヌFC II加入が発表されています。また廣瀬選手は2年契約の2年目で、この4選手は来季もMリーグで観戦できそうです。
 さらにケランタン・ユナイテッドFCにビッグネーム加入!昨日12月30日に元日本代表の本山雅志選手が加入することが発表されました。
 マレーシアのトランスファーウィンドウは来年2月1日までなので、今後も日本人選手が増えることを期待して、今年のブログを締めくくらせていただきます。皆様、良いお年をお迎え下さい。

12月1日のニュース:タイ1部第13節-ドミニク・タンは途中出場もスマレとノーシャルルはベンチ入りせず、ポルトガル1部第8節-サファウィはベンチ入りも出場なし、国立エリートアカデミー第2期卒業生の主力はJDTとスランゴールFCへ、PJシティFCとサバFCはいずれもマレーシア人新監督就任

タイ1部第13節ドミニク・タンは途中出場もスマレとノーシャルルはベンチ入りせず
 11月27日から30日にかけてタイ1部リーグ第13節が行われました。11月27日に行われたナコーンラーチャシーマーマツダFC対BGパトゥム・ユナイテッドFCは首位のBGパトゥム・ユナイテッドが2-0で勝利しましたが、マレーシア代表で12月いっぱいでの退団が決まっているノーシャルル・イドラン・タラハはベンチ入りしませんでした。
 また11月30日に行われたトゥルー・バンコク・ユナイテッドFC対ポリステロFCの試合は1-1の引き分けでした。マレーシア代表のドミニク・タンは74分から出場しましたが、同じ代表のモハマドゥ・スマレはやはりベンチ入りしませんでした。(その後、スマレ選手は練習中に負ったケガのため、チームの遠征に帯同しなかったことをポリス・テロFCのラングサン監督が明らかにしています。なお、ケガの具合については深刻なものではないとのことです。)

ポルトガル1部第8節-サファウィはベンチ入りも出場なし
 11月29日(現地時間)にポルトガル1部第8節の数試合が行われ、マレーシア代表のサファウィ・ラシドが所属するポルティモネンセSCがCDナシオナルを1-0で破っています。なお、サファウィ選手は3試合連続でベンチ入りしましたが、この試合も出場機会はなく、ポルトガルリーグデビューは果たせませんでした。
 この試合まで1勝1分5敗のポルティモネンセSCと、同じく2勝4分1敗のCDナシオナルの対戦となったこの試合は、ブラジル出身FWファブリシオのゴールでポルティモネンセSCが10月17日の第4節以来となる今季2勝目を挙げています。

国立エリートアカデミー第2期卒業生の主力はJDTとスランゴールFCへ
 マレーシア政府青年スポーツ省とFAMが共同で運営する国家サッカー選手養成プログラムNFDPの中核となるモクタル・ダハリ・アカデミーAMDは国立のエリートアカデミーですが、その第2期生となる17歳の選手40名がこの度卒業となりました。
 その40名中、Mリーグ1部7連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDTとやはり1部のスランゴールFCが合わせて12名の選手と契約したと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 なおこの記事によると、この両クラブはAMDの主力選手12名に卒業生全員に2年から3年の複数年契約をオファーしたということです。
 主力選手の一人MFジアド・アル・バシールや、現在はベルギー1部リーグのKVコルトレイクに所属するルクマン・ハキム・シャムスディンと2016年のAFC U16選手権ではコンビを組んだFWムハマド・ナジムディン・アクマル・カマル・アクマルはJDTと、またDFムハマド・ファイズ・アメル・ルニザルはスランゴルFCとそれぞれ契約しています。なおこの12名の大半は今年2月に鹿児島で開催されたJENESYS2019青少年サッカー交流大会にマレーシアU17代表として出場したということです。
 なお、昨年AMDを卒業した第1期生34名はJDTが6名、スランゴールFCが28名と契約しています。
 以下はJDTとスランゴールFCが契約したAMD第2期生の氏名です。

氏名ポジション契約先
Muhammad Haziq Ridhwan Mohd RosliDFJDT
Muhammad Naqiu Aiman Abdul Hadi DFJDT
Muhammad Najmudin Akmal Kamal AkmalFWJDT
Ziad El Basheer NorhishamMFJDT
Mohammad Marwan Abdul RahmanDFJDT
Muhammad Syukur Fariz JanuriMFJDT
Muhammad Faiz Amer RunnizarDFスランゴール
Syahmi Adib Haikal Mohd ShukriGKスランゴール
Abdul Afiq Hilman Abdul HalimFWスランゴール
Muhammad Haiqal Haqeemi HairiDFスランゴール
Muhammad Khairi Suffian KhaineyusriFWスランゴール
Syed Zaris Irfan Syed Putra Hasdiana Faizal DFスランゴール

PJシティFCとサバFCはいずれもマレーシア人新監督就任
 今季Mリーグ1部で7位に終わったPJシティFCと同10位のサバFC(来季より、今季はサバFA)はそれぞれ新監督の就任を発表しています。
 PJシティFCは、今季アシスタントコーチを務めたマニアム・パチャイアパン氏が監督に昇格します。マレーシアU16、U19、U21代表の監督経験の他、2017年シーズンはスランゴールFA(現スランゴールFC)でも監督を務めたマニアム監督率いるPJシティFCは、来季は外国籍選手なし、全員マレーシア選手という布陣でMリーグ1部に臨むということです。
 これについてマニアム監督は、若い選手により多くの機会を与えて、特に外国籍選手に頼ることの多いストライカーとセンターバックで実力を発揮して欲しいと話し、今季のメンバーの6割が残るチームにはトレンガヌFCから獲得した元代表のダレン・ロックとU21のプレジデントカップチームのメンバーもトップチームに呼ぶことになるだろうとも述べています。
 またサバFC(来季から、今季はサバFA)は、サバ州に隣接するサラワク州出身のルーカス・カラン氏の新監督就任を発表しています。
 今季1部に昇格したサバFAは、昨季監督を務めたジュリアス・アティン氏がMリーグ1部での監督に必要なAFCプロライセンスを保持していなかったことから、インドネシア出身のクルニアワン・ドゥイ・ユリアン監督が就任しましたが、今季終了後に契約が更新され図、事実上の解任となっていました。
 サバFCのヴァードン・バハンダCEOは、AFCプロライセンスを持ち、スポーツ科学の専門家でもあることから、ルーカス氏が複数の候補者から選ばれたと話しています。
 

11月10日のニュース:マレーシアカップ準々決勝順延報道もMFLからの公式発表なし、ポルトガルリーグ1部第7節-サファウィはベンチ入りも出場なし

マレーシアカップ準々決勝順延報道もMFLからの公式発表なし
 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は新型コロナウィルス新規感染者数が減少しないことを理由に、マレーシアカップ準々決勝が延期されるだろうと述べています。
 さらにイスマイル上級相は、サッカーは接触が起こるスポーツであり、選手間で感染が広がる危険があることを保健省が憂慮しているとも述べています。
 「マレーシアカップは順延することで関係各所が同意しており、新たな日程は後日発表になる。サッカーファンには我慢して欲しい。」と昨日の記者会見で述べたことを英字紙スター電子版が報じています。
 感染者増が止まらないために政府はマレー半島の大半の州に条件付き活動制限令を施行せざるをえなくなったと話すイスマイル上級相は「保健省と新型コロナウィルス感染者の治療にあたる医療従事者は、感染を抑え込もうと全力を尽くしている。感染者の数が減り、無観客とは言え(試合ができる)状況に戻ってくれることを期待している。」とも話しています。
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 マレー半島ではプルリス州、ケランタン州、パハン州以外の全ての州に条件付き活動制限令が施行されており、幼稚園、保育園から高等学校まで全ての学校が休校になり、州を跨ぐ移動も原則禁止、商店や飲食店も営業時間が午前6時から午後10時までに制限されており、このような状況ではマレーシアカップ延期も止むを得ないのかもしれませんが、不思議なのはマレーシアカップ延期について英字紙スター以外にも、マレーシア語紙ブリタハリアンなどが取り上げている一方で、このをブログ書いている11月9日午後11時30分(マレーシア時間)の時点では、マレーシアカップを主催するマレーシアフットボールリーグMFLの公式Facebookでは何も告知されておらず、国営の通信社ブルナマでも何も報じられていません。(なので、実は確定していないのかも…。)
 MFLが抵抗しているのか、それともそもそもまだ確定ではないのか。その理由は不明です。
 実はこの記事が出る前には、すでにベスト8が決まり、11月12日と13日に予定されているマレーシアカップ準々決勝4試合を条件付き活動令が施行されていないケランタン州のコタバルとパハン州クアンタンで実施できるよう、MFLが国内のスポーツを統括する青年スポーツ省に提案し、国家安全保障委員会より認可を受ける予定であるという記事も出ていました。

ポルトガルリーグ1部第7節-サファウィはベンチ入りも出場は無し
 11月9日早朝(マレーシア時間)に開催されたポルトガル1部リーグ第7節のFCポルト対ポルティモネンセSCの試合は、日本では「中島翔哉と安西幸輝の日本人対決が実現」(Goal.com日本語版より)と注目されていたようですが、マレーシアのサッカーファンはJDTから期限付きで移籍しているサファウィ・ラシドがついにデビューか、と待ち望みにしていた試合でした。
 移籍後初のトップチームの試合でベンチ入りが明らかになり、さらにこの試合前にポルティモネンセの公式Facebookにサファウィ選手のユニフォーム姿の写真までが投稿されたことで、マレーシアの多くのサッカーファンの期待が高まりましたが、残念ながら出番はありませんでした。
 ポルティモネンセSCはこの試合も1-3で敗れ、最近5試合を1勝4敗として最下位に転落しました。

10月27日のニュース:タイ1部リーグ第10節-タンとノーシャルルは途中出場、ポルトガル1部リーグ-サファウィはトップチーム合流へ、制限付き活動制限令延長はマレーシアカップの日程に影響なし-MFL

タイ1部リーグ第10節-タンとノーシャルルは途中出場
 タイ1部リーグは10月24日と25日に第10節が開催されました。マレーシア代表のムハマドゥ・スマレとドミニク・タンが所属するポリス・テロFCは10月25日にSCGムアントン・ユナイテッドを迎えてのホームゲームを行いましたが、1-3と敗れています。
 前節第9節はベンチ入りしながら出場機会がなかったタン選手ですが、この日は同じDFのアイザック・ホニーに代わって59分から出場し試合終了までプレーしています。またスマレ選手はクラブが課している12日間のフィットネスプログラムを終了していないということで、ベンチ入りしませんでした。
 またノーシャルル・イドラ・タラハが所属するBGパトゥム・ユナイテッドはスコータイFCとのアウェイゲームに臨み、3−2で勝利しています。前節第9節はベンチ入りしながら出場機会がなかったノーシャルル選手は、この日は同じFWのシロー・チャットーンと交代で78分から出場し試合終了までプレーています。
  第10節を終了して、開幕から無敗のBGパトゥム・ユナイテッドは8勝2分で2位のチェンライ・ユナイテッドに勝点差6をつけて首位を快走、一方のポリス・テロFCはここ5試合で3分2敗の成績で、通算成績を4勝3分3敗として8位となっています。

ポルトガル1部リーグ-サファウィはトップチーム合流へ
 ポルトガル1部リーグのポルティモネンセSCと契約した代表FWのサファウィ・ラシドは、現地時間10月24日に開催されたU23リーグのマリティモSC U23戦への出場がありませんでした。前節第5節は同じU23リーグのスポルティングCP U23戦に出場し、メディアだけでなくパウロ・セルジオ監督からも高く評価する発言があった一方で、その次の試合ではベンチ入りすらしなかったことから謎が深まっていましたが、その疑問にサファウィ選手が答えています。
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版によると、ポルティモネンセSC U23チームに内に新型コロナウィルス感染者が見つかったことから、サファウィ選手はチームとは別行動を取っていたようです。
 また、サファウィ選手はトップチームのこの翌日からトップチームの練習に参加することも明らかにしており、今週末に予定されているポルトガル1部リーグ第6節のCDサンタ・クララ戦への出場の可能性も出てきています。

制限付き活動制限令延長はマレーシアカップの日程に影響なし-MFL
 昨日10月26日のマレーシア保健省の発表では新規感染者が全国で1200名を超えるなど、連日、1日あたりの感染者数の記録を更新し続ける新型コロナウィルス。収束の気配すら見えないことから、スランゴール州、クアラルンプールそしてプトラジャヤの首都圏に施行されていた条件付き活動制限例CMCOは本日1027日を期限としていましたが、これが11月9日とさらに2週間の延長が発表されています。
 これを受けて国内リーグのMリーグ、さらに来月開催予定のマレーシアカップを主催するマレーシアフットボールリーグMFLが声明を発表し、未消化のMリーグの試合とマレーシアカップは予定通り実施予定であることを明らかにしています。
 Mリーグ1部最終節第11節の未消化試合は1部UITM FC対サバFA、同2部クアラルンプールFA対クチンFA戦がいずれも10月31日に開催予定となっている他、マレーシアカップは11月1日に組み合わせ抽選、1回戦は11月6日開幕という予定がMFLから発表されています。
 マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版は、MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、CMCOが施行されている地域に本拠地を持つスランゴールFC、クアラルンプールFA、PJシティFCそしてUITM FCについて、MFLが適切な試合会場を確保する予定であるとしています。
 「サッカーは産業であり、CMCO施行中に工場が稼働しているのと同様に、試合を続けていくべきである。」とアブドル・ガニCEOは話しています。
 新型コロナウィルス感染拡大に伴い、首都圏には10月14日より本日10月27日まで2週間の期限付き活動制限令が施行され、可能な限り出勤を控えてリモートワークを行うことが奨励されていました。しかし2週間近く経っても感染者数が減るどころか増加を続けており、昨日、この活動制限令のさらに2週間の延長が発表されました。
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 新規感染者数が1200名を超えたとはいえ、7割以上が東マレーシア(ボルネオ島)のサバ州に集中しており、首都圏ではスランゴール州で200名弱以外はクアラルンプールが10数名、プトラジャやは昨日は新規感染者が0名と、政府が数字を操作しているのではという疑惑が出るほど少ない数でした。

10月19日のニュース:タイ1部リーグ第9節-マレーシア代表トリオは出場せず、ポルトガル移籍のサファウィ・ラシドはU23の試合に出場、ケダ州FAはアイディル監督の留任交渉開始

タイ1部リーグ-マレーシア人選手は出場せず
 タイ1部リーグ第9節が10月17日に行われましたが、現在、タイ1部リーグのクラブに所属するマレーシア人選手は出場しませんでした。
 リーグ1位を快走するBGパトゥム・ユナイテッドは、日本人の石井正忠監督率いるサムットプラーカーン・シティFCとホームで対戦し、2−2と引き分け、開幕から7勝2分0敗と無敗記録を9と伸ばしています。
 BGパトゥム・ユナイテッドに所属するマレーシア代表のノーシャルル・イドラ・タラハは、前節第8節に続き出場が期待されましたが、この日はベンチ入りしたものの、出場機会がありませんでした。
 またドミニク・タンとモハマドゥ・スマレが所属するポリス・テロFCは、アウェイでPTプラチュワップFCと対戦し、こちらも2-2と引き分け、通算成績を4勝3分2はいとしています。
 ドミニク・タンはこの試合でもベンチ入りしたものの、9月12日のタイ1部リーグ再開後は初めて出場機会がありませんでした。また隔離検疫期間が明けて練習に参加したばかりのムハマドゥ・スマレはベンチ入りしませんでした。
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 スマレ選手は、別の報道ではMリーグ中断からパハンFA離脱後の7ヶ月間は十分な練習を行ってていないと話しており、チームに合流以降はチーム練習とは別にコンディショニングトレーナーと一緒にトレーニングを行なっていることを明らかにしています。

ポルトガル移籍のサファウィ・ラシドはU23の試合に出場
 タイでプレーする代表トリオも気になりますが、Mリーグ1部のジョホール・ダルル・タジムJDTからポルトガル1部リーグのポルティモネンセSCに移籍した代表のエース、サファウィ・ラシドも先週末に移籍後初の公式戦が控えており、マレーシアの衛星放送が急遽、この試合を生中継することを発表するなど期待が高まっていました。
 このブログでもブルネイ出身の「世界一リッチなサッカー選手」ことファイク・ボルキアとの対戦もあり得るか、という記事を取りあげましたが、残念ながらトップチーム合流、即デビューとはなりませんでした。
 それでもサファウィ選手は前日の10月16日(現地時間)に行われたU23リーグのポルティモネンセSCU23対スポルティングCP U23の試合に先発出場しています。試合はスポルティングCP U23が3-1で勝利しています。
 「ポルトガルのサッカーはマレーシアのサッカーとはかなり違うので、まだ学ばなければならないことがたくさんある。試合のペースやリズムが違っているので、試合中に考えている時間はなく、素早い判断が求められる。自身のパフォーマンスには満足しておらず、ベストなプレーが出来なかった。」とサファウぃ選手は試合後に話しています。
 トップチームのパウロ・セルジオ監督はサファウィ選手の練習を見て高評価をつけた一方で、トップチームデビュー前にポルトガルのサッカーに適応する必要があると話しています。

ポルティモネンセU23対スポルティングCP U23のハイライト映像(スポルティングCPの公式Youtubeチャンネルから)背番号10をつけたサファウィ選手がチラチラと映っています。

ケダ州FAはアイディル監督の留任交渉開始
 マレーシア語紙コスモ電子版は、Mリーグ1部ダルル・アマンFC(来季から。現在はクダFA)を運営するクダ州サッカー協会はアイディル・シャリン・サハク監督との留任交渉にあたり条件を聞く用意があると報じています。
 このブログでも取りあげましたが、アイディル監督にはMリーグの他のクラブ(その後の報道でスランゴールFC、クアラルンプールFA、パハンFA、マラッカ・ユナイテッドFC、ペナンFAの名前が具体的に上がっています。)や母国シンガポール、さらにはインドネシアのクラブも関心を持っていると報じられています。
 クダ州サッカー協会のアブドル・ラーマン・アブドラ副会長は、来季もアイディル監督が続けてダルル・アマンFCの指揮を取ることを望んでいると話しています。
 しかしその一方で、留任が実現するかどうかはアイディル監督が求める給料の額や来季に向けての選手獲得などでクダ州サッカー協会が対応できる範囲内であることが条件であるとしています。
 「アイディル監督のクラブへの貢献は計り知れず、今季2位という良い結果も残している。また選手やサポーターからも広く支持されているので、アイディル監督を手放す理由は全くない。来季の出場が決まっているAFCカップでもクラブの指揮を取ってもらえるよう、残留交渉を既に始めている。」とアブドル・ラーマン副会長は話しています。
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 記事の書き方もあるのでしょうが、クダ州サッカー協会はアイディル監督を全力で慰留しようという姿勢が伝わってこない報道が多い印象です。いまだ給料未払い問題を抱え、無い袖は振れない、というところなのでしょうが、昨季のFAカップ優勝、マレーシアカップ準優勝、そして今季はリーグ再開後からチームを立て直してリーグ2位としたアイディル監督を獲得したいクラブは多いはず。そんな中、有利な立場にいるはずのクダ州サッカー協会の本気度が伝わってこないのは残念です。

10月17日のニュース:FAMは8名の審判を処分、フェルダU旧運営会社職員がクラブ消滅を救う動き、サファウィ・ラシドのデビュー戦は「世界で最もリッチな選手」との対戦

FAMは8名の審判を処分
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版は、マレーシアサッカー協会FAMが今季Mリーグの試合を担当した審判8名に処分を下したと報じています。
 FAM審判委員会のムハマド・ダリ・ワヒド委員長は、査定に基づき2名の審判に後日決定される期限までの資格停止処分を、また他の2名の審判には2週間の資格停止処分を、残る4名の審判には戒告処分が出されたと述べています。なお、本来であれば処分を受けた審判は3部のM3リーグやU21チームが争うプレジデントカップなどの試合を担当して改善を図るということですが、今季はいずれも新型コロナウィルスの影響で中止になっていることから、資格停止などの処分が科されているということです。また戒告処分を受けた審判については今季の残りは線審のみを担当することも発表しています。
 ダリ委員長は複数のクラブが審判に不満を持っていることは理解していると話していますが、多くのクラブがメディアに対してその不満を述べるにとどまり、FAMの審判委員会に対してに今季はこれまでに正式な意見書を提出しているのはUITM FC、PJシティFC、トレンガヌFC、そしてサバFAの4クラブのみであることを明かす一方で、今季は1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグとも全体としては審判委員会が満足できるレベルで試合が進められていると話しています。
 ダリ委員長はこの他、マレーシアカップでは新たに10名の審判が起用されることも明らかにしています。
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 Mリーグでは審判のレベルの低さが度々話題になり、昨季2019年のマレーシアFAカップ決勝戦には、日本サッカー協会JFAを通じて依頼した主審、副審、線審計4名の日本人審判が担当するといったこともありました。FAMは審判のプロ化案なども発表していますが、実際には何も進んでいないようで、まだまだ審判に関する問題は起こりそうです。

フェルダU旧運営会社職員がクラブ消滅を救う動き
 今季をもってMリーグからの撤退を発表したフェルダ・ユナイテッドFCに新たな動きです。クラブの旧運営会社関係者がMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグを訪れ、新たなスポンサーに関する書類を手渡す予定であると英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 旧運営会社であるファイターズ社のアフィザル・アブ・オスマン前事務局長は、クラブの名称は変わる可能性を認めながら、来季もチームが存続できることに希望を持っていると話しています。
 創部以来13年間Mリーグでプレーしたフェルダ・ユナイテッドFCは、クラブの運営権がファイターズ社からクラブの母体でもある政府関係機関のフェルダ(連邦土地直轄庁)に移った直後の10月6日に経済的理由を挙げてMリーグからの撤退を発表しています。また撤退発表とともに旧運営会社の職員16名全員が解雇されましたが、この旧職員がフェルダ・ユナイテッドFC存続のために活動を続けています。
 アフィザル前事務局長は、クラブは新しいスポンサーを獲得できたとして、MFLが期限とした10月19日までにクラブ存続のための書類を用意したいと話しています。なお新しいスポンサーについて、アフィザル前事務局長は何も明かしていないということです。
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 この記事を読んで思いついたのは、もしかしてこのフェルダ・ユナイテッドFCがプトラジャヤを本拠地とするクラブになるのでは、ということです。プトラジャヤを含む連邦直轄地を担当するアヌアル・ムサ連邦直轄地相が、来季からプトラジャヤにMリーグクラブができると発言してネット上で炎上した記事を先日、取り上げましたが、フェルダが手放したクラブをそのまま横滑りでプトラジャヤに持ってくれば、撤退によるリーグのチーム数減を心配するMFLが、新クラブを下部リーグからスタートさせず、そのままMリーグに残す可能性もあります。
 フェルダ・ユナイテッドFCでプレーする選手の中にはプトラジャヤに住んでいる方もいるようなので、実現すれば朗報ではないでしょうか。

サファウィ・ラシドのデビュー戦は「世界で最もリッチな選手」との対戦
 Mリーグ1部のジョホール・ダルル・タジムJDTからポルトガル1部リーグのポルティモネンセSCに移籍したサファウィ・ラシドは、本日10月17日に行われる第4節でCSマリティモ戦でのベンチ入りが期待されていますが、この試合は東南アジア出身選手が所属するチーム同士の争いとしても注目されています。
 その理由はCSマリティモにブルネイ出身のファイク・ボルキアが所属しているからです。ブルネイのボルキアと聞いてピンと来た方がいるかも知れませんが、このファイク・ボルキア選手はブルネイ国王ハサナル・ボルキアの甥にあたます。世界でも有数の裕福なブルネイ王家の一員でもあることから、「世界一リッチなサッカー選手」とも呼ばれています。
 とは言え、サッカーの実力で言えば、今年9月に英国1部リーグのレスターシティU23からCSマリティモに移籍してきたファイク・ボルキア選手の市場価値はトランスファマルク上では「評価なし」であるのに対し、サファウィ選手は30万ユーロ(およそ3700万円)とされており、その差は歴然です。
 額面通りの実力なら、2人がフィールドで対峙する機会はなさそうですが、それでもポルトガルという異国の地でマレーシアの選手とブルネイの選手が対戦するというのは東南アジアのサッカーファンにとっては十分注目に値するのではないでしょうか。特にサファウィ選手は開幕から3試合でわずか勝点1のポルティモネンセSCの救世主となれるかどうかも注目です。
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 今日の試合はマレーシアの衛星放送アストロアリーナでも生中継されるようです。史上初となるポルトガルリーグ生中継で果たしてサファウィ選手の勇姿は見られるでしょうか。なおチャンネルは801と802HDです。

10月9日のニュース:フェルダUに来季Mリーグ残留の可能性が浮上か、ポルティモネンセSCがサファウィ・ラシドを披露、Mリーグ2部のクチンFA対KLFAの試合日程が変更

フェルダUに来季Mリーグ残留の可能性が浮上か
 先日報じられたMリーグ1部のフェルダ・ユナイテッドFCのリーグ撤退ですが、新たな展開が報じられています。
 マレーシアのスポーツ専門サイトのスタジアムアストロは、フェルダ・ユナイテッドFCの運営会社FUFC the Fighters社(Fighters社)から経営を引き継ぎながら、Mリーグ撤退の決断を下したフェルダ連邦土地開発庁ですが、フェルダの経営トップが来季のMリーグ参加を了承していると報じています。
 またFighters社のニック・ハスルル・ザイヌディン会長とアフィザル・アブ・オスマン事務局長がマレーシアサッカー協会FAMを訪れて、状況説明を行なったとも報じられていますが、その際にスタジアムアストロがインタビューを求めた際には、後日、声明を発表すると答えるに止まっています。
 来季2021年シーズンに参加する条件として、FAMはMリーグ1部と2部の全クラブに民営化が求められていましたが、フェルダ自体はフェルダ・ユナイテッドFCがその手続きを行うことを認め、クラブはFAMより条件付きながら民営化承認を受けていました。そんな中で突如発表されたリーグ撤退には不明な点が多くありましたが、その内容が少しずつ明らかになっています。
 民営化に際して、フェルダはFAMに対してフェルダ・ユナイテッドFCがこれまで使用していたクラブのロゴとフェルダ・ユナイテッドFCの名称使用を禁じることを通達しているということですが、その一方で、フェルダ・ユナイテッドFCのFIghters社はフェルダの支援を受けずにクラブ運営が可能であるとしています。
 Fighters社のアフィザル事務局長は、今後はFAMとフェルダ間の話し合いになるとして、フェルダ経営陣がリーグ撤退について再検討してくれることを望んでいると話しています。

ポルティモネンセSCがサファウィ・ラシドを披露
 Mリーグ1部ジョホール・ダルル・タジムJDTからポルトガル1部のポルティモネンセSCに今季末までの期限付きで移籍したサファウィ・ラシドがクラブの公式サイトで紹介されています。
 ポルティモネンセSCのロジニー・サンパイオ会長は「サファウィ選手を知っている人は多くないが、中島翔哉選手(現FCポルト)を獲得したときも同様だった。サファウィ選手には中島選手と同じように成功してもらいたい。」と記者会見で話しています。
 背番号29のユニフォームを着て会見に参加したサファウィ選手は、自分の実力が示せるような機会が与えられることを望んでいるとし、クラブの勝利のために全力で貢献したいと話しています。「中島選手やブルーノ・タバタ(現スポルティングCP)ら多くの選手がこのクラブからより大きなクラブへと移籍していることを知っている。しかし自分はこのクラブのためにできることをやっていきたいと話しています。

サファウィ選手の記者会見の様子-ポルティモネンセSCの公式Youtubeより

Mリーグ2部のKLFA対クチンFAの試合日程が変更
 Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは本日10月9日にクアラルンプールフットボールスタジアムで開催予定だったクアラルンプールFA対クチンFAの試合日程の変更を発表しています。
 Mリーグ今季最終節となる試合でしたが、クチンFAはアウェイとなるクアラルンプールFA戦後に本拠地のあるサラワク州に戻るとサラワク州政府が渡航者に求める2週間の自宅隔離を行わなければなりません。その場合、Mリーグ終了後の10月25日開幕予定のマレーシアカップ1回戦までほとんど練習を行えなくなることから、クチンFAから日程変更の公式な要望が出ていたということです。
 新たな日程はまだ発表になってはいませんが、クアラルンプールFA戦後にサラワク州に戻らずにマレー半島に残ってマレーシアカップ1回戦に臨むような日程となるようです。
 マレーシアカップはMリーグ1部の上位11クラブと2部の上位5クラブに出場資格が与えられますが、クチンFAは前節第10節でJDTのBチームJDT IIを破り5位以上を確定させており、クラブ史上初となるマレーシアカップ出場権を獲得しています。

10月4日のニュース:スランゴールFCが正式名称に、JDT選手関係者への観戦を「特別許可」したMFLに批判が集まる、本日のクダFA対マラッカU戦はクアラルンプールに会場を移して明日開催、サファウィ・ラシドがポルトガルへ出発

スランゴールFCが正式名称に
 Mリーグ1部と2部の全クラブに義務付けられた民営化の期限となっていた9月30日を過ぎ、マレーシアサッカー協会FAMから民営化認定を受けたクラブが続々と来季2021年シーズンから使用する新たな名称を発表する中、スランゴール州サッカー協会(スランゴール州FA)は公式サイト上で、Mリーグ1部のスランゴールFCは、正式名称をスランゴールFCとすることを発表しています。
 今季2020年シーズンからスランゴールFCの名称は使われていましたが、これまではあくまでも通称であり、今回の民営化を受けてスランゴールFCが正式名称となりました。またこの民営化により、スランゴールFCはスランゴール州FAから独立し、レッドジャイアント社が運営会社となり、スランゴールFCの他、BチームとしてMリーグ2部でプレーするスランゴール2の他、女子チーム、U21チーム、U19チーム、そしてフットサルチームがスランゴールFCの傘下となります。
 一方、スランゴール州FAは同州内サッカーの発展に注力し、コーチや審判の養成や州内のアマチュアクラブや学校対抗の大会の主催などを担うということです。

JDT選手関係者への観戦を特別許可」したMFLに批判が集まる
 10月2日に行われたMリーグ第10節のサバFA戦に勝利し、今季のMリーグ1部優勝とリーグ7連覇を達成したジョホール・ダルル・タジムJDTですが、今季のMリーグの試合は無観客試合で実施されることになっているにもかかわらず、選手の家族など関係者がスタンドで観戦していたことが発覚し、これを許可したMリーグ主催者のマレーシアフットボールリーグMFLに批判が集まっています。
 観戦が発覚したきっかけは、JDTのアキヤ・ラシドの彼女がこの日のスタンドからの観戦写真をインスタグラム上に投稿したことでした。この投稿に多くのファンがネット上で反応し、観戦禁止を通達しているはずのMFLに説明を求める声が上がりました。なお、この投稿は現在は削除されています。
 その後、MFLはアブドル・ガニ・ハサンCEO名で声明を発表し、その中でJDTから申請のあった「小規模」の選手関係者のスタンド観戦を「特別に許可」したことを認めています。
 その内容は「この日の試合は優勝が決まる可能性がある試合であり、優勝トロフィーの需要なども行われる可能性があったことから、JDT側から正式に選手の家族など関係者の観戦許可申請が出されていた。MFLは議論を重ね、試合会場の構造上、小規模の選手関係者がスタンドで観戦しても標準作業手順SOPが遵守できると判断して、入場時の体温測定やスタジアム内での自由な移動禁止などを条件に許可した。」というものでした。
 MFLの公式Facebookに投稿されたこの声明に対しては2900件を超える反応と、1900件を超えるコメントが投稿されており、「(2部優勝の)ペナンFAも家族をスタンドに呼ぶべきだ、」「結局、JDTだから許可されたのであって、他のクラブならこんな申請はMFLに一蹴される。」と言ったものから、「UEFAチャンピオンズリーグで優勝したリバプールFCですら家族はスタジアムで観戦できなかったのに。」「写真がネット上に出回ってから後追いのコメントとは。試合前にMFLがこれを公表できなかった理由は何か。」など、多くのファンがMFLの対応を批判しています。
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 MFLに対しては批判とは別に、何も期待していないと言った旨のコメントも散見され、ファンからの信頼が低いことが改めて露呈した形になりました。マレーシアに住んでいるといわゆる「ダブルスタンダード」に遭遇することはよくありますが、これだけはっきりしたケースは批判を受けるのは当然ですが、このようなことが続くと本当に現在のMFLにリーグ運営を任せても大丈夫なのかという不安も高まります。またこの一件でJDTの7連覇の偉業にも結局、ケチがついた形で残念です。

本日のクダFA対マラッカU戦はクアラルンプールに会場を移して明日開催
 Mリーグを主催するマレーシアフットボールリーグMFLは、公式Facebook上で本日10月4日に予定されているMリーグ1部第10節クダFA対マラッカ・ユナイテッドFC戦を明日10月5日にクアラルンプールのクアラルンプールフットボールスタジアムで開催すると発表しています。
 クダ州での新型コロナウィルス感染者が国内2位の102名(10月4日時点)となったことにより、クダFAの本拠地クダ州アロースターのダルルアマンスタジアムでの試合開催に懸念が持たれていました。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEO名で出された発表によれば、今回の変更はクダ州首相でもありクダFAを運営するクダ州サッカー協会の会長を務めるムハマド・サヌシ・ムハマド・ノー氏とマラッカ州首相でやはりマラッカ州サッカー協会の会長であるスライマン・モハマド・アリ氏が試合会場と日程の変更に同意した結果によるものだとしています。
 この試合は当初、10月2日に予定されていましたが、前節第9節にサバ州でサバFAと試合を行ったマラッカ・ユナイテッドFCが、国内で最大の155名(10月4日時点)の新型コロナウィルス感染者が見つかっているサバ州から戻った際、マレーシア政府が導入したサバ州からの渡航者に対する新型コロナウィルス検査の義務化と検査結果が出るまでの隔離措置によって練習が行えなくなったことから、試合日が10月4日に変更になっていました。

サファウィ・ラシドがポルトガルへ出発
 Mリーグ1部で7連覇を達成したジョホール・ダルル・タジムJDTのサファウィ・ラシドが移籍先となるポルトガル1部リーグのポルティモネンセSCに合流するため、マレーシアを出国しました。
 2017年にJDTに加入したサファウィ選手は現在23歳で、JDT在籍の4年間で101試合に出場し、47ゴールと18アシストの成績を収めた他、2018年と2019年にはMリーグの最優秀選手賞も受賞しています。また今季2020年シーズンは10試合に出場し7ゴールを決めています。
 サファウィ選手のポルティモネンセSC移籍は、1年間の期限付き移籍ということです。